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配送網の帯域変動に適応し得る ファイル構成法に関する研究

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配送網の帯域変動に適応し得る ファイル構成法に関する研究
平成
年度
学士学位論文
配送網の帯域変動に適応し得る
ファイル構成法に関する研究
乃一 智恵
指導教員
年
島村 和典
月
日
高知工科大学 情報システム工学科
要 旨
配送網の帯域変動に適応し得る
ファイル構成法に関する研究
乃一 智恵
近年,インターネットを利用して
ファイルなどを受信しながら再生す
るストリーミング配信が普及してきている.しかし,ネットワークの帯域は常に変化するた
め配送品質が保証されていない.そのため,ユーザに対して最適なストリーミング配信が行
われているとは限らない.また,
年
月
日からテレビ放送が地上デジタル放送に切
り替わるが,まだ電波を受信できないエリアも存在する.そこで,放送エリア外の地域では
インターネットを利用する方法が考えられている.
そのため,クライアントへネットワーク状態に適したストリーミング配信をする必要があ
る.本研究ではクライアントでの再生品質を保証して伝送路の状況に適応させるために,配
信側のビットレートを切り替える配信ビットレート切り替えと,配信中にエンコードするト
ランスコーディング方式を用いるシステムを提案した.
また,提案システムを実装し,実験ネットワークで制御を行った.その結果から,スト
リーミング品質が向上し,このシステムの有効性が確認できた.
キーワード
ストリーミング,配信ビットレート切り替え方式,トランスコーディング方式
,
,
目次
第
章
序論
研究背景
研究目的
第
章
動画配信技術
配信方法
ダウンロード配信
ストリーミング配信
既存の技術
サイマルキャスト方式
トランスコーディング方式
スケーラブル符号化方式
第
章
提案方式
前提条件
ビットレート測定
利用可能帯域測定
管理データベース
提案システム
コア
における配信ビットレート切り替え制御方式
目次
帯域が低下した場合
帯域が回復した場合
アクセス
におけるトランスコーディング制御方式
帯域が低下した場合
帯域が回復した場合
第
章
提案システムの実装
プログラム
プログラム
クライアントプログラム
第
章
提案システムの実験及び評価
実験環境
実験
ファイルの配信ビットレート切り替え制御
内容
結果
考察
ファイルの配信ビットレート切り替え制御
内容
結果
考察
ファイルのトランスコーディング制御
内容
結果
考察
ファイルのトランスコーディング制御
目次
内容
結果
考察
第
章
まとめ
考察
今後の課題
謝辞
参考文献
図目次
インターネット利用人口の推移
インターネットコンテンツ市場の推移
映像系コンテンツ配信市場の推移
登録者数の推移
地上デジタル放送エリア
サイマルキャスト方式
トランスコーディング方式
スケーラブル符号化方式
提案システムの構成
配信ビットレート切り替え制御
配信ビットレート切り替え制御
トランスコーディング制御
トランスコーディング制御
実験環境
実験結果
ファイル 配信ビットレート切り替え制御
実験結果 配信ビットレート切り替え制御前 負荷なし
実験結果 配信ビットレート切り替え制御前 負荷
実験結果 配信ビットレート切り替え制御中
に変換
実験結果 配信ビットレート切り替え制御後
に変換
実験結果 配信ビットレート切り替え制御中
に変換
実験結果 配信ビットレート切り替え制御後
に変換
実験結果
ファイル 配信ビットレート切り替え制御
図目次
実験結果 配信ビットレート切り替え制御前 負荷なし
実験結果 配信ビットレート切り替え制御前 負荷
実験結果 配信ビットレート切り替え制御中
に変換
実験結果 配信ビットレート切り替え制御後
に変換
実験結果 配信ビットレート切り替え制御中
に変換
実験結果 配信ビットレート切り替え制御後
に変換
実験結果
ファイル トランスコーディング制御
実験結果 トランスコーディング制御前 負荷なし
実験結果 トランスコーディング制御前 負荷
実験結果 トランスコーディング制御中
に変換
実験結果 トランスコーディング制御後
に変換
実験結果 トランスコーディング制御中
に変換
実験結果 トランスコーディング制御後
に変換
実験結果
ファイルのトランスコーディング制御
実験結果 トランスコーディング制御前 負荷なし
実験結果 トランスコーディング制御前 負荷
実験結果 トランスコーディング制御中
に変換
実験結果 トランスコーディング制御後
に変換
実験結果 トランスコーディング制御中
に変換
実験結果 トランスコーディング制御後
に変換
表目次
動画圧縮方式
実験に使用した
ファイルの形式
第
章
序論
本章では,本研究の背景と目的について述べる.
