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PDF(1.3MB) - 函館国際水産・海洋都市推進機構
函館国際水産・海洋都市構想
函館国際水産・海洋都市構想
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
1 構想の背景
水産・海洋に関する研究は、未解明の部分が多く、また、研究分野も多種多
様であることから、未利用資源の活用や食糧生産、さらには地球環境や生命科
学など様々な分野において今後の進展に無限の可能性を有しており、海に囲ま
れた我が国が科学技術創造立国を目指すうえで重点化すべき研究分野のひとつ
となっている。
本市は、津軽海峡に面していることから、北海道と東北地方を含む北太平洋
と日本海を研究の対象海域とすることができることや、道南周辺の海域には、
対馬海流・リマン海流・親潮(千島海流)の3つの異なった海流が流れ込んで
いることなど、水産・海洋に関する研究を行ううえで貴重な地理的・自然的条
件に恵まれている。
また、北海道大学大学院水産科学研究院などの学術研究機関が数多く立地し
ているほか、調査船が長期間停泊できる重要港湾を完備しているなど、水産・
海洋に関連する研究を高度化するうえで国内の他地域にはない環境が整ってい
る。
さらに、水産業、水産食料品製造業や造船および関連する機械器具製造業な
ど、水産・海洋に関する独特な産業が集積し、また地元企業と学術研究機関に
よる産学連携組織も設立されており、共同研究などの活動が活発に行われてい
る。
このような当地域の優位性をさらに伸ばすため、公的研究機関や民間企業の
研究機能を戦略的に集積し、地域企業などとの連携をより強め、水産・海洋に
関する知的クラスターを創出することや、市民一人ひとりの水産・海洋に関す
る意識を高めることにより、「国際的な水産・海洋に関する学術研究拠点都市」
の形成を目指し、もって、マリンサイエンス研究分野での世界をリードする先
端的で独創性の高い研究成果や社会経済を支える革新技術を開拓し、科学技術
創造立国の実現に資するとともに、地域における産学官連携の強化による新産
業の萌芽を促し、雇用の創出と産業・経済の活性化を目指すものである。
Ⅲ 函館国際水産・海洋都市構想
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函館国際水産・海洋都市構想
函館国際水産・海洋都市構想
函館国際水産・海洋都市構想
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2 構想の基本理念
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Ⅲ
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3 構想のキーワード
マリンサイエンス
基本方針
「海」をテーマとした研究に基づ
① 水産・海洋に関する学術研究機関の充実および誘致
く革新技術や新産業の創出
② 北海道大学大学院水産科学研究院の研究機能の充実
③ 水産・海洋関連産業(水産業、水産加工、造船機械金属、海運)と
学術研究機関との連携強化
④ 水産・海洋関連企業の誘致および起業化
⑤ 学術研究と融合した観光の振興
ヤリイカの初期幼生
レトロ&フューチャー
主要施策
歴史的な街並みと快適な生活、伝
① 水産・海洋に関する学術研究機関の集積
統型産業と未来志向型産業、古きも
② 地域と学術研究機関の連携
のと新しきものの融合が生み出す新
③ 観光と学術研究の融合
しい街
④ 水産・海洋と市民生活の調和
函館市地域交流まちづくりセンター
上記の基本方針に基づく主要施策により
国際的な水産・海洋に関する学術研究拠点都市
の形成を目指す。
公立はこだて未来大学
函館まるごとテーマパーク
異国情緒豊かで歴史的・文化的風格のある街並みに
よる癒し空間や、海に近いといった利便性など、研究
波及効果
者の生活にとって魅力のある函館の観光と学術研究の
融合
国への効果
地域への効果
●科学技術創造立国の
●産学官連携強化による
実現への貢献
新産業の創出
●雇用の創出
●産業・経済の活性化
函館まるごとテーマパーク
Ⅲ 函館国際水産・海洋都市構想
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函館国際水産・海洋都市構想書
函館国際水産・海洋都市構想
函館国際水産・海洋都市構想
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4 主要施策
1 水産・海洋に関する学術研究機関の集積
