...

質の高い大学教育推進プログラム 実施状況報告書

by user

on
Category: Documents
4

views

Report

Comments

Transcript

質の高い大学教育推進プログラム 実施状況報告書
質の高い大学教育推進プログラム
実施状況報告書
大
学
等
名
中部大学
取
組
名
称
計算機支援による実践型設計技術者の育成
申
請
区
分
教育課程の工夫改善を主とする取組
取
組
期
間
平成20年度 ~ 平成22年度
(3年間)
取 組 学 部 等
工学部
Webサイト
http://www.cs.chubu.ac.jp/GP/KyouikuGP.htm
取 組 の 概 要
取組担当者
岡崎
明彦
中 部 大 学 工 学 部 に お い て 、 CAD/CAM/CAE 教 育 の 強 化 に よ っ て 実 践 的
能 力 を 身 に 付 け た “ 21 世 紀 の 社 会 か ら あ て に さ れ る 設 計 技 術 者 ” を
育 成 す る 取 組 で あ る 。 工 学 部 CAD 教 育 施 設 を 基 盤 と し て 、 ハ ー ド /
ソフトウェアの充実、実習補助員による指導体制の強化を行い、設
計 製 図 を 専 門 科 目 に も つ 学 科 で は CAD/CAM/CAE に 関 す る 基 礎 ・ 発
展・応 用 教 育 を 実 施 、設 計 製 図 を 専 門 と し な い 学 科 の 学 生 に も 基 礎 ・
発展教育を実施する。
1.取組の実施状況等
①取組の実施状況
【1ページ以内】
取組は、副工学部長を代表者、機械系、電気・電子系、土木・建築系、工学部共通を代表する
CAD/CAM/CAE に 造 詣 の 深 い 4 名 の 教 員 を 幹 事 、 工 学 部 7 学 科 を 代 表 す る 7 名 の 教 員 を メ ン バ ー と し 、
教育改革担当副学長と研究支援センターの支援のもとで推進した。
授 業 科 目 は 、取 組 に 関 わ る 経 費 で 購 入 す る ハ ー ド ウ ェ ア や ソ フ ト ウ ェ ア を 使 用 す る 科 目 と
現 状 の CAD 教 育 施 設 や 学 科 の 教 育 環 境 を 使 用 す る 科 目 に 分 か れ る 。 こ の た め 、 期 間 を 準 備 、
試行、実施に大別して、平 成 20 年 度 は 準 備 期 間 / 試 行 期 間 、 平 成 21 年 度 は 試 行 期 間 / 実 施
期 間 、 平 成 22 年 度 は 実 施 期 間 と し た 。
工 学 部 7 学 科 に お け る 実 施 状 況 は 、 以 下 の と お り で あ る 。 機 械 工 学 科 で は 高 機 能 CAM 装 置 を
購 入 し 、 CATIA と CNC 工 作 機 械 を 併 用 し た 実 用 的 な 工 学 教 育 を 目 指 し た 。 取 組 に 関 係 す る 科 目 は 、 機
械 製 図 A・ B、 CAD 製 図 、 機 械 設 計 製 図 A・ B、 機 械 設 計 A・ B、 CAD/CAM、 コ ン ピ ュ ー タ 応 用 工 学 の 9 科
目 で あ り 、 参 加 す る 教 職 員 は 、 常 勤 と 非 常 勤 を 含 め 9 名 で あ っ た 。 講 義 を 受 講 し た 学 生 数 は 平 成 20
年 度 で 延 べ 1,382 名 、平 成 21 年 度 で 1,471 名 、平 成 22 年 度 で 1,444 名 で あ っ た 。ま た 、CAD/CAM/CAE
環 境 を 授 業 時 間 以 外 は 夜 19:00 ま で 開 放 し 、か つ 、大 学 院 生 や 4 年 生 を 学 生 相 談 員 と し て 採 用 し て 学
生 の 質 問 に 答 え る よ う に し た 。さ ら に 学 生 相 談 員 の 能 力 向 上 を 目 的 と し て 各 種 ソ フ ト の 講 習 会 を 毎 年
行 っ た 。 参 加 者 数 は 、 毎 年 10 名 程 度 で あ っ た 。 電 気 シ ス テ ム 工 学 科 で は 、 CAD と 回 路 製 作 機 能 を 融
