...

マイコプラズマの検出から予防・除去

by user

on
Category: Documents
36

views

Report

Comments

Transcript

マイコプラズマの検出から予防・除去
391-6
マイコプラズマの検出から予防・除去
マイコプラズマ汚染の問題点
・ 実験データの信頼性を損なう恐れ
・ 大切な培養細胞の DNA・RNA・タンパク質合成への影響や染色体の変異を誘発
・ 培養液に明確な変化を引き起こさないため、汚染の継続・拡大が進む
このようにマイコプラズマによるコンタミネーションは哺乳類細胞を培養する上で重大な問題となっております。
今回、InvivoGen 社が販売しているマイコプラズマの検出試薬、感染予防・除去に関連する製品を紹介します。
■ PlasmocinTM ■ NormocinTM
■ PrimocinTM
■ PlasmocureTM
■ PlasmoTestTM
:マイコプラズマの予防と除去
:マイコプラズマ、細菌、真菌感染の予防
:初代培養細胞用のマイコプラズマ、細菌、真菌感染からの予防
:マイコプラズマの除去
:マイコプラズマ検出キット
PlasmocinTM- マイコプラズマ予防・除去試薬
PlasmocinTM は、非常に好評を頂いているマイコプラズマ予防・除去試薬です。PlasmocinTM は、マイコプラズマ
に作用する強力な 2 種類の殺菌成分を含有しており、一方はタンパク質合成に作用し、他方は DNA 複製に作用し
ます。これら 2 つの特異的かつ独立したターゲットは、マイコプラズマや他の多くの細菌にのみ見られるもので、
真核細胞には全く存在しません。
特 長
● 2 週間でマイコプラズマを除去(Treatment)、
マイコプラズマ感染の予防可能(Prophylactic)
● 細胞内在性のマイコプラズマも除去
● 動物細胞には作用せず、細胞毒性なし
● 細胞の代謝への影響は認められない
● 耐性マイコプラズマが出現しにくい
● ES 細胞・ハイブリドーマ・レトロウイルスパッケージング細胞でも処理実績あり
推奨使用濃度・使用方法
PlasmocinTMTreatment(マイコプラズマ除去用)
推奨使用濃度:25 μ g/ml ( 本品 1ml で 1L の培地が調製できます。)
使用方法:
①細胞分裂の活発な細胞を 12.5-37.5 μ g/ml の PlasmocinTM を含む培地に分注します。
② 3-4 日に一度、新しい培地に交換します(処理期間 2 週間)。
③マイコプラズマフリーの状態を保持するためには、5 μ g/ml の濃度で PlasmocinTM を添加
し続けてください。
(注意)もし 2 週間処理した後でも除去が不十分だった場合は、37.5 μ g/ml で引き続き処理してください。
PlasmocinTMProphylactic(感染予防用)
推奨使用濃度:2.5 ~ 5 μ g/ml ( 本品 1ml で 500ml ~ 1L の培地が調製できます。)
使用方法:
PlasmocinTM を細胞培養用培地に添加してください。
作用ターゲット
・DNA Gyrase
・リボソームの 50S サブユニット
NormocinTM- マイコプラズマ、細菌、真菌感染予防試薬
NormocinTM はマイコプラズマ、細菌および真菌に対して活性のある三つの抗生物質を配合した革新的な抗菌剤で
す。
● マイコプラズマ、細菌、真菌に作用
● 使用条件下で培養細胞の代謝への影響なし
● 他の抗菌剤と併用可能
特 長
推奨使用濃度
100 μ g/ml ( 本品 1ml で 500ml の培地が調製できます。)
作用ターゲット
・原核生物:DNA Gyrase,リボソームの 50S サブユニット
・真菌:細胞膜を介したイオン交換
PrimocinTM- 初代培養細胞用のマイコプラズマ、細菌、真菌感染予防試薬
PrimocinTM は培養時のコンタミネーションから初代培養細胞を守るために特別に設計された新しい抗菌剤です。
特に解剖の際のコンタミネーションや動物内在性のマイコプラズマから守ります。
● マイコプラズマ、細菌、真菌に作用
● 初代培養細胞に毒性なし
● 他の抗菌剤は不要
特 長
推奨使用濃度
100 μ g/ml ( 本品 1ml で 500ml の培地が調製できます。)
作用ターゲット
・原核生物:DNA Gyrase,リボソームの 30S、50S サブユニット
・真菌:エルゴステロール
PlasmocureTM- マイコプラズマ除去試薬
非常に稀なケースですが、PlasmocinTM に耐性のマイコプラズマが報告されています。これらの耐性マイコプラズ
