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意見交換~閉会 議事録

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意見交換~閉会 議事録
コーディネーター 新海:
では、皆さん、そろそろ 15 分になりましたので、お席のほうに着いていただいて、後半
の部分時間が短くなってしまいましたが、5 時まで進めていきたいと思います。
ここからは皆さんにどんどん発言していただきたいと思っています。さきほど皆さんに
投げかけた論点でまずいいかどうかということです。今日は「伊勢湾再生」がテーマです。
再生はどこまで行ったら再生しているのか?というクェスチョンは確かにあるんですけれ
ども、そのことも含めて、自分たちは何をどういうふうにどこまで何をするかということ
を考え、他の方と組んだらこういうことができるんじゃないか、ということを意見交換し
たいと思います。
うまく行けば来年度もしくは再来年度に一緒にできることがあったらいいと考えます。
どなたからでも、今日のこの情報の中から、こんなことができるんじゃないかなとか、こ
んな連携って可能だろうかということをお考えの方、いらっしゃいませんか。どうでしょ
うか。
長良・自然とくらし楽校 清水:
岐阜からまいりました清水と申します。
去年、活動発表させていただいたNPO法人長良自然と暮らし学校で、地域の環境保全
とか環境教育中心に活動しているんですが、今、休憩中に中部地方整備局の方に質問をし
ていたんですけど、伊勢湾の再生って言うんですが、例えば私も暮らしていた中で、公害
で有名だった北九州で育ちました。すっごく汚かったんですね。先ほど、四日市の海もす
っごい汚かったけど、今調べてみると「1」だとか。だから案外きれい。
私の住んでいる岐阜市は、確かにペットボトルとか人間の出すごみが問題だということ
はよく分かりましたけど、再生する指標と言うか、子どもたちと共有し合えるような分か
りやすい指標みたいなものが、川と海とでは違うと思うんですよね。伊勢湾の再生の指標
みたいなものが、もう少し分かりやすいものがあったら教えていただきたいと思います。
コーディネーター 新海:
そうですよね。例えばウミガメ保存会の方がであればカメが戻ってくる、とか、いろい
ろそれぞれあると思います。どうでしょうか、それは私たちが活動する中で決めてもいい
ことかも知れないし、行政と議論しながら決めてもいいのかも知れません。何かもし具体
的に、こういうことが「再生」なんだということをご存知の方がいれば。
中部地方整備局さん、何かありますか。計画を読むとかなり難しいことが書いてあるよ
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うな気がしますが。
国土交通省中部地方整備局:
先ほどのパワーポイントで達成率の話があると思うんですが。環境基準というのがあり
まして、先ほど指標の中で、海域の環境基準達成率というのを示しまして、これがまだ横
ばいで改善されていませんよというのがありました。環境基準達成率ということで、やは
り望ましいと言うのか、環境基準というのが大気でも騒音でも水質でもありまして、海域
については場所によって環境基準は違うんですが、その目標値が定められまして、それを
達成しているかどうか。CODという化学的酸素要求量という指標があるのですが、それ
を達成しているかどうかというのがこの表です。
これで見ていただくと、定点観測している場所の中で達成しているのが伊勢湾で言うと
56%ということで、約半分は達成しているけれども、半分はまだ定められたものに達成し
ていませんよという、一つの指標にはなっています。
この環境基準は場所によって違っていて、どちらかと言うと都市部に近い、陸域に近い
ところは環境基準が少し緩くて、逆にきれいになってきているというような感じで、海側
のほうには本来もっときれいでなきゃいけないんだけど、なかなかきれいになっていない。
特に伊勢湾とか三河湾は閉鎖性水域なので、そういう現象が表れているという、一応そう
いうのでチェックしています。
どういうところで定点観測しているかと言った時に、海の中でも海岸でも青い点がポッ
ポッとありますね。ああいうところが今回でもやっていますし、年に 1 回とか観測したり
している観測場所だと。その地点、地点で環境基準に達しているかどうかというのをチェ
ックしたら、海の中ではまだ半分、まだ 6 割ぐらいですよというような話です。
コーディネーター 新海:
100%になることを目指しているということですか。
国土交通省中部地方整備局:
結論的には 100%を目指しているんです。ただ、なかなか有効な、と言ってはいけない
んですが、これをやったら絶対に 100%になるよというのが見つかってないのが現実です。
コーディネーター 新海:
100%の達成が目標値となっているそうです。三重県さん、何かありますか。
三重県:
多分聞いていただいて、よく分からないと思うんです。実際、水質やその関係で言うと、
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先ほど説明していただいたような、いわゆる目標値というのを持ちながら行政施策を推進
しているというところで、国と 3 県 1 市が共同でそういう推進会議の場でやっているとい
うのが現状なんですけど、その伊勢湾に関わる方々というのは、いろんな目で伊勢湾を見
てみえると思って、それぞれによってその伊勢湾の評価というのは当然違うと思うんです
ね。
それで我々、この協議会の中で「環境問題研究会」というのがあって、それは大したこ
とをしているわけじゃないのですが、そこで「水質部会」というのがございまして、数年
前から「じゃあ、分かりやすい指標って何かないの?」という議論をしています。国のほ
うでも、中長期的なビジョンの中で閉鎖性水域のCODで見ていてもなかなかよくなって
こないということがあります。それで、いわゆる底層と言って、底のほうの溶存酸素の量
で評価できないだろうかとか、赤潮とか苦潮とかの発生回数で評価できないかとか、透明
度みたいなもので評価できないかという議論が進んでいて、底のほうの溶存酸素の量とい
うのは、今、常時監視と言っているんですが、モニタリングを 3 ヶ所ほど国交省さんでや
っていただいています。
これが、何が問題かと言うと、特に貝とかですが、貧酸素になると魚は逃げられるんで
すが、貝なんかは逃げられないですよね。だからその貧酸素になってくると、やっぱりそ
