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若齢やせ女性における下肢筋群の形態的・機能的特徴と その背景要因
(77) 第 29 回健康医科学研究助成論文集 平成 24 年度 pp.77∼87(2014.3) 若齢やせ女性における下肢筋群の形態的・機能的特徴と その背景要因 佐々木 一 茂* MORPHOLOGICAL AND FUNCTIONAL CHARACTERISTICS OF LOWER-LIMB MUSCLES AND THEIR BACKGROUND FACTORS IN YOUNG UNDERWEIGHT WOMEN Kazushige Sasaki SUMMARY Objective: Lower-limb muscles account for a large fraction of whole muscle mass, and serve as a prime mover of many daily activities. Weakness of lower-limb muscles in young underweight women may therefore lead to chronic diseases such as sarcopenia, metabolic syndrome, and osteoporosis in their later years of life. This study aimed to clarify morphological and functional characteristics of lower-limb muscles in young underweight women. In addition, possible factors associated with the muscle characteristics were inferred from questionnaires. Methods: Young healthy women were assigned either to normal weight group(n = 41)or to underweight group(n = 23)based on their body mass index values. Muscle thickness, maximal voluntary isometric torque, and maximal rate of torque development were determined for knee extensors, knee flexors, ankle dorsiflexors, and ankle plantar flexors. For the knee extensors and plantar flexors, brief contractions were evoked with electrical stimulation(paired pulse with a frequency of 100 Hz)to quantify the time to peak torque and the time parameters related to electromechanical delay of neuromuscular system(i.e. the time lag between the onset of electrical stimulus and the beginning of joint torque development) . Nutrient intake, activity energy expenditure, and other factors potentially associated with physical and psychological features of underweight women were assessed using brief-type selfadministered diet history questionnaire(BDHQ), international physical activity questionnaire(IPAQ), and a selfdeveloped questionnaire, respectively. Results: For all muscle groups studied, muscle thickness and normalized muscle thickness(muscle thickness divided by the one-third power of body mass)were significantly smaller in the underweight group than in the normal weight group. Moreover, the underweight group had a significantly smaller muscle thickness ratio of knee extensors to plantar flexors than did the normal weight group. Consistent with the results of muscle thickness, maximal voluntary isometric torque exerted by each muscle group was significantly smaller in the underweight group than in the normal weight group. However, no group difference was found in the isometric torque normalized with the product of limb length and muscle thickness squared(an index of muscle specific tension). Also, no group difference was found in the maximal rate of torque development, the time to peak torque, or the time parameters related to the electromechanical delay. Multiple regression analysis failed to identify any variable that influenced the muscle thickness ratio of knee extensors to plantar flexors. Conclusion: These results suggest that morphological characteristics of lower-limb muscles, especially in knee * 日本女子大学家政学部 Faculty of Human Sciences and Design, Japan Women s University, Tokyo, Japan. (78) extensors, in healthy underweight women are different from those in normal weight women. Because no qualitative alteration of muscle contractile function was found in the underweight group, the weakness of lower-limb muscles in underweight women would be explained by the small muscle mass. Key words: young females, ultrasonography, muscle function. 