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連載「カナダ発 自動車技術の最新動向」(2)追随 許さない技術力・対応力

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連載「カナダ発 自動車技術の最新動向」(2)追随 許さない技術力・対応力
2013 年 6 月 27 日(木)
連載「カナダ発 自動車技術の最新動向」(2)追随
許さない技術力・対応力
多様な質感を再現し、自動車
メーカーのニーズに応える。インパネ形成見本が40種近く並ぶ
◆世界シェア70%
世界シェア70%の実績を持つ自動車部品メーカーがある。レゲット&プラットオート
モーティブグループのシュクラ(オンタリオ州レイクショア)は、自動車用ランバーサポ
ートをカナダ、アメリカ、メキシコで生産しており、世界の自動車メーカー、シートメーカ
ーを顧客に抱える。
ランバーサポートは着座姿勢を整えて乗員の疲労を軽減させる役割を持ち、シート
内部に組み込まれる。乗員の腰部の湾曲に合わせてシートバックの形状を調整する
機能は、金属ワイヤーと樹脂部品で構成され、見た目は魚の骨のよう。最新型はさら
に軽量化するため樹脂部品の採用を増やしてより薄くし、スプリングやケーブル、ハ
ーネスなどを省略しコストダウンも図った。
カナダから日本へ輸出するほど競争力のある製品だが、取引拡大には「さらなる生
産効率の向上が課題」(サイモン・ハンコックス北米シュクラ工場長)という。
フォード・モーターやゼネラル・モーターズ、トヨタなどが大規模な生産拠点を持ち、
また自動車関連企業が集積する米ミシガン州にも近いことが、オンタリオ州の自動車
部品産業の強みになっている。
中でも樹脂のブロー成形技術で日系自動車メーカー、サプライヤーとの取引を拡大
しているのが、ABCグループ(オンタリオ州トロント)だ。エンジン関連のダクトや電池
冷却システム、室内空調関係などの部品で、軽量化やコストダウンを推し進め、採用
を拡大している。ABCはカナダに本社を置く自動車部品メーカーとしては売上高は3
番目に大きい。内外装や機能部品など対応可能な技術を増やすが、「パワートレーン
部品の受注が減りつつある」とアジア担のリチャード・イシイ副社長は、需要の変化を
感じている。
衣料用ボタンから
衣料用ボタンの製造から自動車内装部品メーカーに転じた会社もある。ミッチェル・
プラスティクス(オンタリオ州キッチナー)だ。トヨタがカナダで車両組み立てを開始した
1988年に参入し、北米では大手に成長した。特徴は全方位対応にある。成形、塗装、
フィルムなど工程ごとに多様な工法を取り入れ、顧客ごとに異なる要望に1社で応え
られる体制を敷く。
ティム・ゴールドホーク取締役は「日系メーカーを含めてインパネに割く予算が増え
ている。小型車も高級車も」とトレンドを分析する。特にデトロイトスリーは傷がつきに
くいピアノブラック塗装や、クロム風のフィルム、皮革などの採用を増やしており、コス
ト優先だった傾向は一変したという。こうしたことから触れると柔らかく感じる素材や木
のような質感を持つ素材など、対応できる品種を増やし続けることが、受注拡大のカ
ギを握ると考えている。
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