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参考資料集 - 経済産業省
参考資料1 参考資料集 参考資料 目次 ○国内需要におけるグローバル競争 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.2 ○サプライチェーン強靱化への対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.3 ○ものづくり中小企業の取引先/パートナーの現状・・・・・・・・・・・・・・・ P.4~5 ○中小企業の産出する付加価値額の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・ P.6 ○ものづくり中小企業の国際競争ポジション ・・・・・・・・・・・・・・・・ P.7~10 ○今後の成長分野と自前主義の限界 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.11~12 ○SBIR制度'中小企業技術革新制度( ・・・・・・・・・・・・・・・・ P.13~14 ○グローバル・ニッチトップ企業への進化 ・・・・・・・・・・・・・・・・ P.15~16 ○技術流出対策に関するソフト支援 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.17 ○ソリューション型企業の事例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.18~19 ○ベストプラクティスの共有~元気なモノ作り中小企業300社 ・・・・・・ P.20 ○産学官連携 P.21~23 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 国内需要におけるグローバル競争 • 製造業に対する国内需要'名目(は20年間ほぼ横ばい。人口減尐に伴い長期的には縮小傾向。 • 国内需要に占める海外からの輸入割合は増加の一途であり、国内向けの製品を作っている企業は苦戦 を強いられている。 製造業の国内需要額とそれにおける輸入額'名目値(の推移 '1985年の国内 需要額=100( 25% 140 120 20% 100 17% 15% 15% 80 12% 60 9% 40 20 10% 8% 5% 6% 0 1985 1990 1995 国内需要額名目値'左軸( 2000 2005 0% 2010 資料:総務省「産業連関表」再編加工 うち輸入額'左軸( 輸入額/国内需要額'右軸( 2 サプライチェーン強靭化への対応 対応策の長所短所 中小企業に求められる主な対応 M( merit, D( demerit 災害への 基礎体力 の強化 冗長性 '代替性( の確保 回復性 '復元性( の確保 グローバル競争下における『競争力の強化』と『リスク対応』との両立 BCPの設定 M( 初動の容易性 D( 想定外の災害への対応困難 経営基盤の強化 M( 有事の対応力 D( 経営の改善努力が必要 経営・ノウハウのIT化 M( 書類・データ等の保全 D( 経費・コストの増大 耐震化の推進 M( 施設、設備の保全 D( 経費・コストの増大 部品共通化・標準化 M( 高い代替性、製造コストの低減 D( 技術のオープン化、海外からの 参入容易化 調達・生産拠点の複数化 M( 高い代替性 D( 経費・コストの増大 在庫'バックアップ(の整備 M( 対応の即時性 D( 経費・コストの増大 連携・連帯の強化 M( コスト負担が小 D( 技術流出の恐れ、完全代替は困難 競争力の確保 M( 技術の囲い込み D( サプライチェンへの影響は一時的 には大 国内外の市場開拓 M( 国内納品先からの影響が減尐 D( 新規開拓には努力必要 【BCP策定の徹底】 ○BCP策定済みの中小企業は約1割'2009年度(※ 【経営基盤の強化】 ○緊急時に備えたキャッシュフロー対策 ○国内外市場の開拓、新分野参入により、納品先を増やしリスクヘッジ 【国際標準化への対応】 ○技術力を生かしたブラックボックス領域への参入 ○標準化領域における競争力強化 ・独自技術の開発や設備投資による優位性確保 ○知的財産権の保護・活用 【代替生産の確保】 ○自社での複線化(コスト大) ○連携による緊急的な代替先確保(コスト低) ・自社の他工場、提携先の工場、同業者の工場との連携により、バック アップ工程を共有。 ・代替生産に必要な設計情報、コア技術及び人材についてポータブル化 ・技術流出対策 【迅速な回復】 ○サプライチェーンの可視化 ・サプライチェーンのボトルネックを事前に特定 ※経済産業省「産業構造審議会産業競争力部会中間とりまとめ」'平成23年6月( 3 ものづくり中小企業の取引先/パートナーの現状① • 中小企業をとりまく取引関係は、単純系列の下請け系列構造からネットワーク型'メッシュ型(に移行途上で、 固定的なグループで安定していたのが実態。そうした中、度重なる我が国経済危機と、東アジア諸国における 力強い需要と工業化の更なる進展の好循環により、グローバル競争は一層加速し、実質的グループ牽引役の 川下企業の工場は海外へ。 • また、川下企業がグローバル市場で勝てなくなってきたことで多くの中小企業は苦境に。他方、内外の新たな 取引先を獲得する中小企業も存在。 撤退、海外移転 ピラミッド構造の崩壊でジリ貧 ・加工サービス等の仕事が減尐 ・固定的グループ依存では廃業の危機 ・地域では横持ちのネットワークが弱体化 低価格製品の 押し寄せ 人口減尐と 尐子高齢化 → 直接市場開拓が必要 コスト低減圧力 '円( '円( 40,000 液晶テレビの 平均価格'右軸( 130,000 30,000 110,000 コンパクトデジカメの 平均価格'左軸( 20,000 90,000 10,000 70,000 2005 2006 2007 2008 2009 資料:経済産業省「機械統計年報」再編加工 系列的取引の崩壊 '社( 1995年以前からの取引先数 1996年以降からの取引先数 増加率 160 140 120 100 80 60 40 20 0 1 0 年 前 現 在 1 0 年 前 現 在 完成品・最 部品・半製 終製品 品 1 0 年 前 現 在 素形材 1 0 年 前 現 在 原材料 400% 350% 300% 250% 200% 150% 100% 50% 0% 1 0 年 前 現 在 研究開発の み 資料:中小企業庁「中小企業白書'2006年版(」 4 ものづくり中小企業の取引先/パートナーの現状② • 大田区や東大阪市では町工場の廃業が続き、工場数は1983年のピーク時の半分に。全ての設備をそろえ なくても近隣にある専門工場と連携すれば十分仕事ができる「横持ち」のネットワークは崩壊に瀕しており、 「大田区や東大阪に頼めば何とかしてくれる」はもう過去の話。なお、川下企業には国内の川上・川中を育てて いる余裕なく、川上企業にも困難・緊急の作業を近隣だけで何とかまわす余裕なし。 • 製造業は、現在でも全産業の中で最も国際競争力があり、他産業への波及効果が大きい。その屋台骨である ものづくり中小企業'群(が揺らぐ事態となっており、中小企業'群(の自立化・自律化が課題。自社内は得意の コア技術に特化し、自社内にない技術については広く外部と協創する形態をとる真の開放型のネットワーク 体制が必要。また、川上相互、川中相互で連携・協働して、新たな取引関係を開拓する取組も重要。 事業所数の急速な減尐 連携の事例 地域連携 1,000,000 全国の中小製造業者事業所数 12,000 地域の中小製造業者事業所数 900,000 元請け企業 10,000 800,000 700,000 地域を 越えた連携 顧客 8,000 600,000 500,000 6,000 400,000 4,000 300,000 200,000 2,000 地域連携 元請け企業 0 1980 1990 2000 他企業、大学、 研究所等 東大阪 100,000 0 元請け企業 大田区 1978 1983 1988 1993 1998 2003 2008 資料:経済産業省「工業統計表」再編加工 地域連携 5 中小企業の産出する付加価値額の推移 • • 付加価値額に占める中小企業'ここでは資本金1億円未満(のシェアは、1960年から現在までの長期に わたって、付加価値額の50~60%で安定的に推移。 いわゆる中小企業'資本金1億円以上を含む(の産出する付加価値額としては5割を優に超える。 資料:中小企業庁「中小企業白書' 2009年版(」 6 ものづくり中小企業の国際競争ポジション① • 我が国には、さまざまな要素部品において、世界市場の過半を占めるグローバル・ニッチトップ企業'GNT企業( と呼ばれる製品開発型の中堅・中小企業が多数存在。鋳造、溶接、精密加工といったものづくり基盤技術を持つ 加工サービス型の中小企業と幅広く連携・連帯したグループを有し、その共同受発注をするところも多い。 • GNT企業は、①全国の各地域を代表する企業として地域の経済と雇用に貢献し、②高い競争力により、相対的 な高賃金、円高の環境下にあっても、国内に一定の拠点を残しつつ海外市場を開拓しており、③国内における 基盤技術の承継・発展の担い手として、④また海外との製品又は工程分業によって国内では高付加価値化へ 経営資源を集中させて競争力向上の好循環を生み出す優良企業として、日本経済に貢献との分析あり。 資料: 経済産業省平成20年度産業技術調査事業委託「日本企業の国際競争ポジションの定量的 調査分析事業」'富士キメラ総研(、JEITA「電子情報産業の世界生産見通し」 等 7 ものづくり中小企業の国際競争ポジション② • 日本を牽引する製造業の国際競争力は、ものづくり基盤技術をもつ中小企業により支えられている。鋳造技 術等一部のものづくり基盤技術については、日本国内でイノベーションが継続しており、引き続き優位性を保 っている。 • 一方、新興国の猛追により技術力の維持・向上は厳しさを増しつつあり、また、製造業の海外拠点化が進む 中でも、中小製造業の輸出企業の割合は2.4%にとどまっている。 技術の例 我が国の競争力 鍛造技術 'B21( 主な素形材品の貿易特化係数の推移'金額ベース( 輸出特化指数の推移'金額ベース( 0.65 0.60 鋳造・粉末冶金技術 'B22( 0.55 鍛造・鋳造 ・・・ ボル ト、ナット、ネジ 粉末冶金 ・・・ 磁石 '金属製のもの( 0.50 切削加工技術 'B23( めっき技術 'C23( プラスチック成型技術 'B29( 資料: 日米欧中韓特許庁における国際特許分類別 及び国籍別の特許登録数 http://www.trilateral.net/statistics/grants.html 0.45 0.40 切削加工 ・・・ 機械用 又は器具用のナイフ 及び刃 めっき ・・・ コネクター 0.35 0.30 0.25 プラスチック整形 ・・・ プラスチック 資料:財務省「貿易統計」再編加工 ボルト、ナット、ネジ・・・H.S.コード:73.18 磁石'金属製のもの(・・・H.S.コード:8505.11 機械用又は器具用のナイフ及び刃 ・・・H.S.コード:82.08 コネクター・・・H.S.コード:85.36 プラスチック・・・H.S.コード:39 8 ものづくり中小企業の国際競争ポジション③ 主なものづくり基盤技術についての特許取得数の推移'国籍別( B21:鍛造技術等 工作機械;他に分類されない金属加工'件数:2005年=100( B23:切削加工技術等 質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き B22:鋳造、粉末冶金 鋳造;粉末冶金'件数:2005年=100( 300 600 250 日本 日本 250 500 件数:2005年=100 日本 200 中国 中国 中国 200 400 韓国 韓国 150 韓国 150 300 米国 米国 100 米国 50 ドイツ 100 200 ドイツ ドイツ 50 100 世界全体 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 世界全体 0 金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料 C23:めっき技術等 の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一 般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般'件数:2005年=100( 世界全体 0 2003 2009 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般'件数:2005年=100( B29:プラスチック成型技術等 600 400 日本 日本 500 中国 400 韓国 300 米国 200 ドイツ 100 350 中国 300 250 韓国 200 米国 150 100 ドイツ 50 世界全体 世界全体 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 0 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 資料:日米欧中韓特許庁における国際特許分類別及び国籍別の特許登録数 http://www.trilateral.net/statistics/grants.html 9 ものづくり中小企業の国際競争ポジション④ 主なものづくり基盤技術の国際比較 鋳造技術 '対アジア諸国( 汎用品などの付加価値の低い製品分野においては、コ スト面で優位性を持つ中国にシフト。