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議事録[591.8 KB pdfファイル]
平成 28 年度
第2回全国健康保険協会長野支部評議会
◇日
時:平成28年10月14日(金)15:00~17:00
◇場
所:全国健康保険協会長野支部会議室
◇出席評議員:芦沢評議員、伊藤評議員、梅崎評議員、春日評議員、黒栁評議
員、長瀬評議員、山崎評議員、鷲沢評議員(五十音順)
◇議
事
(1)協会けんぽの5年収支見通し及び平成 29 年度保険料率の論点と
審議スケジュールについて
(2)保険者インセンティブ制度の検討状況と実施スケジュールについて
(3)地域医療構想の審議状況について
(4)長野支部の運営状況について
(5)その他
1.開
会
2.支部長挨拶
○上原支部長
皆さん、こんにちは。急に冷え込んできましたので、風邪など召しませんよ
うに、十分ご注意いただきたいと思います。
本日の評議会ですが、実はこのメンバーで議事を進行させていただく最後の
評議会となります。先だってそれぞれの皆さんに重任のお願いをしましたが、
残念なことに山崎評議員さん、それから梅崎評議員さん、黒柳評議員さん、お
三方から、今期までというお申し出がございました。お三方には本当に、その
期間の差こそあれ大変お世話になりました。ありがとうございました。この場
をお借りして御礼を申し上げたいと思います。
まず黒柳さんから。黒柳委員さんは1期お務めいただいたんですが、実際に
社会保障制度の担い手として事務をご担当されていて、私どもの評議会でも大
変、現場感覚に富んだご意見をちょうだいしました。中にはかなり歯に衣着せ
ぬいろいろなお叱りを受けたり、大変参考になるご意見をちょうだいしました。
ありがとうございました。
それから梅崎評議員さんには、会社を経営するというお立場から、社会保障
制度に伴う会社の事業運営との関係とか、あるいはその社会保険料の状況とか、
そういった経営上のいろいろな示唆に富んだお話をちょうだいしました。あり
-1-
がとうございました。
最後に、山崎先生は実はこの中で一番長く評議員をお務めいただいておりま
して、第1期の途中からおやりいただいたということで、もう皆さんご承知の
ように弁護士というご職業柄もありまして、大変示唆に富んだ鋭い指摘をちょ
うだいしました。
本当にお三方から、私どもが運営委員会、あるいは本部に対していろいろな
意見を打診するに当たりまして大変貴重な意見を賜りましたこと、この場をお
借りして改めて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
お三方におかれましては、今後ともご健勝でますますご活躍されることをご
祈念申し上げます。
また、今回ご重任いただける皆さんにおかれましては引き続き、私どもにご
意見、ご指導を賜れればというふうに思っています。引き続きよろしくお願い
いたします。
本日の議題ですが、いよいよ保険料率の話が始まります。そのほか何点かあ
りますが、ご審議のほどを何分よろしくお願いいたします。
3.議
事
(1)協会けんぽ5年収支見通し及び平成29年度保険料率の論点と審議スケジ
ュールについて
○長瀬議長
(1)の協会けんぽ5年収支見通し、及び平成29年度保険料率の論点と審議
スケジュールについて、事務局よりご説明をお願いいたします。
○五十川企画総務部長
ちょうど1年たちまして、この10月の第2回から、次年度の保険料率に関す
る議論を始めるようなスケジュールになっています。
去年は、ちょうどいまぐらいの時期に本部の運営委員会に議長と支部長がご
参加されて意見発信をするという、ちょっと特殊なことがございました関係で、
前倒しに評議員の皆様からはご意見をいただいて、それをもって運営委員会の
ほうに反映をいただいたというスケジュールどりをしたわけなんですけれども、
今年はそういったことがございませんので、従前どおりのスケジュールで進め
させていただきたいと考えています。
今日いろいろご説明させていただくんですけれども、どちらかというと、ち
ょっと1年に一回思い出す話なものですから、振り返りも含めて保険料率とい
うもの、あるいは5年収支もそうなんですけれども、どういうふうに来年度の
-2-
保険料率を設定するのかというような、そのプロセスもあわせて、もう一度ご
説明をさせていただいて、ご質問をいただければと思っています。
それで、次の11月に予定します評議会でご提案を申し上げます。そこでご意
見をいただくという位置づけで、今日はお話をさせていただければなと思って
おりますので、よろしくお願いします。
1ページ目ですけれども、保険料率というのは加入者の総報酬に占める医療
給付費等の割合から算出した保険料の係数ということになります。
平成27年度の総報酬額は、1兆3,496億100万円でした。これが長野県の協会
けんぽの加入者の総報酬額のトータルになります。
2つ目の保険料収入ですけれども、これは平成27年度の保険料率が9.91%で
した。27年度は9.91%でしたので、総報酬額に9.91%を掛け合わせた1,339億
7,600万円が保険料収入となったということです。
保険給付費等支出、これは実際に27年度に使われた保険給付費の総額という
ことになります。1,334億4,400万円です。
したがいまして、この1,339億7,600万円の保険料収入と、保険料支出の1,334
億4,400万円の差額が準備金という形で加算されるということになるわけです。
ちなみのこの27年度の総報酬額と保険料収入と保険給付の支出で計算します
と、1,334億4,400万円の保険料の支出を賄うためには9.93%の保険料率が均衡
する保険料ということなんです。そうしますと、27年度は9.91%の保険料率で
保険料収入があって、9.93%の均衡保険料率だったということなので、その差
が0.02、これ後ほどまた説明しますが、これを2年後に精算するという、まず
第一にそういう前提でこの保険料というのは決められているということをまず
ご確認いただければなというふうに思います。
2ページ目をごらんいただきたいんですが、これ先ほど申し上げましたとお
りのことをそのまま書いているわけです。保険料率は見込値を基に推計をして
いるということです。
どういうふうに推計しているかということなんですけれども、例えば来年度
の保険料率、平成29年度の保険料率を今議論するわけです。平成28年度の今か
ら議論するわけで、次の評議会からいろいろな数値を出すわけなんですけれど
も、ではその数値の根拠は何だと言ったら27年度の決算数値ということなんで
す。だから27年度の決算数値を基に推計して、29年度の保険料率をどうするか
ということを議論していくということです。
その関係で、ちょっとさっきの1ページ目に記載しているところと重なりま
すけれども、その見込みでつくったものと実際の決算の差が出るので、それを
どこかで、係数上の精算をするというふうなことをしているということです。
次に3ページ目をごらんいただきたいんですが、ここからは収入と支出に関
-3-
する項目が、どういうふうに見込まれているかという説明になります。
収入というのは、大部分が保険料の収入です。この見込値というのが、27年
度の見込値をつくるためには25年度の長野支部の実績の比率を乗じて算出して
いると、そういうふうなやり方で27年度の保険料収入の見込値をつくっている
ということになります。
そのときの見込値では、平成27年度は1,318億6,200万円の保険料収入を見越
していたということです。先ほどもちょっと出てきましたけれども、決算値は
1,339億7,600万円でしたということで、21億1,400万円収入が多かったというこ
とです。もちろん理由は先回の決算の説明のときにも申し上げましたけれども、
総報酬額の伸び率が全国平均の伸び率より高かったとか、そういうふうないろ
いろな事情がある中で、見込値と決算値に差が出たと、こういうふうな見方を
します。
次の4ページ目、ここから支出の部ということになります。
医療給付費、医療給付費の見込値は、平成25年度の長野支部の医療給付費の
実績から国庫補助の規定による医療給付費の16.4%相当額を控除して算出、推
計しているということです。そのときの見込値が658億9,100万円、決算値が681
億7,900万円でしたので22億8,800万円、医療給付費は見込値より増えていたと、
こういうふうな言い方をします。
これはもちろん何か理由があるわけなんですけれども、医療給付費の伸びが
全国平均よりも長野が高かったのか、いろいろな事情の中で、見込値よりも決
算値のほうが高くなったということであります。
同じ支出の2つ目なんですけれども、年齢調整と所得調整とあと激変緩和と
いう3つで保険料の調整をするわけです。
年齢調整とかいろいろ計算の仕方が書いてあるんですけれども、一言で言う
