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医療情報標準化を取りまく動向について - JAHIS 一般社団法人保健医療

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医療情報標準化を取りまく動向について - JAHIS 一般社団法人保健医療
健康で豊かな国民生活を保健医療福祉情報システムが支えます
2015年度標準化推進部会業務報告会
医療情報標準化を取りまく動向について
2016年3月2日
国内標準化委員会
佐々木文夫
ⓒ JAHIS 2016
目次
1.今年度制定したJAHIS標準類
2.厚生労働省標準規格について
3.その他のトピックス
ⓒ JAHIS 2016
2
1.今年度制定したJAHIS標準類
【JAHIS標準】
15-001 JAHIS保存が義務付けられた診療録等の電子保存ガイドライン
(第3.2版)
15-002 JAHISデータ交換規約(共通編)Ver.1.1
15-003 JAHIS診療文書構造化記述規約共通編 Ver.1.0
15-004 JAHIS生理機能検査レポート構造化記述規約Ver.1.0
15-005 JAHIS病理・臨床細胞DICOM画像データ規約Ver.2.1
15-006 JAHIS病理診断レポート構造化記述規約Ver.1.0
16-XXX リモートサービスセキュリティガイドラインVer.3.0 (パブコメ中)
医療システム部会
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7件
3
【JAHIS技術文書】
14-106 HIS向け医療材料マスターの提供ガイドVer1.0
15-101 JAHIS電子版お薬手帳データフォーマット仕様書Ver.2.0
15-102 JAHIS医療情報システムの患者安全ガイド(輸血編)Ver.1.0
15-103 JAHIS IHE-ITIを用いた医療情報連携基盤実装ガイド
レセコンポータル向け臨床検査データ編Ver.1.0
15-104 保険者(市町村)-地域包括支援センター間インタフェース
仕様書Ver.2.0
事業企画推進室
1件
医事コンピュータ部会
1件
医療システム部会
2件
保健福祉システム部会 1件
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4
【JAHIS標準】
15-001 JAHIS保存が義務付けられた診療録等の電子保存ガイドライン
(第3.2版) 制定2015年07月
– 本ガイドラインは以下の3省ガイドラインの改定に伴い見直しを行っている
• 総務省「ASP・SaaS事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理ガイドライン」
• 経済産業省「医療情報を受託管理する情報処理事業者向けガイドライン」
• 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」
– 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」 第4.2版
に対応すると共に、全体構成の見直しも行った。
– 2月に開催された、厚生労働省 ネットワーク基盤検討会では「医療情報シ
ステムの安全管理に関するガイドライン」 第4.3版(案)が提出されている。
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【JAHIS標準】
15-002 JAHISデータ交換規約(共通編)Ver.1.1 制定2015年07月
– JAHIS処方データ交換規約をHELICS指針として申請した際に、HL7語彙の
誤訳等の指摘があったため、改定したもの。
– HELICS指針となっているのはJAHIS処方データ交換規約であるが、指針採
択後に共通編と処方編を分冊化している。HELICSでは「最新のバージョン
が有効」とされているため、今回改定された共通編 Ver1.1も「HELICS規格」
として扱われる。
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6
【JAHIS標準】
15-003 JAHIS診療文書構造化記述規約共通編 Ver.1.0 制定2015年08月
15-004 JAHIS生理機能検査レポート構造化記述規約Ver.1.0
〃
15-006 JAHIS病理診断レポート構造化記述規約Ver.1.0 制定2015年12月
– 診療文書構造化記述規約(CDA)共通編は、紹介状や各種レポート等をHL7の
CDA(Crinical Document Archtecture)で記述する場合のヘッダ部を定義して
いる。(CDA R2はISO規格です)
– 生理機能検査レポート構造化記述規約Ver.1.0、病理診断レポート構造化記述
規約Ver.1.0 はボディ部に相当する。
病理診断レポート
ヘッダ部 (共通15-003)
ボディ部
(本体15-006)
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生理機能検査レポート
ヘッダ部 (共通15-003)
ボディ部
(本体15-004)
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【JAHIS標準】
15-005 病理・臨床細胞DICOM画像データ規約Ver.2.1 制定2015年09月
– DICOM規格が改定されたことに伴い、Ver.2.0から改定を行った。
(Ver.2.1は DICOM規格 2015aに対応)
– Ver.2.1はVer.2.0の上位互換ではないため、注意が必要。
– 近年、DICOM規格は年複数回の改定を行っている。全ての改定に追随は
できないため、DICOM規格の改定内容をみて、本規格も改定を検討する。