合 さ せ た 基 板 加 工 機 を 購 入 し て 、 LED 点 滅 回 路 お よ び LED の 発 光 で わ か る 充 ・ 放 電 回 路 、 電 気 自 動 車
駆 動 用 あ る い は LED 照 明 駆 動 用 電 源 回 路 の 製 作 を 行 っ た 。 参 加 教 員 は 1 名 、 学 生 は 延 べ 13 名 で あ っ
た 。 電 子 情 報 工 学 科 で は 、 SPICE シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ っ て 基 本 回 路 の 動 作 を 理 解 し 、 電 気 ・ 電 子 回
路 設 計 法 の 基 礎 を 習 得 さ せ る た め 、 創 成 実 験 ( OrCAD を 用 い た 電 気 ・ 電 子 回 路 設 計 ) で 使 用 す る テ キ
ス ト の 作 成 と 改 訂 を 行 っ た 。 こ れ に は 1 名 の 教 員 と 延 べ 13 名 の 大 学 院 生 が 携 わ っ た 。 ま た 、 5 名 の
学 生 が 創 成 実 験 を 受 講 し た 。都 市 建 設 工 学 科 で は 、鋼 橋 自 動 設 計 製 図 ソ フ ト と 土 中 水 分 塩 分 シ ミ ュ レ
ー シ ョ ン ソ フ ト を 購 入 し て 専 門 基 礎 能 力 、基 礎 応 用 能 力 さ ら に は エ ン ジ ニ ア リ ン グ デ ザ イ ン 能 力 の 向
上を図った。取組に関係する科目は基本製図、鋼構造設計学、コンクリート構造設計学、部門創成 B
で あ り 、取 組 期 間 に 受 講 し た 学 生 の 総 数 は 約 400 名 で あ っ た 。ま た 、基 本 製 図 で は 実 習 補 助 員( 機 械
工 学 専 攻 の 学 生 延 べ 24 名 ) に よ る 指 導 体 制 の 強 化 を 行 っ た 。 建 築 学 科 で は 、 CAD 教 育 に お け る 課 題
図 面 の 出 力 環 境 の 整 備 、予 稿 用 の カ ラ ー プ リ ン タ の 設 置 、大 判 プ リ ン タ ー 出 力 の 際 の 課 金 シ ス テ ム の
導 入 、 構 造 設 計 A の 授 業 環 境 改 善 の た め の E-learning シ ス テ ム の 導 入 、 温 熱 環 境 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン
環 境 を 整 え る た め の 専 用 ソ フ ト ウ ェ ア の 導 入 を 行 っ た 。取 組 に 関 係 す る 科 目 は 、建 築 CAD 演 習 、建 築
デ ザ イ ン 、 構 造 設 計 、 建 築 工 学 実 験 な ど で あ り 、 受 講 者 の 総 数 は 毎 年 560 名 程 度 で あ っ た 。ま た 、建
築 学 科 ワ ー ク シ ョ ッ プ に 3 年 間 で 延 べ 21 名 の CAD 相 談 員 を 配 置 し て 、 CAD 操 作 方 法 な ど の 相 談 に 対
応 さ せ た 。 工 学 部 共 通 科 目 と し て 図 形 処 理 や 先 端 CAE 実 習 と い っ た 科 目 を 配 置 し 、 既 存 の 3 次 元 CAD
ソフトや新規に購入した分子シミュレーションソフトと分子動力学法ソフトウェアを用いて応用化
学 科 や 情 報 工 学 科 の 学 生 に も 実 践 的 な CAD/CAE 教 育 を 実 施 し た 。図 形 処 理 の 受 講 者 は 毎 年 170 名 、先
端 CAE 実 習 の 受 講 者 は 毎 年 60 名 程 度 で あ っ た 。
社 会 へ の 情 報 提 供 は 、 合 同 フ ォ ー ラ ム (2009,2010 年 )、 GP ポ ー タ ル 、 日 本 機 械 学 会 Dynamics &
Design Conference(2009,2010 年 )、日 本 材 料 学 会 分 子 動 力 学 分 科 会 (2009 年 )、私 立 大 学 情 報 教 育 協 会
全 国 大 学 IT 活 用 教 育 方 法 研 究 発 表 会 (2009 年 )、中 部 大 学 フ ェ ア (2009,2010 年 )な ど に よ っ て 行 っ た 。