能的特徴を同年代の普通体重女性との比較から明 緒 言 らかにすることを目的とした。また、質問紙を用 厚生労働省の平成23年国民健康・栄養調査報 いて食習慣、身体活動量、身体的不調の有無、体 告 型認識などを包括的に調査し、下肢筋群の形態 15) によれば、20歳代女性の 4∼5 人に 1 人は BMI(body mass index)が18.5未満(低体重・やせ) 的・機能的特徴と関連の深い要因を抽出すること であり、その割合は30年前と比較して明らかに増 も試みた。 加している。一方で、若齢女性は概して自己の体 研 究 方 法 型を過大評価する傾向にあり、痩身願望が強く、 不必要な減量努力を行う者が多いことが知られて いる A.対象者 。近年、健康なやせ女性の骨密度が普 健康な18歳以上の女性65名が本研究に参加し 通体重女性よりも低い傾向にあること や、やせ た。各参加者からは、本研究の目的、方法、注意 女性が妊娠した場合に低出生体重児を出産しやす 事項等についての説明後に文書による同意を得 いこと などが明らかになってきたものの、低 た。本研究は日本女子大学「ヒトを対象とした実 体重であることのリスクが肥満ほどにはよくわ 験研究に関する倫理審査委員会」の承認を得て行 かっていないことが、若齢女性のやせ志向に歯止 わ れ た(課 題 番 号:138)。 参 加 者 の う ち、BMI めがかからない一因であろう。 が19.1∼24.2の範囲にある41名を「普通体重群」、 骨格筋は体重に占める割合が30∼40%と非常に BMI が15.8∼18.6の範囲にある23名を「低体重群」 大きい組織であり 、また可塑性に富んだ組織で とした。日本肥満学会の診断基準 19) では、低体 ある。したがって、骨格筋は低体重であることや 重は BMI が18.5未満の者とされているが、体重 減量することの影響を受けやすい組織であると考 の日内変動や着衣量の推定誤差、そして BMI が えられる。健康なやせ女性を対象にした骨格筋関 18.6と19.1の値のあいだが離れていることを考慮 連の研究としては、筋量との相関関係を示す除脂 し、このような群分けとした。BMI が25を超え 18) 肪体重および安静時代謝量 、筋力トレーニング ていた 1 名については分析対象から除外した。対 の効果 、体力測定結果 についての報告などが 象者の年齢および身体特性について、後述する体 11,24,31) 9) 28) 16) 20) 30) 存在するが、特定の筋または筋群に焦点を当てて その特徴を詳しく調べた研究は我々の知る限り皆 肢長や周囲長も含めて表 1 に示した。 B.測定項目 無である。 1 .筋の形態的評価 下肢筋群は全身の骨格筋量の大きな割合を占め 筋 の 形 態 的 評 価 と し て、 超 音 波 診 断 装 置 るだけでなく、日常の多くの身体活動における主 (LOGIQ 5 Expert, GE Healthcare)を用いて、右脚 働筋であることから、筋量や身体活動量の減少に の大腿前面、大腿後面、下腿前面、下腿後面の筋 伴い中高齢期以降に発症するサルコペニア、メタ 厚を測定した。測定に先立ち、参加者の大腿長(大 ボリックシンドローム、骨粗鬆症などとの関連が 転子点から膝関節裂隙まで)、下腿長(膝関節裂 強いことが予想される。したがって、やせ女性の 隙から外踝まで)、大腿周囲長(大腿長の遠位 下肢筋群の特徴を明らかにすることは、長期的視 50%部位)、下腿周囲長(下腿長の遠位30%部位) 野に立てば中高齢期の健康問題の解決にもつなが をテープメジャーで計測した。筋厚測定は周囲長 るものとして重要と考えられる。そこで本研究で の測定と同じ位置、すなわち大腿部では大腿長の は、若齢やせ女性における下肢筋群の形態的・機 遠位50%部位、下腿部では下腿長の遠位30%部位 (79) 表 1 .対象者の特性 Table 1.Characteristics of participants. Normal weight group(n = 41) Underweight group(n = 23) Age, years 20.8(1.4) 22.3(3.4) Height, cm 157.3(5.5) 158.9(4.6) 51.5(4.6) 44.0(3.1) * BMI, kg · m 20.8(1.4) 17.4(0.9) * Upper leg length, cm 38.7(2.7) 38.7(2.4) Lower leg length, cm 36.0(2.1) 36.3(1.7) Mid-thigh circumference, cm 49.3(2.3) 43.4(2.2) * Lower leg circumference, cm 34.5(1.6) 31.9(1.7) * Body mass, kg 2 Values are means(SD). BMI; body mass index.* Significantly different from normal weight group(P < 0.05, Welch s t-test). で行った。測定中、対象者には両足の長軸を平行 縮を誘発した。続けて、膝伸展筋群の随意最大筋 にして直立することおよび測定の対象となる筋を 力を測定した。測定に際しては、最大努力で行う なるべく緊張させないことを指示した。測定用の こと、 5 秒間力を発揮し続けること、力の立ち上 プローブには専用のゼリーを塗布し、測定部位の がりをなるべく速く行うよう意識することを指示 皮膚および筋を圧迫しないよう細心の注意を払っ し、各対象者につき 2 回の練習試行( 1 回目は準 た。筋厚の測定には、脂肪組織と筋組織の境界線 備運動, 2 回目は最大努力)を行った。随意最大 および筋組織と骨組織の境界線が最も鮮明に見え 筋力の測定回数は 3 回とし、測定間の休憩は 1 分 る状態で取得した静止画像を用いた。 以上とした。その後、膝関節角度を30度に変更し、 2 .筋の機能的評価 膝屈曲筋群の随意最大筋力についても同様な方法 1 )実験プロトコル で測定した。 筋の機能的評価は右脚の膝伸展・屈曲筋群およ 足底屈・背屈筋群の測定においては、ベッド上 び足底屈・背屈筋群を対象とし、この順序で測定 で伏臥位となった対象者の右足部を、ストラップ を行った。まず、対象者を自作の筋力計に座らせ、 を用いて足関節角度(足底と下腿部のなす角度) ベルトとストラップにより右脚の股関節を80度、 90度で自作の筋力計に固定した。腓腹筋内側頭の 膝関節を70度(いずれも完全伸展位を 0 度とした 筋腹とヒラメ筋(アキレス腱近位部の 1∼2 cm 外 表記)で厳重に固定した。