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2003 - Morningstar
ANNUAL REPORT 2003 2003 年 3 月期 アニュアルレポート Energy & Electric Systems Group ED&C•Drive Systems Group Electronics Group Retail Support Equipment & Systems Group Others プロフィール 1 財務ハイライト 2 ごあいさつ 富士電機は 1923 年の創業以来 80 年にわた 4 沢社長インタビュー り、電機メーカーとして、常に時代をリード する革新的な技術により、お客様や社会に貢 8 特集:純粋持株会社制 への移行について 献してきました。 私たちの経営理念は、地球社会の良き企 業市民として、お客様、パートナー、地域社 会から信頼される企業グループであることで す。そして、基本理念である「豊かさへの貢 目次 献」 「 創造への挑戦」 「 自然との調和」を使命 に、富士電機グループの発展・拡大に努めて きました。 2003年10月より、富士電機グループは純 粋持株会社制へ移行します。この新しい経営 12 40 44 46 47 76 78 80 81 部門の概況 14 電機システム部門 20 機器・制御部門 26 電子部門 32 流通機器システム部門 38 その他部門 研究開発 環境への取り組み 役員紹介 財務セクション 47 7 年間の主要財務データ 48 財務概況 54 連結貸借対照表 56 連結損益計算書 57 連結株主持分計算書 58 連結キャッシュ・フロー計算書 59 連結財務諸表の注記 75 監査報告書 連結子会社 海外事業 組織図 会社概要 見通しに関する注記事項 本アニュアルレポートに記載されている将来についての計画や戦略、業績見通しに関する記述は、 当社が現時点で合理的と判断した一定の前提に基づいたものであり、業績の変動要因となりうる主 主要市場における経済情勢の急転および貿易規制などの なものは以下の通りです。すなわち、 (1) ビジネス環境の変化、( 2 )米ドル、アジア通貨、欧州通貨を中心とした対円為替相場の変動、 ( 3 )新技術を用いた製品の開発・タイムリーな市場投入、低コスト生産を実現する当社および子会 社の能力、(4)特にエレクトロニクス業界における急激な技術革新、(5)市場における製品需給の 急激な変動、(6)自社および他社の知的所有権にかかわる問題、(7)日本の株式相場の変動、など です。従いまして、実際の業績は見通しと大きく異なることがありうることをご承知おき下さい。 システムのもと、中期経営ビジョンで掲げた 「お客様に最大の満足を提供する会社」とし て、 「業界最強の専業」 の集合体を実現するた め、強固なグループ経営体制を構築していき ます。 私たちは、グループブランドで標榜する と調和しながら、 「地球環境 (environment) をつづけ、豊かな たゆまぬ進化 (evolution) をつくること」 に全力で取 社会 (enrichment) り組み、持株会社、事業会社、そして社員一 人ひとりが「e-Front runners」として、社会 に欠かせない存在価値ある企業グループを目 指していきます。 財務ハイライト Financial Highlights 単位:百万円 2003.3 単位:千米ドル 2002.3 3月31日終了の各連結会計年度: 売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 経常利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 税金等調整前当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥832,414 12,909 8,984 7,074 3,911 各連結会計年度末日現在: 純資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 総資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 161,188 921,121 2003.3 ¥ 839,135 7,489 5,791 231 (3,217) $6,936,790 107,580 74,872 58,957 32,592 248,049 1,104,871 1,343,237 7,676,015 単位:円 1株当たり情報: 当期純利益(損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 5.28 単位:米ドル ¥ (4.50) $ 0.044 (注)本アニュアルレポートの中のドル表示の金額は読者の理解に資するために参考として記載しているものであり、1ドル=120.0円で計算しております。 売上高 営業利益 (損失) 250 8,324 8,391 8,910 8,518 8,000 (億円) 300 8,520 (億円) 10,000 200 129 6,000 100 74 41 4,000 –41 0 –100 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 当期純利益 (損失) (億円) 200 39 97 100 –173 0 –100 –32 0 –74 2,000 –200 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 1 ごあいさつ 2002年度(2003年3月期)の日本経済は、株価の下落などデフレ環境が一層の厳しさを増すな か、総じて回復感の乏しい状態で推移しました。私たちの電機業界においても、民間設備投資が 低迷し個人消費も弱含みで推移するなか、国内産業の空洞化や公共投資の圧縮など構造的変化が 一層進展し、引き続き厳しい経営環境が続きました。富士電機グループにとっ ても、昨年度に引き続き大変厳しい一年となりました。 このような情勢のもと、私たちは、中期経営ビジョンに掲げる企業価値 重視の経営を目指し、変電機器事業の合弁会社への移管、三洋電機自販 機の買収を含む自動販売機事業の再編、プリント板事業新会社の設立な ど、生産、販売の両面にわたり 「業界最強の専業」 の集合体の実現に向 け、事業構造改革を推進してきました。また、新商品の市場投入の スピードアップ、コスト競争力の強化に全力を挙げて取り組み、 積極的な営業活動を展開してきました。 業績面では、売上高は需要低迷の影響を受けて対前期67億円 (0.8%)減の8,324億円となりました。損益は、売上高の減少、 商品価格の低下という状況下でしたが、事業構造改革をベース とした固定費削減、コストダウン推進などの施策により、営 業利益は対前期54億20百万円 (72.4%) 増の129億9百万円、 当期純利益は対前期71億28百万円好転の39億11百万円と 大幅な増益となりました。 A Message from the President 2003年度(2004年3月期)は、引き続き厳しい経営環境が予想されます。今後の持続的な成長と 収益力の拡大を図るためには、新事業、新製品の創出による売上の拡大、コスト構造の変革、財 務体質の強化、成長と安定のバランスがとれた最適な事業ミックスの実現が課題であり、経営シ ステムもそれを加速推進しうる体制への移行が求められます。このような状況のなか、富士電機 グループは、グループ全体が「社会で欠かせぬ存在」として認められるための「存在価値」 の追求と 投資に値する経済的 「企業価値」 の創造をより強力に推進するため、2003年10月1日付で純粋持株 会社制へ移行する決断を下しました。この経営システムのもと、グループの一層の発展に向けて 全力で取り組み、売上高8,650億円、営業利益180億円、当期純利益60億円を目指していきます。 2000年6月に中期経営ビジョンを策定してからの3年間、私たちは様々な改革、革新を大胆に 行ってきましたが、さらなる革新をスピーディに進めることが勝ち残りの鍵であると強く認識し ています。 今後も事業の選択と集中などの大胆な改革、革新の歩みを一層加速させ、競争力のあるコア技 術を基盤に、個々の事業ユニットが業界トップレベルの競争力と収益性を持つ 「業界最強の専業」 の集合体を目指します。この実現により、富士電機グループの持続的な成長と収益力の拡大が図 れると確信しています。 今後とも皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。 取締役社長 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 3 沢社長インタビュー Question 1 2003年3月末で中期経営ビジョンのマイルストーンを迎えましたが、ビジョン 策定からの3年間について総括をお聞かせ下さい。 Answer 私たちは、この3年間、ビジョンの考え方に沿った様々な施策に取り組み、多くの成果を挙げる ことができました。その最たる成果が、各事業ユニットでの 「業界最強の専業」に向けた取り組み によるものです。私たちは事業対象とする全ての分野で利益を創出するために、24の事業ユニッ トに分けてそれぞれの責任者のもとで目標を掲げて取り組んできました。取り組みを始めた頃は、 利益を出している事業ユニットよりも利益を出していない事業ユニットの方が多かったのですが、 昨年度は変電機器事業を合弁会社に移管しましたが、残る23事業ユニットのうち七つで若干の赤 字が残ったものの、16の事業ユニットで黒字を出すことができました。投下した資本以上に利益 が回収できる形にしていくこの取り組みは、非常に大きな成果が挙がったといえます。しかしな がら、水処理や自動販売機などの事業は現在も高いマーケットシェアを有していますが、収益力 が落ちてきているのも事実です。このような事業環境にあっては、収益を生む分野で収益を出し 難い分野を補うという構図は成り立たなくなっています。 このように大きな成果を得ることができたものの、ビジョンで掲げた2002年度マイルストーン の数値目標に対しては、大幅な乖離を生じる結果となってしまいました。私たちは各事業で競争 力を強化する施策に取り組んできましたが、市場環境はグローバル化の進展、デフレ経済の一層 の深刻化などを背景に、想定以上の厳しさを増しているため、ビジョン、すなわち、 「富士電機グ ループの在らしめたい姿への方向性」は堅持しなが らも、戦略・施策を抜本的に見直す必要があると考 えています。中期経営ビジョンで重点拡大分野とし て掲げた環境・情報・サービス・コンポーネントの成 長4分野についても、厳しい事業環境の変化を踏ま えた抜本的な見直し、焦点の絞り込みが必要である と考えています。今後も、ビジョンで掲げた「業界 最強の専業」の実現に向けて、経営の自己変革を一 層加速していかなければなりません。 4 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Interview With the President Question 2 今後の富士電機グループの 「持続的な成長と収益力の拡大」を図っていくために は、さらなる改革・革新が必要だと思いますが、そのための課題と施策について お聞かせ下さい。 Answer 「持続的な成長と収益力の拡大」を図っていくためには、富士電機グループの行っている全ての 事業がグループ企業価値の向上に寄与するよう、常に業界のトップグループとして各事業分野が 利益を生み出す、そういった事業の集合体にならなければなりません。 日本経済の基調として、今後もデフレによる厳しい事業環境が継続することを覚悟しなければ なりません。その環境に対応するためには、ビジョンで掲げた 「業界最強の専業」 の実現に向けて、 経営の自己革新を加速し、事業の収益構造を改革するとともに財務体質を強化していくことが課 題となります。今回、これらの課題に対する具体的な戦略と施策を2005年度までの中期経営計画 として策定しました。具体的な施策として次の五つが挙げられます。一つ目が、 「技術開発力の強 化をベースとした新事業・新製品の創出による売上の拡大」です。まず全社技術開発戦略と事業の 製品戦略の統合を図ります。一方、注力事業分野毎の重点機種を定義し、重点機種の収益性強化 にR&D投資の重点を置き、3年累計で900億円(毎年300億円)のR&D投資を継続します。2005 年度には新事業・新製品を中心とする重点機種で1,000億円強の売上増を目指します。二つ目は、 「中国市場への取り組み強化による海外事業の拡大」 です。 目標とする経営指標 アジア、特に中国での事業を積極的に展開し、中国事業に おける売上規模を2002 年度の150 億円から2005 年度は 営業利益率 (%) 5.0以上 5 4 3 2 1.5 2.0 470億円に拡大する取り組みを行います。これにより、グ ループ全体の売上高に対する海外事業比率を2005年度に は20%まで拡大します。三つ目は、 「コスト構造の徹底的 な変革」 です。3年間で900億円の原価削減を実行します。 具体的には、外注取引先企業数の30%削減による集中購 買の推進、および海外も含めた資材調達戦略の強化、生産 1 性向上・リードタイム短縮を狙いとしたセル生産方式の適 0 2003.3実績 2004.3計画 2006.3目標 用による生産システムの変革、分社化・海外シフトも含め た生産拠点の再編、物流コスト・間接業務の改革を含む 金融債務残高 トータルコストダウンの推進などに取り組んでいきます。 (億円) 5,000 削減、固定資産・売上債権の圧縮などをさらに進めてい 3,000 3,000 強化」 です。事業の収益力の改善と見直し、棚卸資産30% 4,100 4,388 4,000 四つ目は、 「金融債務残高の削減を中心とする財務体質の 2,000 き、2005年度末には金融債務残高を3,000億円に削減しま す。最後に五つ目の課題ですが、 「 『業界最強の専業』 の集 1,000 合体からなる最適な事業ミックスの実現」です。各事業会 社、事業ユニットの業績評価のさらなる徹底を通じて、事 0 2003.3実績 2004.3計画 2006.3目標 業の選択と集中を加速し、 「成長性」 と 「収益性」 のバランス が取れた事業ミックスの実現に取り組んでいきます。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 5 沢社長インタビュー Question 3 本年10月1日付で純粋持株会社制へ移行されますが、その目的についてお聞かせ 下さい。 Answer 今回、私たちが目指す純粋持株会社制とは、持株会社が 「投資家としてグループの企業価値を最 大にするためにグループの全体最適を追求する役割」 を担い、各事業会社は 「持株会社からの投下 資本に対し、個々の事業価値を最大にする役割」 を担うことによって、富士電機グループ全体の企 業価値の向上を図ることを目的とした経営システムです。そこには三つの狙いがあります。 まず一つ目は、 「自己責任経営の実現」 です。現在の社内カンパニーを独立法人化することで、本当 の意味での自己責任経営の主体としていきます。各事業会社は、より市場に近いところでお客様の ニーズを身近に捉えながら、それぞれの事業特性、環境変化に即した一層機動的でスピーディな事 業運営を実現し、業界最高レベルの製品・サービスで、お客様に最大の満足を提供していきます。 二つ目は、 「事業ポートフォリオの最適化」 です。グループ企業価値の最大化と資本効率重視の視点 に立って、事業の選択と集中を加速し、成長性と収益性のバランスの良い事業ミックスを構築して いきます。最後に三つ目は、 「事業分野毎の最適な労働条件への対応」 です。従来の一律の労働条件 を見直し、事業分野毎の事業特性や業績に応じたフレキシブルな労働条件へ移行していきます。 Question 4 純粋持株会社制移行の狙いの一つに 「事業ポートフォリオの最適化」 が挙げられて います。そのなかでは、各事業会社、事業ユニットの業績評価のさらなる徹底が 示されていますが、今後、ROI、FEP*をどのような経営指標としていくのか、 お聞かせ下さい。 Answer 各事業会社は 「業界最強の専業」 を目指して、資本市場が求める利益を実現するために、一層の 経営の効率化に取り組まなければなりません。従って、持株会社制のもとでは、昨年度、新たな 経営指標として導入した「投下資本利益率( ROI )」、「株主の資本コストを反映した経済利益 (FEP)」の重要性が一層増すことになります。 これまでは、事業に対する株主資本コスト (市場が求める収益率) を全事業に対し て一律の割合で適用してきました。しかしながら、事業分野毎に市場の期待とある べき株主資本コストは一様ではありません。そのため、純粋持株会社制移行に伴う 分社を機に、事業リスクに見合った株主資本コストを事業会社毎に設定しました。 これにより、リスクを上回る利益を創出していく考え方をコーポレートガバナンス の仕組みに取り入れ、グループ企業価値の向上を追求していきます。また、経営計 画の目標設定、業績評価などのあらゆる面で一層の活用を図っていきたいと考えて います。これらの経営指標は、単に各事業会社が持株会社から 「評価される基準」 で はなく、各事業会社が自律した事業運営を行うための指標であると考えています。 *FEP(富士電機の経済利益)とは、税引後利益から資本コストを控除した経済的付加価値を示す当社独自の指標 6 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Interview With the President Question 5 最後に、今後の富士電機グループの展望についてお聞かせ下さい。 Answer 今後のグループ経営では、事業会社の独自性を第一に尊重しつつ、そのうえで富士電機グルー プの全体最適化、グループシナジーの最大化を図っていく必要があると認識しています。 先程述べました企業価値重視の指標 (ROI、FEP)の考え方は、事業分野だけに適用されるもの ではありません。経営者を含めた社員一人ひとりの取り組みが問われる評価尺度です。すなわち、 社員一人ひとりが富士電機グループの成長と収益力の拡大を図るために、プロフェッショナルと して自らの業務を通じて市場で通用する価値をどれだけ生み出しているのかを問う、極めて重要 な指標です。 持株会社制を機に、富士電機グループの多くの豊かな経営資源をさらに結集し、これを最大限に 活かしていくことが経営の極めて重要な課題の一つだと考えています。中期経営ビジョンで掲げた 「顧客に最大の満足を提供する」 という使命感を持ち、私たちが目指す社会的な存在価値、すなわち グループブランドで標榜している「地球環境( environment )と調和しながら、たゆまぬ進化 (evolution) をつづけ、豊かな社会 (enrichment) をつくること」 の実現に向けて、持株会社、事業 会社、そして社員一人ひとりが 「フロントランナー」 としての強い意志で、一丸となって進んでいき たいと、改めて固く決意しています。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 7 特集:純粋持株会社制への移行について 純粋持株会社制移行の背景と目的 富士電機は、1999年4月に 「電機システム」 「機器・制御」 「電子」 「流通機器システム」 の4カンパニー からなる社内カンパニー制および執行役員制を導入し、多岐にわたる事業分野毎の特性に応じた 事業展開を進め、経営全体の効率化とスピードアップに取り組んできました。しかしながら、市 場環境はグローバル化の進展、デフレ経済の深刻化などを背景として、想定した以上の厳しさを 増しています。 このような状況下において、持続可能な成長と収益力の再構築を図ることを目的に、競争力の あるコア技術を基盤とした 「業界最強の専業」の集合体を実現すべく、2003年10月1日付で会社分 割の方法により全事業部門を分社化した純粋持株会社制へ移行することとしました。その主な狙 いは次の三つです。 (1)自己責任経営の実現 現行の社内カンパニーを独立法人化することにより、真の意味での自己責任経営の主体としま す。各事業会社は、より市場に近いところでお客様のニーズを身近に捉えながら、業界で最高レ ベルの製品・サービスをもって、最大の満足をお客様に提供していきます。そのために、それぞ れの事業特性および環境変化に即した一層機動的でスピーディな事業運営を実現します。 (2)事業ポートフォリオの最適化 純粋持株会社化を機に、グループ企業価値の最大化と資本効率重視の視点に立った、各事業会 社、事業ユニットの業績評価をさらに徹底し、これを通じて事業の選択と集中を加速し、成長性 と収益性のバランスの良い事業ミックスを構築します。 (3)事業分野毎の最適な労働条件への対応 従来からの一律の労働条件を見直し、各事業が属する事業分野で勝ち残るために、個々の事業 分野毎の事業特性および業績に応じたフレキシブルな労働条件への対応を可能にします。 純粋持株会社移行後のグループ組織 1)富士電機株式会社は全事業を分割し、商号を「富士電機ホールディングス株式会社」と変更した うえで、グループの純粋持株会社として引き続き上場します。この 「富士電機ホールディングス」 は、グループの戦略企画機能に特化した「戦略型本社」とします。 2)事業会社は、本年10月1日付で分社する電機システム事業を継承する「富士電機システムズ株式 会社」、機器・制御事業を継承する「富士電機機器制御株式会社」、電子事業を継承する「富士電 機デバイステクノロジー株式会社」を基本とした3事業会社と、既に本年4月1日付で流通機器 システム事業を吸収分割した 「富士電機リテイルシステムズ株式会社」 の四つの事業会社体制と し、権限委譲をさらに促進することにより、自己責任経営とスピード経営を実現する体制を構 築します。 3)現「株式会社富士電機総合研究所」に情報関連システム等の開発部門および生産技術研究開発部門 を統合し、基礎技術研究、共通コア技術開発、新規事業創出のセンターとして強化を図ります。 また、商号を「富士電機アドバンストテクノロジー株式会社」と変更します。 4)本社管理部門の共通サービス部門は、機能毎にいくつかの既存のグループ内共通サービス会社 に移管し、持株会社および事業会社に対する各種サービスの提供を行います。 8 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Pure Holding Company 純粋持株会社化・会社分割の概要(2003年10月1日付〔予定〕) 純粋持株会社化 本社部門 富士電機ホールディングス(株) (現富士電機(株)の称号を変更) 機能移管 共通サービス会社(群) 電機システムカンパニー 富士電機システムズ (株)へ 吸収分割 富士電機システムズ(株) 機器・制御カンパニー 新設分割 富士電機機器制御(株) 電子カンパニー 新設分割 富士電機デバイステクノロジー(株) 情報関連システム等の開発・ (株)富士電機総合研究所へ 吸収分割 富士電機アドバンストテクノロジー(株) 生産技術研究開発部門 ※流通機器システムカンパニーは2003年4月1日付で 「富士電機リテイルシステムズ株式会社」 に吸収分割済。 グループ経営の役割および機能 1)持株会社の役割は、グループ全体の企業価値を最大化することであり、グループの全体最適を 図るために次の機能を持ちます。 ①グループ全体の最適化戦略策定機能 ②グループ資源の最適配分機能 ③コーポレートR&D ─研究開発企画・進捗管理─成果の事業化機能 ④グループ経営のモニタリング機能 ⑤グループ全体のブランド戦略策定機能 2)事業会社の役割は、持株会社からの投下資本に対し、当該事業の事業価値を最大化すること─ 売上の拡大 (成長性) と収益の極大化 (収益性) ─であり、所定の事業の枠組み、資金枠などの範 囲内において自律的に事業を執行する意思決定権限を持ちます。また、その事業成果について は、キャッシュフローを含む全責任を負います。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 9 特集:純粋持株会社制への移行について グループ経営体制 (コーポレートガバナンス) (1)基本的な考え方 当社グループは純粋持株会社制への移行にあわせ、監督機能と事業の執行機能を分離すること によって、執行権限と責任を明確化した経営体制に変更します。これにより、グループ経営の強 化および事業会社の自己責任経営とスピード経営を実現します。 (2)新経営体制 ①持株会社の経営体制 Ⅰ. 持株会社制におけるコーポレートガバナンスの基本は、持株会社化そのものが監督機能と 執行機能を分離するとの考え方から、企業統治体制は従来方式である監査役設置型とします。 Ⅱ. 委員会等設置会社と同様に取締役の任期を現行の2年から1年に短縮するとともに、社外 取締役を現行の2名から3名に増員します。 Ⅲ. 持株会社の取締役会議長は取締役会長が務め、取締役の員数は極力少数とします。 Ⅳ. 持株会社と事業会社の責任と権限を明確にするため、持株会社の取締役は事業会社の取締 役を兼任しないこととします。また、持株会社の事業会社に対する監督機能を確保するた め、監査役については持株会社の常勤監査役を各事業会社の非常勤監査役として任命する こととします。 Ⅴ. 持株会社社長 (最高経営責任者) の諮問機関として 「エグゼクティブコミッティ」 を設置し、 持株会社制に即したグループ全体の経営戦略・経営方針、グループシナジーの最適化およ びグループ求心力の強化について審議する場とします。その構成員は持株会社の社内取締 役、各事業会社の社長および持株会社の戦略スタッフ部門長とします。 ②事業会社の経営体制 Ⅰ. 持株会社と同様に事業会社の取締役の任期は1年とします。 Ⅱ. 事業会社の取締役会議長は事業会社の取締役会長または社長が務め、取締役の員数は極力 少数とします。 Ⅲ. 持株会社と事業会社の責任と権限を明確にするため、事業会社の取締役は持株会社の取締 役を兼任しないこととします。 10 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Pure Holding Company 純粋持株会社制下のグループ経営体制(2003年10月1日付〔予定〕) 富 士 電 機 ホ ー ル デ ィ ン グ ス 株 式 会 社 富士電機システムズ(株) 取 締 役 会 株 主 総 会 富士電機機器制御(株) 社 長 富士電機デバイステクノロジー(株) 富士電機リテイルシステムズ(株) (2003年4月1日付で発足済) 監 査 役 会 エ グ ゼ ク テ ィ ブ コ ミ ッ テ ィ 持 株 会 社 戦 略 ス タ ッ フ 部 門 富士電機アドバンストテクノロジー(株) 共通サービス会社(群) 富士物流(株)、富士電機工事(株)など 事業会社の会社概要 社名 富士電機システムズ 株式会社 富士電機機器制御 株式会社 富士電機デバイス テクノロジー株式会社 富士電機リテイル システムズ株式会社 本社所在地 東京都千代田区三番町6-17 東京都品川区大崎1-11-2 東京都品川区大崎1-11-2 東京都千代田区外神田6-15-12 資本金 250億円 100億円 100億円 97億円 代表者 代表取締役社長 伊藤 晴夫 代表取締役社長 堀 重明 代表取締役社長 高井 明 代表取締役社長 増 晟 売上規模(連結) [2003年度予想] 従業員数(連結) [2003年度予想] 3,900億円 1,650億円 1,350億円 1,550億円 9,950名 5,400名 主要事業所 連結子会社 (国内/海外) (営業部門)本社、関西、中部 など (工場部門)東京システム製作 所、エネルギー製 作所、神戸システ ム製作所 (営業部門)本社、関西、中部 など (工場部門)吹上地区、大田原 地区、鈴鹿地区、 神戸地区 (国内12社) FFC、富士アイティ、FF Cシステムズ、富士電機パ ワーサービス、富士電機ガス タービン研究所、富士電機千 葉テック、安曇富士、栃木富 士、茨城富士、富士電機イン スツルメンツ、鳥取電機製 造、富士電機総設 (国内13社) 秩父富士、富士電機エフテッ ク、富士電機ハイテック、発 紘電機、富士電機モータ、富 士電機テクニカ、富士電機E IC、西日本富士電機、中部 富士電機、九州富士電機、北 海道富士電機、東北富士電 機、宝永電機 (海外3社) 富士電機大連有限公司、富士 電機ジーイー、富士奇異電機 股 有限公司 4,600名 (富士電機(深 )有限公司の 300名含む) (営業部門)本社、関西、中部 など (工場部門)松本事業所、山梨 事業所 3,200名 (営業部門)本社、関西、中部 など (工場部門)三重工場、埼玉工 場 (国内3社) (国内6社) 富士電機ヴイ・シー・アルテッ 富士電機ストレージデバイ ク、信州富士電機、宝永プラ ス、富士電機画像デバイス、 スチックス 北陸富士、飯山富士、大町富 士、富士電機松本メカニクス (海外9社) マレーシア富士電機、スコット ランド富士電機、フィリピン富士 電機、富士国際電子股 有限公 司、富士電機米国半導体、シン ガポール富士電機、ユー・エス・ 富士電機、香港富士電機有限公 司、富士電機(深 )有限公 司 (2004年度より連結対象) FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 11 部門の概況 主要製品 電機システム部門 当部門は水処理システム、電子行政向けシステム、蒸気ター ビン発電機設備などの主力事業・製品で多くの実績を挙げまし たが、民間設備投資の低迷や公共投資の圧縮、米国経済の減 速などの影響が全分野で大きく、部門全体の売上高は前期比 7.3%減の3,833億円、営業利益は対前期34億15百万円悪化の 1億80百万円の赤字決算となりました。 機器・制御部門 当部門は電源・機器分野が前期並となり、システム機器分野が アジア向けの需要増により大きく伸長して前期を上回り、部 門全体の売上高は前期比0.5%増の1,599億円、営業利益は対 前期45億55百万円好転の11億95百万円となりました。 電子部門 当部門は電源用IC が過去最高の売上を達成したIC分野、パ ワー半導体分野、感光体分野が前期を上回りましたが、磁気 > 情報・通信・制御システム > 水処理・計測システム > 電力システム > 放射線管理システム > FA・物流システム > 環境システム > 電動力応用システム > 産業用電源 > 車両用電気品 > クリーンルーム設備 > レーザ機器 > ビジョン機器 > 電力量計 > 変電システム > 火力機器 > 水力機器 > 原子力機器 > 省エネルギーシステム > 新エネルギーシステム > 電磁開閉器 > 操作・表示機器 > 制御リレー > タイマ > ガス関連機器 > 配線用遮断器 > 漏電遮断器 > 限流ヒューズ > 高圧受配電機器 > 電力制御機器 > 電力監視機器 > 交流電力調整器 > 検出用スイッチ > プログラマブルコントローラ > プログラマブル操作表示器 > ネットワーク機器 > インダクションモータ > 同期モータ > ギヤードモータ > ブレーキモータ > ファン > クーラントポンプ > ブロワ > 汎用インバータ > サーボシステム > 加熱用インバータ > UPS > ミニUPS > 磁気記録媒体 > パワートランジスタ > パワーモジュール > スマートパワーデバイス > 整流ダイオード > モノリシックIC > ハイブリッドIC > 半導体センサ > サージアブソーバ > 感光体および画像周辺機器 記録媒体分野が前期を大きく下回り、部門全体の売上高は前 期比3.0%減の1,245億円、営業利益は前期比60.4%増の72億 17百万円となりました。 流通機器システム部門 当部門は自動販売機分野において三洋電機自販機 (株) を買収し、新 たに吹上富士自販機 (株) を当社グループに事業統合した結果、売上 は前期を大幅に上回り、冷凍冷蔵ショーケース分野も需要増により 前期を大幅に上回り、部門全体の売上高は前期比19.2%増の1,544 億円、営業利益は前期比3.8%増の25億97百万円となりました。 その他部門 当部門は物流子会社の新規ビジネス拡大などにより、売上高 は前期比1.2%増の761億円、営業利益は前期比303.5%増の 20億86百万円となりました。 12 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 > 自動販売機 > 冷凍冷蔵ショーケース > コインメカニズム > 紙幣識別装置 > 貨幣処理システム > 飲料ディスペンサ > 自動給茶機 > ホテルベンダシステム > カードシステム At a Glance シェア上位製品 > 電力向け放射線管理システム > 地熱発電システム > 変圧整流装置 > 工業電熱 > 水処理システム > 電力量計 > モールド変圧器 水処理システム 変圧整流装置 電力向け放射線管理システム インバータ 電磁開閉器 オートブレーカ・漏電遮断器 磁気記録媒体 IGBTモジュール 電源用IC 自動販売機 通貨関連機器 > インバータ > ブロワ > 電磁開閉器 > オートブレーカ・漏電遮断器 > コマンドスイッチ > UPS > 磁気記録媒体 > 高圧シリコンダイオード > IGBTモジュール > 有機感光体 > 電源用IC > 自動販売機 > 通貨関連機器 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 13 Energy & Electric Systems Group ED&C•Drive Systems Group Electronics Group Retail Support Equipment & Systems Group Others Review of Operations 電機システム部門 電機システム部門は、産業・公共・エネルギー・交通分野のソ リューション&サービスプロバイダーを目指しています。