と、年齢別で全国平均のひとり当たり医療費を長野支部に置きかえたら幾らに
なるんですかということで、加算減算するわけです。そうしますと、平成27年
度の見込値はマイナス7億3,000万円、これ支出の部のほうからマイナスですか
ら、つまり長野支部にとってはメリットがあるということなんです。お金が、
支出が減るという扱いになっています。
決算はマイナス8億1,000万円ということなので8,000万円差額、マイナスの
差額が増えたということです。これもいろいろ、高齢者数の伸びが高かったの
か、その辺は分析しないとなかなかわからないんですけれども、年齢調整額に
ついては、平成27年度の見込値よりも決算値のほうが多かった。それは支出の
部の中でマイナス要因として働いたと、こういうふうなことです。
6ページ目が所得調整額なんですけれども、これも全国平均の所得と医療を、
長野の加入者に置きかえたらどうなんだということを計算して加算減算をする
-4-
わけです。これは平成27年度の見込値でマイナス22億2,210万円を予定していた
ところが、決算値で20億830万円ということで、これは1億3,800万円ほど減る
分が減ったというふうな水準になったということです。
7ページ目ですけれども、これが激変緩和の部分です。激変緩和率、激変緩
和額というのがあるんですけれども、今、激変緩和率というのは10分の4.4とい
う水準に去年なったわけです。これは、激変緩和の率を掛ける前の全国平均の
保険料率と長野支部の保険料率の差に対して、28年度でしたら10分の4.4を除し
て得た率に総報酬額を乗じて算出するということになります。そうしますと長
野は、これ毎年言っていますけれども、平成27年度見込値は45億4,400万円、支
出の部で45億4,400万円が乗っかるということなので持ち出しというふうな扱
いになっているということです。決算値では41億5,200万円ということなので、
若干持ち出しは見込値との関係で下回ったというふうな状況にありました。
支出の部の5つ目なんですけれども、今までのものは長野の総報酬額であっ
たり、医療給付費であったり、実額に近いもので計算を推計していたわけなん
ですけれども、この支出の部の5、現金給付費とか前期高齢者納付金、後期高
齢者拠出金も同じなんですけれども、業務経費とか一般管理費というのは、こ
れは全国計の支出に長野の総報酬按分率を乗じて算出されるということになっ
ておりますので、その実額ではないと。あくまで総報酬の按分率で掛け合わせ
てありますので、総報酬が伸びれば増えるし、総報酬額が全体の平均よりも下
がれば小さくなると、こういう特徴のある支出項目ということになっています。
ここは27年度の見込みが60億3,240万円で、27年度の決算値は59億9,600万円
ということなので、マイナス3,640万円でしたということになります。これはも
ちろん、総報酬の按分率が小さくなったということに起因しているということ
だろうと思います。
そういうふうなことで、最後に9ページ目ですけれども、収支差ということ
になります。先ほど申し上げました29年度の見込値と決算値の差は、27年度の
分を29年度に精算をするということになっています。では27年度に出た精算す
る差額は幾らかということなんですが、2億2,600万円ということになっていま
す。これが先ほどの率でいうと0.02%に当たるということです。
ちなみに25年度分、これは27年度に精算した分ということですが、これが6
億7,300万円あったということで、非常に大きかったわけなんですけれども、こ
れは24年度の長野の9.85%という保険料率をそのまま凍結したんですね、25・
26年と。その凍結したときにかかった費用がかさんだと。それを精算しなけれ
ばいけなかったので大きく膨らんだという、特徴的なことがあったと。それが
なくなった関係でその額がうんと減ってきて、29年度からは実際の精算額だけ
にとどまるような状態になったということです。
-5-
最後、10ページ目、保険料率と激変緩和率を時系列で並べたものということ
です。
21年度も9月から実は都道府県単位の保険料率が始まったんですが、実際の
1年の稼動年度で見るため、22年度を初年度として書かせていただきました。
全国平均の保険料率は、22年度が9.34%、23年度が9.50%、24年度に10%に
なったと。その後、25、26、27年はずっと10%、現在の28年度まで全国平均の
保険料率は10%の状況にあるということです。
長野支部のほうは、22年度が9.26%で、以降、9.39%、9.85%、9.85%、9.85%
と、ここが先ほど申し上げました凍結したところなんですが、9.91%、それで
今年28年度9.88%になった。27年度との比較ではちょっと下がったということ
でご記憶にあるところかと思います。
あわせて激変緩和率も変化しているということなんですが、22年度が10分の
1.5、23年度10分の2.0、以降2.5、2.5、2.5、これは据え置かれたということで
す。27年度に3.0になって、今年は10分の4.4になっているということです。
ちなみに、法律で平成32年度までにこの激変緩和率は解消するということが
決まりましたので、32年度の10分の10に持っていく、激変緩和率を来年度どう
する、再来年度どうする、31年度はどうするという議論はまた別で発生すると
いうところでございます。
これが今までの振り返りということになります。
続きまして、こういった振り返りを前提に、では29年度の保険料率について
議論する上でのまず1つ目の資料ですけれども、資料1をご覧いただきたいん
ですが、これはいつも出させていただいている5年収支というものになります。
27年度の協会けんぽの決算についてです。これは全国のものということです。
27年度の決算値は収入のほうが9兆2,418億円でした。内訳は保険料収入で8兆
461億円、国庫補助が1兆1,815億円、その他142億円でございます。
支出のほうですけれども、計で8兆9,965億円、内訳は保険給付費が5兆3,961
億円、老人保健拠出金が1億、前期高齢者支援金が1兆4,793億円、国保高齢者
拠出金が1兆7,719億円、その他1,660億円という内訳になります。
それで収入と支出の差、単年度収支が2,453億円の黒字ということで、準備金
残高は、1兆3,100億円まで積み上がっているという状況にあります。27年度の
段階でこうなっているということです。
5年収支の見通しをご覧いただく前に、5年収支をつくる前提について、少
しご説明をさせていただきます。3ページ目をご覧ください。
5年収支というのは、その27年度の決算値を基礎にして28年から32年までを
5年見たということなんですが、その見通し、資産上のポイントは3つありま
す。収支に大きな影響を与えるポイントは、一つは被保険者の数、増えたか減
-6-
ったかで、当然収入がぶれると。2つ目は賃金上昇率、これが上向くのか下向
くのかでも大きく影響を与えると。3つ目は医療給付費がどう伸びるのか減る
のか、この3つのポイントで試算をしているということです。
4ページ目ですけれども、そのうちの被保険者数をどういうふうに想定して
いるのかということです。28年度と29年度は25年度から27年度被保険者の実績
を勘案して推計しています。30年から32年ではちょっと離れてしまうので、こ
れは日本の将来推計人口の将来推計値という指標を使って被保険者数の推計を
しているそうです。
5ページ目、次、賃金上昇率の想定なんですけれども、これも年度の区切り
は同じような区切りをしています。28年度、29年度の賃金上昇率は、25年度か
ら27年度の標準報酬月額の実績を勘案した上で推計していると。
30年以降の賃金上昇率は次の3つのケースを前提としているということで、
これも例年どおりです。低成長ケース×0.5、この低成長ケースというのは、内
閣府の出している指標みたいですけれども、それにさらに0.5、つまりその半分
ぐらいしか伸びないだろうというふうな、ある意味低く見積もった成長係数と
いうふうなもの。もう一つは賃金上昇率0%。3つ目が過去10年間の平均です
けれども、これはマイナス0.2%ですという、この3つのパターンで、30年、31
年、32年の数値を推計値に使っているということです。
6ページ目、医療給付費の想定ですけれども、これも考え方は同じです。28
年度と29年度は直近の実績を推計、30年度以降については、6ページの下にあ
りますような70歳未満、70~75、75歳以上の3つの年齢階層別に一人当たりの
医療費の伸びを2.5%、1.7%、1.2%と想定して、医療給付費を推計していると
いうことになっております。
7ページ目ですが、これは先ほどの有力なポイントの中には入れていないん
ですけれども、制度改正が行われますので、その制度改定で増えたり減ったり
みたいなものもその推計に加えていますということが、こちらで表記させてい