②.取組の成果
【1ページ以内】
最 先 端 の CAD/CAM/CAE の 応 用 技 術 を 修 得 し た 技 術 者 を 育 成 す る た め 、 2007 年 に 工
学 部 CAD 教 育 施 設 の 設 備 更 新 を 行 い 、ハ イ エ ン ド な 3 次 元 CAD の 設 計 に 加 え 、強 度 計
算 な ど の 構 造 解 析 や シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 、さ ら に は 機 械 加 工 、機 能 評 価 ま で モ ノ づ く り
の 一 連 の 工 程 を 体 験 で き る“ 実 習 中 心 型 の 教 育 環 境 ”の 基 盤 が 確 立 し た 。CAD/CAM/CAE
教 育 を さ ら に 強 化 す る た め 、本 取 組 に よ っ て ハ ー ド ウ ェ ア と ソ フ ト ウ ェ ア の 充 実 を 図
り、実習補助員による指導体制を強化して、きめの細かい教育を実施した。
機 械 工 学 科 で は 、CAD ソ フ ト の 講 習 会 に よ り 学 生 相 談 員 の 知 識 が 向 上 し 、学 生 に 質
問 さ れ た 時 の 対 応 が 良 く な っ た 。ま た 、自 習 時 間 の 活 用 に よ り 学 生 た ち の ソ フ ト に 関
す る 理 解 力 が 向 上 し た 。こ れ に 関 す る 成 果 と し て は 、CAD/CAM で 課 し て い る 課 題 の う
ち 、難 易 度 の 高 い 課 題 に つ い て 完 成 さ せ る 割 合 が 平 成 20 年 度 で は 1~ 2% で あ っ た の
に 対 し 、平 成 22 年 度 で は 25% に ま で 向 上 し た 。高 機 能 CAM 装 置 の 導 入 に よ っ て 、ブ
ラ ッ ク ボ ッ ク ス 化 し て い た 制 御 プ ロ グ ラ ム が 編 集 で き る よ う に な り 、CAM の 原 理 を よ
り 理 解 で き る よ う に な っ た 。 学 生 に 実 施 し た ア ン ケ ー ト で は 、「 CAM に よ り 自 分 の 設
計 し た 物 が 実 際 に 加 工 し て 形 に な る こ と か ら 達 成 感 が あ っ た 」な ど の 回 答 を 得 た 。電
気 シ ス テ ム 工 学 科 で は 、LED 点 滅 回 路 や 充・放 電 回 路 の 作 製 に よ り 、動 作 自 体 だ け で
は な く 、動 作 の 分 か り や す い 部 品 の 配 置・組 み 付 け 作 業 の 容 易 な 部 品 の 配 置 な ど の 重
要 性 を 実 体 験 に 基 づ い て 理 解 し た 。ま た 電 源 回 路 の 設 計・製 作 に お い て 、仕 様 を 満 た
す た め の 回 路 の 設 計・検 証 を 繰 り 返 す こ と に よ り 、回 路 の 設 計 力 を 涵 養 す る と と も に 、
駆動対象の電気特性を十分に理解することや試作段階において目的に応じた素子レ
イ ア ウ ト に 配 慮 す る こ と の 重 要 性 を 理 解 し た 。電 子 情 報 工 学 科 で は 、本 取 組 の 対 象 と
な る 学 生 に 適 し た テ キ ス ト を 新 た に 作 成 し 、講 義 に 用 い る こ と で CAD 使 用 法 を 効 率 よ
く 習 得 さ せ る こ と が で き た 。そ の 結 果 、理 論 的 議 論 に 多 く の 時 間 を 充 て る こ と が で き 、
受講学生は回路理論に基づいた電気・電子回路設計の基礎を身に付けることができ
た 。学 生 ア ン ケ ー ト か ら 、テ キ ス ト は わ か り や す く 、受 講 後 に さ ら に 回 路 設 計 に 興 味
が 湧 い た と の 結 果 を 得 た 。都 市 建 設 工 学 科 で は 、基 本 製 図 で CAD 操 作 の 演 習 を 行 う た
め 、4 回 の 講 習 と そ の 間 の 実 習 補 助 員 を 配 置 し た 結 果 、受 講 生 は CAD 操 作 の 基 本 を 理