私 たちの経験と知恵から生み出す業界最高レベルの商品・サー ビスで、社会インフラに新しい価値の創造を通じて貢献して 電機システムカンパニー プレジデント いきます。情報・環境・エネルギー・サービスのソリューショ 伊藤 晴夫 ンビジネスを中核に、お客様のビジネスの成功をお客様と共 に築いていきます。 2002年度(2003年3月期)の事業環境と業績 当部門を取り巻く事業環境は、民間設備投資が低迷し国内産業の空洞化や公共投資の圧縮など 構造的変化が一層進展したのに加え、米国経済の減速など非常に厳しいものでした。 環境システム分野では、水道向け高度浄水施設電気設備や、浄水場向け監視制御システムおよ び下水道処理場向け電気設備などの大口案件で受注実績を挙げました。しかしながら、廃棄物処 理・リサイクル関連事業の競争激化や道路施設向け電気品、水処理システム向け電気品において公 共事業費削減の影響を大きく受けた結果、売上は前期を下回りました。 情報システム分野では、電子行政・自治体情報システムの基盤となる文書管理システムや地域の 庁舎、学校、図書館などを高速ネットワークで結ぶ地方自治体向け情報ネットワークシステム構 築などで実績を挙げましたが、長期化する民間設備投資低迷の影響により、製造業および流通業 向け情報制御システムなどが落ち込んだ結果、売上は前期を下回りました。 発電・変電分野では、国内および海外向けの蒸気タービン発電機設備や放射線管理設備の大口案 件などで受注実績を挙げたほか、世界初の立軸バルブ水車を採用した水力発電設備、原子力関連 施設向け電気品や放射線管理設備の大口案件を相次いで納入しました。しかしながら、国内電力 各社の設備投資抑制が継続していることなど国内および北米における市場規模縮小の影響を大き く受けた結果、売上は前期を下回りました。 電機・交通システム分野では、海外向け変圧整流設備や電気炉用変圧器で受注実績を挙げたほ か、海外向け地下鉄車両用電気品の受注や鉄道用変電設備の大口案件においても受注および納入 実績を挙げました。しかしながら、産業プラント部門において国内の民間設備投資低迷の影響を 大きく受けたことにより、売上は低調に推移しました。 これらの結果、当部門の売上高は前期比7.3%減の3,833億円となり、営業損益は対前期34億15 百万円悪化の1億80百万円の赤字を余儀なくされました。 14 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Energy & Electric Systems Group 富士電機は、独デウィンド社との提携により日本 における風力発電の本格的な普及に向けて取り組 んでいます。さらに太陽光発電、マイクロ水力発 電、バイオマスを活用した燃料電池などの新エネ ルギーや、エネルギー利用の最適化を図る EMS 、ESCO などの省エネルギーソリューショ ンを提供することにより、地球温暖化防止に貢献 していきます。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 15 電機システム部門 Review of Operations 2002年度(2003年3月期)の重点的な取り組み 当部門では、このような厳しい環境変化に対応するため事業構造の再編を推進しました。 プリント板事業部門の富士エクサス (株) への集約や他部門にまたがっていた配電盤生産体制の 一本化など、生産体制の再構築を推進しました。 また、昨年10月、新エネルギー・省エネルギー分野の事業拡大を目的に、エネルギーソリュー ション事業部を設立するとともに、この分野を中期経営ビジョンにおける伸長拡大分野(環境・情 報・サービス) として経営資源を集中して事業拡大に向けた事業運営に取り組む一方、基盤・成熟分 野においては収益力の向上に取り組んできました。 伸長分野での事業拡大への取り組み 情報システム分野では、e-Japan計画が中央官庁から地方自治体のフェーズに移行することに伴 い、自治体の業務に精通した人材 (コンサルタント、SE、営業) の育成に注力し、自治体情報シス テムの基盤となる文書管理システムについて、県庁レベルから市町村レベルまで事業拡大を推進 しました。また、福神 (株) ならびに富士アイティ (株) と医薬品の発注・在庫管理から投薬までを一 括管理する 「医療薬剤総合管理システム」 を共同開発するなど、新事業・新市場へも積極的に注力し ました。 環境システム分野では、各種環境関連法規に対応した豊富な化学物質データベースを持つ 「化学 物質総合管理システム」 の発売、学校・公共施設・集合住宅などの貯水槽の衛生管理を、薬剤を使わ ずに電気分解により無人で安全に行える 「残留塩素濃度維持装置」 の開発・発売や工場で洗浄などに 使用する水の使用量を減らすサービスなど、水環境事業への取り組みを推進しました。 サービス分野では、富士電機システムズ(株) とともに、お客様の設備のライフサイクル全般に わたる最適なソリューションとサービスの提供に努めました。既設設備を有効活用しながらリ ニューアルするために、既設システムと最新システムを簡単に接続できるレトロフィット機器の 開発などリサイクル社会へのソリューション、保守・メンテナンス業務におけるモバイルソリュー ションなど新メニューの開発にも注力して事業拡大を目指しました。 エネルギーソリューション分野では、独シーメンス社との提携によりあらゆるエネルギー管理 が可能な「総合エネルギー管理システム(Spectrum ギーのほか、ESCO(Energy PowerCC)」の発売や、風力などの新エネル Service Company)などの省エネルギー事業の拡大を目指し、グ ループ各社との連携のもと事業体制の整備に注力しました。 1 1 2,500kVAディーゼル発電設備 宇宙開発事業団種子島宇宙セン ター内の各種施設に電力を供給し ている大崎発電所の安定した電力 供給に応えます。 16 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Energy & Electric Systems Group ED&C•Drive Systems Group Electronics Group Retail Support Equipment & Systems Group 2 Others 4 3 2 4 大規模放射線監視システム クリーンルーム構築サービス 原子力施設の300系統を超える クリーンルームは、工業分野を 多数の放射線測定情報を中央放 はじめ医療・薬品分野、食品分 射線監視盤で集中監視し、施設 野などにおいて、空気汚染に起 の安全性・信頼性向上に貢献し 因する数多くの障害を防ぐとと ます。 もに、経済性、省エネ、環境保 全、安全性にも優れています。 クリーンルーム用機器の提供を はじめ、プランニングから保 守・管理までクリーンルームの 3 あらゆるニーズに応えます。 コンバインドサイクル発電設備用 蒸気タービン発電機 高温蒸気の全周挿入構造によ り、ガスタービンの急速起動に 追従できる起動特性を実現し、 コンバインドサイクル発電設備 の急激な需要拡大に応えます。 基盤・成熟分野での収益向上への取り組み 発電・変電分野では、原子力・放射線管理事業において、原子力発電所で排出される低レベル放射 性ホウ酸濃縮廃液を従来の30∼40倍の濃度で、セメントと混合固化する技術の開発、原子力施設 の300系統を超える多数の放射線測定情報を中央放射線監視盤で集中監視する 「大規模放射線監視 システム」の完成など、特長ある技術と差別化した製品により収益力の強化に取り組みました。 なお、当社は(株)日立製作所および (株) 明電舎との合弁会社である 「(株) 日本AEパワーシステ ムズ」 に、昨年10月、会社分割制度を利用して、変電機器の研究、開発、製造、検査および一部の 事業分野における販売機能を移管しています。同社では、営業体制の整備、機種および生産体制 の集約加速による開発・設備投資の効率向上を図るとともに、3社の優位技術の融合による製品競 争力の強化を推進しています。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 17 電機システム部門 Review of Operations 2003年度(2004年3月期)の運営方針と業績見通し 当部門は、本年10月の純粋持株会社制への移行に伴い、富士電機システムズ (株)への吸収分割 により、新事業会社「富士電機システムズ(株)」として新たなスタートを切ります。 これまで当社と富士電機システムズ (株) に分離していた営業・技術・サービスを一体化して運営 することで、経営の効率化を図るとともにソリューション&サービスビジネスの展開を強化・拡大 していきます。具体的には、次の運営方針を基本に据えた取り組みを行います。 ソリューションビジネスの拡大 営業・技術・サービスの一体運営のもと、情報・環境・エネルギー・サービスのソリューションビジ ネスを拡大していきます。そのために、ライフサイクル全般にわたるソリューションビジネス構 築に向けた構造改革、営業・技術・サービスの一体化によるビジネス展開を推進していきます。 また、グローバル化戦略を進め、海外比率を20%以上 (中期的目標) に高めていくことや中国市 場をターゲットとした戦略を強化します。 業界で最高レベルの製品・サービスにより社会インフラに新しい価値を提供 過去に培ってきた技術・ノウハウを活用するとともに、得意とするコア技術を基盤に創造的商品 で社会インフラに新しい価値の提供を目指します。 商品開発にあたっては、中期的展望に立った戦略機種を定めるとともに機種の統廃合を進め、 経営資源の集中を図り効率的な開発を進めます。 ソリューション人材でNO.1企業へ 多岐多様にわたるお客様のニーズやライフサイクル全般にわたるソリューションを提供するた めに、専門性・創造性・人間性を磨くための人材育成に努め、ソリューション人材でNO.1企業を目 指します。 収益体質の構築と財務体質の強化 生産体制の再構築やエンジニアリング部門の生産性向上、ロスコストの一層の低減を実現し、 収益体質の構築に努めます。また、有利子負債の圧縮を進め、資産および資金の効率的な運用を 図っていきます。 以上の取り組みにより、2003年度の当部門の業績は、売上高3,900億円、営業利益20億円の達 成を目指します。 18 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Energy & Electric Systems Group ED&C•Drive Systems Group Retail Support Equipment & Systems Group Electronics Group Others 当部門の主要データ 売上高 売上高構成比率 売上高構成比率(%) 45.7 50 80 40 60 30 40 4 3,833 42.7 3 2 1.8 20 2,000 1.6 20 32 4,135 4,135 3,623 3,000 3,816 4,000 38.9 42.7 75 5,000 営業損益率(%) 営業損益(億円) 61 売上高(億円) 41.4 営業損益 営業損益率 1 0.8 10 1,000 0.0 0 –20 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 –9 0 0 0 –1 –0.3 –1 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 (注)売上高にはセグメント間取引が含まれています。 設備投資額(含むリース) 減価償却費 設備投資額 研究開発費 従業員数 (億円) 減価償却費 (億円) 150 100 120 12,500 2001.3 10,190 2000.3 2002.3 2003.3 90 98 103 116 60 5,000 30 2,500 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 9,522 0 10,536 25 7,500 9,930 42 56 68 64 64 76 84 63 50 10,000 90 60 75 102 149 125 (人) 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 主要な連結子会社の状況〔資本金(期末)、売上高は 2002 年度の数値〕 社名 資本金 売上高 (億円) (億円) 富士電機システムズ株式会社 64 962 各種プラントの建設計画、計画監理、工事監理、据付、試験、試運転、 調整およびアフターサービスならびに総合プラントメンテナンス、運転 維持管理等の新サービス事業 富士電機総設株式会社 22 656 建築設備の設計・施工、空調機器・OA機器の販売 富士電機工事株式会社 19 326 各種プラント設備の設計・施工・電気工事・据付工事 株式会社FFC 12 611 情報処理システムの開発・製造・販売 4 96 富士電機インスツルメンツ株式会社 主な事業内容 工業用計測器・情報処理端末等の開発・製造・販売 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 19 Energy & Electric Systems Group ED&C•Drive Systems Group Electronics Group Retail Support Equipment & Systems Group Others Review of Operations 機器・制御部門 機器・制御部門は、 オートメーション分野で使われる受配電・開 閉制御・駆動・パワーエレクトロニクス・モーション・HMIなど のコンポーネントと、 その組み合わせによる中小システムを世 機器・制御カンパニー プレジデント 界最高の品質・性能、 そしてサービスで提供し、 お客様の価値創 堀 重明 造を目指していきます。 そして、 低圧開閉器具、 汎用インバータ などの商品を重点にグローバル展開を図っていきます。 2002年度(2003年3月期)の事業環境と業績 当部門を取り巻く経済環境は、アジア向けの輸出主導により緩やかな回復基調にありましたが、 景気の先行き不透明感からIT関連を中心とした民間設備投資の冷え込みやデフレ環境が進むなど 依然厳しい状態が続きました。 電源・機器分野は、国内市場が期後半に入り半導体製造装置や射出成形機など一部の業種に回 復の兆しが見えはじめたものの、全般的には民間設備投資の低迷から機械メーカー向け、受配電 盤メーカー向けといった主力市場の回復が遅れ、需要は依然として低調な状況が続きました。ま た、UPS(無停電電源装置)の主力市場であるIT関連の設備投資も力強さが感じられず市況は依 然として厳しい状況が続きました。こうした状況のなか、小・中容量電磁接触器・サーマルリレー 「SC-Eシリーズ」や新型コマンドスイッチなど、主力機種の新商品の市場投入を図り、また、お 客様への提案営業を推進するなど積極的な拡販活動を行ってきました。一方、海外は中国を中心 としたアジア向けの需要増に支えられ好調に推移しました。その結果、電源・機器分野の売上は ほぼ前期レベルとなりました。 システム機器分野も、国内向けは電源・機器分野と同様、主力となる機械メーカー向けを中心と した市況低迷の影響を大きく受けたものの、汎用インバータ「FRENIC-Miniシリーズ」 、プログ ラマブル操作表示器「UG30シリーズ」などの新製品を発売するとともに、プログラマブルコント ローラとサーボモータおよびインバータなどを組み合わせた中小システム商談の獲得にも積極的 に取り組んできました。また、海外においては中国を中心としたアジア向けの需要が好調に推移 しました。その結果、システム機器分野の売上は前期を上回りました。 以上の結果、当部門の売上高は前期比0.5%増の1,599億円と前期を上回りました。また、営業 利益は商品価格の低下という状況下にもかかわらず、固定費の削減やコストダウンにより対前期 45億55百万円好転の11億95百万円と黒字回復となりました。 20 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 ED&C•Drive Systems Group 富士電機はオートメーション分野で使われる制御・駆動 コンポーネントと、その組み合わせによる中小規模シ ステムを提供しています。システム構築にむけて、お 客様の課題ひとつひとつに対して、常にお客様と共に システム全体の流れとプロセスにおける機能を細かく チェックしながらプランニングし、最適なシステム提 案を行います。万全のサポート体制により、お客様の 価値向上に寄与していきます。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 21 機器・制御部門 Review of Operations 2002年度(2003年3月期)の重点的な取り組み 2002年度も厳しい事業環境のなか、中期経営ビジョンの完遂に向けた積極的な事業運営を行 い、営業損益を改善しました。具体的には、以下の七つの運営方針 (7 Action plans)を基本に取 り組みました。 利益体質の再構築 市況や物量の動向に左右されることなく利益の出せる体質づくりを目指し、主として以下の2点 に取り組みました。1点目は、昨年設立した 「技術開発・生産センター」 において生産機種および生 産体制の最適化を図り、これまで2拠点に分かれていた企画・開発設計などの技術開発部門、生産 管理および資材調達部門を吹上地区に集約するなどの合理化を行いました。2点目は、富士電機 モータ(株) において、回転機事業の製販一体化体制をとることにより固定費を削減するなど合理 化によるコストダウンを実現しました。 商品組み合わせによる新需要開拓と『攻め』 の営業による物量拡大 当部門の持つ質の高い技術力を背景に、システム化、ネットワーク化といった市場ニーズに応 える製品を、営業マン一人ひとりがお客様の立場にたって、お客様のニーズに合うシステム商品 を提案するなど積極的なソリューション営業を展開し、『攻め』の営業活動を行いました。 世界戦略製品の開発とそのスピードアップ 日本国内および海外のトップメーカーとの激しいシェア競争に勝ち抜くため、グローバル化戦 略を進め海外向けの売上比率を高めました。インバータをはじめとする主力機種において、世界 市場を念頭に置いた製品開発に総力を挙げて取り組みました。さらに製造拠点に関して、昨年中 国に設立した電磁開閉器の製造・販売拠点 「常熟富士電機有限公司」 も順調な操業を行っています。 アライアンスによる事業効率化の推進 米国GE社との間で締結したインバータのグローバルアライアンスによる世界戦略をはじめとして、 単独での事業展開にとどまらずアライアンスや提携を活用し、効率的な事業運営を目指しました。 サービス体制の整備充実 これまで当部門の製品を使って頂いているお客様はもちろんのこと、今後、お使い頂くお客様 に対しても確かな製品と信頼あるサービスを提供するため、お客様への技術サポートや日本国内、 中国、シンガポール、アメリカ、ヨーロッパに有するサービス拠点をベースにお客様のニーズに 応えてきました。 QCM(Quality Chain Management)活動によるロスコスト撲滅 厳しい経営環境のなかで、開発・製造から販売・サービスに至る全てのプロセスにおいて徹底し た品質管理活動を行うなど、高品質を維持しロスを低減するための取り組みを行いました。 棚卸資産の圧縮 経営資源を有効活用するために棚卸資産の圧縮を進めました。 22 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Energy & Electric Systems Group 1 ED&C•Drive Systems Group Electronics Group Retail Support Equipment & Systems Group 1 Others 3 汎用インバータ 「FRENIC-Mini」 シリーズは、 横行搬送機械、ファン・ポンプ などの可変速駆動ニーズに、小 容量コンパクトクラスで業界 トップレベルの高性能・多機能 で応えます。 2 3 電磁接触器・サーマルリレー 新形小・中容量電磁接触器・サー マルリレー「SC-Eシリーズ」と 2 マニュアルモータスタータは、 高度な精度と信頼性が要求され プログラマブル操作表示器 る工作機械などの電動機制御回 「UG30 シリーズ」は、32,768 路用途に最適です。 色フルカラー表示により、高度 化する生産現場の情報をよりリ アルに表現します。 2003年度(2004年3月期)の運営方針と業績見通し 新会社の方向性 当部門は、純粋持株会社制への移行に伴い、本年10月1日付により新事業会社 「富士電機機器制 御(株) 」として生まれ変わります。受配電・開閉制御・駆動・パワーエレクトロニクス・モーション・ HMIなどによるオートメーション分野において、「最強の専業メーカー」として、お客様に最大の 満足と価値を提供し、地域社会への貢献を目指します。 新会社の基本運営方針と重点施策 2003年度も引き続き厳しい事業環境が続くことが予想されますが、「最強の専業メーカー」に向 けた積極的な事業運営を行います。具体的には、 (1) グローバル展開、 (2) 重点機種の強化、 (3) 経 営基盤の強化、の3点の基本方針を柱として、各課題の克服に向けた取り組みを行います。 (1)グローバル展開 国内市場が伸び悩むなか、当部門は商品開発、販売、生産拠点にわたってグローバル展開の強 化を進めてきましたが、今後も一層のグローバル化を推進します。具体的には、①グローバル製 品の開発、②中国・アジア市場への注力、③アライアンスによる事業効率化の推進、の3点を重点 施策として取り組みます。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 23 機器・制御部門 Review of Operations ①グローバル製品の開発 日本国内のみならず海外市場においても業界最強のトップメーカーとして、グローバル・スタ ンダードに対応した世界トップレベルの競争力を持つ製品の開発に総力を挙げて取り組みます。 ②中国・アジア市場への注力 今後も成長が見込める地域として、中国・アジア地域を重点戦略地域に位置づけ、3年後に現 状の中国事業規模を倍増させることを目指します。それにあたり、販売体制として中国内の販 売統括拠点および中国産品などの輸出統括拠点の二つを核とした体制を確立します。またビ フォアサービス・アフターサービスなどのサービス体制の強化に加えて、技術サポート体制の拡 充などにより、中国におけるマーケティング力の強化を目指します。さらに富士電機大連有限 公司 (ブレーカ、モータ、マニュアルモータスタータ 〔MMS〕 ) 、無錫富士・通用電気駆動控制有 限公司 (インバータ) 、常熟富士電機有限公司(コンタクタ、サーマルリレー)などをベースに生 産体制を強化し、中国市場やアジア市場に焦点をあてた製品を供給します。 ③アライアンスによる事業効率化の推進 物量効果による生産性の向上、開発・製造コストの低減および製品の相互補完など、効率的な 事業運営を行うためにアライアンスを推進します。 (2)重点機種の強化 低圧機器分野では、2002年度に発売したMMSに続き、マグネットスイッチ、ブレーカなどを はじめとしたグローバル対応の次世代機種を、またインバータ分野も、 2002 年度に発売した FRENIC-Miniに続き、グローバル対応製品を開発して市場投入を行い、国内シェア30%、世界 シェア10%の実現を目指します。 (3)経営基盤の強化 経営資源を有効活用するために以下の3点に取り組み、経営基盤の強化を図ります。 ①開発・生産体制の再構築 2002年度に吹上地区に開発・設計・生産・品質管理を一体とした技術集団からなる「技術開発・生 産センター」 を、さらに本年4月に鈴鹿地区にも 「インバータ開発生産センター」 を設立しました。 今後一層、継続的かつ組織的に新たな価値を創出できる取り組みを行います。また国内外を問わ ず最適な生産拠点の再編・集約を通じて、グローバルな生産体制を推進します。 ②QCM(Quality Chain Management)による顧客満足の提供 昨今の厳しい経営環境のなかで、お客様の満足を得るとともに利益を生み出すためには、品 質を高め、ロスを極力低減していく必要があります。当部門は開発・製造から販売・サービスに 至る一連の生産活動における全てのプロセスにおいて徹底した品質管理活動を行い、お客様に 満足して頂ける製品を提供します。 ③総資産の圧縮 経営資源を有効活用し経営基盤の強化を図るために、総資産の一層の圧縮を進め、資産およ び資金の効率的な運用を図ります。 以上の取り組みにより、2003年度の当部門の業績は、売上高1,650億円、営業利益20億円の達 成を目指します。 24 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Energy & Electric Systems Group ED&C•Drive Systems Group Retail Support Equipment & Systems Group Electronics Group Others 当部門の主要データ 売上高 売上高構成比率 営業損益 営業損益率 売上高構成比率(%) 2,000 24 60 17.8 18 30 4 11 2 0.7 0 500 –24 –1.6 –30 6 0 –33 12 –61 17.6 1,599 2.7 1,591 16.9 1,560 1,593 1,000 17.1 1,965 20.3 1,500 営業損益率(%) 営業損益(億円) 53 売上高(億円) –2 –2.1 0 –3.8 –60 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 –4 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 (注)売上高にはセグメント間取引が含まれています。 設備投資額(含むリース) 減価償却費 研究開発費 (億円) 44 47 4,800 28 35 29 28 55 46 52 49 31 63 49 61 30 2000.3 2001.3 5,435 6,000 40 52 45 (人) 5,263 75 60 従業員数 (億円) 6,019 減価償却費 6,033 設備投資額 2002.3 2003.3 3,600 20 30 2,400 10 15 0 1,200 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 主要な連結子会社の状況〔資本金(期末)、売上高は 2002 年度の数値〕 社名 資本金 売上高 (億円) (億円) 主な事業内容 富士電機大連有限公司 27 34 富士電機モータ株式会社 25 203 株式会社秩父富士 8 91 制御機器、半導体関連機器およびプラスチック製品の製造・販売 発紘電機株式会社 0.6 67 電子操作盤の開発・製造・販売 富士電機テクニカ株式会社 0.5 86 機器・制御製品の販売ならびに電子応用製品の修理サービス 低圧遮断器・回転機の製造 回転機・回転機応用製品の開発・製造・販売・アフターサービス FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 25 Energy & Electric Systems Group ED&C•Drive Systems Group Electronics Group Retail Support Equipment & Systems Group Others Review of Operations 電子部門 電子部門は、技術をコアコンピタンスに半導体デバイス、ス トレージデバイス、画像デバイスの事業分野において、世界 トップを目指します。私たちの特色あるキーテクノロジーを 駆使し、高品質で付加価値の高い製品を追求していきます。 電子カンパニー プレジデント 産業、自動車分野から情報機器分野まで高性能化、小型・低 高井 明 消費電力化などお客様のニーズに応える世界トップクラスの 製品を提供していきます。 2002年度(2003年3月期)の事業環境と業績 パワー半導体分野は、上期はPC需要回復への期待感、サッカーワールドカップ開催によるTV・映 像機器関連の需要増や堅調な自動車の輸出に支えられて、情報・民生・産業・自動車電装の各分野とも 好調に推移しました。一方、下期はTVやゲーム機器の生産減とPC販売の不振による情報・民生分 野の大きな落ち込み、産業分野の設備投資の手控えの継続があったものの、自動車電装分野の国内 外での堅調な需要に支えられた結果、売上高は前期を上回りました。 IC分野は、電源用ICが上期にモバイル機器、ゲーム機器に加え、デジタルカメラ向けが大きく伸 長した影響に伴い全体的に好調に推移し、下期に市況の悪化による需要後退があったものの、過去 最高の受注高・売上高を記録しました。また自動車向け複合デバイス、圧力センサも好調に推移した 結果、分野全体の売上高は前期を上回りました。 磁気記録媒体分野は、PC・サーバ市場が期後半からプラス成長となりましたが、期前半の市況低 迷と磁気記録媒体の一枚当たりの記録容量向上に伴う搭載枚数減少の影響により、売上高は前期を 大きく下回りました。 感光体分野はプリンタ、コピー機などのOA機器稼動台数が伸長するなか、新機種の投入や新規 顧客開拓に取り組んだ結果、OPC (有機感光体) やユニットなどの画像周辺機器が大きく伸長し、売 上高は前期を上回りました。 以上の結果、当部門の売上高は前期比3.0%減の1,245億円となりましたが、営業利益は前期比 60.4%増の72億17百万円となりました。 26 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Electronics Group 富士電機はパワーエレクトロニクスの根幹を担う パワーモジュール製品で、圧倒的な技術力により 業界をリードしています。今回開発した第五世代 IGBT「Uシリーズ」は、その超低損失特性から市場 の注目を集めています。産業、自動車、情報機器 の分野でパワーマネジメントに特化し、お客様の ニーズに応える世界トップのパワー半導体を提供 していきます。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 27 電子部門 Review of Operations 2002年度(2003年3月期)の重点的な取り組み パワー半導体で新型デバイス開発の継続と事業戦略の徹底 パワー半導体分野では、前期に引き続きキラー製品 (シェアNO.1製品) となる新型デバイスの開 発に取り組み、最先端のIGBTチップと新構造のソフトリカバリダイオードを適用したインテリ ジェントIGBTモジュールである「R-IPM3」と「Econo IPM」について、それぞれ600V系列のシ リーズ化を完了しました。R-IPM3では、従来製品とパッケージの互換性を保ち、従来比▲20% の低損失化と低放射ノイズ化を同時に達成しました。Econo IPMでは、従来比▲30%の取り付 け面積と▲23%の高さで、体積が▲46%となる超小型化・スリム化を達成しました。さらに、シ リコン半導体の理論性能限界に迫る高性能MOSFET 「Super FAP-G」 についても、さらに系列を 拡大させました。 また前期と同様、 「顧客第一主義を基本とした損益重視の事業運営により世界トップのパワー半 導体企業を目指す」 を事業運営基本戦略として、 「キラー製品開発の加速」 「FEDIP (Fuji Enhanced 「拡販プロジェクトの展開」 「製造リードタイム短縮推進」 などにも Design-In Program)活動推進」 力を入れ、逆風に強い体質構築を推進しました。 新技術・新製品の市場投入によるIC分野の業容拡大 IC分野でも前期に引き続き電源用IC、プラズマディスプレイ用高耐圧IC、オートフォーカス IC、自動車用複合デバイスおよび圧力センサの5分野を重点セグメントと位置づけ、事業拡大に 向けた取り組みを行いました。電源用ICでは、PWM制御技術と高耐圧・高精度アナログCMOS 技術を用いた製品の低消費電力化・多チャンネル化・小型化を積極的に推進し、モバイル機器向け の新製品を続々と投入しました。前半の市場の好調さも手伝って2桁の伸長を達成し、過去最高の 業績を記録しました。プラズマディスプレイ用高耐圧ICは価格下落などにより前 期を下回りましたが、新製品の開発を進め、将来の業容拡大に努めました。また 1 オートフォーカスICにおいては、デジタルカメラ用の新製品の市場投入を積極的 に行い、今後の物量拡大への体制を整えました。