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意識しない建築 - 東海大学工学部建築学科

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意識しない建築 - 東海大学工学部建築学科
意識しない建築
線を増やしカタチを消すことで、身体との距離を縮めた青山美術図書館
指導教員 吉松 秀樹 教授 1BEB2130 伊藤 信舞
1.遠くでも近くでも変わらない建築
建築から離れても近づいても、建築が身体スケールを
5.隔たりが無くなる建築
建築との距離となる壁を分解すると柱になる(Fig.9)。
超えた大きなものに見える(Fig.1)ことが、建築との距離
機能に合わせて柱の配置を変え、視点の位置によって柱
を感じる原因ではないだろうか(Fig.2)。
の重なり方も変化し壁のような働きを持たせる(Fig.10)。
Fig.1 距離を感じるビル群
Fig.2 大きく見える街並
2.線によるカタチの消失
下北沢のまちは小さいスケールのものが集まり、様々
Fig.9 壁の分解
Fig.10 グリッドにのった柱と視線を操作する柱
は形の線が重なっている(Fig.3,4)。線が増えると細部へ意
線を増やすことで、大きな面を感じること無く建築を
識が分散され全体の形が認識しづらくなる(Fig.5)。
意識しないまま内部へ入っていく。階段や浮いたスラブ
街並としての大きな面
によって建築の堅さや重さを感じさせず、林のような空
猫?
間の中を巡らせる(Fig.11)。
建築の中くらいの面
猫だ!
柱の中に浮いた機能
ぶち猫!
あふれた小さなの面
ギャラリー
搬入
ラウンジ
ギャラリー
猫!
Fig.3 モノの認識
Fig.4 スケールが落ちる
Fig.5 意識が分散される下北沢
地下へ導く
緩やかな階段
柱が機能を隠す
総合案内
3.線の量を増やすことで意識を分散させる
shop
カフェ
まちの中で建築としての存在を保ちながら線の量が身
体スケールまで増えたとき、建築のカタチが見えなくな
ちらちら見える
人の動き
外観が無い
る(Fig.6)。線を重ねることで、内部空間の奥行きが変わ
り、その歪みが空間の広がる方向を決めていく(Fig.7)。
Fig.11 平面図 林のような空間
6.生活の一部になる美術図書館
訪れた人が場所を選び空間をつくっていく。決められ
た空間ではなく、周辺環境や人の動きの変化と共に空間
も揺れ動くことで与えられた機能以上の使い方ができた
建築の大きなボリューム
1枚:平面的に形が分散
大きなボリュームがくだける
小さな形が見える
Fig.6 近づくとボリュームが崩れる
り、常に変わりゆく空間を共有する(Fig.12,13,14)。
重ねる:奥行きが生まれる 歪み:多方向への空間の広がり
Fig.7 空間の広がりを決める線の歪み
4.意識しない街 表参道
Fig.12 通りから認識できる線の重なり
敷地周辺は住宅と商業が混在
Fig.13 様々な領域をつくる内部空間
浮かせることで
スラブを意識させない
周辺の建築が見える
しており、表参道から視線が抜
閲覧室
ける位置に意識しない建築を置
閲覧室
カフェ
ギャラリー
総合案内
shop
く事で、都市との境界を持たな
内部へ引き込む
緩やかな階段
い公共建築を提案する(Fig.8)。
ホール
書庫
機械室
Fig.8 境界の無い北青山
ファサードをなくす
Fig.14 断面図
Invisible architecture ITO Shinobu
physically library of art and architecture, Aoyama by shapeless lines
2014 年度卒業設計梗概集 東海大学工学部建築学科
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