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見る/開く - 弘前大学学術情報リポジトリ

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見る/開く - 弘前大学学術情報リポジトリ
Hirosaki University Repository for Academic Resources
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アメリカ・メイン州の学校保健教育 : 2003年調査か
らの考察
面澤, 和子
弘前大学教育学部紀要. 97, 2007, p.77-86
2007-03-22
http://hdl.handle.net/10129/630
Rights
Text version
publisher
http://repository.ul.hirosaki-u.ac.jp/dspace/
77
弘前大学教育学部紀要 第 97号 :7
7-86 (
200
7年 3月)
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Fac.
Educ.
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97:7
7-86 (
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アメリカ ・メイン州の学校保健教育
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年調査か らの考察 -
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キー ワー ド :アメ リカ, メイン州,保健教育,基準,到達 目標
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hCDC.
Ⅰ.は じめに
ついて審議 されている。
現在の 日本の保健教育は,小 ・中学校の学習指
6年か ら次の学習指導要領の
文部科学省は平成 1
導要領が平成 1
0(
1
9
9
8)年 1
2
月,高等学校が平成
見直 しについて本格的な検討 を始 めたo保健 につ
11年 3月 に改訂 された ことによ り,それぞれ平成
いては,平成 1
6(
2
0
0
4)年 7月2
7日の中央教育審
1
4
,1
5
年度か ら改訂カ リキ ュラムが実施 されてい
議会 ・初等 中等教育分科会 ・教育課程部会で 8専
る。主な改訂点 として,小学校では 3 ・4年生か
門部会の一つ として設置 された 「
健やかな体 を育
ら保健教育が導入 され,従来の 5・6年生 よ り早
む教育の在 り方 に関する専門部会」の中で体育 と
い段階か ら保健 の授業が行われ る ことになった。
共 に検討が進め られている。専門部会では 『審議
また保健の配当時間は第 3- 6年生を合わせ る と
経過 の概 要』1
)の 中で, 「
初等 中等教育修 了の段
2
4時間 とな り,他の科 目が軒並み削減 され る中で,
階で,すべての子 どもたちが身 につ けているべ き
「
保健」 の授業 のみがわずか に増加 したC増 えた
ミニマムは何か ?」とい う視点で議論が進め られ,
理 由は 「
心 の健康 」「
生活習慣病」 の内容 を増や
第1
4回部会 (
平成 1
8年 8月)では具体的な領域 に
したためである。 中学校は4
8時間 にな り,前回 よ
*弘前大学教育学部教育保健講座
De
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8
両
り7時間削減 され,高校は 2単位 (
7
0時間)で変
津
和
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Ⅲ.結果および考察
化はなかった2
)
C
この よ うな変更は,平成 9年の保健体育審議会
答 申3'
で指摘 されたように 「
現在の子 ども達は性,
1.メイン州について
本研 究 の対 象 と した メイ ン州 (
Mai
ne)
7
)は、
心,慢性疾患,薬物乱用な ど様々な健康課題を抱
ア メ リカ 合 衆 国 の最 北 東 部 に位 置 して お り,
えている」 とい う健康の現代的課題 に対応 した も
ニューイングラン ド地域 内で最大の州である (
図
のであると考 えられる。
1参照)。北西部 はカナ ダのケベ ック州に接 して
現在,欧米諸国等 を中心 に人々の生活習慣病 を
いる。州都はオーガスタ市で,最大都市はポー ト
は じめ とした健康問題の解決が大 きな課題 となっ
ラン ド市。 人 口は 1,
305,
72
8人 (
2003年 )で全米
てお り, 学校 にお ける子 ども連 の健康づ くりの
第4
0位,人口密度は1
4.25人 /
k
m
Z
。
ために-ルスプロモーシ ョンの考え方 に基づいた
様 々なプログラムが開発 されてお り,その推進の
図 1 アメリカ合衆国 -メイン州
1メイン州
ために健康教育の重要性が指摘 されている。
本研究の 目的は, メイン州の学習指導要領の分
析 と実地調査 (
2
00
3年 3月 )により得 られた結果
を元にしてメイン州の保健教育の実態を明 らかに
すると共に,アメ リカの保健教育 について保健学
習を中心 に考察す ることである。
日本 と同様 の実施形態 を とっている とはいえ,
ア メリカで も州によって 「
保健」の実施形態は異
なる。 メイン州を取 り上げた理由は,次の 3つか
ら今後アメリカの多数派 となる州の典型例 と考 え
引用 :「
アメリカ ・インタラクティブ ・マップ
US
ATo
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S
t
.
ht
m より
たか らであるO①体育 と結合 した 「
保健体育」 と
しての実施形態だが,学習指導要領の内容は保健
メイ ン州の主要産業は,農林水産業,造船業,
と体育が明確に区分 して示 されている。② メイン
観光業,商業である。農業ではブルーベ リー (
主
州は CDCの調整的学校保健 プ ログラムのパー ト
要な輸出品)、
ポテ ト (
全米産 出量の トップ 3内)
,
ナー として保健教育を実施 している。③全国スタ
りんご,メイプル シロップ,水産業では ロブスター
ンダー ドを基 に, メイン州の保健教育スタンダー
(
全米の90% を占め,世界的に有名),州の89% は
ドを作成 しているO
森林 と言われ る豊かな資源を利用 したパルプ,製
先行文献 として 『学校保健研究』 (日本学校保
舵,木工品の生産,カヌー等の製造,鉱業 として
健学会誌) には,性教育, ライフスキル等の特定
トルマ リン (
宝石の一つで, 1
0月の誕生石)の産
分野の紹介 を除いて,最近のアメ リカの保健教育
出があるOアカデ イア国立公園な どの美 しい海岸
カ リキ ュラム等 に関す る研究はみ られなかった0
があ り,鯨 ウオ ッチング等,観光でも有名である.