ただいているものです。細かいことはちょっと申し上げませんが、それも推計
の中に入れてあるということになります。
今申し上げましたポイントを前提に推計をしているわけですが、8ページ目
の推計が単年度の収支均衡により5年間の収支見通しを示したものです。つま
り収支をイコールにした場合の保険料率の水準を見たと、こういうことです。
低成長係数、賃金上昇率0%で、過去10年間の平均のマイナス0.2%という3
つのパターンで、28年度から32年度までの収支均衡保険料率を見たということ
になります。
28年度、今年は保険料率10%になっています、10%で決定していますのでそ
れを固定させて、29年度からはこういうふうに推移しますということです。
-7-
低成長×0.5%、この3つの中で一番、成長するだろうという場合で、29年度
は収支を均衡させたときの保険料率は9.6%、30年度は9.7%、31年度は9.8%、
32年度は9.9%と、こういうふうな推計が出ているということです。
賃金上昇率が0%ですと、29年度が9.6%、30年度が9.9%、31年度は10%で、
32年度が10.3%ということで、このケースですと、31年度に10%に転じるとい
うことが推計されています。
一番、賃金が上がらない10年間の平均マイナス0.2%ですと、29年、30年は10%
を下回る水準が維持されますけれども、31年度以降はやはり10%を超える水準
になるだろうというふうな推計になっております。これが収支均衡させた場合
の5年間の推計です。
9ページ目をごらんいただきたいのですが、これは低成長ケース0.5、3つの
中で一番成長するという5年間の収支見通しの保険料率を固定させたというか、
10%だったらどうだ、9.9%だったらどうだ、9.8%ならどうだ、9.7%ならどう
だ、9.6%ならどうだという5つの保険料率で試算をしたものです。
向かって左側が単年度の収支の推移、右側が準備金残高ということになりま
す。一番高いところと一番低いところだけ申し上げますと、保険料率を10%に
固定しますと、28年度の単年度収支は4,300億円の黒字、29年度は3,100億円、
30年度は2,400億円、31年度では1,700億円、32年度は500億円ということです。
それに応じて当然、準備金残高も積み上がりますので、保険料率の10%を維
持した場合は、28年度が1兆7,400億円、29年度が2兆600億円、32年度で2兆
5,200億円積みあがるという試算になります。
仮に低成長係数×0.5のこのケースで保険料率9.6%、ここでいう一番小さい
保険料率で試算しますと、単年度収支は今年は黒字というか10%ですから、
4,300億円の黒ですけれども、29年度以降は赤に転じるということでマイナス
300億円、マイナス1,100億円、マイナス1,800億円、マイナス3,000億円という
試算になるということです。準備金残高も同じように目減りしていくという推
計が出ております。
10ページ目は、今度は賃金成長率がゼロ%の5年間収支というものを同じよ
うに見たものです。見ていただいたとおりで、要は単年度収支につきましては、
10%であれば平成31年度から赤字に転ずると、9.6%であれば29年度から単年度
の赤字に転ずるという推計になっています。準備金残高も同じような状況で、
保険料率が10%になった場合は平成32年度で1兆9,100億円の水準、9.6%であ
れば5,400億円の水準ということで、法定準備金残高を下回る水準になるという
試算になっております。
11ページ目の賃金上昇率が一番低かった場合、マイナス0.2%の場合の5年間
の収支見通しですが、保険料率が10%の場合は、単年度収支については平成31
-8-
年度にマイナス600億円に転じて、32年度にマイナス2,900億円になります。
9.6%であれば、平成29年度にマイナス300億円に転じて、30年度以降、2,300
億円、4,000億円、マイナス6,300億円の単年度収支の赤字になるという見通し
になっております。
準備金残高につきましても保険料率10%であれば、それでも平成32年度は1
兆8,100億円の積み上がりであると。ただ9.6%を見ると、平成32年度で4,500
億円で、これも先ほどと同じですけれども法定準備金を下回るという水準にな
っております。
12ページですが、これは、今ほどご説明させていただいたもののベースにな
る、粗い収支表ということになるわけですけれども、それ全部出すと非常に難
しいというか複雑で、ちょっと典型的なものを2つ抜粋して出しました。上半
分と下半分とは違うんですけれども、上半分は賃金上昇率0%で保険料率が
10%の場合の、28年度から32年度までの粗い収支表、下半分ですけれども、賃
金上昇率は0%なんですけれども、保険料率はこれ9.6%で出したものです。賃
金上昇率0%でなぜあわせたかというと、去年の議論の中でこれからの賃金上
昇率の見通しというのは大体0%ですというようなお話があったかと思うんで
す。だから3つのパターンで出しているんですけれども、賃金上昇率0%を一
つの代表として、それの10%と9.6%というふうな高いところと低いところの保
険料率で見たときの、単年度ごとの5年の収支表というのはどんな感じかなと
いうのを見ていただくために、その2つを集めさせていただいたということで
す。
ご覧いただくとお分かりのとおり、保険料率が10%ということになると、保
険料収入のほうは当然、変わらず高どまりするというかあまり変わらないんで
すが、やはり9.6%ということになりますと、保険料収入は30年度以降は落ちて
いくということになりますので、あわせて保険給付費、前期高齢者あるいは後
期高齢者支援金というのは、試算上、当然伸びるということになっております
ので、そちらのほうが伸びて収入が落ちていくということになりますので、当
たり前ですけれども、先ほどごらんいただきましたように、単年度収支がどん
どん減っていって準備金残高が落ちていくと、そういうふうなトレンドになる
わけなんですけれども、それを収支上で見るとこんな感じということです。
13ページですが、5年収支という一つの指標なんですけれども、そういった
ことをご確認いただいた上で次回の評議会でまた保険料率に関する議論をして
いただくということになります。論点は、3つ書いてあるんですけれども実質
2つということで、全国平均の保険料率です。5年収支見通し等を踏まえ、29
年度及びその後の平均保険料率のあるべき水準についてどのように考えるかに
ついて、次回ご議論をいただきたいということです。
-9-
2つ目、都道府県単位保険料率を考える上での激変緩和措置、平成32年3月
31日とされている激変緩和措置の期限を踏まえ、29年度の激変緩和措置につい
てどのように考えるかという、この2つが論点になってこようかというふうに
思っております。
14ページの資料は、運営委員から理事長に提出された意見です。要約すると、
10%維持と引下げという2つに意見が分かれたということで、意見の要約版が
14ページにあります。
15ページで、それを受けて、理事長がコメントを出したということです。結
論は、保険料率はいろいろな財政基盤がやっぱりまだまだ脆弱であるというこ
とと、いろいろな経済全体の動向を踏まえると、慎重に考えなければいけない
というふうなことで、10%維持というようなことを厚生労働省に伝えたという
んでしょうか、そういうふうなご判断をされたと。
激変緩和率についてもある程度の期間の中で緩和率を解消していく必要があ
るのではないかということで、10分の1.4の引き上げで、結果的には10分の4.4
になったということです。
今後のスケジュールを最後に補足させていただきますと、運営委員会の議論
を受けて評議会で議論していきますので、10月の末から11月にかけて次の評議
会で、その次が12月の中ごろで、最後は1月の終わりぐらいにかけて評議会を
予定したいと考えております。
その間、次回の評議会のときに、評議員の皆様からいただいたご意見を評議
会からの意見ということで、全国平均の保険料率に対する長野支部の意見とい
うことで、本部というか運営委員会のほうに提出し、意見反映をするというこ
とが、一つポイントとしてあります。
それが終わりましたら、今度、都道府県単位の保険料率の話に移りますので、
その考え方を議論していただきまして、1月の中旬ごろに、これは支部長意見
として運営委員会に意見提出をするというスケジュールになっておりますので、
これにあわせた形で、評議会を設定させていただいてご議論を賜るということ
を予定しております。
今お配りしたのは9月15日に行われた運営委員会で出た主要な意見を抜粋し
たものです。つまり評議会でいうと次回みたいな位置づけの運営委員会が、9
月15日に行われたわけなんですけれども、そのときに出た意見です。
○上原支部長
