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研究開発 - 大阪ガス
Focus of Our Operations—大阪ガス2001年の取り組み 天然ガスバリューチェーンの確立 LNG輸送については、当社グループでは 天然ガスバリューチェーン戦略 研究開発 当社は、天然ガスインフラの保有と運用 「LNG FLORA」「LNG VESTA」に続く3隻 178 184 584 553 12 517 36 48 30 64 30 75 73 53 530 496 41 78 76 80 オマーン カタール マレーシア 288 300 301 インドネシア 69 (年度)1996 71 71 74 1997 1998 1999 80 2000 ブルネイ 負荷が小さい分散型エネルギーシステムと 2000年10月に導入しました。最近では余 用対効果の向上、早期に成果を市場に投入 して近年ますます注目を集め、普及拡大に 上流から下流までの各段階をビジネス機会 剰輸送能力を利用して第三国へのLNGの するためのスピードアップが不可欠である 大きな期待がかけられています。大阪ガス としてとらえるとともに、全体としてこれを 輸送も行っています。 と認識し、当社が強みを持つコア技術を生 は国内ガス事業者の中で最大の販売実績 かしつつ、外部とのアライアンスを組むこ (出力ベース)を誇っていますが、燃焼方式 とで、競争力強化に寄与する効率的な技術 やサイクルの改良による発電効率の向上と 開発を推進しています。 並行して、新規市場の拡大を目指し、「マイ 172 172 165 国内ガス輸送販売事業 現在進行している事業分野としては、ガ 当社は、国内の他のガス事業者向け天然 ス田開発・LNG輸送等の上流部門、国内ガ ガス供給ネットワークの整備にも注力して ス輸送販売事業等があります。 います。当社の姫路・泉北両製造所から、 内航船による海上輸送およびタンクローリ 337 310 術開発においても「選択と集中」による費 といった強みを生かし、天然ガスに関わる 86 オーストラリア コージェネレーションシステムは、環境 目の大型LNGタンカー「LNG JAMAL」を 経営戦略の一つとしています。 (万トン) エネルギー競合激化の中、大阪ガスは技 ノウハウ、天然ガスマーケットの開拓能力 連鎖(バリューチェーン)化していくことを 国別ガス購入量の推移 コージェネレーションに関する技術開発 技術開発の基本方針 研究開発費の推移 (億円) クロガスタービン」「固体高分子型燃料電 池」「マイクロガスエンジン」など、小発電 2000年度の活動状況 (年度)1996 1997 1998 1999 2000 ーによる陸上輸送に取り組んでいます。ま 費・減価償却費の合計)は連結ベースで165 上流部門への進出は、都市ガス原料であ た、パイプラインによる卸供給も積極的に 億円(連結売上高比 1.7%)となりました。 るLNGの安定的かつ低廉な調達を行うとと 行っており、これら様々な供給手段による 主な成果は以下の通りです。 もに、独立したビジネスとして、利益をあ 他のガス事業者への天然ガス供給は2001 げていくことを目的としたものです。 年3月末時点で11社(導管供給4社、ローリ 天然ガス上流部門への進出 海外ガス田開発については、 1990年にイ ー輸送7社)、年間供給量は導管供給124百 ンドネシアで天然ガス等の探鉱・生産を行 万m3、ローリー輸送はLNG換算で17万ト うユニバースガスアンドオイル(UGO)社に ンにのぼっています。 出力のコージェネレーションシステムの開 2000年度の研究開発費用(労務費・経 発にも取り組んでいます。 家庭用コージェネレーションシステムは 1kWのガスエンジンを用いたシステムを 2002年、 1kWおよび0.5kWの固体高分子 ガスコージェネレーションの需要とそれに対応する新技術 燃料電池・マイクロガスエンジン 出資、2000年7月にはオーストラリア北部 マイクロガスタービン 高効率ガスエンジン・タービン 海域ガス田の鉱区権益の10%を取得する 家庭用燃料電池の研究開発風景 契約を締結しました。 小規模業務用施設 100 大規模業務用施設 今 後 普 及 分が 野期 待 さ れ る 産業用 90 産業用工場 (金属・機械) 80 コンビニエンスストア 事務所・店舗 70 オーストラリア北部海域ガス田(NAGV)の鉱区 グレーターサンライズ ガス田 当社3隻目の大型LNGタンカー「ジャマル」 エバンスショール ガス田 ダーウィン 家庭用燃料電池の評価試験 エ ネ ル ギ ー 需 要 に 占 め る 電 力 比 率 ︵ % ︶ 産業用工場 (製紙・食品) 60 ファーストフード レストラン 40 30 20 こ れ ま で 普 及 し て き た 分 野 病院・ホテル 50 家庭用 地域冷暖房 公衆浴場 10 1 10 100 1,000 10,000 発電容量(KW) オーストラリア マイクロガスタービン 16 17 Focus of Our Operations—大阪ガス2001年の取り組み 1nm(10ー9m) 特許申請件数推移 型燃料電池を用いたシステムを2005年に、 を採用した「ガラストップビルトインコンロ」 ITの活用、材料技術の研究開発など ス改質触媒、天然ガス吸蔵材やリチウム二 それぞれ商品化する計画で、開発を進めて はデザイン性に優れ、清掃が容易で好評を インターネットの急速な普及に対応したEC 次電池などのエネルギー貯蔵材料、排ガス います。