1
982-93年 にアメリカの保健教育の概要 を紹介
青森県 と友好関係にあ り(
平成 6年,
協定書調印)8),
した 3つの研究4ト6)がみ られた。
メイン州立大学は弘前大学の姉妹大学である。
Ⅱ.方 法
2.アメ リカの学校教育 と保健教育の概要
アメリカでは,教育は州の責任事項 とされてい
調査対象 :アメリカ合衆国 ・メイン州の学習指導
要領,保健教育指針,教員養成要綱な どの文献。
調査方法 :上記の入手資料 を翻訳 して分析 し,不
るため,州によって独 自の教育制度が とられてい
る。また州は基本的 に初等 中等教育のかな りの部
分を学区 (
s
c
hooldi
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i
ct:教育行政の基礎単位 )
明な点 につ いてはメイン州教育委員会 に電話及
に委譲 している。従って,全国共通の教育課程の
びメールで問い合わせた。
基準 に関す る法 令 はないO一般的 には州教育委
調査時期 :2003年 1- 7月。
員会 (
De
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on)が教科の構成,
教育課程の基準等 を決めて,各学区 に委任す るC
アメリカ ・メイン州の学校保健教育
i
年
図 2 アメリカ合衆国の学校制度
高
5 4 3 2 _ 0 9
.8
2 2 2 2 2 2 1 1
等
教
育
初
等 ・中
等
3 2 ▲
10 9 8 7 6 5 4 3
教
書
(⊂=コ 部分 は&拝教育)
文部科学省『諸外国の初等中等教育』
2∝)
2,p1
4に基 づく
このためにアメリカには州や学区によって,様々
校4
2
.
8%,中学校6
6
.
8%,高校7
5
.
0%,4
5
0
分 (
5
0
な タイ プの初等学校や 中等学校 が設置 され てい
分授業 9回-約月 1回の授業実施)以上が小学校
る。初等 中等教育の期間は 日本 と同様 に1
2
年間で
5
8
.
1
%,中学校8
0.
4%,高校8
4
.
2%であった。
あるが,学年構成は 6-3-3,6-2-4,6-
学年別の保健授業の実施率Il
)は,幼稚園 (
k):
6,8-4,5-3-4,4-4-4年制等,多様
3
3%,小学校1
年 :3
9%,5
年が全学年で最 も高 く
である9)。図 2にアメリカの学校制度 を示 した。
4
4%,8年生 :2
0%,1
2
年生 :2% と少ない割合
ア メ リカ の 保 健 教 育 の 位 置 づ け につ い て
であったC小学校は時間数は中学校,高校 よりも
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少ないが,必修の割合が高 く,幼稚園か ら継続 し
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n, 米 国 疾 病 予 防 セ ン タ ー )に よ
て実施 されている。
る SHPPS 2
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1
0
)の調査結果 の一部 か ら紹介
3.メイン州の 「保健」に対応する教科の名称
す る。 この調査 はアメリカの学校保健政策や プロ
メイ ン州では教科名 「
保健体育 (
He
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hand
グラムを評価す るため に行われ た (
2
0
0
0年)。調
査対象 は5
0州 とコロンビア特別区を加 えた5
1
州と
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Educ
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」の中で,保健教育 (
He
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Educ
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i
o
n)として内容,時間 とも独立 して指導
7
4
1
学区。州 レベルの必修状況は,小学校,中学校,
1
9
9
7)
されている。メイン州には州教育改革条例 (
高校のいずれの学校段階で も,一定の保健教育を
に基づいて作成 された 「メイン州学習指導要領,
必修 にしている割合は8
0.
4%であった。学区 レベ
1
9
9
7
.
7」
ルでは小学校8
6
.
1
%, 中学8
9.
6%,高校8
9
.
4%が
1年∼高校 3年 (
Pr
e
K1
2)まで 8教科が必修科
一定の保健授業 を行っていた。
目として示 されて いる。教科 は,職業準備教育
年間の平均配当時間は,3
6
0
0分 (
約5
0
分授業7
2
】
2)
が あ り, 就 学前, 幼稚 固, 小学 校
(
Car
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o
n)
,英語, 保健 体 育, 数学,
回 -約年 間週 1時間の授業実施)以上が小 学校
外 国語 ・コ ミュニケー シ ョン ・異文化理解 教育
5
.
2%, 中学校 ・高校 とも1
3
.
5%,1
8
0
0分 (
5
0分
(
Mode
m andCl
as
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c
alLanguage
s)
,理科 ,社
授業3
6回)以上が小学校 1
9
.
5%, 中学校3
8
.
0%,
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s)であるo
会 ,芸術 (
7
.