今の議論の中で、ソバルディと高額新薬の話が出ましたけれども、実は私ど
も後からお配りしたこのジェネリックの資料に長野支部のこれらの影響につい
て出したグラフがございます。
- 10 -
めくっていただいて3ページのところ、
「長野支部薬剤医療費に占める抗ウイ
ルス剤の割合」というか、その価格の影響度合いです。この棒グラフが薬剤医
療費全額です。折れ線グラフがソバルディとハーボニーにかかる薬剤医療費と
いうことで、平成28年1月にこれだけの量が、全体の中の占める割合になりま
したということです。
ごらんいただくように5月にピークアウトしていますね。この薬というのは
一巡するとピークアウトするんです。ただ問題は、今ほかの薬でも高額な薬に
ついて、保険の適用にしてくださいという申請がこれから出る可能性がありま
すので、なおかつ、1枚目の棒グラフを見ていただきたいんですけれども、こ
れはトレンドが短くてあまり反映されていないんですけれども、薬剤の使用量
が金額ベースでかなり増えている。実際、今、長野県の医療費を見ると、歯科
医療費より薬剤の医療費のほうが高い。マーケットが大きいといいますか、も
ちろん、医科の医療費が一番大きいわけですけれども、そんな状況です。
これ前にも申し上げましたけれども、難しいのは、薬剤を投与することによ
って重篤化する可能性が薄まって、将来重篤化した場合にかかる医療費と、今
この時点で投与することによってかかる医療費と比べるとどうなんだろうとい
う推定がなかなかできないというところが難しいそうです。だから一概に薬の
量が増えているからいけないという議論は必ずしも成り立たないというところ
が難しいということですかね。
ただ、間違いなく言えるのは、今、それぞれのご家庭にいっぱい薬をもらっ
て飲み切れなくなって私蔵されている薬だとか、配置される薬、あるいは薬局
と言いますか、医療機関のはしごをして必要でない薬をもらう人もいる。そう
いうむだをどのくらい省けるのか、本当に必要な薬を必要な人に供給していく
仕組みをどうつくるかというところが、この議論の一つの要になっているんだ
ろうなというふうに思っています。
○山崎評議員
私は昨年というか、今年4月の改定についての意見では、引き下げをすべき
だということで意見を申し上げておりましたが、それが結局維持という形にな
ったという、この段階に達すれば、もうとにかく、もういまさら下げるという
ことよりも、とにかく何としてもこの10%という数字を1年でも長くというか、
死守すると、そちらのほうに精力を注ぐべきではないかというふうに思います。
あと、先ほど高額な薬剤の使用について話が出ていました。どこまでが保険
適用の医療とすべきことかということについては、まあ今後の、まさしくこの
協会けんぽを初めとする健康保険制度にかかわってくることですので、それに
ついては今後きちんと議論を尽くしていくべきであろうというふうに考えます。
- 11 -
以上です。
○芦沢評議員
ここに、先ほど言われたような意見だと思いますので、やっぱり将来の見通
しはちょっと厳しいかなという感じは否めないところです。
○黒柳評議員
最初、協会けんぽを使う立場としか見ていなかったんですけれども、やっぱ
りここに参加させていただいて、皆さんがこういう形でどうしたら安くなるか、
要するに上がらないでいるかとか、そういうことを議論していただいていると
いうのがすごくよくわかりまして、私自身も、個人一人一人が考えれば少しで
も保険料が安くなるのではないかというようなことを、実際に会社でも衛生委
員会等を通じてみんなに話をしておりました。そうすると、みんなもだんだん
わかってきてというのがあるような気がします。
今年も、保険料が去年より下がりましたねみたいな話をすると、やっぱり使
わないとそれなりに減るものなんですねみたいなところが実感してこられると
いうのもありまして、あとは、協会けんぽのほうで保健師さん等が、健康づく
りということでいろいろなことをやってくださっているから、それを利用して
当社も、あなたが健康になれば家族も会社も全てが平和になりますという話を
とにかくしまして、だんだんみんなも、何回も言っているうちにその気になっ
てくるものですから、
「健康づくりチャレンジ宣言」ということで当社も全体で
取り組んでいけるような体制ができてきまして。
この間もその話をしましたら、みんなもそうだよねという形で、本当に進ん
でやってくれるような形になってきたというのは、ちょっと微力ですけれども、
そんな形で協力できたのかななんて思っております。
○春日評議員
私たち小規模事業者は、大変、今現在厳しいわけなんですが、できるだけ10%
に抑えていただきたい。
それから今年の春ごろから週刊誌でもいろいろ医療の問題が取り上げられて
います。してはいけない手術だとか、高額の薬はあまり効かないんだけれども
安くていい薬があるとか。週刊誌のことですので、どこまで信用していいのか
わからないんですが。
ただ医療が、今年もかなり上がっていますよね。41兆と。私もそんなに病院
というのはかからないんですが、この間ちょっと、うちの近くで毛虫が大発生
しまして、それで病院に行ったんですが、私の場合はすぐ近くで、また戻って
- 12 -
いって行けばいいんですが、そうじゃない方々というのは、1日かけて病院へ
来るという。そんな中で、実際、処方していただいた薬というのは効いたんで
すね、塗り薬なんですが。ただ3日で終わってしまった。飲み薬はたくさんい
ただいたんですが、なぜもう少し塗り薬のいいのが出ないのかなと。3日で終
わったものですから、すぐ薬局へ行きましたら出ないんですよね、もう一度病
院へ行かないと。高い効かない薬を買わされました。
そんなことがありまして、10%でもちょっと厳しいような状況なものですか
ら、どうにか維持をしていただければと思っております。
○鷲沢評議員
低いに越したことはないんでしょうけれども、やっぱり10%のもう限界が見
えているというふうなデータになっていますから、やっぱりそれは、先に先に
上げていくことも、
もう考えなければいけないんだろうなと私は思っています。
ただ、この先5年でなくて、もっと10年、20年というスパンで考えたときに、
不安定要素というか不安な様子ばかりで、そのときに、逆に下げてあげられる
くらいの懐ぐあいが本当はいいんだろうと思っています。ただ、払う人と使い
人の兼ね合いからいって、単年度でバランスするのが一番いいんだとは思うん
ですけれども。
それから、先ほどもその余分な薬を出さないとか、またやっぱり健康になる
ための仕組みを整えるという意識を持つ。そういうことによって大分差が生ま
れてくるとすれば、やっぱりそういうものをインセンティブにして、県単位な
のか、エリア単位なのか、企業単位なのかわかりませんけれども、やっぱりそ
れによっての大きな格差が生まれてくるようなシステムにしたほうが、やっぱ
り伸びるんだろうなと思います。以上です。
○長瀬議長
個々の企業や被保険者の努力が保険料率に反映されることが望ましいですが、
一方で、全国どこでも等しい負担で適切な医療サービスが受けられることも大
切ですから、努力の成果を分け合うということも必要なのでしょうね。大変難
しい課題です。
○上原支部長
今回の議論の一番難しいことは、これは申し上げていいのかどうなのかわか
りませんけれども、今、国の財政が非常に逼迫していまして、特に消費税を当
て込んで医療制度を変えるという話があったんですが、これは財源がないんで
すよね。ではどうするかという話の中で、これは私のあくまでも私見なんです
- 13 -
が、今、協会けんぽ、1兆3,000億円の財政余力、これ要するに適正な水準の準
備金も含めてですが、財政余力があります。これが2兆円に積み上がりますと
いう中で、では保険料を下げますという議論した場合に、もうのどから手が出
るほど財源がほしい財務省はどう反応するか。また逆に、このまま2兆円まで
積み上がりました、10%を維持しますといった場合に、財務省はどう反応する
のかというところは極めて微妙なところで、これは我々がちょっと知るよしも
ないところであるという側面もあります。非常に、だからどっちへ振れても何
か影響が出てくる可能性があるのかなということを感じています。
それからもう一つ、昨年、皆さんからご意見をちょうだいして下げるべきだ
という中で、私は安定する10%に長くとどまるということを私の意見として書
かせていただきました。それから激変緩和についてもしかり、これは前々から
申し上げていることで、32年までに全て決着してくださいと。
その中で、私は今年、例えば準備金がものすごく、要するに予期しないほど
大きく積み上がって議論をしなくてはいけない状態にあればともかくとして、
もう私の中では実はこの10%維持というところで、もう議論の必要があるのか
なというのが、正直な感想です。
それから激変緩和に関しては、当然のことながら、平成32年までに10分の10