れはまずいというところをまず分かって欲しいということで、この協議会の中で去年パネ
ルを作って、そこを展示しながら市民の方に分かっていただきたいと、今年啓発活動なん
かに活用させていただいたりしているんですよね。
だから、何が本当に再生なのか、答えはまずないと思うんですが、やっぱりそれは個人、
個人で多分違うのだと思うのです。ごみ拾いをしていただいている、清掃活動をしていた
だいている方というのは、やはりそのごみがなくなるかどうかというのが指標になると思
いますし、生物等、魚の調査をされている方は魚が戻ってくるのが指標だと思いますし、
そういうところはやはり一つじゃないと思っていて、まずやっぱりそこは海を感じていた
だきたいというようなところで、じゃ、みんなで何が再生なのかという議論がまだできる
状況になっていないんじゃないかと私は思っているんですね。
そんな中で、行政からすると先ほど説明いただいたところでもって指標をもちながらや
っているという現状だと理解して欲しいですが。
環境省中部地方環境事務所:
環境省的には、今お話しいただいたようにいろいろな指標の見直し、そういうのもすで
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に始まっていて、これからその溶存酸素、どれぐらい酸素が溶けているか、含まれている
か、それも新しい指標にしようということと、あと透明度の関係ですね。それであと、や
はり「見える化」
、分かりやすさということで、生き物、どういうところにはどういう生き
物が住んでいるか、ゴカイの類から二枚貝、あとは底のほうに住んでいる魚も含め、どう
いう生き物がここにはいたとか、そういうような指標の見える化、それを今進めておりま
して、新たな指標として、生物指標も今取り上げているというのが進んできておりますの
で、またいろいろな資料が出ると思いますので、期待してもらえればと思っています。
コーディネーター 新海:
はい、どうぞ。
参加者A:
私ども、EMとかを使って川の浄化とか池の浄化をやっているんですが、
「これ、本当に
きれいになったの?」とよく聞かれるんですよ。透明度、透視度とかそういうものは出す
んですが、それで数値ははっきり変わってくるんですが、私は、一番は生き物が帰ってき
たことが答えだよと。答えは生き物がくれますと。だから、サギやガンやいろんな鳥が集
まる、それから魚も増えてくる、ウも水中に潜って魚を取るような行動が出る。これは川
が戻ってきたことだよという説明をしているんですね。
大きく言えば伊勢湾も同じじゃないかなと。昔のことを知っているのは、漁師さんが一
番知っているんですよね。ワタリガニがどれだけ取れたかとか、魚がどれだけ取れた、コ
ウナゴがどれだけ取れたとか、あれは毎年の気象条件で変わりますと簡単に片づけている
んですが、じゃあ桑名でハマグリがなぜ取れなくなったのか、最近はちょっと取れるよう
になったようですけど、そういうことを目標にすれば、ただ、戦中戦後の何も物がなかっ
た時は海はきれいだったんですね。ただ、あの生活には戻りたくないので、自動車にも乗
りたいですし、その中でどうするか、それは当然ごみ拾いする人にも通じますし、森を再
生する人にも通じますし、洗剤を使っちゃいけないと頭では分かっていても使ってしまう
と。そのへんをどうするかということをまとめていく必要があるんじゃないかなと。
保全、再生と言われますけど、何を再生するのかというのが見えないんですね。今、答
えに近いようなことをおっしゃったので、今の「再生する」というのは、数値的に透視度
をこのぐらい、溶存酸素量をこのぐらい、もっと言えば渚を復活していけばかなり戻るん
ですよね。三河湾にしても伊勢湾にしても、かなり海を埋めちゃいましたので、それを戻
すのかと。戻せないなら、じゃあどうするのかと。そういう議論は国のほうから指標を示
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していただきたいなと思うんですよね。国と言うか、県も含めてですけど。
コーディネーター 新海:
はい、どうぞ。
参加者B:
僕も 1 分だけお願いします。
ぜひ水質と生き物に足して漂着ごみを入れていただきたいなと思うんですけど。ちょう
ど三重県が今日出した資料にこんなものが入っています。その中に 100 ㎡当たりのごみの
㎏数というのがあります。ちょうど伊勢湾の出口に鳥羽の答志島なんですが、奈佐の浜と
いうところがあって、4 ヶ月間で回収したごみが何と 225 ㎏というふうになっています。
ここに出ている 225 ㎏で答志島の人が出したごみは限りなくゼロに近いと思うんですね。
やっぱり愛知県、岐阜県、三重県の 3 県がそれぞれ出したごみが 3 分の 1 ぐらいずつ流れ
ていて 225 ㎏になっていると思うんです。
だからぜひ、この協議会が来年もあるのであれば、各県で相談していただいて、水質は
どこまで、生き物はどこまで、例えば奈佐の浜のごみの量を今 225 ㎏ですけど、来年まで
に半分にするとか 4 分の 1 にするとか、そういうのをぜひ㎏で出していただければなと思
います。
コーディネーター 新海:
NPOも連携して出してもいいではと思います。行政ももちろんですが、NPOも現場
で調査しているのですからやっていってもいいと思います。最初に子ども協議会の方が、
上流の子どもは川に入るんだけど、桑名の子は入らないよとお話くださいました。それも
指標ですよね。桑名の子どもたちが川に入るようにするにはどうしたらいいのか、という
のも人と川のつながりという指標、生活からの指標というのもあってもいいと思います。
行政の数値と、
我々が感じていることを合わせてもいいのかなと、
聞いていて思いました。
何か話題提供していただいてもいいですが、こういうことはできないだろうか、など。
はい、どうぞ。
参加者C:
ちょっと話題を変えてしまいますが、海にとって干潟というのは、浄化の役割として非
常に大切ということはよくご存知だと思いますので、国土交通省が数年前に人工干潟を造
成されたことで三河湾がきれいになったという声を何人かの人から聞いています。これ以
上、
これから先、
干潟の造成というのはされないですよね?これはすごい大事な話なので、
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愛知県の方にも言いたいんですけど。
それと、青潮を発生するのを抑制するために、深掘りの埋め戻しという話もあったんで
すが、まさか埋立のために深掘りを今後するということもないですよね?