4%,9
0
0分 (
5
0分授業 1
8回)以上が小学
高校3
教科 名は保健体育であるが,「メイ ン州調整的学
8
0
面
津
和
子
校 保健 プ ログ ラム指針 」 13) (
注 1)の指針 1で 「
保
高校 (91
2年 )で は 1年 コー ス (
基 礎 コー ス と
健教 育 を主要 教科 の 1つ にす る」 こ とが要 求 され
/
2単 位 を取 得 し, そ の後 選 択 的 内容 ) を履
して 1
てお り, メイ ン州 で は保健教 育 の方 が重視 され て
修 す る こと, さらにその後,選択 的 あ るい は統 合
い る。
的 内容 を毎 年履修す る こ ととされ てい る。方針 の
(
注 1) 調整的学校保健 プ ログラム (
Co
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dSc
ho
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9
9
8
年 に包括的学校 保健 プ ログラ
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Co
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o
g
r
a
ms
)の 名 称 が
ム(
9
8
7
変更 された ものである。包括的学校保健 プ ログラムは1
年 に 8要素か らなる学校保健 の考 え方 として CDC/
DASH
(
米国疾病予防セ ンター ・青少年学校保健部)か ら発表 さ
決定 には調査 ・研 究 の結果 1
4
)も参考 としてい る。
ア メ リカで は,授 業 時間 を始 め とす る教 育 に関
す る事項 は, 国で はな く各 州 の学 区が それ ぞれ の
裁量 で決 め る。 メイ ン州で は教科 「
保健教 育」 は
必修 で あ る。 各学 区で は州の 「
基 準」 を達成 で き
れた (
Al
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h,
D.
,& Ko
l
be
,L.
)
。その後 CDCプ ロ
る時 間 を配 当す る よ うに指 導 され る。
グラム を採用す る州 が増 え, 推進 され て きたが, 8要 素
(
3)必修,選択 の区別 - 保健教 育 は必修 で あ る。
の 1つ に 「
包括 的学校 保 健教 育 (
co
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he
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i
v
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ho
o
l
」があ り,これ と混 同 されやすい こと,
He
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hEduc
a
t
i
o
n)
また包括的な実施 が財政的 に困難である等の理 由で名称が
5.目標 , 内容等 の示 し方
変更 された。
(1) "
Nat
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t
hEducat
i
onSt
andar
ds"
とメイ ン州 の "
St
andar
ds"及び その評価
4.教 育課程 上 の位 置 づ け
教科 名は 「
保 健 体 育 」 で あ るが, 「
保健教 育」
(1) 配置 され てい る学年 - 保健 教育 は就 学前段
と 「
体育」 の 目標 や 内容等 は, それ ぞれ独立 した
階か ら幼稚 園, 小 学校 1年 ∼高校 3年
教 科 と同様 に示 され てい る。 ア メ リカ には全 国共
(
pr
e
K1
2
) まで の全 学年 に配置 され て い る。 こ
通 の学習指 導要領 はない ものの,保健教育 分野 で
れ は全教 科 とも同 じで, 学年 段 階 は次 の 4段 階 に
Nat
i
ona
l
は健 康 リテ ラ シ ー の 形 成 を 目指 した "
区分 して示 してい る。
He
al
t
hEduc
at
i
onSt
andar
ds (以 下 「全 国 保 健
1
995)
1
5
)が 公 表 され, メイ ン州 で
教 育 基 準 」)" (
学年 の区分
St
andar
ds (
以
もそれ を参 考 に して保健 教 育 の "
①就 学前 ・幼 ・小 学校 低学年段 階 (
PreK-2年 )
,
下, 「
基 準 」)" を作 成 し, "メイ ン州 学 習 指 導 要
② 小学校 中学年段 階 (3-4年 )
1
9
9
7
.
7)の教 科 「
保 健 体 育 」 の 中の 「
保健
領" (
,
③ 小 学校 高学年 ・中学校 段階 (5-8年 )
教育」
1
2年 )
④ 高校段 階 (9-
説明 (
De
s
c
r
i
pt
o
r
)をつ け, さ らに 4段 階 の学 年
(2) 各 学 年 の授 業 時数 - メ イ ン 州 学 習 指 導 要
区分 (
就 学 前 か ら高 校 段 階 ま で を 4つ に 区 分)
領 には小 ・中学 校 段 階 の 配 当時 間 は 示 され て い
1程 度 の 「到 達 目 標 (
Pe
r
f
om anc
e
毎 に,2-1
な い。 時 間数 は, 「メイ ン州調 整 的学 校 保健 プ ロ