マを除去するために、InvivoGen 社は新しく PlasmocureTM を開発しました。本製品は PlasmocinTM とは異なるメ
カニズムでマイコプラズマに作用する 2 種類の抗生物質を含有しています。
● PlasmocinTM に耐性のマイコプラズマを除去可能
● セルラインに対して微弱な毒性示すが十分な回復期待
特 長
推奨使用濃度
50 μ g/ml ( 本品 1ml で 2L の培地が調製できます。)
作用ターゲット
・Isoleusyl Synthetase
・リボソームの 50S サブユニット
価格表
製品名
TM
メーカー製品番号
製品番号
容量
価格
25 mg/ml
ant-mpt
25993-11
50 mg (2 x 1 ml)
23,000
PlasmocinTM (Prophylactic)
2.5 mg/ml
ant-mpp
25994-14
25 mg (5 x 2 ml)
15,000
NormocinTM
50 mg/ml
ant-nr-1
14858-15
500 mg (10 x 1 ml)
24,000
Plasmocin
(Treatment)
製品濃度
PrimocinTM
Plasmocure
50 mg/ml
TM
100 mg/ml
ant-nr-2
14858-31
1 g (20 ml)
40,000
ant-pm-1
14860-65
500 mg (10 x 1 ml)
27,000
ant-pm-2
14860-81
1 g (20 ml)
44,000
ant-pc
17837-24
100 mg (1 x 1 ml)
41,000
マイコプラズマ除去試薬に関する FAQ( よくあるご質問 )
Q1
どのような細胞で処理実績がありますか?
A1
下記に処理実績のある一部の細胞を掲載します。
Human Cell Lines :HEK293、HeLa、Colo357、HL60、HSB2、MCF-7、PC3、Hep-G2、MDA-MB231、
SW13、SW620、T47D、U-373、U-87
Rodent Cell Lines :235-1、NIH3T3、B16、CHO、CT60、PC12、C2C12、C6、ES Cells
その他
:Hybridomas、Retrovirus Packaging Cell Line、Bi-color damselfish Cell Lines
Q2
動物細胞に対して毒性はありますか?
A2
PlasmocinTM はマイコプラズマと多くの細菌だけをターゲットとして作用します。細胞に高濃度の
PlasmocinTM を作用させている場合、細胞の成長率が減速するかもしれませんが、培養液から PlasmocinTM
を除くと、すぐに正常な成長率に戻ります。
Q3
ペニシリン / ストレプトマイシンを添加した培養液に PlasmocinTM、NormocinTM、PrimocinTM を添加できま
すか
A3
PlasmocinTM、NormocinTM はペニシリン / ストレプトマイシン溶液と互換性があります。ペニシリン / スト
レプトマイシンと同時に添加することで、抗菌活性スペクトルを広げることができます。初代培養細胞用の
PrimocinTM についてはペニシリン / ストレプトマイシンを添加する必要はありません。
Q4
選択用抗生物質存在下でも使用できますか?
A4
G418、ZeocinTM、Hygromycin B、Blasticidin S、Puromycin などの一般的な選択用抗生物質と互換性があり、
同時に使用できます。
Q5
耐性マイコプラズマの出現リスクはありますか?
A5
耐性菌の存在を確認するために、繰り返し変異の生じる割合を測定しましたが、培養液中に耐性菌は全く出
現しませんでした。従って、本製品に対する耐性マイコプラズマは実質的に出現しないと考えられます。
もし PlasmocinTM 耐性マイコプラズマの出現が懸念される場合は PlasmocureTM をご使用ください。
Q6
昆虫細胞でも使用できますか?
A6
哺乳動物細胞と同様のプロトコール(推奨濃度 25 μ g/ml で 2 週間)でマイコプラズマを除去できます。
至適濃度につきましては、50% の範囲で増減(12.5 μ g/ml ~ 37.5 μ g/ml)させてお試しください。
Q7
ウイルスパッケージング細胞でも使用できますか?
A7
同様のプロトコールで使用できます。ウイルス生産前のパッケージング細胞からのマイコプラズマ除去
であれば除去用の PlasmocinTM Treatment、ウイルス生産の間であれば PlasmocinTM Prophylactic または