自動車用複合デバイスおよび圧 力センサは国内および海外での需要増を受け、それぞれ新製品を市場投入した結 果、2桁伸長を達成し、圧力センサは過去最高の売上高を記録しました。生産体制 ではウェハ生産能力の拡大に注力し、6インチラインの増産投資と8インチライン 新設投資を行い、それぞれ製品の量産をスタートさせました。 2 2 デジタルカメラ・携帯電話向け電源 1 用IC インテリジェントパワーモジュール 高信頼のパワーデバイスである 「R-IPM3」 は世界初のオールシリ コン化を実現し、最先端チップの 搭載により、さらなる低損失化を 図りました。 28 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 高耐圧CMOSデバイスの採用に より、高まる小型化と低消費電力 化のニーズを実現しました。 Energy & Electric Systems Group 3 ED&C•Drive Systems Group Electronics Group Retail Support Equipment & Systems Group 3 Others 5 高性能オートフォーカスモジュール デジタルカメラ向けに小型・高 性能な外光オートフォーカス素 子として開発しました。 4 5 有機感光体と画像周辺機器 高速応答性と高い環境安定性を 4 備え、あらゆる用途に適合し、 高品質で耐久性に優れています。 磁気記録媒体 A F C(反強磁性結合 = A n t i Ferro Magnetic Coupling)構 造を磁性層に採用すること で、3.5インチ1枚当たり80GB の高記録容量を実現しました。 磁気記録媒体で事業構造改革をベースとした業績改善 磁気記録媒体分野では、前期に実施した事業構造改革をベースに業績改善を目指しました。業 界再編による顧客構成の変化に対応すべく、開発、営業体制の見直しを行い、厳しい環境のなか で勝ち抜くための、要素技術開発力、コスト競争力の強化に重点的に取り組みました。現在主力 となっている80GB製品について、確実なスペックインを実施し、開発、製造部門が一体となっ た製造技術の確立と早期の安定生産化に注力しました。 また、今後大きな需要が期待される新分 野およびコンシューマ市場向け磁気記録媒体の先行開発を推進しました。 感光体の材料開発による機種拡大と財務体質の強化 感光体分野では、負帯電型の高解像度化、高感度化を狙った材料開発を推進しました。カラー プリンタ用およびデジタルPPC用OPCの発売により機種拡大の取り組みを進め、さらに正帯電型 OPCでは高感度化を達成し市場展開を始めました。また製造・販売拠点3社(日本、米国、中国)の 連結重視の経営に取り組み、各社の経営体質を強化して安定的に配当可能な体質を構築しました。 2003年度(2004年3月期)の運営方針と業績見通し 当部門は、純粋持株会社制移行に伴い、本年10月1日より 「富士電機デバイステクノロジー (株) 」 として新たにスタートします。パワー半導体とICをあわせた半導体デバイス事業、磁気記録媒体 のストレージデバイス事業、そして感光体および画像周辺機器の画像デバイス事業の各事業分野 が、差別化された卓越した技術をコアコンピタンスとして、世界トップメーカーになることを経 営方針としています。事業分野別の戦略は次の通りです。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 29 電子部門 Review of Operations パワー半導体で次世代製品対応の新クリーンルーム建設に着手 パワー半導体分野では、従来からの事業運営基本戦略に「キャッシュフロー重視の事業運営」を 追加し、重点施策として事業会社化に向けて 「新しい企業文化創出」 「製造リードタイム短縮」 を基 本とした 「新SCM(サプライチェーンマネジメント) システム構築」 などを加えて、事業環境に左右 されない体質づくりを一層強力に推進していきます。さらに生産体制の増強のため、次世代製品 対応の新クリーンルームの建設にも着手する予定です。 IC分野の業容拡大に向けた本格的な製技販強化 IC分野では、電源用IC、プラズマディスプレイ用高耐圧IC、オートフォーカスIC、複合デバイ ス、圧力センサの5セグメントに注力していきます。電源用IC分野では、お客様のシステムをさ らに効率的にするため、低消費電力パワーICに高精度・インテリジェント機能を積極的に加え、携 帯端末などのモバイル機器向け電源用ICで業容を拡大させます。 この業容拡大を具体化するため、2003年度の新機種開発予定は前年の1.5倍を計画しています。 このなかには、モバイル機器用の薄膜インダクタ一体型電源用IC (マイクロ電源) などの革新的技 術による新製品が含まれています。さらにお客様とのロイヤルティを強固なものとするため、セ グメント別の営業部門を新設し、顧客満足度の向上を促進させる営業展開を行います。プラズマ ディスプレイ用高耐圧IC、オートフォーカスICでは、既に開発が完了した新製品の出荷を2003 年度より開始する計画です。製造面では、新ラインである8インチラインの量産立ち上げが完了 し、供給面での安定性が飛躍的に向上することになります。さらに新ラインの生産リードタイム は従来に比べ大幅に短縮され、お客様の要求に柔軟に対応することができます。自動車分野を主 力マーケットとした複合デバイス・圧力センサについては、複合デバイスで2003年度より新規取 引先への出荷が本格化します。圧力センサにおいても、2002年度に開発したデジタルトリミング 型のセンサが2003年度より本格的に生産・出荷される計画です。 80GB磁気記録媒体の安定生産と先行開発で新市場開拓 磁気記録媒体の市況は搭載枚数の減少はあるものの、HDD市場の回復によりほぼ横這いで推移 すると見られています。これにより品質、コストへの要求が一段と厳しくなるとともに、さらな る高容量化への開発競争が続くと予想されます。そのため、当部門は主力機種となる80GB製品 の安定生産を着実に進め、次世代製品のスペックインを他社に先駆けて達成することで、物量確 保を実現し業績の向上を図っていきます。また先行開発の加速化と効率化を進め、新規市場への 事業展望を拓くことを目標とします。 感光体分野における事業拡大を推進 感光体分野では2003年度を事業拡大の初年度と位置づけ、グループ事業を感光体事業、画像周 辺機器事業および新事業の三つに分類して事業を推進し、それぞれの事業の拡大を図ります。来 年稼働する中国の新生産拠点の感光体生産能力拡大を進め、生産の効率化と徹底したコストダウ ンを推進します。 以上の取り組みにより、2003年度の当部門の業績は、売上高1,350億円、営業利益100億円の 達成を目指します。 30 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Energy & Electric Systems Group ED&C•Drive Systems Group Retail Support Equipment & Systems Group Electronics Group Others 当部門の主要データ 売上高 売上高構成比率 売上高構成比率(%) 80 15 12 8 72 13.9 営業損益率(%) 営業損益(億円) 59 5.8 4.3 40 4 45 14.2 1,245 900 1,165 1,200 1,277 12.6 1,379 14.2 13.7 1,284 売上高(億円) 1,500 営業損益 営業損益率 9 3.5 0 300 3 –40 –4 –4.0 –6.5 –80 0 0 –75 6 –50 0 600 –8 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 (注)売上高にはセグメント間取引が含まれています。 設備投資額(含むリース) 減価償却費 研究開発費 (億円) 3,000 4,152 4,000 4,190 77 75 79 70 69 178 60 123 140 135 134 148 162 191 174 105 80 5,000 80 120 (人) 4,676 200 160 従業員数 (億円) 減価償却費 4,912 設備投資額 2002.3 2003.3 40 2,000 20 40 0 1,000 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 2000.3 2001.3 主要な連結子会社の状況〔資本金(期末)、売上高は 2002 年度の数値〕 社名 資本金 売上高 (億円) (億円) 主な事業内容 マレーシア富士電機株式会社 88 65 富士電機ストレージデバイス株式会社 50 148 磁気記録媒体の開発・製造 富士電機画像デバイス株式会社 30 108 感光体および画像周辺機器の開発・製造・販売 フィリピン富士電機株式会社 24 31 パワー半導体の製造 香港富士電機有限公司 11 61 感光体および画像周辺機器の製造・販売 ユー・エス・富士電機株式会社 11 52 感光体および画像周辺機器の製造・販売 磁気記録媒体の製造 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 31 Energy & Electric Systems Group ED&C•Drive Systems Group Electronics Group Retail Support Equipment & Systems Group Others Review of Operations 流通機器システム部門 2003年4月1日付で富士電機(株)流通機器システムカンパニーを 吸収分割した 「富士電機リテイルシステムズ (株) 」 が 事業会社としてスタートしました。 流通機器システム部門は、トップシェアを誇る自動販売機や コールドチェーン、通貨機器の事業を中核に、“快適な商空 間の創造”を通じて豊かな社会生活への貢献を目指していき 富士電機リテイルシステムズ 代表取締役社長 ます。お客様に一番近いパートナーとして、自販機オペレー 増 晟 ション業務や店舗運営の効率化の新提案など広く流通分野に おいて、お客様に最大の満足を提供していきます。 2002年度(2003年3月期)の事業環境と業績 当部門の主力である自動販売機分野は、投資抑制による総需要の減退により価格競争が激化し、 引き続き厳しい市場環境となりました。こうした状況のなか、業界のリーディングカンパニーと して事業基盤を強化するため、昨年4月に三洋電機自販機 (株) を買収し、当社グループに事業統合 しました。この効果により、売上、台数とも前期を大幅に上回りました。製品別に見ますと、缶 自動販売機では省エネルギー化、堅ろう化、操作性の向上などを一層進めた「NewSシリーズ」を 発売し好評を得ました。また、清涼カップ自動販売機、たばこ自動販売機の販売が前期を大幅に 上回るなど、自動販売機全体の売上は、前期を大きく上回る結果となりました。 フード機器分野では、清涼ディスペンサ、自動給茶機で売上が伸長しましたが、ビールディス ペンサの需要減により、全体では前期を下回りました。 コールドチェーン機器分野は、スーパーマーケット向けでは、「大規模小売店舗立地法」準拠の 新規出店、適用外既店舗大規模改装への投資が活発化し、総需要が前年を大きく上回りました。 このような状況のなか、当部門は大規模新規出店、既存店舗全面改装、新法適用外の小規模新規 出店など、広範囲にわたり積極的な総合提案型営業を展開したことにより売上は前年を大幅に上 回りました。コンビニエンスストア向けでは、大手各チェーンの堅調な新規出店・既存店の全面改 装、酒類販売免許取得による部分改装、アイスクリーム専用ケースの拡大展開、ユニット工法店 舗「エコロユニット」等のソリューション対応商品などにより、前期を大幅に上回りました。 通貨関連機器分野は、金銭処理システムはガソリンスタンド向け金銭処理機が好調に推移し、 流通業界向けの受注も加わり、大幅に売上を伸ばしました。また、新規事業である非接触ICカード 対応装置が新たに自動販売機搭載用として納入実績を挙げるなど売上に貢献し始めましたが、 レジャー関連機器が需要の先延ばしもあり大幅に減少した結果、全体での売上は前期を下回りました。 これらの結果、自動販売機事業の統合影響もあり、当部門の売上高は前期比19.2%増の1,544億 円、営業利益は前期比3.8%増の25億97百万円となりました。 32 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Retail Support Equipment & Systems Group 富士電機リテイルシステムズは非接触IC カードで あるプリペイド型電子マネー「 Edy 」に対応する自 動販売機を積極的に展開しています。コンビニエ ンスストアやレストランで使われる店舗用決済端 末機などでも、「 E d y 」対応製品を豊富にライン ナップし、食流通分野の様々なシーンに、非接触 ICカードを駆使した新しい快適商空間の創造を提 案していきます。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 33 流通機器システム部門 Review of Operations 2002年度(2003年3月期)の重点的な取り組み 食品・通貨関連を中心とする流通分野の開発・製造・販売・サービスの一体化へ再編 (1)三洋電機自販機の統合 自動販売機のトップメーカーとして業界の発展を促し、且つ今後も当社が高いポジションを維 持し、競争優位性を保ち続けるためには思い切った業界再編が必要であると考え、三洋電機(株) の自動販売機部門を事業統合する決断を下し、2002年4月1日付で、同社の自動販売機を担当する 子会社である三洋電機自販機(株)の株式を取得し、新社名 「吹上富士自販機 (株) 」として事業を開 始しました。これにより、業界における抜群の技術的優位性を確保するとともに、重複した業務・ 投資の削減、スケールメリットを活かした資材調達や物流費用の合理化を推進するため、2002年 11月には富士電機(株)三重工場と吹上富士自販機(株)の2拠点に分散する開発・製造体制を機種別 の最適体制に再編しました。具体的には、缶飲料自動販売機を三重工場に、カップ式自動販売機、 食品自動販売機を吹上富士自販機(株)に再配置するとともに、富士、三洋両ブランドの機種統合 を図ることにより量産効果を挙げています。 (2)製造・販売の統合 さらに、食品・通貨関連を中心とする流通分野における業界最強の専業を目指し、2003年1月に 株式交換により富士電機冷機 (株) を富士電機 (株) の完全子会社とした後、4月に吸収分割により富 士電機(株) 流通機器システムカンパニーを同社へ統合するとともに、吹上富士自販機(株) を吸収 合併により同社へ統合しました。これを機に、同社は 「富士電機リテイルシステムズ(株)」 と社名 変更し、「商空間の創造」という理念のもと、富士電機グループの最初の事業会社として、新たな 第一歩を踏み出しました。 戦略的なコールドチェーン事業の展開 スーパーマーケット分野では、固有技術(ショーケース・冷凍機トータル制御システム「エコ マックスV 」およびその店舗内におけるセンター監視システム「エコマックス-Net 」など)を駆使 した提案営業の展開を図りました。 コンビニエンスストア分野では、新たなユニット工法店舗「エコロユニット」が 1 反響を呼び、2003年3月で累計 50店を出荷しました。大幅な工期短縮とリユー ス性が評価され、受注残が拡大しています。 1 ユニット工法店舗 「エコロユニット」 は、建設工期の 短縮、出店コストの低減、施工環境 の改善などコンビニエンスストア の迅速な店舗展開を可能にします。 34 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Energy & Electric Systems Group ED&C•Drive Systems Group 2 Electronics Group Retail Support Equipment & Systems Group Others 2 小型インストア型店舗システム 「R-CUBE 」は、スーパーマー ケットをはじめ、様々な商業施 3 設内に設置されるミニ店舗づく デュアル店舗 りを簡単施工で実現します。 「デュアル店舗」 は、お客様が多 いピーク時は有人売店用の冷蔵 ショーケース、オフピーク時や 営業終了後には自動販売機にも なる業界初の販売システムです。 3 非接触ICカードによる新市場の拡大 通貨関連機器事業においては、まずサービス事業の強化に取り組みました。これまで (株) 富士電 機テクノスおよび富士電機松本メカニクス (株) に分散していた修理部門の機能を2002年4月1日付 で信州富士電機 (株) に移管したことにより、迅速で効率的な修理・サービス体制が実現しました。 また、応用範囲が広く、市場の急拡大が見込まれる非接触ICカード分野では、ソニーグループ のプリペイド型電子マネーサービスを事業とするビットワレット社に出資するとともに、ICカー ド対応自動販売機の展開が始まりました。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 35 流通機器システム部門 Review of Operations 2003年度(2004年3月期)の運営方針と業績見通し 流通機器システム事業のさらなる基盤強化に向けて 自動販売機を主体とする流通機器システム事業のさらなる基盤強化に向けて、本年4月1日付で 富士電機(株)流通機器システムカンパニー、富士電機冷機 (株)、吹上富士自販機 (株) を富士電機 冷機(株) に統合し、社名も「富士電機リテイルシステムズ (株) 」と改め、流通機器システム事業に かかわる開発、製造、販売、メンテナンス・サービスの全ての機能を有する事業会社として新たに スタートを切りました。 今年度は、昨年4月に実施した三洋電機 (株) の自動販売機事業部門の買収によって強化した技術 力と、今回の製販一体化によって実現したマーケットに一層密着した事業運営体制を活かし、省 エネルギー・リサイクルなどの環境対応の促進、魅力的な新商品の創出、 IT 技術を活用したソ リューションビジネスの展開、メンテナンス・オーバーホール・リニューアル事業の拡大など、自 動販売機のリーディングカンパニーとして幅広い分野での積極的かつスピーディな事業展開に取 り組んでいきます。 また、新しい食材に対応した新型ディスペンサの開発をはじめとして、飲料ディスペンサを含 む食品機器分野での売上拡大を目指します。 新しいビジネスモデルの展開による「商空間の創造」を目指して コールドチェーン事業分野では、店舗建築からメンテナンス・サービスまでを含めたトータル受 注をさらに進めて売上拡大を目指します。特に、大幅な工期短縮、建築コストの低減を実現する コンビニエンスストア向けユニット工法店舗として昨年の発売以来好評を博している「エコロユ ニット」 や、デザインのバリエーションに優れ、様々な業態に適用できる小型インストア型店舗シ ステム 「R-CUBE」 など、店舗経営を取り巻く環境の変化に対応し、お客様のビジネスをサポート する新しい提案を積極的に進めていきます。 通貨関連機器事業分野では、自動販売機搭載用のコインメカニズム・紙幣識別装置、各種金銭処理 機器・システムを幅広い業種のお客様に提供していますが、今年度は特に量販店・スーパーマーケッ トやガソリンスタンド向けの金銭処理機器の機種拡充を図り、この分野での事業規模の拡大を図り ます。 また、非接触ICカード関連ビジネスを今後の成長分野と位置づけ、重点的に開発を進め、カー ドリーダライタ、自動販売機用端末、店舗用決済端末、入金機などをキーコンポーネントとして 事業規模の拡大を目指します。 以上の取り組みにより、2003年度の当部門の業績は、売上高1,550億円、営業利益25億円の達 成を目指します。 富士電機リテイルシステムズ(株) は、商空間ならびに商環境の整備充実を通じて、社会生活の 利便に大きく寄与する企業を目指していきます。 36 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Energy & Electric Systems Group ED&C•Drive Systems Group Retail Support Equipment & Systems Group Electronics Group Others 当部門の主要データ 売上高 売上高構成比率 売上高構成比率(%) 14.3 60 12 45 61 16 4.5 4.1 4 3 2.6 0 4 15 0 0 1.9 1.7 25 300 2 25 30 8 600 37 14.8 1,544 15.2 1,295 900 1,402 1,430 1,493 16.0 17.2 5 75 20 1,500 営業損益率(%) 営業損益(億円) 62 売上高(億円) 1,200 営業損益 営業損益率 1 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 (注)売上高にはセグメント間取引が含まれています。 設備投資額(含むリース) 減価償却費 研究開発費 従業員数 (億円) (億円) 30 22 32 36 29 34 30 26 12 1,400 6 700 2000.3 2001.3 12 15 3,219 30 26 2,100 2,628 55 2,800 18 45 45 27 24 62 60 3,500 28 72 75 (人) 2,781 減価償却費 2,802 設備投資額 0 0 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 2002.3 2003.3 主要な連結子会社の状況〔資本金(期末)、売上高は 2002 年度の数値〕 社名 資本金 売上高 (億円) (億円) 富士電機冷機株式会社 97 1,504 吹上富士自販機株式会社 63 302 0.9 97 信州富士電機株式会社 主な事業内容 自動販売機・コールドチェーン機器・流通情報システム等の販売 自動販売機等の製造 通貨関連機器の製造および修理 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 37 その他部門 Review of Operations 2002年度(2003年3月期)の事業環境と業績 当部門は、富士電機 (株) および富士電機グループ各社向けを主として、物流サービス、情報サー ビス、保険代理業、金融サービス、研究開発などを行っています。 当部門の2002年度の業績は、売上高は前期比1.2%増の761億円、営業利益は前期比303.5%増 の20億86百万円となりました。当部門の主な関係会社とその概要は以下の通りです。 〔売上高、従業員数(期末)は2002年度の数値〕 富士物流 (株) 売上高340億円 従業員数803名(※連結ベース) 当社グループは、当社および子会社9社により構成されています。運送・包装・保管を基本とする 物流事業を主な事業目的とし、その他国際物流、物流合理化システム機器販売、流通加工、不動 産賃貸などを行っており、幅広く社会に貢献する企業を目指して事業展開しています。 当期の物流業界は、設備投資の低迷により生産関連・建設関連貨物輸送量を中心に総輸送量は前 期に比べ低調に推移しました。 当社グループは 「心のこもったロジスティクスサービスのパイオニア」 をビジョンに掲げ、 「お客 様の物流革新を一括して引き受ける」 ことを使命とする経営理念のもと、業容の拡大に積極的に取 り組みました。具体的には、外資系情報システム機器メーカーや放送用映像機器商社、光学機器 メーカーから物流アウトソーシング業務を受注するとともに、従来の保守部品 の24時間365日の物流サービスにコールセンター機能を付加した、より品質の 売上高 売上高構成比率 売上高構成比率(%) 売上高(億円) 1,500 14.3 600 従業員数658 名 8.2 8.4 9 当社は、情報システムの運用・開発などのITサービス・ソリューション、各 761 784 8.0 富士電機情報サービス (株) 売上高169億円 752 1,280 12 900 どの経営改革を進めた結果、当期は増収増益となりました。 15 13.9 1,338 1,200 高い物流サービスを充実し、受注拡大を図りました。さらに、業務の効率化な 6 種カタログの制作などのデザイン技術を駆使したビジュアル・ソリューショ 3 ンサービス、複写・製本・印刷などの幅広いオフィスサービス・ソリューショ 0 ンの各分野で事業を行っています。 300 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 2002年度は、各企業の投資抑制、経費圧縮の動きが加速する状況が続き、 (注)売上高にはセグメント間取引が含まれています。 苦戦を強いられましたが、さらなる合理化の追求と、“情報” を中心とした新 規事業の開拓、立ち上げに注力し、 IT 開発テーマの増、カタログ制作の売 営業損益 営業損益率 上、介護商品・機器販売の拡大などで実績を挙げました。 特許関連業務の効率化を狙った最新特許情報の速報・支援システムの構築、 営業損益率(%) 営業損益(億円) 5 24 25 4 19 20 20 20 15 3.1 1.5 0.7 2 化の促進、経費全般にわたるトータルコストダウンの推進により対前期増益 1 となりました。 0 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 38 「 F-LINE 」の機能拡充などは、一定の成果を挙げました。 以上の結果、売上高は前期比3.9%の減収となりましたが、損益面では内製 5 5 1.6 システム「 e ラーニング」のコンテンツ制作技術の開発、会計パッケージ 3 2.7 10 データベース情報の検索ソフト「軽技」の新機能のメニュー化、IT応用の教育 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Energy & Electric Systems Group ED&C•Drive Systems Group 富士ライフ (株) 売上高101億円 Electronics Group Retail Support Equipment & Systems Group Others 従業員数150名 当社は、損害保険・生命保険の代理業、不動産の売買・賃貸・仲介斡旋、海外旅行・国内旅行・両替 業務、オフィスの企画と設備機器・什器備品・ギフト用品の販売、フード事業 (ラウンジ・保養所等) の運営、介護・福祉事業などを行っています。 2002年度の保険部門は、依然として厳しい状況のなかで、保険の包括化、取引信用保険の拡 販、生保販売体制の再構築など、サービス力の強化と提案営業に努めました。不動産部門は、地 価公示価格の12年連続下落に代表されるように厳しさを増していますが、市原市で25区画、埼玉 県吹上町で16区画を分譲し、さらに、横浜市に14戸、日野市に12戸、四日市市に12戸の住宅を 建設し賃貸を開始しました。旅行部門では、富士電機グループ以外の業務渡航、団体旅行の受注 に努め、主催旅行も積極的に実施しました。介護・福祉事業では、運営を子会社「富士ライフケア ネット (株) 」 に移管し、多摩地区に続き、松本地区で通所介護 (デイサービス) 事業を開始し、順調 に進展しています。 以上の取り組みにより、当期は対前期で増収増益を図ることができました。 富士電機フィアス (株) 売上高23億円 従業員数129名 当社は、富士電機グループにおける金融中核会社として、グループへのCMS (資金管理システム) の導入やグループ会社の買掛金支払代行、グループ会社へ 2003年3月末の総資産は1,734億円であり、ファクタリング債権残高は1,063億 円、グループ会社への貸付は629億円となりました。 2002年度は、グループCMSのさらなる拡充を図り、グループ会社の資金需 要予測システムを導入し、より効率的な資金調達・運用を実現することができ ました。また、グループ会社の給与等についてCMSによる支払代行を行うこ 設備投資額(含むリース) 減価償却費 設備投資額 減価償却費 (億円) 100 80 60 57 財務経理部門の業務代行を行っており、各社の業務効率化に貢献しています。 100 の貸付ならびに余剰資金受け入れなどの金融関連業務のほか、グループ会社の 40 向上させました。資金調達面では、銀行借入、CPの発行、債券流動化などの 15 15 17 0 11 14 20 についてもインターネットの利用可能なシステムに改変し、取引先の利便性を 14 15 30 とにより、グループの支払集中化を促進させました。ファクタリングシステム 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 多様手段による資金調達を行い、より低いコストの資金をグループ会社に供給 しています。 従業員数 (人) 2,067 1,400 2,116 2,100 2,152 2,800 3,022 3,500 2001.3 2002.3 2003.3 700 0 2000.3 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 39 Research and Development 研究開発 研究開発費/売上高比率 特許保有数 研究開発費 売上高比率 270 282 200 3.0 347 300 4,000 3 3,000 2 2,000 100 1 1,000 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 0 0 4,680 4 3.2 4,418 3.3 267 3.3 5,000 4,550 4.1 280 400 (件) 5 4,559 500 4,455 (%) (億円) 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 研究開発ビジョンと運営方針 研究開発は、富士電機グループが得意とするコア技術を強化し、差別化された新商品の市場投 入を加速させるべく、重点的な投資を行っていきます。新製品、新事業のための技術開発、基礎 研究の充実とともに、現在の当社グループの基幹事業を支えている重点機種に対して戦略的な投 資を実施します。それぞれの事業分野で業界最強の専業となるために、中期的な視野に立った技 術開発ロードマップを作成し、コア技術の育成、強化を図っていきます。事業に直結する研究開 発テーマの選定においては、事業部門の機種戦略との整合をより重視し、研究開発投資の効率化 を図ります。スピードアップのために大学や他社との戦略的アライアンスも実施していきます。 本年10月に予定している純粋持株会社制移行に際して、基礎研究や次世代技術開発を担ってきた (株) 富士電機総合研究所を母体として、富士電機 (株) において情報関連システム等の開発を担って きた事業開発室と生産技術研究開発を担ってきた生産技術研究所を統合し、研究開発会社 「富士電 機アドバンストテクノロジー (株) 」 を設立します。同社は、基礎研究、新製品・新事業の技術開発、 重点機種の技術開発、生産技術の開発に注力します。メリハリをつけた事業運営により研究開発者 の意識改革を進め、開発の一層のスピードアップに取り組みます。一方、各カンパニーに所属して いた製品開発/設計部門は各事業会社に所属しますが、持株会社化後も、各事業会社と研究開発会 社である富士電機アドバンストテクノロジー (株) が今まで以上に連携を強化し、富士電機グループ の企業価値最大化に貢献していきます。 40 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 代表製品の技術開発ロードマップ 2001 環境 情報 2003 2004 メタン発酵ラボ実験 水処理 省エネ排水処理技術 膜処理パイロットプラント 浄水場適用 電子自治体 県庁向け文書管理 製造ソリューション 生産準備業務支援 サービス 製造、エネルギー プラント コンポーネント 半導体 (IGBT) 電源用IC 媒体記録容量(/枚) 器具 ①低圧遮断器 ②開閉制御機器 その他 2002 廃棄物処理 自動販売機 負荷予測システム 第4世代IGBT 逆阻止IGBT開発 トレンチ横型MOS開発 インダクタ一体化開発 40GB 60∼80GB パイロットプラント 2005 2006 2007 小型メタン発酵プラント 大型メタン発酵プラント 下水適用 水のトータル(統合管理)ソリューション 庶務事務 電子決裁 市町村向け文書管理 市民向けサービス スケジューリング、製造指示等 自律分散型ソリューション 大規模システム最適化 コストミニマム運用システム 第5世代IGBT(トレンチ) 第6世代IGBT(新構造) マトリックスコンバータ 電源パワーIC マイクロ電源 マルチ出力マイクロ電源 100GB 140GB 200GB 300∼400GB 現行シリーズ海外規格対応 高性能グローバル化次世代品 現行シリーズ機種拡充 開閉器+MMS ユニット 高性能グローバル化次世代品 カード対応端末 携帯電話対応端末 省エネトップランナー ノンフロン対応 重点的な研究開発テーマとその技術開発 「環境」 地球環境を守り次世代に継承するために富士電機グループが力を入れるのは、 水処理技術と廃棄物処理技術です。 