...

洋野町再生可能エネルギービジョン

by user

on
Category: Documents
10

views

Report

Comments

Transcript

洋野町再生可能エネルギービジョン
洋野町再生可能エネルギービジョン
平成 26 年 3 月
洋
野
町
洋野町再生可能エネルギービジョンの策定にあたって
平成 23 年3月 11 日に発生した東日本大震災は、東北地方太平洋沿岸に類を見ない
被害をもたらしました。大津波による東京電力福島第一原子力発電所の全電源喪失事
故では、大量の放射性物質が漏えいし、被災地の多くの人々が避難生活を強いられる
こととなり、放射性物質の問題は今もなお続いております。
本町においては、幸いにも人的被害は免れましたが、住家や水産施設等は未曾有の
被害を受けるとともに、長期にわたる停電やガソリン、灯油などの燃油の供給不足か
ら物流が停滞するなど、町民生活や地域産業にこれまで経験したことのない被害と不
安を与えたところであります。
このことが転換点となって、これまでの原子力を基幹とするエネルギーに対する考
え方が大きく変わり、安定した電力供給、環境に配慮したエネルギーとして、再生可
能エネルギーへの関心が高まり、さらには、地域資源を活かした地域分散型のエネル
ギー源としてもその可能性が注目されております。
このような情勢を踏まえ、本町では、平成 24 年3月に策定した洋野町総合計画後
期基本計画において、循環型社会の構築への取り組みとして、再生可能エネルギーの
導入促進を主要施策として位置づけたところであり、このたび、環境への負荷の少な
い循環型まちづくりの形成と災害に強いまちづくりに向けて、再生可能エネルギーの
利活用の方向性を明らかにし、豊富な地域資源の活用によるエネルギー自給率の向上、
地域産業の活性化につなげることを目的に、「洋野町再生可能エネルギービジョン」
を策定いたしました。
今後は、本ビジョンの実現に向けて、町民・事業者・町が連携し、協働で取り組む
ことが必要であると考えておりますので、皆様の一層のご理解とご協力をお願いいた
します。
結びに、本ビジョンの策定にご尽力いただきました洋野町再生可能エネルギービジ
ョン策定委員会の岩手県立大学総合政策学部准教授・茅野委員長をはじめとする各委
員の皆様、そして各種調査やアンケート調査にご協力いただきました町民、事業者、
関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。
平成 26 年3月
洋野町長
水 上 信 宏
目
次
第1章 ビジョン策定の背景と目的 ························································ 1
1. 背景と目的 ······································································· 1
第2章 国内のエネルギー動向 ···························································· 2
1. 我が国におけるエネルギー事情 ····················································· 2
2. エネルギー政策の動向 ····························································· 6
第3章 洋野町の概要 ···································································· 8
1. 位置············································································· 8
2. 沿革············································································· 8
3. 面積・広がり ····································································· 9
4. 人口············································································· 9
5. 住宅の建て方 ····································································· 9
6. 土地利用········································································· 10
7. 農業産出額 ······································································· 11
8. 漁業生産額 ······································································· 12
9. 産業別従業者数 ··································································· 13
第4章 洋野町のエネルギー消費構造 ······················································ 14
1. 推計方法········································································· 14
2. 推計結果········································································· 28
3. まとめ··········································································· 36
第5章 洋野町の再生可能エネルギー賦存量と利用可能量 ···································· 38
1. 対象とするエネルギー ····························································· 38
2. 太陽光発電 ······································································· 39
3. 風力発電········································································· 41
4. 中小水力発電 ····································································· 44
5. 地熱発電········································································· 45
6. 波力発電········································································· 46
7. 潮力発電········································································· 48
8. バイオマス利用 ··································································· 50
9. 太陽熱利用 ······································································· 53
10. 地中熱ヒートポンプ(温度差エネルギー) ··········································· 54
11. 雪氷冷熱利用 ····································································· 55
12. 電気自動車(EV) ······························································· 56
13. コージェネレーション ····························································· 57
14. 燃料電池········································································· 58
15. まとめ··········································································· 59
第6章 再生可能エネルギー導入普及に向けた基本方針 ······································ 62
1. 洋野町内の再生可能エネルギー動向 ················································· 62
2. 地域特性と課題 ··································································· 64
3. 基本方針········································································· 65
4. 主体別の役割 ····································································· 66
第7章 目標の設定 ······································································ 67
1. 目指す姿········································································· 67
2. 計画の目標 ······································································· 67
第8章 洋野町に適した再生可能エネルギー ················································ 68
1. 選定の視点 ······································································· 68
2. 選定結果········································································· 69
第9章 導入モデルの検討 ································································ 70
1. 導入モデルの検討 ································································· 70
2. 今後の推進に向けて ······························································· 82
再生可能エネルギーとは
再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー と は 、太 陽 光 、風 力 、バ イ オ マ ス な ど の 永 続 的
に利用可能なエネルギー源を用いて得られるエネルギーのことを指
します。
具体的には、以下のような再生可能エネルギーの種類があります。
太陽光発電
太陽熱利用
太陽のエネルギーを直接電
気に変換する発電方法です。
太陽の熱エネルギーを
給湯、風呂、床暖房など
に利用するシステムです。
※太陽の光があれば、寒い地域でも
発電できます。
風力発電
バイオマスエネルギー
「風の力」でブレード
(風車の羽根)をまわし、
その回転運動を発電機に
伝えて電気を起こします。
廃木材を燃やした熱の利用や、家畜のふん
尿を発酵させて取り出したメタンガスなど生
物由来の資源(バイオマス)を燃料源とする
エネルギーです。
ペレット
コージェネレーション
発電の際に発生する熱を
電気と同時に温水や蒸気の形
で利用するシステムです。
※家庭用コージェネレーションには、
エコウィルがあります。
(エコウィル:大阪ガス(株)の登録商標)
ペレットストーブ
燃料電池
温度差エネルギー
水素と空気中の酸素を化学反
応させると電気と熱が発生する
仕組みを利用して発電します。
地中熱の温度は年中一定であるため、夏、
冬の外気との温度差を、ヒートポンプや熱交
換器を利用することで、空調、温室栽培、融
雪用の熱源として活用することができます。
※家庭用燃料電池には、エネファームがあります。
(エネファーム:東京ガス(株)の登録商標)
クリーンエネルギー自動車
石油代替エネルギーを利用したり、ガソリ
ンの消費量を削減したりすることで、排気ガ
スを全く排出しない、または排気ガスを削減
する車のことを言います。
夏は冷房
冬は暖房
本ビジョン内での単位の表し方
数の表し方
接頭辞
記号
テラ
T
ギガ
十進法標記
漢数字
乗数
1,000,000,000,000
一兆
10 の 12 乗
G
1,000,000,000
十億
10 の 9 乗
メガ
M
1,000,000
百万
10 の 6 乗
キロ
k
1,000
千
10 の 3 乗
1
一
10 の 0 乗
※百万 MJ=1TJ
エネルギーの表し方
エネルギー全般:J(ジュール)
電気量
:Wh(ワット時)とは、機器の定格容量“W”に時間“h”を掛けた単位
1 kWh = 3.6 MJ
エネルギー使用量の目安
エネルギー使用量
原油 1L(リットル)あたり
→ドラム缶一本(=200L)あたり
( 38.2MJ )
( 7,640MJ )
ガソリン 1L(リットル)あたり
( 34.6MJ )
灯油 1L(リットル)あたり
( 36.7MJ )
軽油 1L(リットル)あたり
( 37.7MJ )
電力消費量の目安
100W の電球を8時間使うと
800Wh
( 約3MJ )
100W の液晶テレビを 3 時間使うと
300Wh
( 約 1MJ )
3,120Wh
( 約 11MJ )
130W の冷蔵庫を 24 時間使うと
その他の量の表し方
読み方
記号
用途
リットル
L
液体の量の表し方
3
立方メートル
m
平方メートル
m2
ヘクタール
ha
グラム
g
トン
t
体積の表し方
面積の表し方
面積の表し方
1ha=10,000m2
用例
ガソリン
灯油
木材
ガス
100L
18L
150m3
20m3
一畳はおよそ 1.66m2
洋野町の面積は 30,320ha
重さの表し方
水 1L は 1,000g
重さの表し方
ガソリン 1,000L を使用すると
1t=1,000kg
二酸化炭素は 2.32t 排出される
第1章 ビジョン策定の背景と目的
第1章 ビジョン策定の背景と目的
1. 背景と目的
1-1. 背景
再生可能エネルギーを導入することの背景を以下に整理しました。

東日本大震災後のエネルギー危機への対応として、化石燃料の依存度を下げつつ、エネル
ギー自給率の向上を図る必要があります。

平成 24(2012)年7月に固定価格買取制度が開始されたように、今後より一層、再生可能
エネルギーを導入する必要がありますが、その方向性が不明確であり、洋野町に適した再
生可能エネルギーを選定し、推進していく必要があります。

再生可能エネルギーの導入施策がもたらす地域経済への波及効果や災害に備えての対策
など、効果・効率性がより一層求められてきています。
1-2. 目的
洋野町における再生可能エネルギーの利活用に関して、その方向性を明らかにし、地域のエ
ネルギー自給率を高めることを目指すとともに、洋野町の特徴を踏まえて導入可能性の高い再
生可能エネルギーを整理し、その導入モデルを構築することにより、地域産業の活性化につな
げることを目的に策定するものです。

