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資料4 事務局資料 分割版4 (PDF形式:329KB)

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資料4 事務局資料 分割版4 (PDF形式:329KB)
3−10.世界経済、海外需要の取り込み
現状と課題
将来予測
世界に占める日本のGDPシェアは低下。
近隣アジア諸国の成長を十分に取り込んでいくための課題
は何か。
•
•
(億人)
低成長が続けば、GDPシェアは更なる低下が見込まれる。
今後、アジア地域の人口増、都市人口の拡大、中間所得層の大幅な拡大が見込まれて
おり、インフラ需要、インバウンド需要、食料需要、生活需要の拡大が見込まれる。
世界全体で
世界の人口予測
+11.5億人
85.0億人
90
•
•
73.5億人
オセアニア
61.3億人
その他
中南米+0.4億人
+0.9億人
地域別・増加人数
パキスタン
+0.6億人
アフリカ
60
南アメリカ
30
北アメリカ
中国
+0.4億人
インドネシア
+0.4億人
60
アフリカ
+4.9億人
アジア
+5.3億人
インド
その他
+2.2億人+1.8億人
51.5
50
40
30
ヨーロッパ
人口の中央値年齢
(歳)
46.5
33.1
29.6
47.5
40.6
47.0
40.0
44.8 43.2
38.0 37.0
2015年
37.8
30.6
2030年
37.0
30.4
34.5
28.5
20
10
0
アジア
0
2000
2015
2030
(出所)United Nation “World Population Prospects: The 2015 Revision”により作成。(注)中南米は、カリブ海を含む。
世界の都市部人口
(億人)
アジア諸国の所得水準の変化
世界の地方部人口
(億人)
50
北アメリカ
50
北アメリカ
40
中南米
40
中南米
ヨーロッパ
30
ヨーロッパ
30
アフリカ
アフリカ
20
その他アジア
20
10
インド
10
0
中国
0
1990
2010
2030
その他アジア
インド
中国
1990
2010
(出所)United Nation “World Urbanization Prospects: The 2014 Revision”により作成。(注)その他アジアはオセアニアを含む 。
2030
28
(出所)三菱総合研究所「内外経済の中長期展望 2014-2030年度」により抜粋。
3−10.世界経済、海外需要の取り込み(続き)
Ø 2030年においては、アジア地域のインフラ必要額や旅行者数が高まる見込み。
Ø 日本は成長戦略の一つとして、インフラ輸出額を2020年に30兆円、2030年に訪日外国人旅行者を6000万人にする目標を掲げている。
(兆円)
2030年に必要なインフラ投資額予測
10億USD
350
インフラシステムの受注
35
300
水・公衆衛生
250
通信
30
25
交通
200
19兆円
20
電力
150
(日本再興戦略・目標)
2020年 30兆円
15
100
10
50
10兆円
5
0
0
2010
(出所)World Bank (2013) “Global Development Horizons : Capital for the Future - Saving and Investment in an
Interdependent World. Global Development Horizons”により作成。
(億人)
20
15
10
行先別・世界の旅行者予測
アフリカ
中東
アメリカ
アジア・大洋州
11.9億人
ヨーロッパ
18.1億人
台湾, 3.9%
9.5億人
中国, 21.5%
その他
17.2%
タイ, 11.3%
香港, 10.1%
日本, 7.4%
2015
2020
3,000
1,974万人
2,000
マカオ, 5.4%
2010
(日本再興戦略・目標)
2020年 4000万人
2030年 6000万人
4,000
韓国, 5.0%
0
6,000
5,000
シンガポール, 4.5%
5
訪日外国人旅行者数
(万人)
7,000
インドネシア, 3.9%
2020
(出所)内閣府(2016)「日本再興戦略 2016」により作成。
(注)再興戦略によるインフラシステムの受注は、「事業投資による収入額等」を含む。
アジアへの旅行者内訳(2015年)
13.6億人
2014
2030
(出所)UNWTO (2016) “Truism High light 2016 Edition”により作成。
1,000
0
マレーシア, 9.7%
861万人
2010
2015
2020
2030
(出所)内閣府(2016)「日本再興戦略 2016」、JNTO 「訪日外客数の
動向」により作成。
29