次に、外側広筋と大腿 側)に上述した圧電式小型加速度センサを貼り付 直筋の筋腹には圧電式小型加速度センサ け、膝窩と下腿三頭筋遠位部には表面電極をそれ (BW21SG, 富士セラミックス)を貼り付けた。ま ぞれ陰極、陽極として貼り付けた。電極のサイズ た、大型の表面電極( 5 9 cm)を大腿三角と は、陰極を 5 5 cm、陽極を 5 9 cm としたが、 大腿四頭筋遠位部(膝蓋骨上端より 5 ∼10 cm 近 刺激時に痛みを申告した数名の参加者においては 位側)にそれぞれ陰極、陽極として貼り付け、電 陰極のサイズも 5 気刺激装置(SEN-3401, 日本光電工業)に接続さ による下腿三頭筋の収縮は上述した大腿四頭筋の れたアイソレータ(SS-104J, 日本光電工業)によ 収縮と同様な方法で誘発した。その後、足底屈・ り大腿四頭筋の収縮を誘発した。刺激は0.5 ms 矩 背屈筋群の随意最大筋力についても上述した手順 形波の 2 連発刺激(刺激間隔:10 ms)とした。 で測定した。 筋収縮は 5 秒間隔で、各対象者につき30回程度誘 2 )随意活動レベルの評価 発した。その間、アイソレータの出力ダイヤルを 膝伸展筋群および足底屈筋群の随意最大筋力の ゼロから徐々に増加させながら、最終的には使用 測定に際しては、twitch interpolation 法3)を用いて した電気刺激装置およびアイソレータで出力可能 随意活動レベル(参加者が随意的にどの程度まで な最大値(70∼110 V)において 3 回以上の筋収 筋の活動レベルを高めることができたか)を評価 9 cm に変更した。電気刺激 (80) DTsup リング周波数 4 kHz でコンピュータに記録した。 DTpot 記 録 し た 信 号 は、 デ ー タ 記 録 ソ フ ト ウ ェ ア (LabChart 7 , ADInstruments)に内蔵されたデジ タルフィルタ機能を用いて平滑化した。筋力と加 速度の遮断周波数はそれぞれ25 Hz と500 Hz とし 50 N·m 1s 図 1 .随意最大筋力発揮中における随意活動レベルの測 定(膝伸展トルクの典型例) Fig.1.Measurement of voluntary activation level during maximal voluntary contraction(representative recording of knee-extension torque) . Arrows indicate the time of electrical stimulation(doublet, 10ms interval) . DT sup; the superimposed torque induced by doublet stimulation, DTpot; the potentiated torque induced by doublet stimulation(the contractile response to doublet stimulation is enhanced by a forceful voluntary contraction). Voluntary activation level was calculated from the ratio of DTsup to DTpot. た。また、加速度については体動などの影響を受 けることから、遮断周波数 1 Hz の高域通過フィ ルタも適用した。 膝伸展筋群および足底屈筋群の最大強度の誘発 筋収縮については、 3 回分のトルク―時間曲線を 加算平均し、関節トルクの最大値と刺激からトル クが最大値に到達するまでの時間を算出した。ま た、低強度(トルクの最大値が最大強度時の10% 程度)の誘発筋収縮については同様に 3 回分のト ルク―時間曲線および加速度―時間曲線を加算平 均 し、 電 気 力 学 的 遅 延(electromechanical delay; EMD)、すなわち電気刺激を与えてから関節トル した。この方法は随意筋力発揮中に瞬間的な電気 クが発揮されるまでの時間遅れを定量化した。 刺激を与え、それにより発揮筋力が増加するかど EMD は筋が電気的に興奮してから実際に筋収縮 うかを調べるものである(図 1 )。もし、刺激を が発生するまでの電気化学的過程と、筋収縮力が 与えた時点で筋活動が最大に達していれば筋力は 腱を介して骨に伝達されて関節運動が発現するま 増加しないが、筋活動が不十分であればその分だ での力学的過程に大別される4)。本研究ではトル け筋力は増加する。したがって、電気刺激により クと筋に貼り付けた加速度センサの信号を同期さ 発揮筋力が増加する程度を調べることで、随意活 せて記録することにより、EMD、電気化学的過 動レベルを評価することが可能である。随意活動 程に要した時間(Tec)、およびその差分である力 レベルは筋力発揮における神経的要因を反映した 学的遅延時間(Tm)を算出した。遅延の由来や先 もので、筋機能の指標ではないが、随意最大筋力 行研究29)の結果から、Tec は興奮−収縮連関の機 の個人差を考察するうえでは神経的要因の関与が 能(収縮蛋白質のカルシウム感受性など)を反映 無視できないことから、本研究の測定項目に加え し、Tm は直列弾性要素のスティフネスなどを反 た。 映すると考えられている6)。なお、本研究では同 3 )分析 時に 2 か所(膝伸展筋群:外側広筋と大腿直筋, 膝伸展・屈曲筋群の発揮した筋力は、筋力計に 足底屈筋群:腓腹筋内側頭とヒラメ筋)の Tec を 組み込まれたロードセル(LUX-B-2KN-ID,共和 算出しているが、Tm を算出する際には先に収縮 電業)の信号に膝関節中心からロードセルまでの を開始した筋の Tec を基準とした。 垂直距離を乗じてトルクとして算出した。足底 膝伸展・屈曲筋群および足底屈・背屈筋群の随 屈・背屈筋群の発揮した筋力は、フットプレート 意最大筋力として、 5 秒間の随意筋力発揮中(電 (足固定部) の梁に貼り付けられたストレインゲー 気刺激を与えた直後の0.15秒は除く)の瞬間的な ジの信号をそのまま関節トルクとして評価した。 最大発揮トルクを分析した。また、平滑化後のト これらの信号は、電気刺激装置からの刺激タイミ ルク―時間曲線の傾きからトルクの最大立ち上が ングの出力信号、各筋に貼り付けた加速度センサ り速度(maximal rate of torque development; MRTD) の 信 号 と 同 期 さ せ、 デ ー タ 記 録 シ ス テ ム を算出した。立ち上がり速度の算出に用いた時間 (PowerLab/16SP, ADInstruments)を用いてサンプ 幅は先行研究 1) を参考に 2 ms( 9 データ点)と (81) は long version と short version があるが、本研究 した。 膝伸展筋群および足底屈筋群における随意活動 では生活場面には関係なく強度別に活動時間を質 レベル(VA)は次の式 問する short version(全 7 問)を用いた。本研究 により算出した。 27) VA = 1 −(DTsup・T/Tmax) /DTpot では村瀬ら 22) の方法を用いて、得られた回答か ここで、DTsup は随意筋力発揮中の電気刺激に ら 1 日あたりの(生活活動による)エネルギー消 より増加したトルクであり、T は刺激を与えた時 費量を算出した。 