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■ブルーノ・ムナーリについて
002-ムナーリってどんなひと?
006-ムナーリ自らを語る
011-単純にすることは難しい
013-カタログ
047-ムナーリと家族
055-現実においてただ一つ不変のもの
072-ムナーリのビデオアーカイブ?
075-芸術を理解するには
080-「ムナーリについて」という本
081-ブルーノ・ムナーリについて
082-もうひとつ「ブルーノ・ムナーリについて」
094-ムナーリの言葉
096-ムナーリの言葉
100-ウンベルト・エーコ、ムナーリを語る
■ムナーリの本
004-ムナーリのフォーク(本)
008-「GOOD DESIGN」
013-カタログ
014-カタログ-2
015-写真集(1)
017-写真集(2)
019-「円/正方形」
022-「芸術としてのデザイン」
027-「触ってみようの実験室」
029-ムナーリと木(写真集)
038-教育としてのアート
040-ムナーリのSF?
042-「木をかこう」
043-「太陽をかこう」
044-ムナーリと童話(挿絵)
046-「電話のおとぎ話」
050-ゼロックス(ゼログラフィア)
069-イタリア人のジェスチャー
070-イタリア人のジェスチャー
080-「ムナーリについて」という本
081-ブルーノ・ムナーリについて
082-もうひとつ「ブルーノ・ムナーリについて」
■ムナーリの絵本
003-ムナーリの絵本
009-霧の中のサーカス
012-「いっつも不満」
021-ツグミがくちばし失くしたとさ
026-ムナーリの機械
033-ムナーリの絵本
039-読めない本
051-「本に出会う前の本」
062-コッライーニ社のこと
063-コッライーニ社のこと
064-コッライーニ社のこと(
065-コッライー二社のこと
067-緑ずきんちゃん?
068-黄色ずきんちゃん
073-箱の建築(本)
074-「本に出会う前の本」
079-ムナーリの絵本
089-ありました・・・
095-レオ・レオニ
097-「読めない本」を読むサイト
■ムナーリのデザイン
007-ダネーゼの灰皿
008-「GOOD DESIGN」
010-小さなおさるのジジ
016-ムナーリの照明器具(1)
024-ムナーリのスウォッチ
028-ムナーリとカリグラフィー
030-ダネーゼ
032-ムナーリの椅子
035-ムナーリのグラフィック
037-ムナーリのベッド
048-ムナーリのワニ
049-ムナーリのめがね
052-ムナーリの迷路
053-ムナーリのプロダクトデザイン
054-ムナーリの習字(漢字への興味)
057-空気と遊ぼう(2)
058-ムナーリのプロダクト(本棚)
066-ムナーリのジャケットデザイン
073-箱の建築(本)
076-猫のメオ・ロメオ
090-デザインのバリエーション
098-ムナーリの照明器具
■ムナーリのアート
018-役に立たない機械
025-ムナーリのオブジェ
031-イタリア未来派- 1
034-ムナーリのアートワーク
050-ゼロックス(ゼログラフィア)
056-空気と遊ぼう
059-ムナーリのアートワーク(絵画)
060-西暦2000年の化石
061-旅の彫刻
078-ムナーリの石
086-ムナーリのダイレクト・プロジェクション
099-negativo positivo
■ムナーリに関わる人
023-1907年
036-ムナーリと瀧口修造
045-ジャンニ・ロダーリについて
087-ベバ・レステッリさんについて
091-アルベルト・ムナーリ
095-レオ・レオニ
■ムナーリと教育
027-「触ってみようの実験室」
038-教育としてのアート
042-「木をかこう」
043-「太陽をかこう」
071-アートで遊ぶラボラトリー
084-こどもの造形展
085-ムナーリ展のレクチャー
086-ムナーリのダイレクト・プロジェクション
093-国立ブルーノ・ムナーリ美術学校
■ムナーリとこども
044-ムナーリと童話(挿絵)
046-「電話のおとぎ話」
047-ムナーリと家族
051-「本に出会う前の本」
052-ムナーリの迷路
071-アートで遊ぶラボラトリー
084-こどもの造形展
■そのほか
001-ブルーノ・ムナーリけんきゅうかい
020-ミラノ・1900年代?
023-1907年
041-ムナーリのイベント情報
047-ムナーリと家族
054-ムナーリの習字(漢字への興味)
062-コッライーニ社のこと
063-コッライーニ社のこと
064-コッライーニ社のこと(
065-コッライー二社のこと
077-ブルーノ・ムナーリ展はじまったそうです
083-「ブルーノ・ムナーリ」展
084-こどもの造形展
088-ブルーノ・ムナーリ協会
092-「ムナーリを知ろう」
093-国立ブルーノ・ムナーリ美術学校
※カテゴリーによって項目が重複しています
001-ブルーノ・ムナーリけんきゅうかい
2005年0 9月0 2日[あれこれ] [ムナーリ]
イタリアの芸術家+デザイナー+教育者、ブルーノ・ムナーリのことが気になります。昔から気になっていたのですが
、最近むしょうに気になるので「けんきゅうかい」をつくりました。 いろいろしらべて、ムナーリのような面白い
ことができるきっかけになったらいいなあと思います。
002-ムナーリってどんなひと?
2005年0 9月0 3日[ムナーリ]
ブルーノ・ムナーリってどんなひとでしょう? なかなか難しいのです。これが。 とりあえず、生まれたのは1907年
1 0月、生まれた場所はイタリア・ミラノ。亡くなったのは1998年9月。 若い頃イタリアの前衛芸術運動「未来派(
後期)」と関わって「役に立たない機械」を発表します。ひとことでいうとモビールのような作品です。名前の付け
方が秀逸ですね。 その後はアートの活動と絵本の発表と、空間デザイン(噴水とか)と、おもちゃと、工業デザイ
ン(灰皿とか照明器具とか)と、こどもの為の教育活動と、実にいろいろな活動をして、それぞれの仕事で高い評価
を得ています。あやかりたいものです・・・。 特に子供のための造形活動では、イタリア国内だけでなくアメリカ
や日本でもワークショップを開いています。 ムナーリの仕事(作品)についてはおいおい紹介していきましょう。
003-ムナーリの絵本(1)
2005年0 9月0 4日[絵本]
日本ではムナーリというと絵本好きの方に知られているようですね。あとはデザイン関係の人(わたしもそうですが
)。 ムナーリは色々な絵本を作っていますが、そのなかの一冊が「暗い夜に」(nella notte buia,1956)です。
絵だけでお話が進んでいくので自分でお話を考えながら楽しめます。現在もイタリアの出版社から復刻版が出ている
ので購入可。 http://www.corraini.com/ 日本でも河出書房新社から発行されているものがありました。
004-ムナーリのフォーク(本)
2005年0 9月0 5日[デザイン] [絵本]
大好きな一冊です。ふううのフォークを「手」に見たてて、色々ハンドサインをさせた一種の絵本。わたしたちの身
の回りにあるあたりまえの物から「驚き」や「遊び」がデザインできるという好例。輸入デザイン書籍のお店などで
取り扱っていますが、版元はイタリアのコッライーニhttp://www.corraini.com/
005-ムナーリの絵本(2)
2005年0 9月0 6日[絵本]
現在、ブルーノ・ムナーリの作った絵本の殆どはイタリアのコッライーニ社が発行(復刻)しているようです。これ
もコッライーニの一冊。「白ずきんちゃん」というタイトルなのですが、中のページはほとんど真っ白で、物語だけ
が書かれています。「暗い夜に」とは反対に、テキストから絵をイメージして楽しめる絵本ですね。
006-ムナーリ自らを語る
2005年0 9月0 7日 [あれこれ] [ムナーリ]
「1907年の1 0月のある朝、ぼくはミラノの都心にはだかで到着した。それまで、だれもそのことについて相談してく
れなかったので、びっくりした。父は給仕で、母は絹のせんすに刺繍するのが仕事だった。ぼくが6歳のとき、両親