技術水準、品質は未だ日本に及ば ず、一部の自動車用鋳造品については日本から世界中に輸出している ものもある。しかしながら、今後も、アジア諸国の技術的な追い上げが予 想される。 '対欧米( 一般に我が国の鋳造技術は超重量品のニーズが尐ないこと から、超重量品の製造技術に遅れをとっている。その反面、日本で開発 された人工砂は我が国のほとんどの鋳鋼品製造の現場において使用さ れており 、高精度な製造技術において優位。さらに、粉塵発生の抑制、 人工砂の再利用などの環境面における技術もリード。 めっき技術 '対アジア諸国( 技術力については、依然として我が国は大きな優位性があり、様々な電 子機器及び半導体、高機能化している自動車部品の一部は東南アジア や米国でも日本でめっきされた部品が使われている。一方で、新興国の 自動車、家電等の需要増加を見込んで、自動車・家電等のセットメーカ並 びに発注元の部品メーカの生産拠点の海外シフトに伴い、装飾用途等の 汎用めっき品は中国をはじめとする東南アジア諸国に流れている。 '対欧米( 環境に対応した新規めっきプロセスの対応'最近では鉛フリーはんだや六 価Crフリー等(については欧米が先行しており、国をあげて研究が行われ ているが、依然として代替めっき技術がなく、我が国とほぼ同じで研究開 発が進められている。 金属プレス加工技術 '対アジア諸国( 自動車をはじめとする種々の産業のグローバル展開に より、プレス加工部品の現地生産急増。コストは勿論、技術水準の向上 により、精度においても我が国に切迫しつつある。 '対欧米( アルミニウムやマグネシウム等、鉄鋼以外の新材料・加工方法 開発・逐次成型、ハイドロフォーなどの新技術開発において比較優位。 熱処理技術 '対アジア諸国( 自動車をはじめとする種々の産業のグローバル展開に より、海外向け製品が急増。コストは勿論、技術水準の向上により、精 度においても我が国に切迫しつつある。 '対欧米( 技術力としては我が国と均衡。 鍛造技術 '対アジア諸国( 自動車をはじめとする種々の産業のグローバル展開に より、鍛造品の現地生産増。コスト安という優位性は持ちながらも、良質 の原材料、素形材の調達が困難なことなどにより、アジアにおける部品 調達基盤の弱みが指摘されているが、長期的には、調達基盤が改善 し、現地調達率が向上すれば、急速に競争力が高まることが予想され る。 '対欧米( 精密鍛造技術は、1970~1980年代に日本で開発され、世界 に先行していたが、欧米の技術開発は、先行している日本を横目で見 ながらなされており、多くの面で追いついてきている。一方、航空宇宙産 業がリーディング産業の1つである米国においては、軽量非鉄金属の鍛 造研究が進展。 10 今後の成長分野と自前主義の限界① • 近年、地球環境問題等の新たな課題に直面する中、その課題解決に必要な技術が急速に高度化・複雑化し ている。例えば、電気自動車については、従来の自動車に比べて、モーター技術、蓄電池技術といった新し い技術分野の比重が高まっている。さらに、自動車産業が「交通」「エネルギー」 「情報通信」システムと融合し ていくことが考えられる。 • こうした新しい技術分野には市場の大きな成長が見込まれるが、モジュール化が進展し、垂直統合モデルか ら水平分業モデルへと変わる可能性がある。 • そのため、多くの企業にとって、必要な技術を自社内のみで開発することは困難となってきている。 次世代自動車で新搭載又は変更が想定される部品と基盤技術の例 【その他】 ○ライト ハロゲンなど⇒LED ヒートシンク:ダイカスト ○センサー、レーダー 信号処理回路:電子部品・ デバイス実装 【電装品・電子部品】 ○モーター モーターコア:粉末冶金 モーターケース:ダイカスト ○バッテリー バッテリーケース:プレス ○コントロールユニット 制御ソフト:組込ソフト ITS '高度道路 交通システム) ○周辺情報処理ユニット 交通情報⇒インターネット情報 情報処理デバイス:電子部品・デバイス実装 エネルギー (スマートグリット) 情報 ・通信 【車体部品】 ○ボディ外板 ハイテン⇒素材変更 炭素繊維:織染、樹脂:高機能化学 11 今後の成長分野と自前主義の限界② ~ 例:自動車産業における電動化 ・自動車産業における電動化は「交通」「エネルギー」「情報通信」システムと融合することにより、安全で環境に やさしい、新しい社会システムの一翼を担う。 