コーディネーター 新海:
その質問はかなり答えにくいですよね。干潟の造成を今後するかどうかというのは、今
現在「しません」とはいえないのではと思いますが。
参加者C:
いや、干潟を埋め立てる、人工干潟ではなくて、天然にある干潟を埋め立てるというこ
とは、しないですよね?
コーディネーター 新海:
「しないですよね?」という質問には答えにくいと思います。愛知県はCOP10 の開催
地でもあったので、愛知ターゲット達成に向けて積極的に海域の保護をすすめないといけ
ない。一方で目先の今の経済状況とか社会状況の中で、
「埋め立てない」とは言えないのも
現実です。埋め立てをしない状況にどうやってするか、という議論が必要だと思います。
どうでしょうか。
四日市ウミガメ保存会
森:
先ほどモリコロの森さんも言ってみえましたが、下水道は最終処分場を海にどんどん出
していこうという動きがありまして、
多分森さんのところも先ほど処分場はもう要らない、
干潟を埋めないでという話をしていたんですが、実は四日市も、僕らが掃除をしているの
は砂浜なんですけど、隣の干潟が下水の最終処分場のために埋立予定地になっているんで
す。もう来年ぐらいから始まる予定なんですけど。
だから、それぞれの省によって考え方が違うと思うので、国土交通省は埋め立てなくて
も他の省が、みたいなことがあるかも知れませんし、これからも僕はあると思います。
コーディネーター 新海:
きっとあるんでしょうね。でも、そうならないようにするためにはどうしたらいいかと
いう議論をもっとしないといけない。実際に地域で、さきほども産業廃棄物処理場ができ
そうだという話がありましたが、私達が大切だと思う場所は開発対象になりやすい。私た
ちにとって価値のある場所をどうやって残していくかというのは、私たちの知恵と提案で
残していくしかないと思うのです。現場で活動されている方で何かご意見ありますか。
四日市ウミガメ保存会
森:
- 40 -
すごく嬉しい質問で、さっきの動画の中で、
「三重の海づくりシンポジウム」というのを
主催しましたと出てきたのですが、あれはまさに僕たちが伊勢湾をきれいにするために、
干潟が大事か、下水の最終処分場が大事か、四日市市内でも下水が通ったことで、川にこ
んな希少な生物が戻ってきたという報告がいっぱいあって、下水はどんどん進めて欲しい
なと、そういう意味では思うんですけど、下水の処分場がたまたま僕たちの砂浜にやって
きた、みたいな話で、反対運動はやっていないんですが、それを今勉強している途中で、
この中にぜひ伊勢湾を再生するために干潟が大事だ、下水が大事だと言う人もいると思う
ので、双方の意見があれば聞きたいな、教えて欲しいなと思います。
堀川まちネット 川口:
下水処理は大事なんですが、今の活性汚泥法という方式は、最後に塩素を放り込みます
ので、その放水路から 2 ㎞先には生物はいないということはご存知ですか。何も住めない
んだって。塩素で殺菌するので。だから活性汚泥法そのものも問題なんですよ。だから名
古屋の堀川だって、そこからの水がいっぱい流れるので、なかなか川はきれいにならない
と思います。これは大変な問題になりますけどね。
ですから今言った、
干潟を埋めちゃダメ、
どうしようもない経済的な事情があるのなら、
同じだけの干潟が造れるのなら埋めましょうと。だって、貝がいなくなれば水はきれいに
ならないんですよね。で、貝というのは全部貝でも、水面下何㎝で全部生き物の種類は違
うんですよ。だから干潟というのは非常に大事なところなんですよね。
コーディネーター 新海:
それでCOP10の時は、干潟を経済的にみたらどれくらい価値があるんだろう、とい
った議論がされ計算されている場所もあると思います。自然保護団体からすると、干潟を
お金で換算するというのはどうかという話もあるんですが、今守るためには経済価値で議
論しないと難しいという方もいらして、私たちが自分たちの町の里山を、干潟を、どう残
したいかについて真摯に向き合って議論しないと守れないと考えています。なので今日の
ような会議は非常に大事だと思っています。
行政に今問われても、いろんな人がいる中で決めてきていることなので、
「いやいや、そ
れを今言われても…」となってしまいます。だから、我々がどうしたいかということを早
い段階でもっと多くのマジョリティを巻き込んで議論したり提案をしたりしていかないと
守ることはできない。藤前干潟はいろいろな経緯はありましたが、結果守れたのだから、
守れないはずはないと私は思っています。NPOが率先して頑張りませんか。
- 41 -
参加者D:
私は、下水というのがいいかどうか分からないのですが、現実的に今、大垣の水門川と
いうのは、私の学生時代は生き物は何もいない川でした。今はいわゆる海を川を行き来す
る魚がたくさん来ています。いわゆる下水事業によって非常によくなったのと、工場排水
がなくなったという、工場が排水しなくなったというのが一番大きな理由だと思っていま
す。
最終処分場はどこかに造らないと、人間が生きていく限りは大事だと思っていますが、
ただ、先ほどお話が名古屋の方からあったんですけど、雨の日に洗剤が流れると。岐阜に
取れば驚きの話ですね。
あり得ない話なんですよね。
名古屋はどうなっているんだろうと。
名古屋は岐阜とは多分下水道の作り方がまったく違うんだろうねというのを、今お聞きし
て、多分雨が降ったら増水して、きれいに浄化して海へ垂れ流しているんだろうねという
のを現実的に改めて感じました。そんなことがあるわけがないんですよね。
だから、そういうことを一つずつ考えて、物を作るには、プラスの部分と、当然マイナ
スの部分が出ますので、それを足して 70%だったら作るし、30%はやっぱり批判が出るん
だろうなと思っております。
ただ、それと同じように今日この会場でこういうお話をします。同じ時間に岐阜でやっ
ているんですね。同じような内容のことをね。昨日は国交省さんが名古屋でやっています