点での随意発揮トルク、Tmax は随意的に発揮され 独自に作成した質問票は10の質問からなり、ダ た瞬間的な最大トルク(随意最大筋力) 、DTpot は イエットの経験とその種類、現在の心身の状態(不 随意筋力発揮直後に誘発された筋収縮の最大トル 定愁訴の有無)、平均睡眠時間、 1 年前からの体 クである(図 1 )。随意活動レベルを評価するた 重変化、体型の自己評価、痩身願望の有無とその めの電気刺激は随意最大筋力測定の各試行におい 理由、引き締めたい部位、主観的な理想体重を問 て与えた。随意最大筋力、MRTD、VA のいずれ うものであった。なお、本研究においてダイエッ についても 3 回の試行の最高記録を以降の分析に トは食事療法に限らず広く減量行為全般を指すも 用いた。 のと定義し、先行研究 12) を参考に、体重減少を 3 .質問紙調査 目的として何らかの食事制限または運動を 7 日以 すべての対象者は実験室内で簡易型自記式食事 上続けたこと(運動の場合には週 2 日 歴法質問票(brief-type self-administered diet history などの場合も含めて)がある場合には「ダイエッ questionnaire; BDHQ) 、日本語版の国際標準化身体活 ト経験あり」と回答するよう指示した。 動 質 問 票(international physical activity questionnaire; 4 週間 C.統計処理 IPAQ) 、本研究用として独自に作成した質問票の 結果は平均と標準偏差で示した。低体重群と普 3 つに回答した。 通体重群の比較には、等分散を仮定しない独立 2 BDHQ は日本に住む成人を対象として、58の 標本の t 検定(Welch の方法)または 2 要因(群 食品および飲料について摂取頻度のみを尋ねる質 筋群)分散分析を用いた。 2 要因分散分析で交 問票であり、専用の栄養価計算プログラムによっ 互作用または群の主効果が認められた場合には、 て食品群摂取量および栄養素摂取量の推定が可能 事後検定(Welch の方法による t 検定)を行った。 である。これらの推定摂取量については半秤量式 一方、本研究の目的上、筋群の主効果が有意であ 食事記録との比較で妥当性が検討されてい るかどうかについては着目しなかった。また、後 る 。本研究では42項目の栄養素摂取量を分析 述するように低体重群は普通体重群に比べて膝伸 対象とし、エネルギー調整済み推定値(各対象者 展筋群と足底屈筋群の筋厚比が小さいという特徴 が推定エネルギー必要量を摂取していたと仮定し が認められたため、その関連要因を探るべく重回 た場合の摂取量)を統計処理に用いることとした。 帰分析(ステップワイズ変数選択法)を行った。 これは先行研究 において、a)BDHQ は食事記 従属変数は BMI および膝伸展筋群と足底屈筋群 録に比べてエネルギー摂取量を過小評価する傾向 の筋厚比とし、独立変数は質問紙調査から得られ があること、b)多くの栄養素摂取量はエネルギー た栄養素摂取量、エネルギー消費量、および過去 摂取量との相関が認められること、c)ほとんど に経験したダイエットの種類、不定愁訴の該当数、 の栄養素においてエネルギー調整済み推定値は粗 平均睡眠時間、理想体重に対する実体重の割合な 値に比べて食事記録から推定された摂取量との相 ど50項目とした。いずれの検定においても有意水 関が高くなること、が明らかにされているためで 準は 5 %としたが、分散分析の事後検定において ある。 は必要に応じて FDR(false discovery rate)法8)に IPAQ は平均的な 1 週間における強い身体活動、 よる有意水準の調整を行った。 13,14) 13) 中等度の身体活動、および歩行を行う日数と 1 日 あたりの時間を質問するものである 7)。IPAQ に (82) B.筋の機能的評価 結 果 表 3 に随意最大筋力について示した。随意最大 A.筋の形態的評価 筋力の絶対値については 2 要因分散分析による有 による有意な群の主効果(P < 0.001)および交互 作用(P = 0.01)が認められた。事後検定の結果、 低体重群の筋厚は測定したすべての部位において 普通体重群よりも有意に低い値を示した。また、 宮谷ら 21) と同様な方法で相対化した筋厚(体重 の 1 / 3 乗に対する筋厚)においても群の主効果 は有意であり(P < 0.001)、交互作用は有意では ないもののその傾向(P = 0.061)が認められた。 事後検定の結果、低体重群の筋厚の相対値は測定 したすべての部位において普通体重群よりも有意 に低い値を示した。筋厚の絶対値において有意な 交互作用(群 筋群)が認められたことから、 4 部位の筋厚の合計値に対する各部位の貢献度を 算出した(図 2 A)。 2 要因分散分析による有意 な交互作用は認められなかったが(P = 0.070)、 低体重群は普通体重群と比べて大腿部の筋厚が相 対的に小さく、下腿部の筋厚が相対的に大きい傾 向が観察された。特に大腿前面と下腿後面におけ る両群の平均値にそれぞれ 1 %近い差があったこ とから、この 2 部位だけに着目した解析を行った (図 2 B) 。その結果、低体重群における大腿前面 と下腿後面の筋厚比は普通体重群よりも有意に低 い値を示した。 A Muscle thickness (%sum of four muscle groups) した。筋厚の絶対値については、 2 要因分散分析 100 Knee extensors Knee flexors Ankle dorsiflexors Ankle plantar flexors 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 Normal weight group Underweight group B Muscle thickness ratio (Knee extensors/Ankle plantar flexors) 表 2 に超音波法により測定した筋厚について示 1.0 * 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 05 0.4 0.3 0.2 0.1 01 0 Normal weight group Underweight group 図 2 .相対化した筋厚値の比較 Fig.2.Comparison of relative muscle thickness values. A: Each muscle thickness value was expressed as a percentage of total muscle thickness(i.e. sum of the four muscle groups studied). Values are means. B: The muscle thickness of knee extensors was expressed relative to that of ankle plantar flexors. Values are means and standard deviations. * Significantly different from normal weight group(P < 0.05, Welch s t-test). 表 2 .