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ビジョン(全文) (PDF形式, 991.29KB)
名古屋市
観光戦略ビジョン
飛躍する名古屋の観光
∼世界的な交流拠点都市をめざして∼
平成 22 年 12 月
名 古 屋 市
世界的な交流拠点都市をめざして
このたび、本市では、観光部門に関する総合的・体系的な計画として、「名古屋市観光戦略
ビジョン」を策定しました。
名古屋は、御三家筆頭・尾張徳川家の居城として栄えた名古屋城や、1900 年もの歴史を誇
る熱田神宮をはじめとして、豊富な歴史的資源を有しています。また、世界に誇るモノづくりや人
気のなごやめしなど、多彩な観光資源にも恵まれています。
さらに、今年名古屋は開府 400 年の記念の年を迎えました。本市では、一年を通じて名古屋
の魅力を活かした様々なイベントを行い、市民の皆様と一緒になって、名古屋の記念の年をお
祝いしてまいりました。記念イベントには、国内外から多くの観光客の方々にもお越しいただき、今
年の名古屋は大いに盛り上がりました。
観光が盛んになることによって、国内外からの交流人口を増大させ、産業の活性化や雇用の
創出、国際化の進展など、様々な効果が期待できます。また、市民の皆様が地域の魅力を再
認識し、観光を通じた交流の担い手となるとともに、魅力的なまちをつくることにもつながっていく
ものです。
現在、観光を取り巻く情勢は大きく変化しています。世界的な規模で観光による交流が活性
化する中、名古屋の観光も新たな情勢に対応していかなければなりません。名古屋開府 400
年という節目の年に策定したこのビジョンが、名古屋のまちの魅力を見つめなおすきっかけとなる
とともに、次の 100 年に向けた名古屋の観光の大きな飛躍につながるよう願っています。
このビジョンの推進には、行政だけではなく、市民の皆様や民間事業者の皆様のご協力が不
可欠です。名古屋全体で力をあわせて、観光客を惹きつけてやまない魅力的な都市を創造し
ていきましょう。
なお、ビジョンの策定にあたり、名古屋市観光戦略研究会をはじめ、多くの皆様から貴重なご
意見、ご提言をいただきましたことに対し、心から感謝申し上げます。
平成 22 年 12 月
名 古 屋 市 長
河 村
たかし
目 次
1 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)計画の位置づけ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)計画期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
1
1
1
2 現状と課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
(1)観光をとりまく情勢 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
(2)名古屋の観光の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
(3)名古屋の観光の課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
3 基本的な視点・目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)基本理念 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)視点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
26
26
27
28
4 取り組み内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
視点1 名古屋らしい魅力の創出 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
① 「歴史観光」の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
② 「都市観光」の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
視点2 観光プロモーションの推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
① 観光プロモーションの推進と情報発信力の強化 ・・・・・・・・・・・・・
② 教育旅行の誘致・MICEの推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
視点3 おもてなしの充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
① 観光案内の充実とホスピタリティの向上 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
② 観光客受入基盤の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
視点4 広域観光の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
30
31
32
33
36
36
37
38
38
39
41
5 重点プロジェクト ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
視点1 名古屋らしい魅力の創出 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1−1「歴史観光」の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1−2「都市観光」の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
視点2 観光プロモーションの推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2−1 観光プロモーションの推進と情報発信力の強化・・・・・・・・・・・
2−2 教育旅行の誘致・MICEの推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
視点3 おもてなしの充実
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3−1 観光案内の充実とホスピタリティの向上 ・・・・・・・・・・・・・・・
3−2 観光客受入基盤の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
42
43
43
47
50
50
52
54
54
56
6 実現へ向けて
資料編
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59
1
は じ め に
(1) はじめに
21 世紀に入り、我が国は社会・経済のグローバル化が進行するなかで、少子・高齢化により定住
人口が減少する社会に突入しました。このような状況下において、国内外からの交流人口を増やす
ことにより、産業の活性化や雇用を創出するとともに、国際化が促進され、地域を再認識する契機
になるなど、様々な効果をもたらすことが期待されています。様々な分野で国際的な都市間競争が
激しくなる中で、交流人口の拡大に向け、本市としても、観光戦略ビジョンの策定と実行が求めら
れています。
ところで「観光」は、かつての物見遊山的な観光から体験型観光が人気となるなど、そのスタイ
ルは大きく変化しています。消費者志向の多様化にともない、旅行目的地が主導で企画・造成する
着地型観光が注目されているのも変化の一つです。地域の住民が地域を見直し、観光資源を発掘し
て観光に活かすことは着地型観光の実践であるとともに、地域住民にとってはまちづくりの一環と
なる取り組みです。
名古屋市では、名古屋開府 400 年を迎える 2010 年に向けて、様々な観光推進策を実施し、観光
客の誘致を図ってきました。これまで、名古屋市は魅力的な歴史・文化などの観光資源をもちなが
らも、モノづくりによって活力を生み出してきましたが、前述した今後の観光振興の重要性と、ま
ちづくりとしての観光の意義を再認識し、魅力的な歴史・文化などの観光資源を充分に活用して、
さらなる観光振興を図ることにより、交流人口を拡大し、都市の活力を生み出していかなければな
りません。
この『名古屋市観光戦略ビジョン』は、観光を取り巻く環境の変化や名古屋の観光の現状と課題
を踏まえたうえで、基本的な視点と目標を設定し、実現に向けた総合的・体系的な計画として策定
したものです。
(2) 計画の位置づけ
この計画は、観光部門に関する市の総合的・体系的な計画です。市民と民間事業者と行政が連携
したオール名古屋で観光交流を推進するために、名古屋市の観光振興の方向性を提示した道しるべ
として役立つことをめざします。
(3) 計画期間
第 4 章の取り組み内容は、おおむね 10 年先の将来を見据えた計画であり、第 5 章の重点プロジ
ェクトは、平成 24 年度までを計画期間としています。
1
2
現状と課題
(1) 観光をとりまく情勢
■ グローバリゼーションと観光産業の拡大
中国、韓国、台湾をはじめとするアジア諸国の発展にともない、ビジネスのみならず、旅行や映
画、ドラマ、音楽などのエンターテイメント分野など、日本とアジア地域との交流の拡大が実感で
きます。世界に目を向けると、グローバル化の中で、外国人旅行者数の伸びや観光産業の経済規模
の拡大など、観光分野の進展がみられます。
世界観光機関(UNWTO)*では、約 6.8 億人であった 2000 年の全世界の外国旅行者数が、2010
年には 10 億人、2020 年には 15.6 億人になると予測しています。また、世界旅行産業会議(WTT
C)によると、世界全体における観光産業の経済規模(総生産)は、関連産業、関連投資、税収な
どを含めた場合、2009 年に世界のGDP(国内総生産)の約 9.4%に相当する 5 兆 4,740 億米ドル
に達するとしています。関連産業を含む全観光産業の就業人口は、2009 年に、世界の全雇用者数の
約 7.6%に相当する 2 億 1,981 万人になるとしています。
●外国旅行者数予測
2000(平成12)年
●世界の観光産業の経済規模(2009年予測値)
6億8,362万人
2010(平成22)年(予測値)
10億640万人
2020(平成32)年(予測値)
15億6,100万人
観光産業
GDP
金額(十億ドル)
5,474.00
GDP全体に
占める割合(%)
9.4
人数(千人)
観光産業
による雇用 雇用全体に
占める割合(%)
資料:世界観光機関(UNWTO)
219,810.0
7.6
資料:世界旅行産業会議(WTTC)
■ 旅行がもたらす経済効果
平成 19 年度における国内旅行消費額は 23.5 兆円と推計されています。これによる我が国経済に
もたらす直接的な経済効果は、付加価値誘発効果が 11.8 兆円、雇用誘発効果が 211 万人と推計さ
れます。さらに、この旅行消費がもたらす間接的な効果を含めた生産波及効果は、53.1 兆円(国内
生産額の 5.6%)
、付加価値誘発効果は 28.5 兆円(国内総生産額(名目GDP)の 5.5%)
、雇用誘発
効果は 441 万人(全就業者数の 6.9%)と推計されます。このことから、観光の活性化は日本経済の
将来に大きく寄与するものといえます。
*
世界観光機関(UNWTO)
:観光の振興・発展を目的とする国連の専門機関
世界旅行産業会議(WTTC):世界の主要な旅行・観光会社が参加する、旅行・観光産業における財界人のた
めのフォーラム。
2
平成 19 年度旅行消費の我が国経済への貢献(経済効果)
資料:観光庁『観光白書』
(平成 21 年版)
■ 観光立国に向けた取り組み
2003(平成15)年7月の観光立国関係閣僚会議で「観光立国行動計画」が決定され、
「住んでよし、
訪れてよしの国づくり」をめざす「観光立国」実現に向けて、国を挙げて取り組むこととされまし
た。
国土交通省においても、我が国が世界に開かれた観光大国となり、観光産業が我が国の真のリー
ディング産業*となることをめざすため、2002(平成14)年12月に「グローバル観光戦略」を策定
し、2003(平成15)年4月より、ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)*を官民一体となっ
て推進しています。
また、21世紀の日本経済社会の発展のために観光立国の実現が重要であるとして、観光基本法が
43年ぶりに全面改正され、「観光立国推進基本法」が2007(平成19)年1月に施行されました。こ
れを受けて、2007(平成19)年6月には「観光立国推進基本計画」が策定され、訪日外国人を、2010
(平成22)年までに1,000万人にすることを目標とし、将来的には日本人の海外旅行者数と同程度
にすることをめざすとされました。
2008(平成20)年10月には、機能的かつ効果的な業務の遂行を可能とする体制を整備するととも
に、観光行政の責任を有する組織を明確化するため、国土交通省の外局として「観光庁」が発足し
ました。今後は、観光庁を中心に政府一丸となって、観光立国の実現に向けた政策を総合的かつ計
画的に実施していくこととされています。
さらに、2009(平成 21)年 12 月に閣議決定された「新成長戦略(基本方針)」では、訪日外国
人を 2020 年初めまでに 2,500 万人、将来的には 3,000 万人にするという目標が掲げられました。
これを受けて、2010(平成 22)年からは、訪日外国人を 3,000 万人とする「訪日外国人 3000 万人
プログラム」が始まっており、第 1 期(2010∼2013 年)を「アジア戦略の展開」
、第 2 期(2014∼
2016 年)を「欧米戦略の展開」
、第 3 期(2017∼2019 年)を「世界戦略」と位置づけ、それぞれの
訪日外国人の目標を 1,500 万人、2,000 万人、2,500 万人としています。
*
リーディング産業:成長が著しく、雇用や他産業の生産活動への幅広い波及効果を持ち、それによって地域経済を
牽引する力を有する産業
*
ビジット・ジャパン・キャンペーン:国土交通省を中心とする政府関係府省及び自治体、民間企業等が官民一体と
なって、
「2010 年までに 1,000 万人の訪日外国人誘致」を実現するための活動
3
また、MICE*の開催・誘致促進が国際交流拡大のため重要視されています。2009(平成 21)
年 7 月の「MICE推進アクションプラン」では、アクションとして「MICE全般プロモーショ
ン」
、
「誘致・開催に関する環境整備・支援」
、
「MICE基礎的基盤の強化、環境の整備」を掲げ、
取り組みを進めています。
一方、日本人の国内観光旅行については、前述の「新成長戦略(基本方針)」において、国内旅
行は休日が集中しているため繁閑の差が大きく、需要がゴールデンウィークや年末年始の一定期間
に集中する結果、顕在化しない内需が多いとし、休暇取得の分散化など「ローカル・ホリデー制度」
(仮称)の検討や国際競争力の高い魅力ある観光地づくり等を通じた国内の観光需要の顕在化等の
総合的な観光政策を推進し、地域を支える観光産業を育て、新しい雇用と需要を生み出すことをめ
ざした取り組みを進めています。また、観光立国の実現に向け、「観光圏の整備による観光旅客の
来訪及び滞在の促進に関する法律」*に基づき、2泊3日以上の滞在型観光を促進する取り組みを支
援するなど、様々な取り組みを進めています。
●国籍別訪日外客数(上位10カ国/地域)
順位
2005(平成17)年
国籍
外客数(人)
2006(平成18)年
2007(平成19)年
2008(平成20)年
2009(平成21)年
国籍
国籍
国籍
国籍
外客数(人)
外客数(人)
外客数(人)
外客数(人)
1
韓国
1,747,171
韓国
2,117,325
韓国
2,600,694
韓国
2,382,397
韓国
1,586,772
2
台湾
1,274,612
台湾
1,309,121
台湾
1,385,255
台湾
1,390,228
台湾
1,024,292
3
米国
822,033
米国
816,727
中国
942,439
中国
1,000,416
中国
1,006,085
4
中国
652,820
中国
811,675
米国
815,882
米国
768,345
米国
699,919
5
香港
298,810
香港
352,265
香港
432,042
香港
550,190
香港
449,568
6
英国
221,535
英国
216,476 オーストラリア
222,518 オーストラリア
242,031 オーストラリア
211,659
7 オーストラリア 206,179 オーストラリア
195,094
英国
221,945
英国
206,564
英国
181,460
8
カナダ
150,012 カナダ
157,438
タイ
167,481
タイ
191,881
タイ
177,541
9 フィリピン 139,572
タイ
125,704 カナダ
165,993
カナダ
168,307
カナダ
152,756
10
タイ
120,238 フランス
117,785 シンガポール
151,860 シンガポール
167,894 シンガポール
145,224
全体
6,727,926
7,334,077
8,346,969
8,350,835
6,789,658
資料:JNTO国際観光白書 2009