ね。おかしいですね。今日、環境省さんも国交省さんも来ていますね。とてもおかしいで
す。私たちは市民団体ですね。おかしいですよ。同じ団体に二つの手紙が来るんですよ。
やっぱり私たちも一生懸命やって行くんだったら、やっていくやり方をして欲しい。
もう一つ、農林水産省さんが参加されていないのに非常に不満を持っています。一番川
を悪くしているのは農業用水だと私は思っています。10 月から 4 月まで一滴も水を流さな
い農業用水。とんでもない話ですね。生物多様性の中で一番問題ですね。微生物が発生す
る場所がなくなっていっているんです。田んぼと川と本線とのつながりが今なくなってい
るんです。当然そうすれば伊勢湾は汚くなるんですよね。微生物がいないんだもん。
もう一つは、水質汚濁法がこれからだいぶ見直しをされると聞いています。上流域と中
流域と下流域は生き物が違うんですね。そこの地域に生息する環境の中で流してもいい基
準を決めていただきたいんです。分かります?伊勢湾の入り口を基準にして水質汚濁法を
やれば、上流域の生き物は全部死ぬということですから、それでもOKということですの
で、やっぱり生き物はそこの地域、そこの上流域、中流域、もう少し細かい範囲になるの
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かも知れませんが、基準をそこに与えていただければ、僕はもっとよくなるんじゃないか
なと。やっぱり上流域、中流域をよくして伊勢湾がきれいになっていく、ここの部分のパ
イプをきちっとつなぐためには、やっぱりそのへんのところを理解していないと、基準に
合っているから何でも流していいという考え方は間違っているんじゃないかなと、そう感
じました。
コーディネーター 新海:
そういった調査のやり方を提案してもいいかも知れませんね。上流、中流の生態系の違
いを踏まえた調査方法など。
モリコロの川を守るプロジェクト 森:
ちょっと今日は、いい会議でよかったなと思っています。先ほど四日市の方からおっし
ゃっていただきましたが、瀬戸の場合は、愛知県の民間の最終処分場の 60%以上が瀬戸市
にございます。それでもう一つ瀬戸の特徴は、名古屋市みたいな大都市圏の 20 ㎞圏内で自
己水源が未だに 40%持っています。そういう点では世界でも例がないような水の町でござ
います。
そうした中で、どうして我々が今回愛知県で 60%もある産業廃棄物最終処分場に反対す
るかということは、その水源地の水源から数十メートルの所で民間の管理型と言われる処
分場が出来るということで、ちょっと考えたいなということであります。
もう一つ、矢田川の場合は、瀬戸市から尾張旭を通って名古屋の西区で庄内川と合流し
ています。これはもう本当の町の中の川でして、昔、僕の子どもの頃の感覚から言うと下
水そのものだったというイメージがございます。先ほども申し上げましたが、その流域の
皆さんの取り組みで、今では川に魚が住んで、鳥が住むというところまで回復しました。
当時は、手を入れますと、手に白い水が垂れると。乾くと埃と言うか泥が埃として舞うと
いうぐらい濁っていた川でございます。それが地域の皆さんの努力で、今はこうやって皆
さんと一緒にお話ができるぐらい回復しています。
今日、私、ここへ来る前に地域の糞害公害を皆さんと一緒にやってきました。今では、
我々の地域の農業用水は冬でも、通水されています。それはおっしゃったように、2、3
年前までは冬は止めていました。しかしながら、我々の運動をやる中で、やはり臭いとか
いろいろなことがあって、水が冬でも流れているといいねという発言がありまして、こう
いう形で月 1 回の定例会でまちづくりの皆さん、自治会の皆さん、町内会の皆さんとお話
する中で、そういう発言が農事組合の方に伝わるわけですね。そうした中でそういう活動
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を見ていて、農業をやってみえる方が自分たちの労力も惜しまずに水門を開けて、ごみな
んかの清掃もするというようなことがありました。
ですから、決して農業者が悪いとかそうじゃなくて、やはりそういう意思の疎通がない
と、なかなかそういう形で責任の押し付け合いになるのではと思っていまして、以前にも
そういう意見を聞きましたけれども、我々は決してそういうふうではなく、顔を合わせな
がら問題点を話していけば、大きな目標を掲げなくても、その中で今お聞きすると最新的
な取り組みができているなという感覚を受けます。
ですから、そういうことを今日のお話を聞いて再確認して、我々の地域のやっているこ
とは決して大きなことをやっていないのですけど、今まで皆さんのやっているのを何とか
まとめて意識を共通化しようという目標でやっていますけれども、そういうのが副産物的
にいい方向に動いているのかなという感覚を今日は受けました。ですから今日は参加させ
ていただいて非常によかったかなと思っております。
コーディネーター 新海:
ありがとうございます。
長良・自然とくらし楽校 清水:
先ほどの矢田川のお話の中で、自治体の方たちと行政の方たちが入って、月に 1 回定例
会議をなさっていると。すごく私たち、感心していたんですよね。やっぱりそれの力かな
というふうに、今伺っていて思いました。
モリコロの川を守るプロジェクト 森:
毎月の定例会の中で、年に 1 回程度、問題が山積した時に皆さんにお諮りして、愛知県
の尾張建設事務所にお声かけして、尾張旭市の河川担当者、瀬戸市の河川担当者もお招き
して意見交換をやるという形で、そこでは細かい、こういうことをやってくれとか、そう
いうことじゃなしに、河川を今後どうされていくんですかというようなこととか、地元の
自治会の方も入ってみえますし、まちづくりの方も入ってみえますので、普段そういう清
掃活動などで不便なことがあれば、そういうことを問い質すという形でやっておりまして、
我々のことを聞いていただけるという非常にいい場で、それに対する「やれない」という
