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ミニレクチャー「医療事故調査セミナー -病院内弁護士が考える視点-」

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ミニレクチャー「医療事故調査セミナー -病院内弁護士が考える視点-」
ミニレクチャー「医療事故調査セミナー -病院内弁護士が考える視点-」
※会場内にて軽食をご用意しております。数に限りがございますので,予めご了承下さい。
2015年11月28日(土)11:45~13:00 第7会場 福岡国際会議場(5階502)
司会:越後純子
所属;国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 医療安全部
演者1:水沼直樹
所属;医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンター 弁護士
演題名:医療事故調査における一工夫と調査における注意点
本年10月から施行された医療事故調査制度は,再発防止を目的とした制度で,
(1)提供する医療に起因した死亡又は死産で,
(2)
管理者が予期しなかったものが調査対象である。(2)は主に,①提供する医療により患者が死亡又は死産する可能性があることを
診療経過に照らして説明せず,かつ,②診療録等にも記載していない場合等に,「予期しなかった」ものとされる。そのため,すべ
ての死亡患者に対して当該死亡又は死産が上記(1)
(2)①②に該当するか否か,「医療事故」の該当性判断をする必要がある。
特に大規模医療機関においては死亡する患者が多いと考えられるため,医療事故の該当性判断のチェック票を使用するとよい。後日,
事故隠しを指摘された場合に潔白を示す1資料にもなろう。
インシデントレポートの例であるが,完全に存在しないインシデントをあたかも実在したインシデントだと誤解して報告した事
例に触れたことがある。その原因の1つは,医療者の思い込みと確認を怠ったことに起因する。事故調査においては,必ず当事医
療従事者からの聴き取りをしなければならない。医療事故調査によるエンザイを防止するためである。また,再発防止を目的とす
る本制度においては,法令上,関係医療従事者が識別できない様にして調査報告する必要がある。
事故調査においては,解剖やAiを実施すると良いが,解剖は,遺族の同意の有無や施設事情等により常に実施可能であるとは
限らない。これに対し,Ai(Autopsy Imaging 死亡時画像診断)は多くの医療機関で実施可能である。Ai 撮影は,死亡時の状態の
まま撮影することが望ましい。Ai の実施には事前の患者同意があると良いが,Ai の非侵襲性に鑑みると Ai を死亡診断の精度を高
める検査と位置づけることで医療機関の裁量で実施可能と考えられる。もっとも,入院時の事前同意書の中に Ai 実施を盛り込み予
め同意を得ておけば安心である。
〈略歴〉
学 歴 2004年 3月 東北大学法学部 卒業
2007年 3月 日本大学大学院法務研究科 卒業(法務博士)
職 歴 2011年 弁護士登録
2013年 医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンター(現職)
2014年 学校法人鉄蕉館亀田医療技術専門学校非常勤講師(兼務)
2014年 株式会社オルカ鴨川 FC 監査役 ほか
所属学会 日本 DNA 多型学会,日本法医学会,日本医事法学会,日本がん・生殖医療研究会(JSFP), オートプシー・イメージング(Ai)学会,日本賠償科学学会
資 格 2009年 司法試験 合格, 2013年 海事補佐人 登録
演者2:中村伸理子
所属;福岡大学病院 消化器外科
演題名:個人の責任追及にならない調査報告書の作成
新制度では予期せぬ死亡事例に関して、診療録や担当医からのヒアリング等より診療経過を明らかにし、検討した事故原因や再
発防止策を報告しなければならない。今年7月~8月に行った当院消化器外科の医師や看護師に対するアンケートでは、医師の
79.2%、看護師の80.6%が責任追及に不安を感じていた。新制度に対する医療従事者の不安軽減が求められており、個人の責任追及
にならない、不当な批判を受けないことを意識した調査報告書の作成が必要である。医療訴訟における事故調査報告書の使われ方
の現状とともに当事者の言い分を踏まえた診療経過等の認定、事故当時の医療水準を前提とした評価等報告書作成の要点について
報告する。
〈略歴〉
平成3年3月 長崎大学薬学部卒業
平成5年3月 同大学 大学院修了
同 年4月 同大学病院 薬剤部勤務
平成19年3月 福岡大学法科大学院修了
平成21年4月 福岡大学医学部消化器外科 助教
平成27年4月 同 講師
免許・資格 薬剤師、弁護士(福岡県弁護士会)
所 属 日本腹部救急医学会 倫理委員会 委員
全国医学部長病院長会議 大学病院の医療事故対策委員会 アドバイザー
福岡県弁護士会 ADR(裁判外紛争解決)運営委員会 委員
演者3:越後純子
所属;国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 医療安全部
演題名:報告書作成の How To
本発表では、前二演者の報告を踏まえ、医師、弁護士双方の立場を踏まえた実践的記載方法を報告する。
医療者の記載した記録等の文書が曲解されてしまうことは少なからず経験される。これは、医療者と法律家等非医療者の思考過
程の相違から生じる齟齬によることが多い。演者は、両者の思考過程の違い及び用語の使用法を理解し、コツを掴むことで、容易
にこのような曲解を回避することが可能であると考える。そこで、具体的事例をもとに、事案とらえ方の視点及びその表現方法に
ついて解説する。このような視点は、報告書のみならず、診療録等日常の記録にも応用可能であり、日常診療においても有用であ
ると考える。
〈略歴〉
平成5年3月 筑波大学医学専門学群卒業
平成11年3月 筑波大学大学院医学研究科(形態系)卒業(医学博士)
平成19年3月 桐蔭横浜大学法科大学院卒業(法務博士)
平成5年5月 筑波大学付属病院勤務(研修医) 中略
平成10年11月 株式会社日立製作所日立総合病院 ( 放射線科医員 ) 勤務
平成22年1月 弁護士登録 金沢大学附属病院 特任准教授 平成27年7月 国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 医療安全部 資 格 放射線科専門医(診断) 弁護士登録(第2東京弁護士会)
所属学会 日本医学放射線学会,医事法学会,医療の質・安全学会,日本外科学会他
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