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めっき前処理の基礎
(社)日本表面処理機材工業会 青年会 講演会 なぜなぜシリーズ第3弾 めっき前処理の基礎 「なぜ、めっき工程に前処理が必要なの? 」 H20.7.29 ユケン工業(株) 神谷誠二 目次 1.付着する汚れの種類とその分類 −−−−−−10分 2.めっき前処理について −−−−−−−−−−35分 ・基本的な前処理工程例 ・脱脂洗浄 ・酸洗い・酸電解洗浄 ・電解洗浄 3.浴管理のポイント(液管理と老化度) −−−−−10分 4.質疑応答 −−−−−−−−−−−−−−−−5分 1-1.付着する汚れの種類とその分類 極性汚れ 動植物油 合成エステル 有機系汚れ 非極性汚れ 金属汚れ 無機系汚れ 非金属汚れ 鉱物油, 石油系ワックス 金属切り粉 金属酸化物 (スケール) 埃 研磨用メディア 1-2.汚れの種類と加工工程 汚れの種類 加工工程 1 油 (鉱物油、動植物油) プレス、切削、圧延、防錆等の加工 2 酸化物 (金属酸化物) 溶接、ロ−付け、熱処理等 3 樹脂 (有機被膜) 塗装、コ-ティング等の処理 4 金属(鉄、非鉄) 切断、研削、研磨等 5 有機化学薬品 化学薬品を使用する工程 6 土、砂(シリカ、泥) (粉塵) 7 塩類(塩化ナトリウム) (汗、酸性雨,ミスト、海水) 8 水 (雨、湿気) 9 その他 1-3.汚れと洗浄体の結合模式図 内容 ① 被洗浄体の間にからまっている ② 分子間吸引力 (ガラス表面に油が付着) ③ ④ 模式図 汚れ 素材 静電気による付着 (例:プラスチック表面のほこり) 汚れ 化学結合 汚れ 素材 素材 ⑤ 被洗浄体内部に浸透、拡散 汚れ 素材 1-4.加工工程で付着する汚れ 内容 ① ② 加工前 (鉄板上に防錆油が付着) 切断 (金属粉の付着) 模式図 防錆油 素材 切り粉 素材 ③ プレス加工 (プレスによる金属粉の食込み) ④ ⑤ 溶接加工 (熱による酸化、変質) 研磨加工 (研磨による汚れの混合) プレス 素材 素材 半焼油 素材 溶接部 1-5.a. 加工油の付着形態 カ-ボン 金属粉 加工油 付着量 酸化スケ-ル 酸化スケ−ル 5∼50mg/dm2 ∼数100ミクロン 素材 b.加工油の組成 基油 (ベースオイル) 鉱油(マシン油等) 硫化鉱油(硫化マシン油等) 脂肪油(動植物油等) 油性剤 脂肪酸(オレイン酸等) 塩素系極圧添加剤 極圧剤 硫黄系極圧添加剤 燐系極圧添加剤 さび止め添加剤 添加剤 銅合金防食剤(ベントリ等) 酸化防止剤 2.めっき前処理について ・基本的な前処理工程例 ・脱脂洗浄 ・酸洗い・酸電解洗浄 ・電解洗浄 2.めっき前処理について ・基本的な前処理工程例 ・脱脂洗浄 ・酸洗い・酸電解洗浄 ・電解洗浄 2-1. a.基本的な前処理工程について 2 中和 水洗 1 電解脱脂 水洗 振動 酸洗い 水洗 浸漬 水洗 ロード 浸漬脱脂 3 浸漬 陽極 電解 陰極 エアー ブロー 超音波 スプレー 電解 PR めっきの前処理とは、汚れを金属材料表面 から除去し、めっきにもっとも適した、清浄 な状態にする操作及び工程を言う。 めっき 4 b.