JNTO訪日外客訪問地調査
*
MICE:広義の国際会議のことで、企業会議(Meeting)、研修旅行(Incentive)、国際会議(Convention)、
見本市・イベント(Event/Exhibition)をいう。
*
観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律:観光地が広域的に連携した「観光圏」の整備を
行うことで、国内外の観光旅行者が 2 泊 3 日以上滞在できるエリアの形成をめざすもの。国際競争力の高い魅力
ある観光地づくりを推進することで、地域の幅広い産業の活性化や交流人口の拡大による地域の発展を図る。
4
■ 社会経済環境の変化
●団塊の世代の退職
60歳代の平成19年度の国内宿泊観光旅行回数は、1.86回(男性1.91回、女性1.81回)であり、 国
民1人当たり(1.50回)よりも0.36回多く、各年代との比較でも最も高い水準となっています。2007
(平成19)年からは団塊世代(昭和22年から24年生まれ)が順次60代に達しており、貯蓄現在高が
高く、定年延長が行われたとしても、いずれは退職者となることから、国内旅行の主要な実施主体
として旅行需要を牽引することが期待されています。
資料:観光庁「観光白書」
(2009)
●情報技術の進展
インターネットや携帯情報端末の利用者の増加に伴い、双方向性、リアルタイム性を備えたこれ
らの媒体を利用した観光情報の入手や取引が急速に進んでいます。情報技術の進展を活かした効果
的な情報発信が求められています。
下記の本市が行った調査において、観光客に名古屋を選んだきっかけを聞いたところ、「雑誌・
新聞をみて」(14.7%)、「テレビやラジオ番組の情報から」(11.4%)に次いで「インターネット
ホームページの情報から」(8.0%)となっており、インターネットが情報入手媒体として、一般
的になってきていることがうかがえます。
観光客の名古屋を選んだきっかけ(複数回答)
前に来たことがあり良かったから
友人・知人に薦められたから
雑誌・新聞をみて
テレビやラジオ番組の情報から
インターネットホームページの情報から
旅行代理店の紹介や店頭チラシをみて
駅や電車内のポスター・広告
特になし
その他
資料:名古屋市観光客・宿泊客動向調査(平成20年度)
5
33.6%
17.7%
14.7%
11.4%
8.0%
2.7%
2.3%
12.3%
6.8%
■ 観光の目的、形態の変化
●観光目的の多様化
「観る」だけの観光から参加や体験(農業体験や自然体験)、交流(地域の人々とのふれあい、
まち歩き)、学習型(地域学習や産業観光*、環境学習)の観光が台頭してきました。グルメ、健
康、文化芸術、スポーツなどテーマを持った観光も増えているなど、観光目的の多様化が進んでい
ます。
●発地型観光から着地型観光*へ
これまでの旅行商品が都市部の旅行会社で企画・造成される「発地型」であったのに対し、消費
者志向の多様化にともない、地元の人しか知らないような穴場や楽しみ方が求められるようになり、
より詳しい情報を持つ観光地側で旅行商品を企画・造成する「着地型」の観光が見直されています。
●旅行形態の多様化
旅行形態は、長引く景気の低迷や意識変化などから職場等の団体旅行が減少する一方で、個人や
友人との旅行など小グループ化が進んでいます。
■ 環境との共生
地球環境の保全は 21 世紀の大きな課題であり、名古屋市においては、
『第2次名古屋市環境基本
計画』や『低炭素都市 2050 なごや戦略』を策定・実施するなど、地球環境問題に取り組んできま
した。
また、2005(平成 17)年に、自然の叡智をテーマにした「愛・地球博」が名古屋市近郊で開催さ
れ、2010 年(平成 22 年)には、生物多様性条約第 10 回締約国会議(COP10)*が開催されるな
どにより、この地域の環境への意識が高まってきています。
観光においても、
「エコツーリズム*」と呼ばれる環境と関わりのある新たな観光形態の推進に取
り組むとともに、観光によって環境が破壊されるようなことがないよう、環境保全と両立する持続
可能な観光のあり方が求められています。
*
産業観光:歴史的・文化的価値のある工場などやその遺構、機械器具、最先端の技術を備えた工場などを対象とし
た観光で、学びや体験を伴う観光
*
着地型観光:これまでの旅行商品が都市部の旅行会社で企画・造成される「発地型」であったのに対し、旅行目的
地側主導で行うことを指す。これまでは、旅行者のニーズを把握し情報を発信するのに便利な発地型が大半だっ
たが、消費者志向の多様化にともない、地元の人しか知らないような穴場や楽しみ方が求められるようになり、
着地型が見直されている。
*
生物多様性条約第 10 回締約国会議(COP10)
:国際条約締約国が集まって開催する会議。生物多様性条約では、
各種の国際的な枠組みを策定する会議が 2 年ごとに開催。第 10 回会議は、地球上の多種多様な生き物を守るため
の新しい世界目標を決めるため、平成 22 年 10 月に名古屋市で開催。
*
エコツーリズム:自然環境や歴史文化を対象とし、それらを体験し学ぶとともに、対象となる地域の自然環境や歴
史文化の保全に参画し、責任をもつ観光のあり方
6
■ 交通網の整備
名古屋は東京、大阪の間に位置し、交通の要衝として発展してきました。交通面のインフラでは、
中部国際空港を空からの玄関口とし、新幹線を始めとする幹線鉄道、高速道路が名古屋から四方へ
伸び、広域観光交流圏の交通拠点となっています。今後、東海環状自動車道の西回り区間や名古屋
高速道路の高速 4 号線などの計画が実現することにより、さらに利便性が高まり広域観光拠点とし
ての充実が図られます。
また、名古屋市内では地下鉄の環状運転が行われ、桜通線(6 号線)野並・徳重間の開業も平成
23 年 3 月に予定しており、旅行者にとって利便性の高い移動手段が確保されています。
●名古屋周辺の広域交通ネットワーク
●在来線鉄道等(名古屋周辺)
資料:国土交通省「平成 20 年度中部圏開発整
備計画の実施に関する状況」
7
(2)名古屋の観光の現状
■ 観光客数
名古屋市を訪れる観光客
数
(観光入込客実人数)
は、
2005(平成 17)年の愛・地
球博開催時の 3,514 万人と
比べると減少し、横ばい状
態が続いています。
観光客の居住地は愛知県、
岐阜県、三重県、静岡県を
合計した「東海」
(76.1%)
、
主な目的は「観光・娯楽」
(82.8%)
が多くなっており、
日帰り客が約 7 割を占めて
います。
●観光入込客数推移
7,000
4.00
6,000
3.50
5,868
5,000
5,317
5,617
5,248
3.00
4,000
2.50
3,514
3,000
3,074
3,304
3,200
2.00
2,000
1,000
1.67
1.73
1.7
1.64
平成17年度
平成18年度
平成19年度
平成20年度
0
1.00
観光入込客延べ人数(万人)
●居住地構成
(%)
東海
76.1
関東
8.4
近畿
8.0
北陸
2.2
甲信越
1.2
その他
4.1
合計
100.0
●市外からの観光客の旅行日程
(%)
日帰り
69.0
2日
20.0
3日
7.4
4日
1.5
5日以上
2.1
合計
100.0
1.50
観光入込客実人数(万人)
平均訪問観光地点数
●主な目的
観光・娯楽
商用・公用
帰省・冠婚葬祭
大会・会議
その他
合計
●年齢構成
(%)
10∼19歳
7.3
20∼29歳
20.1
30∼39歳
20.4
40∼49歳
13.4
50∼59歳
17.9
60∼69歳
14.8
70歳以上
6.1
合計
100.0
(%)
82.8
1.8
2.5
1.1
11.8
100.0
●性別
男性
女性
合計
(%)
47.3
52.7
100.0
資料:名古屋市観光客・宿泊客動向調査(平成 20 年度)
調査方法
市内主要観光地点を訪れた観光入込客のうち、10 歳以上と思われる観光入込客より調査対象を抽出
し、対面聞き取りにより年齢を確認した上で調査を行った。
8
■ 主な観光施設の入場者数
多くの初詣客が訪れる熱田神宮は、例年トップの入場者数を誇っています。2 位の東山動植物園、
3 位の名古屋港水族館はともに約 200 万人の入場者があります。名古屋城では本丸御殿の復元工事
が行われ、東山動植物園でも新たな展示計画が進められています。同様に 9 位の名古屋市科学館に
ついても、理工館・天文館の改築が行われています。
このように、歴史施設、レジャー施設、文化・芸術施設などバラエティーに富んだ集客がなされ
ています。また、上位観光施設の多くで、さらに広域の集客も見込める施設への転換が進んでいる
ことから、今後の集客力の向上が期待されています。
月別の入場者数を見ると 1 月の入場者数が突出して多くなっていますが、熱田神宮初詣客の影響
を考え、熱田神宮を除いて月別の入場者数をみると、春休みの 3 月、4 月、ゴールデンウィークの
5 月、夏休みの 8 月、秋の行楽シーズンの 10 月、11 月の入場者数が多くなっています。
●施設別の入場者数(上位10施設)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
施 設 名
熱田神宮
東山動植物園
名古屋港水族館
名古屋城
農業文化園・戸田川緑地
シートレインランド
愛知県美術館
名古屋市農業センター
名古屋市科学館
名古屋港
平成16年度
6,465,460
1,735,184
1,759,536
994,994
658,225
728,142
629,283
713,839
615,425
203,434
平成17年度
6,547,860
1,650,336
1,663,186
1,984,187
642,757
600,388
1,222,438
669,831
486,104
202,177
平成18年度
6,235,956
2,020,314
1,927,274
1,096,137
712,288
707,572
761,088
622,769
614,577
195,639
平成19年度
6,512,112
2,319,341
2,116,681
1,196,500
691,262
731,388
803,967
612,259
618,956
643,632
(人)
平成20年度
6,417,500
2,201,822
1,907,127
1,246,279
938,998
690,717
682,896
630,033
607,864
586,788
●熱田神宮を除く月別入場者数(平成 20 年度)
(万人)
250
200
150
100
50
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
資料:名古屋市観光客・宿泊客動向調査(平成 20 年度)
9
2月
3月
■ 宿泊客数
市内の宿泊客数は、愛・地球博の開催された 2005(平成 17)年度は 714 万人(延べ宿泊客数)で
したが、その後は 620∼630 万人程度で横ばいが続いています。宿泊客の居住地は「東海」と「関
東」がそれぞれ 33.8%、30.4%と多くなっています。主な目的は、
「観光・娯楽」が 47.1%と多く、
次いで「商用・公用」22.2%となっており、観光客数(P8)と比べると「商用・公用」の割合が高
くなっています。
宿泊施設については、収容能力が増加し、稼働率が減少する状況となっています。
●宿泊客数の推移
800
4.0
3.5
700
714
600
500
400
638
475
485
624
574
465
300
200
629
3.0
2.5
447
472
2.0
1.5
1.6
1.3
1.2
1.3
1.3
延べ宿泊客数(万人)
宿泊客実人数(万人)
宿泊客平均宿泊日数(日泊)
1.0
0.5
100
0.0
0
平成16年度 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度
●居住地構成
(%)
東海
33.8
関東
30.4
近畿
11.0
北陸
3.3
甲信越
5.1
その他
16.4
合計
100.0
●主な目的
(%)
47.1
22.2
10.7
8.3
11.7
100.0
観光・娯楽
商用・公用
帰省・冠婚葬祭
大会・会議
その他
合計
●市内宿泊施設の年間定員稼働率
(%)
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
(平成16) (平成17) (平成18) (平成19) (平成20)
58.9
70.4
63.6
63.2
●市内宿泊施設の収容能力の推移
室数
収容人数
59.1
(人)
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
(平成16) (平成17) (平成18) (平成19) (平成20)
20,074
20,389
20,224
20,690
21,495
27,917
28,119
27,977
28,466
29,677
資料:名古屋市観光客・宿泊客動向調査(平成20年度)
調査方法
予め調査票を宿泊施設の客室等に設置し、宿泊者が記入した上でフロントに提出するという方法で行
った。
10
■ 観光消費額
●観光総消費額(推計値)
観光総消費額*によって活況の
程度が推し量られる観光産業は、
宿泊業、交通運輸業、旅行業、飲
食業、土産品業など幅広い分野か 実人数
らなり、市の経済への波及効果や
税収への影響も少なくありませ
一人あたり
ん。
消費額
名古屋市内の観光総消費額は
2007(平成 19)年度の 2,616 億円
から、2008(平成 20)年度は 2,511
総消費額
億円へと 100 億円減少し、不況に
よる影響が感じられます。
居住地
宿泊客
日帰り客
472万人
名古屋市内客
1,204万人
1,106万人
名古屋市外客
1,615万人
1,622万人
22,188円
20,559円
名古屋市内客
3,645円
4,012円
名古屋市外客
6,854円
6,761円
宿泊客
日帰り客
平成20年度
485万人
宿泊客
日帰り客
平成19年度
1,070億円
970億円
名古屋市内客
439億円
444億円
名古屋市外客
1,107億円
1,097億円
2,616億円
2,511億円
資料:名古屋市観光客・宿泊客動向調査(平成 20 年度)
■ 訪名外国人
訪名外国人は、2005(平成 17)年の約 63.2 万人から、2008(平成 20)年には 76.8 万人と増加傾
向にありましたが、世界的に不況であった 2009(平成 21)年には 61.1 万人と大幅に減少しました。
2009(平成 21)年訪名外国人数ランキングを見ると、中国、台湾、韓国の東アジアが上位を占め、
次いで米国となっています。
(人)
●訪名外国人数ランキング
2005(平成17)年 2006(平成18)年 2007(平成19)年 2008(平成20)年 2009(平成21)年
国籍
人数
国籍
人数
国籍
人数
国籍
人数
国籍
人数
1
中 国 122,730 中 国 136,361 中 国 182,833 中 国 193,080 中 国 160,974
2
韓 国 106,577 台 湾 125,676 台 湾 157,919 台 湾 168,218 台 湾 122,915
3
台 湾
81,575 韓 国 112,218 韓 国 117,031 韓 国 121,502 韓 国
80,925
4
米 国
75,627 米 国
61,255 米 国
58,744 米 国
56,858 米 国
51,794
5
ドイツ
21,080 香 港
22,545 香 港
22,898 香 港
23,658 香 港
26,075
16,019 タ イ
16,748 ドイツ
19,310 タ イ
21,127
6 オーストラリア 18,968 英 国
14,648 フランス 18,743 オーストラリア 14,816
7
香 港
18,825 オーストラリア 14,047 ドイツ
8
カナダ
18,301 カナダ
11,493 英 国
13,095 タ イ
18,037 ドイツ
14,058
9
英 国
16,615 ドイツ
9,804 フランス 11,987 カナダ
14,979 シンガポール 12,054
英国
11,795
10 フランス 15,737 フランス
9,658 オーストラリア 10,236 オーストラリア 11,375
全体
632,425
623,397
726,186
768,277
611,069
順位
資料:JNTO*訪日外客訪問地調査(2005∼2009)
、JNTO国際観光白書(2009)
訪日外国人数と各国別の名古屋への訪問率より算出
*
*
観光総消費額:観光旅行者が市内で支出した宿泊費、交通費、飲食費などの合計
JNTO:日本政府観光局。正式名称は、独立行政法人国際観光振興機構。海外における宣伝、外国人旅行者に対
する観光案内、外国人観光旅行者の来訪促進に必要な業務など、国際観光の振興を図ることを目的とする法人
11
■ 名古屋の観光に対する意識
名古屋市が平成 20 年度に実施したインターネットアンケート調査によると、
名古屋の観光資源の
*
「熱田神宮」の
中で「なごやめし 」や名古屋城をはじめとする「尾張徳川家ゆかりの史跡や遺産」
認知度は全国的にも高く、それぞれの施設への訪問意向も高くなっています。実際の訪問・体験状
況や今後訪れたい場所なども、これらの観光資源が中心となっています。
また、平成 21 年度に実施した名古屋の観光に関する満足度調査によると、観光客の多くは、名古
屋市の印象として、
「満足」と感じていることが分かります。満足な理由としては、
「歴史的な施設」
や「グルメ・なごやめし」が多くあげられています。