はヴェネト地方の大きな川のそばの小さな村に引越した。ぼくがデザイナーになったのは、この時代のことである。
自分と仲間たちのおもちゃを設計した。 18歳の時、単身ミラノにもどり、後期未来派の人びとと近づきになり、ぼ
くの最初の「役にたたない機械」を展覧会に出品した。『ムナーリは、まじめに芸術と取り組まないで、遊んでいる
』と批評家が言いだし、今でもまだ、よくそういうふうに言われる。・・・」
日本語版の「木を描こう」(至光
社刊)の中にあるムナーリ自身のバイオグラフィーです。ちなみに翻訳者は須賀敦子さん。
007-ダネーゼの灰皿
2005年0 9月0 8日 [デザイン]
ブルーノ・ムナーリは工業デザイナーでもあります。 デザイナーとしてのムナーリは意外なほどシンプルで合理的
なデザインを残していますが、ただ合理的なだけでなく、やはりムナーリでなければ思いつかなかっただろうという
センスが感じられます。イタリアのダネーゼ社の為にデザインした灰皿(cubo)はまさにその典型。ダネーゼはすぐ
れたデザイングッズを世に送り出した後、企業として活動を止めていましたが、近年アルテミデ社のエルネスト・ジ
スモンディによってブランドが復活しました。ムナーリの灰皿も再生産されて日本でも手に入れることが出来ます(
ちなみにムナーリはタバコを吸わなかったそうです)。
008-「GOOD DESIGN」
2005年0 9月0 9日 [デザイン] [絵本]
自然はすばらしいデザイナーである、という視点で、オレンジとエンドウマメについて、大まじめに(まるで工業製
品の説明書のように)解説したマメ本です。「大まじめに」というところがムナーリのユーモアですね。でもムナー
リの言う通り、自然の産物は私たちデザイナーがそれらしい能書きを付けてデザインするモノよりはるかに優れたデ
ザインを無言で提供してくれていることを思い出すべきなのでしょう。本文はイタリア語と英語の併記で、日本国内
でも輸入書籍として販売されています。
009-霧の中のサーカス(絵本- 3)
2005年0 9月1 0日
[絵本]
原題は「ミラノの霧の中で」。ミラノは冬になると霧が深く立ちこめるのです。先日の項で名前が出てきた須賀敦子
さんの本にも「ミラノ・霧の風景」というのがありましたね。絵本では霧の中からだんだんに姿を現す街の様子が描
かれています。日本語版が発行されていましたが現在は絶版。復刻を望む声も多いそうです(イタリア語版はまだ入
手可能)。
010-小さなおさるのジジ
2005年0 9月1 1日 [こども] [デザイン]
1950年にムナーリが作ったおさるの人形です。からだの中に針金が入っているので、色々なポーズを作ってその状態
にしておけるようになっているぬいぐるみ(からだはラバー製)、というかんじでしょうか。このおさるのジジ、プ
ロダクトデザインとして、イタリアのグッドデザイン賞にあたる「黄金のコンパス賞」を受賞しています。賞を選ぶ
側にもセンスがあったのでしょうか。
011-単純にすることは難しい(ムナーリの言葉)
2005年0 9月1 2日 [あれこれ] [ムナーリ]
『(ものごとを)複雑にすることは簡単だ。単純にすることは難しい。複雑にするには、ただ好きなものを付け足し
ていけば良い:色、形、動き、装飾、いろいろなものに満ちた環境。だれでも(ものごとを)複雑にする才能を持っ
ている。ほんの少しの人だけが(ものごとを)単純にする才能に恵まれている。 単純にするためには(なにかを)
取り去らなければならず、取り去るためには何を取り去ればよいか理解しなければならない。 (中略) また、人々
は単純さや本質的なものごとに出会ったとき、思わず「これなら私だって出来る」と言ってしまう。それは、もはや
それを「あたりまえ」に感じてしまうために、単純なものごとに正しい価値を与えることができない人々の反応でも
ある。本当のところ、人々がそのせりふを口にするとき、それは「私にも真似できる」か「やろうと思った(がやら
なかった)」という意味でしかない。』 ・・・ムナーリの言葉です(省略部分を含む内容は http://www.fdl-it
alform.net/brunomunarilabo/munarisaid.html に。)
012-「いっつも不満」(絵本- 4)
2005年0 9月1 3日 [こども] [絵本]
タイトルは勝手に訳してしまいました。原題を直訳すると「満足することがない」なんですが。いろいろな動物たち
が、いまの自分と違う自分になりたくてぶつぶつ言っている、ちょっと不機嫌でかわいい絵本です。コッライーニ社
から(イタリア語)。
013-カタログ
2005年0 9月1 4日 [あれこれ] [ムナーリ]
日本で最初のムナーリの展覧会は、シュルレアリスト・瀧口修造の尽力により1965年新宿・伊勢丹でひらかれたもの
だと思います。以来なんどか日本でも大きな展覧会が開かれてきたようですが、比較的最近のムナーリ展で、カタロ
グがまだ手には入るものがありました。南諏訪にある小海町高原美術館での企画展(2001)です。ちなみに小海町高
原美術館の建物は安藤忠雄設計、ちょっと不便なリゾート地にひっそり建っていますが、面白いところです。詳しく
は http://www.koumi-town.jp/museum/ まで。 なおカタログは1,200円、郵便でのカタログ購入もできるそうで
す。
014-カタログ-2
2005年0 9月1 5日 [あれこれ] [ムナーリ]
大学の図書館で見つけてきた、イタリアのエレクタ社から発行されたムナーリ展のカタログです。巻頭言によると、
ムナーリの仕事を全体として集めた展覧会はイタリアでは1986年までなかったとムナーリ自身が語っていて、ちょっ
と意外でした。 それほど古い本ではないのですが、イタリアでもこのカタログを見かける機会がなかったので、絶
版になっているのかもしれません。
015-写真集(1)
2005年0 9月1 6日 [アート] [こども]
これはムナーリの本と言うより、エンツォ・アルノーネという写真家が撮った写真集ですね。ただし写真にそれぞれ
ムナーリが詩のような、わらべうたのような、フレーズを添えています。テキストはイタリア語の他英語とフランス
語も併記。子供の写真がすてきな一冊です。コッライーニ社から。
016-ムナーリの照明器具(1)
2005年0 9月1 7日 [デザイン]
ムナーリのデザインした照明器具としては最も有名なものではないでしょうか。ストッキングのよう伸縮性の布をセ
ードにして、間に付けられたリングの重さで全体が伸びて竹のようなシルエットを作ります。現在も製品として購入
可能。
017-写真集(2)
2005年0 9月1 8日 [アート]
本のタイトルは「びっくりへの方角」とでも言うのでしょうか。(原題はDIREZIONE DORPRESA) マリオ・デ・ビ
アシという写真家が世界中で撮影した「矢印」と「方向指示の看板」を集めた写真集です。ところどころにムナーリ
の書いた詩のようなフレーズがあります。こうしてみると、ムナーリは文字通り「詩人:詩を書く人」でもあったん
ですね。本のテキストはイタリア語です。
018-役に立たない機械
2005年0 9月1 9日 [アート]
ムナーリが1934年に作った「役にたたない機械」のひとつです。風で動く一種の彫刻?現在ではモビールと呼ばれる
タイプのオブジェですが、マルセル・デュシャンが「モビール」という呼び方を、この分野の第一人者カルダーの作
品(ちなみにカルダーの作品はモーター駆動)に対してしたのが1932年だそうですから、ほとんど同時代の出来事で
すね。
019-「円/正方形」
2005年0 9月2 0日 [アート]
1971年に美術出版社から発行された二冊セットの正方形の本です。一冊ずつ「円」と「正方形」に関する古今のさま
ざまなことがらが集められ、解説されています。アイディアの宝庫というか、一種の(本当の意味での?)「トリビ
ア:雑知識の泉」という感じの二冊です。 もともとイタリアで3000部限定の本として発行され、後に英語版も出た
そうですが、日本語版も含め、いまでは入手は難しいのではないでしょうか。
020-ミラノ・1900年代?