」を設 定 して い る。 メイ ン州で は 「
全
hdi
c
at
or
s)
1
6)
に示 した。 各 「
基 準 」 の 下 に は補 助 的
0で示 され て い る。
グ ラム指 針 」 の保 健 教 育 指 針 1
基 準」に対 して,
国保健教育基準」に示 され た 7 「
K8)ま で は 各 学 年 5
0時 間,
幼稚 園 か ら中学校 (
基 準 ラベ ル 」 (
基 準 を簡 潔
表 1に示 した 6つ の 「
表1
メ イ ン州 の 「基 準 」 16)
6つの 「
基準 ラベル」
6つの 「
基準」
す る○
② 保健情報,サー ビス,成果
③ -ルスプロモ-シ ヨン
リスクの減少
児童生徒 は健康問題,サー ビス,製品についての妥 当な情報
を得 る方法を理解する
児童生徒は健康的な行動の実習 を通 してヘルス リスクを減 ら
す方法を理解する
健康 に関わる行動 にどのように影響を及ぼすかを理解する
⑤ コ ミュニケーシ ョンスキル
⑥ 意志決定 と目標の設定
児童生徒は洗練 されたコミュニケーシ ョンが彼 ら自身 ,
家族 ,
地域の健康の向上に貢献す る事を理解す る
児童生徒 は どの ようにして より良い健康 を得 るための目標 を
81
ア メ リカ ・メ イ ン 州 の 学 校 保健 教 育
に記述 した もの) と 「
基準」 を設定 した。
は, 到 達 目標 (
Pe
r
f
o
ma
nc
eI
ndi
c
a
t
o
r
s)に続 い
(2) 学 年 別 の 目標, 内 容 -・
表 1の ① ∼ ⑥ の
て,指導上の具体例が参考 として示 されている。
「基 準 ラベ ル 」 と 「基 準 」 につ い て, 前 述 し
(4) 盈塵 -評価 システ ム につ いては, メイ ン州
た 学 年 の 4段 階 区 分 ご と に 2-11の 到 達 目標
2
7章 「
学習計画,評 価,高校卒
教 育委員会規 則 1
(
Pe
r
f
o
m
ra
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t
o
r
s)が示 されてい る。
業 資格 」1
7
)の 中に実施要 領 が示 され てい る。 ま
2
0
8
,6
2
0
9
条 に基づ くメイン
学習内容 は,条例 6
NoChi
l
dLe
f
tBe
hhd"(
1
9
6
5
年初等
た連 邦法 "
27
章 「
学習計画,評価,高校
州教 育委 員会規則 1
0
0
1
年 1月 に採択 された
中等教育法 の改正法)が2
31
粂
卒業 資格」1
7
)の中に,州規 則1
ことか ら,評価は一層厳密 に行われ ることになっ
1
8)
に書かれ た
1
0領域 (
表 2) を行 うと示 されている。
た。連邦法の成立 によ り,州はすべての子 どもに
(
3) その他 内容等 の示 し方 の特色 -指導要領 に
高い水準の教育 (
公正で等 しく有意義 な学習機会)
表2
メイ ン州の保健 教 育 内容
Q)
地域保健
(1
0領 域
)
健 康 的 な 学 校 一家 庭 .職 場 と地 域 の 環 境 保 健 提 供 者 , 地 域 保 健機 関 とサ ー ビス,
公 衆 衛 生 関 連 の 職 業 , 安 全 に有 害 な 要 E
E
l
. 自然 災害 と非 常 時 の 計 画 , 保 健 計 画 の
立 案 , 地 域 の組 線 化
(
致消 費 者 保 健
広 告 とメ デ ィア の影 響 ,広 告 の 分析 , 消 費 者 保 護 法 (製 品 の ラベ ル に よ る分 類 ),
消 費 者 保 護 の 諸 機 関 ,保 健 サ ー ビス提 供 純 関 や 団 体 , 健康 保 険 , 保 健 医 枚 サ ー
-ど
ス の 選 択 と利 用 , い ん ち き医 者 .医 療 , 適 切 な 保 健 情 報 の 選 択 , 保 健 商 品 や サ ー
ビスの 評 価 , イ ン ター ネ ッ トの利 用
③環境保 健
魔 境 汚 染 の 原 因 と防 止 , リサ イ クル .再 利 用 .ごみ の 減 量 化 , 環 境 保 健 の影 響 ,
環 境 保 護 団 体 , 人 口増 加 ,世 界 の保 健 , 健 康 的 な 環 境 をつ くるた め の 法 律 や 政 策
④家庭生活教育
家 族 の 構 造 :拡 大 家 族 .対 人 関 係 .役 割 と責任 , 家 族 の 変 化 . 性 別 役 割 とス テ レ
オ タ イ プ , 結 婚 . 離 婚 .避 妊 と家 族 計 画 , 生 殖 過 程 , 出 産 前 ケ ア, 鍵 っ子 , 家 庭
内 .性 的 暴 力, 育 児 ス キル と責任 , 遺 伝 . 育 児
⑤発育発 達
発 達段 階 ,死 と臨 終 ,加 齢 と発 育類 型 ,思 春期 の 発 達 (
身 体 的 ,精神 的 ,社 会 的 .
情 緒 的 発 達 を含 む ),性 の オ リエ ンテ ー シ ョン, 学 習 方 法 ,発 達 課 題
⑥ 個 人 の 健 康 体 力 と生 涯 の 身 体 的 活 動 , 睡 眠 一休 養 .リラ ック ス .レク リエ ー シ ョン, 個 人 衛
(精 神 的 .情 緒 坐 , 歯 の 健 康 , 視 力 と聴 力 , 身 体 的 ケ ア と 自分 の 健 康 管 理 計 画 , 自己概 念 と肯 定
的 健 康 を 含 む ) 的 セ ル フエ ス テ ィ- ム , 人格 .情 緒 .責 任 と動 機 付 け ,独 立 , 精 神 的 疾 病 , 杏 の 対 処 , 精神 保 健 サ - ビ ス, 個 人 差 の理 解 . 社 会 的 問題 (
児 童 虐 待 .児 童 遺 棄 .
