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原子力発電事業の グローバル競争と人財

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原子力発電事業の グローバル競争と人財
Document No.
: G3-1095 Rev.1
Export Control No.: PSN-2010-1361
原子力発電事業の
グローバル競争と人財
2010年 11月 13日
常任顧問
庭野 征夫
(C)Copyright TOSHIBA CORPORATION 2010
1/20
世界のエネルギー動向
地球環境問題と原子力発電
原子力発電の現状と今後
日本の役割と国際展開
(C)Copyright TOSHIBA CORPORATION 2010
2/20
世界のエネルギー需要動向
【一次エネルギー需要 (1980年→2007年→2030年)】
15
15
18
18
19
19
欧州(OECD)
14
14
14
14
ロシア他(非OECD)
30
30
74
74
15
15
中東
アフリカ
28
28
21
21
42
42
10.3
10.3
5.5
5.5
1.3
1.3
8.7
6.3 8.7
2.7
2.76.3
18
18
北米
5.5
2.9
2.9 5.5
アジア
億トン(石油換算)
200
世界全体
150
100
1.7倍
1.4倍
168
120
72
0
中南米
15
10
5
50
国際エネルギー機関(IEA)レファレンスシナリオ
出典:OECD/IEA World Energy Outlook 2009
円/Mcal
8.2
8.2
1980
石油価格動向
2007
2030
0
アジアを中心に特に発展途上国での需要が急増
(C)Copyright TOSHIBA CORPORATION 2010
3/20
世界の一次エネルギー需要の推移(燃料別)
依然として化石エネルギーが80%と主流
その他 3.0%
16000
世界のCO2排出量
の推移
12000
他の
その
2007年
ギー
35
マス
オ
イ
バ
水力
力
原子
産業部門
21.9%
10000
ル
エネ
生
再
25
20 Gt
8000
15
ガス
80% 石油
2000
化石燃料
81%
81%
80%
50
石炭
0
1980
1990
(C)Copyright TOSHIBA CORPORATION 2010
2000
西暦
100
2010
2020
2030
0
化石燃料割合 %
6000
85%
30 CO2
排出量
石油等価重量 メガトン
建築物部門
10.9% 転換部門
輸送部門
(発電所等)
22.9%
41.3%
14000
4000
40
【世界のCO2排出量構成 2007年】288億トン
世界の
18000
出典: OECD/IEA World Energy Outlook 2009
4/20
世界のエネルギー動向
地球環境問題と原子力発電
原子力発電の現状と今後
日本の役割と国際展開
(C)Copyright TOSHIBA CORPORATION 2010
5/20
環境対策、燃料確保における原子力の優位性
世界の発電量に占める
電源構成(燃料別)
35000
30000
エネルギー資源の確認可採年数
石 油
石 炭
天然ガス
ウラン
0
その他再生エネルギー
バイオマス
水力
発電量 テラワット時
原子力
25000
42年
122年
60年 核燃料サイクルにより
100年
約3000年
100
200
300年
各種電源別のCO2排出量
1971~2000の年平均
1971~2000の年平均
g-CO2/kWh(送電端)
20000
1000
ガス
全球平均気温上昇
石油
15000
石炭
中小水力
53 29 2238
25 15 11
130 111
0 88
地熱
(C)Copyright TOSHIBA CORPORATION 2010
408
原子力
出典: OECD/IEA World Energy Outlook 2009
200
478
風力
0
704
太陽光
2030年
400
設備・運用
519
(
複合)
LNG火力
LNG火力
2015
887
石油火力
2007
発生要因
燃料の燃焼
608
石炭火力
0
100
50
5000
800
600
化石燃料割合 %
10000
975
742
出典:原子力・エネルギー図面集 2010年版」 (財)日本原子力文化振興財団