このビジョンは、今後、洋野町としてどのように再生可能エネルギー導入の推進を図って
いくか、基本的な考え方を示すことを目的とします。

ビジョンの期間は平成 26(2014)年度から 10 年間とし、中間年となる平成 30(2018)年
度に見直しを行います。
1-3. 位置づけ
本ビジョンの位置づけを以下に示します。
<上位計画>
洋野町総合計画
後期基本計画
(平成18(2006)年度)
(平成23(2011)年度)
<本ビジョン>
<関連計画>
洋野町震災復興計画
洋野町再生可能エネルギービジョン
<参考>
<再エネ関連計画>
(平成23(2011)年度)
(平成25(2013)年度)
<その他調査(対象:洋野町)>
・NEDO洋上風力調査※1
・岩手県地球温暖化対策実行計画
(平成23(2011)年度)
(平成23(2011)年度)
・農林水産省再エネ調査※2
・種市町地域新エネルギービジョン
(平成9(1997)年度)
(平成23(2011)年度)
※1:風力等自然エネルギー技術研究開発洋上ウィンドファーム・フィービリティスタディ(FS)岩手県洋野町沖報告書
※2:岩手県、宮城県及び福島県の農山漁村における再生可能エネルギー導入可能性等調査
図1-1
本ビジョンの位置づけ
1
第2章 国内のエネルギー動向
第2章 国内のエネルギー動向
1. 我が国におけるエネルギー事情
1-1. エネルギー供給
我が国の高度経済成長期をエネルギー供給の面で支えたのが、中東地域などで大量に生産さ
れている石油です。第一次オイルショック後、我が国は、エネルギー供給を安定化させるため、
石油依存度を低減させ、原子力、天然ガス、石炭などの導入を進めました。
しかし、平成23(2011)年度の化石エネルギー依存度は約8割(88.4%:石油43.1%・石炭
22.0%・天然ガス23.3%)と依然として高く、化石エネルギーのほとんどを輸入に依存する我
が国にとっては、エネルギーの安定的な供給が課題となっています。
S40
(1965)
S45
(1970)
S50
(1975)
S55
(1980)
S60
(1985)
H2
(1990)
H7
(1995)
H12
(2000)
H17
(2005)
H23 (年度)
(2011)
出典:経済産業省「エネルギー白書 2013」
図2-1
一次エネルギー国内供給の推移
2
1-2. エネルギー需要
我が国は、昭和48(1973)年、昭和54(1979)年の二度にわたるオイルショックを契機に産
業部門の省エネルギー化が進み、エネルギー消費をある程度抑制しつつ、経済成長を果たすこ
とができました。
一方、業務部門と家庭部門を合わせた民生部門のエネルギー消費は、ライフスタイルの変化
に伴い、昭和48(1973)年度に比べ平成23(2011)年度は2.4倍となりました。
S48
(1973)
S55
(1980)
S60
(1985)
H2
(1990)
H7
(1995)
H12
(2000)
H17
(2005)
H23
(2011)
(年度)
出典:経済産業省「エネルギー白書 2013」
図2-2
最終エネルギー消費と実質GDPの推移
【部門の定義】
○産業部門
:産業部門とは、最終エネルギー消費のうち、第一次産業及び第二次産業、すなわち農林水産
業、鉱業・建設業、製造業に属する法人ないし個人の産業活動により、工場・事業所内で消
費されたエネルギーを表現する部門のことを指します。工場・事業所外での運搬・輸送によ
るエネルギー消費は運輸部門に計上しています。
○民生家庭部門:民生家庭部門とは、最終エネルギー消費のうち、家庭が住宅内で消費したエネルギー消費を
表現する部門のことを指します。家庭部門において、自家用車や公共交通機関の利用による
エネルギー消費は全て運輸部門に計上しています。
○民生業務部門:民生業務部門とは、第三次産業(水道、廃棄物、商業、金融、不動産、サービス業、公務等)
に属する企業・個人が、事業所の内部で消費したエネルギー消費などを表現しています。事
業所外での移動・輸送によるエネルギー消費は運輸部門に計上しています。
○運輸部門
:運輸部門とは、最終エネルギー消費のうち、企業・家庭が住宅・工場・事業所の外部で輸送・
運搬に消費したエネルギーを表現する部門を指します。
出典:全国地球温暖化防止活動推進センターHPを基に作成
3
1-3. 発電電力量の推移
第1次オイルショック以降、原子力発電、石炭火力発電、液化天然ガス(LNG)などの石
油代替電源の開発が積極的に進められてきました。平成23(2011)年度の石油代替電源の割合
は約9割にまで増加しています。
S27
(1952)
S40
(1965)
S50
(1975)
S55
(1980)
S60
(1985)
H2
(1990)
H7
(1995)
H12
(2000)
H17
(2005)
H23 (年度)
(2011)
出典:経済産業省「エネルギー白書 2013」
図2-3
発電電力量の推移
日本の発電電力量の構成比(図2-4)を見ると、LNGが39.5%、石炭が25.0%、石油が
14.4%、原子力が10.7%、水力が9.0%、再生可能エネルギー(水力除く)が1.4%となってい
ます。水力を除いた再生可能エネルギーの割合1.4%は、世界の3.2%と比べると低い傾向にあ
ります。
再生可能エネルギー(水力除く)
1.4%
再生可能エネルギー(水力除く)
3.2%
LNG
水力
9.0%
LNG
石炭
水力
16.2%
石油
原子力
10.7%
LNG
39.5%
石油
14.4%
石油
原子力
原子力
水力
水力
原子力
13.5%
水力除く再生可能エネルギー
石油
5.1%
石炭
25.0%
出典:経済産業省「エネルギー白書 2013」を基に作成
図2-4
石炭
LNG
21.4%
水力除く再生可能エネルギー
石炭
40.5%
出典:経済産業省「エネルギー白書 2012」を基に作成
日本の発電電力量の構成比
【平成 23(2011)年度】
図2-5 世界の発電電力量の構成比
【平成 21(2009)年度】
4
1-4. 化石燃料の輸入金額
我が国は、化石燃料調達のために多額の資金を費やしています。平成22(2010)年の国内総
生産(GDP)に占める化石燃料の輸入金額の割合は約3.5%であり、この10年間で約2倍にな
っています。
国内で再生可能エネルギーの導入を図っていくことは、こうした化石燃料の輸入金額の削減
につながり、化石燃料調達に伴う資金流出を抑制することができます。
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
(年度)
(1998) (1999) (2000) (2001) (2002) (2003) (2004) (2005) (2006) (2007) (2008) (2009) (2010) (2011)
※平成 23(2011)年は4~12 月までのデータによる。棒グラフの点線部分は、仮に平成 24(2012)年1~3月の月あたり
輸入金額が、平成 23(2011)年は4~12 月までと同じと仮定した場合の値。
出典:中央環境審議会地球環境部会「2013 年以降の対策・施策に関する報告書」
図2-6
化石燃料の輸入金額の推移
1-5. エネルギー自給率
我が国のエネルギー自給率は、4.4%(原子力を含む場合は19.5%)となっており、石炭、石
油、液化天然ガス(LNG)や原子力の燃料となるウランは、ほぼ全量を海外から輸入してい
ます。エネルギー自給率4.4%の内訳としては、水力32.6%、地熱・太陽光等16.3%、廃棄物等
(バイオマス)33.0%、石油3.2%、天然ガス14.8%となっています。
エネルギー自給率4.4%の内訳
【H22(2010)年】
S35
(1960)
S45
(1970)
S55
(1980)
H2
(1990)
H12
(2000)
H17
(2005)
H22
(2010)
出典:経済産業省「エネルギー白書 2013」
図2-7
エネルギー自給率の推移
5
2. エネルギー政策の動向
2-1. 新たなエネルギー基本計画
東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故により、我が国のエネルギー政策の
見直しが行われています。これまでのエネルギー・環境戦略をゼロベースで見直し、エネルギ
ーの安定供給、エネルギーコスト低減の観点も含め、エネルギー政策を再構築するため、総合
資源エネルギー調査会
基本政策分科会(H25.7.24~H25.12.13までに13回開催)でエネルギ
ー政策の見直しが行われています。
平成26(2014)年2月25日には「エネルギー基本計画」の政府案が、原子力関係閣僚会議に
おいて示されました。その中で、原発を「ベースロード電源」と位置付ける一方、再生可能エ
ネルギーについては、「2013年から3年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に
推進していく」という方針が示されています。
再生可能エネルギーに関する取組の内容としては、「固定価格買取制度の適正な運用や、環
境アセスメントの期間短縮化等の規制緩和等を今後とも推進するとともに、高い発電コスト、
出力の不安定性江、立地制約といった課題に対応すべく、低コスト化・高効率化のための技術
開発、大型蓄電池の開発・実証や送配電網の整備など」が挙げられています。
この会議の取りまとめ及び政府案を受け、新しい「エネルギー基本計画」が策定される予定
となっています。
6
2-2. 再生可能エネルギー固定価格買取制度の開始
平成24(2012)年7月1日から、再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオ
マス)により発電された電気を一定の価格・期間で電力会社が買い取ることを義務付ける「再
生可能エネルギー固定価格買取制度」が開始されました。これにより、新たな発電事業者の参
入意欲が高まり、国全体で再生可能エネルギーの普及が進むことが期待されています。
本制度により買い取られた再生可能エネルギーの電気は、電気の一部として供給されるため、
洋野町民を含め国民が電気料金の一部として再生可能エネルギー賦課金を負担しています。
出典:経済産業省
図2-8
資源エネルギー庁HP、なっとく!再生可能エネルギー
固定価格買取制度の平成 25(2013)年度買取価格・期間
7
第3章 洋野町の概要
第3章 洋野町の概要
1. 位置
岩手県の北東部に位置する洋野町は、久慈広域圏に属し、東は太平洋に面しており、北は青森県
三戸郡階上町、南は久慈市、西は九戸郡軽米町に接しています。
洋野町は、概ね東経141°34′から141°47′、北緯40°12′から40°26′の位置にあり、海抜100m
前後を境として、気温・降水量等に差異がみられ、西部高原地域と東部海岸地域に大別されます。
西部高原地域は、夏季は東部海岸地域に比べて気温が4℃~5℃高く、冬季は積雪が多く、内陸
型気候を示しています。一方、東部海岸地域は、海岸気象の影響を受け、春から夏にかけて「ヤマ
セ(偏東風)」に伴う濃霧が発生するため、湿度が高く日照時間が西部高原地域に比べて短い気象
条件下にあります。
図3-1
洋野町の位置
2. 沿革
本地域は、明治22年の市制町村制の施行に伴い、種市村のほか、中野村・有家村・小子内村の3
村合わせた中野村と、大野村・帯島村・水沢村・阿子木村の4村合わせた大野村が誕生しました。
種市村は、昭和26年に町制施行により種市町となり、その後昭和28年に施行された町村合併促進
法により、昭和30年に種市町と中野村が合併し、種市町となりました。
大野村は、昭和30年1月に軽米町大字上舘の一部を境界変更により編入しました。
平成18年1月1日に、歴史的にも地理的にも密接な関係にある種市町と大野村が合併し、「洋野
町」が誕生しました。
明治22年
種市村
中野村
有家村
小子内村
大野村
帯島村
水沢村
阿子木村
昭和26年
昭和30年2月11日 平成18年1月1日
種市町
種市町
中野村
洋野町
大野村
大野村
軽米町上舘の一部を編入
図3-2
昭和30年1月1日
一部編入
洋野町の沿革
8
3. 面積・広がり
2
面積は303.20km2で、そのうち山林が228.91km(75%)
と面積の約8割を占めています。次いで畑、
田、宅地を除いたその他面積が33.33km2(11%)と面積の約1割程度を占めています。
4. 人口
洋野町の人口は17,913人(平成22(2010)年現在)ですが、減少傾向が著しく、少子化・高齢化
が進行しています。
30,000
25,000
24,403
2,168
23,818
22,802
2,595
3,026
20,000
人
口 15,000
(
人
)
10,000
老年人口(65歳以上)
生産年齢人口(15~64歳)
年少人口(15歳未満)
21,322
3,734
15,289
20,465
4,625
19,524
17,913
5,205
5,467
15,086
14,896
13,633
12,521
11,584
10,154
5,000
6,946
6,137
4,880
3,955
3,319
0
2,735
2,292
S55
S60
H12
H17
H22
H2
H7
(1980) (1985) (1990) (1995) (2000) (2005) (2010)
出典:総務省「国勢調査」を基に作成
図3-3
洋野町の人口
5. 住宅の建て方
洋野町の全世帯のうち、一戸建て住宅に住む世帯数の割合が、全国、盛岡市と比較して高くなっ
ています。
100%
90%
1%
1%
5%
その他
共同住宅
80%
住
宅
の
建
て
方
42%
44%
70%
一戸建て
60%
50%
長屋建て
3%
98%
2%
40%
30%
55%
49%
20%
10%
0%
洋野町
盛岡市
全国
出典:総務省「住宅・土地統計調査」、平成 20(2008)年を基に作成
図3-4
洋野町の住宅の建て方
9
6. 土地利用
洋野町は「山林」の占める面積が75%であり、岩手県の「山林」の占める面積60%と比較しても、
「山林」の占める面積が多いことが分かります。
土地利用マップ(図3-6)によると、宅地は海岸沿いと旧大野村の中心地に多く立地しており、
それ以外は「山林」や農地(「田」、「その他の農用地」)等が広がっていることが分かります。
山林
面積(ha)
22,891
洋野町
比率
75%
面積(万ha) 908,002
岩手県
比率
60%
畑
2,316
8%
69,953
5%
田
1,142
4%
98,677
7%
牧場
753
2%
16,718
1%
宅地
638
2%
32,698
2%
原野 雑種地 池・沼 鉱泉地 その他
合計
514
408
6
1,652
30,320
2%
1%
0%
5%
100%
53,708 16,895
516
1 312,170 1,509,337
4%
1%
0%
0%
21%
100%
※端数処理(四捨五入)の関係で、比率の合計が一致しないことがある。
洋 野 町
牧場
2%
岩 手 県
雑種地 その他
5%
宅地 原野 1%
2% 2%
田
4%
その他
21%
牧場 1%
畑
8%
雑種地 1%
宅地 2%
原野 4%
山林
75%
畑
5%
山林
60%
田
7%
出典:洋野町「固定資産概要調書」を基に作成
図3-5
洋野町と岩手県の土地利用面積
凡例
L03-b-06_6041-jgd_mEB01
<all other values>
土地利用種
土地利用種別
定義
田田
湿田・乾田・沼田・蓮田及び田
その他の農用地
その他農用地
麦・陸稲・野菜・草地・芝地・りんご・梨・桃・ブドウ・
茶・桐・はぜ・こうぞ・しゅろ等を栽培する土地
山林
森林
多年生植物の密生している地域
荒地
荒地
しの地・荒地・がけ・岩・万年雪・湿地・採鉱地等で
旧土地利用データが荒地であるところ
建物用地
建物用地
住宅地・市街地等で建物が密集しているところ
幹線交通用地
幹線交通用地
道路・鉄道・操車場など
運動競技場、空港、競馬場・野球場・学校港湾地
区・人口造成地の空地等
人口湖・自然湖・池・養魚場等で平水時に常に水を
河川地及び湖沼
河川地及び湖沼
湛えているところ及び河川・河川区域の河川敷
その他の用地
その他の用地
海浜
海浜
海岸に接する砂、れき、岩の区域
海水域
海水域
隠顕岩、干潟、シーパース等
ゴルフ場
ゴルフ場
ゴルフ場のゴルフコースの集まっている部分のフェ
アウェイ及びラフの外側と森林の境目を境界とする
出典:国土交通省「国土数値情報 土地利用細分メッシュ」を基に作成
図3-6
洋野町の土地利用マップ
10
7. 農業産出額
洋野町の農業産出額は、鶏(ブロイラー、卵)が65%と半数以上を占め、そのほか豚が17%、牛
(肉用、乳用)が12%と畜産物が全体の9割を占めています。
一方、岩手県全体では、畜産物(鶏、牛、豚)は54%となっており、洋野町では農業産出額に占
める畜産物の割合が高いことが分かります。
肉用牛
6%
(単位:1,000万円)
洋野町
比率
鶏
843
65%
豚
223
17%
乳用牛
74
6%
肉用牛
72
6%
野菜
43
3%
米
28
2%
果実
2
0%
その他耕種
10
1%
その他畜産物
0
0%
合計
1,295
100%
米
2%
野菜
3%
その他
1%
鶏
豚
乳用牛
6%
乳用牛
肉用牛
野菜
豚
17%
米
鶏
65%
果実
その他
出典:東北農政局「第 59 次岩手農林水産統計年報(平成 23(2011)年~平成 24(2012)年)」を基に作成
図3-7
洋野町の農業産出額
(単位:1,000万円)
岩手県
比率
鶏
617
26%
米
583
24%
野菜
265
11%
豚
261
11%
乳用牛
214
9%
肉用牛
194
8%
果実
113
5%
工芸農作物
56
2%
花き
50
2%
その他耕種
9
0.4%
その他畜産物
7
0.3%
いも類
6
0.3%
その他
34
2%
豆類
6
0.3%
雑穀
4
0.2%
麦類
2
0.1%
合計
2,387
100%
花き
工芸農作物
2%
2%
果実
5%
肉用牛
8%
その他
2%
鶏
26%
乳用牛
9%
豚
11%
野菜
11%
米
24%
出典:東北農政局「第 59 次岩手農林水産統計年報(平成 23(2011)年~平成 24(2012)年)」を基に作成
図3-8
岩手県の農業産出額
11
8. 漁業生産額
洋野町の漁業生産額は、「鮮魚類その他」、「うに」、「あわび」の順に多くなっています。
一方、岩手県の漁業生産額は、多いほうから「さけ・ます類」、「いか類」、「まぐろ類」の順
になっています。
(単位:1,000万円)
比率
35%
19%
18%
13%
4%
4%
2%
1.3%
17.6
14%
0.8%
1.0%
0.2%
0.2%
0.0%
121.8
100%
洋野町
鮮魚類その他
うに
あわび
さけ
ホヤ
昆布
ふのり
なまこ
その他 わかめ
まつも
貝類その他
ほそめ
その他
合計
42.3
23.4
22.4
16.1
5.4
5.0
2.8
1.6
1.0
1.2
0.3
0.3
0.0
その他
14%
さけ
13%
鮮魚類その他
35%
あわび
18%
うに
19%
※端数処理(四捨五入)の関係で、比率の合計が一致しないことがある。
出典:洋野町「漁協業務報告書」、平成 24(2012)年を基に作成
図3-9
さ け ・ ます類
いか類
まぐろ類
貝類
さんま
たら類
ぶり類
たこ類
かじき類
さば類
その他の魚類
ひらめ・かれい類
きちじ
うに類
海藻類
その他の
水産動物類
さめ類
かに類
おきあみ類
いわし類
その他
さわら類
あなご類
海産ほ乳類
たい類
いかなご
あじ類
かつお類
すずき類
ふぐ類
えび類
ほっけ
にしん
合計
(単位:1,000万円)
岩手県
比率
4,798
22%
3,540
16%
3,469
16%
2,854
13%
1,744
8%
1,513
7%
670
3%
575
3%
325
1%
324
1%
316
1%
263
1%
219
1%
196
1%
187
1%
115
1%
113
1%
109
1%
103
0.5%
101
0.5%
2,545
12%
56
0.3%
31
0.1%
24
0.1%
23
0.1%
18
0.1%
7
0.03%
5
0.02%
4
0.02%
2
0.01%
2
0.01%
1
0.005%
1
0.005%
21,708
100%
洋野町の漁業生産額
たこ類
3%
その他
12%
ぶり類
3%
さ け ・ ます類
22%
たら類
7%
さんま
8%
いか類
16%
貝類
13%
まぐろ類
16%
※端数処理(四捨五入)の関係で、比率の合計が一致しないことがある。
出典:総務省「海面漁業生産統計」、平成 23(2011)年を基に作成
図3-10
岩手県の漁業生産額
12
9. 産業別従業者数
洋野町の産業別従業者数は、岩手県と比較して、第1次産業、第2次産業の占める割合が高くな
っています。第1次産業では「農業」が、第2次産業では「建設業」がそれぞれ多くなっています。
農業
第1次産業 漁業
林業
建設業
第2次産業 製造業
鉱業
卸売・小売業
医療・福祉
サービス業
運輸・郵便業
公務
宿泊・飲食サービス業
第3次産業 教育・学習支援業
複合サービス事業
金融・保険業
情報通信業
不動産業
電気・ガス水道業
分類不能産業
合計
洋野町
1,198
1,657
373
86
1,328
2,340
1,009
3
957
805
580
317
274
258
3,735
243
158
81
21
20
17
4
7,732
(単位:人)
比率
15%
21%
5%
1%
17%
30%
13%
0%
12%
10%
8%
4%
4%
3%
48%
3%
2%
1%
0.3%
0.3%
0.2%
0.1%
100%
産業分類:19 分類
産業分類:3分類
農業
複合サービス事業
教育・学習支援業 2%
3%
その他
宿泊・飲食
2%
サービス業3%
漁業
林業
建設業
製造業
公務
4%
運輸・郵便業
4%
鉱業
農業
15%
漁業
5%
サービス業
8%
建設業
17%
医療・福祉
10%
卸売・小売業
林業
1%
医療・福祉
第1次産業
21%
サービス業
第3次産業
運輸・郵便業
48%
公務
第2次産業
宿泊・飲食サービス業
30%
教育・学習支援業
卸売・小売業 製造業
12%
13%
複合サービス事業
その他
※端数処理(四捨五入)の関係で、比率の合計が一致しないことがある。
出典:総務省「国勢調査」、平成 22(2010)年を基に作成
図3-11
農業
第1次産業 漁業
林業
製造業
第2次産業 建設業
鉱業
卸売・小売業
医療・福祉
サービス業
宿泊・飲食サービス業
運輸・郵便業
教育・学習支援業
第3次産業 公務
金融・保険業
分類不能産業
複合サービス事業
不動産業
情報通信業
電気・ガス水道業
合計
岩手県
65,744
7,015 76,003
3,244
97,743
55,170 153,479
566
100,515
71,354
66,977
34,063
31,434
27,423
25,218 401,821
12,396
8,654
7,537
6,657
6,608
2,985
631,303
産業別従業者数の構成比(洋野町)
(単位:人)
比率
10%
12%
1%
1%
15%
24%
9%
0%
16%
11%
11%
5%
5%
4%
64%
4%
2%
1%
1%
1%
1%
0.5%
100%
産業分類:19 分類
産業分類:3分類
農業
漁業
金融・保険業
教育・学習
2%
その他
支援業 公務
5%
4%
4%
運輸・
郵便業
5%
漁業
1%
林業
1%
農業
10%
林業
製造業
建設業
鉱業
卸売・小売業
宿泊・飲食サービス業
5%
サービス業
11%
医療・福祉
11%
製造業
15%
建設業
9%
卸売・小売業
16%
第1次産業
12%
医療・福祉
サービス業
宿泊・飲食サービス業 第2次産業
24%
第3次産業
運輸・郵便業
64%
教育・学習支援業
公務
金融・保険業
その他
※端数処理(四捨五入)の関係で、比率の合計が一致しないことがある。
出典:総務省「国勢調査」、平成 22(2010)年を基に作成
図3-12
産業別従業者数の構成比(岩手県)
13
第4章 洋野町のエネルギー消費構造
第4章 洋野町のエネルギー消費構造
平成25年10月に実施したアンケート調査結果及び各種統計資料等に基づき、洋野町内におけるエネ
ルギー消費構造及び温室効果ガス排出量を把握します。
1. 推計方法
1-1. 推計フロー
推計に当たっては、環境省「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定マニ
ュアル」(以下「実行計画マニュアル))の算出方法を参考としました。
各種統計資料
アンケート調査結果
エネルギー種別消費量
エネルギー種別
発熱量
エネルギー種別
排出係数
エネルギー消費量
温室効果ガス排出量
(熱量換算)
図4-1
推計フロー
表4-1
単位の説明
単位
エネルギー
J(ジュール)
説明
熱量の単位です。「1ニュートンの力が力の方向に物体を1
メートル動かすときの仕事」と定義しています。1ジュール
は、地球上でおよそ102グラム(小さなリンゴくらいの重さ)
の物体を1メートル持ち上げる時の仕事に相当します。
kWh(キロワットアワー)
電力量の単位です。1kWの家電製品(電子レンジ等)を1時
間使用し続けたときの消費電力量に相当します。
体積
Nm3(ノルマルリューベ)
体積の単位です。ガスは温度と気圧によって体積が変わるた
め、標準状態(0℃、1気圧=N)で1m3の体積であることを
表します。
温室効果ガス
tCO2(トンシーオーツー)
重さ1トンのCO2を表します。
補助単位
k(キロ)
千倍のことです。
M(メガ)
百万倍のことです。
14
1-2. 推計の考え方と対象
本推計では、再生可能エネルギーの導入に関連する項目として、表4-2に示す項目のうち
エネルギー起源CO2のみを推計対象としました。また、実行計画マニュアルに基づき設定した推
計対象とするエネルギー及び部門を表4-3、部門ごとのエネルギー消費量の推計方法を表4
-4にそれぞれ示します。
推計期間は平成21(2009)年~平成23(2011)年としました。
表4-2
CO2 排出量の把握対象
都道府県
政令市
中核市
特例区
その他の
市区町村
エネルギー起源CO2
●
●
●
工業プロセス
(エネルギー起源CH4、N2Oを
含む)
●
●
▲
廃棄物
●
●
●
農業
●
●
▲
代替フロン等3ガス
●
▲
▲
【凡例】●:推奨、▲:不要
出典:環境省「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定マニュアル」、平成21(2009)年
表4-3
推計対象としたエネルギー及び部門
石油製品
電力
産
業
民
生
石油
製品※1
製品※2
ガス※3
ガス
ガス
石炭・
石炭製
熱※5
品※4
○
○
○
○
○
○
○
○
建設業・鉱業
○
○
○
○
○
○
○
○
製造業
○
○
○
○
○
○
○
○
業務
○
○
○
○
○
家庭
○
○
○
○
鉄道
船舶
※1
※2
※3
※4
※5
重質油
都市
農林水産業
自動車
運
輸
軽質油
天然
○
○
○
○
軽質油製品:ガソリン、軽油、灯油、ジェット燃料油、原料油
重質油製品:A重油、C重油、潤滑油、アスファルト、他重質油・パラフィン
石油ガス :製油所ガス、LPガス
石炭製品 :コークス類、石炭ガス
熱
:産業用蒸気、熱供給
15
○
表4-4
エネルギー消費量の推計方法
推計方法
按分指標
農林水産業
産
業
建設業・鉱業
生
運
輸
建設業及び
「都道府県別エネルギー消費統計」岩手県版における当
鉱業の従業者数
該部門の消費量を指標で按分
製造業
民
農林水産業生産額
製造出荷額
業務
業務用延べ床面積
アンケート調査結果における世帯当たりエネルギー消
家庭
-
費量×世帯数
自動車
洋野町の車種別保有台数×車種別燃料消費量
-
鉄道
洋野町内営業キロ数×キロ当たりエネルギー消費量
-
船舶
洋野町の輸送量×輸送量当たりエネルギー消費量
-
表4-5
エネルギー消費量の推計に使用した資料一覧
収集状況
統計名
全体
統計名
調査項目
エネルギー消費量(岩手県)
洋野町生産額(農業)
出典
摘要
都道府県別エネルギー消費
統計((財)経済産業研究所)
洋野町役場
H21
H22
H23
H24
H25
(2009) (2010) (2011) (2012) (2013)
●
●
●
-
-
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
(推計値)
耕種、畜産
農林
水産業
岩手県生産額(農業)
第59次岩手農林水産統計年
報(平成23年~24年)
洋野町生産額(林業)
洋野町役場
農林水産業生産額
木材、薪炭、きのこ、林野副
産物
岩手県生産額(林業)
第59次岩手農林水産統計年
報(平成23年~24年)
洋野町生産額(漁業)
洋野町役場
漁協取り扱い分のみ(個人
獲り分は非反映)
●
●
●
岩手県生産額(漁業)
海面漁業・養殖業のみ(内
第59次岩手農林水産統計年
水面・水産加工品は対象
報(平成23年~24年)
外)
●
●
●
建設業・
鉱業
建設業・鉱業の従業者数(洋野町、岩手県)
経済センサス(政府統計の
総合窓口)
●
-
-
製造業
製造品出荷額(洋野町、岩手県)
工業統計(経済産業省)
●
●
●
洋野町
固定資産等の概要調書(洋
野町役場提供)
●
●
●
岩手県
固定資産等の概要調書(総
務省)
●
●
●
業務
●
業務用延床面積
アンケート調査結果
世帯当たりエネルギー消費量 本業務
●
家庭
世帯数(洋野町)
住民基本台帳(総務省)
●
●
●
自動車保有台数
東北運輸局
●
●
●
車種別燃料種別消費量(全国)
自動車輸送統計年報・自動
車燃料消費量統計年報(国
土交通省)
●
●
●
●
●
●
●
●
●
運輸
(自動車)
運輸
(鉄道)
鉄道事業者の営業キ
JR東日本環境報告書(JR
洋野町内、JR東日本全路線
ロ数
東日本)
運輸
(船舶)
船舶輸送量
船舶輸送量(市町村)
八木港入港船舶の隻数・総
トン数データのみ。洋野町役
場に当該データなし
港湾統計
【凡例】●:推計に使用、-:当該年のデータなし、/:データ収集不要
16
1-3. 推計方法
(1) 産業部門(農林水産業)
農林水産業エネルギー消費量(洋野町)
=農林水産業エネルギー消費量(岩手県)×生産額(洋野町)/生産額(岩手県)
農林水産業
エネルギー消費量(岩手県)(①)
農林水産業
生産額(岩手県)(②)
農林水産業
生産額(洋野町)(③)
農林水産業
エネルギー消費量(洋野町)
①×(③/②)
エネルギー種別
CO2 排出係数
農林水産業
CO2 排出量(洋野町)
出典:環境省「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定マニュアル」、平成21(2009)年を基に作成
図4-2
表4-6
産業部門(農林水産業)の CO2 排出量推計フロー
産業部門(農林水産業)のエネルギー消費量推計方法
単位
石炭・石炭製品
軽質油製品
石油製品
岩手県
エネルギー消費量
重質油製
石油ガス
天然ガス
都市ガス
電力
熱
岩手県 農林水業生産額
洋野町 農林水産省生産額
電力
軽質油製品
石油製品
洋野町
エネルギー消費量
重質油製
石油ガス
天然ガス
都市ガス
石炭・石炭製品
熱
計算式
千t
千kL
千kL
千t
千t
百万Nm3
百万 kWh
百万MJ
億円
億円
千kWh
A
B
C
kL
kL
t
t
千Nm3
t
千MJ
17
D=A×C/B
×1,000
平成21年
(2009)
平成22年 平成23年
(2010)
(2011)
0
0
0
29
27
24
128
1
0
0
248
0
2,989
146
12,114
124
1
0
0
249
0
2,882
150
12,960
116
1
0
0
235
0
2,783
151
12,751
1,417
1,405
1,302
6,252
49
0
0
0
0
6,454
52
0
0
0
0
6,294
54
0
0
0
0
(2) 産業部門(建設業・鉱業)
建設業・鉱業エネルギー消費量(洋野町)
=建設業・鉱業エネルギー消費量(岩手県)×就業者数(洋野町)/就業者数(岩手県)
建設業・鉱業
エネルギー消費量(岩手県)
(①)
建設業・鉱業
建設業・鉱業
就業者数(洋野町)
(③)
就業者数(岩手県)
(②)
建設業・鉱業
エネルギー消費量(洋野町)
①×(③/②)
エネルギー種別
CO2 排出係数
建設業・鉱業
CO2 排出量(洋野町)
出典:環境省「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定マニュアル」、平成21(2009)年を基に作成
図4-3
表4-7
産業部門(建設業・鉱業)の CO2 排出量推計フロー
産業部門(建設業・鉱業)のエネルギー消費量推計方法
単位
電力
石油製品
岩手県
エネルギー消費量
軽質油製品
重質油製
石油ガス
天然ガス
都市ガス
石炭・石炭製品
熱
岩手県 建設業・鉱業 就業者数
洋野町 建設業・鉱業 就業者数
電力
軽質油製品
石油製品 重質油製
石油ガス
洋野町
天然ガス
エネルギー消費量
都市ガス
石炭・石炭製品
熱
百万 kWh
千kL
千kL
千t
千t
百万Nm3
千t
百万MJ
人
人
千kWh
kL
kL
t
t
千Nm3
t
千MJ
18
計算式
A
B
C
D=A×C/B
×1,000
平成21年 平成22年 平成23年
(2009)
(2010)
(2011)
143
134
126
40
40
40
10
10
10
0
0
0
0
0
0
9
9
9
0
0
0
0
0
0
52,348
69,789
87,231
791
1,059
1,328
2,161
2,033
1,918
604
607
609
151
152
152
0
0
0
0
0
0
136
137
137
0
0
0
0
0
0
(3) 産業部門(製造業)
製造業エネルギー消費量(洋野町)
=製造業エネルギー消費量(岩手県)×製造品出荷額(洋野町)/製造品出荷額(岩手県)
製造業
エネルギー消費量(岩手県)
(①)
製造品出荷額(岩手県)
(②)
製造品出荷額(洋野町)
(③)
製造業
エネルギー消費量(洋野町)
①×(③/②)
エネルギー種別
CO2 排出係数
製造業
CO2 排出量(洋野町)
出典:環境省「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定マニュアル」、平成21(2009)年を基に作成
図4-4
表4-8
産業部門(製造業)の CO2 排出量推計フロー
産業部門(製造業)のエネルギー消費量推計方法
単位
電力
石油製品
岩手県
エネルギー消費量
軽質油製品
重質油製
石油ガス
天然ガス
都市ガス
石炭・石炭製品
熱
岩手県製造品出荷額
洋野町製造品出荷額
電力
石油製品
洋野町
エネルギー消費量
軽質油製品
重質油製
石油ガス
天然ガス
都市ガス
石炭・石炭製品
熱
計算式
百万 kWh
千kL
千kL
千t
千t
百万Nm3
千t
百万MJ
億円
億円
千kWh
kL
kL
t
t
千Nm3
t
千MJ
19
A
B
C
D=A×C/B
×1,000
平成21年
(2009)
4,364
6
95
32
6
13
0
2,492
201,017,037
368,465
7,999
11
174
59
11
24
0
4,568
平成22年
(2010)
4,396
5
81
3
6
13
0
2,398
209,907,717
366,044
7,666
9
141
5
10
23
0
4,182
平成23年
(2011)
4,103
6
67
3
6
12
0
2,588
191,191,686
287,041
6,160
9
101
5
9
18
0
3,885
(4) 民生部門(業務)
業務用エネルギー消費量(洋野町)
=業務用エネルギー消費量(岩手県)×業務用延床面積(洋野町)
/業務用延床面積(岩手県)
※LPガス消費量は岩手県内の都市ガス普及率を考慮
業務用
業務用
電力・石油消費量(岩手県)
(①)
都市ガス販売量(岩手県事業者)
(④)
業務用
延床面積(岩手県)
(②)
業務用
延床面積(洋野町)
(③)
業務用
電力・石油消費量(洋野町)
業務用
都市ガス消費量(洋野町)
①×(③/②)
④×(③/②)
エネルギー種別
CO2 排出係数
業務用 CO2 排出量
(洋野町)
出典:環境省「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定マニュアル」、平成21(2009)年
図4-5
民生部門(業務)の CO2 排出量推計フロー
20
表4-9
民生部門(業務)のエネルギー消費量推計方法
■石油製品
灯油消費量
岩手県 軽質油製品消費量
岩手県業務延床面積
洋野町業務延床面積
洋野町 灯油消費量
千kL
m2
m2
kL
A
B
C
D=A×C/B×1,000
平成21年 平成22年 平成23年
(2009)
