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氷河作用と氷期の環境
氷河作用と氷期の環境 大学院自然地理学講義 2013年5月8日 Flint(1971)による氷床の大きさ 氷河地域名 南極大陸 グリーンランド ローレンタイド コルディレラ スカンディナビア 時代 面積(*106km2) 氷平均厚(km) 1.88 氷体積(*106km3) 現在 12.53 23.45 最終氷期 13.81 現在 1.73 1.52 2.60 最終氷期 2.30 1.52 3.25 現在 0.00 最終氷期 13.39 2.20 27.01 現在 0.00 最終氷期 2.37 1.50 3.55 現在 0.00 最終氷期 6.66 2.00 13.32 26.00 Flintの推定では、上記の氷床だけで最終氷期は現在より47.08×106km3大陸氷床が現 在よりも大きいと計算される。 現在の地球表面の水収支モデル (氷期には氷河が50×106km3程度増加し、海水量はこのため 50×106km3程度減少していた可能性がある) 現在の海洋の平均の深さ約3,800m、現在と最終氷期の海洋面積等の変化を無視すると 最終氷期の海面低下量が計算できる。 氷河平衡線(equilibrium line ) 氷河平衡線は、年間氷河涵養量=年間氷河 消耗量となる線。 年降水量P(mm)と、夏(6-8月)の平均気温 T(℃)との相関によってほぼ決定される。 P=-9T2+296T+645 (Ohmura et al. 1992による) Tasman Glacier の 支流 涵養域 Tasman glacier の末端 Lateral moraine(side moraine) Terminal moraine 消耗域 Tasman Glacier 末端と Outwash 米国 五大湖周辺の氷堆積の 分布 永久凍土層の分布 黒:連続的分布 濃:一部不連続的分布 薄:断続的分布 永久凍土地帯の断面モデル (融解層) 永久凍土地帯の地表下の断面モデル 構造土の形成機構のモデル (気温の減率を6℃/100mとすると、最終氷期の日本付近の平均気温は、現在より 何℃低かったかがわかる。) 福岡・ソウル・青島・石家庄の 現在と最終氷期の環境の違い を、右の図から考えてみよう。