6/20
再生可能エネルギーと原子力発電の比較
経済性
供給安定性
建設コストの比較(100万kW電源) ※
スマートグリッド
風力発電:山手線の3.4倍の面積
(約214km2)(約8700億円)
太陽光発電
風力発電
電池
電池
風力発電の1日の出力変動例
太陽光発電
山手線とほぼ同じ面積
(約58km2)(約3.9兆円)
原子力発電所 1基
(約0.6km2)(約2800億円)
※※
太陽光発電の1日の出力変動例
※※
出典: ※
第1回低炭素電力供給システム研究会資料 2008年7月
※※ 「原子力・エネルギー図面集 2010年版」 (財)日本原子力文化振興財団
安定供給を実現する大規模電源としては原子力がもっとも経済的
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7/20
原子力発電への期待
80
世界の建設実績
(~2009)
CO2半減への期待
1400
60
1200
50
1000
40
800
累計発電設備容量
30
600
)
20
400
10
0
今後40年間、年平均30基
ベースの建設が必要と予測
1950
1960
1970
1980
1990
出典:日本原子力産業協会「世界の原子力発電開発の動向2010年版」
IEA 「Energy Technology Perspectives 2010」
2000
2010
2020
2030
2040
累計発電設備容量(
GW)
年平均建設基数 基( 年/
70
1600
200
0
2050
※ 新設は、IEA 「Energy Technology Perspectives 2010」の予想、
リプレース分は、60年運転を想定し、東芝試算
2050年まで、1200基の建設が必要と予測
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世界のエネルギー動向
地球環境問題と原子力発電
原子力発電の現状と今後
日本の役割と国際展開
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世界の原子力発電所運転設備容量
アメリカ
発電電力量に占める原子力発電の割合*→(19%)
フランス
日
(78%)
(24%)
本
(16%)
ロ シ ア
(22%)
ド イ ツ
韓
国
(34%)
ウクライナ
(15%)
イギリス
(16%)
スウェーデン
中
国
スペイン
54基 48.8GWe
*原子力構成比率データは2007年実績
原子力基数、設備容量は2010年1月1日現在
世界の設備容量シェア
17基 21.5GWe
20基 17.7GWe
18基 13.3GWe
19基 12.0GWe
10基 9.4GWe
(2%)
59基 66.0GWe
27基 23.2GWe
15基 13.8GWe
カ ナ ダ
104基 105.3GWe
11基 9.1GWe
8基 7.7GWe
スペイン 2%
その他
中 国 2%
10%
スウェーデン 2%
英
国 3%
カ ナ ダ 3%
432基
(389.2GWe)
ウクライナ 4%
韓
アメリカ
27%
日本
13%
フランス
17%
国 5%
ド イ ツ 6%
ロ シ ア 6%
出典:日本原子力産業協会 「世界の原子力発電開発の動向 2010年版」
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新規建設推進の状況と見通し
国
ロシア
欧州
26.0兆円
(135GW→202GW)
17.9兆円
(22GW→74GW)
中国
63.5兆円
(9GW→189GW)
韓国
米国
3.3兆円
(18GW→33GW)
15.5兆円
(101GW→141GW)
【需要増加のシェア】
日本
中東
7.7兆円
(47GW→68GW)
11.6兆円
(0GW→30GW)
インド
南アフリカ
名
**兆円: 2025年までに新たに生じると予想される市場規模の金額
(**GW→**GW):現在の設備容量と2025年に予想される設備容量
16.6兆円
(4GW→48GW)
2.8兆円
(2GW→9GW)
金額は1GW当たり4,000億円と仮定し経済産業省が試算。
ただし建設中のプラントは除く。
東南アジア
8.8兆円
(0GW→22GW)
南米
2.7兆円
(3GW→10GW)
2025年(推定値)に
予想される設備容量
【合計 826GW】
2009年の設備容量