各処理工程の目的と作用 処理目的(作用)※ 脱脂 脱錆 浸漬脱脂 ◎ △ × △○ △○ × 酸 洗 △ ◎ ◎ ○ △ ○ 電解脱脂 ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ 中和(弱酸) × ○ × × × ○ 工程別 各水洗 (1∼4) 脱スケール 脱スマット 脱バフカス 各処理液成分のクローズド 汚れのクローズド ※目的性能 (優 ◎←○←△○←△←× 劣) 活性化 c.各処理工程の作用を決定する因子について エマルジョン有無 インヒビター有無 スプレー圧 陰性︵比︶ 処 理 薬 品 濃 度 温 度 時 間 攪 拌 電 流 密 度 浸漬脱脂 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ― ― ◎ ― ― ◎ ◎ 酸洗 ○ ◎ ◎ ◎ △ △ △ ― ○ ○ △ ◎ 電解脱脂 ◎ ◎ ◎ ◎ △ ◎ ◎ ― ― △ ◎ ◎ 中和(弱酸) ○ ◎ ○ ◎ △ ― ― ― ○ ― ― ◎ △ ○ ○ ― ― ― ― ― △ ◎ 各水洗※ 付 帯 設 備 記号 ◎重要 ○普通 △やや重要 ※参考 水洗方式(シャワー・エアブロー オーバーフロー etc) 老 化 度 2-2.処理薬品(薬品)の選定ポイント 素材の種類 除去すべき汚れの種類 素材表面(変質層)の状態 廃水処理性 要求される清浄度 と精度 前処理薬品 洗浄方式 洗浄条件 作業性 製品の用途 及び目的 液管理性 コスト 以上の諸条件を踏まえて、工程に合った薬品を選ぶ必要があります。 2-3.洗浄の要素 化学作用 界面化学作用 ・ 浸透 ・ 乳化 ・ 分散 化学反応 ・ 加水分解 ・ 鹸化反応 + 物理作用 ・機械的揺動 ・バレル ・超音波 ・ブラッシング ・スプレー ・電解洗浄 = 水系洗浄 2-4. a.洗浄方式と特徴 水系洗浄 洗浄方式区分 種類 浸漬(上下/液循環) ↓↑ 超音波(US洗浄) 静止 揺動(上下) 攪拌(エア-/循環) 1.重ね部/複雑形状物の洗浄 揺動攪拌等の組合せが出来る 2.がさ積み状の処理物に適する 超音波25∼50KHZ 1.洗浄スピ-ドが速い 2.重ね部のある処理物洗浄に適す US スプレ-洗浄 特徴 スプレノズル (1∼50kg/cm2) 1.ラッキング状態で最も強力洗浄。 2.がさ積みのかご洗浄にも効果的 3. 有機物汚れと同時に金属切り 粉も 同時に除去 b.洗浄方式と特徴 水系洗浄 洗浄方式区分 種類 特徴 バレル洗浄(回転洗浄) 毎分3∼10回転 揺動バレル 1.強力な機械的回転揺動 2.特に、がさ積み状態の小物 (ボルト等)に適する ブラシ洗浄(スクラバ-洗浄) 毎分 ∼300回転 薬品のスプレ-噴霧 1.非常に強い機械的揺動 2.平坦な形状物に限定される 陰極/陽極/サ-パス 電解洗浄(電解清浄) 電極 5∼10A/dm2 1.水の電気分解の発生ガスに基づくもの 2.酸化 & 還元効果 3.精密洗浄に適する 4..メッキの仕上げ洗浄 5.脱脂/脱スマット 2.めっき前処理について ・基本的な前処理工程例 ・脱脂洗浄 ・酸洗い・酸電解洗浄 ・電解洗浄 2-5. a.脱脂剤の成分構成 界面活性剤 ノニオン系アニオン系- 無機系脱脂剤 珪酸塩 燐酸塩 炭酸塩 苛性ソーダ ビルダー 有機系- 補助剤 消泡剤 防錆剤 油水分離剤 等. キレ-ト剤 インヒビタ- b.