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治験計画時に考慮するCDISC標準 - Trial Design
治験計画時に考慮するCDISC標準 - Trial Design Modelを中心に 神谷 亜香里 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 データサイエンス部会 CDISCタスクフォース 1 本発表でお伝えしたいこと ① PMDAへの提出物は, データサイエンス部門 だけでは作成できない! ② 治験実施計画書作成者を始めとして, 非データサイエンス部門との コラボレーションが必要! ③ 治験計画時が望ましい. いくつかの アイデアを 提案します. 2 SDTMとは General Observation Classes Interventions CM EX EC PR SU Concomitant and Prior Medications Exposure Exposure as Collected Procedures Substance Use Events AE Adverse Events CE Clinical Events DS Disposition DV Protocol Deviations HO Healthcare Encounters MH Medical History SDTM IG Version 3.2 Findings Special Purpose DA DD EG IE IS LB MB MS MI MO Drug Accountability Death Details ECG Results Inclusion/Exclusion Criteria Not Met Immunogenicity Specimen Laboratory Test Results Microbiology Specimen Microbiology Susceptibility Microscopic Morphology CO DM SE SV PC PP PE QS Pharmacokinetics Concentrations Pharmacokinetics Parameters Physical Examination Questionnaires TA TE TV TD RP Reproductive System Findings TI SC SS TU TR RS VS FA SR Subject Characteristics Subject Status Tumor Identification Tumor Response Disease Response Vital Signs Findings About Skin Response TS Comments Demographics Subject Elements Subject Visits Relationships SUPPQUAL RELREC Trial Design Trial Arms Trial Elements Trial Visits Trial Disease Assessments Trial Inclusion/exclusion criteria Trial Summary information 本発表では, Trial Design Modelを中心に お話しします. 3 Trial Design Modelとは SDTM IG Version 3.2 ⇒(1) [TS] Trial Summary:治験の概要 [TI] Trial Inclusion/Exclusion:選択/除外基準 [TA] Trial Arms:計画 ArmとEpoch(時期) [TE] Trial Elements:治験デザインのElement(要素) ⇒(2) [TV] Trial Visits:計画Visit(来院) [TD] Trial Disease Assessment:評価スケジュール (1)TSドメイン, (2)TE&TA&TVドメイン を作成してみよう! 4 TSドメインを作成してみよう! CRF? どこに 書いてある? 「治験の概要」では簡潔表現, 本文中では長文の詳細表現, どちらが正式? 治験実施計画書? 「有効性評価項目」 の中の複数項目のう ち,「副次的評価項 目」はどれ? 統制用語に 該当する表 現はどこ? 200文字以内の 英語で表現する にはどうしたら よい? 他の文書? 5 TSに関して, 治験実施計画書作成者と共有すべき事項 TSは,治験実施計画書等に記載されている 治験の概要を格納するドメイン. 分類可能な情報は,統制用語 等から選択. 例:盲検化のタイプは統制用語のDOUBLE BLIND, OPEN LABEL, SINGLE BLINDから選択. フリーテキストの情報は英語で200文字制限 あり. 例:治験タイトル,治験の主要な目的,等. 6 TA, TE, TVドメインを作成してみよう! XX - 9999 50 mg/day 終了時検査 登 録 ・割 付 事前検査 同意取得 プラセボ XX - 9999 100 mg/day プラセボ 6週間 1:1:1 割付 8週間 想定する治験実施計画書デザイン 日本人高血圧症患者を対象にXX-9999の有効性及び安全性を評 価するための,多施設共同,無作為化,並行群間,プラセボ対照, 二重盲検試験 ※以降では,SDTMへ英語で格納しなくてはならない変数も, 説明のため,日本語で表記しています. 