【合計 341GW】
韓国
3%
日本
4%
その他
3%
ロシア
11%
米国・欧州
22%
東南アジア、
中東11%
中国・インド
46%
原子力発電市場
米国・欧州:オープンな市場
中国・インド:急拡大市場
東南アジア、中東:新規導入国
【増分 485GW 】
先進国のみならず、発展途上国でも原子力発電新規導入の機運
(C)Copyright TOSHIBA CORPORATION 2010
出典:第23回原子力部会 資料2 資源エネルギー庁
11/20
世界的な新規導入予定・検討国の拡がり
■ 既に原子力発電を導入している国及び地域は 31
■ 今後新たに導入を検討、予定している国は20カ国以上
欧州
フランス
ドイツ
フィンランド
イギリス
ロシア
ウクライナ
スウェーデン
スペイン
ベルギー
ブルガリア
スイス
スロバキア
ハンガリー
チェコ
スロベニア
ルーマニア
オランダ
アルメニア
リトアニア
カザフスタン
グルジア
ベラルーシ
ポーランド
イタリア
アジア
日本
韓国
インド
中国
パキスタン
台湾
インドネシア
タイ
ベトナム
マレーシア
バングラデシュ
フィリピン
中南米
ブラジル
メキシコ
アルゼンチン
チリ
(C)Copyright TOSHIBA CORPORATION 2010
北米
アメリカ
カナダ
アフリカ
南アフリカ
アルジェリア
エジプト
モロッコ
リビア
ガーナ
ナミビア
ナイジェリア
ウガンダ
中東
UAE
イラン
イスラエル
イエメン
トルコ
ヨルダン
湾岸協力会議
加盟国
湾岸協力会議加盟国:
UAE、バーレーン、クウェー
ト、オマーン、カタール、サ
ウジアラビア
出典:経済産業省作成資料
2009年5月現在
12/20
世界のエネルギー動向
地球環境問題と原子力発電
原子力発電の現状と今後
日本の役割と国際展開
(C)Copyright TOSHIBA CORPORATION 2010
13/20
先進国プラントメーカの再編と新興勢力の台頭
軽水炉
軽水炉
<官民一体の新興勢力>
東芝グループ
韓国
韓国
東芝(日)
WEC(米)
自国で建設中
ABWR、1385MWe
AP1000、1100MWe
国内営業運転中、米国で受注
中国で建設中、米国で受注
APR1400
1400MWe
韓国電力(統括・計画)
GE-H(米)
ABWR
1385MWe
ESBWR
1550MWe
国内営業運転中
米国型式認定取得中
斗山重工(製造)
日立GE(日)
大宇等(建設)
KHNP(運転)
ロシア
ロシア
AREVA NP (仏)
EPR
1650MWe
KARENA
1250MWe
建設中
開発中
提携
三菱重工(日)
ATMEA1
1100MWe
開発中
APWR
1700MWe
安全審査中
両社で共同開発中
VVER1000
1000MWe
運転中・建設中、ベトナムで受注
ロスアトム
アトムエネルゴプロム(統括)
トヴェル(燃料)
ロスエネルゴアトム(運転)
(C)Copyright TOSHIBA CORPORATION 2010
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日本の強み(1) -高度な建設技術力-
日本の建設推移
ABWR開発
国産初の1100MWe級
原子力発電所建設
東京電力
福島第二1号機
最適化設計
F/S 基本設計研究
世界最短工期36ヶ月
中部電力浜岡4号機
(コンクリート打設から
燃料装荷まで)
世界初ABWR
東京電力
柏崎刈羽6号機
国産初号機建設
東京電力
福島第一3号機
建設基数 基( 年/ )
(ガス炉日本原電東海1号機)
50
40
世界の建設推移
30
20
10
0
1,000
1950
1979年3月28日
米国TMI事故
日本の軽水炉初号機
1970年3月
日本原子力発電
敦賀1号機
1960
1986年4月26日
旧ソ連チェルノブイリ事故
800
600
400
200
1970
1980 西暦 1990
2000
0
2009
約半世紀にわたりプラント建設を継続
(C)Copyright TOSHIBA CORPORATION 2010
EPC: Engineering Procurement & Construction
FS: Feasibility Study
4S: Super-Safe, Small and Simple
累計発電設備容量(
GW)
第二次改良標準化
第一次改良標準化
▼TMI
▼チェルノブイリ