どちらの調査においても、年代が高いほど、
「歴史的な施設」への関心が高く、年代が低いほど「グ
ルメ・なごやめし」への関心が高くなる傾向がみられます。
その他、ブランド総合研究所による 2009 年の地域ブランド調査(P22、23)によると、調査対象
の全国市区町村の中で、名古屋市の魅力度 15 位、認知度 6 位、情報接触度 9 位、観光意欲度 34 位、
居住意欲度 15 位、産品購入意欲度 7 位と健闘しています。中でも名古屋市の食品に関する産品購
入意欲度が 6 位と全国的にも高いのは、
「なごやめし」の知名度が上がっていることによるものと
思われます。観光意欲度は 2008 年の 61 位から 34 位へと上がってきました。観光意欲度の上位は
北海道や沖縄の市町村、京都市などですが、その他大都市としては神戸市(7 位)や横浜市(9 位)
が上位に位置しており、本市においても、さらに魅力の向上や情報発信への取り組みが望まれます。
*
なごやめし:名古屋から東京へ進出した飲食企業の提供した「味噌カツ」などが人気を博し、これをきっかけとし
て平成 14 年頃から東京を中心に「なごやめし」という言葉が使われるようになったと言われている。愛知万博の
開催でこの地域への注目度が高まるとともにブレイクし、地域の「食」が「なごやめし」として全国的にも認知
されていった。豆味噌料理の「味噌カツ」や「味噌煮込みうどん」
、
「ひつまぶし」
、
「手羽先」
、
「きしめん」
、
「あ
んかけスパ」
、
「天むす」など多彩なメニューがある。
12
インターネットアンケート調査(平成 20 年度 名古屋市観光客・宿泊客動向調査)
東海、東京圏、大阪圏、北陸・甲信越、東北・北海道、中国・四国、九州・沖縄に住む 18∼69
歳の男女 1,000 名
調査日時
平成 20 年 7 月 12 日(土)∼ 13 日(日)
サンプリング方法 国勢調査における都道府県人口割合と性・年齢別人口割合をもとに、各カテゴリーのサンプル
数を求めた。
調査対象
●名古屋の観光資源の認知度(複数回答)
名古屋の観光資源の中で知っているものとしては、
「なごやめし」
(77.2%)が最も多くなって
います。
「尾張徳川家ゆかりの史跡や遺産」
(63.4%)
、
「熱田神宮」
(56.2%)の認知度も 6 割前後
と高くなっています。
60 歳以上では「熱田神宮」や「尾張徳川家ゆかりの史跡や遺産」
、
「東海」では「栄」や「東山
動植物園」
、
「熱田神宮」の方が「なごやめし」の認知度を上回っています。
︶
、
(%)
知
て
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も
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︶
、
オ
そ
の
他
っ
、
に
︵
祭祭
りり
な
ど名
古
屋
ま
つ
り
、
絞
り
会
館
な
ど
きな
しご
めや
んめ
し
み
そ味
か噌
つ煮
込
手み
羽
先ひ
なつ
どま
ぶ
し
、
街
並
み
︵
有
松
、
ト
レ
イ
︶
シ
二
葉
館
な
ど
︶
、 ー
︶
︶
ノ
リ
タ
久
屋
大
通
公
園
大
須
観
音
・
大
須
商
店
街
文
化
の
み
ち
︵
︶
︵ 町 並 み、、 絞 会 館 な ど︶
、
︵
、
︶
博
物
館
な
ど
大
須
︵
ポ名
古
ト屋
ビ港
ル水
な族
ど館
ア栄
シ
ス名
2古
1屋
なテ
どレ
ビ
塔
︵
美
術
館
東
山
動
植
物
園
、
ン名
ラ古
ン屋
ド港
︶
文
化
施
設
︵
、 ー
︵
︶、
、
科産
学業
館技
術
記
念
館
名
古
屋
全 体
ケ産
の業
森観
な光
ど施
設
︵
熱
田
神
宮
︵
、
城尾
張
徳徳
川川
園家
ゆ
徳か
川り
美の
術史
館跡
なや
ど遺
産
ぽ
ん
ど
真
ん
中
63.4
56.2
12.1
15.9
32.3
45.6
37.7
18.0
2.4
7.6
77.2
12.9
1.4
5.0
性 男性
64.4
62.4
13.0
17.2
34.8
48.8
45.2
21.4
3.2
8.4
73.2
14.6
1.0
4.2
別 女性
62.4
50.0
11.2
14.6
29.8
42.4
30.2
14.6
1.6
6.8
81.2
11.2
1.8
5.8
29歳以下
50.5
29.0
9.5
12.4
31.9
29.0
34.3
16.7
1.9
2.9
77.6
13.3
1.4
6.2
30歳代
56.2
42.9
15.2
19.0
38.6
40.5
41.0
17.6
3.8
9.0
79.5
15.2
1.0
7.1
齢 40歳代
61.1
58.9
15.0
16.7
32.8
46.7
40.0
17.8
1.7
8.9
78.3
14.4
1.1
7.2
50歳代
72.5
73.4
10.6
16.5
28.4
53.2
37.6
17.0
2.8
7.8
78.0
9.2
0.9
1.8
60歳以上
78.0
79.7
10.4
14.8
29.7
60.4
35.7
21.4
1.6
9.9
72.0
12.6
2.7
2.7
東海
68.6
83.1
48.3
50.8
78.8
83.9
86.4
71.2
11.9
37.3
79.7
50.0
0.8
0.8
地 東京圏
68.7
62.8
5.9
13.3
23.6
46.9
28.3
10.6
1.2
3.8
76.4
7.7
1.8
3.8
大阪圏
62.4
64.8
10.3
12.1
27.3
46.7
44.8
17.6
0.6
5.5
77.0
6.7
1.8
4.2
域 北陸・甲信越
67.2
46.9
7.8
14.1
40.6
51.6
35.9
12.5
3.1
84.4
10.9
1.6
1.6
東北・北海道
60.3
37.1
9.5
8.6
23.3
25.0
24.1
7.8
0.9
2.6
78.4
9.5
1.7
8.6
別 中国・四国
56.8
46.6
6.8
5.7
28.4
30.7
28.4
9.1
2.3
1.1
76.1
9.1
九州・沖縄
49.1
27.3
4.5
9.1
24.5
29.1
26.4
5.5
1.8
3.6
72.7
6.4
年
別
13
6.8
0.9
10.9
●名古屋の観光資源の訪問・体験状況(複数回答)
過去 5 年以内に名古屋に訪れた方(444 人)が訪問した場所又は経験したものとして、
「なごや
めし」
(52.7%)は過半数が経験しています。次いで「栄」
(30.6%)
、
「尾張徳川家ゆかりの史跡
や遺産」
(23.4%)
、
「熱田神宮」
(19.4%)
、
「名古屋港」
(17.3%)となっていて、
「訪問した場所
又は経験したものはない」割合は 24.5%となっています。
「東海」では「栄」
(57.4%)が最も多く、そのほかの地域では「なごやめし」が最も多くなっ
ています。また、60 歳以上では「尾張徳川家ゆかりの史跡や遺産」が、
「中国・四国」では「熱田
神宮」がそれぞれ第 2 位となっています。
、
に
そ
の
他
︶
、
っ
︶
、
オ
︵
祭祭
りり
な
ど名
古
屋
ま
つ
り
、
︶
絞
り
会
館
な
ど
きな
しご
めや
んめ
し
み
そ味
か噌
つ煮
込
手み
羽
先ひ
なつ
どま
ぶ
し
、
街
並
み
︵
有
松
︵
、絞会館など︶
︵町 並 み、
︶
︵
ト
レ
イ
二
葉
館
な
ど
︶
シ
大
須
観
音
・
大
須
商
店
街
文
化
の
み
ち
、
ノ
リ
タ
久
屋
大
通
公
園
、 ー
︶
︶
博
物
館
な
ど
大
須
︵
ポ名
古
ト屋
ビ港
ル水
な族
ど館
ア栄
シ
ス名
2古
1屋
なテ
どレ
ビ
塔
、
美
術
館
東
山
動
植
物
園
︶
ン名
ラ古
ン屋
ド港
、
︵
、
︶
(444 人)
文
化
施
設
︵
、 ー
︵
︶、
、
科産
学業
館技
術
記
念
館
名
古
屋
全 体
ケ産
の業
森観
な光
ど施
設
︵
熱
田
神
宮
︵
、
城尾
張
徳徳
川川
園家
ゆ
徳か
川り
美の
術史
館跡
なや
ど遺
産
ぽ
ん
ど
真
ん
中
(%)
訪
問
し
た
場
所
又
は
経
験
し
た
も
の
は
な
い
23.4
19.4
6.3
8.3
17.3
14.4
30.6
14.9
1.4
3.8
52.7
3.8
0.5
24.5
性 男性
22.4
19.5
6.5
7.3
19.1
12.6
34.6
17.5
0.4
3.7
50.0
3.3
0.4
22.4
別 女性
24.7
19.2
6.1
9.6
15.2
16.7
25.8
11.6
2.5
4.0
56.1
4.5
0.5
27.3
29歳以下
16.1
16.1
6.5
6.5
23.7
14.0
34.4
18.3
1.1
2.2
50.5
3.2
2.2
23.7
30歳代
23.0
20.0
6.0
8.0
23.0
20.0
36.0
13.0
2.0
7.0
53.0
5.0
25.0
齢 40歳代
21.7
13.3
7.2
6.0
19.3
12.0
28.9
15.7
1.2
48.2
2.4
30.1
50歳代
24.1
24.1
5.7
10.3
6.9
8.0
27.6
12.6
2.3
1.1
55.2
1.1
21.8
60歳以上
33.3
23.5
6.2
11.1
12.3
17.3
24.7
14.8
1.2
7.4
56.8
7.4
22.2
東海
26.9
30.6
15.7
22.2
41.7
34.3
57.4
41.7
2.8
9.3
50.0
13.9
0.9
13.9
地 東京圏
27.7
12.4
2.9
3.6
6.6
6.6
19.0
6.6
1.5
2.2
52.6
1.5
0.7
30.7
大阪圏
20.5
19.2
3.8
2.6
14.1
9.0
21.8
6.4
1.3
3.8
52.6
24.4
域 北陸・甲信越
14.7
17.6
5.9
5.9
14.7
17.6
20.6
2.9
55.9
20.6
東北・北海道
25.9
18.5
7.4
3.7
14.8
11.1
25.9
14.8
59.3
29.6
別 中国・四国
12.9
29.0
9.7
3.2
25.8
6.5
58.1
22.6
九州・沖縄
17.2
3.4
3.4
31.0
48.3
37.9
年
別
10.3
14
3.2
●名古屋以外の訪問地(複数回答)
観光等が目的で名古屋に訪れた方(256 人)が、
「名古屋以外にも訪問した」割合は 54.7%(名
古屋市内のみが 45.3%)でした。全体としての訪問地は、
「長久手・モリコロパーク(愛・地球博
会場)方面」
(16.8%)が最も多く、以下「明治村・犬山方面」
(14.8%)
、
「伊勢・志摩方面」
(13.7%)
、
「長島温泉・湯の山・鈴鹿方面」
(10.5%)と続いています。
「名古屋以外にも訪問した」割合は、女性や 50 歳代以上で高く、60 歳以上では「伊勢・志摩方
面」
(27.3%)
、
「明治村・犬山方面」
(22.7%)
、
「長久手・モリコロパーク(愛・地球博会場)方
面」
(22.7%)
、
「知多・常滑・セントレア方面」
(20.5%)などを比較的数多く訪問しています。
地域別にみると、
「九州・沖縄」
、
「東北・北海道」
、
「中国・四国」など遠方からの訪問者の「名
古屋以外にも訪問した」割合が 6∼7 割と高くなっています。
︵
下
呂
・
高
山
方
面
面長
島
温
泉
・
湯
の
山
・
鈴
鹿
方
伊
勢
・
志
摩
方
面
8.6
5.1
7.4
10.5
13.7
0.8
4.4
8.1
2.2
6.7
9.6
14.8
1.5
5.0
5.8
9.1
8.3
8.3
11.6
12.4
6.9
1.7
5.2
13.8
3.4
6.9
6.9
12.1
9.2
3.1
7.7
9.2
4.6
6.2
13.8
9.2
4.1
8.2
6.1
6.1
10.2
5.0
10.0
2.5
5.0
10.0
12.5
9.1
6.8
4.5
6.8
13.6
15.9
27.3
11.2
5.6
6.7
9.0
12.4
7.9
16.9
12.4
4.7
1.6
4.7
6.3
9.4
1.6
7.8
3.1
15.6
6.3
10.4
2.1
4.2
6.3
8.3
16.7
8.3
4.5
4.5
13.6
9.1
27.3
瀬
戸
・
小
原
方
面
長
愛久
・手
地・
球モ
博リ
会コ
場ロ
パ
方
面ク
面知
多
・
常
滑
・
セ
ン
ト
レ
ア
方
豊
田
・
岡
崎
・
足
助
方
面
蒲
郡
・
西
浦
・
三
谷
方
面
豊
川
・
鳳
来
寺
方
面
豊
橋
・
伊
良
湖
方
面
原
方
面
45.3
14.8
5.5
16.8
7.8
7.0
7.0
3.5
5.1
性 男性
48.9
14.8
3.7
14.1
5.2
8.1
7.4
2.2
別 女性
41.3
14.9
7.4
19.8
10.7
5.8
6.6
29歳以下
46.6
6.9
6.9
13.8
6.9
8.6
30歳代
41.5
23.1
7.7
21.5
7.7
7.7
齢 40歳代
65.3
10.2
12.2
2.0
6.1
50歳代
40.0
10.0
5.0
12.5
2.5
2.5
5.0
2.5
60歳以上
31.8
22.7
6.8
22.7
20.5
9.1
13.6
東海
51.7
14.6
11.2
18.0
14.6
12.4
地 東京圏
42.2
10.9
1.6
17.2
3.1
大阪圏
41.7
20.8
4.2
16.7
8.3
域 北陸・甲信越
50.0
13.6
4.5
13.6
東北・北海道
36.4
36.4
9.1
別 中国・四国
38.5
7.7
7.7
九州・沖縄
33.3
別
2.0
9.1
岐
阜
・
関
ヶ
年
ー
︶
明
治
村
・
犬
山
方
面
全 体(256 人)
(%)
そ
の
他
多
治
見
・
恵
那
・
中
津
川
方
面
名
古
屋
市
内
の
み
4.5
4.5
9.1
7.7
7.7
33.3
15
7.7
7.7
33.3
11.1
30.8
1.7
2.5
3.1
●名古屋への訪問意向
今後の名古屋への訪問意向としては、
「機会があれば訪れたい」が 74.6%を占め、
「是非訪れた
い」
(15.2%)を合わせて 9 割と大半が訪れたいと考えています。
どの階層も 9 割前後が訪問意向を持っています。
「是非訪れたい」という強い訪問意向の割合は、
「東海」で多く、そのほか 29 歳以下や「北陸・
甲信越」でも 2 割以上みられます。
(%)
是非訪れたい
訪れたいとは思わない
全 体
機会があれば訪れたい
その他
15.2
74.6
9.6 0.6
性 男性
15.2
74.2
9.8 0.8
別 女性
15.2
75.0
9.4 0.4
29歳以下
年
30歳代
齢 40歳代
別
60歳以上
12.1
域 北陸・甲信越
東北・北海道
別 中国・四国
九州・沖縄
11.1
77.0
東海
大阪圏
5.2 1.0
73.9
15.0
9.2
6.7
75.2
18.6
50歳代
地 東京圏
72.3
21.0
12.4 1.4
74.2
13.2 0.5
60.3
34.7
12.4
11.5 0.3
75.8
7.3
12.1 0.6
80.0
20.3
73.4
12.9
11.4
78.4
18.2
75.4
16
6.3
11.2 0.9
75.0
10.2
2.5 2.5
6.4
●訪れたい名古屋の観光資源(複数回答)
今後名古屋へ訪れたいと思う方(898 人)が訪問したい場所又は経験したいものとしては、全体
として「なごやめし」が 65.4%と最も多く、次いで「尾張徳川家ゆかりの史跡や遺産」
(47.6%)
、
「熱田神宮」
(31.0%)
、
「名古屋港」
(28.2%)
、
「東山動植物園」
(26.6%)
、
「栄」
(20.3%)とな
っています。
60 歳以上では「尾張徳川家ゆかりの史跡や遺産」の割合が最も高くなっていますが、そのほか
の階層では全て「なごやめし」が最も高くなっています。また、
「東海」では「なごやめし」の割
合が、他の地域より低くなっており、場所としては「名古屋港」
「栄」
「大須」
「東山動植物園」な
どの割合が比較的高くなっています。
、
に
(%)
そ
の
他
︶
、
っ
︶
、
オ
︵
祭祭
りり
な
ど名
古
屋
ま
つ
り
、
絞
り
会
館
な
ど
きな
しご
めや
んめ
し
み
そ味
か噌
つ煮
込
手み
羽
先ひ
なつ
どま
ぶ
し
、
街
並
み
︵
有
松
、
ト
レ
イ
︶
シ
二
葉
館
な
ど
︶
、 ー
︶
︶
ノ
リ
タ
久
屋
大
通
公
園
大
須
観
音
・
大
須
商
店
街
文
化
の
み
ち
︵町 並 み 、 絞 会 館 な ど ︶ ︶
︵
、
︵
、
︶
博
物
館
な
ど
大
須
︵
ポ名
古
ト屋
ビ港
ル水
な族
ど館
ア栄
シ
ス名
2古
1屋
なテ
どレ
ビ
塔
︵
美
術
館
東
山
動
植
物
園
、
ン名
ラ古
ン屋
ド港
︶
文
化
施
設
︵
、 ー
︵
︶、
、
科産
学業
館技
術
記
念
館
名
古
屋
全 体 (898 人)
ケ産
の業
森観
な光
ど施
設
︵
熱
田
神
宮
︵
、
城尾
張
徳徳
川川
園家
ゆ
徳か
川り
美の
術史
館跡
なや
ど遺
産
ぽ
ん
ど
真
ん
中
47.6
31.0
15.8
17.6
28.2
26.6
20.3
12.9
9.7
11.0
65.4
15.1
1.9
性 男性
47.4
31.1
15.7
16.1
25.5
26.4
24.6
14.1
8.5
9.4
59.7
14.1
1.8
別 女性
47.7
30.8
16.0
19.1
30.8
26.8
16.0
11.8
10.9
12.6
71.0
16.2
2.0
29歳以下
