Comments
Description
Transcript
⑴ 心の障壁を取り除くために 3.やさしく支えあう地域づくりのために
3.やさしく支えあう地域づくりのために 障害のある人が障害のない人と同じように社会生活を営むことがで きる社会。社会活動に参加する事が普通であるというノーマライゼーシ ョン理念の定着を図るとともに、困っている人に気軽に声をかけ、手を 差し伸べることが自然にできる心、障害があってもそれを越えようとす る心の醸成を促します。 ⑴ 心の障壁を取り除くために 【現状】 ○ 障害を「治らない」「怖い」「遺伝する」病気という偏見を持っ ている人が多く、特に精神に病気や障害がある人たちとその家族 は地域社会から孤立しがちで、精神障害者の手帳所持率は39.3% と身体障害者手帳や療育手帳の所持率より著しく低い状態です。 ○ 市立総合病院精神科デイケアでは、うまく人付き合いが出来る よう、相談及び仲間作りが行われています。 ○ 在宅精神障害者の生活意欲の向上を目的に、精神障害者自立支 援事業所がNPO法人「とっと工房」に設置され、相談支援、生 活訓練等、社会参加活動の推進が行われています。 ○ 毎年、秋田県北部老人福祉総合エリアにおいて、ボランティア フェスティバルが開催され、障害者との交流とボランティア活動 の啓蒙に努めています。 - 48 - 【課題】 ○ 精神障害者をはじめとする障害者への偏見の解消 ○ ひきこもり者やその家族への支援策の整備 ○ 社会参加促進事業の充実 ○ 精神障害者へのボランティアの育成 ○ ボランティアの機会の発信と周知 【主な施策】 ○ 小・中学校等における学校の教育活動を通じ、障害者に対する理 解を深める福祉教育を推進します。 ○ 民生委員等、地域との連携を強化し情報収集に努めます。また、 精神障害者自立支援事業所を中心に、精神の病気や障害についての 理解を深め配慮を求めるために、ボランティア活動の推進や講演 会・研修会等を行い、啓発広報活動の推進を図ります。 ○ ボランティアフェスティバルの開催により、障害者と社会一般へ の啓蒙活動を図るとともに、ボランティア団体間の交流と市民のボ ランティア参加の呼びかけを行います。 ○ 行政、ボランティア団体、自立支援協議会等との連携を強化し、 市民へのボランティア情報の発進と機会の提供を推進します。ま た、企業等の社会貢献活動に対する理解と協力を促進します。 - 49 - ⑵ 情報とコミュニケーションの障壁の除去 【現状】 ○ より多くの新しい情報を市民に提供するため毎月1日に「広報お おだて」を発行しています。また、視覚障害者には「点字広報」や ボランティアグループの協力によりCD(声)の広報、市議会だよ りを発行しています。 ○ 聴覚や音声・言語に障害がある人たちは、手話や筆記によるコミ ュニケーションが主になるため、迅速な意思疎通が困難な状況にあ ります。 ○ 秋田県と秋田県身体障害者連合会の協力のもとに平成18年度か ら手話通訳者派遣事業が実施されており、加えて手話奉仕員養成事 業の実施により手話奉仕員の養成に努めています。 【課 題】 ○ 年間50件の手話通訳者派遣依頼に対応できる手話通訳者の確保 ○ 聴覚障害者や音声・言語障害者とのコミュニケーション簡易化の ための通信機器や用具の設置 ○広報によるタイムリーな情報提供 【主な施策】 ○ コミュニケーション支援のための日常生活用具給付の推進 ○ 福祉事務所への恒常的な手話通訳員の設置や、他機関との連携に よる手話通訳者の派遣等によるコミュニケーション支援 ○ 手話奉仕員養成事業による手話通訳者の育成 ○ 手話通訳のボランティアの支援 ○ CD広報や点字広報の充実、情報活用能力向上のためのIT利用 の促進 - 50 - ⑶ 住まいや生活の障壁の除去 【現状】 ○ 大館市では、身体障害者の居室改修への助成や心身障害者の居室 整備、高齢者の住宅整備資金の貸付を行っています。 ○ 障害者の生活のバリアフリー化のため、補装具給付や日常生活用 具の給付を行っています。 ◇平成22年度実績 日常生活用具給付事業(住宅改修) 4件 心身障害者居室整備資金貸付 0件 介護保険による要支援または要介護者の住宅改修への給付 高齢者住宅整備資金貸付 211件 0件 【課題】 ○ 地域性(冬期間の降雪等)を踏まえた障害者や高齢者向けの住宅の 改修 【主な施策】 ○ 工務店や障害者へ対し、各種助成制度のついての周知を引き続き行 います。 ○ 車いすなどの補装具や拡大読書器などの日常生活用具の給付を引 き続き行います。 - 51 - ⑷ 移動・交通の障壁の除去 ① 歩行空間の整備 【現状】 秋田県では、ノーマライゼーション理念の定着や、バリアフリー の推進方策等を盛り込んだ「秋田県バリアフリー社会の形成に関す る条例」を平成15年度から施行し、建物、歩道や交通機関など、 障害のある人に配慮したまちづくりが進められてきています。 本市では、福祉施設及び学校施設のバリアフリー化や、冬期間の 除雪体制の充実強化を進めていますが、駅や商店街、病院等の周辺 及びこれらの施設間において、車いす(電動車いすを含む)の利用 者や視覚障害者などの方々が安心して通行できるよう、十分な幅員 が確保された歩道等の整備、歩道段差・勾配等の改善、無電柱化、 自転車駐輪場の整備による空間の確保、視覚障害者誘導用ブロック の整備などを推進する必要があります。 また、駅構内や病院など、公共的施設のバリアフリー化やノンス テップバスの導入等を進めるなど、歩行空間等の整備を推進し、障 害がある人を含むすべての人々が、安全で快適な生活を営むことが できる社会の実現へ向け、整備を進めていく必要があります。 - 52 - 歩行空間等のバリアフリー整備イメージ ●出入口の段差の解消 ●エレベータの設置 道路管理者の取組み その他関係機関の取組み ●点字や音声による路線・運賃案内 ●車椅子スペースの確保された車両の導入 バリアフリー歩行空間 駅 エレベータの設置 市役所 商業施設 商店街 図書館 視覚障害者誘導用 ブロックの設置 市民ホール 公 園 放置自転車対策と して駐輪場の整備 郵便局 病 院 老人福祉センター 歩道の段差・傾斜・ 勾配の改善 ●バリアフリー対応型信号機の整備 ●違法駐車・駐輪の取り締まり強化 歩行者案内標識の設置 電線類の地中化などを進めながら 幅の広い歩道を整備 ※国土交通省より - 53 - バスに乗りやすい 歩道の高さの確保 植樹帯、並木、柵などの整備 休みながら歩ける施設の整備 ② バス利用等移動の利便性の確保 【現状】 ○ 外出の際、高齢の身体障害者はタクシーを利用することが多く、 18歳から64歳までの年代が多い知的障害者や精神障害者は、家 族の自家用車やバスを多く利用する傾向にあります。 ○ 市では、※1 重度心身障害者(児)移送費支給事業として、身体障 害者手帳3級以上の人や療育手帳Aの交付を受けている人へタク シー券を交付しています。 また、じん臓機能障害1級で人工透析を週2回以上行っている方 は※2 自動車燃料費助成券(ガソリン券)とタクシー券のどちらかを 選択することができます。 ○ 精神障害者へは、※3 大館市精神障害者交通費補助金として、作業 所等に通っている人へ、通うための交通費を助成しています。 ※1 重度心身障害者(児)移送費 大館市に住所を有している在宅の障害者(身体障害者手帳3級以上のもの又は療育手帳Aの 交付を受けているもの)に対して、タクシー(一般のタクシー)の料金が1枚につき500円 引きになる券を交付しています。平成23年度現在、障害者1人に年15枚(10月以降は9 枚)、じん臓機能障害の方は24枚(10月以降は12枚)を交付しています。 平成22年度重度心身障害者(児)移送費交付実績(平成23年3月末現在) タクシー券交付枚数 15,729枚(1,089人分) タクシー券(じん臓機能障害者用)交付枚数 1,176枚(50人分) ※2 重度心身障害者(児)自動車燃料費助成券 大館市に住所を有している在宅の障害者(じん臓機能障害1級の身体障害者手帳の交付を受 け、人工透析を週2回以上行っているもの)に対し、自動車の燃料費を1枚につき500円助 成する券を交付しています。平成23年度現在、障害者1人に年24枚(10月以降は12枚) 交付しています。 平成22年度自動車燃料費助成券交付実績 ガソリン券交付枚数(平成23年3月末現在) ※3 大館市精神障害者交通費補助金 平成22年度交付実績(平成23年3月末現在) - 54 - 1,776枚(76人分) 356日分 【課題】 ○ 視覚障害がある方や知的障害がある方のための、移動支援を行う 事業所及びサービスの周知 ○ 歩道の段差や狭さ、障害者用トイレの少なさの解消 【主な施策】 ○ 自らの交通手段を持っている者が少ない障害者へ、通院や社会 参加への移動の軽減を図るため、重度心身障害者(児)移送費事 業を引き続き実施します。 ○ 歩道段差の解消や拡幅を図ります。 ○ 積雪時の移動ルート確保のため、融雪道路の整備拡充を関係機 関に働きかけていきます。 視覚障害のある方を表示する国際マーク 視覚障害を示す世界共通のシンボルマークです。このマークは、手紙や雑誌の冒頭、 あるいは歩行用に自由に使用してよいとされています。 - 55 - ⑸ 公共建築物の障壁の除去 【現状】 ○ 平成22年度公共施設等のバリアフリー化の状況に関する調査 結果によりますと秋田県のバリアフリー化率は、※16項目クリアが 16.8%、※23項目クリアが27.9%となっております。 ○ 大館市の公共施設等のバリアフリー化率は、6項目クリアが11. 3%、3項目クリアが23.5%と県平均に満たない状態です。 ◇大館市公共施設のバリアフリー化の状況(公共施設123施設を対象) バリアフリー化の現状 (平成23年4月1日現在) 件 ① 6項目クリア (②対象施設を含む) ② 3項目クリア (①対象施設を含む) ※1 数 割 合 14 11.3% 29 23.5% 秋田県バリアフリー条例におけるバリアフリー化率算出の評価項目のうち、指定の6項目 (「車いす専用駐車場」「スロープ」、 「手すり付き洋式便器」 、「手すり付き小便器」、 「車いす用 トイレ」、「階段の手すり」)が整備されている施設 ※2 秋田県バリアフリー条例におけるバリアフリー化率算出の評価項目のうち、指定の3項目 (「車いす専用駐車場」、 「スロープ」 、「車いす用トイレ」)が整備されている施設 - 56 - 社会福祉施設等(施設) (%) 100 100 90 80 80 60 80 60 50 40 20 20 階段の手すり 手すり付き小便器 手すり付き洋式便器 60 44.4 40 40 22.2 20 100 80 61.5 66.6 60 48.1 33.3 階段の手すり 手すり付き小便器 手すり付き洋式便器 車いす用トイレ 宿泊・休養施設等(7施設) 100 80 60 スロープ 車いす専用駐車場 階段の手すり 手すり付き小便器 手すり付き洋式便器 車いす用トイレ スロープ 車いす専用駐車場 0 30 13.3 (%) 93.3 100 33.3 26.6 20 集会施設等(27施設) 29.6 車いす用トイレ 60 55.5 (%) 93.3 80 66.6 44.4 40 25.9 20 28.5 14.2 20 14.2 階段の手すり 手すり付き小便器 0 手すり付き洋式便器 車いす用トイレ - 57 - スロープ 0 車いす専用駐車場 階段の手すり 手すり付き小便器 手すり付き洋式便器 車いす用トイレ スロープ 車いす専用駐車場 0 100 100 60 40 体育施設等(15施設) (%) 100 0 50 スロープ 0 66.6 60 車いす専用駐車場 階段の手すり 手すり付き小便器 手すり付き洋式便器 車いす用トイレ スロープ 車いす専用駐車場 文化施設等(6施設) 80 100 83.3 80 50 (%) 100 100 40 0 医療施設等(6施設) (%) 学校(29施設) (%) 100 100 80 80 60 60 37.9 40 24.1 13.7 50 33.3 16.6 60 80 66.6 60 60 50 40 40 20 20 30 階段の手すり 手すり付き小便器 手すり付き洋式便器 車いす用トイレ スロープ 0 50 37.5 車いす専用駐車場 階段の手すり 手すり付き小便器 手すり付き洋式便器 車いす用トイレ スロープ 車いす専用駐車場 0 100 100 75 80 その他(道の駅等 10 施設) (%) 100 階段の手すり 100 手すり付き小便器 100 16.6 0 手すり付き洋式便器 100 車いす用トイレ 100 スロープ 車いす専用駐車場 手すり付き小便器 階段の手すり 0 地方公共団体の事務所(4施設) (%) 33.3 20 6.8 手すり付き洋式便器 車いす用トイレ スロープ 0 車いす専用駐車場 0 40 17.2 20 公園(6施設) (%) 【課題】 ○ 利用者の意見を取り入れ、誰にでも利用しやすいユニバーサルデ ザインの考えに基づいた施設整備の推進 ○ 高齢者や障害者の交流の場、地域の避難所を考慮した公共施設の バリアフリー化の推進 - 58 - 【主な施策】 ○ 順次、建築・改修される公共施設において、障害者の意見が取り 入れられるように図ります。 