水処理技術では、従来からの浄水場システムに加え、病原性微生物クリプトス 1 ポリジウムの完全除去と水質管理の省力化が図れる膜利用の浄水システムに取り 組んでいます。実証運転を開始し順調な稼動を続けており、2003年度中には技術 認定を取得できる見込みです。今後は、さらに技術を積み上げ水環境のトータル ソリューションビジネスに取り組みます。廃棄物処理分野では、有機性廃棄物資 源化のコア技術となるメタン発酵技術の開発に取り組んでいます。発酵プロセス の制御技術を確立し、学校給食設備向けに試験プラントの導入準備を進めていま す。今後は試験プラントでの実証により運転条件の最適化を進め、本格的なメタ ン発酵プラントの構築につなげていきます。 「情報」 情報技術は社会に広く浸透していますが、今も進歩し続けています。富士電機 1 グループでは、近年急速に構築が進展している電子自治体のソリューション強化 メタン発酵技術 に向け、庶務事務システムの開発、認証基盤技術の拡充を行いました。今後は県 気性条件下でメタン約60% 、 庁向けから市町村向けに対象を広げていくとともに、より使い易いシステムにし ていきます。また、製造業向けには設計・製造ノウハウを有効に蓄積できる情報シ ステムの提供を開始しました。今後はスケジューリング、製造指示管理、在庫管 理などの機能をより高度化することで、当社グループの得意とする生産現場の監 視制御システムと生産管理システムとの統合を進めていきます。 食品系廃棄物などの有機物を嫌 CO2約40%のバイオガスに転換 し、発電などに利用するメタン 発酵技術の開発を進めていま す。現在、処理能力20kg/日の ミニプラントを設置し、生ごみ を原料として高負荷での連続実 証運転を行っています。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 41 研究開発 「サービス」 設備投資が伸びないなかで、従来からのメンテナンスやアフターサービスだけではない新しい サービスが求められています。富士電機グループでは従来から得意であったプラント分野において 監視制御技術を蓄積してきましたが、アフターサービスから予防保全サービス分野に力点を移し、 コールセンター構築、施設管理情報オンライン提供サービスなどを商品化し、設備のライフサイク ル全般にわたる総合サービスの提供を目指しています。今後は大規模システムの最適運用技術、高 速演算処理技術などを開発し、製造プラントやパワープラントのコストミニマム運用システムの構 築につなげていきます。 「コンポーネント」 パワー半導体、パワーエレクトロニクス応用製品、低圧遮断器/開閉制御機器などで培ってき た技術・ノウハウをベースに、差別化戦略・グローバル戦略を徹底し、各分野におけるNO. 1を目 指していきます。 半導体分野では、トレンチ技術のポリッシュアップによりパワーMOSFET、IGBTの高性能化 を図るとともに、新構造のトレンチ横型パワーMOSを開発し、スイッチング電源の効率向上や高 集積化による小型軽量化に向けたパワー電源制御ICの開発を行っています。また、外付け部品のイ ンダクタをICと一体モジュール化するマイクロ電源技術を開発し、業界最小のDC/DCコンバータ の製品化に向けて大きく前進しています。また、AC/AC 直接変換方式のキーデバイスとなる 1,200V級逆阻止IGBTを世界に先駆けて開発し、最高レベルの低損失性能を達成しました。今後は マトリクスコンバータなど、具体的な製品への適用を図っていきます。 磁気記録媒体分野では、飛躍的な大容量を実現する垂直磁気記録媒体技術の開発に取り組み、世 界最高の1平方インチ当たり150ギガビット相当の面記録密度を達成しました。この技術をさらに 発展させ、200ギガビットレベルの開発を目指します。 2 低圧遮断器/開閉制御機器分野では、小型で高い遮断容量を達成させる遮断性能向 上の技術開発に取り組みました。今後、これらの技術をベースに世界市場に向けた グローバル化新製品を開発することにより、10%の世界シェア獲得を目指します。 「その他」 バイオセンサ分野では、培養を行わずに菌数を測定する生菌センサ (スマートバ クテリアカウンタ) を開発し、実証試験に取り組んでおり、今後は適用分野を定め た製品化を計画しています。 3 3 鋼板型太陽電池 2 アモルファス太陽電池セルを鋼板 マイクロ電源モジュール などの板材に貼り付け、耐久性の 新たに開発した薄型インダクタと あるフィルム材で封止した鋼板型 3MHz の高速スイッチング電源 IC を独自の CSM(Chip Size M o d u l e )構 造で一体 化し、 3.5mm×3.5mm×1.0mmの世 太陽電池パネルを開発していま 界最小・最高効率のマイクロ電源 れています。 モジュールを開発しました。今 後、携帯電話を中心とする携帯機 器への実用化を進めていきます。 42 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 す。強化ガラスタイプのパネル構 造太陽電池に比べ軽量であり、屋 根材などの建材への普及が期待さ Research and Development 自動販売機では、環境対応自動販売機の開発で省エネルギートップランナーを達成できる年間 省エネ率48%の機能試作を完了しました。今後は、製品としての機種展開を図ります。 「研究・基盤技術分野」 材料分野では、有機ELディスプレイの開発に注力し、構造の最適化によりパッシブマトリクス 駆動方式7,000時間以上の半減寿命を達成し、発光効率とコントラストの面でも大幅な特性改善を 達成しました。これらの成果は展示会等に発表し好評を得ました。今後は、開発体制を強化する とともに、事業化に向けて加速的な活動を実施していきます。 新エネルギー分野において最も期待されるアモルファス太陽電池と燃料電池については、開発を 加速させ事業化に向けた取り組みを実施しています。アモルファス太陽電池では、アモルファスシリ コンおよび電極材料の製膜方法、製膜条件の改善により高速製膜技術を開発しました。現在、鋼板 一体型モジュールの開発を進めており、今後の製品化を目指していきます。 燃料電池では、循環型社会の基盤の一つとして注目されるバイオガス利用向けで、生ごみ処理実証 設備、下水汚泥処理消化ガス設備に納入した100kWりん酸形発電システムが順調に運転を継続し、 前者は (社) 日本電機工業会の会長賞、後者は (財) 新エネルギー財団の財団会長賞を受賞しました。 また、次世代の自動車動力源、家庭・業務用のコージェネレーション装置として最も期待される固体 高分子形燃料電池では、燃料となる水素ガスを都市ガスから生成する改質システムにおいて世界最高 レベルの小型化を実現しました。さらに小型化、長寿命化に向けた取り組みを進めています。 注目の技術 有機EL 富士電機グループでは、フルカラー有機ELの最大の課題 である発光効率とコントラストが両立する新しい色変換方式 有機ELの基礎技術開発に成功しました。この方式は発光効 率の点で原理的に不利とされてきましたが、今回、当社グ ループは発光効率とコントラストの関係を改善し、この技術 の実用化に向けて大きく前進させたことになります。 フルカラー有機ELの実現のためには、量産性の改善と発光 効率の改善が不可欠です。富士電機グループはより単純な有 機膜形成法を適用できる色変換方式により、高コントラスト で発光効率の高い有機ELの実現を目指して取り組んできてお り、実用化のための基本的な技術開発に目処をつけました。 今後も、カラーフィルタ、色変換層および発光デバイス材料 の高性能化を進め、早期の市場投入を目指していきます。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 43 Environmental Activities 環境への取り組み CO2排出量の推移(単独) 廃棄物最終処分比率の推移(単独) 総排出量 生産高原単位 (t-CO2/年) 総排出量 最終処分量 最終処分比率 (t-CO2/億円) (t/年) 15 25,737 20 20,000 28,155 29,893 127,733 10 10 10,000 1998.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 2.3 1.8 466 1,083 6,754 0 0 0 2.8 635 5 3.7 846 50,000 18.6 29,044 30 30,000 26.6 20 36,251 29.3 140,707 29.1 145,367 163,788 31.1 142,016 30.5 150,000 100,000 (%) 40 40,000 200,000 0 1991.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 (基準年) *変電機器事業を2002年10月1日付で合弁会社 「 (株) 日本AEパワーシステムズ」 に移管したため、 千葉工場のCO2排出量は過去に遡って差し引き、廃棄物は2002年度から対象外としています。 環境保護の基本方針と推進体制 21 世紀は、企業が従来の品質、コスト、納期に加え 富士電機グループ 環境保護基本方針 富士電機グループは、地球社会の良き企業市 て、 「環境」 を切り離しては経営が成り立たない時代となり 民として企業の社会的責任の重要性を認識し、 ました。富士電機グループは、事業活動における環境負荷 地球環境保護への取り組みを経営の重要課題の を効果的に低減するため、社員一人ひとりが高い意識を持 のため、次の基本方針に基づいて行動します。 つとともに、課題を共有し迅速に対応できるよう環境マネ ジメントの国際規格ISO14001を基盤にグループの環境 保全体制の構築に取り組んでいます。当社グループは、各 事業所において電機メーカーの強みを活かした省エネル ギーやゼロエミッション化を推進しています。 2002年度は、1992年に制定した「環境保護基本方針」を 一つと位置づけ、持続可能な循環型社会の実現 1. 地球環境保護に貢献する製品・技術の提供 2. 製品ライフサイクルにおける環境負荷の低減 3. 事業活動での環境負荷の削減 4. 法規制・基準の遵守 5. 環境マネジメントシステムの確立と継続的改善 6. 従業員の意識向上と社会貢献 7. コミュニケーションの推進 改定し、2003年度より新たな基本方針に則って環境保全活動を展開しています。また、グループの 環境保護に関する基本的かつ総合的な施策を審議・決定する 「地球環境保護委員会」 の役割と推進体制 を見直すとともに、富士電機 (株)の工場と連結子会社の環境管理責任者をメンバーとする 「環境管理 責任者会議」 を新たに設置してグループ全体の環境保全活動の強化を図りました。また、 「環境管理責 任者会議」 には 「環境マネジメント部会」 「省エネ対策部会」 「グリーン調達部会」 の三つの専門部会を 設置し、効果的な環境経営の推進、地球温暖化防止、製品のリサイクル化・有害物質使用規制など に対応していきます。今後もグループ一体となった環境保全活動を通じて持続可能な社会づくりに 貢献し、社会的責任に応える企業グループを目指していきます。 重点的な環境保全活動 「環境マネジメントシステム」 富士電機グループの環境保全活動は、ISO14001 による継続的な改善を基本としています。 44 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 環境会計(2002年度実績) 富士電機グループは、効果的な環境投資により環境負荷の低減と損益の改善を図っています。 当期の環境会計の集計結果は、環境保全コスト38.5億円(富士電機)/47.7億円(富士電機グルー プ)、環境保全効果2.0億円(富士電機) /4.2億円(富士電機グループ)となりました。 (注)1.富士電機は、富士電機(株) 9製造事業所および事業所内の連結子会社8社と(株)富士電機総合研究所を含みます。 2.富士電機グループは、上記に加えて国内外の連結製造子会社18社を含みます。 当社グループの環境会計は、環境省のガイドラインをベースに、独自の算定方式を設定し、環境保全コストとその効果を算出しています。 また、環境保全効果は、年度内にフルに抽出できた確実な根拠に基づいて算出される経済的な 「直接効果」 のみの集計とし、仮定的な 計算に基づく 「みなし効果」 は含んでいません。 環境保全コスト 分 類 事業エリア内コスト* 富士電機 富士電機グループ 1 上・下流コスト*2 環境保全効果 (億円) 7.7 15.2 0.1 0.2 管理活動コスト 4.4 5.6 研究開発コスト 25.6 26.0 社会活動コスト 0.5 0.5 環境損傷コスト 0.2 0.2 合計 38.5 47.7 分 類 (億円) 富士電機 富士電機グループ 事業エリア内効果*1 1.7 3.6 上・下流効果*2 0.3 0.6 その他の効果 0.0 0.0 合計 2.0 4.2 *1. 公害防止、省エネルギー、廃棄物削減等のコスト・効果 *2. 廃製品リサイクル等のコスト・効果 1995年にはISO14001認証取得方針を決定し、同年12月に富士電機(株)鈴鹿工場が取得したのを (株) の全10工場が認証を取得しました。その後、国内の連結製造 皮切りに、1998年には富士電機 子会社の範囲までISO14001の認証取得を拡大し、残る未取得の2社についても2003年度中に取得 完了の見込みです。今後は富士電機 (株) の本社・支社の非製造部門とともに、連結子会社は海外の 製造会社、国内の非製造会社で2005年度までの取得を目指します。 「地球温暖化防止」 富士電機 (株) は 「2010年度まで1997年度の生産高CO2原単位を基準に対前期比1%以上削減」 の 自主目標を設定し、省エネルギーを推進しています。2002年度の生産高CO2原単位は1997年度比 12.8%削減の26.6t-CO2/億円となりました。これまでは、きめ細かな電力管理、モータ制御のイ ンバータ化などを主体に取り組んできましたが、2002年度は松本工場でコージェネレーションシ ステムによるESCO事業の導入により、CO2の年間排出量を約6千トン削減する効果を挙げまし た。今後はさらなる設備投資により一層のエネルギー転換などに取り組み、地球温暖化防止を推 進していきます。 「環境配慮型製品とグリーン調達」 環境配慮型製品の提供には、調達部品、材料の化学物質含有量に関する情報が必要です。富士電 機グループは、取引先に対して環境マネジメントシステムの構築を求めるグリーン調達ガイドライン を策定し、環境保全への取り組みを要請してきましたが、国内外の化学物質規制を視野に入れ、 調達部品、材料についても化学物質含有量の調査などを加えた新グリーン調達ガイドラインを作成し、 2003年度から展開しています。また、当社グループの設計部門でも国内外の環境関連の法規制への 対応が求められています。なかでも、WEEEやRoHSなどのEU指令の影響が最も大きいため、2002 年度には関連する工場、製造子会社の設計部門をメンバーとした対応会議を発足させ、指令内容の 徹底、代替物質採用のためのガイドライン、リサイクル性向上のための設計など、情報の共有化や効率 的な対応を図り、 「環境に配慮した製品づくり」 に積極的に取り組んでいます。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 45 役員紹介(2003 年 7 月 1 日現在) Management 取締役 取締役会長 代表取締役 取締役社長 代表取締役 加藤 夫 沢 彦 石橋 鉄之介 取締役 取締役 取締役 取締役 取締役 関澤 義 近藤 克彦 正田 英介 武田 邦靖 斎藤 良 富士通 (株)相談役 みずほフィナンシャルグループ名誉顧問 東京理科大学教授 常務 常務 石田 紘穂 井池 政則 電機システムカンパニー特命事項担当 生産企画室長、生産技術研究所 沢 彦 常務 常務 経営統括 石村 隆之 久祢田 修一郎 電機システムカンパニープラント営業本部長 電子カンパニーパワー半導体事業部長 石橋 鉄之介 常務 常務 コーポレート統括、法務・知的財産権部 菅野 英臣 蒲地 電子カンパニーIC事業部長 調達企画室長 武田 邦靖 常務 常務 営業企画室長、輸出管理室長、調達企画室 横田 四郎 原嶋 孝一 中部支社長、中部日本地区情報・環境新分野営業担当 技術企画室長、総合研究所長、事業開発室 執行役員 社長 副社長 専務 専務 伊藤 晴夫 常務 電機システムカンパニープレジデント 美斉津 陽 機器・制御カンパニーシステム機器事業部長、回転機統括部長 監査役 上席常務 堀 重明 常務 機器・制御カンパニープレジデント 矢内 銀次郎 上席常務 電機システムカンパニー環境システム本部長、産業統括部長、事業構造改革 プロジェクト室長、変電システム製作所長、エンジニアリング統括本部長 永井 悠一郎 関西支社長、西日本地区情報・環境新分野営業担当 常務 中山 克志 上席常務 経営企画室長、業務支援部、富士電機病院 常任監査役(常勤) 石 健雄 監査役(常勤) 細谷 継男 監査役(常勤) 児玉 孝亮 斎藤 良 財務計画室長 常務 堤 勝彦 上席常務 電機システムカンパニー電力システム本部長、富士・川重原子力推進本部長 監査役 若原 泰之 朝日生命保険(相)元社長 高井 明 電子カンパニープレジデント 常務 白倉 三徳 機器・制御カンパニー器具事業部長 46 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 監査役 深川 敬三 富士通(株)常任顧問 7年間の主要財務データ Seven-Year Summary 単位:百万円 3月31日終了の各連結会計年度 2003 売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥832,414 売上原価 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 666,604 80.1 152,901 18.3 12,909 1.6 (原価率 %). . . . . . . . . . . . . . . . . . 販売費及び一般管理費 . . . . . . . . . . . (販管費率 %). . . . . . . . . . . . . . . . . 営業利益 (損失). . . . . . . . . . . . . . . . (営業損益率 %). . . . . . . . . . . . . . . 2002 ¥ 839,135 ¥891,086 677,033 80.7 154,613 18.4 7,489 0.9 8,984 1.1 7,074 0.8 3,911 0.5 経常利益 (損失). . . . . . . . . . . . . . . . (経常損益率 %). . . . . . . . . . . . . . . 税金等調整前当期純利益 (損失) . . . (税金等調整前当期純損益率 %). . 当期純利益 (損失). . . . . . . . . . . . . . . (当期純損益率 %). . . . . . . . . . . . . 2001 5,791 0.7 231 0.0 (3,217) (0.4) 709,481 79.6 156,598 17.6 25,007 2.8 22,522 2.5 21,319 2.4 9,711 1.1 2000 単位:千米ドル 1999 1998 1997 ¥851,830 ¥852,060 ¥982,763 ¥945,382 692,132 81.3 155,555 18.2 4,143 0.5 (948) (0.1) (4,092) (0.5) (7,423) (0.9) 一株当り配当金額 . . . . . . . . . . . . . . . 配当性向 (%). . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 5.28 5.00 94.7 ¥ (4.50) ¥ 5.00 — 773,839 78.7 185,561 18.9 23,363 2.4 733,690 77.6 186,075 19.7 25,616 2.7 5,555,040 — 1,274,170 — 107,580 — (6,044) (0.7) (11,665) (1.4) (17,388) (2.0) 18,707 1.9 18,762 1.9 7,487 0.8 21,480 2.3 21,440 2.3 8,189 0.9 74,872 — 58,957 — 32,592 — 単位:米ドル 13.58 ¥ (10.38) ¥ (24.31) ¥ 6.00 0.00 0.00 44.2 — — 10.47 ¥ 8.00 76.4 11.45 8.00 69.8 単位:百万円 有利子負債比率 (%). . . . . . . . . . . . . ¥ 33,233 27,202 26,780 1.9 921,121 0.82 438,864 47.6 従業員数 (人). . . . . . . . . . . . . . . . . . 25,822 設備投資額 (含むリース). . . . . . . . . 減価償却費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 研究開発費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 自己資本利益率 (%). . . . . . . . . . . . . 総資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 総資産回転率(回). . . . . . . . . . . . . . . 有利子負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 35,104 ¥ 34,231 28,470 31,090 28,064 27,017 (1.6) 6.2 1,104,871 964,211 0.81 0.94 460,121 443,538 41.6 46.0 24,505 27,103 $ 0.044 0.042 — 単位:千米ドル ¥ 35,851 ¥ 48,319 ¥ 54,446 ¥ 58,703 34,393 33,993 31,808 28,467 28,252 34,776 36,003 35,951 (4.8) (10.4) 4.2 4.6 937,233 994,761 981,332 936,552 0.88 0.86 1.02 1.04 447,697 461,957 390,807 303,339 47.8 46.4 39.8 32.4 27,641 $6,936,790 692,309 81.3 163,878 19.2 (4,127) (0.5) 単位:円 一株当り当期純利益(損失). . . . . . . 2003 28,173 25,939 $ 276,944 226,691 223,167 — 7,676,015 — 3,657,216 — 26,389 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 — 47 財務概況 経営成績 〈売上高〉 (2003年3月期) の連結売上高は、前期比0.8%減の 2002年度 「機器・制御」 部門は、 国内市況の低迷が続きましたが、中国を中 8,324 8,391 6,000 心としたアジア向けが伸長し、前期比0.5%増の159,947百万円 4,000 となりました。 「電子」 部門は、電子デバイス分野が伸長したも 2,000 のの、磁気記録媒体が前期を下回り、前期比3.0%減の124,575 0 百万円となりました。 「流通機器システム」 部門は、厳しい事業 8,910 8,000 大きく受けて、 前期比7.3%減の383,382百万円となりました。 8,518 費削減、 民間設備投資低迷、 電力市場の規模縮小などの影響を 8,520 「電機システム」 部門は、 公共事業 832,414百万円となりました。 売上高 (億円) 10,000 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 環境が続きましたが自動販売機事業の統合影響もあり、 「その他」 部門は1.2%増の76,140百万円となりました。 19.2%増の154,435百万円となりました。 地域別では、火力発電設備の大口売上等により北米向けが伸長し、海外売上高は前期比7.9%増の 119,143百万円となりました。連結売上高全体に占める海外売上高の割合は、前期と比べ1.1%増え、 14.3%となりました。 電機システム 当部門の売上高は、前期比7.3%減の383,382百万円となりました。事業分野別の概況については 次の通りです。 環境システム分野は、水処理システムで地方自治体を中心とした公共事業費削減の影響を大きく 受けたことにより、前期を下回る結果となりました。 情報システム分野は、 電子行政・自治体情報システムの基盤となる文書管理システムや地域の庁舎、 学 校、 図書館などを高速ネットワークで結ぶ地方自治体向け情報ネットワークシステムなどで実績を挙げま した。 しかし、 製造業および流通業向け情報制御システムなどが落ち込んだ結果、 前期を下回りました。 発電・変電分野は、世界初の立軸バルブ水車を採用した水力発電設備や原子力関連施設向け電気 品、放射線管理設備の大口案件で納入実績を挙げましたが、国内および北米における市場規模縮小 の影響を大きく受けた結果、前期を下回りました。 電機・交通システム分野は、交通システムは海外向け地下鉄車両用電気品の受注や鉄道用変電設 備の大口案件において納入実績を挙げました。しかしながら、産業・計測システムにおいて国内の民 間設備投資低迷の影響を大きく受けたことにより、低調に推移しました。 また、上記各分野の売上減の影響を受けて、各種プラント設備工事および空調・給排水・衛生設備 工事を担当する子会社の売上が大幅に減少しました。 48 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Financial Review なお、株式会社日立製作所および株式会社明電舎との合弁会社である 「株式会社日本AEパワーシ ステムズ」 に、昨年10月、会社分割制度を利用して、変電機器の研究、開発、製造、検査および一部の 事業分野における販売機能を移管しました。 機器・制御 当部門の売上高は前期比0.5%増の159,947百万円となりました。 電源・機器分野では、小・中容量電磁接触器・サーマルリレー「SC-Eシリーズ」や新型コマンドス イッチなどの新商品の市場投入を図ってきました。器具製品については、海外市場において中国な どのアジア向けが好調に推移しました。国内市場においては、期後半に入り半導体製造装置や射出 成形機などに回復の兆しが見えはじめましたが、主力の工作機械、受配電盤などの市況が低迷した 結果、減少しました。また、電源機器についてはIT関連投資の低迷により減少しました。その結果、 電源・機器分野の売上は、総じて前年並となりました。 システム機器分野では、汎用インバータ 「FRENIC-Miniシリーズ」 、プログラマブル操作表示器 「UG30シリーズ」 などの新商品を発売するとともに、プログラマブルコントローラ、サーボモータ、 インバータなどを組み合わせた中小システム商談の獲得に積極的に取り組んできました。特に海外 市場において、中国を中心としたアジア向けの需要増により大きく伸長し、この分野の売上は前期 を上回りました。 電子 当部門の売上高は前期比3.0%減の124,575百万円となりました。 パワー半導体分野では、パワーモジュール製品が汎用インバータ、ロボットなどの産業分野向け を中心に大きく伸長しました。また、ディスクリート製品も、期後半から情報機器・映像機器向けの 需要が低迷したものの、国内外の自動車電装向けが好調に推移した結果、前期を上回りました。 IC分野では、デジタルカメラ向けに大きく伸長した電源用ICが、過去最高の受注、売上を達成し ました。また、自動車向け複合デバイス、圧力センサも好調に推移した結果、前期を上回りました。 なお、かねてより松本工場に建設中であった新クリーンルームが昨年11月に完成し、8インチウェ ハ製品の量産を開始しました。 磁気記録媒体分野は、期後半は堅調に推移したものの、期前半におけるPC・サーバ市場の低迷に より、前期を下回りました。 感光体分野は、セレン感光体が減少しましたが、複写機用ならびにプリンタ用のOPC (有機感光 体)の物量増と感光体周辺機器 (カートリッジ他)の売上増により、前期を若干上回りました。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 49 財務概況 流通機器システム 当部門の売上高は前期比19.2%増の154,435百万円となりました。 自動販売機分野は、投資抑制による総需要の減退により、価格競争が激化し、引き続き厳しい市 場環境となりました。このような状況のもと、業界におけるリーディングカンパニーとしての事業 基盤を強化するため、三洋電機自販機株式会社を買収し、新たに 「吹上富士自販機株式会社」 として 当社グループに統合した結果、台数、売上ともに前期を大幅に上回りました。 コールドチェーン機器分野は、スーパーマーケット業界の新規出店の増加や改装工事が増加した ことにより、前期を大幅に上回りました。 通貨関連機器分野では、金銭処理システムにおいてガソリンスタンド向け金銭処理機が好調に推 移し、また、非接触ICカード対応装置についても新たに自動販売機搭載用として納入実績を挙げま したが、レジャー関連機器の大幅な減少により、全体としては前期を下回りました。 なお、本年1月に株式交換により富士電機冷機株式会社を当社の完全子会社とした後、4月に吸収 分割により当社の事業部門を同社へ統合するとともに、 「吹上富士自販機株式会社」 を吸収合併によ り同社へ統合しました。これを機に、同社は 「富士電機リテイルシステムズ株式会社」 と社名変更し、 自動販売機を中心とする業界最強の専業会社として、新たな第一歩を踏み出しました。 その他 当部門については、物流子会社の新規ビジネスの拡大等により、売上高は前期比1.2%増の76,140 百万円となりました。 〈損益状況〉 売上原価は前期比1.5%減の666,604百万円となり、売 比率は18.3%でした。 (%) 3 2.8 200 2 1.6 営業利益は、事業構造改革をベースとした固定費削減、 0 の通りです。 「電機システム」 部門は、公共事業費削減の影響を大き 41 0.5 1 74 12,909百万円となりました。部門別営業利益の状況は次 0.9 100 0 –41 コストダウン推進等の施策により前期比 7 2 . 4 % 増の 129 前期比1.1%減の152,901百万円となり、売上高に対する 営業利益 (損失) 売上高営業損益率 (億円) 300 250 上高に対する比率は80.1%でした。販売費・一般管理費は 営業利益 (損失)/売上高営業損益率 –0.5 –1 –100 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 く受けた環境システム分野の減収に伴う損益悪化などに より前期比3,415百万円悪化し、180百万円の赤字となりました。 「機器・制御」部門は、回転機事業 の構造改革 (鈴鹿地区) 、受配電器具・開閉制御器具事業の生産体制再編 (吹上・大田原地区) などによ り、4,555百万円好転の1,195百万円となりました。 「電子」 部門は、電子デバイス分野の増益が磁気 記録媒体の損益悪化を吸収して、前期比60.4%増の7,217百万円となりました。 「流通機器システム」 50 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Financial Review 部門は、自動販売機事業における生産機種再配置 (三重・ 吹上地区) など合理化対策を推し進めてきた結果、前期比 当期純利益 (損失) /売上高当期純損益率 当期純利益 (損失) 売上高当期純損益率 (%) 3.0 (億円) 200 「その他」 部門は、物 3.8%増の2,597百万円となりました。 1.5 100 97 303.5%増の2,087百万円となりました。 –173 0.5 0 –0.4 –0.9 –100 –1.5 –2.0 百万円の赤字となりました。 特別利益は、退職給付信託設定益、厚生年金基金代行 –74 0 営業外損益は、受取配当金の減少ならびに為替差損益 の悪化等により、前期と比べ2,226百万円悪化し、3,925 39 1.1 –32 流子会社をはじめとして各社とも損益が改善し、前期比 –3.0 –200 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 部分返上益、会社分割に伴う営業移転利益などを計上し、 54,625百万円となりました。 特別損失は、退職給付数理計算上の差異償却、投資有価証券評価減、特別退職金、生産体制再編費 用、固定資産売廃却損などを計上し、56,535百万円となりました。 税金等調整前当期純利益は前期比2,962.3%増の7,074百万円となり、 法人税等3,071百万円、 少数株主 利益92百万円を差し引いた結果、 当期純利益は3,911百万円となりました。 