7 ①EPOCH(期)の定義が難しい事例 導入期 登 録 ・割 付 事前検査 同意取得 プラセボ 治療期 追跡調査期 終了時検査 [TA] スクリーニン [EPOCH] グ期 XX - 9999 100 mg/day XX - 9999 50 mg/day プラセボ 6週間 1:1:1 割付 8週間 ××好ましくない例××××××××××××××××××××××××××× (a)EPOCH(期)の定義がない. (b)期に隙間があってはいけない(ある期の終わりは,次の期の始まり). スクリーニン グ期 導入期 治療期 追跡調査期 SDTMで定義し直せばよいということでなく, 治験実施計画書→SDTM→ADaM→TLF→総括報告書は統一した用語で!統制用語を意識して! 8 ②ELEMENT定義が難しい事例 [EPOCH] スクリーニング期 [TE] スクリーニ ング [ELEMENT] 追跡調査期 導入 XX-9999 100 mg 追跡調査 P42D P56D P14D 事前検査 同意取得 プラセボ XX - 9999 100 mg/day XX - 9999 50 mg/day 終了時検査 P28D 治療期 登 録 ・割 付 [TEDUR] [TA] 導入期 プラセボ 6週間 1:1:1 割付 8週間 ××好ましくない例××××××××××××××××××××××××××× (a)追跡調査のTEDUR(期間)またはTEENRL(終了時点)が定義できない. ※ELEMENTの始まりと終わりが明確になっていない治験計画は好ましくありません. スクリーニ ング 導入 XX-9999 100 mg P28D P42D P56D ? 9 ③投与開始日を「1」としてstudy dayを定義する! (起点日(RFSTDTC)は,一般的に投与開始日で定義する.(SDTM IG)) • • • • 投与何日後でなく,投与何日目! 投与前日は「-1」! study dayに「0」は定義しない! Legacy dataのSDTM変換でもこのルールは遵守. [TV] [VISIT] VISIT1 [VISITDY] -70 VISIT2 -42 VISIT3 -14 VISIT5 15 VISIT6 29 VISIT7 57 XX - 9999 100 mg/day XX - 9999 50 mg/day VISIT8 71 終了時検査 1 登 録 ・割 付 事前検査 同意取得 プラセボ VISIT4 プラセボ 6週間 1:1:1 割付 8 週間 ××好ましくない例××××××××××××××××××××××××××× (a)同意取得日を1日として,経過日を定義している. (b)登録・割付日を「0日目」として定義している. 10 治験計画が明確になれば,このように絵を描ける! [TV] [VISIT] VISIT1 [VISITDY] -70 VISIT2 -42 事前検査 同意取得 プラセボ 1 VISIT5 15 VISIT6 29 VISIT7 57 治療期 VISIT8 71 追跡調査期 終了時検査 導入期 VISIT4 登 録 ・割 付 [TA][EPOCH] スクリーニング期 VISIT3 -14 XX - 9999 100 mg/day XX - 9999 50 mg/day プラセボ 6週間 [RFICDTC] [TE] [ARM] = XX-9999 100 mg [ELEMENT] スクリーニング [TEDUR] P28D 1:1:1 割付 8週間 [RFSTDTC] [RFXSTDTC] [TA.TABRANCH] 割付なかった場合 中止した場合 [ARM = 未割付] [ARM = スクリーニング脱落] [RFENDTC] [RFXENDTC] 導入 XX-9999 100 mg 追跡調査 P42D P56D P14D [ARM] = XX-9999 50 mg [ELEMENT] スクリーニング 導入 XX-9999 50 mg 追跡調査 [TEDUR] P42D P56D P14D [ARM] = プラセボ [ELEMENT] スクリーニング 導入 プラセボ 追跡調査 [TEDUR] P42D P56D P14D P28D P28D 11 総括報告書でまとめられる. 総括報告書をイメージして EPOCHを定義しましょう. スクリーニング期 N=335 スクリーニングされた患者 [ARM=スクリーニング脱落] N=5 スクリーニング時の不適格患者 理由: ----- (4) ----- (1) [EPOCH=スクリーニング期]の [DSTERM=完了] N=330 プラセボ投与された患者 導入期 [ARM=未割付] [EPOCH=導入期]の[DSTERM=完了] N=323 無作為化された患者 N=1 割付されなかった患者 [EPOCH=治療期]の [EX]の情報がない N=1 治療を受けなかった患者 理由: ----- (1) 治療期 [ARM] N=106 XX-9999 100 mg N=102 試験完了 N=6 プラセボ投与時の不適格患者 理由: ----- (3) ----- (2) ----- (1) N=4 試験中止 [DSTERM] 有害事象 (4) 効果不十分(0) [EPOCH=治療期]の [DSTERM=完了]でない N=322 二重盲検下で治療された患者 [ARM] N=109 XX-9999 50 mg N=104 試験完了 [DSTERM] N=5 試験中止 有害事象 (3) 効果不十分(2) [EPOCH=治療期]の[DSTERM=完了] N=107 プラセボ [ARM] N=104 試験完了 [DSTERM] N=3 試験中止 有害事象 (2) 効果不十分(1) 