超音波法により測定した筋厚の絶対値および相対値 Table 2.Raw and normalized data of muscle thickness measured with ultrasonography. Normal weight group(n = 41) Underweight group(n = 23) Anterior mid-thigh 47.9(4.2) 41.1(4.6) * Posterior mid-thigh 52.7(4.3) 46.8(4.9) * Anterior lower leg 26.9(2.1) 24.3(1.6) * Posterior lower leg 58.7(4.2) 53.8(3.3) * Muscle thickness, mm Normalized muscle thickness, mm · kg1/3 Anterior mid-thigh 12.9(1.0) 11.7(1.3) * Posterior mid-thigh 14.2(1.2) 13.2(1.2) * Anterior lower leg 7.2(0.6) 6.9(0.5) * Posterior lower leg 15.8(1.0) 15.2(0.9) * Values are means(SD). Normalized muscle thickness was calculated by dividing muscle thickness by the one-third power of body mass. * Significantly different from normal weight group(P < 0.05, Welch s t-test). (83) 意な群の主効果(P < 0.001)および交互作用(P 重群の随意最大筋力は測定したすべての筋群にお = 0.002)が認められた。事後検定の結果、低体 いて普通体重群よりも有意に低い値を示した。ま 表 3 .随意最大筋力の絶対値および相対値 Table 3.Raw and normalized data of maximal voluntary isometric torque. Normal weight group(n = 41) Underweight group(n = 23) 159.9(38.9) 131.3(19.9)* Isometric torque, N · m Knee extension Knee flexion 81.4(18.4) 64.0(10.7) * Ankle dorsiflexion 31.2(5.9) 26.5(4.3)* 106.1(25.6) 91.4(17.7) * 0.18(0.04) 0.20(0.04) 0.077(0.020) 0.077(0.016) 0.12(0.02) 0.12(0.03) 0.085(0.016) 0.087(0.015) Ankle plantar flexion 3 Normalized isometric torque, N · m · cm Knee extension Knee flexion Ankle dorsiflexion Ankle plantar flexion Values are means(SD). Normalized isometric torque was calculated by dividing isometric torque by the product of limb length and muscle thickness squared. * Significantly different from normal weight group(P < 0.05, Welch s t-test) . 表 4 .素早い筋力発揮やパワー産生に関連する筋収縮指標 Table 4.Muscle contractile indices related to speed and power production. Normal weight group(n = 41) Underweight group(n = 23) Knee extension 911(557) 738(386) Knee flexion 573(310) 430(140) Ankle dorsiflexion 184(64) 161(45) Ankle plantar flexion 459(191) 375(131) Knee extension 558(265) 560(281) Knee flexion 687(276) 678(227) Ankle dorsiflexion 587(171) 608(149) Ankle plantar flexion 440(170) 418(148) MRTD, N · m · s 1 Normalized MRTD, %MVC · s 1 Time to peak doublet torque, ms Knee extension Ankle plantar flexion 92.1(8.8) 94.7(12.5) 127.7(10.3) 126.9(12.5) Knee extension EMD, ms Tec(vastus lateralis) 10.2(3.7) 9.6(4.9) Tec(rectus femoris) 11.5(5.1) 11.6(5.7) Tm 14.0(5.2) 15.8(4.6) Total EMD 22.5(4.8) 23.8(4.2) Tec(medial gastrocnemius) 11.6(3.5) 12.8(3.0) Tec(soleus) 12.2(3.8) 12.3(3.1) 6.2(4.6) 6.3(3.7) 16.6(5.2) 17.2(4.4) Ankle plantar flexion EMD, ms Tm Total EMD Values are means(SD). MRTD; maximal rate of torque development, MVC; maximal voluntary isometric torque, EMD; electromechanical delay, Tec; time from the onset of electrical stimulation to the onset of muscle contraction, Tm; time from the onset of muscle contraction to the beginning of torque development. Normalized MRTD was calculated by dividing MRTD by the MVC. (84) た、関節トルクは理論的にも実験的にも筋体積と 回帰分析においては有意な説明変数が存在しな の相関が高いことが示されているため 、本研究 かった。 10) では測定されたトルクを筋厚の 2 乗値と体肢長の 積で除することにより、筋量の影響を除いた随意 最大筋力(固有筋力指標)を算出した。その結果、 考 察 A.低体重群の筋の形態的特徴 2 要因分散分析による有意な交互作用(P = 0.046) 本研究では、やせ女性における筋の形態的特徴 が認められ、群の主効果は有意ではないもののそ を探るべく、超音波法により大腿前面、大腿後面、 の傾向が認められた(P = 0.090)。事後検定の結果、 下腿前面、下腿後面の筋厚を測定した。