ほじょ犬マーク ○ ○ ○ 身体障害者補助犬同伴の啓発のためのマークです。 身体障害者補助犬とは、盲導犬・介助犬・聴導犬のことを言います。 「身体障害者補助犬法」が施行され、現在では公共の施設や交通機関はもちろん、 デパートやスーパー、ホテル、レストランなどの民間施設でも身体障害者補助犬が同 伴できるようになりました。 - 59 - ⑹ 公園・水辺空間等の整備 【現状】 自然に恵まれている本市には自然と親しめる公園がいくつもあり 広く市民に利用されています。 (図6) 【課 題】 ○ 多目的トイレの設置など障害者の利用を考えた環境整備 【主な施策】 ○ 既存の公園に車いす対応の多目的トイレ等の整備を進め、公園設備 を充実させます。 図6 大館市内の主な自然を生かした公園 岩瀬川渓流 五色湖キャンプ場 矢立風致保護林 長走風穴 外川原地区米代川河川緑地 芝谷地湿原植物群落 長木川河川緑地 岩神ふれあいの森 二ツ山総合公園 市 民 の 森 扇田地区米代川河川緑地 - 60 - ⑺ 防災体制の確立 【現状】 ○ 市では、障害者に対し、障害者用電話・ファックス・火災警報 器・自動消化器など防災関係の日常生活用具を給付、貸付けして います。 ○ 一人暮らしの老人や重度身体障害者世帯には、緊急時外部に救 助を求めることができるように、専用の通報機器(緊急通報装置) を給付、貸与し災害や犯罪に備えています。 ○ 災害発生時の迅速な情報収集と適切な対応を目的として、市で は、公用車に防災行政無線を整備しました。また、「災害発生時 における大館市職員の緊急対応マニュアル」を作成し、災害発生 時における市職員の出動体制や対応等を定め職員に周知してい るほか、市内全世帯に「防災マップ」等を配布し、災害時の避難 場所や被災時の対応、日頃の備え、地域の自主防災組織の重要性、 市の防災体制等について周知を図っています。 このほか、災害情報などをリアルタイムで携帯電話などに送信 する災害情報システムへの登録を進めるほか、要援護者支援シス テムを活用し、災害時の避難指示などの迅速な情報伝達や日常の 安否確認なども実施していきます。 ○ 民生委員児童委員のネットワークと連携し、豪雪時の見回りな どを行っています。 【課題】 ○ 地域住民や町内会・民生委員など、地域の自主防災組織による地 域福祉のネットワークの整備と地域の防災体制の確立 - 61 - 【主な施策】 ○ 障害者や高齢者などの災害弱者の生活状況等を一番把握して いるのは、民生委員や町内会などの地域住民であり、災害発生時 救援が来るまでの間、地域住民が一丸となって災害弱者を避難誘 導、救出・救助できるように、地域福祉ネットワークを整備し、 地域の防災体制の確立を図ります。 また、救出・救助や応急手当等のやり方を指導し、定期的に防 災訓練を実施します。 ○ 平成24年4月から本稼動予定の災害時要援護者支援システ ム(図7)を活用し、平時から災害弱者の状況の把握に努め、有 事に迅速な対応ができるよう、体制を整備します。 聴覚障害者シンボルマーク(国際マーク) このマークは、世界ろう連盟(WFD)が定めた世界共通の 国際シンボルマークです。 1980年に一般に紹介されてからは、いくつかの国で定期 刊行物やポスターに使用されています。 また、ろう者が通訳その他のサービスを受けられる場所でも 使用されています。 聴覚障害者シンボルマーク(国内マーク) 聴覚障害者の方であることを表す国内で使用されているマーク です。 聴覚障害者の方は、見た目には分からないために、誤解された りするなど、社会生活をするうえで心配が少なくありません。 預金通帳や診察券などにこのマークが貼付されていたり、マー クを表示された場合は、相手が「聞こえにくい」 「聞こえない」こ とを理解し、「手招きで呼ぶ」「大声ではっきり話す」「筆談をす る」など、ご協力をお願いします。 - 62 - 図7 災害時要援護者支援システムの概要 要援護者 0 各申請書 - 63 - ☆災害発生時の対応 民生員に情報を伝達 町内会 福祉員 民生委 要援護登録者 情報の伝達 避難 支援 - 64 -