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国鉄清算業務 - 鉄道・運輸機構
1.(5)①-ア ■中期目標 (5) 国鉄清算業務 ① 年金費用等の支払及び資産処分の円滑な実施等 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平成 10 年法律第 136 号) (以 下「債務等処理法」という。 )第 13 条の規定に基づき、年金の給付に要する費用等の支 払の適切な執行、資産処分の円滑な実施等を進める。 ア 年金費用等の支払の法令に則った適正な執行 旧国鉄職員の年金の給付に要する費用等について、円滑かつ確実に支払を実施する。 これらの支払等に充てるための資金については、適切なリスク管理を行った上で、安 定的かつ効率的に運用するものとする。 ■中期計画 (5) 国鉄清算業務 ① 年金費用等の支払及び資産処分の円滑な実施等 ア 年金費用等の支払の法令に則った適正な執行 ・ 旧国鉄職員の恩給及び年金の給付に要する費用、旧国鉄時代に発生した業務災害に 係る業務災害補償費等の各年度における必要負担額については、円滑かつ確実に支払 を実施する。これらの支払等に充てるための資金については、適切なリスク管理を行 った上で、運用対象や年限構成を工夫することにより、安定的かつ効率的な運用に努 める。 ■平成 24 年度計画 (5) 国鉄清算業務 ① 年金費用等の支払及び資産処分の円滑な実施等 ア 年金費用等の支払の法令に則った適正な執行 ・ 旧国鉄職員の恩給及び年金の給付に要する費用、旧国鉄時代に発生した業務災害に 係る業務災害補償費等について、円滑かつ確実に支払を実施する。 ■ 年度計画における目標設定の考え方 旧国鉄職員の恩給及び年金の給付に要する費用、旧国鉄時代に発生した業務災害に係る業 務災害補償費等平成 24 年度における必要負担額については、平成 23 年度同様、円滑かつ確 実に支払を実施することとした。 98 ■ 当該年度における取組み 1.恩給及び年金の給付に要する費用の支払 旧国鉄職員の恩給及び年金の給付に要する費用等については、関係法令に則り、以下のと おり平成 24 年度内に円滑かつ確実に支払を実施した。 (1)旧国鉄職員の恩給の給付に要する費用については、国に対して 965,370 千円を支払った (給付は総務省人事・恩給局が実施)。 (2)旧国鉄職員の年金の給付に要する費用については、日本鉄道共済組合に対して 155,346,794 千円を支払った。 2.業務災害補償 旧国鉄時代に発生した業務災害に係る業務災害補償については、旧国鉄職員に対して 5,378,836 千円を支払った。また、昨今、大きな社会問題となっているアスベスト問題につ いては、平成 23 年度に引き続き「アスベストに関する健康診断」を無償で受診できる体制 を整えて実施するとともに、アスベストを原因とする業務災害補償(遺族救済を含む)の円 滑な実施を図るとともに定期的な新聞広告への掲載(一般紙 4 紙、地方紙 46 紙への新聞広 告の掲載及び鉄道OB会報への記事掲載)等により広く周知を行った。 99 1.(5)①-イ ■中期目標 イ 土地処分等の円滑な実施 土地処分については、あらゆる手法を駆使し全力を挙げて可能な限り早期の処分を図 ることとし、都市計画事業の工程からやむを得ず処分できない限られた物件を除き、中 期目標期間終了時までにすべて終了する(地方公共団体等との調整については、中期目 標期間中に完了する。)。北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客 鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社(以下「旅客鉄道株式会社等」という。 )の株式 については、各社の今後の経営状況の推移等を見極めつつ、適切な処分方法等を検討す る。 ■中期計画 イ 土地処分等の円滑な実施 ・ 土地処分については、あらゆる手法を駆使し全力を挙げて可能な限り早期の処分を 図ることとし、都市計画事業の工程からやむを得ず処分できない限られた物件を除き、 中期目標期間終了時までに全て終了する(地方公共団体等との調整については、中期 目標期間中に完了する。 ) 。 ・ 土地処分を効果的に推進するために行う基盤整備工事については、可能な限り経費 節減を図るなど適切に実施する。 ・ なお、北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社及 び日本貨物鉄道株式会社(以下「旅客鉄道株式会社等」という。 )の株式については、 国等の関係機関と連携を図りつつ、各社の今後の経営状況の推移等を見極めながら、 適切な処分方法等を検討する。 ■平成 24 年度計画 イ 土地処分等の円滑な実施 ・ 土地処分については、武蔵野操車場及び梅田駅(北)・吹田信号場の二大プロジェク トの更なる進捗を図るとともに、都市計画事業の工程等からやむを得ず処分できない限 られた物件を除き終了する。 ・ 武蔵野操車場(吉川市域約 26ha)については、入札手続きを進め土地の売買契約締 結を完了するとともに、機構施行の土地区画整理事業を完了し、土地の処分を終了する。 ・ 梅田駅(北) (約 14ha)については、土地処分の見通しを得るため、関係機関との協 議・調整を進める。 梅田貨物駅機能の移転のため、吹田地区及び百済地区で実施している基盤整備工事を 着実に進め、吹田貨物ターミナル駅(仮称)の開業に支障が生じないように必要な工事 については完了するとともに、百済駅改修工事を完了する。 ■ 年度計画における目標設定の考え方 土地処分については、武蔵野操車場及び梅田駅(北) ・吹田信号場の二大プロジェクトの更なる 進捗を図るとともに、都市計画事業の工程からやむを得ず処分できない限られた物件を除き終了 することとした。 武蔵野操車場(吉川市域約 26ha)については、入札手続きを進め土地処分を完了するとともに、 機構施行の土地区画整理事業を終了させることとした。 100 梅田駅(北)(約 14ha)については、効果的な土地処分に向けて、都市計画の事業化のための 関係機関との協議・調整を進めることとした。梅田貨物駅機能の移転のため吹田地区及び百済地 区で実施している基盤整備工事を着実に進め、吹田貨物ターミナル駅(仮称)を開業するととも に、百済駅改修工事を完了することとした。 ■ 当該年度における取組み 1.土地処分について 武蔵野操車場及び梅田駅(北)・吹田信号場の二大プロジェクト並びにその他の土地処分に ついて鋭意進めた結果、以下の通り着実に進捗した。 2.武蔵野操車場プロジェクトの推進 武蔵野操車場(吉川市域機構保有土地約 26ha)については、平成 20 年 7 月に事業認可さ れた機構施行の土地区画整理事業に関し、平成 20 年 12 月に着手した都市基盤整備及び供給 処理施設整備が平成 24 年 3 月に完了した。また、新駅設置については、平成 24 年 3 月 17 日 に「吉川美南駅」が開業した。 土地処分については、全街区一括処分による公開競争入札の公告を平成 24 年 3 月に行い、 平成 24 年 8 月 28 日に入札を実施した結果、落札され、平成 24 年 9 月に宅地(約 15.9ha) を購入者へ引き渡した。また、平成 24 年 8 月に換地処分を行い、公共施設用地(約 9.8ha) を吉川市へ引き渡した。 さらに、土地区画整 理事業については、工 事、換地処分などが完 了したことにより事業 終了の手続きを行い、 埼玉県知事の認可を得 て平成 24 年 11 月 30 日 に完了し、長年の懸案 事項であった武蔵野操 車場の土地処分が終了 した。 写真 1.5.1-1 吉川市域航空写真 3.梅田駅(北) ・吹田信号場プロジェクトの推進 梅田駅(北) (約 14ha)の効果的な土地処分に向け、機構保有土地を含む開発区域(約 24ha) については、平成 23 年 4 月に土地区画整理事業や連続立体交差事業などの都市計画が決定さ れた。 その後、 平成 23 年 11 月 27 日の大阪市長選挙に伴う地元行政の政策変更もあり、梅田駅(北) 101 2 期地区の土地利用については、大阪府市統合本部における「グランドデザイン大阪」の中 で「大規模なみどりの空間を確保、国際都市にふさわしい都市魅力を創出する。 」との基本方 針が示され、現在は、平成 24 年 9 月 6 日に設置された都市再生特別措置法に基づく「都市再 生緊急整備協議会・大阪駅周辺地域部会」(部会長;橋下徹大阪市長)」において、土地処分 の前提となる土地利用及び整備計画等の検討が行われている。 