(2010)
(2011)
105
108
119
10,472,123 9,890,465 10,311,926
47,481
49,518
48,487
476
541
560
A
B
C
D=A×C/B×1,000
平成21年 平成22年 平成23年
(2009)
(2010)
(2011)
100
101
111
10,472,123 9,890,465 10,311,926
47,481
49,518
48,487
453
506
522
重油消費量
岩手県 重質油製品消費量
岩手県業務延床面積
洋野町業務延床面積
洋野町 重油消費量
千kL
m2
m2
kL
LPガス消費量
岩手県 石油ガス消費量
岩手県業務延床面積
岩手県 都市ガス普及率
洋野町業務延床面積
洋野町 都市ガス普及率
洋野町消費量
千t
m2
%
m2
%
t
A
B
C
D
E
F=A×D/B×(1-C)×
(1-E)×1,000
平成21年 平成22年 平成23年
(2009)
(2010)
(2011)
7
6
6
10,472,123 9,890,465 10,311,926
14%
14%
14%
47,481
49,518
48,487
0%
0%
0%
27
26
24
都市ガス
町内の供給はない
■電力
岩手県消費量
岩手県業務延床面積
洋野町業務延床面積
洋野町消費量
百万kWh
m2
m2
千kWh
A
B
C
D=A/B×C×1,000
平成21年 平成22年 平成23年
(2009)
(2010)
(2011)
2,696
2,803
3,183
10,472,123 9,890,465 10,311,926
47,481
49,518
48,487
12,224
14,034
14,967
A
B
C
D=A/B×C×1,000
平成21年 平成22年 平成23年
(2009)
(2010)
(2011)
45
45
45
10,472,123 9,890,465 10,311,926
47,481
49,518
48,487
204
225
212
■熱
岩手県消費量
岩手県業務延床面積
洋野町業務延床面積
洋野町消費量
百万kWh
m2
m2
千kWh
21
(5) 民生部門(家庭)
家庭のエネルギー消費量(洋野町)
=単位世帯当たりエネルギー消費量×世帯数
単位世帯当たりエネルギー消費量(洋野町)
世帯数(洋野町)
家庭のエネルギー消費量(洋野町)
エネルギー種別 CO2 排出係数
家庭の CO2 排出量(洋野町)
図4-6
表4-10
民生部門(家庭)の CO2 排出量推計フロー
民生部門(家庭)のエネルギー消費量推計方法
単位
年
単位世帯当たり
平成21~23年
固有単位/戸
エネルギー消費量
(2009~2011)
平成21(2009)年
世帯数
戸
平成22(2010)年
平成23(2011)年
平成21(2009)年
家庭のエネルギー
固有単位
平成22(2010)年
消費量
平成23(2011)年
22
計算式
A
B
C=A×B
電力
千kWh
灯油
kL
LPガス
t
8.2430 1.5360 0.1572
6,829 6,829
6,840 6,840
6,841 6,841
56,291 10,489
56,382 10,506
56,390 10,508
6,829
6,840
6,841
1,074
1,075
1,075
(6) 運輸部門(自動車)
自動車のエネルギー消費量(洋野町)
=車種別保有台数(洋野町)×車種別年間燃料消費量
車種別保有台数(洋野町)
車種別年間燃料消費量
自動車のエネルギー消費量(洋野町)
エネルギー種別 CO2 排出係数
自動車の CO2 排出量
図4-7
表4-11
運輸部門(自動車)の CO2 排出量推計フロー
運輸部門(自動車)のエネルギー消費量推計方法
平成21(2009)年
洋野町自動車
保有台数
台
A
種類
貨物
乗合
乗用
特殊(殊)
小型二輪
軽自動車
合計
出典
1,146
41
5,375
259
138
5,773
12,732
東北運輸局HP
1台1年間当たり燃料消費量
ガソリン
1台1年間当たり燃料消費量の割合
軽油
ガソリン
L/年/台
%
B
C
D=B/(B+C)
1,572
5,771
21%
3,332
8,184
29%
843
1,911
31%
0
7,264
0%
617
0
100%
617
0
100%
3
自動車燃料消費量統計年報
燃料消費量
軽油
ガソリン
軽油
%
kL/年
kL/年
E=C/(B+C)
F=A×D×B×D/1,000 G=A×E×C×E/1,000
79%
79
4,128
71%
11
169
69%
435
4,890
100%
0
1,881
0%
85
0
0%
3,562
0
3
4,172
11,068
-
平成22(2010)年
洋野町自動車
保有台数
台
A
種類
貨物
乗合
乗用
特殊(殊)
小型二輪
軽自動車
合計
出典
1,145
38
5,367
249
138
6,538
13,475
東北運輸局HP
1台1年間当たり燃料消費量
ガソリン
1台1年間当たり燃料消費量の割合
軽油
ガソリン
L/年/台
%
B
C
D=B/(B+C)
1,518
5,769
21%
5,845
7,998
42%
827
1,871
31%
0
7,365
0%
620
0
100%
620
0
100%
3
自動車燃料消費量統計年報
燃料消費量
軽油
ガソリン
軽油
%
kL/年
kL/年
E=C/(B+C)
F=A×D×B×D/1,000 G=A×E×C×E/1,000
79%
77
4,122
58%
39
102
69%
427
4,781
100%
0
1,834
0%
86
0
0%
4,054
0
3
4,683
10,839
-
平成23(2011)年
洋野町自動車
保有台数
台
A
種類
出典
貨物
乗合
乗用
特殊(殊)
小型二輪
軽自動車
合計
1,146
41
5,375
259
138
5,773
12,732
東北運輸局HP
1台1年間当たり燃料消費量
ガソリン
1台1年間当たり燃料消費量の割合
軽油
ガソリン
L/年/台
%
B
C
D=B/(B+C)
1,519
5,427
22%
5,751
7,804
42%
841
1,923
30%
0
7,019
0%
595
0
100%
595
0
100%
3
自動車燃料消費量統計年報
出典:東北運輸局「自動車燃料消費量統計年報」
23
燃料消費量
軽油
ガソリン
軽油
%
kL/年
kL/年
E=C/(B+C)
F=A×D×B×D/1,000 G=A×E×C×E/1,000
78%
84
3,784
58%
42
108
70%
407
5,065
100%
0
1,818
0%
82
0
0%
3,435
0
3
4,050
10,775
-
表4-12
燃料
業態
営
業
用
ガソリン
家
用
車
種
走行1㎞当たり
燃料消費量
(L/㎞)
1日1台当たり
走行キロ
(㎞/日)
A
B
1,934
○
物 軽自動車
0.090
69.47
2,282
○
旅
バス・乗用車
客
0.310
86.20
9,754
0.103
66.43
2,497
普通車
0.152
25.71
1,426
○
小型車
0.104
34.70
1,317
○
軽自動車
0.082
21.31
638
○
バス・特種車
0.174
27.53
1,748
普通車
0.120
23.33
1,022
○
小型車
0.088
23.56
757
○
乗用車(ハイブリッド)
0.062
32.95
746
○
軽自動車
0.078
20.89
595
0.093
23.05
782
0.093
23.25
789
普通車
0.274
146.93
14,694
○
小型車
0.126
66.33
3,051
○
特種車
0.263
158.22
15,188
0.310
116.21
13,149
0.132
70.88
3,415
0.270
142.40
14,034
普通車
0.226
32.89
2,713
○
小型車
0.111
30.88
1,251
○
特種車(貨物)
0.224
50.98
4,168
バス
0.182
37.00
2,458
普通車
0.119
29.96
1,301
○
小型車
0.101
28.52
1,051
○
特種車(非貨物)
0.222
20.97
1,699
0.160
31.27
1,826
0.220
54.62
4,386
0.183
139.06
9,289
0.186
121.64
営業用計
物
旅
客
貨
用
物
旅 バス
客
乗用車
営業用計
貨
軽 油
自
物
家
旅
用
客
自家用計
軽油計
営業用乗用車
LPG
その他LPG車
-
LPG計
CNG
C=A×B×365 貨物 乗合 乗用
34.18
ガソリン計
業
平均値算定対象
(○:算定対象)
0.155
自家用計
営
1台1年間
当たり燃料消
費量(L/年/
台)
貨 普通・小型・特種車
貨
自
車種別年間燃料消費量の算定例(平成 23(2011)年)
CNG車
40.31
-
53.88
-
8,258
-
出典:国土交通省「自動車輸送統計年報・自動車燃料消費量統計年報」、平成23(2011)年
24
特殊 小型 軽自
(殊) 二輪 動車
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
(7) 運輸部門(鉄道)
鉄道のエネルギー消費量(洋野町)
=JR東日本のエネルギー消費量×洋野町内営業キロ数/JR東日本の営業キロ数
JR東日本
エネルギー消費量(①)
JR東日本の営業キロの
(洋野町分/全路線)割合(②)
鉄道の
エネルギー消費量(洋野町)
(③=①×②)
エネルギー種別
CO2 排出係数
鉄道の
CO2 排出量(洋野町)
出典:環境省「地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編)策定マニュアル」、平成21(2009)年を基に作成
図4-8
表4-13
運輸部門(鉄道)の CO2 排出量推計フロー
運輸部門(鉄道)のエネルギー消費量推計方法
平成21年
(2009)
JR東日本 在来線運転用エネルギー
平成22年
(2010)
平成23年
(2011)
百万MJ
A
27,600
28,500
28,400
JR東日本 在来線営業キロ数
km
B
6,378
6,378
6,378
洋野町内営業キロ数
km
C
21
21
21
90,875
93,838
93,509
37.7
2,410
37.7
2,489
37.7
2,480
洋野町 鉄道由来エネルギー消費量
千MJ
軽油発熱量
洋野町 鉄道由来エネルギー消費量
千MJ/kL
kL
D=A×C/B×
1,000
E
F=D/E
25
備考
出典
JR東日本「2012年
環境報告書」
JR東日本 事業概
要パンフレット
階上駅~陸
中中野駅
(8) 運輸部門(船舶)
洋野町内にある港は、下表のとおり旅客や貨物の運輸を目的とした船舶の入港は見られない
ことから、運輸部門(船舶)によるエネルギー消費量はないものとしました。
表4-14
運輸部門(鉄道)のエネルギー消費量
平成21年
(2009)
隻数
トン数
隻数
外航商船
トン数
隻数
内航商船
トン数
隻数
自動車航送船
トン数
隻数
漁船
トン数
隻数
避難船
トン数
隻数
その他
トン数
合計
2,258
17,783
0
0
0
0
0
0
2,257
17,645
0
0
1
138
出典:国土交通省「港湾統計」
26
平成22年
(2010)
2,295
15,760
0
0
0
0
0
0
2,295
15,760
0
0
0
0
平成23年
(2011)
2,017
16,541
0
0
0
0
0
0
1,997
13,781
0
0
20
2,760
1-4. エネルギーの発熱量及び排出係数
各エネルギー種及び各部門の発熱量及び排出係数は下表のとおり設定しました。これらの数
値をエネルギー消費量に乗じ、発熱量換算のエネルギー消費量及び温室効果ガス排出量を算定
しました。
表4-15
エネルギー種の設定
産業部門
農林
建設業・
水産業
鉱業
民生部門
製造業
電 力
業務
家庭
自動車
鉄道
電力
軽質油製品
原油
灯油
重質油製品
原油
石油ガス
LPガス
天然ガス
液化天然ガス(LNG)
石炭・石炭製品
一般炭
表4-16
ガソリン、
軽油
軽油
エネルギー種別の発熱量及び排出係数
発熱量
燃料
電 力
運輸部門
平成 21~23 年
(2009~2011)
CO2 排出係数
単位
平成 22 年
(2010)
平成 23 年
(2011)
0.468
0.429
0.547
単位
電力
3.6
原油
38.2
千 MJ/kl
2.62
tCO2/kl
灯油
36.7
千 MJ/kl
2.49
tCO2/kl
油
ガソリン
34.6
千 MJ/kl
2.32
tCO2/kl
製
軽油
37.7
千 MJ/kl
2.58
tCO2/kl
原油
38.2
千 MJ/kl
2.62
tCO2/kl
LPガス
50.8
千 MJ/t
3.00
tCO2/t
液化天然ガス
(LNG)
54.6
千 MJ/t
2.70
tCO2/t
一般炭
25.7
千 MJ/t
2.33
tCO2/t
石
千 MJ/千 kWh
平成 21 年
(2009)
軽質油製品
品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
石炭・石炭製品
出典:電力は環境省HP、その他は環境省「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」
27
tCO2/kWh
2. 推計結果
2-1. エネルギー種別消費量
洋野町におけるエネルギー種別消費量を下表に示します。平成21(2009)年~平成23(2011)
年において、電力は約9万1千~9万2千MWh、軽質油製品は約3万~3万1千kL、重質油製品
は約7千kL、石油ガスは約1千4百t、天然ガスは9~11tで推移していました。
なお、都市ガス及び熱については、岩手県全体の消費量から按分すると洋野町でも消費量が
あることになりますが、実際には洋野町内には都市ガス及び熱の供給実績はありません。その
ため、両エネルギー使用量を熱量に換算した上で、両エネルギーと同じく熱として利用される
石油ガスに振り替えました。また、運輸のうち船舶については、洋野町に存在する港湾のうち
八木港は乙種港湾に指定されていますが、入港船舶のうちほとんどが漁船で商船は見られない
(港湾統計平成21(2009)~23(2011)年)ことから、輸送によるエネルギー消費量はゼロと
し、推計の対象外としました。
表4-17
農林水産業
平成21年
(2009)
平成22年
(2010)
平成23年
(2011)
電力
軽質油製品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
石炭・石炭製品
電力
軽質油製品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
石炭・石炭製品
電力
軽質油製品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
石炭・石炭製品
千kWh
kL
kL
t
t
t
千kWh
kL
kL
t
t
t
千kWh
kL
kL
t
t
t
12,114
1,417
6,252
49
0
0
12,960
1,405
6,454
52
0
0
12,751
1,302
6,294
54
0
0
産業部門
建設業・鉱業
2,161
604
151
120
0
0
2,033
607
152
121
0
0
1,918
609
152
121
0
0
エネルギー種別消費量
民生部門
製造業
7,999
11
174
170
11
0
7,666
9
141
108
10
0
6,160
9
101
97
9
0
業務
12,224
476
453
31
0
0
14,034
541
506
30
0
0
14,967
560
522
28
0
0
家庭
56,291
10,489
0
1,074
0
0
56,382
10,506
0
1,075
0
0
56,390
10,508
0
1,075
0
0
運輸部門
自動車
鉄道
0
15,240
0
0
0
0
0
15,522
0
0
0
0
0
14,825
0
0
0
0
0
2,410
0
0
0
0
0
2,489
0
0
0
0
0
2,480
0
0
0
0
合計
90,789
30,647
7,030
1,444
11
0
93,075
31,079
7,253
1,386
10
0
92,186
30,293
7,069
1,375
9
0
※都市ガスと熱は洋野町では供給実績がないため、各エネルギー発熱量に応じて石油ガスに振り替えた
(都市ガス44.8千MJ/千Nm3、石油ガス50.8千MJ/t)
※東北電力(株)において把握している洋野町内の平成24(2012)年度電力消費量の実績値は、71,817千kWh/年(①)であった。
推計された表4-17の平成23(2011)年度電力消費量は、92,186千kWh/年(②)であり、①と比較すると128%(②/①)とな
り、実績値よりやや過大に推計されていることが分かる。これは、「都道府県別エネルギー消費統計」の岩手県におけるエ
ネルギー消費量を各部門において生産額や延床面積等の比率で按分するという推計方法(環境省「地球温暖化対策地方公共
団体実行計画(区域施策編)策定マニュアル」)に準じ算出したためである。電力以外のエネルギー種別消費量の推計結果
と整合性をとるため、本ビジョンにおいては①の実績値ではなく、②の推計した電力消費量を用いることとした。
28
2-2. エネルギー種別消費量(発熱量換算)
洋野町における年間エネルギー種別消費量(発熱量換算)を下図に示します。
全体で約18億MJ相当のエネルギーを消費しています。エネルギー種別にみると、軽質油製品
が最も多く、次いで電力、重質油製品となっています。また、部門別に比較すると、運輸(自
動車)と家庭が多く、次いで農林水産業となっています。エネルギー種と部門をクロス集計す
ると、電力消費の大部分は家庭、軽質油製品消費の大部分は運輸(自動車)、重質油製品消費
の大部分は農林水産業であることがそれぞれ分かります。
なお、ここでは電力を熱量に換算して表現していますが(1MWh=3.6GJ)、火力発電における
電力の熱への変換効率は化石燃料を直接燃焼した場合よりも一般的に低いため、一次エネルギ
ー消費量としては電力がより多くの割合を占めることに留意が必要です。
エネルギー消費量 発熱量換算(部門別)
2,000,000
1,800,000
1,800,000
1,600,000
石炭・石炭製品
1,400,000
天然ガス
1,200,000
石油ガス
1,000,000
800,000
重質油製品
600,000
軽質油製品
400,000
電力
200,000
エネルギー消費量(千MJ/年)
2,000,000
1,600,000
1,400,000
運輸(鉄道)
1,200,000
運輸(自動車)
1,000,000
民生(家庭)
800,000
民生(業務)
600,000
産業(製造業)
400,000
産業(建設業・鉱業)
200,000
産業(農林水産業)
0
0
H21
(2009)
H22
(2010)
H21
(2009)
H23
(2011)
H22
(2010)
平成23(2011) 年エネルギー消費量 発熱量換算
1,200,000
エネルギー消費量(千MJ/年)
エネルギー消費量(千MJ/年)
エネルギー消費量 発熱量換算(エネルギー種別)
1,000,000
運輸(鉄道)
運輸(自動車)
800,000
民生(家庭)
600,000
民生(業務)
400,000
産業(製造業)
200,000
産業(建設業・鉱業)
産業(農林水産業)
0
電
力
図4-9
軽
質
品油
製
重
質
品油
製
石
油
ガ
ス
天
然
ガ
ス
炭石
製炭
品・
石
エネルギー種別消費量(発熱量換算)
29
H23
(2011)
表4-18
農林水産業
平成21年
(2009)
平成22年
(2010)
平成23年
(2011)
電力
軽質油製品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
石炭・石炭製品
合計
電力
軽質油製品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
石炭・石炭製品
合計
電力
軽質油製品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
石炭・石炭製品
合計
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
千MJ
エネルギー種別消費量(発熱量換算)
産業部門
建設業・鉱業
43,610
54,129
238,826
2,489
0
0
339,054
46,656
53,671
246,543
2,642
0
0
349,512
45,904
49,736
240,431
2,743
0
0
338,814
民生部門
製造業
7,780
23,073
5,768
0
0
0
36,621
7,319
23,187
5,806
0
0
0
36,312
6,905
23,264
5,806
0
0
0
35,975
28,796
420
6,647
2,997
601
0
39,461
27,598
344
5,386
254
546
0
34,128
22,176
344
3,858
254
491
0
27,123
業務
家庭
44,006
18,183
17,305
1,372
0
0
80,866
50,522
20,666
19,329
1,321
0
0
91,838
53,881
21,392
19,940
1,219
0
0
96,432
202,648
400,680
0
54,559
0
0
657,887
202,975
401,329
0
54,610
0
0
658,914
203,004
401,406
0
54,610
0
0
659,020
運輸部門
自動車
鉄道
0
561,615
0
0
0
0
561,615
0
570,662
0
0
0
0
570,662
0
546,348
0
0
0
0
546,348
合計
0
90,857
0
0
0
0
90,857
0
93,835
0
0
0
0
93,835
0
93,496
0
0
0
0
93,496
326,840
1,148,957
268,546
61,417
601
0
1,806,361
335,070
1,163,694
277,064
58,827
546
0
1,835,201
331,870
1,135,986
270,035
58,826
491
0
1,797,208
洋野町の年間エネルギー使用量を換算すると、石油ドラム缶で約23万5千本分、世帯数で約
4万7千世帯の年間使用量に相当します。
表4-19
エネルギー使用量のドラム缶換算(平成 23(2011)年)
計算式
単位
数値
エネルギー消費量(熱量)
A
千 MJ/年
1,797,208
原油発熱量
B
千 MJ/kL
38.2
ドラム缶容量
C
L/本
エネルギー消費量(ドラム缶換算)
D=A/B/C×1,000
本/年
表4-20
200
235,237
エネルギー使用量の世帯数換算(平成 23(2011)年)
計算式
単位
数値
エネルギー消費量(熱量)
A
千 MJ/年
1,797,208
世帯当たりエネルギー消費量
B
MJ/戸/年
38,358
エネルギー消費量(世帯数換算)
C=A/B×1,000
戸
46,854
※世帯当たりエネルギー消費量の出典:経済産業省「エネルギー白書2013」、家庭部門の排出量のみ
30
2-3. 温室効果ガス排出量
洋野町におけるエネルギー起源の温室効果ガス排出量を下図に示します。
全体で約14~15万tCO2を排出しています。エネルギー種別にみると、軽質油製品が最も多く、
次いで電力、重質油製品となっています。また、部門別に比較すると、民生部門(家庭)が最
も多く、次いで運輸部門(自動車)、産業部門(農林水産業)となっています。エネルギー種
と部門をクロス集計すると、電力の大部分は民生部門(家庭)、軽質油製品の大部分は運輸部
門(自動車)、重質油製品の大部分は産業部門(農林水産業)であることが分かります。
CO2排出量(エネルギー種別)
CO2排出量(部門別)
160,000
160,000
140,000
120,000
石炭・石炭製品
100,000
天然ガス
CO2排出量(tCO2/年)
CO2排出量(tCO2/年)
140,000
石油ガス
80,000
重質油製品
60,000
軽質油製品
40,000
電力
20,000
運輸(鉄道)
120,000
運輸(自動車)
100,000
民生(家庭)
80,000
民生(業務)
60,000
産業(製造業)
40,000
産業(建設業・鉱業)
20,000
0
H21
(2009)
H22
(2010)
産業(農林水産業)
0
H23
(2011)
H21
(2009)
H22
(2010)
H23
(2011)
平成23(2011)年CO2排出量
90,000
CO2排出量(tCO2/年)
80,000
70,000
運輸(鉄道)
60,000
運輸(自動車)
50,000
民生(家庭)
40,000
民生(業務)
30,000
産業(製造業)
20,000
産業(建設業・鉱業)
10,000
産業(農林水産業)
0
電
力
平成21年
(2009)
平成22年
(2010)
平成23年
(2011)
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
tCO2
重
質
油
製
品
石
油
ガ
ス
天
然
ガ
ス
石
炭
品・
石
炭
製
図4-10
温室効果ガス排出量
表4-21
温室効果ガス排出量
農林水産業
電力
軽質油製品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
石炭・石炭製品
合計
電力
軽質油製品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
石炭・石炭製品
合計
電力
軽質油製品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
石炭・石炭製品
合計
軽
質
油
製
品
5,669
3,713
16,380
147
0
0
25,909
5,560
3,681
16,909
156
0
0
26,306
6,975
3,411
16,490
162
0
0
27,038
産業部門
建設業・鉱業
1,011
1,582
396
0
0
0
2,989
872
1,590
398
0
0
0
2,860
1,049
1,596
398
0
0
0
3,043
民生部門
製造業
3,744
29
456
177
30
0
4,436
3,289
24
369
15
27
0
3,724
3,370
24
265
15
24
0
3,698
31
業務
5,721
1,247
1,187
81
0
0
8,236
6,021
1,417
1,326
78
0
0
8,842
8,187
1,467
1,368
72
0
0
11,094
家庭
26,344
27,481
0
3,222
0
0
57,047
24,188
27,526
0
3,225
0
0
54,939
30,845
27,531
0
3,225
0
0
61,601
運輸部門
自動車
鉄道
0
39,929
0
0
0
0
39,929
0
40,668
0
0
0
0
40,668
0
38,842
0
0
0
0
38,842
0
6,314
0
0
0
0
6,314
0
6,521
0
0
0
0
6,521
0
6,498
0
0
0
0
6,498
合計
42,489
80,295
18,419
3,627
30
0
144,860
39,930
81,427
19,002
3,474
27
0
143,860
50,426
79,369
18,521
3,474
24
0
151,814
洋野町の温室効果ガス排出量を森林吸収量に換算すると、下表のとおり72,292haの年間吸収
量に相当し、洋野町の山林面積22,891haの3.2倍となります。
表4-22
温室効果ガス排出量の森林吸収量換算(平成 23(2011)年)
計算式
単位
温室効果ガス排出量
A
tCO2/年
森林年間吸収量
B
tCO2/ha/年
温室効果ガス排出量(森林吸収量換算)
C=A/B
ha
数値
151,814
2.1
72,292
※森林年間吸収量の出典:農林水産省HP(適切に手入れされている80年生スギ人工林のCO2蓄積量170tを80年で
除した値)
32
2-4. 洋野町のエネルギー消費の特徴
(1) エネルギー購入費用
エネルギー種別及び用途別にエネルギー価格を設定し、エネルギー消費によるコストを算出
しました。その結果、図4-11に示すとおり、年間約64億円がエネルギー消費により支払われ
ていると推計されます。この額は平成25(2013)年度洋野町予算(約184億円)の35%に相当し、
町民1人当たりでは約34万円となります。
エネルギー購入費用約64億円の主な内訳は、表4-24に示すとおり、運輸部門(自動車)に
おける軽質油製品(ガソリン・軽油)で約21億円、民生部門(家庭)における軽質油製品(灯
油)で約10億円と電力で約10億円、産業部門(農林水産業)における重質油製品で約6億円と
なります。
表4-23
エネルギー種別及び用途別の価格設定
■設定
産業部門
民生部門
建設業・鉱業
製造業
業務
家庭
東北電力従量電灯B(最初の120kWhまで)
民生用灯油
小売灯油店頭
産業用A重油(小型ローリー納入価格)
LPガス(岩手県久慈・二戸エリア平均価格)
天然ガス
(輸入価格)
農林水産業
電力
重質油製品
石油ガス
灯油
ガソリン
軽油
A重油
LPガス
天然ガス
液化天然ガス
軽質油製品
-
-
運輸部門
自動車
鉄道
小売レギュラー
小売軽油
産業用軽油
-
-
■価格
電力
軽質油製品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
農林水産業
産業部門
建設業・鉱業
-
-
民生部門
円/kWh
業務
家庭
-
-
99.10
-
293.58
86.77
-
-
97.26
灯油
ガソリン
軽油
A重油
LPガス
液化天然ガス
円/L
95.06
円/L
円/kg
円/t
-
-
運輸部門
製造業
17.73
自動車
155.85
134.95
-
鉄道
120.98
-
※電力および石油ガス以外は平成25(2013)年4月~9月の全国平均値(出典:省エネルギー庁ホームページ)
※電力および石油ガス以外は平成
25(2013)年 4 月~9 月の全国平均値(出典:省エネルギー庁HP)
※電力・LPガスの基本料金は算定対象外
※電力・LPガスの基本料金は算定対象外
※LPガス:641円/m3、0.458m3/kg
※石油ガス出典:http://www.propane-npo.com/local_area/iwate/hironochou.html
※LPガス:641
円/m3、0.458m3/kg
※石油ガス出典:http://www.propane-npo.com/local_area/iwate/hironochou.html
平成23(2011)年 エネルギー購入費量(エネルギー種別)
平成23(2011)年 エネルギー購入費量(部門別)
404
300
688
1,634
電力
エネルギー
購入費用
(百万円)
計6,384百万円
軽質油製品
2,085
重質油製品
976
エネルギー
購入費用
(百万円)
計6,384百万円
農林水産業
142
148
376
石油ガス
2,357
エネルギー購入費用(百万円/年)
平成23(2011) 年エネルギー購入費用
4,000
3,500
運輸(鉄道)
3,000
運輸(自動車)
2,500
民生(家庭)
2,000
民生(業務)
1,500
産業(製造業)
1,000
産業(建設業・鉱業)
500
産業(農林水産業)
0
図4-11
製軽
品質
油
製重
品質
油
製造業
業務他
家庭
運輸(自動車)
3,658
電
力
建設業・鉱業
石
油
ガ
ス
天
然
ガ
ス
石
炭石
製炭
品・
エネルギー購入費用(平成 23(2011)年、税込)
33
運輸(鉄道)
表4-24
電力
軽質油製品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
石炭・石炭製品
合計
エネルギー購入費用(平成 23(2011)年、税込)
産業部門
農林水産業 建設業・鉱業
226
34
122
57
612
15
16
36
976
142
百万円
百万円
百万円
百万円
百万円
百万円
百万円
民生部門
製造業
109
1
10
28
0
148
業務
265
52
51
8
376
家庭
1,000
1,041
316
2,357
運輸部門
自動車
鉄道
2,085
300
2,085
300
合計
1,634
3,658
688
404
0
0
6,384
(2) 岩手県及び全国との比較
洋野町では、1人当たりのエネルギー消費量(発熱量換算)は約9万5千MJ/人(石油ドラム
缶12.4本分)、温室効果ガス排出量は約8千tCO2/人となります。これらの値はいずれも岩手県
及び全国より低い値となります。
平成23(2011)年 エネルギー消費量 発熱量換算(エネルギー種別)
0
エネルギー消費量(MJ/人)
40,000
60,000
80,000
20,000
100,000
平成23(2011)年 エネルギー消費量 発熱量換算(部門別)
0
120,000
20,000
エネルギー消費量(MJ/人)
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
洋野町
洋野町
岩手県
岩手県
全国
全国
電力
軽質油製品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
都市ガス
石炭・石炭製品
熱
平成23(2011)年 CO2排出量
0
2,000
産業(農林水産業)
民生(業務)
運輸(鉄道)
平成23(2011)年 CO2排出量
CO2排出量(kgCO2/人)
4,000
6,000
8,000
10,000
0
洋野町
洋野町
岩手県
岩手県
全国
全国
電力
軽質油製品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
都市ガス
石炭・石炭製品
熱
2,000
産業(農林水産業)
民生(業務)
運輸(鉄道)
産業(建設業・鉱業)
民生(家庭)
CO2排出量(kgCO2/人)
4,000
6,000
産業(建設業・鉱業)
民生(家庭)
産業(製造業)
運輸(自動車)
8,000
10,000
産業(製造業)
運輸(自動車)
※推計対象とした全部門におけるエネルギー消費量(発熱量換算)及び温室効果ガス排出量を国、岩手県、洋野町それぞ
れの人口で除して算出
図4-12
岩手県及び全国との比較(1人当たり消費量・排出量)
34
洋野町では、エネルギー消費量(発熱量換算)及び温室効果ガス排出量のいずれも、エネル
ギー種別では軽質油製品と重質油製品、部門別では産業部門(農林水産業)や運輸部門(自動
車)、民生部門(家庭)の占める割合が岩手県や全国と比べて高いことが分かります。これは、
洋野町の産業構造が第1次産業中心で、移動手段は主に自動車であることを反映しているもの
と考えられます。
平成23(2011)年 エネルギー消費量 発熱量換算(エネルギー種別)
0%
20%
40%
60%
80%
平成23(2011)年 エネルギー消費量 発熱量換算(部門別)
0%
100%
洋野町
洋野町
岩手県
岩手県
全国
全国
電力
天然ガス
軽質油製品
都市ガス
重質油製品
石炭・石炭製品
産業(農林水産業)
民生(業務)
運輸(鉄道)
石油ガス
熱
20%
40%
60%
80%
0%
100%
洋野町
洋野町
岩手県
岩手県
全国
全国
電力
天然ガス
40%
60%
産業(建設業・鉱業)
民生(家庭)
80%
100%
産業(製造業)
運輸(自動車)
平成23(2011)年 CO2排出量
平成23(2011)年 CO2排出量
0%
20%
軽質油製品
都市ガス
重質油製品
石炭・石炭製品
20%
産業(農林水産業)
民生(業務)
運輸(鉄道)
石油ガス
熱
40%
60%
産業(建設業・鉱業)
民生(家庭)
80%
100%
産業(製造業)
運輸(自動車)
※出典:(岩手県)経済産業省「都道府県別エネルギー消費統計」、運輸は洋野町推計方法と同様、
(全国)経済産業省「総合エネルギー統計」
図4-13
岩手県及び全国との比較(割合)
35
3. まとめ
「第4章
洋野町のエネルギー消費構造」のまとめを、以下に整理しました。
3-1. エネルギー消費量

