...

03-5754-2240

by user

on
Category: Documents
5

views

Report

Comments

Transcript

03-5754-2240
英語科の運営体制や
帰国生募集について
参考になる情報が
満載です!
講演内容を掲載しています!
かえつ有明中・高等学校 久保敦先生
『英語教育と帰国生受け入れについて』
実践女子学園中学校高等学校
松下寿久先生
『帰国生募集戦略について』
日時: 2010 年 12 月 24 日(金) 14 時~16 時
会場: アルカディア市ヶ谷(私学会館) 会議室
主催: ㈱アイウエア
海外・帰国子女教育専門機関 JOBA
T E L
03-5754-2240
E-mail
[email protected]
発行:株式会社アイウエア 海外・帰国子女教育専門機関 JOBA 学校担当:杉谷・高橋・宮田・渋谷
2010 年 12 月 24 日 アイウエア教育セミナー 実施レポート
2010 年 12 月 24 日、株式会社アイウエア/海外・帰国子女教育専門機関 JOBA は、市ヶ谷アルカディア(私学会館)
において、教育セミナー「最新型の英語教育と帰国生募集の取り組み方」を開催しました。首都圏の 22 校の私学より 32
名の先生方をお迎えし、盛況に終えることが出来ました。
この実施レポートでは、かえつ有明中・高等学校 英語科主任・帰国生担当主任の久保敦先生と、実践女子学園中学校
高等学校 中等教育研究室長・広報部長の松下寿久先生の講演内容をお伝えします。ぜひ、参考にしてください。
主催者挨拶
アイウエア取締役 渋谷毅
主催者挨拶
こんにちは。アイウエアの渋谷と申します。本日はお忙
しい中、また、クリスマス・イヴという特別な日にお集ま
りいただきまして、誠にありがとうございます。私どもア
イウエアは長年、私学の英語教育・生徒募集のご支援をさ
せていただいておりますが、結局のところ、私学が保護者
の本当の評価を得るためには、広報面だけでもなく、教育
の中身だけでもなく、その両方を真摯に追及してこそ、初
めて本物の評価を得られるんではないかと痛感しており
ます。そんなわけで、我々は教育支援という立場で、ずっ
と私学の視点と保護者の視点の両方の立場に立って皆様
のお役に立てるように、さまざまな活動を続けております。
学秀舎代表 荒谷 博孝
皆さん、こんにちは。今、紹介をいただきましたように、
渋谷とは前身の会社で一緒にやっておりまして、今もアイ
ウエア、JOBA グループの会社として国内で 16 教室展開
している学秀舎グループ代表の荒谷と申します。
渋谷といつも学校さんを訪問するときには一緒に行動
を共にしております。つい先だって、ある私学を訪問しま
して、今日のテーマである内容の話をしてまいりました。
つくづく思うのは、今の私立中学校一般入試の募集に関し
ては戦略的にも技術的にもすでに飽和状態になっている
と考えられます。したがって、学校運営上における子ども
たち、父母の皆様への教育のクオリティを認知して頂き賛
同を得られないことには学校としての存在意義が問われ
ると言っても過言ではありません。その教育の質を上げる
には 1 年、2 年でできるものではないということなんです
よね。
今いらっしゃる 2 校の方々もそうですが昨日、今日出来
上がったわけではないわけです。10 年前を考えると、現
在の帰国入試の先頭を走っている洗足学園さん、攻玉社さ
んのように急激に学校が変わることを誰が予想できたで
しょうか。つまり皆さんには、この 2 年、3 年をかけて、
じっくりと今の学校の中身を変えていくといういうスピ
リッツをぜひ持って頂きたいと思っております。この厳し
い時代において、厳しい生き残りをかけて、変わらずに生
き残っていくためには、変わらざるを得ない、ということ
です、私学自身がね。変わる、何がきっかけになるのかと
いうのは、どんな問題でも解決の糸口はあるということ、
さらに 3 年後の学校の姿、5 年後の学校の姿をご自身がイ
メージできてはじめて現場に伝えられるということ。この
ことを、ぜひお考えになる機会にしてもらえればと思って
おります。
本日はその一環として、まさに広報と教育の中身の両方
を追及されてらっしゃる先生方、お 2 人をお招きして講演
をしていただきたいと思います。ぜひ、今日の講演が皆様
にとっての良いクリスマスギフトとなるようにお祈りし
ております。
さて本日は飛び入りではございますが、お一人ご紹介を
したい方がおります。私どもアイウエアグループは、国内
では神奈川県と東京に合計 16 校の教室現場を持ち、海外
では 8 校ほど、教室を運営しております。また海外駐在員
家庭約 5 万人のうち 1 万 5 千人ぐらいの会員を持って、
様々な活動をしております。
本日は国内教室の代表で、また社団法人かながわ民間教
育協会の理事長でもあります荒谷が来てくれましたので、
少しだけお時間いただいてごあいさつをお願いしたいと
思います。
また蛇足ですが、来年、四谷大塚と共同主催で中学受験
のセミナーと私学フェアを社団主催でやる予定です。その
案内も春先に皆様のお手元に届くかと思いますので合わ
せて考えていただければと思っております。また、このあ
と休み時間、あるいは帰りの時間に名刺交換等させて頂け
れば幸いです。
1
第 1 部講演
かえつ有明中・高等学校 久保 敦 先生
こんな子たちが日本に帰ったら、どういう教育を受けてる
のかな、どういう支援ができるのかなというので、かなり
カルチャーショックを受けまして。日本へ帰ってきて、実
は帰国生を受け入れる学校を探しました。パイオニア校と
言われている学校、何校かあるんですけど。幸い、その 1
校に採用されまして、そこで長年、帰国生のセンター長を
させていただいておりました。いったん、品川区、母の病
気のためにちょっと品川に帰ってこなきゃいけませんで
したので、転職をしまして、今、かえつ有明中・高等学校
にて勤務しております。勤務の現職の内容ですが、大きく
分けて 4 つ。英語科を変えるということ、帰国生教育を始
めるということ、国際交流を変えていくということ、IB
バカロレアの研究員ということを命じられ、今、先生方と
一緒に導入、IB の学校にはならないですが、その良さを
何とか日本の学校の教育に取り入れられるというふうに
思っております。
こんにちは。かえつ有明中・高等学校の久保敦と申しま
す。よろしくお願いいたします。本校 5 年前に、かえつ女
子という女子校から共学になりまして、麹町から今の有明
のに移転してまいりました。男女共学。今、1,100 人の、
若干男子が多い、男子校になるのじゃないかという勢いで
男子が増えておる学校です。
本日のタイトル、最新型の英語教育というのをいただき
ましたので、ちょっとおこがましいですが、私の今日お話
ししたいタイトルは、『欧米と日本の教育の融合を図る試
み』を本校はしているということをご紹介して、何か皆さ
んのギフトになればいいと思っております。
実は、このお話に入る前に、先週ニューヨークへ、それ
からフィラデルフィアまで行きまして、現地校 3 校回って
まいりました。本校、共学になりましたので、男女共学の
私学も見たいということで見てまいりましたが、驚いたこ
とが何点かありました。
本日の内容ということで 4 つお話します。だいたい、
10 分、10 分、10 分ぐらいで、40 分で終わりにしたいと
思いますが。英語科での取り組み、それから帰国生教育に
ついて。それから、サイエンス科というのは、本校の新し
い、これを推し進めないとうちの学校はたぶん潰れるだろ
うというふうに思っております。これのちょっとお話をさ
せていただいて、本校の目指す教育ということでまとめさ
せていただきます。
まず 1 つは、アメリカの授業料というのは、本当に高い
んだなあということです、私立。年間ボーディング前提で
400 万円ですね。それに ESL 料を足すと 500 万円です。
うわあ、400 万、500 万もかかるんだなと思いながら、ど
んな生徒が行ってるのかなということで見てみましたら、
約 40 パーセントの生徒がインターナショナル・ステュー
デントということで留学生。その中の 4 割から 5 割は中
国人です。中国人の方が、400 万円、500 万円の年間の授
業料を払える子が、払える家庭がこんなにも多くなったの
かということで、私は驚きを感じました。これは、日本は
もう負けるなというふうに、実感いたしました。恐らく
10 年後、20 年後。我々の会社の社長は、皆さん中国人で
はないかというぐらいの勢いで、印象を持ってまいりまし
た。3 校、小さな学校で 200、200、200、600 名ちょっと
ぐらいだったんですが、会った日本人はたった 2 名です、
たった 2 名です。あとは、皆さんもう中国人と韓国人なん
ですね。私立オリジナルの教材を使いながら、1 クラス
13 人、14 人の小さなクラスで、とてもいい施設で、とて
もいい教育を受けています。ああ、これが私立なんだな、
というふうに思ったんですね。
帰国生向けの雑誌を見ますと、本当日本の私学って金太
郎あめだなというふうに、私いつも思うんです。みんなど
こも一生懸命やっています。しかし、なかなか特徴って出
せないんだなあと。私がお話する内容が、もしかしたらど
こかの学校でやられてるかもしれないし、そういう気持ち
をお持ちで学校を創設したり、教育指導をされてる方がい
らっしゃると思います。ですから、うちの学校も金太郎あ
めの 1 つだなあと思いながら。でも何かやらないといけな
いな、何か変えなきゃいけないなっていう思いで、ちょっ
とお話をさせていただきたいと思います。
まず、私の専門分野、職歴についてご紹介します。普通
は英語と日本語ですと文系ですが、一応、情報教育の免状
も持っておりますので、今パソコン、情報教育もしていま
す。また、国際バカロレアということで、今、研究員もさ
せていただいております。次に職歴。転、転、転とよく替
わっておるのですが。ニュージーランドの現地校を体験し、
ここで海外子女と出会いました。もちろん千葉の中学校で
も、1 名、2 名、帰国生徒には出会ってたんですけど、そ
のときは何の関心もなかったんですね。海外で受けて、英
語ができる生徒なんだ、日本語って大変だねっていう思い
の、本当に新人の時代でしたが、ニュージーランドの現地
校に行きまして、うわあ、こんな教育を受けてるんだと。
2
それでは結論から申し上げますね。向こうの方は、だい
たい結論からお話しますので結論からいきます。本校が目
指す教育は、こちらです。欧米、欧米と言っても一緒にし
ていません。欧は欧、米は米と考えてください。これらと、
日本の教育のいいところを何とか融合できないかなあと
いうことで、お手元の資料にあるように、日本型の教育と、
それからアメリカ型の教育と、ヨーロッパ型の教育。3 つ
は、やっぱり 3 パターン違います。それぞれいいところも
あるし、悪いところもあると思います。これを融合できな
いかというふうに、今考えております。極端に言うと、日
本型の教育というのは知識注入型ですね。非常に知識は豊
富です。東大受けるときも、7 科目。引き出しはたくさん
ありまして、何年に何が起きた、誰がどうだっていうのを、
すべて答えられる人たちがたくさんいます。しかし、それ
