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小次郎講師のトレーダーズバイブル第50回 第9部その3

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小次郎講師のトレーダーズバイブル第50回 第9部その3
最高レベルのトレード手法をどこよりもわかりやすく!
小次郎講師のトレーダーズバイブル第50回 第9部その3
「ファンダメンタルズ分析とチャート分析後編」
皆さん、こんにちは、小次郎講師です。
助手のムサシです。よろしくお願いします。
本日も「ファンダメンタルズ分析とチャート分析」の続き
よろしくお願いします。
【1、価格は何によって動くか?】
ムサシ君、根源的な質問をするぞ。価格は何によって動く?
え? まあ例えば、原油であれば、生産量がどれくらいあるのかという
供給と、世界でどれくらい消費されるのかという需要によって上がった
り下がったりしますね。
いわゆる需給というやつだね。そして、それを分析するのがファンダメ
ンタルズということになるね。
株価であれば、その企業の業績とか、世界経済・日本経済の景動向が影
響してきます。
そうだね。間違いではないが株式や為替のようにマーケットで価格が変
動するものは、「売り手と買い手の力関係で動く」と理解しなければい
けない。
売り手と買い手の力関係ですか?それは買いが多ければ価格は上昇す
る。売りが多ければ価格は下がるということですね?
そうだ。
それはその銘柄の需給と同じ意味ではないんですか?
ほとんどのケースにおいて同じ。
しかし、ときたま食い違うことがある。ファンダメンタルズを見るとと
てもいいのに、価格が下がっていくということがある。
そういうときにムサシ君ならどうする?例えばすごく景気のいい会社の
株がどんどん下がりだした、なんて時。
チャンスですよね。好業績の会社の株が安く買えるのですから。
と思って買うよな。
でも価格がさらに下がるということがある。どうする?
さらにチャンスですから、買い増しを検討します。
さらに下がったらとしたらどうする?
ファンダメンタルズがいいんですよね?それなら上がるのを待ちます。
それでも下がったら?
不安ですが、じっと我慢の子です。
実はこのパターンが相場で大失敗をする典型的なパターン。
ときに相場はファンダメンタルズが最高にいいときに、どんどん下がっ
ていく。ファンダメンタルズが最悪に悪いときに、どんどん上がってい
く。ファンダメンタルズオンリーの人は、そのとき、市場が間違ってい
るとよく言う。
市場には間違いはない。付いている価格が常に正解。
時に市場は最高のファンダメンタルズの中、どんどん下がることがあり、
最悪のファンダメンタルズの中、どんどん上がることがある。
こういうことがあるということを理解していない人は、投資においてい
つかやられてしまう。
だから、価格は何によって動くかと言うと、「売り手と買い手の力関
係」というのが唯一の正解。
で、その売り手と買い手の力関係を分析するのがチャート分析と理解を
するとチャート分析の位置づけがよくわかる。
なるほど。
価格がファンダメンタルズを無視して動くことの原因としては、①我々
の知らない材料が実は他にあったなどということがあるし、②国際的な
シンジケートが仕掛けたということもある。
しかし、そんなことに関係なく、価格は信じられないほど逆行すること
があるのだということを理解しよう。
怖いですね。
それがファンダメンタルズを重視しすぎてはいけない理由だ。
しかし、ファンダメンタルズを軽視するのも正しくはない。
売り手と買い手の力関係が何により動くかと言えば、それは以下のとお
り。
大局 ファンダメンタルズ(需給・企業業績・世界経済等)・の変化
中局 トレンド
目先、人気思惑
パーセンテージで言うと、価格変動の約70%はファンダメンタルズの変
化と言っていい。
やはりファンダメンタルズの変化は大きいんですね。
もちろん。そして20%はトレンドで動く。
トレンドで動くとは?
一度上昇トレンドが出来ると、ファンダメンタルズが変化しても、その
まま継続していきやすい。トレンドには継続するという特徴がある。
トレンドは継続する!聞いたことがありますが、何故ですか?
価格が先高ムードで上昇していくと、市場から売方はだんだん撤退し、
買方が増えてくる。
当然ですね。
上昇トレンド中に押し目というのがあるが、これは買方がとりあえず利
益を確定しておきたいという気持ちから売り注文を出すことによる。
売り注文を出すと価格は一時的に下がる。一時的に下がるが、あくまで
先高ムードなので下がったところは買方に再度買い直される。
この繰り返しで価格は波打ちながら上昇していく。
このサイクルをよく見てみると、買いも利益確定の売りも全て買方の行
為とわかる。
あ、なるほど。
こういう展開が買方にとって一番都合がよく、気持ちの良い状態。
だからその状態になると買方はその行為を繰り返す。
それにより、価格は安定して上昇していく。価格が安定して上昇してい
くので売方はうかつに近づけない。
つまり上昇トレンドは買方の独壇場。下降トレンドはその逆。
なるほど。上昇トレンドは買方の独壇場、下降トレンドは売方の独壇
場。だから継続しやすいわけですね。
そういうこと。
そして、目先の動きは人気や思惑で動く。
日銀総裁が強気の発言をしたとか、FRB議長が金融引き締めを示唆した
とか、ほんのちょっとしたことで価格はするすると動く。
これは事前には読めない。だから、アナリストは半年先の予想より明日
の予想の方が難しいと言う。
つまり、半年先の状況はファンダメンタルズを分析すればある程度の予
想は出来るけど、明日のことは全く予想のしようがないということです
ね。
だね。そしてトレーダーにとって一番大事なのは中局。
だから、チャート分析が大事なのだよ。
チャート分析でトレンドを見極めるわけですね。でも、何故大局ではな
く、中局なんですか?
