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洗心 18号(平成28年1月発行)
201601 児嶋病院広報紙18 号 (1) 児嶋病院だより 企画・発行 児嶋病院広報委員会 2016 年 1 月発行 Vol.18 年頭のご挨拶 児嶋病院 院長 兒嶋良太 新年明けましておめでとうございます。 地域の皆様には健やかに新年をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。 年頭に当たり、今年の抱負と新病院建築について述べてみたいと思います。 児嶋病院に戻ってきて、丸5年が経過いたしました。少しずつではありますが、病院とともに成長できているの は皆様のご支援・ご協力のおかげだといつも感謝しております。 当院は、昭和 46 年建設で老朽化しており、耐震基準への適応、また療養環境への配慮等から新病院建築を迫ら れております。院長就任時から新病院建築を目標に掲げると共に①在宅医療、②救急医療、③リハビリテーショ ンの拡充を軸に据え、この三事業の充実をはかり努力を重ねてまいりました。 まず①在宅医療事業についてお話ししましょう。 訪問診療に関して言えば、月当たりの延べ件数は、平成 23 年では月平均 57 人の診察に出向いておりましたが、 現在では約 300 人に迫る状況です。在宅医療を望まれる地域のニーズの高まりをみると、今後ますます訪問診療 件数は増加するものと考えられます。在宅医療部の訪問看護・訪問リハビリテーションに関しても順調に経験を 積み重ねており、信頼のお声を頂くときもあります。今後とも筑豊で 1 番の在宅医療を提供できる病院を目標に、 地域の皆さまに信頼して頂けるように頑張って参ります。 次に②救急事業に関してお話しいたします。 平成 22 年度に 85 台だった当院への救急車受入数は徐々に増え、平成 27 年は 300 台を超えました。これは飯 塚病院、飯塚市立病院に次いで第3位でした。当院は救急指定病院ではないことを考えると非常に多い台数とい えます。病院群輪番制の当番病院として、積極的に救急の要請を受け入れておりましたところ、地域救急医療へ の貢献をたたえられ、平成 26 年 9 月には救急医療功労者福岡県知事表彰を受けました。新病院移転の際は、救 急病院の指定を受け、救急体制の構築を強化していきたいと考えております。 最後に③リハビリテーション事業です。 平成 23 年 1 月に 2 人であったセラピスト(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)の数は現在 11 人(院内 8 人、訪問 3 人)まで増えました。平成 27 年 11 月からは、対象となる一部の入院患者様さま限定ではあります が、365 日休みないリハビリテーションの提供を開始しておりま す。また、鍼灸師 2 名も従事しておりますが、東洋医学による疼 痛緩和などは当院の特色でもあります。新病院ではリハビリテー ション室を拡張し、新しい機器の導入と人員の強化を図り、心臓 血管リハビリテーションも開始していこうと計画しております。 いよいよ平成 28 年から、新病院建築に向けて設計・施行が開始 されます。皆さまには何かとご迷惑やご不便をおかけするかと思 いますが、ご理解とご協力を頂きますようお願いいたします。地 域に密着し、信頼される病院を目標に、職員一同全身全霊で取り 組んで行く所存ですので、今後ともいっそうのご愛顧を賜ります よう、宜しくお願い申し上げます。 201601 児嶋病院広報紙18 号 (2) 院内リハビリテーション課 主任 石津雄大 <呼吸器リハビリテーションとは> 呼吸に関わる身体の部分のどこかに障害があらわれると、動脈血内に酸素 を取り込むことや、二酸化炭素を排出したりする機能が異常をきたし、ち ょっとした運動でも息切れをして動くことが困難になります。動かないで いると食欲がなくなり、筋力も衰えてしまい、生活に支障をきたすように なります。そ の た め に 適 度 な 運 動 を 行 う 事 が 大 切 と な っ て き ま す 。 呼 吸 器 リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン に は 、運 動 に よ り 、息 切 れ( 呼 吸 困 難 感 )を 軽 減 さ せ 、運 動 耐 久 性 の 向 上 、活 動 範 囲 を 拡 大 さ せ る 目 的 があります。 