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日本への総合規制評価サービス(IRRS)ミッション

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日本への総合規制評価サービス(IRRS)ミッション
資料3
日本への総合規制評価サービス(IRRS)ミッション報告書について
平成 28 年 4 月 25 日
原 子 力 規 制 庁
1.
経緯
平成28年4月22日(日本時間4月23日)、IAEA は IRRS 報告書を日本政府
に提出した。本報告書及び IRRS において明らかになった課題への対応について
報告する。
(参考:これまでの経緯)
平成 25 年 12 月
IRRS 受入れを表明。
平成 26 年 5 月
自己評価手法に関する IAEA ワークショップ開催の後、自己評価を開始。
平成 27 年 10 月
自己評価の中で抽出された課題とこれらの課題に対する改善措置計画
を含む自己評価書をとりまとめ。
平成 28 年 1 月
IRRS ミッションの受け入れ。
2. IRRS 報告書(別添1、別添2)の概要
○IRRS ミッションの目的は原子力及び放射線安全に関する日本国内の規制の枠
組みに対するピアレビューを実施することである。IRRS チームは日本の規制
の枠組みを IAEA 安全基準と照らしてレビューを行った。今回のミッションに
は規制活動の視察とともに、原子力規制委員会の委員、原子力規制庁の職員、
規制機関や被規制機関等との議論を行った。
○IRRS チームは、原子力及び放射線安全についての法的枠組み、政府及び規制
機関の枠組みに関する近年行われた改正について、2 点の良好事例を示した。
日本政府は、実効的な独立性及び透明性を有し、権限が強化された新規制
機関として原子力規制委員会を設立し、かつ同機関を支援する枠組みを導
入した。
原子力規制委員会は、自然災害対応、重大事故対策、緊急事態に対する準
備、及び既存施設へのバックフィットの分野において東京電力福島第一原
子力発電所事故の教訓を日本の法的枠組みに迅速かつ実効的に反映させ
た。
強化された規制の枠組みは、例えば原子炉の再稼働に向けた設備の申請を
レビューする際に、厳密かつ透明性の高い形で適用されている。原子力規制
委員会が実施してきた取組は、原子力及び放射線安全への規制監視に対する
一般公衆からの信頼回復に貢献している。
1/2
○IRRS チームは、日本政府と原子力規制委員会が原子力及び放射線安全を強化
する新しい規制の枠組みを実施するための取り組みを継続すべきであると強
調する。IRRS チームは、日本政府及び/又は原子力規制委員会に対し、日本
の枠組みが IAEA 安全基準に継続的に整合するような改善をする必要がある又
は望ましいという13の勧告及び13の提言を行った。
(勧告・提言)
有能で経験豊富な職員を惹きつけ、かつ教育、訓練、研究、及び国際協力
の強化を通じて、原子力及び放射線安全に関する能力を構築させること
原子力規制委員会が検査の実効性を向上させることが可能となるように、
関連法令を改正すること
高いレベルの安全を達成するため、問いかける姿勢を養うなど、安全文化
の向上を継続し強化すること。これは原子力規制委員会及び被規制者に対
しても等しく適用される。
原子力及び放射線安全において、他の規制機関と協調しかつ実効性のある
規制監督活動を実施するため、他の規制機関と規制情報の交換を行うため
の実効的な協力プロセスを策定し実施すること
原子力規制委員会が所管業務を実施するために必要となるすべての規制
及び支援プロセスについて、統合マネジメントシステムを作成、文書化し、
完遂すること
放射線防護対策の実施の監督により重点を置くこと
放射線源の緊急事態に対する準備と対応について要件とガイダンスを策
定すること
施設のすべての段階にわたって廃止措置を考慮することの要求化、サイト
の解放と許認可取得者の責務の終了に関する基準を設定すること 等
3. IRRS において明らかになった課題への対応について(別紙1、別紙2)
IRRS において明らかになった課題のうち、「特別の体制(プロジェクトチーム
等)を設けて対応する案件」については、4 月 1 日に設置した制度改正審議室に
て今年度の対応方針案を作成したので、報告する。また、IRRS 報告書の内容を踏
まえて、3 月 16 日に報告した「IRRS において明らかになった課題への対応方針」
を再度検討し、内容を一部更新したので、併せて報告する。
2/2
IAEAの指摘に対する原子力規制委員会の認識と対応方針
別紙1
1.全般的認識
(IAEAの勧告・提言の目的と対応の考え方)
IAEAの勧告・提言は受入れ国の原子力規制の継続的改善を後押しすることを目的として、
更なる改善が可能な点について指摘するもの。今回の勧告・提言も、日本の原子力規制が
福島第一原発事故の教訓を取り入れて安全確保上必要な水準に達していることを前提に、
更なる改善を求めるもの。
他方、安全神話に陥り継続的改善を怠ったことが福島第一原発事故の根本的な原因の
一つ。原子力規制委員会としては、今回なされた全ての指摘を真摯に受け止め、実効的な
方法で、速やかに対応する。
(IAEAが強調している点)
IAEAの指摘は、事故後に我が国が独立した規制機関を設置し、事故の教訓を迅速かつ実
効的に規制に反映させたことを高く評価しつつ、こうした規制強化の取り組みを継続し、今
後更に改善が可能な分野、具体的には、事業者による安全確保の取り組みをより強化する
ための監視・検査制度の整備、放射線源規制の再構築などに取り組むよう提案するもの。
原子力規制委員会としては、これらの指摘への対応をより機動性と実効性の高い規制を
実現するための制度・体制の整備と捉え、将来を見据えて万全な対応となるよう取り組む。
1
IAEAの指摘に対する原子力規制委員会の認識と対応方針
2.検査制度に関する指摘について
IAEAの指摘がなされた背景
○日本では、検査内容や時期が法律で限定され、事業者の活動全般を常時監視できるものとなっていない。
○日本の一部の検査では、国際的には事業者が行うべき施設の健全性確認を国が実施するものと規定してお
り、安全確保に対する事業者の一義的責任が徹底されていない。
○2007年に保安院が受けたIRRSにおいても検査方法を改めるよう指摘されているが、福島第一原発事故後の
法改正では、検査制度については手がつけられていない。
○日本の検査官候補者は2週間の研修を受ける(米国では検査官候補者は2年間の集中研修を受ける)。
IAEAが指摘していること
指摘への対応方針
現行検査制度では検査内容と頻度が法令で詳細に規
定されており、検査が予め決められたことを確認する
チェックリスト方式となっている。法令を改正し、更なる
実効性を確保すべき。
原子炉等規制法を改正し、事業者の一義的責任が明確な制
度とした上で、事業者による安全確保の取り組みの状況に
応じて検査部門の判断で検査項目を選定するなど、実効性
のある検査を実施できる仕組みとする。
検査官が安全上の問題を認識した場合に是正措置を迅
速に決定できる権限を与えるべき。
検査結果に応じて検査部門が是正措置等を迅速かつ責任を
もって行えるよう、措置の実施方針・手続等の明確化や組
織・体制の強化を図り、高いレベルの検査官や専門的な知
見のある検査官を配置する。
今後は膨大な審査に加えて検査の作業量も増大するた
め、資源を追加投入する必要がある。
検査官が発電所内のあらゆる場所にいつでも自由にア
クセスできる権限を法定すべき。
原子炉等規制法を改正し、検査官が発電所内のあらゆる場
所についていつでも自由にアクセスできる権限を確保する。
検査制度をチェックリスト方式から改める場合、検査官
の素質と能力を更に強化する必要がある。特に検査官
が受ける初期訓練は、時間が極めて限られている。
検査官の素質と能力を抜本的に向上させるため、初期研修
については年単位の研修期間を確保するなど研修体制を抜
本的に強化する。
2
IAEAの指摘に対する原子力規制委員会の認識と対応方針
3.放射線源規制に関する指摘について
IAEAの指摘がなされた背景
○福島第一原発事故後の法改正では、放射線源規制については手がつけられていない。
○RI法で規制される放射線源による緊急事態を想定した準備と対応は非常に限定されている。
○放射線源に対するセキュリティ対策はIAEAのセキュリティ勧告を十分に満たすものにはなっていな
い。
○IRRSは、原子力規制委員会が原子力施設の基準策定や審査を最優先にしていることに理解を示し
つつ、他の施設や放射線防護に関わる業務に十分な資源を割り当てていないことを懸念している。
IAEAが指摘していること
指摘への対応方針
放射線源による緊急事態が発生した場合の対応
についての取り決めを整備すべき
放射線障害防止法を改正し、リスクの高い放射線
源による緊急時対応制度の整備や、セキュリティ
対策の追加を含め、放射線源に対する規制を再
構築する。
原発の審査を最優先事項としていることは理解で
きるが、被規制者による放射線防護対策の実施
を監視することなどの優先度を高くし、一層の資
源を配分すべき
上記の制度構築と併せ、規制を行う体制につい
ても強化する(審査や立入検査を行う体制の強化
など)
3
IAEAの指摘に対する原子力規制委員会の認識と対応方針
4.人材の確保・育成に関する指摘について
IAEAの指摘がなされた背景
○原子力規制委員会は、審査、評価、検査活動、放射線源のセキュリティといった分野に資源を
追加投入しなければならないことを確認した。
○日本の官庁の異動慣行により能力が喪失する状況は改善したものの、技官が離任する率が
なお高い。
○その規制責任を果たすべく必要な職員を維持し採用するにあたって、原子力規制委員会の魅
力に懸念を有している。
IAEAが指摘していること
指摘への対応方針
規制責任を果たす能力と経験のある職員を確
保するため、研修の充実、新規職員獲得につ
ながる職場の魅力の向上、現職の専門家を維
持するための戦略の策定などに努めるべき
検査に従事する職員がまとまった期間の研修
を受講できる体制の整備も含め、職員に対す
る研修の充実を図る。
前述の組織・体制の強化に合わせて、能力が
高く経験豊かな職員が採用及び継続的雇用に
より確保できるよう、適切な処遇を確保する。
原子力規制委員会が行った行政処分に対する
ものも含め、法務に対応する職員の確保・体
制強化を図る。
4
IAEAの指摘に対する原子力規制委員会の認識と対応方針
5.今後のスケジュール(想定)
本年5月頃
外部有識者を含む検討チームを設置し、検査制度や放射線源
規制の詳細検討開始
本年夏頃
予算・機構定員要求
(調整が整い次第)
米国NRCに職員5名程度を派遣し米国の検査実務を学習
本年秋頃
検査制度や放射線源規制の詳細検討結果の取りまとめ
平成29年2月頃
法案提出(予算関連法案の場合)
平成29年4月
一部施行
・組織整備、人員確保、教育訓練
・詳細な規則の整備
平成31年頃
フォローアップミッション来日
平成32年4月
全面施行
5
別紙2
IRRS において明らかになった課題への対応について
平成28年4月25日
原 子 力 規 制 庁
関連の勧告・
提言・自己評
No.
IRRSにおいて明らかになった課題
課題に対する本年度の対応
実施体制
価における
アクション
プラン1
人材育成・確保
1
(安全研究分野のJAEAとの協力強化)
JAEA安全研究センターとの定期的な情報交換会を継続。
技術基盤課
勧告5
JAEA(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)に
原子力規制庁からJAEAへの人材派遣について拡張・強化
アクション
おける安全研究の強化、人材育成の観点から原子力規制庁
し、相互の人材交流の枠組みを年内に強化。
プラン4
とJAEAの研究分野の協力の強化
IAEA(国際原子力機関)
、OECD/NEA(経済協力開発
機構原子力機関)等の国際共同研究プロジェクト活動への参画
を効率的に行うため連携体制を年内に構築。
マネジメントシステム
2
(安全文化の構築)
IAEAが作成した安全文化の醸成に関する評価モデルや異
監査・業務改
安全文化に関する宣言に基づく、高いレベルの安全文化を
業種等に見られる安全文化の醸成に関する意識調査の手法等
善推進室
維持・向上させるための具体的な取組みの実施(研修・意
を参考に、評価・調査モデルを導入(平成29年4月目途)
。
識調査等)
安全文化の維持・向上のための新たな研修プログラムを構築
提言4
(原子力安全人材育成センターと連携)
。
委員との意見交換、職員同士による対話活動(事前にテーマ
を決めたフォーカスグループの作成等)を実施し、各職員の
業務に反映する取組を実施。
3
(統合マネジメントシステムの実施)
マネジメントシステム及びプロセスの体系化・文書化並びに
監査・業務改
勧告6
○規制及び支援業務に関する統合マネジメントシステムの
運用実績から抽出されたマネジメントシステムの改善に関す
善推進室
提言5
構築、文書化及び実施
る中期的で戦略的なロードマップを作成。ロードマップの進
・組織共通のプロセスの構築及び展開
捗状況及びマネジメントシステムの有効性は、継続的に確
・マネジメントシステムの有効性の確認
認・審議。
○上記マネジメントシステムを構築するため、原子力規制
マネジメントシステムの体系化として、マネジメント規程を
委員主導による、複数年にわたる戦略的アプローチの実
補完する文書について、原子力規制委員会マネジメント規程
施
で示した要求事項の具体的な実施方法、プロセス体系図、文
○マネジメントシステムを体系的に策定し、各業務を統一
された様式を用いて策定
提言6
書体系等を示した文書となるよう作成。
プロセスの体系化・文書化として、現在各課において作成中
のプロセスを文書化したマニュアルを完成させるとともに、
原子力安全に直結するプロセス(コアプロセス)と事務的な
管理プロセス(サポートプロセス)に分類した整理を行い、
プロセス体系図を作成。
マニュアル及びプロセス体系図を基に、横断的に複数の部等
及び課等に共通するプロセスを統合化するための計画(体制、
スケジュール)を作成し、実施。各マニュアルについては、
フロー図、共通の様式を使用。
原子力規制委員会マネジメント規程に基づくPDCAサイク
ルを適切に実施し、継続的に改善。
4
1
(年度業務計画策定するための関係者からの情報収集の強
平成28年度上期に、年度業務計画を策定するために必要な
監査・業務改
化)
外部の利害関係者等から得るべき情報(事業者からの許認可
善推進室
組織内の資源を効率的かつ効果的に活用する観点から、将
申請及び検査申請予定、学協会から民間規格のエンド-ス希
来の業務需要を把握するための外部の利害関係者等からの
望予定等)について特定。
情報収集を強化
平成28年度下期に、特定した情報の収集を実施し、その情
平成 27 年 10 月 28 日 第 37 回原子力規制委員会 資料 2-3 原子力安全のための規制基盤に係る自己評価所要約(SARIS Summary Report)参照
1/6
勧告4
報を次年度業務計画に反映。
次年度の内部監査で確認することにより、一層適切な計画策
定に向けた強化。
規制制度
5
(規制に係る審査結果等の許認可取得者への連絡)
原子力規制委員会内規「原子力規制委員会の業務運営の透明
原子力規制
規制に係る審査や評価の結果、さらなる規制当局としての
性の確保のための方針」における文書による行政の徹底を推
企画課
期待、現行の課題を、許認可取得者に連絡するためのメカ
進するとともに、新規制基準適合性審査の審査結果やヒアリ
ニズムの実効性の評価
ングでの指摘事項のウェブサイトでの公開を引き続き実施。
提言3
なお、現状から向上すべき点等につき、許認可取得者に確認。
6
7
8
(原子力安全とセキュリティのインターフェース)
海外の先進的な取組を把握するため、IAEAや米国、スイ
総務課
提言13
原子力安全とセキュリティに対する規制がより一層統合さ
ス等の取組について調査。
れた形で行われるような仕組みの構築
海外の先進的な取組を参考にしつつ、原子力安全と核セキュ
(副担当)
リティの調和に係る実務が適切に行われるよう、被規制者の
核セキュリ
申請が他方の措置に干渉するかどうかについて被規制者が十
ティ・核物質
分に評価することや、審査・検査における確認の仕組み作り
防護室
等の取組みを実施。また、原子力規制庁の核物質防護情報取
原子力規制
扱者等を指定する制度の整備 (平成28年度末目途)。
企画課
(設置許可段階における品質保証)
設置許可段階における申請者の品質保証の確保に係る審査の
原子力規制
アクション
原子力施設の事業許可等申請段階における品質保証の要求
方法について検討。
企画課
プラン6
(一部設備の解体工事に対する規制)
発電所敷地内で設備の解体・撤去等の工事に係る放射線管理に
原子力規制
アクション
原子力施設の一部設備を解体・撤去する作業等であって、
ついて、事業者に対して状況を確認し、必要に応じて対象工事
企画課
プラン8
周辺監視区域の外側での線量限度を超えるおそれのあるも
の明確化及び審査基準の策定を検討。
勧告8
のを規制対象とすること
9
10
(運転期間にわたる廃止措置の考慮)
安全性向上評価のガイドの改正において、運転段階からの廃
原子力規制
原子力及び放射線関連施設の廃止措置を運転期間中でも考
止措置計画の策定及びその改定を盛り込む検討を早急に開
企画課
慮することを規制要求すること
始。
(高経年化に関する認可等に係る手続き)
運転期間延長認可申請で規制が要求している、劣化状況に関
原子力規制
高経年化に関する既存の3つの手続き(高経年化技術評価、
する技術的評価及び保守管理方針策定については、40 年目の
企画課
安全性の向上のための評価、運転期間延長)の関係の整理
高経年化対策制度においても同様に要求している事項である
提言7
ことから、運転期間延長認可申請したプラントにあっては、
当該申請の添付資料を 40 年目の高経年化対策制度にも活用で
きるように、申請手続きの簡素化を検討。
11
(運転経験反映のための措置)
従来、不明確であった国内情報、研究炉等の情報収集の基準
原子力規制
○現行の運転経験反映プロセスの再評価
及びルートを明確化。
企画課
・安全上重要な事象が十分に報告されるような基準とな
っていること
提言8
なお、本整理においては、安全上重要な事象が抜けることの
ないよう網羅性のある情報収集手法についても検討。
・得られた教訓(長期停止後の運転再開時の教訓を含む)
原子力規制庁で検討された教訓については、JANSI(一
が、事業者により確実に考慮され、適時適切な対策が
般社団法人原子力安全推進協会)との間の連絡会を通じて事
講じられていること
業者に提供。
ガイド等の策定及び見直し
12
(定期的な規制要件及びガイドの見直し)
基準規則、規則の解釈及びガイド等について、適宜、評価・
技術基盤課
規制やガイドを定期的に評価し見直す体系的なプロセスの
見直しを行う際の基本方針、スクリーニング手法、プライオ
構築とその文書化
リティ付け及び体制を明確化した文書を作成し、順次、見直
(副担当)
しを実施。
原子力規制
旧組織(旧原子力安全・保安院、旧原子力安全委員会)
企画課
からの指針、内部規定類の見直し計画の策定及び見直し
放射線対
学協会規格の活用のあり方、学協会規格の見直し計画の
策・保障措置
策定及び見直し
室
勧告11
IAEA、OECD/NEA等の国際知見を反映するため
のプロセスの策定
13
(定期的な規制要件及びガイドの見直し)
原子力施設に係る審査ガイドの充実
次の原子力施設に係る審査ガイドの充実を図る。
(基準を補完するガイド)
2/6
【基準の補
勧告11
完ガイド】
アクション
平成28年6月を目途に原子炉制御室の居住性に係る有
技術基盤課
毒ガス影響評価ガイドの策定
【審査手順
平成28年9月を目途に維持規格の技術評価及び規則の
のガイド】
解釈への反映
原子力規制
(審査手順を示すガイド)
プラン9
企画課
これまで新規制基準適合性審査の進め方については、体
制、審査の進め方等の文書を個別に制定し業務を実施し
てきたが、個別の業務文書を統合し、業務マニュアルを
策定。
14
(人的組織的要因の考慮)
次のガイドを策定する中で、設計段階での人的及び組織的要
人的及び組織的要因を設計段階で体系的に考慮することの
因を考慮することを要求事項に盛り込む。
要求
技術基盤課
提言9
技術基盤課
アクション
人的組織要因を考慮した原子炉制御室に関するガイドの
策定
根本原因分析評価ガイドの策定
安全文化醸成活動評価ガイドの策定
15
16
(設計段階における廃止措置の考慮)
廃止措置や廃棄物発生量の最小化を考慮した設計に関して、
廃止措置や放射性廃棄物発生量の最小化を設計段階で考慮
国内外の最新状況を調査し、新設炉の動向も踏まえ、平成2
することの要求
9年以降に規制基準の変更を実施。
(安全性向上に関するガイド)
安全性向上評価のガイドの改正において、
安全性向上に関するガイドの改善
・原子力施設の事業許可等において前提としたサイト特
性すべての再評価の実施(現状では地震・津波のみ
を評価の対象)
17
設置許可において評価対象とした原子力施設のリスクに
プラン14
原子力規制
勧告11
企画課
アクション
影響を与えるサイト特性の再評価
プラン11
運転段階からの廃止措置計画の策定及びその改定
アクション
を盛り込む検討を早急に開始。
・原子力施設のサイト外への潜在的影響評価のために必
原子炉等施設による敷地境界外へのリスクの評価手法の一つ
要となる十分な範囲のサイト特性の調査、それを踏
として、レベル3確率論的リスク評価(PRA)を活用した
まえた、サイト外に対するリスク評価の実施
リスク評価の導入に向けた検討を開始。
プラン12
(サイト解放要件)
IAEA及び諸外国のサイト解放基準に係る要求事項を考慮
【基準】
廃止措置後のサイト解放の基準の策定
し、サイト解放に係る基準案を年内に策定。
技術基盤課
勧告8
【確認方法】
安全規制管
理官(新型
炉・試験研究
炉・廃止措置
担当)付
18
19
(浅地中処分に関する廃棄体等に対する要求)
第二種廃棄物埋設のピット処分について、廃棄物埋設施設及
技術基盤課
アクション
浅地中処分に関する廃棄物埋設施設、廃棄体の規制基準の
び廃棄体の規制基準の機能要求、性能要求及び現在の仕様規
性能規定化
定の関係を整理し、性能規定化した規制基準をとりまとめ。
(廃炉等廃棄物処分に関する規制基準の整備)
炉内等廃棄物の埋設に係る規制について、中深度処分に関す
安全規制管
アクション
廃炉等廃棄物処分に関する規制基準の整備
る規制基準等の考え方の取りまとめに向け、関係省庁との調
理官(廃棄
プラン17
整を行うとともに、公衆に対する意見募集を実施。
物・貯蔵・輸
中深度処分に係る事業者に対する規制の枠内に留まらない事
送担当)付
プラン15
項に係る制度(処分制度)に影響されない要求事項について、
規制基準への反映に係る骨子の策定に向けた検討を実施。
20
(研究所等廃棄物に関する規制基準の整備)
研究施設等から発生する廃棄物及びウラン加工施設から発生
【核廃棄物】 ア ク シ ョ ン
研究施設等から発生する放射性廃棄物の埋設処分に係る基
する廃棄物の発生状況、性状等の調査及び中深度処分等の第
技術基盤課
準の整備
二種廃棄物埋設における安全確保の考え方を考慮した研究施
【RI廃棄
設等廃棄物の埋設に当たっての安全確保の考え方、廃棄体確
物】
認方法に関する基本的考え方をとりまとめ。
放射線対
プラン17
策・保障措置
課
21
(廃棄物埋設の覆土等に関する基準)
浅地中処分の廃棄物埋設施設の覆土時の廃棄物埋設施設確認
安全規制管
アクション
廃棄物埋設施設の覆土時の廃棄物埋設施設確認に係る基準
に係る基準及び閉鎖後のモニタリングとサーベイランスに関
理官(廃棄
プラン16
及び閉鎖後のモニタリングとサーベイランスに関する保安
する保安規定の変更に際する審査基準について、諸外国の先
物・貯蔵・輸
規定の審査基準の整備
行事例等を調査し、追加すべき要件等を抽出。
送担当)付
3/6
22
【RI 法2・炉規法3】
(眼の水晶体の線量限度)
【RI法 2】
アクション
プラン19
職業被ばくに関する眼の水晶体の線量限度について、IA
放射線障害防止に係る最新の知見(眼の水晶体の等価線量限
放射線対
EA安全基準を踏まえて対応
度等)の収集・整理に係る検討組織の構築を行い、必要な検
策・保障措置
討を実施。
課
平成28年度内に最新のIAEA安全基準を踏まえた眼の水
【炉規法 3】
晶体の線量限度への対応について考え方をとりまとめ。
原子力規制
企画課
原子力施設の緊急事態に対する準備と対応
23
(原子力施設に関するEPR4の改善)
年内に実用発電用原子炉以外の原子力施設に関するEAL5、
【原子力施
勧告13
○実用発電用原子炉以外の原子力施設に対するEAL5 の
EAL5 判断の基準の案を策定し、原災指針等に反映。
設】
アクション
原子力災害
プラン20
対策・核物質
アクション
防護課
プラン22
策定
○原子力施設のEAL5 を直ちに判断するためのガイダン
スの策定
○事業者が、EPR4 準備段階に防災計画対象範囲の公衆に
情報提供を行っていることの確認
「原子力事業者防災業務計画の確認に係る視点等について
(規程)」を改正し、情報提供すべき内容を記載するとともに
情報提供を実施していることを確認。
24
(類似の業務を担う緊急作業者に対する一貫性のある要件
平成28年度の保安検査で、緊急作業に係る規則改正への各
原子力規制
提言12
の適用)
許認可取得者の対応について確認。
企画課
アクション
平成28年4月から実施される原子力施設の緊急時作業者
緊急時における許認可取得者(特に発電用原子炉設置者)と
の線量限度引き上げ等の制度改正に当たり、類似の業務を
類似の業務を担う緊急作業者との連携について確認。
プラン21
担う緊急作業者に対して一貫性のある要件を適用
放射線源規制・放射線防護
25
(登録検査機関が実施した検査結果の許認可手続きへの反
登録検査機関が施設検査を実施した後、放射線規制室に検査
放射線対
映)
結果を報告し、原子力規制庁が当該結果を確認した後に事業
策・保障措置
者が使用を開始する流れとなるよう、仕組みを構築(平成2
課
RI法
26
2
に基づき登録検査機関が実施した検査結果を規制
機関が審査した後に許認可を出すように修正
8年度内目途)
。
(検査に関する関係機関との協力と登録検査機関に対する
放射線障害防止法第43条の3の規定に基づく登録認証機関
放射線対
監督強化)
等への立入検査を実施する体制を構築し、平成28年度より
策・保障措置
原子力又は放射線安全に影響する分野で検査を実施する他
実施。
課
の規制機関との情報交換や協力の実施及びRI法
2
に基づ
勧告7
提言1
適時・適切に登録認証機関等と活動状況に係る情報の共有を
き検査を行っている登録検査機関の業務品質と審査の信頼
図り、監督を行う体制の構築について必要な調整等を実施。
性を維持向上させるための監督の強化
関係省庁(厚労省、国交省等)との間で、検査を通して得ら
れた知見等を共有し、検査で確認する内容、要求するレベル
等の合意を得る場を開催できるよう必要な調整等を実施。
27
(放射線源に関するガイドの充実)
RI法
2
に基づく規則及びガイドを定期的に評価・見直す
RI法 2 に基づく規制手続きに係る文書(審査、検査、RIセ
放射線対
キュリティ等ガイドライン)を作成し、原子力規制委員会の
策・保障措置
ためのプロセス、また、新たな必要性が生じた場合のプロ
マネジメントシステムの中に位置づけ、定期的な更新を実施。 課
セスの改善及び文書化並びに必要に応じて、規則のガイド
過去の放射線規制室からの事務連絡等を統合した文書を作成
文書による補完
し、事業者に有用なものはウェブサイト等において公表する。
勧告11
また、当該文書を原子力規制委員会のマネジメントシステム
の中に位置づけ、定期的な更新を実施。
28
(放射線防護に関する取組の強化)
放射線防護に係る安全研究の推進について、平成 29 年度 放射線対
放医研と連携した安全研究強化
概算要求を通じて取組を強化。
策・保障措置
課
2
3
4
5
RI 法 : 「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」の略称
炉規法 : 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の略称
EPR : Emergency Preparedness and Response 緊急時に対する準備と対応
EAL : Emergency Action Level 緊急時活動レベル
4/6
勧告3
検査・執行
29
〇法令改正による検査制度の改善及び簡素化
外部有識者を含む検査制度の見直しに関する検討チームお 制度改正審
提言1
いて、IRRS の指摘事項、海外の規制機関の事例、事業者の 議室
勧告9
基づき、リスク情報を活用し、柔軟性を増すこと
意見を踏まえつつ、秋頃までを目途に、検査の方法や、検
提言10
・検査官がフリーアクセスできる公式な権限の付与
査で確認された問題に対する是正措置の執行手続きなどに
勧告10
・対応型検査の実施を現場に近いレベルで決定できる
ついて、詳細な制度設計案を作成する。
・あらかじめ詳細に決められたものではなく、実績に
こと
〇検査に関する関連規制機関との連携(共同検査に関す
る連絡等)
上記検討を踏まえ、次期通常国会での提出を目標に、法改
正案を作成する(施行は3年後とし、それまでに人材確保・
育成や詳細な規則の整備などを行いたい)
。
〇不適合に対する罰則等の程度を決めるための執行の方
併せて、新たな検査を行うための検査部門の体制強化や人
針、安全上重大な事象が差し迫っている場合に是正措
材確保に資する適切な処遇の確保、新たな検査を行う力量
置が迅速に決定できる手続の策定
を有する検査官を育てるための研修体制の整備に向けて、
〇検査官に対する研修及び再研修の改善
予算や機構定員の要求、新たな制度・仕組みの検討を行う。
同時並行的に、米国NRCとの調整が整い次第、米国に規
制庁職員を5名程度派遣し、米国の検査制度や検査実務を
学ばせる。
放射線源規制・放射線防護
30
IRRS の指摘事項等を踏まえつつ、秋頃までを目途に、RI 制度改正審
勧告1
間での規制活動の調和と協力の強化
等取扱事業者への規制要求(緊急時対応体制の整備、盗取 議室
勧告2
・調和された効果的な規制監視
防止措置(セキュリティ)、安全文化・品質保証等)につ
勧告3
・規制の調和
いて、詳細な制度設計案を作成する。
勧告8
・情報交換枠組の構築
上記検討を踏まえ、次期通常国会での提出を目標に、法改
勧告12
正案を作成する(施行は3年後とし、それまでに人材確
提言11
○放射線安全について責任を負っている政府内規制当局
保・育成や詳細な規則の整備などを行いたい)。
〇以下を含む放射線防護に関する取組の強化、そのため
検査体制の充実強化に向けて、新たな検査を行う力量を有
の一層の資源の割当
する検査官を育てるための研修体制の整備、機構定員の要
・放射線防護に関する規制
求等の検討を行う。
・国際基準策定への参画
IRRS の指摘事項等を踏まえつつ、秋頃までを目途に、放
射線防護における最新の知見の取り入れのための体制等
〇放射線源に関する緊急対応時の準備と対応
について検討する。
・緊急対応時の準備と対応の要件等の策定
・原子力規制委員会としての対応計画策定
〇IAEA安全基準における最新知見の取入れ
〇廃止措置への対応
〇職業被ばくや公衆被ばく、環境モニタリングに関するサ
ービス提供者に対する許認可制度のための要件の策定
国内外の動向を踏まえ、職業被ばく等のモニタリングの品質
保証向上の仕組みについて検討する。
人材育成・確保
31
〇人材育成に関する行動計画の策定及び実施
・課された責任を果たすための能力及び経験のある職
員の確保
これまでの人材育成の取組や IRRS の指摘事項を踏まえ、 制度改正審
勧告5
平成 26 年に定めた「職員の人材育成に係る施策の進め方」 議室
提言2
のフォローを行い、必要な事項に関しては見直しを行う。
勧告4
具体的には、特に以下の事項について取り組みを進める。
勧告3
・職員の能力評価、業績評価に係る人事評価プロセスの実
提言10
施を継続する。
提言9
・行政職技術系職員について、可能な限り安全審査や原子
力規制事務所での勤務を経験させる等、本人の適性や業務
状況等を踏まえ、適時に職務ローテーションを行い、幅広
い原子力規制業務を経験させる。
5/6
・国内外の原子力関係機関・大学への派遣や留学等、外部
との人事交流を継続的に実施し、人材育成環境の充実を進
めるとともに、新たな人事交流先の積極的な開拓を進める。
・検査官に対する力量の試行運用を踏まえ、保安検査官や
施設検査官に係る研修体系の整備を年度末までに行う。ま
た、OJT については各課で OJT を計画的に実施するため
の仕組みを整備し、原課における OJT 制度の整備を進める
ための指針となる OJT ガイドを整備する。
原子力規制委員会が行った許認可等の行政処分に対するも
のをはじめ、原子力規制委員会が当事者となる訴訟や異議
申し立てが相次いで提起されている状況に的確に対応する
ため、法務を担当する組織・体制の強化を行う。
・職場としての魅力を改善すること等により、新規採
用確保、技術専門家維持の戦略策定
人事院主催の説明会や個別大学での業務説明会、民間主催
の業務説明会等へ継続的に参加し、学生に原子力規制庁の
実態や業務の魅力を発信する。併せて、原子力規制庁の情
報を民間の就職・求人情報サイトへ掲載する等、各種就職
情報発信事業を積極的に活用する。
原子力に関する専門知識を持った学生が原子力規制庁を就
職先として積極的に選択できるよう、原子力規制庁独自の
原子力工学系職員採用試験を継続して実施する。
技術専門家の維持のため、人材確保に資する適切な処遇の
確保に向けて、新たな制度・仕組みの検討を行う。
〇組織体制及び人的資源活用状況の評価
各職員及び各課等の主要な業務量の把握を平成28年度よ
・人的資源活用状況の把握
り開始する。その結果を、適宜、組織としての人的資源の
・現行組織体制の効率性及び効果の評価
配置状況の確認及び人的資源の適切な配分等に活用する。
〇強化が必要な分野
RI 規制の取組強化など今後の放射線防護に係る政策の取
・放射線防護分野の抜本的拡充
組みを踏まえて検討する。
・検査官の研修の充実化
検査官等に共通して必要な知識を整理し、能力向上に向け
た研修を整備するための検討を行う。また、検査官等の資
格発令後、受講すべき研修や OJT 等を検討し、修了時に能
力の習得状況を確認するプログラムを整備する。
・人的組織的要因に関する専門家の確保
庁内における人的組織的要因等に関する専門家の資源の活
用・育成のほか、職員の新卒採用と併せて中途採用を継続
的に実施し、関係する優れた人材を確保する。
6/6
別添1
IAEA-NS-IRRS-2016
ORIGINAL: English
INTEGRATED
REGULATORY
REVIEW SERVICE (IRRS)
MISSION
TO
JAPAN
Tokyo, Japan
10-22 January 2016
DEPARTMENT OF NUCLEAR SAFETY AND SECURITY
1
REPORT OF THE
INTEGRATED REGULATORY REVIEW SERVICE (IRRS) MISSION
TO
JAPAN
2
REPORT OF THE
INTEGRATED REGULATORY REVIEW SERVICE (IRRS) MISSION
TO
JAPAN
Mission dates:
Regulatory body visited:
Location:
Regulated facilities and activities
in the mission scope:
10 to 22 January 2016
Nuclear Regulation Authority (NRA)
1-9-9, Roppongi, Minato-ku, Tokyo, Japan 106-8450
NPPs, Research Reactors, Radioactive Waste Facilities, Decommissioning,
Fuel Cycle, Radiation Sources, Emergency Preparedness and Response,
Occupational Radiation Protection, Control of Radioactive Discharges,
Materials for Clearance; Environmental Monitoring for Public Radiation
Protection
Organized by:
International Atomic Energy Agency (IAEA)
JAMET Philippe
IRRS TEAM
Team Leader (France)
LARSSON Carl-Magnus
Deputy Team Leader (Australia)
AALTONEN Hannele
Reviewer (Finland)
FERAPONTOV Alexey
Reviewer (Russian Federation)
FERON Fabien
Reviewer (France)
FOY Mark
Reviewer (United Kingdom)
HUBBARD Lynn
Reviewer (Sweden)
HUNT John
Reviewer (Brazil)
KRS Petr
Reviewer (Czech Republic)
LEE Suk-Ho
Reviewer (Republic of Korea)
MUNUERA Antonio
Reviewer (Spain)
PATHER Thiagan
Reviewer (South Africa)
REGIMBALD Andre
Reviewer (Canada)
RYAN Thomas
Reviewer (Ireland)
SCHWARZ Georg
Reviewer (Switzerland)
STRITAR Andrej
Reviewer (Slovenia)
TIIPPANA Petteri
Reviewer (Finland)
WALDMAN Ricardo
Reviewer (Argentina)
WERT Leonard
Reviewer (United States of America)
CARUSO Gustavo
Team Coordinator (IAEA)
3
SHADAD Ibrahim
Deputy Team Coordinator (IAEA)
BUGLOVA Elena
Review Area Facilitator (IAEA)
NICIC Adriana
Review Area Facilitator (IAEA)
REBIKOVA Olga
Administrative Assistant (IAEA)
IAEA-2016
4
The number of recommendations, suggestions and good practices is in no way a measure of the status of the
national infrastructure for nuclear and radiation safety. Comparisons of such numbers between IRRS
reports from different countries should not be attempted.
5
CONTENTS
EXECUTIVE SUMMARY ........................................................................................................................................... 9
I.
INTRODUCTION .............................................................................................................................................. 11
II.
OBJECTIVE AND SCOPE .............................................................................................................................. 12
III.
BASIS FOR THE REVIEW ............................................................................................................................. 13
1.
RESPONSIBILITIES AND FUNCTIONS OF THE GOVERNMENT .................................................... 15
1.1. NATIONAL POLICY AND STRATEGY FOR SAFETY ....................................................................... 15
1.2. ESTABLISHMENT OF A FRAMEWORK FOR SAFETY.................................................................... 16
1.3. ESTABLISHMENT OF A REGULATORY BODY AND ITS INDEPENDENCE............................. 18
1.4. RESPONSIBILITY FOR SAFETY AND COMPLIANCE WITH REGULATIONS ........................ 19
1.5. COORDINATION OF AUTHORITIES WITH RESPONSIBILITIES FOR SAFETY
WITHIN THE REGULATORY FRAMEWORK..................................................................................... 19
1.6. SYSTEM FOR PROTECTIVE ACTIONS TO REDUCE EXISTING OR UNREGULATED
RADIATION RISKS ...................................................................................................................................... 21
1.7. PROVISIONS FOR THE DECOMMISSIONING OF FACILITIES AND THE
MANAGEMENT OF RADIOACTIVE WASTE AND OF SPENT FUEL ........................................... 22
1.8. COMPETENCE FOR SAFETY................................................................................................................... 23
1.9. PROVISION OF TECHNICAL SERVICES ............................................................................................. 24
1.10. SUMMARY...................................................................................................................................................... 26
2.
THE GLOBAL SAFETY REGIME................................................................................................................ 27
2.1. INTERNATIONAL OBLIGATIONS AND ARRANGEMENTS FOR INTERNATIONAL
COOPERATION ............................................................................................................................................ 27
2.2. SHARING OF OPERATING EXPERIENCE AND REGULATORY EXPERIENCE...................... 28
2.3. SUMMARY...................................................................................................................................................... 29
3.
RESPONSIBILITIES AND FUNCTIONS OF THE REGULATORY BODY ........................................ 30
3.1. ORGANIZATIONAL STRUCTURE OF THE REGULATORY BODY AND
ALLOCATION OF RESOURCES .............................................................................................................. 31
3.2. EFFECTIVE INDEPENDENCE IN THE PERFORMANCE OF REGULATORY
FUNCTIONS ................................................................................................................................................... 32
3.3. STAFFING AND COMPETENCE OF THE REGULATORY BODY ................................................. 32
3.4. LIAISON WITH ADVISORY BODIES AND SUPPORT ORGANIZATIONS .................................. 35
3.5. LIAISON BETWEEN THE REGULATORY BODY AND AUTHORIZED PARTIES.................... 35
3.6. STABILITY AND CONSISTENCY OF REGULATORY CONTROL ................................................ 36
3.7. SAFETY RELATED RECORDS ................................................................................................................. 37
3.8. COMMUNICATION AND CONSULTATION WITH INTERESTED PARTIES............................. 37
3.9. SUMMARY...................................................................................................................................................... 37
4.
4.1.
4.2.
4.3.
4.4.
4.5.
4.6.
5.
MANAGEMENT SYSTEM OF THE REGULATORY BODY ................................................................. 39
IMPLEMENTATION AND DOCUMENTATION OF THE MANAGEMENT SYSTEM ............... 39
MANAGEMENT RESPONSIBILITY ........................................................................................................ 41
RESOURCE MANAGEMENT .................................................................................................................... 42
PROCESS IMPLEMENTATION................................................................................................................ 42
MEASUREMENT, ASSESSMENT AND IMPROVEMENT ................................................................. 43
SUMMARY...................................................................................................................................................... 44
AUTHORIZATION ........................................................................................................................................... 45
5.1. GENERIC ISSUES ......................................................................................................................................... 45
6
5.2.
5.3.
5.4.
5.5.
5.6.
5.7.
5.8.
6.
AUTHORIZATION OF NUCLEAR POWER PLANTS......................................................................... 46
AUTHORIZATION OF RESEARCH REACTORS ................................................................................ 49
AUTHORIZATION OF FUEL CYCLE FACILITIES............................................................................ 50
AUTHORIZATION OF RADIOACTIVE WASTE MANAGEMENT FACILITIES........................ 51
AUTHORIZATION OF RADIATION SOURCES FACILITIES AND ACTIVITIES ...................... 52
AUTHORIZATION OF DECOMMISSIONING ACTIVITIES ............................................................ 53
SUMMARY...................................................................................................................................................... 55
REVIEW AND ASSESSMENT ....................................................................................................................... 56
6.1. GENERIC ISSUES ......................................................................................................................................... 56
6.1.1. MANAGEMENT OF REVIEW AND ASSESSMENT ............................................................................ 56
6.1.2. ORGANIZATION AND TECHNICAL RESOURCES FOR REVIEW AND ASSESSMENT............ 56
6.1.3. BASES FOR REVIEW AND ASSESSMENT .......................................................................................... 59
6.1.4. PERFORMANCE OF REVIEW AND ASSESSMENT ........................................................................... 61
6.2. REVIEW AND ASSESSMENT FOR NUCLEAR POWER PLANTS .................................................. 61
6.3. REVIEW AND ASSESSMENT FOR RESEARCH REACTORS.......................................................... 63
6.4. REVIEW AND ASSESSMENT FOR FUEL CYCLE FACILITIES ..................................................... 63
6.5. REVIEW AND ASSESSMENT FOR WASTE MANAGEMENT FACILITIES ................................ 65
6.6. REVIEW AND ASSESSMENT FOR RADIATION SOURCES FACILITIES AND
ACTIVITIES ................................................................................................................................................... 66
6.7. REVIEW AND ASSESSMENT FOR DECOMMISSIONING ACTIVITIES ..................................... 66
6.8. SUMMARY...................................................................................................................................................... 67
7. INSPECTION ........................................................................................................................................................... 68
7.1. GENERIC ISSUES ........................................................................................................................................ 68
7.1.1. INSPECTION PROGRAMME ................................................................................................................... 68
7.2. INSPECTORS ................................................................................................................................................. 70
7.3. INSPECTION OF RESEARCH REACTORS ........................................................................................... 73
7.4. INSPECTION OF FUEL CYCLE FACILITIES ...................................................................................... 73
7.5. INSPECTION OF WASTE MANAGEMENT FACILITIES ................................................................. 74
7.6. INSPECTION OF RADIATION SOURCES FACILITIES AND ACTIVITIES ................................ 75
7.7. INSPECTION OF DECOMMISSIONING ACTIVITIES....................................................................... 76
7.8. SUMMARY...................................................................................................................................................... 76
8. ENFORCEMENT ................................................................................................................................................... 77
8.1. ENFORCEMENT POLICY AND PROCESS ........................................................................................... 77
8.2. ENFORCEMENT IMPLEMENTATIONS ................................................................................................ 77
8.3. SUMMARY...................................................................................................................................................... 78
9.
REGULATIONS AND GUIDES ..................................................................................................................... 79
9.1. GENERIC ISSUES ......................................................................................................................................... 79
9.2. REGULATIONS AND GUIDES FOR NUCLEAR POWER PLANTS ................................................ 80
9.3. REGULATIONS AND GUIDES FOR RESEARCH REACTORS........................................................ 82
9.4. REGULATIONS AND GUIDES FOR FUEL CYCLE FACILITIES ................................................... 82
9.5. REGULATIONS AND GUIDES FOR WASTE MANAGEMENT FACILITIES .............................. 83
9.6. REGULATIONS AND GUIDES FOR RADIATION SOURCES FACILITIES AND
ACTIVITIES ................................................................................................................................................... 83
9.7. REGULATIONS AND GUIDES FOR DECOMMISSIONING ACTIVITIES.................................... 83
9.8. SUMMARY...................................................................................................................................................... 84
10.
EMERGENCY PREPAREDNESS AND RESPONSE – REGULATORY ASPECTS........................... 85
7
10.1
10.2
10.3
10.4
10.5
GENERAL EPR REGULATORY REQUIREMENTS............................................................................ 85
FUNCTIONAL REGULATORY REQUIREMENTS.............................................................................. 86
REGULATORY REQUIREMENTS FOR INFRASTRUCTURE ......................................................... 91
ROLE OF REGULATORY BODY DURING RESPONSE .................................................................... 93
SUMMARY...................................................................................................................................................... 93
11. ADDITIONAL AREAS ..................................................................................................................................... 95
11.1. OCCUPATIONAL RADIATION PROTECTION ................................................................................... 95
11.2. CONTROL OF RADIOACTIVE DISCHARGES, MATERIALS FOR CLEARANCE, AND
EXISTING EXPOSURES SITUATIONS; ENVIRONMENTAL MONITORING FOR
PUBLIC RADIATION PROTECTION...................................................................................................... 97
11.3. SUMMARY...................................................................................................................................................... 99
12. INTERFACE WITH NUCLEAR SECURITY............................................................................................ 100
12.1. LEGAL BASIS .............................................................................................................................................. 100
12.2. REGULATORY OVERSIGHT ACTIVITIES ........................................................................................ 100
12.3. INTERFACE AMONG AUTHORITIES ................................................................................................. 101
12.4. SUMMARY.................................................................................................................................................... 101
APPENDIX I – LIST OF PARTICIPANTS .......................................................................................................... 102
APPENDIX II – MISSION PROGRAMME .......................................................................................................... 105
APPENDIX III – SITE VISITS................................................................................................................................ 107
APPENDIX IV – POLICY ISSUES ........................................................................................................................ 108
APPENDIX V – LIST OF COUNTERPARTS ...................................................................................................... 109
APPENDIX VI – RECOMMENDATIONS (R), SUGGESTIONS (S) AND GOOD PRACTICES (GP) .... 112
APPENDIX VII – COUNTERPART’S REFERENCE MATERIAL USED FOR THE REVIEW.............. 117
APPENDIX VIII – IAEA REFERENCE MATERIAL USED FOR THE REVIEW...................................... 128
8
EXECUTIVE SUMMARY
At the request of the Government of Japan to the IAEA, an international team of senior nuclear and radiation safety
experts met with representatives of the Nuclear Regulation Authority (NRA) of Japan from 11 to 22 January 2016,
to conduct an Integrated Regulatory Review Service (IRRS) mission. The mission took place at the NRA
Headquarters in Tokyo. The purpose of the IRRS mission was to perform a peer review of Japan’s national
framework for regulation of nuclear and radiation safety.
The agreed scope of this IRRS mission included all facilities and activities regulated by NRA, in some cases in
collaboration with other regulatory bodies, with the exception of off-site emergency preparedness as well as
medical and transport facilities and activities. Current activities at the Fukushima Daiichi site was not included in
the scope of this mission; the IRRS mission recognised that in recent years, several IAEA missions have been
undertaken in Japan related to the accident at the Fukushima Daiichi nuclear power plant. Nevertheless, the IRRS
team observed the regulatory inspection activities at the Fukushima Daiichi site, as part of its review of NRA’s
approach to inspections.
The IRRS team reviewed Japan’s regulatory framework for safety against the IAEA safety standards. The mission
also provided an opportunity for exchange of information and experience between the IRRS team members and the
Japanese counterparts.
The IRRS team consisted of 19 senior regulatory experts from 17 IAEA Member States and five IAEA staff
members. The IRRS team reviewed the following areas: responsibilities and functions of the government; the
global nuclear safety regime; responsibilities and functions of the regulatory body; the management system of the
regulatory body; the activities of the regulatory body including the authorization, review and assessment, inspection
and enforcement processes; development and content of regulations and guides; emergency preparedness and
response; interface between nuclear safety and nuclear security; occupational radiation protection, control of
radioactive discharges, environmental monitoring for public radiation protection, fuel cycle, waste management and
decommissioning.
The mission included observations of regulatory activities and interviews and discussions with NRA
commissioners, representatives from management and staff, representatives of other regulatory bodies and
government, and with representatives of regulated entities. Meetings were held with: Cabinet Secretariat (CAS);
Office for the Nuclear Emergency Preparedness (Cabinet office) (CAO); Ministry of Education, Culture, Sports,
Science and Technology (MEXT); Ministry of Health, Labour and Welfare (MHLW); Ministry of Economy, Trade
and Industry (METI); Ministry of Environment (MOE); Japan Atomic Energy Agency (JAEA); National Institute
of Radiological Sciences (NIRS)); Tokyo Electric Power Company (TEPCO); Kansai Electric Power
Company (KEPCO) and Japan Nuclear Safety Institute (JANSI). The IRRS team visited: Takahama Nuclear Power
Plant and municipality; Fukushima Daiichi site, Rokkasho Reprocessing Plant; JAEA Tokai JRR-3 Research
Reactor; and JAEA Tokai Facility for Radioactive Sources.
The IRRS mission included two policy discussions: (1) feedback on the implementation of the back-fitting system;
and (2) human resources development programme.
In preparation for the IRRS mission, Japan had conducted a self-assessment and prepared a preliminary action plan
to address weaknesses that had been identified. The results of the self-assessment and supporting documentation
were provided to the IRRS team as advance reference material for the mission. The IRRS team received
outstanding support and cooperation from NRA’s management and staff throughout the mission.
The IRRS team made the following general observations relevant to recent changes in the legal, Governmental and
regulatory framework for nuclear and radiation safety; these were recognized as good practices:
9
The Government of Japan has put in place a framework which established and supports NRA as a new
effective independent and transparent regulatory body with increased powers.
• NRA made a prompt and effective incorporation of the lessons learnt from the TEPCO Fukushima Daiichi
accident in the areas of natural hazards, severe accident management, emergency preparedness and
backfitting of existing facilities, into the Japanese legal framework.
The strengthened regulatory framework has been applied in strict and transparent manner when reviewing facilities’
applications, e.g. for restart of power reactors; the approach taken by NRA makes contribute to restoring public
trust in the regulatory oversight of nuclear and radiation safety.
•
The IRRS team emphasises that the government and NRA should continue their efforts to implement the new
regulatory framework to strengthen nuclear and radiation safety. This is important, for example, for operational
safety considering the potential restart of a number of nuclear installations. In this specific case, attention should be
given to the fact that nuclear installations have been shut down for an extended period of time.
The IRRS team made recommendations and suggestions to the government and/or NRA, as applicable, which
indicate where improvements are necessary or desirable in order to progressively align the framework with the
IAEA safety standards. These include:
To attract competent and experienced staff, and develop competencies relevant to nuclear and radiation
safety through education, training, research and enhanced international cooperation.
• To amend relevant legislation with the aim of allowing NRA to improve the effectiveness of its inspections.
• To continue and strengthen the promotion of safety culture including a questioning attitude, to achieve a
high level of safety. This is equally applicable to NRA and regulated entities.
• To develop and implement an effective, collaborative process for the exchange of regulatory information
with other regulatory authorities, to provide coordinated and effective regulatory oversight on nuclear and
radiation safety.
• To complete, document and fully implement the integrated management system for all regulatory and
supporting processes needed to deliver NRA mandate.
• To give greater priority to the oversight of the implementation of radiation protection measures.
• To develop requirements and guidance for emergency preparedness and response in relation to radiation
sources.
• To establish requirements to consider decommissioning during all life stages of facilities and activities and
criteria for the release of sites and termination of licensee’s responsibility.
The IRRS team noted that several of these issues were identified by NRA during its self-assessment and that many
relevant actions had already been included in the action plan.
•
The IRRS team findings are summarized in Appendix VI.
An IAEA press release was issued at the end of the IRRS Mission.
10
I.
INTRODUCTION
At the request of the Government of Japan, an international team of senior safety experts met representatives of the
Nuclear Regulation Authority (NRA) of Japan from 11 to 22 January 2016 to conduct an Integrated Regulatory
Review Service (IRRS) mission. The purpose of this peer review was to review the Japan’s regulatory framework
for nuclear and radiation safety. The review mission was formally requested by the Government of Japan in
December 2013. A preparatory mission was conducted 6-7 July 2015 at NRA Headquarters in Tokyo to discuss the
purpose, objectives and detailed preparations of the review in connection with regulated facilities and activities in
Japan and their related safety aspects and to agree the scope of the IRRS mission. Where specific facilities and
activities would not be included in the scope of the IRRS mission, Japan undertook to provide explanation for the
exclusion.
The IRRS team consisted of 19 senior regulatory experts from 17 IAEA Member States, 4 IAEA staff members and
1 IAEA administrative assistant. The IRRS team carried out the review in the following areas: responsibilities and
functions of the government; the global nuclear safety regime; responsibilities and functions of the regulatory body;
the management system of the regulatory body; the activities of the regulatory body including the authorization,
review and assessment, inspection and enforcement processes; development and content of regulations and guides;
emergency preparedness and response; interface with nuclear security; occupational radiation protection, control of
radioactive discharges, materials for clearance, environmental monitoring for public radiation protection, fuel cycle,
waste management and decommissioning. In addition, policy issues were discussed: feedback on the
implementation of the back-fitting system and human resources development programme.
The NRA conducted a self-assessment in preparation for the mission and prepared a preliminary action plan. The
results of NRA’s self-assessment and supporting documentation were provided to the IRRS team as advance
reference material for the mission. During the mission the IRRS team performed a systematic review of all topics
within the agreed scope through review of the Japan’s advance reference material, conduct of interviews and
discussions with NRA commissioners, representatives from management and staff and direct observation of NRA’s
regulatory activities at regulated facilities. Meetings with Cabinet Secretariat (CAS), Office for the Nuclear
Emergency Preparedness (Cabinet office) (CAO), Ministry of Education, Culture, Sports, Science and
Technology (MEXT), Ministry of Health, Labour and Welfare (MHLW), Ministry of Economy, Trade and
Industry (METI), Ministry of Environment (MOE), Japan Atomic Energy Agency (JAEA), National Institute of
Radiological Sciences (NIRS), Tokyo Electric Power Company (TEPCO), Kansai Electric Power
Company (KEPCO), Japan Nuclear Safety Institute (JANSI), etc. were also organized. Furthermore, some IRRS
team members visited some nuclear facilities and interviewed site executives, staff, and NRA regional inspectors,
etc. (see Appendix III).
All through the mission the IRRS team received excellent support and cooperation from the NRA’s management
and staff.
11
II.
OBJECTIVE AND SCOPE
The purpose of this IRRS mission was to review Japan’s radiation and nuclear safety regulatory framework and
activities against the relevant IAEA safety standards to report on regulatory effectiveness and to exchange
information and experience in the areas covered by the IRRS. The agreed scope of this IRRS review included all
facilities and activities regulated in Japan with the exception of the medical and transport facilities and activities. It
is expected that this IRRS mission will facilitate regulatory improvements in Japan and other Member States,
utilising the knowledge gained and experiences shared between the NRA and IRRS reviewers and the evaluation of
Japan’s regulatory framework for nuclear safety, including its good practices.
The key objectives of this mission were to enhance the national, legal, governmental and regulatory framework for
nuclear and radiation safety, and national arrangements for emergency preparedness and response through:
a)
providing an opportunity for continuous improvement of the national regulatory body through an integrated
process of self-assessment and review;
b)
providing the host country (regulatory body and governmental authorities) with a review of its regulatory
technical and policy issues;
c)
providing the host country (regulatory body and governmental authorities) with an objective evaluation of its
regulatory infrastructure with respect to IAEA safety standards;
d)
promoting the sharing of experience and exchange of lessons learned among senior regulators;
e)
providing key staff in the host country with an opportunity to discuss regulatory practices with IRRS team
members who have experience of other regulatory practices in the same field;
f)
providing the host country with recommendations and suggestions for improvement;
g)
providing other states with information regarding good practices identified in the course of the review;
h)
providing reviewers from Member States and IAEA staff with opportunities to observe different approaches
to regulatory oversight and to broaden knowledge in their own field (mutual learning process);
i)
contributing to the harmonization of regulatory approaches among states;
j)
promoting the application of IAEA Safety Requirements; and
k)
providing feedback on the use and application IAEA safety standards.
12
III.
A)
BASIS FOR THE REVIEW
PREPARATORY WORK AND IAEA REVIEW TEAM
At the request of the Government of Japan, a preparatory meeting for the Integrated Regulatory Review
Service (IRRS) was conducted from 6 to 7 July 2015. The preparatory meeting was carried out by the appointed
Team Leader Mr Philippe Jamet, Deputy Team Leader Mr Carl-Magnus Larsson and the IRRS IAEA team
representatives, Mr Gustavo Caruso and Mr Ahmad Al Khatibeh.
The IRRS mission preparatory team had discussions regarding regulatory programmes and policy issues with the
senior management of the NRA represented by NRA Chairman Mr Shunichi Tanaka, other senior management and
staff. It was agreed that the regulatory framework with respect to the following facilities and activities would be
reviewed during the IRRS mission in terms of compliance with the applicable IAEA safety requirements and
compatibility with the respective safety guides:
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
Nuclear power plants;
Research reactors,
Fuel cycle facilities;
Waste management facilities;
Radiation sources facilities and activities;
Decommissioning;
Occupational radiation protection;
Public and environmental exposure control;
Waste management (policy and strategy, predisposal and disposal); and
Selected policy issues.
The NRA made presentations on the national context, the current status of NRA and the self-assessment results to
date.
The IAEA staff presented the IRRS principles, process and methodology. This was followed by a discussion on the
tentative work plan for the implementation of the IRRS in Japan in January 2016.
The proposed composition of the IRRS team was discussed and tentatively confirmed. Logistics including meeting
and work places, counterparts and Liaison Officer identification, proposed site visits, lodging and transportation
arrangements were also addressed.
The NRA Liaison Officer for the IRRS mission was confirmed as Mr Masahiro Aoki.
NRA provided IAEA with the advance reference material (ARM) for the review on 11 November 2015. In
preparation for the mission, the IAEA team members reviewed the Japan’s advance reference material and provided
their initial impressions to the IAEA Team Coordinator prior to the commencement of the IRRS mission.
B)
REFERENCES FOR THE REVIEW
The relevant IAEA safety standards and the Code of Conduct on the Safety and Security of Radioactive Sources,
were used as review criteria. The complete list of IAEA publications used as the references for this mission is
provided in Appendix VIII.
C)
CONDUCT OF THE REVIEW
The initial IRRS team meeting took place on Sunday, 10 January 2016 in NRA, directed by the IRRS Team Leader
and the IRRS IAEA Team Coordinator. Discussions encompassed the general overview, the scope and specific
13
issues of the mission, clarified the bases for the review and the background, context and objectives of the IRRS
programme. The understanding of the methodology for review was reinforced. The agenda for the mission was
presented to the IRRS team. As required by the IRRS Guidelines, the reviewers presented their initial impressions
of the ARM and highlighted significant issues to be addressed during the mission.
The host Liaison Officer was present at the initial IRRS team meeting, in accordance with the IRRS Guidelines,
and presented logistical arrangements planned for the mission.
The IRRS entrance meeting was held on Monday, 11 January 2016, with the participation of NRA commissioners,
representatives from management and staff. Opening remarks were made by Mr Shunichi Tanaka, NRA Chairman,
Mr Jamet, IRRS Team Leader and Mr Caruso, IRRS Team Coordinator. Mr Aoki gave an overview of the Japan
context, NRA activities and the action plan prepared as a result of the pre-mission self-assessment.
During the IRRS mission, a review was conducted for all review areas within the agreed scope with the objective of
providing Japan and the NRA with recommendations and suggestions for improvement and where appropriate,
identifying good practice. The review was conducted through meetings, interviews and discussions, visits to
facilities and direct observations regarding the national legal, governmental and regulatory framework for safety.
The IRRS team performed its review according to the mission programme given in Appendix II.
The IRRS exit meeting was held on Friday, 22 January 2016. The opening remarks at the exit meeting were
presented by Mr Tanaka and were followed by the presentation of the results of the mission by the IRRS Team
Leader Mr Jamet. Closing remarks were made by Mr Juan Carlos Lentijo, IAEA Deputy Director General,
Department of Nuclear Safety and Security.
A joint IAEA and NRA press conference took place at the end of the mission.
An IAEA press release was issued.
14
1.
RESPONSIBILITIES AND FUNCTIONS OF THE GOVERNMENT
1.1.
NATIONAL POLICY AND STRATEGY FOR SAFETY
Japan has a comprehensive legislative and regulatory framework for the peaceful use of nuclear energy and
protection against ionizing radiation. The most important safety principles are enshrined in the Atomic Energy
Basic Act. The Atomic Energy Basic Act states in Article 2, paragraph 2 that, by ensuring the safe use of nuclear
energy, such energy shall be utilized with the objectives of contributing to the protection of people’s lives, health,
and properties, maintaining environmental conservation, and protecting Japan’s national security, based on
established international standards.
In addition, the NRA Establishment Act, the Reactor Regulation Act, the Radiation Hazards Prevention Act and
other relevant acts provide for regulatory policy and implementation methods aimed at promoting safety during all
stages associated with the use of radioactive material, i.e., from cradle to grave, as well as the use of nuclear power,
i.e., from construction to decommissioning of nuclear facilities.
The Japanese government has established a national Strategic Energy Plan, developed by the Agency for Natural
Resources and Energy (ANRE), under Japan’s Ministry of Economy, Trade and Industry (METI). METI’s “Longterm Energy Supply and Demand Outlook” has a horizon out to 2030 and it states the power-source composition
for total generated electricity by 2030 and its goal is for nuclear energy to account for 20% to 22% of the power
generation. The government has stated that nuclear power and usage must be developed with safety as a priority,
with continued focus on ensuring emergency preparedness. This indicates the long-term nature of the nuclear
industry in Japan.
While the Strategic Energy Plan provides national direction for the future of Japan’s nuclear programme, there is no
overarching governmental policy for nuclear safety besides the general policies and strategies enshrined in the
aforementioned Acts. However, the Japanese government has established specific policies and strategies for
specific issues warranting attention. Some of those issued in the last few years, include:
•
The Basic Policy on the Reform of an Organization in charge of Nuclear Safety Regulation;
•
The Policy on Ensuring the Operational Transparency of the Nuclear Regulatory Authority;
•
The Strategy to Make Japan the Safest Country in the World: To secure public safety the government will
continue to implement measures to combat terroristic activities;
•
The Basic Policy for Emergency Decontamination Work.
The implementation of policies and strategies take place according to a two-stage planning process. The NRA
Commission issues the mid-term goals for NRA every 5 years to establish a basic direction for nuclear safety
regulation. In 2015, the Commission issued the current NRA mid-term goals which focus on the following topics:
•
To restore public trust in the nation's nuclear regulation;
•
To ensure strict and appropriate regulation for nuclear facilities;
•
To be vigilant about the decommissioning of Fukushima-Daiichi NPP;
•
To develop technical infrastructure and human resources for nuclear safety;
•
To enhance nuclear security and to ensure implementation of safeguards;
•
To enhance nuclear emergency preparedness and radiation monitoring.
15
The implementation of the NRA mid-term goals is the objective of the annual plans of the NRA. The reporting on
the achievements and activities of NRA to the Diet takes place on a yearly basis.
The IRRS team found that the strategy established by the Japanese government sets out the priorities needed for the
further development of the legal framework and thus implements a graded approach.
1.2.
ESTABLISHMENT OF A FRAMEWORK FOR SAFETY
The legislative and regulatory framework in Japan for nuclear and radiation safety is based on a five-level system:
•
Basic Acts: at the top level define the basic legal framework and policy for the safe use and regulatory
oversight of nuclear energy, and disaster control measures. Basic Acts need to be approved by the
Parliament.
•
Acts: implement the framework defined by the basic acts and form the main legal provisions for the
development and utilization of nuclear energy and the bases for safety regulation, authorisations and
inspection of nuclear facilities. Acts need to be approved by the Parliament
•
Cabinet Orders: Particulars entrusted by the Act. Cabinet Orders are issued by the Cabinet and do not need
to be approved by the Parliament.
•
Ministerial Ordinances: prescribe details as entrusted by the Act. The NRA can issue Ministerial
Ordinances in accordance with Article 26 of the NRA Establishment Act. Some of these Ordinances are
also referred to as NRA Standards.