になる、これはもう約束されたことだというふうに解釈しておりまして、その
主張は我々の支部長会議の席で申し上げておりますし、そこは貫きたいと。
ただ、その保険料率を下げる云々という話はあくまでもこれは評議会の皆さ
んのご意見を尊重して、意見具申していきたいというふうに思っております。
以上です。
○長瀬議長
どうもありがとうございました。財務省は、余力があるなら国庫補助率を引
き下げるといいたいでしょうし、加入者としては、保険料率を引き下げてくれ
と言いたいところでしょう。
保険料率を引き下げない方向を定めたからには、現在の国庫補助率と保険料
率を維持しつつ、準備金を増やして将来の医療費増大に備えてほしいと思いま
す。
国庫補助率が引き下げられると、医療費の抑制が事実上困難な現状では、準
備金を取り崩すか、保険料率を引き上げるか、両方実施するかということにな
るでしょう。保険料率を引き上げたとしても限界がありますから、いずれ準備
金残高を取り崩すことになります。そうして赤字になれば、また国庫補助に頼
るということになりそうです。
中小企業の経営を考えると、保険料率の安定は重要です。準備金残高が継続
- 14 -
的に増加することは、加入者にとっては将来への安心材料ですし、協会の活動
においても、余力を持って、加入者の医療費抑制に対する努力と協会の保険者
機能を促すことが期待できると思います。
この問題はこのくらいにいたしましょうか。11月、またゆっくり話ができま
すので。
(2)保険者インセンティブ制度の検討状況と実施スケジュールについて
○長瀬議長
それでは、
(2)の保険者インセンティブ制度の検討状況と実施スケジュール
についてお願いします。
○久保敷企画総務グループ長
資料2に基づきまして、(2)の議題の説明させていただきます。
その前に、正直申しまして、前回、7月20日に評議会をやって以降、特段、
協会けんぽの本部のほうでも議論が進んでいない、そんな状況です。ですので
前回と同じような資料をおつけするような形になっていますが、振り返りとい
う意味で、改めてご説明させていただければなと思います。
1枚めくっていただきまして、予防・健康づくり等の取り組みの推進に当た
って共通的に評価する指標ということで、前回の評議会の中でもお話をしてお
りますが、予防・健康づくりにかかる指標ということで4点。それとその下の
医療の効率的な提供への働きかけに係る指標ということで2点です。
加えて書かせてもらったのは、具体例としてどんなのが考えられているかと
いうのを、ここに記しました。
この共通的に評価する指標を使いまして、一つとしては後期高齢者支援金の
加算・減算制度をどうするかということになっています。
現行の仕組みについては、支援金の加算・減算の方法は、特定検診・保健指
導等の実施率のみによって評価をしておりまして、健診の実施率がゼロの保険
者については支援金負担を増やす、いわゆる加算すると。実施率が相対的に高
い保険者については支援金等を減らす、減算するということになっております
けれども。この矢印の右側にありますとおり、今、見直しの論点ということで、
目標の達成状況の指標をどのように考えるか、それと支援金の増減方法の支給
をどのように考えるかということが、見直しの論点として挙げられています。
詳しいのは、後ろのほうの5ページに、今、お話しました見直しの論点とい
うことで、イメージ図をもとにして載っておりますので、またご確認いただけ
ればというふうに考えています。
- 15 -
戻りまして、協会けんぽにおいて評価指標及び評価方法に係る主な論点とい
うことで4点挙げております。
それとインセンティブ制度の実施のスケジュールにつきまして、32年度まで
記載しています。実際、30年度から本格運用しまして、32年度の都道府県保険
料率にインセンティブを反映させるということです。
激変緩和措置については平成31年度末までということになっておりまして、
32年度からこのインセンティブが導入されるという予定になっております。
これも、今の詳しい資料が後ろの10ページに載っておりますので、またそこ
を参考にしていただければと考えております。
以上、現在の状況ということで説明にかえさせていただきます。
○長瀬議長
ありがとうございます。保険者による医療費抑制に向けた努力を促すための
仕組み作りが進められているようです。協会けんぽの内部では、激変緩和策解
消後には、本格的に各支部の努力を評価して保険料率に反映させるようです。
これも難題です。全国一律の施策とそれへの取り組みに対して、全国一律の評
価基準によって評価し保険料率に反映させるとすると、評価対象項目や評価基
準の設定如何によっては、すでに一定の医療費抑制効果の成果を得ている地域
が、かえって不利になることが起こるかもしれません。是非そういうことのな
いような制度設計を望みたいと思います。
また、後期高齢者支援金の加算・減算制度によって医療費抑制に向けた保険
者の努力を促す仕組みの見直しも進められているようです。こちらは、協会け
んぽに限らない見直しですが、頂いた資料によるとこちらも、地域、とくに各
自治体の取り組みが評価対象となっています。評価指標の候補を拝見すると、
後期高齢者の医療費抑制の観点からは、もう少し広い視点の評価があっても良
いと思います。健康寿命を延ばす施策への取り組みや介護環境の充実の努力は、
高齢者の医療費抑制に寄与するでしょうから、こういったことを評価すること
も検討して欲しいと思います。例えば、長野県や沖縄県では、高齢者の就業率
が高く、そのことが医療費抑制に寄与しているように思います。そうだとする
と、高齢者の就業率を高める施策を評価項目にしても良さそうです。
○五十川企画総務部長
ベースが違う、一生懸命頑張ってある一定程度、高い水準にあるところはさ
らによりよくするグループと、あまりやっていないところが何かしら取り組ん
だ努力と比較したときに、こちらのほうが改善の値が大きいですよね、だから
インセンティブが高いですよというのはおかしいと。
- 16 -
○長瀬議長
そうです。まさに、言わんとしているところはそこです。是非、協会けんぽ
本部にお伝え頂きたいと思います。
○五十川企画総務部長
まあ、今、まさに議論が始まったところだろうと思いますのでね。はい。
○長瀬議長
これは引き続きずっと伝えていきたいと思いますけれども、よろしくお願い
します。
(3)地域医療構想の審議状況について
○長瀬議長
それでは(3)の、地域医療構想の審議状況について、お願いします。
○上原支部長
地域医療構想に関しましては、既に親会と称して地域医療構想策定委員会と
いうのと、それから各医療圏ごとの調整会議、この構成になっておりまして、
調整会議も多いところで3回開かれたところもあります。
ここで前回の運営委員会で議論を重ねる中で骨子案が出てまいりました。今
日、おつけした資料の中にその骨子案があるかと思いますが、ちょっとそちら
をご高覧いただきたいんですけれども。
一番後ろの資料5を開いていただきたいんですが、これが今まで議論をして
きた時系列の経過でございます。左に28年度の4~3月まで、暦がふってあり
ますけれども、9月の第4回策定委員会が終わりました。ここで構想素案検討
というふうに出ておりますけれども、構想素案が提示されたというところでご
ざいます。
これからどうなるかと言いますと、各地域で調整会議が開かれます。その場
で素案についての意見を問うた後、11月4日に第5回策定委員会が開催されて、
ここで意見を集約する。その集約が終わったところで、一番右、各部局意見反
映、パブリックコメントに付される。最終的に、1月に構想素案が確定する。
それに基づいて医療審議会から県知事に対して答申を行う、こういうスケジュ
ールでございます。
またページをちょっと戻っていただきたいんですけれども、一番最初のペー
- 17 -
ジに資料1というのがあります。これが素案の骨子です。
一番重要といいますか肝になるところは、これまで地域医療構想で何を話し
合ってきたかということなんですが、一番はこれから高齢化が進む、なおかつ
人口減少が進む、そういった状況の中で、提供を受ける医療の内容も変わるで
しょうという議論の中でそれぞれ、ではどういう医療が必要なのかということ
を病床機能で区分けしましょうと、こういうことなんですよね。
そこで4つに区分しました。その4つというのは、高度急性期、急性期、回
復期、慢性期、この4つの区分にそのベッドの機能を変えていきましょうと。
今、それぞれの医療機関から病床機能報告というのを定期的にちょうだいして
おります。それに基づいて、2025年に必要となる病床数と、今の病床数の乖離
を見ましょうと。その乖離について埋めていきましょうと、こういう議論なん
ですね。
明らかになっているのは、今の病床機能の中に高度急性期だとか、先ほど申
し上げた4つの機能区分はないんです。一般病床と療養病床という区分の中で、