を本当に使えることができるか、あるいはクリティカルな
考え方ができるか、クリエイティブな考え方ができる人材
を本当に東大は育てているかどうかというのは、さておい
て。次、アメリカ型の教育というのは、だいたいがスキル
型ですね。多民族国家ですから。グローバル・スタンダラ
イズで、だいたいスキル。ある程度、みんながこういうス
キルができれば、国際社会で生きていけるよ、アメリカの
中で生きていけるよっていうスキル型の教育。ヨーロッパ
というのは、やはり教科連携ですね。数学も、英語も、理
科も、社会も連携を取りながら、全人教育を図っていくと
いうところです。ここは少し、ちょっと言葉に語弊がある
かもしれないんですけど。日本型は暗記重視ということで、
覚えよ、覚えよ、覚えよ。だいたいレクチャーの形式で授
業が始まって、生徒はペーパーで穴埋め式、選ぶ問題、答
えは 1 個しかないというのがだいたいですよね。それを一
生懸命、一生懸命勉強して、センターで何点取って、入試
で何点取って、どこどこ大学に受かった。ああ、良かった
ねっていうのが、日本の教育かなあというふうに思います。
さて、アメリカの教育は、Critical Thinking。Critical
Thinker っ て よ く 出 て く る ん で す け ど 、 Critical
Thinking Skills というスキルをやはり各教科で育てた
いということで、教科書に書いてあるんですね。1 単元が
終わったら、こういう Critical Thinking の Skill を勉強
させるための項目で、こういうレポートを書いて、こうこ
うこうで、こうでって、もう教科書がそういうふうになっ
てるんですね。今回見てきた 3 校もすべて教科書を見てき
ましたけれども、必ず最後には Critical Thinking Skills
というのがありまして、こういう問題を解いて、レポート
を書いてきなさい。それを積み上げていくと、あなたは
Critlical Thinker になれる、という目標の 1 本の線が一
応通っているんですね。これがアメリカ型です。ヨーロッ
パ型というのは、全体が IB 化っていうことではないとは
思いますが、GCSE 等がイギリスはあるので、IB、教科
横断型の国際バカロレアを本校の教育の中に入れて、かえ
つ有明というのは真ん中に持ってきたいというふうに、今
思っております。これが、今日の結論です。
そこに至るまでのちょっと取り組みということで、まず
英語科での取り組みなのですが、大きく分けて 4 つやって
おります。私がかえつ有明に来て、4 年目なんですね。5
年前にかえつ有明ができまして、縁があってかえつ有明に
来たのですが、英語科を変えて欲しいということで、まず
目標の設定を大きく変えました。具体的には、戦略を立て
るということ。それから、教員の柔軟性と独自性を出すと
いうこと。それから、教員の自己研修の育成ということで、
この 4 つを、この 3 年間一生懸命、一生懸命努めてまい
りました。まず目標の設定ですが、普通の英語の学校です
と、4 つのスキルをバランス良くどうのこうのこうのとよ
く書いてありますね。そういうのを、うちの学校は書いて
おりません。
この文章も、皆さんの学校でも採用されていると思うん
ですが、真のエリート。赤線の部分をちょっと見ていただ
きたいのですが、グローバルな考え方ができる人間を育て
たいと。グローバルな考え方ができる人間が何かというこ
とで、やっぱり具体的に言うと、アメリカ型の Critical
Thinking 力を育成させたいというふうに思っております。
日本人は、運動能力が、かなり文科省が力入れていたので、
少しずつ上がってきたんでしょう。次にやっぱり考える力
というものを、どういうふうに英語教育で身に付けていけ
ばいいのかということで。本当はこの Critical Thinking
力だと、我々は思って、これを中心に研修、それから生徒
への指導を一生懸命心がけています。
さて、具体的な戦略なんですけれども、本校、実は今日
3
見直しをしたんです。Z 会の NEW TREASURE という教
材を中 1、中 2、中 3 で使っております。本日お持ちしま
したので、またお時間あるときに見てください。Critical
Thinking を勉強する英語の教材って、実はないんですね。
海外にはありますけど、日本の教材には全くありません。
なので、私ともう 1 人の教員と大学の教員と、あと他校の
先生と一緒に、もう作っちゃおうということで、Z 会さん
と今タイアップをして、英語での Critical Thinking 力を
はかる教材ということで、NEW TREASURE を作りまし
た。それから、シラバスに準拠した問題集の作成というこ
とで。実は今もう、旧 TREASURE の準拠した問題集は
あるんですね。実は、HYBRID 問題集っていうのがある
んですが、もう NEW TREASURE の問題集がないので、
今また他社さんと NEW TREASURE の文法に準拠した
ものを今作っております。まだこれちょっと公開するとあ
れなんですが、表紙だけ持ってまいりましたので。一応こ
ん な 感 じ で 、 KAETSU NEW HYBRID ENGLISH
GRAMMER IN USE っていうのは、どこかで聞いたよう
な名前だと思うんですが、これがボリューム Vol.1、2、3
とあるんですけど。NEW TREASURE の 1 となるべく色
を合わせながら、文法項目合わせて。ただ、ただの文法問
題集ではないんですね。これちょっと内容を言ってしまい
ますとあれなんですが、日本で初めての試みを今考えてい
るところです。そこまでにしておいてください。すみませ
ん。全部をお話してしまうとあれなので。戦略を持つとい
うことなので。
次、実はうちの英語科は、学年責任分担制を採っており
ます。中 1 は中 1、中 2 は中 2、中 3 は中 3。高校 3 年生
まで、各学年、責任を分担するということで、チーフ制を
しております。それから、定期試験。統一問題の作成をし
ております。それから分析方法ということで、これもまた
お持ちしましたので、先生方が作った英語科の中 1 から高
3 までのすべてのテストを毎回このようにファイリング
をしまして、先生方に統一の問題の形式を採っていただき
まして、分析まで全部していただいて評価会に臨むと。こ
ういうのを繰り返していきますと、だんだんに先生方、若
い先生、年配の先生も、自分での研修、それから自分の試
験の問題を分析する力が徐々に徐々に芽生え始めて、ここ
まで来るのに 3 年かかりました。初めはやっぱり抵抗する
先生もいらしたんですけど、だんだんにその良さがわかっ
てくると、実は 3 年目にして、全員この提案した内容を理
解していただいて、やっていただいております。これが、
外部模試の分析にもつながっていくと。教員の分析力を上
げていくということにつながっていると思います。といっ
て、5 年前にできていますので、1 期生が高校 2 年生で、
本校はまだまだ、大学どこどこ受かりましたとか、東大受
かりましたとか、慶応何名ですまで言えるような学校では
ございませんので、まだまだこれから勉強しなければ、頑
張らなきゃいけないところでございます。ということで、
生き残らなければいけない、もう本当にすれすれの段階で
頑張っているというふうに思ってください。
さて、学年責任制ということで、こんなふうに採ってま
す。中 1、3 名は私が持っておりまして。中 2 が 2 名、タ
ナカ、マエジマです。それから、中 3 も 2 名。それから
高 1 も 2 名、高 2 も 2 名、高 3 は 3 名。そしてネイティ
ブが 5 名という形で、約 1,100 人を回しております。実は
NEW TREASURE の編集者は、私とヤマダと嘉悦大学の
准 教 授 の サ イ モ ン ・ ク レ イ と い う 、 も し NEW
TREASURE 採用されてる学校はご存知だと思います。1
番後ろのほうに、私とヤマダとサイモン・クレイの名前が
出ていると思います。3 名が編集委員として関わっており
ます。別に私、Z 会の回し者ではないんですけど、検定教
科書外の教科書では、NEW TREASURE のステージ 1 は、
Progress を抜いたそうです。
して。それですと、30 人弱のクラスではちょっと音が小
さいので、向こうに大きなスピーカーを付けて、実は iPod
ですね、Pad じゃない、iPod を持ちながら動画教材を、3
番目ですけど。これに関してね。右から 3 番目の、黒板に
私がいて、いろんな授業をやっております。右側のピンク
のが、これ旧の HYBRID の問題集です。これはもう購入
できますので、興味関心ある方は言っていただければ、出
版社をご紹介いたします。
次に、自己研修力の育成ということで、これ結構大変な
んですよね。先生方の意識を変える。それから、一致団結
して前を向こうというのは、結構学校の組織は難しいです
ね。特に、教科がバラバラですし、教科の中でも考え方が
バラバラなので、やはり一般企業とは違う。私、結構厳し
いなっていうことが、何校か経験してよくわかっておりま
す。かえつ有明は、先ほどのメンバー、若い教師も多いし、
元、旧かえつの先生もだいぶ少なくなってまいりましたし、
変わらなきゃいけないという意識があったので、なんとか
うまく動いております。ですから、もしかしたら前に勤務
した学校で変えようと思ったら、抵抗があってなかなか変
えられなかったりするかなあというふうに少し思ってお
ります。
自己研修力の育成
さて、柔軟性と独自性ということで、こんな試みをし
ております。まず、NEW TREASURE に準拠した自作の
動画教材。たぶん、この中でも私たちの研究会に参加され
た方がいらっしゃったり、私の講演会に来ていただいてご
覧になった方もいらっしゃると思うんですけど、中学校 1
年生は動画教材を導入しております、自作です。実は、た
だもうこれ来年、Z 会が商品化するそうですのでご安心く
ださい。NEW TREASURE のステージ 1 をご採用した学
校には、動画教材を購入することができるそうです。それ
から、英語演習を増やすために、特別の問題集 NEW
HYBRID 問題集を今作っているところです。日本初の試
みが入っています。1 年だけ公開するのは待ってください
と言ってありますので、2 年目は皆さんも購入できると思
います。それから、NEW TREASURE と連携した Oral
の Workbook の作成を今しておるところでございます。
そ れ か ら 、 1 番 の 重 要 な と こ な の で す が 、 Critical
Thinking Skills。まず、英語の日本人の教員が Critical
Thinkers でなければ、Critical Thinking Skills を生徒
に教えることはできないというふうに思っておりました
ので。
実はネイティブが 3 名、フルタイムなのですが、その先
生方を中心に帰国生のクラスでやられている授業を我々
に教授していただく。それから、Critical Things とは何
か、目的は何か、欧米はどうしてそういう力を生徒に託し
ているのか。日本の教育の悪いところはどこかというのを、