研究背景
近年,インターネットは
や
といった通信技術の発展により急速に利用人口が増加してきている
ネットの普及率の推移を図
.インター
に示す.インターネットの高速化と伝送路の品質向上により
インターネットを利用したサービスが増加している.特に,文字や音声,動画などようなマ
ルチメディア配信サービスを行う事業の発展は著しい.事業者が増加し,ユーザに対する
サービスが充実したことから,音楽や映像コンテンツ配信の利用が期待される.現在ネット
ワークを通じてマルチメディア配信サービスの市場と映像コンテンツの市場の推移を図
図
に示す
いる.
年
.その映像コンテンツ配信の中で,パソコンテレビ「
,
」は注目されて
月からサービスが開始され,短期間で会員数を大幅に伸ばしていることか
ら今後も拡大していくことが予想される.
の登録者数の推移を図
に示す
.
しかし,現在のインターネットは,通信品質が保証されていないベストエフォート型であ
る.伝送路の帯域は常時変化しているため,ユーザに最適なストリーミング配信が行われて
いるとは限らないのが現状である.コンテンツサービスを利用するアクセスが集中してトラ
フィックが増大し,ネットワーク経路上でボトルネックが発生したことから,映像にブロッ
クノイズが含まれたり,音声や映像が止まったり遅れたりする問題が起こってしまう可能性
が高い.また,伝送路には余裕があるのに低ビットレートのコンテンツ配信が行われている
研究背景
可能性もある.
また,
年
月
日に現在のアナログテレビ放送が終了する.それに代わるものが,
すでに全国都道府県庁で開始されている地上デジタルテレビ放送である.しかし,図
示すマップ
からも判るように
に
年になっても放送エリア外の地域もあり,全国各地で
地上デジタルテレビ放送を対応させる課題が残されている.そのため,その課題が解決され
るまでデジタル放送が受信できないエリアではインターネット利用する方法が考えられる.
そこで,最適な再生品質を保証するためにクライアントへの伝送路の状況に応じて,高
ビットレートでの配信や低ビットレートでの配信を切り替える必要がある.利用者の環境に
応じた
ファイルを配信技術は,今後のマルチメディアサービスの普及に必要不可欠と
なる.
図
インターネット利用人口の推移
研究背景
図
図
インターネットコンテンツ市場の推移
映像系コンテンツ配信市場の推移
研究背景
図
図
登録者数の推移
地上デジタル放送エリア
研究目的
研究目的
本研究の目的は,ストリーミング配信において伝送路の帯域に適したビットレートのコン
テンツ配信を可能とするシステムを開発することである.そのため,帯域が低下した場合は
映像や音声が乱れたり途切れるといった問題なくコンテンツを配信可能とし,逆に帯域が回
復した場合は高いビットレート配信に戻す.すなわち,ストリーミングの通信品質を向上さ
せ,安定した配信を長時間にわたって行わせる方式を検討することが研究の目的である.
第
章
動画配信技術
本章では,動画配信における既存の技術について述べる.
配信方法
コンテンツの配信には,大きく分けてダウンロード配信とストリーミング配信がある.そ
れぞれの,利点と欠点を述べる.
ダウンロード配信
ダウンロード配信とは,ネットワークを通じて配信された動画や音楽などのデータを全て
ハードディスクに保存してから再生する技術である.ダウンロード後は,繰り返し再生する
ことが可能であり,低速回線でもきれいな映像や音声を視聴することができる.
しかし,この配信方法は全てのデータを保存する必要があるので,ダウンロードに時間が
掛かり,ハードディスクの容量をとるといった問題がある.また,一度保存することでハー
ドディスクにファイルが残るため,再配布など不正に利用される危険性がある.
ストリーミング配信
ストリーミング配信とは,ネットワークを通じて配信されたマルチメディアをユーザが
バッファリングしながら同時に再生する技術である.
ダウンロード配信のように,配信されたマルチメディアのデータをすべて受信してから再
生することがないので,ハードディスクの負担を心配する必要がなく,そしてダウンロード
既存の技術
時間を待つことなく再生が可能である.また,パソコンにデータが残ることがないので不正
コピーや再配布が行われる可能性が低いことから,著作権の問題も解決される.
しかし,配信中に回線の途中でボトルネックが発生した場合に,再生の途切れや乱れが起
こったり,映像にブロックノイズが発生する含まれるといった問題が発生する可能性がる.
また,ダウンロード形式に比べ画質や音質が劣る場合がある.