脱脂剤の成分と働き 成分 主な働き 配合 PH(1%) 量(%) 1 苛性ソ-ダ 油脂のケン化、通電、非鉄の溶解 0∼30 13.4 2 ケイ酸塩 コロイドによる汚れの分散、非鉄の腐食 抑制 0∼40 12∼13 3 炭酸塩 緩衝剤、粉末性状改善、増量剤 0∼30 10∼12 4 リン酸塩 使用水の軟質化(Ca、Mg) 酸化膜の除去 活性剤の働き促進 0∼20 − キレ-ト剤 5 界面活性剤 油汚れの除去 (湿潤、浸透、分散、乳化、発泡作用) 1∼15 − 6 消泡剤 作業時の発泡防止 0∼10 − c .界面活性剤 代表的な構造 水 油 親水基 Na + - O O- S O 疎水基 H H C H C-H H d.界面活性剤 主な洗浄機能 1.湿潤、浸透作用 2.乳化作用 3.分散作用 4.再汚染(再付着)防止作用 e. 界面活性剤の働き 水と油の関係の模型図 油 水:Water 油 水:Water 界面活性剤の乳化作用の模型図 界面活性剤 模型図 水:Water 油 親水基 親油基 水:Water 界面活性剤 添加攪拌 油 f.界面活性剤の働き 素材 1.洗浄前 油 界面活性剤 2.湿潤+浸透 ; ①界面活性剤が油脂に吸着(湿潤) ②浸透(油と素地の界面に入り込む) 加温で洗浄液の対流が起こり油脂の粘性が下がり流動性があがる。 素材 3. ローリングアップ → 剥がし : 活性剤が吸着した油脂はロールアップによりやがて素材表面から離脱する。最終的 には細粒となって液中に分散する。 素材 4.鹸化作用 : アルカリ成分と微粒化した油脂類の反応で石鹸が生成し除去される。且つ、石鹸自体一種の界 面活性剤として洗浄機構に関与する。 油脂類 + アルカリ =石鹸(界面活性剤) 5. 乳化と可溶化: 分散した油脂は乳化→可溶化と微粒子化し再凝集 が妨げられる。 素材 6.再付着の防止 :素材表面は界面活性剤で覆われ親水性となり、汚れ (油)の接近を防止する。. g.油脂類の鹸化反応 1.脂肪酸ーグリセリンエステルの鹸化反応 : (脂肪酸ーグリセリネステル) CH2O・COC17H35 CHO ・COC17H35 CH2O・COC17H35 (グリセリン) + NaOH/H2O = CH2OH CHOH + 3 C17H35COONa CH2OH 2. 脂肪酸の中和反応 : (脂肪酸) (石鹸) (石鹸) C17H35COOH + NaOH = C17H35COONa + H2O h.脱脂条件と特性 ①濃度 洗浄にあたり最も重要な因子である。 パクナ THE-2100 全温度型洗浄剤 60℃. 10秒. 防錆油 良 洗 浄 力 性 能 標準濃度を保つこと が重要。 従来型常温洗浄剤 濃度上昇は効果的 だが塩折に注意。 (経費もかかる。) 劣 1 2 3 4 5 6 濃度 7 8 9 10 (%) ②温度 全温度型洗浄剤 パクナ THE-2100 良 従来型 常温洗浄剤 洗 浄 力 性 能 洗浄温度を上げた方が 特に有効な場合 高温洗浄剤 ①粘性汚れの洗浄 油脂 グリース ワックス ②硫酸酸洗 劣 20 40 60 温度 80 100 (℃) ③時間 自動機の洗浄では時間が定められているため、要因的には重要度が低い 良 防錆油 洗 浄 力 性 能 プレス油 パクナ SPC 4%,70℃ 劣 1 2 3 4 5 (分) 時 間 2.めっき前処理について ・基本的な前処理工程例 ・脱脂洗浄 ・酸洗い・酸電解洗浄 ・電解洗浄 2-6.酸洗い・酸電解の目的 金属表面には、履歴により、錆び(赤錆、酸化皮膜)等の腐食生成物と熱処理で 生成した酸化物(黒皮スケール)などが存在する。 酸洗い・酸電解の目的は、良好なめっきを得るた めに、これらを除去して清浄な金属表面を露出さ せることです。 