解 す る こ と が で き た 。ま た 、シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ソ フ ト の 活 用( コ ン ク リ ー ト 構 造 設 計
学 、部 門 創 成 な ど )に よ っ て 、受 講 生 は 興 味 を 持 っ て 授 業 に 取 り 組 み 、理 解 度 が 向 上
し た 。建 築 学 科 で は 、設 備 の 整 備・更 新 を 学 生 た ち に 周 知 す る こ と に よ り 、意 欲 的 な
作品数が増加するとともに利用者数の増加が認められた。また、構造設計 A に
E-learning シ ス テ ム を 導 入 し た こ と に よ り 、 期 末 試 験 の 点 数 が 導 入 前 ( 30.7 点 ) に
比 べ て 導 入 後 ( 34.7 点 ) は 向 上 し た ( い ず れ も 50 点 満 点 の 平 均 点 )。 応 用 化 学 科 や
情 報 工 学 科 の 学 生 も 対 象 と し た 工 学 部 共 通 科 目 で は 、分 子 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 教 育 ソ フ
ト の 利 用 学 習 を 通 じ て 、量 子 の 世 界 に 興 味 を 持 つ 学 生 が 多 く み ら れ た 。ま た 、LS-DYNA
を 利 用 し た 自 動 車 衝 突 計 算 に よ り 、CAE 及 び 有 限 要 素 法 を 利 用 し た 計 算 設 計 の 理 解 が
深まった。
本 取 組 の 採 択 を 契 機 に 、大 学 教 育・学 生 支 援 推 進 事 業 、大 学 生 の 就 業 力 育 成 支 援 事
業等への学内からの申請が相次ぎ、採択された。
③.評価及び改善・充実への取組 【1ページ以内】
本 取 組 の 担 当 者 ( 前 述 の 代 表 者 、 幹 事 、 メ ン バ ー ) は 、「 魅 力 あ る 授 業 づ く り 」 を
推 進 す る た め に 中 部 大 学 で 実 施 さ れ て い る 「 学 生 に よ る 授 業 評 価 」、 授 業 固 有 の ア ン
ケ ー ト 、レ ポ ー ト の 内 容 、作 品 の 品 質 お よ び 試 験 の 成 績 等 に よ っ て 各 学 期 終 了 時 に 自
己 点 検・評 価 を 行 い 、授 業 科 目 ご と に F D シ ー ト( 計 画 項 目 ,計 画 留 意 点 ,実 施 項 目 ,
評 価・問 題 点 ,対 応 を 記 載 )を 作 成 し た 。作 成 さ れ た F D シ ー ト は 取 組 に 参 加 し て い
る 他 学 科 の 先 生 に も 回 覧 さ れ 、客 観 的 な 意 見 を 出 し て も ら う よ う に も し た 。得 ら れ た
意 見 は 次 年 度 の 実 施 内 容 に 反 映 さ れ 、 改 善 を 行 う と い う PDCA サ イ ク ル を 回 し た 。
ま た 、外 部 評 価 委 員 会 を 設 け 、年 度 末 に は 、機 械 工 学 、電 気・電 子 工 学 お よ び 土 木 ・
建 築 関 係 の 3 名 の 外 部 評 価 委 員 に お 越 し い た だ き 、そ の 年 度 の 各 学 科 の 取 組 を 紹 介 す
る と と も に 、取 組 担 当 者 と 外 部 評 価 委 員 と の 意 見 交 換 会 を 実 施 し て 、産 業 界 か ら の 立
場 か ら 忌 憚 の な い 意 見 を い た だ い た 。こ の よ う に し て 得 ら れ た 意 見 も 次 年 度 の 実 施 内
容に反映するようにした。
さ ら に 本 取 組 を 広 く 教 育 関 係 者 、企 業 関 係 者 お よ び 官 公 庁 の 方 々 に 知 っ て い た だ く
ため、以下の学会発表(発表予定を含む)やフォーラムでの出展を行った。
(1) 平 成 20年 度「 大 学 教 育 改 革 プ ロ グ ラ ム 合 同 フ ォ ー ラ ム 」ポ ス タ ー セ ッ シ ョ ン
( 横 浜 ) 、 2009年 1月 .