•
NRA Regulatory Guides: Further particulars or interpretation of the Ministerial Ordinances, acceptable
methods, conditions etc.
In the area of nuclear safety the two following Basic Acts are of importance:
•
The Atomic Energy Basic Act is the most important piece of legislation. It defines the basic principles of
nuclear energy use and safety, and the scope of the subsequent specific Acts.
•
The Basic Act on Disaster Control Measures, covering all the types of disaster, defines the framework for
emergency preparedness and response.
The most important specific Acts in the nuclear field are:
•
The NRA Establishment Act stipulates NRA as a nuclear regulator, and provides details on its authority
and responsibilities.
•
The Reactor Regulation Act provides for regulations on all nuclear facilities and activities in order to
protect the population and the environment from the harmful effects of radioactivity and makes provision
for regulations over controlled nuclear materials, as well as securing the use of nuclear energy for the
peaceful use.
•
The Radiation Hazards Prevention Act imposes regulations on the use, selling, rental, waste
management, and other handling of radioisotopes, use of radiation generating apparatuses, and waste
management and other handling of objects contaminated by radioisotopes or radiation emitted from
radiation generating apparatuses (hereinafter referred to as " radioactive contaminants").
•
The Nuclear Emergency Act stipulates the responsibility of nuclear operators, the procedure for declaring
a nuclear emergency, the establishment of Nuclear Emergency Response Headquarters, and implementation
of emergency response or other measures related to addressing nuclear emergency.
16
•
Acts relevant to the management and disposal of waste (see Chapter 1.7).
The Reactor Regulation Act is enacted by a series of NRA Ordinances covering commercial power reactors, power
reactors at the research and development stage, research reactors, the nuclear facilities at the Fukushima Daiichi
site, and fuel cycle and waste facilities.
In order to incorporate lessons learnt from the TEPCO Fukushima Daiichi accident, NRA established several
“Study Teams” with cooperation of the Japan Nuclear Energy Safety Organization (JNES), Japan Atomic Energy
Agency (JAEA) and other academic experts. The Study Teams developed new regulatory requirements based on
the lessons learned from that accident, the latest technical knowledge, overseas regulatory trends including the
IAEA safety standards and best practices found in other international organizations.
The major amendments subsequently introduced in the revised regulations include inter alia:
•
The establishment of a new independent regulatory body with enhanced powers.
•
The increase of the openness and transparency of regulatory activities.
•
The implementation of important measures in the area of emergency preparedness, including the
involvement of top-level politicians in emergency exercises.
•
The integration of all regulations on power reactors into the Reactor Regulation Act.
•
The enhancing of the regulatory requirements for existing and new plants, notably the strengthening of
measures against natural hazards and severe accidents.
•
The introduction of a back-fitting rule requesting that existing nuclear facilities shall be in compliance with
the newest regulatory requirements.
•
The introduction of an approval system for extension of operation periods of nuclear power plants.
The IRRS team concludes that the Japanese legal framework provides the required basis for regulation of nuclear
and radiation safety within the mandate covered by NRA. The legislative changes and the expediency by which
they have been implemented are recognized as a positive step underpinning and promoting nuclear safety, and are
commended by the IRRS team. The newly introduced back-fitting rule, that requires the application of the same
safety requirements for new as well as for existing nuclear facilities, is one such example of positive change.
With the legislative changes, the licensees have to comply with the requirements of the new legislation before they
can restart their facilities. The IRRS team noted that some NPPs have received and several NPPs might receive in
the near future the NRA’s approval for compliance with the new regulatory requirements.
Facilities in operation combined with the restart programme after an extended shutdown will create additional and
new oversight tasks for NRA. Being a young organisation, NRA should continue its efforts to implement the new
Japanese regulatory framework with a view to strengthening operational safety. Specific attention should be given
to ensuring operational safety at those restarting nuclear facilities that have been shut down for an extended period
of time.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: The legislative changes and the timeliness with which they have been implemented are recognized
as positive steps underpinning and promoting nuclear safety, and are commended by the IRRS team.
(1)
BASIS: GSR part 1 Requirement 2 states that “The government shall establish and maintain an
appropriate governmental, legal and regulatory framework for safety within which responsibilities
are clearly allocated.
17
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
(2)
BASIS: GSR part 3 Requirement 2 states that: “The government shall establish and maintain a
legal and regulatory framework for protection and safety and shall establish an effectively
independent regulatory body with specified responsibilities and functions”.
GP1
Good Practice: The prompt establishment of a legal and governmental framework supporting a
new independent and transparent regulatory body with increased powers.
GP2
Good Practice: NRA’s prompt and effective incorporation of the lessons learnt from the
TEPCO Fukushima Daiichi accident in the areas of natural hazards, severe accident
management, emergency preparedness and backfitting of existing facilities, into the new
regulatory framework.
1.3.
ESTABLISHMENT OF A REGULATORY BODY AND ITS INDEPENDENCE
As a consequence of the TEPCO Fukushima Daiichi accident, Japan has fundamentally revised its regulatory
system and established NRA as a new independent regulatory body with enhanced competencies in 2012. In 2014,
JNES merged with NRA. Under the NRA Establishment Act, NRA now has sole responsibility for regulating
nuclear safety, nuclear security and safeguards based on international commitments, and regulating radiation
monitoring and the use of radioactive isotopes that were formerly handled by a range of administrative bodies.
The NRA is an external bureau of the Ministry of the Environment and therefore clearly separated from METI who
holds jurisdiction over the use of nuclear energy. The NRA has clear authority and competence over safety
regulation, in accordance with the provisions of the Reactor Regulation Act and the Radiation Hazards Prevention
Act. It engages in independent decision-making concerning regulatory activities, such as permits, approvals, and
inspections, including nuclear reactor construction permits, without any involvement by the authorities tasked with
promoting nuclear energy.
The Chairman and Commissioners of NRA are appointed by the Prime Minister, with the consent of the Diet. The
NRA Chairman appoints the staff of the Secretariat of NRA. With the objective of ensuring the independence and
neutrality of regulation, Article 6, paragraph (2) of the Supplementary Provisions of the Act for Establishment of
the Nuclear Regulation Authority stipulates that, following a five-year period of transitional measures after the
entry into force of the Act, staff members of the Secretariat of NRA may not be transferred to any government
organization that has jurisdiction over affairs concerning the promotion of the use of nuclear energy (the so-called
“no-return rule”).
The activities of NRA are financed by the national budget, with budget proposals being submitted to the Ministry
of Finance by NRA. The budget proposals undergo appraisal by the financial authorities, according to the fiscal
situation of the government as a whole. Authorities tasked with promoting nuclear energy are not involved in the
approval process of the NRA budget.
The IRRS team recognised the improvements made by the Japanese government in terms of separating NRA from
promoting ministries, and providing it with the necessary means to act independently from external interests. The
openness and transparency by which NRA acts, and some of the regulatory actions considered by the IRRS team,
also suggests that NRA acts with a high level of integrity, i.e. that NRA in those aspects has demonstrated effective
(de facto) independence.
The IRRS team understands that, following the TEPCO Fukushima Daiichi accident NRA oriented its strategy to
give first priority to the improvement of the nuclear safety regulation. However, in order to implement the newest
international requirements and research results in the radiation protection field, further improvements have to be
implemented (see Recommendation R3).
18
1.4.
RESPONSIBILITY FOR SAFETY AND COMPLIANCE WITH REGULATIONS
The Atomic Energy Basic Act, the Reactor Regulation Act and the Radiation Hazards Prevention Act assign safety
responsibilities to licensees for all activities involving manufacturing, using, storing, transporting or reprocessing
nuclear material and isotopes. The safety responsibility of the licensees is defined principally through legislation
and licensing, continued regulatory oversight, and enforcement throughout all stages in the lifetime of a facility.
This means that NRA is able to ensure that the licensees assume their safety responsibility.
After the TEPCO Fukushima Daiichi accident, the Reactor Regulation Act was amended to better reflect the prime
responsibility for safety of the licensees. The newly introduced Articles 43-3-29 and 57-9 require that licensees of
nuclear power plant shall periodically re-evaluate the safety of their facility and to improve the safety, to enhance
education on operational safety, and to take any other necessary measures for preventing disasters. Similar
requirements exist for fuel cycle facilities and fuel reprocessing facilities.
In addition Article 6, paragraph (9), of the Supplementary Provisions of the NRA Establishment Act explicitly
states that the “Nuclear operators shall be deeply aware that they have the primary responsibility for ensuring the
safety of their nuclear facilities and settling any accident, and shall endeavour to further formulate voluntary
measures…”.
Although Japan has extensive and detailed regulation, the law does not stipulate that compliance with regulations
and requirements established or adopted by the regulatory body relieves the licensees of their responsibility for
safety. The regulations are for the most part stated in general terms, and guidance documents leave the regulated
parties room to propose alternative ways to comply with the regulations.
The responsibility for safety remains with the licensee, even if it chooses to call upon third parties. None of the acts
allows the delegation of licensees’ safety responsibilities to other parties. Licensees are responsible for verifying
that products and services supplied to them by third parties comply with applicable law.
Under the provisions of the Act on Compensation for Nuclear Damage, which provides for liability payments in the
event of a major nuclear accident, it is clear that the industry bears the liability.
1.5.
COORDINATION OF AUTHORITIES WITH RESPONSIBILITIES FOR SAFETY WITHIN THE
REGULATORY FRAMEWORK
In the legal and regulatory framework of Japan, NRA is responsible for nuclear safety regulation. Nevertheless, the
involvement of different governmental organizations is inevitable in the regulatory process for nuclear facilities.
The following authorities have responsibilities related to use of nuclear energy and radiation protection:
•
Cabinet Office: The Office for the Nuclear Emergency Preparedness in the Cabinet Office functions as the
secretariat of the Nuclear Emergency Preparedness Commission and the Nuclear Emergency Response
Headquarters, and coordinates the nuclear emergency preparedness and responses among competent
government offices, local governments, etc. during normal periods and emergencies.
•
Atomic Energy Commission: Responsible for coordination of policy and activities of relevant
governmental organizations for nuclear energy use. The Atomic Energy Commission is under the Cabinet
Office and composed of three Commissioners appointed by the Prime Minister with the Diet’s consent.
•
Ministry of Health, Labour and Welfare (MHLW): Responsible for the medical application of
radioisotopes. Also responsible for occupational safety and health, including radiation protection.
•
Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT): Responsible for nuclear
research policies related to science and technology including promotion of research and development on
19
nuclear energy, human resource development of nuclear researchers and engineers, enhancement of their
qualities, supervision of the Japan Atomic Energy Agency, and national liability for nuclear accidents.
•
Ministry of Economy, Trade and Industry (METI): Responsible for nuclear energy policies including
the development of nuclear power and nuclear fuel cycle facilities, ensuring a stable and efficient supply of
nuclear source materials and nuclear fuel materials, and promotion of radioactive waste disposal generating
from the use of nuclear energy.
•
Other Ministries have duties within their mandate in the areas of transport safety, monitoring of
radioactivity in the environment and the Security of nuclear facilities.
There is extensive coordination by NRA with the Office for the Nuclear Emergency Preparedness. The department
heads of the Office regularly attend the management meetings of NRA.
However, the situation is different in other areas. The following examples where coordination of authorities could
be improved have been identified by the IRRS team:
•
NRA neither coordinates nor exchanges inspection findings with other authorities performing inspections at
licensed facilities in areas that influence nuclear or radiation safety.
•
The NRA outsources certain inspection activities to Registered Inspection Bodies but does not exercise
sufficient regulatory oversight to ensure the quality of their work and confidence in their assessments.
•
MHLW, MEXT, MOE and NRA all have responsibilities on radiation safety, but there is no coordination on
radiation safety research.
The IRRS team confirmed that the existing arrangements among various authorities in several cases do not ensure
the timely exchange of information regarding authorisations, inspections and enforcement actions to provide for
coordinated and effective regulatory oversight as well as for the harmonization of the regulations under their
respective responsibilities.
The NRA can provide the head of the relevant administrative organ with recommendations on matters for ensuring
safety in the use of nuclear energy and request them to make a report concerning the measures that they have taken
based on said recommendations.
There is one recent example of such a recommendation. As a result of a series of safety-related compliance issues
and enforcement actions associated with the operation of the Monju Sodium Fast Reactor, NRA used this authority
to recommend MEXT the replacement of JAEA by another operator. MEXT may also opt to revise the state of
Monju fundamentally in order to reduce clearly the safety risks.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: The existing arrangements in several fields, namely in the areas of inspection, radiation protection
research and the new regulations for emergency workers, do not sufficiently ensure the timely exchange of
information regarding authorisations, inspections, oversight of outsourced inspection bodies and enforcement
actions to provide coordinated and effective regulatory oversight as well as for the harmonization of the
regulations under their respective responsibilities.
(1)
BASIS: GSR, Part 1 Requirement 7 states that “Where several authorities have responsibilities
for safety within the regulatory framework for safety, the government shall make provision for the
effective coordination of their regulatory functions, to avoid any omissions or undue duplication and
to avoid conflicting requirements being placed on authorized parties.”
R1
Recommendation: The government should ensure that the Japanese regulatory authorities
having responsibilities relevant to nuclear and radiation safety develop and implement an
20
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
effective, collaborative process for the exchange of information regarding policies,
authorisations, inspections and enforcement actions to provide coordinated and effective
regulatory oversight that should also ensure a harmonized regulatory framework under their
respective responsibilities.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: NRA does not coordinate nor exchange information about inspections with other regulatory bodies
performing inspections at licensed facilities in areas that are influencing the nuclear or radiation safety like
radiation protection or fire protection.
NRA outsources certain inspection activities to Registered Inspection Bodies but does not exercise sufficient
regulatory oversight to ensure the quality of their work and confidence in their assessments.
(1)
(2)
S1
1.6.
BASIS: GSR Part 1 Requirement 29 Paragraph 4.53 states that “In conducting inspections, the
regulatory body shall consider a number of aspects, including:
- Liaison with the relevant organization for joint inspections, where necessary.”
BASIS: GSR Part 1 Requirement 20 Paragraph 4.19 states that “Technical and other expert
professional advice or services may be provided in several ways by experts external to the regulatory
body. The regulatory body may decide to establish a dedicated support organization, in which case
clear limits shall be set for the degree of control and direction by the regulatory body over the work
of the support organization. Other forms of external support would require a formal contract
between the regulatory body and the provider of advice or services”.
Suggestion: NRA should consider improving its liaison with the relevant organizations for joint
inspections and oversight of outsourced inspections.
SYSTEM FOR PROTECTIVE ACTIONS TO REDUCE EXISTING OR UNREGULATED
RADIATION RISKS
The measures concerning safety control and management of disused or orphan radioactive sources are stipulated in
the Radiation Hazards Prevention Act and its Ordinances. The responsibility for disused or orphan sources rests
with the owner of the site or facility where the source was found. On request of NRA, the source has to be collected
by an authorized operator and disposed as radioactive waste at an authorized facility.
In cases where the owner of a disused or orphan radioactive source cannot be identified, NRA coordinates relevant
ministries and agencies and other organizations to ensure the safe disposal of the source.
The Radiation Hazards Prevention Act regulates the handling and the use of inter alia radioisotopes in order to
prevent radiation hazards due to such activities and to ensure public safety. The Radiation Hazards Prevention Act
regulates the handling and the use of inter alia radioisotopes, not including nuclear source material and nuclear fuel
material, in order to prevent radiation hazards due to such activities and to ensure public safety. The scope of the
Act covers artificial as well as naturally occurring radioactive material (NORM). The use of nuclear source material
and nuclear fuel material, including NORM, is regulated under the Reactor Regulation Act.
The situation in Fukushima prefecture can be considered as an existing exposure situation as defined by the ICRP
recommendations. Based on the Disaster Prevention Basic Act the government has established the Disaster
Countermeasure Plan. The comprehensive and multi-layered measures to support the evacuees are based on this
Plan. It should be noted that the handling of exposures of the general public and the associated policies with regard
to evacuation, and lifting of evacuation orders, is not within the scope of this IRRS mission.
21
1.7.
PROVISIONS FOR THE DECOMMISSIONING OF FACILITIES AND THE MANAGEMENT OF
RADIOACTIVE WASTE AND OF SPENT FUEL
The Reactor Regulation Act and the Radiation Hazards Prevention Act provide regulations for the safe
decommissioning of facilities and for the safe management of radioactive waste and spent fuel.
Decommissioning
The Reactor Regulation Act stipulates the requirements for decommissioning according to each facility and activity
specified in the Reactor Regulation Act. Before starting decommissioning, the licensees shall prepare a
Decommissioning Plan and modify their Operational Safety Programme in order to implement the
Decommissioning Plan. These plan and programme have to be approved by NRA. The criteria for approval of
Decommissioning Plans are specified in Article 119 of the NRA Ordinance Concerning the Installation and
Operation of Commercial Power Reactors.
After completion of decommissioning the licensee has to submit an application to NRA for the Completion of
Decommissioning Confirmation (CDC). The issuing of the CDC by NRA means that the establishment permit of
the nuclear facility rescinds. The CDC and the ensuing release from regulatory control are based on the criteria
specified in Article 121 of the NRA Ordinance Concerning the Installation and Operation of Commercial Power
Reactors. However, this Ordinance does not include clearly defined criteria for the allowable residual radioactivity
of the soil and on remaining buildings on the sites of the decommissioned facilities as identified in the NRA selfassessment (see Recommendation R8).
Radioactive Waste and Spent Fuel
The Reactor Regulation Act regulates all the stages for all nuclear facilities including the interim storage of spent
fuel, radioactive waste disposal and reprocessing of spent fuel.
While there is currently no single consolidated document that addresses the IAEA requirements related to
radioactive waste management policy and strategy, it was noted that Japan has considered some of the key elements
within the existing legislative framework and policy statements issued by the ministries METI and MEXT. The two
ministries METI and MEXT are responsible for developing policies for radioactive waste arising from commercial
nuclear facilities and research institutions, universities, medical institutions, and private organizations. Japan has a
stated policy that promotes reprocessing of spent nuclear fuel. In practice Japan has undertaken reprocessing of
spent fuel both locally and at facilities in the United Kingdom and France. The use of plutonium in light water
reactors is also actively pursued. The option of reprocessing is used as a means of reducing the overall volumes of
high level waste that will require eventual disposal.
The Final Disposal Act provides the basic framework for undertaking the final disposal of high level radioactive
wastes generated from spent fuel reprocessing. The Act for Deposit and Administration of Reserve Funds for
Reprocessing of Spent Fuel from Nuclear Power Generation requires the operators of commercial power reactors to
deposit the funds for spent fuel reprocessing in a fund administration corporation. The objective of the Act is to
ensure the proper implementation of spent fuel reprocessing, disposal of radioactive wastes generated from
reprocessing, and disassembling of reprocessing facilities.
A geological disposal facility is planned to be sited and constructed in the future. To this end a waste management
agency, namely the Nuclear Waste Management Organization (NUMO) has been established under METI and this
entity is tasked to develop the concept.
The funds for the disposal of high level radioactive waste of commercial power reactors are ensured by the
licensees of those nuclear facilities, through the Final Disposal Act. METI reviews the level of funding and informs
utilities of their obligations for further funding.
22
1.8.
COMPETENCE FOR SAFETY
Licensed staff
To ensure the competence of licensees, the Reactor Regulation Act requires licensees to have the technical
competence necessary to install systems, structures and components and to operate them, and, if required, to take
measures to prevent and mitigate severe accidents. Specific review criteria for these capabilities are provided for in
the NRA standards, such as the Review Standards for the sufficient Technical Capability of Power Reactor
Establishers of Commercial Power Reactors to Implement Measures Necessary for Preventing the Occurrence and
Expansion of Severe Accidents.
According to Article 43-3-24 of the Reactor Regulation Act, the licensees have to establish an Operational Safety
Programme that specifies the education on operational safety for operational staff, and the continuous planning,
implementation, evaluation, and improvement of operational safety activities including education and training. The
NRA reviews the Operational Safety Programmes and can request modifications if needed. The compliance of the
licensees with their Operational Safety Programmes is regularly inspected by NRA.
The supervisor responsible for the technical and safety aspects of a nuclear facility is appointed by the licensee and
needs a license certificate as “Chief engineer of reactors” or “Chief engineer of nuclear fuel” or “Radiation
Protection Supervisor” depending on the type of the facility by NRA. The supervisor position is designated as
“Chief engineer of reactors” or “Chief engineer of nuclear fuel” or “Radiation Protection Supervisor” depending on
the type of the facility.
The qualification examination consists of a written and an additional oral examination for some qualifications, both
organised by NRA or Registered Examination Body. The certificate for “Chief engineer of reactors” and “Chief
engineer of nuclear fuel” are issued by NRA to persons who have passed state examinations. As for “Radiation
Protection Supervisor”, its certificate is issued by NRA after passing mandatory course organised by Registered
Certification Training Body and the written examination by Registered Examination Body. There are no legal
requirements regarding educational background, experience, training or refresher training of the qualified examinee
in general.
Regulatory body
NRA has been established as an external governmental organization, according to Article 3, paragraph (2), of the
National Government Organization Act and has the similar status as a ministry. The staff members of NRA are
civil servants and are categorised as administrative staff (technical staff and admin. staff) and researchers. NRA
staff follow the position exchange practice of the Japanese administration. This practice requires that the members
of the general management of NRA have to change their position every 2 to 3 years. More details on NRA’s
organizational structure and resources are provided in Chapter 3 of this report.
The IRRS team was informed that because of the new status of NRA the majority of these position changes take
place within NRA itself and therefore do not lead to know-how drain. Since the establishment of NRA the rate at
which the staff is leaving NRA has reduced, but still amounted to 16.6% in the year 2015. In addition it has to be
mentioned that researchers and inspectors have less stringent position exchange requirements than the general
management staff and are therefore less challenged by the abovementioned position exchange practice. Of note, the
rate at which the technical staff are leaving NRA amounted to 7.0% in 2015.
With regard to the competency of the NRA staff, NRA has recently specified the required competences for each
rank and position. The NRA Establishment Act requires that training programmes, including facilities to improve
their professional skills, be established and that finance for human resource development be secured. The practical
implementation of these legal requirements is one of the top priorities of NRA’s mid-term planning and is also part
of the NRA’s self-assessment Action Plan.
23
NRA actually established its own training infrastructure, namely the Human Resource Development Centre and the
Nuclear Safety Training Facility and has developed different training programmes, such as training for new
employees and training for acquiring qualifications including basic training for nuclear safety inspectors. A full
scope simulator is under preparation and will be available from March 2016.
The Nuclear Safety Training Centre of the Human Resource Development Centre in Hitachinaka city is equipped
with a model of a nuclear power station and cutaway models of components of NPPs and equipment to train the
conducting non-destructive inspections. In order to enhance the basic understanding of reactor operation a simple
simulator is available.
The IRRS team recognised that the development and maintenance of the technical competence of the NRA staff is
one of the priorities identified in NRA’s self-assessment Action Plan and has been included as one of the five
NRA’s mid-term plan goals. Appropriate training infrastructure is currently being established. Although the
situation regarding loss of competence because of the position exchange practice of the Japanese administration has
been improved, the rate at which the technical staff are leaving NRA is still high (see Recommendation R5 and
Suggestion S2).
R&D and Academic Institutions
The academic institutions are a source of specialists to the nuclear sector and in Japan the Government is
responsible for funding of basic university training in this area. The nuclear safety research and the regulatory
research are carried out by NRA, the Japan Atomic Energy Agency (JAEA) and the National Institute of
Radiological Sciences (NIRS), respectively.
Since the integration of the former Japan Nuclear Energy Safety Organization (JNES), NRA has established a
dedicated Regulatory Standard and Research Department serving as an internal TSO. Its research is focused on
development of safety standards and regulatory requirements and has the following priorities:
•
Regulatory challenges associated with decommissioning of Fukushima Daiichi NPP
•
Measures against natural hazards inducing common cause failures which may result in severe accidents
•
Enhancement of scientific and technical knowledge concerning measures against severe accidents
•
Development of technical infrastructure to support the above activities.
JAEA and NIRS function as external TSOs for NRA. JAEA has of a dedicated group for nuclear safety research.
NIRS covers the research related to radiation safety and radiation medicine.
Within the framework of its self-assessment Action Plan, NRA indicated that it intends to increase the financial
contribution for JAEA’s nuclear safety research and to strengthen the cooperation between NRA and JAEA in
research fields. It is planned to intensify the deployment of NRA staff to the nuclear safety research group of JAEA
in order to develop and maintain technical competence of the regulatory body.
The IRRS team was informed that the research and education activities related to radiation safety have tended to
decrease and that there are no plans for NRA to address this situation (see Recommendation R3).
1.9.
PROVISION OF TECHNICAL SERVICES
The Japanese government has a limited number of legal provisions for technical services related to personal
dosimetry, environmental monitoring and the calibration of equipment.
There is no general authorization or approval process for technical services in Japan. However, licensees include
the procurement managements of the technical services in their Operational Safety Programmes. The NRA reviews
24
these Operational Safety Programmes and can request modifications if needed. The compliance of the licensees
with their Operational Safety Programmes is regularly inspected by NRA.
The technical services for nuclear facilities, including the central dose register, are mainly provided by private
enterprises or government agencies such as the JAEA, which is a TSO of NRA.
There is a requirement for yearly calibration of workplace measuring equipment and, devices but not for measuring
equipment for monitoring for public radiation protection.
In summary the IRRS team has concluded that the responsibilities of licensees regarding the technical services are
regulated in compliance with the relevant IAEA requirements; however there are no legal requirements for
providers of technical services in the areas of nuclear safety and radiation protection.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: The service providers for occupational and public monitoring for radiation protection are not
subject to an approval or authorization process by the NRA and there are no requirements on the necessary
technical quality of the services provided.
(1)
BASIS: GSR Part 3 requirement 25 para. 3.99 states that: Employers, as well as self-employed
persons, and registrants and licensees shall be responsible for making arrangements for assessment
of the occupational exposure of workers, on the basis of individual monitoring where appropriate,
and shall ensure that arrangements are made with authorized or approved dosimetry service
providers that operate under a quality management system.
(2)
BASIS: GSR Part 3 requirement 32 para. 3.135 states that: “The regulatory body shall be
responsible, as appropriate, for: … (i) Verifying compliance with the requirements of these
Standards in respect of public exposure in planned exposure situations …”
(3)
BASIS: GSR Part 1 requirement 13 para. 2.41 states that: “Technical services do not necessarily
have to be provided by the government. However, if no suitable commercial or non-governmental
provider of the necessary technical services is available, the government may have to make
provision for the availability of such services. The regulatory body shall authorize technical services
that may have significance for safety, as appropriate.
(4)
BASIS: GSR Part 3 requirement 14 para. 3.37 and 3.38 state that: “3.37. The Regulatory Body
shall establish requirements that monitoring and measurements be performed to verify compliance
with the requirements for protection and safety. … 3.38. Registrants and licensees and employers
shall ensure that: … (a) Monitoring and measurements of parameters are performed as necessary
for verification of compliance with the requirements of these Standards; (b) Suitable equipment is
provided and procedures for verification are implemented; (c) Equipment is properly maintained,
tested and calibrated at appropriate intervals with reference to standards traceable to national or
international standards; …”
R2
Recommendation: The Government should empower the regulatory body 1 to establish
requirements for authorization or approval processes for service providers for monitoring of
occupational and public exposures, and environmental monitoring in general, and verify that
these requirements are met by licensees.
1
An authority or a system of authorities designated by the government of a State as having legal authority for conducting the regulatory process, including
issuing authorizations, and thereby regulating the safety of nuclear installations, radiation safety, the safety of radioactive waste management and safety in the
transport of radioactive material (IAEA Safety Glossary, 2016 Edition).
25
1.10.
SUMMARY
The national policy and strategy for safety of Japan is mainly set out in laws, in particular in the Atomic Energy
Basic Act, supported by a comprehensive framework for safety.
Japan has fundamentally revised its regulatory system. The establishment of a framework supporting a new
independent and transparent regulatory body with increased powers, as well as the prompt and effective
incorporation of the lessons learnt from the TEPCO Fukushima Daiichi accident in the areas of natural hazards,
severe accident management, emergency preparedness and backfitting of existing facilities, into the Japanese legal
framework is considered to be a good practice.
The IRRS team has also identified areas where further improvements can be made:
•
The government and NRA should continue their efforts to implement the new Japanese regulatory
framework to strengthen operational safety taking into account the potential restart of a number of nuclear
installations. Specific attention should be given to ensuring operational safety at those nuclear installations
that have been shut down for an extended period of time.
•
The existing arrangements in several fields, namely in the areas of inspection, radiation protection research
and the new regulations for emergency workers, do not sufficiently ensure the effective coordination
between involved authorities and should be improved,
•
The service providers for occupational and public monitoring for radiation protection should be subject to
an approval or authorization process by the regulatory body.
26
2.
2.1.
THE GLOBAL SAFETY REGIME
INTERNATIONAL OBLIGATIONS AND ARRANGEMENTS FOR INTERNATIONAL
COOPERATION
Conventions, treaties and codes of conduct
Japan is a contracting party to all the conventions on nuclear safety under IAEA auspices: the Convention on
Nuclear Safety, the Convention on Early Notification of a Nuclear Accident, the Convention on Assistance in the
Case of a Nuclear Accident or Radiological Emergency, the Joint Convention on the Safety of Spent Fuel
Management and on the Safety of Radioactive Waste Management, the Convention on the Physical Protection of
Nuclear Material and the Nuclear Non-Proliferation Treaty.
In addition to the legally-binding international treaties and conventions, the Japanese government has officially
committed to the IAEA to implement the Code of Conduct on the Safety and Security of Radioactive Sources, the
Supplementary Guidance on the Import and Export of Radioactive Sources, and the Code of Conduct on the Safety
of Research Reactors in the national legislation.
Multilateral and bilateral activities
Japan is member of the International Nuclear Regulators’ Association (INRA) and participates in the activities of
the Asian Nuclear Safety Network (ANSN), Regulatory Cooperation Forum (RCF) of the IAEA for the
enhancement of nuclear safety. Japanese delegations participate in the Commission on Safety Standards (CSS) of
the IAEA and the five relevant subcommittees and in the seven standing committees of the OECD/NEA, in the
Multinational Design Evaluation Programme (MDEP) and in international joint research projects under the
auspices of OECD/NEA.
NRA has signed information exchange arrangements under the government-to-government agreements for
cooperation in the peaceful uses of nuclear energy with the regulatory bodies of United States, France, and the
United Kingdom, and information exchange memoranda with its counterparts of Spain, Germany, Sweden, Canada,
Finland, Russian Federation, Lithuania, Turkey, and Vietnam. The NRA also participates in the Top Regulators’
Meeting on Nuclear Safety, a tri-lateral information exchange framework among Japan, China, and the Republic of
Korea.
International peer reviews
In the year 2007 Japan invited its first IRRS mission; however, this mission was not followed up. The first
Operational Safety Review Team Mission (OSART) of the IAEA reviewed the Takahama nuclear power plant in
the year 1988. Since then Japan invited 5 further OSART-Missions.
Japan is also encouraging its own nuclear experts to participate in the international review missions. However,
NRA recognizes the limitation of its contribution, since their staffs has not been able to provide sufficient feedback
to other countries’ regulatory activities. Within the frame of its Action Plan NRA intends to increase its resources
attributed to international peer reviews and to train its technical staff in order to be able to constructively participate
in international peer reviews (see also Chapter 3).
International assistance programmes
It is part of NRA’s policy to support nuclear regulatory bodies, especially from embarking countries. More
specifically the Human Resource Development Centre of NRA provides a wide range of training programmes
including basic training and training in safety review techniques. Up to now staff members of the Vietnamese and
Turkish authorities have been trained in Human Resource Development Centre. Additional seminars have been
organised in Vietnam and Turkey. A further training programme is planned for Lithuania.
27
2.2.
SHARING OF OPERATING EXPERIENCE AND REGULATORY EXPERIENCE
Based on the NRA Ordinance Concerning the Installation and Operation of Commercial Power Reactors NRA has
established an Operational Experience Feedback (OEF) programme. Both the licensees and NRA undertake OEF.
National OEF
After an accident or incident has occurred, the licensee is required to immediately report it to NRA. A follow-up
report has to be delivered within 10 days followed by an evaluation report on the causes and counter measures to
prevent the same accidents or incidents. In response to the report from a licensee, NRA publicizes the details of the
reported events, NRA’s responses and the provisional INES rating of the event.
The licensees are also required to revise the Operational Safety Programmes to ensure the implementation of the
preventive measures in relevant facilities, if needed.
International OEF
In addition to the above mentioned national information, NRA collects information on operational experience from
a range of sources worldwide, including the IRS data base of IAEA and OECD/NEA, FINAS report of the IAEA,
U.S. NRC’s Bulletins, Generic Letters, Information Notice, Regulatory Issue Summaries, Licensee Event Report
(LER) etc. The information collected covers all nuclear facilities, including commercial reactors, nuclear reactor at
a stage of research and development, research reactors, and reprocessing facilities.
The analysis of the information at NRA consists of four screening and analysis steps. In the first step the national or
international information is screened in order to identify technical and regulatory aspects that are of potential
importance for Japan. This screening is refined in the second step by an in-house working group of the secretariat
of NRA. Issues that may require technical or regulatory measures are then analysed in detail by the Technical
Information Committee. This Committee, composed of senior management of NRA, prepares a report on actions
and counter measures to prevent the same accidents or incidents.
The report of the Technical Information Committee is finally reviewed by the Reactor Safety Examination
Committee or the Nuclear Fuel Safety Examination Committee in order to receive additional advice regarding the
improvement of the regulation. Any matters identified by this process, that are deemed to require regulatory action
are classified as “technical information requiring action”, and are accordingly reflected in regulatory activities.
Final decision on the required activities is made by the Commission.
Similar processes take place on behalf of the licensees, based on the technical information and review mission
findings provided by the IAEA.
Dissemination of lessons learned and their use
NRA has established regulatory requirements in order to ensure that the lessons learned from operating and
regulatory experience are shared between all the licensees. In addition, the OEF results are regularly discussed at
meetings organized by the Secretariat of NRA, JAEA, and the Japan Nuclear Safety Institute (JANSI).
Internationally, NRA staff is participating in international meetings relevant to the feedback of operational
experience, such as the IRS meetings organized jointly by the IAEA and the OECD/NEA and the meeting of the
Working Group on Operating Experience (WGOE) of CNRA (Committee on Nuclear Regulatory Activities) of
the OECD/NEA.
On the whole, the IRRS team found that the key elements of IAEA Safety Guide NS-G-2.11 have been
implemented.
28
2.3.
SUMMARY
The IRRS team concluded that Japan and NRA fulfil their international obligations. They participate in the relevant
international arrangements and have implemented a system for the feedback of operational experience.
Although nuclear experts from Japan already participate in international review missions, NRA plans to increase its
resources attributed to international peer reviews and to train its technical staff in order to be able to actively
participate in the missions.
29
3.
RESPONSIBILITIES AND FUNCTIONS OF THE REGULATORY BODY
The Act for Establishment of NRA, promulgated on 27 June 2012, established NRA as a new regulatory body in
Japan to oversee nuclear and radiation safety with the objectives of protecting people, the environment and
maintaining Japan’s national security. NRA is still a young organization although many of its staff members had
been employed by the previous regulator. NRA has experienced major organisational growth and changes during its
first three years of existence, and is still developing its management system, organisational culture and broader
capability. This together with a significant workload caused by the implementation of new regulations and the need
to review applications to examine their conformity under new safety standards of the nuclear power plants after
TEPCO Fukushima Daiichi accident represent a major challenge for NRA.
Tasks and authorities of the NRA are defined mainly in the Act on the Establishment of the NRA, the Reactor
Regulation Act, the Radiation Hazards Prevention Act and in the Nuclear Emergency Preparedness Act. NRA is
tasked with regulating safety, security and safeguards with regard to the use of nuclear energy and the use of
radiation (with certain exceptions such as transport of radioactive materials, and medical use of radiation and the
setting of dose limits, which is under the responsibility of the Ministry of Land, Infrastructure and Transport, MLIT
and the Ministry of Health, Labour and Welfare, MHLW, respectively) and is required to conduct environmental
monitoring in co-operation with local authorities. NRA has authority to establish NRA Ordinances to implement
laws and cabinet orders within its assigned duties. NRA also has authority to issue licenses and approvals for the
nuclear facilities and radiation activities as well as to conduct inspections to verify compliance with regulatory
requirements. In cases of non-compliance, the legislation provides the NRA with enforcement powers and tools that
enable it to require corrective measures from the operators to address the non-compliance and restore safety.
Due to the current situation following the TEPCO Fukushima Daiichi accident the NRA oriented its strategy to give
priority to the improvement of nuclear safety. As a consequence, NRA is focusing its efforts towards nuclear safety
regulations, research and review of applications of the nuclear power plants under new safety standards. While this
is important and understandable, the IRRS team is concerned that NRA may not allocate sufficient priority and
resources to its responsibilities in respect of other facilities and activities, and radiation protection. For instance, in
its Commission meeting on 13 January 2016, priorities for fiscal year 2016 were discussed. A question was raised
whether radiation protection resources and research activities had been inadequately addressed in the priorities
for 2016. The decision of the Commission was to discuss priorities for radiation protection resources and research
when planning the activities for the fiscal year 2017. The IRRS team highlights that, the NRA has to ensure it has
sufficient capacity in terms of number of qualified and experienced staff in radiation protection in order to
adequately fulfil its responsibilities. This should be considered when implementing measures to increase the
qualification of NRA staff (see Recommendation R5).
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: Due to the current situation following the TEPCO Fukushima Daiichi accident the NRA has
oriented its strategy to give first priority to the improvement of nuclear safety regulation, research and review of
applications of the nuclear power plants under NRA standards. While this is important and understandable, the
IRRS team is concerned that the NRA, while supported by NIRS, may not be allocating sufficient priority and
resources to its responsibilities in the radiation protection area.
(1)
(2)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 16, para. 4.5 states that “The regulatory body has the
responsibility for structuring its organization and managing its available resources so as to fulfil its
statutory obligations effectively. The regulatory body shall allocate resources commensurate with the
radiation risks associated with facilities and activities, in accordance with a graded approach.”
BASIS: GSR Part 1 Requirement 20, para. 4.22 states that “The obtaining of advice and
assistance does not relieve the regulatory body of its assigned responsibilities. The regulatory body
30
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
R3
3.1.
shall have an adequate core competence to make informed decisions. In making decisions, the
regulatory body shall have the necessary means to assess advice provided by advisory bodies and
information submitted by authorized parties and applicants.”
Recommendation: NRA should put greater priority and allocate more resources on its oversight
of the implementation of radiation protection measures by licensees as well as its participation
in the development of international standards in radiation protection and related research
activities in collaboration with NIRS.
ORGANIZATIONAL STRUCTURE OF THE REGULATORY BODY AND ALLOCATION OF
RESOURCES
The head of NRA is the Chairman of its Commission, which is made up of five members appointed by the Prime
Minister with the consent of the Diet. The Secretariat of NRA consists of three departments as well as an
administration. NRA has 22 regional offices at locations near nuclear sites. The three departments are:
•
The Regulatory Standard and Research Department, which formulates standards and guidelines, and
conducts safety research in a variety of areas, including reactor systems, severe accidents, nuclear fuel and
waste, seismicity and tsunamis;
•
The Radiation Protection Department, which is responsible among other things for establishing an EPR
system and implementing initial emergency response, establishing physical protection of nuclear materials,
organizing radiation monitoring activities, implementing regulation of the use of radioisotopes, and
implementing safeguards in accordance with international agreements;
•
The Nuclear Regulation Department, which consists of one coordination Division and seven Divisions
implementing regulation over specific nuclear facilities and activities, inspections of nuclear reactors,
research reactors, decommissioning, nuclear fuel facilities, transport and storage and disposal of radioactive
waste, and establishing measures against earthquakes and tsunamis
The organizational structure of NRA reflects its main tasks. The majority of NRA’s professional staff is allocated to
regulatory functions related to the safety of nuclear facilities to undertake review and assessment, inspections and
regulations and safety research.
Based on the observations made during the IRRS mission across the different modules reviewed, it is not obvious
that the structure of NRA and the management of its resources ensure that NRA performs its functions as efficiently
and effectively as possible. It appears that the departments and divisions work in an isolated manner, which
promotes a silos approach, although their tasks’ have several similarities. For instance, the department responsible
for Nuclear Regulation has separate divisions and processes for inspections, review and assessment on BWR and
PWR. It might be worthwhile for NRA to consider if this organizational arrangement is effective and efficient. In
addition, the manner which NRA is currently developing its management system processes without establishing
cross-cutting core processes, particularly for authorization, review and assessment, inspection and enforcement,
creates the possibility for inconsistency in regulation and supports the IRRS team’s observation on isolation.
The NRA has developed a mid-term strategy for 2015-2019, which sets priorities and goals for NRA to allocate its
resources. NRA can decide on the goals and priorities, and the use of resources without consent from other
organisations. On the other hand, NRA does not collect information from licensees and other interested parties
when planning for the next fiscal year. This would improve NRA’s co-operation with other ministries and agencies
as well as create opportunities to allocate its resources needed for the oversight of authorised parties more
accurately and with a graded approach.
31
The fulfilment of NRA’s annual goals is monitored semi-annually, and priorities are evaluated quarterly by
management. NRA does not have a way to track how resources are used in different regulated areas. For instance it
is not possible to know how many hours or days have been spent on e.g. inspection activities at nuclear reactors or
on radioisotopes, or on review and assessment of nuclear reactors, fuel cycle facilities or research reactors. This,
together with the initial status of the development and implementation of the management system (see chapter 4),
does not enable the NRA to measure the efficiency of its processes and determine if its resources are used both
efficiently and commensurate with the risks associated with regulated facilities and activities
The IRRS team considers that the current organisational structure of the NRA, its way of planning the annual
activities and lack of measures to assess organizational performance and use of resources is not optimal for the
NRA to discharge its responsibilities and perform its functions efficiently and effectively and in a manner
commensurate with the radiation risks associated with facilities and activities.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: The current organisational structure of the NRA, its way of planning the annual activities and lack
of measures to assess organizational performance and use of resources is not optimal for the NRA to discharge
its responsibilities and perform its functions efficiently and effectively in accordance with a graded approach.
3.2.
(1)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 16, para. 4.5 states that “The regulatory body has the
responsibility for structuring its organization and managing its available resources so as to fulfil its
statutory obligations effectively. The regulatory body shall allocate resources commensurate with the
radiation risks associated with facilities and activities, in accordance with a graded approach.”
R4
Recommendation: NRA should evaluate the effectiveness of its current organisational
structure, implement appropriate cross cutting processes, strengthen the collection of
information from interested parties when planning its annual activities and develop tools to
measure its performance and use of resources.
EFFECTIVE INDEPENDENCE IN THE PERFORMANCE OF REGULATORY FUNCTIONS
The Act for Establishment of NRA provides the legal basis for the independence of NRA. It describes NRA’s
governmental position and regulatory duties, as well as its regulatory powers, and defines no other responsibilities
or duties to the NRA that would be in conflict with its regulatory control. Financial resources of NRA are currently
adequate and allocated from the government budget. Budgeting of NRA is decided by the Ministry of Finance
based NRA’s budgeting proposal. Up to now NRA budget has been approved as suggested. As concluded in
Chapter 1.3, the provisions in the legislation and in policy decisions allow for the effective independence of NRA.
One of the necessary elements in achieving effective independence is the competence of the staff to make
decisions. As described in Chapter 3.1, NRA has identified a shortage of qualified staff and has proposed measures
to fill these gaps (see Chapter 3.3) to ensure adequate capacity and independence in decision making.
Management routine oversight and regular discussions between the management and staff ensure that staff remains
independent. New NRA staff receives training on the core values and principles that highlight the independent
decision-making and priority to safety. Training on the safety culture statement, which endorses the same priorities,
will follow. If a new person is recruited from the regulated industry, he or she is not allowed to take part in the
oversight of the activities of his or her previous organization. NRA has a process, although not formalized, to
address differing views within NRA.
3.3.
STAFFING AND COMPETENCE OF THE REGULATORY BODY
The number of full time staff at the NRA is currently 920. In addition, there are 330 part time employees. The
number of staff at the NRA has been increasing significantly over the past two years, mostly due to the merging of
32
the former technical support organisation JNES with NRA in 2014. NRA staff members are civil servants
consisting of inspectors, reviewers, researchers and administrative staff, with more than 80 % having a technical
background. There are career paths for changing jobs.
As a result of the self-assessment, NRA has identified that it does not have a sufficient number of qualified staff for
performing the assigned responsibilities. This conclusion originates from generic conclusions of the TEPCO
Fukushima Daiichi accident lessons learned. As mentioned previously, NRA is facing a heavy work load caused by
the increased amount of review and assessment work due to the establishment and implementation of new
regulations on nuclear power plants combined with the applications under the new safety standards. It is also
expected that verification of compliance with the new requirements will result in an additional demand for
inspections. As a consequence, NRA has identified a need for additional resources in the area of review and
assessment (e.g. expertise in severe accidents and extreme external events), inspection activities as well as in the
security of radioactive sources. NRA has also identified a lack of competent people to participate in international
activities and co-operation.
NRA has developed competence profiles and qualification criteria for different positions in each department and is
evaluating how inspectors fulfil the criteria. The evaluation of reviewers and researchers will follow later. The
IRRS team observed that NRA has not identified human and organizational factors (HOF), safety culture, and
management system as part of the competency profiles; even though these areas are essential in assessing
licensees’/applicants’ safety submissions. The NRA should ensure that relevant competencies and their criteria are
covered in the competence management programme and that they are adequately communicated in the
organisation. With regards to competencies on human and organizational factors (HOF), safety culture and
management system, the NRA should ensure, as appropriate, that these are addressed in the regulatory inspections
of licensees’ operational safety programmes.
In order to meet the competence profiles NRA has established training programmes, which are currently being
implemented for new entrants as well as for mid-career entrants. According to NRA, IAEA guidance has been
followed to develop both competence management and training programmes. The IRRS team identified needs to
ensure that training of the staff, in particular for inspectors and reviewers (see Chapters 6 and 7), is implemented
and is adequate both in duration and content, including retraining.
NRA has identified several actions in its Action Plan to develop adequate amount of qualified resources. NRA has
already adopted a “basic policy for human resource development” and a “Model career path for NRA personnel”.
Implementation of the policy has begun by developing processes for both competence and knowledge management.
However, processes are not yet fully implemented or formalised within the management system. Measures in the
Action Plan include recruiting experienced people outside the NRA as well as further education and training of
NRA’s staff. Practical measures to achieve required competencies are training, on the job training, job rotation
inside the NRA, and increased and focused co-operation with universities, research organisations and international
and overseas organisations. With regards to safety research, NRA aims at enhancing fundamental research and
strengthening co-operation between the NRA and JAEA to contribute more to human resource development.
As a result of the self-assessment, NRA has identified that it needs to develop its working conditions to attract
people to apply for NRA positions and to encourage them stay at NRA in order to build and maintain its expertise.
NRA has identified ways to enhance attractiveness e.g. by providing overseas training/education, expanding
opportunities to exchange personnel with other organisations and improving welfare programmes. The IRRS team
identified concerns regarding the ability of NRA to retain and recruit suitable numbers of staff to enable it to fulfil
its regulatory responsibilities. In addition to the measures planned by NRA it should consider pursuing strategic
options for attracting new and retaining its current technical expertise. Such a strategy should seek to improve the
attractiveness of NRA as an employer of choice and the roles that its staff undertake by providing them with more
33
responsibilities, the ability to directly influence safety performance of licensees, options to regulate in all various
sectors of the industry, developing legislative requirements that impact national policy, and having a clear career
path to senior levels within the NRA. Other options include improved remuneration e.g. healthcare, pension, leave,
educational opportunities, welfare support etc.
The IRRS team acknowledges that the NRA, as a result of self-assessment, has identified a lack of sufficient
number of qualified staff to perform the assigned responsibilities, and that NRA has started or is planning to initiate
adequate corrective actions to ensure it has a sufficient number of qualified staff. The IRRS team highlights that in
addition to formal qualification, the experience of the experts is important for the NRA to successfully fulfil its
responsibilities.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: NRA has identified, as part of its self-assessment, that it does not have a sufficient number of
qualified staff for performing the assigned responsibilities, and that NRA has started or is planning to initiate
adequate corrective actions to ensure it has sufficient number of qualified staff.
(1)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 18, para. 4.11 states that “The regulatory body has to have
appropriately qualified and competent staff…”
(2)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 18, para. 4.13 states that “A process shall be established to
develop and maintain the necessary competence and skills of staff of the regulatory body, as an
element of knowledge management …”
R5
Recommendation: NRA should further develop and implement the activities related to the
evaluation of competencies, execution of training programmes, on the job training, internal job
rotation, and strengthening safety research, co-operation with technical support organisations
(JAEA), universities, research organisations and international and overseas organisations, to
ensure it has both qualified and experienced staff to fulfil its regulatory responsibilities in
nuclear and radiation safety.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: The IRRS team identified concerns regarding the attractiveness of NRA to recruit and retain
suitable numbers of staff to enable it to fulfil its regulatory mandate and responsibilities.
(1)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 11, para. 2.3v6 states that “Shall make provisions for
adequate arrangements for the regulatory body and its support organisations to build and maintain
expertise in the disciplines necessary for discharge of the regulatory body’s responsibilities in
relation to safety”.
(2)
BASIS: GS-G-1.1 para. 4.6 states that “In addition to working in an appropriate legal framework
and employing sufficient staff with suitable qualifications and expertise, the effectiveness of the
regulatory body will depend also on the status of its staff in comparison with that of the staffs of both
the operator and other organizations involved. Members of the regulatory body staff should therefore
be appointed at such grades and with such salaries and conditions of service as would facilitate their
regulatory relationships and reinforce their authority”.
S2
Suggestion: NRA should consider developing a strategy for attracting new and retaining its
current technical expertise through seeking to improve the attractiveness of NRA as an
employer of choice and the roles that its staff undertake by providing them with more
responsibilities, the ability to directly influence safety performance of licensees, options to
regulate in all various sectors of the industry, ability to develop legislative requirements that
impact national policy, and having a clear career path to senior levels within the NRA.
34
3.4.
LIAISON WITH ADVISORY BODIES AND SUPPORT ORGANIZATIONS
Legislation provides possibilities for the NRA to establish advisory bodies and to liaise with technical support
organisations. NRA has established a Reactor Safety Examination Committee to examine and discuss matters
concerning the safety of reactors and a Nuclear Fuel Safety Examination Committee to examine and discuss matters
concerning the safety of nuclear fuel material. The committees work on the matters requested by NRA. A Radiation
Council has been established based on the Act on Technical Standards for Prevention of Radiation Hazard to
examine technical standards for radiation hazard prevention. This Council reports back to the NRA but also other
ministries and agencies, based on their consultations. In addition to committees, the NRA can establish expert
groups to provide advice. One expert group has been established in the area of Emergency Preparedness and
Response.
Establishment of the committees and criteria for their members are based on the legislation. Practical matters on the
management of the committees are given in the Cabinet Orders as well as management rules established by the
committees. Committees can establish working groups. Advice provided by the committees or expert groups do not
relieve the NRA from its responsibilities. Meetings of the committees are public. During the interviews between the
counterparts a need for committees on waste safety as well as on security was discussed.
To support the NRA in its activities and decision making, the NRA complements its own resources by utilising
technical support organizations. The main technical support organizations of the NRA are Nuclear Safety Research
Centre of JAEA and NIRS. JAEA conducts nuclear safety research and provides input to e.g. regulations, and NIRS
conducts studies and research to support NRA activities in the area of radiation protection related to e.g. emergency
situations.
NIRS and JAEA are both organisations under MEXT. They are also both authorised parties to NRA due to their
regulated facilities and activities and a possibility for conflict of interest has been identified. JAEA has made
specific arrangements to minimize the possibility for conflict of interest by separating regulated and research
activities as well as establishing a committee to oversee the activities. NIRS has also established a Regulations
Support Committee to oversee the possibility for conflict of interest in NIRS activities. However, in NIRS
activities, it is not possible to separate the use of nuclear and radioactive materials from all research activities and
therefore similar separation of activities as established within JAEA is not feasible.
Research topics are determined annually by the NRA taking into account information collected from related
organizations. Planned and ongoing research areas include topics related to TEPCO Fukushima Daiichi accident
(different types of waste generated, management of fuel debris to avoid criticality), internal and external events to
cause common cause failure (fragility of structures and components, tsunami hazard, volcanic effects, electric
arcs/fires), nuclear fuel cycle (shielding analyses, ageing management for reprocessing plants), intermediate level
waste generated by decommissioning for final disposal, EPR and RP (improving the knowledge to operate EAL,
OILs), Safeguards, Clearance for radioactive isotopes, NPP ageing (Irradiation embrittlement of Reactor Pressure
Vessel, concrete degradation, cables).
3.5.
LIAISON BETWEEN THE REGULATORY BODY AND AUTHORIZED PARTIES
NRA’s liaison with the authorized parties is outlined in its “Policy on Ensuring the Operational Transparency of the
NRA”. The main goal of the policy is to ensure transparency in communicating with authorised and other interested
parties to reduce public doubt and distrust, as well as to enhance the neutrality and independence. NRA intends to
foster communication with licensees while ensuring high levels of transparency in accordance with this policy.
Meetings between the top management of NRA and of nuclear power plant utilities are organised regularly to
discuss safety improvements and improvements to regulatory activities. Meetings are also organised at non-
35
managerial levels between NRA and regulated entities to discuss matters such as implementation of regulations and
review status of applications.
Following a review of the submission from licensees/applicants NRA discusses their findings with the applicant,
using one of two forms of meeting; open meetings where public can attend and published on Internet and semiopen meetings between NRA and applicant/licensee. Regulatory decisions can only be made during open meetings.
No regulatory decisions can be made in semi-open meetings.
The agendas and recordings or minutes of these meetings serve as the record of the meeting, and are made public as
part of the enhanced transparency initiative of the NRA. The IRRS team was advised of a significant number of
meetings between NRA and licensees over the last few years. Opinion of the licensees was varied; some of them
highlighted their concern regarding the effectiveness of this arrangement in communicating issues between the two
organizations and promoting their resolution.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: The IRRS team was advised of a significant number of meetings between NRA and licensees over
the last few years. Opinion of the licensees was varied; some of them highlighted their concern regarding the
effectiveness of this arrangement in communicating issues between the two organizations and promoting their
resolution.
3.6.
(1)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 22, para. 4.26 states that “The regulatory process shall be a
formal process that is based on specified policies, principles and associated criteria, and that follows
specified procedures as established in the management system. The process shall ensure the stability
and consistency of regulatory control and shall prevent subjectivity in decision making by the
individual staff members of the regulatory body. The regulatory body shall be able to justify its
decisions if they are challenged. In connection with its reviews and assessments and its inspections,
the regulatory body shall inform applicants of the objectives, principles and associated criteria for
safety on which its requirements, judgements and decisions are based”.
(2)
BASIS: SSG-12 para 2.30 states that “The regulatory body should establish a formal management
system for dealing with licence applications, both initial applications and subsequent applications.
The system should set out arrangements for requesting further information from the licensee, for
carrying out review and assessment of the licensee’s application and for carrying out inspections, as
appropriate and necessary. The system should define responsibilities within the regulatory body for
making the decision on whether to accept the application. The applicant or licensee should be
informed of the decision in an appropriate manner, in accordance with the legal framework. All
documentation relevant to the issuing of a licence or authorization should be recorded and kept for
the lifetime of the installation or activity, and for a specified period beyond such lifetime, in
accordance with legal requirements.”
S3
Suggestion: NRA should consider reviewing the effectiveness of the mechanisms to
communicate the outcomes of the regulatory review and assessment, further regulatory
expectations and current issues to licenses/ applicants.
STABILITY AND CONSISTENCY OF REGULATORY CONTROL
NRA’s regulatory activities and decisions have to be in accordance with the different Acts, Ordinances and
Directives. At the moment stability and consistency of NRA’s regulatory control relies mostly on the prescriptive
nature of the legislation. The stability and consistency of the regulatory processes and decisions can be ensured
after implementation of the management system (see Recommendation R6).
Changes to the legislation follow a process to which interested parties can also participate by providing comments.
Changes are communicated back to the interested parties. NRA’s decisions are documented and justified in review
36
memoranda. Decisions and related documents are published unless they are of confidential nature (security or
proprietary information).
3.7.
SAFETY RELATED RECORDS
Provisions for establishing and maintaining adequate and retrievable records relating to the safety of facilities and
activities are set out in the legislation. Information related to nuclear safety of the facilities and activities has to be
submitted to NRA for review and assessment in different stages of the lifetime of the facility. Information produced
and submitted is managed within a database. Similarly for the radioactive sources, applications and notifications are
kept as administrative documents.
The Reactor Regulation Act and the Radiation Hazards Prevention Act require licensees to record necessary
matters and keep these records within the facility. The NRA verifies the creation and retention of these records
through inspections as needed.
While the NRA has records and registers for safety related activities, it does not have a formal process described in
its management system for establishing, maintaining and retrieving adequate records relating to the safety of
facilities and activities. Examples on ineffective use of the records in authorization and inspection processes were
given in Chapters 5 and 7.
3.8.
COMMUNICATION AND CONSULTATION WITH INTERESTED PARTIES
NRA operates in an open manner following the policy on ensuring the transparency and openness of the NRA (see
Good Practices GP1 and GP2). NRA makes decisions in open meetings and materials related to the meetings are
published with the exception related to security and proprietary information. Public and other stakeholder
comments are solicited when revising regulatory requirements or other relevant regulatory documents e.g. policies.
Media has the possibility to ask about nuclear and radiation safety matters from the NRA Chairman at its weekly
press conferences, and twice a week from NRA’s Secretariat. However, NRA’s interactions and communications
e.g. with other ministries and other governmental agencies as well as with the local people in the vicinities of the
nuclear facilities appears to be conducted upon request.
NRA makes information on incidents, accidents and abnormal occurrences in facilities and activities and other
information, available to authorized parties, governmental bodies, national and international organizations, and the
public, as appropriate. The general practice is that if an operator submits an incident report to the NRA, NRA issues
a press release. NRA currently has the capability and authority to promptly communicate and issue press releases
without consent of outside during emergencies to provide information on safety significance of the accident. Other
means to provide information are e.g. NRA’s website and social media.
NRA had not established specific regulatory requirements for the licensees to inform the public about the possible
radiation risks associated with the operation of a facility or the conduct of an activity. However, utilities publish
information on the risks associated with the nuclear power plants, and events at their nuclear power plants in order
to address expectations by the public, media and local governments. For instance, licensees of nuclear power plants
have published probabilistic risk assessment results on the external and internal threats. New regulatory
requirements introduced in 2013 require licensees to publish the results of periodic safety assessments of
continuous improvement.
3.9.
SUMMARY
In general, the responsibilities and functions of NRA comply with the IAEA safety standards. NRA is still a young
regulatory body and has experienced major organisational growth and changes over the three years of its existence.
It is in the early stage of developing its human resources, management system and in particular of its organisational
culture. This, together with a heavy workload, caused by establishment of new regulations, and review of
37
applications of the nuclear power plants under new safety standards after TEPCO Fukushima Daiichi accident,
constitute a significant challenge for NRA.
Following the TEPCO Fukushima Daiichi accident NRA has oriented its strategy to give first priority to the
improvement of nuclear safety. While this is important and understandable, the IRRS team recommended the NRA
to give greater priority to radiation protection matters.
To ensure that NRA fulfils its statutory obligations effectively, consistently and allocates its resources
commensurate with safety, the IRRS team recommended that the NRA should implement cross-cutting core
processes, strengthen the collection of information from its stakeholders when planning its annual activities,
develop tools to measure its performance, and to evaluate the effectiveness of its organisational structure.
In the area of human resources the NRA has identified that it needs more qualified and experienced staff for
performing its assigned responsibilities and developed several measures to meet the needs in the future. The IRRS
team recommended the NRA to take further actions to develop and implement the planned activities as well as
introducing measures to enhance the attractiveness of NRA.
38
4.
4.1.
MANAGEMENT SYSTEM OF THE REGULATORY BODY
IMPLEMENTATION AND DOCUMENTATION OF THE MANAGEMENT SYSTEM
The NRA issued its Management Rules in 2014, which apply to all work performed by NRA and document the
requirements to be addressed by NRA for establishment of its Management System (MS), taking into consideration
the relevant IAEA and ISO standards. The MS has been in application since April 2015. NRA has developed a
Policy Statement on Nuclear Safety and a Statement of Nuclear Safety Culture, which are to be considered in the
development of its MS. NRA consulted with its staff during the development process of the Statement of Nuclear
Safety Culture, which was subsequently approved by the Commission.
The NRA Management Rules are supported by 12 “Relevant Rules”, which provide additional information in
specific areas (e.g. management rules implementation manuals, organization, training, transparency, internal audit,
non-conformances, corrective and preventive actions, etc.). The content of these rules does not address the elements
of a MS, which are usually described in the MS manual.
The NRA still has to address a number of issues related to the MS, including defining the hierarchical structure of
MS documentation, developing an overall process map, a list of management, core and supporting processes and
identification of process interfaces. The completion of these activities will directly support achieving consistency of
regulatory processes across organizational boundaries and streamlining the development of MS documentation,
including process descriptions.
The documentation of the MS includes 220 Operational Manuals. A manual, containing a description of the
management system, structure of the organization, functional responsibilities and accountabilities and a description
of NRA’s processes has not been developed yet. The Operation Manual Development Rule contains details on how
the manuals should be developed.
Approximately 40% of the total number of Operational Manuals is still under development. A documented analysis
of the operational manuals needed to cover all activities conducted by NRA has not been conducted, so the list of
Operational Manuals might not be completed. The IRRS team noted that some processes, including NRA’s process
for the management of organizational changes, the implementation of activities for promoting, enhancing and
assessing safety culture, the management of records, the conduct of management system reviews, collecting and
addressing expectations from interested parties, etc. are missing from the list. The Operational Manuals appear to
address topics at various levels, some of them dealing with core regulatory processes (e.g. Guideline to write NRA
Technical Report or Inspection Manual), while other are more working instructions (e.g. use of taxi tickets, etc.). In
addition, some areas appear to be duplication, due to the existence of similar procedures. The development of the
MS taking a top-down approach should allow for identification and elimination of such instances and should
contribute to making it more user-friendly.
In order to ensure that the MS supports adequately the enhancement of safety culture in NRA, the organization
should define specific actions to be taken and monitor their implementation. The IRRS team was informed that
each department is required to take into consideration the Statement on Safety Culture in developing their annual
plans. After establishment of NRA, staff went through three basic seminars on safety culture, to have staff
recognize the need to promote safety culture in NRA. The objective was to provide regulatory staff with basic
overview: a) on safety culture related issues based on IAEA INSAG documents; b) on situation in dealing with
safety culture issues in some countries e.g. USA, UK or Germany; and c) on approaches of Japanese industry to
safety culture enhancement and comment matter about safety culture from accident investigation committees of
Fukushima-Daiichi NPP accident. Currently none of NRA’s employees took safety culture awareness training
except newly recruited staff, but such training will be offered by the HR Development Centre. NRA did not
conduct safety culture surveys of its staff. Establishment of a safety culture baseline in NRA should allow for
39
evaluating its evolution and enhancements over time. The IRRS team informed NRA about the existence of IAEA
safety culture self-assessment methodology for the regulatory bodies and encouraged them to develop specific
actions for ensuring the key aspects of safety culture are shared within the organization and applied in the
regulatory work. This is important because NRA is a relatively new organization, which is aiming to create an
organizational culture for employees coming from two different backgrounds (“administrators” and “researchers”),
which are reflected in their employees’ status.
While NRA applies the principles of graded approach in some of its activities, there is no documented guidance on
how MS requirements will be applied, in a graded manner to the conduct of regulatory activities and in the
development of supporting MS documentation. The lack of guidance may lead to discrepancies in the
implementation of regulatory activities (e.g. harmonization of review and assessment and inspection among various
types of facilities and activities, et.), as well as of the level of effort associated with their conduct. In addition, this
might have an impact on the MS documentation which is under development/ will be developed and associated
verification and approval activities.
The NRA has identified, in its self-assessment and action plan, that the establishment of its MS is an area requiring
further development. The IRRS team discussed with NRA representatives some of the future actions to be taken
and provided examples on how management system was developed by various regulatory bodies.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: The NRA has identified in its self-assessment that the establishment of its management system is an
area for improvement. Organization of management system documentation does not provide for ensuring
appropriate consistency of regulatory approaches. Not all NRA management, regulatory and supporting
processes are documented (e.g. preparation of training and retraining programmes, etc.). There are also
processes missing, including the management of organizational changes, the implementation of activities for
promoting, enhancing and assessing safety culture, the management of records, conduct of management system
reviews, collecting and addressing expectations from interested parties, etc. Application of graded approach in
the conduct of regulatory activities and in the development of supporting MS documentation is not consistently
applied.
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
R6
BASIS: GSR Part 1 Requirement 19 states that “The regulatory body shall establish, implement,
and assess and improve a management system that is aligned with its safety goals and contributes to
their achievement.”