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【JAHIS技術文書】
14-106 HIS向け医療材料マスターの提供ガイドVer1.0 制定2015年03月
– 外部から供給された医療材料マスターを病院、クリニックなどの医療機関情報
システムに取り込む際の要求事項と実装方式を定めたものである。
– 既にMEDIS-DCより医療材料標準マスタが提供されているが、他の業者から
提供されるマスタについても仕様が統一されることが期待される。
15-101 電子版お薬手帳データフォーマット仕様書Ver.2.0 制定2015年11月
– 紙のお薬手帳における報酬点数の算定要件として不足していた情報を追加。
– 併せて、患者→医療機関や薬局ににお薬手帳の内容を電子データで提供する
ためのデータフォーマットを追加した。
– 平成27年11月27日に厚生労働省から以下の関連通知等が発出されている。
電子版お薬手帳の開発・実装にあたっては、必ず参照されたい。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/ryuuizikou.pdf
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【JAHIS技術文書】
15-102 JAHIS医療情報システムの患者安全ガイド(輸血編)Ver.1.0
制定2015年11月
– 医療機関の輸血業務ワークフロー、プロセスを定義し、各プロセスにおける
運用上のリスクや、システム要件をまとめた。
– 日本輸血・細胞治療学会「安全委員会・病院情報システムタスクフォース」の
査読と学会のパブコメを経ており、医療従事者にも理解しやすい内容とした。
15-103 JAHIS IHE-ITIを用いた医療情報連携基盤実装ガイド レセコン
ポータル向け臨床検査データ編Ver.1.0 制定2015年12月
– 地域医療連携システムにおいて、診療所が外注検査会社から受け取った
検査結果データを、地域のポータルにアップロードする運用を想定している。
15-104 保険者(市町村)-地域包括支援センター間インタフェース仕様書
Ver.2.0 制定2016年12月
– 平成27年度の介護保険制度改定で、保険者(市町村)の介護予防・日常生
活支援総合事業が大きく見直されたことに伴う改定を行った。
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2.厚生労働省標準規格について
2月25日(木)に4年ぶりに厚生労働省 保健医療情報標準化会議が開催され、
以下の4規格が厚生労働省規格として採用された。
規格名
HELICS指針
提案元団体
HS022
JAHIS処方データ交換規約
JAHIS
HS025
地域医療連携における情報連携基盤技術仕様V2.0
日本IHE協会
HS024
看護実践用語標準マスター
MEDIS-DC
HS026
SS-MIX2ストレージ仕様書および構築ガイドライン
日本医療情報学会
厚生労働省標準規格とは何か?
 厚生労働省において実施する医療情報システムに関する各種施策や補助事業
等において、実装を推奨する規格
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厚生労働省標準規格に関する医政局長通知
医政発0331第1号 別紙より抜粋
2 厚生労働省標準規格について
医療機関等における医療情報システムの構築・更新に際して、厚生労働省
標準規格の実装は、情報が必要時に利用可能であることを確保する観点
から有用であり、地域医療連携や医療安全に資するものである。また、医
療機関等において医療情報システムの標準化や相互運用性を確保してい
く上で必須である。
このため、今後厚生労働省において実施する医療情報システムに関す
る各種施策や補助事業等においては、厚生労働省標準規格の実装を
踏まえたものとする。
なお、厚生労働省標準規格については、医療機関等に対し、その実装を何
ら強制するものではないが、実装によるメリットを十分考慮することを求め
るものである。
医療機関等に求められている標準化、相互運用性確保については「医療
情報システムの安全管理に関するガイドライン第4.1 版」第5 章を参照する
こと。
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(参考)既に厚生労働省標準となっている規格
申請受付番号 提案規格・マスター名
[ ]内は提出団体名
HELICS採択日
HS001
医薬品HOTコードマスター [(一財)医療情報システム開発センター]
2003/05/23
HS005
ICD10対応標準病名マスター [(一財)医療情報システム開発センター]
2004/12/28
HS007
患者診療情報提供書及び電子診療データ提供書(患者への情報提供) [日本HL7協会]
2007/03/16
HS008
診療情報提供書(電子紹介状) [日本HL7協会]
2008/09/01
HS009
IHE統合プロファイル「可搬型医用画像」およびその運用指針 [(一社)日本医療情報学会]
2008/12/01
HS010
保健医療情報-医療波形フォーマット-第92001部:符号化規則 [日本PACS研究会]
2009/09/30
HS011
医療におけるデジタル画像と通信(DICOM) [(一社)日本画像医療システム工業会]
2010/01/25
HS012
JAHIS臨床検査データ交換規約 [(一社)保健医療福祉情報システム工業会]
2010/02/10
HS013
標準歯科病名マスター [(一財)医療情報システム開発センター]
2010/09/20
HS014
臨床検査マスター [(一財)医療情報システム開発センター]
2011/01/31
HS016