すべて言っていただいて、我々が学んでいるということで
す。ですから、まず英語科から Critical Thinking Skill
というのを今勉強して、それを授業の中心にしていこうと
いうふうにコンセンサスを取っております。
それから、英検にも力を入れているのですが、来年
TOEIC Bridge の導入も考えております。一般社会人にな
りますと、今 TOEIC 何点以上で課長とか部長とかいうふ
うになっておりますので、大学でも TOEIC 何点以上でな
いと卒業できない、単位をあげない、卒業証書をあげない
という大学もありますので。中高あたりから TOEIC にも
力を入れていかなきゃいけないのかなということで、英検
から徐々にシフトをしていこうかなというふうに思って
おります。その下の写真ですが、プロジェクターがありま
定期試験の分析の報告も、各チーフからしてもらうことに
なっています。ですから、平均点はなぜ、同じ先生が教え
ているにも関わらず、1 組と 2 組で 10 点差があるのか。
あるいは、難関大進学コースと総合進学コースで平均点が
何点縮まって来たぞ。難関大進学コースの先生、頑張らな
いといつかは抜かれるぞっていう、ある程度ちょっと競争
心も先生方に出しながら、でも、伸びて来たら褒めながら、
生徒と一緒だなあと思いながら、なんとか英語科の教員を
まとめているところでございます。あとは、定期的な研修
会を、なかなか学期に 1 回はしなきゃいけないんですね、
先生方ほんとに忙しくて。で、今年 7 月なんですけど、
NEW TREASURE を中心の研究会ということで、ちょっ
と画像がなくて申しわけないのですが、本校で NEW
TREASURE の実践報告をさせていただきました。で、こ
れが私で、ヤマダで、Critical Thinking の話をしていた
だき、パネルディスカッションで他校さんをお呼びして、
約 200 名の方が参加していただきました。そんなような
ことをしていくと、何が目的かというと、やはりここです
ね、先生方の意識を変えたいと、見られてるんだと、自分
は報告しなきゃいけないんだと、自分たちの学校を発信し
なきゃいけないんだということを、なんとか先生方に意識
付けたいというふうに思って、今、研修とか研究会は、も
うどんどんどんどん引き受けてる状態です。
ちょっとこれを見ていただきたいのですが、ご覧になっ
た方いると思いますが、週 1 の単語の練習ということで、
こうやって右手にですね、iPod を持って、こうプロジェ
クターで、音が出るんですが。ポイントだけちょっと見せ
ますね、音が出るかな。
4
すので、どこの帰国生をターゲットにして、教育の中で何
を育てていくのかという、やはり目的をしっかりしとかな
いと、ほんとに大変です。お金だけ掛かって、他の先生か
らクレームばかりです。なんであんな子取ったの。大変だ
よ、で、日本語はできないし、社会もできないし、漢字も
書けないんだよ。で、テストやったら 20 点・30 点、赤点
だよ。どうすんの、こんな子。っていうふうに出てきてし
まうんで、やはりその辺の目的をしっかり先生方と統一を
しておかないと、大変なことになると思ってます。さて、
答えです。先ほど言ったように、日本型とアメリカ型とヨ
ーロッパ型の融合ということで、欧米的な学習スタイルで
学んだ子、その子たちの力を借りたいということなんです
ね。で、日本の授業を変えていきたいというのが、実は本
校の帰国生を受け入れる目標なんです。目的なんですね。
なので、日本人学校の生徒は極端に少ないです。ですから、
日本人学校のお子さんは、別に募集してないわけではない
んですけど、本校としては、現地校、あるいはインター校
を卒業された方に来ていただきたいということで、人数も
そういうふうになっております。
こんな感じで、黒板にプロジェクターで映すんですけど、
英語と意味が出て、何をしたいかというと、顎を上げさせ
て発音させてたいっていうだけなんですが、で、生徒が中
1 ですから、楽しくこう勉強できればいいなあっていうこ
とで、こんなのを私が作りまして、授業に全学年導入して
おります。で、これはフラッシュカードです。もうこうや
ってフラッシュカードするの面倒臭いじゃないですか。私
嫌なので、もう自分でフラッシュカード持つより、勝手に
コンピューターがフラッシュカードというように作っち
ゃいました。これはフラッシュカードです。こんなのも、
iPod があればできますよということで。で、try again な
んかはアトランダムになりますので、順番が変わるという
ことです。音はありません。それから、あとは内容も、こ
のように動画を入れました。NEW TREASURE のこの文
章とかを書いて付けたんですね。
こんなもんです。で、これも日本語版があるということな
んで、わざわざ先生が日本語言わなくても、ずっと英語で
授業が運営できると言うことなんですね。最初から私はず
っと日本語しゃべらないでここまで来れるんです。(動画
教材例の提示)こんな感じです。これが Critical Thinking
じゃないですけどね。これは、ほんとにただのベーシック
な英語を勉強するということなので、Critical Thinking
力っていうのは、この項目の別のところと思ってください。
ここまでが教育ということです。これが最新型かどうかわ
りませんけど、まず英語科の先生方の意識を変えるという
こと。それから、中学校 1 年生で NEW TREASURE を導
入して、動画、iPod とかプロジェクタを使って、生徒と
ともに職員も勉強するということも、本校で実践している
ところでございます。2 年目になります。
続きまして、帰国生の教育ということで、英語教育とだ
いぶリンクするのですが、本校、受け入れて 3 年、4 年目
に入ったところです。まだまだ人数は少ないんですけれど
も、本校の試みをちょっとご紹介したいと思います。
まず最初に、なぜ本校が帰国生を受け入れるかというと
ころです。ここを明確にしておかないと大変です。生徒が
少なくなったから帰国生を受け入れる、これじゃ駄目なん
ですね。帰国生というのは、第 2 部で松下先生もたぶんお
話されると思いますが、いろいろなタイプの帰国生がいま
5
帰国生教育の内容ということで、本校はこの 5 つのプロ
グラムを準備しております。他校さん、もし始められるの
であれば、最低でもこの 5 つはないと、帰国生には振り向
いてくれるような学校にはならないと思います。1 つ目、
日本語力の支援。日本人学校のお子様ですと、ちょっと違
うかも知れませんが、インター・現地校ですと、日本語力
の支援はどうなってるんですか。授業中にやるんですか。
放課後ですか。それとも全くないんですかっていうことで。
それが 1 つ。2 つ目、先生方の理解・支援がどれだけある
か。今、半分ぐらいが嘉悦女子の先生、もう半分ぐらいが
他校からの先生です。その中でも、アメリカ 10 年・13 年、
それから、ご本人が帰国、私のように現地校で教えた者、
教頭が帰国生です。で、校長はフランスに留学し IB を取
っておりますので、非常に IB には明るいんですが、そう
いうスタッフをなるべくたくさん採用してくださいとい
うふうにお願いをしました。ですから、1 人 2 人が一生懸
命頑張ったとしても、帰国生教育は学校では動きません。
最低でも学年に 1 人ないしは 2 人、帰国生というものが
どういう経歴を持って、どういう生徒なのかというのを理
解し、指導できる先生がいないと、学校ではうまくいかな
いと思います。それから 3 つ目、質の高い英語教育。質の
高い英語教育はもう必須でございます。4 番目、本校の進
むところが共生生活ということで、帰国生のクラスは作っ
ておりません。ですから、なになにクラス、帰国生クラス
とか、コース制はあるんですけど、帰国生だけを集めるク
ラスというのはしておりません。最後に国際併願というこ
とで、国内、それから海外の大学、難関校を目指してもら
いたいということです。ということで、左側の 1 番と 2
番は支援する教育、右側が伸ばす教育。そして、グローバ
ルな進路選択ができるというのが、本校の帰国生教育のプ
ログラムと思ってください。ですから、やはり現地校、イ
ンターの子にとっては、あっ、こういうプログラムがある
んだったら、かえつ有明に行ってみようかなあ。頑張って
みようかなあ。受けてみようかなあっていうふうに思って
くれるかなあっていうことです。で、ポイントはここです
ね、国際併願、この言葉を本校で初めて使ったんですが、
R マークはうちが取ったのではなくて、聖学院さんが取っ
ていただきました。ありがとうございます。聖学院さんも、
同じように国際併願を使っておりますので、R マークを入
れさせていただきました。
すので、それ以上は取らすということをマニフェストには
書いております。来年の 4 月より、Advanced Class とい
うものを開設します。
さて、本校は 3 つの選考試験を採っております。A 選
考・B 選考・C 選考。A 選考っていうのは、海外のインタ
ー・現地校の出身者です。B 選考は日本人学校です。C 選
考は、実は今年から始めるんですが、国内のインターの出
身者です。ですから、A 選考・C 選考の子は、左側の国際
校、現地校出身者ということで、原則、難関大学進学コー
スに入っていただきます。日本人学校の場合は、その試験
の結果によって、難関大学進学コースか総合進学コースを
学校側が決めるという形です。
さて、これが本校また、もう一つの特色だと思うんです
が、帰国生のクラスには、実は Language Art だけではな
く、Humanities というクラスを週 2 時間取らせています。
ある渋谷の帰国生で有名な、ね、東大にたくさん出してい
る学校が、本校が Humanities を入れましたら、ワールド
ヒストリーを始めたっていうことで、やっぱりこういう考
え方は必要だと思います。文学作品だけやっていると、語
彙力が偏ります。ですから、こういう Humanities、幅の
広い社会的な問題や出来事を中心に勉強させる科目が必
ず必要だと。で、ここでも Critical Thinking 力を養って
いきたいというふうに思っております。いろんなところに
Critical Thinking 出て来るんですが、高校になりますと、
これがもう少しレベルが上がりまして、週 2 時間 TOK と
いうのがあります。Theory of knowledge、これ、基礎哲
学なんですね。実は大学のこれは一般教養でも難しいぐら
いなのですが、IB の学校では、これをやらなきゃいけな
い必須科目なんですね。これは本校で高 1 から高 3 まで 2
時間、3 年間開講して、必ず取るということです。で、こ
こでは High Order Critical Thinking Skills というのか、
High Order Thinking skills というか、高次思考力という
ものを鍛えていくということです。たとえば、なぜこの世
の中に宗教っていうのが存在するのかとか、なぜ、数学を
我々は勉強しなきゃいけないのか、心と体との違いは何か
っていうようなことを、哲学を勉強していくんですね。難
しいですけど、かなりユニークな面白い企画だと思います。
