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﹁ 勝 ち 組 ﹂ か ら ﹁ 価 値 組 ﹂ へ の シ ナ リ オ

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﹁ 勝 ち 組 ﹂ か ら ﹁ 価 値 組 ﹂ へ の シ ナ リ オ
日本ユニシス株式会社
ビジネス・イノベーション・オフィス
最
近
、
草
原
の
チ
ェ
ロ
と
呼
ば
れ
て
い
る
馬
頭
琴
に
凝
っ
て
ま
す
。
弓
も
弦
も
馬
の
尻
尾
で
で
き
て
い
る
せ
い
か
、
非
常
に
素
朴
な
味
わ
い
の
あ
る
音
が
出
ま
す
。
︵
ア
ジ
ナ
イ
ホ
ー
ル
︶
●第1回
経営トップ層への経営革新策およ
び経営課題解決策の提案を支援する
部隊として6月にできたビジネス・イノベ
ーション・オフィスのスタッフが、担当し
ます。第一回は厳しい経営環境を乗
り越え、CEOとCIOがどのように経営
を革新させて未来を描くべきかにつ
いて議論をします。
企業経営を取り巻く
厳しい経営環境
﹁﹁未
価勝来
へ
値ち向
組組け
た
﹂﹂企
へか業
のら経
シ 営
ナ
リ
オ
はない企業が急増している。CIOへの要求
ナーシップである。
スペックも、これまでのMIS業務への精通
第5はOnly One企業を実現する価値機
という既存概念とは違い、経営戦略の理
軸を明確にした事業・サービス・商品の
かつて「ライジング・サン」と言われた
解度、スピード、ITガバナンス、先端IT技
提供である。自社の価値機軸と明確な競
日本の国際競争力は1991年の1位から現
術の企業競争力への転換などが重要視さ
争優位性が確立できてはじめて成功への
在30位まで凋落の一途を辿っている。経
れる傾向になっている。
必要条件が整う。
未来へ向けた企業経営
「勝ち組」から「価値組」へのシナリオ
ティに関して磐石の管理基盤を構築する
営環境が厳しいとはいえ、この10年間で
競争力を失っていった日本企業には幾つ
かの共通の経営課題が存在し、今後の経
営環境の変化を考えても、以下の課題は
それではユニシスがどのように未来の企
未来へ向けた企業経営を描くには大きな
業経営へ向けた「価値組」への変革シナ
障害になると考えられる。
リオを描くべきかを提言したい。
①低価格だけでは商品やサービスを買わ
まず第1は、価値の発見である。自社だ
ない顧客の真のニーズを捉えきれない
けの限定的な顧客との接触頻度や評価属
②顧客や市場の変化にタイムリーに対応
性だけでなく他社と連携してより多面的
できない
③Best Of Breedのワールドクラス・パー
トナーを競争力強化に活用できていな
に顧客を捉えるマーケティング基盤の構築
を提言したい。
第6は情報やオペレーションのセキュリ
ことである。セキュリティ政策とユビキタ
ス環境がこの実現を可能にしてくれる。
最後はこれまでからの継続的な経営課
題でもあるオペレーションの効率化、キャ
ッシュフローの改善による企業価値の最大
化である。
ユニシスの提唱する
「リアルタイム・エンタープライズ・マネジメント環境」
第2は、価値観の共鳴である。デル・コ
日本企業がこれらの7つの変革ポイン
ンピュータの顧客満足度が高い理由に学
トを実現するためにユニシスが提唱するの
ぶことが多い。顧客と直接話すオペレータ
が「リアルタイム・エンタープライズ・マ
の教育やシステムが良いだけでなく、実際
ネジメント環境」である。すでにIT投資で
の対応アクションを取る後工程の社員も
構築してしまっている既存のIT資源
のリスクマネジメント力が脆弱
その重要性を理解して、迅速に的確に対
(ERP等)を生かしつつ、社内のイントラ
これらの課題を乗り越えるだけでなく、
応するようにマネジメントの仕組みを作っ
環境はもちろんのこと、社外のサプライヤ
さらに企業競争力の源泉として徹底的に
ている。ITとマネジメントの融合が重要な
ー等のパートナー企業までもリアルタイム
強化することが、各企業の生き残りと未
のだ。
でマネジメントできる体系に組み込み、ま
い
④独自の技術や競争優位性を明確に有す
るOnly One企業になれていない
⑤安全・品質・情報・コンプライアンス
来への成功にとって不可欠であると認識
している。
経営改革者としての
CEO・CIOの役割
このような厳しい経営環境下で、未来
へ向けた今後の企業経営を改革する役割
第3は、顧客価値ニーズにスピーディに
た顧客サイドではユビキタス環境をリンク
対応することである。常に価値ニーズの変
することで、シームレスで顧客情報や物流
化を掴めるように業績評価指標(KPI)等
情報がマネジメントできる次世代の経営
の社内体制を構築しておくと同時に、実
システム環境である。
現手段であるアウトソーシング、ASP、ア
これにより7つの変革ポイントを実現す
ライアンスまで含めたIT面での実現加速手
るシステムを組み込むことが可能になるは
段も有効活用すべきである。
ずである。
を担っているCEOおよびCIOの改革推進
第4は、スキルやケイパビリティを補完
能力をエンパワーする一つの鍵がITである
し得るビジネス・パートナーとのアライア
次回からは、これらの変革を実現する
ことは疑う余地はない。それを反映してか、
ンス有効活用である。これは系列下請企
ITによる経営革新策についてより具体的
CIOもしくはMIS部長の出身経歴がMISで
業とは発想が異なり、より戦略的パート
に連載していく。
執筆者 日本ユニシス株式会社 ビジネス・イノベーション本部長 兼 ビジネス・イノベーション・オフィス チーフ・イノベーション・オフィサー 甲斐英隆
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