BASIS: GS-R-3 para. 2.4 states that “The organization shall be able to demonstrate the effective
fulfilment of its management system requirements”.
BASIS: GS-R- 3 para. 2.6. states that „The application of management system requirements shall
be graded so as to deploy appropriate resources, on the basis of the consideration of:
• The significance and complexity of each product or activity;
• The hazards and the magnitude of the potential impact (risks) associated with the safety,
health, environmental, security, quality and economic elements of each product or activity;
• The possible consequences if a product fails or an activity is carried out incorrectly.
BASIS: GS-R- 3 para. 2.8. states that „The documentation of the management system shall include
… a description of the processes and supporting information that explain how work is to be prepared,
reviewed, carried out, recorded, assessed and improved …”
BASIS: GS-R- 3 para. 6.1 states that „The effectiveness of the management system shall be
monitored and measured to confirm the ability of the processes to achieve the intended results and to
identify opportunities for improvement”.
Recommendation: NRA should complete, document and fully implement its integrated
management system for all regulatory and supporting processes needed to deliver its mandate.
Grading of the application of management system should be applied consistently and generic
40
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
processes should be fully developed such as control of documents, products, records and
management of change. The effectiveness of the NRA management system should be monitored
and measured in a comprehensive way to identify opportunities for improvement.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: Specific measures to promote and sustain high level of safety culture in regulatory activities, in
support of the recently issued Statement on Safety Culture have not been defined and implemented.
BASIS: GS-R-3 para. 2.5 states that “The management system shall be used to promote and
support a strong safety culture by:
• Ensuring a common understanding of the key aspects of safety culture within the
organization;
• Providing the means by which the organization supports individuals and teams in carrying
out their tasks safely and successfully, taking into account the interaction between
(1)
individuals, technology and the
• organization;
• Reinforcing a learning and questioning attitude at all levels of the organization;
Providing the means by which the organization continually seeks to develop and improve its safety
culture.
Suggestion: NRA should consider introducing specific measures such as awareness training or
S4
surveys to promote and sustain high level of safety culture in the conduct of its activities.
4.2.
MANAGEMENT RESPONSIBILITY
The overall responsibility for the MS is assigned to the Commission. A Management System Promotion Office was
created under the Policy Planning and Coordination Division and the Promotion Office’s manager has a direct
reporting line to the Secretary General, who ensures the link with NRA Commission. The IRRS team was informed
that this office’s responsibilities would be expanded to enhance the internal audit function. This subject was also
discussed at the Commission’s meeting that took place on 13th January, 2016. The promotion of NRA’s core
values included the distribution to all NRA’s staff of cards containing these statements.
The IRRS team considers that, in order to adequately support the further development of the MS, regular and proactive NRA senior management commitment, including from the Commission members is needed. Such
engagement will allow for identifying and streamlining the regulatory processes which impact various facilities and
activities.
NRA creates mid-term and annual plans, which do not include communication with interested parties.
Communication with industry and operating organizations might be useful in the planning process for evaluating
the workload by identifying upcoming major requests from licensees. This could allow NRA to be better prepared
for responding in a timely manner and allocating its resources accordingly (see Recommendation R4).
While the NRA annual plan contains targets related to inspection activities, no numeric values/ quantitative targets
and/or description of activities for regulatory reviews are reflected in the plan. The IRRS team noted that
performance targets would be assessed based on the individual targets. Performance targets for NRA’s staff were
established, as part of the annual planning process and there completion is assessed through self-assessment and
first-line managers’ review.
41
The IRRS team also noted that there are no specific plans for MS related activities for the next fiscal year (starting
March 2016) at the moment. Such activities will be identified after the conduct of the review against the strategic
plan of operations. Taking into consideration the extent of MS related work still to be completed, the IRRS team
considers that a comprehensive plan should be developed and its implementation should be monitored and reported
to NRA’s senior management.
The MS should include mechanisms to take into consideration stakeholders’ expectations and this should be
reflected in the development of specific processes for collecting and analysing such information. The information
collected from interested parties provides input for the continuous improvement of the MS. The NRA does not have
such a formal process for collecting and addressing expectations from interested parties and did not conduct any
survey on this topic (see Recommendation R6).
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: NRA plans to complete development of its management system in several years time frame. Even
though development of management system is recognised as one of the NRA priorities, the work is not organised
under a specific project, but only under sequence of general NRA annual plans, with no specific mid and longterm objectives and targets and long term resources planning.
BASIS: GS-R- 3 para. 3.1 states that “The management at all levels shall demonstrate its
commitment to the establishment, implementation, assessment and continual improvement of the
(1)
management system and shall allocate adequate resources to carry out these activities”.
BASIS: GS-R- 3 para. 3.8 states that „The senior management shall establish goals, strategies,
(2)
plans and objectives that are consistent with the policies of the organization”.
BASIS: GS-R- 3 para. 3.11 states that “The senior management shall ensure that the
implementation of the plans is regularly reviewed against these objectives and that actions are taken
(3)
to address deviations from the plans where necessary“.
Suggestion: NRA Commissioners should consider taking a strategic approach to the
implementation of the management system demonstrating their commitment to the project by
S5
initiating a specific multi-year management system development plan and by reviewing its
implementation on periodic basis.
4.3.
RESOURCE MANAGEMENT
The NRA MS documentation does not contain a process description for resource management on a long-term basis
(See Recommendation R6).
The MS Promotion Office is led by one manager, has two full-time and one part-time staff members and it will be
expected to receive an additional three staff. The NRA should further monitor and assess if the resources dedicated
to the establishment, maintenance and improvement of the MS continue to be adequate (see Recommendation R4).
4.4.
PROCESS IMPLEMENTATION
NRA developed an Operation Manual Development Rule, which is used for the development of Operational
Manuals. Taking into account that these 220 manuals contains/will contain information at various level of
complexity (see Chapter 4.1), it might be very difficult to use the Development Rule for ensuring consistency of the
documents.
NRA has not developed a MS manual and supporting documentations for all its processes. The elements necessary
to be addressed by each process (e.g. requirements, risks, interactions, inputs, process flow, outputs, records,
measurement criteria, etc.) will have to be specified in a MS document when the NRA hierarchical structure (e.g.
procedures, work instructions, etc.) of the MS will be clarified.
42
Taking into account the current status of the MS, in which not all processes have been identified and documented,
the assignment of responsibilities and authorities for each NRA process will have to be finally clarified at a later
stage.
The process owners have not been identified at an organizational level for core regulatory processes (e.g. for
inspection covering all facilities regulated by NRA). The current process owners are mostly divisional managers, so
it may be difficult to propose and implement changes affecting other facilities, outside their responsibility
(see Recommendation R6).
Requirements related to the management of safety records are identified in MS documentation. NRA has not yet
documented a process for specifying how records linked to the NRA MS and its processes will be controlled,
including retention times and the media to be used for ensuring that the records are readable and available. There is
only general government level rule that do not reflect NRA specifics in this area. Records control is one of the
generic management system processes and should be clearly defined in order to support other regulatory processes,
ensuring consistency in decision-making and preservation of knowledge (see Recommendation R6).
Since its establishment, NRA went through two organizational changes. These changes were approved by the
Commission, because this level of approval was indicated in the Document Control Rules. The IRRS team noted
that NRA has not yet developed a documented process for evaluating and classifying the changes according to their
importance for safety and for monitoring their implementation (see Recommendation R6).
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: NRA has not developed a comprehensive description of its management system in a single
document such as manual. In addition, there are more than 200 processes described inside the management
system with flat hierarchy and without unified format. In many cases the similar processes such as inspection of
different facilities and activities are developed in discretion of individual departments with no formal
arrangement to ensure consistency.
(1)
(2)
S6
4.5.
BASIS: GS-R- 3 para. 2.8. states that “The documentation of the management system shall include
the following:
• …
• A description of the management system;
• …
• A description of the functional responsibilities, accountabilities, levels of authority and
interactions of those managing, performing and assessing work;
• A description of the processes and supporting information that explain how work is to be
prepared, reviewed, carried out, recorded, assessed and improved.
BASIS: GS-R- 3 para. 2.9. states that „The documentation of the management system shall be
developed to be understandable to those who use it. Documents shall be readable, readily identifiable
and available at the point of use.
Suggestion: NRA should consider developing a hierarchical structure for the management
system that is easy to use and which supports effective and consistent implementation of
regulatory activities. Specific descriptions of each process should be developed in a unified
format including requirements, risks, interactions, inputs, process flow, outputs, records and
measurement criteria.
MEASUREMENT, ASSESSMENT AND IMPROVEMENT
The NRA MS has been recently introduced and is not fully implemented, so there is only a limited amount of
information for assessing its effectiveness.
43
The MS Promotion Office has conducted three internal audits and it will be formally assigned this responsibility in
the near future. NRA is planning to conduct five internal audits in fiscal year 2015.
NRA staff conducts self-assessments on a regular basis and the results are recorded.
The first NRA MS review is planned for March 2016. However, NRA does not have a documented process
description on how MS reviews will be conducted.
The IRRS team noted that NRA is planning to develop a database for recording the results of the internal audits and
the management of resulting corrective actions. The IRRS team proposed to include the results from all forms of
assessments in the database, in order to have comprehensive information to be used, for example, as an input in the
MS review.
NRA currently has a suggestion box for collecting input from staff, and a limited number of inputs (10) have been
received. The IRRS team considers that more promotional activities should be conducted in order to enhance staff’s
participation in the MS improvement process.
A complete set of activities needed for measurement, assessment and improvement of the overall effectiveness of
the management system are still to be implemented, and the results of all forms of assessments should be assessed
and addressed to allow for efficient and effective discharge of NRA mandate (see Recommendation R6 and
Suggestion S5).
4.6.
SUMMARY
NRA has taken a number of steps towards the establishment of a MS, including the issuance of NRA Management
Rules, a Policy Statement on Nuclear Safety and a Statement of Nuclear Safety Culture and creation of the
Management System Promotion Office.
NRA still has to address a number of issues in order to finalise its management system, including defining the
hierarchical structure of MS documentation, developing a management system manual, an overall process map, a
list of management, core and supporting processes, identification of process interfaces and development of the
supporting documentation for all processes. The completion of these activities will directly support achieving
consistency of regulatory processes across organizational boundaries and streamlining the development of MS
documentation.
In order to ensure that the MS supports adequately the enhancement of safety culture in NRA, the organization
should define specific actions to be taken and monitor their implementation. These should include items such as
awareness training and surveys of personnel.
To ensure full completion and implementation of integrated management system NRA Commissioners should
consider taking a strategic approach to the implementation of the management system demonstrating their
commitment to the project by initiating a specific multi-year management system development plan and by
reviewing its implementation on periodic basis.
44
5.
5.1.
AUTHORIZATION
GENERIC ISSUES
The Reactor Regulation Act and the Radiation Hazards Prevention Act require the applicants to submit to NRA
documents demonstrating the safety of regulated facilities or activities in order to support their applications for
authorization. These documents differ depending on the type of facility or activity, based on a graded approach.
For a nuclear facility, the Reactor Regulation Act prescribes the permits, approvals required for construction and
operation of the facility. It gives authority to NRA to grant permit or approval, to revoke permits and to suspend the
operation of facilities. The major licensing steps established by this act are:
•
Establishment Permit. The permit application covers siting, basic design of the facility and applicant
competence,
•
Approval of Construction Plan (prior to start of construction work),
•
Approval of Operational Safety Programme (prior to starting facility operation). The Operational Safety
Programmes address such matters as limiting conditions for operation, maintenance, in-service inspection,
and testing of the facility, measures to deal with accidents (including severe accidents), requirement to
report major safety problems to the regulatory body, and requirement to gain operational experience (for
example operational safety reviews or methods for root cause analysis) and share it with other licensees as
necessary,
•
Approval of extension (beyond 40 years) of operation periods of NPP,
•
Approval of decommissioning plan (prior to start of decommissioning),
•
Confirmation of completion of decommissioning (see Chapter 1.7).
In addition to setting a timeframe for reviewing each type of application, the legislation also defines the key criteria
to be met in order that an authorization can be granted and establishes the processes to address plant or operational
safety programmes modifications, either through prior notification to or approval by NRA. Except for minor
modifications, all modifications require NRA prior approval.
Licensee’s submission includes information on technical aspects, safety assessment (covering design basis
accidents and severe accidents), organizational aspects (including technical competence and quality assurance) and
financial resources. Information required is described in various legally binding documents, mainly Cabinet Orders
and NRA ordinances, taking into account the graded approach. Other publicly available documents, issued by
NRA, may also provide additional details. In its self-assessment, NRA recognized that quality assurance
programmes should be included in the application for the establishment permit and that an initial decommissioning
plan should be developed at the time of establishment and be updated periodically during the lifetime of operations.
The licensee is required to submit an Operational Safety Programme for NRA approval before fuel loading that
presents a summary of important safety measures. This is later used by NRA to confirm that the facility is being
operated as intended and within safety limits, changes to the content of the Operational Safety Programme require
submission of application for changes and authorisation by NRA. In addition to plant parameters, the Operational
Safety Programme details the licensee’s operating structure and the operational safety training arrangements.
Changes in the operational safety programme also require approval by NRA. Prior to authorising facility operation,
NRA conducts a Pre-service Inspection of the facility to confirm that the construction of the facility satisfies the
design intent.
45
Major authorizations, such as issuance of an Establishment Permit, are taken by NRA Commissioners during
formal meetings, open to the public. NRA staff prepares a memorandum, usually quite short, with background
information, conclusion of NRA review and suggested NRA decision. The meeting, normally chaired by NRA
Chairman, starts with a short presentation by NRA staff based on the written memorandum. NRA commissioners
may raise comments and ask questions to NRA staff. As a result of the discussion, NRA Commissioners may
endorse the suggested decision or postpone the decision to a future meeting, so that NRA staff can further elaborate
on the topic to take into account the Commissioners’ comments.
The IRRS team noted that NRA guidelines allow some approval to be delegated to the Secretary General of NRA
or other senior staff for less significant modifications.
Once NRA has concluded its review and made a conclusion on the application, NRA publicizes its decision on its
official website and notifies it to the applicant. It is not NRA’s practice to attach conditions to an installation permit
or an approval (no license condition has been issued since NRA was established) as NRA’s working method is to
have the applicant update its submissions to NRA satisfaction. Therefore, authorizations usually take the form of
very short (1 page) letters. Nevertheless, the Reactor Regulation Act allows for conditions to be attached to an
Establishment Permit and allows NRA to order a licensee to modify Operational Safety Programmes. This act does
not include equivalent provisions for the approval by NRA of construction plans or, for NPPs, approval of
operation beyond 40 years. This may result in NRA declining an application and thus forcing the applicant to send
a new/amended submission. This may create additional delays, which could have been avoided if a condition had
been included in the approval.
NRA also issues certificates for specific positions within the licensee’ organization such as “Chief Engineer of
Reactor”, “Chief Engineer of Nuclear Fuel” or “Radiation protection Supervisor”. In addition to the licensing
processes for facilities and specific positions in the licensee’s organization, Japanese regulations also require
approval by NRA of welding methods (for welding organizations, not for nuclear installation licensees) for some
types of nuclear facilities. NRA may also issue Model Certification in relation to specified components for efficient
authorization.
Finally, with regards to licensing processes, the damaged Fukushima Daiichi plant comes under specific provisions
to ensure appropriate regulatory oversight and control. It is envisaged that the special management arrangement for
Fukushima Daiichi Plant will continue for some time to come, the NRA designated the plant as a “Specified
Nuclear Power Facility” on 7 November 2012, in accordance with the Reactor Regulation Act, in order to ensure
appropriate measures can be adopted to suit the particular circumstances.
5.2.
AUTHORIZATION OF NUCLEAR POWER PLANTS
In Japan, four authorizations are needed before a new reactor can be commissioned:
•
an Establishment Permit which includes a review of the basic design and safety evaluation in relation to the
siting of a reactor facility;
•
Approval of Construction Plan which entails a review of the detailed design of the plant;
•
Approval of Fuel Assembly Design, which entails a review of the design of the fuel assembly to be used in
the reactor; and
•
Approval of Operational Safety programmes.
The Reactor Regulation Act and associated NRA ordinances (NRA Ordinance on Commercial Reactors, NRA
Ordinance on Technical Standards, NRA Ordinance on Quality Control Methods…) establish the corresponding
regulatory requirements and regulatory processes.
46
NRA also conducts Pre-service Inspections and Fuel Assembly Inspections to check that reactor facilities have
been constructed and fabricated in accordance with the approved plans.
Reactor Establishment permit
In deciding on the siting of reactor facilities, applicants or licensees are required to conduct adequate studies of
external events that could occur at the proposed location and to take these into account in its design. The impact on
society and the environment of a proposed reactor facility is evaluated as part of the procedure for granting a
Reactor Establishment Permit. Moreover, similar to other large-scale industrial facilities, there is an obligation to
conduct an environmental impact assessment.
The safety reviews for obtaining an Establishment Permit are carried out by NRA. Before granting such a permit,
NRA has to:
•
ensure that the applicant possesses the technical and personnel ability to build such a facility, operate it
safely and efficiently and prevent severe accidents.
•
consult the Atomic Energy Commission of Japan, in order to obtain the confirmation that there is no risk
that the facility will be used for other than peaceful purposes.
No expiry date is set for a Reactor Establishment Permit. However, a 40-year operation limit is stipulated in the
updated Reactor Regulation Act; this limit may be extended, after NRA approval, for a maximum of 20 additional
years.
Approval of construction plan and fuel assembly design
After being granted with an Establishment Permit, licensees must obtain approval from NRA for their construction
plan before commencing construction. The submission should include:
•
a description of the reactor unit and facilities for the handling and storage of nuclear fuel material, the
reactor cooling system, the instrument and control system, facilities for disposal of radioactive waste,
radiation management and reactor containment facilities;
•
a safety evaluation based on the detailed design for the plant. This will cover, for example, earthquakeresistance and strength, as well as safety-related design features specific to the equipment for which the
application is being submitted;
•
the quality control methods and inspection systems, which have to comply with the NRA Commercial
Reactor Quality Management Standard Ordinance.
NRA approval must be sought for the design of the fuel assembly to be loaded into the reactor. When applying for
approval for the design of the fuel assembly, applicants must attach a document covering, among other things,
features of the fuel assembly such as its structure; heat, radiation and corrosion resistance; and provisions for
quality assurance.
Operation license
Before commencing reactor operation, a licensee must:
•
submit Operational Safety Programmes and obtain NRA approval. The Licensee shall from now-on comply
to these programmes;
•
undergo a Pre-service Inspection by NRA.
Measures to ensure the safety of nuclear reactors in case of design basis accidents, fire, internal flooding, severe
accident or large scale destruction as well as operational limits and conditions (OLC) are to be addressed in
47
Operational Safety Programmes. Quality assurance provisions and management system aspects, including for
external goods or services procurement, management of operational safety documents and records, education and
training courses in safety activities have also to be included. Concerning ageing management, licensees with
reactors of 30 years or older are required to include in their Operational Safety Programmes provisions for
maintenance covering the ten upcoming years which are based on an evaluation of the ageing of equipment
important to safety.
The fuel assembly to be loaded into the reactor must successfully pass a Fuel Assembly Inspection by NRA.
Periodic safety review and periodic safety assessment of continuous improvement
Following each periodic facility inspection, licensees are now required to conduct, a “periodic safety assessment of
continuous improvement”, and a more in-depth analysis is required every 5 years when revisiting the safety
assessment that takes into account the latest (national and foreign) scientific and technical knowledge. The first
submission of licensee’ report is likely to occur mid-2017. NRA has developed a Guideline which details the
expected content of licensee report. Although detailed on specific topics, such as seismic assessment or
probabilistic assessment, equipment condition, ageing management and referring IAEA SSG-25 in the Guideline,
some factors of IAEA SSG-25 like equipment qualification are not explicitly mentioned; the licensee is required to
submit a periodic safety assessment report instead of an updated safety analysis report. If more challenging natural
hazards or other significant issues have been identified the licensee is required to submit application for modifying
establishment permit, if necessary (see Recommendation R11).
The license shall, as a result of its investigations, identify measures, called “voluntary measures”, he intends to
implement beyond the minimal ones necessary to comply with regulatory requirements.
Operation beyond 40 years
The Reactor Regulation Act prescribes an operating time of 40 years that can be expanded up to 20 more years with
an approval by NRA. To support the application to extend the operation period of a facility, applicants must
perform a “special inspection” to assess current status of the plant in detail, especially to detect any degradation,
carry out a technical evaluation of any degradation and describe their maintenance and management policy during
the extension period.
The IRRS team noted that the ageing management of NPPs has to be addressed by licensees and scrutinized by
NRA under three regulatory processes, which may be concurrent: change in Operational Safety Programmes for
plants operating beyond 30 years, report documenting the Periodic Safety Assessment of Continuous Improvement,
approval of operation beyond 40 years. NRA recognizes overlaps but indicates that review of ageing matters
beyond 30 years of operation and beyond 40 years of operation is performed by the same group within NRA. This
group may however not be involved for the Periodic Safety Assessment of Continuous Improvement.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: Ageing management at NPP is to be addressed by licensees and examined by NRA under three
regulatory processes which may be concurrent: change in Operational Safety Programmes for plants operating
beyond 30 years, report documenting the Periodic Safety Assessment of Continuous Improvement submitted after
every periodic facility inspection, approval of operation beyond 40 years. NRA recognizes overlaps although
some differences in the purpose of the licensing process do exist.
(1)
BASIS: SSG-12 para. 2.6 states that “The licensing process should be established in a systemic
way to facilitate efficient progression of regulatory activities.”
48
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
S7
Suggestion: NRA should consider enhancing the interfaces and overall coherence of the existing
three regulatory processes related to NPP ageing management.
Management of modification
The Commercial Reactors Ordinance requires licensees to take necessary measures (e.g. development of a plan for
maintenance and management, its implementation) for facility modification and NRA confirms these licensees’
measures in the approval of operational safety programmes. The Reactor Regulation Act requires licensees either to
obtain NRA’s permit for the modification of an establishment, or to notify such modifications to NRA in cases
where such modifications will evidently not affect the conformity to the regulatory requirement. This act requires
licensees either to obtain NRA’s approval for a construction plan or to notify NRA of such a plan, before starting
constructions. In case of notification of plant modification, the licensee should notify NRA of change30 days before
the day that the change will be made.
NRA Authorization prior to restart of NPPs which were shutdown following the TEPCO Fukushima Daiichi
accident in accordance with new regulatory requirements
After the TEPCO Fukushima Daiichi accident, all Japanese NPPs were shutdown, allowing for definition and
implementation of measures to prevent, and should it occur, mitigate a severe accident and to enhance facilities
protection against natural hazards. The Reactor Regulation Act was also amended based on the lessons learned
from that accident and major new requirements were introduced, for example to:
•
Strengthen measures against natural hazards which may lead to common cause failures (e.g. tsunami,
earthquake, etc.);
•
Strengthening measures to prevent and mitigate severe accidents.
With the goal to restart operation of NPPs, 19 applications have been submitted to NRA since mid-2013 and NRA
completed the review of a few of them. Accordingly, 5 reactors (Sendai 1 and 2, Ikata 3, Takahama 3 and 4) were
granted amended Establishment Permits and some of them got approval of Construction Plan and Operational
Safety Programmes. This situation causes a unique challenge to NRA, both because of the importance of the NRA
decision for safety and of the necessity to conduct parallel licensing procedures with numerous applications.
Concerning the on-going reviews of application for compliance with the new regulatory requirements for reactors,
many interested parties would appreciate a clearer timeline, so that the date when NRA decision – either positive or
negative – will become clearer to everybody.
In relation to the content of the safety analysis report supporting the application to compliance with the new
regulatory requirements, the IRRS team noted that extensive information on the feasibility of local actions in severe
accident conditions was provided. For example, detailed justifications of the routes to be followed and time needed
to perform such actions are included.
5.3.
AUTHORIZATION OF RESEARCH REACTORS
Currently no research reactor is operating in Japan, most of them since March 2011. Fourteen of them are under
extended shutdown and eight under decommissioning.
The major licensing steps established by the Reactor Regulation Act, are established in Chapter 5.1: Establishment
Permit, Approval of Construction Plan, Approval of Operational Safety Programme, and Approval of
Decommissioning Plan.
49
The processes for the different authorizations, including Operational Safety Programmes Modifications, are also
described in Chapter 5.1, is similar to NPPs, Chapter 5.2 but based on a graded approach.
The Reactor Regulation Act and the associated NRA ordinances and guides for RRs (NRA Ordinance Concerning
the Installation and Operation of Research and Test Reactors, The Standard Review Plan on Approval of
Operational Safety Programme of Research and Test Reactors, The Regulatory Guide on the NRA Ordinance on
Standards for the Location Structure and Equipment of Research and Test Reactors, etc.) establish the
corresponding regulatory safety requirements.
No expiry date is set for a Reactor Establishment Permit. However, the NRA may rescind the permission or order
suspension of the operation of research reactor if it does not conform to the NRA Ordinance on Technical
Standards for Research Reactors. Licensees are now required to conduct, every 10 years, a “Periodic Safety
Assessment”, considering the latest scientific and technical knowledge.
Until now the public did not participate in the authorization process. Its participation is under NRA consideration in
the case of authorization prior to restart of operation of any research reactor.
With the goal to restart operation of RRs, applications have been submitted to NRA since mid-2014 and NRA is in
the process of review them.
5.4.
AUTHORIZATION OF FUEL CYCLE FACILITIES
The main fuel cycle facilities in Japan scope enrichment, fuel fabrication and spent fuel reprocessing, with an
interim spent fuel storage facility currently under construction. Japan’s Reactor Regulation Act and its supporting
legislative framework require all such fuel cycle facilities to undergo an authorization process, which ensures that
any prospective operator has to request approval from NRA prior to commencing each key stage of a facilities
lifecycle. The Articles to the Act clearly set out a staged approach to Authorization of such facilities, which
recognizes the unique requirements; initially this requires the “approval of the designation or permit of the activity”
to the identified applicant for designated site and facility.
The licensee must obtain the approval of NRA with respect to the design and construction of the fuel cycle facility,
and Ordinances state the need to detail the relevant processes, associated structures and equipment involved, justify
their performance and the associated major limits of operation, and to also give proper consideration to severe
accidents. There is evidence of a graded approach, the content of an application varies according to the type of fuel
cycle facility, and each associated Ordinance requires different Articles to be complied with, which determine the
scope of the justification required. NRA has not attached conditions to any licences issued for fuel cycle facilities.
With respect to the interim storage facilities for spent fuel, evidence was observed where NRA had issued an
authorisation with limited conditions applying a limited number of the articles of the ordinance. This is an example
of limited authorisation for the design of storage casks, restricting the scope of the activities that the licensee could
undertake until such time that it was able to satisfactorily demonstrate compliance with the remaining articles. At
the time of permitting the entire activity, licensees have to demonstrate compliance with the remaining articles.
It was evident that NRA is seeking to ensure that JNFL submits an appropriate justification in support of its
application for the reprocessing facilities at Rokkasho, However, the initial submission for this facility based on
new regulatory requirements was submitted over 2 years ago and has still to be approved and this is discussed
further under review and assessment below. Currently 8 supplementary submissions have been provided by JNFL
to satisfy the requirements of NRA. The IRRS team noted that the backfitting approach being adopted by NRA that
requires licensees to implement required improvements to existing facilities to satisfy new legislative requirements
has yet to be achieved for the 2 reprocessing facilities in Japan.
50
As highlighted previously, Commissioners of NRA determine whether a fuel cycle facility application should be
approved and authorised. The Fuel Cycle Facilities Divisions provides advance information to the Commissioners
and actively seek to address any concerns they raise regarding the case for approval, so that authorisations are
finally agreed without individual objection. NRA grants a large number of approvals throughout the lifetime of a
facility and with the start-up of Rokkasho reprocessing facility, the work load is significant. However, NRA does
not have a formal mechanism for recording the applications to maintain an up to date record of a facilities status
and not all fuel cycle facilities have been re-authorised by NRA under the new legislation. The absence of a system
to record the status of applications and an up-to-date record of the facility is addressed by the Recommendation R6
against the Management System.
5.5.
AUTHORIZATION OF RADIOACTIVE WASTE MANAGEMENT FACILITIES
The Reactor Regulation Act and associated cabinet orders, ordinances and guidelines provide the legislative
framework for regulation of facilities managing radioactive waste from within the nuclear fuel cycle.
The Radiation Hazards Prevention Act and associated cabinet order, and ordinances provide the legislative
framework for regulation of facilities managing radioactive waste from the applications of radioisotopes other than
nuclear fuels and nuclear materials.
Under both frameworks prior authorisation is required from the regulatory body (NRA). The prospective applicant
is required to make an application to the regulator and such application must be supported by safety documentation
providing details prescribed by the regulator.
A graded approach to authorisation is evident, In the case of non-nuclear facilities, the application process is more
form based.
•
A more detailed process of approval (licence) is granted in the case of facilities authorised under the
Reactor Regulation Act. Under the Reactor Regulation Act separate ordinances have been developed
addressing activities related to: Interim storage and treatment of radioactive waste;
•
Disposal of Category 1 radioactive waste (waste requiring disposal in a geological repository);
•
Disposal of Category 2 radioactive waste (waste that may be disposed in near surface trenches or repository
other than a geological repository);
•
Off-site transport of nuclear fuel materials.
At present the only disposal facilities approved entail near surface burial of low level radioactive waste in trenches
or pits. While intermediate depth disposal is envisaged for some category 2 radioactive waste no facilities of this
nature have been authorised currently.
The authorisation is granted in a staged manner addressing siting and design, construction (except for category 2
disposal facilities) operation, closure (in the case of category 1 disposal facilities), decommissioning. The approval
process requires evaluation and approval by the regulatory body of:
•
site-related factors and their impact on safety;
•
the applicant’s technical capability and financial basis to appropriately carry out the proposed activity;
•
facility design specific criteria concerning technical capability and the prevention of radiological disaster;
•
operational safety programmes;
•
decommissioning plans (prior to start of decommissioning).
51
It was noted by the IRRS team that the authorisation process entails a number of individual approvals granted to
each facility. There was however no clear evidence that the regulator has a formalised system for the tracking of all
approval granted (see Recommendation R6).
5.6.
AUTHORIZATION OF RADIATION SOURCES FACILITIES AND ACTIVITIES
NRA is the Competent Authority for the authorisation of the use of ionising radiation in the form of sealed sources,
unsealed sources and radiation generating apparatus with some notable exceptions. In particular,
radiopharmaceuticals and radiation generators in medical facilities using energies below 1 MeV such as in
diagnostic radiology are authorised by the MHLW, radio pharmaceuticals and radiation generators used in
veterinary practices are authorised by MAFF and the transport of radioactive material outside the facility is
authorised by the MLIT.
The Radiation Hazards Prevention Act, the Cabinet Order for Enforcement of that Act and the associated NRA
Ordinance in combination provide the detailed requirements for a series of notification and authorisation processes.
The authorisations are for: Specified Permitted Users, Permitted Users, Permitted Waste Management Operators,
Registered Users, Registered Users of Approved Devices with Certification Label and Registered Dealers/Lessors.
Applicants to NRA are required, as part of the application processes, to provide such information as: detailed plans
for the facility, the procedures to be used with the sources and the measures to be taken to prevent radiation
hazards. NRA has the power to attach conditions to each authorisation but only uses this in exceptional
circumstances and typically at the request of the applicant and relies on the detailed requirements in the legislation.
While NRA does not routinely issue authorisations in stages, staging is sometimes performed at the request of the
applicant particularly in relation to complex facilities. Once an application has been approved by NRA, the
applicant is granted with a permit for use. However, applicants that fall into the category of Specified Permitted
User or Permitted Waste Management Operator have also to undergo and pass a facility inspection by NRA or by a
Registered Inspection Body in order to commence an operation. In practice such inspections are carried out by a
Registered Inspection Body and take place after NRA has authorised the facility. The purpose of the inspection is to
check that arrangements at the facility are in conformance with the regulatory requirements. The Registered
Inspection Body issues a certificate of conformance directly to the authorised entity without conveying the results
of the inspection to NRA. NRA receives an inspection report for the facility before the end of the following month.
This an NRA Commission decision that requires NRA to process applications and issue permits within 90 days. All
authorisations issued by NRA are open ended (i.e. no expiry date) and applicants incur a once off financial charge.
In general the various forms of authorisation reflect the complexity and potential hazard of the use of ionising
radiation and constitute a graded approach to authorisation.
Japan implements the Code of Conduct through the establishment of NRA as the Regulatory body and through the
detailed requirements set out in the Radiation Hazards Prevention Act. NRA manages an interactive electronic
source tracking system that provides for the cradle to grave tracking of sources and has an electronic document
management system for the management of authorisations and inspections. The Custom Authorities have installed
radiation detection systems at thirteen ports and notify NRA in the event of the discovery of a source. For
provisions on orphan source management see Chapter 1.6.
However, NRA does not issue any guidance for applicants and has no documented procedures for the authorisation
process and relies only on the detailed requirements encoded in the legislation (see Recommendation R6). With the
exception of Permitted Waste Management Operators there are no requirements to make provision for the end of
life of the facility, disposal, return of sources to the supplier or associated financial provisions in the authorisation
process. While there are many bodies with responsibility for authorisation, there are no practical coordination
arrangements in place. While an operator may be authorised by NRA it can only commence operations when it
52
receives a certificate of compliance from the Registered Inspection Body. In practice NRA’s authorisation is
essentially a hold point in the authorisation process, as the information gathered by the Registered Inspection Body
is pertinent to the safety assessment prior to operation. The IRRS team considers that the information gathered by
the Registered Inspection Body needs to be incorporated into the review and assessment by NRA prior to the full
authorisation. In addition, there is inadequate regulatory oversight of the Registered Inspection Body by NRA and
there is no service level agreement or policy framework in place between the two entities.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: While an operator may be authorised by NRA, it can only commence operations when it receives a
certificate of compliance from the Registered Inspection Body. In practice NRA’s authorisation in relation to
radiation sources is essentially a hold point in the authorisation process, as the information gathered by the
Registered Inspection Body is pertinent to the safety assessment prior to operation. Therefore, relevant safety
information gathered prior to the commencement of operations during a facility inspection is not formally
reviewed by NRA prior to full authorisation.
(1)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 25 states that “The regulatory body shall review and assess
relevant information……… to determine whether facilities and activities comply with regulatory
requirements and the conditions specified in the authorization. This review and assessment of
information shall be performed prior to authorization…”
R7
Recommendation: NRA should incorporate the findings of the facility inspection into the
review and assessment and the authorization process for radiation sources.
5.7.
AUTHORIZATION OF DECOMMISSIONING ACTIVITIES
For radiation facilities, the authorised operator is obliged to produce a decommissioning plan that details the
decommissioning activities to be undertaken. There is no legal obligation for NRA to approve such plans however
NRA is mandated to provide the authorised operator with additional guidance in the event that the regulator is not
satisfied with the plan. At the end of the decommissioning activities the operator is required to submit a report to
NRA detailing the actions completed. NRA may require the operator to undertake additional actions. There is no
evidence that NRA issues a formal closeout releasing the operator from further responsibility.
The IRRS team considers that based on the graded approach the process followed by NRA may be appropriate
however a formal response from the regulator confirming the release from further responsibility should be given by
NRA for radiation facilities.
In the case of nuclear facilities authorised under the Reactor Regulation Act, the operator is obligated to submit an
application for decommissioning to the regulatory body. This application must be supported by a detailed
decommissioning plan that must be approved by the regulatory body prior to the start of decommissioning.
The decommissioning application is further supported by a safety assessment for the decommissioning activities.
As part of the self-assessment that was conducted in preparation for the IRRS mission NRA identified that while it
has demonstrated close compliance to the IAEA standards, NRA has no requirements related to the development of
an initial decommissioning plan early in the life of the plant and submission of such to the regulatory body for
review, consistent with the requirements of GSR Part 6 Requirement 10. This has been included in the action plan
developed by NRA.
The IRRS team confirmed that for facilities regulated under the Radiation Hazards Prevention Act a set of
clearance criteria consistent with the values in GSR Part 3 has been developed. In the case of facilities regulated
53
under the Reactor Regulation Act a smaller set of clearance values (33 nuclides) has been developed for NPPs.
NRA may consider having only a single consolidated list of clearance values that are applied to all facilities.
Furthermore the IRRS team identified that NRA has no clearly defined criteria for the release of sites at the end of
decommissioning, consistent with GSR Part 6 requirements 5 and 15. Lack of criteria results in the NRA not being
able to complete the process of termination of authorization as mentioned in the NRA self-assessment and Action
Plan.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: In the case of non-nuclear facilities authorised under the radiation hazards prevention act the
regulator does not provide a formal confirmation to the operator regarding completion of decommissioning and
release from further responsibility.
In its self-assessment, NRA recognized there is no requirement related to the consideration of decommissioning
during the design, construction, commissioning and operation of the facility.
As part of the Self Assessment, NRA identified that it has no clearly defined criteria for the release of sites at the
end of decommissioning, consistent with GSR Part 6 requirements 5 and 15. Lack of criteria results in the NRA
not being able to complete the process of termination of authorization.
(1)
BASIS: GSR Part 6 Requirement 5, states that “The regulatory body shall regulate all aspects of
decommissioning throughout all stages of the facility’s lifetime, from initial planning for
decommissioning during the siting and design of the facility, to the completion of decommissioning
actions and the termination of authorization for decommissioning. The regulatory body shall
establish the safety requirements for decommissioning, including requirements for management of
the resulting radioactive waste, and shall adopt associated regulations and guides. The regulatory
body shall also take actions to ensure that the regulatory requirements are met.
BASIS: GSR Part 6 Requirement 5, para 3.3 states that “The responsibilities of the regulatory
body shall include: …
(2)
Establishing requirements and criteria for termination of the authorization for decommissioning and
especially when facilities and/or sites are released with restrictions on their future use;
(3)
BASIS: GSR Part 6 Requirement 15, para 9.2 states that The regulatory body shall review the
final decommissioning report and shall evaluate the end state to ensure that all regulatory
requirements and end state criteria, as specified in the final decommissioning plan and in the
authorization for decommissioning, have been met. On the basis of this review and evaluation, the
regulatory body shall decide on the termination of the authorization for decommissioning and on the
release of the facility and/or the site from regulatory control.
(4)
BASIS: GSR Part 6 Requirement 15, states that “On the completion of decommissioning actions,
the licensee shall demonstrate that the end state criteria as specified in the final decommissioning
plan and any additional regulatory requirements have been met. The regulatory body shall verify
compliance with the end state criteria and shall decide on termination of the authorization for
decommissioning.
R8
Recommendation: NRA should establish requirements relating to consideration of
54
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
decommissioning during all life stages of nuclear and radiation facilities and criteria for the
release of sites at the end of decommissioning.
5.8.
SUMMARY
The Reactor Regulation Act and the Radiation Hazards Prevention Act provide the legal framework requiring
licensees to conduct safety assessment for each authorization stage of regulated facilities and activities, and under
which NRA conducts its review and assessment on the licensees’ applications before authorization. This legal
framework is well developed with consideration of a graded approach. However some improvements are necessary
in relation to the regulatory processes to address ageing management at NPPs, decommissioning of nuclear
facilities and radiation source facilities.
The authorization process is often followed by an inspection process which, in practice, constitutes a hold point
before a facility can be operated. Interface between these processes could sometimes be improved.
Following the TEPCO Fukushima Daiichi accident, NRA developed updated regulations to improve evaluation and
protection against extreme natural hazards and to improve prevention and mitigation of severe accident. As a result
of the back fitting rule introduced in the updated Rector Regulation Act, licensees are required to have NRA
authorization prior to restarting each reactor.
This currently creates a heavy workload for NRA as numerous applications have been filed and most of them are
still under processing. Authorization (or interdiction) to operate reactors beyond 40 years will also create in the
future a challenge for NRA and attention needs to be paid on interface with the Periodic Safety Assessment of
Continuous Improvement.
55
6.
6.1.
REVIEW AND ASSESSMENT
GENERIC ISSUES
Concise and clear in-house principles have been established by NRA with regard to review and assessment. Among
NRA five “guiding principles for activities”:
•
principle “(1) Independent Decision Making” includes the following statement “We shall make decisions
independently, based on the latest scientific and technological information, free from any outside pressure
or bias”;
•
principle “(3) Open and Transparent Organization” includes the following statements: “We shall ensure
transparency and appropriate information disclosure on regulations, including the decision making
process. We shall be open to all opinions and advice from Japan and the international community and
avoid both self-isolation and self-righteousness”.
NRA Policy on Ensuring the Operational Transparency of NRA also stipulates that the basic policy of the
organization includes “to adhere to the principle of decision-making based on written documents”. In addition, item
“2. Decision-making taking into account the risks” in NRA Statement on nuclear safety culture states that
“Decision shall be made in an independent and objective manner taking due account of the risks. Anyone who
makes a decision is responsible for explaining logically the rationale of the decision while clarifying its own roles,
responsibilities, and authority” and item “7. Rigorous and prudent decisions and agile actions” states that “In
response to any challenges to ensuring safety, all the staff shall make conservative decisions for safety taking into
account even the worst-case scenario”.
NRA performs reviews and assessments for each of the stages of the lifetime of a nuclear facility.
6.1.1. MANAGEMENT OF REVIEW AND ASSESSMENT
To establish the review team/unit to process an application, considering human resources available, NRA
management takes into account the experience of staff (e.g., those who have already performed similar reviews or
who are familiar with the facilities…).
In conducting a review, if NRA identifies needs for clarifications or additional information, NRA request applicants
to provide supplementary information. Interviews (face to face) and meetings are used by NRA to express such
needs. Schedule for the review and progress in reviewing may also be discussed during the meetings.
Within NRA, the progress of reviews is reported at executives’ meetings, departmental meetings, etc.
In NRA management system, there is no governing procedure for performing review and assessment, such as
describing how review teams are set up, how they exchange information, report on progress, or how they document
opened or closed points (see Recommendation R6).
6.1.2. ORGANIZATION AND TECHNICAL RESOURCES FOR REVIEW AND ASSESSMENT
NRA in-house resources
NRA inherited staff from NISA and, since March 2014, from JNES. JNES staff formed the majority of the NRA
Regulatory Standard and Research Department, which is providing expertise, on its request, to NRA Nuclear
Regulation Department for review and assessment or inspection. NRA may also recruit mid-career workers from
the private sector and who have substantial experience or expertise related to nuclear power, but this is not often the
case. Training for new employees and training for acquiring basic knowledge and improving expertise (for example
specialized training on probabilistic risk assessment) are largely under development. Moreover, there are no
documented expected competences for qualifying as a reviewer (see Recommendation R5). Personnel are gaining
56
experience by conducting numerous reviews and assessments of safety licensees' evaluations, currently mostly in
relation to the implementation at sites of the new safety requirements developed after the TEPCO Fukushima
Daiichi accident. With regard to these new safety requirements, one lecture was delivered to reviewers to
familiarize them with the changes introduced.
NRA resources are oriented at conducting the review of the numerous applications received to the compliance with
the new regulatory requirements. This focus does not enable NRA to update its internal review guidelines or to
update existing ones.
In its self-assessment, NRA identified the need for additional competent staff to perform the numerous on-going
and upcoming reviews.
Reactor Safety Examination Committee and Nuclear Fuel Safety Examination Committee are currently not
involved in licensing review (they may however be involved in the development of regulations or regulatory
guidance).
Review of operational experience feedback
In addition to performing inspection on compliance of licenses with their Operational Safety Programmes, which
have to address “related to sharing of technical information on operational safety among licensees when such
knowledge is gained by a licensee that conducted maintenance or inspection”, “matters related to disclosure of
information regarding non-compliance” as well as “methods for root cause analysis, systems for conducting such
analysis”, NRA also performs review of events reported, under criteria established by NRA Ordinance, by
licensees. The IRRS team noted that such reported events are not so numerous, as reminded in the table below and
NRA underlined that, prior to the shutdown of Fukushima Daiichi accident, more reports were submitted (~30 in a
year).
Number of events reported by Japan nuclear facility operators
April 2012 - March 2013 April 2013 - March 2014
April 2014 - March 2015
April 2015 - to date
9
10
8
5
Operating experience review process is summarized in Chapter 2.2 of this report. The IRRS team questioned NRA
on actual output of this process:
•
An internal information memorandum that summarizes international events is issued each week;
•
For the past 3 years, the event that resulted in an actual change of regulatory requirements is the US Byron
2 event. The event, which occurred in January 2012, lead to a change in regulatory requirement approved in
June 2015 and specific information to the on-site inspectors. Another event – the fire at Onagawa 1
following 2011 Tohoku Earthquake – was discussed in the Reactor Safety Examination Committee but this
did not result in an advice to change in requirements. The former NISA issued instruction to all NPP
licensees for appropriate improvements with a limited scope, and the NRA is now revisiting this issue.
•
It was unclear for the IRRS team how lessons learned from other events are incorporated into NRA internal
review guidance and inspections programme to ensure Japanese licensee have taken appropriate action. No
actual example of modified review or inspection guidelines was presented to the IRRS team. They are
however discussed at monthly meeting between JANSI and NRA; they may also be directly discussed
between licensees as a result of the provisions of their respective Operational Safety Programmes.
In addition to events which are mandatory to report, the NPP licensees also shares with JANSI and, on a voluntary
basis, with NRA “minor” events. NRA finds such information useful for operating experience feedback and
discusses it at its meetings with JANSI.
57
The IRRS team stresses that the restart of some reactors creates now a significant change, compared to the situation
for the past 4 years when all reactors were shutdown, with regard to the potential for national operational
experience feedback, whether directly identified by the licensees or resulting from NRA inspections or reviews.
This will constitute a challenge for NRA as the past years have been primarily devoted to developing new
regulatory requirements for the design of nuclear facilities and reviewing design and operational changes to comply
with these requirements. The IRRS team believes it would be beneficial for NRA to be fully aware of regulatory
and practical provisions implemented by foreign regulators which faced similar situation.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: NRA is collecting operating experience of national nuclear facilities beyond the reporting
requirements defined in the laws and regulations. Few events are reported to NRA on a mandatory basis, by
licensees. NRA reviews selected international events and “minor” events provided by licensees on a voluntary
basis. Except for one international event, the IRRS team did not get evidence of actual changes (in regulation and
regulatory practices) resulting from the lessons learned from events reviewed.
(1)
(2)
(3)
S8
BASIS: GSR Part 1 para 3.4 states that “The regulatory body shall establish and maintain a
means for receiving information from other States and from authorized parties, as well as a means
for making available to others lessons learned from operating experience and regulatory experience.
The regulatory body shall require appropriate corrective actions to be carried out to prevent the
recurrence of safety significant events. This process involves acquisition of the necessary information
and its analysis to facilitate the effective utilization of international networks for learning from
operating experience and regulatory experience.”
BASIS: GSR Part 1 para 3.5 states that “To enhance the safety of facilities and activities globally,
feedback shall be provided on measures that have been taken in response to information received via
national and international knowledge and reporting networks. Such measures could comprise
promulgating new regulatory requirements or making safety enhancing modifications to operating
practices or to equipment in authorized facilities and activities.”
BASIS: SSG-12 para. 2.36 states that “Throughout the licensing process, the regulatory body
should ensure that the licensee has an established feedback system for learning from experience
(regarding engineering, human and organizational aspects). Review, assessment and inspections
performed by the regulatory body to confirm the existence and the application of such experience
feedback should also be considered. …”
Suggestion: NRA should consider reviewing its current operating experience feedback process
to:
• determine whether its criteria allow the reporting of enough safety significant events;
•
ensure lessons learned from these events, including return to service from extended
shutdowns, are taken into account by the licensees and actually result in appropriate
and timely measures at the facilities.
Calculation capabilities
NRA operates its own computer codes that enable NRA to carry out independent calculation, for example related to
NPP transient analysis.
Licensees’ organizational changes
The Commercial Reactors Ordinance contains requirements for quality assurance, education on operational safety,
but does not specify any requirements regarding licensees’ organizational changes although changes to a licensees’
organizational structure may have an impact on safety. The Operational Safety Programme does not address in
details the structure of licensees’ organization and how changes will be managed.
58
The IRRS team noted that NRA did not conduct reviews of the licensees’ process for managing their organizational
changes and there is no specific procedure/guide describing how NRA is assessing licensees’ organizational
changes (see Recommendation R6), while the commercial reactor ordinance (Article 92-1-4) requires licensees to
include the organizational structure in there operational safety programme.
In Chapter 3.3 it is suggested that NRA should consider recruiting people who have competencies in the areas of
human and organizational factors and management system. The above-mentioned finding supports the view of the
IRRS team that human factor related aspects are not widely recognized in NRA’s oversight functions. The process
of change should be defined and they should be identified, classified and controlled according to their significance
for safety.
Technical support organizations (TSO)
NRA can seek technical assistance from both JAEA and NIRS. But, for the licensing of NPP, NRA does not use
any external TSO.
6.1.3. BASES FOR REVIEW AND ASSESSMENT
The regulatory regime in Japan is prescriptive in nature, considering the level of detail of the legislation, Cabinet
Order, NRA Ordinance and NRA regulatory guidance document.
For example, for nuclear power plants, detailed regulatory requirements on commercial power reactors are
stipulated in the Reactor Establishment Permit Ordinance which is used in licensing for Establishment Permit, and
the Technical Standards Ordinance which is used in the approval of Construction Plans. These requirements set the
basis for review and assessment of licensees’ applications.
Reactor Establishment Permit review goals
NRA Ordinance on Standards for the Location, etc. establishes the review criteria relating to Reactor Installation
Permits; it also presents design requirements in regard to external events. Other key aspects to be reviewed include
technical capability and financial basis of the applicant, technical capability for taking measures to prevent
occurrence and progression of a severe accident, limited purpose for peaceful use, other technical capability for
operating safely the reactors, compliance of location, structure and equipment with relevant NRA Ordinances.
The adequacy of the basic design of a nuclear power plants is now reviewed for anticipated operational occurrence,
design basis accidents, accidents that may lead to severe accidents or severe accidents, both in reactor and in spent
fuel pool.
Construction plan review goals, operational safety programme review goals
NRA review goals are to determine whether the construction plan and the operational safety programmes are both:
•
complying, in their content, with the regulatory requirements and consistent with NRA guidance;
•
consistent with the submission justifying the Establishment Permit.
Periodic safety assessment of continuous improvement review goals
NRA needs to evaluate whether the licensee’s methods of investigation, analysis, and comprehensive evaluation
comply with the one specified in the regulations and consistent with NRA guidance. According to NRA
understanding of the law, this is not to be considered as a “review” per say.
Operation beyond 40 years of operation
NRA review is to assess whether the plant equipment current status, the foreseen status of equipment status at the
end of the extension period as a result of ageing and the maintenance policy are adequate to ensure safety.
Internal guidance for review and assessment
59
The principal purpose of this systematic plan is to assure the quality and uniformity of staff safety reviews and is
also to make information about regulatory matters widely available so to improve communication with stakeholders
and increasing understanding of the regulator’s review process.
Licensing step
NRA review guidance
Reactor Establishment Permit
There are standard review plans (SRP) and other public guidelines for the
review of applications.
SRP for PWR has been recently updated (November 2015) as part of the
process to review application for compliance with new regulatory requirements
(amendment of Establishment Permit). As applications prior to restarting BWR
were submitted recently, the development of an updated BWR SRP is ongoing.
NRA staff stresses that, regulatory requirements more than often technology
neutral and that the PWR SRP is already a good basis.
Some guides have been published mid-2013 (Guideline for Evaluation of
Effectiveness of Measures to Prevent Core Damage Containment Vessel
Function Failure of Commercial Power Reactors, Guideline for Evaluation of
Effectiveness for Measures to Prevent Fuel Damage in Spent Fuel Storage Pool
of Commercial Power Reactors, Guideline for Evaluation of Effectiveness of
Measures to Prevent Fuel Damage of Commercial Power Reactors during
Shutdown), but most guides regarding design basis accidents are quite old and
sometimes of high level (Review Guide for reviewing safety assessment of
Light Water Nuclear Power Reactor Facilities (1990)). NRA has acknowledged
the need to enhance review guidance in its self-assessment and initiated an
action plan to further enhance its review guidelines.
Construction plan
The Commercial Reactor Technical Standard Guide (June 2013) gives
interpretation of the corresponding NRA Ordinance and is used for the review.
It consist of a table, the left column being the article of the ordinance, the right
column its interpretation.
Approval of Operational safety
programme
NRA has developed a Standard Review Plan on Commercial Reactors
Operational Safety Programme Standards. On several item, the review aims at
checking if an appropriate explicit commitment has been made by the licensee
or whether a policy or plan has been developed.
For some topics related to the NPPs licensing, such as quality assurance or
maintenance, complying with a Japanese industrial standard (e.g. standard
JEAC 4111-2009 for quality assurance or JEAC4209-2007 for maintenance and
inspections for NPPs) is an acceptable means to comply with regulatory
requirements.
Report on periodic safety
assessment of continuous
improvement
No “review” guide is currently available within NRA. Some NRA staff
recognized that having such internal guidance would be useful, including to
help documenting, if any, the “review”.
Approval of operation beyond
There are two guides related to the application for operation beyond 40 years.
60
40 years of operation
The first one is presenting NRA criteria for decision making. The second is
addressing licensee’s submission, especially the presentation of the results of
the “special inspection”, which has to be completed before applying for
authorization. With regard to the evaluation of ageing related degradation, the
scope is identical to the one set in NRA guidance for Operational Safety
Programme for operation beyond 30 years.
6.1.4. PERFORMANCE OF REVIEW AND ASSESSMENT
Review is conducted through licensee’s document review, interview between NRA staff and licensee, as well as
“open meeting” between NRA and licensee:
•
“Open meetings” are meetings chaired by NRA commissioners where NRA staff addresses the outstanding
points and, when needed, requests the licensee to provide additional information or amend its initial
submission. These meetings are open to public, they are also broadcasted on NRA website;
•
Interviews are the routine mode of questions and answers. They occur nearly every day. Prior to closing the
interview, a wrap-up where questions raised, answers or documents provided are confirmed. The meeting
agenda and summary report, primarily based on the wrap-up outcome, are available on NRA website.
It is not NRA usual practice to send E-mail or formal letter to the licensee to raise questions or to identify
shortcomings in the licensee submission. As a result of interviews and open meetings, the licensee will update its
submission.
In addition, when NRA makes significant regulatory decisions such as the permission for amended establishment
permit in accordance with new regulatory requirements NRA may participate in the briefing session to the local
communities near the nuclear power and explains its regulatory decisions in details, based on the request from local
governments.
6.2.
REVIEW AND ASSESSMENT FOR NUCLEAR POWER PLANTS
Concerning the review related to the key licensing steps, the IRRS team noted the following:
Establishment Permit
In reviewing Reactor Establishment Permits, the siting conditions and
design of facilities are evaluated to confirm that the risk of radiological
consequences for the public or the environment as a result of
radioactive releases is ‘acceptably’ low.
Approval of construction plan and
pre-service inspection
Inspection at sites are performed by headquarter staff who are cognizant
of the construction plan review.
Approval of operational safety
programmes
Operational safety programmes are reviewed based on the permitted
establishment permit, including the limits and conditions of the
operations.
Periodic safety assessment of
continuous improvement
No “review” has been yet performed.
Even if the periodic safety assessment of continuous improvement may
result in an updated SAR, the licensee is not required to submit it to
NRA unless the assessment identifies a need to amend the establishment
permit. In NRA guidelines such amendment is currently found
61
necessary if the periodic safety assessment identifies more severe
conditions (e.g. natural hazards).
Approval of operation beyond 40
years
The review evaluates ageing management provisions as well as the long
term maintenance policy of the licensee
NRA has developed guidance on the content of applicant’s submission and on their review by NRA. However, not
all licensing processes benefit from such guidance and the level of detail of guidance may allow wide
interpretation. There is for example no guidance for the “review” of reports on Periodic Safety Assessment of
Continuous Improvement. Furthermore, some existing guidance does have to be updated, for example to fully
capture the consequences of recent IAEA Safety Standards. NRA review guidelines (“Standard Review Plan”) do
not give detail procedures to be followed in the review and assessment process and may not be considered as a
systematic plan to provide assurance that all the topics significant to safety will be covered.
In its self-assessment, NRA recognized that NRA resources were oriented at conducting the review of the
numerous applications received considering, the new regulatory requirements, not at developing or updating its
internal review guidelines or to update existing ones the standard review plan and guides for the authorization for
commercial nuclear power plants should be enhanced (see Recommendation R11).
Reviews currently performed to assess compliance of reactors with new regulatory requirements
Currently, in NRA Nuclear Regulation Department, staff is mainly reviewing application for compliance with new
regulatory requirements. To process these applications, NRA established 2 teams to review earthquake and
tsunamis aspects and 4 teams (3 teams for PWR and 1 team for BWR) to review the other aspects. About 100
persons are involved, with support from an additional 100 specialized staff from NRA Regulatory Standard and
Research Department (mostly former JNES staff). They review the amendments to the Establishment Permit, the
Construction Plan and the Operational Safety Programmes. This allows integration of the reviews performed by
headquarters, the pre-service inspection remaining a separate action.
Each team has a team leader: half of them are senior reviewers. For the PWR and BWR teams, which comprises
15-20 people, staff is working within 4 sub-teams ({design basis, fire, flooding}, {severe accident, accident
analysis}, {structures}, {quality management system, operating procedures}). Sub-team leads are senior reviewers;
they participate in interviews with licensees. Team leaders are made aware of the key points discussed during
interviews with licensee. To circulate information, in each team, a short team meeting takes place every day.
However, exchange of information across teams is not as much developed and relies largely on upper management;
NRA recognizes increased communication between teams would be beneficial.
Reviewers from NRA headquarter do occasionally come to sites and participate in inspection activities. In relation
to the restart of NPP, their on-site observations are largely oriented at confirming information collected in licensee
submission or during interviews/open-meeting and having a better understanding of the actual means
installed/available as a result of the new safety requirements. For Takahama Unit 3/4 restart, the first operational
safety inspection, with account taken of the new safety requirements, took place during 3 weeks in October 2015.
In the team of thirty of so inspectors, several reviewers were incorporated.
More frequent site visit might be beneficial for improved understanding of licensee’s provisions and concerns, if
any, as well as further common (i.e. license and NRA) understanding of safety significance of a particular situation.
Progress on review is reported every two months to NRA Commissioners, in addition to information they would get
during “open meeting”. The review itself is documented in two separate documents:
62
•
One, mostly for NRA staff internal use, is the standard review plan (the left column list the applicable
regulatory requirements; the right column the conclusion of NRA staff on compliance) ;
•
One, a summary assessment report, endorsed by NRA Commissioners. The one related to the amendment
of Sendai 1/2 Establishment permit is about 400 pages long.
Both documents, which present conclusions on conformity with regulatory requirements, thus the basis for issuing
the authorization, are made available on NRA website.
6.3.
REVIEW AND ASSESSMENT FOR RESEARCH REACTORS
The process of review and assessment by NRA for research reactors is similar to the ones for nuclear power plants
and fuel cycle facilities.
To apply for the Establishment Permit of a research reactor, the applicant shall submit documents similar to those
for the safety analysis report (SAR), which are stated in IAEA NS-R-4 with an exception. According to NS-R-4
requirement 3.6, a SAR shall give a detailed description of the reactor site, the reactor, experimental devices, a
safety case and all other facilities and activities with safety significance. The exception mentioned is that
information on decommissioning is not given. A corrective action for this issue is proposed by NRA in the Action
Plan. The licensee is not required to submit an update of the SAR except in the case of an application for
modification of establishment permit. However, when they are updated without a modification of establishment
permit, during the process of periodic safety review, the NRA will verify the updating process through the NRA’s
operational safety inspections. There is no formal process to review these updated documents by NRA.
Others related review and assessment activities are:
According to the Ordinance on Standards for the Location, Structure and Equipment of Nuclear Research and
Test Reactors, the research reactor shall be so designed that their safety functions will not be impaired by
earthquake, tsunami and other important natural phenomena (i.e. tornadoes).
• Structures, systems and components (SSCs) bearing safety functions are classified into two categories
“prevention system” and “mitigation system”. SSCs are further classified into Class 1, Class 2, and Class 3
according to their safety functions and include “monitoring systems” for accident conditions. No explicitly
mention is given to “software” safety classification, but software is not used for most of the RRs’ protection
system.
According to the Research Reactors Ordinance, a licensee shall perform a periodic safety review (PSR) every 10
years. The corresponding PSRs have been carried out by the licensee for all available reactors systematically
without a guideline for their content. In the Action Plan NRA proposed to prepare a guide for the PSR content.
Furthermore, the licensee shall perform technical review on aging before 30 years has elapsed from the start of
operation, and then preparing implementation plans against aging with a periodicity, at least every 10 years.
•
NRA coordinates the examination of submissions of the applicant documents and there are meetings between
specialist of both NRA and licensee to discuss in detail the information given in the documents. The NRA
observations are communicated in a summary report at the end of each meeting.
There are no requirement related to the consideration of decommissioning of the research reactor facilities during
the design, construction, commissioning and operation of the facility. A corrective action to this issue is proposed
by NRA in the Action Plan.
6.4.
REVIEW AND ASSESSMENT FOR FUEL CYCLE FACILITIES
The process of review and assessment (examination) of fuel cycle facility submissions by NRA is similar to that for
nuclear power plants, where either an open or closed review is completed. The route is decided by the Committee
63
based upon the facility application, but each culminates in NRA considering the submission for approval, once
NRA’s Fuel Cycle Facility Division has completed its examination and produced an assessment pack. There is
discretion within NRA guidelines for the management and administration of documentation for the approval to be
given at different levels, dependent on the content and safety significance.
The Fuel Cycle Facilities Division of NRA coordinates the examination of submissions and the key interactions
with the licensee are in the form of meetings where technical specialists discuss the application in detail, at the end
of each meeting a summary record is produced that is used to communicate NRA’s position to the licensee. The
status of this summary, and its effectiveness and suitability as a definitive record of the regulators position was
unclear to the IRRS team. The effectiveness of the current arrangements needs to be reviewed and the need for a
formal method to notify licensees so they are clear on the regulatory expectations and opened issues related to the
examination of their application and subsequent authorization but the current approach to openness by NRA should
continue. This is discussed further in Chapter 3.
For fuel cycle facilities, the examination scopes the full application and considers matters important to safety
including cooling, criticality, and containment, as well as the organizational structure of the operator and named
appointments in key roles, including the key safety role of the Chief Engineer. NRA guides define the range of
hazards that need to be considered by the licensee’s submissions for fuel cycle facilities and examined by the
regulator. The IRRS team confirmed that the new requirements of fuel cycle facilities reflect the unique nature of
these types of facilities. NRA’s review for compliance with the new regulatory requirements for the fuel cycle
facilities is ongoing and there is a significant amount of work to be completed by NRA before compliance with the
new regulatory requirements can be authorized.
During the mission it was evident that NRA regularly requests the licensee to submit supplementary information in
support of its application to allow NRA to complete its examination. The IRRS team sought assurances regarding
the degree of analysis undertaken by applicants and during NRA’s examination regarding human factors safety
analysis, and the approach to safety culture within the operator. Although, there are basic requirements within the
regulatory framework for the need to consider human factors, the IRRS team was unable to confirm that a
systematic approach is applied as part of the application process, or by NRA, to understand the factors that affect
human performance, and minimise the potential for human errors to contribute to or escalate faults. This
observation potentially extends to other nuclear facilities, although this was not specifically investigated by the
IRRS team.
A systematic approach is needed to identify human actions that can impact safety for all operating modes and all
fault and accident conditions identified in the safety case, including severe accidents. A proportionate analysis
should be carried out of tasks important to safety and used to justify the effective delivery of the safety functions to
which they contribute. The analysis should evaluate the demands these tasks place upon personnel in terms of
perception, decision making and action. It should also take into account the physical and psychological factors that
could impact on human performance.
The analysis should be sufficiently detailed to provide a basis for developing user interfaces, procedures and job
aids, as well as helping define operator roles and responsibilities, staffing levels, personnel competence and training
needs, communication networks and work-space design. The workload of personnel required to undertake these
actions and controls should be analyzed and demonstrated to be reasonably achievable.
64
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: A systematic approach was not evident as part of the application process, or by NRA, to
understand the factors that affect human performance, and minimise the potential for human errors to contribute
to or escalate faults.
BASIS: GSR Part 1 Requirement 32, states that “The regulatory body shall establish or adopt
regulations and guides to specify the principles requirements and associated criteria for safety upon
(1)
which its regulatory judgements, decisions, and actions are based.”
(2)
S9
BASIS: GSR Part 4 Requirement 11, states that “The Human interactions with the facility or
activity shall be addressed in the safety assessment, and it shall be determined whether the
procedures and safety measures that are provided for all normal operational activities, in particular
those that are necessary for implementation of the operational limits and conditions, and those that
are required in response to anticipated operational occurrences and accidents, ensure an adequate
level of safety.”
Suggestion: NRA should consider reviewing the regulatory requirements for all nuclear
facilities to ensure that submissions by licensees give full systematic consideration to human
and organizational factors and human errors in the design of the plant, and the sufficiency of
qualified and experienced NRA resource to assess this.