レイ プ .ハ ラ ス メ ン ト罪 .暴 力 行 動 な ど) - の 対 処 , 生 命 倫 理 , コ ミュニ ケ - シ
ヨン ス キル , 問 題 解 決 と責任 あ る青 志 決 定 ス キル , 家 族 や 仲 間 の 影 響 , 自殺 予 防
⑦栄養教育
米 国 食 事 指 針 , 食 事 指 導 ピ ラ ミ ッ ド, 栄 養 素 ,食 品 選 択 に及 ぼす 要 臥
情乱
発
逮 - の 影 響 , 疾 病 との 関連 , 望 ま しい 体 重 の維 持 . 食 品 添 加 物 .食 品 の 安 全 , 資
源 と世 界 の 食 物 供 給 , 栄 養 補 助 食 品
(
参疾 病 .異 常 の 慢 性 疾 患 及 び感 染 症 の 原 因 .感 姓 経 路 .予 防 .管 理 と治 療 (気 管 支 暗 息 .症 .心
予 防 と制 御
V/
l Ds を含 む
A
疾 患 .糖 尿 病 .精 神 的 疾 病 .か ぜ とイ ン フル エ ンザ を含 む ).HⅠ
STD, 予 防 接 種 , ライ フ ス タイ ル と疾 病 , 食 行 動 , 地 域 の 努 力 ,伝 統 的 又 そ れ に
代 わ る医療 サ ー ビス .歴 史 的 ま た 現 在 の研 究 , テ ク ノ ロ ジー の 影 響
⑨ 安 全 と 事 故 防 安 全 - の 態 度 , 俊 吉 の 原 因 を含 む 非 音 図 的 傷 害 , 家 庭 と学 校 の 安 全 , 幹 線 道 路 の
止
安 全 (歩 行 者 , 自動 車 , 自転 車 . レク リエ ー シ ョン用 の 乗 り物 , ス クール バ ス ),
火 事 の 防 止 , 武 器 の 安 全 , 天 候 の安 全 , 水 上 安 全 を含 む レク リエ ー シ ョン的 ス ポ
- ツ , 猟 の 安 全 ,職 場 の 安 全 , 防護 用 品 . サ バ イ バ ル の ス キ ル , 暴 力 防 止 , 環 境
上 の 危 険 , 基 礎 的 な応 急 手 当 と心 肺 蘇 生 法 (
CPR)
を含 む 救 急 医 療 , 健 康 管 理 , 資
源 とサ ー ビス提 供 機 関 ,安 全 の規 則 や 法 律 ,安 全職 業 , 自殺 ,非 常 時 - の 対 処
⑩ 薬 物 の 使 用 と タ バ コ .アル コー ル .そ の 他 の薬 物 使 用 の 防 止 , 危 険 と予 防 の 諸 要 因 .介 入 と治
乱用の防止
療 派 .短 期 的 .長 期 的 な 身 休 的 .精神 的 .情 緒 的 .社 会 的 .職 業 的 .法 律 的 影 響 ,
薬 物 依 存 , 家 族 - の 影 響 , 薬 物 の 特 性 , 薬 物 の適 切 な使 用 , 危 険 行 動 と法 的 語 間
題 , 拒 絶 ス キル を伝 え る メデ ィ ア に よ る メ ッセ - ジの影 響 , 学 校 と地 域 の 資源 .
8
2
面
を提供 し,学力を保障 しなければな らな くなった。
最底限で も子 ども達 を 「
進歩,上達」 した段階に
揮
和
子
への提言方法までを含めた内容である。
3)1
0
領域すべて について,実施可能な低学年
到達 させ ることが求め られ,客観的な評価方法の
段階か ら系統的 に内容 を構成 している。
進歩,上達」
検討が必要 となった。 メイ ン州では,「
(3)学習内容 と 「
基準」,到達 目標 の関係 -1
0の
した とい う評価段階を,州 「
基準」 に対す る 4段
基
学習領域 ・内容は, 6つのメイ ン州保健教育 「
階評定の うち, 3段階以上 とした。
準」及びその下の到達 目標 とは次の よ うに関連 し
ている。授業計画 においては,取 り上 げる学習領
6.内容構成
域 ・内容 に関 して,関連す る 「
基準」や該 当す る
(1) 内 容 の 区 分 (領 域, 分 野 等 )-表 2に保
到達 目標 を組み合わせ ることによって,ある学習
0領 域 は, 旧 「メイ ン
健 教 育 内 容 を示 した。1
テーマが構成 され る。学習内容の枠内で 目標 を設
州教 育 改 革 条 例 (
1
9
8
4
年 )
」 に よっ て 「
包括 的
定す る水平的な構成ではな く,内容 ・「
基準」・到
学校保健教 育 (
co
mpr
e
he
ns
i
v
eSc
ho
o
lHe
al
t
h
達 目標の 3つ を立体的 に組み合わせてカ リキ ュラ
Educ
at
i
o
n)
」 実施 のた めの必須領域 とされ,堤
ム構成 をす る点 に特色がある。
在の学習領域 に引き継がれて,州教育委員会規則
7.具体的な授業の評価例 (表 3-5参照)
1
31
条 18)に示 されている。
次の 3つの特
6つ の州 「
基準」,1
0の内容領域 を学年段 階別
1) 日本 よ り,消費者保健,家庭生活教育,栄
州教育委員会で入手 した作業資料の コピーを訳 し
養教育の領域 内容が多いが,家庭科 に該 当す る教
た もので あ る。 資料1
9
)は 「
就 学前 ∼幼稚 園∼小
科がない ことか ら,健康 に関わ る内容 として学習
学校 2年」段階の授業の評価要領,児童の記入用
す るため と考 え られ る。
わた しは
紘,評価ガイ ドの 3つである。テーマ 「
(2)内容及び内容配列の特色 -
色が考 えられ る。