2005年0 9月2 1日 [あれこれ] [ムナーリ]
ブルーノ・ムナーリは1907年にイタリア北部の大都市・ミラノに生まれました。そのころのミラノの中心・大聖堂(
ドゥオーモ)広場の写真を見つけましたが、こうしてみると今とあまり変わりませんね。人々の暮らしぶりが見える
写真も探してみようと思います。ちなみに日本では明治4 0年でした。
021-ツグミがくちばし失くしたとさ(絵本5)
2005年0 9月2 2日 [こども] [絵本]
原題は「Il merlo ha perso il becco」。小柄な鳥で、イタリアでは町中でも見かけるメルロというのは日本で
いうツグミのことだそうです。マザー・グースのわらべ歌のような調子でお話が書かれていますが、かわいそうなツ
グミはくちばしどころか体のあっちこっちがなくなってしまいます。透明なフィルムを使った楽しい絵本です。コッ
ライーニ社から(イタリア語)。
022-「芸術としてのデザイン」
2005年0 9月2 3日 [アート] [デザイン]
原題は「Arte come mestiere」(職業としてのアート)。ムナーリがイタリアの新聞に連載したデザインとアート
に関するテキストをまとめたものだそうです。邦訳があり、表題のタイトルで今でも買うことが出来ます(ダヴィッ
ド社・1500円)。デザイン・エッセイ(日本でもこういうスタイルのデザイン本が最近多くなりました)風の読み物
ですが、何気ない文章の中に鋭い洞察が隠されています。
023-1907年
2005年0 9月2 4日 [あれこれ]
ちょっと脱線して、ブルーノ・ムナーリが生まれた1907年という年について調べてみました。 同じ年に生まれた著
名人には、メキシコの偉大な芸術家フリーダ・カーロがいます。イギリスの俳優ローレンス・オリヴィエも1907年の
生まれ。日本では湯川秀樹博士、そしてなぜか淡谷のり子。 ちなみにイタリアでは経済恐慌のまっただ中であった
ということです。この時期、伊藤博文も夏目漱石も現役(伊藤博文は朝鮮支配を進行中、漱石は朝日新聞社へ入社)
だったんですね。100年という月日は短いのでしょうか、長いのでしょうか。
024-ムナーリのスウォッチ
2005年0 9月2 5日 [デザイン]
一時ほどではありませんが、今なお人気の根強いスウォッチ。ムナーリがデザインしたモデル「フリータイム」です
。1994年から9 7年にかけて製造されていたようです。「時計の文字盤から数字を開放した」本当にシンプルなアイデ
ィアなのですが、ムナーリらしいデザインという気がします。
025-ムナーリのオブジェ
2005年0 9月2 6日 [アート]
「刷毛のお嬢さん」(La Pennellessa)という名前のオブジェです。まあ、説明の必要はないですね。シンプルで
、面白い。でも美術評論家が文句をつけそうです「ムナーリは芸術で遊んでいる」。 誰もが見て「こういうアイデ
ィアがあったか」「これなら自分にだってできる」というようなシンプルなアイディアこそ知性なくしては生まれな
い、とムナーリは言っています。
026-ムナーリの機械
2005年0 9月2 7日 [デザイン] [絵本]
原題は「Le macchine di Munari」(ムナーリの機械たち)。日本では「ナンセンスの機械」というタイトルで出
版されましたが現在は絶版のようです。「風が吹くと桶屋が・・・?」ではありませんが、色々なものが組み合わさ
ってある動きを実現する、という機械のような機械でないようなアイディアの絵本です。見方によってはNHKの「ピ
タゴラスイッチ」に似ているかも。イタリア語版は入手可能です(コッライーニ社)。
027-「触ってみようの実験室」(本)
2005年0 9月2 8日 [こども] [教育]
原題は「Laboratori tattili」(色々な触覚の実験室)。見る、ということだけでなく、触る、ということから子
供がいかに沢山の、大切なことを学ぶか、ということを説きながら、ムナーリが実際におこなった子供のためのワー
クショップについて説明した内容です(イタリア語)。
028-ムナーリとカリグラフィー
2005年0 9月2 9日 [アート]
ムナーリは日本に何度か訪れていますし、日本の事物に深い興味をもっていたようです。また、カリグラフィー(習
字)や漢字のような表意文字にもたびたび触れ、いくつもの作品を残しています。とくにムナーリは「木」という字
がお気に入りだったようですね。画像はムナーリが書いた「木」の文字(銀座グラフィックギャラリー発行「ブルー
ノ・ムナーリ」の表紙から)です。
029-ムナーリと木(写真集)
2005年0 9月3 0日 [アート]
ムナーリは色々な形で「木」について語っています。前に紹介したマリオ・デ・ビアシという写真家とのコラボレー
ションで「木の物語」(il romanzo del legno:イタリア語版)という写真集も出しています。ムナーリは自然界
の様々な現象に興味を持っていたと思いますが、とりわけ樹木から多くの啓発を受けていた、と考えられはしないで
しょうか?
030-ダネーゼ
2005年1 0月0 1日 [デザイン]
イタリアの「伝説的な」企業・ダネーゼとムナーリの関係は有名です。ダネーゼの前オーナー、ブルーノ・ダネーゼ
(こちらもブルーノさんですね)とムナーリの出会いについてはいろいろなところで語られているので詳しくは紹介
しませんが、ダネーゼにとって特にムナーリとエンツォ・マリという二人のデザイナーは特別な存在でした。現在ダ
ネーゼのブランドは十数年ぶりに復活、絶版になっていた過去のプロダクトも再生産されています。日本での取り扱
いはクワノ・トレーディングなど。 http://www.kuwano-trading.com/
031-イタリア未来派-1
2005年1 0月0 2日 [アート] [ムナーリ]
ムナーリが若き日に関わった「未来派」とはなんでしょうか。ちょっと調べてみました。「未来派」というのは二十
世紀初頭のアバンギャルド芸術運動の一つで、中心人物はマリネッティというイタリアの詩人・小説家です。1909年
。マリネッティの発表した宣言から始まったと言われています。未来派は新しい芸術のキーワードとしてスピードや
機械文明を支持しています。乱暴な言い方をすると「近代主義(モダニズム)」の一つの形だったのではないでしょ
うか。未来派の一部が「国家としてのイタリアの発展を掲げた」ファシズムに接近したところといい、イタリアの近
代建築における合理主義運動と似ていますね。ムナーリは1940年代後半(マリネッティの晩年から死後?)未来派に
関わったようです(この稿つづく?)。
032-ムナーリの椅子
2005年1 0月0 3日 [デザイン]
「思いっきり短時間の来客のための椅子」という長い名前の椅子です。座面がものすごい角度で前傾しているのでほ
とんど座れないところがミソで、要するに座る間もない位短時間の来客用(早く帰れ。ということ?)というユーモ
ア(アイロニー)たっぷりのデザインです。ザノッタというイタリアの名門デザイン家具メーカーから1945年に発売
されました。1 0年ほど前にこの会社の工場を見学したときショールームにあったのが強く印象に残っています。ちな
みに現在もザノッタ社のウェブサイトに紹介されていますが、もしかして今でも生産しているのでしょうか?
033-ムナーリの絵本(6)
2005年1 0月0 4日
「お話のお話」(La favola delle favole)という絵本です。この絵本、製本されていません。ページがバラバラ
になるので、自分でページを入れ替えることで違ったお話の絵本が作れるという仕掛けです。ムナーリらしい、本の
形式(約束事)を飛び越えたアイディアの一冊です。日本でも輸入洋書取り扱い書店などで見かけることがあります
(テキストはイタリア語・英語・フランス語)。
034-ムナーリのアートワーク
2005年1 0月0 5日 [アート]
MIURAさんからムナーリのアートワークの画像を頂きました。「灰色の物質の中の 飛行」というタイトルだそうです
。いつごろの作品でしょうか?分かったらあらためてご紹介します。MIURAさん有り難う。
035-ムナーリのグラフィック
2005年1 0月0 6日 [デザイン]
こちらの仕事柄か、ムナーリというと立体(工業)デザインと絵本の印象が強いのですが、ムナーリはグラフィック
デザイナーとして多くの仕事を残しています。おそらく工業デザイナーとしてより、グラフィックデザイナーとして
の仕事の方が多かったのではないでしょうか? ご紹介した画像は1935年(ムナーリ2 6歳?)の雑誌「L'ALA D'ITA
LIA」(イタリアの翼)表紙のデザインです。
036-ムナーリと瀧口修造
2005年1 0月0 7日 [アート]
1965年に日本で初めて開かれたブルーノ・ムナーリ展の開催に尽力したのは瀧口修造でした。瀧口は1903年生まれ
、詩人西脇順三郎の影響を受けながら、まず詩人として、そして美術評論家として戦前戦後の前衛芸術全般に関わっ
た人です(1979年没)。ムナーリのほかにもアンドレ・ブルトン、マン・レイらと親しく交流して作品を共作したり
、自身も自動筆記などの手法でアートワークを残していますから、ムナーリと興味・活動の仕方が似ていたのではな
いかと思います。日本で発行されたムナーリの本の巻頭にムナーリ自身「瀧口の思い出に」と献辞を記していますか
ら、二人の芸術家の間に深い友情があったことと想像できます。
037-ムナーリのベッド
2005年1 0月0 8日 [デザイン]
1971年にムナーリがデザインしたベッド、というかシステム家具です。鋼線を格子状にくんだパネルを組み合わせて
家具にするという、今ではおなじみのユニット家具のはしりですね。パネルの組み替えでいろいろなバリエーション
が可能だそうです。ムナーリは「子供たちのためのベッド&勉強スペース」として考えたようです。
038-教育としてのアート
2005年1 0月0 9日 [アート] [教育]
ブルーノ・ムナーリは子供のための造形ワークショップを各地(イタリア国内だけでなく、アメリカ、日本などでも
)で行ってきましたが、イタリア中北部の町ファエンツァではムナーリが始めたパーマネントな子供のためのワーク
ショップがあります。ファエンツァという町は昔から陶器の産地として知られているところなので、ワークショップ
では粘土を使った造形が中心だったようですが、ムナーリの死後にファエンツァで開かれた、このワークショップに
関する講演会をまとめた本が今回ご紹介する「教育としてのアート(arte come didattica)」です。中にはジュ
ネーブ大学で教鞭を執っているらしいムナーリの子息アルベルト・ムナーリ(専門は教育心理)のコメントなども出
ています。(イタリア語版)
039-読めない本(絵本- 6)
2005年1 0月1 0日 [アート] [絵本]
ムナーリのデザインした絵本のスタイルの中で何度か形を変えて現れるアイディアに「字のない絵本」がありますが
、この「読めない本」は字だけでなく絵もありません。いろいろな色の紙がちょっとずつ違う切り欠きを加えられて
とじられています。ムナーリの本作りのアイディアの中には「本という立体造形物そのものをデザインする」という
発想があるのですね。見る人、見るときによって違った読み方が出来る「読めない本」にはいくつかのバリエーショ
ンがあります。
040-ムナーリのSF?