回答の中でも考えていただけるんじゃないかなと思っていまして、それはそれで。
長良・自然とくらし楽校 清水:
分かりました。ありがとうございます。岐阜県の方もみえていますので、また今後参考
にさせていただきたいと思います。
- 44 -
コーディネーター 新海:
はい、どうぞ。
参加者E:
四日市からまいりました。
今聞きまして、伊勢湾の再生ということだと、伊勢湾にはヘドロがすごくあると思うん
ですけど、それをどうするかという話もちょっとあってもいいんじゃないかというのが一
つと、それからもう一つ、下水道の最終処分場ですね。これ、今、海に流れているところ
がたくさんあります。その地域は磯焼けがすごくなっています。今の状態では磯焼けが増
えるだけです。次にどうしたらいいかという対処はあると思うんですよ。僕らはいろいろ
考えていますけど、それに何か皆さんが向かっていくとか、結局その磯焼けの原因をなく
して、いい方向に変えたら伊勢湾の再生ももっと早くなるということもあると思うんです
ね。
そういう具体的に今の伊勢湾で起こっていることを解決する方法を何か考えたら、もっ
といい方法があると思うんですけど、一つ皆さんで意見を出し合って、実際に困っている
ところを解決していきたいと思っています。
僕の親父も漁師でしたのでよく分かるんですが、
ほとんど伊勢湾の底は魚が取れません。
はっきり言って。愛知県側に行くとか。
「四日市の魚」
だと言ったら誰も買わないでしょう。
おそらくイメージ的に。多分皆さんも違うところへ行って取ってくるんですけど、やっぱ
りもっときれいにして、悪い原因をいい原因に変えていくという方法がありますので、一
つそれで皆さんで協力して、今本当に困っていることをやりたい。ごみを拾っていただく
のも本当にありがたいですけど、本当にヘドロを減らしていくとか、魚、生き物を増やし
ていくという方法があると思いますので、その方向に一つ向かっていただけたらありがた
いなと思います。ありがとうございます。
コーディネーター 新海:
入口はごみ拾いでも、森林を守るでも、いろいろなことがあっていいのだけれど、最終
的に今ここにいるメンバーは「伊勢湾再生」という共通課題を抱えているので、ヘドロを
どう処理するかといったことを頭に置いておくということはすごく大事だと思います。森
林で木を切りながらも海のことを思うとか、ごみを拾いながら里山に思いを馳せるとか、
目の前の現象だけに意識をもつのではなくて、もっと広く深いこと、解決困難な状況にあ
ることまで考えることが大事だということですね。その部分は解決が難しいから、議論し
- 45 -
てもすぐに良い方法がでてくるわけではないのですが、私たちは向き合っていかなければ
いけない時に来ていると思います。
参加者F:
今日、大変有意義な会議なんですけど、せっかく行政の人たちもいらっしゃるんですけ
ど、意外と皆さん、構えてやって居られるんですけど。何かこういう悩みだとかジレンマ
だとかいうのは、それぞれ持っていらっしゃるんです。行政の人もジレンマを持っていま
す。我々もやっているうちにジレンマを持っていますけれども、そういうのを、私たち、
ここの人たちだけが議論してやっていてもあんまり意味はないんですよ。これをマスコミ
だとかいろんな人たちに来ていただいて、こういう問題があるんですよ、原点はここです
よとか、ウミガメが本当に四日市に来たということだって、知らないマスコミの人たちが
いっぱいいらっしゃる。それも一過性の報道ではなくて、定期的にそういうシリーズみた
いなものを組んでいただいて、やっていただく。そういうことが一番大事なんですよ。そ
うすると、皆さんが関心を持っていただく。忙しい中でも、じゃあごみを 1 回ぐらい拾い
に行こうかとか、そういう話だって出てくるんですよ。今日はちょっとそこのところがも
のすごく残念なんです。
それで皆さんは構えて、何かアカデミックなことをやろうとするのが意外と多いんです
けど、アカデミックでなくていいんですよ。皆さんが、NPOの人だとかいろんな人たち
がこんなことをやっていらっしゃるよということを、マスコミを通じて県民の皆さん、3
県の皆さんだとか、そういう人たちにPRしていただければ、山の子ども達だって見るで
しょうし、海の子ども達だって見るでしょうし。だから今日は若干そのへんが残念だなと
思っています。
コーディネーター 新海:
それも大事な課題ですよね。せっかくいろいろな活動があるのに、広がっていかないと
言うか、広がってはいるんだけど、もっと別の伝え方があるのでは、ということですよね。
そのあたり、どうでしょう。
長良川流域子ども協議会
柴田:
よくこういう会議に出てくるわけですが、自分たちのやっていることで困ったことを敵
のように物を言って、表現がいいか悪いか知りませんが、点で物を言われる。もう少し僕
は面で、例えば長良川にアユが少なくなった。それは河口堰だと。そういうことじゃなし
に、じゃあそれなら河口堰を取ったら今本当に長良川にアユが戻ってくるのかなと。僕は
- 46 -
ものすごく疑問を持っている。それは面で、アユがいないというのは別に木曽川もいない
し、揖斐川もいないし、日本中アユがいないんですよ。四万十川でもアユが少なくなった
と言って大騒ぎしている。だから、僕はもっと面でいろんな話ができるように…。
さっき堀川からちょっと出ましたけど、雨が降るとタバコの吸い殻がものすごく出てく
るというのは、あれは全部側溝は灰皿ですよ。今、タバコを吸う人はものすごく少なくな
ったけれども、それでも、タバコを吸って必ず行くところは側溝ですよ。岐阜市が少し気
が付いて、水路に営業用のタマネギの大きな袋を入れているけれども、すぐいっぱいにな
りますよ。そうすると、日本全国のタバコを吸ったものがあの紙とニコチンとフィルター
が一体どこへ行っているのかなと。
だから一つひとつをやり玉に上げてということじゃなしに、やっぱり面でもう少し論議
をするということを我々はしないと、いつまで経ってもどうかなという気がします。