さて、在籍している帰国生の人数です。これ、ほんとま
だまだ多くありません。各学年まだまだ 10 名いくかいか
ないかぐらいです。8 名、17 名、10 名、7 名、4 名、8 名
ということで、4 年後の目標を決めております。各学年
40 名以上は必ず帰国生を在籍させるということで、今一
生懸命頑張っております。高 3、2 名が上智大と海洋大に
もう受かっております。1 番下、合格大学実績ということ
で、実は高校 2 年生が 1 期生なんですけど、途中編入も
受け入れをしていますので、一般受験ないしは帰国枠受験
で、早稲田・上智・立教・学習院・青山にはもう合格して
おります。ですから、なんていうんですかね、学習意欲の
高い帰国生を入学し、しっかり育てれば本校が言っている
早慶上智 GMARCH 等々には、合格、今一応有言実行し
ております。さて、問い合わせ件数と受験者数です。2007
年度から始めまして、はじめ 30 件だったんですね。それ
が 100 件になり、150 になり、今年やっとようやく 200
件になりました。受験者数も同じです。数十名から、よう
やく今年、昨年の 1.5 倍になりまして、50 名を超えまし
た。で、目標値は 400 名の問い合わせ件数で、100 名の受
験で、何人残るかということなんですが、40 名で十分だ
と、本校の場合は。ライバル校がたくさんいますので、こ
れ以上はもう望めないです。沿線にはもうライバル校がた
くさんありますので。で、問い合わせ件数が増えて来たと
いうことは、関心値が上がって来たということ。それから、
受験者数が増えて来たということは、やっぱり期待値が上
がって来たことというふうに分析しております。
放課後、これ、他校さんもやられているようで、もうサ
ーッといきます。TOEFL、SATⅠ・Ⅱあります。本校、
数学・英語・世界史・理科系も全部対応しております。
ここですね。国際併願で、ダブル・ディプロマを今一生懸
命取れないかなと。日本の学校とアメリカ、あるいはイギ
リスの高校の卒業を 2 つ取って、たとえば IB リーグ、あ
るいは、できればケンブリッジ大学に本校の施設がありま
すので、そこからケンブリッジ大学に進む、させたいとい
うふうに思っております。共生生活の重要性ということで、
ここに書いてあるとおりでございます。国内で育った一般
生と一緒に過ごすと。日本人というアイデンティティを確
立してもらいたいので、日本文化も理解させたいというこ
さて、なぜでしょうかということで、英語教育は、実は
IB のバカロレアのシラバスを根幹としております。週 4
時間から 5 時間 Honors Class、Language Art ということ
で、IB の Criteria を標準にして、中学校は MIP、高校は
DP を使っております。中学卒業時、TOEFL iBT で 75
以上です。高校 TOEFL iBT で 100 点以上。120 が満点で
6
とです。これはご理解いただけると思います。
すね。そこがないんです。で、IB のプログラムというの
は、まさしくそれを強制的にさせられるんですね。必ず横
の連携を取りなさいよ。生徒は単科では育てられない。
アメリカのある研究で、エリートの子で、たとえばスタ
ンフォード、ハーバードで点数をこう比べて、AP を取っ
た子と IB で入った子を比べると、実は IB で入学して来
た子のほうが成績がいいそうです。
で、AP っていうのは、
その特化型ですよね、科目特化型とかでなくて、アメリカ
式ですよね。できる子はどんどんできていって、ノーベル
賞までいく。ヨーロッパ型というのは、全体的にこう能力
を上げていくという形で、最終的には大学で調査をしたら、
アメリカでも IB を取得した生徒のほうができるというこ
とで、アメリカの中で IB を採用する学校が今増えて来て
ます。日本だけです、なかなか増えないのは。なぜでしょ
う。で、それは増えても、皆さんだいたい関西のほうなん
ですね。関東はないんですよ。玉川さんもちろんされてま
すけど、あと、学芸大さん。ただディプロマまでいくかど
うかわらないじゃないですか。関西さん、立命ももう採っ
てますし、千里国際さんもやられている、ユニークな試み
っていうのは関西なんです。関東はほんとうに遅いという
か、やらないのがよくわからないんですけど。
次に、日本語の補習です。補習というか、講座という名
前を付けているのですが、毎日月から金までやっておりま
す。4 科目、国・数・理・社。それで週 5 っておかしいな
あと思ったら、よく見てください。月曜日と金曜日は、国
語で始まり国語で終わります。本校の教員が教えますが、
実は外部から先生をお呼びしております。ここが 1 つキー
なんですが、学校職員に頼むと、補習ではたぶん無理です。
職員会議が入ったり、学年会議が入ったりしますので。あ
とはもう 1 つ、労働時間がありますので、オーバーします。
ですから、外部に委託を今しております。教員の支援とい
うことで、海外で勤務されてた教員、これ、私のことです
けども、帰国生の教員、それから、帰国生を教えた経験の
ある先生等々、これ以上採用するのはなかなか大変なんで
すが、来年英語科で 2 名、新しく帰国生を教えてもらうの
に採用いたします。今後たぶん英語科は、帰国生あるいは
海外留学の経験がない教員は、たぶん採用されないと思い
ますけどね。うちは採用したくないと思います。
本校に戻ります。本校は、そこの部分で、やれやれと言
ってもできないので、サイエンス科という別の科目を立て、
科を立てて、そこにいろんな教科の先生を担当させて、
Critical Thinking 力を中学校の 3 年間で育て上げるとい
うことです。教科の枠組みを超え、より良く生きる力を身
につけるサイエンスということで、赤いところだけちょっ
と見づらいんですけど見てください。
教科横断型のカリキュラム、これオリジナルです。それか
ら、Critical Thinking、また出てきました。で、将来活か
充実した Native の教員ということで、本校 5 名ですけ
ど、JOBA 様から非常に優秀な先生方を送っていただいて
おります。左側の 3 名、ホワイト先生、それからダッツン
先生、それからダニエルズ先生。皆さんイギリスなんです
が、リーズ、ケンブリッジ等々の大学院まで出ている先生
で、帰国生を担当していただいております。で、この 2
人が Critical Thinking というものを中心に我々に講義し
ていただき、ダニエルズ先生が、先ほど言った Oral の
Workbook を今作成中いうことです。あとは、アメリカ、
カナダの先生がおられます。国際併願、もう書いてあると
おりです。国内、それから海外の大学を目指すということ
です。
されるスキルということで、スキル学習を一応メインにし
てます。ほんとうはスキルだけではだめなんですが、必要
な情報を集め整理することができる力、難しいことではな
いと思いますが、日本の子、できないんですよ、単科でや
ってると。社会とかで、理科でいろんなレポート書かせて
るんですけど、それがリンクしてないんですね。情報を図
表にしたり、図表を読み取り、正確に伝える力、まとめた
情報が予想されること、その根拠を説得力をもって伝える、
コンビンス、コンビンスメントですね。調べたことをフォ
ーマットに沿ってレポートできる。これも結構難しいんで
すよ。フォーマットがわかってないんですね。イントロと
ボディーとコンクルージョン、コンクルージョンの中には
自分の意見も入れてもいい、ボディーの中には自分の意見
は入れてはいけないとかね、いろいろそういうルールがあ
るので、そういうのを日本語でやるんです。日本語ででき
ないものが英語でできるわけないので、まず日本語でトレ
ーニングをしてもらって、それを徐々に徐々に英語のほう
にもってくるんです。で、メインを、動く先生は、実はド
ルフィンにも書いてあるコレ、司書です、サナダ先生。図
あと、サイエンスでおしまいです。さて、サイエンス科
ということで、実は教科連携をしたいんですけど、日本の
学校の 1 番弱いところが縦割りで、横の連携は全くないん
ですね。ですから、私は英語科ですけど、数学科で何をや
ってるかさっぱりわからないし、社会科で何やってるかも
わからないし、理科で何やってるかというのも、さっぱり
わかんないんですね。これをなんとか横、横串ができない
だろうかと。で、日本の教育の 1 番悪いとこ、そこなんで
7
書館がメインです。図書館の先生がメインとなって、各教
科がそれを、先生を囲んで、プログラムを考えていくとい
うことです。最後になりまして、また戻ります。本校の目
指すところは、欧米と日本の教育の融合ということで、知
識注入型、基礎力も大切です。そこにスキルも入れたい、
そして教科横断型も入れていきたい、そして新しい学校、
かえつ有明中高等学校を、そういうところに力を入れた学
校にしていきたいなあというふうに思っております。最後
に、やはり、英語科がポイントかなというふうに思ってお
ります。なかなか他教科は動かないので、英語科と他教科
との連携、英語科の先生の意識を変えていただくことが、
まず最初。そこから、他の、他教科の先生に連携を図る、
そして先生方の意識を改革をしてもらう。で、本校は帰国
生の受け入れ、目標はしっかりしてますので、そこを強化
しながら、実は日本人の学習スタイルを変えさせたいんで
すよ。受け身からもう少し能動的な学習スタイルに変えて
いきたいという、そういうふうな学校もたくさんあるとは
思うんですが、そこには帰国生の力が必要だということで、
本校まだまだ新しい学校ですけども、がんばっております。
なにかご質問等がありましたら、後ほどよろしくお願いし
ます。ありがとうございました。
8
講師 久保 敦 先生
かえつ有明中・高等学校
英語科主任・帰国生担当主任
ですが、アジアが過去 20 年間で倍増しており、特に近年
は飛躍的に増加しています。これは日本企業のアジア進出
がいかに増えているかを物語っています。増減の波が 1
番大きいのは北米ですが、近年はやはり増えています。そ
れ以外の地域は、ほぼ横ばいという状態です。
・ 第2部講演 実践女子学園中学校高等学校
松下 寿久先生
こんにちは。実践女子学園の松下です。よろしくお願い
いたします。今日は帰国生の受け入れで、すでに実績のあ
る学校さんも見えている一方で、これから帰国生募集を開
始しようという学校さんもおいでになっていると伺って
いますので、2007 年度から帰国生入試を開始してまだ 4
年目の本校ですが、これまでどのような考え方で、どのよ
うな取り組みを行ってきたかを率直にお話し、同じ私学と
して帰国生募集に関する情報を共有できればと思います。
1.海外子女教育の現状
◎帰国生とは
まず、そもそも帰国生とはどういう生徒かということで
す。広い意味では、長期にわたる海外での生活経験がある
子どもたちはみな帰国生ということになりますが、文科省
は「海外勤務者等の子女で、引続き 1 年を超える期間海外
に在留し、年度間に帰国した児童・生徒」と定義していま
す。しかし、帰国生入試を実施する側からすると、例えば
幼児期に 1 年以上海外で過ごした経験があっても、小学校
教育をすべて日本で受けていれば帰国生とは見なさない
わけです。つまり、帰国後何年以内であるかが一つの基準