7人の患者さんを1人の看護師さんで見る、13人の患者さんを1人の看護師さ
んで見るという基準のもとに、区分けされたベッドの機能があります。それを
もっと、投入する医療の量によって決めていきましょうということなんですね。
医療の量というのはどういうことかというと、高度急性期については、1日
当たりの医療点数が3,000点、これ以上のものを高度急性期というふうに定義し
ましょうと。急性期に関しては、3,000点から600点までの間に入る治療が行わ
れる人をそこの患者さんというふうに定義しましょうと、要するに病床機能の
必要数を求めるためにそういう定義をしたわけですね。さらに将来の人口推計
をもとに今の、先ほど一般病床と療養病床しかないというふうに申し上げまし
たけれども、病床機能報告の中で一般病床のどのくらいの病床数が今言った4
つの区分に該当するかという報告を受けています。それに基づいて、要するに
今の機能別の病床数を出したり、それから将来人口推計をして、2025年に人口
がどうなるか、それによって医療需要はどう変化するのかという予測をしまし
て、それぞれの構想区域に必要な、10の医療圏ごとに、それぞれに必要なベッ
ド数を算出したということで、その差額について、将来はこれだけのベッド数
しか必要ありません、あるいは、特に回復期というのは全体的に病床数が足り
ないんです。そこのところに医療機関さんちょっと軸足を移してくださいと、
そのために地域で議論していきましょうというところがこの地域医療構想であ
ります。
もう一つ肝心なのは、その病床数を推測するに当たって、今、療養病床とい
うお話をしました。ここにどういう方がいらっしゃるかというと、最期ここで
看取られる方が結構いらっしゃるんです。要するに介護と医療との境目がきわ
- 18 -
めてあいまいな人たちがそこで終末期を迎えているという現状があるんです。
病床数を推定するに当たって、でもここにいらっしゃる方のある部分の方は、
そこで医療の投入を受けなくてもいいでしょうという方がいらっしゃいますね
という議論があるんです。それは医療区分1、比較的医療の投入量が少なくて
も過ごせる人たち、この人たちの7割は在宅へ移しましょうと。在宅というの
はご自分の居宅であったり、介護施設であったり、そういうところへ移しまし
ょうと。それを前提に、では必要な病床数はどのくらいですというふうに算定
して、それをあるべき病床機能と医療の提供体制だというふうに定義したわけ
です。
問題になるのは、病床機能、病床数をそこに必要な量だけそろえるというの
はいいんですが、今、療養病床にいて、ここで看取られる人たちはどうなるの
かという議論をあわせてしていかなくていけないんですが、これをケアする体
制がいわゆる地域包括ケアシステムというやつなんですが、でも実際のところ、
今、そこから出されて在宅という措置を受けたら、多分、おそらく大多数の家
庭でバンザイをするでしょうという話になります。だから、そこもあわせて議
論していきましょうということなんですが、どちらかというと、在宅に戻す人
たちをどうやって受け入れていくのか、どこが受け入れるのかという議論が若
干足りていないという現状があります。
そんなことを含めて、では2025年というのは団塊の世代がこぞって後期高齢
者になる年なんですけれども、そのときまでに体制を整えていきましょうと、
こういう議論を今しているところです。
私どもの感覚としては、言っていることは総論としては保険者の意見に沿う
ているというか、そんなに違和感はないんですが、先ほど申し上げたように幾
つか、もうちょっとここは突っ込んだ議論や突っ込んだ仕組みをつくらないと
耐えられませんというものを抜き出しまして、保険者の意見ということで、長
野県もしくはこの地域医療構想調整会議、あるいは策定会議の中に意見発信を
していこうということでございます。
私どもが今のところ保険者協議会としてまとめた意見を意見書案ということ
で記載しております。まず総論と意見という形になっておりまして、総論の中
では、今、大変医療費の伸びがとまらない状況だと、2025年には国民総医療費
が60兆円になりますという中で、我々保険者としては、我々の加入者の人たち
がそういう中にあっても十分な医療が受けられるように直すところは直してい
きましょうというのが総論ですね。
意見の中で、1番目は必要病床数の可視化と実現に向けたプロセス管理とい
うふうに書いてありますけれども、この必要病床数というのは、先ほど申し上
げましたように、医療点数によって機械的にはじき出したものだというところ
- 19 -
で、たいてい参加する方からは、そんなことで決められるものではないという
意見が大多数ございます。そういう中で、まとめに当たって、
「あくまでも医療
需要から推定した25年度の必要病床数というのは参考値であって目標値ではあ
りません」というふうに事務局は言っているんです。でも我々としては、では
どこをターゲットに我々のあるべき医療体制を見ていけばいいのかという議論
があります。その中で、県が決める基準病床数というのがあって、これに基づ
いてその病床の着地点が決まるんですけれども、これだと今回出した推計に基
づく数値とダブルスタンダードになるでしょうと。我々患者としては何を頭の
中に入れながら、こう変わっていくんだ、だから我々の受療行動をこう変える
んだというところが推し量れない。だからここははっきり説明をしてください
という意見を1点目として挙げました。
それから、病床機能報告についても、医療側からそれはそれぞれの病院側の
考え方、基準値でやっているんです、だからこれはあまり当てになりませんと
いう発言があったりするんですね。であるとすれば、そこの機能報告の平仄を
整えてくださいと、みんな同じ基準で同じ報告をするように指導してください
と、これが2点目です。
それから3点目は、2025年に向けてどういうふうに医療提供体制が変わって
いくのか、ぜひそこのところは工程表をつくってください、明確にして見える
化してくださいと、その議論の中で、その工程表が間違っていればそこで議論
をして正しいものに修正していけばいいし、そうでない場合はそこに着地する
ようにぜひプロセス管理をしてくださいと、これが主な主張でございます。
それから意見の2番目としては、医療・介護水準の確保ということですが、
これは一つには、居住する地域差によって例えば受療時間であるとか、受療に
対する差異ができてはいけませんと。その中で、病院というのはある面、社会
資源でございますので、全てのところにすべからく病院を置くということは基
本的にはできないだろうと。そういう中で病院があるなしで医療受療に差がな
いように、そのためのインフラをきちんと整理してくださいということが1点
目。
私どもの加入者の大桑村内にお住みになっている方のレセプトを全部見まし
た。そうしたら、通常の診療所にかかる人ですら岐阜県へ行っていらっしゃる
方が半数を超えていらっしゃいます。だから、今、地域医療構想というのは一
つの枠の中で連携をどうするかとか、患者さんに対する医療提供をどうするか
と考えていますけれども、もう究極的な選択として行きやすいところに木曽の
方は行っていらっしゃるわけです。そうすると、木曽病院を充実させることも
重要なんだけれども、では現に行っている人たちはしっかり守っていただける
ように他県との連携を強化してくださいというのが、ここに書いてある2点目
- 20 -
ですね。
それから当然、これ医師不足という話があります。あるいは人材の能力差、
当然あります。これに関して、要するに地域での偏在をなくしてください、そ
れから医療の質を上げるために教育に関しても県が積極的に関与してください
と、これ非常に難しいんですが、ということを申し上げております。
それから3番目として地域包括ケアシステムの早期構築をしてくださいと。
これは何かというと、先ほど在宅に帰ります、でも、その人たちをどういうふ
うに面倒を見るのかというところを早く見える化して、ある面ではその体制の
ロードマップをつくってくださいと、だから安心して地域医療構想が実現でき
るような形を整えてくださいという要望ですね。
それから4番目、もう本当に、今、大きくかじを切らなければいけないのは
いわゆる治療する、治すという医療から予防するという医療に本格的に取り組
んでくださいということです。この議論の中でこれを出すことがいいのかちょ
っとわかりませんけれども。
今、あまりにも医療構想の中では技術的な、例えばこの地域にはこういう機
能がないから付加するんだと、そればかりなんです。そうではなくて、もっと
我々は根本的に考えていかないと、先ほど2025年に60兆円だと申し上げました、
この伸び率をとどめていくことは多分できないでしょう。だから治す医療から
予防する医療に軸足をぜひ変えてくださいというところです。
以上の4点が私どもの主張ということで、保険者協議会として県に対して意