NormocinTM をご使用ください。
Q8
tet 調節発現系細胞でも使用できますか?
A8
PlasmocinTM はテトラサイクリン・ファミリーに属しませんので、問題なく使用できます。
PlasmoTestTM- マイコプラズマ検出キット
従来、マイコプラズマによるコンタミネーションを確かめるには特殊な技術を用いて、定期的に試験を行うほか
ありませんでした。InvivoGen 社が開発した PlasmoTestTM は初の人工的に改変された細胞を用いるマイコプラズ
マ検出キットであり、そのため研究室内で日常的な方法として簡単に確立することができます。
特 長
:特別な装置等は不必要で、基本的な細胞培養知識があれば OK
● 簡 単
:実質的な操作時間は 1 時間以内-オーバーナイトインキュベーション後に検出
● 迅 速
:細胞培養液に感染する事でマイコプラズマやアコレプラズマ全種を検出可能
● 多用途
:5 × 102-5 × 105cfu/ml のマイコプラズマを検出可能
● 高感度
● キット構成 :ポジコンおよびネガコンを含むアッセイに必要となる全試薬を含む
使用方法
サンプル
HEK-BlueTMDetection
1. 細胞培養している培地上清を 500 μ l
とり、チューブへ移す。
HEK-BlueTM-2 cell
2. サンプルを 100℃、15 分間加熱する。
培養上清を回収
培地を溶かす
3. HEK-BlueTMDetection 培地を 50ml の
HEK-BlueTMwater に粉末を溶して調製す
る。
細胞懸濁液を調製
4. 96 穴プレートにサンプルを 50 μ l ず つ
入れる。
2
1
5. 96 穴プレートにそれぞれのコント ロー
ルを 50 μ l ずつ入れる。
凍結ストックを調製
100℃、
15分間加熱
新しい 培 養 細 胞 株を
得るために、30回の継
代ごとにバイアルを融
解
37℃、16-24時間培養
6. HEK-BlueTMDetection 培地で HEK-BlueTM2cell 懸濁液を調製 する。
7. 200 μ l(~ 50,000 個の細胞)の細胞懸
濁液をサンプルまたはコントロールが
入っているウェルに添 加する。
8. プレートを 37℃の CO2 インキュベ ー
ターで一昼夜(16-24 時間)培 養する。
9. 肉眼または 620-650nm の分光計でマイ
コプラズマの有無を検出する。
紫・青=陽性
キット構成
ピンク=陰性
・HEK-BlueTM-2cells(3-5 X 106 cells)
・HEK-BlueTMwater(60ml)
・・・・・・・・・・・・ X 2
・・・・・X 4
・HEK-BlueTMSelection(2ml)
・Positive control(死滅しているマイコプラズマ)
TM
・Normocin (1ml)・・・・・・・・ X 4
・Negative control
TM
・HEK-Blue Detection(50ml)
・・・・X 2
( 注意 )
一度、PlasmoTestTM キットをご購入いただくと、後は試薬のみを購入するだけで、さらに試験をすることができます。
価格表
製品名
PlasmoTest
TM
HEK-BlueTM Selection
Normocin
製品番号
容量
価格
劇
rep-pt-2
17838-30
1 kit (500 samples)
144,000
劇
hb-sel
-
5 x 2 ml
26,000
ant-nr-1
14858-15
500 mg (10 x 1 ml)
24,000
hb-det1
-
2 pouches
26,000
pt-ctr2
-
200 tests
22,000
TM
TM
HEK-Blue
メーカー製品番号
Detection
Plasmo TestTM Controls
ご注意 試験・研究用以外には使用しないでください。
※記載の内容は、'11 年 9 月現在の情報に基づいております。
※価格に消費税は含まれておりません。
■販売取扱店
ナカライテスク株式会社
〒 604-0855 京 都 市 中 京 区 二 条 通 烏 丸 西 入 東 玉 屋 町 498
Web site
http://www.nacalai.co.jp
試 薬 は こ こ に
0 1 2 0 - 4 8 9 - 5 5 2
価格 ・ 納期のご照会
製品に関する技術的なご照会 E-mail:[email protected]
TEL:075-211-2703 FAX:075-211-2673
1109
Fly UP