The nature of the geology in Japan means that it is essential that NRA is able consider the adverse impact that
natural hazards would have on siting of the facility and under the Reactor Regulation Act it can refuse the location
of the facility if its examination of the early submission by the applicant or licensee on seismic, tsunami and
volcanic inputs indicate that it is unsuitable, but no evidence of this being implemented was observed.
As part of the backfit approach JNFL, the licensee for the reprocessing facilities at Rokkasho, completed a severe
accident analysis in accordance with the new legislative requirements. NRA’s examination considered that the
initial submissions made 2 years ago by JNFL were deficient. Revised submissions have been provided, necessary
due to the initial lack of clarity in setting out regulatory expectations. NRA is currently undertaking its examination
of the severe accident analyses submissions for the reprocessing facilities, which will have to be completed
satisfactorily before the plants will be allowed to commence operations. JAEA, the licensee for Tokai, is still
developing its application for compliance with the new regulatory requirements.
For fuel cycle facilities, the licensee is required by the Reactor Regulation Act to regularly undertake a
comprehensive evaluation of the safety of said fuel cycle facilities. A regulatory Guide provides details of the
Periodic Safety Assessment of Continuous Improvement and sets out the requirements for licensees to install
equipment or apparatus contributing to the improvement of the safety of their facilities, enhancing education on
operational safety, taking any other necessary measures for preventing accidents; taking into account the latest
knowledge on safety. As part of its assessment, licensees have to investigate and evaluate the implementation and
validity of their efforts for fulfilling these responsibilities, to ensure they focus effort on continuously improving
the safety of their facilities. The assessment is required to be completed within 6-months of the Periodic Facility
Inspection, which is undertaken annually; hence a comprehensive evaluation is required every year. In addition,
there is a legal requirement that the effects of ageing be assessed and by the licensee 20-years after operations first
commence, which is to be repeated at an interval of no greater than 10 years, and a plan developed from the
analysis to implement appropriate maintenance.
6.5.
REVIEW AND ASSESSMENT FOR WASTE MANAGEMENT FACILITIES
The process for review and assessment of waste management facilities authorised under the Reactor regulation act
is similar to that for nuclear power plants and fuel cycle facilities, but a graded approach is adopted with the level
65
of detail being commensurate with the hazard posed. The content of the safety documentation to be submitted is
detailed in the ordinances specific to the type of facility in question. The applicable ordinances and guides detail the
various safety evaluations that are required and these include as appropriate evaluation of containment structures,
shielding, heat removal, fire and explosion, seismicity, tsunami, safety significant instrumentation, operational
procedures. Included in the safety documentation is an operational safety assessment detailing the general operating
rules and procedures and limiting conditions of operation.
The reviews of an initial application include review of the applicant’s business plan and means to secure
appropriate funding for the planned activity. The professional history of the main engineers is also evaluated by
NRA. Approval is based on compliance to the criteria specified in the applicable ordnances and demonstration that
the applicant has sufficient technical capability and financial means to conduct the proposed activities.
All authorized facilities are obliged to undertake a periodic safety review. The frequency of these reviews is ten
years. Furthermore waste interim storage facilities are required to undertake an aging management review prior to
twenty years of operation
Aging management review and severe accident evaluation is not required for the current near surface disposal
facilities based on the low hazard posed.
6.6.
REVIEW AND ASSESSMENT FOR RADIATION SOURCES FACILITIES AND ACTIVITIES
When an application for an authorization is submitted to NRA, the application is assigned to an officer to conduct
the review and assessment. The officer checks that all of the documentation required in the legislation has been
submitted and will request additional information if necessary and hold a meeting with the applicant where
appropriate. Once the officer has completed the review and assessment of the application, a recommendation to
grant or refuse an authorization is made to the Director of the Radiation Regulation Office and Safeguards Division
or to the Director General of the Radiation Protection Department or the Director General of the Secretariat for
more complex applications. The relevant director makes the final decision on the authorization. NRA Commission
is then informed of such authorizations typically on a quarterly basis. The IRRS team was informed that additional
review and assessment of facilities is only performed as part of an application by an operator to modify an existing
authorization. NRA also considers review and assessment to be incorporated into the inspections that are carried
out by NRA and the Registered Inspection Body. IRRS team was informed that an officer has a responsibility for
periodically collating findings from inspections, categorizing them and sharing them within NRA.
NRA has not established criteria for the conduct of review and assessment beyond those provided in the regulations
and relies exclusively on an examination of the documents supplied against the legislative requirements. NRA does
not have any documented procedures for review and assessment (see Recommendation R4 and Suggestion S6).
6.7.
REVIEW AND ASSESSMENT FOR DECOMMISSIONING ACTIVITIES
NRA has developed guidance and ordinances specifying the content of detailed decommissioning plans and the
submitted plan are reviewed against these criteria.
NRA currently does not have requirements relating to the consideration of decommissioning during design and
construction of nuclear facilities. NRA did recognize this in its self-assessment and identify an action to address
this shortcoming (see Recommendation R8).
In the case of radiation facilities NRA does undertake a review of decommissioning plans submitted but has no
obligation approve such plans. However when NRA identifies deficiencies in the plans they are communicated to
the licensee (see Recommendation R8).
66
6.8.
SUMMARY
Review and assessment is directly related to verifying criteria established in the acts, regulations and guides. To
cope with the numerous documents, NRA develops internal guidance to help perform and document the review,
even if some areas would benefit from additional guidance (see Chapter 9). However, NRA faces the challenge of
updating these documents to keep them consistent, both with national requirements and with IAEA Safety
Standards. The current standard review plan and guides for the review of application for authorization of nuclear
power plants are, with a few exception, quite old and they should be updated or further enhanced to fully take into
account IAEA safety standards and new Japanese safety requirements (see Chapter 9). As reviews are currently
underway for compliance with new regulatory requirements, the experience gained in this review will likely
provide insight for these updates.
During its review process for nuclear facilities, NRA allows a high level of transparency by having meeting with
licensees open to the public or by having meeting agenda and summary report available on NRA website. NRA
also publishes the result of its reviews for these authorizations such as an evaluation report that document the basis
for NRA’s decision.
NRA should better interfacing review and assessment with inspections, as both processes are often imbricated to
actually allow a facility (nuclear facility or radiation source facility) to operate.
For nuclear facilities, NRA faces the following challenges of:
•
shifting from current design reviews, in relation to the implementation of the new safety requirements
published after the TEPCO Fukushima Daiichi accident, to the reviews of matters related to the safety of a
facility being again operating (if the design reviews conclude that new requirements have been adequately
complied with);
•
enhancing its operating experience feedback process and better addressing human and organizational
factors.
67
7. INSPECTION
7.1.
GENERIC ISSUES
The Reactor Regulation Act and the Radiation Hazards Prevention Act provide the legal framework for various
types of regulatory inspections, (e.g. pre-service, welding, fuel assembly, periodic facility, operational safety, and
on-site inspections for nuclear facilities as well as inspections for radiation sources and facilities), and under which
these inspections are structured to confirm the compliance of facilities and activities to the relevant requirements.
7.1.1. INSPECTION PROGRAMME
The frequency, scope and content of most types of inspections are prescribed in detail by laws and subordinate
legally binding Ordinances allowing little freedom to the NRA to revise the inspection programme to incorporate
risk information or performance issues.
NRA performs several types of inspections:
Periodic safety management review: The licence holders have legal obligations to periodically check their safety
related performance, which is in their terminology called “licensee’s inspections”. The regulatory body has to
check how licensees have performed their own inspections in the process called “periodic safety management
review”. These inspections are performed by inspectors from the Head office.
Periodic facility inspections are performed by NRA inspectors to check the facility during outages. The license
holders are legally obliged to formally apply for the NRA to perform such inspection and NRA cannot perform
such inspection without the application. The IRRS team considers that the legal requirement for NRA to perform
inspection only after the license holder applies for it is highly unusual. Facility inspections are performed by NRA
staff coming from the Head Office.
Facility inspections for nuclear power plants last on average 3 months, but could be longer as in the case with the
latest inspection of the recently restarted Sendai 1 unit.
Operational safety inspections are performed by NRA four times per year. Each of these operational safety
inspection campaigns basically last for two weeks and has a strictly prescribed scope and content. Such inspections
are performed also during certain predefined activities in the plant such as fuel loading. For these kinds of
inspections NRA prepares plans in advance taking into account experiences from previous inspections and other
information indicating areas where to focus the inspection.
Operational safety inspections are performed by resident inspectors from regional offices. In these regional offices,
which are next to each nuclear site, typically there is one chief resident inspector, one resident inspector per unit on
site and one severe accident advisor.
Specialized types of inspections like welding inspections or fuel assembly inspections are also performed by
NRA. For example, the extent of welding inspections is determined by the type of facility and the details of the
analysis provided by the licensee in its application. It is NRA’s technical specialists who define the final details of
the welding inspections and the type of testing to be done. The IRRS team considers that while this provides
confidence in the integrity of system welds important to safety, it appears to place the burden and responsibility for
confirming weld integrity on the regulatory body and not the licensee.
The IRRS team is concerned that such strongly specialized and prescribed inspections might diminish the prime
responsibility of the licensee for safety, although the IRRS team was informed that this is not the case as NRA is
mainly just witnessing what the licensee is doing during such inspections.
68
NRA does not perform joint inspections with other authorities, does not coordinate inspection plans nor exchange
inspection findings with them. NRA inspectors are never accompanied by representatives of other organisations,
but sometimes visit sites accompanied with staff members from other departments of NRA.
NRA does not have consolidated annual baseline inspection programme containing all types of inspections
performed by NRA. The number, type and duration of inspections undertaken by NRA are significant however
there does not appear to be an integrated approach to the planning and management of inspections. An integrated
plan is necessary to support effective and efficient conduct of the inspection process and to allow for the relevant
information to be shared among NRA staff at the Head Office and at regional offices.
In theory NRA inspectors can perform unannounced inspections, but in practice such inspections are not done.
Possibilities for inspectors to enter and inspect sites at any time are limited to the periods of above mentioned
legally prescribed inspections. To avoid potential problems with the site access the NRA has entered agreements to
facilitate the inspectors’ free access to sites. During such visits, that are undertaken almost daily, resident inspectors
do not perform inspections, but rather what is referred to as ‘assessments’. The assessments are not legally
prescribed and can be considered a type of informal oversight of the day to day operations on the plant. The
inspectors may propose to their superiors the legally binding reactive on-site inspections to be carried out, if they
discover issues that would justify inspection and enforcement measures during the assessment. Such reactive
inspections then have to be authorized by the commission or the Director General of Nuclear Regulation
Department in the case of deviation from the LCO, which the IRRS team finds to be an unusual practice.
The IRRS team noted that any findings from the assessment have first to trigger approval by Commission or senior
management in NRA in order to perform a reactive inspection to deal with the issues arising and only after that can
corrective actions be imposed on the licensee. IRRS team considers that this process should be revised to be more
efficient and effective.
Legal framework for performing inspections
The unnecessary complexity of the legal framework with respect to inspections was also recognized during the
IRRS mission to Japan in 2007. However, the IRRS team noted that the approach remains essentially the same 9
years later. During the preparations for the IRRS mission the NRA also recognized the unnecessary complexity of
the legal framework for performing inspections and has already foreshadowed improvements towards
simplification. Such improvements will require changes in the laws, which will likely take considerable time. The
NRA’ intention is to prescribe in law what kind of inspections the operator is obliged to do in order to verify
compliance with safety requirements and to empower the regulatory body to develop the details of the inspection
process for verification of compliance. At the time of the mission plans were still in the conceptual stage and
drafting of new legislation had not started yet. It was explained to the IRRS team that a draft law will first be
discussed with stakeholders and the public and then submitted to the governmental legal office. Only after that will
the draft be sent for adoption by the parliament.
The IRRS team considers that the above intentions are needed and reasonable, and that simplification of the legal
framework would contribute to the greater efficiency and effectiveness of the inspection processes. The law should
provide general requirements for the licensees to define operating limits and conditions together with requirements
to verify their conformance by suitable processes, which include review, assessment, surveillance, inspections or
any other means for monitoring that the operations conform to operating limits and conditions. The objective of
NRA inspections would then be to monitor (assess, inspect, oversee, review …) that those limits and conditions are
fulfilled and that the licensee is performing their part of verification. Enough freedom should be left to NRA to
decide, based on graded approach, what type of inspection activities would be best suited to the needs.
69
NRA has recently developed and started a programme for monitoring safety culture within licensed facilities. The
understanding what safety culture is and what safety culture is meant to achieve is increasing among both
regulatory staff and regulated entities. This is an area where the regulator and licensees can work together.
However, embedded safety culture requires a profound change in attitudes and the concept of ‘safety culture’ does
not translate easily into the Japanese language which in itself may be an obstacle to its implementation.
The NRA assesses licensee safety culture primarily through Operational Safety Inspections. Licensees are required
to develop and periodically adjust a plan to foster a healthy safety culture. The licensee does this by performing a
self-assessment of the previous period and factoring the performance into the plan for the next period. The NRA
onsite inspectors are trained and guidance is provided on 14 specific traits of a healthy safety culture. The
inspectors, as part of the Operational Safety Assessments, record their determinations against these traits during
their in-plant walkdowns and observations of the daily corrective action programme meetings. One example of a
trait is “questioning attitude”. The inspectors’ determinations or judgments against the traits are recorded and
subsequently utilized to make recommendations regarding the licensee’s plan to address safety culture.
The records of inspections are retained by NRA and the period of retention varies between 5 and 30 years
depending on the type of the record. The records of the facility assessment by regional inspectors are retained for 6months. It is possible that some of the inspection records being disposed of, particularly those destroyed after 5
years, would be of benefit beyond the five year limit particularly when considering plant modifications, safety case
revisions or decommissioning proposals.
The records of inspections are stored in paper form in a central storage in Tokyo. No electronic data base system
for archiving and retrieval of data exists with the exception of such system with data about radiation sources.
Similarly is for operational safety inspections only that those records are since few years ago published on internet
and thereby electronically saved and available also in the future.
The IRRS team noted that inspections of different types of facilities are performed by other divisions of NRA
following different procedures though based on the same set of laws. There seems to be no coordination between
divisions for these inspections.
7.2.
INSPECTORS
New inspectors usually spend up to two years working under the close supervision of the senior inspector on the
site. After that they receive 8 days training if they are to become resident inspectors performing operating safety
inspections or 5 days if they are to become facility inspectors. On a voluntary basis they can undergo additional
specialisation training that includes one week of simulator training. There is no regular retraining programme in
place for inspectors.
NRA inspectors have in place an extensive set of procedures and guidance on how to perform inspections. (In the
context of this report, “inspection” also includes those inspector observation activities currently performed under
NRA “assessment” processes). The IRRS team noted that most of them are in the form of check lists leaving little
freedom to inspectors for personal assessments or judgements. This might be the reason why NRA in the past did
not feel a need to extend amount of initial training for inspectors. The IRRS team’s observations in the field also
indicated that inspectors are sharply focused on the specific activities being checked. For example, the IRRS team
witnessed how inspectors in the control room of the NPP were just checking status of certain indicators on the
control panel as it was prescribed in their checklist while paying no attention to numerous alarms and activities by
operators that were going on at the same time in the control room. NRA is aware that a major change of inspection
system would require improvements also in capacity and capability for performing credible inspections. The new
inspection framework would require a new approach where the current checklist-type of inspections needs to be
changed to an approach that is flexible and more analytical in order to achieve a holistic understanding of safety
70
issues. This change in approach is not only in the hands of NRA but also requires legislative changes. It is
important to drive this change (and it is being done) but the outlook would have to be several years to reach the
next level. Necessary legislative changes will take time.
There are currently about 180 inspectors for nuclear safety at the NRA. Inspections of different types of facilities
are performed by different divisions of the regulatory body following different procedures although based on the
same set of laws. There seems to be no coordination between divisions about that (see Recommendation R4).
NRA does not coordinate nor exchange information about inspections with other regulatory bodies performing
inspections at licensed facilities in areas that are influencing the nuclear or radiation safety like radiation protection
or fire protection. The NRA out sources certain inspection activities to Registered Inspection Bodies but does not
exercise sufficient regulatory oversight to ensure the quality of their work and confidence in their assessments.
NRA archives inspection records only in paper form. There is no electronic data management system in place that
would allow quick and efficient data sharing and retrieval. The retention period of inspection records is relatively
short. The NRA only partially documents its inspection process in the area of radiation sources
(see Recommendation R6).
The IRRS team has observed examples of inspections that were inefficient and repetitive. For example inspection
of low level waste rubbles at Fukushima Daiichi site were performed by measuring radiation levels on all
containers instead of just a sample of them. Additionally, the same rubbles were already previously inspected by
the licensee.
The IRRS team was informed that the periodic facility inspections of nuclear facilities lasts in average 3 months,
but could be extended up to 4 months. The IRRS team considers that this is unusually long period and that there is
space for improvement in terms of efficiency and effectiveness (see Recommendation R4).
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: There are several types of inspections taking place in Japanese nuclear facilities and activities.
For most of them the frequency and content are prescribed in detail either by law or by subordinate, legally
binding ordinances. There is little possibility for the NRA inspector to initiate unplanned or unannounced
inspections. There is also limited possibility to perform targeted reactive inspections and thereby quickly react to
emerging and developing situations.
There is duplication of inspection effort between NRA and Licensee. NRA, for example of fuel cycle facilities,
currently undertakes inspection of all primary welding of nuclear facilities, whilst also confirming the
qualification of welders undertaking the welding. This situation might jeopardise the primary safety responsibility
of the licensee.
Inspectors have free access to facilities at any time during specific periods of the inspections prescribed in the
law. For periods other than those access is granted only based on the agreement with licensees. There are no
legal provisions assuring such access. NRA does not perform unplanned and unannounced inspections.
NRA makes inspections to verify the qualification, training and retraining of the nominated personnel, but do not
cover processes used by the licensee to ensure the personnel conducting safety related functions are fit for duty.
(1)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 2 paragraph 2.5 states “The government shall promulgate laws
and statutes to make provision for an effective governmental, legal and regulatory framework for
safety. This framework for safety shall set out the following:
…
(10) Provision for the inspection of facilities and activities, and for the enforcement of regulations, in
accordance with a graded approach;
…”
(2)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 27 states that “The regulatory body shall carry out inspections
71
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
of facilities and activities to verify that the authorized party is in compliance with the regulatory
requirements and with the conditions specified in the authorization.”
(3)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 28 states that “Inspections of facilities and activities shall
include programmed inspections and reactive inspections; both announced and unannounced.”
(4)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 29 Paragraph 4.50 States that “The regulatory body shall
develop and implement a programme of inspection of facilities and activities, to confirm compliance
with regulatory requirements and with any conditions specified in the authorization. In this
programme, it shall specify the types of regulatory inspection (including scheduled inspections and
unannounced inspections), and shall stipulate the frequency of inspections and the areas and
programmes to be inspected, in accordance with a graded approach.”
(5)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 29, para. 4.52 states that “Regulatory inspections shall cover
all areas of responsibility of the regulatory body, and the regulatory body shall have the authority to
carry out independent inspections. Provision shall be made for free access by regulatory inspectors
to any facility or activity at any time, within the constraints of ensuring operational safety at all times
and other constraints associated with the potential for harmful consequences. These inspections may
include, within reason, unannounced inspections. The manner, extent and frequency of inspections
shall be in accordance with a graded approach.”
(6)
(7)
R9
BASIS: GSR Part 1 Requirement 29 Paragraph 4.53 States “In conducting inspections, the
regulatory body shall consider a number of aspects, including:
- Structures, systems, components and materials important to safety;
- Management systems;
- Operational activities and procedures;
- Records of operational activities and results of monitoring;
- Liaison with contractors and other service providers;
- Competence of staff;
- Safety culture;
- Liaison with the relevant organization for joint inspections, where necessary.”
BASIS: GSR Part 3 Requirement 2 paragraph 2.14 states “The government shall ensure that
adequate arrangements are in place for the protection of people and the environment, both now and
in the future, against harmful effects of ionizing radiation, without unduly limiting the operation of
facilities or the conduct of activities that give rise to radiation risks. This shall include arrangements
for the protection of people of present and future generations and populations remote from present
facilities and activities.”
Recommendation: The government should improve and simplify the inspection framework to:
• Increase NRA flexibility to provide for efficient, performance based, less prescriptive
and risk informed regulation of nuclear and radiation safety;
• Ensure NRA inspectors have formal rights for free access to all facilities and activities
at any time;
• Allow NRA decisions about reactive inspections to be made at the lowest possible level.
Based on the revised inspection framework the NRA should develop and implement a
programme of inspection of all facilities and activities specifying types and frequency of
regulatory inspections (including scheduled inspections and unannounced inspections) in
accordance with a graded approach.
72
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: The initial training provided to NRA inspectors is very limited in time. There is no retraining
programme in place.
7.3.
(1)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 18 Paragraph 4.13 states 4.13. A process shall be established to
develop and maintain the necessary competence and skills of staff of the regulatory body, as an
element of knowledge management. This process shall include the development of a specific training
programme on the basis of an analysis of the necessary competence and skills. The training
programme shall cover principles, concepts and technological aspects, as well as the procedures
followed by the regulatory body for assessing applications for authorization, for inspecting facilities
and activities, and for enforcing regulatory requirements”.
S10
Suggestion: NRA should consider improving training and retraining of its inspectors in order to
improve their competencies for inspections, associated assessments and decision making.
INSPECTION OF RESEARCH REACTORS
The inspections of research reactors are performed in accordance with similar procedures (and periods) as for
nuclear power plants. Inspections are done using the Guide for Operational Safety Inspections and the Facility
Specific Inspection Manual.
A licensee must not start the operation of a research reactor before the completion of the NRA’s Pre-Service
inspection, with respect to its construction work and performance.
During the operation stage a licensee must specify operational safety programmes and obtain the approval from
NRA. After approval, inspections to verify compliance of the operational safety programmes are performed by
NRA.
In case of extended shut-downs periodic inspections are performed at regular intervals not exceeding one year.
When research reactor is shut-down for a longer period than usual because of the construction of facilities for
modifications the licensee is required to submit the quality assurance (QA) program during the corresponding
period for it to NRA as part of the approval process for its design and construction related to the modification. After
approval, inspections to verify compliance of QA activities are performed by NRA.
Currently there are 10 inspectors for Operational Safety Inspections of research reactors and 14 for the other
inspections in NRA Headquarters. In addition there are regional inspectors. All the inspectors are certified by NRA
according to their technical knowledge and specific training.
The IRRS team during the visit to JRR-3 has observed the daily inspection meeting. During inspection, the
maintenance work and the records of the last weeks were checked by NRA inspectors, and a visit to the facility was
made. The IRRS team was informed by the licensee that the JRR-3 is in condition to restart its operation in case
NRA would authorize its compliance with the new regulatory requirements.
7.4.
INSPECTION OF FUEL CYCLE FACILITIES
The Reactor Regulation Act defines the same range of inspections for fuel cycle facilities as for nuclear power
plants (Pre-Service, Periodic Facility, Operational Safety, and Welding Inspections).
Pre-Service Inspections are led by NRA headquarter inspectors, whose technical specialists develop the scope,
content and acceptance criteria based on the licensee’s application for authorisation to undertake the activity. The
scope and content of a submission is determined by the type of activity. Pre-Service Inspection is related to the
content of the submission prescribed in the Act and follows a graded approach, appropriately focusing on the most
hazardous of the fuel cycle activities, with a commensurate period of time to complete them. They confirm the
73
adequacy of construction in line with the design intent and associated limits and conditions in the safety
justification. Each individual inspection and test has to be signed off. Once all have been completed satisfactorily,
the report and record is presented to the NRA commissioners, when they are satisfied, the facility can move into the
Operational Phase.
During the Operational Phase, Periodic Facility Inspections are undertaken annually by NRA. The scope is based
on the content of the original Pre-Service Inspection identified above, further informed by operational and
regulatory experience. It can take NRA up to 4-months to complete. Inspectors again seek to confirm that the
performance of the structures, systems and components will continue to meet the design intent.
Similar to other facilities, Operational Safety Inspections are undertaken 4 times a year (quarterly) for major fuel
cycle facility, but dependant on the type of facility, the duration can vary between 3 and 10 days. During the site
visit to Rokkasho by members of the IRRS team, it was identified that although a schedule is developed, which
identifies the areas to be inspected, the schedule only defines the scope of the inspection and not the depth. Hence
the extent and associated rigour of Operational Safety Inspections is not evident in the schedule, but details on how
rigorous the inspection should be conducted is discussed and determined in internal meetings prior to the inspection,
how this detail is recorded was not observed. In addition, the regional inspectors also undertake facility walkdowns, which are basic plant walk downs, in many cases they are undertaken on a daily basis. These were observed
by members of the team during the mission and amount to basic housekeeping and plant status checks.
7.5.
INSPECTION OF WASTE MANAGEMENT FACILITIES
Waste management facilities regulated under the radiation hazard prevention act
For radioactive waste management facilities regulated in terms of the Radiation Hazards Prevention Act, two types
of periodical inspections are performed:
1.
Mandatory inspections on a three to five year basis
These inspections are undertaken on behalf of NRA by two registered inspection bodies –
a. Nuclear safety Technology Centre (NUSTEC)
b. Radiation Management Institute (RAMI)
The Permitted Waste Management Operators are obliged to apply to the registered inspection bodies for inspection.
The Radiation Hazards Prevention Act (Articles 12-9) requires application to NRA. However, the IRRS team was
informed that in practice the applications are submitted to the registered inspection bodies acting on behalf of the
NRA and not to the NRA. There is no direct involvement of NRA in the application for these mandatory facility
inspections.
Following completion of the inspection, the registered inspection body provides a report to NRA on the inspection
undertaken. In the event of identified non compliances the registered inspection body is required to provide a report
to NRA immediately. The NRA then undertakes follow-up action with the authorised operator. Such follow-up may
include a request for the operator to take corrective action or submit a revised application for change in the
permission granted.
NRA does not have a process to verify that all authorised operators have applied for the mandatory inspection or
that the inspections have been completed. The registered inspection bodies do however from time to time provide
notification to the NRA on facilities that have not applied for inspection within the appropriate timeframe.
NRA does not have a process in place to verify that licensee submit applications for the mandatory facility
inspection or confirming that these inspections are carried out by the registered inspection bodies. Similarly there is
no evidence of a plan for the periodic inspections required of these facilities (see Suggestion S1).
74
2.
Inspections undertaken by NRA staff once every ten years.
In the development of the annual inspection plan the NRA includes some inspections of authorised non-nuclear
facilities. These facilities are required to be inspected by NRA at least once every ten years. Noting that NRA has
been in existence since 2012, not all facilities have been inspected by NRA at present.
Waste management facilities under the Reactor Regulation Act
Inspections of waste management facilities are prescribed in the Reactor Regulation Act. Whilst the frequency and
type of inspections (pre-service, welding, periodic facility, operational safety inspections) to be performed are
prescribed in the law as being the same for all facilities, the depth of inspection is based on a graded approach
considering the content of the facility safety documentation. Pre-Service inspection and periodic inspections
include representatives from the NRA headquarters as well as representatives from the site/regional offices.
7.6.
INSPECTION OF RADIATION SOURCES FACILITIES AND ACTIVITIES
The NRA conducts compliance inspections of authorised users of radioisotopes and other radiation apparatus, in
accordance with the Radiation Hazards Prevention Act, with its own inspectors. The Act also allows external
inspection bodies, registered by NRA, to conduct inspections of Specified Permitted Users in order to confirm
conformity to technical standards prior to initial use of radioisotopes and other radiation apparatus, and periodic
inspections thereafter. Currently, there are two external Registered Inspection Bodies performing these tasks.
There are about 8,000 authorised operators of radiation sources and facilities of which 2 400 Permitted Users are
subject to an On-Site Inspection by NRA inspectors once every ten years. The Registered Inspection Bodies
conduct Periodic Inspections for 1 200 Specified Permitted Users every 3 to 5 years.
Although permitted by the Radiation Hazards Prevention Act, the NRA or the two Registered Inspection Bodies do
not conduct unannounced inspections. The NRA prepares an annual plan for On-Site Inspections for authorised
operators at the beginning of each fiscal year, which includes the number of inspections to be conducted, the
facilities to be inspected and the primary issues to be addressed. The plan needs to be approved by the NRA
Secretariat and communicated to the two Registered Inspection Bodies. The priority of On-Site Inspections in the
annual plan is given to facilities that have not had an inspection for more than 3 years following its authorisation, or
where more than 10 years have passed since the previous On-Site Inspection (excluding facilities of Specified
Permitted Users and Permitted Waste Management Operators which are subject to Periodic Inspections and
Periodic Confirmation by the Registered Inspection Bodies). The plan also includes On-Site Inspections at research
facilities that have radiation generating apparatus with large output power. The NRA conducts roughly 200 On-Site
Inspections per year.
Although one Registered Inspection Body conducts 240 periodic inspections per year, the other has only been
recently registered and has conducted few actual inspections yet. They each submit a report every month to the
NRA, which details the number of inspections they have conducted and the results of the inspections. While the
NRA reviews and approves the inspection procedures of the Registered Inspection Bodies as part of the registration
process, it does not periodically verify the quality of their work or verify the accuracy of their inspection results.
Every planned On-Site Inspection by the NRA is conducted by a team of at least 2 inspectors who use a checklist
with itemized items that correspond to regulatory requirements. The inspection is predominantly a records
examination, with interviews of the people concerned, in order to determine if the authorised users is complying
with the relevant regulatory requirements. When inspectors find non-conformances of regulatory requirements, they
report their findings to the authorised user at the end of the inspection and to their Director upon returning to the
office. The Director will in turn report it to the NRA Commission and will issue an instruction to the authorised
user to fix the problem. Implementation of corrective action by the authorised user is verified at the next inspection.
75
The NRA has not established procedures for the conduct of inspections. It relies exclusively on the inspector
checklist which contains the legislative requirements and items from the licensee’s operation programme under the
license which are to be inspected, in addition to some procedural guidance for the inspectors. There is no systematic
approach to training inspectors. Inspectors are only required to attend a two week course prior to the
commencement of their duties (see Recommendation R5).
The IRRS team also noted that the NRA inspectors or the Registered Inspection Bodies do not conduct joint
inspections with MHLW at medical facilities. IRRS team considers that conduct of joint inspections would be
beneficial for ensuring overall safety.
7.7.
INSPECTION OF DECOMMISSIONING ACTIVITIES
In the case of non-nuclear facilities, inspections of facilities undergoing decommissioning are only undertaken in
the event that the decommissioning activities generate significant quantities of radioactive waste.
Facilities (nuclear power plants, research reactors as well as fuel cycle facilities) undergoing decommissioning are
subjected to periodic inspections and operational safety inspections. However based on the progress with
decommissioning the frequency of the operational safety inspection may be reduced to lower than the normal four
times a year.
7.8.
SUMMARY
The legal framework and established practice in Japan provide for comprehensive inspections in all licensed
facilities. Types of inspections, their frequency and duration are prescribed in detail by legally binding documents.
Inspectors are provided with detailed guidelines how to perform inspections. Inspections are in most cases oriented
towards the verification of the performance of the equipment in the facility and less into the organisational and
human behaviour related aspects of operation. The framework and practical arrangements for regulatory inspections
are in principle in accordance with relevant IAEA safety requirements. However, the IRRS team concluded that the
NRA inspection programme needs significant improvement in certain areas (see Recommendation R9).
In particular the legal framework for inspection is prescriptive in nature and allows very little freedom to NRA to
decide on the scope, frequency and content of inspections taking into account risk significance of issues. NRA
inspectors should be legally allowed to have free access to any site at any time. The decision process for initiating
reactive inspections should be shortened. Inspectors should be provided with more training and retraining.
Inspection practices of different divisions of NRA addressing different types of facilities should be harmonized.
The document management system for keeping track of inspection findings and sharing information among other
departments of NRA needs to be approved.
NRA has recognized the need for the simplification of the legal framework related to inspections, but has not yet
initiated the required changes. The IRRS team supports the idea of the simplification of the legal framework with
the aim to provide more power to NRA to plan and perform inspections in an efficient, performance based and risk
informed way.
76
8. ENFORCEMENT
8.1.
ENFORCEMENT POLICY AND PROCESS
The Reactor Regulation Act and the Radiation Hazards Prevention Act provide the legal framework for the NRA to
implement an enforcement programme. Numerous Articles in the Acts provide NRA the authority to take actions to
respond to non-compliances with regulatory requirements or conditions specified in the authorization. For example,
for nuclear power plants NRA is authorized, when a violation of the operational safety programme is identified, to
order a modification to the safety programme, rescission of a permit, or issue Orders to stop operations.
A graded approach is utilized in enforcement involving Operational Safety Inspections. “Implementation Guideline
for Operational Safety Inspection for Commercial Power Reactor Facilities” contains guidance regarding
assessment of the significance of a violation by considering the effects on nuclear safety. The type of violation is
determined by a deterministic assessment of the degree of actual or possible influence on nuclear safety. Violations
are characterized as Violation 1, Violation 2, Violation 3, or Monitoring in order of safety significance. For the first
three types of violations, NRA responses are graded. For “Monitoring” violations, NRA monitors the licensee
corrective actions and examines those in future inspections. Other than the Guideline referenced above and some
specific guidance contained in the Acts, there is not a formally documented Enforcement Policy.
During Periodic Facility Inspections NRA suspends the ongoing inspection when a non-compliance is identified
and will not complete that portion of the inspection until the licensee has addressed the issue satisfactorily. The
licensee cannot resume power operations until the condition is fully resolved (and the Facility Inspection is
subsequently completed.) There are no additional enforcement activities conducted for these circumstances.
NRA enforcement processes do not contain specific considerations for licensee-identified violations, but in such
cases, the licensee is usually well advanced in corrective actions which enable timely NRA review and closure of
the issue. Important policy aspects such as encouragement of licensees to identify and correct non-conformances
and safety culture implications could be addressed in a formal enforcement policy.
NRA inspectors confirm that licensees have completed appropriate corrective actions to address violations. This
includes review of licensee’s extent of condition activities and root cause analysis. The intensity of these NRA
verification activities are adjusted commensurate with the severity of the violation. There is, however, no
systematic process in place for tracking licensee’s corrective actions. This is left to individual inspectors to follow.
For significant violations, a detailed review of the licensee’s root cause analysis is performed in the NRA
headquarters. NRA does not yet have a formal document setting forth how to determine the graded response
activities but is developing such a process to apply to future violations.
Articles in the Administrative Procedure Law provide for licensees to appeal violations.
Enforcement actions are integrated into assessment and enforcement, primarily through the periodic Operational
Safety Inspections.
8.2.
ENFORCEMENT IMPLEMENTATIONS
At power reactors, potential enforcement actions are promptly communicated to the licensee. Typically this is via
verbal communications from the Chief Inspector to licensee management. While NRA HQ is informed of the issue,
for low level violations (Monitoring) the issue is assessed by the inspectors and subsequently communicated in
writing to licensee management. The NRA Commission is periodically provided a listing of all Monitoring
violations. For issues impacting nuclear safety (Type 1, 2, or 3), NRA HQ and the Commissioners are promptly
informed. Sanctions, including ordering changes or shut down and removal of authorization are determined by the
Commission. The IRRS team noted that there is not a documented process for determining the level of sanctions.
77
Establishment of a formal process would contribute to transparency and predictability. The IRRS team considers
that the enforcement process could be supplemented with media reports.
The Reactor Regulation Act has provisions for individual enforcement actions and NRA will consider issuance of
violations to individuals when appropriate to hold them accountable for their actions. Cases of significant
wrongdoing can lead to prosecution.
Due to the operational status of most commercial reactors since inception of the NRA, there has been limited
experience in implementing enforcement activities.
NRA inspectors are not authorized to order actions to address present or imminent safety issues. Inspectors would
pursue such issues through communications with the licensee and promptly contact NRA management for
assistance if needed to address the matter.
At the NRA Headquarters such information would be brought as one of the issues to the next regular session of the
NRA Commission when order for corrective actions would be decided. In very urgent cases an extraordinary
session of the Commission could be summoned and the decision could be made if at least three members are
present.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: There is no clear written enforcement policy in place at the NRA. There is no documented process
in place at NRA for determining the level of sanctions. NRA inspectors have no power to enforce corrective
actions if there is an imminent likelihood of safety significant event. They are required to defer to NRA
headquarters. This situation probably endures for inspectors at all licensed facilities in Japan.
8.3.
(1)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 30 states that “The regulatory body shall establish and
implement an enforcement policy within the legal framework for responding to non-compliance by
authorized parties with regulatory requirements or with any conditions specified in the
authorization.”
(2)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 31 states that “In the event that risks are identified, including
risks unforeseen in the authorization process, the regulatory body shall require corrective actions to
be taken by authorized parties.”
(3)
BASIS: GSR Part 1 Requirement 31, para. 4.58 states that “The regulatory body shall establish
criteria for corrective actions, including enforcing the cessation of activities or the shutting down of
a facility where necessary. On-site inspectors, if any, shall be authorized to take corrective action if
there is an imminent likelihood of safety significant events.”
R10
Recommendation: NRA should establish a documented enforcement policy with criteria and
processes for determining graded sanctions or penalties for non-compliances, and a provision
for processing orders to minimise the decision time for corrective actions if there is imminent
likelihood of safety significant event.
SUMMARY
NRA processes for enforcement are fragmented and some processes are not documented. While NRA has had
limited experience with enforcement, it has demonstrated that it can and will take action to address significant
licensee performance issues. However, predictability of the involved processes is not strong. NRA needs to
establish a formal Enforcement Policy that sets forth processes clearly addressing items such as evaluation of the
severity level of non-conformances, sanctions for different levels of non-conformances, processes for issuance of
Orders, and expected actions of NRA inspectors if significant safety issues develop.
78
9.
9.1.
REGULATIONS AND GUIDES
GENERIC ISSUES
The Atomic Energy Basic Act states that the utilization of Nuclear Energy shall be limited to peaceful purposes and
requires that safety is ensured and performed taking into account established international standards for the purpose
of contributing to protecting people’s lives, health and property, preserving the environment, and assuring national
security.
The NRA develops and publishes regulation and guides for various stages (e.g. design, construction, operation,
decommissioning) for different types of facilities and activities, in the form of NRA ordinances and related guides.
Regulations for nuclear safety of nuclear power plants at the level of ordinance are developed by the NRA. Other
administrative agencies consult with the Radiation Council, which aims to harmonize the technical standards on
radiation protection.
In developing regulations and guides for NPPs, the regulatory body takes into consideration comments from
interested parties, latest knowledge and experience feedback. To incorporate opinions from stakeholders, the NRA
asks for public comments on the content of regulations and guides and NRA may also ask for contributions from
other government organizations. Through this process, the NRA can have opinions from licensees, and the NRA
had opportunity to listen to licensees’ opinions in the meeting open to the public for significant changes of the
regulations. The NRA commissioners make the decision when a draft document will be made available for public
comment, then, after reflecting public comments, also make the decision on issuing the regulations and guides.
These meetings are broadcast live on the internet.
NRA develops regulations and guides and seeks to ensure IAEA Safety Standards are used as a basis for the
development of its regulations; NRA participates in all the activities under the IAEA's Commission on Safety
Standards (CSS) and, CNRA of the OECD/NEA. Research and development work and technological advances are
also considered. However, NRA has not documented a systematic process for evaluating and reviewing the
regulations and guides, including taking due account of the IAEA safety standards in a structured and methodical
manner. NRA needs to document a systematic process for evaluating and reviewing regulations and guides, which
should include the guidance on Periodic Safety Assessment of Continuous Improvement that has been highlighted
as needing updating during the mission (see also Chapter 6).
The Safety Analysis Report should present sufficient information on the facility or activity that allows the
authorization process to proceed efficiently. NRA does not issue detailed guidance on the format and content of
documents to be submitted by the applicant in support of authorization applications. This issues related to guidance
is also highlighted in Chapter 6.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: There is no documented and systematic process in place for regularly evaluating and reviewing
regulations and guides to ensure they are updated. IAEA safety standards are considered but not in a structured
manner. While the NRA has issued some guidance documents in support of its regulatory activities, these do not
cover the full range of activities regulated for radiation sources and associated facilities.
NRA has developed a Guideline for Periodic Safety Assessment of Continuous Improvement of Commercial
Power Reactors which details the expected content of the report. Although that guide details specific topics, such
as seismic assessment or probabilistic assessment, and refers to the IAEA SSG-25 in general, some factors like
equipment qualification are not explicitly mentioned.
79
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
R11
9.2.
BASIS: GSR Part 1 Requirement 33 states that “Regulations and guides shall be reviewed and
revised as necessary to keep them up to date, with due consideration taken of relevant international
safety standards and technical standards and of relevant experience “
BASIS: GSR Part 1 Para. 4.61 states that “The government or the regulatory body shall establish,
within the legal framework, processes for establishing or adopting, promoting and amending the
regulations and guides”
BASIS: GSR Part 1 Requirement 32 states that: ‘The regulatory body shall establish or adopt
regulations and guides to specify the principles, requirements and associated criteria for safety upon
which its regulatory judgements, decisions and actions are based.’
BASIS: GS G 1.5 Para 3.11 states that: ‘Irrespective of the degree to which the regulatory body has
developed prescriptive regulations, the regulatory body is required to give consideration to
supplementing its regulations with guidance documents…..’
BASIS: GSR Part 1 requirement 25 states that “The regulatory body shall review and assess
relevant information — whether submitted by the authorized party or the vendor, compiled by the
regulatory body, or obtained from elsewhere — to determine whether facilities and activities comply
with regulatory requirements and the conditions specified in the authorization. This review and
assessment of information shall be performed prior to authorization and again over the lifetime of the
facility or the duration of the activity, as specified in regulations promulgated by the regulatory body
or in the authorization”.
BASIS: GSR Part 4 para. 5.2 states that “The safety assessment in itself cannot achieve safety.
Safety can only be achieved if the input assumptions are valid, the derived limits and conditions are
implemented and maintained, and the assessment reflects the facility or activity as it actually is at any
point in time. Updating of the safety assessment is also important in order to provide a baseline for
the future evaluation of monitoring data and performance indicators and, for facilities for the storage
and disposal of radioactive waste, to provide an appropriate record for reference with regard to future
use of the site.”
BASIS: SSG-25 para. 2.13 states that “The 14 safety factors recommended in this Safety Guide are
listed in the following …: Safety factors relating to the plant....”
BASIS: SSG-25 para. 2.18 states that “The steps of the review should be carried out in four phases,
which may overlap or be further subdivided as appropriate:....”
Recommendation: NRA should:
• improve and document its process for regularly evaluating and reviewing regulations
and guides and as the emerging need arises;
• supplement the regulations with guidance documents where necessary; and
• improve its guidance on Periodic Safety Assessment of Continuous Improvement.
REGULATIONS AND GUIDES FOR NUCLEAR POWER PLANTS
The Atomic Energy Basic Act establishes the basic framework policy for ensuring the safe use of nuclear energy,
and the following acts, among others, define specific measures in implementing that framework:
•
•
•
The NRA Establishment Act
The Reactor Regulation Act
The Nuclear Emergency Act
80
The Reactor Regulation Act assigns responsibility for ensuring safety and improvement of safety to the licensees
for all activities associated with nuclear power plants. This responsibility cannot be delegated to other parties. To
support its regulation of Nuclear Power Plants, the NRA has developed requirements in the form of ordinances for
commercial power reactors and specific guidance covering site characteristics, design, construction,
commissioning, operation, decommissioning, and radiological protection.
Regulations require that prior to commencing the operation, an Operational Safety Programme must be submitted
that includes the operational limits and conditions, maintenance, inspections, and tests of SSCs, which needs to be
approved by the NRA. The licensee must comply with this approved Operational Safety Programme, and in case of
a violation to this programme, the NRA may order the licensee to take corrective actions, or even to shut down the
plant depending on the situation. In addition, before dismantling a NPP the licensee must also develop a
Decommissioning Plan and get NRA approval.
NRA has developed guides to support the review of applications for an establishment permit. Examples are the
Commercial Reactor Establishment Permit Guide, the Commercial Reactors Technical Standard Guide, the
Commercial Reactors Operational Safety Program Standards or Guidelines for Fire Protection of Commercial
Power Reactor Facilities, Guidelines for Volcanic Effect Assessment for Nuclear Power Plant, or Standard Review
Plan for Technical Competence of Licensees in Taking Necessary Measures to Prevent and Mitigate Severe
Accidents at Commercial Power Reactors. NRA reviews licensee’s applications using regulatory guides to ensure
that the design meets the relevant requirement, if the licensee decides to use different methodologies other than
those highlighted in the guides, the NRA reviews the adequacy of the methodologies on case by case basis with the
reference to the relevant regulatory guides.
In response to the TEPCO Fukushima Daiichi accident, NRA developed new regulatory requirements and emphasis
was given to strict evaluation of natural hazards, the need to take measures to prevent and mitigate severe accidents,
back-fitting system and new requirements for continuous improvement. This revision assigns the licensee the
responsibility to act proactively in installing equipment, enhancing education of personnel or taking any other
necessary measures for preventing disasters, taking into account the latest knowledge on safety at nuclear facilities.
This prompt response is highlighted as a Good Practice (GP2) in Chapter 1. NRA has identified certain actions
associated with Regulations and Guides in its self-assessment, which would be implemented under the appropriate
action plan.
Periodic safety review (a part of periodic safety assessment of continuous improvement)
In response to the TEPCO Fukushima Daiichi accident the Reactor Regulation Act was revised in June 2012 and an
evaluation system to enhance the safety of commercial power reactor facilities was introduced, replacing the former
periodic safety reviews. Licensees are now required to conduct, at least every 5 years, a “periodic safety assessment
of continuous improvement”. The first submission of such safety assessment report should occur in mid-2017.
NRA Guideline for Periodic Safety Assessment of Continuous Improvement of Commercial Power Reactors details
the expected content of such submission. It should include, for example, information on insights from probabilistic
safety assessment and deterministic safety analysis, natural hazards analysis, equipment condition, ageing
management provisions and identification of measures to improve safety, called “voluntary measures”. Should a
licensee not implement the voluntary measures he identified, the NRA would not be able to directly order the
licensee to implement them. The NRA would have to act indirectly to ensure the required improvements are
implemented, using the commitment in the approved Operational Safety Programme as a basis.
The update by the licensee of the SAR following the completion of the Periodic Assessment of Continuous
Improvement to include the insight on safety assessment and safety measures is not mandatory. NRA may however
81
develop new regulatory requirements based on the insights gained and, through the implementation of the
backfitting rule, the licensee will have to comply and, if needed, apply for an amended Establishment Permit.
9.3.
REGULATIONS AND GUIDES FOR RESEARCH REACTORS
The Reactors Regulation Act provide for regulations on the installation and operation of reactors, which includes
the criteria for the permission of establishment of the research reactors.
The requirements for establishment of a license for a research reactor are specified in the Research Reactors
Establishment Permit Ordinance, and are based on a graded approach according to the categorization and
characteristics of the reactor. The categorization is based on the power and type of reactors and includes low-power
reactors, critical assemblies, medium- and high-power reactors, sodium-cooled fast reactors, gas-cooled reactors.
There are also specific requirements for research water-cooled reactors with thermal power in excess of 500kW,
sodium-cooled fast reactors, gas-cooled reactor and reactors using experimental devices such as high pressure and
temperature loops, cold neutron sources, hot neutron sources and also for the case of reactors used for testing
hazardous materials.
Similarly to the nuclear power reactors a licensee shall develop, specify and obtain approval from NRA for an
“Operational Safety Programme”, specified on the Research Reactors Ordinances, and NRA inspects the
compliance with the Operational Safety Programme. In addition, regulatory requirements highlight the need for the
licensee to prepare a policy for quality assurance activities, and implement, evaluate, and continuously improve
them.
In 2013 new requirements were established to prevent escalation on BDBA conditions for water-cooled research
reactors with a thermal output of 500 kW or more, sodium-cooled fast reactors and gas-cooled reactors.
9.4.
REGULATIONS AND GUIDES FOR FUEL CYCLE FACILITIES
As for NPPs, the Atomic Energy Basic Act establishes the basic framework policy for ensuring the safe use of
nuclear fuel cycle facilities, and the subordinate legislation sets out the detailed regulatory framework. The
framework contains a significant amount of documentation that defines the regulatory requirements and
expectations for fuel cycle facilities, with specific ordinances and guides covering fuel fabrication and enrichment,
spent fuel reprocessing and spent fuel storage facilities. These ordinances and guides cover each stage of the
facility’s lifecycle and define the content of the submissions that the licensee has to provide in its application to the
regulatory body when seeking authorisation to undertake an activity.
In addition to the need to consider criticality, cooling, containment and shielding, the regulatory requirements for
fuel cycle facilities do also focus on those areas that are important to these types of facilities including ventilation,
hydrogen, geometry, material selection, chemical hazards, process control, instrumentation, etc. The requirements
are written at a high level and no detailed standards set out how to meet the regulatory expectations. It is the
responsibility of the licensee to identify the codes and standards that are applicable to the structures, systems and
components for the fuel cycle facilities, demonstrate that they are suitable for each application and develop the
associated application.
The guide on periodic assessment or continuous improvement safety review for fuel cycle facilities limits the
consideration of external hazards to seismic and tsunami. This should be revised to ensure that all relevant external
hazards are considered. The recommendation earlier in this Chapter is intended to ensure this is addressed by NRA.
It was also identified that the regulations and guides do not require a Probabilistic Safety Assessment to be
completed for fuel cycle facilities. The recommendation R11 for nuclear power plants is also appropriate to the fuel
cycle facilities taking into account their specific features.
82
9.5.
REGULATIONS AND GUIDES FOR WASTE MANAGEMENT FACILITIES
NRA has established a suite of regulatory requirements (ordinances) and guidance, to be used by applicants and
licensed entities related to radioactive waste management facilities. These cover
•
Interim storage and treatment of radioactive waste
•
Disposal of Category 1 radioactive waste (waste requiring disposal in a geological repository)
•
Disposal of Category 2 radioactive waste (waste that may be disposed in near surface trenches or repository
other than a geological repository)
•
Off-site transport of nuclear fuel materials.
The requirements and procedures of authorization for waste management facilities are basically the same as those
for nuclear power plants, but the requirements in terms of contents and levels differ based on a graded approach.
Under this legal framework, the licensee is primarily liable for all operational safety matters occurring during
establishment and operation of its waste disposal facility until the completion of decommissioning of such facility.
NRA has also established standard review plans, to be used by NRA staff, for the review of operational safety
programmes for said facilities.
As part of the advanced reference material and action plans prepared for the IRRS mission, the NRA has
recognised the need to develop additional requirements and guidance related to intermediate depth disposal, since
the number of decommissioned plants is expected to increase and certain waste will not be allowed for near surface
disposal because of exceeding limit of radioactivity concentration designated for that disposal.
In view of the fact that there are no projects related to geological disposals of radioactive material in Japan foreseen
in the short term, the NRA has not developed any regulatory criteria for the disposal of these wastes.
9.6.
REGULATIONS AND GUIDES FOR RADIATION SOURCES FACILITIES AND ACTIVITIES
Japan has a comprehensive suite of legislative provisions including Acts, Cabinet Orders, Ordinances and
Notifications providing for the regulation of radiation sources and facilities. When the NRA establishes regulations
concerning technical standards in relation to radiation, it consults with the Radiation Council which is a statutory
body tasked with advising on the consistency of technical standards issued by competent authorities such as NRA,
MHLW, MAFF and MLIT. NRA promotes its regulations to the extent that it communicates with authorised
entities when there is a significant change, in discussions during inspections and when it provides speakers to
industry seminars.
The regulations have a high degree of prescriptiveness and while NRA has issued administrative circulars
responding to specific incidents, it has not issued any practice specific guidance documents to supplement the
regulations in this area (see Recommendation R11).
9.7.
REGULATIONS AND GUIDES FOR DECOMMISSIONING ACTIVITIES
The requirements and guidance for decommissioning are included in the ordinances pertaining to the specific
facility (NPP, Research Reactor, Fuel cycle, waste management, or radiation facility). For each facility type the
operator is obliged to prepare a decommissioning plan and submit this for approval to NRA. The content of the
decommissioning plan is prescribed in the respective ordinances. Following the completion of decommissioning
activities the operator is obliged to submit a report detailing the decommissioning activities completed and ask
NRA for confirmation of completed decommissioning measures.
The IRRS team observed that the regulation stipulates a very detailed and prescriptive way the information to be
maintained and the storage period for the decommission phase.
83
9.8.
SUMMARY
NRA develops and publishes regulation and guides for different types of nuclear facilities and activities covering
various stages (e.g. design, construction, operation, decommissioning). NRA develops regulatory requirements
(NRA ordinances) that are performance-based, and it develops standard review plans and other supplementary
guides. In 2013 NRA developed new regulatory requirements incorporating lessons learned from TEPCO
Fukushima Daiichi accident to require licensees to give consideration to natural hazards relevant to Japan,
associated severe accidents and new requirements for continuous improvement of the plant safety. The IRRS team
identified that the NRA has no requirement related to the consideration of decommissioning during the design,
construction, commissioning and operation of the facility as mentioned in Chapter 5 of this report.
During the development of regulations and guides for NPPs, the regulatory body takes into consideration comments
from interested parties, other government organizations, the public and feedback based on experience when
applicable, and there is some consideration of the relevant IAEA safety standards.
Currently, there is not a documented process in place for regularly evaluating and reviewing regulations and guides,
and revising as appropriate. IAEA safety guides are considered, this does not ensure full compliance. While the
NRA has issued some guidance documents in support of its regulatory activities these do not cover some activities
regulated as for radiation sources and associated facilities.
NRA has included requirements for continuous improvement of the plant safety assigning the licensee the
responsibility to act proactively installing equipment however the guides for Periodic Assessment of Continuous
Improvement do not require the consideration of all natural hazards.
In 2013 new requirements were established to prevent escalation on BDBA conditions for water-cooled research
reactors with a thermal output of 500 kW or more, sodium-cooled fast reactors and gas-cooled reactors.
As part of the advanced reference material prepared for the IRRS mission by the NRA, several actions has been
identified which would be implemented under the appropriate action plan.
84
10.
EMERGENCY PREPAREDNESS AND RESPONSE – REGULATORY ASPECTS
10.1 GENERAL EPR REGULATORY REQUIREMENTS
Basic responsibilities
The regulatory framework in the area of emergency preparedness and response (EPR) is set out in the Atomic
Energy Basic Act, Reactor Regulation Act, Radiation Hazards Prevention Act, Nuclear Emergency Act, Basic Act
on Disaster Control Measures and in other legally binding documents. It is complemented by an NRA EPR Guide,
which is formulated in accordance with the Nuclear Emergency Act and provides detailed guidance to be followed
in order to meet the legal requirements.
NRA, in line with the NRA Establishment Act, is responsible for the regulatory aspects of emergency preparedness
and response for NPPs.
The Nuclear Emergency Act requires NPP licensees to develop a “Nuclear operator’s EPR plan” for each site, to
annually update the plan and to consult with the national government and local governments when developing or
modifying the plan. The plan should be submitted to NRA as part of the licensing process. NRA reviews the plan
and may instruct utility to make changes, if necessary. Review is performed based on defined criteria, which allows
for consistency in the review of plans from different utilities. Plans are reviewed annually. The Reactor Regulation
Act requires licensees to test the operational safety programmes in an exercise utilizing a severe emergency
scenario prior to starting operation of a NPP, and then perform such exercises annually.
The regulatory framework for EPR at NPPs was extensively revised and enhanced after the accident at the
Fukushima Daiichi NPP. In 2015 NRA started a new type of inspections related to preparedness for response to
severe accidents in the NPPs that plan to apply for compliance with new requirements. These inspections are based
on a checklist which has not yet been formalized. NRA also observes and evaluates exercises organized by NPPs
and requires that appropriate corrective actions are implemented in the on-site emergency plans based on the
outcomes of the exercises.
NRA also regulates use of sealed sources, unsealed sources and radiation generators except those of low energy.
Only limited aspects of EPR are addressed in the regulations related to these sources. Authorized operators are not
required to establish EPR plans. Actions to be prepared concerning accidents with these sources are very limited
and do not take into account hazards associated with them. Usually these actions represent a small part of the
Radiation Hazard Prevention Programme that is submitted to NRA. There is no NRA guidance to perform review
of these actions. There are also no requirements to conduct exercises. The need to address this issue was identified
by NRA in its self-assessment (A23 in the Action Plan).
NRA does not regulate transport of sources, which is performed by the MLIT. EPR for transport accidents are
regulated by MLIT, and NRA has a role to provide advice upon request.
NRA is designated as National Competent Authority under the Convention on Early Notification in Case of a
Nuclear Accidents and Convention on Assistance in Case of a Nuclear Accident or Radiological Emergencies.
With regard to overall emergency response, NRA staff takes part in the activities of Nuclear Emergency Response
Headquarters and its Secretariat, in the nuclear facility Emergency Response Centre and in other response entities.
The IRRS team identified a number of deficiencies with respect to emergency preparedness and response to
radiological emergencies. Details of these observations are presented throughout the Chapter 10.
85
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: There are very limited requirements for EPR in relation to sources of ionizing radiation regulated
under the Radiation Hazards Prevention Act. Furthermore, several organizations are involved in regulating the
use or transport of radiation sources. Authorized operators are not required to establish EPR plans and
arrangements. There are no requirements to conduct training or exercises for radiological emergencies. There is
no clear definition of roles and responsibilities of licensees and NRA in deciding on mitigatory actions on the
scene. There is a lack of emergency response arrangements within NRA to address response role of NRA in
radiological emergencies.
(1)
(2)
BASIS: GS-R-2 para. 3.8 states that “The regulatory body shall require that arrangements for
preparedness and response be in place for the on-site area for any practice or source that could
necessitate an emergency intervention. […]”
BASIS: GS-R-2 para. 5.14 states that “Each response organization “shall prepare a general plan
or plans for coordinating and [performing their assigned functions…]. […]”
In addition, the following paragraphs provide basis for this recommendation:
(3)
GS-R-2, paras. 3.6, 3.10, 3.11, 3.15, 3.16, 4.1, 4.9, 4.19, 4.24, 4.37, 4.38, 4.51, 4.70, 4.83, 4.84, 5.2,
5.13
R12
Recommendation: NRA and other authorities having jurisdiction for radiation sources should
develop a single set of requirements and guidance for EPR in relation to radiation sources
including requirements related to emergency plans, arrangements for timely notification and
response, and quality assurance programme using graded approach.
S11
Suggestion: NRA should consider strengthening its plans and procedures to consistently
respond to emergencies related to radiation sources.
Assessment of threats (Hazard assessment)
NRA has made generic threat (hazard) assessments for severe nuclear emergencies which form the basis for
guidance on Emergency Planning Zones around different nuclear facilities. These are included in the NRA’s EPR
Guide.
As for the NPP operators, the IRRS team observed indications that assessments of threats (hazards) are being
performed to some extent, as a basis for defining their site-specific Emergency Action Levels. There are regulatory
requirements for authorized operators to systematically perform a threat (hazard) assessment to ensure that all
practices and situations (on-site and off-site) that could necessitate an emergency intervention are identified. This is
performed under the establishment permit and then reviewed every 5 years, as a part of “Periodic Safety
Assessment of Continuous Improvement”.
10.2 FUNCTIONAL REGULATORY REQUIREMENTS
Establishing emergency management and operations
The Nuclear Emergency Act as well as the Emergency Action Plan Order require nuclear operators to establish a
nuclear disaster prevention organization, to appoint its manager and his/her alternates and to staff the organization
adequately to perform functions related to prevention of emergency situations, as well as response to and recovery
from an emergency. The staffing requirements need to consider the possibility multiple units’ at the site being in
accident conditions simultaneously. NRA has requirements for allocation of operator staff and seconded personnel
for response activities, as well as requirements for staffing of the operator’s emergency response center.
86
Compliance with these requirements is checked within the process of reviewing on-site emergency plan. Operators
are required to notify off-site authorities about the on-site response organization to allow for coordination between
on-site and off-site.
For authorised users of radiation sources regulated under the Radiation Hazards Prevention Act, NRA does not
have requirements to establish and maintain an adequate emergency management structure to manage the on-site
response and to coordinate the response with off-site response organizations (see Recommendation R13).
Identifying, notifying and activating
In the light of the lessons identified in the response to the TEPCO Fukushima Daiichi accident, the NRA decided to
require implementation of Emergency Action Levels to help operators to promptly identify an emergency class
(Alert, Site Area Emergency and General Emergency). The Emergency Action levels are associated with
predefined response actions on the site and protective actions for the public. The emergency classification system is
consistent with the IAEA Safety Standards. This change is currently only implemented for the NPPs and is intended
to facilitate a prompt implementation of emergency response actions. Currently, the level of detail of the developed
Emergency Action Levels may vary among different NPPs. There is no complete set of Emergency Action Levels
developed for nuclear facilities other than NPPs (see Recommendation 13). The need to address this issue was
identified by NRA in its self-assessment (A20 and A22 in the Action Plan).
The NRA EPR Guide requires that Emergency Action Levels specific to the characteristics of the power reactor
and conditions of the site shall be established by the nuclear operators and provides guidelines for the Emergency
Action Levels. While the concept of Emergency Action levels is presented in details in the NRA EPR Guide and
the Japan Electric Association Guide, it has not been consistently applied in the higher level regulations (e.g.
Nuclear Emergency Act or Reactor Regulation Act). The Acts still contain provisions which address the 5 µSv/h
criterion and notifications under Articles 10 and 15.
The Japanese regulations require that notification of all relevant authorities, including NRA, is performed directly
by the operator, which should also confirm the receipt of the message either by phone or through the automated
system. The notification procedures are required to be part of the NPP emergency plan. There is also a time
requirement for notification (15 minutes from identification of an event), which is tested through the NPP exercises
and evaluated by NRA. While there is no single designated off-site notification point (as required by GS-R-2 para
4.22), the utilization of an automated system for confirmation of receipt of the information would most likely
eliminate the need for operator to directly notify all relevant off-site authorities.
The Japanese regulations require that the operator identifies the emergency class using Emergency Action Levels
and notifies local and national authorities. Based on the notification State2 makes confirmation and declaration of
the appropriate conditions, after which decisions are taken on activation of protective actions 3.
As for the operators other than NPPs, there are no NRA requirements for prompt identification of an emergency
and determination of the appropriate level of response (GS-R-2, para 4.19) (see Recommendation 13).
Taking mitigatory actions
The Nuclear Emergency Act and the Reactor Regulation Act give responsibility and authority to operators of the
NPPs to prepare for and to take necessary measures to prevent or to mitigate consequences in an emergency
involving the facility or activity under their responsibility. The accident management procedures are also required
to be part of Operational Safety Programme consistently with GS-R-2. For the other users the Radiation Hazards
2
For the emergency classes of Site Area Emergency and General Emergency operator will promptly notify States (primarily Prime Minister and the NRA)
after which State will immediately identify occurrence of the appropriate conditions and provide such information to the local government and general public
without delay. State and local governments will implement protective actions.
3
Further assessment of off-site arrangements in this regard is subject to other IAEA peer review (i.e. EPREV) and goes beyond IRRS mission
87
Prevention Act also requires the immediate measures to be taken by operators and for these measures to be part of
the Radiation Hazards Prevention Programme.
The Radiation Hazards Prevention Act gives NRA the authority during an emergency to give orders to the
operators regarding the necessary measures to be taken on the scene. As for emergencies at NPPs, the same
authority has been assigned to NRA in the Reactor Regulation Act, which is explained in the NRA EPR plan and
might be further detailed in the future revisions. The Nuclear Emergency Act was changed after the TEPCO
Fukushima Daiichi accident by limiting authority with respect to the technical matters of mitigatory actions to NRA
only.
The need for operators to identify what on-site support from the off-site emergency services may be warranted and
the need to put in place coordinated operational arrangements to implement this support are part of existing
regulations as required in GS-R-2 (para. 4.40). Arrangements are verified by the NRA and other authorities through
the exercises. The Nuclear Emergency Act requires that coordination between the nuclear operators and
organizations providing support to be part of their emergency plan.
The Radiation Hazards Prevention Act requires that licensees of use of sources, defined in the Act, take immediate
actions in an emergency in cooperation with relevant emergency services.
Taking urgent protective action
The Nuclear Emergency Act and the Basic Plan for Disaster Preparedness clarify the role for taking urgent
protective actions off-site as well as for the overall off-site emergency preparedness and response to be with the offsite authorities. In addition to introduction of the Emergency Action Levels, the NRA EPR Guide introduces the
use of Operational Intervention Levels to support the prompt implementation of the off-site urgent protective
actions based on monitoring results and redefines the Emergency Planning Zones, putting these concepts in general
consistency with the IAEA Safety Standards4.
The Radiation Hazards Prevention Act, the Reactor Regulation Act and the Nuclear Emergency Act require that
operators take all necessary actions at the site, but do not have explicit requirements for operators to establish
arrangements to warn personnel and other individuals on the site of an emergency, to evacuate non-essential
personnel and other individuals from the site, or to provide first aid.