次世代自動車 パーソナル モビリティ 次世代 パーキング 路上 センサー 事故未然 防止システム ITS '高度道路 交通システム) BRT・LRT 街づくり・社会づくり 社会 'インフラ( 人 スマートフォン 交通支援 情報 再生可能 エネルギー パワー 半導体 充電技術 非接触充電 EV充電器 蓄電池 エネルギー (スマートグリット) 情報 ・通信 スマートビル・ スマート工場 PC・携帯 シェアリング システム クラウド スマートハウス 12 SBIR制度'中小企業技術革新制度(① • 中小・ベンチャー企業の技術力の向上と、その技術の適切な社会的活用を図る観点から、米国において、 1980年代以降、技術開発予算の中小企業への提供拡大、及び研究開発成果の事業化の支援のための 枠組み'SBIR制度(が作られてきた。 • 我が国においても、平成11年'1999年(に施行された「新事業創出促進法※」の中で、各省庁による中小企 業の参加可能な技術開発事業の登録、中小企業向け支出目標額の設定、及び低利融資等の技術開発成 果の事業化支援措置を毎年度「交付の方針」として閣議決定する枠組み'日本版SBIR制度(を創設。 • こうした取組の下、中小企業の国の技術開発への参加機会のさらなる拡大を目指し、「新成長戦略」工程表 や「第4期科学技術基本計画」にて、埋もれた技術やアイデアの発掘に有効な探索研究・実証実験'F/S( を技術開発'R&D(の前段階に設ける「段階的選抜方式」の導入促進が求められている。 「多段階選抜方式」の概要 事前調査 'F/S(・ 研究開発 'R&D( 各省庁が特定補助金を指定 平成23年度:110本、1727億円 特定補助金の中 小企 業向け支出 目標額等を決定 平成23年度:451億円 事業化 低利融資、特許料の減免等を措置 事前調査'F/S( 'フェーズⅠ( 段階的競争選抜 研究開発'R&D( 'フェーズⅡ( 事業化 'フェーズⅢ( ※「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」'平成17年施行、中小新促法(にて継承。 13 SBIR制度'中小企業技術革新制度(② • SBIR制度による国の研究開発予算における中小企業向け支出実績額 は11年間で約4.6倍に増大。 '平成11年度:96億円 →平成 22年度:438億円( • SBIR制度による事業の参加・利用企業数は、12年間で延べ約21,000社'重複分を除くと約17,000社(。 【成果事例1】 SBIR制度の特定補助金等の総額及び支出目標額・実績額 ' 億円( ■目標額 2000 1500 ▲ ■実績額 1463 1000 1191 500 703 ● 特定補助金等本数 1420 1582 1497 1532 1344 400 58本 129本 110本 89本 64本 140 120 111本 91本 56本 250 200 47本 48本 40本 110 96 130 145 180 198 12Fy 13Fy 250 280 253 261 300 298 310 367 370 390 400 379 362 357 435 451 438 405 80 60 351 目標額4.1倍 実績額4.6倍 0 40 20 0 11Fy 14Fy 15Fy 16Fy 17Fy 18Fy 19Fy 20Fy 21Fy 22Fy 23Fy ※平成11年度~ 5省庁参加'経産省、総務省、文科省、厚労省、 農水省( 平成13年度~ 8省庁参加'環境省が追加、また、警察庁、防衛庁が関係省庁連絡会議へオブザーバーとして追加( 平成17年度~ 9省庁参加'国交省が追加( SBIR企業数'累計( ※特定補助金等の総額は平成12年度以降のみ把握 25000※特定補助金等の交付を受けた中小企業は、平成21年度までで延べ約21,000社 延べ21,242社 20000 15000 10000 5000 160 60本 56本 300 50 1727 100 350 100 1710 1030 842 450 150 '指定本数( 特定補助金等総額 524 1,472 2,529 10Fy 11Fy 12Fy 4,186 5,805 7,048 8,847 10,630 12,536 13,958 15,328 0 13Fy 14Fy 15Fy 16Fy 17Fy 18Fy 19Fy 20Fy 21Fy SBIR技術革新事業'20Fy採択( 朝日熱処理工業㈱ 「衛星用波動歯車の長寿命化の研究開発」 ・衛星に用いられる波動歯車の耐久性の2倍向上を達成 '地上の1/50の5万回転→10万回転(。 ・JAXAから、JAXA開発品よりも長寿命の製品が実現される 可能性が高いとの評価を得ており、現在、正式部品登録 に向けて調整中。 【成果事例2】 SBIR技術革新事業'20Fy採択( スペースリンク㈱ 「宇宙用小型GPS受信機の研究開発」 ・GPS受信機に、独自開発の航法処理アルゴリズムを搭載、測 位精度±20mmを達成。また、重量1kgの小型化実現。 ・本研究の成果をもとに企業パートナーと共同開発した製 品について、JAXAの調達が決定。 【成果事例3】 新エネルギーベンチャー技術革新事業'22Fy採択( マイクロ波環境化学㈱ 「マイクロ波化学を利用した革新的バイオディーゼル製造プロセスの 技術開発」 ・固形物を含む食用廃油のバイオディーゼル燃料化'BDF(を達 成。併せて燃料化するための時間を従来方式の1/4に短 縮、低コスト化を実現。 14 グローバル・ニッチトップ企業への進化① • • グローバル製造業企業以外の産業の企業を、海外マーケットにつなげることが重要。ものづくり中小企業に おいては、グローバル製造業を頂点とするピラミッド構造の崩壊で困窮する中、すべてが一律に海外展開する ことは困難であり、グローバル中小企業との連帯・連携のグループの下での海外展開が有効かつ現実的。 グローバル中小企業の海外展開への第一歩は、経営資源をやりくりしつつ、通訳、専門商社等の外部資源を 活用して海外展開を果たすことが必要だが、技術的な課題の克服も課題。 資料:経済産業省「産業構造ビジョン2010」 15 グローバル・ニッチトップ企業への進化② 【グローバル・ニッチトップ中小企業の実例】 東京都大田区の理化工業株式会社'従業員439名、資本金5,560 万円(は温度制御機器メーカー。製品品質に大きく関わる温度・湿 度管理プロセス技術に特化し、温度調節計ではシェア世界第4位。 理化工業 大田区企業の取引構造 理化工業 電子回路基板 ネジ付プレス部品 A社 C社 電力制御機器 B社 東京都板橋区の株式会社アタゴ'従業員112名、資本金 9,600万円(は、屈折計等を開発・製造・販売する企業。 屈折計は、光の屈折を応用して、液体中に溶解している 固形分'糖・塩等(の濃度を測定する機械。近年、中国で 同社の屈折計の模倣品が多く出回って 苦労した経験を踏まえて、機能性・操作 性・デザイン性を追及した手持屈折計 「MASTER」シリーズを開発。中国用に 金型加工が難しい形状を採用。 アタゴ 手持屈折計「MASTER」 資料:中小企業庁「元気なモノ作り中小企業300社」 資料:中小企業庁「元気なモノ作り中小企業300社」、 帝国データバンク「産業調査分析SPECIA」再編加工 鋳造 D社 電子部品 E社 【GNT企業の雁行型海外展開の事例】 円高・リーマンショック等による加速的変化 光学製品 F社 自律化・自立化フェーズ ネットワーク化フェーズ 海外マーケット 撤退、海外移転 低価格製品の 押し寄せ 人口減尐と 尐子高齢化 ・加工サービス等の仕事が減尐 ・固定的グループ依存では廃業の危機 ・地域では横持ちのネットワークが弱体化 B2B製品開発型 中小・中堅企業 基盤技術型 中小企業 ・技術力のあるものづくり中小企業は 得意分野のコア技術に特化し、自ら の役割を「選択・集中」「先鋭化」 海外展開 GNT企業へ ・コーディネート企業'元請け(がGNT企業 となって協力企業と共に成長 ・協力企業の海外展開を牽引 16 技術流出対策に関するソフト支援 技術流出対策については、これまで行われてきている各種ソフト支援も合わせて活用することが重要。 中小機構 JETRO ○中小企業国際化支援アドバイス制度 ○知的財産保護関連サービス ・国・地域別の担当の国際化支援シニアマネージャー が内容に応じて各分野で専門性の高いスキルを持 つ「国際化支援アドバイザー」と連携しながら助言 ・海外ビジネスでの知的財産侵害リスクの回避方法 や海外市場での模倣品問題解決のため、 -中小企業の知的財産権侵害調査の実施 -セミナー等での情報提供 -海外事務所における相談窓口の設置 -国別模倣対策マニュアルの配布 ・海外での事業化可能性調査への専門家同行 特許庁 ○知財総合支援窓口 ・中小企業の知財の課題等を一元的に受け入れる窓 口を設置、様々な専門家・支援機関等と共同でワン ストップサービスを提供 経済産業省 ○ものづくり指導者養成事業 ・OB人材等に指導者としてのスキルを身につけさせ、 国内の現場従業員を教育させることで、技術流出を 防止しつつ、ものづくり中小企業の技術力維持・向上 を支援 17 ソリューション型企業の事例① 【例1】帝国インキ製造'株('東京都( 【例2】'株(加藤電器製作所'山梨県( '従業員:172名、資本金:9,500万円( '従業員:227名、資本金:8,800万円( 技術ノウハウ、特許、人材、設備の知的集合体に より、スクリーン印刷インキの持つ機能とその周辺技 術を用いた迅速な商品企画支援、デザイン支援から 印刷ライン構築支援までのサービスを国内外の企業 に提供。 