45.4
17.3
15.3
17.9
32.1
25.0
26.0
14.8
7.7
9.7
69.9
23.5
1.5
30歳代
41.1
26.9
13.7
12.7
37.1
30.5
22.8
11.7
9.1
9.6
70.1
17.8
2.0
齢 40歳代
38.1
29.4
18.1
15.0
26.9
28.1
18.8
13.1
8.1
5.6
66.9
10.6
1.9
50歳代
52.1
37.8
17.6
17.0
25.0
22.9
19.7
13.3
10.1
12.8
59.6
12.2
2.7
60歳以上
62.4
46.5
14.6
26.8
17.2
26.8
12.1
11.5
14.0
17.8
59.2
9.6
1.3
東海
25.9
19.6
25.0
24.1
40.2
32.1
37.5
33.0
12.5
12.5
50.9
14.3
2.7
地 東京圏
53.8
44.5
14.7
19.4
20.7
25.1
14.7
11.0
11.0
10.7
69.6
15.1
1.3
大阪圏
47.2
25.0
12.5
15.3
29.9
24.3
16.0
10.4
4.9
9.0
56.3
8.3
2.8
域 北陸・甲信越
45.0
21.7
13.3
15.0
28.3
26.7
21.7
10.0
15.0
16.7
71.7
11.7
1.7
東北・北海道
52.0
34.3
13.7
13.7
29.4
26.5
20.6
12.7
8.8
12.7
75.5
21.6
2.9
別 中国・四国
44.9
19.2
17.9
11.5
28.2
24.4
21.8
3.8
3.8
7.7
61.5
17.9
1.3
九州・沖縄
52.4
23.3
15.5
18.4
33.0
30.1
21.4
8.7
11.7
10.7
70.9
19.4
1.0
年
別
17
名古屋の観光に関する満足度調査(名古屋市 平成 21 年度)
調査方法 等間隔無作為抽出による個別面接聴取法
調査期間 平成21年年7月9日(木)∼7月29日(水)
調査場所 名古屋城/徳川園・徳川美術館/熱田神宮/産業技術記念館/ノリタケの森
テレビ塔/東山動植物園/名古屋港水族館
●名古屋市の満足度
名古屋市の印象は、
「大変満足」が 20.3%、
「ほぼ満足」が 43.0%であることから、全体として
63.3%が概ね満足しています。
(%)
50
40
全体と比べて
30
10ポイント以上高い
20
10
全体と比べて
10ポイント以上低い
全体
調
査
場
所
別
回
来
数
訪
別
ほ
ぼ
満
足
普
通
や
や
不
満
不
満
20.3
43.0
33.1
2.7
0.6
名古屋城
762
24.4
47.0
25.7
2.5
0.1
徳川園・徳川美術館
154
15.6
40.9
42.2
0.6
0.0
熱田神宮
366
21.0
36.6
36.6
1.9
1.4
産業技術記念館
198
13.1
41.9
44.9
0.5
0.0
ノリタケの森
180
16.1
47.8
32.8
2.8
0.0
テレビ搭
157
14.6
47.1
32.5
4.5
0.6
東山動植物園
222
20.3
28.8
41.4
8.1
2.3
257
21.4
48.6
28.4
1.2
0.4
1,003
18.9
43.4
33.8
2.5
1.0
10∼20代
253
19.8
41.1
37.2
0.8
0.4
30∼40代
405
22.2
44.4
28.6
4.0
1.2
50∼60代
277
14.1
42.2
38.3
2.5
1.4
70才以上
66
16.7
51.5
31.8
0.0
0.0
1,272
21.1
42.9
32.6
2.8
0.2
10∼20代
364
25.0
38.7
33.0
3.0
0.3
30∼40代
485
22.9
42.5
31.5
2.3
0.4
50∼60代
370
14.6
47.8
34.1
3.0
0.0
52
1,334
632
297
415
392
236
1,203
23.1
18.9
23.1
21.9
26.0
20.4
14.8
20.0
42.3
38.0
50.9
48.5
47.0
49.0
49.6
38.5
28.8
39.0
23.9
26.9
25.1
28.1
34.7
37.1
5.8
3.1
1.9
2.0
1.9
2.3
1.3
3.2
0.0
1.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
1.1
男性計
日
滞
数
在
別
大
変
満
足
2,296
名古屋港水族館
性
・
年
代
別
0
標
本
数
女性計
70才以上
日帰り
2日間
3日間以上
はじめて
2∼3回目
4∼9回目
10回目以上
18
●満足な理由
満足の理由は、全体として「歴史的な施設」が 57.7%で最も高く、以下「グルメ・なごやめし」
、
「都心部でのショッピングやまち歩き」
(21.2%)と続いています。
(33.5%)
性・年代別にみると、年代が高いほど「歴史的な施設」が高くなり、年代が低いほど「グ
ルメ・なごやめし」
「都心部でのショッピングやまち歩き」が高くなる傾向がみられます。
(%)
80
60
40
20
(
ー
ー
イお
ベ祭
ンり
ト・
(
)
1,452
57.7
19.4
544
76.8
37.1
12.3
6.1
87
83.9
21.8
25.3
13.8
14.3
観コ
劇ン
なサ
ど
のト
鑑や
賞
ー
ス
サ野ポ
球
カ・ツ
観
等 戦
そ
の
他
5.9
4.6
4.2
7.7
4.6
4.4
2.0
2.8
9.4
12.6
11.5
3.4
2.3
4.6
熱田神宮
211
67.3
37.4
33.2
10.4
3.3
6.2
4.7
4.7
9.0
産業技術記念館
109
32.1
22.0
13.8
13.8
69.7
0.0
0.0
2.8
6.4
ノリタケの森
115
40.9
29.6
27.0
18.3
47.0
10.4
7.0
8.7
1.7
97
41.2
41.2
37.1
17.5
13.4
11.3
11.3
11.3
5.2
109
37.6
11.0
27.5
58.7
11.9
4.6
4.6
0.0
9.2
テレビ搭
東山動植物園
性
・
年
代
別
のも産
施の業
設づ観
く光
り・
ッ
調
査
場
所
別
21.2
レ
水動ジ
族物
館園
等・施
設
ャー
徳川園・徳川美術館
33.5
街シ都
歩 心
き 部
ピで
ンの
グ
や
︶
名古屋城
なグ
ごル
やメ
め・
し
ョッ
全体
歴
史
的
な
施
設
まち歩き
0
標
本
数
名古屋港水族館
180
23.3
42.8
20.6
54.4
4.4
5.6
10.6
5.6
7.8
男性計
625
57.1
31.5
15.0
17.1
16.5
7.0
4.0
2.2
8.3
10∼20代
154
54.5
32.5
17.5
16.2
13.0
10.4
3.9
3.2
5.2
30∼40代
270
55.9
36.3
16.7
22.2
17.0
6.7
4.8
2.2
5.2
50∼60代
156
60.3
24.4
12.8
9.0
20.5
4.5
3.8
1.9
14.7
70才以上
45
62.2
24.4
4.4
17.8
11.1
6.7
0.0
0.0
15.6
女性計
814
58.5
35.1
26.0
21.5
12.4
4.8
5.2
5.8
7.2
10∼20代
232
47.4
38.8
26.7
22.8
6.0
3.4
6.0
3.9
3.4
30∼40代
317
59.9
39.1
30.3
23.3
16.1
5.7
5.7
5.0
6.0
50∼60代
231
67.1
27.7
21.6
19.5
13.4
5.6
3.9
8.7
11.3
70才以上
34
61.8
23.5
11.8
8.8
14.7
0.0
2.9
5.9
17.6
全体と比べて
10ポイント以上高い
全体と比べて
10ポイント以上低い
19
●不満な理由
不満の理由は、標本値が少ないため参考値と考えますが、
「歴史的な魅力を感じる施設が少ない」
が 31.1%で最も高く、以下「大型レジャー施設が少ない」
(28.4%)
、
「都心部の賑わいが少ない・
店舗が少ない」
(23.0%)と続いています。
(%)
60
40
20
熱田神宮
少
な
い
・
都
心
部
の
賑
わ
い
が
早 店
い 舗
の
閉
店
時
間
が
施
設
が
な
い
文
化
を
楽
し
む
も
の
づ
く
り
少 魅
な 力
い 的
な
お
土
産
が
閉
鎖
時
間
が
早
い
観
光
施
設
の
口
に
合
わ
な
い
食
べ
物
が
サ ホ
テ
ビ ル
ス 等
水 の
準
観
光
施
設
・
そ
の
他
31.1
28.4
23.0
16.2
14.9
10.8
8.1
6.8
2.7
20
30.0
0.0
25.0
15.0
15.0
0.0
0.0
0.0
0.0
54.1
65.0
1
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
100.0
41.7
12
58.3
33.3
58.3
0.0
25.0
33.3
8.3
0.0
16.7
産業技術記念館
1
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
100.0
0.0
0.0
0.0
ノリタケの森
5
20.0
20.0
0.0
0.0
40.0
0.0
0.0
0.0
0.0
60.0
テレビ搭
8
25.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
62.5
23
21.7
65.2
17.4
39.1
13.0
17.4
17.4
13.0
0.0
56.5
4
50.0
25.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
50.0
0.0
0.0
35
31.4
37.1
25.7
14.3
20.0
8.6
8.6
5.7
2.9
48.6
10∼20代
3
33.3
33.3
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
33.3
30∼40代
21
42.9
42.9
33.3
14.3
23.8
4.8
14.3
4.8
4.8
52.4
50∼60代
11
9.1
27.3
18.2
18.2
18.2
18.2
0.0
9.1
0.0
45.5
東山動植物園
名古屋港水族館
男性計
性
・
年
代
別
店
舗
な
い
74
徳川園・徳川美術館
調
査
場
所
別
大
型
レ
ジ
ー
名古屋城
施
設
が
少
な
い
ャ ー
全体
少 感 歴
な じ 史
い る 的
施 な
設 魅
が 力
を
が少ない
標本数
00
0
標
本
数
70才以上
0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
39
30.8
20.5
20.5
17.9
10.3
12.8
7.7
7.7
2.6
59.0
10∼20代
12
25.0
25.0
16.7
25.0
0.0
0.0
16.7
0.0
0.0
75.0
30∼40代
13
38.5
30.8
15.4
23.1
30.8
23.1
7.7
15.4
7.7
38.5
50∼60代
11
18.2
9.1
27.3
9.1
0.0
9.1
0.0
9.1
0.0
63.6
70才以上
3
66.7
0.0
33.3
0.0
0.0
33.3
0.0
0.0
0.0
66.7
女性計
全体と比べて
10ポイント以上高い
全体と比べて
10ポイント以上低い
20
●今後の来訪意向
今後の来訪意向は、全体として「歴史的な施設」が 30.3%で最も高く、以下「レジャーの施設」
(24.7%)
、
「グルメ・なごやめし」
(22.9%)
、
「都心部でのショッピングやまち歩き」
(21.9%)と
続いています。
性・年代別にみると、
『女性』は「グルメ・なごやめし」
「都心部でのショッピングやまち歩き」
が『男性』に比べて約 10 ポイント高くなっています。
来訪回数別にみると、来訪回数が少ないほど「グルメ・なごやめし」への関心が高くなる傾向が
みられます。
(%)
40
30
20
10
回
来
数
訪
別
24.7
23.9
16.2
25.4
29.8
27.8
20.4
32.4
21.4
25.3
27.7
27.9
20.2
21.2
24.5
26.6
26.0
22.2
13.5
27.1
21.7
20.9
23.1
22.4
22.5
26.2
22.9
29.0
14.9
26.2
21.7
20.6
24.2
4.5
22.6
17.1
20.2
18.0
14.1
13.6
27.4
29.9
28.7
25.1
15.4
20.8
22.5
34.0
34.2
25.3
21.2
18.3
21.9
23.5
15.6
26.0
22.2
23.9
21.7
15.3
19.5
16.8
20.9
19.0
11.2
10.6
26.0
28.3
28.0
20.3
32.7
22.3
20.1
23.6
26.7
23.2
22.5
19.6
全体と比べて
10ポイント以上高い
全体と比べて
10ポイント以上低い
21
お
祭
り
・
イ
ベ
ン
ト
15.9
10.6
29.9
15.0
13.1
15.6
22.3
22.5
17.1
15.7
20.6
15.1
14.1
7.6
16.1
22.3
14.2
13.2
11.5
17.5
12.3
16.5
12.0
12.5
19.5
17.9
ス
ポ
ツ
観
戦
13.9
11.3
20.8
14.2
7.6
17.8
26.8
11.7
13.2
16.7
22.1
18.5
10.8
9.1
11.9
11.5
14.6
9.7
3.8
16.1
11.1
10.4
9.9
8.7
14.0
16.9
のも産
施の業
設づ観
く光
り・
11.1
11.2
19.5
12.8
13.6
20.6
12.1
1.4
3.1
11.7
9.1
12.1
13.4
12.1
10.6
5.8
11.1
14.1
15.4
10.3
13.1
10.4
14.9
9.9
11.9
10.1
やコ
観ン
劇サ
な
どト
の
鑑
賞
ー
日
滞
数
在
別
30.3
30.8
44.8
37.7
34.8
31.7
36.9
12.2
16.7
30.4
22.1
29.1
37.5
40.9
30.3
23.4
28.2
35.7
59.6
27.4
36.2
31.6
34.2
31.6
38.1
27.8
街シ都
歩 心
き 部
ピで
ンの
グ
や
ー
性
・
年
代
別
2,296
762
154
366
198
180
157
222
257
1,003
253
405
277
66
1,272
364
485
370
52
1,334
632
297
415
392
236
1,203
の
施
設
なグ
ごル
やメ
め・
し
ョッ
調
査
場
所
別
名古屋城
徳川園・徳川美術館
熱田神宮
産業技術記念館
ノリタケの森
テレビ搭
東山動植物園
名古屋港水族館
男性計
10∼20代
30∼40代
50∼60代
70才以上
女性計
10∼20代
30∼40代
50∼60代
70才以上
日帰り
2日間
3日間以上
はじめて
2∼3回目
4∼9回目
10回目以上
レ
ジ
ャー
全体
歴
史
的
な
施
設
まち歩き
0
標
本
数
9.1
3.4
21.4
10.4
6.6
12.8
21.7
11.7
5.8
6.3
8.7
5.9
5.4
3.0
11.4
9.6
12.6
11.9
7.7
12.4
4.4
3.7
2.4
5.1
5.1
13.7
そ
の
他
特
に
な
い
1.3
1.2
4.5
0.8
1.5
2.2
0.0
0.9
0.4
1.1
0.4
1.2
1.8
0.0
1.4
0.5
1.0
3.0
0.0
0.7
0.9
4.4
1.4
2.0
3.0
0.7
10.7
7.9
7.8
7.7
6.1
10.6
8.9
22.5
19.5
13.7
5.5
14.6
18.4
18.2
8.4
5.2
8.0
11.4
13.5
11.3
9.3
10.4
5.1
9.2
7.2
13.9
地域ブランド調査 2009
「地域ブランド調査」
(※)は、ブランド総合研究所が 2006 年より毎年実施している調査で、
地域の魅力度と、魅力度の構成要素として設定した各指標について調査することで、各市区町村・
各都道府県の地域ブランド評価をおこなうものです。インターネットによって、全国 3 万人以上
から回答を得ています。
名古屋市 各指標の順位
【名古屋市】
項目
2009
魅力度
(位)
2008
15
23
認知度
情報接触度
6
9
3
7
観光意欲度
34
61
居住意欲度
15
19
7
6
6
4
36
66
産品購入意欲度
食品
食品以外
魅力度
40
30
<食品以外>
認知度
20
10
0
<食品>
情報接触度
産品購入意欲度
観光意欲度
居住意欲度
【魅力度ランキング】
2009
2008
市名
【認知度ランキング】
都道府県
2009
2008
市名
都道府県
1
2 函館市
北海道
1
1 京都市
京都府
2
3
1 札幌市
3 京都市
北海道
京都府
2
3
4 新宿区
2 大阪市
東京都
大阪府
4
4 横浜市
神奈川県
4
4 横浜市
神奈川県
5
6 神戸市
兵庫県
5
6 神戸市
兵庫県
6
5 小樽市
北海道
6
3 名古屋市
愛知県
7
8 鎌倉市
神奈川県
7
8 渋谷区
東京都
7 富良野市
北海道
8
7 札幌市
北海道
石川県
