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投資家が差し入れる証拠金の計算例(先物)
投資家が差し入れる証拠金の計算例(先物) ここで紹介する計算例はあくまでも日経 225 先物取引の証拠金計算におけるモデルケースです。取引に当たり、実際に必要となる証拠金については、各証券会社にお問い合わ せください。 ※ 日経 225 グループのプライス・スキャンレンジは 300,000 円と仮定 ※ △はマイナスを表す 例 1:新規に日経 225 先物を買い建てた場合(他の保有ポジションは無いものと仮定) 16,000 円で新規に 1 枚買い建て、当日の清算数値が 15,900 円であった場合。 SPAN 証拠金額 = 300,000 円 × 1 枚 = 300,000 円 A:証拠金所要額 = SPAN 証拠金額 - ネット・オプション価値の総額 = 300,000 円 - 0 円 = 300,000 円 B:受入証拠金 = 代用有価証券 + 差し入れ現金 ± 先物取引の計算上の損益額 ± 先物取引の未決済損益額 ± 未決済のオプション取引代金 = 0 円 + 0 円 + (15,900 円 - 16,000 円) × 1,000 × 1 枚 ± 0 円 ± 0 円 = △100,000 円 C:総額の過不足 = B - A = -100,000 円 - 300,000 円 = △400,000 円 -1- D:現金の過不足 = 差し入れ現金 ± 先物取引の計算上の損益額 ± 先物取引の未決済損益額 ± 未決済のオプション取引代金 = 0 円 + (15,900 円 - 16,000 円) × 1,000 × 1 枚 ± 0 円 ± 0 円 = △100,000 円 この結果、不足額 400,000 円を証拠金として差し入れなければなりません。 また、総額の不足額 400,000 円のうち、現金不足額 100,000 円は現金で差し入れなければなりません。 ここでは、300,000 円を代用有価証券、100,000 円を現金で差し入れたとします。 例 2:例 1 の取引後、証拠金の代用有価証券の評価額が下がった場合 例 1 の取引の翌日、取引は行わなかったものの、代用有価証券の評価額が 20,000 円下がり、当日の清算数値が前日と同じ 15,900 円であった場合。 SPAN 証拠金額 = 300,000 円 × 1 枚 = 300,000 円 A:証拠金所要額 = SPAN 証拠金額 - ネット・オプション価値の総額 = 300,000 円 - 0 円 = 300,000 円 B:受入証拠金 = 代用有価証券 + 差し入れ現金 ± 先物取引の計算上の損益額 ± 先物取引の未決済損益額 ± 未決済のオプション取引代金 = (300,000 円 - 20,000 円) + 100,000 円 + (15,900 円 - 16,000 円) × 1,000 × 1 枚 ± 0 円 ± 0 円 = 280,000 円 C:総額の過不足 = B - A = 280,000 円 - 300,000 円 = △20,000 円 D:現金の過不足 = 差し入れ現金 ± 先物取引の計算上の損益額 ± 先物取引の未決済損益額 ± 未決済のオプション取引代金 -2- = 100,000 円 + (15,900 円 - 16,000 円) × 1,000 × 1 枚 ± 0 円 ± 0 円 = 0 円 この結果、不足額 20,000 円を追加証拠金(追証)として差し入れなければなりません。 ただし、現金不足額は発生していないため、現金でも代用有価証券でも差し入れ可能です。 例 3:例 1 の取引後、証拠金の代用有価証券の評価額が下がり、同時に清算数値も下がった場合 例 1 の取引の翌日、取引は行わなかったものの、代用有価証券の評価額が 20,000 円下がり、当日の清算数値が 15,300 円であった場合。 SPAN 証拠金額 = 300,000 円 × 1 枚 = 300,000 円 A:証拠金所要額 = SPAN 証拠金額 - ネット・オプション価値の総額 = 300,000 円 - 0 円 = 300,000 円 B:受入証拠金 = 代用有価証券 + 差し入れ現金 ± 先物取引の計算上の損益額 ± 先物取引の未決済損益額 ± 未決済のオプション取引代金 = (300,000 円 - 20,000 円) + 100,000 円 + (15,300 円 - 16,000 円) × 1,000 × 1 枚 ± 0 円 ± 0 円 = △320,000 円 C:総額の過不足 = B - A = -320,000 円 - 300,000 円 = △620,000 円 D:現金の過不足 = 差し入れ現金 ± 先物取引の計算上の損益額 ± 先物取引の未決済損益額 ± 未決済のオプション取引代金 = 100,000 円 + (15,300 円 - 16,000 円) × 1,000 × 1 枚 ± 0 円 ± 0 円 = △600,000 円 この結果、不足額 620,000 円を追加証拠金(追証)として差し入れなければなりません。 -3- また、総額の不足額のうち、現金不足額 600,000 円については現金で差し入れなければなりません。 例 4:例 1 の取引後、転売した場合 例 1 の取引の翌日、日経 225 先物を 16,100 円で新規に 1 枚買い建て、例 1 にて 16,000 円で買い建てた日経 225 先物を、16,300 円で転売し、当日の清算数値が 16,200 円であった場合。 SPAN 証拠金額 = 300,000 円 × 1 枚(新規買い建て分) = 300,000 円 A:証拠金所要額 = SPAN 証拠金額 - ネット・オプション価値の総額 = 300,000 円 - 0 円 = 300,000 円 B:受入証拠金 = 代用有価証券 + 差し入れ現金 ± 先物取引の計算上の損益額 ± 先物取引の未決済損益額 ± 未決済のオプション取引代金 = 300,000 円 + 100,000 円 + (16,200 円 - 16,100 円) × 1,000 × 1 枚 + (16,300 円 - 16,000 円) × 1,000 × 1 枚 ± 0 円 = 800,000 円 C:総額の過不足 = B - A = 800,000 円 - 300,000 円 = 500,000 円 D:現金の過不足 = 差し入れ現金 ± 先物取引の計算上の損益額 ± 先物取引の未決済損益額 ± 未決済のオプション取引代金 = 100,000 円 + (16,200 円 - 16,100 円) × 1,000 × 1 枚 + (16,300 円 - 16,000 円) × 1,000 × 1 枚 ± 0 円 = 500,000 円 この結果、計算上の利益 100,000 円、転売に伴う未決済の利益 300,000 円が発生し、500,000 円の剰余額が発生するため、追加証拠金(追証)を差し入れる必要はあ -4- りません。 また、現金の剰余額 500,000 円については引き出すことが可能です。 例 5:新規に日経 225 先物を売り建てた場合(他の保有ポジションは無いものと仮定) 16,300 円で新規に 1 枚売り建て、当日の清算数値が 16,500 円であった場合。 SPAN 証拠金額 = 300,000 円 × 1 枚 = 300,000 円 A:証拠金所要額 = SPAN 証拠金額 - ネット・オプション価値の総額 = 300,000 円 - 0 円 = 300,000 円 B:受入証拠金 = 代用有価証券 + 差し入れ現金 ± 先物取引の計算上の損益額 ± 先物取引の未決済損益額 ± 未決済のオプション取引代金 = 0 円 + 0 円 + (16,300 円 - 16,500 円) × 1,000 × 1 枚 ± 0 円 ± 0 円 = △200,000 円 C:総額の過不足 = B - A = -200,000 円 - 300,000 円 = △500,000 円 D:現金の過不足 = 差し入れ現金 ± 先物取引の計算上の損益額 ± 先物取引の未決済損益額 ± 未決済のオプション取引代金 = 0 円 + (16,300 円 - 16,500 円) × 1,000 × 1 枚 ± 0 円 ± 0 円 = △200,000 円 この結果、不足額 500,000 円を証拠金として差し入れなければなりません。 また、総額の不足額 500,000 円のうち、現金不足額 200,000 円は現金で差し入れなければなりません。 -5- 例 6:先物取引と同時にオプション取引を行った場合 日経 225 先物を 16,000 円で新規に 1 枚買い建て、同時に同じ限月の日経 225 コールオプションをプレミアム 100 円で新規に 1 枚買い建て、当日の先物取引の清算数値 が 15,800 円であった場合。 ※ SPAN®で計算した額が 400,000 円になったと仮定 ※ オプションの約定値段と清算価格が同じであったと仮定 SPAN 証拠金額 = 400,000 円 A:証拠金所要額 = SPAN 証拠金額 - ネット・オプション価値の総額 = 400,000 円 - (100 円 × 1,000 × 1 枚 - 0 円) = 300,000 円 B:受入証拠金 = 代用有価証券 + 差し入れ現金 ± 先物取引の計算上の損益額 ± 先物取引の未決済損益額 ± 未決済のオプション取引代金 = 0 円 + 0 円 + (15,800 円 - 16,000 円) × 1,000 × 1 枚 ± 0 円 - (100 円 × 1,000 × 1 枚) = △300,000 円 C:総額の過不足 = B - A = -300,000 円 - 300,000 円 = △600,000 円 D:現金の過不足 = 差し入れ現金 ± 先物取引の計算上の損益額 ± 先物取引の未決済損益額 ± 未決済のオプション取引代金 = 0 円 + (15,800 円 - 16,000 円) × 1,000 × 1 枚 ± 0 円 - (100 円 × 1,000 × 1 枚) = △300,000 円 この結果、不足額 600,000 円を証拠金として差し入れなければなりません。 また、総額の不足額 600,000 円のうち、現金不足額 300,000 円は現金で差し入れなければなりません。 -6-