洋野町全体では、約 18 億 MJ 相当(石油ドラム缶約 23 万5千本分、家庭約4万7千世帯
の年間使用量分)のエネルギーを消費しています。

エネルギー種別に見ると①軽質油製品(ガソリン・軽油・灯油等)、②電力、③重質油製
品の順にエネルギー消費量が多く、部門別に見ると①民生部門(家庭)、②運輸部門(自
動車)、③産業部門(農林水産業)の順に多くなっています。
部門別
2,000,000
2,000,000
1,800,000
1,800,000
1,600,000
石炭・石炭製品
1,400,000
天然ガス
1,200,000
石油ガス
1,000,000
800,000
重質油製品
600,000
軽質油製品
400,000
電力
200,000
エネルギー消費量(千MJ/年)
エネルギー消費量(千MJ/年)
エネルギー種別
0
1,600,000
運輸(鉄道)
1,400,000
運輸(自動車)
1,200,000
民生(家庭)
1,000,000
民生(業務)
800,000
産業(製造業)
600,000
400,000
産業(建設業・鉱業)
200,000
産業(農林水産業)
0
H21
(2009)
H22
(2010)
H23
(2011)
図4-14
H21
(2009)
H22
(2010)
H23
(2011)
エネルギー種別消費量(発熱量換算)
3-2. エネルギー購入費用

洋野町全体のエネルギー購入費用は、年間約 64 億円相当(平成 25(2013)年度洋野町予
算約 184 億円の 35%に相当、町民1人当たりに換算すると年間約 34 万円)となります。

エネルギー種別・部門別に見ると、①運輸部門(自動車)の軽質油製品(ガソリン・軽油)
で約 21 億円、②民生部門(家庭)の軽質油製品(灯油)で約 10 億円、電力で約 10 億円、
③産業部門(農林水産業)の重質油製品で約6億円の順にエネルギー購入費用が高いです。
部門別
300
404
688
平成23(2011)年エネルギー購入費用
976
1,634
エネルギー
購入費用
(百万円)
計6,384百万円
2,085
軽質油製品
石油ガス
石炭・石炭製品
図4-15
産業(農林水産業)
産業(製造業)
民生(家庭)
運輸(鉄道)
4,000
3,500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
電
力
2,357
3,658
電力
重質油製品
天然ガス
エネルギー
購入費用
(百万円)
計6,384百万円
142
148
376
エネルギー購入費用(百万円/年)
エネルギー種別
産業(建設業・鉱業)
民生(業務)
運輸(自動車)
軽
質
油
製
品
運輸(鉄道)
民生(業務)
産業(農林水産業)
重
質
油
製
品
運輸(自動車)
産業(製造業)
エネルギー購入費用(平成 23(2011)年、税込)
36
石
油
ガ
ス
天
然
ガ
ス
石
炭
・
石
炭
製
品
民生(家庭)
産業(建設業・鉱業)
3-3. 岩手県及び全国との比較