これらす FDR 法で調整した有意水準には達しなかったも べての部位において低体重群の筋厚は普通体重群 のの、膝伸展筋群における低体重群の固有筋力指 よりも低値を示した(表 2 )。本研究における普 標は普通体重群よりも高い傾向が認められた。な 通体重群の年齢、BMI、大腿部・下腿部の周囲長、 お、随意筋力発揮中の筋活動レベルの指標である 各部位の筋厚は、宮谷らの先行研究 21) において VA については、 2 要因分散分析による群の主効 報告されている若齢女性群(n = 45)の平均値と 果(P = 0.79)および交互作用(P = 0.58)は有意 よく一致していたことから、本研究における普通 ではなかった(膝伸展筋群:80.2% vs. 82.0%, 体重群はごく平均的な若齢女性の集団であったと 足底屈筋群:87.9% vs. 87.6%,普通体重群 vs. 低 考えられる。したがって、両群の筋厚の差は低体 体重群) 。 重群の筋量が平均的な女性に比べて少ないことを 表 4 には素早い筋力発揮やパワー産生に関連す 示唆するものである。 る筋収縮指標について示した。筋力の最大立ち上 また、筋厚の絶対値は体重と正の相関関係を示 がり速度を示す MRTD について、 2 要因分散分 すことから 21)、本研究では筋厚を体重の 1 3 乗 析による群の主効果は有意ではないもののその傾 で相対化した場合についても比較を行った。しか 向が認められた(P = 0.074)。交互作用は有意で し、絶対値の比較と同様に、すべての部位におい はなかった(P = 0.29)。MRTD は随意最大筋力の て低体重群の筋厚は普通体重群よりも低値を示し 絶対値に依存すると考えられるため、随意最大筋 た(表 2 )。理論上、筋厚を体重の 1 3 乗で相対 力で相対化した MRTD についても同様の比較を 化した値は体脂肪率が増加すると低値を示すはず 行ったが、 2 要因分散分析による群の主効果(P であるが、本研究において体組成計(インピーダ = 0.97)および交互作用(P = 0.90)は有意ではな ンス法)で推定した低体重群の体脂肪率は最も高 かった。膝伸展筋群および足底屈筋群においては い者でも21.5%と低く、普通体重群よりも統計的 筋電気刺激により誘発された関節トルクが最大値 に有意に低い値を示した(データ掲載なし)。し に到達するまでの時間について測定したが、 2 要 たがって、両群の差は体脂肪率の差によって説明 因分散分析による群の主効果(P = 0.69)および できるものではなく、全身における筋量分布の違 交互作用(P = 0.30)は有意ではなかった。同様に、 いを反映していると考えるほうが自然である。す EMD とその関連指標においても有意な群の主効 なわち、低体重群の下肢において筋量が少ないこ 果および交互作用は認められなかった(P = 0.23 とは上肢や体幹部の筋量の少なさと比較してもよ ∼0.75) 。 り顕著であることが示唆された。 C.低体重群を特徴付ける要因の探索 一方、下肢筋群内での筋量分布の指標として下 BMI を従属変数とした重回帰分析において、 肢筋群の筋厚の合計値に対する各部位の貢献度を 理想体重に対する実体重の割合、現在の体型の自 算出し、更に特徴的な傾向が観察された大腿前面 己評価 ( 5 段階のカテゴリー変数) 、ナイアシン (ビ と下腿後面の筋厚比を算出したところ(図 2 )、 タミン B3)摂取量が有意な説明変数として選択 低体重群は普通体重群よりも有意に低い値を示し された(自由度調整済み R = 0.77)。一方、膝伸 た。すなわち、低体重群と普通体重群では下肢筋 展筋群と足底屈筋群の筋厚比を従属変数とした重 群内においても筋量分布が若干異なり、低体重群 2 (85) は大腿前面(膝伸展筋群)の筋量がより少ない一 の伝達効率など)に規定されると考えられるため、 方で、下腿後面(足底屈筋群)の筋量は比較的多 一連の結果は低体重群と普通体重群の筋に質的な いことが示唆された。やせ女性の絶対的な筋量が 違いがないことを示唆している。加齢により筋が 少ないことは予想通りであるが、本研究において 萎縮する場合には主に速筋線維の断面積が減少す このような部位差を示唆する結果が得られたこと ることが知られており17)、これを反映して高齢者 は、加齢や不活動による筋萎縮が膝伸展筋群にお においては電気刺激によって誘発されたトルクが いて著しいこと 最大値に到達するまでの時間や EMD などが若齢 2,21,25) を併せて考えると重要であ 者よりも増大する26,32)。本研究における低体重群 ろう。 B.低体重群の筋の機能的特徴 の下肢筋量が少ないこと、特にそれが大腿前面に 筋厚の結果と同様に、 測定したすべての筋群(膝 おいて顕著であることは高齢女性の特徴と類似し 伸展・屈曲筋群および足底屈・背屈筋群)におい ているが、筋の質という観点では若齢低体重者の て低体重群の随意最大筋力は普通体重群よりも低 筋と高齢者の萎縮した筋は異なるようである。 値を示した(表 3 )。随意筋力発揮中の筋活動レ C.低体重群を特徴づける要因 ベルの指標である VA について群間差は認められ 質問紙調査から得られた50項目の変数を独立変 なかったことから、両群の随意最大筋力の差は、 数とし、BMI を従属変数とした重回帰分析を行っ 神経的要因(筋力発揮中に動員された運動単位の た結果、理想体重に対する実体重の割合、現在の 数やその平均発火頻度)によって説明されるもの 体型の自己評価、そしてナイアシン摂取量が有意 ではなく、主に筋量の違いを反映したものと考え な独立変数として選択された。理想体重に対する られる。実際、筋量の指標となる筋厚 体肢長 実体重の割合が大きいほど、また現在の体型の自 で随意最大筋力を除した固有筋力指標については 己評価が「太っている」に近いほど BMI が高い 低体重群が低値を示すことはなく、膝伸展筋群に という関係が認められたことから、本研究の対象 おいてはむしろ普通体重群を上回る傾向が認めら 者は(少なくとも他者との比較においては)自己 れた。固有筋力を規定する因子としては、神経的 の体型を客観的にとらえていたことが示唆され 要因に加えて筋線維組成などの影響も考えられる た。一方で、若齢低体重女性のなかには摂食障害 が 、後述するように本研究の低体重群と普通体 傾向を示す者が少なからずいること 23) や、摂食 重群の筋に質的な差があったとは考えにくい。本 障害者の特徴としてボディ・イメージの歪み(ど 研究では各筋群について 1 部位の筋厚しか測定し んなにやせていても自身の体型を太っていると認 ておらず、特に大腿前面の筋厚は大腿直筋と中間 識してしまう)が認められること5)から、摂食障 広筋の情報しか含んでいないことを考えると、低 害傾向を示す女性の筋の特徴については別途検討 体重群の固有筋力指標値が高い傾向を示した原因 しなくてはならないであろう。また、ナイアシン を明らかにするためには今後より詳細・正確な方 については摂取量が多いほど BMI が低いという 法で筋量を推定することが必要かも知れない。 関係が認められた。ナイアシンは糖質・脂質・蛋 本研究では、素早い筋力発揮やパワー産生に関 白質代謝に不可欠な補酵素であるが、42項目の栄 連する筋収縮指標として MRTD(トルクの立ち 養素のなかでナイアシンだけが選択された理由を 上がり速度)の絶対値および随意最大筋力に対す 考察することは難しく、今後更なる研究が必要で る相対値、筋電気刺激により誘発された関節トル ある。 