2005年1 0月1 1日 [あれこれ] [絵本]
めずらしい本を発見しました(といって入手したわけではないですが)。6 0年代にムナーリが挿絵を描いたという「
月面の男たち」(原題:Uomini sulla luna)というソノラマシート付き絵本があったそうです。この本は企画も
挿絵もムナーリがやったそうで、「ビル・ベンチューラ(なんだかイタリア系アメリカ人のような名前)」というヒ
ーローが活躍するみたいです。
041-ムナーリのイベント情報
2005年1 0月1 2日 [あれこれ] [こども]
東京で近々ムナーリの展覧会とイベントがあるようです。「ブルーノ・ムナーリ もっと豊かに もっと自由に」と
題して、場所は過去ムナーリ自身も訪れたことのある東京・青山の「こどもの城」、期間は2005年1 1月1 5日から1 2
月1 8日(月曜休館)です。ムナーリの作品展示の他、子供を対象にした「木を作ろう」のワークショップやレクチャ
ー、セミナーもあるそうです。 詳しくは http://www.kodomono-shiro.or.jp/event/munari/index.html
042-「木をかこう」(本)
2005年1 0月1 3日 [教育] [絵本]
これは絵本なのですが、ちょっと大きな子供向けかもしれません。木のなりたちを考えながら、自分たちで木をいろ
いろなやりかたで表現してみよう、というムナーリから子供たちへのメッセージ、というか手ほどき(ヒント?)の
本です。日本語版が至光社というところから出ています(イタリア語版はおなじみコッライーニ社)。同じシリーズ
で「太陽をかこう」という本もあります。どちらも翻訳は「ミラノ霧の風景」「コルシア書店の仲間たち」などで知
られる須賀敦子さんです。須賀さん自身6 0年代から7 0年代のミラノに暮らしていた方ですが、果たしてミラノでムナ
ーリとの接点はあったのでしょうか・・・。
043-「太陽をかこう」(本)
2005年1 0月1 4日 [教育] [絵本]
「木をかこう」の姉妹本です。お日様というと○に放射線を描きがちですが、実物がそうなっているわけではないで
すね。そうそう、日本人はお日様の色を赤色と考えがちですが、欧米人は黄色ととらえている、というのも有名な話
。ちょっと脱線しましたが、この本も須賀敦子さんの翻訳です。
044-ムナーリと童話(挿絵)
2005年1 0月1 5日 [こども] [デザイン]
ブルーノ・ムナーリはグラフィックデザインの分野でも活躍していますが、ムナーリ自身の興味でもある子供に関わ
る本のデザインにもいろいろな仕事がありました。ジャンニ・ロダーリ(1920-1980)はイタリアの子供たちがだれ
でも一度は読むというくらい「定番」な、子供のための物語の作家ですが、彼の代表的な童話集のいくつかについて
ムナーリが表紙を手がけています。今回ご紹介しているのは「間違いの本(il libro degli errori)」の表紙。
困ったネコの顔がかわいいですね。
045-ジャンニ・ロダーリについて
2005年1 0月1 6日 [あれこれ] [こども]
前回ご紹介したイタリアの童話作家ジャンニ・ロダーリについてちょっと調べてみました。ロダーリは1920年1 0月2
3日生まれ。第二次世界大戦中はイタリア共産党のレジスタンスとしてファシズムに対する抵抗活動へ身を投じてい
ます。 戦後新聞記者となったロダーリはミラノの新聞社で記者として活躍、6 0年代になって子供のための童話を出
版するようになりました。彼がエイナウディ社から出した最初の子供のための本「Filastrocca in cielo ed in
terra(空と大地のわらべうた)」(1959)の表紙をムナーリが手がけています。 ロダーリの代表作は6 0年代前半
に集中しているようで、その後は体調の問題もあってかつてのような童話作品はあまり残していないようです。 蛇
足になりますが、戦後のイタリアをリードした知識人、文筆家の多くは当時の共産思想(コミュニズム)に共鳴して
いました。ファシズム国家だったイタリアがなかば内戦状態を経て自らムッソリーニを逮捕(処刑)するまでの抵抗
運動に、共産主義が大きな力を与えたこともその理由の一つですが、日本の戦後と重ね合わせてみるといろいろな相
違点があるようですね。 http://www.giannirodari.it (イタリア語)
046-「電話のおとぎ話(Favole al telefono)」
2005年1 0月1 7日 [あれこれ] [こども]
ムナーリが手がけたジャンニ・ロダーリの装丁の続きです(あまり数が多くなさそうなので一気に紹介します)。「
電話のおとぎ話(Favole al telefono)」はおそらくロダーリの代表作といって良い一冊です。ちなみに私は十数
年前イタリア語の授業で、中の一編を翻訳しましたが、とても楽しい作業でした。「おとぎ話を聞かないと眠れない
息子のために父親が毎晩出張先から短いお話を聞かせてあげる」という設定で、短いお話が沢山入っています(なに
しろ昔は電話代が高かったので・・・)。
047-ムナーリと家族
2005年1 0月1 8日 [あれこれ] [こども]
ロダーリからちょっとずれますが、ムナーリが子供のための本を作るようになったのはやはり自分の息子のためだっ
たようです。ムナーリにはディルマ夫人との間に生まれた(1940-)アルベルトという息子さんがいますが、あるム
ナーリのバイオグラフィーを調べてみると1945年に子供のための本を出版(モンダドーリ社)しているということで
す。一説によるとムナーリの親子関係は必ずしも円満ではなかったというのですが、実際はどうだったのでしょうか
。
048-ムナーリのワニ
2005年1 0月1 9日
[デザイン]
ムナーリは「おさるのジジ」や「ネコのメオ・ロメオ」などいくつか人形をデザインしていますが、ワニもデザイン
していたことが判明しました!プロトタイプのみだったようですが、スポンジのピンクのワニです・・・。詳細は不
明。こどものワークショップのためのデザインかもしれません。
049-ムナーリのめがね
2005年1 0月2 0日 [アート] [デザイン]
ムナーリが5 0年代に作った(デザインした)めがね(サングラス?)です。プロダクトではありませんが、一枚のシ
ートから出来ており、大量生産が可能です。実際ミラノで大学生を対象にしたイベントの際、大量に作って学生たち
にかけさせたという話があります。エスキモーのサングラスに似ています。今度自分で作ってみようと思います。
050-ゼロックス(ゼログラフィア)
2005年1 0月2 1日 [アート]
ゼロックスは商標ですが、海外だと「コピー(コピー機とかコピーするとか)」の代名詞です。コピーというのは「
同じものを複写する」ためのものですが、ムナーリは「一枚ずつ違うゼロックス」というワークショップを考え出し
ました。 コピー機の上に複写する画像を置いて、スイッチを押したら機械が動くと同時にオリジナルの画像を自由
に動かす、それだけのことで世界に一枚しかない「コピー」が出来ます。 役に立たない?それよりも大切な何かが
このアイディアに隠れていませんか・・・?