になっていて、学校によって 2 年以内とか 3 年以内など独
自に定めていますから、厳密な意味での帰国生の定義は無
いということです。本校の場合は、海外在留 1 年以上、帰
国後 3 年以内という東京私立中高協会が謳っている条件
に合わせています。在留期間の長短に関わらず、帰国後、
日本の学校教育に十分適応できていると見なす基準が 3
年ということです。
また、いわゆる留学生との違いですが、いわゆる価値観
が形成される前に、おもに義務教育段階で、親の都合によ
って海外で生活してきた生徒を帰国生、価値観形成後に自
ら希望して外国に渡った生徒は留学生というふうに区別
できます。
◎在外教育施設
次に、海外に在住する小学生、中学生がどのような学校
に通っているかということです。外務省が公表しているデ
ータをグラフ化してみました。
◎海外在住の子どもの数
では、実際に海外に在住する日本人の子どもがどれ位いる
のか見ておきます。外務省の平成 22 年 4 月のデータによ
ると、全世界に、義務教育段階の子供は 67,318 人。内訳
は、アジア地域が 1 番多くて 25,626 人、次いで北米地域
の 22,922 人、次が欧州地域 13,864 人、以下、大洋州地域
2,124 人、中南米地域 1,299 人、中近東地域 901 人、アフ
リカ地域 582 人という順番になっています。アジア、北米、
欧州という上位 3 地域だけで 62,000 人を超えており、全
体の 93 パーセントを占めています。
「日本人学校」
、
「補習授業校」
、
「その他」と大きく3つに
分類されていますが、「その他」の内訳は、現地校、イン
ターナショナルスクール、そして私立の在外教育施設つま
り日本の私立学校の海外分校です。アジアは日本人学校に
通っている子どもたちが際立って多いことが一目瞭然で
すが、
「その他」の人数も北米に近い数字になっています。
アジア地区で現地校に通うケースは稀ですから、これは、
インターナショナルスクールに通っている子どもが多い
ということだと解釈できます。しかし、補習授業校に通っ
ている子どもが極端に少ないのもアジアの特徴です。一方、
北米に関しては、私の知る限り北米には日本人学校は 4
校しかありませんので、ほとんどの子どもが現地校に通っ
ていて、そのほとんどが補習校に通っているということだ
と思います。日本人学校、補習授業校、私立の在外教育施
設の3つは、いずれも文科省の認定を受けており、国内の
学校教育に準じた教育を実施することを主たる目的とし
て海外に設置された教育施設です。
この3種類の学校を、もう少し詳しく見てみましょう。
平成 22 年 4 月のデータによれば、日本人学校は現在世界
51 ヵ国に 88 校あって、児童生徒数は 18,135 人です。日
本人学校は、現地の日本人会が中心になって設立され、そ
の日本人会あるいは企業の代表、文科省から派遣された日
本人の学校長、そして在外の公館職員、保護者の代表等と
いった人たちが運営にあたっています。文科省の認定を受
地域別に推移を見てみましょう。これも外務省のデータ
9
けていて、校長も文科省から派遣されていますが、公立の
学校ではありません。授業料が必要です。授業料のほか、
企業の寄付金および国の援助などによって運営されてい
ます。
次に、補習授業校、通称補習校と言われる学校ですが、こ
れは、海外の現地校やインターナショナルスクールに通っ
ていて普段日本語で教育を受けていない子どもたちに対
して、日本の学校教育の内容を日本語で補習するところで
す。設置は日本人学校と同じく日本人会が中心になってい
ます。通常、授業が行われるのは週1日のみ、現地校が休
みの土曜日に校舎を借りて開校されます。中には、毎日放
課後に授業を行うという、日本人学校に準ずる準全日制補
習授業校というものもありますが、数は少ないと思います。
ほとんどが週 1 日だけ開かれる学校ですので、授業日数が
年間 40 日から 50 日と少なく、補習といっても日本の教育
内容を完全にすべて網羅することは不可能です。そのため、
教科書の内容を精選し、おもに国語と算数を中心に行って
いるところが多いようです。
以上のように、海外在住の子どもたちが通っている学校は、
日本人学校、補習授業校、私立在外教育施設の 3 種類に、
現地校とインターナショナルスクールを加えて全部で 5
種類ということになりますが、複数の国を渡り歩き、日本
人学校からインターへ、あるいはその逆へと途中で学校を
変わる子どももいますので、一口に帰国生といっても、海
外経験や学習歴は非常に多様です。
2.帰国児童生徒の動向
◎帰国生の数
では実際に、1 年間にどれ位の数の子どもたちが帰国し
てくるのかということですが、文科省のデータによると、
平成 20 年には全国で 11,749 人も帰国しています。内訳は
小学生が 6,597 人、中学生が 3,065 人、高校生が 2,016
人です。
全国的に見ると、東京を中心とする首都圏への帰国生が圧
倒的に多いと聞いていますので、これは生徒募集上、確か
に大きなマーケットであることは間違いありません。開拓
の余地は大いにあると思います。
もう一つは、私立の在外教育施設です。日本の私立校の海
外分校という形をとっている学校です。かつては数多く存
在しましたが、バブル崩壊後に運営が困難になって閉校に
なった学校が恐らく 10 校以上あるのではないかと思いま
す。一番下に書かれているサウスクイーンズランドアカデ
ミーは平成 18 年 4 月以降休校となっていますので、今実
際に存在するのは世界 6 ヵ国に 9 校です。いずれも文化省
の認可を受けており、帰国後は、中学校卒業者は国内の高
等学校の入学資格、高等部卒業者は国内の大学の入学資格
をそれぞれ有しています。
◎帰国生に対する国の施策
このように、年間 1 万人以上も帰国してくる子どもたち
に対し、国も、国内の学校生活への円滑な適応を図るだけ
でなく、帰国児童生徒の特性の伸長・活用など、海外にお
ける学習・生活体験を尊重した教育を推進する観点から、
様々な施策を講じています。例えば、帰国・外国人児童生
徒受け入れ促進事業の実施(平成21年度19地域47市
町村)、帰国・外国人児童生徒教育及び国際理解教育担当
指導主事等連絡協議会の開催、国立大学・学部附属学校へ
の帰国子女教育学級等の設置【*9 大学 15 校(小 6 校、
中 6 校、高 1 校、中等教育学校 2 校)
】
、そして、高等学校・
10
大学入学者選抜における特別な配慮(帰国子女特別枠の設
定等)の要請などが打ち出されています。
要するに、国としても帰国児童生徒の受入れを積極的に支
援しようということですが、教育行政としての画一的な対
応であることは否めず、帰国生たちの多様な海外生活歴、
学習歴、外国語力などにきめ細かく対応する具体的な施策
は残念ながら見えてきません。行政としていくらお金を投
入しても、結局は、担当した先生方の個人的な努力にかか
っているところに限界があるのです。それに対し、帰国生
の多様性にきめ細かく、しかも、しっかりとした方針に基
づいて組織で対応できるのが私学ですから、私学にしかで
きない帰国生教育というものがあると思っています。
につけ、日本文化のよき発信者になってほしい、そして、
世界の若者たちと対等の良好な関係が築ける人間力を身
につけてほしいという願いを込めています。
③の「学校全体を国際交流の舞台に」というのは、本校
の教育における非常に重要な要素です。つまり、さまざま
なバックグラウンドをもち、国内生にはない価値観や個性
を身につけた帰国生を受け入れることによって、日本人に
ありがちな閉鎖性を開放したいということです。本校はも
ともと国際教育には力を入れていて、海外4カ国の提携校
から来た交換留学生や、YFU などの機関を通してやって来
た留学生たちが日常的に学校にいます。これに加えて毎年
40 人前後の帰国生が入学してくることで、学校は、多様
な生徒たちが共に学び共に成長する豊かな土壌になりま
す。私たちは、互いに違いを認め尊重し合うという、まさ
に国際化の原点ともいうべき風土を学校全体に醸成した
いと考えているのです。
3.帰国生募集戦略
◎帰国生受け入れの目的と意義
さて、ここからが本題になるわけですが、帰国生募集を
行うにあたってまず必要なことは、なぜ帰国生を受け入れ
るのか、その目的を明確にすることだと思います。これは
募集戦略上非常に重要な部分です。様々なバックグラウン
ドをもち、受験にもハンディのある帰国生を、学校がどう
いう考え方で受け入れるのかを明確にすることは、受験生
にとって学校選びの大きな決め手になるからです。少子化
や経済不況のために、国内での生徒募集は、中学受験ブー
ムと言われた一昔前に比べて困難であることは確かです
が、単にそのマーケットを海外にも求めるというだけの理
由は通用しません。帰国生を受け入れることが、帰国生本
人にとっても国内生にとってもメリットになるような目
的でなければなりません。そしてそれを教職員全員で共有
することが非常に重要です。
実践女子学園では、帰国生受け入れの目的として、次の
3つを掲げています。
◎帰国生受け入れ校のタイプ
さて、次は具体的な受け入れ態勢です。目的が明確であ
れば自ずと態勢は決まってくると思いますが、同じ私学で
も学校によって受け入れ方はかなり異なります。これを、
私の独断と偏見によって3つのタイプに分類してみまし
た。
まず A 型の学校です。別名日本型と名付けましたが、こ
れは、帰国生の受け入れは行うけれど特別扱いはせず、一
般の生徒と同じ扱いをして、日本の学校教育に自ら適応す
ることを求めるタイプの学校です。うちの教育に頑張って
しっかり付いてこいと。長い伝統と圧倒的なブランド力を
もつ学校にこのタイプが多いように思います。また、A 型
の中でも、補習などは行う学校と、帰国生に対して特に何
もしない学校の 2 タイプがあると思います。
次が B 型の学校です。別名インター型としました。これ
は、帰国生が海外で身につけた能力や資質、特に英語力を
さらに伸ばすことに重点を置き、そのためのプログラムを
もっている学校です。例えば、帰国生クラスや国際学級な
どを設けていたり、カリキュラムに IB(インターナショ
ナル・バカロレア)を導入していたり、あるいは TOEFL
や SAT などに対応するプログラムがあったりします。海外
での学習環境をできるだけ維持してあげようと、ある意味
でインターナショナルスクールのような雰囲気をもって
いる点が特徴だと思います。
3つ目は C 型です。これは A 型と B 型の両方の要素を併
せ持つ学校です。基本的には、帰国生と国内生は混合にし
て同じ教育を行いますが、早く学校に適応できるようにリ
ハビリを行いながら、遅れているところは追いつかせ、良
いところはさらに伸ばすという、いわばいいとこ取りのプ
ログラムになっています。例えば、英語の授業は取り出し
で行うとか、帰国生向けの特別補習や特別プログラムをも
①の「帰国生の能力・資質の伸長」は、先に述べたよう
に、まさに私学としての強みを発揮できる部分です。帰国
生たちが海外で培った能力や資質を、日本の学校教育で平
均化してしまうのではなく、伸ばすことこそが私立中等教
育機関としての責務だと考えています。
②の「日本女性としての教育」は国際人育成の大前提と