9
9 鎌倉市
神奈川県
10
10 品川区
8
9
10 金沢市
10
9 軽井沢町
長野市
15
23 名古屋市
愛知県
※調査概要
調査方法:インターネット調査
回答者:20 代∼60 代の消費者(20 代∼50 代は各年代別にほぼ同数ずつ)
有効回収数:32,124 人
調査対象:都道府県及び市区町村 1,047 件
22
東京都
【情報接触度ランキング】
2009
2008
市名
【観光意欲度ランキング】
都道府県
2009
2008
市名
都道府県
1
2 大阪市
大阪府
1
1 札幌市
北海道
2
1 夕張市
北海道
2
2 函館市
北海道
3
5 新宿区
東京都
3
4 京都市
京都府
4
5 横浜市
神奈川県
4
5 富良野市 北海道
5
3 札幌市
北海道
5
3 小樽市
北海道
6
6 京都市
京都府
6
7 那覇市
沖縄県
7
8 神戸市
兵庫県
7
11 神戸市
兵庫県
8
9 渋谷区
東京都
8
9
10
7 名古屋市 愛知県
13 函館市
9
北海道
10
34
【居住意欲度ランキング】
2009
2008
市名
8 宮古島市 沖縄県
9 横浜市
神奈川県
6 屋久島町 鹿児島県
61 名古屋市 愛知県
【産品購入意欲度ランキング】<総合>
都道府県
2009
2008
市名
都道府県
1
1 横浜市
神奈川県
1
1 札幌市
北海道
2
4 神戸市
兵庫県
2
2 夕張市
北海道
3
2 鎌倉市
神奈川県
3
4 函館市
北海道
4
5 京都市
京都府
4
3 京都市
京都府
5
3 札幌市
北海道
5
10 仙台市
宮城県
北海道
6
6
5 小樽市
7
11 世田谷区 東京都
8 函館市
北海道
7
6 名古屋市 愛知県
8
23 目黒区
東京都
8
8 米沢市
9
9 石垣市
沖縄県
9
7 富良野市 北海道
10
7 軽井沢町 長野県
10
15
19 名古屋市 愛知県
【産品購入意欲度ランキング】<食品>
2009
2008
市名
35 石狩市
山形県
北海道
【産品購入意欲度ランキング】<食品以外>
都道府県
2009
2008
市名
都道府県
1
1 札幌市
北海道
1
1 伊万里市 佐賀県
2
2 夕張市
北海道
2
2 輪島市
石川県
3
3 函館市
北海道
3
5 有田町
佐賀県
4
8 仙台市
宮城県
4
4 小樽市
北海道
5
5 京都市
京都府
4
3 富良野市 北海道
6
4 名古屋市 愛知県
6
7 京都市
京都府
7
6 米沢市
山形県
7
6 備前市
岡山県
8
9 魚沼市
新潟県
8
9
28 石狩市
北海道
9
8 唐津市
佐賀県
15 宇都宮市 栃木県
10
9 瀬戸市
愛知県
10
36
23
11 萩市
山口県
66 名古屋市 愛知県
(3) 名古屋の観光の課題
観光を取り巻く情勢や現状を踏まえ、名古屋の観光の課題を次のように整理しました。
■ 名古屋らしさを活かした魅力の創出
名古屋市内の観光客数はここ数年横ばい状態にありますが、2005(平成 17)年の愛・地球博
開催時と比較すると減少しています。観光客の特徴としては、近隣の東海地方からの日帰り客
が大多数を占めています。宿泊客数については横ばい状態が続いており、商用・公用目的の宿
泊客の割合が比較的多いことが特徴です。
少子化による定住人口の減少が進む中、交流人口を増大させ消費活動を活性化することが重
要となっています。消費者志向の多様化にともない、他の都市や観光地とは違った魅力、すな
わち「名古屋らしさ」を活かした魅力を創出・発信し、集客力を向上することが課題といえま
す。また、日帰り客が比較的多い名古屋にとって、宿泊客の増加を図ることも課題といえます。
■ 都市イメージの向上と都市ブランドの確立
「名古屋城」
、
「熱田神宮」
、
「なごやめし」をはじめ、名古屋は観光資源に恵まれ、観光客の
認知度、訪問意向、満足度なども良好です。
(P13 インターネットアンケート調査 P18 名
古屋の観光に関する満足度調査)しかし、全国の他の都市とのランキング調査によると、観光
意欲度は 34 位、全体的な魅力度は 15 位に留まっており(P22 地域ブランド調査 2009)個々
の観光資源が魅力的であっても、それらが名古屋全体のイメージアップにつながっていないこ
とがうかがえます。
名古屋の観光意欲度、魅力度を高めるために、
「歴史的な資源」や「食文化」などの観光資
源、
「モノづくり」
「環境」など名古屋が培ってきた分野を活かすことによって、名古屋の都
市イメージを向上し、ブランド力を高めることが課題となっています。
■ プロモーション*の強化
消費者のニーズや情報入手方法が多様化する中で、情報量が増大し、名古屋に関する情報が
埋没してしまうことが予想されます。年齢や性別、旅行の目的、旅行形態、居住エリア、国籍
などの違いによるターゲットを意識した多様な情報提供を行うなど、効果的なプロモーション
を実施していくことが課題となっています。
*
プロモーション:モノやサービスなどの販売促進や奨励を行うこと
24
■ 訪名外国人の誘致
名古屋は、中部国際空港からの利便性も高く、中部圏のゲートウェイ都市です。
都市間競争が激化する中、今後、名古屋を訪れる外国人観光客を増加させるためには、中国
のビザ取得条件の緩和等を契機として増加が予想される個人旅行客の誘致に向けて、中部国際
空港を出入口とする旅行商品の造成を促進することや、歴史・産業観光やショッピング、食事
など様々な要素を短い移動時間で楽しむことができる名古屋の特徴をアピールするなど、名古
屋へのさらなる誘客を図っていくことが重要です。
さらに、海外における名古屋の知名度は決して高いとは言えず、知名度及び訪名意欲を向上
できるよう、積極的なプロモーションを実施していくとともに、名古屋を訪れた外国人観光客
の満足度を向上させるため、受入体制の充実を図っていく必要があります。
また、これまで名古屋は、経済波及効果、地域の活性化、国際的な知名度の向上、学術・産
業各分野の競争力の強化等の観点からコンベンション*の誘致に取り組み、多くのコンベンシ
ョンが開催されてきましたが、さらに、大都市で、世界的レベルのモノづくり産業の集積があ
り、様々な観光魅力を有する名古屋の利点を活かし、コンベンションだけでなく、インセンテ
ィブ(報奨・研修旅行)*などを含めたMICE(広義の国際会議)の誘致へ向けた取り組み
を進め、国際的な都市間競争に対応していく必要があります。
■ 観光客の受入基盤の充実、おもてなしの向上
満足度調査によると、名古屋を訪れる観光客の満足度は高く、
「歴史的な施設」や「グルメ・
なごやめし」など、名古屋らしさが高い評価を得ています。一方で多様化する観光客のニーズ
への対応や、東アジアを中心とした訪名外国人への対応など、観光客層の変化に対応しきれて
いない部分も見られます。観光客に快適に名古屋観光を楽しんでいただくことは、名古屋のイ
メージアップやリピーターの確保にもつながることから、受入基盤を充実し、観光関係者のみ
ならず市民一人ひとりの意識を背景としたおもてなしを向上することが課題としてあげられ
ます。
■ 広域連携による誘客促進
名古屋を訪れる観光客の中には、名古屋と犬山、名古屋と伊勢・志摩、あるいは下呂・高山
など、名古屋とともに周辺の観光地を訪れる観光客もみられます。中部国際空港、新幹線など
の鉄道網、高速道路網が整った名古屋は交通の要衝であり、周辺の魅力的な観光地とを結ぶ広
域観光の中継拠点としての魅力も備わっています。
名古屋と周辺の観光地を結ぶことによって新たな魅力が生まれ、特に海外からの誘客や名古
屋を宿泊地とする滞在型の観光客を増やすのに有効と思われることから、広域観光による誘客
促進が課題と考えられます。
*
*
コンベンション:大会・会議や展示会など、国内外から多くの人々が訪れる催し
インセンティブ(報奨・研修旅行)
:企業が従業員やその代理店などの表彰や研修などの目的で実施する旅行
25
基本的な視点・目標
3
(1) 基本理念
前章での課題を踏まえると、グローバル化、少子化社会を迎える中で、観光の振興はこれからの
名古屋にとって必要不可欠といえます。今後の名古屋の観光がめざすべき姿を、基本理念として次
のように掲げます。
飛躍する名古屋の観光
∼世界的な交流拠点都市をめざして∼
●市民が誇りを感じ、国内外の観光客を惹きつける、多彩な魅力に溢れた“観光まち
づくり”をすすめます。
●市民・民間事業者・行政が力をあわせて、交流拠点都市の創造・発信に取り組むとと
もに、裾野の広い観光産業を振興します。
●国内外から多くの観光客を受け入れる、ホスピタリティ*に満ちたおもてなしの体制
を整えます。
*
ホスピタリティ:思いやり、もてなし、他人への優しさなど。本計画では、地元の人々が「おもてなしの心」を持
って、観光旅行者を優しく迎え入れ、ひと時の安息を感じてもらうという意味で使用。
26
(2) 視点
基本理念のもと、今後の取り組みを進めるにあたっての 4 つの視点を定めます。
視点1
名古屋らしい魅力の創出
名古屋オリジナルの魅力や資源を十分に活用するとともに、市
民・民間事業者・行政が一体となって新たな魅力づくりに取り組
み、観光客を惹きつける魅力的な都市を創造します。
視点2
観光プロモーションの推進
ターゲットごとの戦略的・効果的なプロモーションを推進する
とともに、民間事業者等との積極的な連携や情報提供体制の充実
によって情報発信力の強化を図ります。
視点3
おもてなしの充実
国内外からの来訪者が楽しく快適に過ごせるよう受入体制を充
実するとともに、観光客の満足度を大切にしたホスピタリティの
醸成を図ります。
視点4
広域観光の推進
他地域との連携と協働による広域観光を推進し、名古屋を基点
とした周遊型・滞在型の観光を促進します。
27
(3) 目標
計画期間中における目標達成の度合いを判断するため、5 つの指標により平成 24 年度と平成 30
年度の数値目標を設定しました。
目標1
観光客数
観光客数は、世界的な景気の低迷により伸び悩んでします。しかし、アジア地域の経済成長にと
もなう海外旅行者数の伸びや、団塊世代が定年退職を迎えつつあるなど増加の要因も考えられます。
このような中、観光入込客数を、現状の 3,200 万人から 24 年度に 3,400 万人、30 年度に 3,700 万
人とすることをめざします。
目標値
指標
現状値
(20 年度)
24 年度
30 年度
市内観光地における
年間観光客数
3,200 万人
3,400 万人
3,700 万人
現状値 資料:名古屋市観光客・宿泊客動向調査 観光入込客実人数(平成 20 年度)
目標2
年間総延べ宿泊客数
観光交流人口の拡大には観光旅行者の日帰りと宿泊滞在のいずれの形態も寄与するものの、遠隔
地からの誘客や連泊滞在型の観光地づくりの必要性に着目して、延べ宿泊客数を、現状の 624 万人
から 24 年度に 660 万人、30 年度に 720 万人とすることをめざします。
目標値
指標
現状値
(20 年度)
24 年度
30 年度
年間総延べ宿泊客数
624 万人
660 万人
720 万人
現状値 資料:名古屋市観光客・宿泊客動向調査 宿泊客数(平成 20 年度)
目標3
外国人宿泊者数
名古屋を訪れる外国人は、アジア地域を中心に増加傾向にあります。外国人宿泊者数を、現状の
29.4 万人から 24 年度に 47 万人、30 年度に 82 万人とすることをめざします。
目標値
指標
現状値
(20 年度)
24 年度
30 年度
外国人宿泊者数
29.4 万人
47 万人
82 万人
現状値 資料:名古屋市観光客・宿泊客動向調査 外国人宿泊者数(平成 20 年度)
28
観光総消費額
目標4
観光総消費額は縮小傾向にありますが、一人あたりの消費額が大きい宿泊客の増加促進などによ
り、現状の 2,511 億円から 24 年度に約 10%増の 2,800 億円、30 年度に約 30%増の 3,300 億円とす
ることをめざします。
目標値
指標
現状値
(20 年度)
24 年度
30 年度
観光総消費額
2,511 億円
2,800 億円
3,300 億円
現状値 資料:名古屋市観光客・宿泊客動向調査 観光消費額(平成 20 年度)
目標5
観光客の満足度
名古屋の観光が旅行者に評価されるためには、観光地でのサービスなどに対する満足感が重要で
す。現在、名古屋の観光に「大変満足」
「ほぼ満足」と回答する旅行者の割合は 67.1%ですが、こ
れを 24 年度に 70%、30 年度に 75%とすることをめざします。
目標値
指標
現状値
(21 年度)
24 年度
30 年度
観光客の満足度
67.1%
70%
75%
現状値 資料:名古屋の観光に関する満足度調査(平成 21 年度)による
名古屋城・熱田神宮・ノリタケの森・名古屋港水族館におけるアンケート調査
29
4
取り組み内容
基本理念『飛躍する名古屋の観光 ∼世界的な交流拠点都市をめざして∼ 』の実現に向け、各視
点ごとに、おおむね今後 10 年間における取り組み内容を掲げました。
【基本理念】
飛躍する名古屋の観光
∼世界的な交流拠点都市をめざして∼
視点1
名古屋らしい魅力の創出
視点2
観光プロモーションの
推進
視点3
おもてなしの充実
視点4
広域観光の推進
①「歴史観光」の推進
・武将観光の推進
・名古屋城本丸御殿の復元
・名古屋城の魅力向上
・歴史的資産を活用したまちづくり
・地域資源の発掘・育成
②「都市観光」の推進
・文化・観光拠点の魅力向上
・産業観光の推進
・ベイエリアの魅力向上
・イベントの開催・支援による賑わいの創出
・文化芸術の振興による都市の魅力向上
・なごやめし・土産品の魅力向上
・都市機能を活かした取り組み
・都市型エコツーリズムへの取り組み
・医療観光への取り組み
①観光プロモーションの推進と情報発信力の強化
・戦略的プロモーションの推進
・海外観光プロモーションの推進
・WEBを活用した情報発信
・民間事業者と連携した情報発信力の強化
・フィルム・コミッション事業によるシティセールス
②教育旅行の誘致・MICEの推進
・教育旅行の誘致
・MICEの推進
①観光案内の充実とホスピタリティの向上
・観光客のニーズに対応した観光案内の充実
・観光客の受入体制の充実
・ガイドボランティアの育成・活動機会の創出
②観光客受入基盤の充実
・観光案内板をはじめとするサインシステムの充実
・観光客の回遊性の向上
・団体客の受入体制の充実
・国際・広域交通ネットワークの形成・強化
・観光客が安心して快適に過ごせる環境づくり
・中部圏の特性を活かした広域観光の推進
・テーマ別観光の推進
・広域連携によるプロモーション
・広域観光における情報拠点機能の向上
30
視点1 名古屋らしい魅力の創出
名古屋には、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった三英傑をはじめとする武将ゆかりの歴史文
化や、世界に誇るモノづくり、全国的に人気が高いなごやめしなど、オリジナルの魅力が豊富にあ
ります。
これらの魅力を十分に活かし、歴史都市・名古屋の面白さを味わう「歴史観光」と現代の名古屋
の面白さを体感する「都市観光」の 2 つの観光を柱に、名古屋らしい本物の魅力に出会う観光を創
造し、集客力の向上を図ります。
集 客 力 の 向 上
名古屋オリジナルの魅力を活かす
+
新たな魅力の創出
都 市 観 光
歴 史 観 光
ナゴヤ・ブランド
武将
地域(名古屋)
そのものの
ブランドイメージ
観光資源
商品ブランド
武家文化
モノ
なごや
づくり
めし
観光施設、旅行商品
製品、土産品、食事
など
31
① 「歴史観光」の推進
名古屋には、1900 年の歴史を有する熱田神宮や、徳川家康が築いた天下の名城“名古屋城”など、
貴重な史跡や文化財が豊富に残されています。
まちに眠る歴史的な魅力を再発見し、市民が誇りを感じる名古屋独自の魅力を創出します。
武将観光*の推進
名古屋は、三英傑をはじめとする武将ゆかりの史跡や文化財を豊富に有
するとともに、江戸時代には御三家筆頭・尾張徳川家のもとで華やかな武
家文化が花開いた地です。
これらの特色を十分に活かして、歴史資源の掘り起こしや磨き上げに取
り組むとともに、積極的な情報発信を図り、名古屋の都市イメージの定着
を図ります。また、関係自治体や団体、民間事業者等とも連携して、広が
りのある武将観光を推進します。
名古屋城本丸御殿の復元
名古屋城本丸御殿は、国宝の京都二条城二の丸御殿
と並び、武家風書院造の双璧と評された近世城郭御殿
の最高傑作です。
平成 21 年 1 月に復元工事に着手しており、復元過
程を公開しながら、平成 30 年の完成をめざします。
名古屋の歴史観光の中核を担い、近世武家文化の魅
力を象徴する施設として、観光客の誘致を図っていき
ます。
名古屋城本丸御殿復元スケジュール
2009 年 1 月
復元工事着手
復元過程の公開
2013 年
第 1 期工事終了
玄関・表書院公開
2016 年
第 2 期工事終了
対面所等公開
2018 年
復元工事終了
全体公開
名古屋城の魅力向上
年間を通じて多くの観光客が訪れる名古屋城は、名古屋のシンボル
であり、最も代表的な観光施設です。
名古屋の歴史観光の中核施設として、施設の整備充実を図るととも
に、賑わいづくりに取り組みます。また、本丸御殿の完成を見据えて、
観光客の受入体制の充実やサービスの向上を図っていきます。
*
武将観光:信長、秀吉、家康の三英傑を始め、愛知が輩出した戦国武将の足跡(城址、古戦場など)を訪ねる観光
32
歴史的資産を活用したまちづくり
悠久の歴史を誇り、多様で重層的な歴史的資源のある熱田神
宮をはじめ、文化のみちや有松、四間道など市内の各所に残る
歴史的建造物や町並み、文化財、人々の伝統的な営みを保存・
活用することにより、名古屋の歴史・文化を身近に感じられる
「歴史まちづくり」を推進するとともに、観光資源としての活
用・情報発信を図ります。