ストリーミング形式は, 種類のサービスに分類される. つ目は,ライブ型配信サービ
スである.これは,予め作成されたコンテンツを配信するのではなく,動画を撮影しながら
エンコードしてリアルタイムで配信する. つ目は,オンデマンド型配信サービスである.
これは,ライブ型配信とは違い予めマルチメディアを配信用にエンコードしてサーバに蓄積
しておく.そして,ユーザの要求に応じて配信する.この配信サービスは,時間に関係なく
いつでも視聴でき,動画配信を見ることができる環境ならどこからでも視聴が可能である.
また,何度も見ることができる.
本研究では,利用度の高さを想定してオンデマンド型配信サービスを対象とした.
既存の技術
インターネットのような,帯域が保障されていないベストエフォート型ネットワークでコ
ンテンツ配信を行う場合,伝送路の状況に応じた配信サービスが必要である.現在,ユーザ
の要求に合わせて配信の制御を行う方式として,以下に示す
る
つの方法が既に開発されてい
.
サイマルキャスト方式
サイマルキャストとは,
同時に と
多勢に放送する を組み合わ
せて作られた言葉である.
サイマルキャスト方式について図
に示す.この方式は,伝送路のビットレートにあわ
せて予めコンテンツを用意しておく配信方式である.そのため,サーバは予め
つのコンテ
既存の技術
ンツを複数のビットレートでエンコードして用意しておく.そして,ユーザの伝送路状況を
考慮した再生要求から,コンテンツの配信を行う.この方式は,予め異なる帯域用にコンテ
ンツを用意しておくことから様々な帯域幅で対応可能となる.
しかし、この方式では接続時にビットレートを選択するとそのビットレートでしかコンテ
ンツを見ることができず,ネットワークの状態が変動したときに適応する機能が備わってい
ない.
図
サイマルキャスト方式
トランスコーディング方式
トランスコーディングとは,エンコードされたコンテンツを解像度やビットレートの異な
るコンテンツに再変換する技術である。
トランスコーディング方式を図
に示す.この方式は,伝送路で変換器を用いてコンテ
ンツの符号化変換を行う.そのため, つのコンテンツで様々な帯域幅に対応でき,ユーザ
既存の技術
は伝送路の状態が悪くなったときに伝送帯域に合ったコンテンツを観ることができる.
しかし,符号化変換を繰り返すので映像が劣化する可能性がある.また帯域が変化すると
ころに変換器を設置するので数多くのトランスコーダが必要となる.
図
トランスコーディング方式
スケーラブル符号化方式
スケーラブルとは,幅広い環境に適用させることができるという意味がある.
スケーラブル方式を図
に示す.この方式は,コンテンツを符号化するときに最低限の
画質だが再生可能な基本レイヤと基本レイヤに付加情報として取り付ける拡張レイヤにわけ
る.拡張レイヤは,自由にレートの長さを変えることができる.拡張レイヤを様々な大きさ
に分けることで,伝送路の帯域に応じて柔軟に対応することが可能となる.
しかし,この方式は拡張レイヤがある限られた段階でしか品質を換えることができない.
また,レートを固定してエンコードを行った場合に比べて圧縮効率が悪いという問題がある.
既存の技術
図
スケーラブル符号化方式
第
章
提案方式
本章では,本研究が提案する
ファイルのストリーミング配信方式について解説する.
本研究では,伝送路のビットレートに合わせてコンテンツを提供する
つの既存技術を検討
した結果,スケーラブル符号化方式は特殊な符号化を使用するためマルチプラットフォーム
での再生が困難であるため,本研究ではサイマルキャス方式とトランスコーディング方式を
組み合わせたシステムを提案する.
サイマルキャスト方式から予めコンテンツを用意しておき,配信中に
で同じ
内容であるがビットレートの異なるコンテンツに切り替える.この方式を今後,配信ビット
レート切り替え制御方式と呼ぶ.提案方式の構成図を図
図
提案システムの構成
に示す.
前提条件
前提条件
本研究の前提条件として,
ファイルを送信する
と再生
は,クライアントの要求と配送網の
要求を出すクライアントから構成される.
状況に適したストリーミング配信を行うために, つのコンテンツを複数のビットレートの
ファイルを保持させる.さらに,
クライアント間に
を
設置し,ストリーミング配信の監視とネットワークの状況に合わせた配信制御を行う.
は,常にコア
のビットレートとアクセス
の利用可能帯域
の状況をデータベースで管理している.
ビットレート測定
本研究では,
間において常に伝送速度を測定する.計測方法は,背景負
荷をかけてビットレート測定をした結果
から
のデータをネットワークに流し,
状況を把握可能である.これにより,ビットレート測定は
のデータを
により
送信して伝送路の帯域の変化を測定することとする.