051-「本に出会う前の本(i prelibri)」
2005年1 0月2 2日 [こども] [絵本]
小さな(1 0センチ角)の本が1 2種類セットになっています。この本にも絵や文字はありません。いろいろな色、素材
で作られた小さな本たちです。小さな子供がお話の書いてある(あるいは絵の描いてある)本を読み始める前に、色
や手触りを確かめながらあそぶ絵本、ということでしょう。1979年にダネーゼから発売され、現在はコッライーニ社
から復刻されています。日本でも輸入されているので手にはいると思います。大人が読んでも(?)楽しい本たちで
す。
052-ムナーリの迷路
2005年1 0月2 3日 [こども] [デザイン]
こどものためのおもちゃ、というか教育玩具というか、グリッド状に溝がほどこされたパネルに小さなカードをはめ
ていくことで、自由に迷路を造って遊べるというものです。なんだか展示会のパネルブースみたいに見えるのは職業
病でしょうか・・・。パーテーションになるカードにはいろいろな模様が印刷されているので、組み合わせによって
石垣になったり家になったりします。1973年にダネーゼから発売されました。
053-ムナーリのプロダクトデザイン
2005年1 0月2 4日 [デザイン]
ムナーリが1972年にデザインしたワゴンテーブル(Biplano Cubo)です。テーブル面のパネルとフレームは分解し
てコンパクトにできる構造になっています。シンプルなデザインで、いまでも全くデザインの古さが感じられないで
すね。まさに「単純にすることはむずかしい」という好例です。
054-ムナーリの習字(漢字への興味)
2005年1 0月2 5日 [アート] [デザイン]
ムナーリは樹木というものに強い興味を持っていたようで、「木をつくろう」「樹木の物語(romanzo di legno)
」のような本だけでなくいろいろな形で木をモチーフにした仕事をのこしています。また、1960年に初めて訪れた日
本にも強い興味を持ち続けていたのでしょう、ムナーリのスタジオには日本のオブジェ(数度の来日の際に持ち帰っ
たもの?)が沢山あったと聞いています。さらにムナーリはグラフィックデザイナーでもあったわけですが、それら
すべての興味が交差したところに、この「木」のカリグラフィー(習字の作品)が生まれたのではないでしょうか。
055-現実においてただ一つ不変のもの
2005年1 0月2 6日 [あれこれ] [ムナーリ]
「現実においてただ一つ不変のものとは、変化することだ」("L'unica costante della realtà è la mutazione")
とムナーリは語っています。変化し続けることが自然の摂理であり、それをいかに受け入れながら豊かに生きるべき
か。「残念なことに、多くの人は上手に年をとると言うことができないでいる。少しでも若く見られようと振る舞う
ことは無意味なのに。9 0歳になってもなお闊達に生きた建築家ル・コルビュジェや画家ティツィアーノのように生き
ることだってできる筈なのに」「問題は現実とは変化し続けること。現実とともに自分も変化し続けることができれ
ば・・・」まさに現代的なテーマですね。
056-空気と遊ぼう
2005年1 0月2 7日 [アート] [デザイン]
若きムナーリが発表した「役に立たない機械」は空中で風にゆれるオブジェ(モビール)でしたが、その他にもムナ
ーリは空気を意識した作品をいくつかデザインしています。昨日ご紹介した「空気の機械」も一種のモビールですし
、金属のメッシュを立体的にひねって作った不思議な造形(concavo-convesso,1950)などもムナーリの代表作の
一つとしてよく紹介されています。「空気だって目に見えるようにすれば遊び道具になる」(Anche con l'aria si p
u� giocare se si riesce a vederla)とムナーリは言ったそうです。
057-空気と遊ぼう(2)
2005年1 0月2 8日 [アート] [デザイン]
昨日ご紹介した写真の中でムナーリが空気と遊ぶために作った、「concavi-convessi(凹凸)」の作り方メモを見
つけました。blogの写真では小さくてわかりにくいかもしれませんが、要するに正方形のメッシュを用意し、四隅の
角を左上から逆時計回りにA,A',B,Cとします。さらに下辺のA-B間の2/3の位置にB 'を、B 'から右斜め上の面上にC '
を決めて、A-A',B-B',C-C'をくっつけるようにしてねじればできあがり。実際に試してみないとこの説明でよいの
か自信がありませんが、お試しください・・・。
058-ムナーリのプロダクト(本棚)
2005年1 0月2 9日
[デザイン]
ムナーリが1979年にデザインしたメタルの吊り下げ式本棚です。「ムナーリデザイン」といわれなければほとんどそ
れとはわかりません。合理的なデザインですが、なんだか今時のホームセンターで売っていそうです。個性的な仕事
と、アノニマスなデザインを両方ともにこなすにはどんな工夫があったのでしょうか・・・。
059-ムナーリのアートワーク(絵画)
2005年1 0月3 0日 [アート]
以前「灰色の物質の中の飛行」というタイトルの絵をmiuraさんに紹介して頂きましたが、別の絵を見つけました。1
974年の作品ということなのでムナーリ4 0歳の時のものですね。タイトルは不明ですが、見方によっては「睡蓮」を
連想させるような、なかなか素敵な抽象画に見えます。
060-西暦2000年の化石
2005年1 0月3 1日 [アート]
ムナーリが1996年に(それ以前1959年にも)作ったオブジェです。「現代の事物が化石になったとしたら」という
ことでしょうか、アクリルの中に電子部品が封入されています。示唆に富んだオブジェ、というべきでしょう。
061-旅の彫刻
2005年1 1月0 1日 [アート]
1950年の作品だそうです。折り紙のような金属の小さな彫刻ですが、これは旅先へ持っていくためのもので、なぜな
ら「旅先の宿というものは自分の普段の生活:日常の道具から切り離された寂しさがある。ならば自分の見知った、
なじんだオブジェを旅先にも飾ることで、旅愁を癒すことができるかもしれない」というコンセプトだそうです。
062-コッライーニ社のこと
2005年1 1月0 2日 [あれこれ] [絵本]
今年の春イタリアへ仕事で戻ったときに、ムナーリの絵本などを数多く出版しているコッライーニ社を訪ねました。
コッライーニ社のことは昔から知っていたわけではなく、昨年日本でムナーリについてコッライーニさんの講演があ
ったので詳しく知ったのですが。コッライーニ社は北イタリアのマントヴァという町にあります。小さな静かな町で
すがとても歴史のある美しい町です。オペラ好きの方なら「リゴレット」の舞台と言えばご存じかもしれません。
063-コッライーニ社のこと(2)
2005年1 1月0 3日 [あれこれ] [絵本]
マウリツィオ・コッライーニ社(Maurizio Corraini Srl)1973年にマウリツィオ氏とマルツィア夫人によって設
立されました。ブルーノ・ムナーリだけでなく、エンツォ・マリなどのデザイナーによる絵本、また絵本作家による
本の出版(絵本以外の本も出版しています)のほか、コンテンポラリーアートの企画展示販売、ムナーリが企画した
ワークショップの継承など、イタリア国内だけでなく国外(アメリカ、日本など)でも活発におこない、また世界各
地の絵本フェア(見本市)にも出展しているそうです。立体デザインの分野にはあまり関わりがないせいか、これま
でよく知らなかったのですが、日本でも絵本作家・デザイナーや絵本の好きな方はよくご存じのようですね。毎年イ
タリア・ボローニャで開かれる国際絵本見本市に日本からコッライーニ社を訪ねて来る方も多いそうです。ミラノで
知り合った絵本作家の木野鳥乎さんもコッライーニ社とは長年親しくされているそうで、そういえば日本の作家の本
も出版していると聞きました。
064-コッライーニ社のこと(3)
2005年1 1月0 4日 [あれこれ] [絵本]
コッライーニ社はマントヴァの町の中心から5分くらいの(まあ、1 5分 2 0分で町の中心からはじっこまで行かれる
ほどの大きさの町なんですが)古い建物の中にあります。歴史的な建物らしく、中にはいると高い天井と壁にはフレ
スコ画が。イタリアでは数百年の歴史を持った建物を一定の基準で維持修復しながら日常の生活や仕事に使っている
わけですが、陣内秀信先生の著書にもあるように、古い建物と現代の暮らしの組み合わせ方が上手です。世界中に出
版物を送り出しているといっても、小さな町の小さなギャラリー兼出版社、ということでスタッフも地元の人たち、
いたってアットホームで、しかしクオリティのある本作りをして世界中を相手に取引をしているというのは素敵な仕
事の仕方だと思いました。コッライーニ社では日本で会ったマルツィアさんと小一時間ほどお話をし、ムナーリの本
だけでなくギャラリーにあったガラスの作品などを購入して来ました。コッライーニ社では今後もムナーリ関係の本
の復刻や新刊が予定されているようです。
065-コッライー二社のこと(4)
2005年1 1月0 5日 [あれこれ] [絵本]
コッライーニ社の絵本などを購入するにはいくつかの方法がありますが、一番簡単なのは日本でコッライーニ社の絵
本を販売している本屋さんの店頭で買う、ただしこれにはそれなりの手数料が価格に上乗せされていると思います。
近くの本屋さんでは見つけられない場合、クワノトレーディングという会社のサイトで注文する方法があります。 http://www.kuwano-trading.com/ さらに、自分で直接注文することも可能です。 http://www.corraini.co
m / サイトには英語のページもあります。支払いはクレジットカード(VISA,Master)が使えるそうですが、直接注
文の場合は輸入手数料がかからない代わりに郵送費用がかかります。あらかじめ送料の見積もりをしてくれるそうな
ので確かめてみるとよいでしょう。
066-ムナーリのジャケットデザイン
2005年1 1月0 6日 [デザイン]
ムナーリがジャケットのデザインをしたレコードがあるそうです。1955年、Arthur Rubinstein演奏による「ショ
パン・ノクターン」(紹介している画像のレコード)がそれです。ほかにもブラームスのレコードなどデザインして
いる由。もっともジャケットのデザインと演奏には関係はないのですが、グラフィックデザイナーとしてのムナーリ
の仕事のひとつ、ということでしょうか。
067-緑ずきんちゃん?