また、開削 400 年を迎える堀川周辺の歴史的な魅力に着目し
て、堀川を活用した魅力づくりに取り組むとともに、守山区上志段味地区に残る古墳群を保存・
活用する「歴史の里」の整備を図ります。
地域資源の発掘・育成
観光客のニーズの多様化により、地域に根づいたより細やかな観光情報や、観光客を受け入
れる多様な担い手が必要とされています。
民間事業者や市民等と幅広く連携し、まちに眠る多彩な魅力に光をあて、身近な魅力の再発
見や新たな魅力の創出に取り組みます。
② 「都市観光」の推進
世界に誇るモノづくりの技術と心にふれることができる“産業観光”や、人気の“なごやめし”
、
豊富な観光施設やイベントなど、名古屋ならではの多彩な魅力を磨き上げ、年間を通じて観光客を
惹きつける創造性の高い都市づくりを進めます。
文化・観光拠点の魅力向上
2011 年春に世界最大のプラネタリウムがオープンする名
古屋市科学館をはじめ、再生が進む東山動植物園や、名古屋
テレビ塔、多彩な催事に取り組む博物館や美術館など、名古
屋を訪れた人々を魅了する文化・観光拠点として、魅力向上
に取り組み、観光客の誘致を図っていきます。
33
産業観光の推進
名古屋には、トヨタグループ発祥の地に建つ“産業技術記念館”
や陶磁器をテーマにした“ノリタケの森”、江戸時代から続く絞り
の技や美しさに触れる“有松・鳴海絞会館”など、豊富な産業観光
施設があります。
民間事業者や関係団体と連携しながら、モノづくりの技術や文
化、心に触れられる産業観光を推進します。
ベイエリアの魅力向上
世界有数の国際貿易港としての役割をもつベイエリアは、名古屋
港水族館をはじめとするアミューズメント施設や商業施設が立地
し、観光客に親しまれるエリアとなっています。
モノづくり技術の継承や人材育成を図る「モノづくり文化交流拠
点構想」や、2011 年にオープンするリニア・鉄道館、名古屋市国
際展示場(ポートメッセなごや)の整備などを通じて魅力向上を図
り、多くの人々で賑わい、親しまれるベイエリアの形成に取り組みます。
また、この地区には多数の産業施設が立地しており、産業観光の観点から活用について検討
を進めます。
イベントの開催・支援による賑わいの創出
50 年以上の歴史を有する“名古屋まつり”や、夏の風物詩と
なった“にっぽんど真ん中祭り”、世界各国からの参加で賑わう
“世界コスプレサミット”などの大規模イベントを、民間活力な
ども活用して開催し、年間を通じた賑わいづくりと交流の活性化
を図ります。
文化芸術の振興による都市の魅力向上
市民や民間事業者と連携して、まちかどで気軽に音楽を楽しむ機会や、質の高い文化芸術を
提供することにより、まちの賑わいを創出するとともに、都市の文化力を高め、魅力の向上を
図ります。
34
なごやめし・土産品の魅力向上
観光の楽しみの 1 つとして、その土地でしか味わうことのできな
い食べ物や、魅力的なお土産は欠かせないものとなっています。
全国的に人気が高い“なごやめし”をはじめとして、民間事業者
と連携しながら、新たな魅力づくりに取り組みます。
都市機能を活かした取り組み
名古屋は中部国際空港から最も近い大都市であり、中部圏のゲートウェイ都市です。公共交
通機関や道路が発達した名古屋では、市内各所の観光施設への移動をスムースに行うことがで
きるほか、名古屋駅を中心とした 3 キロ以内に繁華街が集中しており、商業施設やサービス機
能が集積しています。
特に、アジアからの観光客においては、ショッピングや食事に対する人気が高く、コンパ
クト&コンビニエンスな名古屋の特徴を活かした魅力をアピールすることが有効と考えられ
ます。
反面、商業施設や店舗の閉店時間が早いなどの課題があり、民間事業者と連携して観光客
の利便性を一層向上する取り組みを進めていきます。
都市型エコツーリズムへの取り組み
名古屋には、日本有数の渡り鳥の渡来地としてラムサール条約*に登録された藤前干潟や、里
山として再生が進められている「東山の森」など、貴重な自然環境が残されています。
また、ゼロ・エミッション工場*をはじめ、環境技術の先進地
として世界に発信できる産業基盤を有しています。
“モノづくり”と“環境”を融合した名古屋ならではの産業観
光への取り組みや、環境に優しい移動手段(徒歩・自転車・公共
交通機関など)を活用した観光を促進するなど、「愛・地球博」
や「生物多様性条約第 10 回締約国会議(COP10)」の成果を継
承し、都市型エコツーリズムを推進します。
医療観光への取り組み
国においては、日本の先端医療技術を背景に、医療機関での診断、治療などと合わせて観光
を行う医療観光を推進しています。
本市でも、医療サービスの提供をきっかけとした観光客の誘致の可能性について検討してい
きます。
*
ラムサール条約:1971(昭和 46)年にイランのラムサールで開催された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」
で採択された「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」のこと。
2002 年 11 月に、日本有数の渡り鳥の渡来地として藤前干潟が登録された。
*
ゼロ・エミッション工場:工場などで排出物をゼロにした工場
35
視点2 観光プロモーションの推進
名古屋の魅力を広く発信し、観光客の誘致につなげるため、ターゲットを意識した効果的なプロ
モーションを国内外へ向けて積極的に行っていくとともに、教育旅行*やMICEの誘致に取り組
みます。
① 観光プロモーションの推進と情報発信力の強化
名古屋の魅力を効果的に発信するためには、特色や魅力を十分に活かした戦略的なプロモーショ
ンを行うことが必要です。
民間事業者と連携しながら、継続的に名古屋の情報が発信される仕組みづくりに努め、情報発信
力の強化を図っていきます。
戦略的プロモーションの推進
名古屋の特色や魅力を十分に活かすとともに、調査・分析により、ターゲットごとの特性を
ふまえて、旅行商品造成の働きかけやメディアを活用したPRを行うなど、創意工夫による戦
略的なプロモーションを展開します。
また、観光施設や宿泊施設、観光案内所等における観光客の実態やニーズの把握に努め、統
計データを整備し、効果的なプロモーションに活かしていきます。
海外観光プロモーションの推進
訪名外国人の誘致に向けて、国の動向も考慮しながら関係自治体や観光関係事業者と連携し
て、名古屋の魅力を海外に発信します。また、現地におけるPR活動や旅行社への旅行商品造
成の働きかけを積極的に行います。
特に、エアラインのある都市をターゲットに、相互協力のもとでの効果的なプロモーション
を推進します。
WEBを活用した情報発信
情報技術の進展、個人・グループ旅行の増加等により、観光情報をインターネットで収集す
る人の割合が大幅に増加しています。
全国・全世界からアクセスできるインターネットの利点を十分に活かし、分かりやすく楽し
いホームページづくりと観光情報の充実に努めるなど、WEBを活用した効果的な情報発信に
取り組みます。
*
教育旅行:修学旅行、遠足、移動教室、集団宿泊、野外活動など学校行事として位置づけられている旅行・集団宿
泊的行事
36
民間事業者と連携した情報発信力の強化
民間事業者との連携やタイアップを積極的に進め、名古屋の特色を活かした集客キャンペー
ンや宿泊プランの造成の働きかけを行うなど、多様な主体の取り組みによって名古屋の情報が
発信される機会を増やし、情報発信力の強化を図っていきます。
フィルム・コミッション*事業によるシティセールス
(財)名古屋観光コンベンションビューロー内に設置された「な
ごや・ロケーション・ナビ」の運営を通じて、映画・テレビドラマ
などの撮影の誘致・支援を行い、映像作品を通じたシティセールス
を推進します。
また、名古屋で撮影された映像作品を集約したロケ地マップを作
成するなど、フィルム・ツーリズム*による新たな魅力づくりに取
り組みます。
② 教育旅行の誘致・MICEの推進
世界に誇るモノづくり産業や、歴史文化、環境への取り組みなど、名古屋独自の魅力や都市とし
ての総合力を活かして、教育旅行・MICEの積極的な誘致を図ります。
教育旅行の誘致
若い多感な時期に名古屋を訪れ、都市の魅力に触れていただくことは、将来的な来訪を促す
とともに、都市イメージの向上に効果的と考えられます。
歴史文化やモノづくり、環境など、名古屋が培ってきた分野を活かして、修学旅行をはじめ
とする教育旅行の誘致に取り組みます。
また、海外からの教育旅行の受入を支援し、学校間交流の促進によって、国際理解の促進を
図っていきます。
MICEの推進
MICEの誘致にあたっては、コンベンション施設や観光施設、アフターコンベンション*(コ
ンベンション開催後のアトラクションなど)等を総合的にアレンジすることが有効であり、都
市の総合力が必要とされます。
一般の観光客が体験することのできない特別なおもてなしをまとめた「ユニークベニューリ
スト」を作成し、国際的なインセンティブ、コンベンションなどの誘致に向けた効果的なプロ
モーションに活用するなど、MICEの推進を通じて訪名外国人の積極的な誘致に取り組みま
す。
*
フィルム・コミッション:映画、テレビドラマ、CMなどのあらゆるジャンルのロケーション撮影(ロケ)を誘致
し、実際のロケを円滑に進めるための非営利機関
*
フィルム・ツーリズム:映画やドラマなどの舞台となったロケ地、原作地をめぐる旅を指す。
*
アフターコンベンション:会議が終了した直後に行われるイベントの総称で、観光などが行われる。
37
視点3 おもてなしの充実
国内外からの来訪者が、楽しく快適に名古屋に滞在できることにより、都市イメージの向上や次
回の来訪促進につながるものと考えられます。
市民や民間事業者と連携して、観光案内の充実やホスピタリティの向上、観光客の受入基盤の整
備に取り組み、観光客の満足度の向上を図ります。
① 観光案内の充実とホスピタリティの向上
観光客の多様なニーズに対応できるよう、観光関連事業者や市民と連携しながら、観光案内の充
実を図ります。
道に迷っている人を見かけたら積極的に声をかけるなど、
“心に残るおもてなし”で観光客を迎
え入れられるよう、市民のホスピタリティの向上に取り組みます。
観光客のニーズに対応した観光案内の充実
年間を通じて多くの利用がある観光案内所では、
多様化する観光
客のニーズに対応したきめ細かな観光案内を行う必要があります。
最近では“まち”そのものの魅力に触れる「まち歩き観光」に対す
るニーズも高まっています。
観光案内パンフレットやマップ、IT機器を活用した案内ツール
を充実させるとともに、市民ボランティアや、店舗・商店街等と連
携し、観光案内の充実を図ります。
また、名古屋を基点とした広域の観光情報の充実に努め、情報拠点機能の向上を図ります。
観光客の受入体制の充実
旅行事業者やホテルをはじめとする観光関連事業者と連携し、観光情報やおもてなしに関す
るセミナーの開催等を通じて、観光に携わる人材の育成に取り組むほか、周遊パスの企画等を
通じて観光施設間の連携を促進するとともに、需要に応じた開館を促進し、観光客の利便性の
向上を図ります。
また、外国人観光客が増加している中、多言語対応をはじめとする受入体制の充実や、外国
人の文化やニーズの理解に基づくおもてなし気運の醸成が必要となっています。
ホテル・店舗をはじめとする観光関連事業者や通訳案内士*などとの連携を深め、地域が一体
となって、外国人観光客を温かく迎えられる受入体制の充実に取り組みます。
*
通訳案内士:通訳案内士法に基づき実施される国家試験「通訳案内士試験」に合格し、通訳案内士として登録した
者のみが従事でき、観光旅行者に対して外国語通訳及び観光案内を行って報酬を得る職業。なお、地域限定通訳
案内士は、都道府県が実施する試験に合格し、当該登録を受けた区域内でのみ、報酬を得て通訳案内を業として
行うことができるもの。
38
ガイドボランティアの育成・活動機会の創出
「観光ガイドボランティア講座」の開催等を通じて、ボランティアの育成に取り組むととも
に、活動機会の創出を図ります。
また、市内で開催される様々なイベント等において、
「観光客へのおもてなし」について啓発
を行うほか、市内で活動するガイドボランティア団体間の連携・交流を図り、市全体でのおも
てなし気運の醸成に取り組みます。
② 観光客受入基盤の充実
観光客が安心して快適に名古屋での滞在
を楽しむためには、観光案内や交通アクセス、
滞在環境など、利便性や快適性を高める取り
組みを強化する必要があります。
特に急増する外国人観光客に対応するた
め、サインシステムをはじめとする受入基盤
の整備が急務と言えます。
観光案内板をはじめとするサインシステムの充実
観光客の目線に立ち、初めて名古屋を訪れた際にも、1 人で安心
して観光を楽しむことができるよう、多言語による観光案内板をは
じめ、道路標識や公共交通機関における案内表示など、わかりやす
いサインシステムの充実に取り組んでいきます。
観光客の回遊性の向上
観光ニーズの多様化や、個人旅行の拡大などにより、観光施設間の回遊性を確保する二次交
通の必要性が高まっています。
市バス・地下鉄をはじめとする公共交通機関や、なごや観光ルートバス「メーグル」の運行、
自転車を活用した取り組みを進め、観光客の回遊性及び利便性の向上を図ります。
また、ICカード*「マナカ」の導入などにより、公共交通機関の利便性の向上を図ります。
*
ICカード:Integrated Circuit カード。磁気カードと比較して、記憶できる情報量が多く、セキュリティに優れ
るというメリットがある。さらに非接触型の IC カードは、装置に差し込む必要がなく、近づけるだけで情報のや
り取りが可能である。そのため、利用者にとって便利であり、機械的な接触部分がなく故障が少ない、メンテナ
ンスが容易であるという長所がある。名古屋市では、市バス・地下鉄、あおなみ線、ゆとりーとライン、名鉄線、
名鉄バス及び豊橋鉄道で利用できるICカード「マナカ」が平成 23 年2月から導入される。
39
団体客の受入体制の充実
バス旅行や教育旅行、企業の研修旅行など、観光客の増加を図っていくためには、多様な団
体旅行を受け入れていく必要があります。特に、アジアからの外国人観光客においては、団体
による旅行形態が多く見られます。
大型バス駐車場の利便性の向上や、現地における観光ガイドや食事、体験メニューの充実な
ど、団体客向けの魅力づくりや受入体制の充実に取り組みます。
国際・広域交通ネットワークの形成・強化
高速道路ネットワークの早期形成や、名古屋港、中部国際空港の機能強化などに取り組むこと
によって、陸・海・空が一体となった国際・広域交通ネットワークを充実し、交流拠点機能の向
上を図ります。
観光客が安心して快適に過ごせる環境づくり
街の美しさや住民のマナー、道路や公共交通機関など、訪れた観光客の印象に影響を与える
要素は多岐にわたります。
歩きやすい歩道の整備やバリアフリー化の推進、町の美化、路上喫煙対策のほか、良好な都
市景観の形成に向けた取り組みを進め、観光客が安心して快適に過ごせる環境づくりに取り組
みます。
40
視点4 広域観光の推進
交通手段の発展や、外国人観光客の増加等により、周遊エリアや滞在時間が拡大する傾向にある
中、近隣自治体や関係機関等と連携し、中部圏の魅力を活かした広域観光の推進が不可欠となって
います。
中部圏のゲートウェイ都市としての利点を活かしながら、広域的なネットワークを有効に活用し、
観光交流の活性化を図ります。
中部圏の特性を活かした広域観光の推進
中部地域は、四季折々の自然景観をはじめ、様々な歴史的資源や産業遺産、賑わいのある都
市、温泉、新鮮な味覚など、豊富な魅力を有しています。また、日本の中央に位置し、利便性
が高い東西の交通の要衝でもあります。
これらの多彩な魅力や特性を活かし、広がりのある広域観光を推進します。
テーマ別観光の推進
観光客を惹きつける魅力的な広域観光圏を形成するためには、テーマ性やストーリー性のあ
る具体的な取り組みを進め、広域観光圏全体のブランド力を高める必要があります。
「歴史観光」や「産業観光」などの分野において、テーマ別の連携事業に取り組み、広域的
な魅力の創出・発掘を図ります。
広域連携によるプロモーション
他の自治体や関係団体との連携・協働によって、旅行商品造成の働きかけや教育旅行誘致を
はじめとするプロモーション活動に取り組み、中部圏における広域観光のニーズに対応した効
果的・効率的な情報発信を図っていきます。
広域観光における情報拠点機能の向上
中部圏のゲートウェイ都市である名古屋は、他の観光地を訪れる際にも、経由または立ち寄
る可能性が高く、広域観光における拠点都市としての役目を担っていく必要があります。
広域観光における情報拠点機能を高め、観光客の利便性の向上を図るとともに、名古屋を基
点とした周遊型・滞在型の観光を促進します。
41
5
重点プロジェクト
基本理念の実現に向けて、第 4 章の取り組み内容のうち、平成 24 年度までに重点的に取り組むプ
ロジェクトを設定し、実行していきます。
4つの視点
視 点 1
視 点 2
視 点 3
視 点 4
取り組み内容
重点プロジェクト
「歴史観光」の推進
1−1 「歴史観光」の推進
(1)武将観光の推進
(2)名古屋城本丸御殿の復元
(3)名古屋城の魅力向上
(4)歴史的資産を活用したまちづくり
「都市観光」の推進
1−2 「都市観光」の推進
(1)文化・観光拠点の魅力向上
(2)産業観光の推進
(3)文化芸術の振興による都市魅力の向上
(4)なごやめし・土産品の魅力向上
観光プロモーションの
推進と情報発信力の強
化
2−1 観光プロモーションの推進と
情報発信力の強化
(1)戦略的プロモーションの推進
(2)東アジアをターゲットとした
海外観光プロモーションの推進