Providing information and issuing instructions
The Basic Plan for Disaster Preparedness recognizes sharing the role, at the preparedness stage, among the nuclear
operator, NRA and other off-site authorities, including educational institutions, in providing information to the
public living in the vicinity of nuclear facilities within the emergency planning zones on potential consequences in
case of a nuclear accident, the actions to take and how these actions are to be taken. The IRRS team was informed
that there are public information centres located in the vicinity of the NPPs, where public is able to come and get an
information about the various matters related to NPPs. However, there is no verification mechanism by NRA to
ensure that NPP operators take part in this process.
With regard to source operators, the Radiation Hazards Prevention Act requires that operators of radioactive
sources issue warning to people in the vicinity in an emergency involving sources under their responsibility which
is consistent with GS-R-2 (para. 4.38). Article 29 of the Radiation Hazards Prevention Ordinance contains a list of
actions which should be performed by the operator. This is verified by the NRA during the inspection, however, no
criteria or checklist is used for verification.
4
Further assessment of off-site arrangements in this regard is subject to other IAEA peer reviews (i.e. EPREV) and goes beyond IRRS mission.
88
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: Although a regulatory framework for EPR at NPPs was extensively revised and enhanced after the
accident at Fukushima Daiichi NPP, there are still issues which remain to be addressed. There is a need for NRA
to develop a complete set of Emergency Action Levels for nuclear facilities other than NPPs. There is also a need
to develop a guidance to assist operators of nuclear facilities, in definition of conditions or parameters for
prompt judgement of Emergency Action Levels. There is a need to verify implementation of requirements for
provision of information, at the preparedness stage, by the operator to the public living in the emergency
planning zones around NPPs.
(1)
BASIS: GS-R-2 para. 4.19. states that “The operator of a facility or practice in threat category I,
II, III or IV shall make arrangements for the prompt identification of an actual or potential nuclear
or radiological emergency, and determination of the appropriate level of response. This shall
include a system for classifying all potential nuclear and radiological emergencies […]”
(2)
BASIS: GS-R-2 para. 4.54 states that “For facilities in threat category I or II arrangements shall
be made, before and during operations, to provide information on response to a nuclear or
radiological emergency to…. population groups … within the precautionary actions zone and the
urgent protective action planning zone. […] and the effectiveness of this public information
programme shall be periodically assessed.”
In addition, the following paragraphs provide basis for this recommendation:
(3)
GS-R-2, paras. 4.23, 4.25,
Recommendation: NRA should establish:
•
complete set of Emergency Action Levels for nuclear facilities other than NPPs and
associated guidance to promptly define Emergency Action Levels for all nuclear
operators;
•
verification process that licensees participate in provision of information to the public
within emergency planning zones around nuclear facilities at the preparedness stage.
R13
Protecting emergency workers
Provisions for protection of emergency workers are given in the Radiation Hazards Prevention Act, the Reactor
Regulation Act and Industrial Safety and Health Act covering various aspects such as: minimization of doses and
application of different dose restrictions for emergency works other than dose limits for normal operation;
monitoring and assessment of doses; provision of personnel protective equipment and monitoring equipment;
implementing measures to prevent inadvertent ingestions (banning smoking, eating and drinking in the areas where
they are undertaking emergency work); health surveillance and medical examinations; training; recording of doses;
and sharing the information with emergency workers. In addition, the Reactor Regulation Act requires that nuclear
operators formulate procedures addressing these aspects in order to protect emergency workers. NRA and MHLW
both regulate arrangements for emergency workers designated from the plant radiation workers under the
Commercial Reactor Ordinance and MHLW Ordinance. There is a requirement for the nuclear operator to identify
and designate emergency workers at the preparedness stage. Other categories of emergency workers are under the
jurisdiction of the other authorities including National Personnel Authority, local government personnel authority
and Ministry of Defence.
The IRRS team was informed that NRA and MHLW are planning to issue revised regulations addressing several
aspects of arrangements for emergency workers by 1 April 2016. These revised regulations will include the
89
following: predefined dose limit of effective dose of 250 mSv for emergency work for preventing or converging
catastrophic events, provision for health surveillance and provisions for incurring further occupational exposure by
radiation workers because of doses received in an emergency response. NRA and MHLW cooperate in regulating
arrangements for onsite emergency workers from the utility.
These changes in regulations of NRA and MHLW would make the requirements, in general, consistent with GS-R2. In addition, cooperation between different authorities regulating arrangements for emergency workers should be
continued, taking into account changes entering into force on 1 April 2016. (see Suggestion S1 and
Recommendation R1). The need to address this task was identified by NRA during self-assessment process (A21 in
the Action Plan).
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: Since the TEPCO Fukushima Daiichi accident efforts were made to enhance requirements for
emergency workers. NRA and MHLW are proposing changes covering different aspects of regulations for
emergency workers. The changes, as foreseen from April 2016 need to be steadily implemented. Cooperation
between different authorities regulating arrangements for emergency workers should be continued, taking into
account changes entering into force on 1 April 2016.
(1)
(2)
BASIS: GS-R-2 para. 4.58. states that “Those called upon to respond at a facility in threat
category I, II or III or within the precautionary action zone or the urgent protective action planning
zone shall be designated as emergency workers. […] In addition, the radiation specialists …,
radiation protection officers and radiological assessors … who may respond to emergencies
involving practices or other hazards in threat category IV shall be considered emergency workers.
[…]”
In addition, the following paragraphs provide basis for this recommendation:
GS-R-2, paras. 4.62, 4.63
S12
Suggestion: The Government should consider ensuring that the relevant authorities establish
consistent requirements for categories of emergency workers performing similar tasks.
Assessing the initial phase
The NRA EPR Guide requires nuclear operators to assess the emergency situation and introduces Emergency
Action Levels as a basis to judge the emergency class and the need for corresponding emergency response actions
on-site and off-site (use of Emergency Action Levels is discussed above). In addition, the Basic Plan for Disaster
Prevention gives responsibilities to operators for carrying out monitoring and assessment of the situation, for
predicting the conditions and for sharing this information with off-site authorities. NRA verifies these activities
during review of the emergency plans and at exercises.
Managing medical response
The NRA EPR Guide requires operators to make arrangements for medical response as required in para 4.78 of GSR-2 and for establishing operational arrangements with local medical facilities and designated hospitals.
Other activities in emergency preparedness
There is no regulation under the NRA jurisdiction which would require operators to take measures to mitigate nonradiological consequences in particular in terms of managing stress and psychosocial impacts among emergency
workers. These aspects are dealt by the MHLW and its relevant regulations.
Japanese regulatory framework in EPR addresses explicitly the recovery and need to prepare for and to recover
after an emergency. However, this is primarily focused on the off-site recovery efforts and their coordination
90
without providing further guidance on how the recovery is to be taken and what conditions need to be met and
without clarifying the need to put arrangements in place to transition from emergency phase operations to long term
recovery operations (as required in para. 4.99 of GS-R-2). With regard to a site where an accident has happened,
the Reactor Regulation Act (Art. 64-2) authorizes NRA to designate “specific nuclear facility” for a nuclear facility
at which specific emergency measures were taken. In these circumstances, the NRA is authorised to require nuclear
operators to prepare a plan for measures to be further taken within specific timeframes. Operators have the
responsibility to implement this plan and NRA is given explicitly an authority to conduct inspections regarding the
implementation of the plan.
The operators do not have any responsibility in planning and implementing agricultural countermeasures and long
term protective actions such as relocation off-site.
10.3
REGULATORY REQUIREMENTS FOR INFRASTRUCTURE
Authority
The assignment of authorities regarding relevant functions in EPR is discussed in 10.1 and 10.2 where relevant.
Organization
The on-site overall organization for managing EPR and its staffing are discussed in 10.2 (Establishing emergency
management and operations). The Nuclear Emergency Act, the Reactor Regulation Act and the Radiation Hazards
Prevention Act have specific provisions for qualification and training of personnel in general in relation to the
performance of their duties which can be sufficiently applied to EPR. These are complemented with the provisions
set forth in the Emergency Action Plan Ordinance and are further addressed in the Basic Plan for Disaster
Preparedness.
The current regulations do not require operators other than nuclear operators to set up an emergency organization
and to staff specific positions with qualified and trained staff as required in GS-R-2 (see Recommendation R13).
Coordination of emergency response
The relevant aspects of coordination of EPR of operators with off-site emergency services and response
organizations are discussed in 10.2 and in 10.3 and it is addressed in the Nuclear Emergency Act and Emergency
Action Plan Ordinance.
Plans and procedures
Nuclear Emergency Act and Commercial Reactors Ordinance require for commercial NPPs development of on-site
emergency plans and procedures. NRA reviews on-site plans and Cabinet Office is reviewing those parts of the onsite plans which have implications for off-site arrangements e.g. notification and communication arrangements with
off-site authorities. NRA has an internal guidance for reviewing on site plan to ensure consistent method in the
review process for all NPPs. If deviations are found, NRA requires necessary changes. Furthermore NRA requires
that on-site plans are coordinated with those of off-site authorities and are reviewed every year. However, there is
no requirement for coordination of this plan with other plans on the site such as those for physical protection of the
facility, for firefighting etc.
The requirements for developing procedures as necessary for the emergency response are given in the Emergency
Action Plan Ordinance with clarification in the NRA Nuclear Operator’s EPR Plan. For other facilities or activities
involving ionizing radiation sources, no requirement for on-site plans exist (see Recommendation R13). This is not
consistent with GS-R-2 (para. 5.19). Further discussion on the issue of verification of emergency plans established
by nuclear operators is given in Chapter 10.1.
91
Nuclear or radiological EPR seems to follow the all hazards approach taking into account existing arrangements
and responsibilities for managing conventional emergency consistently with GS-R-2. Current requirements also
address the need to manage nuclear emergency coincident with natural disaster.
Logistical support and facilities
The Nuclear Emergency Act and Emergency Action Plan Ordinance require that equipment, communication
means, materials and facilities needed to support the emergency response and for performance of functions of the
on-site disaster prevention organization are to be installed by nuclear operators and elaborated in the on-site
emergency plan consistently with GS-R-2. These equipment and facilities are required to be continuously
maintained in proper order and regularly checked. The NRA Guide for Nuclear Operator’s EPR plan clarifies the
requirement for facilities, equipment and tools as well as redundant arrangements given in the Emergency Action
Plan Ordinance. The NRA has also been given authority in this Act to perform specific inspection at the radiation
measurement facility established by nuclear operators. NRA has authority to order nuclear operators additional
measures to be implemented in relation to this radiation measurement facility. In this regard, an ordinance of the
Cabinet Office sets provisions for these facilities to be able to withstand impacts from external natural hazards, to
be provided with independent power supplies and to provide for the needs of workers utilizing these emergency
centres consistently with GS-R-2. This would not be verified by the NRA but by other authority (Cabinet Office).
No provisions for logistical support and facilities for operators other than nuclear operators are stipulated in current
regulations (see Recommendation R13).
Training, drills and exercises
The Reactor Regulation Act and the Radiation Hazards Prevention Act contain provisions, in general, for the
technical competences of operators and for training of staff. These technical competences for nuclear operators are
required to cover the management of severe accidents. Specific provisions for training in EPR exist in Emergency
Action Plan Ordinance and in the Basic Plan for Disaster Preparedness.
Nuclear operators are required on the basis of Nuclear Emergency Act to conduct and evaluate drills and exercises,
as well as to report their results to the NRA. Emergency exercises are the main means for NRA to verify adequacy
and efficiency of the on-site emergency arrangements. Every year 1-2 exercises are organised at each nuclear site
complemented by more than 10 annual on-site drills. The NRA representative performs evaluation using predefined criteria and guidance. In addition, the licensee carries out its own evaluation. Furthermore, headquarters of
NRA participates in exercises by activating its own emergency centre, resulting in about 20 exercises annually for
NRA. Based on exercise evaluation of on-site reports and NRA’s response report a summary evaluation report is
prepared and made publicly available.
NRA analyses the outcome of exercises and, when needed, directs the operator to take corrective actions. The
effectiveness of those actions will be tested in the next exercise. Furthermore, on-site emergency plan is updated
and sent to NRA for review within the regular annual review schedule.
NRA and all nuclear licence holders have an annual meeting to share experience and results of exercises. The
meeting is available to the public through the web.
All NPPs have a programme for training their staff on nuclear safety which includes response to nuclear
emergencies. The training is tailored to the roles of trainees in response to an emergency. Records of training are
provided to NRA and are subject of verification during inspections. However, no longer term training programme
exists to ensure that all parts of the on-site plans are systematically tested at regular intervals.
92
Licensees regulated under the Radiation Hazards Prevention Act are not required to establish exercise programmes
or to conduct and evaluate exercises. This is not consistent with GS-R-2 (para. 5.33 and 5.34)
(see Recommendation R13).
Quality assurance programme
Some specific elements for ensuring quality such as review of emergency plans, conduct of exercises and
maintaining of equipment and facilities needed for the emergency response are also stipulated in various documents
(e.g. Nuclear Emergency Act, Emergency Action Plan Ordinance and Basic Plan for Disaster Preparedness). For
operators regulated under the Radiation Hazards Prevention Act, the current regulations do not require
establishment of quality assurance programme as required in GS-R-2 (paras 5.37-5.39) (see Recommendation R13).
The Reactor Regulation Act requires that nuclear operators carry out regularly a self-evaluation of overall safety
within their responsibility. This self-evaluation considers measures to prevent severe accidents as well as measures
taken in response to them, should they occur.
10.4 ROLE OF REGULATORY BODY DURING RESPONSE
The roles of NRA in an emergency response are defined in the Nuclear Emergency Act, Reactor Regulation Act
and Radiation Hazards Prevention Act and are further elaborated in the Basic Plan for Disaster Preparedness and
NRA EPR Plan. They include: providing advice to operators as well as ordering specific measures to be taken onsite by operators (including dispatching its staff at the accident site); coordination with involved parties; evaluation
of the situation and analysis of its impacts; providing information, advice and instructions to local governments and
other off-site authorities (including dispatching an official with relevant expertise to local authorities upon their
request); dispatching its staff to specific positions within Cabinet Office and National Emergency Response
Headquarters (including the NRA chairman having the role of vice-director general of National Emergency
Response Headquarters in an emergency); assisting the Prime Minister in deciding on emergency response
measures; monitoring and planning the allocation/mobilization of resources (equipment and materials) in an
emergency response (based on their database established at the preparedness stage for that purpose); provision of
information to the public; coordinating the off-site monitoring, consolidation of monitoring results and sharing of
them with all interested parties; managing the dose assessment; participating in the medical response to the
emergency and managing the health screening among affected populations; and issuing notification to off-site
authorities about an emergency after receipt of such notification by operators and assisting in the declaration of
emergency class. The Nuclear Emergency Act gives provisions for NRA to carry out training and exercises in
relation to its role in emergency response.
In addition, NRA has a role and responsibilities as a National Competent Authority for emergencies within the
country under the Early Notification Convention and Assistance Convention. There is an internal manual (NRA
Initial Response Manual) describing NRA’s internal emergency response organisation and roles, as well as rosters
of the on-call staff to respond to emergencies at NPP. The IRRS team was informed that plans and procedures for
response to other types of emergencies are under development.
10.5 SUMMARY
There is a regulatory framework for EPR at NPPs, which was extensively revised and enhanced in line with the
IAEA Safety Standards after the TEPCO Fukushima Daiichi accident. Generally the regulations for NPPs are
consistent with IAEA Safety Standards in the area of EPR, and regulatory processes for verification of their
adequate implementation on-site are in place. However, some aspects in the following areas need to be clarified,
such as verification of the NPP operators’ participation in the process of provision of information, at the
preparedness stage, to the public living in the emergency planning zones, development of guidance for defining
93
Emergency Action Levels for operators of nuclear facilities other than NPPs and development of those levels for
nuclear facilities other than NPPs.
Progress in enhancing the arrangements for emergency workers was noted by the IRRS team. Cooperation between
different authorities regulating arrangements for emergency workers should be continued, taking into account
changes entering into force on 1 April 2016.
Lack of requirements for EPR in relation to sources of ionizing radiation regulated under the Radiation Hazards
Prevention Act should be addressed through cooperative efforts between all relevant authorities. This includes
requirements related to emergency plans and establishment of arrangements for timely notification and response
and quality assurance programme.
94
11.
11.1.
ADDITIONAL AREAS
OCCUPATIONAL RADIATION PROTECTION
LEGAL AND REGULATORY FRAMEWORK
General considerations
The NRA and MHLW are the primary regulatory bodies responsible for implementation of the requirements
concerning occupational exposure. The legislative framework is defined by the following acts: the Atomic Energy
Basic Act, the NRA Establishment Act, the Reactor Regulation Act, the Radiation Hazards Prevention Act, the
Industrial Safety and Health Act, associated cabinet orders and ordinances.
The scope of the IRRS mission with respect to occupational radiation protection was the facilities and activities
regulated by NRA. The NRA is responsible for the occupational radiation protection for workers in nuclear power
plants, fuel cycle facilities, research reactors, interim storage and radioactive waste management facilities, facilities
and activities involving radioactive sources (such as high activity irradiator facilities, radionuclide production
facilities, sources in research laboratories and industrial radiography, tele therapy sources) and radiation sources
such as linear accelerators. The NRA and the MHLW establish regulatory documents independently. The Radiation
Council, a body connected to the NRA, participates in the final approval of the relevant acts and ordinances related
to the radiation safety. Both the NRA and the MHLW establish dose limits, and the NRA approves licensees’ limits
and conditions of operations as a part of operational safety programme. There are many advantages in the
establishment of a single standard or ordinance that represents the “Basic radiation protection standard”. This
standard would apply to all occupationally exposed workers, would include all items mentioned in GSR Part 3 and
would be approved by both the NRA and the MHLW.
The MHLW has the legal right to perform occupational radiation protection inspections in the installations
regulated and inspected by the NRA. The inspections of the two regulatory bodies are not coordinated and there is
no formal communication between the NRA and MHLW as to findings in the inspections (See
Recommendation R1).
Occupational (or public) radiation protection for existing exposure situations due to natural radiation, and these
situations, (radon and cosmic radiation exposure for aircrew) are outside the scope of the IRRS mission.
Dose Limitation
The NRA action plan, developed in preparation for the IRRS mission, recognizes the need to reduce the annual
dose limit to the lens of the eye to conform to GSR Part 3, however there is no plan for implementing the dose limit
reduction. A limit of 2 mSv equivalent dose to the surface of the abdomen plus an internal committed effective dose
of 1 mSv to a female worker during pregnancy is prescribed in the ordinances. The GSR Part 3 dose limitation
focuses on the embryo or fetus, and establishes a 1 mSv limit. The GSR part 3 also states that the breast-fed infant
should be afforded the same broad level of protection as is required for members of the public. The ordinances do
not mention restrictions for mothers who are breast-feeding infants.
Optimization
NRA requires, in the Standard Review Plan of Approval of Operational Safety Programmes, that the licensees
implement optimization in occupational radiation protection. Previous studies of annual collective doses in NPPs
(ISOE database) show that from 1995 to 2014 for PWRs and BWRs worldwide, the annual collective dose per
reactor fell by a factor 2 to 3 due to optimization (ALARA implementation) and continuous safety improvement
actions. In Japan from 1995 to 2014, no significant reduction in the collective annual dose per reactor for PWRs or
BWRs can be seen.
95
With regard a proposal to introduce the ICRP/IAEA concept of dose constraints into the legislation to serve as an
optimization tool, the Radiation Council reports its view that the dose constraints are not necessary since the
introduction of specific dose constraints for occupational exposure may hinder the flexible and optimized
management of licensees’ radiation protection measures. The previously mentioned Article 3.2 of the Ordinance on
Prevention of Ionizing Radiation Hazards also precludes optimization. There are no regulatory mechanisms that
allow the NRA to evaluate the effectiveness of optimization actions such as access to a national dose database or
occupational radiation protection benchmarking between similar nuclear power plants. There are no guidelines for
the Licensees to follow as to how to implement optimization and how to evaluate optimization initiatives
(see Recommendation R3).
GENERAL RESPONSIBILITIES OF REGISTRANTS, LICENSEES AND EMPLOYERS
The Standard Review Plan of Approval of Operational Safety Programmes require that the licensee establishes and
implements a radiation protection programme for the management and the assessment of activities where exposure
to ionizing radiation is likely to occur. The programme aims at keeping the dose of the workers and of persons with
frequent access to the facility within the annual limits and as low as reasonably achievable. For NPPs, there are no
regulations or guides giving neither the details of the programme nor the expected competencies of the safety
manager and his or her staff, and the number of staff required to carry out the programme. The operator has to
regularly monitor compliance with the safety measures and keep records on occupational exposure and protective
measures as prescribed by the technical specifications.
The Act on Prevention of Radiation Hazards due to Radioisotopes establishes in Articles 34 to 38 the requirement
of the employer to contract one or more Radiation Protection Supervisor(s) (RPS), Class I, II or III depending on
the risk assessment, whether open or sealed sources are handled and the activity of the source inventory. The
position of Qualified Expert is not recognized in NRA regulations.
GENERAL RESPONSIBILITIES OF WORKERS
Under the Reactor Regulation Act, the Standard Review Plan of Approval of Operational Safety Programmes
establish indirectly (through the employer) the obligations and responsibilities of workers. Workers must fulfil their
obligations, receive training and carry out their duties for protection and safety such as correctly using personal
protective equipment and monitoring devices. Occupationally exposed workers must carry out all radiation
protection and safety procedures and are expected to report unsafe working conditions. There is no obligation for
workers to provide information on their dose history; but employers are required to manage information regarding
the dose records of all workers working in their installations
REQUIREMENTS FOR RADIATION PROTECTION PROGRAMMES
Nuclear facilities implement occupational radiation safety programmes as part of the Operational Safety
Programmes. NRA carries out periodic inspections of nuclear facilities and activities in order to check and monitor
compliance of the radiation protection programmes. For nuclear facilities, the regulations establish the
responsibilities of the employer and also the need for cooperation between operators and contractors in order to
ensure compliance with the regulations for external workers. Licensees are required to establish and maintain
organizational, procedural and technical arrangements for the designation of controlled areas consistent with GSR
Part 3 and they must establish local rules, written instructions and radiation safety procedures. In Japan, no
supervised areas are established, a requirement of GSR Part 3. Too little information was made available to
evaluate whether the absence of designated supervised areas is conservative or not.
Licensees are responsible for making arrangements for the assessment and recording of occupational exposures,
workplace monitoring and for workers’ health surveillance, and they must provide workers with adequate
information, instruction and training in radiation protection and safety.
96
MONITORING PROGRAMMES AND TECHNICAL SERVICES
Today around 600 000 workers are individually monitored for external radiation (photons and neutrons), with
around 100 000 of these working in NPPs or FCFs. There are two main suppliers of this service, and a number of
smaller laboratories attend to the rest. The techniques used are OSL, TLD, glass dosimetry and film. In the nuclear
power plants (NPP) electronic personal dosimeters are used in conjunction with the legal dosimeter. Most workers
in installations licensed by the NRA are monitored monthly.
With reference to internal monitoring, there is a requirement for quarterly monitoring for workers in nuclear
facilities. This monitoring is carried out by direct measurement (Whole Body Counters). There are also bioassay
laboratories available, and NIRS is considered to be the reference laboratory in this area. There are also laboratories
for biological (cytogenetic) dosimetry.
Portable dose rate and surface contamination meters are required to be calibrated annually. Eight Secondary
Standard Calibration facilities are available for calibration as part of the Japanese Calibration Service System. The
national measurement standards for radiation are maintained by the National Institute of Advanced Industrial
Science and Technology (AIST), through the National Metrology Institute of Japan, connected to METI. In some
NPPs the calibration of the workplace equipment is carried out by the operator on site. Five registered certification
training organizations carry out the training of radiation protection supervisors.
There is no government national dose register; however a non-profit organization called the Radiation Effects
Association (REA) stores individual dose records. REA is financed by nuclear reactor and fuel cycle facilities. An
attribution of REA is to receive and store individual dose records from companies that have shut down. However,
there is no legal requirement to store dose records of occupationally exposed workers in the medical area. The
medical area is outside the scope of the IRRS mission; however it is clear that all doses records should be kept,
regardless of the occupationally exposed workers work area.
NRA requires that the licensees should carry out quality control and assurance activities on the occupational
radiation protection services they contract. There is no authorization or approval process for these services in place
(see Recommendation R2).
11.2. CONTROL OF RADIOACTIVE DISCHARGES, MATERIALS FOR CLEARANCE, AND
EXISTING EXPOSURES SITUATIONS; ENVIRONMENTAL MONITORING FOR PUBLIC
RADIATION PROTECTION
Control of Radioactive Discharges and Material for Clearance
The Reactor Regulation Act and the Radiation Hazards Prevention Act establishes regulations regarding control of
discharges and clearance criteria for nuclear facilities and radiation facilities respectively. Both Acts require an
application from licensees before granting authorization for releasing radioactive materials to the environment and
for clearance.
Discharge criteria for authorized discharge limits for nuclear facilities are derived using the dose limit of 1 m
Sv/year effective dose for the most affected members of the public. Optimization of discharge limits is achieved
using the ALARA principle with a target dose value of 50 µSv/year, and is documented in the Operational Safety
Programme. This Programme is developed by each licensee and approved by the NRA. The target value is in
principle a dose constraint that is applied equally to all facilities.
The regulations for radiation facilities under the Radiation Hazards Prevention Act specify the criteria for
discharges from these facilities. No target value is used for optimization of discharge limits for these cases. Instead
conservative derivations of discharge limits are obtained with the conclusion that a large safety-margin is reached.
97
Criteria for clearance from regulatory control of materials used in nuclear facilities are established in the Reactor
Regulation Act and its regulations. These criteria are based on dose criteria in accordance with the IAEA Safety
Standards and the ICRP adopting reference level of 10 µSv/year. A similar clearance system is stipulated in the
Radiation Hazards Prevention Act for radiation facilities. The IRRS team confirmed that for facilities regulated
under the Radiation Hazards Prevention Act a set of clearance criteria consistent with the values in GSR Part 3 has
been developed. In the case of nuclear facilities regulated under the Reactor Regulation Act a smaller set of
clearance values (33 nuclides) has been developed for NPPs. NRA may consider having only a single consolidated
list of clearance values that are applied to all facilities.
The licensee is required to prepare a plan including an evaluation of the target items for clearance and the
measurement and evaluation methods, which has to be approved by NRA. NRA verifies and evaluates the results of
this plan. If the material is under the prescribed limit for clearance, the material is either recycled or disposed of as
industrial waste.
Environmental monitoring and control of public exposure
Requirements for monitoring at nuclear facilities are prescribed in the Reactor Regulation Act and the same
requirements for radiation facilities are prescribed in the Radiation Hazards Prevention Act. The responsibility for
monitoring on-site and in the vicinity of the regulated facility lies with the licensees for all regulated practices
Additionally regional governments and other agencies undertake environmental monitoring in their areas of
jurisdiction as part of the national environmental monitoring programme. The regional monitoring programmes
comprise an important part of the national monitoring programme, and the regional governments receive financial
support and training from NRA. NRA collects and stores the relevant environmental data on a national basis.
NRA regularly receives data from the various components in the national monitoring programme, conducts weekly
evaluation of the results and makes all monitoring results publically available by displaying it in a variety of
formats on its public web site. In addition, the regional governments and other agencies display their regional data
on their public web sites. NRA verifies the national monitoring programme data by entrusting the Japan Chemical
Analysis Centre (JCAC), to organize inter-comparison for measurements performed by the regional monitoring
programmes.
NRA maintains a series of 34 booklets called the Radiation Measurement Series that detail standard procedures for
measurement and sampling. Although there are no regulations regarding use of these standards, they are widely
distributed and used by measurement professionals in Japan. The quality of the programme is enhanced by this
consistent use of standardised procedures. In addition, NRA arranges independent checks to be performed on the
monitoring carried out by the local governments. Some of the monitoring organisations participate in IAEA intercomparison exercises, in particular the marine monitoring capabilities. The monitoring measurements comprising
the national monitoring programme are outsourced and performed by companies, some of which are accredited by
relevant ISO standards.
The analyses of samples collected by the licensees are routinely outsourced to private radio-analytical laboratories
although some licensees also have their own radiation measurement capabilities or laboratories. NRA does not
require accreditation of the service providers performing the radiation measurements for the facilities or
calibrations of equipment used for the environmental monitoring. Since the licensees have the responsibility to
ensure their activities do not impact the surroundings according to the regulations prescribed by NRA, it follows in
the current system that the licensees also have the responsibility to ensure that the measurements performed as part
of their monitoring programme are quality-assured. A national calibration service is provided by the Japan
Calibration Service System (JCSS), managed and funded under METI. The NRA uses the results of the
98
environmental monitoring performed by the local governments in the vicinity of nuclear facilities to verify the
monitoring done by the licensees.
Licensees’ inspections are performed as part of the Operational Safety Programme. The main objective of these
inspections is to ensure that the procedures for operational safety, as part of the management system, are
implemented. These inspections also include checking the procedures for radiation monitoring and measurement
methodology.
Stricter quality assurance requirements regarding accreditations or calibrations, and quality control, would enhance
compliance with IAEA Safety standard requirements regarding radiation protection of the public
(see Recommendation R2).
11.3.
SUMMARY
The regulations on occupational exposure require up-dating to be brought into line with GSR Part 3. The roles and
responsibilities of NRA and the MHLW in the area of occupational radiation protection should be clearly
established. Optimization techniques and tools should be made available and guidance on optimization provided to
the licensee. The technical services should be subject to approval or authorization processes so that the technical
quality of the services may be ensured.
The appropriate regulatory frameworks for control of radioactive discharges, material for clearance, and
environmental monitoring and control of public exposure are covered well in the Japanese laws and regulations, but
are not fully in line with the relevant requirements in IAEA Standards GSR Part 1 and GSR Part 3. A
recommendation on authorization or approval processes for the providers of measurement services for
environmental monitoring will ensure the technical quality of the measurement services and enhance quality
assurance (see Recommendation R2).
99
12.
12.1.
INTERFACE WITH NUCLEAR SECURITY
LEGAL BASIS
Article 2 of the Atomic Energy Basic Act provides the basis of the regulatory framework for nuclear safety, nuclear
security as well as for safeguards. It stipulates that the utilization of nuclear energy shall be limited to peaceful
purposes and that ensuring safety shall be performed taking into account an established international standard for
the purpose of assuring national security.
The NRA Establishment Act mandates NRA as a single governmental body for integrated management of nuclear
safety, security and safeguards.
Under the Japanese regulatory framework, several measures are in place to ensure that interaction between security
and safety is not compromised. The IRRS team was informed that:
•
•
Licensees are required to evaluate the impact of security measures on safety;
Safety officers can be granted access to information on physical protection.
Security and safety aspects need to be reviewed before granting the authorization prior to the restart of NPPs, which
were shutdown following the TEPCO Fukushima Daiichi accident, based on the new regulatory requirements.
If the review of an application reveals a conflict between safety and security, NRA has the competence to request
correcting modifications to the application.
12.2.
REGULATORY OVERSIGHT ACTIVITIES
The legal framework establishes NRA as the single organization responsible for regulation of nuclear safety,
security and safeguards. This is a good basis for effective and efficient regulatory oversight of the above areas.
In general, the Japanese regulatory framework does not differentiate between oversight activities in the fields of
nuclear safety, security or safeguards. However, IRRS team observed NRA had recognized the importance of
adequately balancing nuclear safety and security.
NRA’s Code of Conduct on Nuclear Security Culture and the Statement on Nuclear Safety Culture stipulate that
NRA shall endeavour to achieve a balance between safety and nuclear security and implement appropriate
organizational measures in case of a conflict between the two areas.
The improvement of the safety and security interface is also stated as a mid-term NRA goal for the actual period
and is planned to be implemented within the frame of the annual plans within the next four years. IRRS team
observed the corresponding implementation activities are actually at a very early stage.
The IRRS team observed that currently the coordination and cooperation between the organizational units of NRA
with safety respectively security responsibilities is taking place on an ad hoc basis and not formalised. A concrete
concept and project planning to put an effective safety and security interface into place, has not been
established yet.
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
Observation: The improvement of the safety and security interface is one of the priority goals of actual NRA
mid-term planning period. The corresponding implementation activities are actually at a very early stage.
Currently, the coordination and cooperation between the organizational units of NRA with safety respectively
security responsibility is taking place on an ad-hoc basis and is not formalised. A concrete concept and project
planning to put an effective safety and security interface into place, has not been established yet.
(1)
BASIS: GSR Part 1, Requirement 12 states that “The government shall ensure that, within the
100
RECOMMENDATIONS, SUGGESTIONS AND GOOD PRACTICES
governmental and legal framework, adequate infrastructural arrangements are established for
interfaces of safety with arrangements for nuclear security and with the State system of accounting
for, and control of, nuclear material”
S13
12.3.
Suggestion: NRA should consider expediting improvements in the arrangements to assess,
oversee and enforce nuclear safety and security in an integrated manner.
INTERFACE AMONG AUTHORITIES
Other authorities are also involved in tasks related to nuclear safety and security, such as the Cabinet Office for the
Nuclear Emergency Preparedness, the National Police Agency, the Japan Coast Guard. The NRA’s interaction with
these authorities includes the performance of exercises connected to contingency and emergency plans.
Since 2015 the security division of NRA participates in the comprehensive emergency exercise.
12.4.
SUMMARY
The NRA Establishment Act mandates NRA as a single governmental body for integrated management of nuclear
safety, security and safeguards. The improvement of the safety and security interface is one of the priorities of the
actual mid-term planning period of NRA.
The IRRS team recommends that, NRA should continue its efforts to improve the interface between nuclear safety
and security based on a clear concept and an efficient project organization.
101
APPENDIX I – LIST OF PARTICIPANTS
INTERNATIONAL EXPERTS:
JAMET Philippe
Autorité de Sûreté Nucléaire (ASN)
[email protected]
LARSSON Carl-Magnus
Australian Radiation Protection and Nuclear Safety
Agency (ARPANSA)
[email protected]
AALTONEN Hannele
Radiation and Nuclear Safety Authority (STUK)
[email protected]
FERAPONTOV Alexey
Federal Environmental, Industrial and Nuclear
Supervision Service of Russia (Rostechnadzor)
[email protected]
FERON Fabien
Autorité de Sûreté Nucléaire (ASN)
[email protected]
FOY Mark
Office for Nuclear Regulation (ONR)
[email protected]
HUBBARD Lynn
Swedish Radiation Safety Authority, retired
[email protected]
HUNT John
KRS Petr
Comissão Nacional de Energia Nuclear/Instituto de
Proteção Radiológica (IRD)
State Office for Nuclear Safety of the Czech
Republic (SUJB)
[email protected]
[email protected]
LEE Suk-Ho
Korea Institute of Nuclear Safety (KINS)
[email protected]
MUNUERA Antonio
Nuclear Safety Council (CSN)
[email protected]
PATHER Thiagan
National Nuclear Regulator (NNR)
[email protected]
REGIMBALD Andre
Canadian Nuclear Safety Commission (CNSC)
[email protected]
RYAN Thomas
Environmental Protection Agency (EPA)
[email protected]
SCHWARZ Georg
Swiss Federal Nuclear Safety Inspectorate (ENSI)
[email protected]
STRITAR Andrej
Slovenian Nuclear Safety Administration (SNSA)
[email protected]
TIIPPANA Petteri
Radiation and Nuclear Safety Authority (STUK)
[email protected]
WALDMAN Ricardo
Consultant
[email protected]
WERT Leonard
U.S. Nuclear Regulatory Commission (NRC)
[email protected]
IAEA STAFF
CARUSO Gustavo
Office of Safety and Security Coordination
[email protected]
102
BUGLOVA Elena
Incident and Emergency Centre
[email protected]
NICIC Adriana
Division of Nuclear Installation Safety
[email protected]
SHADAD Ibrahim
Division of Radiation, Transport and Waste Safety
[email protected]
REBIKOVA Olga
Division of Nuclear Installation Safety
[email protected]
LIAISON OFFICER
AOKI Masahiro
Nuclear Regulation Authority
[email protected]
103
GROUP PHOTO
104
APPENDIX II – MISSION PROGRAMME
First Week
105
Second Week
106
APPENDIX III – SITE VISITS
Fukushima Daiichi NPP
Takahama NPP
Rokkasho Reprocessing Plant
JAEA Tokai Research Reactor
JAEA Tokai Facility for Radioactive Sources (J-PARC)
107
APPENDIX IV – POLICY ISSUES
Human Resource Development (HRD)
The NRA explained the challenges it is facing on HRD, namely lack of sufficient number of qualified experts, and
asked for IRRS team members’ experience with particular focus on the combination of HRD and the improvement
of regulatory framework. The inspection was suggested as one example for the discussion.
IRRS Team members shared their experiences as senior experts on the given issue, as in the following, with
focusing on HRD for inspectors:
•
Need to change mind-set of inspectors to have more active supervision on the licensees’ activities rather
than sticking to the current inspection manual
•
Useful to recruit mid-career experts with experience in private sectors through strengthening the
attractiveness of the NRA as a workplace
•
Develop tailored HRD programme to each individual
•
Utilize international cooperation in training inspectors
•
Recognize clear role of the inspectors who supervises licensees and may take enforcement actions to them
while licensees have prime responsibility for safety
•
The training for inspectors takes 1 or 2 years and such trainings should take a holistic approach and include
the development of questioning attitude and communication skills with operating staff.
•
Enhancement of training for inspectors should start now, not waiting for the change of inspection system.
Implementation of back-fitting
The NRA explained that the Japanese legal system require back-fitting of new requirements into the existing
nuclear facilities and its basic policy for its implementation, and asked for the IRRS team members’ experience
with focusing on the transition period for complying with the new regulatory requirements.
IRRS team members shared their experiences as senior experts on the given issue, as in the followings:
•
Transition period may be determined taking into consideration of (a) risk information, (b) international
reference such as the IAEA safety standard and (c) the maximum efforts by the licensees. Such decision
should be made as regulatory body not by individual officer, taking into accounts of the views of different
stakeholders.
•
Urgency for applying transition period is set based on the frequency of hazards, and transition periods are
set in accordance with graded approach, e.g. 1 to 5 years, in the national practice
•
Once the regulatory body determines the implementation of back-fitting with transition periods, such order
should be clear and stick to the determined transition periods for credibility.
108
APPENDIX V – LIST OF COUNTERPARTS
IRRS
EXPERTS
1.
KANEKO Shuichi, Director, Personnel Division
MUKAE Takashi, Director, Management
Promotion Office
KURASAKI Takaaki, Director, Regulatory
Standard and Research Division
ABE Kiyoharu, Senior Expert
KANEKO Shuichi, Director, Personnel Division
MUKAE Takashi, Director, Management
Promotion Office
KURASAKI Takaaki, Director, Regulatory
Standard and Research Division
ABE Kiyoharu, Senior Expert
SATO Gyo, Director, Nuclear Regulation Policy
Planning Division
YAMAGATA Hiroshi, Director, Division of
Regulation for PWR
ICHII Naoto, Nuclear Safety
Specialist,
International Affairs Office
REVIEW AND ASSESSMENT
FERON Fabien
LEE Suk Ho
7.
HIRANO Masashi, Senior
Coordinator for International
Collaboration
AUTHORIZATION
FERON Fabien
LEE Suk Ho
6.
FUJITA Kenichi, Director, International Affairs
Office
SATO Gyo, Director, Nuclear Regulation Policy
Planning Division
MANAGEMENT SYSTEM OF THE REGULATORY BODY
KRS Petr
MUNUERA Antonio
TIIPPANA Petteri
5.
HIRANO Masashi, Senior
Coordinator for International
Collaboration
RESPONSIBILITIES AND FUNCTIONS OF THE REGULATORY BODY
KRS Petr
MUNUERA Antonio
REGIMBALD Andre
TIIPPANA Petteri
4.
MATSUURA Katsumi, Director, Policy
Planning and Coordination Division
SHIMA Masakazu, Director for Preparation for
IRRS
GLOBAL NUCLEAR SAFETY REGIME
FERAPONTOV Alexey
REGIMBALD Andre
SCHWARZ Georg
3.
Support Staff
LEGISLATIVE AND GOVERNMENTAL RESPONSIBILITIES
FERAPONTOV Alexey
REGIMBALD Andre
SCHWARZ Georg
2.
Lead Counterpart
SATO Gyo, Director, Nuclear Regulation Policy
Planning Division
YAMAGATA Hiroshi, Director, Division of
Regulation for PWR
ICHII Naoto, Nuclear Safety
Specialist,
International Affairs Office
SAWADA Atsuo, Director, Division of
Regulation for Inspection of Nuclear Reactor
Facilities
YAMADA Tomoho, DirectorGeneral for Nuclear
Regulation
INSPECTION
STRITAR Andrej
WERT Leonard
109
IRRS
EXPERTS
8.
YAMADA Tomoho, DirectorGeneral for Nuclear
Regulation
KURASAKI Takaaki, Director, Regulatory
Standard and Research Division
KUROMURA Shinzo, Director, Division of
Regulation for Advanced Reactors, Research
Reactors, and Decommissioning
KATAOKA Hiroshi, Director, Division of
Regulation for Nuclear Fuel (Fabrication and
Reprocessing) Facilities and Use of Nuclear
Material
MAEKAWA Yukinori, Director, Division of
Regulation for Radioactive Waste, Storage and
Transport
NISHIDA Ryozo, Director, Radiation Protection
and Safeguards Division
ABE Kiyoharu, Senior Expert
OGISO Zenichi, Senior
Expert,
Regulatory Standard and
Research Division
YAMANAKA Takeshi, Senior
Specialist, Regulatory
Standard and Research
Division
YONEHARA Hidenori,
Specialist, Radiation
Protection and Safeguards
Division
EMERGENCY PREPAREDNESS AND RESPONSE
AALTONEN Hannele
11.
SAWADA Atsuo, Director, Division of
Regulation for Inspection of Nuclear Reactor
Facilities
REGULATIONS AND GUIDES
FOY Mark
KRS Petr
MUNUERA Antonio
PATHER Thiagan
REGIMBALD Andre
RYAN Thomas
TIIPPANA Petteri
WALDMAN Ricardo
10.
Support Staff
ENFORCEMENT
STRITAR Andrej
WERT Leonard
9.
Lead Counterpart
ARAKI Shinichi, Director, Emergency
Preparedness/Response and Nuclear Security
Division
NISHIDA Ryozo, Director, Radiation Protection
and Safeguards Division
AKASHI Kazuhiko, Director
for International Affairs
NISHIDA Ryozo, Director, Radiation Protection
and Safeguards Division
SATO Gyo, Director, Nuclear Regulation
KUROMURA Shinzo, Director, Division of
Regulation for Advanced Reactors, Research
Reactors, and Decommissioning
KATAOKA Hiroshi, Director, Division of
Regulation for Nuclear Fuel (Fabrication and
Reprocessing) Facilities and Use of Nuclear
Material
MAEKAWA Yukinori, Director, Division of
Regulation for Radioactive Waste, Storage and
Transport
AIHARA Yuko, Deputy Director, Radiation
Monitoring Division
YAMANAKA Takeshi, Senior
Specialist, Regulatory
Standard and Research
Division
YONEHARA Hidenori,
Specialist, Radiation
Protection and Safeguards
Division
ADDITIONAL AREAS
HUBBARD Lynn
HUNT John
110
IRRS
EXPERTS
12
Lead Counterpart
Support Staff
INTERFACE WITH NUCLEAR SECURITY
FERAPONTOV Alexey
SCHWARZ Georg
SATO Gyo, Director, Nuclear Regulation
YAMAGUCHI Hirotaka, Director, Nuclear
Security Office
HIRANO Masashi, Senior
Coordinator for International
Collaboration
111
APPENDIX VI – RECOMMENDATIONS (R), SUGGESTIONS (S) AND GOOD PRACTICES (GP)
R: Recommendations
AREA
S: Suggestions
Recommendations, Suggestions or Good Practices
G: Good Practices
Good Practice: The prompt establishment of a legal and governmental
GP1
framework supporting a new independent and transparent regulatory body
with increased powers.
Good Practice: NRA’s prompt and effective incorporation of the lessons learnt
from the TEPCO Fukushima Daiichi accident in the areas of natural hazards,
GP2
severe accident management, emergency preparedness and backfitting of
existing facilities, into the new regulatory framework.
Recommendation: The government should ensure that the Japanese regulatory
authorities having responsibilities relevant to nuclear and radiation safety
1. LEGISLATIVE AND
develop and implement an effective, collaborative process for the exchange of
GOVERNMENTAL
R1
information regarding policies, authorisations, inspections and enforcement
RESPONSIBILITIES
actions to provide coordinated and effective regulatory oversight that should
also ensure a harmonized regulatory framework under their respective
responsibilities.
Suggestion: NRA should consider improving its liaison with the relevant
S1
organizations for joint inspections and oversight of outsourced inspections.
Recommendation: The Government should empower the regulatory body5 to
establish requirements for authorization or approval processes for service
R2
providers for monitoring of occupational and public exposures, and
environmental monitoring in general, and verify that these requirements are
met by licensees.
2. GLOBAL NUCLEAR SAFETY
REGIME
3. RESPONSIBILITIES AND
Recommendation: NRA should put greater priority and allocate more
FUNCTIONS OF THE
R3
resources on its oversight of the implementation of radiation protection
REGULATORY BODY
measures by licensees as well as its participation in the development of
5
An authority or a system of authorities designated by the government of a State as having legal authority for conducting the regulatory process, including issuing authorizations, and thereby regulating the safety
of nuclear installations, radiation safety, the safety of radioactive waste management and safety in the transport of radioactive material. (IAEA Safety Glossary, 2016 Edition)
112
AREA
R: Recommendations
S: Suggestions
G: Good Practices
R4
R5
S2
S3
4. MANAGEMENT SYSTEM OF THE
REGULATORY BODY
R6
Recommendations, Suggestions or Good Practices
international standards in radiation protection and related research activities
in collaboration with NIRS.
Recommendation: NRA should evaluate the effectiveness of its current
organisational structure, implement appropriate cross cutting processes,
strengthen the collection of information from interested parties when planning
its annual activities and develop tools to measure its performance and use of
resources.
Recommendation: NRA should further develop and implement the activities
related to the evaluation of competencies, execution of training programmes,
on the job training, internal job rotation, and strengthening safety research,
co-operation with technical support organisations (JAEA), universities,
research organisations and international and overseas organisations, to ensure
it has both qualified and experienced staff to fulfil its regulatory
responsibilities in nuclear and radiation safety.
Suggestion: NRA should consider developing a strategy for attracting new and
retaining its current technical expertise through seeking to improve the
attractiveness of NRA as an employer of choice and the roles that its staff
undertake by providing them with more responsibilities, the ability to directly
influence safety performance of licensees, options to regulate in all various
sectors of the industry, ability to develop legislative requirements that impact
national policy, and having a clear career path to senior levels within the NRA.
Suggestion: NRA should consider reviewing the effectiveness of the mechanisms
to communicate the outcomes of the regulatory review and assessment, further
regulatory expectations and current issues to licenses/ applicants.
Recommendation: NRA should complete, document and fully implement its
integrated management system for all regulatory and supporting processes
needed to deliver its mandate. Grading of the application of management
system should be applied consistently and generic processes should be fully
developed such as control of documents, products, records and management of
change. The effectiveness of the NRA management system should be monitored
113
AREA
R: Recommendations
S: Suggestions
G: Good Practices
S4
S5
S6
S7
5. AUTHORIZATION
R7
R8
6. REVIEW AND ASSESSMENT
S8
Recommendations, Suggestions or Good Practices
and measured in a comprehensive way to identify opportunities for
improvement.
Suggestion: NRA should consider introducing specific measures such as
awareness training or surveys to promote and sustain high level of safety
culture in the conduct of its activities.
Suggestion: NRA Commissioners should consider taking a strategic approach
to the implementation of the management system demonstrating their
commitment to the project by initiating a specific multi-year management
system development plan and by reviewing its implementation on periodic
basis.
Suggestion: NRA should consider developing a hierarchical structure for the
management system that is easy to use and which supports effective and
consistent implementation of regulatory activities. Specific descriptions of each
process should be developed in a unified format including requirements, risks,
interactions, inputs, process flow, outputs, records and measurement criteria.
Suggestion: NRA should consider enhancing the interfaces and overall
coherence of the existing three regulatory processes related to NPP ageing
management.
Recommendation: NRA should incorporate the findings of the facility
inspection into the review and assessment and the authorization process for
radiation sources.
Recommendation: NRA should establish requirements relating to
consideration of decommissioning during all life stages of nuclear and
radiation facilities and criteria for the release of sites at the end of
decommissioning.
Suggestion: NRA should consider reviewing its current operating experience
feedback process to:
• determine whether its criteria allow the reporting of enough safety
significant events;
• ensure lessons learned from these events, including return to service
from extended shutdowns, are taken into account by the licensees and
114
AREA
R: Recommendations
S: Suggestions
G: Good Practices
S9
R9
7. INSPECTION
S10
8. ENFORCEMENT
R10
Recommendations, Suggestions or Good Practices
actually result in appropriate and timely measures at the facilities.
Suggestion: NRA should consider reviewing the regulatory requirements for all
nuclear facilities to ensure that submissions by licensees give full systematic
consideration to human and organizational factors and human errors in the
design of the plant, and the sufficiency of qualified and experienced NRA
resource to assess this.
Recommendation: The government should improve and simplify the inspection
framework to:
• Increase NRA flexibility to provide for efficient, performance based,
less prescriptive and risk informed regulation of nuclear and radiation
safety;
• Ensure NRA inspectors have formal rights for free access to all facilities
and activities at any time;
• Allow NRA decisions about reactive inspections to be made at the
lowest possible level.
Based on the revised inspection framework the NRA should develop and
implement a programme of inspection of all facilities and activities specifying
types and frequency of regulatory inspections (including scheduled inspections
and unannounced inspections) in accordance with a graded approach.
Suggestion: NRA should consider improving training and retraining of its
inspectors in order to improve their competencies for inspections, associated
assessments and decision making.
Recommendation: NRA should establish a documented enforcement policy
with criteria and processes for determining graded sanctions or penalties for
non-compliances, and a provision for processing orders to minimise the
decision time for corrective actions if there is imminent likelihood of safety
significant event.
115
AREA
9. REGULATIONS AND GUIDES
R: Recommendations
S: Suggestions
G: Good Practices
Recommendations, Suggestions or Good Practices
R11
Recommendation: NRA should:
• improve and document its process for regularly evaluating and
reviewing regulations and guides and as the emerging need arises;
• supplement the regulations with guidance documents where necessary;
and
• improve its guidance on Periodic Safety Assessment of Continuous
Improvement.
R12
S11
Recommendation: NRA and other authorities having jurisdiction for radiation
sources should develop a single set of requirements and guidance for EPR in
relation to radiation sources including requirements related to emergency
plans, arrangements for timely notification and response, and quality
assurance programme using graded approach.
Suggestion: NRA should consider strengthening its plans and procedures to
consistently respond to emergencies related to radiation sources.
Recommendation: NRA should establish:
10. EMERGENCY PREPAREDNESS
AND RESPONSE
•
R13
•
S12
11. ADDITIONAL AREAS
12. INTERFACE WITH NUCLEAR
SECURITY
S13
complete set of Emergency Action Levels for nuclear facilities other
than NPPs and associated guidance to promptly define Emergency
Action Levels for all nuclear operators;
verification process that licensees participate in provision of
information to the public within emergency planning zones around
nuclear facilities at the preparedness stage.
Suggestion: The Government should consider ensuring that the relevant
authorities establish consistent requirements for categories of emergency
workers performing similar tasks.
Suggestion: NRA should consider expediting improvements in the
arrangements to assess, oversee and enforce nuclear safety and security in an
integrated manner.
116
APPENDIX VII – COUNTERPART’S REFERENCE MATERIAL USED FOR THE REVIEW
1
IRRS Japan 2016
2
SARIS Summary
3
Outline of Nuclear Regulation of Japan
4
List of Attachment Files
5
List of Legislation and Abbreviations
6
151217 List of Eratta and Additional Attachment Files
7
The Atomic Energy Basic Act
8
9
Review on an Organization in charge of Nuclear Safety Regulation(Understanding by Relevant
Ministers)
Basic Policy on the Reform of an Organization in charge of Nuclear Safety Regulation(Cabinet
Decision)
10
The Policy on Ensuring the Operational Transparency of the Nuclear Regulatory Authority
11
About requirements for ensuring transparency and neutrality in hearing opinions of external experts
12
Nuclear Regulation Authority Mid-term Goal(2015-2020)
13
Act on the National Institute of Radiological Sciences
14
The Cabinet Order for Organization of the Nuclear Regulation Authority
15
The Act on Special Measures Concerning Nuclear Emergency(For QID13 in SM1-1)
16
Basic Act on Disaster Control Measures(For QID13 in SM1-1)
17
NRA EPR Guide(For QID13 in SM1-1)
18
Act on the Japan Atomic Energy Agency, National Research Development Agency
19
Nuclear Regulation Authority Management Rules
20
Management Policy(NRA's Core Values and Principles)
21
List concerning laws overseen by the NRA
22
Statement on Nuclear Safety Culture
23
The NRA Ordinance on Technical Standards for QMS Concerning the Design and Construction of
Commercial Power Reactor for Licensee of Commercial Reactor Operation and System for their
Inspection
24
The NRA Ordinance on Technical Standards for Commercial Power Reactors Facilities
25
26
The NRA Ordinance on Standards for the Location, Structures and Equipment of Commercial Power
Reactors
The Regulatory Guide of the NRA Ordinance on Standards for the Location, Structure, and Equipment
of Commercial Power Reactors
117
27
28
(For SARIS module Module9-5 QID63) Article 35 of the Commercial Reactors Technical Standard
Guide
(For SARIS module9-1 SQID7.2) Future Use of Commercial Standards by the Nuclear Regulation
Authority
29
(For SARIS module9-1 SQID7.2) Measures for reflecting nuclear facility operating experiences
30
(For SARIS Module9-1 SQID7.2) Promotion of Research on Safety by the Nuclear Regulation
Authority
31
(For SARIS Module9-5 QID8 9-6 QID3) Article 10 of the Commercial Reactors QMS Guide
32
(For SARIs Module9-5 QID63) Appendix7 of the Commercial Reactors Technical Standard Guide
33
(Module9-6 SQID17.1&14,15) Guidelines on Implementing Measures for Aging Management(Part)
34
Basic Act on Disaster Control Measures
35
Nuclear Emergency Act
36
NRA EPR Guide
37
Basic Plan for Disaster Preparedness
38
Nuclear Emergency Response Manual
39
NRA Initial Response Manual
40
Off-Site Center Manual
41
Japan Electric Association Guide
42
Order for Nuclear Operator's EPR plan
43
Guide for Nuclear Operator's EPR plan
44
NRA EPR Plan
45
NRA Organization Ordinance(For SARIS module3)
46
Nuclear Regulation Authority Management Rules(For SARIS module3)
47
Reactor Regulation Act (For SARIS Module 3)
48
Commercial Reactors Ordinance (For SARIS Module 3)
49
Research Reactors Ordinance (For SARIS Module 3)
50
Research Power Reactors Ordinance (For SARIS Module 3)
51
Refining Ordinance (For SARIS Module 3)
52
Fuel Fabrication Ordinance (For SARIS Module 3)
53
Spent Fuel Storage Ordinance(For SARIS Module 3)
54
Reprocessing Ordinance (For SARIS Module 3)
118
55
Category 1 Waste Disposal Ordinance (For SARIS Module 3)
56
Category 2 Waste Disposal Ordinance (For SARIS Module 3)
57
Waste Storage Ordinance (For SARIS Module 3)
58
Nuclear Fuel Materials Use Ordinance (For SARIS Module 3)
59
Nuclear Source Materials Use Ordinance (For SARIS Module 3)
60
Commercial Reactors Dose Limit Notice (For SARIS Module 3)
61
Refining Dose Limit Notice (For SARIS Module 3)
62
Fuel Fabrication Dose Limit Notice (For SARIS Module 3)
63
Research Reactors Dose Limit Notice (For SARIS Module 3)
64
Amount of RI Notice (For SARIS Module 3)
65
Industrial Safety and Health Act(For SARIS Module 3)
66
Handling of Environmental Pollution Ordinance
67
E Practical Measures for Evacuees to Return Their Homes
68
J Practical Measures for Evacuees to Return Their Homes
69
Act on Prevention of Radiation Hazards due to Radioisotopes, etc.
70
71
The Cabinet Order for Enforcement of the Act on Prevention of Radiation Hazards due to
Radioisotopes, etc.
The NRA Ordinance for Enforcement of the Act on Prevention of Radiation Hazards due to
Radioisotopes etc.
72
JIS concerning radiation sources
73
What to Do If You Find an Uncontrolled Radioactive Material
74
Notification on Technical Details for On-Site Transportation of Radioisotopes, etc.
75
The Notification on Technical Details for Off-Site Transportation of Radioisotopes, etc.
76
77
78
Ministerial Ordinance on the organization to which records are delivered, pursuant to the provisions of
the Ordinance for Enforcement of the Act on Prevention of Radiation Hazards Due to Radioisotopes,
etc.
Regarding the Change of the Name of the Designated Record Storage Body Pursuant to the NRA
Ordinance for Enforcement of the Act on Prevention of Radiation Hazards Due to Radioisotopes, etc.
National laws to control the management and protection of radioactive sources (major ones) SQID 7.1related
79
Notification to stipulate the number of hours for education and training
80
Overview of the Whistleblower Protection Act
81
Notification to stipulate the number of hours of training courses
119
82
83
Notification to Designate the Purpose of Use concerning the Notification for a Temporary Change of
the Place of Use
For Enforcement of the Prime Minister’s Office Ordinance on Partial Revisions of the NRA Ordinance
for Enforcement of the Act on Prevention of Radiation Hazards due to Radioisotopes, etc., and Related
Notifications (Notice)
84
Notification to Specify Standards for the Amount, etc. of Radioisotopes
85
Notification to Stipulate Detailed Technical Standards for Design Certification, etc.
86
Source Tracking System
87
Notification to Stipulate Certification Requirements for Radioisotope Equipped Devices with an
Indicator that are regarded as Approved Devices with Certification Label
88
Major distribution channels of radioactive sources
89
Act on Technical Standards for Prevention of Radiation
Hazards
90
Regulations for handling of radiation sources
91
Notification to Stipulate Sealed Radioisotopes that may have a Serious Influence on Human Health
92
Import procedure of radioactive sources
93
Whole Concept of Medical Care for Emergency Exposure
94
List of States that have made a political commitment with regard to the Code of Conduct on the Safety
and Security of Radioactive Sources and the Supplementary Guidance on the Import and Export of
Radioactive Sources (6 May 2014)
95
Answer to the State Self-Assessment Questionnaire (27 May 2010)
96
Table for SARIS Module 4-6 SQID 17.3
97
Report on Dose, etc. of Radiation Worker
98
The Fuel Fabrication Dose Limit Notice
99
The Commercial Reactors Dose Limit Notice
100
The Research Reactors Dose Limit Notice
101
The NRA Ordinance Concerning the Installation and Operation of Commercial Power Reactors
102
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Commercial Power Reactor
Facilities
103
Rules for Requirements for Operations Manager
104
105
106
107
The Guideline for Periodic Safety Assessment of Continuous Improvement of Commercial Power
Reactors
On-site Inspection Implementation Guideline (Instruction) upon Receipt of Reports on Deviations from
the Power Reactor Facility Operation Limits
The Implementation Guideline for Operational Safety Inspection for Commercial Power Reactor
Facilities
Guide for Pre-Service Inspection of Commercial Power Reactors
120
108
Guide for Periodic Facility Inspection of Commercial Power Reactors
109
Guide for Welding Safety Management Review
110
Guide for Periodic Safety Management Review
111
The NRA Ordinance Concerning the Installation and Operation of Research and Test Reactors
112
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Research and Test Reactors
113
114
115
116
117
118
119
120
The Regulatory Guide on the NRA Ordinance on Standards for the Location, Structure, and Equipment
of Research and Test Reactors
NRA Ordinance on Technical Standards for the Design and Construction Methods of Research and Test
Reactors
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Capabilities of Nuclear Research and Test
Reactors, etc.
The NRA Ordinance on Technical Standards for Quality Management System Concerning the Design
and Construction of Research and Test Reactors for Licensee of Research and Test Reactors and
System for their Inspection
The NRA Ordinance on the Installation and Operation of Power Reactors at the Research and
Development Stage
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Power Reactor Facilities at
the Research and Development Stage
The Cabinet Order for Enforcement of the Act on the Regulation of Nuclear Source Material, Nuclear
Fuel Material and Reactors
The NRA Ordinance on Standards for the Location, Structure, and Equipment of Nuclear Research and
Test Reactors, etc.
121
The Regulatory Guide for Reviewing Safety Design of Water-cooled Test Reactor Facilities
122
Operational Safety Inspection Implementation Manual
123
124
The NRA Ordinance on Technical Standards for Power Reactor Facilities at the Research and
Development Stage
The NRA Ordinance on Standards for the Location, Structure, and Equipment of Power Reactors
Facilities at the Research and Development Stage
125
The NRA Ordinance on Activity of Spent Fuel Reprocessing
126
The NRA Ordinance on Activity of Fuel Fabricating and Enrichment
127
The NRA Ordinance on the Use, etc. of Nuclear Fuel Materials
128
The NRA Ordinance on Use of Nuclear Source Materials
129
The Reprocessing Permit Ordinances and Guide
130
The Fuel Fabrication Permit Ordinance and Guide
131
The Nuclear Fuel Materials Use Permit Ordinance and Guide
132
The NRA Ordinance on Technical Standards for Design and Construction Method of Reprocessing
Facilities
133
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Capabilities of Fuel Fabrication Facilities
134
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Design and Construction Methods of Fuel
Fabrication Facilities
121
135
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Reprocessing Facilities
136
The Standard Review Plans on Approval of Operational Safety Programs of Fuel Fabrication Facilities
137
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Facilities using Nuclear Fuel
Materials
138
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Capabilities of Reprocessing Facilities
139
140
141
142
143
144
145
146
147
148
149
The NRA Ordinance on Technical Standards for Quality Management System Concerning the Design
and Construction of Reprocessing Facilities for licensee of Reprocessing Activity and System for their
Inspection
The Guideline for Periodic Safety Assessment of Continuous Improvement of Fuel Fabrication
Facilities and Reprocessing Facilities Safety
The NRA Ordinance on the Activity of Waste Interim Storage and Treatment of Nuclear Fuel Material
or Material Contaminated by Nuclear Fuel Material
The NRA Ordinance on Activity of Interim Storage of Spent Fuel
The NRA Ordinance on Activity of Category 1 Waste Disposal of Nuclear Fuel Material and Materials
Contaminated by Nuclear Fuel Material
The NRA Ordinance on Activity of Category 2 Waste Disposal of Nuclear Fuel Material or Materials
Contaminated by Nuclear Fuel Material
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Design and Construction Methods of Spent Fuel
Interim Storage Facilities
The Regulatory Guide of the NRA Ordinance on Standards for the Location, Structure and Equipment
of Spent Fuel Interim Storage Facilities
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Capabilities of Spent Fuel Interim Storage
Facilities
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Spent Fuel Interim Storage
Facilities
The Regulatory Guide of NRA Ordinance on Standards for the Location, Structure, and Equipment of
Category 2 Waste Disposal Facilities
150
The Guideline for Periodic Safety Review etc. for Category 2 Waste Disposal Facilities
151
The Regulatory Guide of NRA Ordinance on Standards for the Location, Structure, and Equipment of
Waste Interim Storage and Treatment Facilities
152
The Guideline for Periodic Safety Review of Waste Interim Stroge and Treatment Facilities
153
154
155
156
157
158
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Waste Interim Storage and
Treatment Facilities
The NRA Ordinance on Confirmation of Radioactive Concentrations of Material used in Activities of
Refining Nuclear Source or Nuclear Fuel Materials, etc
The NRA Ordinance on Confirmation, etc of Radioactive Concentrations of Material used in Nuclear
Research and Test Reactors, etc.
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Design and Construction Methods for Specific
Waste Disposal Facility or Specific Waste Interim Storage and Treatment Facility
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Capabilities for Specific Waste Disposal Facility
or Specific Waste Interim Storage and Treatment Facility
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Waste Disposal Facilities for
Category 2 Waste Disposal Activities
159
Notification on Technical Details for Category 2 Waste Disposal Facilities
160
The NRA Ordinance on Off-Site Transportation of Nuclear Fuel Materials, etc.
122
161
The Notification on Technical Details for Off-Site Transportation of Nuclear Fuel Materials, etc.
162
Establishment of the target level for management of radioactive materials in tap water
163
Public Announcement on the Items of Goods Subject to Import Quotas, the Places of Origin or Places
of Shipment of Goods Requiring Approval for Import, and Other Necessary Matters concerning Import
of Goods
164
Specifications and Standards for Foods, Food Additives, etc.