12 TA,TE,TVに関して, 治験実施計画書作成者と共有すべき事項 TA:計画ArmとEpoch(時期) TE:治験デザインのElement(要素) TV:計画Visit(来院) EPOCH,ELEMENTの概念は理解しにくい. EPOCH:治験期間を目的毎に分割したもの (例)スクリーニング期,導入期,治療期,追跡調査期) ELEMENT:EPOCHを構成する要素 (例)スクリーニング,導入,プラゼボ,XX-9999 50 mg,XX-9999 100 mg,追跡調査) 治験計画時に,治験スケジュールに簡単なメモ (表,図など)をかくと,不明確な個所が浮き彫り になる! 13 効率のよいTrial Designデータセット作成 のための社内改革のアイデア 治験実施計画書からTS,TA/TE/TVドメインが問題なく作成できる? NO YES 完璧です!ノウハウを教えてください. 社内改革をしてはいかがでしょうか? 治験計画の早期に,デザインが明確になっているほうがよいです! TSドメインのために: (A)治験実施計画書に治験概要をまとめましょう! (B)治験実施計画書以外の補助ツールを準備しましょう! TA,TE,TVドメインのために: (C)治験実施計画書で,治験デザインを明確にしましょう! <EPOCH,ELEMENT,study day,…> CDISC標準の理解のために: (D)治験実施計画書作成者への教育をしましょう! 14 (A)治験実施計画書に 治験概要をまとめましょう! ☆一箇所にまとめる. 治験実施計画書のポイントの整理 TSドメインの作成が楽に! 「治験の概要」の例 [項目名 [TS.TSPARMCD]] 表題 [TITLE] [内容 [TS.TSVAL]の例] 日本人高血圧症患者を対象とした XX-9999の有効性及び安全 性を評価するための多施設共同、無作為化、プラセボ対照、 第Ⅲ相二重盲検試験 治験依頼者 [SPONSOR] ○○製薬株式会社 治験参加国 [FCNTRY] 日本 * *が付いた項目は可能な限り統制用語に準じて表記する フェーズ [TPHASE ] 第Ⅲ相 治験の目的 [TTYPE *] 有効性、安全性 治験の主要な目的 [OBJPRIM] 日本人高血圧症患者における収縮期及び拡張期血圧に対する XX-9999の有効性を検討する 治験の副次的目的 [OBJSEC] 日本人高血圧症患者における XX-9999の安全性を検討する 試験のタイプ [STYPE *] 介入試験 介入のタイプ [INTTYPE *] 医薬品 15 (B)治験実施計画書以外の 補助ツールを準備しましょう! たとえば,TSドメインのツールとしてExcel TSドメインのTSPARMに対して一覧表を作成 ↓ 統制用語はプルダウンで選択できるように! 治験実施計画書作成者のチェックとして. データサイエンス部門メンバーのチェックとして. →治験実施計画書作成者へ伝える. 16 (A)or(B) TSの補強をすると TSの要素 TSドメイン (A)治験概要 簡単に作成できる! (B)補助ツール 治験計画で 不明確な箇所が 明確になる! 17 (C)治験実施計画書で,治験デザインを 明確にしましょう! 治験計画時に,治験スケジュールに簡単なメモがかけるか 確認しましょう. ①EPOCH(期)の概念は入っているか? ②ELEMENTの始めと終わりの日は明確か? ③study dayの起点日は投与開始日か? 18 (D)治験実施計画書作成者への 教育をしましょう! 治験実施計画書作成者,臨床のメンバーが, CDISC標準について学ぶのは難しい. 歩み寄りとそのためのツールが必要! 製薬協タスクフォースでの取り組み 仮想Protocolを作成し,SDTM化に必要な情報が記載されて いる個所にAnnotationした“annotated Protocol”を作成中. SDTMを円滑に作成するための,社内コミュニケーションツール(教育 資料)として参照してほしい. 各試験で作成・提出しなくてはならない成果物ではない! 治験実施計画書作成段階で,SDTM化できるか配慮・検討しておくほ うがよい. 2015年度製薬協のHPで公表予定.ご期待ください! 19 まとめ ① PMDAへの提出物は, データサイエンス部門 だけでは作成できない! ② 治験実施計画書作成者を始めとして, 非データサイエンス部門との コラボレーションが必要! ③ 治験計画時が望ましい. ご紹介した アイデアが 参考になれば 幸いです. 20 メンバー 平成26年度サブチーム4:CDISC標準のEnd to Endでの利用推進 平成27年度サブチーム7:Annotated Protocol (社名五十音順) 会社名 名前 アストラゼネカ株式会社 山田 大志(平成26年度サブチーム4 “Annotated Protocol”リーダー) MSD株式会社 鈴木 正人 科研製薬株式会社 佐土原 和宏(平成27年度サブチーム7リーダー) 協和発酵キリン株式会社 小寺 治 塩野義製薬株式会社 神谷 亜香里 第一三共株式会社 浅見 由美子(タスクフォースリーダー) 大日本住友製薬株式会社 土屋 悟(タスクフォースリーダー) 中外製薬株式会社 淡路 直人(タスクフォースリーダー) 日本化薬株式会社 市川 恵子 日本新薬株式会社 火原 光裕(平成26年度サブチーム4サブリーダー) ファイザー株式会社 三沢 秀敏 (タスクフォースリーダー) 丸石製薬株式会社 松本 吉広(~平成26年10月) Meiji Seikaファルマ株式会社 齋藤 知子(平成26年度サブチーム4リーダー) 持田製薬株式会社 林 水紀 21