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閾値の検討に関する共同研究 - MMS
2016.06.17 JEMS・MMS研究会 第68回定例会 提案 「変異原物質の閾値に関する共同研究」 須藤 鎮世(就実大学) 捏造された直線閾値なしモデル (Linear no-threshold model = LNT) 1928: MullerはX線が突然変異を起こすことを発見 1934: 国際放射線防御委員会(ICRP)閾値:500 mGy/年 1945: 広島・長崎に原子爆弾投下 1946: Mullerにノーベル賞、閾値なし!と断言 石油成金のロックフェラー財団とマラーの結託 1954: 米国科学アカデミーに遺伝学委員会設置 まともな議論なし、データなし グラス:閾値なしモデルは実験データがなく主に ヒット説に基づいている 1956: 直線閾値なしモデルを勧告し、根拠の提示を拒否 Muller自説を通すためには誇大・歪曲を辞さな人、 優生学の信者、精子銀行の創設者 直線閾値なしモデルの捏造の根拠 1. Mullerはノーベル賞受賞講演前に「閾値あり」の論 文を読んでいた。しかし、閾値なしと宣言 2. 遺伝学委員会の16名の委員のうち12名の遺伝学者に 宿題:全アメリカ人に0.1 Svを照射したら何人の子 供に変異が生じるか? 3人回答辞退、9名が回答 ばらつき大 → 小さな値の3名分を削除、6名分採用 3. 6名分は5,000,000前後で一致、差は1桁という 範囲:500,000〜50,000,000 実際の値:100,000〜200,000,000 (広島・長崎の結果:遺伝的影響はなし) 4. その他、閾値なしモデルを支持する実験データ無し 原爆被爆者について行なわれた遺伝調査 ① 出生時の障害 ② 性比 ③ 染色体異常 77,000人(1948-1954) 140,000人(1948-1966) 16,000人(1967-1985) ④ 生化学的タンパク質調査 ⑤ 死亡率調査 ⑥ DNA調査 ⑦ 臨床健康調査 23,000人(1975-1984) 80,000人(1946-継続中) 1,000家族(1995 - 継続中) 10,000人(2002-2006:継続中) 被曝による遺伝的影響は検出されない 直線閾値なしモデルの化学発癌への転用 1.1956年6月12日、直線閾値なしモデルの勧告 (ショウジョウバエの生殖細胞で実験) Anonymous. Science, 123, 1157–1164, 1956. 2. 1956年6月13日、New York Times 1面トップで報道 (ロックフェラー財団の所有) 3. 1958: The National Council of Radiation Protection and Measurement (NCRPM) 、放射線によ る発癌(体細胞)に 直線閾値なし仮説を採用 4. 1958: FDA, Delaney Clause デラニー条項を制定。 食品中に発癌性物質の使用/検出されてはならない → このゼロリスク法案は1996年に廃棄 5.1972: EPA:発癌剤に閾値なしを適用した。同時に リスク-ベネフィットの考えを導入、今日に至る 時計文字盤作業女工の骨肉腫 米国科学アカデミーの直線閾値なしという主張 0.1 Sv以下を一纏め(統計的まやかしの手段とか) 算数メモリ(低線量を矮小化) 2 Svまでの表示(問題は<100 mSv、Downturnを隠蔽) 直線より直線-2次曲線がよく合致 被爆者の生涯調査がLNTという主張 3 Svまでの表示(Downturnを隠蔽) 直線より直線-2次曲線が合致 低線量では信頼限界の外 放射線影響研究所:生涯調査のベイズ法による新分析 シグモイド曲線、Downturnの顕現、閾値、ホルミシス、 0.4 Gy以下で7/12点が信用限界の内 (LNTでは1点) 自然放射能 寿命短縮 寿命延長 原虫ではγ線で増殖が促進 ハエではγ線1 Svが閾値 Mullerの閾値なしは誤り マウスのγ線生涯照射で自然 線量の170-1,700倍なら長生き 放射線照射で ホルミシスの例 広島・長崎の被曝者の 白血病では閾値が設定 でき、それは約 1 Sv 広島・長崎の被曝者の固形癌 では投下後に入市した者Bより 頻度が低く、入市者Bはさらに 対照群 Aより頻度が低い アメリカにおける室内ラドンレ ベルと肺癌は逆相関を示し、 LNT とは相反する。 ホルミシスが見られる。 