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「インターネットと人権」の作成(PDF形式:482KB)
インターネット上の 人権侵害への対応 平成14(2002)年5月に、 「プ ロバイダ責任制限法」 (「特定電気 通信役務提供者の損害賠償責任の 制限及び発信者情報の開示に関する法律」)が施行され ました。 この法律に基づき、被害者がプロバイダ等に対して、 インターネットの掲示板上の書込み記事削除や、書込み をした者(発信者)の情報開示を求めることができます。 *プロバイダ業界はこの法律に関するガイドラインを 定めています。その中で、人権侵害の被害者本人から だけでなく、法務省の人権擁護機関(東京法務局等)が プロバイダ等に削除を要請した場合も対応すること とされています。 (注)プロバイダ インターネット接続業者。電話回線などを通じて、企業や 家庭のコンピュータをインターネットに接続する。 もしも被害にあったら… インターネットの掲示板等で、プライバシーの侵害 や、差別的書込みなどの人権侵害を受けた場合には、情 報の発信者や情報を掲載している掲示板の管理人、プロ バイダ等に、記事の削除要請や発信者情報の開示請求を するという手段をとることができます。 この場合には、証拠として保存した掲示板等の内容を 添付して、掲示板の管理人やプロバイダ等にメール等で 連絡してください。 相談窓口 ☆東京法務局人権擁護部 相談電話:0570(003)110(みんなの人権110番) 受付時間 月∼金:8時30分∼17時15分 (祝日・年末年始を除く) ☆警視庁生活安全部サイバー犯罪対策課 相談電話:03(3431)8109 受付時間 月∼金:8時30分∼17時15分 (祝日・年末年始を除く) ☆東京都人権プラザ 相談電話:03(3871)0212 受付時間 月∼金:9時∼17時(毎週火曜日は20時まで) (祝日・年末年始を除く) ☆こたエール(東京こどもネット・ケータイヘルプデスク) 相談電話:03(3500)5181 受付時間 月∼金:9時∼18時 土:9時∼17時 (祝日・年末年始を除く) ※インターネット相談(24時間受付) http://www.tokyohelpdesk.jp/ インターネットと人権 インターネットの利用にも 「ルール」と「マナー」があります 登録番号(26)81 このリーフレットには、音声コードが開いた四角の両面に印刷されています。 専用の読み上げ装置で読み取ると、記録されている情報を音声で聞くことができます。 インターネット 利用の光と陰 便利なだけでは ありません! インターネットは情報の収集や発信、コミュニケー ションの手段として、私たちの生活を飛躍的に便利な ものにしています。近年では携帯電話、特にスマート フォンの急速な普及に伴い、子供たちにとっても身近 なものになっています。 その一方で、インターネット掲示版への個人情報の 掲載などによるプライバシーの侵害、特定の個人を対 ひ ぼう 象とした誹謗・中傷や差別的な表現の書込み、保護者や 教員の知らない非公式サイト(学校裏サイト)でのいじ めなど、インターネット上での人権を軽視した行為が 大きな問題となっています。また、インターネットを通 じた誘い出しにより未成年者が性的被害や暴力行為に あうなどの犯罪に巻き込まれるという事例も多く発生 しています。 通常インターネット上では、名前や顔を知られずに 情報を発信することが可能なため、むしろ現実の世界 よりも人権を軽視した行為をしやすいと言えます。そ の上、情報は一瞬にして大勢の人に伝わってしまい、一 度公開された情報は完全に消すことはできません。 例えば、掲示板に人権を無視した情報を書き込まれ た人は、周囲の人から誤解されたり、見ず知らずの人か ら電話が頻繁にかかってきたりするなど、日常生活に 大きな支障をきたしかねません。さらには精神的に深 く傷つき、追い詰められ、職場や学校へ行けなくなった り、体の不調を訴えたり、自殺へとつながることもあり ます。 書込みをした側も、掲示されて いる内容が悪質なときなどは、民 事上の責任(損害賠償責任) 、刑事 き 上の責任(名誉毀損罪や侮辱罪 等)を問われることがあります。 インターネットによる被害 ここ数年、インターネットを利用した人権侵犯事件が 後を絶ちません。また、18歳未満の児童がインターネッ トによる危険にさらされています。 ●最近は、SNS(ソーシャルネットワーキングサービ ス)、ブログ、プロフィールサイトなど出会い系サイト 以外のコミュニティサイトなどを介して、18歳未満 の児童が児童買春や児童ポルノなどの犯罪被害にあ う事件が多くなっています。 コミュニティサイトに起因する罪種別被害児童数の割合(全国) 強姦 1.4% 強盗 0.1% 児童福祉法違反 1.7% 青少年保護育成 条例違反 52.4% 略取誘拐 0.2% 強制わいせつ 0.3% 児童買春 17.5% 児童ポルノ 26.4% <資料: 「平成25年中の出会い系サイト及びコミュニティサイトに 起因する事犯の現状と対策について」 (平成26年2月) (警察庁)> ●平成25年中のインターネットを利用した人権侵犯事 件(全国計)は、957件(42.6%増加)であり前年を大 きく上回っています。 ● これらのうち、法務省の人権擁護機関がプロバイダ (接続業者)等に対し削除要請を行ったのは136件と なっています。この中には、インターネット上の掲示 板に、何者かが被害者になりすまし、インターネット に被害者の顔写真等を掲載した事案(当該情報は、法 務省の人権擁護機関による要請により、プロバイダが 削除)などがありました。 インターネットを利用した人権侵犯事件の推移 1,000 957 800 600 400 200 0 <資料: 「平成25年における『人権侵犯事件』の状況について(概 要) (平成26年3月) 」 (法務省) > 人権を侵害 しないために インターネット上の掲示板や SNSなどの利用に当たっては、 常に書込みの相手や読み手に配 慮することが大切です。 ルールやマナーを守って加害者にも被害者にもならな いようにしましょう。 ◆差別的な発言や誹謗・中傷を書き込まない◆ 差別的な発言や誹謗・中傷の書込みは、許されること ではありません。インターネット上の掲示板における匿 名性を悪用してこのような書込みを行うことはやめま しょう。 インターネット上の書込みは、プロバイダ責任制限法 に基づき、プロバイダ等に対する開示請求により、書き 込んだ人を特定することができます。 ◆なりすまし行為はしない◆ 特定の人物になりすましてインターネット上で身勝手 な発言や活動をすることはその人物の信用と名誉を著し く傷つけ、場合によっては名誉毀損で訴えられることが あります。また、IDやパスワードを盗み、他人になりすま して不正アクセスを行うことは不正アクセス禁止法違反 になります。 ◆個人情報は書き込まない◆ 特定の個人の氏名や住所、電話番号などの書込み、写 真の掲載は、プライバシーの侵害にあたります。書き込 んだことにより、情報が悪用され、書き込まれた人に予 想もしない影響が生じることが あります。 また、自分自身の個人情報の 書込みについても注意が必要で す。