その他に、Znめっきラインでは、ラックの治具接点やバレル内の電極に付い ためっき剥離、再生めっきの剥離に使われます。 a.酸洗い(錆) • 鉄鋼製品の錆(大気中の水分、酸素と鉄が反応) 1.黄錆(Fe(OH)3:塩基性水酸化第二鉄) 2.脱水して赤錆(Fe2O3:酸化第二鉄など) 酸による浸食 Fe母材 b.酸洗い (スケール:ピックリング) • 熱間圧延鋼板のスケール 酸による浸食 Fe2O3層(ヘマタイト) Fe3O4層(マグネタイト) 高温スケール(黒皮) FeO層(ウスタイト) Fe母材 低温スケールは、FeO 層が無い。 c.酸洗い(酸の種類) • 使用する酸の種類 工業的には塩酸、硫酸が用いられる。 塩酸(濃塩酸、白塩酸:35wt%) 10~30%(v/v)・RT~40℃・2~20分浸漬 硫酸(濃硫酸:98wt%、希硫酸:62.5wt%) 希硫酸:62.5wt% 10~25% (v/v) ・50~70℃・ 2~20分浸漬 d.酸洗い(酸の添加剤) 酸の添加剤 • 腐食抑制剤(インヒビター) 酸洗い処理中に素地金属の溶解を抑える。 酸により露出した鉄素地表面に吸着し、腐食電流 を抑え、過剰浸食を防止する。 • 酸洗促進剤 錆・酸化物の除去速度を増大する。 e.酸洗い(注意事項) • 脱脂力が無いので、前工程として脱脂、酸エマルジョ ンの工程が必要 • 素材に付いた錆、酸化物により添加剤を注意し て選ぶ • 工程間の水洗を充分に行い、前工程からのアルカ リの持ち込みを避ける 油 酸の浸食が出来ない 錆、酸化物 素材 f.酸洗い(水素脆性) 水素吸蔵(水素脆性)の注意 • 酸洗いなど水素ガスの発生が伴う工程で、水素 が素材金属の結晶組織中に原子状の水素とし て浸透・拡散し、素材の柔軟性が低下し脆くなる 事 • 脱水素処理は、熱処理(180~200℃、数時間)を 行う。 :水素原子 Fe素材 g.酸洗い(酸の比較) 酸の比較(塩酸と硫酸) • • • • • • 低温性能 (良)塩酸>硫酸 高温性能 塩酸=硫酸 鉄の溶解性 (良)塩酸>硫酸 スマットの生成 (小)塩酸<硫酸 水素の吸蔵 (小)塩酸<硫酸 装置の腐食 (大)塩酸>硫酸 h.酸洗い(めっき工程例) • 酸処理工程例 ①アルカリ脱脂∼水洗∼酸洗∼水洗∼アルカリ電解∼水洗∼活性化∼水洗∼めっき HCL *一般的な工程であり、酸洗の酸は塩酸が多く使用される ②アルカリ脱脂∼水洗∼酸電解∼水洗∼アルカリ電解∼水洗∼活性化∼水洗∼めっき *Niめっきラインには適合するが、Znめっきラインでは、再生めっきが出来ないので使用されない。 ③アルカリ脱脂∼水洗∼酸電解∼水洗∼酸洗∼水洗∼アルカリ電解∼水洗∼活性化∼ 水洗∼めっき HCL *酸電解工程を用いた工程としては、一般的である。 ④アルカリ脱脂∼水洗∼酸洗∼水洗∼酸電解∼水洗∼アルカリ電解∼水洗∼活性化 ∼水洗∼めっき HCL *洗浄性能は良いが、陽極版の消耗が早いのでコスト高となる。 i. 酸電解とは 酸性電解質液中で素材を陰極につなぎ通電する方法で、 酸化膜や半焼け油除去に効果的な処理方法 マイナス 整流器 浴組成(通常品) 硫酸+インヒビター プラス 素材 その他 塩酸浴 サーパス電解など 水素ガス 不溶性陽極 j.酸電解の条件 • 処理濃度 濃硫酸(98wt%):5~15 % (v/v) 添加剤:0.1~1 % (v/v) • 処理温度 RT~50 ℃ • 処理時間 0.5~5 分 • 陰極電流密度 1~15 A/dm2 陽極板:鉛合金、カーボン板 2.