165
Strategy to Make Japan the Safest Country in the World
166
The Japan Coast Guard Act
167
The Act for Establishment of the Cabinet Office
168
The Regulations on Labour Standards for Minors
169
The Water Pollution Control Law
170
The Air Pollution Control Act
171
The Water Supply Act
172
Basic Policy for Emergency Decontamination Work
173
For Export Approval of Radioisotopes
174
Fundamental Approach to Ensuring Nuclear Security
175
Guidelines for Radiation Measurement in Export Containers at Ports and Bays
176
Handling of Permit of Use and Documents to Prove Registration of Use, Selling or Rental Business
concerning Import of Radioisotopes
177
Notification of the Ministry of Economy, Trade, and Industry No. 334
178
Radioactive Substances Designated by the Minister of Health, Labour and Welfare
179
Strengthening of Japan's Nuclear Security Measures
180
Procedures for Issue of Verification Certificate for Export of Radioisotopes
181
The Act on the Regulation of Nuclear Source Material, Nuclear Fuel Material and Reactors
182
The Act for Establishment of the Nuclear Regulation Authority
183
Code of Criminal Procedure(Part I and Part II)
184
Electricity Business Act
185
Export Trade Control Order
186
Foreign Exchange and Foreign Trade Act
187
FY2013 Annual Report
188
Guideline for Ensuring Safety of Raw Materials and Products Containing Uranium or Thorium
123
189
Import Trade Control Order
190
Act on Securing, Etc. of Equal Opportunity and Treatment between Men and Women in Employment
191
Administrative Procedure Act
192
code-of-contact-status-list
193
Industrial Safety and Health Act
194
Labour Standards Act
195
National Public Service Act
196
National Public Service Ethics Act
197
Ordinance for Enforcement of the Civil Aeronautics Act
198
Ordinance of the Ministry Specifying Goods and Technologies Pursuant to Provisions of the Appended
Table 1 of the Export Control Order and
199
Ordinance on Prevention of Ionizing Radiation Hazards
200
Public Records and Archives Management Act (Tentative translation)
201
Regulatory Guide for Reviewing Safety Design of Light Water Nuclear Power Reactor Facilities
202
The Police Law
203
Regulatory Guide for Reviewing Classification of Importance of Safety Function of Light Water
Nuclear Power Reactor Facilities
204
Regulatory Guide for Reviewing Safety Assessment of Light Water Nuclear Power Reactor Facilities
205
Regulatory Guide for the Annual Dose Target for the Public in the Vicinity of Light Water Nuclear
Power Reactor Facilities
206
Reviewing Evaluation of Dose Target for Surrounding Area of Light Water Nuclear Reactor Facilities
207
Examination Guide for Technical Capability of License Holders of Nuclear Power
208
Basic Guides for Safety Review on Dismantling of Nuclear Reactor Installations
209
Regulatory Guide for Meteorological Observation for Safety Analysis of Nuclear Power Reactor
Facilities
210
IAEA_HP(Completes IPPAS Mission in Japan)
211
Code of Conduct on Nuclear Security Culture
212
Organization Chart
213
【和英】Outline of Regulatory Inspections, Enforcement, etc. for Power Reactor Facilities
214
160114 national policies
215
Overview of the Clearance System
216
核燃料施設等における新規制基準の適用の考え方
124
217
Safety regulation processes for “Category 1 waste disposal” and “Category 2 waste disposal”
218
#1 Legal Hierarchy
219
#2-2 Work Flow of collection and analysis of Operational Experience Information
220
#2-3 設置許可基準一相開放の追記
221
#4 新知見、規制経験の収集
222
#5-1 基準の強化
223
#5 サイクル、RR
224
#6-0 火山影響評価ガイド
225
#6-1 外部火災ガイド
226
#6-2 竜巻ガイド
227
#7-1PSR
228
#7-2PSR スライド
229
#8 他省庁連携
230
#15 実用炉規則
231
#16 アクションプラン
232
#他省庁との連携
233
Qualification, training, records
234
運転記録(実用炉規則)
235
運転責任者(実用炉規則)
236
運転責任者に係る基準等に関する規程
237
訓練(実用炉規則)
238
保安規定審査基準
239
保安教育(実用炉規則)
240
保安検査(実用炉規則)
241
九電川内 NPP 保安規定(OSP)
242
1Priority Areas in NRA budgets in FY2015&FY2016
243
2Basic Policy for the Development of NRA Officials
244
3Model Career Paths for Nuclear Regulation Authority Personnel
125
245
4 Competence Management at NRA
246
5 Knowledge Management
247
6 Members of the Reactor Safety Examination Committee and Members of the Nuclear Fuel Safety
Examination Committee
248
7 Management Rules of Reactor Safety Examination Committee
249
8 Management Rules of Nuclear Fuel Safety Examination Committee
250
9Members of the Radiation Council
251
10 Administration official regulations on Radiation Council
252
11 Emergency response members and Detailed rules about duties of emergency response members
253
12 Copy of the Nuclear Regulation Authority homepage
254
13 How NRA release the information
255
14 2015 Training Courses List
256
1_NRA Human Resource Development Center
257
2_NRA Nuclear Safety Training Facility
258
3_Examination for Chef Engineer of Reactors
259
3_PassFail Criteria of Written Exam for Chief Engineer of Reactors(Attachment1)
260
4_Examination for Chief Engineer of Nuclear Fuel
261
Correspondence relation of NRA Management Rules and relevant documents
262
Outline of NRA New Management System
263
1 原子力事業者防災業務計画(川内原子力発電所)
264
2 〈参考〉IAEA の示す深層防護
265
3 従来の規制基準と新規制基準との比較
266
4 原子力事業者防災訓練の評価指標(案)について
267
5 原子力事業者防災訓練の評価について
268
6 緊急作業従事者に関して
269
7 原災法コメンタール
270
8 実用発電用原子炉及びその付属施設における発電用原子炉施設保安規定の審査基準
271
9 事業者保安教育資料
272
10 九州電力会社川内原子力発電所原子炉施設保安規定の変更に関する審査結果
126
273
11 原子力規制委員会告示第8号
274
12 Nuclear Regulation Authority Mid-term Goal (2015-2020)
(原子力規制委員会第1期中期目標)
275
13 原子力災害対策特別措置法に係る放射線測定設備の検査実施要領(内規)の制定について
276
14 放射線測定設備に関する検査実施要領/検査成績書
277
15 事業者保安教育資料
278
16 原子力事業者が実施する訓練に係る対応について
279
17 実用発電用原子炉の安全性向上評価に関する運用ガイド
280
18 緊急作業従事者に関して
281
282
追加説明
19 「実用発電用原子炉及びその付属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則とその解
釈」の抜粋資料
Actions to Be Taken upon the Occurrence of Fire at Places of Authorized Operators of Radioisotope
Handling Activity
283
Concerning planned on-site inspection based on the Radiation Hazards Prevention Act
284
Guideline for the NRA Administrative Document Management (extracted)
285
The NRA Ordinance on Registered Certification Body etc. (extracted)
286
Explanation for EPR framework in Radiation Hazards Prevention Act
287
Explanation for Inspections in Radiation Hazards Prevention Act
288
Explanation for Miscellaneous Regulation of Radiation Hazards Prevention Act
289
Explanation for Radiation Council
127
APPENDIX VIII – IAEA REFERENCE MATERIAL USED FOR THE REVIEW
1.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Fundamental Safety Principles, No SF-1,
IAEA, Vienna (2006)
2.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Governmental, Legal and Regulatory
Framework for Safety, General Safety Requirements Part 1, No. GSR Part 1, IAEA, Vienna (2010).
3.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY – The Management System for Facilities and
Activities. Safety Requirement Series No. GS-R-3, IAEA, Vienna (2006).
4.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Preparedness and Response for Nuclear and
Radiological Emergencies, Safety Requirement Series No. GS-R-2, IAEA, Vienna (2002).
5.
6.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Radiation Protection and Safety of Radiation
Sources: International Basic Safety Standards, General Safety Requirements Part 3, No. GSR Part 3,
IAEA, Vienna (2014).
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Safety assessment for facilities and activities,
General Safety Requirements Part 4, No. GSR Part 4, IAEA, Vienna (2009)
7.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Predisposal Management of Radioactive
Waste, General Safety Requirement Part 5, No. GSR Part 5, IAEA, Vienna (2009).
8.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Decommissioning of Facilities, Safety
Requirement Series No. GSR Part 6, IAEA, Vienna (2014).
9.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Safety of Nuclear Power Plants: Design,
Specific Safety Requirements No. SSR-2/1, IAEA, Vienna (2012).
10.
11.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Safety of Nuclear Power Plants:
Commissioning and Operation, Specific Safety Requirements Series No. SSR-2/2, IAEA, Vienna
(2011).
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Site Evaluation for Nuclear Installations,
Safety Requirement Series No. NS-R-3, IAEA, Vienna (2003).
12.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Safety of Research Reactors, Safety
Requirement Series No. NS-R-4, IAEA, Vienna (2005).
13.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Safety of Nuclear Fuel Cycle Facilities,
Safety Requirement Series No. NS-R-5, IAEA, Vienna (2014)
14.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Disposal of Radioactive Waste, Specific
Safety Requirements No. SSR-5, IAEA, Vienna (2011)
15.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY – Regulations for the Safe Transport of
Radioactive Material, Specific Safety Requirements No. SSR-6, IAEA, Vienna (2012)
16.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Organization and Staffing of the Regulatory
Body for Nuclear Facilities, Safety Guide Series No. GS-G-1.1, IAEA, Vienna (2002).
17.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Review and Assessment of Nuclear Facilities
by the Regulatory Body, Safety Guide Series No. GS-G-1.2, IAEA, Vienna (2002).
128
18.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Regulatory Inspection of Nuclear Facilities
and Enforcement by the Regulatory Body, Safety Guide Series No. GS-G-1.3, IAEA, Vienna (2002).
19.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Documentation Used in Regulating Nuclear
Facilities, Safety Guide Series No. GS-G-1.4, IAEA, Vienna (2002).
20.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Arrangements for Preparedness for a Nuclear
or Radiological Emergency, Safety Guide Series No. GS-G-2.1, IAEA, Vienna (2007)
21.
22.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Criteria for use in Preparedness and Response
for a Nuclear or Radiological Emergency, General Safety Guide Series No. GSG-2, IAEA, Vienna
2011)
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Commissioning for Nuclear Power Plants,
Safety Guide Series No. SSG-28, IAEA, Vienna (2014)
23.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Periodic Safety Review of Nuclear Power
Plants, Safety Guide Series No. SSG-25, IAEA, Vienna (2013)
24.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - A System for the Feedback of Experience
from Events in Nuclear Installations, Safety Guide Series No. NS-G-2.11, IAEA, Vienna (2006)
25.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Occupational Radiation Protection, Safety
Guide Series No. RS-G-1.1, IAEA, Vienna (1999)
26.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Assessment of Occupational Exposure Due to
Intakes of Radionuclides, Safety Guide Series No. RS-G-1.2, IAEA, Vienna (1999)
27.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Assessment of Occupational Exposure Due to
External Sources of Radiation, Safety Guide Series No. RS-G-1.3, IAEA, Vienna (1999)
28.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Radiological Protection for Medical Exposure
to Ionizing Radiation, Safety Guide Series No. RS-G-1.5, IAEA, Vienna (2002)
29.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Environmental and Source Monitoring for
Purposes of Radiation Protection, Safety Guide Series No. RS-G-1.8, IAEA, Vienna (2005)
30.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Safety of Radiation Generators and Sealed
Radioactive Sources, Safety Guide Series No. RS-G-1.10, IAEA, Vienna (2006)
31.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Deterministic Safety Analysis for Nuclear
Power Plants, Specific Safety Guides Series No. SSG-2, IAEA, Vienna (2010)
32.
33.
34.
35.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Development and Application of Level 1
Probabilistic Safety Assessment for Nuclear Power Plants, Specific Safety Guide Series No. SSG-3,
IAEA, Vienna (2010)
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Development and Application of Level 2
Probabilistic Safety Assessment for Nuclear Power Plants, Specific Safety Guide Series No. SSG-4,
IAEA, Vienna (2010)
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Safety of Conversion Facilities and Uranium
Enrichment Facilities, Specific Safety Guide Series No. SSG-5, IAEA, Vienna (2010)
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Safety of Uranium Fuel Fabrication Facilities
Specific Safety Guide Series No. SSG-6, IAEA, Vienna (2010)
129
36.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Safety of Uranium and Plutonium Mixed
Oxide Fuel Fabrication Facilities, Specific Safety Guide Series No. SSG-7, IAEA, Vienna (2010)
37.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Licensing Process for Nuclear Installations,
Specific Safety Guide Series No. SSG-12, IAEA, Vienna (2010)
38.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Geological Disposal Facilities for Radioactive
Waste Specific Safety Guide Series No. SSG-14, IAEA, Vienna (2011)
39.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Storage of Spent Nuclear Fuel Specific Safety
Guide Series No. SSG-15, IAEA, Vienna (2012)
40.
41.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Advisory Material for the IAEA Regulations
for the Safe Transport of Radioactive Material, Specific Safety Guide No SSG-26, IAEA, Vienna,
(2014)
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Planning and Preparing for Emergency
Response to Transport Accidents Involving Radioactive Material, Safety Guide No TS-G-1.2 (2002)
42.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Radiation Protection Programmes for the
Transport of Radioactive Material, Safety Guide No TS-G-1.3, IAEA, Vienna, (2007)
43.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - The Management System for the Safe
Transport of Radioactive Material Safety Guide No TS-G-1.4, IAEA, Vienna, (2008)
44.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Compliance Assurance for the Safe Transport
of Radioactive Material, Safety Guide No TS-G-1.5, IAEA, Vienna, (2009)
45.
46.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Schedules of Provisions of the IAEA
Regulations for the Safe Transport of Radioactive Material (2009 Edition), Safety Guide No TS-G-1.6
(Rev.1), IAEA, Vienna, (2014)
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Classification of Radioactive Waste, General
Safety Guide No. GSG-1, IAEA, Vienna (2009)
47.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Regulatory Control of Radiation Sources,
General Safety Guide No. GS-G-1.5, IAEA, Vienna (2004)
48.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Decommissioning of Nuclear Power Plants
and Research Reactors, Safety Guide Series No.WS-G-2.1, IAEA, Vienna (1999)
49.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Decommissioning of Medical, Industrial and
Research Facilities (1999) Safety Guide Series No.WS-G-2.2, IAEA, Vienna (1999)
50.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Regulatory Control of Radioactive Discharges
to the Environment, Safety Guide Series No.WS-G-2.3, IAEA, Vienna (2000)
51.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Decommissioning of Nuclear Fuel Cycle
Facilities, Safety Guide Series No.WS-G-2.4, IAEA, Vienna (2001)
52.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Predisposal Management of Low and
Intermediate Level Radioactive Waste, Safety Guide Series No.WS-G-2.5, IAEA, Vienna (2003)
53.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Predisposal Management of High Level
Radioactive Waste, Safety Guide Series No.WS-G-2.6, IAEA, Vienna (2003)
130
54.
55.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Management of Waste from the Use of
Radioactive Materials in Medicine, Industry, Agriculture, Research and Education, Safety Guide Series
No.WS-G-2.7, IAEA, Vienna (2005)
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - The Management System for the Disposal of
Radioactive Waste, Safety Guide Series No GS-G-3.4, IAEA, Vienna (2008)
56.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Safety Assessment for the Decommissioning
of Facilities Using Radioactive Material, Safety Guide Series No.WS-G-5.2, IAEA, Vienna (2009)
57.
INTERNATIONAL ATOMIC ENERGY AGENCY - Storage of Radioactive Waste, Safety Guide
Series No. WS-G-6.1, IAEA, Vienna (2006)
131
別添2
IAEA-NS-IRRS-2016
原本:英文
(仮訳)
日本への総合規制
評価サービス(IRRS)
ミッション
日本、東京
2016 年 1 月 10 日~22 日
原子力安全・セキュリティ局
1
日本への総合規制
評価サービス(IRRS)ミッション報告書
2
日本への総合規制評価サービス(IRRS)ミッション
報告書
ミッション実施日程:
訪問先規制機関:
住所:
ミッションの対象となる被規
制施設及び活動:
主催者:
2016 年 1 月 10 日~22 日
原子力規制委員会(NRA)
〒106-8450 東京都港区六本木 1-9-9、日本
原子力発電所、試験研究炉、放射性廃棄物施設、廃止措置、核燃料サ
イクル、放射線源、緊急事態への準備及び対応、職業被ばく防護、放
射性物質放出管理、クリアランス、公衆被ばく防護のための環境モニ
タリング
国際原子力機関(IAEA)
IRRS チーム
JAMET Philippe
チームリーダー(仏国)
LARSSON Carl-Magnus
副チームリーダー(オーストラリア)
AALTONEN Hannele
レビュア(フィンランド)
FERAPONTOV Alexey
レビュア(ロシア連邦)
FERON Fabien
レビュア(仏国)
FOY Mark
レビュア(英国)
HUBBARD Lynn
レビュア(スウェーデン)
HUNT John
レビュア(ブラジル)
KRS Petr
レビュア(チェコ共和国)
LEE Suk-Ho
レビュア(韓国)
MUNUERA Antonio
レビュア(スペイン)
PATHER Thiagan
レビュア(南アフリカ)
REGIMBALD Andre
レビュア(カナダ)
RYAN Thomas
レビュア(アイルランド)
SCHWARZ Georg
レビュア(スイス)
STRITAR Andrej
レビュア(スロベニア)
TIIPPANA Petteri
レビュア(フィンランド)
WALDMAN Ricardo
レビュア(アルゼンチン)
WERT Leonard
レビュア(米国)
CARUSO Gustavo
チームコーディネータ-(IAEA)
SHADAD Ibrahim
副チームコーディネータ-(IAEA)
BUGLOVA Elena
レビューエリアファシリテータ(IAEA)
NICIC Adriana
レビューエリアファシリテータ(IAEA)
REBIKOVA Olga
事務補佐(IAEA)
IAEA-2016
3
勧告、提言、良好事例の数は、原子力及び放射線安全に対する国の規制基盤の状態を測る基準となる
ものではない。異なる国に対する IRRS 報告書間で、これらの数との比較は行うべきでない。
4
目次
概要
............................................................................................................................................................................................................. 8
I
序文 .................................................................................................................................................................................................. 10
II
目的と対象範囲 .......................................................................................................................................................................... 11
III
今回のレビューの基礎情報 ................................................................................................................................................. 12
1.
政府の責任と機能 .......................................................................................................................................14
1.1.
原子力安全に関する国の政策と戦略 ...............................................................................................14
1.2.
原子力安全に関する枠組みの構築 ...................................................................................................15
1.3.
規制機関とその独立性の確保 ...........................................................................................................17
1.4.
安全に対する責任と規制の遵守 .......................................................................................................17
1.5.
規制の枠組みの中で安全に責任を有する複数の規制当局間の強調 ...........................................18
1.6.
現存被ばくリスク又は規制されていない放射線のリスクを低減させる防護措置の体系........20
1.7.
施設の廃止措置と放射性廃棄物・使用済燃料の管理に関する対策 ...........................................20
1.8.
安全に対する能力 ...............................................................................................................................21
1.9.
技術サービスに係る対策 ...................................................................................................................23
1.10. 要約 .......................................................................................................................................................24
2.
3.
4.
5.
国際的な原子力安全のための枠組み .......................................................................................................25
2.1.
国際的責務と国際協力のための取決め ...........................................................................................25
2.2.
運転経験と規制経験の共有 ...............................................................................................................26
2.3.
要約 .......................................................................................................................................................27
規制機関の責任と機能 ...............................................................................................................................28
3.1.
規制機関の組織構成と資源配分 .......................................................................................................29
3.2.
規制の実施における実効的独立性 ...................................................................................................30
3.3.
規制機関の職員と能力 .......................................................................................................................30
3.4.
助言機関及び支援機関との連絡 .......................................................................................................32
3.5.
規制機関と許認可取得者との連絡 ...................................................................................................33
3.6.
規制管理の安定性と一貫性 ...............................................................................................................34
3.7.
安全に関する記録 ...............................................................................................................................35
3.8.
利害関係者とのコミュニケーションと協議 ...................................................................................35
3.9.
要約 .......................................................................................................................................................35
規制機関のマネジメントシステム ...........................................................................................................37
4.1.
マネジメントシステムの実施と文書化 ...........................................................................................37
4.2.
マネジメントの責任 ...........................................................................................................................39
4.3.
資源のマネジメント ...........................................................................................................................40
4.4.
プロセスの実施 ...................................................................................................................................41
4.5.
測定、評価及び改善 ...........................................................................................................................42
4.6.
要約 .......................................................................................................................................................42
許認可 ...........................................................................................................................................................44
5.1.
一般的事項 ...........................................................................................................................................44
5.2.
発電用原子炉施設の許認可 ...............................................................................................................45
5.3.
試験研究炉施設の許認可 ...................................................................................................................48
5.4.
核燃料サイクル施設の許認可 ...........................................................................................................49
5.5.
放射性廃棄物管理及び埋設施設の許認可 .......................................................................................50
5
6.
5.6.
放射線源を使用する施設及び活動の許認可 ...................................................................................50
5.7.
廃止措置に係る許認可 .......................................................................................................................52
5.8.
要約 .......................................................................................................................................................53
審査と評価 ...................................................................................................................................................55
6.1.
7.
6.1.1.
審査と評価の管理 .................................................................................................................................. 55
6.1.2.
審査と評価に関する組織と技術的資源 ............................................................................................... 55
6.1.3.
審査と評価のための基礎....................................................................................................................... 58
6.1.4.
審査と評価の実施 .................................................................................................................................. 60
6.2.
発電用原子炉施設の審査と評価 .......................................................................................................60
6.3.
試験研究炉施設の審査と評価 ...........................................................................................................62
6.4.
核燃料サイクル施設の審査と評価 ...................................................................................................63
6.5.
放射性廃棄物管理及び埋設施設の審査と評価 ...............................................................................64
6.6.
放射線源を使用する施設及び活動の審査と評価 ...........................................................................65
6.7.
廃止措置の審査と評価 .......................................................................................................................65
6.8.
要約 .......................................................................................................................................................66
検査 ...............................................................................................................................................................67
7.1.
7.1.1.
8.
9.
10.
一般的事項 ...........................................................................................................................................55
一般的事項 ...........................................................................................................................................67
検査計画 .................................................................................................................................................. 67
7.2.
検査官 ...................................................................................................................................................69
7.3.
試験研究炉施設の検査 .......................................................................................................................72
7.4.
核燃料サイクル施設の検査 ...............................................................................................................73
7.5.
放射性廃棄物管理及び埋設施設の検査 ...........................................................................................73
7.6.
放射線源を使用する施設及び活動の検査 .......................................................................................74
7.7.
廃止措置の検査 ...................................................................................................................................75
7.8.
要約 .......................................................................................................................................................75
執行 ...............................................................................................................................................................77
8.1.
執行の方針とプロセス .......................................................................................................................77
8.2.
執行の実施 ...........................................................................................................................................77
8.3.
要約 .......................................................................................................................................................78
規則とガイド ...............................................................................................................................................80
9.1.
一般的事項 ...........................................................................................................................................80
9.2.
発電用原子炉施設に関する規則とガイド .......................................................................................81
9.3.
試験研究炉施設に関する規則とガイド ...........................................................................................83
9.4.
核燃料サイクル施設に関する規則とガイド ...................................................................................83
9.5.
廃棄物管理及び埋設施設に関する規則とガイド ...........................................................................83
9.6.
放射線源を使用する施設及び活動に関する規則とガイド ...........................................................84
9.7.
廃止措置に関する規則とガイド .......................................................................................................84
9.8.
要約 .......................................................................................................................................................84
緊急事態に対する準備と対応-規制的側面 ...........................................................................................86
10.1
緊急事態に対する準備と対応に関する主な規制要求 ...................................................................86
10.2
機能に関する規制要求 .......................................................................................................................87
10.3
緊急時対応体制に関する規制要求 ...................................................................................................92
10.4
緊急対応時の規制機関の役割 ...........................................................................................................94
6
10.5
11.
要約 .......................................................................................................................................................94
追加的事項 ...................................................................................................................................................96
11.1. 職業被ばく ...........................................................................................................................................96
11.2. 放出管理、クリアランス、現存被ばく状況、公衆被ばくに関する環境モニタリング............98
11.3. 要約 .....................................................................................................................................................100
12.
安全とセキュリティのインターフェース .............................................................................................101
12.1. 法的根拠 .............................................................................................................................................101
12.2. 規制監督活動 .....................................................................................................................................101
12.3. 関係機関間のインターフェース .....................................................................................................102
12.4. 要約 .....................................................................................................................................................102
別表 I – 参加者一覧..............................................................................................................................................103
別表 II – ミッションプログラム ........................................................................................................................105
別表 III – 現場査察 ..............................................................................................................................................107
別表 IV – 政策討議 ...............................................................................................................................................108
別表 V– 相手方一覧 .............................................................................................................................................109
別表 VI – 勧告(R)、提言(S)、良好事例(GP) ....................................................................................111
別表 VII – 審査に使用した相手方の参考資料 .................................................................................................116
別表 VIII – 審査に使用した IAEA の参考資料 ................................................................................................128
7
概要
国際原子力機関(IAEA)は日本政府からの要請を受けて、諸外国の原子力及び放射線安全に関する専
門家からなる国際チームが、日本の原子力規制委員会の代表団と 2016 年 1 月 11 日から 22 日の期間に
会合を持ち、総合規制評価サービス(IRRS)ミッションを実施した。このミッションは原子力規制委
員会本部において実施された。今回の IRRS ミッションの目的は、原子力及び放射線安全に関する日本
国内の規制の枠組みに対するピア・レビューを実施することである。
今回の IRRS ミッションについてレビューチームと原子力規制委員会が事前合意した対象範囲には、原
子力規制委員会の規制対象となるすべての施設と活動が含まれる(一部にはその他の関連規制機関と
協力して規制しているものも含む)。ただし、オフサイトの緊急事態に対する準備、医療被ばく、輸
送に関する施設及び活動並びに東京電力福島第一原子力発電所で現在行われている活動は今回の IRRS
ミッションの対象範囲外とした。ここ数年、日本では IAEA ミッションが数回実施されたが、それらは
すべて東京電力福島第一原子力発電所の事故に関するものであったと認識しているが、原子力規制委
員会の検査に対する取組のレビューの一環として、IRRS チームは東京電力福島第一原子力発電所での
規制検査活動を視察した。
IRRS チームは日本の規制の枠組みを IAEA 安全基準と照らしてレビューを行った。さらに今回のミッ
ションでは、IRRS チームメンバーと日本の対応者間での情報や経験の交換を行う機会も設けた。
IRRS チームは、17 の IAEA 加盟国の規制に関する上級専門家 19 人と 5 人の IAEA 事務局職員で構成さ
れた。IRRS チームは以下の分野についてのレビューを行った:政府の責任と機能、国際的な原子力安
全のための枠組み、規制機関の責任と機能、規制機関のマネジメントシステム、許認可審査と評価、
検査及び執行のプロセスを含む規制機関の活動、規則とガイドの策定とその内容、緊急事態に対する
準備と対応、安全とセキュリティのインターフェース、職業被ばく、放射性物質放出管理、公衆被ば
くに関する環境モニタリング、核燃料サイクル、廃棄物管理、廃止措置。
今回のミッションには規制活動の視察、原子力規制委員会の委員、原子力規制庁の幹部及び職員、以
下の規制機関と政府機関の代表者との面談と議論が含まれ、被規制機関の代表者との会合も行った:
内閣官房、内閣府原子力防災担当、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省、国立研究開発法
人日本原子力研究開発機構、国立研究開発法人放射線医学総合研究所、東京電力株式会社、関西電力
株式会社、原子力安全推進協会。IRRS チームは以下を訪問した。関西電力株式会社高浜原子力発電所
と高浜町、東京電力株式会社福島第一原子力発電所、日本原燃株式会社六ヶ所再処理工場、国立研究
開発法人日本原子力研究開発機構東海 JRR-3 試験研究炉、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
東海放射線源利用施設。
IRRS ミッションには、(1) バックフィット制度の実施に関するフィードバック、(2) 人材育成プログラ
ムの 2 つの政策議論を含む。
IRRS ミッションに備えて、日本は自己評価を実施し、そこで特定された課題に取り組むための改善措
置計画を策定した。自己評価の結果とその補足文書は、IRRS ミッションの事前提出資料として IRRS
チームに提出された。IRRS チームは今回のミッションにおいて原子力規制委員会の幹部と職員から多
大な支援と協力を受けた。
IRRS チームは、原子力及び放射線安全についての法的枠組み、政府及び規制機関の枠組みに関する近
年行われた改正について、以下の全体的所見を示した。これらは良好事例と考えられる。
8
日本政府は、実効的な独立性及び透明性を有し、権限が強化された新規制機関として原子力
規制委員会を設立し、かつ同機関を支援する枠組みを導入した。
原子力規制委員会は、自然災害対応、重大事故対策、緊急事態に対する準備、及び既存施設
へのバックフィットの分野において東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を日本の法的
枠組みに迅速かつ実効的に反映させた。
強化された規制の枠組みは、例えば原子炉の再稼働に向けた設備の申請をレビューする際に、厳密か
つ透明性の高い形で適用されている。原子力規制委員会が実施してきた取組は、原子力及び放射線安
全への規制監視に対する一般公衆からの信頼回復に貢献している。
IRRS チームは、日本政府と原子力規制委員会が原子力及び放射線安全を強化する新しい規制の枠組み
を実施するための取組を継続すべきであると強調する。このことは、例えば複数の原子炉等施設の再
稼働を考慮して、運転段階の安全が重要である。その場合においては、原子力施設が相当長期間にお
いて停止していた事実に留意すべきである。
IRRS チームは、日本政府及び/又は原子力規制委員会に対し、日本の枠組みが IAEA 安全基準に継続
的に整合するような改善をする必要がある又は望ましいという勧告及び提言を行った。この勧告及び
提言には以下が含まれる。
有能で経験豊富な職員を惹きつけ、かつ教育、訓練、研究、及び国際協力の強化を通じて、
原子力及び放射線安全に関する能力を構築させること
原子力規制委員会が検査の実効性を向上させることが可能となるように、関連法令を改正す
ること
高いレベルの安全を達成するため、問いかける姿勢を養うなど、安全文化の向上を継続し強
化すること。これは原子力規制委員会及び被規制者に対しても等しく適用される。
原子力及び放射線安全において、他の規制機関と協調しかつ実効性のある規制監督活動を実
施するため、他の規制機関と規制情報の交換を行うための実効的な協力プロセスを策定し実
施すること
原子力規制委員会が所管業務を実施するために必要となるすべての規制及び支援プロセスに
ついて、統合マネジメントシステムを作成、文書化し、完遂すること
放射線防護対策の実施の監督により重点を置くこと
放射線源の緊急事態に対する準備と対応について要件とガイダンスを策定すること
施設のすべての段階にわたって廃止措置を考慮することの要求化、サイトの解放と許認可取
得者の責務の終了に関する基準を設定すること
IRRS チームは、これらの課題の中には原子力規制委員会が自己評価で特定したものもあり、関連する
対応の多くは既に原子力規制委員会の改善措置計画に含まれていることを確認した。
IRRS チームの指摘事項の概要を別表 VI に示す。
IAEA からのプレスリリースが今回の IRRS ミッションの終了時に発表された。
9
I
序文
日本政府からの要請を受けて、諸外国の原子力安全に関する上級専門家からなる国際チームが、2016
年 1 月 11 日から 22 日の期間に日本の原子力規制委員会を訪問し、IRRS ミッションを実施した。今回
のピア・レビューの目的は、原子力及び放射線安全に関する日本国内の規制の枠組みに対するレ
ビューを実施することにある。今回のレビュー実施ミッションは、2013 年 12 月に日本政府から公式要
請されたものである。今回の IRRS ミッションの準備ミッションが、2015 年 7 月 6 日、7 日に東京の原
子力規制委員会本部で実施され、日本国内の規制されている施設及び活動に関係するレビューの目的、
目標、及び準備の詳細について話し合い、さらに今回の IRRS ミッションの対象範囲を協議した。今回
の IRRS ミッションの対象に特定の施設や活動を含まないこととしたが、日本はこの点についての説明
を行った。
IRRS チームは 17 の IAEA 加盟国の規制に関する上級専門家 19 人、4 人の IAEA 職員、1 人の IAEA 事
務職員で構成された。IRRS チームは以下の分野についてのレビューを実施した:政府の責任と機能、
国際的な原子力安全のための枠組み、規制機関の責任と機能、規制機関のマネジメントシステム、許
認可審査と評価、検査と執行のプロセスを含む規制機関の活動、規則とガイドの策定とその内容、緊
急事態に対する準備と対応、安全とセキュリティとのインターフェース、職業被ばく、放射性物質放
出管理、公衆被ばくに関する環境モニタリング、核燃料サイクル、廃棄物管理、廃止措置。さらに政
策課題としてバックフィット制度実施に関するフィードバックや人材育成プログラムについての議論
も行われた。
原子力規制委員会は今回のミッションの準備として自己評価を実施し、改善措置計画を策定した。原
子力規制委員会の自己評価の結果とその補足文書は、IRRS ミッションへの事前提出資料として IRRS
チームに提出された。今回のミッションの期間に、IRRS チームは、日本の事前提出資料のレビューを
通して、合意した対象範囲内のすべての項目の体系的レビューを実施し、原子力規制委員会の委員、
原子力規制庁の幹部及び職員との面談と議論を実施し、規制対象となっている施設での原子力規制委
員会の規制活動の視察を行った。内閣官房、内閣府原子力防災担当、文部科学省、厚生労働省、経済
産業省、環境省、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構、国立研究開発法人放射線医学総合研究
所、東京電力株式会社、関西電力株式会社、原子力安全推進協会などとの会合も開催した。さらに、
IRRS チームのメンバーの一部は、数カ所の原子力関連施設を訪問して、それぞれのサイトの幹部、職
員、及び原子力規制委員会の原子力規制事務所駐在の検査官などとの面談を行った(別表 III を参照)。
今回のミッション全体を通して、IRRS チームは原子力規制委員会の幹部と職員から多大な支援と協力
を受けた。
10
II
目的と対象範囲
IRRS ミッションの目的は、日本の放射線及び原子力安全に関する規制の枠組み及び活動を該当する
IAEA 安全基準に照らしてレビューし、規制の実効性に関する報告を行うこと、IRRS の対象分野に関
して、情報及び経験の交換を行うことである。今回合意した IRRS レビューの対象範囲には、日本国内
のすべての規制対象となっている施設と活動が含まれるが、医療及び輸送関連の施設と活動は除外し
た。原子力規制委員会と IRRS のレビュアとの間で得られた知見や共有した経験、さらに日本での良好
事例も含めた日本の原子力安全に関する規制の枠組みの評価を活用し、IRRS ミッションが、日本と他
の加盟国での規制改善の促進となることを期待している。
今回のミッションの主な目的は、以下の項目を通じて、原子力と放射線に係る安全のための国、法制
上、政府及び規制の枠組みと緊急事態に対する準備と対応における国としての取決めを強化すること
にある。
a)
自己評価及びレビューを総合的に実施することにより、国内規制機関の継続的改善を促す
機会を提供すること
b)
IRRS 招聘国(規制機関と政府機関)に、規制についての技術上及び政策上の課題に対する
レビューを提供すること
c)
IRRS 招聘国(規制機関と政府機関)に、その国の規制基盤について IAEA 安全基準との比
較による客観的評価を提供すること
d)
加盟国の上級規制者間での経験の共有と教訓の情報交換を促進すること
e)
IRRS 招聘国の主要職員に対して、同一分野での他国の規制経験を有する IRRS チームのメ
ンバーと規制実務について議論する機会を提供すること
f)
IRRS 招聘国に対して、改善のための勧告と提言を提供すること
g)
他の加盟国に対して、今回のレビューを通して特定された良好事例に関する情報を提供す
ること。
h)
加盟国のレビュアと IAEA 職員に対して、規制監督についての異なるアプローチを知り、
自身の専門分野における知見を拡大する機会を提供すること(相互学習プロセス)
i)
加盟国間での規制アプローチの整合化に貢献すること
j)
IAEA 安全要件の適用を促進すること
k)
IAEA 安全基準の活用と適用に関するフィードバックを提供すること
11
III
A)
今回のレビューの基礎情報
事前準備作業と IAEA レビューチーム
日本政府の要請に応じて、IRRS に向けての準備会合が、2015 年 7 月 6 日及び 7 日に実施された。準備
会合は、チームリーダーとして指名された Philippe Jamet 氏、副チームリーダーの Carl-Magnus Larsson
氏、IRRS チームでの IAEA の代表者として、Gustavo Caruso 氏、Ahmad Al Khatibeh 氏が出席して実施
された。
IRRS ミッションの準備チームは、田中俊一原子力規制委員会委員長他の職員と規制プログラム及び政
策課題に関する議論を行った。同会合では、今回の IRRS ミッションでは、下記の施設及び活動に関す
る規制の枠組みについて適用される IAEA 安全要件との整合性や対応する安全指針との適合性に関して
レビューすることに合意した。
原子力発電所
試験研究炉
核燃料サイクル施設
廃棄物管理施設
放射線源を使用する施設及び活動
廃止措置
職業被ばく
公衆被ばく及び環境被ばくの管理
廃棄物管理(政策及び戦略、処分前及び処分)
選定された政策課題
原子力規制委員会は日本国内の状況、原子力規制委員会の現状、最新の自己評価結果に関するプレゼ
ンテーションを行った。
IAEA 職員は、IRRS の原則、プロセス及び手法を説明した。2016 年 1 月に日本で実施される IRRS につ
いての暫定的作業計画についての議論を行った。
IRRS チームの構成案について議論が行われ、暫定的に合意された。会議や作業場所、対応者、リエゾ
ンオフィサーの特定、現地訪問するサイトの案、宿泊先や移動手段の手配などを含めたロジスティク
ス面についても検討された。
IRRS ミッションに対する原子力規制委員会のリエゾンオフィサーは青木昌浩氏に決まった。
原子力規制委員会は IAEA に対して、2015 年 11 月 11 日に今回のレビューのための事前提出資料
(ARM)を提供した。今回のミッションに備えて、IAEA チームのメンバーは、日本の事前提出資料を
レビューし、IRRS ミッションの開始に先立って、IAEA のチームコーディネータに、レビューについ
ての各自の最初の印象を伝えた。
B)
今回のレビューに対する資料
該当する IAEA 安全基準及び放射線源の安全とセキュリティに関する行動規範が、レビューのクライテ
リアとして使用された。今回のミッションに対する参考資料として使用された IAEA 出版物の一覧を別
表 VII に示す。
12
C)
レビューの実施
IRRS チームの初回会合は、IRRS チームリーダーと IAEA チームコーディネータの指示により、2016 年
1 月 10 日に原子力規制委員会庁舎内で実施した。そこでは、ミッションの全体概況、ミッションの対
象範囲と特定の課題を議論し、今回のレビューの基礎、今回の IRRS プログラムの内容と目標を明確に
した。レビュー手法の理解を深めた。今回のミッションの予定表が IRRS チームに提示された。IRRS
のガイドラインで定められているとおり、レビュアは事前提出資料に対する各自の第一印象を示し、
今回のミッションで取り扱うべき重要性の高い課題を提起した。
IRRS ガイドラインに従って、開催国のリエゾンオフィサーが IRRS チームの初回会合に出席し、今回
のミッションで計画されているロジスティクス面の手配状況を示した。
IRRS の開始会合は、原子力規制委員会の委員、幹部及び職員の代表者が参加して、2016 年 1 月 11 日
月曜日に開催された。開会挨拶は、田中俊一原子力規制委員会委員長、IRRS チームリーダーの Jamet
氏、チームコーディネータの Caruso 氏が行った。青木氏は、日本の状況及び原子力規制委員会の活動
と、今回のミッションの前に実施された自己評価の結果として作成された改善措置計画の概要を説明
した。
IRRS ミッションの期間に、事前に合意された対象範囲であるすべてのレビュー分野に対して、日本と
原子力規制委員会に改善のための勧告と提言を提供し、かつ該当する場合には良好事例を特定すると
いう目的でレビューを実施した。このレビューは、法、政府及び規制の安全に対する枠組みについて、
会合、面談、議論、施設の訪問といった直接的な確認を通して実施された。
IRRS チームは別表 II に示されたミッションプログラムに従ってレビューを実施した。
IRRS の最終会合は 2016 年 1 月 22 日金曜日に開催された。最終会合の開会挨拶は田中委員長が行い、
その後 IRRS チームリーダーの Jamet 氏がミッションの結果についてのプレゼンテーションを行った。
閉会の挨拶は、IAEA 事務局次長で原子力安全・セキュリティ局長である Juan Carlos Lentijo 氏が行った。
IAEA と原子力規制委員会の合同記者会見が、IRRS ミッションの終了時に行われた。
IAEA のプレスリリースが発表された。
13
1.
1.1.
政府の責任と機能
原子力安全に関する国の政策と戦略
日本には、原子力の平和利用と電離放射線に対する防護に関して、総合的な法的及び規制上の枠組み
がある。最も重要な安全原則は原子力基本法に謳われている。原子力基本法の第 2 条第 2 項では、
「原子力利用の安全確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産
の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として行うものとする。」と定めら
れている。
加えて、原子力規制委員会設置法(以下、「設置法」という。)、核原料物質、核燃料物質及び原子
炉の規制に関する法律(以下、「炉規法」という。)、放射線同位元素等による放射線障害の防止に
関する法律(以下、「RI法」という。)及び関連法により、放射性物質の使用に関わるすべての段
階(ゆりかごから墓場まで)と原子力の利用に関わるすべての段階(原子力施設の建設から廃止措置
まで)での安全の促進を目的とした規制政策と実施方法が提供されている。
日本政府は、国の戦略的エネルギー計画を策定しており、これは経済産業省の資源エネルギー庁が策
定している。この経済産業省の「長期エネルギー需給見通し」は 2030 年までの期間を視野に入れ、
2030 年までの全発電量に対する電源構成を示しており、2030 年の全発電量に対する原子力の構成比の
目標値は 20%から 22%である。日本政府は、原子力とその利用は安全を優先し、緊急事態に対する準
備の確保に継続的に重点を置いて開発されなければならないと述べている。つまり、日本の原子力産
業は長期に及ぶ性質のものであるということを示唆している。
この戦略的エネルギー計画は、日本の将来の原子力計画に対する国家としての方向性を示している一
方で、前述の法令に謳われている全般的な政策及び戦略を除き、原子力安全に対する包括的な政府の
政策はない。しかし、日本政府は注目すべき特定の課題に対する政策と戦略を定めている。ここ数年
に出されたものには、以下のものがある。
原子力安全規制に関する組織等の改革の基本方針
原子力規制委員会の業務運営の透明性の確保のための方針
「世界一安全な日本」創造戦略。国民の安全を確保するため、政府はテロ活動と戦うための
対策の実施を継続するとしている。
除染に関する緊急実施基本方針
方針と戦略の実施は、二段階の計画プロセスに従って行われる。原子力規制委員会は、原子力安全規
制の基本的な方向性を定めるため、5 年ごとに中期目標を定める。2015 年に、原子力規制委員会は、
以下の事項に焦点を当てる第 1 期中期目標を定めた。
日本の原子力規制に対する信頼回復を図ること
原子力施設に対して、厳格かつ適切な規制を確保すること
東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置に対して、常に注意を怠らないこと
原子力安全に関する技術基盤の拡充と人材の育成を図ること
核セキュリティを強化し、保障措置を確実に実施すること
原子力緊急事態に対する準備と放射線モニタリングを強化すること
原子力規制委員会の中期目標の達成が、年度計画の目的となっている。原子力規制委員会の成果と活
動は、毎年、国会に報告される。
14
IRRS チームは、日本政府が定めた戦略が、法的枠組みをさらに発展させるために必要となる優先順位
を提示し、それによって等級別扱いが実施されていることを理解した。
1.2.
原子力安全に関する枠組みの構築
原子力と放射線の安全に関する日本の立法及び規制の枠組みは、5 階層のシステムに基づいている。
基本法:原子力の安全な利用と規制監視及び災害対策について基本的な法的枠組みと方針を
最高レベルで定める。基本法は国会の承認を要する。
法律:基本法により定められた枠組みを実行に移し、原子力の開発と利用のための、及び原
子力施設の安全規制、許認可及び検査の根拠となる主要な法規定を定める。法律は国会の承
認を要する。
政令:法律により委ねられた事項。政令は内閣により公布され、国会の承認を要しない。
省令:法律により委ねられた細目を定める。原子力規制委員会は設置法第 26 条に従って省令
を制定できる。これらの省令のいくつかは原子力規制委員会基準とも呼ばれる。
原子力規制委員会規制ガイド:省令の細目若しくは解釈、許容される方法や条件など。
原子力安全の分野では以下の 2 つの基本法が重要である。
原子力基本法は最も重要な法律である。これは原子力の利用と安全の基本原則、及びそれに
基づく個別の法律の範囲を定めている。
災害対策基本法は、あらゆる種類の災害を対象に、緊急事態に対する準備と対応の枠組みを
定めている。
原子力分野における最も重要な個別法は以下である。
原子力規制委員会設置法(設置法)は原子力規制委員会を原子力規制機関として定め、その
権限と責任の詳細を示している。
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(炉規法)は、放射能の有害な影響
から人々と環境を防護するため、あらゆる原子力の施設と活動について規制を定め、核物質
管理の規制と原子力の平和利用の確保を目的とした規制のための規定を設けている。
放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(RI法)は、放射性同位元素の使
用、販売、賃貸、廃棄、その他の取扱いについて、また、放射線発生装置の使用及び放射性
同位元素又は放射線発生装置から発生した放射線によって汚染された物(以下「放射性汚染
物」という。
)の廃棄その他の取扱いについて規制している。
原子力災害対策特別措置法(原災法)は、原子力事業者の責任、原子力緊急事態を宣言する
手順、原子力災害対策本部の設置、及び緊急事態対応若しくは原子力緊急事態への取組みに
関する他の措置の実施を定めている。
廃棄物の管理と処分に関する法律(1.7 項を参照)
。
炉規法は、実用発電用原子炉、研究開発段階の発電用原子炉、試験研究炉、東京電力株式会社(以下、
「東京電力」という。)福島第一原子力発電所サイトの原子力施設、及び核燃料サイクル施設と放射
性廃棄物管理施設に関する一連の原子力規制委員会規則により具体化されている。
東京電力福島第一原子力発電所事故での教訓を取り入れるため、原子力規制委員会は原子力安全基盤
機構(以下、「JNES」という。)、日本原子力研究開発機構(以下、「JAEA」という。)、及びその
他の学識経験者の協力を得て「検討チーム」を複数設置した。これらの検討チームは、同事故での教
15
訓、最新の技術的知見、国際原子力機関(IAEA)安全基準を含む外国の規制の動向、及び他の国際機
関に見られる良好事例をもとに新しい規制要件を策定した。
その結果、改正された規制に導入された主要な修正点は特に以下を含んでいる。
権限を強化した新しい独立の規制機関の設置
規制活動の開放性と透明性の向上
緊急時訓練への政界上層部の関与を含む、緊急事態に対する準備の分野での重要な対策の実
施
発電用原子炉に関わる全規制の炉規法への統合
既設プラントと新設プラントの両者に対する規制要件の強化、特に自然災害とシビアアクシ
デントについての対策の強化
既設の原子力施設に対し最新の規制要件への適合を求めるバックフィット規則の導入
原子力発電所の運転期間延長についての許認可システムの導入
IRRS チームは、日本の法的枠組みは原子力規制委員会の所掌する原子力と放射線の安全規制に必要な
基盤を提供していると結論付ける。法改正とその迅速な施行は原子力安全を支え推進する前向きな一
歩として IRRS チームにより認められ、称賛された。新設と既設の両方の原子力施設に同じ安全要件を
適用することを求める、新たに導入されたバックフィット規則は、そうした前向きな変化の一例であ
る。
法改正によって、許認可取得者は、施設の運転再開前に新法の要件に適合しなければならなくなって
いる。IRRS チームは、原子力規制委員会から新規制基準に適合しているという承認を得た発電所が何
カ所かあり、近い将来承認される可能性のある発電所が何カ所かあることを確認した。
長期停止の後に運転再開を計画する施設は、原子力規制委員会に追加的な新しい監視任務を課すこと
になる。設置後間もない原子力規制委員会は、運転安全の向上を目指して日本の新しい規制の枠組み
を確立する努力を継続すべきである。長期間停止していた原子力施設の運転再開における安全運転の
確保には特に注意を払うべきである。
勧告、提言、良好事例
所見:IRRSチームは、法改正とその迅速な施行を、原子力安全を支え促進する前向きな一歩と
して認め、称賛する。
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 2 には「政府は、責任を明確に割り当て、政府、法律及び
規制の安全に対する適切な枠組みを維持しなければならない。」と定められている。
(2)
根拠:GSR のパート 3、要件 2 には「政府は、防護及び安全のための法的及び規制上の
枠組みを設け維持し、また、具体的な責任及び職務をもった実効的に独立した規制機関
を設立する。」と定められている。
GP1
良好事例:強化された権限を有する独立した透明性のある新しい規制機関を支える、法
律と行政の枠組みの速やかな構築
GP2
良好事例:原子力規制委員会による、自然災害、シビアアクシデントマネジメント、緊
急事態に対する準備、既存施設へのバックフィットといった分野における東京電力福島
第一原子力発電所事故での教訓の、新しい規制の枠組みへの速やかで効果的な取り入れ
16
1.3.
規制機関とその独立性の確保
東京電力福島第一原子力発電所事故の結果、日本は 2012 年、規制システムを根本的に改め、強化され
た権限を有する新しい独立した規制機関として原子力規制委員会を設置した。2014 年には JNES が原
子力規制委員会に統合された。以前は一連の行政機関が担っていた原子力安全、安全規制(Safety)、
核物質防護(Security)及び国際的約束に基づく保障措置(Safeguards)、放射線モニタリング、並びに
放射性同位元素の使用についての責任は、設置法に基づき、原子力規制委員会が単独で担っている。
原子力規制委員会は環境省の外局であり、したがって原子力利用を所管する経済産業省から明確に分
離されている。炉規法及びRI法の規定により、安全規制について明確な権限と機能を有する。原子
炉建設の許可を含め、許可、認可及び検査といった規制活動について、原子力の推進を任務とする当
局の関与は全くなしに、独立した意思決定を行う。
原子力規制委員会の委員長と委員は内閣総理大臣が国会の同意を得て任命する。原子力規制委員会委
員長は原子力規制委員会の職員を任命する。規制の独立性と中立性を確保するため、設置法の附則第 6
条第 2 項には、同法発効後 5 年間の経過措置期間が満了すると、原子力規制委員会の職員は原子力利
用の推進に係る事務を所掌している行政組織への配置転換を認めないと定められている(いわゆる
ノーリターンルール)。
原子力規制委員会の活動予算は国家予算から支出されており、予算案は原子力規制委員会か財務省に
提出される。国家全体の予算状況を踏まえ、財務当局が予算案を評価する。原子力の推進を所掌とす
る機関は、原子力規制委員会の予算を承認するプロセスには含まれていない。
IRRS チームは、原子力規制委員会を推進に関わる省庁から区分し、外部の利害関係者から独立して行
動するための手段を同委員会に与えたという意味で、日本政府により改善がなされたものと理解した。
原子力規制委員会の行動における開放性と透明性、及び IRRS チームが検討したいくつかの規制措置も、
原子力規制委員会が高度の高潔さをもって行動していること、つまり原子力規制委員会がそれらの面
で実効的な(事実上の)独立性を実証してきたことを示唆している。
IRRS チームは、原子力規制委員会は東京電力福島第一原子力発電所事故後、戦略を原子力安全規制の
改善を最優先する方向に向けたと理解する。しかし、放射線防護分野における最新の国際的な要件と
研究成果を導入するには、一層の改善が必要である(勧告 R3 を参照)。
1.4.
安全に対する責任と規制の遵守
原子力基本法、炉規法、及びRI法は、核物質と放射性同位元素の製造、使用、貯蔵、輸送、再処理
を含むあらゆる活動について、安全への責任を許認可取得者に課している。許認可取得者の安全の責
任は、施設の供用期間中のすべての段階において、主として法律、許認可、継続的な規制監視及び執
行を通じて明確にされている。これは、原子力規制委員会は許認可取得者に安全への責任を担わせる
ことができるということを意味する。
東京電力福島第一原子力発電所事故の後、炉規法が改正され、安全に対する許認可取得者の第一義的
責任をより的確にするものになった。新たに設けられた 43-3-29 項と 57-9 項は原子力発電所の許認可取
得者に対し、施設の安全の定期的再評価、安全の向上、運転安全についての教育の充実、及び災害の
防止のために必要なその他の対策をとることを義務付けている。核燃料サイクル施設と再処理施設に
ついても類似の要件が定められている。
さらに、設置法附則第 6 条 9 項には「原子力事業者は、原子力施設の安全性の確保と事故の収束につ
き第一義的責任を負っていることを深く認識し、一層の自主的な対策を講ずるよう努めなければなら
ない」という明確な規定がある。
17
日本には広範かつ詳細な規制があるものの、許認可取得者は規制機関により制定又は採用された規制
と要件に適合したことをもって安全に対する責任を免除されるものではない、という法律上の定めが
ない。規制の大半は一般的に記載されており、ガイド文書は規制を遵守するための代替手段を提案す
る余地を規制対象者に与えている。
安全に対する責任は、許認可取得者が第三者に委ねる場合でも、許認可取得者に残る。安全に対する
責任の他者への転嫁を許容する法律はない。許認可取得者は、第三者から提供される製品やサービス
が該当する法律に合致していることを確認する責任がある。
大規模な原子力事故に際しての補償金支払を定めた、原子力損害の賠償に関する法律の規定によれば、
事業者(industry)が責任を負うことは明らかである。
1.5.
規制の枠組みの中で安全に責任を有する複数の規制当局間の強調
日本の法律と規制の枠組みにおいて、原子力安全規制の責任は原子力規制委員会にある。他方、原子
力施設の規制プロセスで様々な政府機関が当然関与する。
以下の当局が原子力の利用と放射線防護について責任を負っている。
内閣府:内閣府原子力災害対策担当室は原子力防災会議と原子力災害対策本部の事務局であ
り、平常時と緊急時に、所管する官庁、地方自治体などと、緊急事態に対する準備と対応を
調整する。
原子力委員会:原子力利用について関連政府機関の方針と活動を調整する責任を負っている。
内閣府の下にあり、内閣総理大臣が国会の同意を得て任命する 3 名の委員から成る。
厚生労働省:放射性同位元素の医療利用に責任を負っている。放射線防護を含む労働安全衛
生も責任範囲である。
文部科学省:科学技術に関連する原子力研究の政策に責任を負い、これには原子力の研究開
発の促進、原子力の研究者と技術者の人的資源育成、それらの質の向上、JAEA の監督、原子
力災害に対する国の賠償責任が含まれる。
経済産業省:原子力及び核燃料サイクルの施設の開発を含む原子力政策に責任を負い、核原
料物質と核燃料物質の安定的かつ効率的な供給、及び原子力の利用に伴い生じる放射性廃棄
物の処分の推進を確保する。
輸送の安全、環境中の放射能のモニタリング、原子力施設のセキュリティといった分野は、
他の省庁が各所掌領域で任務を負っている。
原子力規制委員会は原子力災害対策担当室と広範囲に協力しており、その幹部会議には同室の各部門
責任者が定期的に出席している。
しかし、他の分野では状況が異なり、当局間の調整に改善余地が見受けられる例として IRRS チームは
以下を特定した。
原子力又は放射線の安全に影響する分野において、認可対象施設で検査を行っている他の当
局と原子力規制委員会の間で、検査で見出された事項についての調整がなされておらず、そ
の交換もなされていない。
原子力規制委員会は特定の検査業務を登録検査機関に外注しているが、その作業の質と評価
の信頼性を確認するための規制監督を十分に行っていない。
厚生労働省、文部科学省、環境省及び原子力規制委員会のすべてが放射線安全に責任を負っ
ているが、放射線安全の研究についての調整がなされていない。
18
IRRS チームは、様々な当局間の既存の取決めが、調整された効果的な規制監視を実現し各所掌領域の
規制の調和を図るものになるよう、許認可、検査及び執行措置について適時の情報交換が確保されて
いないケースがあることを確認した。
原子力規制委員会は、原子力利用の安全を確保する事項について該当する行政機関の長に対し勧告を
行い、その勧告に基づき講じた対策について報告を求めることができる。
そうした勧告の最近の一例がある。ナトリウム高速炉である「もんじゅ」の運営に関わる一連の安全
上の規則遵守問題と執行措置の結果、原子力規制委員会はこの権限を行使して JAEA を別の運転組織と
交代させることを文部科学省に勧告した。文部科学省は、安全上のリスクを明確に減少させるよう、
もんじゅの在り方を抜本的に見直すことも選択できる。
勧告、提言、良好事例
所見:複数の分野、すなわち検査、放射線防護研究及び緊急作業者のための新規制の分野で、既存
の枠組が、調整され効果的な規制監視を実現し、また、それぞれが所管する規制が調和されるよ
う、許認可、検査、外部検査機関の監督及び執行措置に関する適時な情報交換が十分確保されてい
ない。
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 7 には「政府は、安全に対する規制上の枠組みの範囲内で
安全に対する責任を複数の当局が有している場合、欠落又は不当な重複を避けるため
に、また、許認可取得者に相反する要件が課せられるのを避けるために、各当局の規制
機能の効果的な協調のための対策を講じなければならない。」と定められている。
R1
勧告:政府は、原子力と放射線の安全について責任を負っている日本の規制当局が、調
和された効果的な規制監視を実現し、また、それぞれが所管する規制が調和されるよ
う、政策、許認可、検査及び執行措置に関する情報交換を行うための効果的で協力的な
プロセスを構築し実施すべきである。
勧告、提言、良好事例
所見:原子力規制委員会は、放射線防護や火災防護など原子力又は放射線安全に影響する分野にお
いて、許認可施設で検査を実施する他の規制機関と検査についての協力又は情報交換を行っていな
い。
原子力規制委員会は特定の検査業務を登録検査機関に外部委託しているが、その業務の品質と審査
の信頼性を確認するための監督を十分に行っていない。
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 29、4.53 項には「規制機関は、検査を実施する際に、以下
を含めて多くの側面を考慮しなければならない。:
必要な場合、合同検査に対する関連組織との連絡」と定められている。
(2)
根拠:GSR のパート 1、要件 20、4.19 項には「技術的及びその他の専門家の専門的助言
又は役務は、規制機関の外部の専門家によりいくつかの方法で提供されることがある。
規制機関は、専門の支援組織を設置する決定をしてよく、その場合には、その支援組織
の作業に対する規制機関の管理と指示の程度についての明確な限界が設定されなければ
ならない。他の形態の外部支援の場合は、規制機関と助言又は役務の提供者との間での
公式の契約が必要になる。」と定められている。
S1
提言:原子力規制委員会は、共同検査に対する関連機関との連絡、外部委託した検査の
監督に関する改善を検討すべきである。
19
1.6.
現存被ばくリスク又は規制されていない放射線のリスクを低減させる防護措置の体系
使用されなくなった又は身元不明の放射線源の安全管理に関する対策は、RI法とその施行令、施行
規則等に定められている。不使用又は身元不明の放射線源に対する責任は、その線源が発見された敷
地又は施設の所有者にある。原子力規制委員会の要請により、その線源は許可された事業者により回
収され、許可された施設に放射性廃棄物として処分されなければならない。
使用されなくなった又は身元不明の放射線源の所有者が特定できない場合、原子力規制委員会は関係
する省庁、機関、その他の組織を調整して、当該線源の安全な処分を確保する。
RI法は放射性同位元素などの取扱いと使用を規制しており、これは、その放射能による放射線障害
を防止し公衆の安全を確保するためである。RI法は、放射性同位元素等の放射能による放射線障害
を防止し、公衆の安全を確保するために放射性同位元素等の取扱いを規制しているが、核原料物質や
核燃料物質はRI法の適用対象に含んでいない。人工放射性物質と同様に自然由来放射性物質
(NORM)もこの法律のスコープに入っている。核原料物質や核燃料物質の使用については、自然由
来放射性物質を含め、炉規法により規制されている。
福島県の状況は、国際放射線防護委員(ICRP)の勧告により定義された既存の被ばく状況と見なして
よい。災害対策基本法に基づき、政府は防災計画を定めた。避難者を支援する包括的で重層的な対策
は、この計画に基づくものである。一般公衆の被ばく、避難に関わる方針、及び避難命令の解除の扱
いは、この IRRS ミッションの範囲に含まれないことを留意すべきである。
1.7.
施設の廃止措置と放射性廃棄物・使用済燃料の管理に関する対策
炉規法とRI法は、施設の安全な廃止措置と、放射性廃棄物及び使用済燃料の安全な管理について規
制を定めている。
廃止措置
炉規法は、規定された各施設と活動について廃止措置の要件を定めている。許認可取得者は廃止措置
を開始する前に、廃止措置計画を作成するとともに、その実施のための保安規定の変更を行わなけれ
ばならない。廃止措置計画も保安規定のいずれも原子力規制委員会の認可が必要である。廃止措置計
画の認可基準は、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(以下、「実用炉規則」という。)
の第 119 条に定められている。
廃止措置が完了すると、許認可取得者は廃止措置終了の確認を原子力規制委員会に申請しなければな
らない。原子力規制委員会が廃止措置終了の確認を行うことにより原子力施設の設置許可は効力を失
う。廃止措置終了の確認の基準は、実用炉規則の第 121 条に定められている。しかし、原子力規制委
員会の自己評価でも認識されているとおり、この規則は、廃止措置がなされた施設の敷地に係る土壌
及び当該敷地に残る建屋の許容可能な残留放射能について明確な基準を定めていない(勧告 R8 を参
照)。
放射性廃棄物及び使用済燃料
炉規法は、全ての原子力施設のあらゆる段階を規制しており、これには使用済燃料の中間貯蔵、放射
性廃棄物の処分、使用済燃料の再処理が含まれる。
放射性廃棄物管理の政策と戦略に関わる IAEA の要件をとりまとめた統合的な単一の文書は現在存在し
ないが、日本は、既存の法的枠組みと経済産業省と文部科学省が発表した政策表明の中でいくつかの
主要な要素を検討していることが確認された。経済産業省と文部科学省の両省は、実用発電用原子炉
施設及び研究用施設、大学、医療機関及び民間組織で発生する放射性廃棄物について政策を策定する
責任を負っている。日本は使用済核燃料の再処理を推進する政策を表明している。実際のところ、日
20
本は使用済燃料の再処理を国内と、英国及び仏国の施設の両方で行っている。軽水炉でのプルトニウ
ムの使用も積極的に追求されている。再処理という選択は、最終的には処分しなければならない高レ
ベル廃棄物の全体量を削減する手段として採用された。
特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律は、使用済燃料の再処理で生じる高レベル放射性廃棄物の
最終処分に取り組むための基本的枠組みを定めている。「原子力発電における使用済燃料の再処理等
のための積立金の積立て及び管理に関する法律」は、使用済燃料の再処理のための資金を資金管理法
人に預託することを実用発電用原子炉の事業者に義務付けている。この法律の目的は、使用済燃料の
再処理、再処理で発生する放射性廃棄物の処分、及び再処理施設の解体の適切な実施を確保すること
にある。
地層処分施設の立地と建設を将来行うことが計画されている。これを目的に原子力発電環境整備機構
(以下、「NUMO」という。)が経済産業省の監督下に設置されており、その概念を開発する任務を
負っている。
実用発電用原子炉の高レベル放射性廃棄物を処分するための資金は、当該原子力施設の許認可取得者
が特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律を通じて確保している。経済産業省が積立金のレベルを
検討し、更なる必要額を電気事業者に通知している。
1.8.