線量・線量率で 左右に振れる ホルミシスは種々の生物、種々の現象(増殖、遺伝毒性、 寿命、発癌などで見られる:生体防御機構の一環だろう 放射線の影響の主体は活性酸素(ROS)の発生 生体には防御機構(ROS消去、DNA修復、アポトーシス、 免疫機構)で対処できる=適応応答(ホルミシス) 免疫機構で記憶細胞が抗原刺激を記憶するように、 ホルミシスではエピジェネティックに記憶か? 適応応答(ホルミシス)はどのような時に見られるのか 1. 低用量では有益(+)、高用量で有害(ー)な反応 2. 低用量の前処理で、次の高用量には耐性が増す 3. A物質で前処理で、次のB物質処理に耐性が増す 直線閾値なしモデルはどんなに微量でも有害と規定、 反応は必ず0点より上の右上がり直線を想定する 放射線ホルミシスがある 化学ホルミシスもある 変異原ホルミシスを検討しよう in vitro 小核ホルミシスを検討しよう 用量設定のため細胞毒性試験で検証しよう 直線閾値なしモデルは変異原や発癌剤に適用でるか? 実験例: 細胞毒性試験 (150203): 同仁試薬 HeLa S3細胞、5,000 cells/50 μL well、50 μL の被験物質 処理、96 well plate使用、3 wells/dose、24時間後、同仁試 薬 (Cell Counting Kit-8 )10 μL 添加、37℃、2 hr 保温 マイクロタイタープレートリーダーーで450 nmの吸光度測定 最大無作用量NOAELの濃度を決める目的であるが、 低濃度で、細胞増殖の刺激が見られる:ホルミシス 試験法概略(in vitro小核)第一三共、五十嵐美由紀 細胞 培地 培養容器 CHU/IU 10%FBS添加MEM 6 cm 培養皿 TK6 10%FBS添加RPMI1640 パルス処理:15 mL 培養 チューブ 連続処理:25 cm2 フラスコ 細胞計測(例) ・血球計算盤 (共通) ・ATP assay (ルミテスター、キッコーマン㈱) ・トリパンブルー排除法による画像解析 (Vi-CELL、ベックマンコールター:電気インピーダンス) 毒性評価の方法 RCC, RICC, RPD(計画書参照) 処理時間 代謝活性化6 h 代謝活性化3 h 非代謝活性化6 h 非代謝活性化3 h 非代謝活性化24 h 非代謝活性化 RCC: Relative cell count RPD: Relative population doubling RICC: Relative increase in cell count 試験法概略(in vitro小核)田辺三菱製薬、武藤重治: 1-CHU/IU 細胞 培地 培養容器 CHU/IU 10%FBS添加MEM 10 cm 培養皿 24 well プレート 細胞計測(例) ベックマン・コールター Multisizer3またはZ1) 毒性評価の方法 相対細胞増殖率(RICC) 処理時間 非代謝活性化 6 + 20 h 非代謝活性化 26 h 陰性対照:DMSO, 生食、蒸留水、陽性対象: MMC, Col 培地:445 mL MEM、50 mL FBS、5 mLのKM液 播種:4×104 cells/mLの細胞懸濁液を0.5 mL/well (24 well plate) 処理液組成: DMSO使用、792 μL培地+8 μL被験物質液→500 μL使用 生食・水、720 μL培地+80 μL被験物質液→500 μL使用 試験法概略(in vitro小核)田辺三菱製薬、武藤重治 : 2-TK6 細胞 培地 培養容器 TK6 10%ウマ血清添加RPMI1640 75 cm2フラスコ 24 well プレート 細胞計測(例) ベックマン・コールター Multisizer3またはZ1) 毒性評価の方法 相対細胞増殖率(RICC) 処理時間 非代謝活性化 4+22 h 非代謝活性化 26 h 陰性対照:DMSO, 生食、蒸留水、陽性対象: MMC, Col 培地:435 mL RPMI1640 、50 mL HS、5 mLのPC/SM液、5 mL Napyruvate (100 mmol/L)、5 mL L-glutamnine (200 mmol/L) 播種:4×105 cells/mL for 4+22 h、または3×105 cells/mL を0.5 mL/well (24 well plate)で播種する 処理液組成:DMSO使用、735 μL培地+15 μL被験物質液→500 μL使用 生食・水、600 μL培地+150 μL被験物質液→500 μL使用 試験法概略(CytB使用in vitro小核)食薬センター、山影康次 細胞 培地 培養容器 CHU/IU 10%CS添加MEM 6 cm 培養皿 TK6 10%FBS添加RPMI1640 パルス処理:15 mL 培養 チューブ 連続処理:25 cm2 フラスコ 細胞計測(例) ・血球計算盤? (共通) ・ベックマンコールター? 