洋野町の1人当たりエネルギー消費量は約9万5千 MJ(石油ドラム缶 12.4 本分)であり、
岩手県及び全国より低い値となりました。

部門別に見ると、洋野町では産業部門(農林水産業)、民生部門(家庭)の割合が高く、
産業部門(製造業)や民生部門(業務)の割合が低いことが分かります。
エネルギー種別
0
20,000
部門別
エネルギー消費量(MJ/人)
40,000
60,000
80,000
100,000
0
120,000
20,000
エネルギー消費量(MJ/人)
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
洋野町
洋野町
岩手県
岩手県
全国
全国
電力
軽質油製品
重質油製品
石油ガス
天然ガス
都市ガス
石炭・石炭製品
熱
産業(農林水産業)
民生(業務)
運輸(鉄道)
産業(建設業・鉱業)
民生(家庭)
産業(製造業)
運輸(自動車)
※推計対象とした全部門における平成23年エネルギー消費量(発熱量換算)を国、岩手県、洋野町それぞれの人口で除し
て算出
図4-16
岩手県及び全国との比較(1人当たり消費量・排出量)
37
第5章 洋野町の再生可能エネルギー賦存量と利用可能量
第5章 洋野町の再生可能エネルギー賦存量と利用可能量
1. 対象とするエネルギー
再生可能エネルギー及び革新的エネルギーのうち、下表に示す項目について賦存量及び利用可能
量を推計しました。賦存量については、利用時の制約条件を全く考慮していない指標であるため、
参考数値的な位置づけとなります。利用可能量は、技術や制度がある程度確立されており即効性の
ある利用方法の採用を前提としています。
表5-1
対象とするエネルギー
電力
太陽光発電
風力発電
再
生
可
能
エ
ネ
ル
ギ
ー
ネ
ル
ギ
ー
革
新
的
エ
●
陸上
●
洋上
●
中小水力発電
●
地熱発電
●
波力発電
●
潮力発電
●
バイオマス
熱
木質系
●
●
廃棄物系
●
●
太陽熱利用
●
地中熱ヒートポンプ
●
雪氷冷熱利用
●
電気自動車(EV)
●
コージェネレーション
●
燃料電池
●
表5-2
推計における賦存量・利用可能量の定義
定義
賦
存
量
洋野町において理論的に最大限に存在する潜在的なエネルギ
ー資源量のことであり、諸々の制約条件を考慮していない量の
ことを指します。
利用可能量
発電設備等の設置可能なスペースの有無などのエネルギー採
取上の制約や、現在から将来にわたる利用技術上の制約条件な
どを考慮した上で、活用が期待されるエネルギー資源量のこと
を指します。発電効率、熱回収効率等の機器性能は考慮します
が、発電コスト、エネルギー回収コスト等の経済性や建物の強
度等の耐震性に関する制約は原則的に考慮していません。
38
2. 太陽光発電
2-1. 推計方法
賦存量は洋野町の全面積の半分に太陽光発電施設を設置するものとし、日射量の観測データ
は気象庁種市観測所の値を使用し発電電力量を算出しました。
利用可能量は屋根設置の場合と平場設置の場合に分けて算出しました。屋根設置の場合は、
戸建住宅、小中高校、公共建築物、工場、事務所の屋根に太陽光発電施設に設置するものとし
ました。平場設置の場合は、洋野町で現在、建設が予定されている平場設置の太陽光発電によ
る発電量を利用可能量として算出しました。
表5-3
推計条件
利用可能量
賦存量
≪屋根設置の場合≫
戸建住宅、小中高校、公共建築物、工場、事務所の屋根に太陽光
発電施設を設置
町の全面積の半分に太 ≪平場設置の場合≫
洋野町で現在、建設が予定されている平場設置の太陽光発電
陽光発電施設を設置
(45.523MW※)による発電量を利用可能量として算出
※洋野町で現在、建設予定されているメガソーラー(45.523MW)の
必要面積:682,845m2=68ha
(1kW当たりの必要面積15m2と仮定した場合)
≪屋根設置の場合≫
・戸建住宅=棟数(5,810棟)×設置システム容量(4kW/棟)×年間
稼働時間(8,760時間/年)×設備利用率(12%)×単位換算係数
(3.6MJ/kWh)
・小中高校=施設数(16校)×設置システム容量(30kW/校)×年間
稼働時間(8,760時間/年)×設備利用率(12%)×単位換算係数
(3.6MJ/kWh)
洋野町の全土地面積
(303.2km2 )÷2×最適 ・公共建築物=延床面積500㎡以上の施設数(14施設)×設置シス
テム容量(30kW/施設)×年間稼働時間(8,760時間/年)×設備
傾斜角における年間平
利用率(12%)×単位換算係数(3.6MJ/kWh)
均傾斜全天日射量
推計式 ( 3.85kWh/m2/ 日 ) × ・工場=工場・倉庫の棟数(628棟)×設置システム容量(10kW/棟)
×年間稼働時間(8,760時間/年)×設備利用率(12%)×単位換
365 日 × 設 備 利 用 率
算係数(3.6MJ/kWh)
(12%)×単位換算係数
・事務所=事務所・銀行・店舗の棟数(280棟)×設置システム容量
(3.6MJ/kWh)
(4kW/棟)×年間稼働時間(8,760時間/年)×設備利用率(12%)
×単位換算係数(3.6MJ/kWh)
推計
条件
≪平場設置の場合≫
・洋野町で現在計画されているメガソーラーの設置システム容量
( 45.523MW) ×年間稼働時間( 8,760 時間/ 年) ×設備利用率
(12%)×単位換算係数(3.6MJ/kWh)
※戸建住宅の出典:総務省「住宅・土地統計調査」、平成20(2008)年
※公共建築物の出典:洋野町「市町村公共施設状況調査表洋野町」、平成24(2012)年
※工場、事務所の出典:洋野町「家屋に関する概要調書等報告書」、平成23(2011)年
※小中高校の出典:洋野用「2012洋野町町勢要覧 資料編」
※各施設の設置システム容量は、単位面積当たりのパネル出力を0.0667kW/m2(15m2当たり1kW)を参考に設定した。
(参考:環境省「平成22年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」)
※設備利用率の出典:経済産業省資源エネルギー庁「再生可能エネルギーの固定価格買取制度について」
39
2-2. 推計結果
賦存量は92,032百MJ/年、利用可能量は292百万MJ/年【出力換算:77,063kW※1】【世帯換算:
9,733世帯分※2】とそれぞれ推計されました。
利用可能量の内訳としては、屋根設置の場合は120百万MJ/年【出力換算:31,540kW】【世帯
換算:4,000世帯分※2】、平場設置の場合は172百万MJ/年【出力換算:45,523kW】【世帯換算:
5,733世帯分※2】とそれぞれ推計されました。
※1:メガソーラー(1,000kW)が約77個分に相当する規模である。
※2:洋野町の1世帯当たり電力消費量30,000MJ/年として算出した。
表5-4
推計結果
利用可能量
賦存量
≪屋根設置+平場設置≫
292百万MJ/年【出力換算:77,063kW】
92,032百万MJ/年
【出力換算:24,319,167kW】
≪屋根設置の場合≫
合計
120百万MJ/年【出力換算:31,540kW】
・戸建住宅
88百万MJ/年【出力換算:23,240kW】
・小中高校
2百万MJ/年【出力換算:480kW】
・公共建築物
2百万MJ/年【出力換算:420kW】
・工場
24百万MJ/年【出力換算:6,280kW】
・事務所
4百万MJ/年【出力換算:1,120kW】
≪平場設置の場合≫
172百万MJ/年【出力換算:45,523kW】
40
3. 風力発電
3-1. 推計方法
NEDО「局所風況マップ」で示された年間平均風速(地上70m)より、設置できる風車の基
数を求めて賦存量・利用可能量を推計しました。
推計にあたって、風車の出力規模は現在最もよく採用されている出力2,000kWとしました。
洋上風力発電の賦存量・利用可能量の算出対象は、環境省「平成23年度風力等自然エネルギ
ー技術研究開発洋上風力発電等技術開発洋上ウィンドファーム・フィージビリティスタディ(F
S)岩手県洋野町沖報告書」において三陸海岸の北部の沖合2kmを候補海域としているため、
洋上風力発電の賦存量・利用可能量の算出対象は沖合2kmまでの海域としました。陸上風力発
電の算出対象は、洋野町内全体としています。
表5-5
推計
条件
推計式
推計条件
賦存量
利用可能量
地 上 高 70m の 年 平 均 風 速 が
6.5m/s以上のエリア
(環境省「平成23年度風力等自
然エネルギー技術研究開発洋
上風力発電等技術開発洋上ウィ
ンドファーム・フィージビリティスタ
ディ(FS)岩手県洋野町沖報告
書」では、事業採算性を考える
と、風速6.5m/s以上の場所が求
められると言われている。)
風車設置の条件として、以下の①~③を満たす土地に風車
を設置すると仮定とし推計
① 傾斜角20度以上以外の土地
② 建物用地・農地以外の土地
③ 風車運搬のため道路(幅員3m以上)が通っている土地
(出典)
・建物用地:国土数値情報、土地利用細分メッシュデータ
・道路
:数値地図25000(空間データ基盤)
・総合効率:経産省資源エネルギー庁、NEDO「地域新エネ
ルギー・省エネルギービジョン策定ガイドブック
(平成15年7月)」
総合効率=理論効率0.593×風車効率0.7×伝達・発電機
効率0.8=0.335
風車が設置可能な建物用地・農地以外の賦存量(百万MJ/
年)×総合効率(0.335)
地上高70mの年平均風速6.5m/s
以上の面積(km2 )×1km2 当たり
の風車設置可能台数(1基/km2)
×風車1基当たりの発電量
(MWh/基/年)×単位換算係数
(3.6MJ/kWh)
※風車規模:現在主流の 2,000kW を仮定
※風力発電導入ガイドブックによると、複数台の風車を設置する場合の風車間隔はブレード直径の 10 倍が目安とされており、
2,000kW 風車の直径は 90m であることから、風車間隔は 900m≒1km2 とし4メッシュ(端数切捨て)で1基設置するとした。
※1基当たりの発電電力量は、新エネルギーガイドブックにおける「風速と発電電力量の目安」から回帰式を作成して算出した。
(例.6.5m/s では 4,813MWh/基/年)
(出典:NEDО「局所風況マップ」)
図5-1
洋野町内の風況(地上 70m)
41
3-2. 推計結果
(1) 陸上風力発電
陸上風力発電の賦存量は、6,725百万MJ/年、利用可能量は275百万MJ/年【出力換算:76,000kW
※1
】【世帯換算:9,167世帯分※2】とそれぞれ推計されました。
※1:風力発電(2,000kW)が38基分に相当する規模である。
※2:洋野町の1世帯当たり電力消費量30,000MJ/年として算出した。
表5-6
賦存量推計結果(陸上風力発電)
年平均風速
1基当たりの
メッシュ数 面積 風車基数
風況マップに
本検討
発電電力量
2
(個)
(基)
(km )
おける範囲
での設定
(kWh/年)
6.5-7.0m/s
6.75 m/s
30
7.5
7
5,169,112
7.0-7.5m/s
7.25 m/s
821 205.3
205
5,894,925
7.5-8.0m/s
7.75 m/s
273
68.3
68
6,620,738
8.0-8.5m/s
8.25 m/s
72
18.0
18
7,346,551
8.5-9.0m/s
8.75 m/s
16
4.0
4
8,072,364
9.0-9.5m/s
9.25 m/s
5
1.3
1
8,798,177
9.5-10.0m/s
9.75 m/s
0
0.0
0
9,523,990
合計
303
-
発電電力量
(kWh/年)
賦存量
(百万MJ/年※)
36,183,781
1,208,459,523
450,210,150
132,237,909
32,289,454
8,798,177
0
-
130
4,350
1,621
476
116
32
0
6,725
※単位換算係数:1kWh=3.6MJ
表5-7
利用可能量推計結果(陸上風力発電)
年平均風速
1基当たりの
メッシュ数 面積 風車基数
風況マップに
本検討
発電電力量
2
(個)
(基)
(km )
おける範囲
での設定
(kWh/年)
6.5-7.0m/s
6.75 m/s
7
1.8
1
5,169,112
7.0-7.5m/s
7.25 m/s
123
30.8
30
5,894,925
7.5-8.0m/s
7.75 m/s
29
7.3
7
6,620,738
8.0-8.5m/s
8.25 m/s
2
0.5
0
7,346,551
8.5-9.0m/s
8.75 m/s
1
0.3
0
8,072,364
9.0-9.5m/s
9.25 m/s
0
0.0
0
8,798,177
9.5-10.0m/s
9.75 m/s
0
0.0
0
9,523,990
合計
38
※単位換算係数:1kWh=3.6MJ
42
発電電力量
(kWh/年)
5,169,112
176,847,735
46,345,163
0
0
0
0
-
総合
効率
0.335
0.335
0.335
0.335
0.335
0.335
0.335
-
利用可能量
(百万MJ/年※)
6
213
56
0
0
0
0
275
(2) 洋上風力発電
洋上風力発電の賦存量は804百万MJ/年、利用可能量は270百万MJ/年【出力換算:76,000kW※1】
【世帯換算:9,000世帯分※2】と推計されました。
※1:風力発電(2,000kW)が38基分に相当する規模である。
※2:洋野町の1世帯当たり電力消費量30,000MJ/年として算出した。
表5-8
賦存量推計結果(洋上風力発電)
年平均風速
1基当たりの
メッシュ数 面積 風車基数
風況マップに
本検討
発電電力量
2
(個)
(基)
(km )
おける範囲
での設定
(kWh/年)
6.5-7.0m/s
6.75 m/s
28
7.0
7
5,169,112
7.0-7.5m/s
7.25 m/s
100
25.0
25
5,894,925
7.5-8.0m/s
7.75 m/s
26
6.5
6
6,620,738
8.0-8.5m/s
8.25 m/s
0
0.0
0
7,346,551
8.5-9.0m/s
8.75 m/s
0
0.0
0
8,072,364
9.0-9.5m/s
9.25 m/s
0
0.0
0
8,798,177
9.5-10.0m/s
9.75 m/s
0
0.0
0
9,523,990
合計
38
-
発電電力量
(kWh/年)
賦存量
(百万MJ/年※)
36,183,781
147,373,113
39,724,425
0
0
0
0
-
130
531
143
0
0
0
0
804
※単位換算係数:1kWh=3.6MJ
表5-9
利用可能量推計結果(洋上風力発電)
年平均風速
1基当たりの
メッシュ数 面積 風車基数
風況マップに
本検討
発電電力量
(個)
(基)
(km2)
おける範囲
での設定
(kWh/年)
6.5-7.0m/s
6.75 m/s
28
7.0
7
5,169,112
7.0-7.5m/s
7.25 m/s
100
25.0
25
5,894,925
7.5-8.0m/s
7.75 m/s
26
6.5
6
6,620,738
8.0-8.5m/s
8.25 m/s
0
0.0
0
7,346,551
8.5-9.0m/s
8.75 m/s
0
0.0
0
8,072,364
9.0-9.5m/s
9.25 m/s
0
0.0
0
8,798,177
9.5-10.0m/s
9.75 m/s
0
0.0
0
9,523,990
合計
38
-
発電電力量
(kWh/年)
36,183,781
147,373,113
39,724,425
0
0
0
0
-
総合
効率
利用可能量
(百万MJ/年※)
0.335
0.335
0.335
0.335
0.335
0.335
0.335
-
44
178
48
0
0
0
0
270
※単位換算係数:1kWh=3.6MJ
NEDO「局所風況マップ(平成18年調査)」を基に賦存量及び利用可能量を推計しました
が、一方で、直近の平成23年10月から平成24年9月までの1年間、角浜地区で実施した環境省
の平成23年度風力等自然エネルギー技術研究開発洋上風力発電等技術開発洋上ウィンドファー
ム・フィージビリティスタディ(FS)及び岩手県の洋上風力発電風況観測調査の結果では、
地上高50mで年平均風速4.5m/sとなり、同マップ上の7.0m/sと大きな差異を生じています。
このように、風況はわずかな地形の違い等で大きく異なるため、詳細な賦存量及び利用可能
量の評価の際には、微地形情報等が大きく影響することを考慮する必要があります。
43
4. 中小水力発電
4-1. 推計方法
推計条件は「平成20年度中小水力開発促進指導事業基礎調査(未利用落差発電包蔵水力調査)
報告書(財団法人 新エネルギー財団)」に準じました。既設のダム及び水路を利用する発電方
式の施設を対象に賦存量及び利用可能量を算出しました。
表5-10
推計条件
区分
既設
ダム
利用
既設
水路
利用
概要
河川維持用
水※
発電専用ダム(1998 年度末までの水利権更新時に河川維持用水の放流を義務付けられているダム。堤
高 15m 未満を含む)で、河川維持用水を利用する発電方式
利水放流水
多目的ダム、上水道専用ダム、及び工業用水道専用ダム(ダム年鑑 1999 に記載され、平成 10(1998)
年度末までに竣工しており、かつ、利水量が明記されているダム)で、利水放流水を利用する発電方式
農業用水
農業用水専用ダム(ダム年鑑 1999 に記載され、平成 10(1998)年度末までに竣工しており、かつ、か
んがい量が明記されているダム)で、農業用水を利用する発電方式
砂防えん堤
砂防えん堤(砂防便覧(平成 11 年版)に諸元が記載され平成 10(1998)年度末までに竣工しているえ
ん堤。木製、鋼製、スリットダムを除く)の落差を利用する発電方式
農業用水路
農業用施設(年間通水期間 185 日以上かつ有効落差 1.5m 以上)のうち、落差工、急流工及びパイプラ
イン等の水路系の遊休落差(余剰水圧)を利用する発電方式
工業用水
工業用水施設(工業用水道の事業届けを行っている全ての事業体を対象)のうち、導水施設、送水施設
及び配水施設の水路系の遊休落差(余剰水圧)を利用する発電方式
上水道
上水道施設(浄水場の処理能力が 10,000 m3/日以上、年間通水期間 185 日以上かつ有効落差 1.5m 以上)
のうち、導水施設、送水施設及び配水施設の水路系の遊休落差(余剰水圧)を利用する発電方式
下水道
下水道施設(下水処理能力が 30,000 m3/日以上かつ有効落差 1.5m 以上)のうち、水処理施設の処理水
(放流水)の水路系の遊休落差を利用する発電方式
※出力100kW以上が期待される施設を抽出
4-2. 推計結果
既設ダムの農業用水について未利用落差を利用した中小水力発電が可能とされており、賦存
量は合計0.9百万MJ【出力換算:54kW】【世帯換算:30世帯分※1】とそれぞれ推計されました。
賦存量が利用技術上の制約条件を考慮していることから、利用可能量についても同じ値としま
した。
※1:洋野町の1世帯当たり電力消費量30,000MJ/年として算出した。
表5-11
推計結果
発電量
(kWh/年)
区分
河川維持用水
既設ダム利用
既設水路利用
0
賦存量・利用可能量
(百万 MJ/年※)
0.0
0
0.0
260,000
0.9
砂防えん堤
0
0.0
農業用水路
0
0.0
工業用水
0
0.0
上水道
0
0.0
0
0.0
260,000
0.9
利水放流水
農業用水
下水道
合計
※出典:財団法人 新エネルギー財団「平成20年度中小水力開発促進指導事業基礎調査(未利用落差発電包
蔵水力調査)報告書」
※単位換算係数:1kWh=3.6MJ
44
5. 地熱発電
地熱発電は、環境省「平成21年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」において、独立行
政法人産業技術総合研究所の「地熱資源密度分布図」での温度区分ごとの資源分布図より賦存量と
利用可能量を推定しています(図5-2)。これによると、洋野町周辺には地熱発電の賦存量及び
利用可能量が存在していないことが分かります。
洋野町
出典:環境省「平成21年度再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」
図5-2
地熱発電の賦存量の分布
45
6. 波力発電
6-1. 推計方法
賦存量は海岸線全てに波力発電施設を設置した場合、利用可能量は防潮堤に波力発電施設を
設置した場合としました。
表5-12
推計
条件
推計式
推計条件
賦存量
利用可能量
海岸線全てに波力発電施設を設置
(変換効率等は考慮しない)
防潮堤に波力発電施設を設置(変換効率等を考慮)
波力エネルギー密度(6.3kW/m)×総海岸線延長
距 離 ( 3.4km ) × 利 用 可 能 な 海 岸 線 延 長 割 合
(50%)×年間稼働時間8,760h/年×設備利用率
(30%)×タービン効率(60%)×発電効率(80%)
×単位換算係数(3.6MJ/kWh)
波力エネルギー密度(6.3kW/m)×総
海岸線延長距離(26.1km)×年間稼
働 時 間 8,760h/ 年 × 単 位 換 算 係 数
(3.6MJ/kWh)
出典:近藤俶郎「波浪発電システム最近の進歩、火力原子力発電」、平成 11(1999)年
図5-3
日本沿岸の波力エネルギー(kW/m)
6-2. 推計結果
推計の結果、賦存量は5,185百万MJ/年、利用可能量は32百万MJ/年【出力換算:21,420kW】【世
帯換算:1,067世帯分※1】とそれぞれ推計されました。
※1:洋野町の1世帯当たり電力消費量30,000MJ/年として算出した。
表5-13
項目
A 波力エネルギー密度
数値
賦存量推計結果
単位
備考
6.3 kW/m
B 総海岸線延長距離
C 年間稼働時間
26.1 km
8,760 h/年
D 賦存量
5,185 百万MJ/年
出典
「波浪発電システム最近の進歩、火力
原子力発電」近藤俶郎
洋野町データ提供
3
D=A×B×10 ×C×
6
3.6/10
46
表5-14
項目
数値
単位
A 波力エネルギー密度
6.3 kW/m
B 防潮堤延長距離
3.4 km
C 年間稼働時間
備考
出典
「波浪発電システム最近の進歩、火力
原子力発電」近藤俶郎
設計中の八木地区
洋野町データ提供
防潮堤含む
8,760 h/年
D 設備利用率
10%
E タービン効率
60%
F 発電効率
80%
G 利用可能量
利用可能量推計結果
32 百万MJ/年
NEDO再生可能エネルギー技術白書
(NEDO、H22(2010)年)
NEDO再生可能エネルギー技術白書
(NEDO、H22(2010)年)
NEDO再生可能エネルギー技術白書
(NEDO、H22(2010)年)
G=A×B×103×C×
6
D×E×F×3.6/10
47
7. 潮力発電
7-1. 推計方法
賦存量は海岸線全てに潮力発電施設を設置した場合、利用可能量は海岸線のうち50%に潮力
発電施設を設置した場合としました。
表5-15
推計条件
賦存量
利用可能量
推計
条件
町内の海岸線全てにおいて波力発
電を利用すると仮定して算出
防潮堤の沖合1kmに堤防をつくり潮力発電に
利用すると仮定して算出
推計式
潮 位 差 ( 1.478m ) × 海 水 密 度
( 1.023kg/m3 ) × 貯 水 池 面 積
(26.1km2 )×半潮位落差(0.7m)×
重力加速度(9.8m/s2 )×設備利用
率10%×タービン効率60%×発電効
率80%×1日当たりの利用回数(4
回/日)×年間稼働日365日/年×単
位換算係数(3.6MJ/kWh)
潮位差(1.478m)×海水密度(1.023kg/m3)×貯
水池面積(3.4km2 )×半潮位落差(0.7m)×重
力加速度(9.8m/s2)×設備利用率10%×タービ
ン効率60%×発電効率80%×1日当たりの利
用回数(4回/日)×年間稼働日365日/年×単
位換算係数(3.6MJ/kWh)
7-2. 推計結果
推計の結果、賦存量は68百万MJ/年、利用可能量は9百万MJ/年【出力換算:285kW】【世帯換
算:300世帯分※1】とそれぞれ推計されました。
※1:洋野町の1世帯当たり電力消費量30,000MJ/年として算出した。
表5-16
項目
数値
単位
A 潮位差
1.478 m
B 海水密度
1.023 kg/m 3
C 貯水池面積
26.1 km 2
D 半潮位落差
E 重力加速度
0.7 m
9.8 m/s2
F 設備利用率
10%
G タービン効率
60%
H 発電効率
80%
I
J
1日当たりの利用回
数
年間稼働日数
K 賦存量
賦存量推計結果
4 回/日
備考
出典
気象庁気象観測電子閲覧室5年間(H17
(2005)~H22(2010))の朔望平均潮位差
海洋観測指針、気象庁
八戸地点
町内の海岸全ての沖合1km
に堤防をつくると仮定
NEDO再生可能エネルギー技術白書
(NEDO、H22(2010)年)
NEDO再生可能エネルギー技術白書
(NEDO、H22(2010)年)
NEDO再生可能エネルギー技術白書
(NEDO、H22(2010)年)
1日4回の潮の流れを利用す
ると仮定
365 日/年
68 百万MJ/年
K=A×B×C×D×E×F×G
3×
×H×I×J×10 3.6/10
48
6
表5-17
項目
数値
単位
A 潮位差
1.478 m
B 海水密度
1.023 kg/m 3
C 貯水池面積
3.4 km 2
D 半潮位落差
E 重力加速度
0.7 m
9.8 m/s2
F 設備利用率
10%
G タービン効率
60%
H 発電効率
80%
I
1日当たりの利用回
数
J
年間稼働日数
K 利用可能量
利用可能量推計結果
4 回/日
備考
八戸地点
防潮堤の沖合1kmに堤防を
つくると仮定
NEDO再生可能エネルギー技術白書
(NEDO、H22(2010)年)
NEDO再生可能エネルギー技術白書
(NEDO、H22(2010)年)
NEDO再生可能エネルギー技術白書
(NEDO、H22(2010)年)
1日4回の潮の流れを利用す
ると仮定
365 日/年
9 百万MJ/年
出典
気象庁気象観測電子閲覧室5年間(H17
(2005)~H22(2010))の朔望平均潮位差
海洋観測指針、気象庁
K=A×B×C×D×E×F×G
×H×I×J×103×3.6/106
49
8. バイオマス利用
8-1. 推計方法
バイオマスの賦存量及び利用可能量はNEDО「バイオマスの賦存量・有効利用可能量の推
計」から引用しました。
表5-18
推計条件
賦存量
推計
条件
推計式
利用可能量
NEDO「バイオマスの賦存量・有効利用可能
量の推計」のバイオマス賦存量・賦存熱量を
基に算出※1
(出典:NEDO「バイオマスの賦存量・有効利
用可能量の推計」)
・電力利用量:Σバイオマス賦存量(DW-t/
年)×低位発熱量(MJ/DW-t)×発電機効率
(25%)
・熱利用量:Σ(バイオマス賦存量(DW-t/
年)×低位発熱量(MJ/DW-t)×)×ボイラー
効率(85%)
NEDO「バイオマスの賦存量・有効利用可能量の
推計」のバイオマス有効利用量・有効利用熱量
を基に算出 ※1 (木質バイオマスの林地残材、切
捨残材のみ、洋野町農林課ヒアリング結果より算
出※2)
(出典:NEDO「バイオマスの賦存量・有効利用可
能量の推計」)
・電力利用量:Σバイオマス利用可能量(DW-t/
年) ×低 位発 熱量 ( MJ/DW-t) ×発電 機効率
(25%)
・熱利用量:Σバイオマス利用可能量(DW-t/
年)×低位発熱量(MJ/DW-t)×ボイラー効率
(85%)
※1:賦存量・利用可能量は、原則として乾燥重量(DW-t/年)とし、下水汚泥、し尿・浄化槽余剰汚泥、集落排水汚泥につい
ては固形物重量(DS-t/年)とした。
※2:木質バイオマスの林地残材、切捨残材は、洋野町林課ヒアリング結果より以下のとおり利用可能量を算出した。
表5-19
木質バイオマス(林地残材、切捨残材)の利用可能量
ヒアリング結果(洋野町農林課)より(■:ヒアリング結果の数字、それ以外は換算係数や仮定をおいて算出)
間伐材
主伐材
搬出利用
切捨間伐材
間伐材
面積
容量
47.3 ha
18.9 ha
66.2 ha
5,750 m3
2,298 m3
8,048 m3
アカマツ
3,950 m3
1,579 m3
5,529 m3
スギ
1,800 m3
719 m3
2,519 m3
(間伐材の樹種は、ヒアリング結果よりアカマツとスギであったため、切捨間伐材も同じと仮定)
容量
搬出利用
林地残材
主伐材
13,412 m3
1,490 m3
14,902 m3
アカマツ
9,213 m3
1,024 m3
10,237 m3
スギ
4,199 m 3
466 m 3
4,665 m 3
(主伐材も、間伐材と同じアカマツとスギと仮定)
単位換算係数
容積密度
単位発熱量
アカマツ
0.451 t/m 3
19.3 GJ/t
スギ
0.314 t/m 3
18.4 GJ/t
(出典:環境省、薪の容積密度、単位発熱量のデフォルト値)
間伐材
主伐材
重量
間伐材
搬出利用
切捨間伐材
アカマツ
2,494 t
1,781 t
712 t
3,285 t
2,346 t
938 t
重量
スギ
791 t
565 t
226 t
主伐材
搬出利用
林地残材
間伐材
44 百万MJ
18 百万MJ
63 百万MJ
アカマツ
34 百万MJ
14 百万MJ
48 百万MJ
発熱量
スギ
10 百万MJ
4 百万MJ
15 百万MJ
搬出利用
林地残材
主伐材
効率
ボイラー効率
85%
アカマツ
4,617 t
4,155 t
462 t
スギ
1,465 t
1,318 t
146 t
主伐材
発熱量
搬出利用
切捨間伐材
間伐材
6,082 t
5,473 t
608 t
発電効率
25%
木質バイオマス利用可能量
熱利用量
林地残材
10.2 百万MJ
切捨間伐材
15.3 百万MJ
電力利用料
3.0 百万MJ
4.5 百万MJ
50
104 百万MJ
12 百万MJ
116 百万MJ
アカマツ
80 百万MJ
9 百万MJ
89 百万MJ
スギ
24 百万MJ
3 百万MJ
27 百万MJ
8-2.推計結果
推計の結果を図5-4及び表5-20に示します。賦存量は、ブロイラー鶏ふん、木質バイオ
マス、採卵鶏ふんの順に多くなっています。利用可能量は、ブロイラー鶏ふん、木質バイオマ
スが共に33%、次に採卵鶏ふんが多くなっています。
<賦存量>
稲作残渣
・稲わら
4%
豚ふん尿
4%
<利用可能量>
稲作残渣・
稲わら
4%
その他
21%
ブロイラー
鶏ふん
40%
採卵鶏ふん
12%
その他
16%
ブロイラー
鶏ふん
33%
家庭系厨芥類
5%
採卵鶏ふん
9%
木質バイ
オマス
33%
木質バイ
オマス
19%
ブロイラー鶏ふん
採卵鶏ふん
稲作残渣・稲わら
図5-4
ブロイラー鶏ふん
採卵鶏ふん
稲作残渣・稲わら
木質バイオマス
豚ふん尿
その他
木質バイオマス
家庭系厨芥類
その他
賦存量と利用可能量のバイオマス種別割合
(1) 木質系バイオマス
木質系バイオマスの賦存量は、電力利用した場合45百万MJ/年、熱利用した場合153百万MJ/年
となりました。利用可能量は、電力利用した場合は8百万MJ/年【出力換算:267kW】【世帯換
算:267世帯※1】、熱利用した場合29百万MJ/年【世帯換算:433世帯※1】となりました。
※1:洋野町の1世帯当たり電力消費量30,000MJ/年、熱消費量67,000MJ/年として算出した。
表5-20
未利用系
資源
木質系
バイオマス
廃棄物系
資源
木質系
バイオマス
廃棄物系
資源
利用方法
kWh/年
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
3,867,583
6,547,246
11,944
47,500
606,074
178,930
1,004,651
277,736
-------12,541,664
林地残材
切捨間伐材
果樹剪定枝
タケ
国産材製材廃材
外材製材廃材
建築廃材
新・増築廃材
公園剪定枝
合計
表5-21
未利用系
資源
賦存量推計結果(木質系バイオマス)
電力利用量
kW
熱利用量
百万MJ/年
百万MJ/年
計
計
計
計
442
13.9
47.3
747
23.6
80.1
10,474,273
1,195
37.7
128.1
1
0.0
0.1
5
0.2
0.6
69
2.2
7.4
20
0.6
2.2
2,067,391 115 236
3.6 7.4
12.3 25.3
32
1.0
3.4
-------------12,541,664
1,431
45
153
利用可能量推計結果(木質系バイオマス)
利用方法
kWh/年
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
833,333
1,250,000
9,125
47,500
28,089
6,084
87,487
78,959
-------2,340,577
林地残材
切捨間伐材
果樹剪定枝
タケ
国産材製材廃材
外材製材廃材
建築廃材
新・増築廃材
公園剪定枝
合計
※出力kW:kWh/年÷(24時間×365日)
51
電力利用の場合
熱利用の場合
kW
百万MJ/年
百万MJ/年
計
計
計
計
95
3.0
10.2
143
4.5
15.3
2,139,958
244
7.7
26.2
1
0.0
0.1
5
0.2
0.6
3
0.1
0.3
1
0.0
0.1
200,619
23
2.5
10
0.3 0.7
1.1
9
0.3
1.0
----------267
8
29
2,340,577
(2) 廃棄物系バイオマス(農業残渣、草本系、家畜ふん尿・汚泥、食品系)
廃棄物系バイオマス(農業残渣、草本系バイオマス、家畜ふん尿・汚泥、食品系バイオマス)
の賦存量は、電力利用した場合132百万MJ/年、熱利用した場合474百万MJ/年となりました。
利用可能量は、電力利用した場合は16百万MJ/年【出力換算:503kW】【世帯換算:533世帯※
1
】、熱利用した場合57百万MJ/年【世帯換算:851世帯※1】となりました。
※1:洋野町の1世帯当たり電力消費量30,000MJ/年、熱消費量67,000MJ/年として算出した。
表5-22
賦存量推計結果
利用方法
稲作残渣(稲わら)
稲作残渣(もみ殻)
農業残渣
未利用系
麦わら
資源
その他の農業残渣
草本系
ササ
バイオマス
ススキ
乳用牛ふん尿
肉用牛ふん尿
廃棄物系
豚ふん尿
バイオマス
家畜ふん
採卵鶏ふん
尿・汚泥
ブロイラー鶏ふん
廃棄物系
下水汚泥(濃縮汚泥)
資源
し尿・浄化槽余剰汚泥
集落排水汚泥*
食品加工廃棄物
食品系
家庭系厨芥類
バイオマス
事業系厨芥類
合計
計
計
燃焼
2,020,319
231
燃焼
202,708
23
2,409,331
275
燃焼
2,408
0
燃焼
183,896
21
燃焼
---------457,443
52
燃焼
457,443
52
メタン発酵 1,850,278
211
メタン発酵 1,808,333
206
メタン発酵 2,286,736
261
燃焼
6,106,250
697
33,397,072
3,812
燃焼
21,333,889
2,435
メタン発酵 ---------メタン発酵
5,611
1
メタン発酵
5,975
1
メタン発酵
3,295
0
メタン発酵
322,187
461,603
37
53
メタン発酵
136,121
16
36,725,449 36,725,449
4,192
表5-23
稲作残渣(稲わら)
稲作残渣(もみ殻)
農業残渣
未利用系
麦わら
資源
その他の農業残渣
草本系
ササ
バイオマス
ススキ
乳用牛ふん尿
肉用牛ふん尿
廃棄物系
豚ふん尿
バイオマス
家畜ふん
採卵鶏ふん
尿・汚泥
ブロイラー鶏ふん
廃棄物系
下水汚泥(濃縮汚泥)
資源
し尿・浄化槽余剰汚泥
集落排水汚泥*
食品加工廃棄物
食品系
家庭系厨芥類
バイオマス
事業系厨芥類
合計
電力利用量
kW
kWh/年
熱利用量
百万MJ/年
百万MJ/年
計
計
7.3
24.7
0.7
2.5
8.7
29.5
0.0
0.0
0.7
2.3
--------1.6
5.6
1.6
5.6
6.7
24.0
6.5
23.4
8.2
29.6
22.0
79.1
120.2
432.8
76.8
276.5
--------0.0
0.1
0.0
0.1
0.0
0.0
1.2
1.7
4.2
6.0
0.5
1.8
132
474
利用可能量推計結果
利用方法
kWh/年
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
燃焼
メタン発酵
メタン発酵
メタン発酵
燃焼
燃焼
メタン発酵
メタン発酵
メタン発酵
メタン発酵
メタン発酵
メタン発酵
303,048
30,406
361
85,477
-------228,721
185,000
180,833
228,681
610,625
2,133,403
-------5,611
3,573
329
322,187
81,986
4,400,241
※出力kW:kWh/年÷(24時間×365日)
52
電力利用の場合
熱利用の場合
百万MJ/年
百万MJ/年
kW
計
計
計
計
35
1.1
3.7
3
0.1
0.4
419,292
48
1.5
5.1
0
0.0
0.0
10
0.3
1.0
----------228,721
26
0.8
2.8
26
0.8
2.8
21
0.7
2.4
21
0.7
2.3
26
0.8
3.0
70
2.2
7.9
3,347,726
383
12.1
43.3
244
7.7
27.6
----------1
0.0
0.1
0
0.0
0.0
0
0.0
0.0
404,502
37
46
1.2
1.5
4.2 5.3
9
0.3
1.1
4,400,241
503
16
57
9. 太陽熱利用
9-1. 推計方法
賦存量は洋野町の全面積の半分に設置するものとし、日射量の観測データは気象庁種市観測
所の値を使用し熱量を算出しました。
利用可能量は戸建住宅、小中高校、公共建築物、事務所に太陽熱利用機器を設置するものと
しました。
表5-24
推計
条件
推計式
推計条件
利用可能量
賦存量
町の全面積 の半分 に太 陽 戸建住宅、小中高校、公共建築物、事務所の全施設に太陽光
熱利用機器を設置
発電施設を設置
・戸建住宅=棟数(5,810棟)×集熱面積(3m2/棟)×最適傾斜
角の年間平均傾斜全天日射量(12.7MJ/m2・日)×年間稼働
日数(365日/年)×設備利用率(40%)
・小中高校=施設数(16校)×集熱面積(50m2/校)×最適傾斜
町の全面積(303.2km2 )÷2
角の年間平均傾斜全天日射量(12.7MJ/m2・日)×年間稼働
×最適傾斜角における年間
日数(365日/年)×設備利用率(40%)
平 均 傾 斜 全 天 日 射 量 ・公共建築物=延床面積500㎡以上の施設数(14施設)×集熱
( 3.85kWh/m2/ 日 ) ×365 日
面積(50m2/施設)××最適傾斜角の年間平均傾斜全天日射
×設備利用率(40%)×単
量(12.7MJ/m2・日)×年間稼働日数(365日/年)×設備利用
位換算係数(3.6MJ/kWh)
率(40%)
・事務所=事務所・銀行・店舗の棟数(280棟)×集熱面積(3
m2/ 棟 ) × 最 適 傾 斜 角 の 年 間 平 均 傾 斜 全 天 日 射 量
(12.7MJ/m2・日)×年間稼働日数(365日/年)×設備利用率
(40%)
9-2. 推計結果
賦存量は306,772百MJ/年、利用可能量は36百万MJ/年【世帯換算:538世帯※1】とそれぞれ推
計されました。
※1:洋野町の1世帯当たり熱消費量67,000MJ/年として算出した。
表5-25
推計結果
利用可能量
合計
36百万MJ/年
・戸建住宅
32百万MJ/年
・小中高校
1百万MJ/年
・公共建築物
1百万MJ/年
・事務所
2百万MJ/年
賦存量
306,772百万MJ/年
53
10.地中熱ヒートポンプ(温度差エネルギー)
10-1.推計方法
地中熱ヒートポンプは、基本的にどのような地点でも利用可能であり、特に建物空調やハウ
ス農業での加温用において普及が進んでいます。洋野町においても、住宅、水産加工施設、農
業施設等のあらゆる場所での利用可能性があります。
賦存量は、洋野町の地質別に地質別採熱率、地中熱交換井密度、地中熱交換井長さを乗じる
ことで算出しました。利用可能量は、地中熱ヒートポンプを住宅、小中学校、公共建築物、事
務所に導入するものとして算出しました。
表5-26
推計条件
賦存量
推計
条件
利用可能量
住宅、小中高校、公共建築物、事務所の年間
暖房負荷より算出
地質別面積(km2)×106×地質別採熱率(W/m) 施設数×1施設当たりの熱利用面積(m2 )×平
×地中熱交換井密度(0.04本/m2)×地中熱交 均熱取得量(0.1kWh/m2 ・日)×年間日数(365
換井長さ(100m/本)×年間稼働時間(2,400時 日)×単位換算係数(3.6MJ/kWh)
間)×単位換算係数(3.6MJ/kWh)
洋野町の地質別に賦存量を算出
推計式
10-2.推計結果
賦存量は497,638百万MJ/年、利用可能量は82百万MJ/年【世帯換算:1,224世帯※1】とそれぞ
れ推計されました。
※1:洋野町の1世帯当たり熱消費量67,000MJ/年として算出した。
表5-27
項目
礫、砂
(不飽和)
礫、砂
(飽和)
粘土
石灰岩
賦存量推計結果
珪質の
火成岩
(花崗岩)
砂岩
塩基性の
火成岩
(玄武岩)
片麻岩
単位
A 地質別面積
44.1
6.1
0.0
0.9
12.3
70.2
151.3
B 地質別採熱率
20.0
60.0
35.0
52.5
60.0
62.5
45.0
65.0 W/m
地中熱交換井
密度
0.04
0.04
0.04
0.04
0.04
0.04
0.04
0.04 本/m 2
C
18.0 km
100
100
100
100
100
100
100
100 m/本
E 年間稼働時間
2,400
2,400
2,400
2,400
2,400
2,400
2,400
2,400 時間
30,482
12,649
0
1,633
25,505
151,632
235,302
表5-28
項目
A 施設数
住宅
小中高校
事務所
単位
16
14
1施設当たりの
熱利用面積
100
300
300
100 m2
C 平均熱取得量
0.1
0.1
0.1
0.1 kWh/m 2・日
D 年間日数
365
76
365
1
365
1
365 日/年
4
百万MJ/年
82
E 利用可能量
40,435
百万MJ/年
497,638
2
ものとして100m 当た
り4本とする。
孔井を用いる場合の
一般的な値
1日当たり12時間の
空調運転を年間
6.6ヶ月行うのに相当
する時間
6
F=A×10 ×B×C×
3
D/10 ×3.6/10
6
利用可能量推計結果
公共建築物
5,810
B
出典
国土交通省国土政策局、
土地分類調査
岐阜大学大谷具幸教授
「埼玉県における自然条
件と社会条件を考慮した
地中熱利用のポテンシャ
ル評価」
5m間隔で設置する
地中熱交換井
D
長さ
F 賦存量
備考
2
備考
280 施設
54
出典
・一戸建て:住宅・土地統計、H20
(2008)年
・事務所:平成23年度家屋に関す
る概要調査等報告書
・小中学校:2012洋野町町勢要覧
・公共施設:市町村公共施設状況
調査、H24(2012)年
ヒートポンプ導入
事例より想定
E=A×B×C×D
×3.6/106
11.雪氷冷熱利用
11-1.推計方法
賦存量は町全面積、利用可能量は道路、農地、一戸建及び公共建築物・公園から雪を回収す
るものとしました。
表5-29
推計条件
利用可能量
雪量は道路、農地、一戸建及び公共建築物・公
園の面積に積雪深を乗じて算出し、それに利用
可能率等を乗じて算出
賦存量
推計
条件
雪量は町全面積に積雪深を乗じて算出
推計式
町面積(303.2km2 )×106 ×降雪深さ(0.45m)
× 雪 の 密 度 ( 100kg/m3 ) × ( 雪 の 比 熱
(2,093kJ/kg/℃)×雪温(|-1|(℃)+融解水 表5-31参照
の比熱(4,186kJ/kg/℃)×放流水温(5(℃)
+融解潜熱(335 kJ/kg))
11-2.推計結果
賦存量は4,885百万MJ/年、利用可能量は5百万MJ/年【世帯換算:75世帯※1】とそれぞれ推計
されました。
※1:洋野町の1世帯当たり熱消費量67,000MJ/年として算出した。
表5-30
項目
A 洋野町面積
数値
単位
303.2 km2
B 降雪深
2.093
-1
4.186
5
335
J 賦存量
6
C=A×10 ×B
道路除雪の場合の雪の密度
kJ/kg/℃
℃
kJ/kg/℃
℃
kJ/kg
雪の比熱
数値
農地
一戸建て
新エネルギーガイ
ドブック(NEDO)
融解水の比熱
4,885 百万MJ/年
表5-31
道路
八戸地点における降雪深の10
年間平均(H15(2003)~H24 気象庁HP
(2012)年)
100 kg/m 3
雪の比熱
雪温
融解水の比熱
放流水温
融解潜熱
出典
洋野町HP
136,440,000 m3/年
D 雪の密度
項目
備考
0.45 m/年
C 利用可能雪量
E
F
G
H
I
賦存量推計結果
J=C×D×(E×|F|+G×|H|+I)
-3
×10 /10
6
利用可能量推計結果
単位
公共建築物
備考
出典
・道路:一般道の面積
・農地:田および畑の面積(H23)
・一戸建て:専用住宅(6,402棟)×
A 面積
B 降雪深
C
D
E
F
G
H
I
J
利用可能率
利用可能雪量
雪の密度
雪の比熱
雪温
融解水の比熱
放流水温
融解潜熱
K 利用可能量
2,454,235
290,500
290,500
0.45
0.45
0.45
10%
110,441
100
2.093
-1
4.186
5
335
4
10%
13,073
100
2.093
-1
4.186
5
335
0
10%
13,073
100
2.093
-1
4.186
5
335
0
566,568 m2
0.45 m/年
10%
25,496
100
2.093
-1
4.186
5
335
1
5
55
m3/年
kg/m 3
kJ/kg/℃
℃
kJ/kg/℃
℃
kJ/kg
百万MJ/年
市町村公共施設状況
2
調査、H24(2012)年
集積面積(50m /棟)と仮定
・公共建築物:施設数(14施設)×集 2012洋野町町勢要覧
資料編
2
積面積(100m /箇所)と仮定と、公園
(565,168m2)
八戸地点における降雪深の10年間
気象庁HP
平均(H15(2003)~H24(2012)年)
道路除雪の場合の雪の密度
雪の比熱
融解水の比熱
K=D×E×(F×|G|+H×|I|+J)×103
/106
新エネルギーガイドブッ
ク(NEDO)
12.電気自動車(EV)
12-1.推計方法
エネルギー消費構造調査結果を見ると、洋野町は運輸部門(自動車)によるエネルギー消費
量の割合が高いため、電気自動車の導入が効果的です。
全自家用自動車がクリーンエネルギー自動車となった場合としました。
表5-32
推計条件
賦存量・利用可能量
推計条件
推計式
全自家用自動車によるエネルギー消費量に省エネルギー率(20%)を乗じて推計
自家用自動車によるエネルギー消費(MJ/年)×省エネルギー率(20%)
12-2.推計結果
賦存量・利用可能量は109百万MJ/年と推計されました。電気自動車の省エネルギー率は、表
5-34に示す自動車メーカーのカタログ値から20%と算出しました。
表5-33
項目
町内全自家用自動車に
A
よるエネルギー消費
B 省エネルギー率
C 省エネルギー量
表5-34
賦存量推計結果
数値
単位
出典
エネルギー消費構造調査の
運輸部門(自動車)より
546,348,000 MJ/年
20%
109 百万MJ/年
C=A×B/106
電気自動車の省エネルギー率
■電気自動車
メーカー
電気自動車
車種
型
三菱自動車
M
i-MiEV
工業(㈱)
G
三菱自動車 MINICAB 10.5kWh
工業(㈱)
-MiEV 16kWh
日産自動車
リーフ
(株)
平均
走行距離
電気
km
120
180
100
150
kWh
電費
km/kWh
11.4
11.3
9.5
9.4
10.5
16.0
10.5
16.0
200
8.3
24.0
-
-
-
エネルギー
消費量
MJ
37.8
57.6
37.8
57.6
86.4
55.4
■ガソリン車
メーカー
ガソリン自動車
走行距離
ガソリン
燃費
km
120
180
100
150
L
km/L
LTSH E
eKワゴン
LTMX M
5M/T
MINICAB
バン
3A/T
シルフィ
200
型
三菱自動車
工業(㈱)
三菱自動車
工業(㈱)
日産自動車
(株)
平均
省エネルギー率
車種
-
4.7
6.2
6.3
9.9
25.8
29.2
16.0
15.2
162.6
214.5
218.0
342.5
12.8
15.6
442.9
20% (=55.4/276.1)
56
エネルギー
消費量
MJ
-
276.1
13.コージェネレーション
13-1.推計方法
コージェネレーションとは、熱源より電力と熱を生産し供給するシステムの総称であり、「コ
ジェネ」あるいは「熱電併給」等と呼ばれています。発電機で「電気」を作るときに使用する
冷却水や排気ガスなどの熱を、電気と同時に温水や蒸気の形で利用するシステムです。温水は
給湯・暖房、蒸気は冷暖房・工場の熱源などに利用できます。
洋野町の事務所、店舗、工場、倉庫に対し、賦存量はコジェネ施設を100%導入、利用可能量
は50%導入とし算定しました。
表5-35
推計
条件
推計式
推計条件
賦存量
事務所、店舗、工場、倉庫にコジェネ施設を
100%導入
・電力利用量:延床面積(190,123m2)×単位面
積 当 た り の コ ジ ェ ネ 容 量 ( 0.05kW/m2 ) ×
8,760(時間/年)×発電効率(25%)×単位
換算係数(3.6MJ/kWh)
・熱利用量:延床面積(190,123m2)×単位面積
当たりのコジェネ容量(0.05kW/m2 )×8,760
(時間/年)×排熱回収効率(45%)×単位換
算係数(3.6MJ/kWh)
利用可能量
事務所、店舗、工場、倉庫にコジェネ施設を
50%導入
・電力利用量:延床面積(95,062m2 )×単位面
積 当 た り の コ ジ ェ ネ 容 量 ( 0.05kW/m2 ) ×
8,760(時間/年)×発電効率(25%)×単位
換算係数(3.6MJ/kWh)
・熱利用量:延床面積(95,062m2 )×単位面積
当たりのコジェネ容量(0.05kW/m2 )×8,760
(時間/年)×排熱回収効率(45%)×単位
換算係数(3.6MJ/kWh)
13-2.推計結果
賦存量は電力75百万MJ/年及び熱135百万MJ/年、利用可能量は電力37百万MJ/年及び熱67百万
MJ/年とそれぞれ推計されました。
表5-36
項目
A 業務用延床面積
単位面積当たりの
B
コジェネ容量
C 年間稼働時間
D 発電効率
数値
賦存量推計結果
単位
190,123 m
備考
事務所・店舗:44,829m2、
工場・倉庫:145,294m2
2
0.05 kW/m 2
8,760 h/年
高効率熱利用システム導入
マニュアル作成調査(NED
O、H10(1998)年)
25%
E 電力利用量
75 百万MJ/年 E=A×B×C×D×3.6/106
高効率熱利用システム導入
マニュアル作成調査(NED
O、H10(1998)年)
F 排熱回収効率
45% %
G 熱利用量
135 百万MJ/年 G=A×B×C×F×3.6/106
表5-37
項目
導入可能な業務用
A
延床面積
単位面積当たりの
B
コジェネ容量
C 年間稼働時間
D 発電効率
E 電力利用量
F 排熱回収効率
G 熱利用量
出典
家屋に関する概要調査等報
告書、H23(2011)年
数値
利用可能量推計結果
単位
95,062 m
2
備考
出典
全業務用延床面積の1/2と
仮定
0.05 kW/m 2
8,760 h/年
高効率熱利用システム導入
マニュアル作成調査(NED
O、H10(1998)年)
25%
37 百万MJ/年 E=A×B×C×D×3.6/106
高効率熱利用システム導入
マニュアル作成調査(NED
O、H10(1998)年)
45%
67 百万MJ/年 G=A×B×C×F×3.6/106
57
14.燃料電池
14-1.推計方法
燃料電池とは、水素と酸素を化学反応させて、直接電気を発電する装置のことです。
賦存量は一戸建の住宅に100%導入、利用可能量は50%導入としました。
表5-38
推計条件
賦存量
推計
条件
推計式
利用可能量
オール電化でない一戸建住宅の50%に燃料電池を導
一戸建住宅に燃料電池を100%導入
入
・電力利用量:一戸建住宅数(戸)×1戸 ・電力利用量:一戸建住宅数(戸)÷2×(100%-オー
あ た り の 燃 料 電 池 容 量 ( 1 kW/ 戸 ) × ル電化普及率(10.2%))×1戸あたりの燃料電池容
8,760(時間/年)×発電効率(30%)× 量(1kW/戸)×8,760(時間/年)×発電効率(30%)
単位換算係数(3.6MJ/kWh)
×単位換算係数(3.6MJ/kWh)
・熱利用量:一戸建住宅数(戸)×1戸あ ・熱利用量:一戸建住宅数(戸)÷2×(100%-オール
たりの燃料電池容量(1kW/戸)×8,760 電化普及率(10.2%))×1戸あたりの燃料電池容量
(時間/年)×排熱回収効率(40%)× ( 1 kW/ 戸 ) × 8,760 ( 時 間 / 年 ) × 排 熱 回 収 効 率
単位換算係数(3.6MJ/kWh)
(40%)×単位換算係数(3.6MJ/kWh)
14-2.推計結果
賦存量は電力55百万MJ及び熱73百万MJ/年、利用可能量は電力25百万MJ/年及び熱33百万MJ/年
とそれぞれ推計されました。
表5-39
項目
数値
5,810 戸
B 1戸あたり燃料電池容量
C 年間稼働時間
1 kW/戸
8,760 h/年
E 電力利用量
F 排熱回収効率
G 熱利用量
55 百万MJ/年
E=A×B×C×D×3.6/106
高効率熱利用システム導入マ
ニュアル作成調査(NEDO、
H10(1998)年)
40%
73 百万MJ/年
数値
G=A×B×C×F×3.6/106
利用可能量推計結果
単位
備考
A 一戸建住宅数
2,905 戸
一戸建住宅の1/2と仮定
B 「オール電化」普及率
C 1戸あたり燃料電池容量
D 年間稼働時間
10.2%
1 kW/戸
8,760 h/年
2012年度、全国平均
E 発電効率
F 電力利用量
G 排熱回収効率
H 熱利用量
出典
高効率熱利用システム導入マ
ニュアル作成調査(NEDO、
H10(1998)年)
30%
表5-40
項目
備考
家屋に関する概要調査等報告
書、H23(2011)年
A 一戸建住宅数
D 発電効率
賦存量推計結果
単位
高効率熱利用システム導入マ
ニュアル作成調査(NEDO、
H10(1998)年)
30%
25 百万MJ/年
F=A×(1-B)×C×D×E×3.6/10 6
高効率熱利用システム導入マ
ニュアル作成調査(NEDO、
H10(1998)年)
40%
33 百万MJ/年
出典
家屋に関する概要調査等報告
書、H23(2011)年
株式会社富士経済HP
H=A×B×C×D×G×3.6/106
58
15.まとめ
「第5章
洋野町の再生可能エネルギー賦存量と利用可能量」のまとめを、以下に整理しました。
15-1.賦存量及び利用可能量