考えます。本校は女子校ですから日本女性という言い方を
していますが、共学校や男子校なら、これを日本人と置き
換えても同じだと思います。つまり、日本人としてのアイ
デンティティの確立こそが、真の意味での国際人育成の基
盤だということです。どんなに海外経験が豊富でも、どん
なに外国語が堪能でも、日本人としての根っこになる部分
をもっていなければ、それは単なる根なし草です。根っこ
の部分とは、即ち、日本の歴史や文化などへの深い造詣、
母国日本に対する愛情、そして日本人としての情緒や誇り
といったものです。日本の伝統や文化をきちんと理解し身
11
っていたりします。実は、私どもの実践女子学園は、「グ
ローバルスタディーズクラス(GSC)
」という国際学級があ
りますが、タイプとしてはこの C 型に分類されると思いま
す。GSC は、入学前に一定レベル以上の英語力を身につけ
ていることが出願条件のため、必然的に帰国生の割合は多
いのですが、まったく海外経験のない国内生もいる混合ク
ラスです。伝統の女子教育をベースに、生徒たちの多様性
にきめ細かく対応することがコンセプトですから、学習指
導は少人数制で手厚く行いますが、学校行事やクラブ活動、
委員会活動などは一般学級の生徒と一緒です。伝統的な礼
法の授業や日本文化実習も同じように行います。IB など
のような既成のプログラムを導入するのではなく、長い伝
統を誇る日本の女子教育の老舗としての魅力を活かした
独自のものにしたいと考えたわけです。
以上、大雑把に3つのタイプに分類しましたが、首都圏
全体を見渡してみると B 型の学校は意外に少なく、ほとん
どが A 型か C 型に分類されるように思います。一番多いの
は C 型の学校かもしれません。また、C 型の中でも様々な
タイプに細分化できますから、画一的な公立に対して私学
は非常に多様で個性豊かだと言えます。学校によって状況
が異なりますので、どのタイプが良いか悪いかではなく、
一番大切なことはそれぞれの学校が自校の教育方針、教育
文化、伝統などを踏まえ、帰国生をどのように受け入れる
のかという学校のスタンスをしっかり定めることだと思
います。
◎帰国生受け入れ態勢
―実践女子学園の場合―
本校の受け入れ態勢を、大まかにご紹介しておきます。
まず、四角で囲った《既存》というところのものは、英語
力を伸ばす取り組みとして本校が以前から行ってきたこ
とで、英語が得意な生徒たちが力を発揮できる環境はもと
もとありました。そして、本格的に帰国生の受け入れを開
始した 2007 年に、これらに加えて、高い英語力をもって
入学してくる生徒を想定したアドバンスト・イングリッシ
ュ・クラス(Advanced English Class)という放課後週一
回の課外授業を用意しました。本校には帰国生クラスはあ
りませんし、英語の取り出し授業も行っていませんので、
これは希望者を対象にした英語上級者向けの課外授業と
いう位置付けで、担当は英語のネイティブ教員です。当初
は、帰国生入試で入学してきた中 1 の生徒、特に海外の現
地校やインターナショナルスクールの出身者を対象とす
る予定でしたが、英語が得意な2、3年生からも希望を募
り、レベル別の2クラスに分けて、中 1 から中 3 までの混
合クラスという形でスタートしました。年々希望者が増え、
今では 4 クラスに膨れ上がっています。内容は、英字新聞
やセンター試験の長文などを読んでディスカッションや
ディベートを行うなど、かなり高度なことをしています。
また、夏休み中に、箱根にある本校の実習所を使って
Advanced English Summer Camp という 3 泊 4 日の英語漬
12
け宿泊研修も開始し、Advanced English Class を取って
いる生徒たちのほぼ全員が参加しています。
さらに、異文化の中で生活してきた帰国生の中には、日
本の学校にすぐに適応できないケースもありますから、補
習体制、学習ガイダンス体制、個人面談体制を充実させ、
学習面はもちろん、学校生活全般についてきめ細かくフォ
ローする仕組みを作りました。
そして、帰国生受け入れ態勢として最も大きな反響を呼
び、手ごたえを感じたのは、何と言っても、先程ご紹介し
た国際学級GSC(=グローバルスタディーズクラス)で
した。これは、英語教育に重点を置いた少人数・レベル別
の授業展開や、英語イマージョン教育、第二外国語教育、
多様な学習歴に対応した補習・特別指導体制、充実したサ
ポート体制、海外大学進学を視野に入れた独自のカリキュ
ラムなど、まったく新しい教育プログラムによって、世界
を舞台に活躍できる真の国際人を育成しようというクラ
スで、2008 年度にスタートしました。ネーミングをGS
Cとしたので、従来の普通学級にも名称が必要になり、S
JC(=スタンダード実践クラス)としました。2つの異
なる教育プログラムが揃い、ますます進展する国際化や、
多様化する生徒の進路希望にもしっかり対応できる体制
が整いました。こうして教育の多様化を図ったことが、生
徒募集の上で新たなニーズの掘り起こしにつながったと
思います。GSC の教育内容については最後に詳しくご紹介
したいと思います。
◎帰国生入試の実施
2 010 年度帰国 生入試 志願者数 ( 20 10年1 月28日現在)
25 0
2 09
20 0
15 7
15 0
1 25
112
10 0
81
58
60
52
49
50
46
40
38
17
13
13
7
4
5
20
3
0
14
11
3
42
特別補習開始
人
(日本語・数学)
GSC設置
213
220
209 ェ 理
195
200
180
160
140
131
134
社
ミ
分
割
ニ授
J業
n開
140 始
・帰国生入試開始
・ AEC開始
120
100
80
64
60
46
40
20
0
27
10 8
2
85
14
0
45
36
24
7
210
86
2
110
55 1
12
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010年
志願者数
受験者数
13
入学者数
桐光 学 園
桐 蔭 学 園 理 数 コー ス
桐蔭 学 園
自修 館 中 等教 育 学校
武蔵 野 東
実践女子学園 帰国生志願者数の推移
240
36
6
1
宝 仙 学 園 理 数 イ ンタ ー
東京 成 徳 大学
1
成蹊
渋谷 教 育 学園 渋 谷
か え つ有 明
国学 院 久 我山
横浜 女 学 院
横浜 国 際 女学 院 翠陵
横浜 英 和 女学 院
中央 大 横 浜山 手 女子
洗足 学 園
湘南 白 百 合学 園
和洋 九 段 女子
立教 女 学 院
山脇 学 園
武蔵 野 女 子学 院
三輪 田 学 園
2
順天
8
文化 女 子 大附 属 杉並
富士 見 丘
桐朋 女 子
東京 女 学 館
星美 学 園
白百 合 学 園
女子 聖 学 院
頌栄 女 子 学院
実践 女 子 学園
佼成 学 園 女子
共立 女 子
学習 院 女 子
大妻 中 野
大妻
江戸 川 女 子
跡見 学 園
0
2
1
20
淑徳
5
1
36
35
23
22
さて、次は入試についてです。まず、前ページのグラフを
ご覧ください。これは、東京と神奈川で帰国生入試を実施
している各学校の 2010 年度入試の志願者数で、女子校と
共学校の女子だけを抽出しています。1 月 28 日現在の人
数ですので、その後に変動があったかもしれないことをお
断りしておきます。
ご覧のように、実践女子が 209 人と突出しており、ほ
かに洗足 157、頌栄 125、渋谷渋谷 112 と、この4校が志
願者数 100 人を超えている学校です。本校が帰国生入試を
開始したのは 2007 年度ですから、すでに実績のある多く
の他校から見ればまさに後発隊でした。しかし、短期間で
200 人を超える志願者が集まるようになった事実は、帰国
生募集を考える上で参考になる事例ではないかと思いま
す。この背景には入試と教育プログラムとの複合的な戦略
がありますので、これまでの経緯を踏まえてご紹介してお
きます。
次のグラフ(前ページ)をご覧ください。これは、2000
年以降の本校の帰国生志願者状況をまとめたものです。黄
色が志願者数、水色が受験者数、そして赤が入学者数を表
しています。本校は 2006 年までは帰国生に対して特別な
入試は行わず、一般入試を同じように受けてもらい、合否
判定の際に考慮するという方式を取っていました。入学後
も、特別なことは何も行っておらず、先程の受け入れ校の
タイプでいうと典型的なA型の学校でした。志願者数は2
桁に満たない状況で、入学者も 1 人か 2 人、あるいは 0
人といった状態が続いていました。
それが、2007 年度に初めて帰国生入試を別枠で実施し、
志願者は一気に 64 人へと増えました。
「AEC 開始」とある
のは、先ほどご紹介したアドバンスト・イングリッシュ・
クラスのことです。最終的な入学者数は 12 人と、募集し
た 15 人には満たない人数ではありましたが、初めて実施
した帰国生入試に大きな手応えと将来への可能性を感じ
ました。
翌 2008 年にGSCを設置し、志願者数は何と 213 人、
前年の3倍以上に跳ね上がりました。2009 年は 195 人と
やや減少しましたが、この年から、小学校時代を海外の現
地校やインター校などで過ごしていた生徒たちを対象に、
日本語と数学の特別補習を開始しました。そして、2010
年には 209 人と再び 200 人を突破。GSC のプログラムは、
もともと英語は習熟度別 3 分割、国語と数学は 2 分割です
が、今年から理科と社会も2分割の少人数制にしました。
以上のように、帰国生入試の実施とともに毎年教育プログ
ラムを充実させてきたことが、ここ4年間の劇的な志願者
の増加につながったことは明らかです。たとえ実績は少な
くても、こうした学校の取り組みは受験生の期待感を高め
るからです。また、どのような教育プログラムが充実して
いるかは、どの国からの帰国生が関心をもつかということ
とも関係しています。英語教育が充実していれば、英語圏
からの帰国生は当然増えるわけです。
2010 年入試における本校志願者の海外在留地をまとめ
てみました。実際には合計 26 ヵ国ありましたが、志願者
1 名の国は割愛し、
上位 16 ヵ国だけをグラフにしました。
アメリカが最も多いのは、帰国生の絶対数が多いというこ
ともありますが、GSC の教育が発足から3年経ってだいぶ
認知され、支持を得た証しでもあると思っています。やは
り高い英語力の保持・伸長を図るプログラムがあるかどう
かは大きいと思います。
【本校志願者の学校種別比率】
《日本人学校出身者》
《海外現地校出身者》
《インター校出身者》
学校種別に見ると、日本人学校が 52 人で 40%。現地校
も同じく 52 人で 40%、インターナショナルスクールが 27
人で 20%となっています。さらに内訳を見ると、日本人
学校出身者が最も多いのは中国の 34%。現地校出身者は
65%をアメリカが占めています。インターナショナルスク
ールで多いのは中国 22%、シンガポール 19%、タイ 15%
とアジア諸国が上位を占め、あとはスウェーデンの 7%を
はじめとするヨーロッパ全域に広がっています。