見を申し上げていて、どこまで反映されるかわかりませんけれども、そんなこ
とを考えております。
ちなみに、先ほどの病床機能なんですが、これ決め方が2つありまして、地
域にある病院の今の患者の受け入れに基づいて病床数を決めるやり方と、そこ
の地域に住んでいる人口ですね。ここを基準に病床数を決める基準と。片や医
療機関ベース、片や地域住民ベースと言うんですが、どちらか一つの方式にし
なさいというのが、これは厚生労働省からの御達しなんですね。
長野県はいろいろ議論した結果、病院を基準にしましょうという形になりま
した。ただしその中で、医療機関によってはこの機能がないから、もっと積極
的に増やしましょうと言って、既に我々が推定する以前に努力をして患者の流
れが変わっていくところがあります。そこに関しては努力の結果を反映した数
値にしましょうということで、微調整をしているといったところが現状です。
これから調整会議が開かれる中で意見が出されて、最終的に地域医療構想をど
うするのかということが決まってきます。
もう一つ外してはいけないのが、平成30年、このときに診療報酬と介護報酬
の同時改定が行われます。当然、地域医療構想がある一定の形をとれば、そこ
- 21 -
が要するに診療報酬に大きく影響するという可能性がありますので、我々保険
者として勝負は30年までの間にあるべき姿をきちんと、加入者の方の同意を得
ながら決めていくというところになろうかと。
ちょっとわかりにくいご説明となりましたが、現状の地域医療構想について
はそういったことでございます。
○黒柳評議員
私は北信に住んでいるのですが、病院はあるにはあるんですけれども、子供
を産むときに長野市まで来ないといけないというようなことがありました。長
野市もうちからは割りと近いので当然と受けとめているんですけれども、近く
にあればいいということと、あと、先ほど言ったお医者様のそのレベルの差と
いうのがあると、今なんかは紹介状とか、あのお医者様がいいから、ではそこ
へ行きましょうみたいな、お金のある人はガンガン行けてしまうわけです。
だから、そういうのも何とかならないのかなみたいなところがあります。
○梅崎評議員
最近ちょっと聞いた話なんですが、社会のシステムを少し緩やかにしないと、
次から次へ病人を産んできてしまうと。エッと驚いたんですが、そこへ勤めて
いる人の45%が精神を病んでいると。3年でやめてしまうと。だから次から次
へ募集してやっているという。
もうとてもじゃないが務まらなくなってしまったということで、社会のこの
成長率を少し緩めてもうちょっとおっとりとしないと、40ぐらいで精神を病ん
でしまって大変なことになっているという現状をちょっと、最近やめてきた人
間に聞いたんですが。
だから社会のシステムを少し変えないと、次から次と医療のほうへ行ってし
まうかなと思っています。
○春日評議員
木曽の場合は本当にこの地域医療構想というのは大きな問題でありまして、
木曽の中でもある団体で木曽の医療を守る会だとか、どうにかしなければなら
ないという、そういう動きがあるわけなんですが。
木曽の場合は、今現在合併をして6つの町村があるわけですが、そのうちの、
先ほど説明がありました2つの大桑村と南木曽町、ここについては確かに半分
以上が中津川の病院へ行っているという、そんな現状があります。
中津川の坂下病院と、それから中津川の中央病院でしたか。中津川のほうが
また統合になるというような話の中と、その2つの病院が大変赤字をしている
- 22 -
という、そんな大きな問題があって。この木曽病院をどうにかしようというの
が木曽の中で一つになれないのが現状であるわけなんですが。
そういった中で、今現在のこの木曽病院の体制といいますか、どうしても医
師不足でありまして、循環器系やいろいろな病気の場合、緊急を要するものの
場合は、今でもかなりドクターヘリが飛んできて、伊那の中央病院や松本信大
や国立のほうへ搬送されているのが現状なんです。救急、夜間もそういったこ
とで対応ができないということなんですが。
いろいろな話の中で、私も病院はいろいろ行くんですが、設備はものすごい
すばらしいものがあるんですが、どうしても医師不足というのが大きな問題だ
ということで、先生の質といいますか、確かにいろいろな先生が見えます。
私、2年ぐらい前にアキレス腱を切りまして、そのときにかかった先生が、
ものすごく丁寧でありまして、丁寧であるがゆえに逆のクレームがついている
んです。あの先生、しっかり診過ぎると。時間がかかり過ぎると、ものすごく
丁寧で、いろいろな話、ケアもしてくれるんですが、やはり木曽の場合、御嶽
山麓からずっと多くの高齢者が来ている現状の中で、早くかかっていただきた
いという、そんな思いというか願いもあって、そんな変なクレームも出てくる
ような状況なんですが。
そんな中で、今、病院ではなくて、地域の医院さんにかかる人が増えつつあ
ります。というのは、やはりすぐ行って診てもらえるというような、そんな状
況の中なんですが、ただ緊急を要するものの対応をどうにかしてほしいかなと、
その辺が一番の思いです。
首長さんは今年も県庁へ2度ばかり行きましたし、この木曽の医療を守る会
の会長さんを初め、その辺も県庁のほうへ行っていろいろお願いはしているわ
けなんですが、まあ木曽の住民としては大変今後不安だなという、そういうの
があるものですから、みんなで今いろいろ県庁やら、国会議員や何かに話をも
ちかけながら、どうにかしてほしいという願いをしているところです。以上で
す。
○山崎評議員
さっきの話を聞いていて一つ、私、抱えている事件の関係で思い出したのは、
その人、7月に交通事故に遭って、もう全身あちこち骨折して肺に肋骨が刺さ
るぐらいの重傷だったんですけれども。それ急性期病院から次のところへ移っ
たんだけれども、移った病院からも今月退院してくれと言われて退院したと。
ただ、その人、自宅は1階が事務所で2階が住居スペースという人で、2階へ
上がる設備もないという中で、これ退院させるといったら、本人よりも家族の
ほうがものすごい大変で、俺どうしたらいいんでしょうみたいなことを。だか
- 23 -
ら、あまり法律の問題じゃないんだけれども、私のほうに聞かれていろいろ一
緒に悩んだりもしたんだけれども。
もちろん、先ほど話があった中で、入院に本当に適さない人を自宅や介護施
設に戻すというのは大事なことではあるとは思うんですけれども、それが行き
過ぎると、かえってそれが本人や家族の負担になると。特に、その件で懸念し
ているのは、そうやって一たん家の2階へ上げてしまったら、その後、外出な
んかは大変でできなくなって、かえってそれリハビリによくないんじゃなかろ
うかという、非常に懸念しているんですけれども。
そういう意味で、入院に適さないという判断は慎重にしていただきたいと、
それは希望として申しておきたいと思います。
○長瀬議長
それではこの話題はこのくらいにいたしまして、引き続きご尽力いただきた
いと思います。大変なお役目でしょうけれども、どうぞよろしくお願いいたし
ます。
(4)長野支部の運営状況について
○長瀬議長
次に(4)長野支部の運営状況につきまして、ご説明をお願いいたします。
○飯高業務部長
そうしましたら、資料4で、長野支部の運営状況ということでご説明させて
いただきます。
この7月7日・8日に、当支部に本部から内部監査というものがございまし
た。この監査におきまして、文書指摘事項というのが、ここにございます1、
2、3について本部のほうから指摘をいただいております。裏面が文書指導事
項ということで、2点の指摘をいただいております。
個々のものはちょっと時間の関係で省略させていただきますが。これはもう
根拠法令とかに基づいて行うべきものなんですけれども、若干その辺で不備が
あったということで、既に改善状況ということで、こういう改善を図っていき
ますということで、表裏の5項目とも本部に報告をさせていただいております。
これに伴って、協会けんぽでは支部独自の自主点検というのも年に2回行っ
ておりますので、指摘をいただいたところは、支部内部で行う点検においても、
再度また見直しを行いながら改善をしていくということで、ご報告をさせてい
ただきたいと思います。
- 24 -
もう1点、事務処理誤りに関する公表内容というものがお手元にございます
が、こちらのほうのご説明をさせていただきます。
これは昨年の11月13日に開催されました、平成27年度の第3回長野支部評議
会の議題4といたしまして、ご説明をさせていただきました。
事案的には、この期限経過後に納入された前納保険料の取り扱いで6カ月を
超える期間分の保険料を充当可能である旨の誤った案内をしたことに加え、そ
の後、本来納付不要な8月分の納付書を送付し保険料を過剰に納付するという、
充当処理の不手際を起こしたというような事案でございます。
最終ページの中段以降に、今回の事務処理誤りに関する協会けんぽ長野支部