呼吸器リハビリテーションの効果と目的 呼吸器疾患をもつ患者さまは、症状や進行状態などが様々です。トレーニ ングを行うにあたって、まずご自身が、病気の状態を理解し、日常生活の 場面において自己管理する力を高め、目標を持つことが大切です。 ・病気の症状維持・改善 ・病気の安定と生活の質の向上 ・日常生活の活動性を高める ・入院の回数と日数の減少 ・地域での自立を支援する ・呼吸困難の軽減、運動耐用能の改善 ・COPD(慢性閉塞性肺疾患)による不安と抑うつの軽減 呼吸器リハビリテーションの 対象となる疾患 肺気腫、慢性気管支炎のような慢 性閉塞性肺疾患、肺炎など、呼吸 器の病気によって生じた障害の方 神経や筋肉の病気による呼吸機能 の低下、人工呼吸器をつけた状態 の方 食道癌、胃癌、肝臓癌、咽・喉頭 癌等の手術後で痰を出しにくい状 態などの方など 呼吸器リハビリテーションのプログラム 一度障害を受けた肺そのものを根本的に治癒することは困難です。呼吸器リハビリテーションは、残された呼吸器を 可能な限り回復させ、維持し、患者さま自身が充実した生活が送れるように、個々の状態に応じプログラム提供して いくものです。 トレーニング(状態に応じて組み合わせます) リラクゼーション 呼吸補助筋のストレッチ・マッサージ ホールド and リラックス 呼吸介助または呼吸法指導 排痰法 体位変換+徒手介助法 筋力トレーニング 歩行訓練 呼吸困難に伴う呼吸補助筋(首や肩の筋肉)の緊張を緩める 肩をすぼめた後に一気に力を抜く 痰を出しやすくするような、肢位をとらす体位変換 胸郭に圧迫を加えることで痰を出す方法 ① 自由歩行(歩数計を装着し、歩数を確認) ② 設定歩行(1 日の平均歩行量を設定し、最終目標 5000~7000 歩/日) 薬剤の服用と教育 呼吸器疾患の特性や薬物療法の役割に関する情報(副作用、吸入の方法や回数、時間など)、薬を適切に使用する 重要性について患者さまやそのご家族をご指導いたします。 栄養学的カウンセリング 病状や生活環境を考慮しながら、適切な食事の方法や栄養の必要性などをご指導いたします。 心理的サポート 患者さまの病気の進行や不安な面を情緒的支援や教育的にサポートいたします。自己管理能力を体得し、病気をよ りよくコントロールできることは、急性増悪の回数や入院期間を減少させることになります。生活の質を向上さ せ、社会的にも心理的にも充実した生活を送っていただくことを目指しています。 201601 児嶋病院広報紙18 号 (3) 日常生活における呼吸器リハビリテーションのポイント より良い生活ができるように日常生活において呼吸機能を上手に管理していくことが必要です。全身状態の悪化 や体力の低下を防ぐためには、状態に合わせ簡素化したプログラムを継続していくことが大事です。 自由歩行 例えば最終目標を1日に 5,000 歩と決め、最初は5分間から歩 行を始める。家庭用エルゴメーターよりも屋外歩行等の自由歩 行が良い。あればパルスオキシメーター(動脈血酸素飽和度と 脈拍数を測定する機器)や歩数計を利用すると管理しやすい。 機器を所有しないときは修正 Borg スケール(右図参照)によ る呼吸困難を指標とする。ほかにもビデオや DVD などを視聴 しながらの呼吸体操などは運動の継続に有効です。 修正 Borg スケール 横隔膜呼吸(腹式呼吸ともいう) 呼吸困難が増強したとき、意識的に横隔膜の上下による深い呼吸を心がける。 おなかを膨らませながら息を吸い込むと横隔膜は下がり、おなかを引っ込めながら 息をはき出すとき横隔膜は上がります。この呼吸法をマスターすると、息切れを和 らげることができます。 6拍の呼吸リズム 歩行や階段昇降では、 「1・2」で息を吸い、2 秒間おいて「3・4・5・6」で息を吐 くようにすると呼吸困難を軽減させることができます。 病院のフォローアップ 来院時は毎回、在宅では困難な運動療法プログラムを実施し、前回との比較をしま す。また在宅で行うプログラムのチェックなどにより、評価をかねた有効的な運動 療法を提供いたします。 0 0.5 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 なにも感じない 非常に弱い かなり弱い 弱い 中等度に弱い やや強い 強い かなり強い 非常に強い 最大限 修正 Borg スケールは運動 したときのきつさを数字 と簡単な言葉で表現し、標 準化したものです。 