に評価す るための 1例 を紹介す る。 これは メイン
2) 理論 をもとに,具体的で実践的な内容まで
かぜ をひいた」の 1時間の授業 を例 にして, どの
を取 り上 げてい る。例 えば, 「
環境保健」では健
「
基準」や到達 目標 を用 いて授業 を構成 し,実際
家庭生活教育」では家族,結婚,
康 に関わ る法律 ,「
に子 ども達の評価 を行 う時 にどの よ うな内容や観
離婚,家庭 内暴力,家族計画,遺伝,育児 と一貫
点を用 いるのかを示 した ものである。評価のため
発育発達」で も加齢,
死 と臨終,性,
していること,「
に,到達 目標 に照 らして多様な観点を設定 してい
「
個人の健康」で社会的問題-の対処,意志決定,
る点 に特色がある。表 3は授業の評価要領,表 4
コ ミュニケーシ ョンスキル を学習す るな ど,社会
は児童用 の記入用紙 (
就学前段階-幼稚 囲-小学
表 3 授業の評価要領 : テーマ 「
私はかぜをひいた」
1
9)
① 対象学年段階 : (
就学前一幼稚園-小学校 2年段階)の場合
② 教 科 : 保健教育
③ メイン学習指導要領 :
「
基準」:A.保健概念
児童生徒は-ルスプロモーション及び疾病予防の概念を理解するo
到達目擦 :2 感染症の伝播 と予防について述べる。
「
基準」:C.ヘルスプロモーションとリスクの減少
児童生徒は健康的な行動の実習を通して-ルス リスクを減らす方法を理解する。
説明する)
。
到達目擦 :2 個人衛生のスキルを示す (
④ 評価の観点 :この課題では児童生徒が咳や くしゃみをからだでカバーしたり,ティ
ッシュを安全にすてた り,手洗いをするなど,また,かぜの病原菌の
拡散を防 ぐための個人的衛生のスキルを述べることを求める。
⑤ 分析資料 : 課題,記入用紙
0分程度で。
⑥ 実施時間 : 1単位時間-3
⑦ 事前学習の内容 : 児童は次のような実習や話し合いをしていること。
適切な手洗いのスキル,病原菌拡散の予防,個人的な衛生スキル,
適切なティッシュの処理。
s
c
o
n
s
i
nt
a
s
k
⑧ 参考文献 : Wi
8
3
ア メリカ ・メイン州の学校保健教育
表 4 児 童用 の記 入 用 紙 (
就学前段階∼幼稚園∼小学校 2年段階)一
g
)
「
私はかぜをひいた」
ひいた時に行った方が良い健康的な行動 について勉強 しましたoその行動 につい
て書いて くださいo
;S#iC
,
b
窪 L
b
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・t忌 S o
o
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薫
きi 芳墨f
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L
表 f i
j
等fb
G
fさ等K
r
次のペ-ジの四角の中に,病原菌を広めないために
・
、>
ノ ⊥ it
,∠
L
i
- たがしなければならないことを絵でかいて ください○
健康的な行動ができるように勉強することは大切ですo授業ではあなたが風邪を あな
けれ
つて
しな
すo
・
、.
、き薫 臥
ゴ芸6
L言霊 ㌫ L̀
Bi書芸言ニT
.
i横'には,何をしな
「
私はかぜをひいた」
1.
2.
3.
■
-
基
準
評
価
尺
表 5 評価尺度 ガイ ド1
9
)
度
不適切な説明
1
(
基準不適合)
部分的な説明
2
(
部分的適合)
上手な説明
3
(
基準 に適合)
高度な説明
4
(
基準以上)
A2
絵 と説 明 は不 絵 と説 明 は 正 確 絵 と説 明は正確 に, 絵 と説 明は正確 に,病原菌
感染経過 と感染 正確 に, 病原 に, い くつかの病 病原菌 の拡散予防の の拡散 を予防す る方法 とし
の予 防 につ い て 菌 の拡 散 予防 原歯拡散予防の方 方 法 と し て の 手 洗 ての手洗い, 口や鼻 をおお
述べ
評価
る資料 :
説明のある絵
C2
ているo
情報 があま り書か ティ ッシ ュを適切 に 用 して捨てる事が書かれて
情報
の方 が
法は
を書
とん
い 法
れ を書いているo
て お らず 不 正 使用
い,口や鼻
して捨をおお
て る事が
う, いる○
う,ティ ッシュを適 切に使
ない○
ど書 かれ て い 確○
絵 と説 明が不
個人衛生 につい 正確 に個 人衛
て例示す る
生 の方法 を示
評価 資料 :
して い た り,
説明のある絵
絵 と説 明 は 正 確
に,幾分かの個人
衛生 の方法 を示 し
ている○情報があ
情
ていない
報 が書 かれ ず不正確o
ま り書かれてお ら
書かれているo
感染症が
か深 く理解
どの
しているo
よ うに広 まる
3つ のすべ ての絵 と
説明が正確 に個人衛
生 の 例 を 示 して い
る○
3つのすべての絵 と説 明が
正確 に個人衛生の例 を示 し
ている○
回答 に個人衛生 の習慣 につ
いて十分な記述があるo
8
4
面 滞 和
校 2年段階),表 5は評価尺度ガイ ドである。
このよ うな評価方法の作業 には,教育委員会 の
担 当者 と協力を依頼 した数十校の学校の教師が協
子
メイ ン州の保健教育教員 の資格 は, 「
教育委員会
規 則 第5
5
2
0節 (
1
9
97.
