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参考資料 - 宮崎大学

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参考資料 - 宮崎大学
~世界を視野に 地域から始めよう
~
報道発表
平成27年11月11日
各報道機関
御中
宮崎大学企画総務部 総務課
宮崎大学産業動物防疫セミナーの開催について
拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
日頃より本学の教育・研究についてご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
この度、本学では、家畜防疫戦略構想、畜産支援、家畜慢性疾病の中期的防疫、口蹄疫発生時の
簡易迅速診断法の提案と初動防疫戦略及び現在、流行している豚流行性下痢(PED)に関する新知見
について宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター(CADIC)の取組を紹介する「宮崎大学産業動物
防疫セミナー」を開催いたします。
つきましては、貴社の札幌・東京・鹿児島地区の本支社へ送付していただくとともに「インフォ
メーションコーナー・お知らせコーナー」等に掲載して頂き、当日取材していただくようお願いい
たします。
敬具
記
日
時:平成 28 年 1 月 8 日(金)
TKP 札幌ビジネスセンター
平成 28 年 1 月 22 日(金)
東京八重洲ホール
平成 28 年 1 月 29 日(金)
鹿児島空港ホテル
時間は 13:00~16:30
参 加 費:無料
申込締切:12 月 22 日(火)まで
※ 詳細は別紙をご覧ください。
宮崎大学産業動物防疫セミナー
要旨
1) 『創・養・守・攻』の産業動物防疫戦略
末吉益雄
宮崎大学 CADIC 防疫戦略部門/農学部獣医学科産業動物衛生学研究室
宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター(CADIC)は畜産関連の産官学連携による産業動物防
疫の研究テーマに取り組み、国内外に発信している。「防疫」は非常時の業務として、一般に認識
されているが、本来、畜産振興には、「animal production」と「animal health」の両輪、即ち、家畜の増
頭・増産には、平常時からの防疫構築「創り、養う防疫」が必要である。海外家畜伝染病侵入時等
の非常時で、埋却地候補地がない場合の手段の一つとして、移動式レンダリング車あるいは死亡
動物の密閉搬送用防疫バックを活用した初動防疫・封じ込め防疫業務「守りの防疫」、さらに、「攻
めの防疫」として、家畜伝染病がまん延している諸外国への防疫技術伝達および防疫に関する教
育・研究拠点の構築による国内への病原体侵入リスク軽減化について、概説する。
2) 産業動物用CTと3テスラMRIの牛豚への応用
浅沼武敏
宮崎大学農学部獣医学科獣医臨床放射線学研究室/CADIC 畜産研究支援部門
準備中
3) 牛白血病清浄化に向けた戦略
乗峰潤三
宮崎大学 CADIC 国際連携教育部門/農学部獣医学科産業動物伝染病防疫学研究室
地方病性牛白血病は牛白血病ウイルス(bovine leukemia virus: BLV)感染によって引き起こされ
る牛の白血病である。BLV 感染は、多くの感染牛がなんら症状を示さず、健常牛として扱われるた
め、感染そのものによる経済的損失が見えない。そのため日本では、以前から感染が広がってい
ることは認識されていたが、積極的な清浄化対策は行われてこなかった。しかしながら、最近の全
国的調査によると、発症届出数が15年前の20倍以上に増加しており、なんらかの清浄化対策を
講じる必要性に迫られている。
現在、我々は地域と一体となって宮崎県内の牛白血病清浄化に取り組んでいる。BLV は水平ま
たは垂直感染によって拡大していくため、この2つのリスクを考慮しながら清浄化を進めているが、
いずれにおいても感染源となるのは感染ウイルス量の多い牛であり、これらの牛の早期発見と隔離
の徹底が有効な清浄化の手段と成る。宮崎県のある地区では、牛の導入を地域内だけで長年繰り
返してきたことにより、BLV 感染牛が極めて少ない状態(<1%)に保たれていることがわかった。この
地区では、牛白血病清浄化がまもなく達成できると思われる。本報告では、宮崎県の事例などを紹
介し、今後の牛白血病清浄化対策に役立てたい。
4) LAMP法による口蹄疫の簡易迅速診断
山崎 渉
宮崎大学農学部獣医学科獣医公衆衛生学講座/CADIC 感染症研究検査部門
口蹄疫の感染拡大を防ぐには、初発例を迅速かつ確実に診断した上で遅滞なく殺処分し、早
期に封じ込めることが重要である。それゆえ簡易迅速かつ低コストの検査法である multiplex RTLAMP 法(LAMP)を用いた口蹄疫の診断法を開発した。英国動物衛生研究所に保存されていた