コーディネーター 新海:
ありがとうございます。それが「連携」
、
「面」という言葉だと思いますが、全体を見て
全体で動いて行くということですよね。その意見に関してはどうでしょうか。
とは言え、自分のフィールドでいっぱいだという現状も理解できるので、すごく難しい
なというところがあるのですが、どうですか。
参加者F:
悪い例を挙げるといっぱいあるものですから、今言われたように、いい例、こういうの
がいいんですよというのももっとアピールする必要があるなと。
私は、郡上市の一番南の美並町、あそこに粥川という川がありますよね。あそこで僕は
感激したんですけど、長良川の本流は大雨でものすごい濁流だったんですが、あの粥川か
らはきれいな水が、大雨が降っても流れてくる。お聞きすると、山の持ち主の方がずっと
手入れされているし、住んでいる方たちもそういうことをされている。
地図を見ますと、あそこに「ウナギの生息地」と書いてあるんですよね。ちょっと待て
よ、ウナギなんてどこにでもいるんじゃないのかと。でも、国の指定みたいに載っている
んですね。だからああいういいところも、皆さんが見る。
「あ、これがいいね」というのも
アピールする必要があるなという気がしますね。
今、アユの話でもそうですけど、こっちにアユがいた、あっちにアユがいたという、ホ
タルがこれだけ出たよとか、そういういい例もアピールする必要があるなという気がしま
すね。
- 47 -
コーディネーター 新海:
そうですね。市民調査のいいところは、調査結果でよかったところをつないでいくこと
ができることではないですか。やってきたこと、やっていることをどう見せていくかがす
ごく大事だと思いました。
参加者G:
今の郡上のことで思い出したんですけれども、水が各家庭の池、ありますよね、あそこ
に流れてくるというまちづくりをずっと昔からやってみえるというのを聞いたことがあっ
て、それとか水を野菜洗い場とか水飲み場とかいうふうに、生活の中にすごく取り入れて
いる町ですよね。今起こっているいろんな問題が、山や里山もそうなんですけど、人の暮
らしからどんどん離れてきているので、どんどん山も荒れてきていますよね。私も子ども
の頃は山で遊んだら帰りは薪を背負って、ご飯を炊くための薪を持ってきましたけど、そ
ういう暮らしと自然、山とかが切り離されてきている。
と言って、昨日もキノコの菌打ちを子どもたちとしてきましたが、キノコはどこにある
かと言えばスーパーでということで、もっと暮らしと密接な関係を持たせるような工夫と
言うのか、そういうのを少し考えていけたらいいなと思うんです。
そのためには、先ほどの水を庭に入れるじゃないですけど、もっと環境関係の人たちば
かりじゃなくて、建築家の方たちとかまちづくりをするデザイナーの方とか、もっと広い
ネットワークの作り方もあるんじゃないかなと思って。だから、自然環境の市民団体ばか
りじゃなくて、先ほどの広報の仕方ですよね。それをもっと私たちは工夫する必要がある
んじゃないかなと思いました。そして、いろんなところから知恵を集めてくるというのも
一つだと思います。
それから、ここで 3 年目、いろんな市民団体の方と会いましたが、去年、桑名の赤須賀
漁協さんに行ってハマグリの養殖場を子どもたちと見学させていただいたんです。そうい
う方々とか企業の方々も一緒に話をする場を作るとか、そういうふうにネットワークの広
げ方を工夫していくといいかなと感じています。
コーディネーター 新海:
他にどうでしょうか。時間もだんだん限られてきました。
堀川まちネット 川口:
いささか環境の話から出るかも知れないですが、我々も任意団体の頃から 20 年、祭りの
研究をし始めてから 30 年ぐらいになるんですが、結局、無理をすると長続きしないんです
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よね。確かに環境というのは簡単によくならないんですよ。
例えば堀川が、今だからボラの大群が上がってきたとか、カワウがとんでもない数が来
るとか、ヨシが生えたとか言っていますけど、我々が始めた 20 年前というのはそうじゃな
かったよなと。
結局、環境というのはある程度条件を与えると、それなりに生物というのは戻ってくる
んだなと。いないなりに。そんなことがあるので、逆に言うと、続ければいいかなと。続
けていくうちにいろんな知恵が働くし、我々だって最初から環境の話をしていたわけでは
ないので。お祭りばかりやっていましたからね。それがNPOになり、環境保全の話をし、
堀川のヘドロってどうなっているんだ、掘り過ぎるとそこだけ深溜まりになってかえって
水質が悪くなるとか、勉強するわけですから。
みんな 100%分かっているわけじゃなくて、それぞれのところでやっているものですか
ら、それぞれのところの問題をそれぞれ出して、行政の人も受け取ってもらって、おそら
くこういう話が続いていけば、5 年、10 年先にはまた違った話なり違ったところが見えて
きて、それがいいからそれをやってみようという話になるから、いろんな批判はあると思
うんですけど、とりあえず続けたほうがいいんじゃないかと。
堀川まちネット:
先ほど面というお話があったんですけど、よく私たちはもうなにせちっぽけなところか
ら始まっているので、最初、点だったんですね。点だったんですけど、こういうところに
来させていただくと、点と点がつながっていくんですよ。今日初めて会った方もたくさん
いらっしゃるんですけど、点と点を結べば線になって、線がつながれば面になると思うん
です。つづれ織りとか縦織り、横織りとかいろんな言い方もあると思うんですけど、私、
きれいごとしか言えなくて申し訳ないんですけど、これで皆さんとある意味、ネットワー
クがつながって、私たちは本当に祭りから来ているので、最初、掃除をし出した時に、本
当にさっきのヘドロの話があって、何で堀川のヘドロって減らないのかなという話から、