めっき前処理について ・基本的な前処理工程例 ・脱脂洗浄 ・酸洗い・酸電解洗浄 ・電解洗浄 2-7.電解洗浄極性と性能特徴 水素(2H2)+酸素(O2) ← 水(2H2O)+電気エネルギー + O2 2H2 陽極 H2O+NaOH e− OH- Na+ − 陰極 e− a.陰極反応の洗浄機構 石鹸 Me n+ 油 H2-ガス 鹸化 PH-アップ(14) 還元性 雰囲気 電解 析出 活性化 1.水素-ガスが物理的に油分を剥がす。 2.PHがほぼ14迄上昇し、これにより油脂類の鹸化が 大きく促進される。 3.還元性雰囲気により、脱錆と活性化が促進される。 4.不純金属の電解析出に要注意。 b.陽極電解の洗浄機構 O2-ガス 素材の 電解溶出 スマット 酸化性の 雰囲気 中性近く までのPH 降下 1.酸素ガスによる物理的効果. 2.素材の電解溶出による効果的な脱スマット 3.強力な酸化性雰囲気により有機汚れが 効果的に除去される 4. 陽極近傍では、中性近くまでPHが降下する。 c.電解洗浄剤の成分と働き 種類 無機 成分 洗浄効果(働き) 苛性ソーダ 通電性の確保、動植物油のケン化作用、 苛性カリ 高濃度では水洗性が劣る 炭酸塩 ケイ酸塩 リン酸塩 緩衝作用によるPHの確保、水洗性良好、 通電性劣る 汚れの乳化・分散作用、非鉄の腐食防止、 スラッジ溜まる 硬水軟化作用(Ca、Mg)、汚れの分散作用、 水洗性良好、P有り 有機 キレート剤 界面活性剤 鉄等の金属の溶解、金属のめっき防止、硬水軟化作用、 スマット除去、電解消耗有り、COD増 湿潤・浸透作用、ミスト防止、過剰は発泡 d.電解洗浄における標準的作業条件 電流密度 3∼10A/dm2 温度 常温∼50℃ 時間 30∼180秒 極性 陽極、陰極、PR 濃度 苛性ソーダ 2∼10% + 添加剤 3.浴管理のポイント ・液管理と老化度 ・付帯設備 ・清浄度試験法 3-1.液管理と老化度 a.浸漬脱脂 № 管理項目 管理方法と頻度 評価項目 老化判定基準 1 中和滴定による分析 1回/日 遊離アルカリ(Fb) 指示薬フェノールフタレイン 全 アルカリ (Tb) 指示薬メチルオレンジ 現場液濃度 薬品補給量 液の老化度 アルカリ比 Tb/Fb =1.5∼2.0 (新液時の2倍) 薬品濃度 ※自動滴定装置の使用可 2 脱脂液性能 処理物の脱脂上がり、脱脂後の水洗上 脱脂力 がりでの目視による水ハジキ状態の 液の老化度 チェック 2回/日 3 脱脂液外観 脱脂液の汚れ(濁り・浮上油・色等)の 汚れの最付着 目視チェック 2回/日 液の老化度 4 混入油分 及び 金属イオン 油分:Nヘキサン抽出法(JIS K0102) 金属イオン:原子吸光法 各1回/週 液の老化度 排水への影響 水ハジキの有無 油分3000∼ 10000ppm 亜鉛 200 ppm クロム 200 ppm 銅 200 ppm b.酸洗 № 管理項目 管理方法と頻度 評価項目 1 中和滴定による分析 1回/日 遊離酸(Fa) 指示薬 メチルオレンジ 現場液濃度 薬品補給量 薬品濃度 老化判定基準 2 酸洗性能 酸洗い後での除去性(黒皮・錆等の酸 化膜)の目視チェック 銅の置換(再付着) 各 2回/日 脱黒皮力 脱錆力 3 酸洗液外観 酸洗液(濁り・浮上油・色等)の 液の老化度 目視チェック 2回/日 汚れの再付着 (銅の置換) 4 混入 金属イオン 金属イオン:原子吸光法 液の老化度 各1回/週 排水への影響 汚れ残留の有無 銅 30∼50 ppm 鉄 20∼40 g/L 亜鉛 20∼40 g/L クロム50∼100 ppm c.