(2) 岡 崎 明 彦 他:計 算 機 支 援 に よ る 実 践 型 設 計 技 術 者 の 育 成 、私 立 大 学 情 報 教 育
協会
平 成 21 年 度 全 国 大 学 IT 活 用 教 育 方 法 研 究 発 表 会( 東 京 )、2009 年
7 月.
(3) 佐 伯 守 彦 他:中 部 大 学 に お け る CAD ソ フ ト を 活 用 し た 設 計 教 育 の 紹 介 、日 本
機械学会
Dynamics & Design Conference 2009 ( 北 海 道 大 学 )【 基 調 講 演 】、
2009 年 8 月 .
(4) 中 部 大 学 フ ェ ア 、 2009 年 9 月 .
(5) 石 鍋 雅 夫 他:教 育 GP と し て の 分 子 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 含 む 工 学 教 育 の 紹 介 、
日 本 材 料 学 科 分 子 動 力 学 部 門 委 員 会 ( 名 古 屋 ) 、 2009 年 11 月 .
(6) 平 成 21 年 度 「 大 学 教 育 改 革 プ ロ グ ラ ム 合 同 フ ォ ー ラ ム 」 ポ ス タ ー セ ッ シ ョ
ン ( 東 京 ) 、 2010 年 1 月 .
(7) 佐 伯 守 彦 他 : 3 次 元 CAD を 活 用 し た 自 律 型 ロ ボ ッ ト の 開 発 、 日 本 機 械 学 会
Dynamics & Design Conference 2010 ( 同 志 社 大 学 )、 2010 年 9 月 .
(8) 中 部 大 学 フ ェ ア 、 2010 年 9 月 .
(9) 石 鍋 雅 夫 他:3 次 元 CAD と シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ソ フ ト ウ ェ ア を 活 用 し た 実 践 教
育、日本機械学会
Dynamics & Design Conference 2011 ( 高 知 工 科 大 学 )、
2011 年 9 月 .( 発 表 予 定 )
(10) 佐 伯 守 彦 他 :「 計 算 機 支 援 に よ る 実 践 型 設 計 技 術 者 の 育 成 」 の 紹 介 、 日 本
工学教育協会
工 学 教 育 研 究 講 演 会 ( 第 59 回 年 次 大 会 )( 北 海 道 大 学 )、
2011 年 9 月 .( 発 表 予 定 )
④.財政支援期間終了後の取組
【1ページ以内】
財 政 支 援 期 間 が 終 了 し て も 取 組 を 継 続 的 に 実 施 し て い く こ と は 、本 取 組 が 採 択 さ れ
た 時 か ら の 約 束 で あ る 。そ の 点 に つ い て は 大 学 と 協 議 を 行 い 、同 等 の 支 援 が 得 ら れ る
ことを約束している。
大 学 の 経 済 的 状 況 を 鑑 み 、で き る 限 り 経 費 節 減 を 行 っ て い く こ と が 求 め ら れ て は い
る が 、 財 政 支 援 期 間 が 終 了 し た 平 成 23 年 度 も 引 き 続 き 同 様 の 体 制 で 「 実 践 的 能 力 を
身 に 付 け た 設 計 技 術 者 を 育 成 す る た め の CAD/CAM/CAE 教 育 」を 実 施 し て い く た め の 予
算を獲得している。
社 会 の ニ ー ズ を 見 据 え な が ら 最 新 の CAD/CAM/CAE 教 育 を 継 続 実 施 す る た め 、 平 成
23 年 度 以 降 に 向 け て 次 の よ う な 取 組 が 検 討 さ れ て い る 。
機 械 工 学 科 で は 、 CATIA V5( ハ イ エ ン ド 3 次 元 CAD/CAM/CAE ソ フ ト ) と INTEGREX
i-150( ヤ マ ザ キ マ ザ ッ ク 製 複 合 工 作 機 械 ) を 連 携 さ せ た 高 度 な CAD/CAM シ ス テ ム を
構築して学生の教育・研究に活用することが企画されている。
電 子 情 報 工 学 科 で は 、現 行 の 体 制 に よ っ て 本 取 組 み を 継 続 実 施 す る か た わ ら 、競 争 的
資金によって実電子回路の作成環境を整備し、回路設計結果の検証、実回路とシミュレ