安全に対する能力
許認可取得者の職員
許認可取得者の能力を確保するため、炉規法は許認可取得者に対し、系統、構造物及び機器を設置、
運転するために、また必要に応じてシビアアクシデントを防止しその影響を緩和するために必要な技
術的能力を備えることを義務付けている。こうした能力の具体的な審査基準は、「実用発電用原子炉
に係る発電用原子炉設置者の重大事故の発生及び拡大の防止に必要な措置を実施するために必要な技
術的能力に係る審査基準」などの原子力規制委員会基準に定められている。
炉規法の第 43 条の 3 の 24 に従い、許認可取得者は、運転職員のための運転安全の教育と、教育や研修
を含む運転安全活動の継続的な立案、実施、評価、改善を定めた保安規定を策定しなければならない。
原子力規制委員会はこの保安規定を審査し、必要であれば修正を求めることができる。許認可取得者
の保安規定の遵守は原子力規制委員会により定期的に検査される。
原子力施設の技術面と安全面の監督責任者は、許認可取得者が選任しており、この監督責任者になる
には、施設に応じ「原子炉主任技術者」、「核燃料取扱主任者」又は「放射線取扱主任者」という原
子力規制委員会が交付する資格が必要である。この監督責任者の職位には、施設の種類により「原子
炉主任技術者」、「核燃料取扱主任者」又は「放射線取扱主任者」が指名される。
資格試験は筆記試験と、いくつかの資格についてはさらなる口頭試験から成り、ともに原子力規制委
員会若しくは登録試験機関が企画し実施する。「原子炉主任技術者」と「核燃料取扱主任者」の資格
については、国家試験に合格した者に原子力規制委員会から免状の交付がなされる。「放射線取扱主
任者」については、登録資格講習機関が開催する必修講習を履修し、登録試験機関による筆記試験に
合格すると、原子力規制委員会から免状の交付がなされる。学歴、経験、研修、再研修といった受験
資格についての法的要件はない。
規制機関
原子力規制委員会は、国家行政組織法第 3 条第 2 項に従い外部政府機関として設置され、省と類似の
地位にある。その職員は公務員であり、行政職(技官、事務官)及び研究職として分類される。原子
力規制委員会の職員は日本の官庁の異動慣行に従う。この慣行の下では、原子力規制委員会の一般管
21
理職は 2~3 年ごとに職位を変えなければならない。原子力規制委員会の組織体制と資源についての詳
細は本報告書の第 3 章を参照のこと。
IRRS チームへの説明によれば、原子力規制委員会は新しい組織であるため、これらの異動は大半が原
子力規制委員会自体の中で行われ、したがってノウハウの漏出にはつながらないとのことである。原
子力規制委員会の設置以降、職員が原子力規制委員会を離任する率が低下してきているが、それでも
2015 年は 16.6%であった。さらに付言すべきこととして、研究職と検査官は一般管理職に比して異動
慣行が厳格に実施されず、そのため上記の異動の対象になりにくい。注目すべきことであるが、技官
が原子力規制委員会を去る率は 2015 年で 7.0%であった。
原子力規制庁職員の能力について、原子力規制委員会は最近、各ランクと職位について要求される能
力を定めた。設置法は、職務能力の向上を図るための研修施設の設置その他の研修体制を整備するこ
と、人的又は物的な体制の拡充を図るための財源を確保することを求めている。こうした法的要件の
実践的実施は、原子力規制委員会の中期計画の優先事項に属し、原子力規制委員会の自己評価の改善
措置計画にも含まれている。
原子力規制委員会は研修インフラ、つまり原子力安全人材育成センターと原子力安全研修所を現に整
備しており、新規採用職員の研修や、原子力保安検査官基礎研修を含む資格取得のための研修など
様々な研修プログラムを整備してきた。フルスコープのシミュレータを建設中であり、2016 年 3 月か
ら利用可能である。
原子力安全人材育成センターに属する原子力安全研修所はひたちなか市にあり、原子力発電所の模型、
原子力発電所の機器の断面模型、非破壊検査の訓練設備を備えている。原子炉の運転の基本的理解を
深めるために、簡易なシミュレータが利用できる。
原子力規制庁職員の技術能力の育成と維持が原子力規制委員会の自己評価の改善措置計画で特定され
た優先事項の 1 つであり、5 項目から成る原子力規制委員会の中期計画目標の 1 つになっていることを
IRRS チームは確認した。適切な研修インフラが現在整いつつある。日本の官庁の異動慣行による能力
の喪失に関わる状況は改善したものの、技官が原子力規制委員会を離任する率はなお高い(勧告 R5 と
提言 S2 を参照)。
研究開発及び学術機関
学術機関は原子力部門への専門家の供給源であり、この分野において基本的な大学での教育に資金を
提供するのは、日本では政府の責任である。原子力安全の研究と規制の研究は原子力規制委員会、
JAEA、放射線医学総合研究所(以下、「NIRS」という。)が行っている。
かつての JNES との統合以来、原子力規制委員会は専門の技術基盤グループを設置し、これが内部の技
術支援機関(以下、「TSO」という。)として機能している。その研究の中心は安全基準と規制要件の
整備であり、以下を優先事項としている。
東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置に伴う規制上の課題
シビアアクシデントに至るおそれのある共通原因故障を引き起こす自然災害への対策
シビアアクシデント対策に関する科学技術的知見の拡充
上記活動を支える技術基盤の整備
JAEA と NIRS は原子力規制委員会にとって外部の TSO である。JAEA には原子力安全研究を行う専門
のグループがある。NIRS は放射線安全と放射線医療に関する研究を担当している。
22
原子力規制委員会は、その自己評価の改善措置計画の枠組み内で、JAEA の原子力安全研究への資金拠
出を拡大し、研究分野での原子力規制委員会と JAEA の間の協力を強化する予定であることを示した。
規制機関の技術能力を育て維持するため、JAEA の原子力安全研究グループへの原子力規制委員会の職
員の配置を強化することが計画されている。
IRRS チームへの説明によると、放射線安全に関わる研究と教育の活動は縮小傾向をたどってきており、
この状況に取り組む予定は原子力規制委員会にはない。(勧告 R3 を参照)。
1.9.
技術サービスに係る対策
個人線量の測定、環境モニタリング、設備の較正に関する技術サービスについて日本政府が定めた法
的規定は限定的な数しかない。
日本では、技術サービスについて一般的な許認可プロセスが存在しない。しかし、許認可取得者は、
自身の保安規定に技術サービスの調達管理を含めている。原子力規制委員会はこの保安規定を審査し、
必要であれば修正を求めることができる。許認可取得者がその保安規定を遵守しているかどうかは原
子力規制委員会が定期的に検査する。
中央線量登録所を含む原子力施設の技術サービスは、民間企業又は原子力規制委員会の TSO である
JAEA などの政府機関が主に提供している。
職場の測定を行う機器や装置については、毎年較正する要求があるが、公衆被ばく防護のためのモニ
タリングに使用する測定機器については、そうした要求はない。
概括すると、IRRS チームは、技術サービスに関わる許認可取得者の責任は、該当する IAEA の要件に
適合して規制されているが、原子力安全と放射線防護の分野では技術サービスの提供者に対する法的
義務が存在しないと結論付けた。
勧告、提言、良好事例
所見:放射線防護のために業務従事者及び公衆のモニタリングを行うサービス提供者は原子力規制
委員会による承認又は許認可の対象になっておらず、提供サービスに必要な技術的品質についての
要件は定められていない。
(1)
根拠:GSR のパート 3、要件 25、3.99 項には「雇用者、自営業者、並びに、登録者及び
許認可取得者は、適切な場合、個人のモニタリングに基づいて、作業員の職業被ばくの
評価のための手配を行う責任を有し、また、品質管理体制の下で活動する認可を受けて
いるか承認を受けている線量測定業者と、かかる手配が行われることを確保する。」と
定められている。
(2)
根拠:GSR のパート 3、要件 32、3.135 項には「規制機関は、次について適宜責任を負
う。 (i) 計画被ばく状況における公衆被ばくに関する安全基準の要件の遵守を検証す
る。~」と定められている。
(3)
根拠:GSR のパート 1、要件 13、2.41 項には「技術的サービスは、必ずしも政府により
提供されなければならないことはない。しかしながら、政府は、必要な技術的サービス
の適切な民間又は非政府提供者が得られない場合には、そのようなサービスが得られる
ようにするための対策を講じなければならないことがある。規制機関は、適宜、安全に
とって重要でありうる技術的サービスを許可しなければならない。」 と定められてい
る。
23
勧告、提言、良好事例
1.10.
(4)
根拠:GSR のパート 3、要件 14、3.37 項及び 3.38 項には「3.37 規制機関は、防護及び
安全の要件の遵守を検証するためにモニタリング及び計測が実施される要件を確立す
る。~3.38 登録者及び許認可取得者並びに雇用者は、次を確保する。~(a) パラメータ
のモニタリングと計測は、安全基準の要件の遵守の検証のために必要に応じて実施され
る。(b) 適切な機器が提供され、検証手続が実施される。(c) 国又は国際的な基準に基づ
く基準を参照に、適切な間隔をおいて、機器が適切に保守され、テストされ、校正され
る。」と定められている。
R2
勧告:政府は、規制機関に対し、職業被ばくと公衆被ばくのモニタリング及び一般的な
環境のモニタリングを行うサービス提供者について許認可又は承認のプロセスの要件を
定め、許認可取得者がそれらの要件を満たしていることを確認する権限を与えるべきで
ある。
要約
安全のための日本の政策と戦略は原子力基本法を中心とする法律に定められ、安全のための包括的な
枠組みがそれを支えている。
日本はその規制システムを根本的に改めた。強化された権限を与えられ独立した透明な新しい規制機
関を支える枠組みを構築したこと、また、自然災害、シビアアクシデントマネジメント、緊急事態に
対する準備、既存施設へのバックフィットといった分野における東京電力福島第一原子力発電所事故
の教訓を日本の法的枠組みに迅速かつ効果的に組み入れたことは良好事例であると考えられる。
IRRS チームは一層の改善が可能な分野も併せて特定した。
政府と原子力規制委員会は、多数の原子力施設が再稼働する可能性を考慮に入れて、日本の新
しい規制の枠組みを導入し、運転安全を強化するその努力を継続すべきである。長期間停止し
ていた原子力施設での運転安全の確保には特に注意を払うべきである。
既存の取決めによっては公的機関間の有効な調整がなされない分野が、検査、放射線防護研究、
緊急作業者のための新しい規制を中心にいくつかあり、これについて改善を図るべきである。
職場と公衆の放射線防護のモニタリングのためのサービス提供者に、規制機関による許認可又
は承認のプロセスを適用すべきである。
24
2.
2.1.
国際的な原子力安全のための枠組み
国際的責務と国際協力のための取決め
協定、条約及び行動規範
日本は、IAEA に寄託されている原子力安全関連の条約、すなわち原子力の安全に関する条約、原子力
事故の早期通報に関する条約、原子力事故又は放射線緊急事態の場合における援助に関する条約、使
用済燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約、核物質の防護に関する条約、核兵器の不拡
散に関する条約のすべてについて締約国になっている。
法的拘束力のある国際的な条約や協定に加え、放射線源の安全とセキュリティに関する行動規範、放
射線源の輸出入に関する補足ガイダンス、及び試験研究炉の安全に関する行動規範についても、日本
政府はそれらを国内法令に基づき実行していることを IAEA に対し公式に約束している。
多国間及び二国間の活動
日本は国際原子力規制者会議(INRA)のメンバーであり、IAEA の原子力安全の高度化のためアジア
原子力安全ネットワーク(ANSN)と規制協力フォーラム(RCF)の活動に参加している。日本は、
IAEA の安全基準委員会(CSS)とそれに関連する 5 つの小委員会、経済協力開発機構原子力機関
(OECD/NEA)の 7 つの常任委員会、多国間設計評価プログラム(MDEP)、及び OECD/NEA の後援
する国際共同研究プロジェクトに代表者を派遣している。
原子力規制委員会は、米国、仏国、英国の規制機関等との間で原子力平和利用での協力のための政府
間協定に基づく情報交換の取決めに署名し、スペイン、ドイツ、スウェーデン、カナダ、フィンラン
ド、ロシア連邦、リトアニア、トルコ、ベトナムの規制機関と情報交換の覚書を交わしている。さら
に、日本、中国、韓国の間での三者間情報交換フレームワークである原子力安全に関する上級規制者
会合に参加している。
国際ピア・レビュー
2007 年、日本はその最初の IRRS ミッションを受け入れたが、このミッションにはフォローアップを行
わなかった。最初の IAEA の運転安全評価チーム(OSART)ミッションは 1988 年に高浜の原子力発電
所を評価した。それ以降、日本は OSART ミッションを 5 回招聘した。
また、日本は国際レビューミッションへの参加を自国の専門家に奨励している。ただし、原子力規制
委員会は、その職員がこれまで他の国々の規制活動に十分なフィードバックをできなかったため、そ
の貢献には限界があったと考えている。原子力規制委員会は、国際ピア・レビューに、より多くの資
源を配分し、技官を訓練して国際ピア・レビューに建設的な参加ができるようにすることを改善措置
計画の枠組みにおいて予定している(第 3 章を併せて参照のこと)。
国際支援プログラム
原子力規制機関を支援することは原子力規制委員会の政策の一環であり、その主な対象は原子力分野
に新規着手する国々である。具体的には、原子力規制委員会の原子力安全人材育成センターが基礎研
修と安全審査手法の研修を含む広範な研修プログラムを提供している。これまで、ベトナムとトルコ
の各原子力規制機関の職員が、この原子力安全人材育成センターで研修を受けた。それとは別に、セ
ミナーがベトナムとトルコで開催された。そのほか、リトアニアのために研修プログラムが計画され
ている。
25
2.2.
運転経験と規制経験の共有
原子力規制委員会は、実用炉規則に基づき運転経験フィードバック(OEF)プログラムを定めた。この
運転経験フィードバックは許認可取得者と原子力規制委員会の両方が実施する。
国内での運転経験フィードバック
許認可取得者は、事故又は異常事象が起きた後、それを速やかに原子力規制委員会に報告することが
要求されている。10 日以内にフォローアップ報告を提出し、原因及び同じ事故又は異常事象の発生を
防止するための対策について評価報告をしなければならない。原子力規制委員会は許認可取得者から
の報告を受けると、報告された事象の詳細、原子力規制委員会の対応、及び事象の暫定的な INES(国
際原子力事象評価尺度)レベルの格付け結果を公表する。
許認可取得者は、関連する施設で防止対策が確実に実施されるよう、必要に応じて保安規定を変更す
ることも要求されている。
国際的な運転経験フィードバック
上記の国内情報に加え、原子力規制委員会は世界中の一連の情報源から運転経験についての情報を収
集しており、これには、IAEA 及び OECD/NEA の IRS データベース、 OECD/NEA の FINAS 報告、米
国原子力規制委員会(NRC)の通達、一般書簡、情報通知、規制問題要約、NRC の許認可取得者事象
報告(LER)などが含まれる。収集する情報は、商業用原子炉、研究開発段階の原子炉、試験研究炉、
再処理施設を含むあらゆる原子力施設を網羅している。
原子力規制委員会における情報の分析は選別と分析の 4 段階から成る。第一段階では、日本にとって
潜在的重要性を有する技術及び規制に関する事項を特定するため、国内外の情報が選別される。第二
段階では、この選別が原子力規制庁の内部作業グループにより精緻化される。技術面又は規制面の対
策が必要になる可能性のある事項は、技術情報検討会により詳細に分析される。原子力規制委員会の
上級幹部から成るこの検討会は、同様の事故又は事象が起きないようにするための措置と対策につい
て報告書を作成する。
技術情報検討会の報告書は、規制の改善について更なる助言を得るため、原子炉安全専門審査会及び
核燃料安全専門審査会による最終的なレビューを受ける。このプロセスで特定された、規制措置を要
すると考えられる事項は「要対応技術情報」に分類され、規制活動に適宜反映される。必要な活動に
ついての最終決定は委員会が下す。
類似のプロセスが、IAEA から提供された技術情報とレビューミッションから得られた知見に基づき許
認可取得者のために実施されている。
教訓の普及と活用
運転と規制の経験で得られた教訓がすべての許認可取得者により共有されるようにするため、原子力
規制委員会は規制上の要件を定めている。加えて、運転経験フィードバックの結果は原子力規制庁、
JAEA、原子力安全推進協会(以下、「JANSI」という。)により開催される会議で定期的に協議され
ている。
国際的には、原子力規制委員会の職員が運転経験のフィードバックに関する国際会議に参加しており、
これには、IAEA と OECD/NEA が共同で開催する IRS 会議や OECD/NEA CNRA の運転経験ワーキング
グループ(WGOE)の会議などが含まれる。
全体として、IAEA 安全指針 NS-G-2.11 の重要な要素は実施されていると IRRS チームは考える。
26
2.3.
要約
日本及び原子力規制委員会は、それぞれの国際的責務を果たしていると IRRS チームは結論付けた。両
者は関連する国際的取決めに参加しており、運転経験をフィードバックするためのシステムを導入し
ている。
日本の原子力専門家は既に国際レビューミッションに参加しているが、原子力規制委員会は、同ミッ
ションに積極的に参加できるようにするため、国際ピア・レビューに一層多くの資源を配分するとと
もに、技官を訓練することを計画している。
27
3.
規制機関の責任と機能
2012 年 6 月 27 日に公布された設置法は、人と環境を保護し日本の国家安全保障を維持することを目的
に、原子力と放射線の安全を監視する日本の新しい規制機関として原子力規制委員会を設置した。原
子力規制委員会は、職員の多くが前身の規制機関から雇用されたとはいえ、設置後なお日の浅い組織
である。設置後 3 年間、組織の大幅な増強と変更を経験したが、そのマネジメントシステムと組織文
化はなお発展途上にあり、機能は拡大を続けている。このことは、新規制の導入、申請に対して東京
電力福島第一原子力発電所事故後の原子力発電所の新規制基準に適合することを審査する必要性に
よって生じる著しい業務と相まって、原子力規制委員会にとって大きな課題となっている。
原子力規制委員会の任務と権限は、主に設置法、炉規法、RI法、原災法に定められている。原子力
規制委員会は原子力の利用と放射線の利用に関わる安全、セキュリティ、保障措置の規制を任務とし
ており(放射性物質の輸送と放射線の医学的利用及びその線量限度などは例外であり、これらは国土
交通省と厚生労働省がそれぞれ所管している)、さらに地元の公的機関と協力して環境モニタリング
を実施している。原子力規制委員会は、与えられた任務の中で法律と政令を施行するために、原子力
規制委員会規則を定める権限を有する。原子力規制委員会はまた、原子力施設や放射線を利用する活
動について許認可を交付するとともに、規制要件への適合を確認するために検査を実施する権限も有
する。不適合があれば、事業者に是正措置を求めて不適合に対処し安全を回復するということができ
るように、執行権限と手段が法律により与えられている。
東京電力福島第一原子力発電所事故に続く現状を背景に、原子力規制委員会は原子力安全の向上を戦
略の優先事項としている。そのため、原子力安全の規制、研究、及び新規制基準に基づく原子力発電
所の申請の審査が中心的な作業となっている。これは重要であり理解できるが、IRRS チームは、原子
力規制委員会は他の施設や活動、及び放射線防護に関わる職務に十分配慮しておらず、それに十分な
資源を割り当てていないのではないかと懸念している。例えば、2016 年 1 月 13 日の委員会の会合で
2016 年度の重点施策が審議された。放射線防護に対する資源と研究活動が、2016 年の優先事項に取り
上げられていないのではないかという疑念表明があった。委員会が下した決定は、放射線防護の資源
と研究についての優先順位は 2017 年度の活動を計画するときに審議する、ということであった。IRRS
チームは、原子力規制委員会がその責任を適切に果たすためには、放射線防護において、能力と経験
のある職員を十分有していることを担保しなければならない、ということを強調する。これは、原子
力規制庁職員の能力強化の対策の実施において考慮すべきである(勧告 R5 を参照)。
勧告、提言、良好事例
所見:東京電力福島第一原子力発電所事故後の現状を背景に、原子力規制委員会は原子力安全規制
の改善、関連する研究、及び原子力規制委員会基準に基づく原子力発電所に関する申請の審査を戦
略の最優先事項としている。これは重要であり理解できるが、IRRS チームは、原子力規制委員会は
NIRS の支援を受けているものの、放射線防護の分野での業務に対して、十分な優先順位及び資源を
割り当てていないことに懸念を有している。
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 16、4.5 項には「規制機関は法律に定められた責務を効果
的に全うするように、その組織を編成しその利用可能な資源を管理する責任を負う。規
制機関は、施設及び活動に伴う放射線リスクと釣り合うように資源を等級別扱いに従っ
て配分しなければならない」と定められている。
28
勧告、提言、良好事例
(2)
R3
3.1.
根拠:GSR のパート 1、要件 20、4.22 項には「助言や支援を受けたからといって規制機
関がその課された責任を免れるわけではない。規制機関はリスク情報を活用した意思決
定をするために十分な中核的能力を備えていなければならない。意思決定に際し、規制
機関は諮問機関から提供された助言、あるいは許認可取得者や申請者から提出された情
報を評価するために必要な手段を有していなければならない」と定められている。
勧告:原子力規制委員会は、許認可取得者による放射線防護対策の実施を監視するこ
と、NIRS との協力を通じて、放射線防護の国際基準の策定や関連する研究活動に参加す
ることに、優先度を高くし、一層の資源を配分すべきである。
規制機関の組織構成と資源配分
原子力規制委員会の長は、内閣総理大臣が国会の同意を得て任命する 5 名の委員から成る委員会の委
員長である。原子力規制委員会の事務局は 3 つの部門と総務課から成る。原子力規制委員会には原子
力サイトの近傍に位置している 22 の地域事務所がある。3 つの部門は以下のとおりである。
技術基盤グループ。基準とガイドラインを作成し、原子炉システム、シビアアクシデント、
核燃料及び廃棄物、地震活動、津波を含む様々な分野の安全研究を行う。
放射線防護グループ。主な所掌分野は、緊急事態に対する準備と対応システムの構築及び初
期緊急時対応、核物質防護の確立、放射線モニタリング活動の調整、放射性同位元素の使用
に係る規制の実施、国際的取決めに従った保障措置の実施である。
原子力規制部。1 つの調整課と 7 つの規制実施課から成る。後者は、個々の原子力施設及び活
動、原子炉の検査、試験研究炉、廃止措置、核燃料サイクル施設、放射性廃棄物の輸送・貯
蔵・処分、地震や津波の対策を対象とする。
原子力規制委員会の組織体制は主要任務を反映している。専門職員の大半は原子力施設の安全に関す
る規制に配置され、審査及び評価、検査及び規制、安全研究を担っている。
IRRS ミッションが様々なモジュールのレビューを通じて得た所見によれば、原子力規制委員会の体制
と資源管理が、可能な限り効率的で効果的な機能遂行を保証しているかどうか明瞭でない。各部・各
課は孤立した形で作業しているように思われ、任務の間にいくつかの類似性があるにもかかわらず、
縦割り的なアプローチを促進している。例えば、原子力規制部では、BWR と PWR で検査、審査、評
価が別々の課及びプロセスでなされている。この組織体制が効果的かつ効率的であるか検討すること
は、原子力規制委員会にとって有意義である可能性がある。さらに、とりわけ許認可、審査及び評価、
検査、執行措置について、横断的な中核プロセスを確立しないまま管理システムのプロセスを定める
という原子力規制委員会が現在採用している方法は、規制の不一致を生じさせるおそれがあり、孤立
性についての IRRS チームの所見を裏付けるものである。
原子力規制委員会は 2015 年~2019 年の中期計画を作成しており、これは原子力規制委員会が資源を配
分するに際しての優先事項と目標を定めるものである。原子力規制委員会は他の組織の同意を得ずに
目標、優先事項、及び資源の使途を決定できる。他方、原子力規制委員会は次年度の計画を作成する
際、許認可取得者やその他の利害関係者からの情報収集を行わない。この情報収集があれば、原子力
規制委員会の他の省庁や機関との協力が改善され、許認可取得者の監督に必要な資源を一層正確に、
また等級別扱いによって配分する機会が得られるであろう。
原子力規制委員会の年次目標の達成状況は半年ごとにモニタリングされ、優先事項は管理者により四
半期ごとに評価される。原子力規制委員会は、資源が様々な規制分野でどのように使われているかを
追跡する方法を有していない。例えば、原子炉や放射性同位元素の検査活動、あるいは原子炉、核燃
29
料サイクル施設、試験研究炉の審査及び評価に何時間又は何日が費やされたかを知ることは不可能で
ある。このことに、マネジメントシステムの開発と実施が初期段階にあるという事情(第 4 章を参照)
が重なって、原子力規制委員会は、そのプロセスの効率を測定し、その資源が効率的に、また規制対
象の施設や活動に伴うリスクに見合って使用されているかという判断ができなくなっている。
IRRS チームの見るところ、原子力規制委員会の現在の組織体制、年間の活動を計画する方法、及び組
織の実績と資源利用を評価する手段の不在は、原子力規制委員会が責任を果たし、機能を効率的かつ
効果的に、また施設や活動に伴う放射線リスクに見合った方法で遂行するために最適なものではない。
勧告、提言、良好事例
所見:原子力規制委員会の現在の組織体制、年度業務計画の策定方法、組織の実績と資源利用を評
価する手段の欠如は、原子力規制委員会が責任を果たし、機能を等級別扱いに従って効率的かつ効
果的に遂行するために最適なものではない。
3.2.
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 16、4.5 項には「規制機関は法律に定められた責務を効果
的に全うするように、その組織を編成しその利用可能な資源を管理する責任を負う。規
制機関は、施設及び活動に伴う放射線リスクと釣り合うように資源を等級別扱いに従っ
て配分しなければならない」と定められている。
R4
勧告:原子力規制委員会は、現在の組織体制の有効性を評価し、適切な横断的プロセス
を実施し、年度業務計画の立案に際して利害関係者からの情報収集を強化し、さらに、
自らの実績と資源利用を測るツールを開発すべきである。
規制の実施における実効的独立性
設置法は、原子力規制委員会の独立性に法的根拠を与えている。そこには、原子力規制委員会の政府
内での位置付け、規制上の任務と共に規制上の権限が記載されており、また、その規制権限に相反す
る他の責任又は任務は一切定められていない。原子力規制委員会の財源は現在適切であり、政府予算
から割り当てられている。原子力規制委員会の予算は財務省が原子力規制委員会の予算提案に基づき
決定する。これまでのところ、原子力規制委員会の予算は提案どおりに承認されている。第 1.3 章で結
論付けたとおり、法律と政策決定での規定は原子力規制委員会の有効な独立性を可能にしている。
有効な独立性を達成する上で重要な要素の 1 つは、職員の意思決定能力である。第 3.1 章で述べたとお
り、原子力規制委員会は能力のある職員が不足していることを指摘し、このギャップを埋めて意思決
定における適切な能力と独立性を確保するための対策を提案した(第 3.3 章を参照)。
幹部の日常的な監督と、幹部と職員の間の定期協議は、スタッフの独立性の維持を保証する。原子力
規制委員会の新規採用職員は、独立した意思決定と安全優先を強調する組織理念について研修を受け
る。その後、同様の優先事項を支持する原子力安全文化に関する宣言について研修が行われる。規制
対象の事業者の出身者を採用する場合、その新人は以前所属していた組織の活動に対する監督に関与
することが許されない。原子力規制委員会内では、異なった見解を解決するプロセスは、正式化され
ていないとはいえ存在する。
3.3.
規制機関の職員と能力
原子力規制委員会の常勤職員は現在 920 名である。ほかに非常勤職員が 330 名いる。職員数は過去 2 年
間に大幅に増加したが、その大半の理由は、2014 年の旧 TSO、JNES との統合によるものである。職員
は検査官、審査官、研究官、事務官から成る公務員であり、その 80%超が技術分野の経歴を持ってい
る。職務変更のキャリアパスがある。
30
自己評価の結果として、原子力規制委員会は、課された任務を遂行するために十分な数だけの能力の
ある職員を抱えていないことを確認した。この結論は、東京電力福島第一原子力発電所の事故での教
訓から得られた一般的結論に基づく。既に述べたとおり、原子力規制委員会は、原子力発電所に対す
る新しい規制の制定及び実施と、新規制基準下での申請とによる、審査及び評価の作業量増大に直面
している。そしてまた、新規制基準への適合性の確認が検査需要の拡大につながることも予想される。
その結果、原子力規制委員会は審査、評価(例えばシビアアクシデントや極度の外部事象における専
門知識)、検査活動、放射線源のセキュリティといった分野に資源を追加投入しなければならないこ
とを確認した。さらに、国際的な活動と協力に参加する有能な人材が不足していることも明らかにし
た。
原子力規制委員会は各部門の様々な職位について能力プロファイルと能力認定基準を作成しており、
検査官がこの基準をどのように満たしているかを評価中である。審査官と研究官の評価がそれに続い
て行われる。IRRS チームの所見としては、人的及び組織的な要素、安全文化、マネジメントシステム
が許認可取得者/申請者の安全関連提出物を評価するに際して重要であるにもかかわらず、原子力規
制委員会はそれらを能力プロファイルの一部として特定していない。原子力規制委員会は、関連する
能力とそれらの達成基準が能力管理プログラムで網羅され、それらが組織内で適切に伝達されている
か確認すべきである。人的及び組織的な要素、安全文化、マネジメントシステムについての能力に関
し、原子力規制委員会は、それらが許認可取得者の保安規定に対する規制検査で取り上げられている
か、適宜確認すべきである。
能力プロファイルを満たすために、原子力規制委員会は研修プログラムを定めており、これは現在、
新規採用者と中途採用者を対象に実施中である。原子力規制委員会によれば、能力管理と研修プログ
ラムは、ともに IAEA のガイダンスに従って作成されているとのことである。IRRS チームは、職員の
研修、特に検査官と審査官についての研修(第 6、7 章を参照)が実施されていること、また、それが、
再研修も含めて、期間と内容の両面で適切であることを確認することが必要であることを明らかにし
た。
原子力規制委員会はその改善措置計画において、能力のある人的資源を適切な規模で確保するための
複数の措置を明らかにしている。原子力規制委員会は「原子力規制委員会職員の人材育成の基本方針」
と「原子力規制委員会職員のモデルキャリアパス」を既に採択している。この方針は、能力管理と知
識管理両方のプロセスを開発することにより実施を始めている。しかし、諸プロセスはマネジメント
システムの中で十分に実施されておらず、また正式なものになっていない。改善措置計画の対策は、
原子力規制委員会の外からの経験者の採用と、原子力規制庁職員の一層の教育や研修を含む。必要な
能力を獲得するための実践的な対策は、研修、実地研修(以下、「OJT」という。)、原子力規制委員
会での職務ローテーション、それに、大学、研究機関、国際機関、外国機関との緊密かつ集中的な協
力である。安全研究については、原子力規制委員会は基盤研究を強化し、JAEA との協力関係の緊密化
を通じて、人的資源開発に一層貢献することを目指している。
自己評価の結果として、原子力規制委員会は、人々が原子力規制委員会の職位に進んで応募するよう
に勤務条件を改善することや、それらの人々がその専門知識を育み維持するために原子力規制委員会
に留まるように奨励することの必要性を確認した。原子力規制委員会は、海外での研修/教育、他の
機関と職員を交流する機会の拡大、福利厚生の改善などといった魅力向上のための方法を特定した。
IRRS チームは、原子力規制委員会がその規制責任を果たすことができるように適正な数の職員を維持
し採用する原子力規制委員会の能力についての懸念があると考えた。原子力規制委員会は、計画済み
の対策に加え、新しい技術の専門知識を獲得しつつ現在の技術の専門知識を維持するという戦略的選
択肢の追求を検討すべきである。このような戦略は、より多くの責任、許認可取得者の安全実績に直
接影響を及ぼす能力、原子力産業界の様々な部門を規制する選択肢、国の政策に影響する法的要件を
定める能力、そして原子力規制委員会内の上級職員に至る明確なキャリアパスを職員に提供すること
31
により、選ぶべき雇用主としての原子力規制委員会の魅力と、職員の担う役割の向上を目指すべきで
ある。他の選択肢としては、医療、年金、休暇、教育の機会等の福利厚生の改善がある。
IRRS チームは、原子力規制委員会が自己評価を通じて、課された責任を果たすために十分な数の能力
のある職員を有していないことを確認していること、また、十分な数の有資格職員を確保できるよう
にするため適切な是正措置に着手し、また着手する予定であることを理解した。IRRS チームは、原子
力規制委員会がその責任を成功裏に果たすには、正式の能力認定に加えて専門家としての経験が重要
であることを強調する。
勧告、提言、良好事例
所見:原子力規制委員会は、自己評価の中で、課された責任を果たすために十分な数の能力のある
職員を有していないことから、十分な数の能力のある職員を確保するため適切な是正措置に着手し
たとしている。
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 18、4.11 項には「規制機関は十分な能力のある有能なス
タッフを確保していなければならない~」と定められている。
(2)
根拠:GSR のパート 1、要件 18、4.13 項には「知識管理の一要素として、規制機関のス
タッフに求められる能力とスキルを育成し維持するためのプロセスを確立しなければな
らない」と定められている。
R5
勧告:原子力規制委員会は、原子力と放射線の安全におけるその規制責任を果たす能力
と経験を備えた職員を確保するため、能力の評価、研修プログラムの実施、OJT、内部
での職務ローテーション、さらに、TSO(JAEA)、大学、研究機関、国際機関、外国機関
との安全研究や協力の充実に関する活動をさらに発展させ実施すべきである。
勧告、提言、良好事例
所見:IRRS チームは、原子力規制委員会がその規制の付託と責任を果たすべく適正数の職員を採用
し維持するに当たって、原子力規制委員会の魅力に関する懸念を有した。
3.4.
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 11、2.3v6 項には「規制機関とその支援組織のために適切
な仕組みを用意して、安全に関する規制機関の責任を果たすために必要な分野の専門性
を育み維持しなければならない」と定められている。
(2)
根拠:GS-G-1.1 の 4.6 項には「規制機関の有効性は、適切な法的枠組みの中で作業し、
適切な能力と専門知識を備えた十分な職員を雇用するということのほかに、事業者及び
他の関係機関両方の職員に比してのその職員の地位にも左右される。したがって、規制
機関の職員は、その規制上の関係を円滑化しその権限を強化するような等級、給料、及
び勤務条件で任命されるべきである」と定められている。
S2
提言:原子力規制委員会は、より多くの責任、許認可取得者の安全実績に直接影響を及
ぼす能力、原子力産業界の様々な部門を規制する選択肢、国の政策に影響する法的要件
を定める能力、そして原子力規制委員会内で上級職員に至る明確なキャリアパスを職員
に提供することにより、選ぶべき雇用主としての原子力規制委員会の魅力と、職員の担
う役割の向上を目指すことを通じて、新規の技術専門家を獲得するとともに、現職の技
術専門家を維持する戦略の策定を検討すべきである。
助言機関及び支援機関との連絡
法律は、原子力規制委員会が助言機関を設置し TSO と連絡することが可能であると定めている。原子
力規制委員会は、原子炉の安全に関する事項を調査審議する原子炉安全専門審査会と、核燃料物質の
32
安全に関する事項を調査審議する核燃料安全専門審査会を設置している。これらの委員会は原子力規
制委員会から要請された事項を審議する。放射線審議会が放射線障害防止の技術的基準に関する法律
に基づき設置されて、放射線障害防止のための技術的基準を調査している。この審議会は、原子力規
制委員会のみならず他の省庁や機関からの諮問に基づき審議し、答申する。委員会に加え、原子力規
制委員会は専門家グループを設置して助言を受けることができる。緊急事態に対する準備と対応の分
野で 1 つの専門家グループが設置されている。
委員会の設置とその委員の基準は法律に基づく。委員会運営の実務的事項は政令と委員会が定める運
営規則に記載されている。委員会は作業グループを設置できる。委員会又は専門家グループの助言を
受けることによって、原子力規制委員会がその責任を免れることはない。委員会の会議は公開である。
IRRS 対応者との面談において、廃棄物安全とセキュリティについての委員会の必要性が論議された。
原子力規制委員会はその活動と意思決定について支援を受けるため、TSO を使って自己の資源を補完
する。原子力規制委員会の主な TSO は JAEA の原子力安全研究センターと NIRS である。JAEA は原子
力安全研究を行って規制などへのインプットを提供し、NIRS は緊急事態等に関する放射線防護の分野
で原子力規制委員会を支援するための調査と研究を行っている。
NIRS と JAEA は、ともに文部科学省の所管組織である。どちらも、その施設と活動が規制対象である
ため原子力規制委員会から許認可を受けており、利害相反の可能性が指摘されている。JAEA は被規制
活動と研究活動を分離するとともにこれらの活動を監視する委員会を設けることにより、利害相反の
可能性を最小化するという個別的措置を講じている。NIRS も、その活動における利害相反の可能性を
監視する規制支援委員会を設けている。しかし、NIRS の活動では、核物質や放射性物質の使用を全研
究活動から分離するのは不可能であり、そのため、JAEA 内で確立されたものと類似した活動の分離は
実現不可能である。
研究テーマは、原子力規制委員会が関連機関から集められた情報をもとに毎年決める。計画中及び進
行中の研究分野は、東京電力福島第一原子力発電所事故に関するテーマ(発生した様々な種類の廃棄
物、臨界を回避するための燃料デブリの管理)、共通原因故障を引き起こす内的・外的事象(構造物
や機器の耐力、津波ハザード、火山の影響、電気アーク/火災)、核燃料サイクル(遮蔽解析、再処
理プラントの経年変化管理)、廃止措置により生じる中レベル廃棄物の最終処分、緊急事態に対する
準備と対応及び放射線防護(EAL、OIL を発動するための知識の向上)、保障措置、放射性同位元素の
クリアランス、発電用原子炉施設の経年変化(原子炉圧力容器の照射脆化、コンクリートの劣化、
ケーブル)等である。
3.5.
規制機関と許認可取得者との連絡
原子力規制委員会の許認可取得者との連絡は、その「原子力規制委員会の業務運営の透明性の確保の
ための方針」に定められている。この方針の主たる目標は、許認可取得者及びその他の利害関係者と
のコミュニケーションにおいて透明性を確保して公衆の疑念や不信を抑え、中立性と独立性を高める
ことである。原子力規制委員会は、この方針に従って高いレベルの透明性を確保しつつ、許認可取得
者とのコミュニケーションを強化することを図っている。
安全性向上と規制活動の改善について議論するため、原子力規制委員会と原子力発電所の上層幹部同
士の会議が定期的に開催されている。原子力規制委員会と規制対象機関の間では幹部以外のレベルで
も会議が開かれ、規制の実施や申請の審査状況などといった事項が議論されている。
許認可取得者/申請者からの提出物の審査を評価した後、原子力規制委員会はその所見を申請者と議
論するが、これは、公衆が出席可能でありインターネットで公表される公開会議と、原子力規制委員
会と申請者/許認可取得者の間での透明性の確保のための方針に従った面談(以下、面談という。)
33
という 2 形式のどちらかで行われる。規制上の決定は、公開会議でのみ下される。面談で規制上の決
定を下すことはできない。
これらの会議の議題と記録又は議事録は会議記録として取り扱われ、原子力規制委員会の透明性向上
のための取組の一環として公開される。IRRS チームは、過去数年間に数多くの会議が原子力規制委員
会と許認可取得者の間で開かれたと説明を受けた。許認可取得者の意見は多様であり、2 組織の間で問
題を共有し、その解決を促す上で、この仕組みの有効性について懸念もあった。
勧告、提言、良好事例
所見:IRRS チームは、過去数年間に数多くの会議が原子力規制委員会と許認可取得者の間で開催さ
れたとの情報を得た。許認可取得者の意見は多様であったが、2 組織の間で課題を伝達し、課題解決
を促す上で、その枠組の有効性について懸念も示された
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 22、4.26 項には「規制プロセスは規定された方針、原則及
び関連基準に基づき、マネジメントシステムで策定された規定手順に従った正式なプロ
セスとする。プロセスによって規制管理の安定性と一貫性を確保し、規制機関のスタッ
フ構成員個人の主観に基づく意思決定を防止しなければならない。規制機関はその決定
について異議を申し立てられた場合に、その決定を正当化できるものとする。規制機関
はその審査と評価及びその検査に関連して、その要件、判断及び決定の根拠となる安全
に対する目標、原則及びその関連基準を申請者に通知しなければならない」と定められ
ている。
(2)
根拠:SSG-12 の 2.30 項には「規制機関は当初申請とその後の申請の両方を含む許認可
申請を取り扱うための正式なマネジメントシステムを構築しなければならない。このシ
ステムでは、許認可取得者からの詳細情報を要求し、許認可取得者の申請に対して審査
と評価を実施し、適宜必要に応じて検査を実施するための取決めを規定すべきである。
このシステムでは、申請を受け入れるか否かの決定を下すための規制機関内の責任を定
義する。法的枠組みに従った適切な方法で決定を申請者又は許認可取得者に通知する。
許認可の交付に関連するすべての文書は、法的要件に従って施設又は活動の存続期間に
わたり、またこのような存続期間を超える指定期間にわたり記録及び保管するのがよ
い」と定められている。
S3
3.6.
提言:原子力規制委員会は、規制審査及び評価の結果を受けて、一層の規制上の期待事
項、現在の課題について、許認可取得者/申請者とのコミュニケーションに関するメカ
ニズムの有効性について評価することを検討すべきである。
規制管理の安定性と一貫性
原子力規制委員会の規制上の活動と決定は種々の法令、規則及び指令に沿ったものでなければならな
い。現時点で、原子力規制委員会の規制管理の安定性と一貫性は主に法律の規範的特性に依存してい
る。マネジメントシステムの実施を完了させることにより、規制上のプロセスと決定の安定性と一貫
性を確実に維持することが可能になる(勧告 R6 を参照)。
法律の変更は、利害関係者が意見を述べることによって参加できるプロセスに従って実施される。変
更結果は利害関係者に通知される。原子力規制委員会の決定は審査書として文書化され根拠が明確に
される。決定とその関連文書は機密情報(セキュリティ又は財産に関する情報)でない限り公表され
る。
34
3.7.
安全に関する記録
施設と活動の安全に係る適切かつ検索可能な記録を作成及び維持するための規定が法律に明記されて
いる。施設及び活動の原子力安全に関連する情報は、施設の存続期間中の諸段階における審査と評価
のために、原子力規制委員会に提出されなければならない。作成され提出された情報はデータベース
内に管理される。放射線源についても同様に、申請書及び通知書が行政文書として保管される。
炉規法及びRI法は、許認可取得者に対して必要な事項を記録し、施設内にこれらの記録を保管して
おくことを義務付けている。原子力規制委員会は必要に応じて検査を実施することにより、これらの
記録が作成・保管されていることを確認する。
原子力規制委員会は安全に係る活動の記録と登録簿を所有しているが、施設と活動の安全に係る適切
な記録を作成、維持及び検索可能とすることを、公式なプロセスとしてマネジメントシステムに記述
していない。許認可と検査の各プロセスで記録が効率的に利用されていない例を第 5 章と第 7 章に記
載した。
3.8.
利害関係者とのコミュニケーションと協議
原子力規制委員会はその透明性と開放性の確保に関する方針に従ってオープンに活動を行っている
(良好事例 GP1 及び GP2 も参照のこと)。原子力規制委員会は公開会議で決定を下し、その会議に関
連する資料はセキュリティと財産に関する情報に係る資料を除き公表される。規制要件や例えば方針
書などのその他の関連する規制文書を改正する際には、公衆や他の利害関係者の意見が求められる。
メディアは、原子力及び放射線の安全に関する事項について、原子力規制委員会委員長からは週に一
度の記者会見において、原子力規制委員会事務局報道官から週に二度の記者会見において、質問する
ことができる。他の関係省庁や行政機関、並びに原子力施設の近隣住民等との原子力規制委員会の連
絡調整やコミュニケーションは要請を踏まえて実施されている。
原子力規制委員会は、施設及び活動における故障や事故、異常事象に関する情報やその他の情報を、
許認可取得者、行政機関、国内と海外の機関、及び公衆に対して適宜公開する。一般的慣行として、
事業者が原子力規制委員会に対して事象報告書を提出すると、原子力規制委員会はプレスリリースを
発表する。原子力規制委員会では現在、緊急時に外部の承諾を得ずにプレスリリースを速やかに伝達
及び発表して、事故の安全上の重大性に関する情報を提供する能力と権限を所有している。情報提供
のその他の手段として、例えば原子力規制委員会のウェブサイトやソーシャルメディアがある。
原子力規制委員会は、許認可取得者が施設の運転又は活動の実施に伴って生じる可能性のある放射線
リスクについて公衆に知らせる規制要件を特に定めていなかった。しかしながら、電力会社は公衆、
メディア及び地元自治体からの期待に応じ、原子力発電所に関連するリスク、及び原子力発電所にお
ける事象に関する情報、また安全性公表評価の結果も公表している。例えば、原子力発電所の許認可
取得者は外的及び内的脅威に関する確率論的リスク評価結果を公表している。2013 年に導入された新
規制基準は許認可取得者に対し、安全性向上のための評価の結果を公表することを要求している。
3.9.
要約
全般的に、原子力規制委員会の責任と機能は IAEA の安全基準に適合している。原子力規制委員会はま
だ歴史の浅い規制機関であり、設立後の 3 年間にわたり組織上の大幅な成長と変化を経験している。
原子力規制委員会は、その人的資源、マネジメントシステム、及び特にその組織文化において、初期
段階にある。この問題は、東京電力福島第一原子力発電所事故を受けた新しい規制の策定、及び新し
い安全基準に従った原子力発電所の申請審査に伴う負担の大きい作業量と併せて、原子力規制委員会
にとって大きい課題となっている。
35
東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて、原子力規制委員会は原子力安全の強化を最優先するよ
うにその戦略を適応させている。これは重要であり、理解できるが、IRRS チームは放射線防護の問題
に対する優先度をより高くするように原子力規制委員会に対して勧告した。
原子力規制委員会がその法定義務を効率的にかつ一貫性を持って履行し、また、その資源を安全の程
度に相応して配分することを確実なものとするために、IRRS チームは、原子力規制委員会は分野横断
的なコアプロセスを実施し、年間活動の立案に際して利害関係者からの情報収集を強化し、そのパ
フォーマンスを測定し、組織構造の有効性を評価するためのツールを開発すべきであると勧告した。
人的資源の面では、原子力規制委員会は課された責任を果たすためにより多くの能力のある経験豊富
な職員が必要であることを認識しており、将来のニーズに応えるための対策を複数策定している。
IRRS チームは、原子力規制委員会は計画された活動を展開し実施するためのさらなる措置を講じると
ともに、原子力規制委員会の魅力を高めるための対策を導入することを勧告した。
36
4.
4.1.
規制機関のマネジメントシステム
マネジメントシステムの実施と文書化
原子力規制委員会は原子力規制委員会マネジメント規程を 2014 年に策定しており、この規程は原子力
規制委員会が遂行するすべての業務に適用され、関連する IAEA 及び ISO 規格を考慮に入れた上で原
子力規制委員会が自身のマネジメントシステムを確立するために対処すべき要件がこの規程に明記さ
れている。本マネジメントシステムは 2015 年 4 月から適用されている。原子力規制委員会は本マネジ
メントシステムを開発する中で、本マネジメントシステムを実施する中で考慮しなければならない核
セキュリティ文化に関する行動指針と原子力安全文化に関する宣言を策定している。原子力規制委員
会は原子力安全文化に関する宣言の策定過程において原子力規制庁職員から意見を聞き、その後同委
員会によって承認された。
原子力規制委員会マネジメント規程は、特定の分野(例えば、原子力規制委員会マネジメント規程実
施要領や、組織、訓練、透明性、内部監査、不適合、是正及び予防処置等に関する実施要領)に関し
て追加的な情報を提供する 12 の「関連規程類」によって補完されている。これらの規程類の中にはマ
ネジメントシステムの要素は明記されておらず、これらの要素は要領に通常、記述されている。
マネジメントシステム文書の階層構造の明確化、全体のプロセスマップの作成、マネジメントプロセ
ス、主要プロセス及び下位プロセスのリスト作成、並びにプロセス間のインターフェースの明確化を
含めて、原子力規制委員会はマネジメントシステムに関連する多くの問題に依然として対処しなけれ
ばならない。これらの活動の実施を通して、組織の壁を越えた一貫性のある規制プロセスの達成、及
びプロセスの文書化を含めたマネジメントシステム文書作成の効率化が直接的に図られる。
マネジメントシステムの文書化には、220 の運用要領が含まれる。マネジメントシステムの説明、組織
構造、職能的責任と説明責任、及び原子力規制委員会のプロセスの説明を記載した要領はまだ作成さ
れていない。業務マニュアル作成要領には、マニュアル作成方法の詳細が含まれている。
運用マニュアルの全体のうち約 40%はまだ作成中である。原子力規制委員会が実施する全活動を網羅
するために必要とされる運用要領の分析が行われていないため、運用要領のリストがまだ完全に仕上
がっていないと考えられる。IRRS チームは、原子力規制委員会の組織変更管理プロセス、安全文化を
促進、醸成及び評価するための活動の実施に関するプロセス、記録管理に関するプロセス、マネジメ
ントシステムのレビューを実施するプロセス、利害関係者からの期待事項の収集と対処に関するプロ
セスを含め、一部のプロセスが前述のリストから欠落している点を確認した。運用要領は様々なレベ
ルの案件を対処していると考えられ、中核的な規制プロセスを扱っているものもあれば(例えば、原
子力規制委員会の技術報告書を作成するためのガイドラインや検査要領等)、もっと実務に直結した
業務説明(例えば、タクシー券の使用方法等)を扱っているものもある。さらに、類似した手順が存
在しており、一部の領域で重複しているところも見られる。トップダウン方式によるマネジメントシ
ステムの開発を行うことによって、このような事例の特定と排除が可能になり、マネジメントシステ
ムがもっと利用しやすいものになる。
マネジメントシステムが原子力規制委員会における安全文化の醸成を適切に図ることを確実なものと
するために、組織内で講じるべき具体的措置を規定し、それらの実施状況を監視すべきである。IRRS
チームは、各課室等は自身の年次計画の策定に際して安全文化に関する表明を考慮に入れるように求
められていることを確認した。原子力規制委員会が設立された後、職員は原子力規制委員会における
安全文化醸成の必要性を認識するために、3 回の基本セミナーを受講した。その目的は、a) IAEA の国
際原子力安全グループ(INSAG)文書で示された安全文化に関連する課題、b) 米国や英国、ドイツな
どの一部の国での安全文化の課題への取組状況、及び c) 安全文化の醸成に対する日本の産業界の取組
状況、並びに東京電力福島第一原子力発電所事故調査委員会からの安全文化についてのコメント事項
37
に関する基本的概要を規制に関わる職員に提供することであった。現在、原子力規制委員会の職員は、
新規採用職員を除き、安全文化認識研修を受講していないが、このような研修が人材育成センターに
よって提供される予定である。原子力規制委員会では職員に対する安全文化調査を実施していなかっ
た。原子力規制委員会において安全文化のベースラインを設定することによって、今後の安全文化の
進展と向上を評価できるようにすべきである。IRRS チームは、IAEA が規制機関を対象とした安全文
化自己評価手法を既に用意していることを原子力規制委員会に伝えるとともに、安全文化の主要側面
が組織内で共有され、規制業務に適用されることを確実なものとするための具体的措置を策定するよ
うに奨励した。原子力規制委員会は 2 つの異なる経歴(「行政官」と「研究者」)を有する職員を対
象に組織文化を創造することを目指している比較的新しい組織であるため、これは重要である。なお、
2 つの異なる経歴は処遇に反映されている。
原子力規制委員会はその活動の一部に等級別扱いを適用しているが、規制活動の実施やマネジメント
システム関連文書の作成にあたってマネジメントシステム要件をどのように段階的に適用するかを示
したガイダンス文書は存在しない。このようなガイダンスがないため、規制活動の実施(例えば、各
種の施設や活動の審査と評価及び検査の調和等)やそれらの実施結果のレベルに不一致が見られる場
合がある。さらに、これは現在作成中であるか又は今後作成される予定のマネジメントシステム文書、
並びにこれに関連する確認及び承認活動に影響を及ぼすと考えられる。
原子力規制委員会は、自身の自己評価及び改善措置計画において、マネジメントシステムの構築にお
いて、さらなる改善が必要であることを認識している。IRRS チームは今後講じるべき複数の措置につ
いて原子力規制委員会の代表者と意見を交わし、様々な規制機関がどのようにマネジメントシステム
が開発してきたのか、その事例を紹介した。
勧告、提言、良好事例
所見:原子力規制委員会は、自己評価において、マネジメントシステムの構築において改善が必要
な部分があることを認識している。マネジメントシステム文書の構成が、規制への取組の一貫性を
適切に確保するものとなっていない。原子力規制委員会の組織運営管理・業務管理、規制及び支援
プロセスは、すべてが文書化されているわけではない(研修及び再研修プログラム等)。組織変更管
理、安全文化を推進、醸成及び評価するための活動の実施、記録管理、マネジメントシステムのレ
ビューの実施、利害関係者からの要望事項の収集とこれらへの対応等を含め、欠落しているプロセ
スも存在する。規制活動の実施とマネジメントシステム関連文書の作成において、等級別扱いが一
貫して適用されていない。
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 19 には「規制機関は、安全目標と整合し、その目標達成
に寄与するマネジメントシステムを確立し、実施し、また、それを評価かつ改善しなけ
ればならない」と定められている。
(2)
根拠:GS-R-3 の 2.5 項には「組織はそのマネジメントシステムの要求事項を効果的に満
たしていることを実証できるようにしなければならない」と定められている。
根拠:GS-R-3 の 2.6 項には「マネジメントシステム要求事項の適用は、以下を考慮する
ことにより、適切な資源を配備するように等級分けされなければならない。
各製品又は活動の重要度と複雑さ
(3)
(4)
各製品又は活動の安全、健康、環境、セキュリティ、品質及び経済性に係る潜
在的影響(リスク)の大きさ及び危険性
製品が故障したり、あるいは活動が間違って実行された場合の起こりうる影響
度」と定められている。
根拠:GS-R-3 の 2.8 項には「マネジメントシステムの文書には……業務をどのように準
備し、レビューし、実施し、記録し、評価し、改善するかを説明するプロセス及び補足
する情報の記述を含めなければならない」と定められている。
38
勧告、提言、良好事例
(5)
根拠:GS-R-3 の 6.1 項には「マネジメントシステムの有効性は、意図された結果を達成
するためのプロセスの能力を確認し、改善の機会を特定するために、監視・測定されな
ければならない」と定められている。
R6
勧告:原子力規制委員会は、所掌業務を遂行するために必要なすべての規制及び支援プ
ロセスに対する統合マネジメントシステムを構築し、文書化し、完全に実施すべきであ
る。マネジメントシステムには等級別扱いを一貫して適用し、文書・製品・記録の管
理、及び変更管理などの組織共通のプロセスを組織内すべてに展開すべきである。改善
の機会を特定するために、包括的な方法で原子力規制委員会マネジメントシステムの有
効性を監視及び測定するようにすべきである。
勧告、提言、良好事例
所見:先に公表された原子力安全文化に関する宣言を維持するため、規制活動における高度な安全
文化を推進及び持続するための具体的な対策が策定、実施されていない。
根拠:GS-R-3 の 2.5 項にはマネジメントシステムは、以下によって強固な安全文化を促
進しかつ支援するために用いられなければならない。
組織内での安全文化の主要局面について共通の理解を確実にする。
(1)
S4
4.2.
要員、技術及び組織の間の相互作用を考慮に入れて、要員やチームが業務を安
全にかつ成功の内に遂行できるように組織が支援するための手段を提供する。
組織のあらゆる階層において学習しかつ問いかける姿勢を強化する。
安全文化を醸成しかつ改善しようと、組織が継続的に努めるための手段を提供
する」と定められている。
提言:原子力規制委員会は、自らの活動の実施において高度な安全文化を促進かつ持続
するために、意識啓発研修又は意識調査などの具体的な対策を導入することを検討すべ
きである。
マネジメントの責任
マネジメントシステムに対する全責任は原子力規制委員会に課される。総務課にマネジメントシステ
ム推進室が設けられ、このマネジメント推進室長は、原子力規制委員会と連携を担う長官の直轄の指
揮命令系統下に入る。IRRS チームは、このマネジメント推進室の責務は内部監査機能を強化するよう
に拡充されるという説明を受けた。この件については、2016 年 1 月 13 日に開催された原子力規制委員
会定例会でも議論された。原子力規制委員会の組織理念の推進のため、行動指針や宣言が記載された
カードが原子力規制委員会スタッフ全員に配布されている。
IRRS チームは、本マネジメントシステムのさらなる開発を適切に図るためには、原子力規制委員会の
委員を含めた原子力規制委員会幹部の定期的かつ積極的な関与が必要であると考えている。このよう
な関与によって、各種の施設や活動に影響を与える規制プロセスの特定と効率化が可能になる。
原子力規制委員会では、中期計画と年度計画を策定しているが、それらは利害関係者とのコミュニ
ケーションを含んでいない。産業界及び運転者とのコミュニケーションを通じて許認可取得者から将
来提出される主要な要求を特定することによって、計画プロセスで作業負荷を見積もる上で有益とな
る場合もある。こうした取組により、原子力規制委員会は、適時に対応するため、また、状況に応じ
て資源を配分するためのよりよい準備を整えることができる。(勧告 R4 を参照)。
39
原子力規制委員会の年度計画には検査活動に係る目標が含まれているが、数量的・定量的な目標や規
制審査に関する活動の説明は年度計画に反映されていない。IRRS チームは、業績目標は個々の目標に
基づいて評価されるところを確認した。原子力規制庁職員の業績目標は年次計画策定プロセスの一環
として定められており、自己評価及び直属の管理職によるレビューを通じて業績達成度が評価されて
いる。
IRRS チームは、現時点で、次年度のマネジメントシステム関連活動について具体的な計画がない点
(2016 年 3 月開始)についても確認した。このような活動は、事業戦略計画に対するレビューを実施
した後で明確化される。IRRS チームは、今後さらに実施を進めなければならないマネジメントシステ
ム関連作業の範囲を考慮に入れた上で、包括的計画を策定し、その実施状況を監視するとともに、そ
の結果を原子力規制委員会の幹部に報告すべきと考えている。
本マネジメントシステムには、利害関係者の期待事項を考慮に入れるメカニズムを含めるようにし、
当該情報を収集及び分析するための特定プロセスの開発にこれを反映させるべきである。利害関係者
から収集した情報は、マネジメントシステムの継続的改善を実現するための情報となる。原子力規制
委員会は、利害関係者から収集した期待事項を収集し、これらに対処するための正式なプロセスを有
しておらず、本件に関する調査も実施していなかった(勧告 R6 を参照)。
勧告、提言、良好事例
所見:原子力規制委員会は、複数年で自らのマネジメントシステムの構築を完了させることを計画
している。マネジメントシステムの構築は原子力規制委員会の優先事項の 1 つと認識されているに
もかかわらず、その作業は特定プロジェクトとされておらず、通常の原子力規制委員会年度計画の
中に記述されているにすぎず、具体的な中長期目標の設定や長期的な資源計画策定はなされていな
い。
4.3.
(1)
根拠:GS-R-3 の 3.1 項には「すべての階層における管理者は、マネジメントシステムの
確立、実施、アセスメント及びそれを継続的に改善することに対する各自のコミットメ
ントの証拠を示し、かつ、それらの活動を実施するために適切な資源を割り当てなけれ
ばならない」と定められている。
(2)
根拠:GS-R-3 の 3.8 項には「シニアマネジメントは、組織の方針と一致した事業目標、
戦略、計画及び個別目的を設定しなければならない」と定められている。
(3)
根拠:GS-R-3 の 3.11 項には「シニアマネジメントは、これらの目標に対する計画の実
施状況が定期的にレビューされ、必要に応じて計画からの逸脱に対処するために措置が
取られることを確実にしなければならない」と定められている。
S5
提言:原子力規制委員会委員は、マネジメントシステム構築に特化した複数年計画の策
定に着手し、その実施状況を定期的に審査することによって、このプロジェクトに対す
る各委員のコミットメントを示し、マネジメントシステムの実施に関する戦略的アプ
ローチを検討すべきである。
資源のマネジメント
原子力規制委員会のマネジメントシステム文書には、長期的な資源管理に関するプロセスの記述が含
まれていない(勧告 R6 を参照)。
マネジメントシステム推進室は 1 名の管理職、2 名の常勤職員、1 名の非常勤職員で構成されており、
さらに 3 名の職員が追加配属される予定になっている。原子力規制委員会は、マネジメントシステム
の構築、維持及び改善を担当する資源が十分に確保され続けるかどうかをさらに監視及び評価すべき
である(勧告 R4 を参照)。
40
4.4.
プロセスの実施
原子力規制委員会では、運用要領の作成に用いられる業務マニュアル作成要領を策定した。220 の要領
には複雑度が種々に異なる情報が掲載されるか又は掲載される予定である点を考慮すると(第 4.1 章を
参照)、文書の一貫性を確保するためにこの作成要領を利用することは非常に困難であると考えられ
る。
原子力規制委員会は、自身のすべてプロセスに対応するマネジメントシステム要領やその関連文書を
作成していない。原子力規制委員会のマネジメントシステムの階層構造(例えば、手続きや業務説明
等)が明確化された時点で、各プロセスおいて明確化する必要のある要素(例えば、要件、リスク、
相互作用、入力、プロセスの流れ、出力、記録、測定基準等)をマネジメントシステム文書に明記し
なければならない。
必ずしもすべてのプロセスが特定され、文書化されてはいないマネジメントシステムの現状を踏まえ
ると、各原子力規制委員会プロセスに対する責任と権限の割り当てについては、将来、最終的な明確
化がなされるようにしなければならない。
主要な規制プロセス(例えば、原子力規制委員会が規制する全施設に適用される検査)のプロセス管
理者は、組織レベルで明確化されていない。現在のプロセス管理者はその大部分が各部の部長である
ため、その責任範囲外の他の施設に影響する変更を提案及び実施することが困難であると考えられる
(勧告 R6 を参照)。
安全に関する記録の管理に関連する要件はマネジメントシステム文書に明記されている。原子力規制
委員会は、記録の保持期間や記録が読みやすく利用可能であることを確実にするために使用される媒
体を含めて、原子力規制委員会のマネジメントシステムと記録をどのように関連付けるのかを定めた
プロセスやこのプロセスをどのように管理するのかを定めたプロセスをまだ文書化していない。本件
に関しては、原子力規制委員会の特殊性を反映していない行政機関共通に適用される規則のみが存在
する。記録管理は一般的なマネジメントシステムプロセスの 1 つであるため、他の規制プロセスを支
援するためにこれを明確に規定することによって、意思決定の一貫性と(規制機関の)認識・理解の
維持を確保すべきである(勧告 R6 を参照)。
原子力規制委員会ではその設立以降、2 回の組織変更が行われた。これらの変更は同委員会によって承
認されたが、それは、このようなレベルの承認が文書管理規則に定められていたためである。IRRS
チームは、原子力規制委員会が、安全上の重要性に応じて組織変更を評価し、等級別に分類するため
のプロセスやこれらの実施を監視するプロセスを文書化していないことを確認した。(勧告 R6 を参
照)。
勧告、提言、良好事例
所見:原子力規制委員会は、マネジメントシステム全体をマニュアルなどの単一の文書で示してい
ない。さらに、階層構造となっておらず、形式が統一されずに策定されているプロセスが 200 以上
存在する。異なる施設や活動の検査に対して類似プロセスについて、多くの場合、一貫性を確保す
るための公式な調整がなく、個々の担当部局の裁量で、異なるプロセスが策定されている。
(1)
根拠:GS-R-3 の 2.8 項には「マネジメントシステムの文書化は、以下を含まなければな
らない。
……
マネジメントシステムの記述
……
業務を運営管理する者、実施する者、アセスメントする者の職務責任、説明責
41
勧告、提言、良好事例
任、権限レベル及び相互関係に関する説明
業務をどのように準備し、レビューし、実施し、記録し、アセスメントし、か
つ改善するかを説明するプロセス及び補足する情報の記述」 と定められてい
る。
4.5.
(2)
根拠:GS-R-3 の 2.9 項には「マネジメントシステムの文書化は、それを利用する人理解
できるように構築されなければならない。文書は、利用する時点で読みやすく、容易に
識別可能で、かつ使用可能でなければならない」と定められている。
S6
提言:原子力規制委員会は、マネジメントシステムが、使用しやすく、規制活動の効果
的で一貫した実施を図れるようなものにするため、マネジメントシステムを階層構造に
することを検討すべきである。各プロセスについて、その要件、リスク、相互作用、入
力、プロセスの流れ、出力、記録及び測定基準を含めて具体的な説明を記述したものを
統一された形式で作成することを検討すべきである。
測定、評価及び改善
原子力規制委員会のマネジメントシステムは、最近導入されたものであり、本格的に実施されていな
いため、その有効性を評価するための情報量は限られている。
マネジメントシステム推進室はこれまで 3 回の内部監査を実施しており、近い将来この職務が正式に
割り当られ予定である。原子力規制委員会は 2015 年度に 5 回の内部監査を実施する計画を立てている。
原子力規制庁職員は定期的に自己評価を実施しており、その結果は記録されている。
最初の原子力規制委員会マネジメントレビューは 2016 年 3 月に予定されている。しかし、原子力規制
委員会には、マネジメントレビューの実施方法を示すプロセスを文書化していない。
IRRS チームは、原子力規制委員会が内部監査の結果を記録し、是正措置を管理するためのデータベー
スを開発することを計画していることを確認した。IRRS チームは、例えば、マネジメントレビューで
のインプットとして、包括的な情報が利用されるようにするため、あらゆる形式の評価から得られた
結果をデータベースに含めることを提案した。
現在、原子力規制委員会では職員からの意見を募るための提案箱を設けているが、提案件数は限られ
ている(10 件)。IRRS チームは、マネジメントシステム改善プロセスへの職員の参加を促進するため
に、さらなる促進活動が実施されるべきと考えている。
マネジメントシステム全体の有効性を測定、評価及び改善するために必要な一連の活動の実施を一層
推進することが必要であり、あらゆる形式の評価から得られた結果を確認するとともに、原子力規制
委員会の権限を効率的かつ効果的に行使できるようにすべきである(勧告 R6 及び提言 S5 を参照)。
4.6.