2005年1 1月0 7日 [絵本]
以前「白ずきんちゃん(cappuccetto bianco)」という絵本をご紹介しました(現在もコッライーニ社で刊行)が
、ムナーリはほかにも「緑ずきんちゃん(cappuccetto verde)」の絵本を書いていたようです。イタリアでも現
在入手が難しいようで、内容はよくわかりませんが、やっぱり「赤ずきんちゃん」のお話がベースになっているので
しょう。
068-黄色ずきんちゃん
2005年1 1月0 8日 [絵本]
ええと、実はムナーリの絵本で、「白ずきんちゃん」「緑ずきんちゃん」だけではなく、「黄色ずきんちゃん」の絵
本もありました。これで「赤ずきんちゃん」もそろうとなんだかレンジャーみたいな・・・。
069-イタリア人のジェスチャー(本)
2005年1 1月0 9日 [あれこれ]
イタリア人のジェスチャーが大きいことは有名ですが、ムナーリはポピュラーなボディランゲージ(おもに手を使っ
たジェスチャー)を集めて辞書?を作りました。 ご紹介している写真は英語版で、amazonで取り扱っているようで
すhttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0811847748/qid=1131534206/sr=1-5/ref=sr_1_10_5/2505714993-4857869 が、イタリアで本屋さんに並んでいるadnkronos社版にはちゃんと日本語でも説明が書かれてい
ます。英語版は持っていないのですが、イタリア語版同様に日本語表記があるのでしょうか? ちなみに英語版の表
紙の手つき(ジェスチャー)は「何が言いたいんだ?」という時などによく使います。
070-イタリア人のジェスチャー(本)
2005年1 1月1 0日 [あれこれ]
この本(「GESTI」)は実は床本(元になった本)があります。1832年に発行された「ナポリ人の身振りに関する過
去の諸研究に基づくジェスチャー集」という、当時の聖職者がプロシア(ドイツ)の皇太子に献じた本だそうです。
ムナーリが編んだ本で紹介されているのは現代に生きているジェスチャーばかりですが、今も昔もイタリア人の個性
は変わらない、ということでしょうか。
071-アートで遊ぶラボラトリー
2005年1 1月1 1日 [こども] [教育]
以前ご紹介したムナーリのワークショップについての講演集をまとめたイタリア・ファエンツァのラボ(実験室/ワ
ークショップ)の記述によると、ムナーリは「人はそれぞれ自分の知っている:出来ることをする。また創造性や想
像力は記憶と密接な関係があるが、さて子供たちがより多くのことを覚えられるようにするにはどうすればいいか?
知識の広がりはクリエイティブな学習に大きな影響を受けることが知られているが、ならば遊びこそ記憶を豊かに育
てる良い条件になるのではないだろうか」("...Se siamo d'accordo che ognuno fa quello che sa, e che la fanta
sia e la creatività operano sulla memoria, il problema che segue è come il far memorizzare ai bambini il
massimo dei dati, visto che l'allargamento della conoscenza favorisce le facoltà creative. Pare che il gio
co sia la condizione ottimale per memorizzare qualcosa...".)と語り、実際に子供たちのための創造的なワーク
ショップを始めました。私たち(特に日本人、特に大人)は「遊ぶ」と「学ぶ」を反対語のように考えてしまいがち
ですが、これは「遊び」を創造的でなく、俗な欲求を満たす行為と勘違いしているからかもしれません。創造的なこ
とをするのが「遊び」なら、(本物の)デザイナーは「遊び人」ですね・・・
072-ムナーリのビデオアーカイブ?
2005年1 1月1 2日
[あれこれ] [ムナーリ]
インターネットでムナーリについて検索しているうちに、ムナーリが生まれ、暮らしたイタリア・ミラノの行政機関
(文化関係部門)のサイトにムナーリのビデオがあるらしいと言うことが分かりました。「ミラノの人々(gente d
i Milano)」という、ミラノ在住の文化人にインタビューしたビデオアーカイブのようですが、その中にムナーリ
の記録が紹介されています。一応、現在問い合わせ中ですが、はたして日本でこのビデオを入手する(あるいは見る
だけでも)ことができるかどうか・・・? 「ミラノの人々(gente di Milano)」のサイトはこちら(イタリア語
) http://temi.provincia.milano.it/cultura/medialogo/gentedimilano_munari.html
073-箱の建築(本)
2005年1 1月1 3日 [デザイン] [絵本]
箱をレンガかブロックのように(あるいはレゴのように?)使っていろいろな建築を作ってみよう、という「取扱説
明書」のような豆本(絵本?)です。ユニットの箱にはAからGまでの基本形があって、紹介されている建物はすべて
その組み合わせで出来るようになっています(必要なユニットの数はまちまち)。幼稚園や小学校で段ボール箱を使
ってお城を作って遊んだ記憶がよみがえります。コッライーニ社から(解説は英語とイタリア語)。
074-「本に出会う前の本(i prelibri)」
2005年1 1月1 4日 [こども] [絵本]
すでにご紹介したことのある「本に出会う前の本(i prelibri)」ですが、実はじむきょくはこれを持っていませ
ん(結構良いお値段なのです)。親しいデザイナーがムナーリの本やプロダクトを沢山持っていて見せてもらってい
るので「まあいいか」ということで。先日ネットを見ていたところ、1 2冊の「本に出会う前の本」の体裁を個別に紹
介しているページがあったのでご紹介します。 http://www.utrecht.jp/special/special21.php ユトレヒトと
いうウェブブックショップのページです。
075-芸術を理解するには(ムナーリの言葉)
2005年1 1月1 5日 [あれこれ] [ムナーリ]
「芸術作品を理解するときの最大の障害は、「分かりたい」という欲求である」(il piu' gramde ostacolo alla con
prensione di un' opera d'arte e' quello di "voler" capire.)
076-猫のメオ・ロメオ
2005年1 1月1 6日 [デザイン]
ムナーリが「お猿のジジ」という人形をデザインして「黄金のコンパス賞」を受けていることはすでにご紹介したか
と思いますが、同じような構造の「猫のメオ・ロメオ」という人形もあります。タイヤで有名なピレッリ社から1953
年に発表され、翌1954年の「黄金のコンパス賞」を受賞。ちなみにジジの方は復刻されていますが猫のメオ・ロメオ
の方は復刻の話を聞きません。残念。
077-ブルーノ・ムナーリ展はじまったそうです
2005年1 1月1 7日[あれこれ] [ムナーリ]
東京青山にある「こどもの城」で「ブルーノ・ムナーリ もっと豊かに もっと自由に」展がはじまったそうです。
会期は1 1月1 5日(火) 1 2月1 8日(日)・月曜日休館、期間中には日本ブルーノ・ムナーリ協会の岩崎さんによるレク
チャーやイタリアでムナーリのワークショップに関わったレステッリ氏の講演、子供のための「木を作ろう」ワーク
ショップ(月曜日以外は毎日)などの催し物もあるとか。楽しみです。 詳しくはこちら http://www.kodomono-sh
iro.or.jp/event/munari/index.html
078-ムナーリの石
2005年1 1月1 8日
[アート] [デザイン]
ムナーリは私たちが日常見慣れているはずのものを意外な視点で見直すことを教えてくれます。たとえば、河原など
にある沢山の石にもいろいろな表情があり、その表面の模様に一筆加えたら、そこにさまざまなお話を見いだすこと
だって出来る。というわけです。「da lontano era un'isola」という本から。
079-ムナーリの絵本(7?)