クが最大値に到達するまでの時間、EMD(刺激 低体重群の筋を特徴づける重要な指標と考えら からトルクが発揮されるまでの時間)とその関連 れた膝伸展筋群と足底屈筋群の筋厚比についても 指標について調べたが、いずれの指標についても 重回帰分析により関連因子の探索を行ったが、有 有意な群間差は認められなかった(表 4 )。これ 意な独立変数は存在しなかった。このことから、 らの指標は筋の量的要因よりも質的要因(筋線維 本研究において観察された低体重群の筋の形態的 組成,収縮蛋白質のカルシウム感受性,筋収縮力 特徴は、食事や身体活動など生活習慣によるもの 2 33) (86) というよりは、遺伝的な影響によるものといえる のかも知れない。ただし、本研究で重回帰分析に 用いた栄養素摂取量や身体活動量は質問紙調査か ら得られた推定値であり、申告誤差などを考慮す ると筋の形態的特徴との関連性を明らかにするに following resistance training. J Appl Physiol, 93, 13181326. 2)Abe T, Kawakami Y, Suzuki Y, Gunji A, Fukunaga T (1997): Effects of 20 days bed rest on muscle morphology. J Gravit Physiol, 4, S10-S14. 3)Allen GM, Gandevia SC, McKenzie DK(1995): は対象者数が十分ではなかった可能性も考えられ Reliability of measurements of muscle strength and る。また、今後の研究においては食事記録による voluntary activation using twitch interpolation. Muscle 栄養素摂取量の評価や活動量計による身体活動量 の評価など、より直接的・客観的な方法を用いる ことも必要となるであろう。 総 括 本研究は、若齢やせ女性における下肢筋群の特 徴を明らかにすることを目的とし、主要な 4 つの 筋群 (膝伸展・屈曲筋群および足底屈・背屈筋群) の形態と機能について詳しく調べた。その結果、 a)やせ女性は体重に占める割合から考えても下 肢の筋量が少なく、特に膝伸展筋群においてその 傾向が顕著であること、b)筋量の少なさに比例 して筋力も低いこと、c)普通体重女性との比較 Nerve, 18, 593-600. 4)Cavanagh PR, Komi PV(1979) : Electromechanical delay in human skeletal muscle under concentric and eccentric contractions. Eur J Appl Physiol Occup Physiol, 42, 159163. 5)Cornelissen PL, Johns A, Tovee MJ(2013): Body size over-estimation in women with anorexia nervosa is not qualitatively different from female controls. Body Image, 10, 103-111. 6)Costa PB, Herda TJ, Walter AA, Valdez AM, Cramer JT (2013): Effects of short-term resistance training and subsequent detraining on the electromechanical delay. Muscle Nerve, 48, 135-136. 7)Craig CL, Marshall AL, Sjostrom M, Bauman AE, Booth ML, Ainsworth BE, Pratt M, Ekelund U, Yngve A, Sallis JF, Oja P(2003) : International physical activity において筋の質には違いがないこと、が示唆され questionnaire: 12-country reliability and validity. Med Sci た。やせ女性の膝伸展筋群の量が相対的にも少な Sports Exerc, 35, 1381-1395. いという結果は、膝伸展筋群が加齢や不活動の影 響を受けやすいことを考慮すると重要であり、今 後更に詳細な検討を続ける価値がある。一方、こ うしたやせ女性の特徴について栄養素摂取量や身 8)Curran-Everett D(2000) : Multiple comparisons: philosophies and illustrations. Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol, 279, R1-R8. 9)Fernandez-Garcia D, Rodriguez M, Garcia Aleman J, Garcia-Almeida JM, Picon MJ, Fernandez-Aranda F, 体活動量、その他の心理行動特性との有意な関連 Tinahones FJ(2009) : Thin healthy women have a similar は認められず、その背景要因を明らかにすること low bone mass to women with anorexia nervosa. Br J Nutr, はできなかった。今後はより直接的・客観的な方 法を用いて対象者の生活習慣を調べることが必要 である。 102, 709-714. 10)Fukunaga T, Miyatani M, Tachi M, Kouzaki M, Kawakami Y, Kanehisa H(2001): Muscle volume is a major determinant of joint torque in humans. Acta Physiol Scand, 謝 辞 本研究を遂行するにあたり、多大なご協力をいただい た江﨑由梨氏、水野彩氏(日本女子大学家政学部被服学科) 172, 249-255. 11)亀崎幸子,岩井伸夫(1998) : 女子短大生の体重調節 志向と減量実施及び自覚症状との関連について.栄 養学雑誌,56,347-358. と超音波装置を快く貸してくださった佐古隆之講師(同 12)小橋理代,脇坂しおり,林 直樹,坂根直樹,森谷 学部食物学科)に感謝いたします。また、本研究に対す 敏夫,永井成美(2009) : ダイエット経験が若年女性 る助成を賜りました公益財団法人明治安田厚生事業団に の自律神経活動に及ぼす影響.肥満研究, 15,179- 心からお礼を申し上げます。 184. 