3 観光と学術研究の融合
① 水産・海洋に関する学術研究機関の充実・誘致
①観光資源の有効活用
② 国際的な水産・海洋研究機関の事務局や支部および学会等の誘致
②観光施設と学術研究機関との連動
③ 調査船等の寄港基地化
③青函連絡船記念館摩周丸の活用
④ 知的人材の集積
④大型クルーズ船の寄港基地化
⑤水産・海洋に関する資料の充実
2 地域と学術研究機関の連携
4 水産・海洋と市民生活の調和
① 高等教育機関と研究機関との連携
①まちかど水族館の創出∼ブルーワールド構想∼
② 研究を支援するための環境整備
②市民と観光客の“海とのふれあいの場”としての港や漁港の利用
③ 起業化支援環境の構築
③マリンスポーツの振興
④ 函館国際水産・海洋都市推進機構の設立
④海に関連する様々な社会活動の展開
⑤水産・海洋に関するシンポジウム・イベント等の開催
Ⅲ 函館国際水産・海洋都市構想
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函館国際水産・海洋都市構想
函館国際水産・海洋都市構想
函館国際水産・海洋都市構想
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Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
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1 水産・海洋に関する学術研究機関の集積
① 水産・海洋に関する学術研究機関の充実・誘致
③ 調査船等の寄港基地化
水産・海洋に関する学術研究機関の充実・誘致に取り組む。
各種研究機関の調査船や大学の練習船などの寄港基地化を図る。
・国際水産・海洋総合研究センターの整備
・北海道大学大学院水産科学研究院の新研究棟の建設
・北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの水圏に関する研究機関の
集約・拠点化
・北海道立函館水産試験場の早期建設
・独立行政法人水産総合研究センターの北方圏研究機能の誘致
北海道大学マリンサイエンス創成研究棟
・JAMSTEC(独立行政法人海洋研究開発機構)と北海道大学大学院水産
科学研究院との海洋環境や海洋生物に関する共同研究の充実
・マリンバイオインフォマティックス研究所(ゲノム研究関連)の誘致
(独)海洋研究開発機構 海洋調査船「なつしま」
(独)航海訓練所 練習船「日本丸」
・海洋政策研究機関の誘致
・民間企業の研究機関の誘致など
国際水産・海洋総合研究センターの完成イメージ
② 国際的な水産・海洋研究機関の事務局や支部および学会等の誘致
④ 知的人材の集積
国際的な海洋研究機関の事務局や支部および世界・全国規模の学会等の誘致に
水産・海洋に関する研究者など知的人材の集積や研究者・大学生の研修受け入れ体制の強化・充実を図る。
取り組む。
(主な研究テーマ)
・PICES(北太平洋海洋科学機構)
・海洋生物のゲノム研究
・ベーリング公海条約 ・海洋生物を用いた有用物質の設計、特に天然有機物質に関する
バイオインフォマティックス技術開発
・CCSBT(みなみまぐろ保存委員会)
・水産業廃棄物を用いた有用新物質の開発
・NPAFC(北太平洋遡河性魚類委員会)
JICA青年招聘事業(平成17年5月)
・国際連合大学
・イカなど近隣の海洋資源の活用による新規食材の開発
・JICA(独立行政法人国際協力機構)
・海洋に関する情報マネージメント技術の開発
・日本水産学会、日本海洋学会など
・海洋環境や水産資源の管理・予測システムの開発
・水産・海洋に関する生涯教育システムや体験型学習シス
テムの開発
・環境テレメトリーやリモートセンシングなどの海洋関連
IT技術の開発
公立はこだて未来大学で開催された『第9回PICES(北太平洋
海洋科学機構)年次会合』
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函館国際水産・海洋都市構想
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2 地域と学術研究機関の連携
① 高等教育機関と研究機関との連携
地域と学術研究機関の連携イメージ図
産学官連携の協業効果を最大限に発揮できる環境づくりのため、大学センター的な
機能(地域共同研究センター等)を構築し、高等教育機関と研究機関の連携強化を図る。
② 研究を支援するための環境整備
研究成果の情報提供システムを構築し、起業化に役立てる。また、膨大な研究デー
タ処理のためのデータ処理支援システムを構築し、研究を支援する環境を整備する。
北大マリンサイエンス創成研究棟と合築整備した