3−10.世界経済、海外需要の取り込み(続き)
日本の農林水産物の主要輸出先(2014年)
日 本 か らの財輸入割合(輸入額シェア)
オーストラリア
1%
(%)
∼各国輸入額に占める日本からの割合は低下傾向∼
30.0
米国
中国
韓国
台湾
EU28
ASEAN5
カナダ
1%
その他計
16%
シンガポール
3%
ベトナム
5%
アメリカ合衆国
15%
タイ
6%
25.0
台湾
14%
大韓民国
7%
20.0
香港
22%
中華人民共和国
10%
(出所)経済産業省「通商白書2015年版 コラム第2−2図」
果物の生産・輸出量、TPP市場の世界からの輸入量(2013年)
15.0
りんご
10.0
日本の収穫量
うち世界全体への
輸出量(トン)
輸出額(百万ドル)
5.0
TPP市場の世界からの
輸入額(百万ドル)
0.0
うち日本からの
輸入額(百万ドル)
日本のシェア
(出所)経済産業省「通商白書2015年版第Ⅱ-1-1-2-36図」
みかん
いちご
メロン
741,700t
895,900t
165,600t
168,700t
19,431t
73.5
2,831t
5.5
127t
2.5
122t
1.0
1,087
529
740
479
0.5
0.04%
3.4
0.65%
0.2
0.03%
0.7
0.15%
(出所)平成28年3月11日第3回経済財政諮問会議資料より抜粋。
(注)TPP市場は、FAO統計で部分的にデータの得られなかったベトナム を除く、10か国の合計
30
3−10.世界経済、海外需要の取り込み(続き)
Ø 2030年にかけて、新興国経済を中心に世界のGDPが増加する中で、現状の0%台前半の低い潜在成長率が続いた場合、日本のシェアは
低下していく見込み。
国別名目GDPシェア(市場レート、米ドルベース)
1985年(IMF)
全体: 12.4兆ドル
その他, 20.8 %
中国 2.5 %
2000年(IMF)
全体: 33.3兆ドル
インド, 1.9 %
その他, 19.5 %
中国 3.6 %
インド, 1.4 %
日本, 11.2 %
その他アジア, 3.5 %
イタリア, 3.7 %
日本, 14.2 %
イタリア, 3.4 %
フランス, 4.1 %
フランス, 4.5 %
その他アジア, 4.9 %
英国, 4.7 %
英国, 4.0 %
アメリカ, 35.1 %
ドイツ, 5.3 %
その他中南米, 7.3 %
その他中南米, 7.5 %
全体: 73.2兆ドル
ドイツ, 5.9 %
2015年(IMF)
その他, 24.9 %
2030年(推計値)
全体: 134.3兆ドル
中国 15.0 %
インド, 2.9 %
アメリカ, 30.9 %
その他, 29.2 %
中国 26.9 %
日本, 5.6 %
イタリア, 2.5 %
フランス, 3.3 %
その他アジア, 5.9 %
フランス, 2.0 %
英国, 2.7 %
英国, 3.9 %
ドイツ, 4.6 %
その他中南米, 6.9 %
イタリア, 1.4 %
アメリカ, 24.5 %
ドイツ, 2.6 %
その他中南米, 5.2 %
アメリカ, 17.3 %
インド, 3.7 %
日本, 3.3 %
その他アジア, 5.7 %
(出所)IMF”World Economic Outlook April 2016”、内閣府「世界経済の潮流2010 年Ⅰ 第2-2-15表」により作成。
(注)2030年の推計値は、2015年の値をベースに、第2-2-15表にて推計された潜在成長率を用いて機械的に試算したもの。なお、ここで用いている潜在成長率の値は2010年時点でのデータに基づ いて計算されており、その後の状況変化を考慮していな
いことに留意する必要がある。その他については、07∼15年の成長率の平均で延伸した。その他アジアは、インドネシ ア、マレーシア、フ ィリピン、タイ、シンガポール、香港、韓国、台湾。その他中南米は、ア ルゼンチン、ブラジル、メキシコ、カナダ。
31
3−11.資源・エネルギー・環境制約
現状と課題
•
•
将来予測
世界的なエネルギー・食糧需要
の増加、価格変動のリスクにどう
対処していくか。
温暖化ガス排出抑制目標達成に
向けてなすべきことは何か。
•
•
•
•
世界のエネルギー需要の牽引役(増加幅)は中国からインドへ移行、供給(電力)は再生可能エネルギーの伸長が
見込まれている。
世界の食料需要はアフリカをはじめとした途上国を中心に増加が見込まれる一方、世界各地での耕地面積の拡大
や生産性の向上により供給側の増加も見込まれている。
世界の水需要は大幅に拡大することが見込まれており、世界的に安全な水の確保が課題。
2030年26%削減(2013年比)、2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すのが政府目標。
エネルギー
(Mtoe)
地域別エネルギー需要の変化
2000
1500
(TWh)
(ドル/バレル)