賦存量及び利用可能量は、下表のとおりとなりました。太陽光発電、陸上風力発電、洋上
風力発電、電気自動車、地中熱ヒートポンプの順に利用可能量が多いことが分かります。
表5-41
電力
太陽光発電
洋野町の賦存量及び利用可能量
電力利用(百万MJ/年)
賦存量
利用可能量
92,032
292
6,725
275
804
270
1
1
5,185
32
68
9
45
8
132
16
熱
●
再
生
可
能
エ
ネ
ル
ギ
ー
●
●
(陸上)
風力発電
(洋上)
中小水力発電
波力発電
潮力発電
(木質系)
バイオマス
(廃棄物系)
太陽熱利用
地中熱ヒートポンプ
雪氷冷熱利用
ル な 革 電気自動車(EV)
ギ エ 新 コージェネレーション
ー ネ的
燃料電池
●
●
●
●
●
●
●
153
474
306,772
497,638
4,885
109
135
73
810,239
●
●
●
●
75
55
105,122
●
●
単純集計
合計
熱利用(百万MJ/年)
賦存量
利用可能量
37
25
965
電力
熱
賦存量
6,725
算
定
対
象
外
5,185
4000
2000
804
量
68 45 132 0
1
0
太
陽
光
発
電
中
小
水
力
発
電
波
力
発
電
潮
力
発
電
木
質
系
バ
イ
オ
マ
ス
廃
棄
物
系
バ
イ
オ
マ
ス
太
陽
熱
利
用
0
0
地
中
熱
ヒ
ー
ト
ポ
ン
プ
雪
氷
冷
熱
利
用
電
気
自
動
車
(
可
能
量
発電量(百万MJ/年)
用
コ
ー
ジ
ェ
ネ
レ
ー
シ
) ョ
ン
292
280
275 270
120
60
32
1
0
太
陽
光
発
電
中
小
水
力
発
電
8
16
潮
力
発
電
木
質
系
バ
イ
オ
マ
ス
廃
棄
物
系
バ
イ
オ
マ
ス
140
37
25
70
0
波
力
発
電
太
陽
熱
利
用
地
中
熱
ヒ
ー
ト
ポ
ン
プ
図5-5
雪
氷
冷
熱
利
用
コ
ー
ジ
ェ
ネ
レ
ー
シ
) ョ
ン
電
気
自
動
車
(
洋
上
風
力
発
電
中
小
水
力
発
電
潮
力
発
電
木
質
系
バ
イ
オ
マ
ス
廃
棄
物
系
バ
イ
オ
マ
ス
太
陽
熱
利
用
地
中
熱
ヒ
ー
ト
ポ
ン
プ
雪
氷
冷
熱
利
用
コ
ー
ジ
ェ
ネ
レ
ー
シ
) ョ
ン
電
気
自
動
車
(
燃
料
電
池
利用可能量
280
算
定
対
象
外
210
120
60
109
82
57
5
0
陸
上
風
力
発
電
洋
上
風
力
発
電
中
小
水
力
発
電
波
力
発
電
潮
力
発
電
木
質
系
バ
イ
オ
マ
ス
廃
棄
物
系
バ
イ
オ
マ
ス
太
陽
熱
利
用
67
33
36
29
洋野町の賦存量及び利用可能量
59
波
力
発
電
350
300
太
陽
光
発
電
燃
料
電
池
陸
上
風
力
発
電
109 135 73
地
中
熱
ヒ
ー
ト
ポ
ン
プ
雪
氷
冷
熱
利
用
コ
ー
ジ
ェ
ネ
レ
ー
シ
) ョ
ン
電
気
自
動
車
(
EV
洋
上
風
力
発
電
9
210
EV
陸
上
風
力
発
電
350
280
算
定
対
象
外
210
153 474
太
陽
光
発
電
燃
料
電
池
利用可能量
300
350
利
75 55
4,885
EV
洋
上
風
力
発
電
0
算
定
対
象
外
EV
陸
上
風
力
発
電
熱量(百万MJ/年)
存
80,000
賦存量
306,772 497,638
100,000 100,000
90,000
80,000 80,000
70,000
6000
60,000
50,000
4000
40,000
30,000
2000
20,000
10,000
0
0
熱量(百万MJ/年)
賦
発電量(百万MJ/年)
100,000 92,032
6000
29
57
36
82
5
109
67
33
418
燃
料
電
池
100,000
90,000
80,000
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
15-2.エネルギー消費量と利用可能量の比較

洋野町のエネルギー消費量と、利用可能量を比較したところ、表5-42 のとおり電力は
272%、熱は 36%をそれぞれ再生可能エネルギーで賄うことができる結果となりました。
(再
生可能エネルギー別に比較した結果は図5-6に示しています。)
表5-42
エネルギー消費量と再生可能エネルギーの利用可能量の比較結果
①エネルギー消費量
②利用可能量
②/①
電力
332 百万MJ
903 百万MJ
272%
熱
585 百万MJ
209 百万MJ
36%
※エネルギー消費構造結果のうち、再生可能エネルギーで代替できないガソリンを含む「運輸部門(自動車、鉄道)の軽質油製
品」と漁業の船舶の燃料を含む「農林水産業の重質油製品」を除外し、利用可能量と比較した。なお、エネルギー消費量(需
要側)と利用可能量(供給側)の時間的なズレ(例.太陽光発電は蓄電池がなければ夜間利用できない等)は考慮していない。
洋野町のエネルギー消費量に占める利用可能量の割合
0%
太陽光発電
陸上風力発電
洋上風力発電
中小水力発電
波力発電
潮力発電
木質系バイオマス
廃棄物系バイオマス
太陽熱利用
地中熱ヒートポンプ
雪氷冷熱利用
電力合計
熱合計
図5-6
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
88%
83%
81%
0%
10%
3%
7%
15%
電力
6%
熱
14%
1%
273%
36%
洋野町全体のエネルギー消費量に占める利用可能量の割合
60
15-3.利用可能量を世帯換算した場合

利用可能量を世帯換算した値を図5-7に示します。

電力では約3万世帯分、熱では約3千1百世帯分の家庭のエネルギー消費量に相当します。
洋野町の世帯数(6,841 世帯)と比較して、電力は約4倍、熱は約半分の規模となります。
利用可能量を世帯換算した値(世帯分)
0
太陽光発電
陸上風力発電
洋上風力発電
中小水力発電
波力発電
潮力発電
木質系バイオマス
廃棄物系バイオマス
太陽熱利用
地中熱ヒートポンプ
雪氷冷熱利用
電力合計
熱合計
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
9,733世帯分
9,167世帯分
9,000世帯分
30世帯分
1,067世帯分
300世帯分
700世帯分
1,384世帯分
538世帯分
1,224世帯分
電力
熱
75世帯分
30,097世帯分
3,121世帯分
【参考】洋野町の世帯数(6,841世帯)
※家庭1世帯当たりのエネルギー消費量は、第4章(表4-18)の家庭部門のエネルギー消費量を洋野町の世帯数 6,841 世帯(平
成 23(2011)年)で割り戻すことにより電力 30 千 MJ/世帯、熱 67 千 MJ/世帯と算出し、利用可能量を世帯換算した。
図5-7
利用可能量を世帯換算した値
15-4.利用可能量を1世帯当たりの石油ドラム缶に換算した場合