特に燃料改質装置では当社の触媒 博しています。セントラルヒーティングシ (電子商取引) システム、無線通信を用いた や排水を無害化処理する環境浄化触媒な 技術は世界的に高く評価されており、米国 ステムでは床暖房、浴室暖房乾燥機、食器 遠隔共同検針の技術開発などに取り組んで ど、数多くの技術に生かされています。た のHパワー社を初めとして燃料電池メーカ 洗い乾燥機などの端末機器に加え、熱源と います。 とえば、大阪ガスのカーボンナノチューブ ーへの技術供与を行っています。 なる給湯暖房機では燃焼排ガス中の水蒸気 大阪ガスは、かつて石炭、石油から都市 の潜熱を回収するコンデンシング技術を初 ガスを製造していた時に蓄積した技術を炭 ナノテクノロジー素材として注目を集めて めて採用した「プリオール・エコ」を開発し、 素材料技術や触媒技術といったコア技術と いる水素吸蔵材料、電子放出材料としての 国内最高の効率を達成、省エネ大賞「経済 して維持、発展させてきました。これらは 応用開発を進めています。 産業大臣賞」を受賞しました。 今日の天然ガス時代、さらには来るべき水 (件) 995 892 904 ガス空調に関する技術開発 ガス空調にはガス吸収式冷温水機とガス 638 エンジンヒートポンプの2種類があり、い ナノテクノロジー素材カーボンナノチューブ 素時代に必須ともいえる燃料電池用天然ガ ずれも高い省エネ性ゆえにビル空調に大き 545 (年度)1996 なシェアを占めていますが、電力に対する 1997 1998 1999 2000 生産・供給分野における技術開発 競争力をさらに強化することを目的とし 生産分野では安全操業を維持するための て、システムの効率向上、価格低減を図る 技術開発を推進しています。また、従来か ための技術開発を推進しています。 らPC (プレストレストコンクリート) LNGタ ガスヒートポンプでは、業界最高効率の ンクの開発を進めてきましたが、泉北製造 COP1.3 (冷暖平均)を達成した新冷媒仕様 所第二工場に完成させた18万 LNGタン の高効率ガスヒートポンプエアコン(GHP) クでは最新の設計技術、建設工法を適用し、 を開発し、ビルの個別空調システムとして 従来に比べ、大幅な工期短縮と建設コスト 2001年度より発売します。 低減を実現しました。 R&Dの主な開発成果 分野 成果 ・290kWマイクロガスタービンを用いたコージェネレーションシステムの開発 コージェネレーション ・「リーンバーンミラーサイクルガスエンジン」の開発 ・Hパワー社に固体高分子型燃料電池(PEFC)用高効率燃料改質技術の供与 空調用 供給分野では耐久性・耐震性など保安レ ・GHPの低NOx化 ・新冷媒ガスエアコンの開発 ベル向上のための技術開発を推進するとと ・コンデンシング給湯暖房機「プリオール・エコ」の開発 既存の家庭用ガス機器のラインアップを もに、導管工事費を低減するため、非開削 ・食器洗い乾燥機「速ぴか」 (卓上タイプ)の開発 拡充する一方、省エネルギー性・安全性・快 で鋳鉄管の入替が可能な「本管非開削入替 適性に優れた新製品の開発に取り組んでい 工法」を導入しました。 家庭用機器の開発 ガラストップビルトインコンロ 合成法は高純度で量産が可能であり、現在、 家庭用 ・ガス温水式浴室暖房乾燥機「カワック壁掛タイプ」の開発 ・マルチ内部炎口バーナー搭載の強火力中華レンジの開発 ・耐熱セラミックガラス採用の「ガラストップビルトインコンロ」の開発 ・心拍検知風呂の開発 ます。厨房機器では耐熱セラミックガラス ・泉北製造所18号LNGタンク 製造 ・PHSで動画像などを同時双方向通信可能なムービーペンダント開発 ・メタンハイドレート探査・掘削技術の開発 ・本管非開削入替工法 輸送・配給 ・抽水機能付き管内カメラの開発 ・ガバナ圧力調整器Gセッターの開発 ・3次元可視化システムソフトの開発 情報技術 ・電力、ガス共同遠隔検針システムのフィールドテストの実施 ・インターネット炊飯器の開発 ・カーボンナノチューブの開発 泉北製造所18号LNGタンク ・LNG用高分子材料の開発 材料技術など ・高純度「ポリシラン」を量産できる製造方法を開発 ・流体素子を用いた新しい低NOx燃焼方式の開発 ・触媒湿式酸化プロセス「新型アクアループシステム」の開発 ・世界最小かつ高速抽出可能なダイオキシン類採取フィルターの開発 18 19