0~10 の数字で表し、0 に 近づくと楽と感じ、 10 に近 づくときついという解釈 になります。ちょうど良い 運動強度を知る指標とな ります。 職員研修旅行 ~別 府~ 職員研修旅行紀行 院内リハビリテーション課 青山 恵子 11 月 14・15 日の 2 日間で毎年恒例の研修旅行に行きました。 あいにくの雨模様で少し残念なスタートとなりましたが、バス の発車後すぐに面白トーク全開のメンバーのおかげで、車内は 笑い声でいっぱいの楽しいムードに包まれました。 初日は安心院葡萄酒工房の見学でしたが、試飲がメインになり ほろ酔いになった方も居た様です。翌日は大分香りの博物館に 行きました。香水作りの体験があり、調合する動作や道具がま るで学校の理科の実験みたいで懐かしい感じがしました。オリ ジナルの香水の出来ばえ皆さんいかがだったでしょうか?その 他海地獄や明礬温泉湯の花小屋の見学などを満喫し、帰路に着 きました。さすがにお疲れの様で車内はとても静かでした。 幹事として食事や観光の内容等反省点や、ゆき届かない面など 多々ありましたが、皆様のご協力のおかげで無事に楽しい研修 旅行を終えることが出来ました。 201601 児嶋病院広報紙18 号 (4) ●外来診療のご案内 診療科目 診療時間 内科・外科・脳神経外科・胃腸内科・肛門内科・リウマチ科 リハビリテーション科・疼痛緩和内科(ペインクリニック) 自由診療(保険適用外) 巻爪矯正(月・火・水曜日)・にんにく注射・プラセンタ注射 午前 9 :0 0~1 1:45 初診は11:30まで受付 午後 1 4 :0 0 ~ 1 8 :0 0 初診は17:30まで受付 その他 ※ 急患は随時 禁煙外来・人間ドッグ・健康診断・各種検診・各種予防接種 ●外来一覧表 休診日 ※医師の予定は都合により変更になる場合があります 医師 \診療時間 月 火 水 木 金 土 午前 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 午後 ○ ○ 訪問診察 訪問診察 ○ 回診 / 午前 / ○ ○ ○ ○ ○ 午後 / 訪問診察・回診 ○ ○ ○ / 午前 ○ / / ○ / / 午後 ○ / / ○ / / 午前 / ○ ○ / ○隔週 / 午後 / ○ ○ / (予定) / 兒嶋 岩井 門田 川原 日祝日・土曜日午後 夏季休暇 8 月 13 日~15 日 年末年始 12 月 29 日午後 ~1 月 3 日 ●入院のご案内 病床数 44 床 (一般 35 床・包括ケア 9 床) 面会時間 日曜日~土曜日 13:00~19:00 訪問看護は かかりつけ医の指示にも とづい て、利用者さまが住み慣れたお家 訪問診療 訪問リハビリ 訪問看護 で療養していただきやすいように 他職種と連携を図りながら看護サ ービスを提供いたします。 お申し込みは 訪問看護師になって 在宅医療部 訪問看護主任 当院にご連絡ください。 兒嶋弥生 かかりつけ医やケアマネジャーを 通じてもお申し込みできます。 訪問看護にかかわるようになり 20 年ほど経ちました。 当初はまだ訪問看護というものが社会に浸透しておらず、 院外での看護業務は正直不安でいっぱいでした。しかし、ご家族の方々の頭の下がる介護や、治療のアドバイス を忠実に看病されているお姿を拝見する度に心を打たれ、つねに向上心を持ち続けることができました。そんな 日々の中、大変なことも多々ありましたが、患者さま・ご家族さまと気持ちを一つに手をたずさえながら、闘病 中の患者さまの病気や不安な問題が解決できたときは、達成感にも似た感情を抱きます。奇跡のような出来事や たくさんの喜びを体感することができ、このような機会を頂いたことに感謝いたします。 現在は当院の訪問看護師も 4 名に増え、24 時間 365 日、患者さまが急変されるような場合があれば直ぐに駆け つけられるような体制に整えております。高齢化社会を見据え、これから先の在宅医療環境はますます発展して いくことでしょう。訪問診察の先生方やリハビリテーションスタッフとも連携をはかりつつ、安心していただけ る在宅医療の提供に貢献できるよう、これからも惜しみない努力をして参りたいと思います。どうぞよろしく お願いいたします 〒820-0042 福岡県飯塚市本町19-32 【TEL】0948-22-1498【FAX】0948-28-8131 【URL】http://www.kojima-hospital.com