まず、目先の動きは人気思惑なので、読めない。ファンダメンタルズで
デイトレードをするなどということはほとんど不可能だ。
でしょうね。
で、大局の動きをファンダメンタルズ分析で見抜いて、それに乗ってト
レードをするという手法だが、一般投資家にはお薦め出来ない。
何故ですか?
例えばファンダメンタルズ分析を駆使して、これから1年後に上がる予想
が出来たとする。
しかし、その長期上昇トレンドの中で下降トレンドがしばしばある。
あるでしょうね。
これが投資家にとってとても重要なテーマ。長期上昇相場を予想して買
いました。しかし、一時的に逆方向に相場が動いています。当初設定し
たロスカットラインに価格が来ました。どうしますか?
うーん、残念だけど、ロスカットですね。
ムサシ君、最近わかってきたね。どんなに先高を予想していても、価格
がロスカットラインに達したら自動的に決済しなければいけない。とこ
ろがファンダメンタルズを究めて、予想に自信があればあるほど、そこ
で損切りが出来ない。
最終的に上がるとしたら、途中過程の下げは我慢のしどころということ
になりますね。
逆にナンピン買いをするチャンスと思う人もいるでしょうね。
ところがそういうときに限って、さらに価格は下がる。そして万事休
す。
どんなに先高に自信があってもロスカットラインに価格が来たら損切り
するというのが投資の大原則。
だとすると、大局を予想してのトレードというのは正解ではない。
とすると、信頼出来るのは、トレンドに乗って中局相場を取るというこ
とですね。
トレンドには継続するという性質がある。
だからこそ、トレンドイズフレンド(トレンドは友達)と言い、投資家
はトレンドを大切にする。
トレンドを見つけ、トレンドに乗るために、チャート分析はある。
よく理解出来ました。
【2、チャート分析の長所と問題点】
しかし、もちろんチャート分析にも弱点がある。
あるんですね?
よく、「チャートで将来が読めるはずがない!」と言われる。
すると私はこう答える。「チャートで将来は読めません」と。
読めないんですね?
読めない。
あちゃ。とするとチャート分析はなんのためにあるんですか?
現状分析。
現状分析なら、チャートを見なくてもわかります。
そうかな、売り手と買い手の力関係の変化を現状分析するんだよ。
チャートを見なくてもわかるかな?
そう言われると。
現状分析をしっかりとすれば、エッジが浮き彫りになる。
通常、価格が今後上がるか下がるかはヒフティヒフティだが、時にバラ
ンスが崩れ、買方にエッジがある、売方にエッジがあるという状況が生
まれる。
エッジがあるときにエッジがある方に仕掛けるというがチャート分析の
考え方。とすると、そこに予想はない。
確率的に有利な方向に仕掛けるというだけですからね。
何度も話したが、トレードを「予想のゲーム」から、「確率のビジネ
ス」に変えていかなければならない。そのためにチャート分析はある。
【チャート分析の長所】
・エッジのある状況を教えてくれるので、それを元に確率に基づいたト
レードが出来る。
・どこで買う、どこで売るというタイミングを教えてくれる。
・トレードルールの中に組み込むことが出来る。
・我々が知らない早見情報でもチャートは教えてくれる。
【チャート分析の欠点】
・将来を予想するツールではない。
・テクニカル指標の種類が多いため、どれを使ったらいいのかわからな
い。
・テクニカル指標の正しい使い方を解説している本やサイトが少ないた
め、日本のトレーダーは正しい使い方を知らない。(間違った使い方を
しているケースが多い)
「我々が知らない早耳情報でもチャートは教えてくれる」ってのはどう
いう意味ですか?
どこかの企業で凄い新商品を開発して、それが完成間近だとする。
当然、その会社にいる人はそのことを知っている。その人たちが売買す
るとインサイダー取引になるが、その話が友人知人から間接的に伝わ
り、さまざまな人がその株を買いだす。
するとその会社の株は一般の人にとっては理由もわからないまま突然上
昇していく。
ありそうなことですね。
何が起こってるのかはわからないが、何かが起こっていることはチャー
トを見ればわかるのだよ。
海外で大きな事故が起こったとときも同様。その事故が我々のところに
伝わるのはタイムラグがある。テレビで半日遅れ、新聞だと1日遅れ
る。ところがそれが例えば原油価格に影響を与える事故だとしたら、原
油のチャートは事故が起こった直後から動き出す。
事故を知った人がそれを利用して儲けようと原油のトレードを始めるの
ですね。
それにより、原油のチャートが不自然に動きだす。
チャートトレーダーはそれを見逃さない。
なるほど。
2回にわたってファンダメンタルズ分析とチャート分析を研究してきた
が、どちらも長所と欠点がる。
私はたまたまトレードルール作りを意識しているので、チャート分析に
傾倒しているが、ファンダメンタルズ分析も大切だと思っている。
ベストは両方のいいところを組み合わせること。
ですね。
ということで本日はここまで。
起立・礼
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