あれは伊勢湾からも上がって来ているんだよと、そういう話を聞いて、本当かどうか分か
らないですけど、じゃあ、ということは伊勢湾も視野に入れてやらなくちゃいけないんだ
ねと。やってみないと分からないんですね。
だからそういったことにようやく私たちも 20 年経って気がついたので、また皆さんから
いろんなお話を聞きながら勉強していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
コーディネーター 新海:
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まだご発言をいただいていない方、どうでしょうか。
森林の風:
こちらから言わせていただきます。先ほどおっしゃったみたいな、濁った水が出ないだ
とか、森林や里山が荒廃しているということがあって、うちのほうで、PRになりますけ
れども、そういうところを手入れしていただくのは、最初は分からないと。そういうこと
を自分で山を持ってみえるなり里山を持ってみえるなり、だけど手入れの仕方が分からな
いと。手入れをしてもらえれば水はきれいになって、川がきれいになって、海がきれいに
なるということがあって、その手入れの仕方を勉強してもらおうというようなことを考え
て講座を作っています。
だから、我々も全然そういうところは最初に考えてはいなかったんですが、特に三重の
ほうに入って、真っ黒い山があって、だいぶ下のほうでありましたが、すぐに雨が降ると
山が崩れて流れ出てしまうと。こういうのを止めたいと考えて、山の手入れをしていきた
いと。山の手入れをするには、きちんとした考え方がないと困ると。また作業の方法もき
ちんと、先ほどあったみたいに土留めをするというようなことをしないときれいになって
いかない。それをやることによって水がきれいになり、保水力も上がって、川、海がきれ
いになっていくと考えていますので、ぜひとも今、三重のほうではありますが、愛知と言
うよりは名古屋ですね、名古屋の方もちょっと高速、これはいいことか悪いことか分かり
ませんが、1 時間で来ていただけるところにありますので、ぜひともご自分の山、地域、
こんなことができるということを学んでいただけるところに場所を作ってありますので、
来ていただいて、地域にそれこそ広げていただければと思っています。
コーディネーター 新海:
ちょっと 5 時を過ぎてしまいましたが、柴田さんお願いします。
恵那山みどりの会 柴田:
私たちがやっている国有林での間伐体験というイベントですが、実は数少ないんですが、
名古屋市民の方が参加されているんですね。それは名古屋に「阿寺渓谷を守る会」という
会があります。阿寺渓谷というのは、長野県の木曽川に流れ込む渓谷です。岐阜県の中津
川からも近いですが、
そこに中電が揚水式のダムを作るということで、それに反対する人々
が「阿寺渓谷を愛する会」というのを作られたんですね。
偶然、中津川の市民でその阿寺渓谷を愛する会と関わりのある人ができて、その関係か
らこちらからも阿寺渓谷を愛する会に、
僕らはこういう間伐体験のイベントをやりますが、
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いらっしゃいませんかと言ったら、本当に 6、7 名の参加ですが、毎年いらっしゃるわけで
すね。その方たちが初めて間伐、木を切る経験をした人は、倒れた時の音がいいとか、暗
い森が明るくなったとか、本当に素朴な感想を発表してくださるわけです。
肝心の中津川の市民の参加がないんですよね。それで、なんとあのちっぽけな町、中津
川市に僕たちの会員は 235 名もおるわけです。ところが、実際に活動をしているのは 50
名弱なんですね。なかなか目の前に恵那山系…、恵那山系というのは中央アルプスの最南
端ですね。ご存知のように深田久弥の『日本百名山』の一つです。それが目の前にあるわ
けです。それから裏木曽の山もあります。山に恵まれているけれど、なかなか市民が僕ら
のイベントには、まったく来ないというわけではありませんが、本当に数が少ないんです
ね。
どうしてだろうということで考えると、やっぱり発信をしていないんじゃないかと。そ
れから回数を重ねて手慣れてマンネリズムに陥っていないかというふうな声が中から出て
きまして、今日ここへ来て分かったことですが、やっぱり伊勢湾を再生するということは、
例えば名古屋市民の人で森林の整備に関心のある人には、ちょっと遠いけど中津川まで、
伊勢湾をきれいにする大もとの仕事だよというようなPRができるんじゃないかなと思っ
たりしています。
発信ということについては、先ほどこちらの方が言われたように、この場にマスコミだ
とかいろんな分野の方が来ていれば、環境や伊勢湾のことに関わる任意団体やNPOだけ
ではなくて、本当に今日のいろいろ発表されたことや討論のポイントが伝わっていくんじ
ゃないかなと。そういう意味では、発信するということの大事さも感じました。以上です。
コーディネーター 新海:
ありがとうございました。今日のまとめにそろそろ入ります。
最初は「伊勢湾の再生」って一体何なのか、その再生の指標は何なのかという話があり
ました。行政のほうからは、達成目標があって、100%を目指しているという話がありまし
た。NPOとしては、それも勿論なのですが、ごみ、生き物、子どもが川に入るとか、市
民にわかりやすい指標があってもいいんじゃないかという意見がありました。
そして、漁師さんの声も聞いていくと、より具体的にハマグリを食べられないところが
食べられるようになった、というのも指標にもなるのでは、という意見もありました。
そういったものをNPOはNPOらしさで作ればいいのでは、という話がされました。
それを行政に見せて、行政の指標や目標と合わせて多くの県民・市民に見せて、理解を得
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ていくことができるのではないか、というのがまず 1 点あったように思います。
