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本業を通じたグローバルな CSR 推進活動
2011 年 5 月 11 日 本業を通じたグローバルな CSR 推進活動 講義担当者 : 日本電産株式会社 CSR 推進室長 永安 正洋 氏 概要 :今回の講義は、HDD 用スピンドルモーターをはじめと する精密小型モーターの開発・製造・販売において世界一のシ ェアを有する企業だけあって、そのグローバルな商品力を生か した本業をメインとした CSR 活動についての紹介であった。地 球環境に貢献する商品の説明にも時間をとり、丁寧な説明があ った。商品力への自信と熱意が強く感じられる内容だった。 ●日本電産の企業理念と CSR に対する基本概念 日本電産の企業理念は、3つの経営基本理念と3大精神を基本柱とし、「精神論と社風がないと短時間で成長 しない」というグローバル化にむけての「スピード経営」をかかげたものである。その実践のために、社員のベクトル を合わせ、モチベーションを保つための行動指針や「3Q6S」といった社内の憲法を作成している。 CSR に対しては、2008年4月に CSR 新体制を発足させ、日本電産の CSR 憲章前文にもあるように、「全世 界に通じる製品及び技術で社会に貢献する」と明言しており、グローバル企業としての国際的な基準、国際規格 に則り、推進活動を続けてきた。 ●商品のシェア拡大がもたらす環境貢献 日本電産で開発・製造・販売をおこなうモーターの世界シェア が高くなること自体が社会貢献にあたるといえる。製品の省エネ 性・省資源性について自負しており、環境への配慮というニーズ に応えている。さらに環境問題への対応という側面から潜在的な 市場が大きい車載用や家電・産業用のブラシレスDCモーター の製造・開発・販売に注力している。 ●グローバル企業としての CSR 推進体制 環境に対しては「ISO14001」、労働安全衛生に対しては「OHSAS18001」、人権・労働・倫理に対しては「EICC」 という要素ごとの国際規格があり、これらをベースにした独自の CSR マネジメントシステムの導入を進めている。ま た ISO14001、OHSAS18001 といった国際規格の認証を取得することによっても、社会的な要請に応えている。 サプライチェーンに対する CSR 調達では、CSR 条項を盛り込んだ取引基本契約書の締結、サプライチェーン CSR 推進ガイドブックの配布、サプライヤーCSR セルフアセスメントによる取引先の自己評価を進めている。今 後は、監査員が出向いて、サプライヤーの CSR 実地監査を行うことも予定している。 また、日本電産は M&A にも積極的であり、雇用を維持して買収した企業を再生させることで、企業価値を掘り 起こし向上させることが社会貢献だという企業理念をもっている。 ●その他の CSR 推進活動 CSR 啓発活動として、社員に通信教育や e ラーニングを実 施。また、社会貢献活動の推進として、国際 NGO(プランジャパ ンなど)と協力して、途上国への子供への教育支援(中国、フィリ ピン、タイ、ベトナムへの地域開発支援と手紙による交流)を続け ている。