の課題認識というものがございまして、事務手続上の誤り、そしてまた私ども
の説明不足といいますか、お客様対応上の誤りというものがございますので、
こちらのほうを真摯に受けとめまして、反省の上、再発防止策というものに取
り組んでおります。
いろいろな説明がわかりにくいとかということもございましたので、案内等
の内容も見直しました。というようなことで、この事案以降、同様の誤りは発
生をしておりません。
今後ですけれども、加入者様と連絡をとりまして、速やかに還付をさせてい
ただきたいという方向で進んでまいりたいと思います。
今後、この事案に限らず、私ども全国健康保険協会の理念、基本使命とか基
本コンセプトというものがございますので、職員一丸となりましてそちらを肝
に銘じまして、お客様サービスの向上に努めてまいりたいと存じます。
評議員の皆様方におかれましては、今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう
にお願いを申し上げまして、ご報告とさせていただきます。お願いいたします。
○上原支部長
飯高部長からの説明のとおりです。お客様の立場に立った、丁寧な説明がな
されなかったことをお詫び申し上げます。本件の反省を踏まえ、お客様にご納
得いただける説明に心がけるとともに、一つ一つ内容をご確認いただきながら
お手続きを進めることを徹底いたしました。
私どもの反省と取組にご理解いただき、お預かりしておりますお金をお受け
取りいただけますようお話を進めてまいりたいと思っております。
○長瀬議長
過ちを観てここに仁を知るということでしょう。引き続き速やかに、誠心誠
意ご対応いただきますようお願いいたします。この点はよろしゅうございます
か。
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(5)その他
○長瀬議長
それでは、その他の点について、事務局から何かございますでしょうか。
○久保敷企画総務グループ長
事業所健康度診断カルテについて、少しだけ説明をさせていただきたいと思
います。
前回の評議会の中で、健康づくりチャレンジ宣言の話をさせていただきまし
た。今年度末で、130事業所に対してチャレンジ宣言していただこうということ
でやっておりますが、上期で残念ながらまだ80と、なかなか伸びない状況です。
今、私どもはこのカルテを使ってチャレンジ宣言の勧奨を行っておりますので、
この説明をさせていただければなと思います。
ごらんいただいたカルテについては、協会けんぽのほうで生活習慣病予防健
診を受けていただいている方、それと事業者健診の健診データを私ども協会の
ほうに提供いただいている、そういったものを前提としてこの診断カルテをつ
くっています。
めくっていただき一番上に健康診断実施状況というのを載せてありまして、
その下に特定保健指導項目に見るリスク保有者の割合というのが8項目で載せ
てあります。この特徴で御社、要するにその会社と、あと同業種はどうか、長
野支部全体はどうかということで、その比較を下のチャートで示してあります。
このチャートを見ていただきまして、今例で書いてあるこれを見ますと、例
えばBMIが高い、あるいは中性脂肪が高いといった場合に、右側に移ってい
ただきますと、御社の特徴および原因と対策ということになっていまして、B
MI、中性脂肪が高いことによって原因となる生活習慣はこうですよと、それ
でその生活習慣を直すためにこんな対策に取り組んでみたらいかがですかとい
うことで、右側のこんな対策に取り組みましょうというのを載せてあります。
会社の方が、経営者の方がこれを見ていただきまして、自分の会社の健康度を
同業種と比べて、自分の会社はここを改善しなければいけないなというふうに
思っていただければいいなと思って、この表をつくっています。
これで、自分の会社でリスク保有者の割合が高いところを、こんな形で取り
組みましょうというところを例にとりながら、こういうことをしてみたいとい
うのを挙げていただいて、それをエントリーシートに書いていただいて、チャ
レンジ宣言事業所にエントリーしていただきたいと考えております。
これまで、特定保健指導に保健師が行ったときに、訪問によっていろいろ説
明をしながらお話をしてきましたが、なかなか伸びない状況もありますし、長
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野支部から各地へ行くにはちょっと時間がかかり過ぎるのもありますので、い
わゆる前回お話したメタボ割合の高い122事業所に郵送してみて、この宣言にぜ
ひ結びつけたいというふうに考えています。
それから、会社に行って一番思うのは、ここの会社は何か健康にいいことを
していますかというと、なかなか、自分がやっていることに対して大したこと
ないという会社が多いんですね。でもいざ聞いてみると、実はいろいろなこと
をやっていまして、ここにこんな対策に取り組みましょうとは書いてはありま
すけれども、今、あなたの会社がやっていることを教えてください、それをチ
ャレンジ宣言として宣言してみましょうと、それにプラスして、ここの健康度
を高めたいのでもうちょっと、こういった取り組みをしたいということで、ど
んどん広がっていけばいいなというふうに思っております。
勝手ながら、今日は事業主代表と被保険者代表の6名の方にご自身の会社の
状況でカルテをつくってみました。残念ながら、春日さんのところと芦沢さん
のところはデータが少ない、あるいはなかったのもありましてお付けしており
ませんけれども、できましたら、今現在86社エントリーしていただいておりま
すので、ぜひとも6名の方にはご検討いただきまして、ぜひチャレンジ宣言に
エントリーしていただければありがたいなと思っております。以上でございま
す。
○長瀬議長
ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、全体を通じまして、一通り滞りなく終わりましたけれども、ご質
問やご意見等ございますでしょうか。
せっかくですから、今回任期を終えます方から一言ずつ、さっきお話された
方もいらっしゃいますが、どうぞもう一度お願いいたします。山崎委員さんか
ら。
○山崎評議員
この評議員を引き受けるまで健康保険の仕組みについて、よくわからない中
で、初めて勉強させていただき、その中で思いついたことをただその都度述べ
るばかりで、長らく務めてまいりました。
この間、評議員を務める中で、協会けんぽが、被保険者の負担の軽減と、も
う一方で、医療等の環境の安定的な供給という、二律背反とも言えることを、
何とか調整する努力をされていることは、十分評価できる取り組みをされてこ
られていると感じております。
今後は、これで評議員の任期が終わりますが、今度は国民として国の施策を
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きちんと、こういう健康保険に対して適切な国庫負担をするような政策をとる
ように働きかける、そういう方法でお役に立てればと考えております。どうも
ありがとうございました。
○黒柳評議員
本当に2年間、ありがとうございました。本当に、世界が広がったなという
のをしみじみ感じますし、違った視点でまた保険というものを考えることがで
きたというのはとてもよかったと思います。
自分が勉強しただけではなくて、それをやっぱり会社に帰ってみんなに周知
して、一緒に考えましょうということをしたのも、自分自身としてはよかった
かなと。ただ同じ状況の中で物を申しても、人というのはまたかとなりますけ
れども、
評議会でこういう話が出てこうですよというお話をすることによって、
みんなもちょっと耳を傾けてくれるというようなことも出てきましたし、今度、
チャレンジ宣言も、大分、前からとは思っていたんですけれども、やっぱりみ
んながそういう形に高まってこないと何やっても成功しませんので、ちょっと
時間をかけてしまいましたが、ここでまとまってきたので本当にできると思い
ますので、最後のお仕事としてチャレンジ宣言したいと思います。どうもあり
がとうございました。
○梅崎評議員
私、商工会議所の副会頭というような立場でこちらへ、事業主ということで
出させていただいたんですが、今回、副会頭の立場を譲るということになりま
した。後任についても、よろしくお願いします。
○長瀬議長
それでは、恒例の議事録ですけれども確認者を決めさせていただきたいと思
います。
学識経験者を代表しまして私が、それから事業主代表として春日様に、被保
険者代表として伊藤様にお願いします。
また後日に事務局から議事録が送られてまいりますので、ご確認をよろしく
お願いいたします。以上でございます。ご協力ありがとうございました。
4.閉
会
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