設備投資額 当期の設備投資額は前期比5.3%減の33,233百万円と 332 200 272 「流通機器システム」 部門は5,516百万円、 17,804百万円、 351 300 284 万円、 「機器・制御」部門は4,484 百万円、 「電子」部門は 342 310 400 358 343 部門別では、 「電機システム」 部門への投資額は4,271百 483 し、4.0%となりました。 設備投資額 減価償却費 (億円) 500 339 なりました。売上高に対する比率は前期に比べ0.2%減少 設備投資額(含むリース)/減価償却費 「その他」 部門は1,158百万円でした。 100 主な投資内容としては、かねてより松本工場に建設中 であった電源用ICおよびプラズマディスプレイ用IC増産 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 のための8インチウェハ用新クリーンルームを完成させ たことに加え、6インチICウェハの増産対応およびIGBT・MOSFETウェハ用トレンチ関連の開発・ 生産設備の強化を図りました。また、三重・吹上地区間では、自動販売機の機種の統廃合および再配 置を実施して最適生産体制を構築し、機器製作所においては、低圧遮断器のワンフロア一貫生産体 制の自動化ラインを構築しました。 なお、当期の減価償却費は27,202百万円となりました。 (注) 1. 設備投資額は、有形固定資産への投資額とリース契約による取得相当額の合計値です。 2. 減価償却費は、有形固定資産の償却費であり、無形固定資産の償却費を含みません。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 51 財務概況 研究開発費 当期の研究開発費は前期比4.6%減の26,780百万円と (%) 5.0 320 4.0 4.1 240 「流通機器システム」 部門は2,637百万円、グループ全体に 3.3 3.0 3.2 3.0 267 器・制御」 部門は2,806百万円、 「電子」 部門は7,796百万円、 3.3 280 347 「機 部門別では、 「電機システム」部門は9,030百万円、 270 し、3.2%となりました。 研究開発費 売上高比率 (億円) 400 282 なりました。売上高に対する比率は前期に比べ0.1%減少 研究開発費/売上高比率 160 2.0 80 1.0 またがる基礎・基盤技術の開発などでは4,511百万円とな りました。 0 主な研究テーマとしては、大規模な工場・ビルの受配 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 電、熱源、コージェネレーション設備等のユーティリティ 設備を最適制御して省エネルギーを実現するエネルギープラントシステム、幅広い電源電圧に対応 したコンパクト型汎用インバータ、電源制御IC等に適用されるCMOS一体型トレンチ横型パワー MOS、AC/AC直接変換方式のキーデバイスとなる1,200V級逆阻止IGBT、面記録密度1平方イン チ当たり150ギガビットのグラニュラー垂直磁気記録媒体、稼動時騒音40デシベル以下を達成した 静音自動販売機などがあります。 財政状態 2003年3月末の総資産は、921,121百万円となり、前期 (%) 25 の再編や既存設備のリース化、および変電事業の会社分 割に伴う設備の移管などにより、前期末に比べ14,544百 0 11,048 9,211 21 17.5 17 1,611 15.8 3,000 16.4 13 16.8 2,480 有形固定資産は、自動販売機事業等にかかる生産体制 6,000 1,617 によるものです。 9,372 収促進によって前期末に比べ26,709百万円減少したこと 9,642 22.5 9,000 1,539 38,759百万円減少しました。これは主に、売上債権が回 9,947 流動資産は、473,222 百万円となり、前期末に比べ 総資産 純資産 自己資本比率 (億円) 12,000 1,574 末に比べ183,750百万円減少しました。 総資産/純資産/自己資本比率 9 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 万円減少し、190,221百万円となりました。 投資及びその他の資産は、257,678百万円となり、前期末に比べ130,447百万円減少しました。こ れは、最近における急激な株価の下落を背景として、 「投資有価証券/その他」 の評価差額相当分が 前期末に比べ153,457百万円減少したことが主な要因です。 2003年3月末の負債合計は、745,478百万円となり、前期末に比べ79,296百万円減少しました。こ れは、上記の 「投資有価証券/その他」 の評価差額相当分の縮小を主因とする長期繰延税金負債の減 少が65,696百万円となったこと等によるものです。なお、有利子負債は、長期借入金及び社債が前 期末に比べ 2,907 百万円増加したものの、短期借入金が24,164 百万円減少したため、合計では 21,257百万円減少しました。しかしながら、有利子負債比率は、総資産が減少した影響により、前 期末の41.6%から47.6%へ6.0%上昇しました。 52 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Financial Review 有利子負債/有利子負債比率 2003 年3 月末の少数株主持分は、14,455 百万円とな 有利子負債 有利子負債比率 3,000 よるものです。 2,000 2003年3月末の資本合計は、161,188百万円となり、前 46.4 4,601 46 46.0 1,000 44 42 期末に比べ86,861百万円減少しました。これは、上記株 式交換に伴い、資本剰余金が前期末に比べ8,297百万円増 48 47.6 4,388 システムズ株式会社)を当社の完全子会社としたことに 47.8 4,435 4,000 4,476 として、自動販売機事業の一層の強化を図るため、株式 交換により富士電機冷機株式会社(現富士電機リテイル (%) 50 (億円) 5,000 4,619 り、前期末に比べ17,593百万円減少しました。これは、主 41.6 0 40 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 加する一方で、 「投資有価証券/その他」 の評価差額相当 分縮小の影響により、その他有価証券評価差額金が88,571百万円減少したこと、および自己株式の 取得を進めたことにより、資本の部から控除される額が6,675百万円増加したこと等によるもので す。この結果、自己資本比率は、前期末に比べ5.0%低下し、17.5%となりました。 キャッシュ・フロー 2003年3月末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、フリー・キャッシュ・フロー ( 「営業活動によるキャッシュ・フロー」 +「投資活動によるキャッシュ・フロー」)が24,122百万円の増 加 (前期23,689百万円の減少) となる一方で、有利子負債の削減等を推し進めた結果、前期末に比べ 23,071百万円(△60.5%)減少し、15,038百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当期において営業活動による資金の増加は、38,576百万円 (前期9,730百万円の増加) となりまし た。これは、売上債権の回収が促進されたことに加え、税金等調整前当期純利益および減価償却費 などの内部留保が蓄積されたことが主因です。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当期において投資活動による資金の減少は、14,454百万円 (同33,419百万円の減少) となりまし た。これは、重点的な設備投資を実施した結果、有形固定資産の取得による支出が17,074百万円と なったことなどによります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当期において財務活動による資金の減少は、47,832百万円 (同9,653百万円の増加) となりました。 これは主に、短期借入金の減少ならびに自己株式の取得による支出によるものです。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 53 連結貸借対照表 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 各連結会計年度末日現在 資産 流動資産 現金及び現金同等物 (注記 2). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 短期投資 (注記 2, 4, 6). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 売上債権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 貸倒引当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 棚卸資産 (注記 2, 5) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 繰延税金資産 (注記 2, 12) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他の流動資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2003 ¥ 15,038 1,087 250,447 (1,834) 152,427 16,396 39,661 2002 ¥ 38,109 2,386 277,156 (1,735) 145,453 11,572 39,040 2001 ¥ 51,760 1,901 322,873 (2,279) 159,270 9,453 29,048 2003 $ 125,321 9,060 2,087,062 (15,286) 1,270,227 136,641 330,497 流動資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 473,222 511,981 572,026 3,943,522 有形固定資産(注記 2, 6) 土地 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 建物及び構築物 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 機械装置・工具器具及び備品 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 建設仮勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 39,971 193,055 279,158 2,533 35,703 193,287 300,497 8,631 36,432 192,310 299,541 3,728 333,094 1,608,794 2,326,320 21,110 減価償却累計額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 514,717 (324,496) 538,118 (333,353) 532,011 (319,054) 4,289,318 (2,704,140) 有形固定資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 190,221 204,765 212,957 1,585,178 投資及びその他の資産 投資有価証券 (注記 2, 4, 6) 非連結子会社及び関連会社株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 長期貸付金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 繰延税金資産 (注記 2, 12) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他の投資及びその他の資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 貸倒引当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 26,952 143,775 3,410 7,924 76,908 (1,291) 17,534 315,424 2,689 6,685 46,767 (974) 12,023 133,923 2,013 6,142 26,059 (932) 224,601 1,198,129 28,423 66,041 640,883 (10,762) 257,678 388,125 179,228 2,147,315 ¥ 921,121 ¥1,104,871 ¥ 964,211 $ 7,676,015 投資及びその他の資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 添付の注記はこれらの連結財務諸表の一部です。 54 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Consolidated Balance Sheets 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 2003 2002 2001 2003 その他の流動負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥252,140 52,092 168,629 51,177 3,137 — 61,384 ¥ 276,304 52,661 170,837 51,587 1,950 2 60,290 ¥254,697 56,495 190,773 51,971 10,003 3 64,873 $2,101,169 434,106 1,405,249 426,483 26,145 — 511,505 流動負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 588,559 613,631 628,815 4,904,657 長期借入金及び社債(注記 7) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 退職給付引当金 (注記 2, 8) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 繰延税金負債(注記 2, 12) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他の長期負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 134,632 6,155 7,158 8,974 131,156 4,906 72,855 2,226 132,346 5,544 159 1,878 1,121,941 51,296 59,657 74,765 負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 745,478 824,774 768,742 6,212,316 少数株主持分 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14,455 32,048 33,762 120,462 47,586 — — 46,694 69,275 6,922 (2,602) — 47,586 — 38,397 68,189 95,493 (1,604) — — 47,586 38,397 77,616 156 (2,048) 396,551 — — 389,121 577,296 57,691 (21,696) 負債及び資本 流動負債 短期借入金(注記 7) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 一年内返済長期借入金及び社債(注記 7) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 仕入債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 前受金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 未払法人税等 (注記 2, 12) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 繰延税金負債 (注記 2, 12) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 偶発債務(注記 15) 資本 (注記 9, 19) 資本金 授権株式数:1,600,000,000株 発行済株式総数 2003年3月31日現在—746,484,957株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2002年3月31日現在—715,080,369株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2001年3月31日現在—715,080,369株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 資本剰余金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 利益剰余金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他有価証券評価差額金 (税効果適用後) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 為替換算調整勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 167,875 差引:自己株式 2003年3月31日現在—30,914,918株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2002年3月31日現在—43,678株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . (6,687) — 248,061 — (12) 161,707 — — 1,398,963 (55,726) — 2001年3月31日現在—2,631株 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . — — 資本合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 161,188 248,049 161,707 (0) 1,343,237 — ¥921,121 ¥1,104,871 ¥964,211 $7,676,015 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 55 連結損益計算書 Consolidated Statements of Operations 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 3月31日終了の各連結会計年度 2003 2002 2001 2003 売上高(注記 2). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 売上原価 (注記 10). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥832,414 666,604 ¥839,135 677,033 ¥891,086 709,481 $6,936,790 5,555,040 売上総利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 販売費及び一般管理費 (注記 10). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 165,810 152,901 162,102 154,613 181,605 156,598 1,381,750 1,274,170 営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12,909 7,489 25,007 107,580 2,009 (4,173) (1,761) 3,493 (5,007) (184) 4,347 (5,887) (945) 16,744 (34,780) (14,672) (3,925) (1,698) (2,485) (32,708) 8,984 (1,910) 5,791 (5,560) 22,522 (1,203) 74,872 (15,915) 税金等調整前当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 法人税等(注記 2, 12). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7,074 3,071 231 4,440 21,319 10,708 58,957 25,597 少数株主損益調整前当期純利益(損失) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 少数株主(利益) 損失 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4,003 (92) (4,209) 992 10,611 (900) 33,360 (768) 営業外収益 (費用) 受取利息及び配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 支払利息 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他の営業外損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 経常利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 特別損失・純額 (注記 11) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 当期純利益 (損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 3,911 ¥ (3,217) ¥ 9,711 一株当り情報 一株当り当期純利益(損失) (注記 2). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 添付の注記はこれらの連結財務諸表の一部です。 56 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 2003 ¥ 5.28 2002 ¥ (4.50) 32,592 単位:米ドル (注記 3) 単位:円 3月31日終了の各連結会計年度 $ 2001 ¥ 13.58 2003 $ 0.044 連結株主持分計算書 Consolidated Statements of Shareholders’ Equity 単位:千株 単位:百万円 その他 有価証券 評価差額金 (税効果適用後) 発行済 株式数 資本金 資本剰余金 利益剰余金 (注記 8) 2000年3月31日残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 連結子会社と非連結子会社との合併による増加高 . . . . . 取締役賞与金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他有価証券評価差額金(税効果適用後)の変動額 . . . 為替換算調整勘定の変動額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 自己株式の取得及び売却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 715,080 — — — — — — ¥47,586 — — — — — — ¥38,397 — — — — — — ¥67,962 9,711 8 (65) — — — ¥ 2001年3月31日残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 当期純損失 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 連結子会社と非連結子会社との合併による増加高 . . . . . 配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 取締役賞与金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他有価証券評価差額金(税効果適用後)の変動額 . . . 為替換算調整勘定の変動額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 自己株式の取得及び売却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 715,080 — — — — — — — ¥47,586 — — — — — — — ¥38,397 — — — — — — — ¥77,616 (3,217) 25 (6,078) (157) — — — 2002年3月31日残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 株式変換に伴う資本準備金の増加高 . . . . . . . . . . . . . . . . 連結子会社増加に伴う増加高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 連結子会社減少に伴う減少高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 取締役賞与金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他有価証券評価差額金(税効果適用後)の変動額 . . . 為替換算調整勘定の変動額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 自己株式の取得及び売却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 715,080 — 31,404 — — — — — — — ¥47,586 — — — — — — — — — ¥38,397 — 8,297 — — — — — — — 2003年3月31日残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 746,484 ¥47,586 ¥46,694 — — — — 156 — — 為替換算 調整勘定 自己株式 ¥ — — — — — (2,048) — ¥ (0) — — — — — (0) ¥ 156 — — — — 95,337 — — ¥(2,048) — — — — — 444 — ¥ (0) — — — — — — (12) ¥68,189 3,911 — 866 (2) (3,564) (125) — — — ¥95,493 — — — — — — (88,571) — — ¥(1,604) — — — — — — — (998) — ¥ (12) — — — — — — — — (6,675) ¥69,275 ¥ 6,922 ¥(2,602) ¥(6,687) 単位:千米ドル(注記 3) 2002年3月31日残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 株式変換に伴う資本準備金の増加高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 連結子会社増加に伴う増加高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 連結子会社減少に伴う減少高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 取締役賞与金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他有価証券評価差額金(税効果適用後)の変動額 . . . . . . . . . . . . 為替換算調整勘定の変動額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 自己株式の取得及び売却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . $ 396,551 — — — — — — — — — $ 319,981 $568,246 $ 795,782 $(13,371) $ (105) — 32,592 — — — 69,140 — — — — — 7,221 — — — — (17) — — — — (29,701) — — — — (1,045) — — — — — (738,091) — — — — — (8,325) — — — — — (55,621) 2003年3月31日残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . $396,551 $389,121 $577,296 $ 57,691 $(21,696) $(55,726) 添付の注記はこれらの連結財務諸表の一部です。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 57 連結キャッシュ・フロー計算書 Consolidated Statements of Cash Flows 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 3月31日終了の各連結会計年度 営業活動によるキャッシュ・フロー 税金等調整前当期純利益 (損失). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 減価償却費(無形固定資産償却費含む) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 貸倒引当金の増加額(減少額) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 受取利息及び配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 支払利息 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 為替差(益) 損 ....................................................... 