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中村光廣(F) - 名古屋大学 物理学教室
原子核乾板による ニュートリノ/暗黒物質研究 中村光廣 F研 OPERA 名大F研主導の史上最大の 原子核乾板実験 730km 730km タウニュートリノ出現検出によ るニュートリノ振動現象の存在 の最終検証を行なう 日欧共同研究 : 研究者:180 名, 研究機関 33 (12 ヵ国) 2006年 8月:最初のニュートリノ 2008 RUN : 約1000反応 2009 RUN : 約2000反応 2010 RUN: 約3000反応 ニュートリノ質量 ニュートリノ振動 1962年中川、牧、坂田 坂田昌一博士(名古屋大学)(1911-1970) 今回のOPERAのνμ→ντ反応 濱田 野々山 吉岡 A. Ereditato - LNGS - 31 May 2010 2010年6月 佐藤修 Neutrino2010で発表 D論 4 拡大 Zoom 濱田 野々山 吉岡 A. Ereditato - LNGS - 31 May 2010 2010年6月 佐藤修 Neutrino2010で発表 D論 5 宇宙にある ニュートリノの数: 原子の総数の数 億倍 ニュートリノの重さ 水素原子の数億分の一 より重ければ・・・ F研固有のモチベーション Fermilab E531 + CHORUS 宇宙の暗黒物質として面白い 質量領域の探索 E531 CHORUS 1981,1986 1998, 2001 振動に上限 OPERA CNGS 80 P r 0 Ge ot on V TEVATRON Muon Sweeping Magnet Iron/Pb Shield Tungsten Beam Dump 1m long Emulsion- Scintillating Fiber Hybrid Target DONUT Prompt Neutrino Beam Emulsion-SFT hybrid Target The OPERA Detector @ Gran Sasso, Italy OPERA実験の三技術要素 • タウニュートリノを捕まえる原子核乾板技術 → F研 (DONUTの3000倍の標的) • 純粋なミューニュートリノビームを生成する技術 → 欧州原子核機構CERN • ニュートリノが振動するのに十分な時間 → スイスーイタリア 730km CERN GranSasso → 検出器の設置/実験の遂行 イタリア The OPERA Detector @ Gran Sasso, Italy 15万個の ECC:ニュートリノ反応を写すフィルムカメラ Gran Sasso Hall C OPERA ECC 鉛板(1mm) / 原子核乾板 (OPERA film) サンドイッチ ~ DONUT ECC と同構造 1 mm Pb 原子核乾板 56 鉛板+ 57 フィルム 総数15万個 100mm 125mm フィルム930万枚 リフレッシュ 中村琢 D論 (Nagoya Univ. ) R&D @ Nagoya & Fujifilm リフレッシュ条件 ・T= 30℃ ・RH >95% 3日 名古屋の夏! 前 後 B.G. > 30tracks / mm2 B.G. < 1tracks / mm2 Refresh処理により製造時に蓄積される宇宙線、自然放射能による 使用前に記録された不要な飛跡を B.G.飛跡を98%以上消去可能! ~98% 消去 岐阜県土岐市 東濃鉱山のフィルムリフレッシュ施設 2004年1月 作業風景@東濃鉱山 作業風景 地下96mの第1リフレッシュ室 第1Refresh室 現在ニュートリノ反応を蓄積中 記録された反応例 ( one - event ) 中野敏行 開発 世界最高速自動飛跡読取装置SUTS 東濃鉱山OPERA解析センター 耐震工事で東山キャンパスを追い出される。 2011年4月に東山キャンパスへ帰還 博士の収穫期 長縄、森島、福田(2009)、野々山、濱田、吉岡(2010) LNGS European Scanning System Nagoya 欧州で活躍する 連中はF研で研修 /研究経験を積 んだイタリア人、ト ルコ人 そして 日本人博士たち 有賀、古川、河田 Super-UltraTrack Selector (Japan) 25 名大のオリジナル: 原子核乾板技術 発展中 • 応用研究 : 宇宙線ラジオグラフィー 火山・熔鉱炉の透視 中性子ラジオグラフィー • 基礎研究 : 暗黒物質の検出 (=暗黒物質望遠鏡) 2010年 原子核乳剤の開発を開始 次世代読み出し装置の開発開始 火山の透視 muon 中野敏行ー田中(東大地震研)共同プロジェクト なぜ原子核乾板? 電気不要!置く場所を選ばない 昭和新山 昭和新山の宇宙線写真 世界初の成果 昭和新山 浅間山 Mt. Asama 結果 ECC Muon Detector 宮本(東大地震研 F研OB OPERAで博士)普賢岳のデータ収集中 熔鉱炉の健康診断 • 熔鉱炉は二酸化炭素の二大発生源のひとつ である。 • 高炉は時々体調が悪くなって、コークスの無 駄炊きが起こる。いったいどこが悪いのか? • 高炉の中は誰も見たことがなかった!!! 