利用可能帯域測定
本研究では,
間において常に利用可能帯域を測定する.利用可能帯域とは,送
信ホストと受信ホスト間の未使用の帯域のことを示す.アクセス系ネットワークのルータか
ら
を使用して,インターフェース情報とルーティング情報を収集する.一定時間ご
とに各ルータからトラフィック量を収集し,最も
能帯域とし式
が小さいリンクをその経路の利用可
と表す.
…
前提条件
管理データベース
本システムを実現するために,
に
つのデータベースを管理させる.管理するデータ
と利用可能帯
ベースは,ファイル管理データベース
,ビッ
域管理データベース
,配信管理デー
トレート管理データベース
である.各データベースの管理項目
タベース
は以下に示す.
が保持しているコンテンツの情報を管理するデータベースである.このデータ
ベースは,
が管理しているコンテンツを変更した場合に削除または追加をして
データベースを更新する.
ファイルを管理するコード
ファイルを保持している
の
ファイル名
ファイルのサイズ
ファイルの再生時間
ファイルを圧縮したときのビットレート
アドレス
前提条件
ファイルを圧縮したときのコーデック
が
へファイルの配信要求を送信するときのファイル名
クライアント間における
を管理するデータベースである.
により把握している.トランスコーディング制御を行うときに
は常時
値を参照し,
ネットワークの帯域に合わせた圧縮レートを決定する.
を管理するコード
からクライアントまでのホップ数
クライアント間の測定した
値
間におけるビットレート 帯域 を管理するデータベースである.
常時
から
のデータを送ってもらい,それからビットレート値を算出して
データベースに格納する.
ビットレートを管理するコード
ファイルを保持している
は
の
アドレス
提案システム
間の測定したビットレート値
現在配信中の情報を管理するデータベースである.配信が開始されるとデータベースに追
加され,終了すると削除される.
配信を管理するコード
で管理しているファイルコード
ファイルを保持している
の
ファイルを受信しているクライアントの
アドレス
アドレス
間の配信を開始したときに測定したビットレート値
配信中に実行した制御コード
のプロセス
で
からの配信を転送する
のプロセス
提案システム
本研究では,配信ビットレート切り替え制御方式とトランスコーディング制御方式を使用
し伝送路の帯域にあったストリーミング配信を行うこととする.まず,
からクラ
提案システム
イアントまでの配信開始における処理は次の ~ の順で実現する.
クライアントは再生したいファイルを選択して,
はクライアントからの要求を受けて,
に対して配信要求を送信する.
と
から最適な
とファイルを検索する.
は
からの配信をクライアントに転送する準備をする.
は最適な
に配信要求を送信する.
配信要求を受信した
配信を開始した
は,
は,
にコンテンツ配信を開始する.
に配信報告を送信する.
は配信されたコンテンツをクライアントへ転送する.
コア
における配信ビットレート切り替え制御方式
この制御方式では,配信しているコンテンツのビットレートを伝送路の帯域に合わせて再
選択する.配信ビットレート切り替え制御方式は,サイマルキャスト方式の発展方式であ
る.一般に,配信ビットレートとしては
,
,
,・
・
・,
の速度系
列から数種類が用意される.これは,主に用いられる動画圧縮方式において動画の使用目的
から要求される条件が考慮されているためである.圧縮方式における要求条件を表
す
に示
.
配信ビットレート切り替えを制御を行ったとき,ビットレートを切り替えたとしても途中
からの配信を可能とする.
この制御方式は,次の状態の場合に用いる.
間にボトルネックが発生し,伝送路の帯域が配信中のものよりも低下
した場合
間と
クライアント間の両方にボトルネックが発生し,ビットレー
トが低下した場合
伝送路の状態が配信中のものよりも回復した場合
提案システム
表
動画圧縮方式
圧縮方式
画像品質
~
~
レベル
~
レベル
~
レベル
~
勧告
以上
レベル
レベル
次に,配信ビットレート切り替え制御において,帯域が低下した場合と回復した場合につ
いての処理手順を以下に述べる.
それぞれの場合における処理を以下に示す.
帯域が低下した場合
クライアントで受信ビットレートが低下してから配信ビットレート切り替え制御が行われ
るまでの配信経路上の処理内容を以下に示す.このとき,クライアントでの受信ビットレー
トを
,
から配信されているファイルのビットレートを
隘路判定は先行研究である隘路判定アルゴリズム
を使用する.また,クライアン
によって判定する.