3.
9改正 )
」2
1
)の 中に示 され
ている (
表 6参照)a
力 して授業 を行い,子 ども達の記入 した内容 をも
全 国教 員 養 成 認 定協 議 会 (
NCATE;
Nat
i
onal
とに分析す る。結果 は 4段階別の分布一覧表 に示
Counci
lf
ort
heAccr
edi
t
at
i
on ofTeacher
され,各学校 に知 らされ る。
e
duc
at
i
on)22) は,2000年 に 「認 定 機 関 基 準
(
Uni
tSt
andar
ds) (注 :大 学, 学校 , 教 育 委
8.日本 と比較 しての特色
メイン州の保健教育は 日本 と比較 して以下の よ
員会 等 )」 を認 定 し,2
0
02年 に改訂, 更新 した。
ま た NCATEの 専 門 分 野 研 究 委 員 会 (
SASB;
うな特色がある。
e
asSt
udi
e
s Boar
d)は,NCATE
Spe
c
i
al
i
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yAr
① メイ ン州 で は,保健教 育 は就 学前段 階 (
k)か
の構成団体 によって開発 された1
9組の 「
教員養成
ら高校 (
1
2
年生 )まで,一貫 して教科 「
保健体育」
Pr
ogr
am St
andar
ds
)
」 を認
プ ログ ラム基 準 (
の 中の 「
保健教 育」 として, 内容 的 に独 立 し
定 した。保健教育の新 「
教員養成基準」は,2
001
て指導 されている。重要な課題 となっている子
年 に認定 された。小学校 には特別 に保健教育教員
ども達 の健康づ くりの システム "
Coor
di
nat
e
d
免許 はない。 しか し理論的 には,幼稚園∼小学校
Sc
hooIHe
al
t
hPr
ogr
ams"(8要因による構成)
5年の学級担任が保健教育 を行 うのが良い と考 え
の中で,保健教育は重要な役割 を果た している。
られてお り,約 1
3州ではすべての小学校教員 に特
②保健の授業時間数 は,小 ・中学校段階か ら日本
よ り多 く設 けられている。
定の保健教育科 目や教授方法の履修 を要求 してい
る20)0 NCATEは最近すべての小学校教員は教員
③ 「メイ ン州学習指導要領 」 (
1
997.
7) で は,保
養成課程 において一定の保健教育科 目の履修が必
健教育の 目標 ・内容は 「メイ ン州保健教育基準
要条件であると認定 した。 しか し全国的 にこれが
(
St
andar
ds)
」 の形式で構成 され,明確 に記述
実施 され るには長い時間がかかる と考 えられてい
されている。 6つの 「
基準」は 「
全国保健教育
る。
基準」(
1
995)を参考 にして考案 された。各 「
基
メイ ン州では,7-1
2年 (
中学 ・高校) の保健
準」 の下 には 4段 階の学年 区分 (
就 学前 か ら
教育は,州の保健教育認定基準 に見合 う専門的養
高校段階まで を 4つ に区分)毎 に, 「
到達 目標
成 を受 けた教員が行 うもの とされている2
3
)
0
(
pe
r
f
om anc
eI
ndi
c
at
or
s)
」が設定 されている。
④授業構成 においては, 6つ の 「
基準」,到達 目
(
注 2)英語 の団体,機関名の翻訳は筆者が行 った もので
ある。
標及び1
0領域の学習内容 を立体的 に組み合わせ
るところに特色がある。科学的事実 としての理
Ⅳ.おわ りに
論 を基礎 に,健康の実践的能力の育成までを目
標 としている。
⑤妥 当な評価 システム確立のための検討作業 を進
以上の よ うに, メイン州では連邦法や 「
全国保
健教育基準」 を参考 としなが ら,従来の教育 を改
めている。連邦法 "
NoChi
l
dLe
f
tBe
hi
nd"(
1
965
革 している。評価 システムについては2
003-20
04
年初等 中等教育法 の改正法) の採択 (
2
002.