本校では、過去 4 年間で合計 117 人の帰国生が入学し、
特にここ 2 年間は毎年 40 人前後の帰国生が入学していま
す。1 学年 280 人という規模の学校ですから、7 人に 1 人
が帰国生という計算になります。長い本校の歴史の中で、
かつてなかった新たな環境が生まれています。それなりの
苦労は伴いますが、国際時代における新たな女子教育の構
築をめざして取り組んでいます。こうした学校の姿勢が、
入学してきた帰国生たちの満足感となってクチコミで広
がり、また翌年の募集に影響するという循環を生んでいく
のだと思います。
◎帰国生入試の方法
実際に帰国生入試を実施する場合、どのような日程で行っ
たらいいか、募集人数や出願資格はどうするか、試験科目
や合否の判定基準はどうするか等々、入試一つとっても募
集戦略上重要な要素が多く含まれています。しかも、帰国
生入試は受け入れ態勢とセットで考えなければいけませ
んし、競合する他校の状況も考慮に入れなければいけませ
んので、実施に当たっては複合的な戦略をもって臨む必要
があります。
しかし、いざ実施するとなると、たとえ募集人数が少な
くても、問題作成から試験当日の準備、試験監督、面接、
採点、判定会議、合格発表にいたるまで、教員にかかる負
担もかなり増えるため、そもそも帰国生入試を別日程で行
うことがいいのかという議論もあります。一般入試と同日
程で行えばいいという考えもあれば、かつて本校がそうだ
ったように、一般入試を同じように受験してもらい、帰国
生であることを考慮して合否判定をするという方法もあ
ります。しかし、帰国生入試を実施するようになって分か
ったことですが、きちんと帰国生入試を行っている学校、
しっかりした受け入れ態勢をもつ学校に受験生が流れる
のは当然のことなのです。日本人学校に通い、塾にも通っ
ていたような帰国生は特に問題はないと思いますが、現地
校やインター校にいて日本の教育を受けていない子ども
14
たちにとっては、週 1 回の補習校程度では全く不安なわけ
で、入試で国内生と同じ土俵で戦わなければならないのな
ら、その学校は敬遠しようということになるのです。した
がって、実施の方法はさておき、きちんと帰国生枠を設け
て門戸を広げ、受験しやすい状況を作ってあげることがま
ず大切だと考えます。
《入試日程》
本校では帰国生入試を別日程で実施することは決めまし
たが、日程をどうするかについてはさまざまな議論があり
ました。並みいるライバル校の中に後から参入し、たった
1 回の入試で募集人数を確保できるとは思えませんでし
た。志願者を何人集められるかも全く未知数で、入試を構
えたけれど志願者なしとか、合格しても入学者なしという
ような状況だけは絶対に避けたかったので、入試を 2 回実
施すれば、そうしたリスクを少しでも解消できると考えま
した。日程については、一般入試の解禁日前に帰国生入試
を実施することは認められているし、その時期については
各学校の良識ある判断に任せられていますので、初年度は、
他校の入試が少ない 12 月に 1 回、1 月にもう 1 回やろう
ということになったのです。
帰国生入試の 2 年目は、新たに設置した GSC の募集を開始
した年でもありましたので、初年度以上にリスクのことを
考えました。とにかく、注目してもらうこと、そして何よ
り受験してもらわないことには始まらないわけですから、
第 1 回入試を、他校の入試がほとんどない 11 月下旬に前
倒しし、第 2 回入試は逆に他校の帰国生入試がほぼ終わっ
ている 1 月下旬にずらしました。以来この形を踏襲してい
ますが、一応の成果は上げられていると思います。特に第
1 回入試の受験率は思惑どおり毎年 100%です。ただ残念
なことは、合格しても結局は帰国生に人気のある他校に流
れていく比率がまだまだ高いということです。そういう学
校と対等に戦うだけの競争力は本校にはまだないという
ことです。そのため合格者はかなり多めに出さなければな
りません。GSC はまだ 3 年目ですから大学の合格実績が出
るまであと 3 年かかります。まだまだ辛抱が必要だと感じ
ています。
《募集人数・出願資格》
募集人数についてですが、他校の募集要項を見ると、若干
名としている学校がかなりあります。私ははっきり人数を
打ち出した方がいいと思っています。なぜなら、若干名と
いう不明瞭な言い方は、受験生に不安を与えるからです。
何人合格するのか分からないあいまいな表現ではなく、例
え人数は少なくてもはっきり人数を打ち出した方が学校
の姿勢は伝わりますし、受験生も覚悟を決めて受験してく
れると思うのです。
本校には、普通学級 SJC と国際学級 GSC の二つの異なる
教育プログラムがありますので、帰国生も好きな方を選ん
で出願できるようになっています。帰国生の募集人数は、
SJC が第 1 回と第 2 回の合計で 20 名、GSC は 1 クラスだけ
15
なので、帰国生入試と一般入試との合計で 35 名としてい
ます。GSC の学級定員は 40 名ですが編入枠を 5 名分確保
しているということです。例えばアメリカなどの場合、6
月に学校を卒業して帰国してくる生徒がいるだろうと想
定したのですが、実際にそういう生徒がいます。
出願資格については、
「海外在住 1 年以上、帰国後 3 年
以内」という帰国生としての条件を謳っています。また、
これは GSC の場合だけですが、英検 4 級相当以上の英語力
を有していることも出願資格としています。中学校入学前
にすでに高い英語力を身につけている生徒たちに、ハイレ
ベルな英語教育を提供しさらに伸ばすことが GSC の重要
なコンセプトの一つですから、入学後はレベル別の 3 分割
授業を展開しますが、その最低ラインを 4 級としているの
です。
《試験科目・選抜方法》
選抜方法は、帰国生の多様性を考慮し、試験科目や選考
基準も一般入試とは大幅に変えて実施する必要がありま
す。本校では、SJC は、国語を必修にして算数または英語
の選択で 2 科目、そして作文と面接。GSC は、国語、算数、
英語の 3 科目を必修にして、あと作文と面接です。ただし、
帰国生にとって学科試験の配点が 100 点は比重が高いだ
ろうということで、1 科目 50 点、試験時間 30 分というふ
うに一般入試のほぼ半分にしています。そして、作文と面
接によって、帰国生ならではの能力、資質、個性といった
学科試験だけでは測れない部分を重視して総合判定をす
るという形です。日本語で教育を受けてこなかったような
子どもたちは、高い英語力をもっている半面、国語や算数
に不安を抱えているケースが多いので、説明会のときには、
作文と面接も重視して総合的に判定しますからご安心く
ださいといった発信の仕方をしています。
学科試験については、量は半分ですが、問題のレベルや
出題傾向は一般入試と同等にしています。国語力が弱かっ
たり、日本の算数はほとんどやっていないような受験生も
多いことは承知の上で敢えてそうしています。これにより、
帰国生たちの学力が一般受験生と比較してどうなのかと
いうことが把握でき、入学後の指導に生かせるのです。
作文は、30 分間で与えられたテーマについて自分の考
えをまとめるという形式です。日本語か英語が選択できる
ようになっていて、字数制限はありません。単に事実の羅
列や感想ではなく、あくまでも自分の主張が述べられてい
るかを重視しています。作文と面接によって私たちが観た
いのは、海外での生活をどれだけ肯定的に受け止めている
かということです。
◎広報活動
さて次は、広報活動についてですが、本校がこれまで行
ってきた主なものをご紹介しておきます。説明会に関して
は、帰国生対象説明会というものを別途開催しています。
通常の学校説明会のなかでも帰国生受け入れについては
話していますが、この説明会は帰国生向け、というものを
はっきりと打ち出すことで、帰国生受け入れに対する学校
の本気度も伝わるし、帰国生親子も参加しようという気に
なると思うのです。同様の考え方で、GSC 説明会も別途開
催しています。
あとは、国内の合同相談会で本校が参加している帰国生
がらみのものを挙げると、JOBA 主催のもの、日能研主催
のもの、海外子女教育振興財団主催、サピックス主催、そ
して女子校インターナショナルといったところです。サピ
ックス主催のものは合同相談会というよりは講演会形式
の説明会です。
そして、海外での説明会には海外子女教育振興財団主催
のものと、日能研主催のものに毎年参加しています。
それから、海外に学校案内等の資料の発送も行っています。
JOBA 主催のものと、財団主催のものを利用していますが、
海外の日本人学校、補習校、塾などに学校案内やポスター
を送ってもらうわけです。
あとは、受験情報誌や新聞等の広告と、インターネット
による学校紹介ですが、特に大事なのはインターネットで
す。海外在住の家庭は受験情報に飢えていて、情報収集の
主流は必然的にインターネットになります。本校は、いく
つかの広告代理店が運営しているウェブサイトも利用し
ていますが、最も大切なのはやはり学校のホームページを
充実させることだと思います。広報予算のかなりのパーセ
ンテージをホームページに割いても無駄ではないと考え
ます。
4.帰国生受け入れの実際
◎グローバルスタディーズクラス(GSC)
それでは最後に、帰国生受け入れでは本校の目玉になっ
ている GSC がどういう教育を行っているのか、少し具体的
にご紹介させていただきます。
16
GSC は、
「高い語学力」
「豊かな国際感覚」そして「日本
女性としての品格」の3つを軸として、世界を舞台に社会
貢献できる国際人を育成をしようというのがコンセプト
です。中高一貫のプログラムにより、海外大学進学も目指
す国際学級です。高い語学力というのは、まずは英語、そ
して第 2 外国語としての中国語、そして母語である日本語
の 3 言語を指しています。第 2 外国語を中 1 の段階から必
修にしている学校は全国でもあまり例が無いのではと思
っています。それから国際感覚は、もともと国際交流教育
を非常に活発に行ってきた学校ですので、それに加えて、
高校 1 年の段階で全員が留学をすることがプログラムに
入っています。そして、本校の伝統女子校ならではの教育
である日本女性としての品格。もうずっと 100 年以上、日
本文化を大切にしてきた学校ですから、その精神は GSC
の教育でも全く同じということです。
カリキュラムの特色ですが、個々に合わせた柔軟な授業
展開というのが基本の考え方です。様々な学習歴をもつ生
徒たちですから、少人数制・レベル別授業というのが基本
です。そして、国語と英語については 2 通りのカリキュラ
ムを用意し、国語 6 時間で英語 5 時間の生徒と、逆に、国
語 5 時間で英語 6 時間の生徒という風に柔軟に対応してい
ます。現地校やインター校出身者は、ネイティブ並みの英
語力があっても国語力に不安があり、国語 6 時間で英語 5
時間となるわけです。最も力を入れている英語の授業はレ
ベル別 3 展開、国語、数学、理科、社会はすべて 2 展開で
す。
最大の特色は何と言っても英語教育です。英語による専
門的なコミュニケーションが取れる力、海外大学の授業が
受講できる英語力の習得が目標で、TOEFL は中 3 終了時で