JAHIS放射線データ交換規約 [(一社)保健医療福祉情報システム工業会]
2011/09/29
HS017
HIS, RIS, PACS, モダリティ間予約, 会計, 照射録情報連携 指針(JJ1017指針)
[(公社)日本放射線技術学会]
2011/12/16
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厚生労働省標準規格ができるプロセス
厚生労働省標準規格
厚生労働省 保健医療情報標準化会議
医療情報標準化推進協議会
(HELICS協議会)
オブザーバ
HELICS指針
審査・投票
総務省
経済産業省
厚生労働省
提案
JAMI
JAHIS
JIRA
MEDIS-DC
日本医療
情報学会
保健医療福祉
情報システム
工業会
日本画像医療
システム
工業会
医療情報システム開
発センター
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日本HL7
協会
日本IHE
……
協会
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医療情報標準化推進協議会(HELⅠⅭS協議会)
規格作成団体
保健医療福祉情
報システム⼯業会
(JAHIS)
HEaLth Information and Communication Standards Board
会員(2015年10⽉現在︓2001年5⽉設⽴)
○医療情報システム開発センター、○⽇本医学放射線学会、○⽇本医療情報学会、⽇本HL7協会、
○⽇本画像医療システム⼯業会、○⽇本放射線技術学会、○保健医療福祉情報システム⼯業会、
⽇本IHE協会、流通システム開発センターGS1ヘルスケアジャパン協議会 (○は幹事会員)
標準案の採択
を申請
協議の
対象に
決定
必要に応じ
審査委員会
を設置
委員は会員団体よ
り理事会が選出
標準案
を審議
全正会員
標準案
として採
択すべ
き
2/3以上の参加
と参加者の過半数
の賛成
必要に応じ個⼈会員、関連
団体、ユーザー側より意⾒聴
取、パブコメ
医療情報標準化指針
理 事 会
⽇本画像医療シス
テム⼯業会
(JIRA) など
保健医療情報標準化会議(厚⽣労働省政策統括官のもとに設置)
保健医療情報分野の標準規格として認めるべき規格を厚⽣労働省へ提⾔
厚⽣労働省が「厚⽣労働省標準規格」として普及を推進
ⓒ JAHIS 2016
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HELICS標準規格審査における主要チェックポイント
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.
13.
ⓒ JAHIS 2016
標準規格案は、関連するユーザあるいはベンダーの大多数の支持を得ている。
標準規格案の作成の経緯及び決定プロセスが妥当である。
同種の他標準(含む海外標準)との関連状況について、相違点及び重複点の取
扱い方が、明確になっている。
標準規格案の適用領域及び想定される使用場面は、妥当である。
メンテナンス方法が明確になっている。
入手できる個人または組織の資格が明確になっている。
入手方法がオープンで簡便である。
価格等が妥当である。
入手経路が保障されている。
特許及び著作権など知的所有権等に関して大きな問題がない。
有効期限及び次回見直し時期が明確になっている。
標準規格案として必要な資料は添付している。
その他
16
近年の審査、投票で提起された問題
「大多数の指示」
これまで整備されていなかったマスタを新たに整備して、普及を図る
のは、厚生労働省標準規格として適格か?
「海外標準との関連」
既に海外では標準的なコードが存在する(ただし日本では普及してい
ない)。日本独自のコードを採用してよいか?
「知的所有権」
その規格を利用した特許が複数存在する場合、どこで「問題なし」の
線引きをするか
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HELICS審査委員会の重要性(反省を込めて)
 HELICS指針がほぼ機械的に厚生労働省標準規格に推奨されるこ
とを鑑みると、JAHISが選出する審査委員は責任重大である。
 これまで審査委員選出にあたり、HELICS指針成立プロセスや審査
チェックポイントを十分に理解していただいていたとはいえなかった。
 また審査委員会前に国内標準化委員会で問題の有無も議論できて
いなかった。
上記をふまえて審査委員選出から、審査委員会開催までの
準備作業を見直しています
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3.その他のトピックス
H28年4月の診療報酬改定にて「診療情報提供書等の電子的な送受に関
する評価」が出されている
現在、署名 又は記名・押印が求められている診療情報提供書、訪問看護
指示書及び服薬情報等提供文について、電子的署名を行い、安全性を確
保した上で電子的に送受場合も算定可能とする。
署名 又は記名・押印を要する文書については、電子的な署名を含む。その場合、
厚生労働省の定める準拠性監査基準を満たす保健医療福祉分野の公開鍵基盤
(HPKI:Healthcare Public Key Infrastructure)による電子署名を施すこと。
JAHISへルスケアPKIを利用した医療文書に対する電子署名規格Ver1.1
(制定2013年03月)
を、改めてご確認下さい
ⓒ JAHIS 2016
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健康で豊かな国民生活を保健医療福祉情報システムが支えます
ご清聴ありがとうございました
ⓒ JAHIS 2016
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