利用可能量を1世帯当たりの石油ドラム缶に換算した値を図5-8に示します。

電力では 17.3 本分、熱では4本分の石油ドラム缶に相当します。洋野町の家庭1世帯当た
りの石油ドラム缶換算値(電力:3.9 本分、熱 8.8 本分)と比較して、上記「15-3」
と同様、電力は約4倍、熱は半分の規模となることが分かります。
利用可能量を1世帯当たりの石油ドラム缶に換算した値(本分)
0
太陽光発電
陸上風力発電
洋上風力発電
中小水力発電
波力発電
潮力発電
木質系バイオマス
廃棄物系バイオマス
太陽熱利用
地中熱ヒートポンプ
雪氷冷熱利用
電力合計
熱合計
5
10
15
20
5.6本分
5.3本分
5.2本分
0.02本分
0.6本分
0.2本分
0.7本分
1.4本分
0.7本分
熱
電力
1.6本分
0.1本分
17.3本分
4.0本分
※石油ドラム缶1本当たりのエネルギー消費量は、38.2MJ/L、1本当たりのドラム缶容量 200L として算出した。
※洋野町の家庭1世帯当たりのエネルギー消費量は、年間で電力:3.9 本分、熱 8.8 本分の石油ドラム缶に相当する。
図5-8
利用可能量を石油ドラム缶換算した値
61
第6章 再生可能エネルギー導入普及に向けた基本方針
第6章 再生可能エネルギー導入普及に向けた基本方針
1. 洋野町内の再生可能エネルギー動向
1-1. 既存の再生可能エネルギー調査・計画
洋野町における再生可能エネルギーの動向について、現在計画されている事業や既に導入さ
れた事業、洋野町が対象となった調査を、以下に整理しました。洋野町には、導入済みと計画
中の事業を併せて33.5MWの規模のメガソーラーがあることが分かります。
メガソーラー(10MW)
太陽光発電設置
(計画中)
㈱サン・エナジー洋野
角浜地区・平内地区
種市中学校・
種市・大野庁舎 ほか
NEDO洋上風力
調査(H23)
太陽光発電設置(済)
蓄電池設置(計画中)
場所:角浜漁港周辺
宿戸小学校、大野小学校
メガソーラー(1.5MW)
㈱青森ポートリー
有家地区
農水省調査
(H23)
既設ダム利用(大野ダム):
農業用水利用発電における
利用可能性
:計画
メガソーラー(2MW)
:調査
㈱サンエイワーク
金ケ沢地区
メガソーラー(20MW)
GASJA1合同会社
水沢地区
※構想中のメガソーラー事業(12.023MW)も含めると、図6-1に示す計画中の 33.5MW と併せて、45.523MW のメガソーラー事
業の構想が洋野町にあります。
図6-1
既存の再生可能エネルギー調査・計画
また、岩手県が三陸海域における海洋資源の賦存状況や利活用の可能性調査のため、平成20
(2008)年6月にいわて海洋資源活用研究会を設置し、平成22(2010)年3月に同研究会が三
陸地域の海洋再生可能エネルギーの導入を漁業と協調し推進することが重要と提言しました。
このことを受け、平成24(2012)年5月に岩手県が主体となり、大学、地域の関係団体及び
行政機関等と連携し、岩手県沿岸北部海域における海洋再生可能エネルギーに関する調査、研
究を行い、その利用方策を検討すること等を目的に「いわて沿岸北部海洋再生可能エネルギー
研究会」が設置されました。町内からは、町、洋野町商工会、各漁業協同組合が会員となり、
海洋産業の振興に関する講演会等を本町で開催しながら機運の醸成に努めるとともに、海洋再
生可能エネルギーである洋上風力発電の可能性等を調査、研究しています。
さらに、平成24(2012)年度には、環境省の風力発電等環境アセスメント基礎情報整備モデ
ル事業が城内地区で、平成25(2013)年度には、同じく有家、中野地区と洋野沖を対象に行わ
れています。
※メガソーラーの洋野町への効果:
町内外の事業者が洋野町にメガソーラーを設置する場合の洋野町への効果としては、以下の①~
③が考えられます。
① 固定資産税、法人町民税等の税収による、洋野町の住宅用太陽光発電補助金等への活用検討
② 建設・維持管理による町内事業者の雇用創出
③ 広義のエネルギー地産地消に繋がる。(参照:p65)
62
表6-1
【参考】メガソーラー1,000kW を建設した場合の例
■費用
■収益
325 千円/kW
建設費
①初期投資額 土地造成費 1.5 千円/kW
計
1.6%/年(対建設費)
修繕費
1.6%/年(対建設費)
諸費
一般管理費 14%/年(対修繕費・諸費)
②維持管理費
3,000 千円/年
人件費
借地料
150 円/㎡・年
計
固定資産税 1.4%/年
③税金
法人町民税 資本金1億と想定
計
325,000 千円
1,500 千円
326,500 千円
5,200 千円/年
5,200 千円/年
1,456 千円/年
3,000 千円/年
2,250 千円/年
17,106 千円/年
4,550 千円/年
400 千円/年
4,950 千円/年
発電電力量 1,051,200 kWh/年
売電単価
37.8 円/kWh
④売電収入
39,735千円/年
(■:平成25年度固定価格買取価格より)
■回収年数
回収年数
①/(④-②-③)
19 年
(■:平成25年度調達価格検討基礎資料より、建設費単価は1,000kW以上の場合)
(■:経済産業省「平成
25 年度調達価格検討基礎資料」より、建設費単価は 1,000kW 以上の場合)
※減価償却については考慮していない。
※減価償却については考慮していない。
1-2. 補助制度
洋野町では、以下の再生可能エネルギーの補助制度を実施し、再生可能エネルギーの普及に
努めています。
表6-2
名称
対象
条件
助成
金額
洋野町の補助制度
洋野町再生可能エネルギー活用設備設置奨励事業
住宅用太陽光発電システム
① 洋野町内に本店・支店・営業所を有する販売店・施工業者と、請負契約等を締結して
設置されるものであること
② 太陽光を利用して電気を発生させるための設備であって、余った電気を電力会社に売
電することができるシステムであること
③ 町内の一般家庭用住宅に新たに設置され、太陽電池の最大出力の合計値が10kW未満の
未利用品であること
最大出力1kW当たり5万円(上限15万円・1,000円未満切り捨て)
※町内で利用可能な商品券を配布
(商品券発行者:ダイちゃんカード会・おおの商業協同組合)
表6-3
【参考】洋野町の補助制度を用いた住宅用太陽光発電導入例(3kW の場合)
数値
規模
費用
収入
備考
想定
設備利用率 12%
4割と仮定
6割と仮定
40 万円/kW の場合
出力
発電量
自家消費
売電
システム価格
3kW
3,154kWh
1,262kWh
1,892kWh
120 万円
国からの補助
-6万円
2万円/kW※
町からの補助
計
自家消費
売電
計
回収年数
-15 万円
99 万円
3万円
7万円
10 万円
9.9 年
商品券
①
24.18 円/kWh
38 円/kWh
②
①/②
※:導入する1kW当たりのシステム価格により、国からの補助金額に違いがある。
・2万円を超えて41万円以下:1kW当たり2万円
・41万円を超えて50万円以下:1kW当たり1.5万円
63
2. 地域特性と課題
洋野町における再生可能エネルギー導入普及に向けた基本方針の策定にあたり、「洋野町の地域
特性」と「洋野町の課題」を踏まえることが重要です。
(1)洋野町の地域特性

海と緑に囲まれた豊かな自然環境があり、再生可能エネルギー資源に恵まれています。

ブロイラー、ウニ、シイタケ等の農林水産業が盛んです。

地域単位で“地域づくり”が行われるなどコミュニティ活動が盛んです。
【エネルギーに関する地域特性】

NEDO「局所風況マップ」の推計によると、年間風速 6.5m/s 以上の風況に恵まれた地
点が陸上・洋上ともに多いです。

戸建住宅が多く、共同住宅に比べ太陽光発電等の再生可能エネルギー機器普及の可能性が
あります。

家庭や事業所に薪ストーブが普及しているため、間伐材利用の可能性があります。

シイタケ栽培施設(冷暖房)、漁港の製氷工場(電気)、ウニ種苗生産施設(採水ポンプ
の動力)、災害時の拠点となりうる施設(役場、病院、小学校等)等において省エネルギ
ーや再生可能エネルギーによるエネルギー転換の余地があります。
(2)洋野町の課題

人口減少、少子高齢化が進行し、今後の地域活力の低下が懸念されています。

多様な資源を生かした元気な産業づくりと雇用の場の創出が求められています。

地域ぐるみで互いに見守る地域安全対策の充実が求められています。
【エネルギーに関する課題】

自動車利用や農林水産業の重油の使用によるエネルギー消費量が多いです。

洋野町全体でのエネルギー購入費用は 64 億円/年(町民1人当たり約 34 万円/年)であり、
その多くを海外からの輸入に頼っています。

既に家畜糞尿やウニ殻等は肥料化が実施されており、バイオマス(農畜産)の新規エネル
ギー利用の可能性は現時点においては低いです。

搬出料が高いことにより、林地に残されている間伐材があります。

メガソーラー等の建設時には、規模により電力系統への連系制約があります。

耕作放棄地であっても農振農用地の場合は、土地の利用規制があり現時点では太陽光発電
等に使用できないことから、国・県の動向を踏まえ対応していく必要があります。
64
3. 基本方針
再生可能エネルギー導入普及に向け、「洋野町の地域特性」と「洋野町の課題」を踏まえ、以下
の基本方針を策定しました。
(1)地域資源を活用したエネルギーの地産地消を目指します

再生可能エネルギーの導入により、エネルギー自給率を高めます。

豊かな地域資源を活かし、エネルギーの地産地消※が図られる再生可能エネルギーの導入促
進に積極的に取り組みます。
(2)再生可能エネルギーによる地場産業の活性化を目指します

洋野町の基幹産業である第一次産業(農林水産業、畜産業等)と連携し、再生可能エネル
ギーの活用により地域に利益還元できる仕組みづくりに取り組みます。

地域での新たな産業の掘り起し(ニュービジネス)を目指します。今後予定される再生可
能エネルギー施策の効果を地場産業の活性化に繋げていきます。

町民ファンドなど町民が参画できる仕組みづくりにより、地域経済への貢献方策を見出し
ます。
(3)災害時における再生可能エネルギー活用を目指します

自立・分散型の再生可能エネルギー導入により、災害時にも安定してエネルギー供給でき
る仕組みづくりを目指します。

公共施設への太陽光発電・蓄電池の導入や避難所まで誘導する誘導灯や防犯灯の整備を進
めます。
(4)省エネルギーの実現により、温室効果ガスの削減を目指します

再生可能エネルギーの導入に併せ、省エネルギーの実現(省エネ行動、エネルギーの見え
る化等)によりエネルギー消費量の総量の削減・温室効果ガスの削減を進めます。
※エネルギーの地産地消とは:
①狭義:町内のエネルギー消費量を、町内の地域資源による再生可能エネルギーで賄うことです。
②広義:町内の地域資源を活用した再生可能エネルギーによる発電量を、電力会社に売電すること
も含みます。電力会社が再生可能エネルギーによる電力を購入することで、既存の化石燃
料等の使用が削減され、再生可能エネルギーを購入している電力会社から、系統電力を購
入することも広義のエネルギー地産地消としました。広義のエネルギー地産地消も、売電
の期間満了後は、将来的には狭義のエネルギー地産地消となる可能性もあります。
【優先順位】①狭義>②広義
(まずは狭義のエネルギー地産地消を目指しますが、費用や採算性等により狭義のエネ
ルギー地産地消が困難な場合は、広義のエネルギー地産地消を目指すこととします。)
65
4. 主体別の役割
再生可能エネルギー導入普及に向け、町民、事業者、行政が一体となり、取組みを進めていくこ
とが重要です。各主体が行うべき取組・役割について、以下に整理しました。
(1)町民の役割

行政が行う情報提供により、再生可能エネルギーの効果(省エネルギー、災害時活用、温
暖化防止、地域活性化等)や費用等に関する情報を得ます。

家庭での再生可能エネルギー(太陽光発電、地中熱ヒートポンプ等)の導入を検討します。

再生可能エネルギーに関心はあるが、家庭で導入できない場合でも、太陽光発電等の町民
ファンドに参加するなどにより再生可能エネルギーの導入普及を行います。

日常生活の中で、省エネ行動や省エネ機器(高効率給湯機、HEMS等)の導入を率先し、
省エネに向けたライフスタイルへ転換するように努めます。
(2)事業者の役割

行政が行う情報提供により、再生可能エネルギーの効果(省エネルギー、災害時活用、温
暖化防止、地域活性化等)や費用等に関する情報を得ます。

事業所等での再生可能エネルギーの導入を検討します。
【再生可能エネルギーに関する取組内容(例)】
○事業所
:太陽光発電、電気自動車の導入
○小売店舗、宿泊施設 :EVステーションの設置
○農業施設

:地中熱ヒートポンプによる空調管理
日常業務の中で、省エネ行動を率先し、エネルギーの見える化やLED等の高効率なエネ
ルギー機器への交換に努めます。
(3)行政の役割

再生可能エネルギー導入の適地を選定し、情報の公開・地域内外へのPRにより、再生可
能エネルギー事業者の誘致を図ります。

家庭・事業所への再生可能エネルギー導入に対して補助金等の支援を行います。

日常業務の中で、省エネ行動を率先し、エネルギーの見える化やLED等の高効率なエネ
ルギー機器への交換に努めます。

公共施設に太陽光発電・蓄電池を導入する等、再生可能エネルギーの災害時活用に取り組
みます。

洋野町内の再生可能エネルギー関連動向や施策の見える化により、町民の再生可能エネル
ギーへの理解浸透に努めます。

町民・事業者・行政が一体となり共存して取組みを進められるような体制づくりや、県や
近隣市町村との情報共有、事業の協働実施等の連携を図ります。
66
第7章 目標の設定
第7章 目標の設定
再生可能エネルギー導入普及を目指していくためには、町民、事業者、行政が一体となって、目
指すべき目標の水準を共有しながら、共通認識の下で具体的に取り組んでいくことが重要です。
ただし、国のエネルギー政策の動向、技術開発の動向、社会情勢の変化等により、状況に応じて
目標値の見直しを適宜行います。
1. 目指す姿