150
世界の電源別・発電電力量予測
16,000
100
14,000
2000∼2013
2013∼2040
1000
実質原油価格の予測
2013
2040
12,000
50
中心シナリオ
10,000
0
8,000
500
6,000
0
2020
2030
2040
<中心シナリオ>
(想定)原油価格の低下に伴う石油需要の増大と、
投資の抑制
⇒エネルギー市場はバランスを回復
4,000
-500
2014
低油価シナリオ
2,000
0
再エネ
石炭
(注)Mtoeは石油換算100万トンのエネルギー量を指す。
(出所)IEA ”World Energy Outlook 2015”により作成。
ガス
原子力
石油
<低油価シナリオ>
(想定)経済の低成長、OPECのシェア優先戦略の維持、
米国タイトオイルの低価格への耐性、など
⇒中東依存度の増加、省エネ量15%減少
32
3−11.資源・エネルギー・環境制約(続き)
食料
食料の一人当たり需要量
(kg/人)
340
2013-15
2025
(%)
8
伸び率(右目盛)
320
6
300
(2013-15年と
2025年の比較、%)
地域別・耕地面積と生産性の伸び
25
20
耕地面積伸び率
15
生産性伸び率
10
280
4
260
240
2
220
200
5
0
-5
0
先進国
途上国(サブサハラ以外)
サブサハラ
(注)南アフリカは、サブサハラに含まれる。
(注)アジアは、中央アジアを除き、オーストラリア 、ニュ―ジーランド を含む 。中南米はカリブ海を含む 。
実質価格の変化(2016∼25年)
2.5 (%)
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
-0.5
-1.0
-1.5
-2.0
-2.5
穀物
油糧
種子
砂糖
(出所)OECD-FAO (2016) ”Agricultural Outlook 2016-2025”により作成。
肉
日用品
科学
燃料
33
Km3
3−11.資源・エネルギー・環境制約(続き)
世界の水への依存を深める日本
水の需要見通し
6 000
5 000
かんがい
家庭用
家畜
製造業
• 生産に水を必要とする物資を輸入している国(消費国)において、仮にその物資を生産する
としたら、どの程度の水が必要かを推定した水の量を「バーチャルウォーター」 という。
• 日本の食料自給率は、39%(2015年)であり、食料生産に使用される水の半分以上を海外
に依存。
• 2005年に海外から日本に輸入されたバーチャルウォーター量は約800億㎥であり、その大
半は食料に起因。これは、日本国内で使用される生活用水、工業用水、農業用水をあわせ
た年間の総取水量と同程度となっている。
• 食料等の安定供給を考える上で、それを支える水資源の状況を念頭におく必要がある。
電力
4 000
3 000
2 000
1 000
0
2000
2050
OECD
2000
2050
BRIICS
2000
2050
その他世界
2000
2050
世界
(出所)OECD (2012) “OECD Environmental Outlook to 2050: The Consequences of Inaction”により作成
(出所)岩堀博(2011)「逆浸透膜の世界市場展開と技術開発の歩みおよび
都市域水循環圏での新規水資源開発」(革新的CO2膜分離技術シンポジウム)
(出所)環境省「平成22年版 環境・循環型社会・生物多様性」より抜粋。
34
3−11.資源・エネルギー・環境制約(続き)
(億トンCO2)
15
14
13
12
11
10
9
8
7
6
【G8 ラクイラ・サミット(2009年)】
先進国として2050年までに温室効果ガス排出量を80%、もしくはそれ以上削減
すると表明
【パリ協定(2015年)】
• 途上国を含め条約に加盟するすべての国・地域が参加
• 各国は削減目標・行動を作成し、報告(5年ごとに更新)
• 世界共通の目標として、世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて
2℃、1.5 ℃に抑える努力を追求する
日本の温室効果ガス排出量と削減目標
3.8%以上削減
(2005年比)
26%削減
(2013年比)
2000
2005
2010
2013
2014
2020
(出所):国立環境研究所「温室効果ガスインベントリオフィスウェブサイト」により作成。
2030
(年度)
経済産業省「エネルギー革新戦略」(平成28年4月)
ü
ü
エネルギー投資を促し、エネルギー効率を大きく改善させ、「強い経済」と「CO2 抑制」の
両立を実現
2030 年度には、省エネや再エネなどのエネルギー関連投資28兆円、うち水素関連1兆
円の効果が期待
項目
内容
①徹底した省エネ
•
•
全企業へのトップランナー制度の拡大
中小企業・住宅・運輸における省エネルギーの強化