2005年1 1月1 9日 [こども] [絵本]
カテゴリーが混乱して(錯綜して)これがいくつ目の絵本のご紹介かもはやよく分からなくなっています。「Toc To
c(トン、トン)」という「扉をたたく音」がタイトルのこの絵本、のぞき穴から見える生き物と次のページで対面
できる仕掛け絵本です。1945年にモンダドーリ社から発行、現在はコッライーニ社から復刻しています。
080-「ムナーリについて」という本
2005年1 1月2 0日 [あれこれ]
イタリアで発行された「ムナーリについて(Su Munari)」という本という本があります。「104の証言と152の書き
下ろしによるムナーリ」という副題が付いていますが、ムナーリの仕事について広範に紹介した内容で、なんと全ペ
ージカラー(テキストのみのページをのぞく)の一冊です。ただしテキストはイタリア語のみ。日本にも輸入されて
おり、本屋さんで見つけることが出来ます。テキストを読まなくても図版や写真だけでも楽しめるムナーリ百科的な
良書ではないでしょうか。発行はAbitare Segesta Cataloghiというイタリアの代表的なデザイン誌「アビターレ
」の別部門から、のようです。
081-ブルーノ・ムナーリについて(本)
2005年1 1月2 1日
[あれこれ] [ムナーリ]
もう一冊、イタリアで編集されたムナーリについての本をご紹介します。1999年にイタリア・ミラノ家具見本市事務
局が見本市の企画展覧会にあわせて発行した「ブルーノ・ムナーリ」という本ですが、昨日ご紹介した本とも重複す
る形でムナーリの数々の仕事を紹介・解説しています。ところどころにムナーリの語録が挟まっていたり、しゃれた
作りの一冊です。内容モノクロ、イタリア語版と英語版。お問い合わせはCOSMIT: Foro Buonaparte 65 20121 M
ilano Italy
082-もうひとつ「ブルーノ・ムナーリについて」(本)
2005年1 1月2 2日 [あれこれ] [ムナーリ]
もうひとつムナーリの人と仕事を集めた本をご紹介します。マルコ・メネグッツォ著「ブルーノ・ムナーリ」(Late
rza社)という本で、1993年に発行されました。デザイナー叢書の一冊という扱いですが、イタリアでは現在も手に
入ります。テキストはイタリア語のみなので、日本ではまず見かける機会がありませんが、写真も沢山納められてい
ます。
083-「ブルーノ・ムナーリ
もっと豊かにもっと自由に」展
2005年1 1月2 3日 [あれこれ] [ムナーリ]
「ブルーノ・ムナーリ もっと豊かにもっと自由に」展を見てきました。遅れての参加でしたが、ミラノでムナーリ
とともに子供のワークショップをおこない、今なお活動されているベバ・レステッリさん(Beba Restelli)の講演
も聞いてきました。展覧会はムナーリの作品が中心、レクチャーはムナーリによる教育ワークショップの話で、同じ
ムナーリの仕事でもちょっと違う内容でしたがどちらも興味深いものでした。展覧会は1 2月1 8日まで、東京青山の「
こどもの城」で開催されています。
084-こどもの造形展
2005年1 1月2 4日 [こども] [教育]
今回のご紹介はムナーリからちょっと外れます。ムナーリがイタリアや日本でもこどものための造形ワークショップ
に力を注いできたことはよく知られていますが、その目的は「こどもたちの創造性を伸ばし、遊びを通じて成長に必
要なことを学ぶ」だったと思います。ムナーリとは関係のないところでよく似た趣旨から日本でも約5 0年に渡って、
表現教育を軸とした幼児教育をしている東京・世田谷の幼稚園で今週末にこどもたちの造形展が開催されます。お問
い合わせは 学校法人ゆかり文化幼稚園03-3417-2448(代) 地図はこちら: http://www.asahi-net.or.jp/%7
Ebd3h-fjt/yukari/bigmap.gif
085-ムナーリ展のレクチャー
2005年1 1月2 5日
[こども] [教育]
青山こどもの城で開催中の「ブルーノ・ムナーリ展」にあわせておこなわれたレクチャーでは、ムナーリとともにミ
ラノで子供のワークショップを行ってきたベバ・レステッリさんが講師として来日し、いまなお展開されているムナ
ーリ・メソッドによる子供のワークショップについての説明を聞くことが出来ました。内容が造形教育だけにデザイ
ナーの参加者は少なかったのではないかと思います(参加資格として子供の教育活動に関わる人、となっていました
)が、ムナーリのデザイナー・アーティストとしての側面と、教育者としての側面をどのようにとらえるか、面白い
機会でした。レクチャーでは参加者もいっしょになってムナーリがおこなっていたプロジェクターによるコラージュ
遊びなどもおこなわれました。
086-ムナーリのダイレクト・プロジェクション
2005年1 1月2 6日
[アート]
先日ご紹介したプロジェクターによるコラージュはムナーリが1952年に発表しています。ベバ・レステッリさんによ
ると、このコラージュはムナーリがライティングテーブル(スライドなどを見るための発光するテーブル)で自作の
スライドを作ろうとして思いついたとのこと。ムナーリは「将来われわれの生活空間はますます狭く、小さくなるだ
ろう。だからアートワークもスライドのように小さくしておき、これをプロジェクション(投影)して鑑賞するよう
になるかもしれない」と言っていたそうです。
087-ベバ・レステッリさんについて
2005年1 1月2 7日 [こども] [教育]
先日の青山こどもの城でのレクチャーをおこなった、ベバ・レステッリという人はどんな人なのか調べてみました(
レクチャー資料にも紹介されています)。ベバさんはミラノ生まれ、ミラノのカトリック大学を卒業し、同時にイン
テリアや美術についても学んだ人で、1980年からブルーノ・ムナーリのこどもの造形教育活動に携わるようになりま
した。同時に彼女はムナーリ・メソッド(名称登録されています!)による創造的教育活動の普及を目的としたラボ
ラトリーを立ち上げ、現在までその中心的な存在として活動を続けています。Bandera per l'Arte という上記の
ラボを母体とした組織の代表でもあり、またムナーリの子息アルベルト氏とも交流があるとのこと。イタリア語テキ
ストによるベバさんの紹介は http://www.fondazionebandera.it/beba.htm
088-ブルーノ・ムナーリ協会
2005年1 1月2 8日
[あれこれ] [ムナーリ]
ネタを探していろいろなサイトを見ているうちに「ブルーノ・ムナーリ協会」のサイトを発見しました。googleで「
munari」といれてもヒットしなかったのに? http://www.brunomunari.it/ 英語とイタリア語の内容ですが、ざ
っと見たところ、この組織は先日来ご紹介しているベバさんの関わる「ムナーリ・メソッド」(創造的児童教育)の
普及活動をしている団体のようです。
089-ありました・・・
2005年1 1月2 9日 [絵本]
過日「白ずきんちゃん」の他に「緑ずきんちゃん」「黄色ずきんちゃん」などの絵本をムナーリが作っていることを
ご紹介しましたが、よくよく調べてみると・・・。ありました。「赤、緑、黄色、青、白ずきんちゃん(Cappuccet
to rosso verde giallo blu e bianco)」という絵本が。うーん・・・。それぞれのお話を合本にしたもののよ
うですが、1972年に発行され、現在は絶版のようです。ちょっと見てみたいですね。
090-デザインのバリエーション
2005年1 1月3 0日
[デザイン]
ムナーリがダネーゼのためにデザインした灰皿は現在も復刻されて入手することが出来るグッドデザインプロダクト
ですが、現在開催中の「ブルーノ・ムナーリ もっと豊かに もっと自由に」展ではこのキューブ型灰皿のバリエー
ションが展示されていました。同じサイズで背の高い(床に設置できる)もの、縦横高さがそのまま拡大された大型
のものなど、これまでムナーリの資料でも見ることが出来なかったアイテムを直接眼にすることが出来て感激でした
。
091-アルベルト・ムナーリ
2005年1 2月0 1日 [あれこれ] [ムナーリ]
先日ご紹介した「ブルーノ・ムナーリ協会(Associazione Bruno Munari)」はどうやらブルーノの子息、アルベ
ルト氏が関わっているようですね。ちょっと調べてみたところ、アルベルト氏は1940年生まれ、心理学者でスイス・
ジュネーブの大学教授だそうです。見つけたプロフィールのサイトがフランス語なのでよく分かりませんが、教育心
理の専門家のようです。別のサイトではアルベルトとブルーノのムナーリ親子による対談もありましたので、内容を
ちゃんと読んだらご紹介したいと思います。
092-「ムナーリを知ろう」
2005年1 2月0 2日 [あれこれ] [ムナーリ]
現在開催中の「ブルーノ・ムナーリ もっと豊かに もっと自由に」展のギャラリートークに行ってきました。2 0年
前にこどもの城へムナーリ本人を呼んだ岩崎清さん(元こどもの城造形事業部・現日本ブルーノ・ムナーリ協会代表
)による、少人数の参加者へざっくばらんな雰囲気でのトークで、今回は特にムナーリが作った本をテーマにいろい
ろなお話を聞くことが出来ました。オリジナルの絵本と復刻された本のどこが違うか、日本と海外の版権のことなど
からムナーリの芸術活動と子供への教育活動の関係など、本の事以外にも面白いエピソードなどが飛び出しました。
次回は1 2月9日(金)、まだ若干の余裕があるそうです。お問い合わせはこどもの城造形事業部03-3797-5662(直通
)まで。 ちなみに「日本ブルーノ・ムナーリ協会」というのは、会員は岩崎さんひとりだけなのだそうです⋯。
093-国立ブルーノ・ムナーリ美術学校
2005年1 2月0 3日 [あれこれ] [ムナーリ]
北イタリアにブルーノ・ムナーリの名を冠した美術学校があります。ヴェネチアの北5 0キロに位置するヴィットリオ
・ヴェネトという町の「国立ブルーノ・ムナーリ美術学校」です。工芸から版画、染織、デザイン、ファッションな
どのコースがあるようです。写真を見ると風光明媚な?環境ですね。学校のサイトからムナーリに関する資料もいく
つか閲覧することが出来るようになっていました(イタリア語)。 http://www.isamunari.it/mambo2/template
s/munari/index.html
094-ムナーリの言葉
2005年1 2月0 4日 [アート] [ムナーリ]
「沢山の視覚芸術に関わる人たち、画家、イラストレーターたちは機械をおそれている。機械のことは聞きたくも話
したくもないくらいに。彼らは機械がいずれ芸術作品を生み出すようになり、そして人間の芸術家は失業すると信じ
ているんだ。美術評論家も最近有名新聞の紙上でこんなことを書いていた:機械の芸術なんてあり得るか? この言
葉が表しているのは、ただ問題の本質を無視しようとしているということにすぎないし、つまり絵筆(とかエンピツ
)の芸術なんてあり得るか?と言っているのと変わらない。古き良き文化をコピーしながら現代を無視する状況をい
まここで目の当たりにするのは悲しいことだ」 20世紀初頭に機械を積極的に肯定した、未来派に関わったムナーリ
らしい批評だと思います。 創造に新たな要素を恐れてはいけない、そういう気持ちの大切さでしょうか。
("Molti artisti di arti visuali, pittori, disegnatori ecc., hanno il terrore delle macchine. Non ne vogliono
nemmeno sentir parlare. Credono infatti che le macchine un bel giorno potranno fare delle opere d'arte, e
si sentono già disoccupati. Anche un celebre critico qualche tempo fa a proposito di arte programmata h
a scritto su un grosso quotidiano italiano questo grande interrogativo: avremo l'arte delle macchine? Fra
se che denota solo l'ignoranza del problema, poiché è come dire avremo l'arte del pennello - o della matit
a - effettivamente triste vedere una buona cultura classica accoppiata a una completa ignoranza della cul
tura moderna, di oggi, adesso, qui.")