梅田貨物駅機能の移転のため、吹田地区及び百済地区で実施している基盤整備工事につい て、吹田地区においては、貨物ターミナル建設の工事を進め、平成 24 年 10 月には大規模な 最終線路等切換を無事故で終了するなど開業に向けて着実な進捗をみた。また、百済貨物駅 においては、貨物設備の改修工事を進めた。これらの結果、平成 25 年 3 月 16 日のJRダイ ヤ改正に合わせた吹田貨物ターミナル駅の開業及び百済貨物ターミナル駅のリニューアル開 業が行われ、梅田貨物駅の機能移転が終了した。 なお、吹田地区においては、機構保有の土地及び周辺区域を対象とした土地区画整理事業 (約 22.2ha)が平成 20 年 7 月の都市計画決定及び平成 24 年 4 月の事業認可を経て、現在進 行中である。 写真 1.5.1-2 グランフロント大阪 写真 1.5.1-3 梅田貨物駅航空写真 写真 1.5.1-4 吹田貨物ターミナル駅 写真 1.5.1-5 百済貨物ターミナル駅 102 4.土地処分の実績 公開競争入札を計画していた 5 件については、新聞広告掲載・土地処分情報誌発行等の広 告宣伝活動等を行い、入札を実施し、全て落札・処分した。 また、随意契約を計画していた 9 件については、関係者への粘り強い土地購入要請を実施 した結果、全て処分した。 この結果、公開競争入札では、長町駅(13 街区) ・(14 街区) ・(16 街区)(約 19ha)、武蔵 野操車場(吉川市域)(約 15.9ha) 、山手宿舎(約 0.6ha)、随意契約では、長万部駅(宿舎)・ 中ノ沢駅~長万部駅①(約 0.9ha) 、武蔵野操車場(吉川市域)(約 10.1ha) 、吹田信号場(北) (約 0.2ha) 、合計(約 47ha)の土地を処分した。これにより、北海道及び埼玉県内の土地処 分は終了した。 5.基盤整備工事の実施 土地処分を効果的に推進するために行う基盤整備工事は、武蔵野操車場、梅田駅(北)・吹 田信号場の 2 件を計画どおり実施した結果、武蔵野操車場が終了した。 ■ その他適切な評価を行う上で参考となり得る情報 武蔵野操車場プロジェクト及び梅田駅(北) ・吹田信号プロジェクトは、国鉄改革から四半世紀 を越えた長年の懸案であるが、平成 24 年度は武蔵野操車場プロジェクトの完了及び吹田貨物ター ミナル駅の開業等という成果を成し遂げた節目の年となった。プロジェクトの進捗に時間を要し た背景及びその間の機構としての取組みは次のとおりである。 1.武蔵野操車場プロジェクト (1)プロジェクトの進捗に時間を要した背景 武蔵野操車場跡地(約 80ha)は、昭和 62 年の国鉄改革に伴い国鉄清算事業団(その地位 を機構は承継)に帰属し、国鉄長期債務償還のための処分対象土地となった。 当該跡地は、三郷市及び吉川市の二市域に位置する延長約 5 ㎞、最大幅約 300mのレン ズ状の広大な土地であり、また、操車場はいわゆる「抱き込み式ヤード」でJR東日本武 蔵野線の上下本線が操車場跡地を挟んだ状況で運行されていた。さらには、全区域が市街 化調整区域であり、加えて吉川市域は農業振興地域に指定されていたことから、土地利用 の観点から大きな支障要因となっており、効果的な土地処分の観点からこれら制限の解除 が必要不可欠であった。 (2)機構としての取組み 機構自らが進める基盤整備工事と並行して、国、関係地方公共団体等に働きかけ、その 協力を得て各種の検討委員会、協議会等を設置し、機構も参画した中で周辺地域を含めた 103 土地利用計画、事業計画等の検討が進められた。 検討に際して、広大な土地に対する多種多様な土地利用方針や、実現化のための整備方 針、整備範囲などの提案がなされ、その中で周辺区域との一体的な開発の観点での武蔵野 線本線の移設統合位置や実現可能な整備手法、主体等が主な議論となり、幾度となく見直 し等がなされてきたが、最終的には機構の効果的かつ早期の土地処分の観点で協議を進め、 決着を図ることができた。 ①基盤整備工事 本線の移設統合位置について各自治体等、関係者の意見集約に時間がかかるなど協議が 難航したが粘り強い協議を行った結果、平成 8 年度末に自治体の合意を得ることができ、 最終的には平成 10 年度末に上下に分離していた新三郷駅駅舎を下り本線側へ統合するこ とにより本線移設問題は決着した。 ②三郷市域の土地処分 三郷市域約 50ha については、開発行為により機構が道路等のインフラを整備し、将来、 市街化区域に編入する前提での土地処分を行うことで関係者が合意し、平成 18 年に公開競 争入札を実施し土地処分を終了、平成 19 年度末には開発行為を終了した。 ③吉川市域の土地処分 吉川市域約 26ha については、新駅設置を含む土地利用計画の策定が進んだことから、平 成 20 年に市街化調整区域編入及び土地区画整理事業等の都市計画決定並びに農業振興地 域の解除がなされ、同時に機構施行の土地区画整理事業の事業認可が行われた。これを受 け機構は、土地区画整理事業を進めてきた。一方、土地処分に有効と思われる新駅設置に ついても、自治体、機構及び鉄道事業者との間で協議が整い、新駅(吉川美南駅)も平成 23 年度末に開業した。以上の進捗を待って平成 24 年 8 月に公開競争入札を実施し土地処 分を終了、同年 11 月には土地区画整理事業を終了した。 2.梅田駅(北) ・吹田信号場プロジェクト (1)プロジェクトの進捗に時間を要した背景 梅田駅(北)の土地約 21ha は、国鉄長期債務償還のための処分対象土地となった。梅田 貨物駅機能の移転先である吹田信号場の前身である吹田操車場は、大正 12 年に営業を開始 し、最終的には吹田市、摂津市に跨った約 50ha の操車場として、国鉄貨物輸送の基幹的な 機能を果たしてきたが、地元では当該操車場が地域分断の象徴と捉えていた。昭和 59 年に 操車場機能が廃止され信号場に変更になったことを契機に、地元では地域分断の解消に向 けて当該操車場跡地の利用計画を立てるなどまちづくりの機運が高まっていた中、昭和 62 年の国鉄改革に伴い、梅田貨物駅機能の移転先と位置付けられたことから地元自治体、議 104 会を含めて一斉に受け入れ拒否の姿勢を示し、その後の反対運動等に繋がっていくことと なった。 (2)機構としての取組み 梅田貨物駅機能の吹田地区への全面移転に係る協議の膠着状況が続いていたが、国鉄清算 事業団解散を控えた平成 9 年に至り、それまでの状況を打開すべく貨物駅機能を 1/2 ずつ吹 田地区、大阪市内へ移転させる機能分散案を地元に提示し、協議を進めてきた結果、平成 11 年 1 月に地元分散案に係る地元自治体、鉄道事業者との基本合意に至り移転方針案が固まっ た。 それを受け、機構は関係者(大阪府、大阪市、吹田市、摂津市、鉄道事業者)と、具体的 な移転計画や行政手続き等について本格的な協議に入れる状況となった。 ①梅田駅(北)先行区域の土地処分 梅田駅(北)は貨物駅として営業中であったが、貨物駅機能の移転とは直接係わりのない 約7ha の区域については平成 11 年から先行的に更地化工事を実施し、当該地は平成 19 年に 処分を終了し、現在、 「グランフロント大阪」として、大阪駅前の賑わいに寄与している。 ②吹田貨物ターミナル駅の開業及び百済駅改修 吹田地区では平成 11 年から 6 年間にわたり環境アセスを実施し平成 17 年に評価書提出、 平成 18 年 2 月に工事着工合意に至った。一方、大阪市内への移転については、大阪市及び 地元と協議を重ね、同年 4 月に百済駅改修ということで決着が図られた。 その後、両地区で工事を鋭意推進してきた中、埋蔵文化財調査や線路切換工事を順次実施 する必要があるなど時間を要したが、地元自治体等関係各所と粘り強く協議・調整を行いな がら吹田貨物ターミナル駅の新設工事及び百済駅の貨物設備改修工事を着実に進めた結果、 平成 25 年 3 月 16 日に梅田貨物駅機能の移転が終了した。 以上により、梅田駅(北)の残る約 14ha の土地処分の前提となる更地化に向け、大きく 前進した。 105 1.(5)②-ア ■中期目標 ② 旅客鉄道株式会社等の経営自立のための措置 機構の特例業務勘定における利益剰余金等の取扱いに関する関係三大臣合意(平成 22 年 12 月 21 日。以下「関係三大臣合意」という。 )並びに債務等処理法附則第 4 条及び第 5 条の規定に基づき、旅客鉄道株式会社等の経営自立を図るための支援措置を、適切に実施 するものとする。 ア 鉄道建設・運輸施設整備支援機構特別債券の発行等 北海道旅客鉄道株式会社及び四国旅客鉄道株式会社が引き受けるべきものとして、鉄 道建設・運輸施設整備支援機構特別債券(以下「特別債券」という。)