②再エネの拡大
•
国民負担抑制と最大限導入の両立
③新たなエネルギー
システムの構築
•
•
•
電力分野の新規参入とCO 2 と排出抑制の両立
再エネ・省エネ融合型エネルギーシステムの立ち上げ
地産地消型エネルギーシステムの構築
【環境省・地球温暖化対策計画(2016年)】
長期的目標として2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指す
【OECD(2012)による2050年予測 】
このまま新たな政策が導入されなかった場合の2050年の姿は、
• CO2排出量が70%増加し、世界の温室効果ガス排出量は50%増加し、より壊
滅的な気候変動が起こるおそれ
• 大気中の温室効果ガス濃度が高まり、今世紀末までの世界平均気温の上昇
幅は3∼6 ℃となる。
(見通しを変えることのできる施策)
• 汚染をよりクリーンな代替手段よりも割高にする
• 自然資産や生態系サービスを評価・課金
• 環境に有害な補助金を廃止
• 効果的な規制・基準を考察
• グリーン・イノベーションの奨励
(出所)OECD (2012)”OECD Environmental Outlook to 2050: The Consequences of Inaction”
35
3−12.マクロバランス
現状と課題
•
•
企業の貯蓄超過、政府の投資超過が継続する中で、貯蓄率低下を背景に家計の貯蓄超過幅が縮小。
企業、家計の投資・消費行動の積極化や海外市場の開拓が望まれる中、将来のマクロバランスの姿はどのようなものか。
制度部門別の純貸出(+)/純借入(-)
(名目GDPに対する比率、%)
10.0
5.0
0.0
-5.0
-10.0
企業
一般政府
家計
海外部門
-15.0
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
(出所)内閣府「国民経済計算」により作成。
(注)家計は、個人企業のほか、対家計民間非営利団体を含む。
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
(年度)
36
(参考)中長期の成長率を引き上げる要素(日本①)
TFP上昇の要因
(程度)
根拠
出典
• (前提)IoT、ビッグデータ、AI等のICTの進展を見据え、企業におけるICT投資や生産性向上にかかる取組が活
性化
• 今後5年(2020年頃まで)に向け、ICTに係る取組を通じて、「労働生産性」が+4%増加(企業アンケート結果に
よる想定)
⇒2020年時点でのTFPを0.7%pt押し上げ
総務省(2016)「平成28年版情報通信
白書」
デジタル新技術による生
産性向上
(潜在成長:0.9%pt)
• (前提) 消費者のニーズに合わせた新規需要の創造や、新規需要を取り込むための供給力改革が行われる
• 前提条件の実現のためには、AI、IoT、ロボットなどのデジタル新技術の普及・発展がカギ
⇒2026-30年の潜在成長率を0.9%pt程度押し上げ
三菱総合研究所(2016)「内外経済の
長期展望」
IIoT(Industrial Internet
of Things)
(累計で最大1兆1270億
ドルGDPを押し上げ)
• IIoTによる技術革新を経済成長へと転換させるため、政府が全面的にIIoTを支援
• (前提1)IIoTに関する投資や政策が現状維持
⇒2030年までにGDPを累計9600億ドル押し上げ
• (前提2)IIoTテクノロジーの吸収能力を改善する追加措置を実施
⇒2030年までにGDPを累計1兆1270億ドル押し上げ
(※2015年の名目GDPは4兆1229億ドル(2015年の為替平均値により換算))
Accenture. (2015). “The Growth
Game-Changer: How the Industrial
Internet of Things can drive
progress and prosperity”
• (前提)民間部門での生産性を高めるため、以下3つの分野での取組を強化する。①次世代技術の採用(ビッ
グデータ、インターネット技術など)、②海外の成功事例の取入れ(海外の高成長分野への進出、バリュー・
チェーン改善など)、③制度・慣習の改革(開廃業の促進、能力主義への移行、女性・高齢者の労働参加促進
など)
⇒2025年の成長率を1.7%pt押し上げ
Mckinsey. (2015) “The Future of
Japan: Reigniting Productivity and
Growth”
ICT投資による
生産性向上
(TFP:0.7%pt)
次世代新技術など
(成長率:1.7%pt)
37
(参考)中長期の成長率を引き上げる要素(日本②)
TFP上昇の要因 (程度)
根拠
女性の就労率の促進
(成長率:0.08%pt)
• (前提)2020年に25∼44歳の女性の就労率が5 %ポイ ント上昇(日本再興戦略数値目標)