8)
年度末 ,2
0
06-2
007年度末 までに評価が計画 され
によ り,全教科 において,すべての子 ども達 に
てお り,保健教育 は 2回 とも計画 に入 ってい る。
高い水準の教育を保障 しなければな らな くなっ
これ に見合 った形で教員養成のあ り方 も検討 され
たためである。
つつある。
本報 告 書 作 成 にあ た って は,SHPPS(
Sc
hool
9.「
保健教育」教員の養成 と資格20
卜2
3) (
注 2)
Heal
t
hPol
i
ci
esandPr
ogr
amsSt
udy 2000,
アメ リカでは,保健教育は他教科 とは異なる固
CDC)の調査結果 を参考 とし,2003年 3月のメイ
有の教科 と考 えて,多 くの州では独立 した教員免
ン州教育委員会での調査,入手資料 をもとに作成
許状 を出 している。全国調査で,保健教育教員の
した。 ご協力頂 きま した メイ ン州教育委員会の 3
養成が適切 に行われていない ことが,有効な保健
人の方 に心か ら感謝 申 し上 げます。
教育の推進 を阻む原因であると指摘 されている2
0
)
。
(
Ms.
St
ephani
eSwan,heal
t
h educat
i
on
8
5
アメリカ ・メイン州の学校保健教育
表
6 メ イ ン州 保 健 教 育 教 員 の 資 格
- メ イ ン州 教 育 委 員 会 規 則 よ り -
2
1
)
1
9
97.
3
.
9改正
第5
5
2
0節
認可 :
(
5
2
0
)保 健 教 育
1.認可 :幼稚園から高校 3年生までの教員もしくは同等の者について。
2.保健教育教員の資格 :この資格の適格性は以下の要件で認められる。
A.保健教育主専攻の保健教育教員養成の認可を受けた学士プログラムを卒業 し養成機関の正式な
推薦状を得た者
B.以下の養成 を受 けた者
(1)教養課程 中心の認定機関か らの学士号を取得 した者
(
2)以下のすべてを含み,最低 3
6学期履修単位(
s
e
me
s
t
e
rho
u
r
s)
を取得 した者
a)生 物 学
b)解 剖 学 , 生 理 学
C)心 理 学
d)疾 病 予 防 と- ル ス プ ロモ ー シ ョン
e)包 括 的 I
X
'
学校 保 健 プ ログ ラム (
※1
9
9
8年以前の資料のため垂整坦 -の修 正前)
f)少 な く と も以 下 の 7領 域 か ら 2
1学 期 履 修 単 位 を取 得 す る こ と。
① 地域保健, ② 消費者保健, ③ 環境保健, ④ 家庭生活教育,
⑤ 発育発達, ⑥ 栄養 と健康, ⑦ 個人の健康 (
精神的 ・情緒的健康を含む),
⑧ 疾病 ・異常の予防 と制御, ⑨ 安全 と事故防止, ⑩ 薬物乱用の防止
C.以下の養成 を受けた者
3
0学期履修単位を取得可能な教養課程 (
数学,英語,化学,社会,外国語)の
ある認定機関で学士号を取得 した者
(1) 少な くとも
(2)以下のすべてを含み,最低 6
0学期履修単位を取得 した者
(
B.2)と同じ記述内容)
3.教職専門資格 :以下の中か ら最低 2
4学期履修単位を取得 した者
A.学習者についての知識
B.学習プロセスの知識
C.通常学級 における障害を持つ児童生徒 に対する指導
D.内容領域 と方法
E.カ リキュラム立案 とプログラム評価の方法
★F.以前 ・現在の職業経験 と実習
★G.教育実習 :1学期または 1
5週間の全 目教育実習,または短期間 と全 目を組み合わせた 1
5週
間相当の教育実習
★ これ らの要件は,仮免許 には要求 されない。
4.資格更新の要件
専門的資格 は認定研修 を 6時間行 うことによって更新 される。認定研修は専門領域であることが
望ましい。
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蔵省印刷局
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ant).
3)保健体育審議会答 申 :生涯 にわた る心身の健康
本 研 究 は,国立 教 育政 策 研 究 所 に よる ア メ リカ ・
の保持増進 のための今後の健康のあ り方 に関す
メイ ン 州 につ い て の 報 告 書 24) を基 に再 構 成 した
もの で あ る。
2回東 北 学校 保健 学 会
また本 研 究 は, 第 5
(
2
0
0
4
年 9月2
5日, 山形 大 学 ) で発 表 した。
文
2日), スポ ー ツ と健 康 ,2
9
(
平 成 9年 9月 2
(
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)
,5
0
9
3
,1
9
9
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4)藤 田和也 :(
特 集 ) 学校 保健 教 育 の動 向 (3)
ア メ リカ合衆 国の保健教育動 向,3
5(
8)
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3
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る教育及びスポー ツの振興 の在 り方 につ いて
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2)文部省 :学習指導要領 (
小学校, 中学校 :
0
年1
2
月, 高等 学校 :平成 1
1年 3月 ), 大
平 成1
5)吉原瑛 :(
特 集 ) ア メ リカ にお け る健 康教 育,
2
8(
4)
,1
5
2
1
5
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,1
9
8
6
特集 ) ア メ リカの保健教育 の実践
6)向井康雄 :(
に学ぶ ,2
4(
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,2
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教科等の構成
育),諸外国の保健教育の動向,「
と開発 に関す る調査研 究」研 究成果報 告書
(
17)
,保健のカ リキ ュラムの改善 に関す る研究
3-30,国立教育政策研究所,
一諸外国の動向,2
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2)全 国 教 員 養 成 認 定 協 議 会 の ホ ー ムペ ー ジ :
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)メイン州教育委員会のホームペ ージ :
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出些
(
2007.1.1
2受理)
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