牛・豚由来の 300 臨床検体を使用し、従来法であるリアルタイム RT-PCR 法(PCR)と比較した。我々
が開発した LAMP は従来法の PCR と比較して、診断的感度 98.0%、診断的特異度 98.1%を示し、
両者は同等の診断能力を有することが明らかになった。反応開始から判定までの所要時間と 1 反
応あたり費用は、PCR では 140 分と 400 円であったのに対し、LAMP では 60 分と 100 円であり、
LAMP が優れていた。さらに LAMP では、濁度変化による簡易な肉眼判定も可能であった。
LAMP はバイオセキュリティ上の問題を回避できる安全な遺伝子検査であり、口蹄疫の簡易迅速
診断法として有用である。現在は、試薬の常温乾燥保存化・比色変化判定による診断の容易化に
取り組んでおり、農場での一次スクリーニング検査法としての導入を目指している。
5) 口蹄疫シミュレーションモデルに基づいた防疫戦略
関口 敏
宮崎大学農学部獣医学科産業動物伝染病防疫学研究室/CADIC 防疫戦略部門
動物の感染症対策として最も重要な点は、病気の発生を防ぐことと、発生後の拡大を最小限に
留めることである。いつ感染症が発生してもすぐに対応できるよう、予め準備しておくことが大切で
ある。欧米では重要感染症の防疫対策として、コンピュータによる感染シミュレーションモデルが国
家レベルで活用されている。しかし、このような「先回り対策」の取り組みが行われている例は国内
ではほとんどみられない。そこで我々は海外の研究チームと共同で、2010 年に宮崎県で発生した
口蹄疫感染拡大状況を分析し、将来国内で再び発生する口蹄疫に備え、有効な対策を探ることを
目的として口蹄疫シミュレーションモデルを作成した。口蹄疫シミュレーションモデルを用いれば、
国内に侵入した口蹄疫がどのように拡大していくか、時間的、空間的に予測することができる。さら
に、様々な防疫対策のプログラムをシミュレートすることで、各防疫対策の効果を評価することもで
きる。これにより、科学的根拠に基づいた対策の効果を予測することが可能となる。
6) PEDウイルスの分子疫学的解析
山口良二
宮崎大学農学部獣医学科獣医病理学研究室/CADIC 国際連携教育部門
豚流行性下痢症(PED)は水様性下痢や脱水を主症状とし、豚の経済的損失が最も大きい疾病
の一つである。2013 年 4 月から流行した米国に遅れて、わが国では 2013 年 9 月沖縄、11 月茨
城、12 月には九州に拡がり、2014 年 2 月に一度は終息しかけたものの、2014 年 2 月から、九州か
ら北海道まで大発生し全国に拡がった。それ以降、世界で PED 発生による経済損失が深刻となっ
ており、現在でも、完全終息はしていない。6 道県の養豚農家から 312 サンプルを採取した。全サ
ンプル中 PED 陽性 201 サンプル(64.6%)のうち 32 サンプルを選抜して特異的全 S 遺伝子(約
4200bp)を増幅するプライマーを設定して解析した。その長さにも差があり、4146~4161 ヌクレオチ
ド(1381~1386:アミノ酸)となった。全 S 遺伝子解析に基づいて(1)通常株(伝染力の強い US 株:
高病原性)、(2)S 遺伝子の N 末端の挿入(Insertion)と欠損(Deletion)を伴う S INDEL 株、(3)最
近の中国やベトナム近縁株、に 3 分類した。系統樹解析を含む全 S 遺伝子解析より、最近の日本
の PEDV の多くが US 株と近縁であることが明らかとなった。
7) 農場の位置情報等を活用したPED発生に関する疫学解析
佐々木羊介
宮崎大学テニュアトラック推進機構農学系畜産学分野/CADIC 防疫戦略部門
2013 年 10 月に日本では 7 年ぶりの豚流行性下痢(PED)の発生が確認され、2013 年 10 月か
ら 2014 年 8 月末までに 38 道県 817 農場において発生が確認された(農林水産省, 2015)。PED
の発症は、哺乳豚では水様性下痢、繁殖母豚では食欲減退や下痢を引き起こし、特に哺乳子豚
において高い死亡率を引き起こし、経済的に多大な損失を与える。今後の感染伝播の予防および
コントロールのためには、疾病発生の空間的特徴の有無や時空間クラスターの有無、そして感染
伝播の要因に関して調査する必要がある。本発表では、農場の基本的な情報を利用し、感染伝播
の予防に役立つための活用法について紹介する。解析に用いる情報としては、農場の位置情報、
PED 発生農場の場合は PED の発症日、飼養形態、飼養頭数などとし、PED の伝播パターンの解
析事例について報告する。さらに、感染伝播の要因を探査するために必要な調査方法についても
紹介する。事例として、PED 発生農場と非発生農場の間で実施したケースコントロール研究につい
て報告する。特に、アンケート調査を実施する際の注意点や、アンケート結果を解析する上で有効
な分析についても紹介する。
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