トの受信ビットレート低下基準は,式
この式は,
とする.
は大きく変動し,受信ビットレートが低下しているかどうかの判定をする
ことが困難であるため,
を
で平均をとり,
を
連続で下回った場合に場
合にクライアントでの受信ビットレートが低下していると判定することを表している.
-
-
提案システム
クライアントは受信ビットレートの低下を検知する
クライアントは受信ビットレート低下の判定を開始する
式
を満たした場合にビットレートが低下したと判定する
クライアントは,
に受信ビットレート低下通知を送信する
はクライアント
は
コア
間の計測したビット
から検索する
レート値を
は
アドレスと配信開始時の
から現在の
と
間のビットレートを取得する
から取り出した情報を比較する
に“ ボトルネックが存在すると判定された場合 ”,
は
から低ビットレートのファイルを検索する
信中の
は現在配信中のファイルよりも低いビットレートのファイルが
に存在す
に低ビットレートのファイルの途中からの配信を要求する
る場合,配信中の
は高ビットレートファイルの配信を停止する
は要求された時間から低ビットレートファイルを配信する
は配信ビットレート切り替え制御完了報告を
は
から現在配
の更新を行う
図
配信ビットレート切り替え制御
へ送信する
提案システム
帯域が回復した場合
クライアントで受信ビットレートが安定してから配信ビットレート切り替え制御が実行さ
れるまでの処理内容を以下に示す.また,受信ビットレートの安定基準は式
,
判定する.このとき,クライアントでの受信ビットレートを
を
から配信さ
とする.
れているファイルのビットレートを
この式は,
によって
で平均をとり,その値が
を
連続で上回った場合に場合
にクライアントでの受信ビットレートが安定していると判定することを表している.
-
-
クライアントは受信ビットレートの判定を行う
クライアントは式
を満たした場合にビットレートが安定したと判定する
クライアントは,受信ビットレートが安定したとして
に受信ビットレート安定通知
を送信する
はクライアント
は
コア
間の計測したビット
から検索する
レート値を
は
アドレスと配信を開始時の
から現在の
と
間のビットレートを取得する
から取り出した情報を比較する
の帯域が回復していた場合,
は
から現在配信中の
か
ら高ビットレートのファイルを検索する
現在配信中のファイルよりも高いビットレートのファイルが
合,
は配信中の
に存在する場
に高ビットレートファイルを配信するように要求を送信
する
は低ビットレートファイルの配信を停止する
は配信経過時間から高ビットレートファイルに切り替えて配信する
は
に低ビットレートファイルの配信停止要求を送信する
提案システム
は配信ビットレート切り替え制御完了報告を
は
へ送信する
の更新を行う
図
アクセス
配信ビットレート切り替え制御
におけるトランスコーディング制御方式
この方式は,配信中に再符号化をする方式である.再符号化を行ったときも途中再生を可
能とする.この制御方式は,次の状態の場合にトランスコーディング制御方式を用いる.
クライアント間にボトルネックが発生した場合
間には問題がないため,帯域が回復した場合に元のビットレートに戻
すことが容易である
配信ビットレート制御を行っても再生品質が回復しなかった場合
それぞれの場合における処理を以下に示す.
帯域が低下した場合
クライアントでビットレートが低下してからトランスコーディング制御が行われるまでの
処理内容を以下に示す.このとき,配信中のファイルのビットレートを
,
クライ
提案システム
アント間の利用可能帯域を
,クライアントでの受信ビットレートを
とする.ま
とする.
た,受信ビットレート低下判定基準は式
クライアントでの受信ビットレートが低下
クライアントは受信ビットレート低下の判定を開始する
式
を満たした場合にビットレートが低下したと判定する
クライアントは,受信ビットレートが低下したとして
に受信ビットレート低下通知
を送信する
はクライアント
アドレスと配信を開始時の
間の計測したビット
から検索する
レートを
は
から現在の
は
から現在配信中の
は
と
アクセス
間のビットレート値を取得する
から低ビットレートのファイルを検索する
から取り出した情報を比較する
にボトルネックが存在すると判定された場合,
と現在の
開始時
を比較し,その結果“
はトランスコーディング用に
た場合,
は現在の
は
から配信
”を満たし
を起動させる
値からトランスコードするファイルのビットレートを決定する
はトランスコーディング用の
を再生し,トランスコーディング前の
を停
止する
は
の“
”を更新する
帯域が回復した場合
でトランスコーディング中にクライアントでの受信ビットレートが安定してからトラ
ンスコーディング制御が解除されるまでの処理内容を以下に示す.受信ビットレートの安定
基準は式
によって判定する.