電解脱脂(アルカリ陽極電解) № 管理項目 管理方法と頻度 評価項目 1 薬品濃度 中和滴定による分析 遊離アルカリ(Fb) 指示薬フェノールフタレイン キレート滴定による分析 各1回/日 現場液濃度 (苛性ソーダと薬品濃度) 薬品補給量 2 電解性能 電解後の水洗上りでの品物表面の 汚れ拭き取りチェック(濾紙) 素地荒れや変色の目視チェック 2回/日 脱バフカス性.陽極酸化 脱スマット性. 素地荒れ 液の老化度 3 電解洗浄液 外観 電解洗浄液の汚れ(浮上油、濁り、 色等)の目視チェック 2回/日 汚れの再付着 液の老化度 4 塩素根 炭素根 混入金属イオン 塩素根:電位差滴定 (自動滴定装置可) 炭素根:中和滴定による(Tb) 液の老化度 排水への影響 混入金属イオン:原子吸光法 各1回/週 老化判定基準 汚れ残留の有無 素地荒れや 変色の有無 塩素根:1000∼2000ppm 炭酸根:30∼50 g/L 亜鉛 、クロム、銅: 100∼200ppm 鉄:1000∼1500 ppm ニッケル:200∼300 ppm d.電解脱脂(アルカリ陰極電解) № 管理項目 管理方法と頻度 評価項目 1 薬品濃度 中和滴定による分析 遊離アルカリ(Fb) 指示薬フェノールフタレイン キレート滴定による分析 各1回/日 現場液濃度 電解後の水洗上りでの品物表面の 汚れ拭き取りチェック(濾紙)2回/日 脱バフカス性 脱スマット性 液の老化度 2 電解性能 陰極付着汚れの目視チェック (混入金属イオンの再付着性) (苛性ソーダと薬品濃度) 薬品補給量 3 電解洗浄液 外観 電解洗浄液の汚れ(浮上油、濁り、色 等)の目視チェック 2回/日 汚れの再付着 液の老化度 4 炭酸根 混入金属イオン 炭酸根:中和滴定による(Tb) 液の老化度 排水への影響 陰極付着汚れ 混入金属イオン:原子吸光法 ハルセルによる陰極付着汚れのチェック 各1回/週 老化判定基準 汚れ残留の有無 陰極付着汚れによ る変色の有無 炭酸根:30∼50 g/L 亜 鉛: 30∼50 ppm 銅 : 10∼20 ppm クロム : 50∼100ppm 鉄:500∼1000 ppm ニッケル:200∼300 ppm 3-2.洗浄剤の付帯設備 付帯設備 内容 1 加温装置 ボイラ-、ヒ-タ-、温調 2 排気装置 ダクト、洗浄塔 3 油水分離装置 ベルト、吸引、分離タンク等方式 4 自動補給装置 電導度、屈折計、中和滴定 5 配管/給水装置 6 排水処理設備 中和凝集、イオン交換、生物処理 3-3.清浄度試験法 試験法 内容 1 拭き取り試験法 脱脂綿、濾紙等で素材表面の汚れを拭き取り色差 計等で評価する。 2 水濡れ試験法 洗浄→水洗後引き上げ水濡れ面積を評価する。 ぬれ張力試験液を用いて水濡れ性を評価する。 3 発錆試験法 洗浄→水洗後、酸浸漬し引き上げ放置、錆び発生 面積を評価する。 4 接触角測定法 市販の接触角測定試験器で接触角を測定し評価 する。 5 めっき付け試験法 洗浄→水洗→酸活性→水洗→めっき後無めっき、 密着性等を評価する。 6 残留油分測定法 洗浄前後の残留油分をn-ヘキサン法で抽出し油分計 測定し評価する。 ご静聴ありがとうございました。