宇宙線ミューオン非破壊検査 実測 高炉のイメージ図 予測 中野敏行ー新日鐵 共同プロジェクト 宇宙の構成要素 地球をすり抜けてゆく 暗黒物質の直接検出 暗黒物質の 風 Earth 暗黒物質 Sun 230km/sec 蹴っ飛ばされた 原子の飛跡 長さ~ 200nm Vrecoil = 2 ( Vsun + VWIMP ) = 100~1000km/sec 暗黒物質検出用原子核乾板 OPERA 用フィルム 200nm 暗黒物質検出 200nm 原子核乳剤開発 F研-富士フィルムOB共同プロジェクト 暗黒物質検出用原子核乳剤 名大製造の第一号:NNK001T α線の飛跡 暗黒物質に蹴飛ばされた原子の飛跡の模擬 84Krイオンを打込 確かに写る 夏目D論 600 nm Kr 1200km/sec (600keV) expected range : 500nm 電子顕微鏡像 600keV Kr 飛跡 引き伸ばし! 中竜大 D論 拡大画像 2μm 光学顕微鏡像 Confirmation of tracks by Xray Microscope 田原氏(Ux)との共同研究 SPring-8 BL47XU @Japan 8keV Xray 光学顕微鏡によるselection Trackのある視野をX線顕微鏡で pinpointでチェック Fiducial markで座標を作成し、machingさせる。 ・X線顕微鏡ステージ精度:0.5μm 非破壊かつ高分解能な観察が ・焦点深度:70μm 可能!! ・空間分解能: 100nm 中竜大 D論 光学イメージとX線イメージの対応付け Optical image X-ray image 200nm Range=752nm ↓ Original range=376nm 5grain track Range=344nm ↓ Original range=172nm 2grain track Range=262nm ↓ Original range=131nm 2grain track 光学でのtrack selection ⇒ X線顕微鏡での詳細解析のプロセスを実証。 ただし、X線顕微鏡のemulsionに対する最適化はもう少し必要。 高感度原子核乳剤開発 長縄ー桑原(富士OB)共同プロジェクト 新乳剤(高銀・Na型)最小電離粒子飛跡 GD=80.4±4.5 !! FD= 7.3±2.2 100μm OPERA Film GD=34.8±0.6 FD= 3.7±0.4 100μm 高速カメラ群と 大型対物レンズ X軸:高速ステップ 反転同期駆動 対物レンズの 上下駆動機構 Y軸:通常駆動 フィルム交換 超高速顕微鏡ステージの構想図 照明光学系 位置微調整 上下退避駆動 市販の定盤 1mx2m 縦1m、横2m、高さ1.5m、重さ1.4トン 中野、駒谷 次期計画 Optical system for new nuclear emulsion readout Resolution ~420nm N.A. 0.65 Exposure light source g-line (435nm) Reduction ratio 1:12.2 F.O.V. 5.1 (H) 5.1 (V)mm # of image plane 6 (by Beam splitter) コニカミノルタとの共同開発 ナックとの共同開発 Image sensor prototype 9/image plane ×12.2 (0.45m) 5.000mm (0.409mm) 61.664mm (5.043mm) 0.985mm (0.081mm) 59.994mm (4.91mm) カッコ内の寸法は物体側寸法 Pixel pitch : 5.5m (2048 1088) Effective area : 11.264mm × 5.984mm Package dimension : 18.65mm × 13.50mm Sensor pitch : 20.56mm × 20.00mm 1868×2 × 909×4 FOV: 25mm2×12.5%×4 Throughput: 4500 cm2/h @10view/s 5mm/0.02sでのステップ動作 + 停止時の揺動 0.1μm以内 同一平面、同一軸上に重心と駆動点を合せる 河合(金工)-安川電機共同プロジェクト Evolution of the Scanning Power Speed in cm2/h 4500-9000 10000 1000 72 100 10 1 1 0 .0 8 2 0.1 0.01 0.001 0 .0 0 3 TS(TTL) NTS(CPLD) UTS(FPGA) SUTS(FPGA)NEW(GPGPU?) まとめ • OPERAの成果が出始めた! 世界初のLepton Flavor Violationの直接観測!! 名大発のニュートリノ振動研究の集大成 → 反ニュートリノの怪 への挑戦も • 広がる応用研究 火山、熔鉱炉の非破壊検査(地震研、会社との共同) • 更なる技術開発による物理の最重要課題 暗黒物質検出へ挑戦 原子核乳剤の自前開発 (富士フィルムOBとの共同) X線顕微鏡の活用 (U研 田原氏との共同) 次世代光速原子核乾板読出し装置 • その他多くのアイデアあり 行動しながら考える