それからもう一つ大きな課題としては、干潟や水源の開発の話がありました。これはN
POの中でも賛否両論あると思います。守らなければいけない時には、反対運動をして守
らなければならないかもしれない。けれど、私たちは、その場所がなぜ大事なのか、どう
いう価値があるのかをもっと多くの人に伝えて、
だから守るんだよ、
という活動もできる。
そういった動きを皆さんでつくっていく。中津川の人も、三重の人も、愛知の干潟のこと
を考える。そういう連携の取り組みが重要ではないかと話されました。
それからヘドロや下水処理を今後どうしていくか、目の前の問題だけではなくて、今後
はどういったシステムを入れていくと伊勢湾の再生につながるかを考えていくことが必要
だという話が3点目にあったと思います。
あとは「面で動くこと」がキーワードだったと思います。雨の日のタバコの吸殻の話、
とても重要な問題です。面的に流域で広がったら影響力のある運動になると思いました。
こういったことを皆さんでどう進めていくか、各団体の活動のノウハウをどうやって共
有して使っていくかが、
今後の課題だと思いましたし、
PRやいろんな人を巻き込む際に、
行政だけに頼らなくても、我々にやれることもまだたくさんあるのではないかと今日の皆
さんの熱い言葉から私は感じました。
行政の方には、これだけ熱心なNPOがこの地域にはあるので、ぜひ一緒に議論して、
対話して、作り出していく、批判し合う場ではなくて作り出していく場を作っていただき
たいと思います。NPO側は「こんなことをやりたいんだけど、できるんだけど」と提案
型、先ほどおっしゃったみたいに行動する姿勢が大切です、そういった視点でこの協議会
を盛り上げていけたらと思います。
10 分ぐらい延びてしまいましたが、以上で私からは終わりたいと思いますが、よろしい
でしょうか。どうしても何か言いたいという方、ありますか、ないですね。あれば後ほど
ということで終わりたいと思います。
では、最後に事務局からご挨拶をお願いします。
閉会あいさつ:
どうも本日は皆さん、長時間にわたりましてすみません。事務局の進行にまずいところ
もございまして、若干時間を延長してしまいましたが、本当にありがとうございました。
3 点ほど感想のようなものを発言させていただきたいと思います。
1 点目は、昨年もこれは申し上げたのですが、本日この場へお越しいただいて、いろい
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ろご発表いただいた各団体の皆様方、本当にそれぞれが明確にミッションをお持ちになっ
て活動をされている、ご努力されている、そういうことに対して本当に敬意を表したいと
思います。
それから、2 点目でございますが、この意見交換会は、冒頭のご挨拶でも申し上げまし
たように、3 年目になるわけですが、本当に今年お話を聞かせていただいていまして、昨
年もそうだったと思うのですが、各団体独自の活動もそうですが、やっぱり各地域で、あ
るいは地域間で団体同士の連携であるとか、企業との連携であるとか、そういった交流が
ますます活発になってきているのかなと感じたところでございます。
それから 3 点目でございますが、先ほど最後の意見交換のところでもございましたが、
伊勢湾の再生・保全に関していろいろな指標があるということもあったのですが、大きく
例えば水質とごみを考えてみた時に、それもやっぱり森林とか川という陸の部分と、伊勢
湾、三河湾という海の部分と、そういう二つの切り口があろうかと思います。
一つ水質につきましては、先ほど中部地整さんのほうからもご報告いただきましたけれ
ども、河川などですと、いわゆるBODで見るとかなり改善されてきているというのが数
字で分かるのかなと思います。これはやはり工場でも排水対策などがなされてきているで
しょうし、各家庭におきましては下水道が整備されてくるとか合併浄化槽が普及してくる
とか、そういったことで、いわゆるコントロールしやすいということもあって、かなり水
質はきれいになってきているのかなと思いました。
一方、海につきましては、先ほどのお話ではCODは伊勢湾も横ばいだというようなこ
とが報告の中にありました。これは先ほどの家庭や工場等のものと違いまして、伊勢湾、
三河湾は非常に大規模なフィールドでございますので、例えば汚濁機構が解明されてきた
としても、なかなか経費的な面も含めてコントロールするのが非常に難しいかなと。従い
まして、やはり地道に努力していく必要があるのかなと感じたところでございます。
あと、ごみにつきましては、河川も海もまだまだ努力の余地があるかなというような感
想を持ちました。そのためには、県民あるいは市民の方々の意識向上が当然必要になって
くるかなということで、やはりそれぞれの地域で、大変なことではあるのですが、もっと
もっと連携しながら行政、企業も加わった中で、啓発活動を展開していくことが必要かな
と。
何名かの方におっしゃっていただきましたけれども、そのへんのところの情報共有ある
いは情報発信が非常に重要になってくるのかなと思ったところでございます。以上でござ
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います。本日は本当にありがとうございました。
司会:
ありがとうございました。
コーディネートしてくださいました新海様、
また活動事例をご発表いただきました皆様、
貴重なご意見をいただきました会場の皆様、活発なご議論を本当にありがとうございまし
た。本日皆様にいただきましたご意見につきましては、今後の私どもの協議会の取組の中
に生かしてまいりたいと考えておりますので、今後ともご協力のほどどうぞよろしくお願
い申し上げます。以上をもちまして「伊勢湾の再生・保全に関する意見交換会」を終了い
たします。
(終)
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