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農林高校緑化の歴史 - 山梨県立農林高等学校
浅川巧は北杜市高根出身で、1909年(明治42年)に本校の前身である山 梨県農林学校を卒業し、直ぐに秋田県大館営林署に就職。その後、朝鮮に渡り、 朝鮮総統府農工商部山林課に就職。1924年(大正13年)朝鮮五葉松の露 天埋蔵発芽促進法を開発する。 朝鮮半島は、激しかった戦火で家を失い、雑木を燃やして暖をとる産業施策の ため荒廃した大地が広がる場所だったようだ。その頃、日本から移住した林業 技術官だった浅川巧氏が、荒廃した大地にみどりを戻し、朝鮮人の人々に生活 の潤いを取り戻させたいと一心に研究をした。緑化できる樹木の種類は多い中、 自然淘汰されること考え朝鮮で自生している郷土木による緑化を試みた。荒廃 した朝鮮半島の緑化に一躍かった露天埋蔵法とは、それまで通説であった人工 的播種より自然状態に近い環境下で発芽率を高めさせる発芽促進法のことで、 この方法によって現在の韓国が緑豊かな大地となっている礎となったと言え る。 チョウセンゴヨウは、樹高50mにも達する樹木で、樹皮は灰褐色。葉長は6 ~12cm、5枚ずつ束生する。主に中国東北部から朝鮮半島、ロシア極東部 の乾燥した寒冷地に多く分布している。日本でも、本州中部(福島から岐阜) の亜高山帯周辺に自生しているが数は少ない。樹姿は優れないが、赤みがある 材は利用価値が高く、特にこの種子は食用(マツの実)となる。 チョウセンゴヨウの生育環境への適応範囲は広く、荒山・荒地でも育つ。 本校でもチョウセンゴヨウの種子を取り寄せ、露天埋蔵法によ る検証実験を試みました。やはり発芽率が悪く、根気のいる実 験となった。本校の片隅で元気の育っているチョウセンゴヨウ がある。 チョウセンゴヨウの種子は、多くのマツのように乾燥 保管したものを翌春に播種しても発芽することが少 なく、翌々年に発芽するものや、数年後に発芽するも のがあるなど、安定した発芽が見られなかったよう だ。浅川巧は、人工的に播種したものの発芽率が低く、 山林の中で落ちた種の発芽率が高いことに着目した。 日ごろからの理念としていた「自然から教わった造林 上の知恵」 「自然が告げた方法」をもとに、今まで得 た知識から、自然と同じ状態で埋蔵することで翌春の 発芽を促進できると考えた。その方法は、 『朝鮮五葉 の種子に倍量の砂土を混ぜる。板で方形の枠をつくり 自在のために組立式にする。底には種子よりも小さい 目の金網を張り、その上縁が地面と平らになるまで開 放して畑に埋め、底に厚さ1寸だけ細砂土を敷き、こ れに前記の混合種子を入れ、その上に厚さ5分の細砂 土をおき、これをワラで覆うこと約5分、その上に防 鼠用金網を張る。土砂は種子より小粒のものを用い る。これは、後日、種子と砂土とを篩いで分ける時に 便利である。これが露天埋蔵法である。 』 浅川巧は、長年の実験結果から、①埋め込み時期が早 い程播種の成績が良いことから、種子は採取後直ちに 埋蔵する。②埋め込み時期が早いものは、浸水陽乾の 手間を省いてそのまま播種しても良いこと。と朝鮮林 業試験場時報第2号で報告している。 枯山水式庭園 平成 8 年度スクールパーク 開園時に配布された資料 伝統的な日本庭園形式の一つ つ 黎明庭園(壁泉) 芝生を中心とした洋風庭園 案内 BOX スクールパークの案内図と樹木アドベンチャの案内 日本庭園 池泉式庭園で滝から落ちる水音に癒やされます 正面玄関横の庭園 校訓碑と校歌碑を設置 フランス式庭園 噴水を中心に大芝生広場 自然風庭園 生徒の憩いの場としての交流の場 給餌木を配植し野鳥が訪れる場所に 緑のスクールパーク ― 緑化整備の歴史 ― 本校112年の歴史の中で、昭和20年の甲府空襲ですべてを消失した伊勢町から、昭和21年に現在地である玉幡飛行 場跡地に本校を移設し、農場開墾、グラウンド・庭園整備と幾多の職員や生徒の汗と努力の結果として、玉幡砂漠といわれ た荒地を全国屈指の「緑のスクールパーク」として創りあげたことに対し、関係の方々に深甚の敬意を表すものである。 昭和25年 昭和26年 昭和27年 昭和28年 昭和33年 昭和37年 昭和40年 昭和41年 昭和42年 昭和43年 昭和46年 昭和47年 昭和50年 昭和55年 昭和59年 平成 元年 平成 4年 平成 5年 平成 6年 平成 7年 平成 8年 平成 9年 平成10年 平成11年 平成14年 平成15年 平成16年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 全校生徒、教職員による復興作業開始 フランス式庭園の造成、樹木の移植、旧校舎跡地(現:甲斐市赤坂)から客土搬入を開始 フランス式庭園にヒマラヤスギ、カイズカイブキの植栽 創立50周年記念を記念して御岳演習林に全校生徒によるヒノキ、スギ、カラマツの記念植樹 