退職給付信託設定益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 会社分割に伴う営業移転利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 固定資産売却益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 投資有価証券売却益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 退職給付数理計算上の差異償却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 信託設定に伴う退職給付変更時差異一括償却 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 投資有価証券評価減 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他の特別損失 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 営業資産・負債の増減額 売上債権 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 棚卸資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 仕入債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 前受金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 利息及び配当金の受取額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 利息の支払額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 法人税等の支払額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 営業活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 投資活動によるキャッシュ・フロー 有価証券の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 有価証券の売却による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 有形固定資産の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 有形固定資産の売却による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 投資有価証券の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 投資有価証券の売却による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 貸付による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 貸付金の回収による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 投資活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 財務活動によるキャッシュ・フロー 短期借入金の純増加額 (減少額). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 長期借入れによる収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 長期借入金返済及び社債償還による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 社債の発行による収入 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 自己株式の取得による支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 配当金の支払額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 少数株主への配当金の支払額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 財務活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 現金及び現金同等物に係わる換算差額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 現金及び現金同等物の増加額 (減少額) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 現金及び現金同等物の期首残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 連結範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増加額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 連結子会社と非連結子会社との合併による増加高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 現金及び現金同等物の期末残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 添付の注記はこれらの連結財務諸表の一部です。 58 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 2003 ¥ 7,074 27,202 323 (2,009) 4,173 25 (21,004) (12,687) (1,064) (805) 23,861 — 11,996 3,959 2002 ¥ 2001 2003 231 29,826 (507) (3,493) 5,007 (180) (22,088) — (7,833) (15,521) 17,909 — 5,368 3,921 ¥ 21,319 32,608 602 (4,347) 5,887 (152) (107,983) — (2,497) (9,885) — 103,014 10,442 2,914 $ 58,957 226,691 2,695 (16,744) 34,780 208 (175,033) (105,729) (8,867) (6,709) 198,843 — 99,972 32,993 40,472 1,932 (10,311) (422) (28,439) 44,276 1,982 (4,244) (3,438) 38,576 47,986 12,257 (24,028) (468) (25,465) 22,922 3,598 (5,274) (11,516) 9,730 (32,821) (10,932) 15,890 1,161 11,214 36,434 4,289 (5,947) (4,557) 30,219 337,272 16,104 (85,927) (3,521) (237,017) 368,968 16,529 (35,370) (28,654) 321,473 — 6,748 (17,074) 6,181 (9,414) (2,497) 3,361 (11,155) 12,112 (2,716) (14,454) (1,749) 1,843 (23,961) 8,910 (63,526) – 49,514 (26,718) 24,360 (2,092) (33,419) (247) 3,307 (23,637) 2,787 (20,044) – 16,836 (13,866) 15,042 (1,691) (21,513) — 56,240 (142,286) 51,510 (78,453) (20,815) 28,013 (92,966) 100,935 (22,629) (120,451) (40,884) 15,100 (52,098) 41,000 (6,674) (3,564) (470) (242) (47,832) (213) (23,923) 38,109 852 — ¥ 15,038 22,470 7,550 (53,595) 40,000 (12) (6,078) (470) (212) 9,653 355 (13,681) 51,760 — 30 ¥ 38,109 12,396 10,703 (29,646) — (1) — (424) — (6,972) 586 2,320 49,440 — — ¥ 51,760 (340,708) 125,833 (434,152) 341,667 (55,621) (29,701) (3,919) (2,001) (398,602) (1,779) (199,359) 317,576 7,104 — $ 125,321 連結財務諸表の注記 Notes to the Consolidated Financial Statements 1 連結財務諸表の作成方針 添付されている連結財務諸表は日本において一般に公正妥当と認められた会計原則及び会計慣行に基づき作成され日本の証券取引法に基づき 内閣総理大臣に提出された連結財務諸表を基礎として作成されている。従って、添付の連結財務諸表は、日本以外の国及び管轄区域において一般 に認められた会計原則及び会計慣行と重要な点で異なっているかもしれない。また、その作成にあたって、日本以外の読者の理解に資するために、 前述の連結財務諸表に、一定の組替及び再分類を行っている。加えて、注記には日本における会計原則及び会計慣行において要求されていないも のも含まれている。 2 重要な会計方針の概要 a. 連結方針 2003年3月期における連結子会社は58社である(2002年3月期は60社、2001年3月期は63社である)。当社は連結の範囲の決定に際して支配力 基準を採用している。 従って、連結財務諸表は当社及び当社が直接間接に意思決定機関を支配している重要な子会社を含んでいる。連結会社間の重要な取引はすべて 消去している。連結会社間の資産の売買に伴う未実現利益は全額消去している。なお、子会社のうち、総資産・売上高・当期純損益・剰余金のそれぞ れの合計金額が連結財務諸表のそれぞれの該当金額に比して重要性が乏しいものは連結の範囲から除いている。 また、非連結子会社株式及び関連会社株式はそれぞれ連結当期純損益及び連結剰余金等に及ぼす影響が軽微であり、これらの投資については持 分法を適用せず、原価法によっている。 一部の子会社の決算日は12月末である。連結財務諸表の作成にあたっては、同日現在の財務諸表を使用し、連結決算日との間に生じた重要な取 引については、連結上必要な調整を行っている。 子会社の資産及び負債の評価については全面時価評価法を採用している。 連結調整勘定は5年間の均等償却を行っている。なお、当該連結調整勘定は、固定負債の 「その他」 に含めて記載しており、その金額は6,667百万 円(55,559千米ドル) である。 b. 現金同等物 取得日から3ヶ月以内に満期又は償還日が到来する短期的な投資を現金同等物としてキャッシュ・フロー計算書を作成している。 c. 棚卸資産 原材料及び貯蔵品の評価方法は最終仕入原価法によっており、製品及び仕掛品の評価方法は最終仕入原価法を採用している一部の連結子会社を 除き、個別法又は総平均法による原価法によっている。なお、一般に公正妥当と認められた会計慣行に従い、棚卸資産の中に製造期間が一年を超 えるものも含めている。 d. 有価証券 2001年3月期までは、有価証券については保有目的から満期保有目的の債券とその他有価証券に分類し、以下の様に処理している。 i) 満期保有目的の債券は償却原価法により評価している。 ii)その他有価証券は、主として移動平均法による原価法により評価している。 2002年3月期より、その他有価証券の時価評価を全面適用しており、その他有価証券評価差額金を資本の部に計上している。 e. 有形固定資産の減価償却 有形固定資産の減価償却方法は定率法によっている。ただし、国内の連結会社は、1998年4月1日以降に取得した建物 (建物附属設備を除く) につ いては定額法によっている。建物の耐用年数は7∼50年であり、機械装置の耐用年数は5∼13年である。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 59 連結財務諸表の注記 f. 貸倒引当金 貸倒引当金については、売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個 別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上している。 g. 退職給付引当金 当社及び国内連結子会社は、確定給付型の制度として、厚生年金基金制度、適格退職年金制度及び退職一時金制度ならびに確定拠出型年金制度 を設けている。 従業員の退職給付に備えるため、連結貸借対照表日における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上している。 会計基準変更時差異については、10年による按分額を費用処理している。 過去勤務債務は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の年数による定額法により費用処理している。 数理計算上の差異は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の年数による定額法により、それぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理す ることとしている。 当社は、退職給付を目的とした信託に、保有する有価証券の一部7,897百万円 (65,812千米ドル) を拠出しており、21,004百万円 (175,033千米ド ル) の退職給付信託設定益が計上されている。 一部の国内連結子会社は、確定拠出年金法の施行に伴い、2002年3月に適格退職年金と退職一時金制度を廃止して、確定拠出年金を中心とする 退職給付制度へ移行し 「退職給付制度間の移行等に関する会計処理」 を適用している。 h. 研究開発費 支出時に全額費用として処理している。 i. リース リース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの以外のファイナンスリース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計 処理によっている。 j. 収益の認識基準 製品については原則として出荷基準で、工事物件については原則として完納基準で売上を計上している。 k. 法人税等 法人税等は税金等調整前当期純利益に基づき計算している。税効果会計の処理については資産負債法によっている。 l. 外貨建取引の換算方法 為替予約が付されているものを除き外貨建短期金銭債権債務及び外貨建長期金銭債権債務は連結決算日の為替レートにより円貨に換算し、換算 差額は損益として処理している。 m. 在外子会社の財務諸表の換算方法 在外子会社等の資産及び負債、収益及び費用は連結決算日の為替レートにより円貨に換算している。 換算差額は少数株主持分及び資本の部における 「為替換算調整勘定」に含めて計上している。 n. デリバティブ及びヘッジ会計の方法 当社グループは外国為替相場の変動によるリスクにさらされており、このリスクを回避するために外貨建債権債務の為替予約取引を行い、為替 変動リスクをヘッジしている。また、金利スワップにより金利変動リスクを一定の範囲内でヘッジしている。 a) デリバティブは時価法により評価し、b) 振当処理の要件を満たしている外貨建売掛金、外貨建買掛金及び外貨建予定取引に関する為替予約に ついては振当処理によっており、c) 特例処理の要件を満たしている金利スワップについては特例処理によっている。 60 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Notes to the Consolidated Financial Statements o. 消費税等の会計処理 税抜方式によっている。 p. 自己株式及び法定準備金 が2002年4月1日以後に適用されることになったことに伴い、2003 「自己株式及び法定準備金の取崩等に関する会計基準」 (企業会計基準第1号) 年3月期から同会計基準によっている。これによる2003年3月期の損益に与える影響は軽微である。 q. 連結財務諸表規則 連結財務諸表規則の改正により、2003年3月期における連結貸借対照表の資本の部については、改正後の連結財務諸表規則により作成している。 r. 一株当り当期純利益(損失) (企業会計基準第2号) 及 一株当り当期純利益 (損失) は期中平均株式数に基づき計算されている。なお、 「1株当たり当期純利益に関する会計基準」 び 「1株当たり当期純利益に関する会計基準の適用指針」 (企業会計基準適用指針第4号) が2002年4月1日以後開始する連結会計年度に係る連結財務 諸表から適用されることになったことに伴い、2003年3月期から同会計基準及び適用指針によっている。2003年3月期については新会計基準に基 づき計算している。 潜在株式調整後一株当り当期純利益は潜在株式がないため記載していない。 3 米ドルによる表示 添付されている連結財務諸表及びその注記に含まれる米ドル建ての金額は、円建てで作成された各項目に2003 年3 月 31 日の概算為替相場 (1米ドル120円) を単純に乗じたものであり、日本以外の読者の理解に資することを目的とした参考資料である。 4 有価証券 その他有価証券で時価のあるもの: 単位:百万円 2003 株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 取得原価 連結貸借対照表 計上額 評価差額 (貸方) 評価差額 (借方) ¥117,064 257 363 ¥128,426 257 344 ¥11,362 0 — ¥ — — (19) ¥117,684 ¥129,027 ¥11,362 ¥(19) 取得原価 連結貸借対照表 計上額 評価差額 (貸方) ¥136,993 1,969 1,418 ¥301,796 1,971 1,413 ¥164,803 2 — ¥— — (5) ¥140,380 ¥305,180 ¥164,805 ¥(5) 2002 株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 評価差額 (借方) FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 61 連結財務諸表の注記 2001 株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 取得原価 連結貸借対照表 計上額 評価差額 (貸方) 評価差額 (借方) ¥4,479 3,132 1,122 ¥4,741 3,202 1,117 ¥261 70 — ¥— — (5) ¥8,733 ¥9,060 ¥332 ¥(5) 単位:千米ドル(注記3) 2003 株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 取得原価 連結貸借対照表 計上額 評価差額 (貸方) 評価差額 (借方) $975,538 2,146 3,021 $1,070,217 2,146 2,861 $94,679 0 — $ $980,705 $1,075,224 $94,679 $(160) — — (160) 時価評価されない有価証券の主な内容及び連結貸借対照表計上額: 連結貸借対照表計上額 単位:千米ドル (注記3) 単位:百万円 2003 2002 2001 2003 満期保有目的債券 非公募の内国債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 5,050 ¥ 5,000 ¥ 5,000 $ 42,083 その他有価証券 非上場株式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 非公募の優先出資証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . マネー・マネジメント・ファンド . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 非上場の外国債券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4,620 5,500 — — 4,364 3,000 — — 4,590 — 5,105 200 38,506 45,833 — — 合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥15,170 ¥12,364 ¥14,895 $126,422 満期保有目的債券の売却: 資金需要が見込まれるため、2002年3月期に売却した満期保有目的の債券の売却額は1,554百万円、売却原価1,397百万円、売却益は156百万円 である。 売却したその他有価証券: 単位:千米ドル (注記3) 単位:百万円 売却額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 売却益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 売却損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . (注)公社債投資信託、MMF等の売却額は含めていない。 62 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 2003 2002 2001 2003 ¥32,139 21,804 242 ¥72,084 37,277 521 ¥128,295 117,210 1,241 $267,830 181,701 2,024 Notes to the Consolidated Financial Statements その他有価証券のうち満期があるもの及び満期保有目的の債券の今後の償還予定額: 単位:千米ドル (注記3) 単位:百万円 債券 その他 債券 2003 その他 債券 2002 その他 債券 2001 その他 2003 1年以内 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1年超5年以内 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5年超10年以内 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10年超 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥250 8 1 — ¥ — 9 3 — ¥ 704 6,268 1 0 ¥ — 9 4 — ¥1,220 6,320 1,066 0 ¥130 — 20 — $2,091 69 13 — $ — 75 26 — 合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥259 ¥12 ¥6,973 ¥13 ¥8,606 ¥150 $2,173 $101 その他有価証券に係る貸借対照表計上額等は以下のとおりである。 (2001年3月31日現在) 単位:百万円 連結貸借対照表計上額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 時価 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 評価差額金相当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 繰延税金負債相当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 少数株主持分相当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥116,816 480,164 209,645 152,969 732 5 棚卸資産 各連結会計年度末における棚卸資産の内訳は以下のとおりである。 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 製品 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 仕掛品 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 原材料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2003 2002 2001 2003 ¥ 79,767 56,374 16,286 ¥ 73,178 58,179 14,096 ¥ 78,728 64,653 15,889 $ 664,727 469,789 135,711 ¥152,427 ¥145,453 ¥159,270 $1,270,227 6 担保資産 各連結会計年度末における仕入債務、短期借入金及び長期借入金の担保に供している資産の内訳は以下のとおりである。 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 2003 定期預金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 投資有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 有形固定資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 540 826 31,587 2002 434 1,677 29,772 2001 ¥ ¥ ¥ 330 565 21,815 ¥32,953 ¥31,883 ¥22,710 2003 $ 4,500 6,885 263,224 $274,609 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 63 連結財務諸表の注記 7 短期借入金並びに長期借入金及び社債 各連結会計年度末における短期借入金の内訳は以下のとおりである。 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 主に銀行借入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . コマーシャルペーパー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2003 2002 2001 2003 ¥146,640 105,500 ¥170,304 106,000 ¥193,697 61,000 $1,222,002 879,167 ¥252,140 ¥276,304 ¥254,697 $2,101,169 2003、2002年及び2001年3月31日の短期借入金の加重平均利率はそれぞれ0.32%、0.40%及び0.63%である。 各連結会計年度末における長期借入金及び社債の内訳は以下のとおりである。 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 2003 2002 2001 2003 主に銀行及び保険会社からの借入金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 65,724 ¥ 63,817 ¥ 68,841 $ 547,714 当社が発行した社債 2001年満期2.95%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2002年満期2.0%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2002年満期2.05%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2003年満期2.15%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2003年満期2.25%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2004年満期0.48%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2004年満期2.35%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2006年満期1.02%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2006年満期1.06%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2007年満期1.07%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2007年満期1.11%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2007年満期1.12%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2007年満期1.15%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2008年満期0.89%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2008年満期0.48%利付社債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . — — — — 20,000 100 20,000 20,000 20,000 8,000 12,000 7,000 13,000 500 400 — — 20,000 20,000 20,000 — 20,000 20,000 20,000 — — — — — — 20,000 20,000 20,000 20,000 20,000 — 20,000 — — — — — — — — — — — — 166,667 833 166,667 166,667 166,667 66,667 100,000 58,333 108,333 4,166 3,333 差引:一年内返済予定額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 186,724 52,092 183,817 52,661 188,841 56,495 1,556,047 434,106 ¥134,632 ¥131,156 ¥132,346 $1,121,941 2003、2002年及び2001年3月31日の、主に銀行及び保険会社からの借入金の加重平均利率はそれぞれ1.91%、2.11%及び3.00%である。 連結決算日後における社債及び長期借入金の償還または返済予定は以下のとおりである。 2004年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2005年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2006年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2007年 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2008年以降 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 64 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 単位:百万円 単位:千米ドル (注記 3) ¥ 52,092 16,734 8,753 45,053 64,092 $ 434,106 139,455 72,942 375,447 534,097 ¥186,724 $1,556,047 Notes to the Consolidated Financial Statements 8 退職給付 当社及び国内連結子会社は、確定給付型の制度として、厚生年金基金制度、適格退職年金制度及び退職一時金制度ならびに確定拠出年金制度を 設けている。 当社及び一部の国内連結子会社が加入する富士電機厚生年金基金は、確定給付企業年金法の施行に伴い、厚生年金基金の代行部分について、2003 年1月17日に厚生労働大臣から将来分支給義務免除の認可を受けた。 当社及び一部の国内連結子会社は 「退職給付会計に関する実務指針 (中間報告) (日本公認会計士協会会計制度委員会報告書第13号) 」 第47-2項に 定める経過措置を適用し、当該認可の日において代行部分に係る退職給付債務と返還相当額の年金資産を消滅したものとみなして処理している。 また従業員の退職等に際して、退職給付会計に準拠した数理計算による退職給付債務の対象とされない割増退職金を支払う場合がある。 退職給付債務に関する事項: 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 2003 退職給付債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 年金資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2002 2001 ¥(231,355) ¥(388,740) ¥(412,893) $(1,927,961) 105,245 273,247 286,103 877,049 未積立退職給付債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 会計基準変更時差異の未処理額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 未認識数理計算上の差異 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 未認識過去勤務債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . (126,110) 12,407 161,263 (1,811) (115,493) 19,771 124,200 (10,086) 連結貸借対照表計上額純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 45,749 18,392 51,904 23,298 (6,155) ¥ (4,906) ¥ 前払年金費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 退職給付引当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2003 ¥ (126,790) (1,050,912) 25,839 103,394 96,030 1,343,864 (599) (15,099) (5,520) 381,247 24 432,543 (5,544) $ (51,296) (注)1. 