同社のインキは自動車のディスプレイパネルや携 帯電話のボディ、洗濯機や炊飯器の表示パネル等、 広い用途に世界中で使用されている。 大手電器メーカーを顧客に、液晶ディスプレイ、携 帯電話、パソコン等に組み込まれるIC・電子部品の 「組立」から「テスト」までの一貫したサービスを展 開。 生産コストの問題から海外移転を進める同業者も 多い中、「顧客の第二開発部」をモットーに顧客の要 求に応えるとともに、人材育成と設備投資により競 争力強化を図り、海外企業に勝てる独自の生産シ ステム'高品質・低コスト・短納期(を構築。 スクリーン印刷インキを用いた製品事例 テスト装置 電子デバイス部品 資料:中小企業庁「元気なモノ作り中小企業300社」 18 ソリューション型企業の事例② 【例3】'株(最上インクス'京都府( 【例4】新熱工業'株('茨城県( '従業員:68名、資本金:4,600万円( '従業員:45名、資本金:3,000万円( 設計から試作、量産化までの「薄板金属に関する トータルソリューション」が強み。 顧客の要求に応じて、切削加工・ダイキャスト製品 の欠点を薄板金属のプレス化により克服するなど、 その技術は高く評価されており、主力商品の光伝送 部品、コネクタ部品、制御関係部品は国内大手電機 メーカーの通信機器・車載電子機器等に採用。 ヒーターの専用メーカーであり、オーダーメイドで工 業用からその他幅広い分野に向けて電気ヒーターを コアとした製品を設計、製造、販売。 技術提案型の企業として、独自の技術を基に極限 環境での使用に耐えうる種々のヒーターの製造が可 能であり、同社にしかできない特注品は世界の製造 業からオーダーがある。 試作加工事例 薄板金属加工事例 '同社の技術力 を具現化( ※同社が開発したスーパーフラッ トヒーターは、ヒーターを平形に することで、高い熱伝導率のほ か、被過熱物の形状や装置の空 間に合わせたオーダーメイド対応 が可能に。 スーパーフラットヒーター 資料:中小企業庁「元気なモノ作り中小企業300社」 19 ベストプラクティスの共有 ~ 元気なモノ作り中小企業300社 ・各地の優れたものづくり中小企業にスポットライトを当て、普段は目に触れる機会が尐ない身近な中小企業 の姿を広く紹介することにより、選定された企業への直接的な効果のほか、ものづくり中小企業の目指すべ き道を示すことで全国の中小企業の奮起を期待。 事業の成果 選定企業の地域別内訳 ○「高度な技術を用いて革新的な製品を供給している」 「国民生活や産業活動に大きな影響を与えている」等の 観点から、4年間にわたり毎年300社を選定。 ○選定企業への直接的な効果のほか、模範的な企業とし て他のものづくり企業に対して波及効果を与えている。 ・半導体検査用の微細針を開発・製造するA社は、これま で高い技術力で一目置かれていたが、300社への選定 を機に他企業から技術指導の依頼が寄せられた。 ・高いカーボン加工技術を持つB社は主に自動車業界向 けの製品を製造していたが、300社に選定されたこと で、今までまったく取引がない異業種の企業からの連携 の打診が増えた。 ・作業工具のトップメーカーであるC社は、従来の知名度 の高さに加えて、300社への選定等の影響により、全国 各地の企業から見学者を受け入れている。 モノ作り産業の活発な地域に多く存在 ・東京都'109社(、大阪府'106社(、愛知県'80社(、神奈川県'58社( 資料:中小企業庁「元気なモノ作り中小企業300社」 20 産学官連携① ~ 企業間連携や産学官連携の成功事例 【成功事例1】地域を越えた連携 【成功事例2】川上・川下の連携 広域で、中小企業が技術、ノウハウの緊密な「すり合 わせ」を通じて、柔軟に「強み」を相互補完しながら、 医療関連器具'人工歯根用の手術器具(などの高付 加価値製品を創出 川下企業のニーズを受けて、中小企業、公設試、大 学が連携し、新材料'チタン(を用いた定置型燃料電 池セパレータを開発'既存のセパレータと比較してコス トを大幅に削減( ファイブテックネット チタンセパレータ 滋賀 川上 川上 コーディネイト 東京 サイベック コーポレーション 精密金型、 プレス加工技術 の高度化 サン工業 特殊めっき 長野県 テクノ財団 微細加工 栃木 福岡 大阪 信州大学 アドバイザ 大学 長野県工業 技術総合 センター セパレータ形状 性状測定技術 開発 IHIシバウラ セパレータの スタック化、 燃料電池の 組立・性能試験 川下 公的機関 21 産学官連携② ~ 公設試験研究機関による中小企業支援強化 • 地方自治体等が設置して運営する、公設試験研究機関'以下「公設試」(は、地域の産業を技術面から支えて いる。