創立55周年記念を記念して御岳演習林に全校生徒によるヒノキ、スギ、カラマツの記念植樹 農場へ大規模な客土搬入開始 創立60周年記念として樹木見本園の造成、植樹(現:森林科学科の見本園) 学園祭を「白楊祭」と称し、第1回を開催 通学路にポプラを植樹、「ポプラ(白楊)並木」と命名 旧体育館前に沈床式記念庭園を完成 宿泊実習室前庭園(農場本部東)の造成 造園科樹木見本園の造成 創立70周年記念事業として校歌碑・校訓碑庭園を造成、全校生徒によるカイズカイブキ等を植樹 創立75周年記念事業として、日本庭園、自然風庭園、本館東庭園、枯山水式庭園、各学科棟前庭等の造成 及びフランス式庭園の噴水周辺の改修 創立80周年記念事業として、本館東庭園に母校讃歌碑を設置 黎明文化創造館を竣工 創立85周年記念事業として黎明庭園造成 道路拡張のため、グラウンド外周にカイズカイブキを植栽、この年より農場再編整備事業が開始 平成2・3・4年度卒業記念として、黎明庭園内に黎明時計台を設置 創立90周年記念事業で、本校発祥地に記念碑設置(現:甲斐市赤坂)、伊勢校舎跡地に記念碑を設置(甲 府市伊勢団地内) フランス式庭園の噴水装置改修 校内庭園内の5ヶ所に案内板、樹木ラベル等を設置 黎明庭園にグリーンアドベンチャーコース、バードウォッチングの案内板を設置。校内案内用道標を設置 「緑のスクールパーク」として、地域や小・中・高校などの環境教育の場として一般公開 「ふれあい実習農園」開設 自然風庭園隣に「山梨の岩石見本園」を造成 自然風庭園に「ビオトープ園池」を造成 「緑のスクールパーク」として、時事通信社「教育奨励賞」受賞 校舎改築に伴い本館正面玄関、西側に校訓碑・校歌碑の庭園造成、グラウンド北西側に緑樹空間を造成、 グラウンド北側に外周植栽としてカイズカイブキを植栽、果樹園境の防砂林の再整備 日本庭園並び自然風庭園再整備、創立100周年記念事業として、歴史館の竣工と歴史館前庭園の造成、 100周年記念碑「大河の流れ」の設置、グラウンド散水施設設置 フランス式庭園の藤棚の配置換えを行い、棚の骨組みを擬木に改修 フランス式庭園 噴水装置(ポンプ及び制御装置)の全面改修 本館東庭園に「黎明謝恩の碑」設置、国土緑化推進機構主催全日本学校関係緑化コンクール「学校環境緑化 の部」特選(文部科学大臣賞)を受賞 環境大臣より「地域の環境美化功労」表彰、浅川巧卒業100周年記念事業としてチョウセンゴヨウの記念 植樹(黎明謝恩の碑横) 同窓会東京圏設立50周年を記念してフランス式庭園に記念植樹(イジュ、アメリカベニバナトチノキ) 浅川巧生誕120周年記念胸像の設置 農場東側道路沿いの外周樹木(コノテガシワ)の整備 フランス式庭園カイズカイブキの大規模な剪定 農場東側道路沿いの外周植樹(シラカシ等 3年計画(平成25~27年度)で植栽) 体育館南側芝生広場の造成 地域自然保護功労者として山梨県知事より表彰 内閣総理大臣より「緑化推進運動功労者 内閣総理大臣賞」を受賞 農林高校はこれまで諸先輩方が汗 涙、そしてたくさんの感動を学んで きた、「みどりの文化遺産」である スクールパークを守り続けながら、先輩方の 思いを継承していきたいと考えています。 日々、成長する樹木とともにみどり豊かな学 校環境を生かし、命の大切さを学ぶ中でしな やかな心を育んでいきたいと考えています。 農林高校生の皆さん、郷土に誇れる本校を愛 し、活躍されることを期待しています。 造園緑地科では、県 総合教育センター 前の空き地を来訪 者に利用できる、親 しみのあるみどり の憩いの場を造成 した。併せて樹木の 剪定作業も行った。 森林科学科による地域ボランティア 活動も活発に行われており、植樹活動 や県有林と触れ合う活動など行って いる。 全校生徒が地域環境の美化に取り組んでいる。本校シ ステム園芸科で栽培した草花を校内の花壇に植栽し たり、学校周辺のゴミ拾いを定期的に実施している。 また、平成24年度の大雪災害の時は、教職員が校外 に雪かきに出かけるなどの活動も行った。 学校の東側道路沿いに平成24年から27年度に年 次の植樹計画を立て、シラカシを植樹した。この地は、 午後になると風が強く吹く地域であるため防風や防 火、維持管理が容易であり、できれば郷土性が強く生 育が強い樹木としてシラカシを選定し植樹した。 本校は夏の日差しが強く、夏の冷 暖房が必要不可欠な場所である。 このことから、少しでもエコな生 活で環境に優しいことをしようと 考え、ニガウリによる緑のカーテ ンに取り組んでいる。 三井正秀さん (本校卒業の先輩) 「やはたいも」について 優しく語って頂いた。 こんな先輩になりたい! 地域の方との交流で、農林高校 の歴史と当時の高校生像を学ぶ 新田1区の区長さん 「やはたいも」による芋煮でおもてなしを行う 収穫感謝祭に於いて新田1区長寿会との交流活動 平成 27 年 11 月 7 日 農林高校黎明文化創造館