⇒2012年から2020年までの経済成長率を年率+0.08%pt押し上げ (就労率が現状から変化しない状況と比較した場合)
高齢者就労率の促進
(成長率:0.13%pt)
• (前提)2020年に60歳以上男女の就労率が5%ポイント上昇(日本再興戦略数値目標)
⇒2012年から2020年までの経済成長率を年率+0.13%pt押し上げ
外国人就業者の促進
(成長率:0.01%pt)
• (前提)増加率が現状の2倍(=年率+2%強)になる
⇒経済成長率を年率+0.01%pt押し上げ
(※ 2000年∼2010年の増加率:年率+1.04%)
法人税率の引き下げ
(成長率:+0.1∼+0.2%pt)
• (前提)恒久的に法人税率10%ポイント引き下げ。法人税率引き下げが、研究開発投資を促進する効果も考慮。
⇒経済成長を年率+0.1∼+0.2%pt押し上げ
研究開発投資
(TFP:+0.3∼+0.4%pt)
• (前提)研究開発投資の対GDP比率が1 %ポイ ント上昇
⇒TFPを年率+0.3∼+0.4%pt押し上げ (1%上昇を維持すれば持続的に生産性上昇率が上昇)
人的資本の質の向上
(成長率:+0.6%pt)
• (前提)日本のPISAスコアが世界トップクラス(上位3 か国平均並み)になった場合 (現状:数学7位、読解4位、科学4位)
⇒長期的な経済成長率を+0.6%pt押し上げ (教育を受けた者が労働市場に参加するまでの時間差があるので、
短期ではなく、超長期での経済成長を考える場合には、最大の寄与度)
対内直接投資の拡大
(TFP:+0.01%pt)
• (前提)2012年から2022年にかけ、外資系企業(製造業)の売上高ベースでみた外資系企業のプレゼンス(ストック)が倍増
⇒TFPを年率+0.01%pt押し上げ
農林水産業の効率化
(成長率:+0.04%pt)
• (前提)現行ゼロ近傍の農林水産業のTFP上昇率が、米国並み(3 %台半ば)へ向上
⇒成長率を年率+0.04%pt押し上げ
貿易自由化(TPP等)
(成長率:+0.07∼+0.16%pt)
企業間の新陳代謝促進
(TFP:+0.2%pt)
• (前提)関税措置の撤廃、非関税障壁の低減等を考慮。その効果が10年間で全て実現すると仮定。
⇒成長率を年率+0.07∼+0.16%pt押し上げ
• (前提)全産業の新陳代謝効果が、参入・退出の規制緩和、資本・労働の産業間移動の円滑化等により2 倍になると仮定
⇒TFPを年率+0.2%pt押し上げ
(出所)森川 正之(2015)「経済成長政策の定量的効果について:既存研究に基づく概観」、RIETI Policy Discussion Paper Series 15-P-001
38
(参考)中長期の成長率を引き上げる要素(世界)
TFP上昇の要因
(程度)
根拠
出典
• ビッグデータは、現在のイギリス経済に250億ポンドもの利益
• 今後、データ関連の投資が進んだ場合、2012-25年にかけイギリスの経済成長率は0.23%pt上昇
Goodridge, P. R., & Haskel, J.
(2015).”How does big data affect
GDP? Theory and evidence for the
UK.”
オンラインデータ
• オンライン顧客データの収集、分析、開発により企業の生産性を高めることができる
• イギリスでのサーベイデータを用いた分析結果によると、他の変数を同じにしたときに、オンラインデータの使
用が1標準偏差増加すると、企業のTFPが8%上昇
• データ使用が活発な上位企業25%と下位企業25%を比較すると、他の条件を同じにした際に、前者の生産性
は後者の生産性よりも13%高い
Bakhshi, H., A. Bravo-Biosca and J.
Mateos-Garcia (2014), “Inside the
datavores:
Estimating the effect of data and
online analytics on firm
performance”, Nesta, March,
IoT
(世界全体で、最大11.1
兆ドルの経済効果)
• (前提) IoT間の相互運用性、現在未使用のIoTデータの活用、途上国への普及などが今後進む。これにより、
新しいビジネスモデルや消費者の経済的便益が生まれる
• 職場、家庭、工場、都市、乗り物等の9分野における潜在的経済的便益を計算。2025年に、世界全体で3.9∼
11.1兆円の経済効果が実現できる可能性
(※2014年の世界全体のGDPは77.8兆ドル(IMF))
Mckinsey. (2015) “The internet of
things: mapping the value beyond
the hype”
ビッグデータ
(成長率が最大で0.23%
上昇)
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