地域の産業の主要な部分を担っているのは中小製造業であり、支援ニーズは技術課題の解決に関わる ものの比重が大きく、これに対応する役割を持つ公設試による支援は重要であり期待が大きい。 • 中小製造業は厳しい経営資源の制約を受けながら、熾烈な競争に対応しており、技術支援の要求と先鋭化は 顕著である。一方で、地方自治体の財政は逼迫し、公設試にも運営・機能の思い切った改革が不可欠である。 ①フルライン指向の排除~「選択と集中」による「地域固有の要請」に対応した機能の特化・強化、②基礎偏重 からの脱却'実践指向支援への転換(③試験設備依存の解消とソフト的支援手法によるニーズ対応などが課題 として挙げられ、実際に地域要請に即して機能の取捨選択・強化を行っている公設試では成果があがっている。 愛媛県産業技術研究所紙産業技術センター 高知県立紙産業技術センター 自治体が紙産業の集積を背景に特化した公設試整備を継続 背景・特徴 産業クラスター形成の観点から自治体が公設試に明確な機能分担 背景・特徴 ・特色ある産業集積が県内に複数存在 '燕・三条:金属工業 長岡:工作機械( ・先端分野は大学、基盤技術は公設試と明確にすみわけ ・国内有数の紙産業の集積地'全国紙産業の12%( ・大学等では紙産業の体系的な教育・研究機能なし、 → 公設試の技術蓄積、設備、研修等への期待大 ・技術支援に留まらず、基盤技術の研究開発にも継続的 な取組 → 成果の技術移転 成果 ・依頼試験料には県内外で差別化を図っているが、 年間数千件の依頼試験のうち半数が県外企業 → 国内における主要研究機関の地位を確立 新潟県工業技術総合研究所 製紙スラッジからの ゼオライト創成 ○両公設試を拠点に、紙を素材として捉えることで新しい事業 展開を図る「次世代紙素材産業」クラスター形成の動き 成果 鍛造化骨接合材の 疲労試験 ・2010年度 依頼試験実績3600件 試料数28000件 ・2010年度 競争型受託研究12件 政策型受託研究6件 MEMS研究開発 ○主たる研究開発を基盤技術に特化。技術支援と研究開発の 両立が可能となり外部資金の獲得による自律化を促進 22 産学官連携③ ~ 地域イノベーション施策の推進 ■産業クラスター計画の変遷 第Ⅱ期'’06~’10(成長期 第Ⅰ期'’01~’05(立ち上げ期 国が中心となり産業クラスター計画プロジェクト を20程度立ち上げ、産業クラスターの基礎とな る「顔の見えるネットワーク」を形成。 第Ⅲ期'’11~’20(自律発展期 引き続きネットワークの形成を進めるととも に、具体的な事業支援を行い、企業の経営 革新、ベンチャーの創出を推進。 産業クラスター活動の財政面での自立化を 図り、産業クラスターの自律的な発展を目 指す。 ■施策の方向性 ○国と地域の共創と協働による新事業・成長産業創出に向けて、先導的な分野は国が主導。その他の分野は地域が主導し、国は側面支援を 行うという整理が必要。 ●国が主導 国が、国際競争力確保のため、全国的な視野からみて先導 的な分野を主導していくケース ◎地域新成長産業創出促進事業 コーディネータの配置、ビジネスマッチング、試行的取組等 に係る経費を補助。 ●地域が主導 地域の特性・強みを活かした総合的な計画に基づく国の支援策 を活用し、地域経済活性化を目指すケース ◎企業立地促進法に基づく予算措置、課税の特例、低利融資等 ■地域イノベーションの創出促進 ○実用化開発成果を事業化に結びつけるためには実証研究支援が必要。 ○当該支援によって、研究開発型中小企業をGNT企業へと進化させ、その関係企業を 巻き込んだ発展を促すことで地域イノベーションを創出。 イノベーション創出の流れ ユーザー企業 大学・高専 自治体 公設試 ・・・の存在 GNT企業 ◎地域の資源や技術を活かした新事業、新産業創出による地域経済の 活性化を図るため、地域の中小企業をはじめとする産学官のリソース を最適に組み合わせた共同研究体による実証研究を支援。 研究開発型中小企業 巻き込み ものづくり中小企業 23