ーション結果との比較を可能にして、回路設計技術学習の質の向上を目指している。
なお、継続実施するにあたり都市建設工学科では次のような課題が指摘されている。
z
基本製図以外のパソコンソフトを利用した教育に対する補助事業については、パ
ソコンから得られる結果に頼る傾向が強くなることが懸念され、ソフトの基本と
なっている設計方法や浸透理論をより詳細に教授する時間とソフトを使用した演
習時間と時間配分を考慮することが重要である。
z
高価な少数のソフトでは多くの受講者に設計体験をさせることができないため、
安価なソフトを多数購入することも今後の課題である。
z
鋼 橋 自 動 設 計 製 図 シ ス テ ム お よ び FRAME3 D ソ フ ト に つ い て は 、バ ー ジ ョ ン ア ッ
プ等のための予算措置を講じることが必要である。
2. 取組の全体像
取組の概要:
中部大学の建学の精神「不言実
実行 あてになる人間」を信条として CAD/CAM/
実行、あてになる人間」を信条として、CAD/CAM/
CAE(コンピュータ利用設計/製造/エンジニアリン
ング)教育の強化によって実践的能力を身に付け
た“21世紀の社会からあてにされる設計技術者”の
の育成を目指す。
◆ 中部大学工学部 全7学科による取り組み
学科
取り組み内
内容
機械工学科
3次元CADを活用し、実習も含
含めたCAD/CAM技術を
学習する授業の実施
電気システム
工学科
CADと回路製作機能を融合させ
せた基板加工機を用い
た授業の実施
電子情報工学科
OrCAD基本使用法に特化した
たテキストを作成し、重要
な解析を短期に学習できる授業
解
習
業の実施
都市建設工学科
実習補助員によるCAD教育支援、コンクリート橋梁設
計ソフトや鋼橋自動設計ソフト等
等を用いた授業の実施
建築学科
工学部共通科目
応用化学科・
情報工学科も対象
CATIA による
ウォームギアの設計
ワークショップの充実とe-lerninngシステムの更新
3次元CADとCAEの基礎教育お
および構造解析用ソフト
ウェアと分子シミュレーション用
用ソフトウェアを用いた
CAEの発展教育の実施
基板加工機による
基板加
機
る
電子回路製作
◆ 取り組みの成果
機械工学科
相談員の知識が向上し、学生に質問された時の対応が良
CADソフトの講習会により学生相
くなった。また、自習時間の活用
用によりCADソフトに関する理解力が向上するとともに、高
機能CAM装置の導入によって、CAMの原理をより理解できるようになった。
電気システム工学科
基板加工機を用いた回路設計・作製プロジェクトに延べ13名の学生が参加し
基板加工機を用いた回路設計・
作製プロジェクトに延べ13名の学生が参加し、目的意識
目的意識
を持って取り組んだことが設計力
力と製作力の涵養につながった。
電子情報工学科
ることでCAD使用法を効率よく習得させることができるとと
テキストを作成し、講義に用いる
もに、回路理論に基づいた電気
気・電子回路設計の基礎を身に付けることができた。
都市建設工学科
得させることができた。また、シミュレーションソフトの活用
受講生全員にCADの基本を習得
により、受講生は興味を持って授
授業に取り組み、理解度が増した。
建築学科
ワ クショップの整備 更新によって意欲的な作品数が増加した。また、e
ワークショップの整備・更新によ
って意欲的な作品数が増加した また e-lerningシステ
lerningシステ
ムの更新により建築構造設計に
に関する授業の成績が向上した。
工学部共通科目
の利用学習を通じて、量子の世界に興味を持つ学生が
分子シミュレーション教育ソフトの
多くみられた。また、LS-DYNAを
を利用した自動車衝突計算により、CAE及び有限要素法
を利用した計算設計の理解が深
深まった。
授業評価ポイント
◆ 取組の評価と改善
4 60
4.60
4.40
FDシートの作成・外部評価委員会
◆ 今後の展開
大学の財政支援のもとで、社会のニ
大学の財政支援のもとで
社会のニー
ズを見据えながら最新のCAD/CAM/CAE
教育を継続実施
総合的に魅力的な授業でしたか
教育GP関連科目
大学全体
4.20
ポ
イ 4.00
ン
3.80
ト
3.60
3 40
3.40
2008春 2008秋 2009春 2009秋 2010春 2010秋
年度・学期
Fly UP