基本方針(第6章)に基づき、地域に存在する再生可能エネルギーを最大限活用すること
で、災害に強く、地場産業の活性化とエネルギーの地産地消を目指します。

町民、事業者、行政のあらゆる主体による再生可能エネルギー機器の導入により、温室効
果ガスの削減を目指します。
2. 計画の目標
計画の目標値を、表7-1に示します。
表7-1
計画の目標値(洋野町、岩手県)
目標値(年度)
目標
①再生可能エネルギーによる電力自給率
②県内・町内エネルギー消費量に対する
再生可能エネルギー導入割合
③省エネ行動を実施している住民の割合
現状
洋野町
1.9%
平成27年
(2015)
15.7%
平成32年
(2020)
38.5%
平成35年 備考
(2023)
52.4%
岩手県
18.1%
25.2%
35.0%
-%
洋野町
0.3%
2.9%
7.1%
9.7%
岩手県
12.3%
17.3%
23.9%
-%
洋野町
- %
86%
91%
95%
岩手県
82%
90%
95%
-%
① 再生可能エネルギーによる電力自給率は、現状の設備容量(平成26(2014)年1月末時点)、
現時点における計画容量より目標値を設定しました。
② 町内・県内エネルギー消費量に対する再生可能エネルギー導入割合は、①再生可能エネルギー
による電力自給率の割合により目標値を設定しました。
③ 省エネ行動を実施している住民の割合は、岩手県が策定した「岩手県地球温暖化対策実行計画」
(平成24(2012)年3月)の岩手県の目標値を参考に目標値を設定しました。
67
第8章 洋野町に適した再生可能エネルギー
第8章 洋野町に適した再生可能エネルギー
第5章で検討した洋野町における再生可能エネルギー種別の利用可能量等を踏まえ、洋野町に適
した再生可能エネルギーの選定を行いました。選定は、「(A)重点的に導入推進を行うエネルギ
ー」、「(B)導入推進を行うエネルギー」、「(C)技術開発の動向を注視するエネルギー」の
3つに区分し整理しました。なお、「A」と評価したエネルギーについて、第9章において導入モ
デルを作成することとします。
【選定の視点】
・地域特性・利用可能量の多さ・導入実績
・補助制度の有無・技術レベル(実用化)
・町民の関心の高さ(アンケート)
【洋野町に適した再生可能エネルギーの選定】
・A:重点的に導入推進を行うエネルギー
・B:導入推進を行うエネルギー
・C:技術開発の動向を注視するエネルギー
【着眼点】
①地域資源を活用したエネルギーの地産地消
②再生可能エネルギーによる地場産業の活性化
③災害時における再生可能エネルギー活用
導入モデルの検討
図8-1
洋野町に適した再生可能エネルギー選定から導入モデル検討までの流れ
1. 選定の視点
洋野町に適した再生可能エネルギーの選定は、以下の利用可能量の多さや導入実績の有無等の視
点により行います。
表8-1
洋野町に適した再生可能エネルギー選定の視点
項目
選定の視点
利用可能量
町内の利用可能量が多いほど良い
導入実績※1
町内で導入された実績が多いほど良い
町の補助実績
町の補助実績があるほど良い
技術レベル
実用化されているほど良い
町民の関心の高さ
(導入したい割合
町民の関心が高いほど良い
※2
)
※1:行政で把握できている洋野町内の再生可能エネルギー導入実績
※2:平成 25(2013)年度実施アンケート調査において、導入したいと回答した町民及び事業者の割合
68
2. 選定結果
洋野町に適した再生可能エネルギーの選定結果を表8-2及び表8-3に示します。その中で「A」
と評価したエネルギーについて、町は重点的に支援を行い、町民・事業所に対し普及を促進します。
なお、再生可能エネルギーに関する技術は発展途上のものであり、技術革新が著しいことから、
将来大きく変わる可能性があります。今後の技術開発の動向等により、今後必要に応じて見直すこ
ととします。
表8-2
洋野町に適した再生可能エネルギー選定結果(詳細)
電
力
太陽光発電
風力
発電
再
生
可
能
エ
ネ
ル
ギ
ー
エ革
ネ新
ル的
ギな
ー
合計
熱
利用可能量
導入
(百万 MJ/年) 実績
電力
●
292
陸上
●
275
洋上
補助の
有無
技術
レベル
有
選定
町民
事業者
実用化段階
50%
47%
A
実用化段階
8%
7%
A
熱
有
導入意向
(%)
●
270
実証段階
-
-
A
中小水力発電
●
1
実用化段階
-
-
-
地熱発電
●
0
実証段階
-
-
-
波力発電
●
32
研究段階
-
-
C
潮力発電
バイオ
マス
●
研究段階
-
-
C
有
実用化段階
31%
15%
A
実証段階
-
-
C
有
実用化段階
24%
12%
B
9
木質系
●
●
8
29
廃棄物系
●
●
16
57
太陽熱利用
●
36
地中熱ヒートポンプ
●
82
実用化段階
10%
7%
A
雪氷冷熱利用
●
5
実用化段階
-
-
-
電気自動車(EV)
●
実用化段階
39%
35%
A
コージェネレーション
●
37
67
実用化段階
10%
3%
C
燃料電池
●
25
33
実用化段階
12%
13%
C
965
418
-
-
単純集計
109
有
-
-
-
A:重点的に導入推進を行うエネルギー
B:導入推進を行うエネルギー
C:技術開発の動向を注視するエネルギー
-:導入可能性が低いエネルギー
表8-3
洋野町に適した再生可能エネルギー選定結果
太陽光発電
風力発電(洋上、陸上)
(A)重点的に導入推進を行うエネルギー
バイオマス(木質系)
地中熱ヒートポンプ
電気自動車(EV)
(B)導入推進を行うエネルギー
太陽熱利用
波力発電
潮力発電
(C)技術開発の動向を注視するエネルギー
バイオマス(廃棄物系)
コージェネレーション
燃料電池
69
第9章 導入モデルの検討
第9章 導入モデルの検討
1. 導入モデルの検討
主体別の役割(第6章)を基本として、再生可能エネルギー導入普及に向けて推進する導入モデ
ルについて、以下に整理しました。
洋野町に適した再生可能エネルギー(第8章)で「(A)重点的に導入推進を行う」とされたエ
ネルギーの中で、「風力発電(洋上、陸上)」、「太陽光発電」、「電気自動車」、「地中熱ヒー
トポンプ」「バイオマス(木質系)」について導入モデルを検討しました(表9-1)。
エネルギーの効果的な供給方法の観点から、設置場所、施設規模の例、事業費等を次ページ以降
に整理しました。導入モデルであるため、町として必要な施策、様々な各種団体との連携、国・県
との協議等については、今後具体的な対応を精査していく必要があります。
表9-1
普及に向けた導入モデル
エネルギー
導入モデル①
大型風力発電導入モデル
導入モデル②
公共施設の屋根貸しによる太陽光発電導入モデル
導入モデル③
町民ファンドによる太陽光発電導入モデル
導入モデル④
避難所等へのEVステーション導入モデル
導入モデル⑤
農作物への地中熱ヒートポンプ導入モデル
導入モデル⑥
戸建住宅・公共施設への地中熱ヒートポンプ導入モデル
導入モデル⑦
薪と太陽熱による冷暖房・冷温水の供給モデル
70
【導入モデル①】大型風力発電導入モデル(狭義のエネルギー地産地消)
■事業の概要
特定規模電気事業者(PPS※1)が日本各地で地産地消PPS事業を行っています。町が大型風力発電
の適地をPRすることで、PPS等の事業者の出資により、陸上・洋上風力発電を導入します。また、地元
施設(50kW以上の需要家※2)は、大型風力発電による電力をPPSから購入することができ、エネルギー
の地産地消につながります。
■施設の規模・仕様
■対象とするエネルギー資源
大型風力発電施設(2,000kW/基)
陸上・洋上風力
■実施場所(候補)
■想定される主体
風力発電の事業採算性があるとされる年平均風
速6.5m/s以上の地域
○設置:特定規模電気事業者(PPS)等
○運営:地産地消PPS(特定規模電気事業者が設立)
○PR・情報公開:洋野町
■エネルギーの利用方法
■エネルギー資源の発生地
地産地消PPSから電気を購入
―
■必要な施設
■エネルギーの利用先
大型風力発電施設(陸上、洋上)
50kW以上の需要がある地元施設(製氷工場、搾乳冷蔵保
存施設等)
■副産物とその利用方法
■耐用年数
―
20年※3
■事業スキーム(案)
大型風力
発電施設
2,000kW
発電量※4
4,806 千 kWh/基・年
地産地消
PPS※5
電力供給
地元施設
(製氷工場等)
(50kW 以上の需要家)
設立
特定規模
電気事業者
(PPS)
製氷工場
■採算性
■効果
※6
○建設費
:(陸上)400,000千円~700,000千円(20~35万円/kW )
エネルギーの地産地消
○建設費
:(洋上)560,000千円~1,400,000千円(28.3~70万円/kW※6)
○維持管理費:(陸上)年間12,000千円(年間0.6万円/kW※7)
○維持管理 :(洋上)年間74,000千円(年間3.7万円/kW※7)
○売電収入 :(陸上)年間111,019千円(23.1円/kWh※8(20年間))
○売電収入 :(洋上)実証中※9
○回収年数(全量売電する場合)※10:(陸上)5~8年、(洋上)実証中
■実現上の課題
○大型風力発電の適地を選定し情報(周辺環境、事業の採算性等)を公開することで、町が町外の特定規模
電気事業者(PPS)等の事業者に大型風力発電についてPRします。
○洋上風力発電の場合は漁業、海上交通等の調整が必要となり、陸上風力発電の場合は騒音等、周辺住民と
の調整や周辺環境への配慮が必要となります。※11
※1:電気事業の制度改革により、既存の電力会社以外に特定規模電気事業者(PPS)が電気を供給できるようになった、※2:50kW
以上の需要家はPPS(特定規模電気事業者)から電気を購入することができる、※3:経済産業省「平成24(2012)年調達価格等算
定委員会(第5回)配布資料」、※4:NEDO「新エネルギーガイドブック2008」、p167より平均風速6.5m/sの発電量、※5:地産
地消PPSとは、電力会社の送電線を利用して、地域の資源を活用した再生可能エネルギーによる電力を調達し、地域の需要家に電力
を供給する事業者のこと、※6:NEDO「NEDO 再生可能エネルギー技術白書(平成25(2013)年)」より、※7:(陸上):
経済産業省「平成25(2013)年度調達価格検討基礎資料」、(洋上):経済産業省「洋上風力の調達価格に係る研究会取りまとめ報告
書 参考資料」、※8:平成25(2013)年度固定価格買取価格より、※9:現時点で洋上風力発電専用の売電価格はないが、来年度以
降35円/kWh前後に設定される見通し(参照:p72)、※10:減価償却については考慮していない、※11:洋上風力発電と漁業協調の例(参
照:p73)
71
【参考】洋上風力発電の売電単価35円/kWhの見通し
洋上風力発電は、固定価格買取制度における価格が、来年度以降35円/kWh前後に設定される見通しである。
仮に、洋上風力発電の売電単価が35円/kWhとなった場合、p71の建設費(28.3~70万円/kW)と維持管理費(年
間3.7万円/kW)より、風速6.5m/sの地点における洋上風力発電(2,000kW)の回収年数は、7年から15年と試
算することができる。
日本経済新聞(掲載了承)
2013年12月31日(火)記事
72
【参考】洋上風力発電と漁業協調の例
生態系にマイナス影響を与えない配慮や、漁業操業していない未利用海域への優先的な立地などの配慮の
他に、発電事業者も漁業者も共にメリットを共有する方式として、以下のような例が挙げられます。町は発
電事業者と漁業者が一体となって取り組みを進められるよう連絡調整を行っていくことが重要です。
漁業協調の例
漁 業 の 場 風車下部空間に
と し て の 人口漁礁設置
利用
養殖施設・定置
網等の併設、集
魚灯や自動給餌
の設置
内容
風車の基礎部を漁礁として利用し、藻場や魚場を造成する。
漁礁、蓄養施設
藻場造成
漁礁
風車群の海洋空間の全部または一部を囲って定置網魚場とする。
洋上風車に集魚灯や自動給餌を設置し、漁礁等を組み合わせる。
定置網魚場
養殖いけす
集魚灯・自動給餌
漁協がレジャー事業として取り組む一環として、同海域をダイビングスポ
ットとし、基礎構造物や漁礁群、魚介藻類等の海中景観を楽しむ場として
利用する。
観光・レク
リエーシ
ョン利用
ダイビングスポ
ットとしての活
用
電力供給
利用
洋上電力供給ス
タンドの設置
洋上の構造物に変電・蓄電施設を
設置し、将来漁船の充電スタンド
としたり、バッテリーを積み込ん
だりする電力供給スタンドを設
置して利用する。
陸上施設への電
力供給
波崎漁港では、陸上風力発電を漁港内
に設置し、発電した電力を漁港施設(製
氷工場、魚市場、保冷倉庫等)で使用
し、電力負担の軽減と漁港のイメージ
アップを図っている。
防災用備品の備
蓄場所としての
利用
船舶のための緊
急避難場所とし
ての利用
沿岸部が被災した場合でも、この備蓄場所からバックアップ供給する。
漁船の充電スタンド
安全・防災
機能の提
供
風車群の一角に漁船や航行船舶のため一時避難場所を形成する。
出典:一般社団法人 海洋産業研究会「海洋エネルギー利用と漁業協調について」
73
【導入モデル②】公共施設の屋根貸しによる太陽光発電導入モデル(広義のエネルギー地産地消)
■事業の概要
町が公共施設(洋野町民文化会館、洋野町種市体育館、洋野町営八木魚市場、地区センター等)の屋根を
町内外の事業者に貸し出すことにより、町内外の事業者が洋野町内の公共施設の屋根に太陽光発電を設置し
ます。平常時は売電により町内外事業者が売電収入を得て、災害時には当該公共施設で電力を利用できる協
定を町が事業者と締結します。町には借地料・固定資産税等の収入が入る他、災害時の非常用電源を確保す
ることが可能となります。
■施設の規模・仕様
■対象とするエネルギー資源
・設置容量:30kW
太陽光
・発電量
:31,536kWh/年
■実施場所(候補)
■想定される主体
洋野町民文化会館、洋野町種市体育館、洋野町営八木魚
○設置:町内外の事業者
市場、地区センター等の屋根(南向きで日当たりが良い、 ○運営:町内外の事業者
周辺に遮蔽物がない、耐震性等の条件に合うことが必
○維持管理:地元事業者
要)
○PR・情報公開:洋野町
■エネルギーの利用方法
■エネルギー資源の発生地
(平常時)売電
―
(災害時)施設で利用
■必要な施設
■エネルギーの利用先
太陽光発電設備一式
洋野町民文化会館、洋野町種市体育館、洋野町営
八木魚市場、地区センター等
■副産物とその利用方法
■耐用年数
―
20年※1
■事業スキーム(案)
太陽光
発電設備
30kW
平常時:売電
電力会社
(31,536kWh/年)
設置
災害時:電力供給
町内外の事業者
公共施設
(体育館、文化会館、魚市場、地区センター等)
■採算性
■効果
※2
○建設費:13,110千円(437千円/kW )
○維持管理費:478千円/年※3
○売電収入:1,192千円(37.8円/kWh※4(20年間))
○回収年数:19年※5
○災害時活用による非常用電源の確保
○維持管理による地元事業者の雇用創出
○町への借地料※6・固定資産税等の収入
■実現上の課題
○町が屋根貸可能な公共施設を選定(南向きで日当たりが良い、遮蔽物がない等)し情報を公開することで、
町内外の太陽光発電設置事業者を募集します。
○候補となった公共施設管理者との交渉や、電力会社との連系協議の手続きも必要となります。
※1:経済産業省「平成24(2012)年調達価格等算定委員会(第5回)配布資料」、※2:経済産業省「平成25(2013)年度調達価格
検討基礎資料」より建設費単価は10kW以上50kW未満の場合、※3:経済産業省「平成25(2013)年度調達価格検討基礎資料」より修繕
費1.6%/年・諸費1.6%/年(対建設費)、一般管理費14%(対修繕費・諸費)、※4:平成25(2013)年度固定価格買取価格より、※
5:減価償却については考慮していない、※6:経済産業省「平成25(2013)年度調達価格検討基礎資料」より借地料は150円/m2程度
である
74
【導入モデル③】町民ファンドによる太陽光発電導入モデル(広義のエネルギー地産地消)
■事業の概要
洋野町内の未利用地※1を有効利用して太陽光発電を設置し、発生した電力は固定価
格買取制度により全量を電力会社に売電します。町民ファンドの設立により(一口数万
円等)、売電収入を出資者に地域商品券などとして配当し、地域経済に還元します。
■施設の規模・仕様
■対象とするエネルギー資源
・設置容量:10~1,000kW
・発電量 :11,083~1,051,200kWh/年
太陽光
■実施場所(候補)
■想定される主体
未利用地(約0.01~1.5ha)
○設置:町民ファンド
○運営:プロジェクト管理者、町内会、SPC等
○維持管理:地元事業者
■エネルギーの利用方法
■エネルギー資源の発生地
発生した電力を売電
―
■必要な施設
■エネルギーの利用先
太陽光発電設備一式(10~1,000kW)
―
■副産物とその利用方法
■耐用年数
―
20年※2
○その他:地元商店等
■事業スキーム(案)
プロジェクト管理者
10~1,000kW
電力会社
売電収入
町民
出資
換金
■採算性(1,000kWの場合)
地元商店
■評価
※3
○建設費:325,000千円(325千円/kW )
○維持管理費:17,106千円/年※4
○売電収入:39,735千円/年(37.8円/kWh(20年間))※5
○回収年数:19年※6
○CO2削減効果:574tCO2/年
(0.000546tCO2/kWh※7)
○地域活性化への影響:地域商品券による地
元経済の活性化等
■実現上の課題
○太陽光発電の適地(遮蔽物がない、日当たりが良い等)を選定し、適地の情報を公開することで、町が町
民ファンドの設立を呼びかけ、事業者、地元商店、町民等を募集します。
○太陽光発電の設置場所の確保のため、太陽光発電適地の土地所有者と交渉を行います。
○地域に売電収入が還元される詳細な町民ファンドの仕組みを構築し、採算性についての試算を行います。
○全町で使用可能な地域商品券の発行に向けての調整を行います。
○固定価格買取制度により電力会社に売電するため、電力会社との系統連系協議等の手続きを行います。
※1:現時点では、未利用地であっても農振農用地においては土地の利用規制によりメガソーラーを建設できないが、平成25(2013)
年11月に公布された「農山漁村再生可能エネルギー法」(施行日は公布から6ヶ月以内)により今後メガソーラーに使用できる
可能性がある(参照:p76)
※2:経済産業省「平成24(2012)年調達価格等算定委員会(第5回)配布資料」
※3:経済産業省「平成25(2013)年度調達価格検討基礎資料」より、建設費単価は1,000kW以上の場合
※4:経済産業省「平成25(2013)年度調達価格検討基礎資料」より、修繕費1.6%/年・諸費1.6%/年(対建設費)、一般管理費14%
(対修繕費・諸費)、人件費3,000千円/年、借地料150円/m2・年として算出
※5:平成25(2013)年度固定価格買取価格より
※6:土地造成費や税金を考慮し、減価償却については考慮していない場合の回収年数(参照:p63 表6-1)
※7:東北電力「平成23(2011)年度電気事業者ごとの調整後排出係数」
75
【参考】農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律
(農山漁村再生可能エネルギー法)
(平成25(2013)年11月公布、施行日は公布から6ヶ月以内)
概要農山漁村において農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電を促進するため
の措置を講ずることにより、農山漁村の活性化を図るとともに、エネルギー供給源の多様化に資するた
めに創設された法律です。
出典:農林水産省「農山漁村における再生可能エネルギー発電をめぐる情勢」、平成25(2013)年12月
図9-1
農山漁村再生可能エネルギー法の概要
農地転用農山漁村再生可能エネルギー法に基づく設備整備計画(事業者の計画)に従って整備される再生可
能エネルギー発電設備が、農振農用地の転用不許可の例外として追加されました。
出典:農林水産省「農山漁村における再生可能エネルギー発電をめぐる情勢」、平成25(2013)年12月
図9-2
(参考)再生可能エネルギー発電設備に係る農地転用の取扱方向
76
【導入モデル④】避難所等へのEVステーション導入モデル(広義のエネルギー地産地消)
■事業の概要
道の駅や避難所(学校、地区センター等)等にEVステーションを設置します。
導入モデル②の公共施設の屋根貸しにより設置した太陽光発電で発生した電力
は、平常時は売電し、非常時に避難所で使用します。また、EVステーションを
設置し、平常時は系統電力をEV車の燃料として補給し、非常時はEV車のバッ
テリーに貯留している電力を、避難所に供給します。
例.「LEAF to Home(EVパワーステーション)」
出典:日産自動HP
■施設の規模・仕様
○太陽光発電
・設置容量:30kW※1
・発電量 :31,536kWh/年(3日間:259kWh)※2
○EV車:EV車バッテリー容量:24kWh※3
■実施場所(候補)
道の駅、避難所(学校、地区センター等)等
■エネルギーの利用方法
○太陽光:(平常時)売電(非常時)避難所で消費
○EVステーション:
(平常時)系統電力をEV車に供給
(非常時)EV車から避難所に供給
■必要な施設
○太陽光発電設備一式(30kW)
○EVステーション一式
○EV車(281台)※7
■副産物とその利用方法
―
■対象とするエネルギー資源
太陽光、EV
■想定される主体
○設置・運営・PR:洋野町
■エネルギー資源の発生地
○利用者:町民
―
■エネルギーの利用先
・受入避難人数:2,952人(1.65m2/人)※4
・災害時必要電力:146kW(30W/m2)※5
・災害時必要電力量(3日間):7,013kWh※6
■耐用年数
(太陽光)20年※8
(EVステーション)―
■事業スキーム(案)
太陽光発電
30kW
電力
31,536kWh/年
(259kWh/3日間)
災害時
供給
避難所
災害時
供給
EV
ステーション
平常時
電力供給
平常時
売電
災害時
供給
電力会社
町民
■採算性
■評価
○EVステーション設置費:567千円/台(補助最大240千円/台)※3
○防災機能:停電時に避難所に電
○EV車:2,989千円/台(補助780千円/台)※3
力を供給
○太陽光発電の建設費:13,110千円(437千円/kW※9)
○太陽光発電の維持管理費:478千円/年※9
○太陽光発電による売電収入:1,192千円(37.8円/kWh(20年間)※10)
○回収年数(EVステーション1台設置の場合):19年※11
■実現上の課題
○実施場所となる避難所の選定
○系統連系の確認
○災害時の電力供給システムの検討(EV車の災害時供給、太陽光発電)
○町民への周知・EV車の普及
※1:学校に太陽光発電を設置する場合の平均的な設置容量30kWと仮定、※2:設備利用率12%として算出、※3:日産自動車HP、
※4:避難所の例として種市中学校の延床面積4,870m2より1.65m2/人(参照:消防庁震災対策指導室「市町村地域防災計画(震災対応編)
検討委員会報告書」)として算出、※5:消費電力30W/m2(照明10W/m2+コンセント5W/m2+空調等15W/m2)と想定して算出、※6:災害
時必要電力量は、3日間16時間必要として算出、※7:(7,013kWh-259kWh)/24kWhとして算出、※8:経済産業省「平成24(2012)年
調達価格等算定委員会(第5回)配布資料」、※9:経済産業省「平成25年度調達価格検討基礎資料」より建設費単価は10kW以上50kW
未満の場合、※10:平成25(2013)年度固定価格買取価格より、※11:EVステーション1台と太陽光発電(30kW)を設置した場合の、
減価償却を考慮していない回収年数
77
【導入モデル⑤】農作物への地中熱ヒートポンプ導入モデル(狭義のエネルギー地産地消)
■事業の概要
温度管理を必要とする農作物
(例.シイタケ等)に対して地中
熱ヒートポンプを導入し、高付加
価値型の作物 ※1の開発・新たな
産業の掘り起し(ニュービジネ
ス)につなげます。
(以下にシイタケの例を記載。)
例.町内のシイタケハウス
■施設の規模・仕様
■対象とするエネルギー資源
・冷房:4kW/1ハウス
温度差エネルギー(地中熱)
・暖房:灯油800L/1ハウス
■実施場所(候補)
■想定される主体
・シイタケハウス(ウレタンハウス)
○設置・運営:シイタケ農家
○補助:洋野町
■エネルギーの利用方法
■エネルギー資源の発生地
空調利用(温度管理)
―
■必要な施設
■エネルギーの利用先
地中熱ヒートポンプシステム
培養段階での温度管理
(1シーズンに、1ハウス当たり灯油800L使用)
■副産物とその利用方法
■耐用年数
廃菌床が出る場合は、肥料として利用
20年※2
■事業スキーム(案)
温度管理
地中熱
ヒートポンプ
(夏季:冷房、冬期:暖房)
■採算性
■効果
○建設費:3,000~4,000千円※2
○削減維持管理費:1/3(事例
シイタケハウス
○地域活性化:農作物消費者や観光客へのPR等
※3
)
○CO2削減効果:燃料代削減に伴いCO2排出量も削減
○回収年数:12年~15年※4
■実現上の課題
○地中熱ヒートポンプに関する情報(概要、適地、メリット・デメリット、採算性等)を公開し、導入した
いシイタケ農家を募集
○設置費用の確保、補助制度の検討
※1:その他、地中熱ヒートポンプを導入している農作物には、トマト・キュウリ・ピーマン・イチゴ・メロン・マンゴー・シイタケ・
胡蝶蘭・バラ・ユリ・ウナギ・トラフグ等の事例がある(参照:p79)
※2:地中熱利用促進協会「地中熱利用ヒートポンプの基本がわかる本」、p121
※3:新潟県地中熱利用研究会「しいたけ菌床培養施設への地中熱利用設備導入について」
※4:地中熱利用促進協会「地中熱利用ヒートポンプの基本がわかる本」、p122
78
表9-2
対象
実施者
KANNOファーム
(岩手県奥州市)
全国の地中熱ヒートポンプ導入事例
作付面積
8,000m 2
(ハウス6棟)
効果
写真
ハウス内温度・湿度が一定したことで、病気の発生や感染
防止、品質向上、安定した生産量等の効果があった。
トマト
キュウリ
(財 )若 狭 湾 エ ネ ル
ギ ー 研 究 セ ン タ ー 1,000m 2
等(福井県)
・作物収穫率増加:217,728円/月(41%)
・CO 2 購入費:75,720円/月
・CO 2 供給設備導入に伴うコスト:65,000円/月
佐賀県の農家
(佐賀県)
暖房経費:約8%削減
2,700m 2
四 国 電 力グ ルー
プ、 四国 総合 研究
ピーマン
1,300m 2
所
(高知県)
農
作
物
ヒートポンプの導入で、暖房コストの削減効果だけでな
く、除湿利用により春先から梅雨時期の黒枯病が顕著に抑
制され、増収効果も確認された。
イチゴ
プレステック(株)
(岩手県久慈市)
ハウス1棟
・収穫量の増大
・収穫期間の延伸
メロン
モリタ農園
(千葉県)
1,000m 2
暖房経費:約77%削減(約150万円)
マンゴー
鹿児島県
(単独研究)
-
-
八色 しい たけ 事業
シイタケ 協同組合
培養施設4棟
(新潟県)
胡蝶蘭
花
き
類
バラ
・
花
木
黒臼洋蘭園
(埼玉県)
700m 2
ランニングコストがエアコン+灯油暖房機使用時より約3
分の1
空気熱源方式と比較し、電気代が約3分の1
(年間約90万円削減)
茨城 県農 業総 合セ
ンター
100m 2
(茨城県)
空気熱源+温風機より一次エネルギー量26~39%削減
ユリ
山形県
(単独研究)
80m 2
-
ウナギ
斉藤水産(有)
(宮崎県)
17池
(330~460m 2 /池)
(重油ボイラー方式からヒートポンプにした場合の効果)
・エネルギー削減率:49.2%(H22年3月~11月)
(重油使用量と比較した原油換算)
・CO 2 削減効果:57.1%
トラフグ
九州電力(株)
生 物 資 源 研 究 セ ン 12,000尾生産
ター
(1,000m 2 )
(佐賀県)
水
産
物
-
※出典:(社)農業電化協会「農業電化技術採用事例集 農業電化の実際」、福井県HP「農業ハウスにおけるHP空調システムの開発
内容」、四国電力HP「地域農業に役立つ電力利用技術の開発」、ジオテム(株)「地中熱の現状と復興への活用について」、
九州電力HP「研究開発品の紹介」
79
【導入モデル案⑥】戸建住宅・公共施設への地中熱ヒートポンプ導入モデル(狭義のエネルギー地産地消)
■事業の概要
戸建住宅及び公共施設の空調システムに、省エ
ネ性および経済性に優れ、環境にも優しい地中熱
ヒートポンプを導入し、省エネで環境低負荷型の
地域実現につなげます。
(以下に戸建住宅への導入例を記載。)
地中熱ヒートポンプによる空調のイメージ※1
■施設の規模・仕様
■対象とするエネルギー資源
・冷暖房用地中熱ヒートポンプ:10kW
温度差エネルギー(地中熱)
(北海道地方の戸建住宅の事例※2)
■実施場所(候補)
■想定される主体
・戸建住宅
○設置・運営:町民、洋野町
・公共施設
○補助:洋野町
■エネルギーの利用方法
■エネルギー資源の発生地
空調利用(温度管理)
―
■必要な施設
■エネルギーの利用先
地中熱ヒートポンプシステム
室内空調の温度管理
■副産物とその利用方法
■耐用年数
従来型の空気熱源空調に比べて室内湿度を高く維
20年※3
持でき、特に冬期の過乾燥抑制につながります
■事業スキーム(案)
空調利用
地中熱
ヒートポンプ
戸建住宅
(夏季:冷房、冬期:暖房)
■採算性(北海道地方の戸建住宅の場合※3)
■効果
○建設費:2,700千円※4
○ランニングコスト縮減効果:燃料代、電気代の削減
○削減維持管理費:100千円
※4
○回収年数:7年(1/3補助の場合)※4
○CO2削減効果:燃料代削減に伴いCO2排出量も削減
○ヒートアイランド抑制効果※5
■実現上の課題
○町民に対して、特に地中熱ヒートポンプ導入効果の高い地域に関する情報の提供
○設置費用の確保、補助制度の検討
※1:環境省水・大気環境局「地中熱利用にあたってのガイドライン」、p3
※2:地中熱利用促進協会「地中熱利用ヒートポンプの基本がわかる本」、p118
※3:地中熱利用促進協会「地中熱利用ヒートポンプの基本がわかる本」、p121
※4:平成20(2008)年度青森県新エネルギーセミナー(地熱エネルギー)「住宅における地中熱利用について」、灯油暖房機と地中
熱ヒートポンプの建設費の差額(70万円)と維持管理費の差額(10万円)を比較して回収年数を算出している。
※5:環境省水・大気環境局「地中熱利用にあたってのガイドライン」、p15
80
【導入モデル⑦】薪と太陽熱による冷暖房・冷温水の供給モデル(狭義のエネルギー地産地消)
■事業の概要
災害時の拠点となりうる
施設(役場、病院、小学校等)
において、災害時に重油等の
燃料供給が停止した場合に
備え、薪ボイラーや太陽熱利
用機器を導入します。
大阪ガス(株)資料
■施設の規模・仕様
・薪ボイラー:100~600kW※1
・薪ストーブ:5~20kW※2
・太陽熱利用機器:公共施設50m2、戸建住宅3m2
■実施場所(候補)
・温浴施設:マリンサイドスパたねいち
・病院:国民健康保険種市病院
・老人ホーム:特別養護老人ホームうなばら荘
■エネルギーの利用方法
熱:温水・暖房、(冷水・冷房)
■対象とするエネルギー資源
木質バイオマス(間伐材)
太陽熱
■想定される主体
○設置:役場、病院、小学校等
○運営:薪の流通業者
○PR・情報公開:洋野町
○木質バイオマス供給:素材生産業者、森林組合、
自伐林家
■エネルギー資源の発生地
民有林、町有林、県有林、国有林等
■必要な施設
■エネルギーの利用先
薪ボイラー・薪ストーブ、薪の貯留・乾燥施設、
薪ボイラー:通年熱需要がある施設(温浴施設、老人
太陽熱利用機器一式
ホーム、病院、役場等)、薪ストーブ:家庭
■副産物とその利用方法
■耐用年数
灰:農地還元(土壌改良材)
(太陽熱利用)15~20年※3、(薪ボイラー)15年※4
■事業スキーム(案)
数値は家庭における1年間の量。薪及び太陽熱による熱供給量の合計47.3千MJは、世帯当たり年間熱使用量
64.4MJ(灯油・LPガス)の約75%に相当します。
間伐材
3
素材生産業
6m
薪の流
者・森林組
通業者
合・自伐林家 金・地域
商品券
■採算性
○太陽熱利用
・建設費:30万円/3m2※6
・削減維持管理費:26.5千円/年※6
・回収年数:12年※6
※5
薪
3
6m
金
薪スト
ーブ
10kW
温浴施設
冷暖房 老人ホーム 冷暖房
冷温水
冷温水
病院
42.8
5.5
役場
千 MJ
千 MJ
家庭 等
○薪ボイラー
・建設費:23~40万円/kW ※7
・維持管理費:薪1.2万円/m3 ※5
・回収年数:15年
(チップボイラー試算例)※8
太陽熱
利用機
器
2
3m
■効果
・地域活性化:林業の振興、自伐
林家の育成、薪流通業の創出、
エネルギーコストの町内循環
・CO2削減:1.1tCO2/戸/年※9
・光熱費の削減(規模等に応じて
要検討)
■実現上の課題
○公共施設への導入
○民間事業所や家庭における導入の推進
○薪の流通業者の担い手確保、自伐林家の育成
○太陽光発電との競合
※1:林野庁「木質バイオマスエネルギー利用事例集」、※2:ファイヤーサイド株式会社HP、※3:一般社団法人 ソーラーシス
テム振興協会HP、※4:株式会社森のエネルギー研究所「木質バイオマスボイラー導入指針」、※5:洋野町ヒアリング結果(体積
は丸太時)、※6:一般社団法人ソーラーシステム振興協会資料より、※7:林野庁「木質バイオマスボイラー導入・運用にかかわる
実務テキスト」p5、※8:林野庁「木質バイオマスボイラー導入・運用にかかわる実務テキスト」p15、金利や租税公課、減価償却は
含まない、※9:灯油代替効果(薪及び太陽熱のCO2排出係数はゼロと仮定)
81
2. 今後の推進に向けて
2-1. ビジョンの推進方法
今後の再生可能エネルギーの導入推進に向けて、町民・事業者・洋野町(行政)がそれぞれ
の役割を果たし、一体となって協働で取り組んでいくことが重要です。また、国や県、近隣市
町村と情報共有、事業の協働実施等の連携を図りながら、効率的な再生可能エネルギーの導入
を推進していきます。
洋野町
(行政)
国の機関
協働で
導入推進
岩手県
連携
近隣市町村
・情報共有
・事業の協働実施
図9-3
町民
事業者
ビジョンの推進方法のイメージ図
2-2. 将来のすがた
町民・事業者・行政が一体となり、再生可能エネルギーを活用したエネルギーの地産地消を
目指していくため、洋野町の将来のすがた(イメージ図)を以下に示します。
以下のイメージ図のような共通認識のもとで、地域資源や再生可能エネルギーを活用したエ
ネルギーの地産地消や地場産業活性化、災害時活用、温室効果ガス削減を目指していきます。
間伐材収集
陸上風力発電
地中熱ヒートポンプ
EVステーション
メガソーラー事業
太陽光発電
(小規模)
ソーラー防犯灯
EVステーション
地中熱ヒートポンプ
メガソーラー事業
太陽光発電
太陽熱利用機器
住宅用太陽
光発電
薪ボイラー
洋上風力発電
図9-4
洋野町の将来のすがた(イメージ図)
82
Fly UP