提案システム
図
トランスコーディング制御
クライアントは受信ビットレートの判定を開始する
クライアントは式
を満たした場合にビットレートが安定したと判定する
クライアントは,受信ビットレートが安定したとして
に受信ビットレート安定通知
を送信する
はクライアント
は
は
から現在の
と
間のビットレート値を取得する
から取り出した情報を比較する
から配信開始時
と現在の
たしている場合,トランスコーディングを解除する
は
間の計測したビット
から検索する
レート値を
は
アドレスと配信を開始時の
の“
”を更新する
が
を満
提案システム
図
トランスコーディング制御
第
章
提案システムの実装
プログラム
は,
中に
からの配信要求を受信後,要求に応じて
に配信を開始する.配信
から配信ビットレート切り替えの要求があると,同じコンテンツのビットレートの
異なるファイルを配信する.
プログラム
は,クライアントからの配信要求を受信後,
とファイルを検索する.
を行い,
と
から最適な環境の
からの配信をクライアントに転送する準備
に配信要求を送信する.
が配信後はクライアントへの転送
を行う.
配信中にクライアントからの受信ビットレート低下通知を受信すると,
開始時の
間の測定ビットレート
間の測定ビットレート
ア
から現在の
を取得する.取得後,隘路判定アルゴリズムを用いてコ
に隘路が存在するのか,アクセス
から各制御を行い,その後
と
から配信
の
に隘路が存在するのかを判定する.判定結果
を更新する.
クライアントプログラム
クライアントプログラム
クライアントは,再生したいファイルを選択して
が開始される前に,
情報の送信情報を
と
を
からこれから配信されるファイル情報が転送される.このファイル
とする.クライアントは受信ビットレート
を比較する.比較した結果,式
したとして
に対して配信要求を送信する.配信
の低下を知るために
を満たすときは,受信ビットレートが低下
に“ 受信ビットレート低下通知 ”を送信する.今回のプログラムでは,
で平均したものを使用した.これは,クライアントでの受信ビットレートを調べた
結果から
の平均が総受信ビットレートの平均に近い値であったためである.しかし,
の平均ビットレートが
を下回ることはなく,今回
を
回下回ったときに
クライアントでの受信ビットレートが低下していると判定した.
また,式
を満たす場合は,制御を行う前の状態に回復している可能性があるとして,
に“ 受信ビットレート安定通知 ”を送信する.今回のプログラムでは,
を
で平
均したものを使用した.これは,クライアントでの受信ビットレート調べた結果から
の平均が総受信ビットレートの平均とほぼ同じ値であったためである.今回その値が
を
連続で上回った場合に場合にクライアントでの受信ビットレートが安定していると判
定した.
第
章
提案システムの実験及び評価
本章では,提案方式を実験環境上で実装して動作させて,実験を行い評価を行った.
この実験では実験環境を構築後,提案した方式を実装して,配信ビットレート切り替え制
御方式とトランスコーディング制御方式を行った場合と行わなかった場合におけるクライン
とでの受信ビットレートを比較した.
実験環境
本実験の環境を図
に示す.また,
間は全て
で接続されている.今回の実験には,
を行った.
ファイルの形式を表
の
に示す.
図
実験環境
の
ファイルを用いて検証
実験
表
形式
実験に使用した
エンコード方式
ファイルの形式
フレーム数
ビットレート
ビデオ
画面サイズ
オーディオ
固定ビットレート
×
×
×
実験
ファイルの配信ビットレート切り替え制御
内容
まず
けて
のファイルを配信中に
間の経路
に背景負荷
のファイルにビットレート切り替えを行う.背景負荷を
その後ビットレートが向上したとして
をか
秒後に切ることとし,
での配信ファイルを
から
に切り替えクライアントでの受信ビットレートを測定する.測定した結果と
イルを配信し
のファ
秒間の負荷をかけた結果を比較する.
結果
測定した結果をグラフにし,図
のファイルから
に示す.また,配信を開始して負荷をかけて
のファイルに配信ビットレート切り替え制御を行い,ビットレート
の回復後に配信ビットレート切り替え制御を行ったときの画像を図
から図
に示す.
実験
考察
実験の結果,背景負荷
をかけた場合クライアントでの画像は乱れている.配信
ビットレート切り替え制御を行った結果,クライアントが受信ビットレート低下通知を送信
してから切り替わるまでに
かかり,またクライアントが安定通知を送信してから高
ビットレートに配信ビットレート切り替え制御を行うまでに
かかったことがわかった.