095-レオ・レオニ
2005年1 2月0 5日 [アート] [絵本]
未来派についてちょっと調べものをしていたのですが、「スイミー」などで世界的に有名な絵本作家レオ・レオニ(
Leo Lionni)は未来派の一員だったのですね。恥ずかしながら知りませんでしたが、子供の頃からレオ・レオニの
絵本は大好きでした。とくに「フレデリック」が好きなのですが、いま我が家には小さな息子のために「あおくんと
きいろちゃん」が本棚に収まっています。レオ・レオニは1910年オランダ生まれ、ヨーロッパの大戦を避けアメリカ
に亡命してグラフィックデザイナーとして活躍し、戦後はアメリカとイタリアを往復していたそうです。1981年には
来日も。ムナーリと相次ぐように1999年に没。ムナーリとの交流があったことと思われますので、もう少し調べてみ
たいと思います。
096-ムナーリの言葉
2005年1 2月0 6日
[アート] [ムナーリ]
昼と夜のように/ 規則と偶然は二つのコントラスト/ 光と暗闇のように/ 暖かさと寒さのように/ 陰と陽のように/
男性と女性のように/ 規則は安心を与えてくれる/ 偶然は予想外で/ 規則的なら計画的であり/ 偶然はその時次第
/ 雨のしずく/ 小石のかたち/ 親しげな気持ち/ 規則だけではモノトーン/ 偶然だけでは落ち着かない/ 規則と偶
然のコンビネーション/ それが人生、それが芸術、想像力、バランス _Come il giorno e la notte/ la regola e il
caso sono due contrari/ come la luce e il buio/ come il caldo e il freddo/ come i negativi e i positivi/ co
me il maschile e il femmnile./ La regola dà sicurezza/ il caso è l'imprevisto/ con la regola si può organi
zzare un piano/ il caso dipende dal momento/ le gocce della pioggia/ la forma di un sasso/ la simpatia./
La regola da sola è monotona / il caso da solo rende inquieti./ La combinazione tra regola e caso / è la vi
ta è l'arte è la fantasia l'equilibrio.
097-「読めない本」を読むサイト
2005年1 2月0 7日
[絵本]
ムナーリの代表的な本の一つ「読めない本」を読むサイトがありました。読む、といっても見るということですが、
一ページずつめくって本を楽しむことが出来るようになっています。シンプルなアイディアですが楽しいウェブペー
ジです。 http://www.laboratorio1.unirc.it/siracusa/lezioni/03-scritture/libro/1.htm
098-ムナーリの照明器具
2005年1 2月0 8日
[デザイン]
1958年にムナーリがデザインした照明器具「cubica(キュービック)」です。ムナーリのデザインには照明器具に
限らず立方体を基本としたフォルムがよく登場します。想像するに、ムナーリはデザイナーとしては特に合理的なア
プローチを信条としていましたから、無駄のないシンプルなフォルムを追求していく過程で立方体が多く生まれたの
ではないでしょうか。分解組み立て・梱包までよく考えられていることが見て取れます。製品はダネーゼから発売さ
れ、現在も復刻品があるようです。
099-negativo positivo
2005年1 2月0 9日 [アート]
ムナーリは「negativo positivo(陰と陽)」という作品(多くが平面:リトグラフでしょうか)を繰り返し制作
しています。色と形の構成ですが、そこに見える「形」と「地」がどちらがどちらともとれる/見方によって主従が
入れ替わることをねらったものだそうです。単なる連想かもしれませんが、イタリアの伝統的な都市空間について論
じた本の中に、(ローマなどの)都市を上空から見たときの建築と空隙の関係が見方で入れ替わる、という説明があ
ったことを思い出しました。
100-ウンベルト・エーコ、ムナーリを語る
2005年1 2月1 0日 [あれこれ] [ムナーリ]
小説「バラの名前」でも有名なイタリアの記号論学者ウンベルト・エーコがムナーリについて語っていました。ほん
の短い文章なのですが、さすがエーコだけに文章がむずかしくて訳に自信がないですが・・・(泣): ムナーリが
長年没頭してきた沢山の楽しみは、それ以外のことを言うきっかけとしても価値がある。これらの記号論的な悩みの
種は感覚、例えば二つの同じような意味を持つ言葉のわずかな入れ替えによって生まれ、特にそのひらめきのような
短さに特徴がある。しかし彼の図像的なひらめきについて言いたいのだが、実は私(エーコ)はムナーリの図像につ
いて数年かけて本をまとめている。あるとき誰かの提案にそって二つの図像を並べながらレイアウトの検討をしたと
き、どうしても全体の調和がとれなくなった。そこへムナーリがやってきて、ほんのわずか、図像をミリ単位で配置
を変えてくれたところ、完璧な調和、図像のハーモニーが生まれたではないか。彼はページを繰りながら、まるでバ
イオリンの調律でもしているかのように。すべて最小限のバリエーションが彼の細い指が動くたびに生まれてゆくの
だ。私はそれを感心して眺めながら、私にはとても学び得ないことだと思ったものだ。
(Tra i mille divertimenti di cui Munari ci è stato prodigo in tanti anni, questi valgono come pretesto pe
r dire altro. È che questi Disturbi semantici si basano su un minimo spostamento di senso, per esempio tr
a i significati di due termini sinonimi, e soprattutto sulla loro brevità fulminea. Ma vorrei dire della fulm
inea brevità di Munari grafico, con cui ho lavorato per anni a impaginare libri alla Bompiani, Qualcuno pr
oponeva uno schema, poniamo, una colonna larga tanto e due immagini a fianco. Non funzionava mai. Era s
tonato. Munari interveniva in un secondo, riduceva i margini di un millimetro, spostava di un altro milli
metro una delle due immagini, ne rifilava di poco la seconda, ed era armonia perfetta, musica. Lavorava
sulla pagina come se accordasse un violino. Era tutta questione di variazioni minime, millicron in millisec
ondi, mentre muoveva le sue dita sottili. Lo guardavo incantato, e capivo che non avrei imparato mai.)
ブルーノ・ムナーリけんきゅうかい blog 001-100 by H. FUJITA (FUJITA DESIGN Lab.) www.fdl-italform.net Text © H.Fujita December, 2005 
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