函館市産学官交流プラザ
③ 起業化支援環境の構築
インキュベーションラボラトリーの構築を目指し、起業志望者の活動支援等を行う。
④ 函館国際水産・海洋都市推進機構の設立
下記の機能を担う組織の設立を図る。
・研究機関や企業の誘致、新規産業創出・立地をはじめとする様々な事業の企画・提案
・特許・著作権等の知的財産の管理・調整
・産学官連携のコーディネート
・様々な研究活動や企業活動に伴うコンベンションの誘致・支援、研究情報の公開など
都市エリア産学官連携促進事業から誕生した製品群
企業との共同研究Ⅰ
(函館工業高等専門学校)
企業との共同研究Ⅱ (道立工業技術センター)
北海道大学大学院水産科学研究院と共同研究に取り組む 海藻技術研究所 アルガテックKyowa(平成15年6月開所)
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函館国際水産・海洋都市構想
函館国際水産・海洋都市構想
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3 観光と学術研究の融合
① 観光資源の有効活用
④ 大型クルーズ船の寄港基地化
函館市の文化遺産でありながら遊休化している建築物を、最先端の研究機関として活用することにより、函館の魅力づくり
国際海峡(津軽海峡)に面し観光都市としての知名度も高いことから大型クルーズ船の寄港基地化を図る。
に貢献する。
函館市臨海研究所(平成19年4月供用開始)
函館市臨海研究所内部
② 観光施設と学術研究機関との連動
大型クルーズ旅客船「飛鳥Ⅱ」
⑤ 水産・海洋に関する資料の充実
学術研究機関が研究のために飼育している海洋生物や様々な標本、函館ならではのコンブやイカなどを市民や観光客に展示
開放し、小中学生の社会教育に役立てるとともに、既存観光施設との連動化を図る。
北海道昆布館「昆布ミュージアム」
市立函館博物館や北方民族資料館、北洋資料館などに展示されている水産・海洋に関連する資料などのデータベース化を図
るとともに、造船を含めた水産・海洋に関する資料の充実を図る。
北海道大学総合博物館分館水産科学館
③ 青函連絡船記念館摩周丸の活用
函館市北洋資料館
北海道大学総合博物館分館水産科学館
北海道の発展を担った産業遺産である青函連絡船「摩周丸」の
魅力を活用し、新たな函館のイベント発信基地にする。
青函連絡船記念館摩周丸
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函館国際水産・海洋都市構想
函館国際水産・海洋都市構想
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4 水産・海洋と市民生活の調和
① まちかど水族館の創出∼ブルーワールド構想∼
③ マリンスポーツの振興
まちを歩けば水族館という癒し環境の創出を目指し、研究施設
函館海岸を太平洋横断ヨットレースや、X-Gamesなどのスポ
や商店、飲食店のウィンドウで海洋生物の展示(水槽の展示、コ
ーツ会場として利用する。
ンピュータグラフィック、3次元立体視システムなど)をする。
町の散策がそのまま海洋学習となる「まちかど水族館」として、
函館ならではの水族館を演出する。
(函館市臨海研究所)
青函カップヨットレース
④ 海に関連する様々な社会活動の展開
まちかどデジタル水族館
(市役所市民ホール)
まちかどデジタル水族館の映像
海に関連する様々な活動を通して、海を大切にする心を育てる。
・シーライフセーバーの育成
→環境汚染(重油流出事故など)の際、海洋生物の保護や環境
② 市民と観光客の“海とのふれあいの場”として
の港や漁港の利用
の復元を行う。
・マリンレンジャーの育成
→マリンスポーツなどによる海難事故を防止するための指導者
市民や観光客が海に対し親しみを感じる新たな交流活動の拠点
水産・海洋体験学習プログラム
を育成する。
としての港湾施設の利用や漁港の整備を図る。
ガゴメの体験学習(弥生小)
・水産・海洋体験学習プログラムの実施
函館港、函館漁港(都市型漁港)、湯川漁港
→海とふれ合い、海に学ぶ。
⑤水産・海洋に関するシンポジウム・イベント等
の開催
市民が水産・海洋についての理解を深めるためのイベントやシ
函館漁港の石積み防波堤から眺む函館山
ンポジウムなどを開催する。
港でのイベント開催(第2回NPOまつり)
オーシャンウイーク
海王丸親子見学会
国際シンポジウム 「ナポリ・はこだて・ウッズホール水産・海洋研究三都∼
国際的な水産・海洋研究拠点都市の形成を目指して∼」
Ⅲ 函館国際水産・海洋都市構想
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