毒性評価の方法 Replication Index(RI)+ 処理時間 詳細は略 非代謝活性化28* h 非代謝活性化の場合** * 1.2×104個/mLの細胞懸濁液とし、5 mL(6×104個)/皿、2日後に実験 連続28 h with CytB (3 μg/mL) ** 14×104個/mL 、最終細胞密度:約10×104個/mL、詳細は略 + RI =処理群[(2核細胞数+2x多核細胞数)/全細胞]/対照群 x 100 試験法概略(in vitro小核)ビー・エム・エル 、関 細胞 培地 培養容器 博 CHU/IU 10%CS添加MEM 継代 25 cm2培養フラスコ 処理 6 cm 培養皿 細胞計測(例) ・播種 血球計算盤 ・処理 細胞計数-ScepterTM2.0 毒性評価の方法 RICC 相対的細胞数増加 (Relative increase in cell count) 細胞計数装置 ScepterTM2.0 -319-905 PHCC20060 .......... ¥198,000 マイクロピペット感覚で細胞の計数が可能 わずか50 Lのサンプルで手軽に細胞の濃度管理が可能 計数方式には電気的検知帯法(コールター法)を採用 測定可能細胞数:10,000~500,000個/mL 3-319-901 計測チップ(50枚入)PHCC60050.................... ¥19,800 試験法概略(in vitro小核)武田薬品、橋本 清弘 細胞 培地 TK6 (ATCCより購入) 10%ウマ血清添加RPMI1640 Na-pyruvate 2 mM、PC/SM 100 U/mL final 培養容器 6ウェルプレートに 3 mL/mLの細胞懸濁液 (1×105cells/mLに調整)を播種 細胞計測(例) コールターカウンター コールターカウンター使用不可の時、血球計算盤 毒性評価の方法 ICHS2Rガイドライン:Relative Population 処理時間 非代謝活性化3 h処理、21 h回復 非代謝活性化24 h処理 試験法概略(in vitro小核)花王、大士 細胞 CHL/IU コメント:ホルミシスにp53が関与している可能性を考えるので あれば、CHLよりもp53コンピテントなTK6細胞が良いかもしれません 培地 MEM with 10%FBS 培養容器 6 well plate 細胞計測 全自動細胞カウンター TC20 (BioRad社) 毒性評価の方法 RICC:Relative increase in cell count 処理時間 代謝活性化 6 h + 18 h回復 非代謝活性化 24 h TC20 試料:10 μL 哺乳動物細胞を30秒でカウント オートフォーカス付き顕微鏡 6~50μmの細胞径の細胞をカウント 5X104~1×107 cells/mL の濃度範囲に対応 変異原物質の閾値に関する共同研究の提案 In vitro小核試験の前段階として、用量を決める このとき、細胞増殖を指標としたホルミシスを検討する 低用量では有益(+)、高用量で有害(ー)な反応は? できるだけ簡単な系を用いる ・非代謝活性化、連続処理を行う ・CHLを用いる(要すればTK6細胞を用いる) ・ 細胞播種24時間後に、被験物質で24時間処理した後、 細胞数を数える 自分で最もやりやすい方法を用いる (要議論) ・ 播種細胞数の測定(例:血球計算板) ・ 細胞増殖の測定(生化学的、コールター、、、) 被験物質として同一MMCを用いる(要議論) 納得のゆくまで実験を繰り返し、濃度を絞り込む 参加希望者/思案中の方 <2016年6月18日(土)> 8:00~8:30 フリータイムにご参集ください (場所は追って連絡) 45回JEMSで発表予定ですので、参加希望者は和文・英文 の氏名、所属を用意してください 発表は共同研究の趣旨と締め切りまでに得られた 予備データなどで適宜、構築します。 A proposal for a collaborative study of thresholds in mutagenesis and some preliminary supportive data revealed by cell growth as an indicator 皆様の積極的なご参加を期待します