の発行を行うもの とする。また、北海道旅客鉄道株式会社及び四国旅客鉄道株式会社に対し、特別債券の 引受けに要する資金に充てるための無利子の資金の貸付けを適切に実施する。 ■中期計画 ② 旅客鉄道株式会社等の経営自立のための措置 ア 鉄道建設・運輸施設整備支援機構特別債券の発行等 ・ 北海道旅客鉄道株式会社及び四国旅客鉄道株式会社が引き受ける鉄道建設・運輸 施設整備支援機構特別債券(以下「特別債券」という。 )の発行を速やかに行う。 また、特別債券の償還期間は 20 年とし、国土交通大臣が定める利率に基づき利子 の支払を実施する。 ・ 北海道旅客鉄道株式会社及び四国旅客鉄道株式会社に対し、特別債券の引受けに 要する資金に充てるための無利子の資金の貸付けを速やかに実施する。 ■平成 24 年度計画 ② 旅客鉄道株式会社等の経営自立のための措置 ア 鉄道建設・運輸施設整備支援機構特別債券の発行等 ・ 北海道旅客鉄道株式会社及び四国旅客鉄道株式会社に対して発行した鉄道建設・運 輸施設整備支援機構特別債券について、国土交通大臣が定める利率に基づき利子の支 払を実施する。 ■ 年度計画における目標設定の考え方 北海道旅客鉄道株式会社及び四国旅客鉄道株式会社に対して発行した鉄道建設・運輸施設整備 支援機構特別債券については、平成 23 年度同様、国土交通大臣が定める利率に基づき利子の支払 を実施することとした。 ■ 当該年度における取組み JR北海道及びJR四国に対して発行した経営の安定化を図るための特別債券については、 「鉄 道建設・運輸施設整備支援機構特別債券発行要項」に基づき、国土交通大臣が定める利率(年利 2.5%)に基づき利子の支払を実施した。 ・JR北海道:55 億円 ・JR四 国:35 億円 106 ■ その他適切な評価を行う上で参考となり得る情報 利益剰余金等の取扱いについて 1.国家戦略担当大臣、財務大臣、国土交通大臣の三大臣合意 特例業務勘定の利益剰余金について、国家戦略担当大臣、財務大臣、国土交通大臣の三大 臣による協議が整い、特例業務勘定における利益剰余金のうち 1 兆 2 千億円を平成 23 年度内 に国庫納付するとともに、利益剰余金等を活用した鉄道関連施策を実施することについて合 意された(平成 22 年 12 月 21 日「独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務 勘定における利益剰余金等の取扱いについて」)。 2.東日本大震災に対処するために必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律 (平成 23 年法律第 42 号) 東日本大震災に対処するために必要な財源を確保するため、平成 23 年 5 月に施行された同 法に基づき、特例業務勘定における利益剰余金のうち 1 兆 2 千億円について、平成 23 年度内 に国庫納付した。 3.日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律 (平成 23 年法律第 66 号) 特例業務勘定における利益剰余金等を活用した鉄道関連施策を実施するため、平成 23 年 8 月に施行された同法に基づき、以下の業務を実施することとなった。 (1)特別債券の発行及び無利子貸付の実施並びに特別債券に係る利子の支払 (2)鉄道施設等の更新等に係る無利子貸付及び助成金交付 (3)整備新幹線の着実な整備及び並行在来線支援のための措置 107 1.(5)②-イ ■中期目標 イ 旅客鉄道株式会社等の鉄道施設等の更新等に係る無利子貸付け及び助成金の交付 旅客鉄道株式会社等に対し、老朽化した鉄道施設等の更新その他会社の経営基盤の 強化に必要な鉄道施設等の整備に必要な資金に充てるための無利子の資金の貸付け又 は助成金の交付を適切に実施する。 ■中期計画 イ 旅客鉄道株式会社等の鉄道施設等の更新等に係る無利子貸付け及び助成金の交付 ・ 旅客鉄道株式会社等に対し、老朽化した鉄道施設等の更新その他会社の経営基盤の 強化に必要な鉄道施設等の整備に必要な資金に充てるための無利子の資金の貸付け又 は助成金の交付を実施する。 ・ 無利子の資金の貸付け又は助成金の交付にあたっては、法令その他の基準を遵守し つつ、誤処理なく適正にかつ効率的に実施する。 ■平成 24 年度計画 イ 旅客鉄道株式会社等の鉄道施設等の更新等に係る無利子貸付け及び助成金の交付 ・ 北海道旅客鉄道株式会社、四国旅客鉄道株式会社、九州旅客鉄道株式会社及び日本 貨物鉄道株式会社に対し、老朽化した鉄道施設等の更新その他会社の経営基盤の強化 に必要な鉄道施設等の整備に必要な資金に充てるための無利子の資金の貸付け又は助 成金の交付を実施する。 ・ 無利子の資金の貸付け又は助成金の交付にあたっては、法令その他の基準を遵守し つつ、誤処理なく適正にかつ効率的に実施する。 ■ 年度計画における目標設定の考え方 三島貨物会社に対する老朽化した鉄道施設等の更新その他会社の経営基盤の強化に必要な鉄道 施設等の整備に必要な資金に充てるための無利子の資金の貸付け又は助成金の交付については、 平成 23 年度同様、実施することとした。また、無利子の資金の貸付け又は助成金の交付にあたっ ては、法令その他の基準を遵守しつつ、誤処理なく適正にかつ効率的に実施することとした。 108 ■ 当該年度における取組み JR北海道、JR四国、JR九州及びJR貨物に対する老朽化した鉄道施設等の更新その他会 社の経営基盤の強化に必要な鉄道施設等の整備に必要な資金に充てるための無利子貸付又は助成 金交付(以下「貸付け等」という。 )については、当該貸付け等による設備投資が第三者委員会の 了承を得ていることを確認した上で、 「日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律(平 成 10 年法律第 136 号)附則第5条第1項の規定に基づく無利子資金貸付け及び助成金交付要綱」 に基づき、誤処理なく適正にかつ効率的に実施した。 ・JR北海道:50 億円(無利子貸付 25 億円、助成金 25 億円) ・JR四 国: 5 億円(無利子貸付 2 億円、助成金 2 億円) ・JR九 州:80 億円(無利子貸付 80 億円) ・JR貨 物:73 億円(無利子貸付 73 億円) 注:金額は単位未満四捨五入のため、合計と合わない場合がある。 ■ その他適切な評価を行う上で参考となり得る情報 107 ページ記載の「■その他適切な評価を行う上で参考となり得る情報」を参照。 109 1.(5)③ ■中期目標 ③ 整備新幹線の着実な整備及び並行在来線支援のための措置 関係三大臣合意並びに債務等処理法附則第6条の規定に基づき、整備新幹線の着実な 整備及び並行在来線の支援のため、特例業務勘定から建設勘定への繰入れを適切に実 施するものとする。 ■中期計画 ③ 整備新幹線の着実な整備及び並行在来線支援のための措置 ・ 北陸新幹線(高崎・長野間)の建設債務の償還及び利払いに要する費用に充てるた め、平成23年度において特例業務勘定から建設勘定への繰入れを実施するとともに、 並行在来線の支援のための貨物調整金に要する費用に充てるため、特例業務勘定から 建設勘定への繰入れを実施する。 ■平成 24 年度計画 ③ 整備新幹線の着実な整備及び並行在来線支援のための措置 ・ 並行在来線の支援のための貨物調整金に要する費用に充てるため、特例業務勘定に 係る業務の運営に支障のない範囲内の金額として国土交通大臣の承認を受けた金額に ついて、特例業務勘定から建設勘定への繰入れを実施する。 ■ 年度計画における目標設定の考え方 並行在来線の支援のための貨物調整金に要する費用に充てるため、特例業務勘定に係る業務の 運営に支障のない範囲内の金額として国土交通大臣の承認を受けた金額については、平成 23 年度 同様、特例業務勘定から建設勘定への繰入れを実施することとした。 ■ 当該年度における取組み 並行在来線の支援のための貨物調整金に要する費用に充てるため、特例業務勘定に係る業務の 運営に支障のない範囲内の金額として国土交通大臣の承認を受けた金額については、「独立行政 法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構貨物調整金繰入基準」に基づき、特例業務勘定から建設勘 定への繰入れを実施した(繰入額:57 億円) 。 ■ その他適切な評価を行う上で参考となり得る情報 107 ページ記載の「■その他適切な評価を行う上で参考となり得る情報」を参照。 110