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4.ファットウェア 企業概要 特徴

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4.ファットウェア 企業概要 特徴
倉敷芸術科学大学
分野:IT
類型:人材移転型
4.ファットウェア㈱
■特徴
【ヒト】大学研究者の経験、学生の意欲や時間等の有効活用
社長である大学研究者のもつ経営ノウハウやネットワークを活用して、販売代理店の確保、事務所の設置等
を行っている。また、事業に関心を持った学生が中心になり、学生は卒業研究等に直結するソフトウェア等の
開発を行いながら、経営について学ぶ等、最少のリスクで会社としても継続する仕組みになっている。
【モノ】大学の資源を積極的に活用
大学のスタッフを中心に構成されている、大学公認の大学発ベンチャーである。そのため、会社の仕事が公
務扱いになるほか、大学から出資、大学の機材の活用等の便宜がある。一方では、大学への定期的な業務報告
や配当の実施、大学のDMへの広告掲載、大学との共同研究等を行っている。
【経営戦略】固定費の縮小により、商品が売れなくてもつぶれない会社の実現
学生が役員になる等、業務の上で大きな役割を果たしているものの、あくまでも本分は学生であり、その中
で経営を学ぶ機会として位置づけられている。そのために、代理店の仕組み、サーバーを活用した販売方法等、
定常的な経費をできるだけ絞り込み、最少の負荷で業務が回転する仕組みのもと、開発や販売等を行っている。
その結果、もし商品が売れなくても、関係者のリスクを最小限にする仕組みになっている。
■企業概要
●倉敷芸術科学大学の大学発ベンチャー第1号。高画質デジタルビデオのソフト開発を行っている。
●主力ソフト「DVcommXP」は、ホームビデオや業務用ビデオとして採用されている
DV(デジタルビデオ)規格の
映像とステレオ音声を、ネットワーク経由で伝送するためのソフトウェア。デジタルビデオカメラの映像をパ
ソコン経由でもう1台のパソコンに伝送する。デジタル信号をそのまま伝送するため画質の劣化が少なく、テ
レビ放送並みの美しい映像伝送が可能になる。
●学生に、はじめにアルバイト代を渡し、開発したソフトウェアの成果は会社に技術移転、それを販売委託して
ライセンスフィーを会社が受け取る仕組みになっている。複数の学生が関与して一つのソフトウェアを開発す
ることによって、品質管理と著作権への対応を行っている。
【所在地】東京都千代田区平河町2−8−10
【創業】 平成 14 年1月
平河町宮川ビル4階
【URL】 http://www.fatware.jp/
DVcommXP の機能(ファットウェア㈱HPより)
【従業者数】常勤従業員はゼロ(平成 15 年9月現在)
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【資本金】1230万円
倉敷芸術科学大学
分野:IT
類型:人材移転型
■創業、発展の経緯
●学生が、金を稼ぎたい、ベンチャーをやってみたいという強い意思が発端になり、実際にベンチャーをやっ
てみようということで取り組み始めた。
●「いかに働かずに、事業を回転できるか」をコンセプトに、定常的な固定費を最低限にするための方法を探
し、実現しつつ創業した。具体的には、大学と共同研究を行っていた企業に話をもちかけ販売総代理店とし、
開発したソフトウェアの販売にあっては、指定したサーバーからダウンロードすれば良い仕組みになってい
る。このため、既存のソフトウェアを販売するだけであれば、業務的な負担はかからない。なお、ユーザー
のニーズに応じて、ソフトウェアの改造等も行っているが、この改造は学生が行う。
●こうした仕組みによって、定常的な費用は、開発用OSのライセンス取得費、著作権登録にかかる費用、ア
ルバイト代、サーバーのレンタル料程度のわずかにおさえることができている。このため、もし商品が売れ
なくても発生する固定費は小さく、企業としてのリスクを最小化することに成功している。
●第1弾のソフトウェア販売は、順調に推移し、設立から約7ヶ月で開発したソフトウェアを約
600 本程度販
売した。設立から4ヶ月あまりで単月黒字、7ヶ月あまりで累積赤字の解消を実現した。
●第1弾のソフトウェア販売が軌道に乗ってきたので、第2弾のソフトウェア販売、さらに、芸術学部の学生
の協力のもと、ファットウェアのキャラクターを作り、キャラクターグッズの製作・販売、活用した絵本の
製作等を行いつつある。
●こうした中で、従業員
100 人規模の会社で経験すること、具体的には、弁護士の協力のもとでの契約書の作
り方、製品化に関する判断、販売計画の作成、必要なマニュアル作成等、経営について学ぶ機会となってい
る。大学発ベンチャーとして、学生が本分を果たしつつ、一方で、経営の実際を体験し、学ぶ機会となって
いる。収益面では、大学への資金環流を行うことが中心で、上場等を目指してはいない。
■今後の目標、展望、課題等
●「カネ」への関心がある人が限られている中で、大学の身近なところで成功事例をつくりだすことにより、大
学や学生に刺激を与える存在になることも目指している。
●次の取り組みとして、会社と雇用契約を結び、大学に留学する、学費を奨学制度として負担するかわりに、社
員として開発に従事するような留学制度を作る予定である。学生からみると、アルバイト代のかわりに学費の
負担がなくなることになる。卒業した際には、そのまま働き続けるか否か選択できる仕組みになる。
■産学官連携インフラの活用状況
●岡山県の産業支援機関を通じてソフトウェアの業界団体に、ライセンスやソフトウェアの著作権等に関する相
談ができた。業界団体に未加盟の段階でも公的機関を通すことで、必要な信頼できる情報を得ることができた。
●会社名や商品名の登録を2件するだけで数十万円の費用がかかり、申請する業務的な負担もある。特許申請も
同様である。こうした業務の負担を軽減するための支援サービスがあり、そのサービスを提供する事業者に関
する情報を手軽に入手できるとよい。
●会社の口座を金融機関に開設することが容易にできずに苦労した。
■大学発ベンチャーの創業を志す方々へ
●大学発ベンチャーにはすばらしい技術力があります。しかし、この技術を広報したり、製品を大量生産する方
法がわからないという問題が起こりがちです。製品の開発は自社だけでできるかもしれませんが、専門外の作
業に関しては社会と協調することで解決できる場合が多々あります。特定分野の専門家として意地をはるので
はなく、社会と協調して享受できるメリットを生かすように、ビジネスを設計しましょう(経営者より)
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