iBT46 点、PBT450 点。高校 2 年終了時で iBT80 点、PBT550
という高い得点を目指しています。これは全員の到達目標
です。入学時点ですでに英検準 1 級ぐらいを持っている生
徒もかなりいますので、そういう生徒はそのレベルをスタ
ートラインとしてさらに上を目指すというプログラムに
なっています。
次が英語イマージョンです。これは美術と音楽の授業は
すべて英語で行うというもので、英語を学ぶだけでなく英
語で学ぶことに発展させたいという趣旨です。担当するの
はもちろん英語のネイティブ教師です。彼らは GSC でイマ
ージョン教育を行うために採用した教員ですが、英語の授
業も受け持ってもらっています。実は、音楽や美術を専門
とする英語のネイティブを探すのは非常に大変なのです
が、本校では、エージェントに依頼して派遣してもらって
います。
進学指導については、高校 2 年から海外大学進学コース
と国内大学進学コースに分かれます。もちろんこれは生徒
の希望によって分かれるのですが、実際どれくらいの生徒
が海外大学を希望するかは今のところわかりません。ただ、
私たちが考えているのは、グローバルな教育の成果として、
大学進学もグローバルに考えてほしいということです。ど
のように社会貢献をしたいかを考えた結果、日本の大学が
ベストだと選択するのは結構ですが、大学進学も就職も選
択肢はグローバルであってほしいのです。例えば、世界の
かけ橋になりたいと国連に就職するような卒業生、国際宇
宙ステーションを開発したいと NASA に就職するような卒
業生が GSC から続々と出てほしいと個人的には夢見てい
ます。
次の特色は、第 2 外国語として中国語が必修になってい
ることです。なぜ中国語なのかとよく問われますが理由は
2つ。1つは、本校の創立当時からの伝統の継承、もう1
つは国際社会における現代の中国の重要性ということで
す。本校創立者の下田歌子が実践女学校を設立したのが明
治 32 年、その直後の明治 36 年に、下田は清国女子留学生
部を設置し、多くの中国人留学生を受け入れたのです。そ
うした経緯もあり、上海師範大学付属高校とは長年提携校
として交換留学を続けてきています。中国語は、中学 3
年間必修としていますが、英語が専門的なコミュニケーシ
ョンが取れる力を目指すのに対して、中国語は日常的なコ
ミュニケーションが取れる力を目指します。高校でも続け
たい生徒は選択できるようになっています。
海外大学進学については、2008 年に GSC を立ち上げた
時に、栄陽子留学研究所の全面的な協力を得て、ご覧の 5
つの大学と指定校推薦の提携を結びました。これらはすべ
てアメリカ東部の大学ですが、いつでも進学できるように
準備が整っているということです。
最も特色ある英語教育について、もう少し詳しくご紹介
しておきます。
それから、高校 1 年で全員が 3 ヵ月間の留学をすること
になっています。オーストラリアのアデレードの現地校が
留学先として決まっています。1 期生が現在中学 3 年です
ので、来年の 7 月から 9 月まで、日本が夏休みの期間を利
用して行きます。
GSC の英語教育は、海外大学の授業に通用する英語力、つ
まりアカデミックイングリッシュの確立を目標としてい
ます。ネイティブ並みに英語を話す生徒たちも、書かせる
と文法は案外滅茶苦茶だったりします。要するにちゃんと
英語を勉強したことがなく、生活の中で自然に身に付けて
しまったわけです。したがって、授業は週 3 時間がネイテ
ィブによるイングリッシュ、週2~4時間が日本人による
グラマーとなっていますが、一番レベルの高いAクラスで
も、グラマーは基礎からしっかりやります。そして、授業
を聞きながらノートを取る、意見のやり取りをする、皆の
前で発表する、レポートやエッセイを書く、といった総合
的な英語力育成のために、最も重視しているのは多読です。
読んだ本をリーディングジャーナルに記録しながら、年間
で数十冊の英書を読ませています。そして、たくさんエッ
17
セイを書かせます。英語の授業はレベル別に A、B、C の3
クラスに分割していますが、教材はそれぞれのレベルに合
わせ、アメリカで ESL に使われているものをテキストとし
て使っています。一番低い C クラスだけは、一般クラスで
使用している TREASURE も併用し、それを約 1.5 倍のスピ
ードでこなしながら、ESL 用の TRUE STORIES も使ってい
るわけです。GSC の英語教育プログラムは、4技能すべて
に渡って大量の英語に接しながら、大量の宿題も課せられ、
非常に恐縮された密度の濃いものになっています。
こうした取り組みにより、生徒たちの英語力は着実に伸
びていることが随所にうかがえますが、例えば次のグラフ
をご覧ください。
これは、2008 年入学生、つまり GSC 1 期生である現中 3
の生徒たちの GTEC の結果です。GTEC とは、ベネッセが実
施している全国的な英語運用能力テストです。ピンクは中
1 時点の 2 月。そして黄色が中 2 時点の 9 月の結果です。
A,B,Cは3分割しているそれぞれのクラスです。いず
れのクラスも伸びていることがわかりますが、右側の全国
の高校生の平均と比較してみてください。A クラスとBク
ラスの生徒たちは、中 1 の段階ですでに全国の高校 3 年の
平均よりはるかに高い英語力をもっているのです。Aクラ
スなどは、中 2 の段階で全国の高 3 より 230 点ほど高くな
っています。さすがに帰国生というか、普通に日本で勉強
してきた生徒と比べるとちょっと次元の違う英語力で、将
来が大変楽しみです。
以上、本校の取り組みを一通りお話しさせていただきま
したが、一番大切なことは、帰国生というある意味で特殊
な生徒たちを、きちんと受け入れて一生懸命教育をして伸
ばすこと。これが全てだと思います。そしてこれができる
のはまさに私学であり、私学はそういう人間教育の責務を
負っているのではないかと思う次第です。ご清聴ありがと
うございました。
18
講師 松下 寿久 先生
実践女子学園中学校高等学校
中等教育研究室長
突然のFAX送信、大変失礼致します。 私ども 株式会社アイウエア より、ネイティブ英語講師のご案内をさせて下さい。
お手数ですが、このFAXを、学校長先生にお渡し頂けないでしょうか? 何卒、宜しくお願い申し上げます。 (株)アイウエア/JOBA
☆ 私立中学・高校向け 英会話・英語プログラムのご案内 ☆
アイウエアだから、教育専門機関だから、
納得して頂けるネイティブ英語講師をご案内できます。
先ずは、ご要望をどこよりも詳しくヒアリング致します。
2ページ目のご希望調査票に、先生のご要望をご記入の上、FAXにてご返信下さい。
頂いたご要望を更に掘り下げ、御校にピッタリの講師像を共有させて頂きます。
経験豊富な教務経験者が、講師採用からご案内まで担当致します。
株式会社アイウエア/JOBAは、教育専門機関です。 一般の人材派遣会社ではありません。
「教師の目」で厳選したネイティブ英語講師は、「実践力」を持つ真のプロフェッショナルです。
抜き打ちの授業チェックを行い、高いクオリティーを維持します。
ご担当の先生との綿密な打合せに基づき、年に4回の授業チェックを行います。
ネイティブ講師には訪問日時を伝えませんので、緊張感を持続し続けることができます。
煩雑な手間を省き、トータルコストを抑えることが可能です。
採用・研修・カリキュラム開発はもちろん、ビザや住居の手配など、全て弊社が対応します。
実際の費用だけでなく、様々な場面で掛けている時間と労力を大きくカットできます。
御校のご都合に応じて、フレキシブルに対応させて頂きます。
プログラム内容の変更や追加にも、柔軟に対応させて頂きます。
中学1年生から3年生、高校1年生から3年生など、一貫したクラス授業を行います。
少人数クラスによる Solo の授業、日本人英語教師との Team Teaching にも対応可能です。
英検・TOEICなどの対策講座や、帰国子女の英語力保持の取り出し授業も実施できます。
また、やむを得ず講師が欠勤する場合は、代講の講師をお送りし授業をカバー致します。
多くの学校で アイウエアのネイティブ講師 がお世話になっています。
英語教育・国際教育に積極的な私立学校で、アイウエアのネイティブ講師が活躍しています。
東京都
郁文館中学校・高等学校・グローバル高等学校 かえつ有明中学校・高等学校 京華中学・高等学校 国際基督教大学高等学校 実践学園中学・高等学校 実践女子学園中学校・高等学校 東京女学館中学校・高等学校 文京学院大学女子中学校・高等学校
立教女学院中学校・高等学校 立教女学院小学校
神奈川県
浅野中学校・高等学校 鎌倉学園中学校・高等学校 北鎌倉女子学園中学校・高等学校 鵠沼高等学校 相洋中学校 桐蔭学園中学校・高等学校・中等教育学校 白鵬女子高等学校
武相中学・高等学校 横浜中学校 横浜女学院中学高等学校 横浜富士見丘中等教育学校
首都圏
芝浦工業大学柏中学高等学校 霞南至健中学校 霞ヶ浦高等学校 土浦日本大学中等教育学校
「初年度キャンペーン」実施中です。
今回、アイウエアのネイティブ英語講師プログラムを導入して頂きました場合、
2012年度の弊社各種サービスを、全て割引価格でご利用頂けます。
サービスにより割引き内容が異なりますので、詳しくはお問合せ下さい。
株式会社 アイウエア / 海外帰国子女教育専門機関JOBA
TEL : 03-5754-2240
E-mail : [email protected]
〒145-0064 東京都大田区上池台 3-39-9
杉谷 ・ 高橋 ・ 渋谷 までお願いします。
㈱アイウエア ネイティブ英語講師 ご希望調査票
1.ご希望される内容を、ご記入下さい。
2.その中で「この条件だけはどうしても変えられない」という項目に★印をつけて下さい。
3.講師ごとに業務内容が異なる場合には、それぞれ別の調査票をご提出下さい。
・担当する授業について
授業時間数
指導の対象
指導の形式
( )コマ/週
授業時間
中1・中2・中3・高1・高2・高3 その他( )
ソロ・チーム
1クラス生徒数
( )分/コマ
平均( )名
・業務内容と就業について
授業の形態
英会話 その他( )
テキスト名( )
教材
講師作成
主業務内容
授業準備・副教材作成・試験作成・評価 その他( )
朝夕の課外指導・海外研修準備・学校行事参加
その他業務内容
打合せ(頻度は月 回)・教材研究 その他( )
就業日
月・火・水・木・金・土 ( )日/週
業務時間
( )時( )分~( )時( )分
・契約について
契約の形態
ご予算
業務委託契約 労働者派遣契約
年額( )円~( )円(税抜き)
・講師について
資格
日本語レベル
TEFL TESOL CELTA その他( )
母国語/流暢・ビジネス・日常会話・なし その他( )
・その他、ご希望される英語講師のイメージなどをご自由にお書き下さい。
・現状の問題点、今後解決したい課題など、ご自由にお書き下さい。
・生徒募集の視点で、これから新たに取り組みたいことなど、ご自由にお書き下さい。
ご記入日
学校名
年 月 日
ご担当者様名
ご記入、ありがとうございました。 今後とも宜しくお願い申し上げます。 株式会社アイウエア
FAX : 03-5754-2241
Fly UP