前連結会計年度は厚生年金基金の代行部分を含め、当連結会計年度は代行返上に伴い代行部分を控除して記載している。 2. 2000年3月の厚生年金保険法の改正に伴い、2002年3月期において当社及び一部の国内連結子会社の厚生年金基金の代行部分に係る支給開始年齢の引き上げについての規約改正を行った ことにより、過去勤務債務(債務の減額)が発生している。 3. 一部の国内連結子会社は、退職給付債務の算定にあたり、簡便法を採用している。 2003年3月期の厚生年金基金の代行返上による影響額は以下のとおりである。 単位:百万円 2003 退職給付債務の減少 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 年金資産の減少 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 会計基準変更時差異の未処理額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 未認識数理計算上の差異 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 未認識過去勤務債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 退職給付引当金の減少 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 単位:千米ドル (注記 3) 2003 ¥ 178,124 $1,484,370 (118,797) (989,980) (5,822) (48,518) (42,359) (352,996) 7,648 63,742 ¥ 18,794 $ 156,618 2003年3月31日において測定された年金資産の返還相当額は114,880百万円(957,340千米ドル) である。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 65 連結財務諸表の注記 2002年3月期の適格退職年金及び退職一時金制度の確定拠出年金及び退職金前払制度への移行に伴う影響額は、以下のとおりである。 単位:百万円 2002 退職給付債務の減少 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 会計基準変更時差異の未処理額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 未認識数理計算上の差異 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 未認識過去勤務債務 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 4,039 (3,181) (380) — 退職給付引当金の減少 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 478 退職給付費用に関する事項: 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 2003 2002 2001 2003 勤務費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 利息費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 期待運用収益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 会計基準変更時差異の費用処理額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 数理計算上の差異の費用処理額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 過去勤務債務の費用処理額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 9,526 11,996 (6,860) 2,454 24,832 (1,459) ¥11,740 ¥ 11,470 13,140 12,600 (8,279) (8,947) 2,675 105,886 17,709 — (722) (10) $ 79,386 99,973 (57,173) 20,451 206,939 (12,166) 退職給付費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 40,489 ¥36,263 ¥120,999 $ 337,410 1,655 — — — — — — — — — ¥37,918 ¥120,999 確定拠出年金制度等への移行に伴う損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 確定拠出年金制度への掛金支払額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 厚生年金基金の代行部分返上に伴う損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 簡便法から原則法への移行に伴う損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 制度終了に伴う損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . — 64 (18,794) 292 (145) ¥ 21,906 — 537 (156,618) 2,434 (1,211) $ 182,552 上記退職給付費用以外に割増退職金を2003年3月期に6,021百万円 (50,182千米ドル) 、2002年3月期に14,745百万円、2001年3月期に1,253百 万円を支払っている。 厚生年金基金に対する従業員拠出額を控除している。 退職給付債務等の計算の基礎に関する事項: 割引率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 期待運用収益率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2003 2002 2001 主に2.5% 主に4.0% 主に3.5% 主に4.0% 主に3.5% 主に4.0% 過去勤務債務の費用処理方法は、発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の年数による定額法による。 数理計算上の差異の費用処理方法は発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の年数による定額法により、それぞれ発生の翌連結会計年度から費 用処理することとしている。 会計基準変更時差異の処理年数は10年である。 66 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Notes to the Consolidated Financial Statements 9 利益処分項目等の取り扱いに関する事項 2001年10月1日以前、日本の商法は各期における利益処分のなかの現金配当や役員賞与などのうち最低10%を、利益準備金として資本金の25% まで積み立てることを規定していた。2001年10月1日より改正商法によりこのような利益準備金は資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の 25%にいたるまで積み立てることとなった。この利益準備金は配当に使うことが認められていない。 連結剰余金の処分に関する事項は、各連結会計年度中に確定した利益処分に基づいて作成されている。 10 一般管理費及び当期総製造費用に含まれる研究開発費 単位:千米ドル (注記3) 単位:百万円 2003 2002 2001 ¥26,780 ¥28,064 ¥27,017 2003 $223,167 11 特別損失・純額 特別損失・純額の内訳は以下のとおりである。 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 特別利益 退職給付信託設定益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 厚生年金代行部分返上益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 会社分割に伴う営業移転利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 固定資産売却損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 投資有価証券売却益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 特別損失 退職給付数理計算上の差異 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 投資有価証券評価減 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 特別退職金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 生産体制再編費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 固定資産売却損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 関係会社清算損 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 信託設定に伴う退職給付変更時差異一括償却費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2003 2002 2001 ¥ 21,004 18,794 12,687 1,064 805 271 ¥ 22,088 — — 7,833 15,521 — ¥ 107,983 — — 2,497 9,885 — (23,861) (11,996) (5,104) (4,596) (3,304) — — (7,674) ¥ (1,910) (17,909) (5,368) (13,461) (2,056) (2,540) (2,803) — (6,865) ¥ (5,560) ¥ 2003 $ 175,033 156,618 105,729 8,867 6,709 2,279 — (10,442) — — — — (103,014) (8,112) (198,843) (99,972) (42,538) (38,306) (27,539) — — (63,952) (1,203) $ (15,915) FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 67 連結財務諸表の注記 12 法人税等 法人税等の内訳は、以下のとおりである。 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 法人税、住民税及び事業税 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 法人税等調整額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2003 2002 2001 ¥ 4,166 (1,095) ¥3,457 983 ¥12,098 (1,390) $34,720 (9,123) 2003 ¥ 3,071 ¥4,440 ¥10,708 $25,597 法人税等の金額は、法人税、住民税及び事業税のうち利益に関連する金額を課税標準とする税金からなっている。 各連結会計年度末における繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳は以下のとおりである。 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 繰延税金資産 退職給付引当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 投資有価証券 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 棚卸資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 繰越欠損金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 未払従業員賞与 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 有形固定資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他有価証券評価差額金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 繰延税金資産小計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 評価性引当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2003 2002 ¥ 31,773 4,704 4,513 10,969 6,175 4,077 420 5,808 ¥ 52,241 2,835 5,477 5,049 4,123 1,407 194 4,341 68,439 (1,113) 75,667 (3,175) 繰延税金資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 67,326 ¥ 72,492 繰延税金負債 その他有価証券評価差額金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 退職給付信託設定益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 圧縮記帳積立金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ (4,996) ¥ (69,557) (44,668) (54,696) (426) (2,695) (74) (143) 繰延税金負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . (50,164) (127,091) 繰延税金資産(負債) の純額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥(17,162) ¥ (54,599) 2001 ¥ — 4,922 4,795 2,751 4,902 2,112 — 2,954 22,436 (3,563) 2003 $ 264,775 39,204 37,612 91,412 51,463 33,980 3,502 48,384 570,332 (9,280) ¥18,873 $ 561,052 ¥ — — (2,877) (563) $ (41,637) (372,239) (3,555) (596) (3,440) (418,027) ¥15,433 $ 143,025 法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の内容は以下のとおりである。なお2003年3月期については、法定実効税率と税 効果会計適用後の法人税等の負担率との間の差異が法定実効税率の100分の5以下であるため注記を省略している。 2002 2001 法定実効税率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 交際費等永久に損金に算入されない項目 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 評価性引当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 住民税均等割 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 42.1% 992.3 331.4 197.6 356.7 42.1% 9.2 — — (1.0) 税効果会計適用後の法人税等の負担率 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1,920.1% 50.2% 68 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Notes to the Consolidated Financial Statements 地方税法等の一部を改正する法律 (2003年法律第9号) が2003年3月31日に公布されたことに伴い、当連結会計年度の繰延税金資産及び繰延税 ) に使用した法定実効税率は、前連結会計年度の42.1%から40.5%に変更 金負債の計算 (ただし、2004年4月1日以降解消が見込まれるものに限る。 された。その結果、繰延税金負債の金額 (繰延税金資産の金額を控除した金額) が123百万円 (1,029千米ドル) 減少し、2003年3月期に計上された法 人税等調整額が53百万円(445千米ドル) 増加、その他有価証券評価差額金が176百万円(1,473千米ドル) 増加している。 13 キャッシュ・フローの補足情報 a. 株主の取得により新たに吹上富士自販機(株)を連結したことに伴う2002年4月1日の資産及び負債の内訳並びに同社株式の取得原価と同社取得 のための支出(純額) との関係は次のとおりである。 単位:百万円 単位:千米ドル (注記 3) 2003 2003 流動資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 固定資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 連結調整勘定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 流動負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 固定負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 34,627 9,297 3,177 (37,343) (388) $ 288,565 77,479 26,471 (311,192) (3,240) 吹上富士自販機 (株) 株式の取得価額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 吹上富士自販機 (株) の現金及び現金同等物 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9,370 (6,873) 78,083 (57,268) 差引:吹上自販機(株) 取得のための支出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 2,497 $ 20,815 b. 2003年3月期において、会社分割により(株)日本AEパワーシステムズに承継させた資産及び負債の主な内訳は次のとおりである。なお、当該 分割により取得した同社株式の取得価額は11,716百万円(97,637千米ドル) である。 単位:百万円 単位:千米ドル (注記 3) 2003 2003 流動資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 固定資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥3,154 5,747 $26,285 47,891 資産合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥8,901 $74,176 流動負債 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥4,420 $36,834 負債合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥4,420 $36,834 14 重要な非資金取引の内容 (65,812千米ドル) 、2002年3月期が2,944百万円、2001 a. 退職給付を目的として信託に拠出した投資有価証券の額は、2003年3月期が7,897百万円 年3月期が4,295百万円である。また、退職給付信託設定益の額は、2003年3月期が21,004百万円 (175,033千米ドル) 、2002年3月期が22,088百万 円、2001年3月期が107,983百万円である。 b. 2003年3月期において、富士電機冷機(株)と株式交換を行ったことにより、資本準備金が8,297百万円(69,140千米ドル)増加した。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 69 連結財務諸表の注記 15 偶発債務 各連結会計年度末における偶発債務の金額は以下のとおりである。 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 受取手形割引及び裏書高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 債務保証 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2003 2002 2001 ¥ 658 16,861 ¥ 990 19,618 ¥ 1,941 17,942 2003 $ 5,489 140,509 16 リース リース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの以外のファイナンス・リース取引に係る各連結会計年度末のリース物件の取得価額相当 額、減価償却累計額相当額、未経過リース料期末残高相当額、支払リース料、減価償却費相当額は以下のとおりである。 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 2003 2002 2001 2003 機械装置 及び 工具器具備品 機械装置 及び 工具器具備品 機械装置 及び 工具器具備品 機械装置 及び 工具器具備品 取得価額相当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 減価償却累計額相当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥63,096 30,449 ¥54,040 29,405 ¥46,705 22,494 $525,800 253,734 期末残高相当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥32,647 ¥24,635 ¥24,211 $272,066 未経過リース料期末残高相当額: 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 2003 2002 2001 2003 1年内 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1年超 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥10,475 22,849 ¥10,548 14,670 ¥ 8,889 15,322 $ 87,294 190,413 合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥33,324 ¥25,218 ¥24,211 $277,707 支払リース料及び減価償却費相当額: 単位:千米ドル (注記 3) 単位:百万円 支払リース料 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 減価償却費相当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 支払利息相当額 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2003 2002 2001 ¥11,625 11,055 613 ¥12,012 11,334 674 ¥9,137 9,137 — 2003 $96,880 92,129 5,114 オペレーティングリース取引の未経過リース料は以下のとおりである。 単位:百万円 単位:千米ドル (注記 3) 2003 2002 1年内 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1年超 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥412 485 ¥ 435 897 $3,441 4,034 合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥897 ¥1,332 $7,475 70 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 2003 Notes to the Consolidated Financial Statements 17 デリバティブ取引 当社及び連結子会社は国際的に事業を営んでいるため、外国為替相場の変動によるリスクにさらされており、そのリスクを回避するためデリバ ティブ取引を利用している。また、金利の変動に備えるため、金利スワップ契約を結んでいる。投機的な取引及び短期的な売買損益を得る取引の 利用は行っていない。 デリバティブ取引は信用し得る金融機関とのみ行っているため、契約不履行による損失の発生はないものと考えている。 すべてのデリバティブ取引は実需に基づく債権債務を対象としており、当該取引により生じる損益は基本的にヘッジ対象の資産負債に係る為替 差損益と相殺される関係になっている。デリバティブ取引は、当社グループの運用ルールに基づいている。各社毎に各部門の申請により財務経理 部門が契約の締結を行っている。また各社の財務経理部門は経営陣並びに各部門へ報告を行っている。 各連結会計年度末におけるデリバティブ取引の時価等に関する事項は以下のとおりである。 単位:百万円 2003 2002 2001 契約額 時価 評価損益 契約額 時価 評価損益 契約額 時価 評価損益 為替予約取引 売建: 米ドル . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ユーロ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . カナダドル . . . . . . . . . . . . . . . . . ドイツマルク . . . . . . . . . . . . . . . その他 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥1,291 910 47 — — ¥1,274 951 51 — — ¥ 17 (41) (4) — — ¥4,361 922 — — — ¥4,629 956 — — — ¥(268) (34) — — — ¥4,613 — — 875 2 ¥5,096 — — 862 2 ¥(482) — — 12 0 買建: 円. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 47 48 1 — — — — — — 米ドル . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . — — — 0 0 0 — — — 合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ — ¥ — ¥(27) ¥ — ¥ — ¥(302) ¥ — ¥ — ¥(470) 単位:千米ドル (注記 3) 2003 契約額 時価 為替予約取引 売建: 米ドル . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ユーロ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . カナダドル . . . . . . . . . . . . . . . . $10,758 7,583 391 $10,616 7,925 425 買建: 円. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 391 400 合計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . $ — $ 評価損益 — $ 142 (342) (34) 9 $(225) ヘッジ会計が適用されているものについては、開示の対象から除いている。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 71 連結財務諸表の注記 18 セグメント情報 会社の事業の種類別セグメントは、 (1 ) 電機システム、 (2) 機器・制御、 (3) 電子、 (4) 流通機器システム及び (5) その他からなっている。 各連結会計年度における、売上高、営業費用及び営業利益 (損失)等のセグメント別の概要は以下のとおりである。 単位:百万円 電機 システム 2003 売上高 外部顧客に対する売上高 . . . ¥379,701 セグメント間の内部 売上高又は振替高 . . . . . . . . . 3,681 計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 営業費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 機器・制御 電子 流通機器 システム その他 計 ¥148,786 ¥122,652 ¥154,016 ¥27,259 ¥832,414 11,161 1,923 419 48,881 66,065 (66,065) — 159,947 158,752 124,575 117,358 154,435 151,838 76,140 74,053 898,479 885,563 (66,065) (66,058) 832,414 819,505 2,597 ¥ 2,087 ¥ 12,916 ¥ (7) ¥ 12,909 383,382 383,562 営業利益 (損失) . . . . . . . . . . . . ¥ (180) 資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥358,409 ¥ 1,195 ¥ 7,217 ¥ 消去又は 全社 ¥ 連結 — ¥832,414 ¥139,922 ¥140,269 ¥111,732 ¥73,577 ¥823,909 ¥ 97,212 ¥921,121 減価償却費 (無形固定資産償却費含む) . . . ¥ 6,361 ¥ 4,928 ¥ 12,485 ¥ 1,622 ¥ 1,718 ¥ 27,114 ¥ 88 ¥ 27,202 資本的支出 . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 2,987 ¥ 3,530 ¥ ¥ 1,705 ¥ 1,142 ¥ 16,843 ¥ 20 ¥ 16,863 7,479 単位:百万円 電機 システム 2002 売上高 外部顧客に対する売上高 . . . . . ¥408,994 セグメント間の内部 売上高又は振替高 . . . . . . . . . 