参 考 文 献 13)Kobayashi S, Honda S, Murakami K, Sasaki S, Okubo H, Hirota N, Notsu A, Fukui M, Date C(2012): Both 1)Aagaard P, Simonsen EB, Andersen JL, Magnusson P, comprehensive and brief self-administered diet history Dyhre-Poulsen P(2002): Increased rate of force questionnaires satisfactorily rank nutrient intakes in development and neural drive of human skeletal muscle Japanese adults. J Epidemiol, 22, 151-159. (87) 14)Kobayashi S, Murakami K, Sasaki S, Okubo H, Hirota N, Notsu A, Fukui M, Date C(2011): Comparison of relative 去 20 年間における摂食障害の実態の推移.精神医学, 45,1319-1322. validity of food group intakes estimated by comprehensive 24)荻布智恵,蓮井理沙,細田明美,山本由喜子(2006): and brief-type self-administered diet history questionnaires 若年女性のやせ願望の現状と体型に対する自覚及び against 16 d dietary records in Japanese adults. Public Health Nutr, 14, 1200-1211. ダイエットの経験.生活科学研究誌,5,25-33. 25)Overend TJ, Cunningham DA, Kramer JF, Lefcoe MS, 15)厚生労働省(2013): 平成 23 年国民健康・栄養調査報 Paterson DH(1992) : Knee extensor and knee flexor 告. http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/ h23- strength: cross-sectional area ratios in young and elderly houkoku.html. men. J Gerontol, 47, M204-M210. 16)Lee RC, Wang Z, Heo M, Ross R, Janssen I, Heymsfield 26)Paasuke M, Ereline J, Gapeyeva H, Sirkel S, Sander P SB(2000) : Total-body skeletal muscle mass: development (2000): Age-related differences in twitch contractile and cross-validation of anthropometric prediction models. properties of plantarflexor muscles in women. Acta Physiol Am J Clin Nutr, 72, 796-803. Scand, 170, 51-57. 17)Lexell J(1995): Human aging, muscle mass, and fiber 27)Place N, Maffiuletti NA, Martin A, Lepers R(2007): type composition. J Gerontol A Biol Sci Med Sci, 50, 11- Assessment of the reliability of central and peripheral 16. 18)松井貞子,飯田繭子,甲田あかり,南里由美子,中 fatigue after sustained maximal voluntary contraction of the quadriceps muscle. Muscle Nerve, 35, 486-495. 山悠子,野坂桃子(2012): 若年女性のやせと安静時 28)Ronnenberg AG, Wang X, Xing H, Chen C, Chen D, 代謝量および身体組成との関係についての検討.日 Guang W, Guang A, Wang L, Ryan L, Xu X(2003) : Low 本病態栄養学会誌,15,233-238. preconception body mass index is associated with birth 19)松澤佑次,井上修二,池田義雄,坂田利家,齋藤 康, 佐藤祐造,白井厚治,大野 誠,宮崎 滋,徳永勝人, outcome in a prospective cohort of Chinese women. J Nutr, 133, 3449-3455. 深川光司,山之内国男,中村 正(2000): 新しい肥 29)Sasaki K, Sasaki T, Ishii N(2011) : Acceleration and force 満の判定と肥満症の診断基準.肥満研究,6,18-28. reveal different mechanisms of electromechanical delay. 20)Mayhew JL, Smith AE, Arabas JL, Roberts BS(2010) : Med Sci Sports Exerc, 43, 1200-1206. Upper-body strength gains from different modes of 30)下門洋文,中田由夫,富川理充,高木英樹,征矢英 resistance training in women who are underweight and 昭(2013) : 大学生における 26 年間の体型と体力の推 women who are obese. J Strength Cond Res, 24, 27792784. 移とその関連性.体育学研究,58,181-194. 31)田中みのり,足達淑子,羽山順子,渡辺純子,伊藤 21)宮谷昌枝,東香寿美,金久博昭,久野譜也,福永哲 桜子,足達 教(2007) : BMI 22 未満で減量を希望す 夫(2003): 下肢筋厚における加齢変化の部位差およ る 20 歳代女性の体重コントロール志向と生活習慣. び性差:20 歳代と 70 歳代の比較.体力科学,52, 133-140. 肥満研究,13,42-50. 32)Yavuz SU, Sendemir-Urkmez A, Turker KS(2010) : Effect 22)村瀬訓生,勝村俊仁,上田千穂子,井上 茂,下光 of gender, age, fatigue and contraction level on 輝一(2002): 身体活動量の国際標準化― IPAQ 日本語 electromechanical delay. Clin Neurophysiol, 121, 1700- 版 の 信 頼 性、 妥 当 性 の 評 価 ―. 厚 生 の 指 標,49, 1706. 1-9. 23)中井義勝,佐藤益子,田村和子,杉浦まり子,林 純子(2003): 大学と短大の女子学生を対象とした過 33)Young A(1984) : The relative isometric strength of type I and type II muscle fibres in the human quadriceps. Clin Physiol, 4, 23-32.