(3)WEBを活用した情報発信
教育旅行の誘致・MI
CEの推進
2−2 教育旅行の誘致・MICEの推進
(1)教育旅行の誘致
(2)MICEの推進
観光案内の充実とホス
ピタリティの向上
3−1 観光案内の充実とホスピタリティの向上
(1)観光客のニーズに対応した観光案内の充実
(2)観光客の受入体制の充実
観光客受入基盤の充実
3−2 観光客受入基盤の充実
(1)サインシステムの充実
(2)観光客の回遊性の向上
広域観光の推進
視点1から3の重点プロジェクトに包含しています。
名古屋らしい
魅力の創出
観光プロモー
ションの推進
おもてなしの
充実
広域観光の
推進
42
視点1・・・重点プロジェクト
名古屋らしい魅力の創出
名古屋は、歴史文化、モノづくり、グルメ(なごやめし)をはじめ、イベント、文化・芸術、ショ
ッピングなど、豊富な観光資源に恵まれています。にもかかわらず、都市の魅力度では 15 位、観光意
欲度では 34 位と、全国的に見ると決して高い評価であるとは言えない状況です。(地域ブランド調査
より)
市民が自信をもっておすすめできる魅力(商品)とブランドを確立することにより、都市イメージ
の向上を図ります。
重点プロジェクト1−1
「歴史観光」の推進
(1) 武将観光の推進
① 武将観光キャンペーンの実施
名古屋には、武将ゆかりの施設や史跡、祭り等が豊富にあります。これらの魅力を活かし
て、観光施設や旅行事業者、交通事業者等と連携した集客キャンペーンなどを実施し、観光
客の誘致及び武将観光の都市ブランドの醸成を図っていきます。
【武将観光の重点地域】
○名古屋城周辺
名古屋城を中心に、徳川園・徳川美術館、
文化のみち、四間道
○熱田神宮周辺
日本武尊、源頼朝、織田信長など、多くの
武将にゆかりがある熱田神宮周辺
○有松・桶狭間地区
桶狭間の戦いから 450 年を迎える桶狭間古
戦場、東海道の町並みが残る有松
桶狭間の戦いから 450 年を迎える桶狭間
○その他
豊臣秀吉・加藤清正ゆかりの中村公園、前
田利家・慶次ゆかりの荒子、福島正則が開
削した堀川など
43
② 名古屋おもてなし武将隊
開府 400 年を契機として、武将を活かした名古屋の
魅力を発信するとともに、おもてなしの充実を図るた
め、平成 21 年 11 月に「名古屋おもてなし武将隊」を
結成しました。名古屋城において来場者のおもてなし
を行うほか、観光PRイベントやメディアへの出演を
通じて、名古屋の魅力を全国に発信します。
③ 武将を活かした魅力づくり
□ 武将をテーマにしたイベント
名古屋は、日本武尊や源頼朝のほか、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった三英傑を
はじめとする多くの戦国武将にゆかりがあり、日本の武将やサムライのルーツと言えま
す。
この特色を十分に活かして、武将・サムライをテーマにした集客力及び注目度の高いイ
ベントを開催し、名古屋の都市イメージの定着を図るとともに、他地域とも連携して広域
的な魅力の創出に取り組みます。
□ 武将をテーマにした商品の企画開発
民間事業者と連携し、
「武将」をテーマにした各種商品の企画開発や支援を行い、武将
を活かした名古屋のブランド力の向上を図ります。
伝統産業や
デザインを活かした
土産品及び日用品
名古屋駅発着の
武将バスツアー
地産地消*の食材を活用した
武将ゆかりの
飲食店のメニュー
武将をはじめとする
歴史文化をテーマにした
旅行商品
□ 地域資源の発掘・育成
武将や武家文化をはじめとする名古屋の歴史的な魅力を発掘し、観光の活性化に取り組
む企業・NPO・地域団体等を募集し、選定された優れた活動を支援するなど、多様な主
体による歴史観光の活性化へ向けた取り組みを支援します。
*
地産地消:地元で生産された農産物を地元で消費すること
44
(2) 名古屋城本丸御殿の復元
① 名古屋城本丸御殿復元過程の公開
本丸御殿の復元工事の過程を一般に公開し、観光資源として活用します。
○ 素屋根内部の公開
本丸御殿の復元工事が進む素屋根内部に、
復元工事全体
を見渡すことができる見学通路を設置し、木材組み立てを
はじめとする木造建築の作業風景を公開します。
○ 木材加工場・原寸場の公開
墨付やカンナがけなど、木材を加工する作業風景を公開します。
○ 工事見学コーナー
本丸御殿の復元工事に関する説明や、木について学ぶコーナー、映像コーナーなど、各種展
示を行います。
② 本丸御殿復元事業の情報発信
市民・企業・関係自治体と連携した各種催事等を展開し、本丸御殿復元事業の情報発信を行
います。
(3)
名古屋城の魅力向上
① 城郭としての魅力の向上
施設・庭園の良好な環境の確保や各種催事の充実に努めるとともに、重要文化財である西南
隅櫓等の整備に取り組むことによって、名古屋城の魅力向上を図ります。
② 来場者サービスの向上
総合案内所やガイドボランティアの取り組みを充実するとともに、分かりやすい案内サイン
や便益施設の充実を図るなど、関係団体との連携を強化しながら、来場者サービスの向上に取
り組みます。
45
(4) 歴史的資産を活用したまちづくり
① 歴史まちづくりの推進
名古屋城や熱田神宮をはじめ、名古屋の重層的な歴史資源を活かした魅力的な「都市・市街
地・住環境」を「維持・形成」する歴史まちづくりを展開し、名古屋のアイデンティティを強
化・継承し、市民の誇りと愛着を高めます。
平成 22 年度には、おおむね 20 年程度を見据えた「歴史分野」におけるまちづくりの基本方
針である「歴史まちづくり戦略」を策定します。
② 文化のみちの推進
文化のみち二葉館、文化のみち橦木館の保存・活用及び旧豊田佐助邸、旧春田鉄次郎邸の公
開をはじめ、文化のみちエリア(名古屋城から徳川園に至る一帯)全体の面的な魅力の向上と
情報発信に取り組みます。
③ 四間道の活用
名古屋駅と名古屋城の中間に位置するとともに、江戸時代の情緒を感じることができる四間
道を活用し、まち歩き観光などを通じて深みや味わいのある歴史観光に取り組みます。
④ 有松・桶狭間地区の魅力向上
旧東海道の町並みや有松・鳴海絞、桶狭間古戦場など、豊富な史跡や文化財を活かし、地域
と連携して有松・桶狭間地区の魅力向上に取り組みます。
⑤ 揚輝荘の保存・活用
本市郊外別荘の代表作である揚輝荘の庭園と建物を順次保存・修復して、市民共有の歴史・
文化資産として活用し、城山・覚王山地区のまちづくりの交流拠点施設となることをめざす一
方、可能な部分から暫定的に公開します。
文化のみち
四間道
揚輝荘
有松
46
重点プロジェクト1−2
「都市観光」の推進
(1) 文化・観光拠点の魅力向上
① 名古屋市科学館理工館・天文館の改築
世界最大の 35mプラネタリウムと 4 つの巨大体感展示を備え、学習施設であるとともにエ
ンターテイメント性豊かな観光拠点ともなる世界レベルの科学館を整備(平成 23 年 3 月リニ
ューアルオープン予定)するとともに、教育旅行をはじめ、より多くの観光客誘致に活用しま
す。
② 東山動植物園の再生
東山動植物園再生プランにより、東山の歴史的資産や豊
かな自然環境に配慮しながら、動物と植物からなる生態的
な展示や、動物の動きを楽しめる行動展示など、多様な展
示を行うとともに、来園者のニーズに対応した多彩な楽し
みを提供します。
具体的には、東山のシンボルであるアジアゾウの展示施設の整備や、重要文化財である植物
園温室前館の保存を進めるほか、飼育員の話を聞くアニマルトークや、動植物園の裏側を探検
するバックヤードツアーなどの充実を図ります。
また、来園者のニーズが高い飲食・物販施設について、満足度を高めるための検討を進めま
す。
③ 久屋大通公園の魅力向上
都心の豊かな緑の空間であるとともに、多彩な交流の舞台となる久屋大通公園の魅力向上及
び賑わいづくりに取り組みます。
また、名古屋のランドマークであるテレビ塔の賑わいづくりなど、関係機関とともに魅力向
上に取り組みます。
(2) 産業観光の推進
① 民間事業者と連携した魅力づくりと情報発信
名古屋を発着地として産業観光施設をめぐる「産業観光バス」の企画・支援や、旅行商品造
成の働きかけを行うなど、周辺地域を含めた民間事業者や関係団体と連携し、産業観光による
魅力づくりと情報発信に取り組みます。
47
② 体験型観光の促進
産業技術記念館やノリタケの森をはじめとする産業観光施設
における体験メニューや、有松・鳴海絞、名古屋友禅などの伝統
産業の体験など、体験型観光を促進するとともに、教育旅行をは
じめとする観光客誘致に活用します。
(3) 文化芸術の振興による都市魅力の向上
① まちかどで音楽にふれる機会づくり
大学等と連携し、様々なまちかどで「ナゴヤまちかどアンサン
ブル」を実施することで、気軽に音楽にふれる機会を提供し、ま
ちの賑わいを創出するとともに、若い音楽家を育成します。
また、名古屋フィルハーモニー交響楽団のアンサンブル編成に
よる「まちかどコンサート」を実施し、身近に一流の音楽にふれ
る機会を提供します。
② あいちトリエンナーレの開催
現代美術、音楽、舞踊、オペラ等の国際芸術祭を 3 年ごとに開催し、芸術文化にふれる機
会を提供するとともに、まちの賑わいを創出します。
③ 都市の文化力の向上
海外から招へいを受けて実施する芸術文化公演に対する助成や、名古屋フィルハーモニー交
響楽団への助成など、質の高い芸術文化への支援を行うとともに、文化小劇場等において気軽
に文化にふれる機会や文化活動の発表の機会を充実し、都市の文化力の向上を図ります。
(4) なごやめし・土産品の魅力向上
① なごやめし博覧会(仮称)の開催
市内の多様な飲食事業者の参画による“なごやめし”をテーマにした集客キャンペーンなど
を実施し、“食”の魅力発信や新たな魅力創出に取り組みます。
② 観光物産展の開催
飲食事業者や土産品事業者、百貨店などと連携して、大都市圏
を中心に、継続的に観光物産展を実施します。
48
視点1 評価指標
現状値
目標値(平成 24 年度)
63.4%
(平成 20 年度)
参考値:尾張徳川家の史跡
・遺産の認知度
75%
名古屋城入場者数
125 万人
(平成 20 年度)
150 万人
名古屋市科学館入館者数
61 万人
(平成 20 年度)
100 万人
ナゴヤまちかどアンサンブル等開催回数
58 公演
(平成 21 年度)
100 公演
なごやめしの体験意向
(インターネット全国調査)
65.4%
(平成 20 年度)
75%
名古屋ゆかりの武将や尾張徳川家の史
跡・遺産の認知度
(インターネット全国調査)
49
視点2・・・重点プロジェクト
観光プロモーションの推進
都市間競争が激化する中、観光客を着実に誘致するためには、ターゲットを意識した効果的なプロ
モーションを推進していく必要があります。
また、歴史文化やモノづくりなど、当地域の特色を活かして、教育旅行やMICEの誘致の取り組
みを進めます。
重点プロジェクト2−1
観光プロモーションの推進と情報発信力の強化
(1) 戦略的プロモーションの推進
① トップセールス*を活用した観光プロモーション
市長自らがトップセールスによって名古屋のアピールを
行うほか、著名人やメディアを活用して、インパクトが高
く効果的なプロモーションを実施します。
② ターゲットを意識した効果的なプロモーション
居住地や年齢などの属性ごとにアピールポイントを整理するとともに、効果的な媒体に働き
かけを行うなど、ターゲットを意識したプロモーション活動を展開します。
また、ビジネス客が多い名古屋の特性を活かし、ビジネス後の短時間観光を促進するなど、
次の名古屋への観光につながる取り組みを進めます。
③ 旅行事業者・メディアを対象としたプロモーション
観光客の誘致に効果的な旅行事業者やメディアを対象として、継続的にきめ細かな情報提供
を行うとともに、(財)名古屋観光コンベンションビューローを核としたネットワークの構築
を図ります。
(2) 東アジアをターゲットとした海外観光プロモーションの推進
① 現地におけるPR
セントレアとの定期便の本数が多い韓国・ソウル市や中国・上海市、本市との友好都市であ
る中国・南京市などターゲットとなる都市を絞り、現地において効果的で積極的なPR活動を
行います。
*
トップセールス:行政府の首長などの組織の首脳が、自ら宣伝マンとなって売り込むこと。
50
② 周辺自治体と協力したプロモーション
周辺関係自治体と協力して、名古屋の持つ大都市としての魅力と、周辺関係自治体が持つ自
然や温泉などの特徴を組み合わせた観光をPRし、名古屋及び中部圏への誘客を促進します。
③ 旅行商品造成助成
今後一層の誘客が見込まれる、中国及び韓国を中心とした東アジア地域を対象とする旅行商
品造成に対する助成制度の充実を図ります。
④ 留学生魅力体験情報発信事業
名古屋在住の中国や韓国をはじめとする東アジアの留学生に、名古屋市内の観光施設やホテ
ル等の魅力を体験する機会を提供し、その体験を通した名古屋の魅力を自国に向けてブログ等
により発信してもらうことにより、多くの人々に観光地としての名古屋をPRし、知名度の向
上につなげます。
(3) WEBを活用した情報発信
① ホームページの充実
観光客の多様なニーズに対応するコンテンツの充実を図るとともに、重要なプロモーション
の機会と捉え、五感に訴え、魅せるホームページづくりを心がけます。
また、訪名外国人の多い国に対応する多言語(英語・簡体字・繁体字・ハングル)によるホ
ームページの充実を図ります。
(充実するコンテンツ*)
○ 旅行商品や宿泊プラン、バスツアーなど、都市の個性があふれる着地型の観光情報
○ 旅行会社や交通事業者、ホテル、観光施設などと連携して実施するキャンペーン情報
○ 飲食店や名物メニュー、お土産品など、旅を楽しくする多彩な商品の紹介
○ イベントや文化芸術、スポーツなど、都市ならではのエンターテイメント情報
○ 他地域のホームページと連携した広域観光情報
○ ガイドボランティアをはじめ、名古屋で出会う人やおもてなしの紹介
○ ブログやツイッター*の活用など、意外と知られていない名古屋市民のおススメ情報
*
*
コンテンツ:電子媒体を通してやりとりされる情報の内容
ツイッター:2006 年 7 月に Obvious 社(現 Twitter 社)が開始したサービス。ミニブログ、マイクロブログ、と
いったカテゴリーに括られる。個々のユーザーが「ツイート」と呼称される短文(ひとりごと)を投稿し、ゆるい
つながりが発生するコミュニケーション・サービスであり、広い意味での SNS(ソーシャルネットワーキングサー
ビス)の 1 つといわれることもある。
「ツイート(Tweets)」は、英語で「鳥のさえずり」の意味で、日本では「つ
ぶやき」と意訳され定着している。
51
重点プロジェクト2−2
教育旅行の誘致・MICEの推進
(1) 教育旅行の誘致
① 修学旅行をはじめとする教育旅行の誘致促進
世界最大のプラネタリウムがオープンする名古屋市科学館や、伝統的な木造建築の復元過程
が見学できる名古屋城本丸御殿などを活用し、修学旅行をはじめとする教育旅行の誘致を図り
ます。
② 訪日教育旅行誘致への取り組み
中部広域観光推進協議会*等の関係機関と連携して、訪日教育旅行の誘致を積極的に行いま
す。
また、教育委員会、関係機関及び(財)名古屋観光コンベンションビューローで、受入にか
かるルールづくりや受入可能な分野を集約するなど、受入体制を整備するための連絡組織を構
築します。将来的には、(財)名古屋観光コンベンションビューローが対外的な窓口となるこ
とでワンストップサービス*の提供をめざします。
(2) MICEの推進
① 「ユニークベニューリスト/アフターコンベンションリスト」の作成
MICEの誘致の重要な要素である一般の観光客では体験できないようなおもてなしにつ
いてまとめた「ユニークベニューリスト/アフターコンベンションリスト」を作成します。新
規開催施設や主催者の要望なども踏まえ、定期的に対象施設の拡大や内容更新を行います。
(ユニークベニューの例)
名古屋能楽堂におけるバックヤードツアー(楽屋、鏡の間等を紹介)
東山動植物園におけるエサやり体験、植物を素材とした飾り等の製作体験
*
中部広域観光推進協議会:中部 9 県(愛知、富山、石川、福井、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀)と 3 政令市(名
古屋、静岡、浜松)
、観光関係団体、観光事業者などで構成。広域観光の推進を目的とし平成 17 年に発足。
*
ワンストップサービス:ある分野に関連するあらゆるサービスを、そこに一度立ち寄るだけですべて行えるように
するサービス形態
52
② 「ミーティングプランナーズガイド」の作成
市内宿泊施設、観光施設、会議・展示施設等の最新の情報及び新たに「ユニークベニュー」
の情報を加えた「ミーティングプランナーズガイド」を作成します。海外でのPRも念頭に置
いて外国語版(英語、中国語、韓国語)も作成します。
また、外国人訪問客が重要に思う情報である宿泊施設における海外電化製品への対応状況
(変圧等)
、視聴可能な海外TV局や購読可能な外国語新聞、会議・展示施設におけるインタ
ーネット回線の対応状況などをとりまとめて掲載をします。
③ 「ユニークベニュー」への視察受入
MICEの主催企業、学会及び旅行代理店、企画会社等を対象に「ユニークベニューリスト
/アフターコンベンションリスト」に掲載されている施設において実際に特別なおもてなしを
体験してもらう視察の受入を行います。あわせて、
『留学生魅力体験情報発信事業』とも連携
して、自国に向けて情報発信をしてもらうことを目的に、留学生の視察も受け入れます。
④ MICEセミナーの開催
MICEの主催企業、学会及び旅行代理店、企画会社等が集中する東京において、
「ユニー
クベニューリスト/アフターコンベンションリスト」をはじめ名古屋におけるMICE推進の