配信ビットレート切り替え制御を実行するまでに時間がかかるのは,
がファイルビットレート切り替えを要求を送信し,
が
へ
が現在配信中のファイルの配
信を停止して,制御後のファイルの配信を開始するまでの処理の時間が原因だと考えられ
る.切り替え時にはブロックノイズが含まれたが,切り替え後は画像品質の劣化もなく再生
することができた.
図
実験結果
ファイル 配信ビットレート切り替え制御
実験
図
実験結果 配信ビットレート
図
実験結果 配信ビットレート
切り替え制御前 負荷なし
切り替え制御前 負荷
図
図
実験結果 配信ビットレート
切り替え制御中
図
に変換
実験結果 配信ビットレート
切り替え制御中
に変換
実験結果 配信ビットレート
切り替え制御後
図
に変換
実験結果 配信ビットレート
切り替え制御後
に変換
実験
ファイルの配信ビットレート切り替え制御
内容
の実験と同様に
をかけて
景負荷
のファイルを配信中に
から
た結果と
に背
のファイルにビットレート切り替えを行う.背景負荷を
秒後に切ることとし,その後ビットレートが向上したとして
を
間の経路
での配信ファイル
に切り替えクライアントでの受信ビットレートを測定する.測定し
のファイルを配信し
秒間の負荷をかけた結果を比較する.
結果
測定した結果をグラフにし,図
のファイルから
に示す.また,配信を開始して負荷をかけて
のファイルに配信ビットレート切り替え制御を行い,ビットレート
の回復後に配信ビットレート切り替え制御を行ったときの画像を図
から図
に示す.
考察
実験の結果,背景負荷
をかけた場合クライアントでの画像は乱れている.配信
ビットレート切り替え制御を行った結果から,クライアントが受信ビットレート低下通知を
送信してから切り替わるまでに
かかり,またクライアントが安定通知を送信してか
ら高ビットレートに配信ビットレート切り替え制御を行うまでに
かかったことがわ
かった.
配信ビットレート切り替え制御を実行するまでに時間がかかるのは,
様に
が
へがファイルのビットレート切り替え要求を送信し,
の結果と同
で
現在配信中ファイルの配信を停止して,制御後のファイルを配信開始するまでの処理の時間
が原因だと考えられる.切り替え時にはブロックノイズが含まれたが,切り替え後は画像品
質の劣化もなく再生することができた.
実験
図
図
実験結果
ファイル 配信ビットレート切り替え制御
実験結果 配信ビットレー
ト切り替え制御前 負荷なし
図
実験結果 配信ビットレー
ト切り替え制御前 負荷
実験
図
実験結果 配信ビットレー
ト切り替え制御中
図
図
ト切り替え制御後
に変換
実験結果 配信ビットレー
ト切り替え制御中
実験結果 配信ビットレー
図
実験結果 配信ビットレー
ト切り替え制御後
に変換
に変換
に変換
ファイルのトランスコーディング制御
内容
まず
かけて
のファイルを配信中に
クライアント間の経路
のファイルにトランスコードする.背景負荷を
に背景負荷
を
秒後に切ることとし,その
はトランスコードを解除し,
のファイルに戻
しクライアントでの受信ビットレートを測定する.測定した結果と
のファイルを配
後ビットレートが向上したとして
信し
秒間の負荷をかけた結果を比較する.
実験
結果
測定した結果をグラフにし,図
のファイルを
に示す.また,配信を開始して負荷をかけて
のファイルにトランスコーディング制御を行い,ビットレートの回復
後にトランスコーディング制御を解除したときの画像を図
から図
に示す.
考察
この実験では,背景負荷を
かけた.その場合,クライアントでの画像は劣化して
いる.トランスコーディング制御を行った結果,クライアントが受信ビットレート低下通知
かかり,クライアン
を送信してからトランスコーディングを行い切り替わるまでに
トが受信ビットレート安定通知を送信してからトランスコーディングを解除して切り替わる
までに
かかった.
制御後には音声と映像のフリーズといった現象が起こったが,これは
でのトランス
コード時のエンコード時間が原因だと考えられる.しかし,トランスコーディング解除を
行った後切り替わるまでの時間がトランスコードした場合よりも時間がかかった原因は不明
である.しかし,トランスコード後は画像品質の劣化もなく再生することができた.
ファイルのトランスコーディング制御
内容
まず
かけて
のファイルを配信中に
クライアント間の経路
のファイルにトランスコードする.背景負荷を
後ビットレートが向上したとして
に背景負荷
秒後に切ることとし,その
はトランスコードを解除し,
から元の
のファイルにしてクライアントでの受信ビットレートを測定する.測定した結果と
のファイルを配信し
秒間の負荷をかけた結果を比較する.