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日本の強み(2) -設計・製造技術力-
炉心設計、燃料開発
(東芝臨界実験炉 NCA)
機器設計(蒸気タービン)
設計、製作、据付(中央制御盤)
電気・電子、計測制御、物理、人間工学
炉物理、原子力工学
配置計画、工事計画、工程管理、
機器設計(原子炉内構造物) 建設・機器据付、試運転
機械加工、溶接、熱・流体、材料
機械、電気、計測制御、化学、放射線防護
耐震設計
(東芝耐震試験装置) 原子炉内流動解析
機械工学、物理
物理、数学、熱・流体
(C)Copyright TOSHIBA CORPORATION 2010
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原子力発電に関わるプロセス
資源の確保から再処理までを含めたサイクルとして確立する必要
フロントエンド
採鉱
原子燃料サイクル
精錬工場
バックエンド
再処理工場
一時保管
処分
処分
転換工場
MOX燃料加工工場
使用済燃料
中間貯蔵施設
処分
ウラン濃縮工場
再転換工場
原子力発電所
(軽水炉)
ウラン燃料工場
参考:資源エネルギー庁「原子力2009」
軽水炉と高速炉でウランを有効活用しエネルギーを安定供給
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17/20
東芝の事業展開 -世界の原子力需要に応える-
< 原子燃料サイクル >
フロントエンド
ウラン
生産
転 換
原子力プラント
濃 縮 再転換
アライアンス
ウラン資源・権益の確保
【カザフスタン】
ハラサン鉱山プロジェクト
参画 (2007年)
【英国】
スプリングフィールズ社の
燃料事業獲得 (2010年)
【米国】
ウラン濃縮会社USEC社
へ出資 (2010年)
成型
加工
バックエンド
原子力発電所
建 設
運転・保守
再処理
廃 炉
WEC買収・ビジネス領域の拡大
ABWR, AP1000の建設
【米国】
ABWR 2基、AP1000 6基
EPC契約*
(2008年~2009年)
【中国】
AP1000 4基着工
(2009年)
【フィンランド】
次期プラント向けABWR
FS*完了 (2009年)
MOX燃料
運転プラントの価値向上
【米国】
テネシー州チャタヌガに
BWR訓練センターを開設
(2009年)
核不拡散技術
次世代技術の開発
【再処理】
プルトニウムのみ単独で
は抽出できない溶融塩電
解方式
【高速炉】
最長30年間燃料交換不
要な分散型電源として小
型高速炉4Sを開発*
世界規模での原子燃料サイクル確立に向けた体制構築
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EPC: Engineering Procurement & Construction
FS: Feasibility Study
4S: Super-Safe, Small and Simple
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東芝原子力グループの海外拠点
ウェスティングハウス
(スウェーデン、ヴァステロス)
ウェスティングハウス
(米国、ピッツバーグ)
ウェスティングハウス
(米国、サンノゼ)
東芝エンジニアリングセンター
(横浜、磯子)
BWR訓練センター
(米国、チャタヌーガ)
東芝アメリカニュークリア
エナジー社(ワシントン)
ウェスティングハウス
(米国、コロンビア)
東芝アメリカニュークリア
エナジー社(シャーロット)
世界16ヶ国、約60ヶ所のグローバルEPC拠点
(C)Copyright TOSHIBA CORPORATION 2010
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発展途上国への原子力発電導入
単なる支援にとどまらない国際協力が必要
安全文化の醸成
法制度の整備
核セキュリティの確保
ベトナムハノイ工科大学
原子力人材育成のための
東芝独自の冠講座開設
日本が主導する近隣アジア
諸国に対する原子力平和
利用協力の枠組み
技術移転への対応
インフラ整備
ファイナンス
これらを進めるための課題
国際標準の拡大化
異文化の理解と適合化
新しいビジネススタイルの構築
(C)Copyright TOSHIBA CORPORATION 2010
20/20
Fly UP