取り組みをPRすることを目的としたセミナーを開催し、「ユニークベニュー」の視察を受け
入れます。
視点2 評価指標
現状値
目標値(平成 24 年度)
(財)
名古屋観光コンベンションビューロー
ホームページのアクセス数
(日本語版トップページ)
64.2 万件
(平成 21 年度)
84 万件
(財)
名古屋観光コンベンションビューロー
ホームページ外国語版のアクセス数(英語・
簡体字・繁体字・ハングル版のトップページ)
4.6 万件
(平成 21 年度)
10 万件
修学旅行団体の宿泊者数
4,432 人
(平成 20 年度)
6,000 人
国際会議の年間開催件数
130 件
(20 年度)
140 件
53
視点3・・・重点プロジェクト
おもてなしの充実
都市間競争が激化し、どの観光地においても様々な工夫を凝らして観光客を迎え入れている中、ま
た訪れたくなる魅力的な都市となるためには、観光客のニーズに的確に対応した受入体制を整えるこ
とが重要です。
市民や民間事業者と連携して、観光案内の充実やホスピタリティの向上に取り組むとともに、観光
客の受入基盤の充実を図ります。
重点プロジェクト3−1
観光案内の充実とホスピタリティの向上
(1) 観光客のニーズに対応した観光案内の充実
① まち歩き観光の促進
地域に眠る歴史資源や意外と知られていない身近な魅力の発
見を促す「まち歩き観光」情報の充実を図り、多彩なまちの魅力
を発信していきます。また、観光ガイドボランティア等と連携し
て、
「まち歩きガイドツアー」を実施します。
② ボランティアによる観光案内の充実
観光案内所やなごや観光ルートバス「メーグル」において観光案内を行うガイドボランティ
アの育成に取り組みます。また、他のガイドボランティア団体との情報共有、意見交換を進め、
市全体としてのホスピタリティの醸成を図っていきます。
③ 情報拠点機能の向上
名古屋を基点とした広域観光のニーズに対応し、交通アクセス
や周辺地域の観光情報の充実に努め、広域観光における情報拠点
機能の向上を図ります。
④ 観光案内ツールの充実
観光客の目線に立ち、わかりやすく使いやすいパンフレットやマップを作成し、観光案内の
充実を図ります。
また、音声ガイドや携帯端末、アプリケーションソフトウェア*など、進展著しいIT機器
を活用するほか、テーマ別のパンフレットやまち歩きマップを作成し、多彩な名古屋の楽しみ
方を提案します。
*
アプリケーションソフトウェア:コンピュータの利用者がコンピュータ上で実行したい作業を実施する機能を直
接的に有するソフトウェアである。
「アプリケーション」や「アプリ」と略されることもある。
54
(2) 観光客の受入体制の充実
① おもてなしセミナーの開催
旅行事業者やホテル、観光施設、店舗などを対象として、名古屋の歴史的な資源や、外国人
に喜ばれる魅力等についてのセミナーを開催し、観光に携わる人材の育成に取り組むととも
に、おもてなし気運の醸成を図ります。
② 外国人受入体制の充実
外国人の受入に積極的なホテルやレストラン、店舗等に対して、外国人の受入における配慮
すべき事項や、よく使われる簡単な会話等をまとめた冊子を提供し、外国人受入体制の充実を
図ります。
また、ショッピングにおける利便性向上のためカード決済機能の拡充を関係団体へ働きかけ
るとともに、特に中国の銀聯カード*については利用可能な店舗を表記したマップを関係機関
と共同で作成します。
また、関係機関と連携して、外国人観光客の受入に関わる団体・事業者からなる受入組織の
立ち上げを支援します。
③ 観光施設の利便性の向上
観光施設の周遊パスの企画等を行い、観光施設間の連携を促進するとともに、観光客の利便
性の向上を図ります。
また、観光施設をはじめとする観光関連事業者との定期的な意見交換を行い、観光客の動向
の把握に努めるとともに、観光客の需要に応じた既存休館日における開館の促進や開館時間の
延長について、検討を行います。
*
銀聯(ぎんれん)カード:中国を中心に拡大しているオンライン決済システムを運営する会社「銀聯」のロゴが
あるキャッシュカード及びクレジットカード。本来デビットカードに分類され、
「信用カード」と呼ばれる国際ク
レジットカードのような本来のクレジットカードとは区別して、厳密には「借記カード」と呼ばれる。
55
重点プロジェクト3−2
観光客受入基盤の充実
(1) サインシステムの充実
① まち歩き観光案内板の整備
名古屋駅から名古屋城へ到るエリアや、文化のみちエリアなどにおいて、まち歩き観光を誘
発する案内板を整備し、歴史的な観光資源の再発見を促すとともに、地域エリアにおける観光
魅力の創出を促進します。
(2) 観光客の回遊性の向上
① なごや観光ルートバス「メーグル」の運行
なごや観光ルートバス「メーグル」の運行を通じて、観光ア
クセスの向上を図るとともに、歴史文化やモノづくり、グルメ
やショッピングなど、多彩な名古屋の楽しみ方を提供します。
② 公共交通の利便性向上
ICカード「マナカ」の導入や相互利用サービスの実施によ
り、公共交通機関の乗降や乗り継ぎなどにおける利便性の向上
を図ります。
また、観光施設や店舗等における特典付きのドニチエコきっ
ぷをはじめとする市バス・地下鉄の一日乗車券の利用を促進し、
観光客の利便性及び回遊性の向上を図ります。
③ 自転車を活用した取り組み
観光客の回遊性の向上や、環境に配慮した交通手段として期待されているコミュニティサイ
クル*について、仕組みや効果などを充分に検証しながら、導入に向けた取り組みをすすめます。
視点3 評価指標
現状値
目標値(平成 24 年度)
84.5 万人(平成 21 年度)
95 万人
まち歩きガイドツアーの実施回数(年間)
―
50 回
観光ガイドボランティア(観光案内所・メー
グル)の活動回数
なごや観光ルートバス利用者数
928 回
(平成 21 年度)
1,200 回
23 万人(平成 21 年度)
30 万人
観光案内所の利用者数
*
コミュニティサイクル:専用の自転車貸出返却場所(ステーション)を設置し、ステーション間の移動であれば、
どこで借りてどこへ返してもよいシステム
56
実現へ向けて
6
観光戦略ビジョンの実現へ向けて、名古屋をあげて取り組みを進めます。
① 市民・民間事業者・行政が一体となったビジョンの推進
このビジョンを推進していくためには、市民ボランティアや旅行事業者、観光施設、ホテルなど、
観光に携わる様々な主体が連携協力していかなければなりません。
市民・民間事業者・
(財)名古屋観光コンベンションビューロー・名古屋市が力をあわせ、一体と
なってこのビジョンの推進に取り組んでいきます。
【各主体に期待される主な役割】
○観光に関する理解と関心
市
民
○身近な名古屋の魅力に対する気付きと発信
○おもてなしの心の発揮と交流参加
○地域における観光の取り組みへの主体的な参画
○良質なサービスの提供
○おもてなし水準の向上
民間事業者
○観光施設の魅力向上
○名古屋の魅力の創出と掘り起こし
○名古屋の魅力に関する情報収集と発信
○名古屋の魅力の創出と掘り起こし
○名古屋の魅力に関する情報収集と発信
○観光客の受入とおもてなしの充実
(財)名古屋観光
コンベンションビューロー
○観光に関わる幅広い連携の促進と一体的な取り組みの推進
○観光に携わる人材の育成
○名古屋市が実施する観光施策との連携協力
○観光客の実態やニーズの把握と観光施策の提言
○観光施策の総合的な策定
○観光客の動向に関する調査実施
名古屋市
○観光事業者、関係団体への支援と連携促進
○観光施設の魅力向上と適切な管理運営
○観光に関わるインフラの整備
57
② 名古屋市観光推進会議
本市の観光を総合的かつ計画的に推進し、都市の活性化を図るため、平成 20 年 10 月に『名古屋
市観光推進会議』を設置しました。
『名古屋市観光推進会議』のもと、各部局との連携を図りながら、全庁をあげてビジョンの着実
な推進と進捗管理を行っていきます。
【庁内観光推進体制】
会長:副市長
副会長:市民経済局長
委員
市長室長
総務局長
財政局長
環境局長
健康福祉局長
子ども青少年局長
住宅都市局長
緑政土木局長
上下水道局長
交通局長
消防長
教育長
病院局長
その他会長が指定する職
58
資 料 編
59
1 検討経過
観光推進の方向性、あり方に関すること等について助言を得るため、観光に識見のある学識経験
者、産業界、観光関連団体など、13 名を委員とする名古屋市観光戦略研究会を設置し、
「名古屋市
観光戦略ビジョン」の策定に向けて議論を行い、
『名古屋市観光戦略研究会「提言」
』をとりまとめ
ました。
観光戦略研究会の提言や意見などをふまえて、名古屋市観光推進会議において、名古屋市観光戦
略ビジョンの検討を進め、パブリックコメントを経て、ビジョンを策定しました。
観光戦略ビジョンと観光戦略研究会について
名古屋市観光戦略研究会
名古屋市観光推進会議
【所掌事務】
名古屋市観光推進連絡調整会議
1 観光推進の方向性、あり方に関する
計画案
名古屋市観光戦略ビジョン
2 観光に関する情報及び意見の交換に
関すること
【計画期間】
取り組み内容:おおむね 10 年
先まで
重点プロジェクト
:平成 24 年度まで
【構成】
1 はじめに
2 現状と課題
3 基本的な視点・目標
4 取り組み内容
5 重点プロジェクト
6 実現へ向けて
こと
3 その他、観光戦略ビジョンの策定に
必要と認める事項
意見・助言
提言
60
名古屋市観光戦略研究会
研究会の開催経過
日時 平成 22 年 1 月 22 日(金)10:00∼12:00
会場 名古屋市芸術創造センター 6 階 大会議室
第1回
議事 名古屋市観光戦略ビジョンについて
名古屋の観光の現状等について
その他
日時 平成 22 年 2 月 17 日(水)10:00∼12:00
会場 名古屋市芸術創造センター 6 階 大会議室
第2回
議事 テーマ別意見聴取 (観光魅力の創出、発掘)
(観光プロモーション)
(観光客の受入、おもてなし)
その他
日時 平成 22 年 3 月 26 日(金)9:30∼12:00
会場 名古屋市役所東庁舎 1 階 第 11 会議室
第3回
議事 名古屋市観光戦略ビジョンについて
名古屋市観光戦略研究会「中間報告」メモ
名古屋市観光戦略ビジョン体系(案)
日時 平成 22 年 5 月 18 日(火)9:30∼12:00
会場 市政資料館 第 3 集会室
第4回
議事 名古屋市観光戦略ビジョンについて
名古屋市観光戦略研究会「報告書」
(案)
名古屋市観光戦略ビジョン(素案)
日時 平成 22 年 7 月 20 日(火)10:00∼12:00
会場 名古屋市役所東庁舎 1 階 第 12 会議室
第5回
議事 名古屋市観光戦略ビジョンについて
名古屋市観光戦略ビジョン(案)
名古屋市観光戦略研究会報告書レポートについて
61
名古屋市観光戦略研究会設置要綱
(設置及び目的)
第 1 条 「名古屋市観光戦略ビジョン(仮称)
」
(以下「観光戦略ビジョン」という。
)の策定に向けて、
各分野の有識者から助言を得るため、名古屋市観光戦略研究会(以下「研究会」という。
)を設置
する。
(所掌事務)
第 2 条 研究会は、次に掲げる事項について処理する。
(1)観光推進の方向性、あり方に関すること。
(2)観光に関する情報及び意見の交換に関すること。
(3)その他、観光戦略ビジョンの策定に必要と認める事項。
(構成)
第 3 条 研究会は、委員 13 名以内をもって構成する。
1 委員は、観光に識見のある学識経験者、産業界、観光関連団体のうちから市長が委嘱する。
2 研究会に座長を置く。
3 座長は、委員の互選によりこれを定める。
4 座長は、研究会を総括し、研究会の会議の進行にあたる。
5 座長に事故があるときは、あらかじめ座長の指名する委員がその職務を代理する。
(会議)
第 4 条 研究会は、市長がこれを招集する。
1 座長は、必要に応じて、委員以外の者に会議への出席及び助言を求めることができる。
(委員の任期)
第 5 条 委員の任期は、平成 22 年 8 月 31 日までとする。
1 欠員が生じた場合の後任者についても同様とする。
(謝金)
第 6 条 委員の謝金は、1 回につき 12,300 円とする。ただし、財団法人名古屋観光コンベンションビ
ューロー職員及び名古屋市職員である委員にあっては、謝金を支給しない。
(事務局)
第 7 条 研究会の事務を処理させるため、市民経済局文化観光部観光推進室に事務局を置く。
(その他)
第 8 条 この要綱の施行に関し必要な事項は、座長が定める。
附 則
この要綱は、平成 22 年 1 月 12 日から施行する。
62
名古屋市観光戦略研究会委員名簿
(敬称略)
氏 名
役職等
青木 奈美
サカエ経済新聞編集長(大ナゴヤ大学コーディネーター)
上大 信康
社団法人日本旅行業協会中部支部地域振興委員長
熊澤 眞紀子
通訳案内士
田口 一規
名古屋商工会議所産業振興部 課長
街づくり振興グループ長
西村 哲治
中部広域観光推進協議会事務局次長
寺井 一俊
社団法人全国旅行業協会愛知県支部長
徳山 美津恵
関西大学総合情報学部准教授
中村 直美
株式会社交通新聞社『旅の手帖』編集長
平林 幸伸
財団法人名古屋観光コンベンションビューロー事務局次長
水越 智子
社団法人日本ホテル協会中部支部
(名古屋マリオットアソシアホテルコンシェルジュマネージャー)
森田 優己
桜花学園大学学芸学部教授
(中部の観光を考える百人委員会委員)
安井 友康
名古屋観光ブランド協会副会長
○ 山田
明
名古屋市立大学大学院人間文化研究科教授
[備考] ○・・・座長
63
名古屋市観光ビジョン策定に係る庁内組織
○名古屋市観光推進会議
開催経過
日時 平成 22 年 8 月 23 日(月)
第1回
議事 観光戦略ビジョン策定にかかる経緯及び今後のスケジュール
名古屋市観光戦略ビジョン(案)について
○名古屋市観光推進連絡調整会議
開催経過
日時 平成 22 年 3 月 24 日(水)
第1回
議事 名古屋市観光アクションプラン進捗状況
名古屋市観光戦略ビジョン体系(案)について
日時 平成 22 年 7 月 16 日(金)
第2回
議事 ビジョン策定までのスケジュール
名古屋市観光戦略ビジョン(案)について
日時 平成 22 年 8 月 12 日(木)
第3回
議事 観光戦略ビジョン策定にかかる経緯及び今後のスケジュール
名古屋市観光戦略ビジョン(案)について
日時 平成 22 年 11 月 30 日(火)
第4回
議事 観光戦略ビジョン策定にかかる経緯及び今後のスケジュール
名古屋市観光戦略ビジョン(案)パブリックコメントについて
名古屋市観光戦略ビジョン(案)について
64
名古屋市観光推進会議設置要綱
(設置)
第1条 本市の観光を総合的かつ計画的に推進し、もって都市の活性化を図るため、名古屋市観光推進
会議(以下「推進会議」という。
)を置く。
(所掌事務)
第2条 推進会議は、次に掲げる事項を処理する。
(1) 名古屋市観光戦略ビジョンに掲げる事業の進捗管理に関すること。
(2) 観光の推進に関する施策の検討に関すること。
(3) その他観光の推進に関すること。
(構成)
第3条 推進会議に会長、副会長及び委員を置く。
2 会長は市民経済局主管副市長とし、副会長は市民経済局長とする。
3 委員は、次に掲げる者をもって充てる。
(1) 別表に掲げる職にある者
(2) その他会長が指定する職にある者
(会長等)
第4条 会長は、推進会議の事務を総理し、推進会議の会議の議長となる。
2 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。
(会議)
第5条 推進会議の会議は、必要の都度会長が招集する。
2 会長は、必要があると認めるときは、推進会議の会議に関係職員の出席を求め、説明又は意見を
聴くことができる。
(幹事会)
第6条 推進会議に幹事を置き、会長が指定する職にある者をもって充てる。
2 幹事会は、幹事をもって構成し、推進会議の協議事項の整理等を行う。
3 会長の指名する幹事は、幹事会の会議を招集し、会議の議長となる。
4 前項に規定する幹事は、必要があると認めるときは、会議に関係職員の出席を求め、説明又は意
見を聴くことができる。
(庶務)
第7条 推進会議の庶務は、市民経済局において処理する。
(委任)
第8条 この要綱に定めるもののほか、推進会議の運営その他必要な事項は、会長が
定める。
附 則
この要綱は、平成20年12月 8日から施行する。
65
別表
市長室長
総務局長
財政局長
環境局長
健康福祉局長
子ども青少年局長
住宅都市局長
緑政土木局長
上下水道局長
交通局長
消防長
教育長
病院局長
66
パブリックコメント
実施期間
平成 22 年 9 月 30 日(木) ∼ 10 月 29 日(金)
・意見提出者
49 人
・意見提出方法
郵送(7 人)
提出状況
FAX (2 人)
電子メール(40 人)
・意見総数
158 件
1 全般(7 件)
2 取り組み内容・重点プロジェクト(149 件)
(1)視点 1 名古屋らしい魅力の創出(66 件)
意見の内訳
(2)視点 2 観光プロモーションの推進(35 件)
(3)視点 3 おもてなしの充実(43 件)
(4)視点 4 広域観光の推進(5 件)
3 実現へ向けて(2 件)
67
68
69
名古屋市観光戦略ビジョン
平成 22 年 12 月
発
行/ 名古屋市市民経済局文化観光部観光推進室
〒460-8508 名古屋市中区三の丸三丁目 1 番 1 号
電
話
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E-mail
052-972-2425
052-972-4128
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