を
実験
図
図
実験結果
実験結果 トランスコーデ
ィング制御前 負荷なし
ファイル トランスコーディング制御
図
実験結果 トランスコーデ
ィング制御前 負荷
実験
図
実験結果 トランスコーデ
ィング制御中
図
実験結果 トランスコーデ
に変換
実験結果 トランスコーデ
ィング制御後
に変換
ィング制御中
図
図
に変換
実験結果 トランスコーデ
ィング制御後
に変換
結果
測定した結果をグラフにし,図
のファイルを
に示す.また,配信を開始して負荷をかけて
のファイルにトランスコーディング制御を行い,ビットレートの回復
後にトランスコーディング制御を解除したときの画像を図
から図
に示す.
考察
この実験では,背景負荷を
かけた.その場合,クライアントでの画像は劣化して
いる.トランスコーディング制御を行った結果,クライアントが受信ビットレート低下通知
実験
を送信してからトランスコーディングを行い切り替わるまでに
かかり,クライアン
トが受信ビットレート安定通知を送信してからトランスコーディングを解除して切り替わる
までに
かかった.
制御後には音声と映像のフリーズといった現象が起こったが,これは
でのトランス
コード時のエンコード時間が原因だと考えられる.しかし,トランスコーディング解除を
行った後切り替わるまでの時間がトランスコードした場合よりも時間がかかった原因は不明
である.しかし,トランスコード後は画像品質の劣化もなく再生することができた.
図
実験結果
ファイルのトランスコーディング制御
実験
図
実験結果 トランスコーデ
図
実験結果 トランスコーデ
ィング制御前 負荷なし
ィング制御前 負荷
図
図
実験結果 トランスコーデ
ィング制御中
図
に変換
実験結果 トランスコーデ
ィング制御中
に変換
実験結果 トランスコーデ
ィング制御後
図
に変換
実験結果 トランスコーデ
ィング制御後
に変換
第
章
まとめ
本研究では,ストリーミング配信において伝送路の帯域に適したビットレートのコンテン
ツ配信を可能とするシステムを開発した.このシステムでは,配信ビットレート切り替え制
御方式とトランスコーディング制御方式を組み合わせ状況に応じて適応的な制御を行った.
そのため,コア
で伝送路の帯域が低下した場合には,適切な低ビットレートのファイ
ルを配信することが可能となり,また伝送路の帯域が回復した場合に老いても同様に適切な
高ビットレートのファイルを配信することができた.同様にアクセス
で伝送路の帯域
が低下した場合には,トランスコーディングを行い帯域の変動に適応可能となり,帯域が回
復した場合はトランスコーディングを解除して配信することができた.実験環境での結果か
ら制御を行わないときよりも映像の劣化を最小限にとどめることができた.
考察
本提案システムにより,伝送路の帯域に適応したコンテンツ配信が可能となったが,各制
御を行った際に配信ビットレート切り替えでは切り替えまでに
かかり切り替え時にブ
ロックノイズが発生した.また,トランスコーディング制御においても
または
か
かり,音声と映像が途切れるといった問題があることから,切り替え時における処理を検証
していく必要がある.
今後の課題
今後の課題
今回の研究では,各制御における回復処理を行う際にクライアントから
レート安定通知を送る基準を
に受信ビット
とした.しかし,配信されるファイルの大きさはそれぞ
れ異なっているため今後この基準は配信するファイルの大きさから検討していく必要があ
る.また,本研究では
ときの処理を行った.しかし,
間と
クライアント間で別々に帯域が変動した
間と
クライアント間の両方に隘路が存
在する可能性もあり,その場合においても伝送路の帯域に適したコンテンツを配信可能とす
ることが重要である.
謝辞
本研究を進めるに当たり,指導教員および論文審査の主査として,多くの御指導を受け
賜った島村和典教授に心から感謝いたします.また,情報システム工学科の荻原剛志教授と
坂本明雄教授には,副査として様々なご助言を頂きましてありがとうございました.そして,
グループのリーダとして指導し相談にのって頂いた修士院生の大崎友義氏には深く感
謝いたします.さらに,
グループの湯浅賢英氏,
グループの松本拓也氏にもご指
導頂きありがとうございました.最後に,お互いに助け合い励ましあった本研究室の同期の
方々に感謝いたします.
参考文献
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“ 配信経路切り替えによるストリーミング品質維持方式の研究,”平成
年
度 修士学位論文
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“ 中間監視サーバを介した
品質制御方式,” 四国支部連合大会,
ストリーミングの通信
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