4,560 計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 営業費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 機器・制御 電子 流通機器 システム ¥147,354 ¥125,557 ¥129,200 ¥28,030 ¥839,135 11,766 2,868 388 47,179 66,761 (66,761) — 159,120 162,480 128,425 123,925 129,588 127,087 75,209 74,690 905,896 898,501 (66,761) (66,855) 839,135 831,646 413,554 410,319 営業利益 (損失) . . . . . . . . . . . . ¥ 3,235 資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥369,110 4,500 ¥ 2,501 ¥ その他 計 519 ¥ 7,395 消去又は 全社 ¥ ¥ 連結 — ¥ 839,135 ¥ (3,360) ¥ 94 ¥ 7,489 ¥133,559 ¥142,499 ¥101,278 ¥75,274 ¥821,720 ¥283,151 ¥1,104,871 減価償却費 (無形固定資産償却費含む) . . . ¥ 7,043 ¥ 4,772 ¥ 13,743 ¥ 2,420 ¥ 1,754 ¥ 29,732 ¥ 94 ¥ 29,826 資本的支出 . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 5,856 ¥ 4,971 ¥ 11,005 ¥ 3,384 ¥ 1,500 ¥ 26,716 ¥ 19 ¥ 26,735 72 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Notes to the Consolidated Financial Statements 単位:百万円 電機 システム 機器・制御 ¥408,954 2001 売上高 外部顧客に対する売上高 . . . セグメント間の内部 売上高又は振替高 . . . . . . . . . 計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 営業費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 電子 流通機器 システム その他 計 ¥175,090 ¥135,101 ¥142,348 ¥29,593 ¥891,086 4,599 21,429 2,841 690 48,808 78,367 (78,367) — 413,553 406,044 196,519 191,180 137,942 132,003 143,038 139,262 78,401 75,972 969,453 944,461 (78,367) (78,382) 891,086 866,079 3,776 ¥ 2,429 ¥ 24,992 ¥ 15 ¥ 25,007 7,509 ¥ 5,339 ¥ 5,939 ¥ 消去又は 全社 ¥ — 連結 ¥891,086 ¥381,451 ¥153,090 ¥148,366 ¥113,877 ¥74,778 ¥871,562 ¥92,649 ¥964,211 減価償却費 (無形固定資産償却費含む) . . . ¥ 7,307 ¥ 5,041 ¥ 15,034 ¥ 3,375 ¥ 1,753 ¥ 32,510 ¥ 98 ¥ 32,608 資本的支出 . . . . . . . . . . . . . . . . ¥ 6,604 ¥ 4,006 ¥ ¥ 5,642 ¥ 1,659 ¥ 25,961 ¥ 41 ¥ 26,002 8,050 単位:千米ドル(注記 3) 電機 システム 機器・制御 $3,164,180 $1,239,887 2003 売上高 外部顧客に対する売上高 . . . セグメント間の内部 売上高又は振替高 . . . . . . . . . 計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 営業費用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 電子 流通機器 システム その他 計 消去又は 全社 $1,022,104 $1,283,470 $227,149 $6,936,790 $ 連結 — $6,936,790 30,673 93,010 16,022 3,494 407,336 550,535 (550,535) — 3,194,853 3,196,357 1,332,897 1,322,938 1,038,126 977,980 1,286,964 1,265,320 634,485 617,096 7,487,325 7,379,691 (550,535) (550,481) 6,936,790 6,829,210 営業利益 (損失) . . . . . . . . . . . . $ 21,644 $ 17,389 $ 107,634 $ 資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . $2,986,741 (1,504) $ $1,166,016 9,959 $1,168,908 $ 60,146 $ 931,100 $613,143 $6,865,908 $ 810,107 $7,676,015 減価償却費 (無形固定資産償却費含む) . . . $ 53,010 $ 41,072 $ 104,046 $ 13,523 $ 14,305 $ 225,956 $ 735 $ 226,691 資本的支出 . . . . . . . . . . . . . . . . $ 24,896 $ 29,418 $ $ 14,216 $ $ 140,363 $ 165 $ 140,528 62,327 $ 9,506 (54) $ 107,580 ・海外売上高 2003年3月31日終了の連結会計年度 単位:百万円 1.海外売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 北米 ヨーロッパ アジア その他 合計 ¥25,747 ¥12,580 ¥71,437 ¥9,379 ¥119,143 2.連結売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . — — — — ¥832,414 3.連結売上高に占める海外売上高の割合 (%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3.1% 1.5% 8.6% 1.1% 14.3% 2002年3月31日終了の連結会計年度 単位:百万円 北米 ヨーロッパ アジア その他 合計 1.海外売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥16,096 ¥11,977 ¥73,471 ¥8,896 ¥110,440 2.連結売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . — — — — ¥839,135 3.連結売上高に占める海外売上高の割合 (%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1.9% 1.4% 8.8% 1.1% 13.2% FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 73 連結財務諸表の注記 Notes to the Consolidated Financial Statements 2001年3月31日終了の連結会計年度 単位:百万円 北米 ヨーロッパ アジア その他 合計 1.海外売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥17,912 ¥10,788 ¥85,248 ¥3,607 ¥117,555 2.連結売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . — — — — ¥891,086 3.連結売上高に占める海外売上高の割合 (%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2.0% 1.2% 9.6% 0.4% 13.2% 2003年3月31日終了の連結会計年度 単位:千米ドル(注記 3) 北米 ヨーロッパ アジア その他 合計 1.海外売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . $214,560 $104,841 $595,309 $78,149 $ 992,859 2.連結売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . — — — — $6,936,790 3.連結売上高に占める海外売上高の割合 (%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3.1% 1.5% 8.6% 1.1% 14.3% (注)海外売上高は、当社及び連結子会社の日本以外の国又は地域における売上高である。 ・所在地別セグメント情報 全セグメントの売上高の合計及び全セグメントの資産の金額の合計額に占める日本の割合がいずれも90%を超えているため、記載を省略している。 19 後発事象 a. 当社は、2002年12月26日付で、グループ経営強化の一環として、平成15年度からの適用に向けて連結納税に係る承認申請を行っていたが、2003 年5月29日に国税庁長官から当該申請を承認する旨の通知を受けた。 b. 社債の発行 2003年6月16日に、当社は、発行総額10,000百万円 (83,333千米ドル)、利率0.83%、償還期限2008年6月16日、発行総額10,000百万円 (83,333 千米ドル) 、利率1.14%、償還期限2010年6月16日の社債を発行した。上記社債の発行価格は額面100円につき100円である。 c. 利益処分 2003年3月期の利益処分案が2003年6月27日の株主総会で以下のように承認された。 単位:百万円 配当金(1株あたり2.5円). . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 取締役賞与金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 74 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 ¥1,788 50 単位:千米ドル (注記 3) $14,907 416 監査報告書 Independent Auditors’ Report 前掲の連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められた会計原則及び会計慣行に準拠して作成され、日本の証券取引法に基づき内閣 総理大臣に提出された連結財務諸表を基礎として、日本国外の読者の便宜のため、その一部を組替調整して作成された英文の連結財務諸表を日本 文に訳したものである。 英文の連結財務諸表について、下記の通り、英文の監査報告書が添付されており、その日本語訳は英文の監査報告書の後に示してある。 The Board of Directors Fuji Electric Co., Ltd. Certified Public Accountants Hibiya Kokusai Bldg. 2-2-3, Uchisaiwai-cho Chiyoda-ku, Tokyo 100-0011 C.P.O. Box 1196, Tokyo 100-8641 Phone: 03 3503-1100 Fax: 03 3503-1197 We have audited the accompanying consolidated balance sheets of Fuji Electric Co., Ltd. and consolidated subsidiaries as of March 31, 2003, 2002 and 2001, and the related consolidated statements of operations, shareholders’ equity, and cash flows for the years then ended, all expressed in yen. These financial statements are the responsibility of the Company’s management. Our responsibility is to independently express an opinion on these financial statements based on our audits. We conducted our audits in accordance with auditing standards, procedures and practices generally accepted and applied in Japan. Those standards, procedures and practices require that we plan and perform the audit to obtain reasonable assurance about whether the financial statements are free of material misstatement. An audit includes examining, on a test basis, evidence supporting the amounts and disclosures in the financial statements. An audit also includes assessing the accounting principles used and significant estimates made by management, as well as evaluating the overall financial statement presentation. We believe that our audits provide a reasonable basis for our opinion. In our opinion, the financial statements referred to above present fairly, in all material respects, the consolidated financial position of Fuji Electric Co., Ltd. and consolidated subsidiaries at March 31, 2003, 2002 and 2001, and the consolidated results of their operations and their cash flows for the years then ended in conformity with accounting principles and practices generally accepted in Japan. The U.S. dollar amounts in the accompanying consolidated financial statements with respect to the year ended March 31, 2003 are presented solely for convenience. Our audit also included the translation of yen amounts into U.S. dollar amounts and, in our opinion, such translation has been made on the basis described in Note 3 to the consolidated financial statements. June 27, 2003 See Note 1 to the consolidated financial statements which explains the basis of preparation of the consolidated financial statements of Fuji Electric Co., Ltd. and consolidated subsidiaries under Japanese accounting principles and practices. 当監査法人は、富士電機株式会社及び連結子会社の2003年、2002年及び2001年3月31日現在の円貨で表示された連結貸借対照表並びにこれら に関連する2003年、2002年及び2001年3月31日をもって終了した連結会計年度の連結損益計算書、連結持分計算書及び連結キャッシュ・フロー計 算書について監査を行った。この連結財務諸表の作成責任は経営者にあり、当監査法人の責任は独立の立場から連結財務諸表に対する意見を表明 することにある。 当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った。監査の基準は、当監査法人に連結財務諸表に 重要な虚偽の表示がないかどうかの合理的な保証を得ることを求めている。監査は、試査を基礎として行われ、経営者が採用した会計方針及びそ の適用方法並びに経営者によって行われた見積りの評価も含め全体としての連結財務諸表の表示を検討することを含んでいる。当監査法人は、監 査の結果として意見表明のための合理的な基礎を得たと判断している。 当監査法人は、上記の連結財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、富士電機株式会社及び連結子 会社の2003年、2002年及び2001年3月31日現在の財政状態並びに2003年、2002年及び2001年3月31日をもって終了した連結会計年度の経営成 績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているものと認める。 添付されている連結財務諸表における当連結会計年度に係る米ドル建ての金額は読者の理解の助けになるように便宜的に記載しているもので ある。我々の監査は円貨から米ドル建てへの換算も対象としており、この換算は連結財務諸表の注記3に記載された方法に基づいている。 新日本監査法人 2003年6月27日 連結財務諸表の注記1に記載のとおり、監査の対象とした連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められた会計原則及び会計慣行に 準拠して作成されている。 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 75 連結子会社(2003年7月1日現在) 電機システム部門 富士電機工事 (株) 各種プラント設備の設計・施工・電気工事・据付工事 富士電機総設 (株) 建築設備の設計・施工、空調機器・OA機器の販売 (株) FFC 富士電機システムズ (株) 情報処理システムの開発・製造・販売 各種プラントの建設計画、計画監理、工事監理、据付、試験、試運転、調整およびアフターサービスならびに 総合プラントメンテナンス、運転維持管理等の新サービス事業 (株) 栃木富士 工業用計測機器・電気計器等の製造・販売 (株) 安曇富士 電気機械器具の製造・販売・アフターサービス (株) 富士電機ガスタービン研究所 ガスタービン発電の研究・開発 富士電機パワーサービス (株) 火力発電設備のエンジニアリング・アフターサービス 富士アイティ (株) 情報システム・情報制御・電子情報機器等のトータルソリューション 富士電機インスツルメンツ (株) 工業用計測器・情報処理端末等の開発・製造・販売 富士電機千葉テック (株) 変電機器の保守・点検・修理 (株) FFCシステムズ 情報処理システムの開発・製造 (株) 茨城富士 制御盤・配電盤および制御装置等の製造・販売 鳥取電機製造 (株) クリーンルーム機器、半導体、車両用制御器等の製造 機器・制御部門 富士電機テクニカ (株) (株) 秩父富士 機器・制御製品の販売ならびに電子応用製品の修理サービス 制御機器、半導体関連機器およびプラスチック製品の製造・販売 富士電機エフテック (株) 設備・型治工具の製造、電気器具の設計・製造・修理 富士電機モータ (株) 回転機・回転機応用製品の開発・製造・販売・アフターサービス 富士電機ハイテック (株) 直流安定化電源装置の製造・販売 発紘電機 (株) 電子操作盤の開発・製造・販売 富士電機ジーイー (株) 東南アジアにおける受配電・制御機器ならびに電子応用製品の販売 富士奇異電機股 有限公司 台湾における受配電・制御機器ならびに電子応用製品の販売 富士電機大連有限公司 低圧遮断器・回転機の製造 電子部門 富士電機ストレージデバイス (株) 磁気記録媒体の開発・製造 マレーシア富士電機 (株) 磁気記録媒体の製造 富士電機画像デバイス (株) 感光体および画像周辺機器の開発・製造・販売 ユー・エス・富士電機 (株) 感光体および画像周辺機器の製造・販売 香港富士電機有限公司 感光体および画像周辺機器の製造・販売 (株) 北陸富士 パワー半導体の製造 (株) 飯山富士 IC、パワー半導体の製造 (株) 大町富士 IC、パワー半導体の製造 76 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 Consolidated Subsidiaries フィリピン富士電機 (株) パワー半導体の製造 スコットランド富士電機 (株) パワー半導体の製造 富士国際電子股 有限公司 半導体の販売 富士電機米国半導体 (株) 半導体の販売 シンガポール富士電機 (株) 半導体の販売 富士電機松本メカニクス (株) 自動化、省力化機械装置、金型、治工具および半導体応用装置等の設計・製造・販売 流通機器システム部門 富士電機リテイルシステムズ (株) 自動販売機・コールドチェーン機器・流通情報システム等の開発、製造、販売およびサービス 富士電機ヴイ・シー・アルテック (株) コールドチェーン機器の製造・販売・設置工事・メンテナンス、自動販売機のリニューアル・オーバーホール・改造 信州富士電機 (株) 通貨関連機器の製造および修理 宝永プラスチックス (株) プラスチック加工およびシート成形加工 その他部門 富士物流 (株) 運送・包装・保管、その他流通加工、産業廃棄物収集運搬等物流全般 富士電機情報サービス (株) 印刷・複写・製本、システムの企画・開発・運用、各種コンテンツの制作・情報提供サービス、映像・画像の制作、 広告およびイベントの企画 (株) 富士電機総合研究所 基礎技術および新技術・新製品の研究開発 富士ライフ (株) 保険代理店、不動産業、旅行業、両替商、物品販売業、介護支援事業、ホテル・旅館業、福利厚生業務受託他 富士電機フィアス (株) 富士電機グループ各社の財務経理部門の業務代行および買掛金支払業務代行 旭計器 (株) サーモスタット・汎用電子計測器・電子式制御装置の製造・販売 複数セグメントにまたがる会社 富士電機EIC (株) 電気機械器具・制御システムおよび電子部品の販売・据付・修理 西日本富士電機 (株) 電気機械器具・制御システムおよび電子部品の販売・据付・修理 宝永電機 (株) 電気機械器具・制御システムおよび電子部品の販売・据付・修理 中部富士電機 (株) 電気機械器具・制御システムおよび電子部品の販売・据付・修理 九州富士電機 (株) 電気機械器具・制御システムおよび電子部品の販売・据付・修理 北海道富士電機 (株) 電気機械器具・制御システムおよび電子部品の販売・据付・修理 東北富士電機 (株) 電気機械器具・制御システムおよび電子部品の販売・据付・修理 フジ エレクトリック ゲーエムベーハー 半導体、感光体および画像周辺機器、インバータ、受配電・制御機器の販売 富士電機 (亞洲) 有限公司 インバータ、受配電・制御機器、半導体の販売 米国富士電機 (株) 受配電・制御機器、ブロワの販売および重電機器・システムの取り扱い FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 77 海外事業 アジア地域(日本を除く) 売上高 当期の主な売上品目 ●クリーンルーム設備 (億円) 1,000 957 800 12 ●受配電・制御機器 734 8,324 14.3 13.2 13.2 ●磁気記録媒体 852 16 8,391 14.5 8,518 8,520 6,000 15.8 8,910 ●半導体 8,000 986 (%) 20 (億円) 10,000 600 714 海外売上高 ●インバータ 4,000 8 400 駐在員事務所 1,191 1,104 1,175 1,347 0 4 1,232 2,000 0 ◆北京 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 ◆台北 売上高 海外売上高 海外売上高比率 ◆バンコク 地域別構成比 2002.3 その他 8.1% ヨーロッパ 10.8% 北米 14.6% アジア 66.5% 2003.3 その他 7.9% ヨーロッパ 10.5% 北米 21.6% 78 ◆上海 アジア 60.0% FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 200 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 主な製造会社 主な事業内容 ◆富士電機大連有限公司 低圧遮断器・回転機 ◆上海富士電機開関有限公司 真空遮断器 ◆無錫富士・通用電気駆動控制有限公司 インバータ ◆亜台富士電機股 有限公司 回転機・回転機応用製品 ◆上海通用富士冷機有限公司 冷凍冷蔵ショーケース ◆香港富士電機有限公司 感光体および画像周辺機器 ◆マレーシア富士電機 (株) 磁気記録媒体 ◆フィリピン富士電機 (株) パワー半導体 ◆フジ・ダルマ・エレクトリック (株) 電力量計 主な販売会社 主な事業内容 ◆富士電機 (亞洲)有限公司 インバータ、受配電・制御機器、半導体 ◆富士電機 (上海)有限公司 インバータ、真空遮断器、変圧器 ◆富士奇異電機股 有限公司 台湾における受配電・制御機器ならびに電子応用 製品 ◆富士国際電子股 有限公司 半導体 ◆シンガポール富士電機 (株) 半導体 ◆富士電機ジーイー (株) 東南アジアにおける受配電・制御機器ならびに 電子応用製品 Global Activities 北米地域 売上高 当期の主な売上品目 (億円) 300 ●蒸気タービン・発電機設備 ●感光体および画像周辺機器 257 240 ●半導体 ●インバータ 111 160 120 125 179 180 60 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 主な製造会社 主な事業内容 ◆ユー・エス・富士電機(株) 感光体および画像周辺機器 ◆ジーイー富士・ドライブズ・アメリカ (株) インバータ 主な販売会社 主な事業内容 ◆米国富士電機 (株) 受配電・制御機器、ブロワおよび重電機器・ システム ◆ジーイー富士ドライブズ USA・マーケティング(株) インバータ ◆富士電機米国半導体 (株) 半導体 ヨーロッパ地域 売上高 当期の主な売上品目 ●半導体 駐在員事務所 75 107 100 71 98 ●インバータ 119 ●感光体および画像周辺機器 125 (億円) 125 ◆エルランゲン (ドイツ) 50 主な製造会社 主な事業内容 ◆スコットランド富士電機 (株) パワー半導体 ◆フランス富士電機 (株) 計測機器 主な販売会社 主な事業内容 ◆フジ エレクトリック ゲーエムベーハー 半導体、感光体および画像周辺機器、インバー タ、受配電・制御機器 25 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 その他地域(オセアニア、中南米、アフリカ) 売上高 (億円) 200 163 160 36 64 40 88 80 93 120 0 1999.3 2000.3 2001.3 2002.3 2003.3 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 79 組織図(2003年7月1日現在) Organization Chart 社 長 電機システムカンパニー ■ プラント営業本部 ■ 営業企画室 ■ マーケティング推進室 ■ 情報システム事業部 ■ 環境システム本部 ■ 営業統括部 ■ 環境システム事業部 ■ 水処理システム事業部 ■ 社会システム事業部 ■ 電力システム本部 ■ 営業統括部 ■ 火力事業部 ■ 富士・シーメンスエネルギー推進室 ■ 原子力・放射線事業部 ■ エネルギーソリューション事業部 ■ 水力事業推進室 ■ 経営企画室 ■ 企画部 ■ 交通・特機事業部 ■ 産業統括部 ■ 品質保証統括部 ■ 事業構造改革プロジェクト室 ■ 富士・川重原子力推進本部 ■ 配電盤統括室 ■ 東京システム製作所 ■ 変電システム製作所 ■ エネルギー製作所 ■ 神戸システム製作所 ■ エンジニアリング統括本部 ■ 事業統括部 ■ IT推進室 ■ 輸出管理室 機器・制御カンパニー ■ 営業本部 ■ 技術統括部 ■ 器具事業部 ■ 技術開発・生産センター ■ 機器製作所 ■ 電源事業部 ■ システム機器事業部 ■ インバータ開発生産センター ■ 鈴鹿工場 ■ 神戸工場 ■ 統合コントローラ推進室 ■ 回転機統括部 ■ 事業統括部 電子カンパニー ■ IC事業部 ■ パワー半導体事業部 ■ 営業統括部 ■ 周辺機コンポーネント事業部 ■ 松本工場 ■ 山梨工場 ■ 事業統括部 80 FUJI ELECTRIC CO., LTD. Annual Report 2003 ■ 人事勤労部 ■ 営業企画室 ■ 財務計画室 ■ 財務部 ■ グループ資金部 ■ 技術企画室 ■ 技術企画部 ■ 業務部 ■ 新事業企画部 ■ 生産企画室 ■ 生産管理部 ■ 調達企画室 ■ 監査部 ■ 法務・知的財産権部 ■ 業務支援部 ■ 関西支社 ■ 中部支社 ■ 九州支社 ■ 北海道支社 ■ 東北支社 ■ 北陸支社 ■ 中国支社 ■ 四国支社 ■ 事業開発室 ■ 総合研究所 ■ 生産技術研究所 ■ 富士電機病院 会社概要(2003年3月31日現在) Corporate Data 富士電機株式会社 本社事務所: 発行済株式総数: 従業員数: 〒141-0032 東京都品川区大崎一丁目11番2号 715,570,039株 連結 単独 (注) 当社の自己株式30,914,918株を除く (ゲートシティ大崎イーストタワー) 25,822名 8,080名 資本金: ¥47,586,067,310 設立: 1923年8月29日 株主数: 71,526名 証券コード: 6504 大株主 持株数 (千株) 議決権比率 (%) 富士通株式会社 74,333 10.48% 日本トラステイ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 52,701 7.43% 古河電気工業株式会社 26,843 3.78% 朝日生命保険相互会社 23,268 3.28% 日本マスタートラスト信託銀行株式会社 (信託口) 21,698 3.06% 株式会社みずほコーポレート銀行 20,874 2.94% 株式会社みずほ銀行 16,780 2.37% UFJ信託銀行株式会社(信託勘定A口) 15,595 2.20% みずほ信託退職給付信託みずほコーポレート銀行口再信託受託者資産管理サービス信託 14,600 2.06% 株式会社りそな銀行 13,190 1.86% (注) 当社の自己株式30,914千株は上記の表には含めていません。 株価の推移(東京証券取引所) 所有者別株式分布状況 (議決権比率) 株価(円) 400 300 個人・その他 24.15% 200 外国人 9.11% 金融機関 45.70% その他 国内法人 19.97% 証券会社 1.07% 売買高(千株) 60,000 40,000 20,000 お問い合わせ: 富士電機株式会社 広報室 0 2002.4 2002.5 2002.6 2002.7 2002.8 2002.9 2002.10 2002.11 2002.12 2003.1 2003.2 2003.3 Tel:03-5435-7206 Fax:03-5435-7486 E-mail:[email protected] このアニュアルレポートは「水なし印刷」を採用し、再生紙、 大豆油インキを使用しています。 2003 年 3 月期アニュアルレポート http://www.fujielectric.co.jp ECOLOGY FUJI ELECTRIC この環境シンボルマークは、富士電機グループの 環境保護に対する姿勢を表わしたものです。 Printed in Japan