要約
原子力規制委員会は、原子力規制委員会マネジメント規程の制定や原子力安全文化に関する宣言の発
出、核セキュリティ文化に関する行動指針の制定、マネジメントシステム推進室の設置等マネジメン
トシステムの確立に向けた取組を進めている。
原子力規制委員会は、マネジメントシステム文書の階層構造の明確化、マネジメントシステム運用要
領、プロセス全体のマップ、マネジメントプロセスや主要プロセス及び下位プロセスのリストの整備、
プロセスインターフェースの明確化、並びに全プロセスを対象とする関連文書の作成などを含め、自
身のマネジメントシステムを最終的に完成するために数多くの問題に依然として対処しなければなら
42
ない。これらの活動を完了させることにより、組織の境界を越えた一貫性のある規制プロセスが可能
となり、マネジメントシステム文書作成の効率化が直接的に図られることになるだろう。
原子力規制委員会における安全文化の醸成がマネジメントシステムによって適切に図られることを確
実なものとするには、組織内で具体的に講じるべき措置を規定し、その実施状況を監視すべきである。
このような措置の中には、職員の意識啓発研修及び意識調査などを含めるべきである。
統合マネジメントシステムの構築を完了させて、これを確実に実施するために、原子力規制委員会委
員は、マネジメントシステム開発に特化した複数年計画の策定に着手し、その実施状況を定期的に審
査することによってこのプロジェクトに対する各自のコミットメントを示しつつ、マネジメントシス
テムを実施するような戦略的アプローチを導入することを検討すべきである。
43
5.
5.1.
許認可
一般的事項
炉規法及びRI法では許認可申請を補足するために、申請者に対して規制対象の施設又は活動の安全
を立証する文書を原子力規制委員会に提出することを義務付けている。これらの文書は、等級別扱い
に基づいて施設又は活動の種類に応じて異なっている。
原子力施設に対して炉規法では施設の建設と運転を行うために要求される許可と認可を規定している。
この法令では、施設の許認可を行い、それを取り消し、又は施設の運転停止する権限を原子力規制委
員会に付与している。この法令に定められている主要な許認可手続きは、以下のとおりである。
設置許可。この許可申請には立地、施設の基本的設計、及び申請者の能力が含まれる。
工事計画の認可(工事の開始前)
保安規定の認可(施設運転の開始前)
。保安規定には、運転上の制限、保守、供用期間中検査、
施設の試験、事故(シビアアクシデントを含む)対策、規制機関に報告する重大な安全上の
問題に関する要件、並びに運転経験(例えば、運転安全評価レビューや根本的原因分析手法
等)を得ることと必要に応じそれらを他の許認可取得者と共有するための要件が定められて
いる。
発電用原子炉施設の運転期間の延長(40 年以上)の認可
廃止措置計画の認可(廃止措置の開始前)
廃止措置完了の確認(第 1.7 章を参照)
各種の申請を審査する期間に加えて、法令では許認可するために満たすべき主要基準も規定されてお
り、さらに原子力規制委員会に対する事前届出又は原子力規制委員会による認可が必要なプラントの
改造又は保安規定の修正に対処するためのプロセスも定められている。軽微なものを除き、改善や変
更はすべて原子力規制委員会の事前許認可を必要とする。
許認可取得者が提出する情報には、技術面、安全評価(設計基準事故とシビアアクシデントを対象と
する)、組織面(技術的能力と品質保証を含む)、及び資金源に関する情報が含まれる。提出を求め
られる情報は、等級別扱いを考慮に入れ、主に政令や原子力規制委員会規則などの各種の法的拘束力
のある文書で定められている。原子力規制委員会から発行され、公開されている文書にも、これらの
付加的な詳細情報が記述されている。原子力規制委員会ではその自己評価において、品質保証計画が
設置許可申請に含まれるべきであり、初期廃止措置計画が供用期間を通じて更新されるべきであると
認識している。
許認可取得者は燃料装荷の前に、重要な安全対策の概要を明記した保安規定を原子力規制委員会に提
出し、認可を受けることが義務付けられている。これはその後、施設が予定どおりに安全限度の範囲
内で運転されていることを原子力規制委員会が確認する際に使用され、保安規定の内容を変更する場
合にも、変更申請書の提出と原子力規制委員会による認可が必要である。保安規定にはプラントパラ
メータに加えて、許認可取得者の運転体制とそのような運転体制を確実にするために必要な能力を定
めた規程が詳しく記載されている。
保安規定を変更する場合も同様に原子力規制委員会による承認が必要である。施設の供用開始の許認
可に先立って、施設の工事が設計意図を満たしていることを確認するため原子力規制委員会は施設の
使用前検査を実施している。
設置許可の実施などの重要な許認可は、一般公開された公式会議である原子力規制委員会によって決
定される。原子力規制委員会は、通常、背景、原子力規制委員会審査の結論及び原子力規制委員会の
44
決定案とともに非常に簡潔な概要を作成している。通常は、原子力規制委員会委員長がこの会議の議
長を務め、原子力規制庁職員による書面による概要説明が行われる。原子力規制委員会委員は各自の
見解を述べ、原子力規制庁職員に質問する。審議の結果、原子力規制委員会委員は決定案を承認する、
又は原子力規制庁職員が委員の意見を考慮して議題に関する対応案を変更し、決定を次回以降の会議
まで先送りする場合がある。
IRRS チームは、原子力規制委員会のガイドラインに基づき、重要度の低い変更については一部の認可
を原子力規制庁長官又はその他の幹部の専決にできることを確認した。
原子力規制委員会はその審査を終了し、申請に対して結論を下した場合には、その決定を原子力規制
委員会の公式ウェブサイトに公開するとともに、申請者に通知している。原子力規制委員会の手法は
原子力規制委員会の要求を満たすように申請者に対してその申請を補正させるものであるため、設置
許可又は認可に条件を添付することを原子力規制委員会は実施していない(原子力規制委員会の設立
後以降に許認可条件は交付されてない)。そのため、許認可は一般的に非常に簡潔な(1 ページの)書
簡の形式で交付される。なお、炉規法では設置許可に条件を付することができ、原子力規制委員会は
許認可取得者に対して保安規定を変更するように命令することができる。法律では、原子力規制委員
会による工事計画による認可又は発電用原子炉施設の場合は 40 年を超える運転に対する原子力規制委
員会による認可に対しては、このような規定は適用されていない。このため、原子力規制委員会が申
請却下すると、申請者は新規の又は修正した申請の提出を余儀なくされるという結果になる可能性が
ある。これが原因で遅延が生じることがあり、認可に条件が含まれていれば、このような遅延は回避
されることになる。
原子力規制委員会では「原子炉主任技術者」、「核燃料取扱主任者」又は「放射線取扱主任者」など、
許認可取得者の組織の特定の職位に対して証明書の発行も行っている。日本の規制法では施設の許認
可プロセスと許認可取得者の組織の特定職位に加えて、一部種類の原子力施設について溶接方法(原
子力施設の許認可取得者に対してではなく、溶接業者に対して)についても原子力規制委員会による
認可を要求している。原子力規制委員会では、効率的な許認可を行うため、特定の機器について型式
証明を発行する場合もある。
許認可プロセスに関し、損傷している東京電力福島第一原子力発電所に対しては、その適正な規制監
督及び管理を確実に行うために特別の規定が定められている。東京電力福島第一原子力発電所に対し
ては今後も特別な管理上の取組が継続されると見込まれており、原子力規制委員会ではこの特別の状
況に対して適切な対策を確実に導入できるように、炉規法に基づいて 2012 年 11 月 7 日にこのプラント
を「特定原子力施設」に指定した。
5.2.
発電用原子炉施設の許認可
日本で新規原子炉の供用を開始するには、事前に下記の 4 つの許認可を取得することが必要である。
原子炉施設の基本的設計とその立地に関する安全評価の審査を含む設置許可
プラントの詳細設計の審査を伴う工事計画の認可
原子炉で使用される燃料集合体の設計の審査を伴う燃料体設計の認可
保安規定の認可
炉規法とこれに関連する原子力規制委員会規則(実用炉規則、実用発電用原子炉及びその附属施設の
技術基準に関する規則(以下「実用炉技術基準規則」という。)、実用発電用原子炉に係る発電用原子
炉設置者の設計及び工事に係る品質管理の方法及びその検査のための組織の技術基準に関する規則
(以下「設工認品質管理規則」という。)等)には、対応する規制要件と規制プロセスが規定されてい
る。
45
原子力規制委員会では原子炉施設が認可された計画に従って建設及び燃料加工されていることを確認
するために、使用前検査と燃料体検査も実施している。
原子炉設置許可
申請者又は許認可取得者は原子炉施設の立地を決定する際に、申請した立地場所で発生する可能性の
ある外的事象の調査を十分に実施し、これらをその設計で考慮に入れることが要求されている。原子
炉設置許可を取得するための手続きの一部として、申請した原子炉施設が社会と環境に及ぼす影響を
評価する。さらに、他の大規模工業施設と同様に、環境影響評価を実施する義務もある。
設置許可を取得するための安全審査は原子力規制委員会によって行われる。このような許可を与える
前に、原子力規制委員会は下記の作業を行わなければならない。
申請者が当該施設を建設し、当該施設を安全かつ効率的に運転し、シビアアクシデントの発
生を防止する技術的及び人的能力を所有していることを確認する。
施設が平和的利用目的以外に利用されるリスクがないという確証を得るために、原子力委員
会と協議する。
原子炉設置許可には有効期限が定められない。ただし、改正された炉規法では 40 年の運転期限が規定
されている。原子力規制委員会から認可を得れば、この期限をさらに最大 20 年延長することができる。
工事計画と燃料集合体設計の認可
許認可取得者は設置許可を取得した後で、建設を開始する前に工事計画の認可を原子力規制委員会か
ら受けなければならない。申請する情報には下記のような情報が含まれている。
原子炉、核燃料物質の取扱いと貯蔵に係る施設、原子炉冷却系、計測制御系、放射性廃棄物
処理施設、放射線管理及び原子炉格納施設に関する説明
プラントの詳細設計に基づく安全評価。これは例えば、耐震性や耐震強度など、申請書が提
出される装置に対する安全に関連する設計特性を対象とする。
原子力規制委員会の実用炉設工認品質管理規則に適合する品質管理手法及び検査設備
原子炉に装荷される燃料体の設計について原子力規制委員会の認可が必要である。申請者は、燃料体
の設計について認可を申請する際には、特に燃料体の構造、熱・放射線・腐食に対する耐性などの燃
料体の特徴、及び品質保証対策などを明記した書類を添付する必要がある。
運転の許認可
許認可取得者は原子炉の供用開始に先立って、下記の手続きを行わなければならない。
保安規定を提出し、原子力規制委員会の認可を受ける。その後、許認可取得者は保安規定を
遵守しなければならない。
原子力規制委員会による使用前検査を受ける。
運転上の制限のみならず、設計基準事故、火災、内部溢水、シビアアクシデント又は大規模損壊の発
生時に原子炉の安全を確保するための対策を保安規定に明記しなければならない。製品やサービスの
外部調達、運転安全文書及び記録の管理、安全活動における教育及び訓練コースを含めた、品質保証
対策及びマネジメントシステムの側面も含まれる必要がある。高経年化対策に関しては、30 年以上原
子炉を運転している許認可取得者に対して、安全上重要な機器の高経年化の評価に基づき今後 10 年の
期間における保全対策をその保安規定に記載することが義務付けられている。
46
原子炉に装荷される燃料体は、原子力規制委員会による燃料体検査に合格しなければならない。
定期安全レビュー及び安全性の向上のための評価
許認可取得者は、それぞれの定期施設検査の後に、「安全性の向上のための評価」を実施することが
現在義務付けられており、最新の(国内及び海外の)科学的・技術的知見を考慮した安全評価を再度
実施して、より詳細な分析を 5 年ごとに実施することが要求されている。許認可取得者からの報告書
の最初の提出は 2017 年半ばになると見込まれている。原子力規制委員会では許認可取得者が報告書に
記載することを求めている内容を詳述したガイドラインを作成している。このガイドラインには耐震
性評価や確率論的評価、機器条件、高経年化対策などの特定項目を記載し、及び IAEA SSG-25 を参照
しているが、機器の性能検定などの IAEA SSG-25 の一部の要素は明記されていない。許認可取得者は
その改訂した安全解析書の代わりに定期安全評価報告書を提出することが要求されている。さらなる
対策を施すべき自然災害やその他の重要な課題が確認された場合には、許認可取得者は必要に応じて
設置許可を変更するための申請を提出することが義務付けられている(勧告 R11 を参照)。
許認可取得者は、自身の調査の結果として、規制要件を遵守するために必要な最低限の対策以上の
「自主的対策」と呼ばれる対策を明記しなければならない。
40 年超運転
炉規法には 40 年の運転期間が規定されているが、原子力規制委員会の認可によってこの期間をさらに
20 年延長することが可能である。施設の運転期間の延長申請を裏付けるために、申請者はプラントの
現状を詳細に評価し、特に劣化を検出するために「特別な検査」を実施し、劣化の技術的評価を行い、
延長期間におけるその保全及び管理方針を明記しなければならない。
IRRS チームは、許認可取得者は発電用原子炉施設の高経年化対策を講じる必要があり、これに対して
原子力規制委員会は並行して行われる場合のある 3 つの規制プロセス、つまり 30 年以上運転されてい
るプラントの保安規定の変更、安全性の向上のための評価、40 年を超える運転期間延長の認可におい
て、その対策を確認していることを確認した。原子力規制委員会は認可プロセスの重複を認識してい
るが、30 年を超える運転の高経年化に関するもの及び 40 年超運転に関するものの審査は原子力規制委
員会内の同じグループによって実施されるとしている。ただし、このグループは安全性の向上のため
の評価には関与していない。
勧告、提言、良好事例
所見:許認可取得者は発電用原子炉施設の高経年化対策を講じる必要があり、これに対して原子力
規制委員会は並行して行われる可能性のある 3 つの規制プロセス、つまり 30 年以上運転されている
プラントの保安規定の変更、毎定期施設検査後に提出される安全性の向上のための評価、40 年超の
運転期間延長の認可において、その対策を確認している。原子力規制委員会は認可プロセスに重複
があることを認識している。それぞれの規制プロセスの目的にはいくつかの差異がある。
(1)
根拠:SSG-12 の 2.6 項には「規制活動の効率的進行を促進するために、許認可プロセス
は体系的に設定されるべきである」と定められている。
S7
提言:原子力規制委員会は、発電用原子炉施設の高経年化対策に係る 3 つの既存規制プ
ロセスのインターフェース及び全体としての一貫性を改善することを検討すべきであ
る。
施設の改造管理
実用炉規則では許認可取得者が施設を改造する場合に必要な措置(保守及び管理とその実施計画の作
成等)を講じることを義務付けており、原子力規制委員会は保安規定の認可を行う際にこのような許
47
認可取得者の措置を確認している。炉規法では許認可取得者に対して設置変更の許可を原子力規制委
員会から取得するか、又は当該の改造が規制要件への適合性に影響しないことが明確な場合には当該
の改造を原子力規制委員会に届出することを要求している。同法では、工事の開始に先立って原子力
規制委員会に工事計画の認可を得るか、又は当該の計画を原子力規制委員会に届出ることを許認可取
得者に義務付けている。プラントの改造を届出する場合、許認可取得者は改造を行う 30 日前にその改
造を原子力規制委員会に届出る。
東京電力福島第一原子力発電所事故の後に停止した発電用原子炉施設の再稼働に先立つ新規制基準適
合の許認可
東京電力福島第一原子力発電所事故後、日本の発電用原子炉施設はすべて稼働を停止し、シビアアク
シデントを防止し、その発生時には影響を緩和し、また自然災害に対する施設の防護を強化するため
の対策の明確化と実施を行った。この事故から学んだ教訓に基づいて炉規法も改正され、下記のよう
な重要な要件が新規に導入された。
共通原因故障を引き起こすおそれのある自然災害(津波や地震等)に対する防護対策を強化
する。
シビアアクシデントを防止及び緩和するための対策を強化する。
発電用原子炉施設の再稼働のために、2013 年半ば以降に 19 件の申請が提出され、原子力規制委員会は
そのうちの数件の審査を完了している。その結果、5 つの原子炉(川内 1 号機及び 2 号機、伊方 3 号機、
高浜 3 号機及び 4 号機)は設置変更許可を取得し、これらの一部は工事計画と保安規定の認可を得て
いる。このような状況に伴い、安全に係る原子力規制委員会の判断が重要であること及び多くの申請
に対して並行して許認可手続きを進める必要性があるため、原子力規制委員会はこれまでにない課題
に直面した。
現在進められている原子炉の新規制基準適合性申請の審査に関しては、原子力規制委員会の決定が、
許可であれ不許可であれ、いつ行われるのかが明らかになるよう、多くの利害関係者がスケジュール
が明確になることを望んでいる。
再稼働の申請を裏付ける安全解析書の内容に関しては、IRRS チームは、シビアアクシデント状況下に
おける現場での措置の実施可能性に関する広範な情報が提供されていることを確認した。例えば、使
用する経路や当該措置を実施するための所要時間を説明する詳細な情報が記載されている。
5.3.
試験研究炉施設の許認可
現在、日本で試験炉はすべて運転されておらず、大部分は 2011 年 3 月以降運転されていない。そのう
ち 14 基は長期停止状態にあり、8 基は廃止措置に入っている。
炉規法で規定されている主要な許認可は、第 5.1 章に示すように「設置許可、工事計画認可、保安規定
認可、及び廃止措置計画認可」である。
保安規定の変更を含む各種の許認可プロセスも同様に第 5.1 章に明記されている。第 5.1 章は第 5.2 章
の発電用原子炉施設と類似しているが、これは等級別扱いに基づいている。
炉規法と関連する原子力規制委員会規則、及び試験研究炉ガイド(試験研究の用に供する原子炉等の
設置、運転等に関する規則(以下、「試験炉規則」という。)、試験研究の用に供する原子炉等にお
ける保安規定の審査基準(以下、「試験炉保安規定審査基準)という。)、試験研究の用に供する原
子炉等の位置、構造及び設備の基準に関する規則の解釈(以下、「試験炉設置許可基準解釈」とい
う。))には、該当する安全規制要件が定められている。
48
原子炉設置許可に有効期限は定められていない。しかし、試験炉の技術基準に関する原子力規制委員
会規則を試験炉が適合していない場合、原子力規制委員会はその運転許可を取り消す又は運転の停止
を命じることができる。許認可取得者に対しては、現在、最新の科学的・技術的知見を考慮した「定
期安全レビュー」を 10 年ごとに実施することを義務付けている。
現在まで、許認可プロセスに公衆は参加していない。試験研究炉の運転再稼働に先立つ許認可に対す
る公衆の参加については、原子力規制委員会が現在検討を進めているところである。
試験研究炉施設の再稼働のため、申請が 2014 年半ば以降原子力規制委員会に提出されており、原子力
規制委員会は現在これらの申請の審査を進めている。
5.4.
核燃料サイクル施設の許認可
日本の主要な核燃料サイクル施設は、濃縮、核燃料加工、及び使用済燃料再処理、現在建設中の使用
済燃料中間貯蔵施設の施設がある。炉規法とこれに関連する法的枠組みでは、このような核燃料サイ
クル施設すべてが許認可プロセスを踏まえることが義務付けられており、これによって施設の運転者
(事業者)となる者が施設のライフサイクルの主要な各段階に入る前に原子力規制委員会からの許認
可を得ることが常に求められる。この法律の条項には、当該施設の各段階の許認可の手続きが明記さ
れ、そこではそれぞれに固有の要件が定められている。最初に、特定されたサイト及び施設に対して
申請者が「事業の指定又は許可」を受けることが要求される。
許認可取得者は核燃料サイクル施設の設計と工事に関する許認可を原子力規制委員会から取得しなけ
ればならない。規則には、関連するプロセス、関連する構造物及び設備が詳述されており、これらの
性能と関連する主要な運転上の制限を、妥当性の説明とともに、シビアアクシデントに対して適切に
考慮に入れることの必要性が明記されている。申請の内容は、核燃料サイクル施設の種類に応じて異
なり、また妥当性を説明する範囲を決める条件について、各規則は、異なる条項への適合性を求めて
いる。これは、等級別扱いの適用を示している。原子力規制委員会では核燃料サイクル施設に対して
交付される許認可に一切条件を付していない。
使用済燃料の中間貯蔵に関しては、原子力規制委員会が規則の限られた条項に適用する限定された条
件で許認可がなされることを確認した。これは、貯蔵キャスクの設計に関する限定許可の一例であり、
残りの条項に適合することを十分に実証することができるまで制限された範囲で許認可取得者の事業
活動が認められている。
原子力規制委員会は日本原燃株式会社に対してその六ヶ所村の核燃料再処理施設の申請を裏付ける妥
当性を示す適切な情報を提出するように求めていることが確認された。しかし、同施設の新規制基準
に基づく当初の申請は 2 年以上前に提出されているが、許認可を受けていない。この件については、
後述の審査及び評価の説明で詳述する。原子力規制委員会の要件を満たすために、現在、8 件の補正申
請が日本原燃株式会社から提出されている。IRRS チームは、既存の施設に対して新規制基準へ適合す
るための改善を実施することを許認可取得者に要求するために原子力規制委員会が導入しているバッ
クフィット制度を、2 つの核燃料再処理施設でも満たす必要があることを確認した。
既に明記しているように、原子力規制委員会は、核燃料サイクル施設の申請に対する承認及び認可に
ついて決定する。安全規制管理官(再処理・加工・使用担当)は、同委員に対して事前に情報を提供
し、認可にあたって委員が提起するすべての懸念に能動的に対処することによって、個別に異議が申
し立てられることなく最終的に許認可が同意されるようにしている。原子力規制委員会は 1 つの施設
の供用期間中に非常に多くの件数の許認可を行い、これに六ヶ所再処理施設の稼働に係る認可業務が
加わるため、その業務負担は大きい。それにもかかわらず、原子力規制委員会では施設の状況の最新
記録を維持するために申請を記録する正式なメカニズムを所有しておらず、まだ核燃料サイクル施設
が原子力規制委員会によって新規制に基づく再認可は一部しかされていない。施設の申請状況と最新
49
の記録を維持するためのシステムの欠落については、マネジメントシステムに対する勧告 R6 で指摘し
ている。
5.5.
放射性廃棄物管理及び埋設施設の許認可
炉規法及びこれらに関連する政令、規則及びガイドラインにより、核燃料サイクルの中で発生する放
射性廃棄物を管理する施設の規制に関する法的枠組みが構成されている。
RI法及びこれに関連する政令、規則及びガイドラインにより、核燃料・核原料物質以外の放射性同
位元素の使用に伴う放射性廃棄物を管理する施設の規制に関する法的枠組みが構成されている。
上記の枠組みに基づき、規制機関(原子力規制委員会)による事前の許認可が義務付けられている。
申請しようとする者は規制機関に対して申請を行い、規制機関によって規定された詳細項目を明記す
る安全文書によって申請の裏付けを行わなければならない。
許認可に対する等級別扱いに従い、非原子力施設の場合には、申請プロセスはより形式的な手続きと
なっている。
炉規法に基づく許認可が行われる施設には、より詳細な承認(許認可)プロセスが適用される。炉規
法に基づいて、下記の項目に係る活動に対応して、それぞれ異なる別々の規則が策定されている。
放射性廃棄物管理(中間貯蔵及び処理)
カテゴリー1 の放射性廃棄物(地層処分場での処分が必要な廃棄物)処分
カテゴリー2 の放射性廃棄物(浅地中処分及び地層処分以外の方法で処分される廃棄物)処分
核燃料物質の事業所外輸送
現在認可されている処分施設は、低レベルの放射性廃棄物を浅地中のトレンチ及びピット埋設施設の
みである。カテゴリー2 の放射性廃棄物の一部については中深度処分とすることを検討しているが、こ
のような施設は現時点で認可されていない。
立地と設計、建設(第二種埋設施設を除く)、運転、閉鎖(第一種埋設施設の場合)及び廃止措置に
対応する段階毎に許認可が行われる。認可プロセスでは、下記の項目に対する規制機関の評価と認可
が要求されている。
立地特性とこれらが安全に及ぼす影響
申請した事業を適確に実施するための申請者の技術的能力と経理的基礎
技術的能力と放射線災害防止に関する施設設計の具体的基準
保安規定
廃止措置計画(廃止措置の開始前)
各施設に対する数多くの個別の承認が許認可プロセスに含まれていることが IRRS チームによって確認
された。しかし、規制当局がすべての許認可を追跡するための正式なシステムを所有していることを
示す証拠はなかった。(勧告 R6 を参照)。
5.6.
放射線源を使用する施設及び活動の許認可
原子力規制委員会は密封線源、非密封線源及び放射線発生装置の形態に応じた電離放射線の利用につ
いて許認可する規制当局であるが、いくつかの例外もある。具体的には、放射性医薬品や医療機関に
おいて放射線診断などに用いられる 1 MeV 未満のエネルギーの放射線発生装置は厚生労働省によって
50
許認可され、また獣医学診療で利用される放射性医薬品及び放射線発生装置は農林水産省によって許
認可され、さらに施設外の放射性物質の輸送は国土交通省によって許認可される。
RI法、RI法施行令及び原子力規制委員会規則によって、一連の届出及び許認可プロセスの詳細な
要件が定められている。許認可は、特定許可使用者、許可使用者、許可廃棄業者、届出使用者、表示
付認証機器使用者及び届出販売業者/賃貸業者である。
原子力規制委員会への申請者はその申請プロセスの中で、施設の詳細計画、線源の取扱手順、及び放
射線災害を防止するために講じる対策などの情報を提出することが要求される。原子力規制委員会は
それぞれの許認可に条件を付す権限を有するが、それは例外的な場合のみであり、申請者の要請があ
る場合に、法令の詳細な要件に基づいて行われる。通常、原子力規制委員会は許認可を段階的に交付
することはないが、特に複合施設の場合には申請者の要請に応じて段階的な許認可を行うことがある。
原子力規制委員会によって申請が承認されると、申請者は使用許可を取得することになる。ただし、
特定許可使用者又は許可廃棄業者の区分に該当する申請者は、さらに運転開始するために原子力規制
委員会又は登録検査機関による施設検査を受け、これに合格しなければならない。実際には、このよ
うな検査は登録検査機関が担当し、原子力規制委員会が施設の許可をした後で実施される。この検査
の目的は、施設の規制要件への適合性を確認することである。登録検査機関は原子力規制委員会に検
査結果を通知することなく許可者に対して直接合格書を交付している。原子力規制委員会は翌月の末
までに当該施設の検査報告書を受領している。
原子力規制委員会決定により、90 日以内に申請を処理し許可することとしている。原子力規制委員会
によって交付される許認可はすべて無期限であり(有効期限がない)、申請者は一度限り申請費用を
負担する。一般的に、各種形式の許認可には電離放射線の使用に係る複雑性と潜在的ハザードが反映
され、許認可には等級別扱いが導入されている。
日本では規制機関として原子力規制委員会を設立し、RI法で詳細な要件を規定することによって行
動規範(Code of Conduct)を実践している。原子力規制委員会では線源のゆりかごから墓場(使用開始
から廃棄等)まで追跡する双方向型コンピュータネットワークを利用した線源追跡システムを管理し、
許可と検査を管理するための電子文書管理システムを所有している。税関当局は 13 の港湾に放射線探
知装置を設置し、線源の発見時に原子力規制委員会に通知する。身元不明線源の管理に関する規定に
ついては、第 1.6 章を参照のこと。
しかしながら、原子力規制委員会は申請者に対してガイダンスを発行しておらず、許認可プロセスの
手順書もなく、法律に明記された詳細な要件のみに依存している(勧告 R6 を参照)。許可廃棄業者を
例外として、施設の廃止、線源の処分、供給者への線源の返却について定めた要件や、又は財務に関
する要件は存在しない。多くの機関が許認可に対して責任を有するが、これらの機関の間で実務上の
調整をする取決めはなされていない。運転者(事業者)は原子力規制委員会から許可を受けた場合で
も、登録検査機関から合格証を受領するまで運転を開始することはできない。実際は、登録検査機関
によって収集される情報は稼働前の安全評価に関するものであるため、原子力規制委員会の許可は本
質的に許可プロセスの中でのホールドポイントである。IRRS チームは、最終的な許可を付与する前に、
登録検査機関によって収集された情報を原子力規制委員会による審査及び評価に組み入れる必要があ
ると考える。さらに、原子力規制委員会による登録検査機関の監督が不十分であり、この両者の間で
業務レベルの取決めもなされていない。
勧告、提言、良好事例
51
所見:運転者は原子力規制委員会から認可を受けた場合でも、登録検査機関から合格証を受領する
まで運転を開始することはできない。実際には、登録検査機関によって収集される情報は許認可さ
れた条件に適合していることであるため、放射線源に関する原子力規制委員会の許可は本質的に許
認可プロセスの中でのホールドポイントである。そのため、稼働開始前の施設の検査時に収集され
た安全関連情報は最終的な許可の前に原子力規制委員会によって正式に審査されていない。
5.7.
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 25 には「規制機関は、施設と活動が規制要件や許認可に
明記されている条件を遵守しているかどうかを見極めるために、関連情報を審査及び評
価しなければならない。このような情報の審査と評価は許認可の前に実施されるものと
しなければならず、……」と定められている。
R7
勧告:原子力規制委員会は施設検査の結果を放射線源の審査、評価及び許認可プロセス
に組み入れるべきである。
廃止措置に係る許認可
RI施設では、許認可事業者は実施する廃止措置活動を詳述する廃止措置計画の作成が義務付けられ
ている。原子力規制委員会には当該計画を承認する法的義務はないが、当該計画に満足しない場合に
許認可事業者に対して追加的な指導をする権限が原子力規制委員会に与えられている。廃止措置活動
の終了時には、運転者(事業者)は完了した廃止措置を詳述する報告書を原子力規制委員会に提出す
ることが求められる。原子力規制委員会は運転者(事業者)に対して追加措置を講じることを求める
ことができる。原子力規制委員会は運転者(事業者)のその後の責任を免除する正式な閉鎖終了書を
交付している証拠はない。
IRRS チームは、等級別扱いに基づいて原子力規制委員会が従うプロセスは適切であると考えられるが、
規制当局がその後の責任を免除するための正式な対応は、放射線施設に対して原子力規制委員会が行
うべきと考える。
炉規法に基づき許認可される原子力施設の場合、運転者(事業者)は規制当局に対して廃止措置の申
請を提出することが義務付けられている。この申請は詳細な廃止措置計画によって裏付けられるもの
とし、この計画は廃止措置の開始前に規制機関によって認可されなければならない。
廃止措置計画は、廃止措置活動の安全評価によってさらに裏付けられる。
IRRS チームはRI法に基づいて規制された施設については、IAEA 安全基準 GSR Part3 の数値と整合し
たクリアランス基準が策定されていることを確認した。炉規法に基づき規制されている施設について
は、発電用原子炉施設に対しより少ない核種(33 核種)のクリアランス値が策定されている。原子力
規制委員会はクリアランス値リストを全施設に適用されるように 1 つの統一されたリストにすべきで
ある。
IRRS チームはRI法に基づいて規制された施設については、IAEA 安全基準 GSR Part3 の数値と整合し
たクリアランス基準が策定されていることを確認した。炉規法に基づき規制されている施設の場合は、
もっと少ない種類のクリアランス値(33 の核種)が策定されている。原子力規制委員会はクリアラン
ス値リストを全施設に適用されるように 1 つの統一されたリストにすべきである。
さらに、原子力規制委員会は IAEA 安全基準 GSR Part6 要件 5 及び 15 に従って廃止措置の終了後のサ
イトの解放に関して明確に定められた基準がないことも、IRRS チームは確認した。このような基準が
ないことにより、原子力規制委員会はその自己評価及び改善措置計画に記述しているように許認可の
終了プロセスを完了できない。
勧告、提言、良好事例
52
勧告、提言、良好事例
所見:RI法に基づき許許可された非原子力施設の場合、規制当局は廃止措置の完了と運転者事業
者を完了後に責任から解放することに関して正式な確認証を交付していない。
原子力規制委員会は、その自己評価において、施設の設計、建設、供用の開始及び運転の各段階に
おいて廃止措置を考慮することに係る要件がないことを認識している。
原子力規制委員会は、自己評価の一環として、IAEA 安全基準 GSR Part6、要件 5 及び 15 に整合する
ような廃止措置の終了後のサイトの解放に関して明確に定められた基準がないことを確認した。こ
のような基準がないことにより、原子力規制委員会は許認可の終了プロセスを完了できなくなる。
5.8.
(1)
根拠:GSR のパート 6、要件 5 には「規制機関は施設の立地及び設計時における廃止措
置の初期計画の策定から廃止措置の完了及び廃止措置認可の終了までに至る施設の供用
期間の全段階を通して廃止措置のあらゆる側面を規制しなければならない。規制機関は
廃止措置に伴って生じる放射性廃棄物の管理に関する要件を含めて、廃止措置の安全上
の要件を規定し、これらに関連する規制及びガイドを導入しなければならない。さら
に、規制機関は規制要件が確実に満たされるように措置を講じるものとする」と定めら
れている。
(2)
根拠:GSR のパート 6、要件 5、3.3 項には「規制機関の責務には下記の項目が含まれる
ものとする。
廃止措置の許認可の終了に関する要件及び基準を規定し、特に将来の利用に対する制約
条件付きで施設やサイトが解放される場合の要件及び基準を規定すること」と定められ
ている。
(3)
根拠:GSR のパート 6、要件 15、9.2 項には「規制機関は最終廃止措置報告書を審査
し、最終状態を評価して、規制要件と最終廃止措置計画及び廃止措置の認可書に明記さ
れている最終状態基準のすべてが満たされていることを確認しなければならない。規制
機関はこの審査と評価に基づいて、廃止措置の許認可の終了及び施設やサイト解放につ
いて決定しなければならない」と定められている。
(4)
根拠:GSR のパート 6、要件 15 には「廃止措置の完了時に、許認可取得者はその最終
廃止措置計画に明記した最終状態基準及びその他の規制要件を満たしていることを立証
しなければならない。規制機関は最終状態基準に適合していることを確認し、廃止措置
の許認可の終了について決定しなければならない」と定められている。
R8
勧告:原子力規制委員会は、原子力及び放射線施設の供用期間の全段階において廃止措
置を考慮することに関する要件、廃止措置の終了後におけるサイトの解放に関する基準
を規定すべきである。
要約
炉規法とRI法の法的枠組みは、許認可取得者に対して規制対象の施設及び活動の各許認可段階で安
全評価を実施することを義務付けており、原子力規制委員会はこれらの法律に基づき許認可の前に許
認可取得者の申請に対する審査と評価を行うこととなっている。この法的枠組みは等級別扱いを考慮
して適切に策定されている。しかしながら、発電用原子炉施設の高経年化対策、原子力施設及びRI
施設の廃止措置に対する規制プロセスに関して複数の改善を図ることが必要である。
多くの場合、許認可プロセスの後に検査プロセスが続く。実際には、施設の運転開始の前にホールド
ポイントがある。これらのプロセス間のインターフェースを改善すべきである。
東京電力福島第一原子力発電所事故後、原子力規制委員会は異常な自然災害に対する評価と防護を改
善し、シビアアクシデントの防止と影響緩和を改善するため規則を改正した。改正された炉規法に
53
バックフィット制度が導入された結果として、各原子炉の再稼働に先立ち、原子力規制委員会の許認
可が必要になっている。
これに伴って多くの認可申請が提出されているため、現在の原子力規制委員会の作業負担は過大な状
態になっており、申請の大部分の処理がまだ進められている状況である。40 年を超える原子炉運転に
対する許認可(又は禁止)についても原子力規制委員会にとって今後の課題となり、安全性の向上の
ための評価とのインターフェースに注意を払う必要がある。
54
6.
6.1.
審査と評価
一般的事項
原子力規制委員会では審査と評価に関して簡潔かつ明確な組織内原則が規定されている。原子力規制
委員会の 5 つの「活動原則」には、
原則「(1) 独立した意思決定」において、「何ものにもとらわれず、科学的・技術的な見地か
ら、独立して意思決定を行う。」とされている。
原則「(3) 透明で開かれた組織」において、「意思決定のプロセスを含め、規制にかかわる情
報の開示を徹底する。また、国内外の多様な意見に耳を傾け、孤立と独善を戒める。」とされ
ている。
原子力規制委員会の業務運営の透明性の確保のための方針においても同様に、「文書による行政の徹
底」を組織の基本方針に含めることが規定されている。さらに、原子力規制委員会の原子力安全文化
に関する宣言の項目「2. リスクを考慮した意思決定」には「意思決定は、リスクの程度を考慮し、何
ものにもとらわれない独立かつ公平なものでなければならない。また、自らの役割及び権限を明確に
し、その判断について 確かな根拠のもと論理的に説明する責任を負う。」と明記され、また項目「7.
厳格かつ慎重な判断と迅速な行動」には「職員は、安全に関する課題については、生じ得る最悪の事
態まで考慮し、より安全側の立場に立った判断を行い、迅速に行動を採らなければならない。」と明
記されている。
原子力規制委員会では原子力施設が存在する期間の各段階に対して審査と評価を実施する。
6.1.1.
審査と評価の管理
申請を処理する審査チーム/部署を活用可能な人的資源に配慮して設けるため、原子力規制委員会の
管理者は、(例えば、同様の審査を経験している職員又は施設に精通している職員といった)職員の
経験を考慮に入れている。
審査の実施に際して、より明確化又は追加的情報が必要であることが明らかになった場合、原子力規
制委員会は申請者に対して補足的情報を提出することを要求する。原子力規制委員会は面談や会合に
おいて、このような必要性を表明する。審査のスケジュールと進捗状況についても、会合において議
論されることがある。
原子力規制委員会内では、審査の進捗状況が幹部会議や部内会議等において報告される。
原子力規制委員会のマネジメントシステムには、例えば、どのように審査チームを設置するか、どの
ように情報交換、進捗状況報告を行うか、或いは、どのように公開若しくは非公開事項を文書化する
か等について記載した、審査と評価の実施に関する運用手順書が存在していない(勧告 R6 を参照)。
6.1.2.
審査と評価に関する組織と技術的資源
原子力規制委員会の組織内資源
原子力規制委員会は、NISA から職員を受け継ぎ、さらに 2014 年 3 月以降は JNES から職員を受け継い
だ。JNES の職員は、原子力規制委員会技術基盤グループの職員の大半を占めており、この技術基盤グ
ループは、原子力規制部の要請に応じて審査と評価若しくは検査に関する専門的知見を提供している。
原子力規制委員会は、原子力に関して豊富な経験や専門的知識を有する職員を民間から中途採用する
こともあるが、多くを占めるものではない。新人研修、及び基礎知識の習得と専門性向上のための研
修(例えば、確率論的リスク評価に関する特別な研修)は、その大部分が現在開発中である。さらに、
審査官としての能力を認定するための期待される能力も文書化されていない(勧告 R5 を参照)。職員
55
は、現在のところその多くが東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて策定された新規制基準の適
用に関する許認可取得者の安全評価の審査と評価を重ねることによって経験を積んでいる。この新規
制基準については、新たな変更点が十分に理解されるよう、審査官に対して 1 回の講義が行われた。
原子力規制委員会の人的資源は、数多くの新規制基準適合性の申請を審査することに向けられている。
この業務に集中するため原子力規制委員会は、その内部審査ガイドラインや既存のガイドラインを更
新できていない。
自己評価において原子力規制委員会は、現在継続中の多くの審査、今後の審査を進めるためには、能
力のある職員の補充が必要であるとしている。
原子炉安全専門審査会と核燃料安全専門審査会は現在、許認可の審査に関与していない(しかしなが
ら、両審査会は規則又は規制ガイダンスの策定に関与することは可能である)。
運転経験フィードバックの評価
原子力規制委員会は、「保守又は検査を実施した許認可取得者により得られた運転安全に関する技術
情報を許認可取得者間で共有することに係る事項 」、「 不適合に関する情報の開示に係る事項 」、
「根本原因分析の方法、根本原因分析を実施するためのシステム」について規定することが求められ
る保安規定の遵守状況に関する検査の実施に加えて、原子力規制委員会規則に定められた基準に従っ
て許認可取得者から報告された事象の評価を行っている。IRRS チームは、報告された事象の件数は、
下表に示すとおり多いものではないが、原子力規制委員会によれば、東京電力福島第一原子力発電所
事故による停止の前には、より多くの報告(年に約 30 件)が提出されていたことを確認した。
日本の原子力事業者から報告された事象件数
2012 年 4 月~
2013 年 3 月
2013 年 4 月~
2014 年 3 月
2014 年 4 月~
2015 年 3 月
2015 年 4 月から現在ま
での期間
9
10
8
5
運転経験評価プロセスは、本報告書の第 2.2 章に要約されている。IRRS チームは原子力規制委員会に
対し、このプロセスから実際に得られた成果について質問した。
海外事象を要約した内部での情報資料が毎週発行されている。
過去 3 年の間に、実際に規制要求が変更された事象は、米国バイロン 2 号機の事象である。
2012 年 1 月に発生した事象は、2015 年 6 月に承認された規制要求の変更及び現地検査官に対
する情報提供につながった。2011 年の東日本大震災の後に女川 1 号機で発生した火災につい
ては、原子炉安全専門審査会で議論されたものの要求を変更すべきとの助言には至っていな
い。前の規制機関である原子力安全・保安院からすべての発電用原子炉の許認可取得者に対
し、限定された範囲で適切な改善を行うよう指示が行なわれた。原子力規制委員会では、現
在、本問題について再検討中である。
IRRS チームは、日本の許認可取得者が適切な措置を講じていることを確かなものとするよう、
その他の事象から得られた教訓が、どのように原子力規制委員会の内部審査ガイダンス及び
検査プログラムの中に取り入れられるのかについて確認することができなかった。審査若し
くは検査ガイドラインに反映された実例が IRRS チームに提示されなかった。しかしながら、
このような教訓は JANSI と原子力規制委員会の間の毎月の会合で議論されており、また、許
認可取得者それぞれの保安規定に規定されていることから、許認可取得者間で直接議論され
ていると考えられる。
報告が義務付けられている事象に加えて原子炉の許認可取得者は、JANSI との間で、また、任意で原
子力規制委員会との間で「軽微な」事象に関しても共有している。原子力規制委員会は、運転経験の
56
フィードバックにとしてこのような情報は有用であると考えており、JANSI との会合でこれについて
議論している。
IRRS チームは、いくつかの原子炉の再稼働が、国内の運転経験フィードバックの可能性に対して、す
べての原子炉が停止された過去 4 年の状況と比較して今、許認可取得者によって直接的に確認された
ものであるか、あるいは原子力規制委員会の検査又は審査で確認されたものであるかを問わず、大き
な変化をもたらそうとしていることを強く指摘する。これは、この数年の間、主として原子力施設の
設計のための新規制基準の策定とその要求を満たすための設計及び運転の変更に対する審査に専念し
てきている原子力規制委員会にとって、挑戦すべき課題になる。IRRS チームは、原子力規制委員会が
同様の状況に直面した海外の規制当局が実施した規制上及び実務上の準備について十分認識すること
が有用であると信じる。
勧告、提言、良好事例
所見:原子力規制委員会は、法令に定められた報告要件の範囲を超えた国内原子力施設の運転経験
を収集している。許認可取得者から原子力規制委員会に報告義務に基づき報告される事象はほとん
どない。原子力規制委員会は、限られた海外事象と許認可取得者から任意に提供された「軽微な」
事象を評価している。IRRS チームは、1 件の海外事象を除き、評価された事象から得られた教訓を
踏まえた(規則及び規制実務の)実際の変更の証拠を得ることができなかった。
(1)
根拠:GSR のパート 1、3.4 項には、
「規制機関は他の加盟国や許認可取得団体から情報
を受け取るための手段、そして、運転経験と規制経験から得られるその他の教訓を利用
するための手段を確立し、維持しなければならない。規制機関は、安全上重大な事象の
再発を防止するために適切な是正措置が実施されることを要求しなければならない。こ
のプロセスには、運転経験と規制経験からの教訓を得るための国際的ネットワークの有
効利用を促進するため、必要な情報の収集とその分析を含む。」と定めている。
(2)
根拠:GSR のパート 1、3.5 項には、
「施設と活動の安全を国際的に向上させるため、国
内及び国際的な知識、報告ネットワークを通して受け取った情報を踏まえて取られた方
策の反映を行わなければならない。そのような方策には、新規の規制要件の公布、又
は、許認可された施設及び活動における運転実務又は装置への安全を向上させる変更が
ある。」と定めている。
(3)
根拠:SSG-12 の 2.36 項には「規制機関は、許認可プロセスの全過程を通じて、許認可
取得者が(工学的、人的及び組織的側面に関して)経験から学ぶための確立された
フィードバックシステムを有することを確実なものとすべきである。このような経験の
フィードバックの存在と適用を確認するために規制機関により行われる審査、評価及び
検査も検討されるべきである。……」と定めている。
S8
提言:原子力規制委員会は、現在の運転経験フィードバックプロセスについて、
- その基準が、安全上重大な事象の報告について十分なものとなっているかどう
か
- 長期停止後の再稼働を含め、得られた教訓が許認可取得者により考慮され、実
際に施設における適切かつ適時の対策につながることを確かなものとするよう
に
レビューすることを検討すべきである。
計算能力
原子力規制委員会は、例えば発電用原子炉施設の過渡解析に関して、独立した計算を実施することが
できる独自のコンピュータコードを運用している。
57
許認可取得者の組織変更
実用炉規則には品質保証、運転上の安全に関する教育についての要件は含まれているが、許認可取得
者の組織構造の変更は安全に対して影響を及ぼすことがあるにもかかわらず、許認可取得者の組織変
更に関する要件は規定されていない。保安規定は、許認可取得者の組織構造とその変更をどのように
管理するかについての詳細を規定していない。
IRRS チームは、実用炉規則第 92 条第 1 項第 4 号において許認可取得者に対して組織構造を保安規定に
含めることを要求している一方で、原子力規制委員会が、許認可取得者の組織変更を管理するための
プロセスを審査しておらず、許認可取得者の組織変更の審査方法を記述した具体的な手順書/ガイド
がないことを確認した(勧告 R6 を参照)。
第 3.3 章では、人的及び組織的要因とマネジメントシステムの分野の能力を有する職員の採用を原子力
規制委員会が検討することを提言している。上述の所見は、人的要因に関する側面が原子力規制委員
会の監視機能において広く認識されていないとする IRRS チームの見解を裏付けるものである。変更プ
ロセスを定義し、安全上の重要性に従ってこれらを明確化し、分類し、管理するべきである。
技術支援機関(TSO)
原子力規制委員会は、JAEA と NIRS に対し技術支援を求めることができる。しかしながら、発電用原
子炉施設の許認可に外部の TSO を活用していない。
6.1.3.
審査と評価のための基礎
日本における規制制度は、事実上、法律、政令、原子力規制委員会規則及び原子力規制委員会ガイド
文書それぞれのレベルに応じた詳細さで規定されている。
例えば、原子力発電所については、実用炉に関する詳細な規制要求が、設置許可に適用される実用発
電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則(以下、「実用炉設置許可基
準規則」という。)、工事計画認可に適用される実用炉技術基準規則に規定されている。これらの要
件が許認可取得者の申請を審査及び評価するための基礎となっている。
原子炉施設設置許可の審査目標
実用炉設置許可基準規則が、原子炉設置許可に係る審査基準を規定しており、この規則はまた、外的
事象に関する設計要求も規定している。その他の主要な審査の対象としては、申請者の技術的能力及
び財務基盤、シビアアクシデントの発生及び進展の防止対策を講じるための技術的能力、利用が平和
利用に限られることの確保、原子炉を安全に運転するためのその他の技術的能力、関連する原子力規
制委員会規則に位置、構造物及び設備が適合していることが挙げられる。
原子力発電所の基本設計の妥当性については、現在、原子炉と核燃料貯蔵プールの両方について、予
期される運転上の逸脱、設計基準事故、シビアアクシデントに至るおそれのある事故、シビアアクシ
デントに対して審査が行われている。
工事計画の審査目標、保安規定の審査目標
原子力規制委員会の審査目標は、工事計画と保安規定が、
その内容が規制要求に適合し、原子力規制委員会ガイダンスと整合している
設置許可を受けた内容と整合している
の双方を満たしていることを確認することである。
58
安全性の向上のための評価の審査目標
原子力規制委員会は、許認可取得者による調査、解析、及び包括的評価の方法が、規則に定められた
要件に適合し、原子力規制委員会ガイダンスと整合しているかどうかを評価する必要がある。原子力
規制委員会の法律解釈では、これ自体は「審査」と考えられていない。
40 年を超える運転
原子力規制委員会の審査は、プラント機器の現在の状態、延長期間の終了時に経年劣化の結果として
予測される機器の状態と保守方針が、安全を確保する上で適正なものであるかどうかを評価すること
である。
審査と評価のための内部ガイダンス
この体系的手順書の第一の目的は職員による安全審査の品質と均一性を保証し、かつ、利害関係者と
のコミュニケーションを改善させるとともに規制当局の審査プロセスに対する理解を高められるよう、
規制に関する情報を広く提供することである。
許認可手順
原子力規制委員会審査ガイダンス
原子炉施設設置許可
審査基準(SRP)及びその他の公開ガイドラインが用意されている。
PWR のための SRP は、いくつかの原子炉の新規制基準適合性申請(設置
許可の変更)を審査するプロセスの一環として最近改訂された(2015 年
11 月)。最近 BWR の再稼働に先立ち必要な申請が行われたことから、
BWR の SRP の改訂作業が進められている。原子力規制庁職員は、規制要
件は炉型によらないところが非常に多いので、PWR の SRP は既に良好な
基礎になっていると強調している。
一部のガイドは 2013 年半ばに発行されているが(実用発電用原子炉に係
る炉心損傷防止対策及び格納容器破損防止対策の有効性評価に関する審査
ガイド、実用発電用原子炉に係る使用済燃料貯蔵槽における燃料損傷防止
対策の有効性評価に関する審査ガイド、実用発電用原子炉に係る運転停止
中原子炉における燃料損傷防止対策の有効性評価に関する審査ガイド)、
設計基準事故に関する大部分のガイドは実際に古く、また、基本的な内容
を規定しているものもある(発電用軽水型原子炉施設の安全評価に関する
審査指針(1990 年)
)。
原子力規制委員会は、自己評価で審査ガイダンスを拡充する必要性を認め
ており、審査ガイドをさらに拡充する改善措置計画に着手している。
工事計画
実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則の解釈(以
下、「実用炉技術基準解釈」という。
)(2013 年 6 月)は対応する原子力規
制委員会規則の解釈を示しており、審査に用いられている。これは表形式
になっており、左欄が規則条項、右欄がその解説となっている。
保安規定認可
原子力規制委員会は、実用発電用原子炉及びその附属施設における発電用
原子炉施設保安規定の審査基準(以下、「実用炉保安規定審査基準」とい
う。)を策定している。審査は、いくつかの項目について、許認可取得者
がコミットメントを適切に明示しているか、または、方針又は計画が策定
されているか確認することを目的としている。
品質保証や保守などの発電用原子炉施設の許認可に係るいくつかの項目に
ついては、民間規格に適合すること(例えば、品質保証について JEAC
4111-2009、保守と検査について JEAC 4209-2007)が、規制要求を満たす
ものとして容認される手法となっている。
59
安全性の向上のための
評価に関する報告書
原子力規制委員会は、現在のところ、「審査」ガイドを用意していない。
一部の原子力規制庁職員は、もし「審査」を文書にまとめるのであれば、
それに役立つことを含め、内部ガイダンスがあれば便利でありと認めてい
る。
40 年を超える運転期間
延長認可
40 年を超える運転期間の申請に関連する 2 つのガイドが用意されている。
1 つ目のガイドには、決定を下すための原子力規制委員会基準が示されて
いる。2 つ目のガイドは、許認可取得者の申請内容、特に認可申請前に完
了させなければならない「特別点検」の結果の提出について規定してい
る。高経年化に関連する劣化評価の範囲は、30 年以降の運転のための保安
規定に関する原子力規制委員会ガイダンスに規定されているものと同じで
ある。
6.1.4.
審査と評価の実施
審査は、申請書類の審査、許認可取得者との面談、及び公開の「審査会合」を通して実施される。
「審査会合」は原子力規制委員会委員が議長を務め、原子力規制庁職員が未解決の項目を取
り上げ、必要に応じて許認可取得者に対して追加の情報の提供を求めたり、当初申請の修正
を求める会合である。これらの会合は公開され、原子力規制委員会ウェブサイトにおいても
中継される。
面談では通常の質疑応答形式で行われる。面談はほぼ毎日行われる。面談を終了する前に、
提起された質問、回答又は提出された書類をとりまとめたものが確認される。会議の議題、
主な結果を取りまとめた面談記録は、原子力規制委員会のウェブサイトから入手できる。
原子力規制委員会は、許認可取得者の提出書類について許認可取得者に質問したり、不十分な点を明
確にするために、通常、許認可取得者に電子メールや正式な書簡を送付するようなことはしない。許
認可取得者は、面談と審査会合の結果に基づいて提出書類を改訂する。
さらに、原子力規制委員会は新規制基準に従って設置変更許可(すなわち、原子炉の再稼働を認める
こと)といった重大な規制上の決定を下す場合に、地方自治体の要請に基づいて、原子力発電所近隣
の地域コミュニティーに対する説明会に参加し、その規制上の決定について詳細に説明することがあ
る。
6.2.
発電用原子炉施設の審査と評価
主要な許認可段階の審査に関して、IRRS チームは以下の内容を確認した。
設置許可
原子炉設置許可の審査において、放射能放出の結果として公衆又は環
境に及ぶ放射線影響のリスクが「容認できる」ほど低いレベルである
ことを確認するために、施設の立地条件と設計が評価される。
工事計画認可と使用前検査
工事計画審査を理解している本部職員によって現地における検査が行
われる。
保安規定認可
保安規定は、運転上の制限を含め、設置許可に基づき審査されてい
る。
安全性の向上のための評価
この「審査」はまだ実施されていない。
安全性の向上ための評価の結果、安全解析書を更新することになった
としても、設置許可の変更が必要とならなければ、許認可取得者は安
全解析書を原子力規制委員会に提出することは要求されない。原子力
規制委員会のガイドラインは、現時点では、安全性の向上のための評
価により、より厳しい条件(例えば自然災害)が確認されれば変更が
必要であるとしている。
60
40 年を超える運転延長認可
審査は、許認可取得者の高経年化対策及び長期保守方針を評価してい
る。
原子力規制委員会は、申請者の提出書類の内容及び原子力規制委員会によるその審査のガイダンスを
策定している。しかし、このようなガイダンスがすべての許認可プロセスに用意されているわけでは
なく、ガイダンスの詳細さのレベルは幅広い解釈が可能なものとなっている。例えば、安全性の向上
のための評価報告書を審査するためのガイダンスは用意されていない。さらに、既存ガイダンスのい
くつかについては、例えば最近の IAEA 安全基準を十分に取り込むために改訂する必要がある。原子力
規制委員会の審査ガイドライン(「審査基準」)は、審査及び評価のプロセスで従うべき手順が詳細
に示されておらず、安全上重要なすべての項目が網羅されていることを保証する体系的な計画とは考
えられていないだろう。
原子力規制委員会は、自己評価において、原子力規制委員会の人的資源が、数多くの新規制基準適合
性の申請を審査することに向けられており、内部審査ガイドライン又は既存のガイドラインの策定や
改訂に向けられていないことから、実用原子力発電所の審査基準とガイドを拡充すべきであるとして
いる(勧告 R11 を参照)。
現在実施されている新規制基準適合性審査
現在、原子力規制委員会原子力規制部の職員は、主として原子炉の再稼働を目的とする申請の審査を
行っている。これらの申請を処理するために原子力規制委員会は、地震と津波の分野の審査を担当す
る 2 つのチーム及びそれ以外の分野の審査を担当する 4 つのチーム(PWR を担当する 3 チームと BWR
を担当する 1 チーム)を立ち上げた。原子力規制委員会技術基盤グループからの追加の 100 名の専門
スタッフ(その大部分は以前の JNES 職員)からの支援を受けた約 100 名の職員が審査業務に関与して
いる。これらのチームが、設置許可、工事計画、そして保安規定の変更の審査を行う。これにより本
部で実施される審査の統合が可能になっているが、これとは別に使用前検査が残っている。
各チームにはチームリーダーがおり、その半分は上席の審査官である。15~20 名で構成される PWR 及
び BWR チームの場合、スタッフは 4 つのサブチーム({設計基準、火災、溢水}、{シビアアクシデン
ト、事故解析}、{構造}、{品質マネジメントシステム、運転手順})に分かれて業務を行う。サブチー
ムのリーダーは上席の審査官であり、許認可取得者との面談に参加する。チームリーダーは許認可取
得者との面談時に議論された主要項目を明らかにする。各チーム内での情報共有のため、毎日、短い
チームミーティングが行われる。しかしながら、チーム間の情報交換はあまり行われておらず、主に
上層の管理者に依っている。原子力規制委員会では、チーム間でより情報交換を行うことが有用であ
ると認識されている。
原子力規制委員会本部の審査官がサイトを訪問し、検査活動に加わることがある。発電用原子炉施設
の再稼働に関連する審査官の現地確認は主に許認可取得者の提出書類から又は面談/審査会合におい
て収集された情報、及び新規制基準適用の結果として設置された/利用できるようになった実際の手
法について理解を深めることに向けられている。高浜 3、4 号機の場合、新しい安全要件を考慮に入れ
た最初の保安検査は 2015 年 10 月の 3 週にわたって実施された。30 名程度の検査官のチームには、数
名の審査官が加わった。
許認可取得者の対策と懸念事項について理解を深めるため、さらに特定の状況の安全上の重要性に対
する共通の理解(許認可取得者と原子力規制委員会との)を高めるためには、より頻繁にサイト訪問
を行うことが有益であろう。
審査の進捗状況は 2 カ月ごとに原子力規制委員に報告され、これは「審査会合」で得られた情報も加
えられる。審査自体は以下の 2 つの別の文書にまとめられる。
61
主として原子力規制庁職員により内部で使われる審査のまとめ資料(適用される規制要求が
左欄に、その適合性に係る原子力規制庁職員の結論が右欄に記載される)
。
原子力規制委員会委員によって承認される評価書。川内 1、2 号機の設置変更許可の場合、約
400 ページの分量のもの。
両文書には規制要求への適合性に関する結論が記載されており、許可の根拠として原子力規制委員会
のウェブサイトに公開されている。
6.3.
試験研究炉施設の審査と評価
原子力規制委員会による試験研究炉の審査と評価のプロセスは、原子力発電所及び核燃料サイクル施
設のものと同様である。
試験研究炉の設置許可申請には、申請者は、一部の例外を除いて IAEA 安全基準 NS-R-4 に記述されて
いる安全解析書と同様の文書を提出しなければならない。NS-R-4 の要件 3.6 によると、安全解析書に
は設置場所、試験研究炉、実験装置、セーフティケース並びに安全上重要なその他のすべての施設及
び活動に関する詳細な説明を記載しなければならない。前記の例外とは、廃止措置に関する情報が記
載されていないことである。この問題の是正措置が原子力規制委員会によって改善措置計画に提案さ
れている。設置変更許可申請を行う場合を除き、許認可取得者は安全解析書を改訂したものを提出す
ることが義務付けられていない。ただし、定期安全レビューのプロセスにおいて設置許可の変更なし
に安全解析書が更新された場合には、原子力規制委員会は保安検査を通じてこの更新プロセスを確認
することになる。この改訂文書を審査する公式のプロセスは存在しない。
審査及び評価活動に関連したその他の事項としては、
試験研究の用に供する原子炉等の位置、構造及び設備の基準に関する規則(以下、「試験炉設
置許可基準規則」という。
)によると、試験研究炉は、その安全機能が地震、津波及びその他
の重要な自然現象(すなわち、竜巻)によって損なわれないように設計されなければならな
い。
安全機能を有する構築物、系統及び機器(SSC)は「防止系」と「緩和系」の 2 つのカテゴ
リーに分類される。SSC は、その安全機能に応じ、さらにクラス 1、クラス 2 及びクラス 3 に
分類され、事故状態の「監視系」を含む。
「ソフトウェア」の安全分類については明示的に言
及されていないが、試験研究炉の保護系の大半にソフトウェアは使用されていない。
許認可取得者は、試験炉規則に従い、10 年ごとに定期安全レビュー(以下、「PSR」という。)を実
施しなければならない。内容に関するガイドラインなしに、利用可能なすべての原子炉に対して相応
する PSR が許認可取得者により体系的に実施されている。改善措置計画において、原子力規制委員会
は PSR の内容に関する手引を作成することを提案している。さらに、許認可取得者は、運転開始から
30 年経過するまでに経年劣化に関する技術評価を実施し、その後、10 年を超えない期間毎に経年劣化
に対する実施計画を作成しなければならない。
原子力規制委員会は申請者の提出文書の審査を調整し、申請書に記載された情報について、原子力規
制委員会と許認可取得者双方の専門家間で詳細に議論する会合を開く。原子力規制委員会の所見は各
会合の最後にサマリーレポートとして共有される。
試験研究炉施設の設計、建設、供用開始及び運転において、廃止について考慮することに対する要件
は存在しない。原子力規制委員会によって、この問題に対する是正措置が改善措置計画に提案されて
いる。
62
6.4.
核燃料サイクル施設の審査と評価
原子力規制委員会による核燃料サイクル施設の提出書類の審査と評価のプロセスは、公開又は非公開
の審査が実施される原子力発電所のためのものと同様である。審査を公開とするか非公開とするかに
ついては施設に応じて原子力規制委員会により決定されるが、いずれにしても原子力規制委員会が承
認のために提出されたものを考慮するように、原子力規制委員会の安全規制管理官(再処理・加工・
使用担当)が審査を完了し評価書を作成する。原子力規制委員会の文書管理のためのガイドラインに
は、内容及び安全上の重要度に応じて、異なるレベルで許認可を付与することが認められている。
原子力規制委員会の安全規制管理官(再処理・加工・使用担当)と許認可取得者との提出書類の審査
の調整や主要なやり取りは、技術専門家が申請について詳細に論議する会合の形式で行われ、各会合
の最後に、原子力規制委員会の見解を許認可取得者に伝えるための要約記録が作成される。この要約
の位置付け並びに規制者の見解の最終的な記録としての有効性及び適切性は、IRRS チームにとって明
確ではなかった。現在の方式の有効性についての検討が必要であり、また、規制における期待、審査
とその後の許認可に関する未解決事項が明確となるよう、許認可取得者に対する公式の通知手段が必
要であるが、公開性に対する現在の原子力規制委員会によるアプローチは継続すべきである。このこ
とについては、さらに第 3 章で議論されている。
核燃料サイクル施設の審査は、申請全体を対象としており、冷却、臨界、閉じ込めを含む安全上重要
な事項について、さらには事業者の組織構造、及び主任技術者を含む安全上の重要な役割の割り当て
が考慮される。原子力規制委員会のガイドは、核燃料サイクル施設に関する許認可取得者の申請書類
について考慮されており、規制者によって審査されることが必要なハザードの範囲を規定している。
IRRS チームは、核燃料サイクル施設の新規制基準が、これらのタイプの施設に特有な性質を反映して
いることを確認した。原子力規制委員会による核燃料サイクル施設の新規制基準適合ための審査は進
行中であり、新規制基準への適合を承認することが可能になるまでには、原子力規制委員会は膨大な
作業を完了させなければならない。
原子力規制委員会が審査を完了するため、申請を裏付ける補足情報の提出を許認可取得者に常に要請
していることは、本ミッションで明らかになった。IRRS チームは、人的要因に関する安全解析につい
て、申請者により実施される分析の程度と原子力規制委員会が審査において実施する分析の程度並び
に事業者内における安全文化への取組について確認しようとした。規制の枠組みにおいて、人的要因
を考慮する必要性に対する基本的な要求はあるものの、人間行動に影響を及ぼす要因を理解し、
ヒューマンエラーが故障に寄与するか又は故障を悪化させる可能性を最低限に抑えるため、体系的な
アプローチが申請プロセスの一環として、すなわち原子力規制委員会によって適用されていることは、
IRRS チームには確認できなかった。この事項について、IRRS チームにより特に調査されていないが、
この所見はその他の原子力施設にもあてはまる可能性がある。
すべての運転モード、並びにセーフティケースに特定されている、故障及びシビアアクシデントを含
むすべての事故状態において安全に影響を及ぼす可能性がある人間行動を特定するには、体系的アプ
ローチが必要である。安全上重要な任務について相応の解析が、実施され、かつ、その任務の寄与す
る安全機能が効果的であることを確認するために用いられるべきである。その解析では、認識、意思
決定及び行動の観点から、これらの任務により職員に課せられる負荷が評価されるべきである。また、
人間行動に影響を及ぼし得る肉体的及び心理的要素も考慮されるべきである。
同解析はユーザーインターフェース、手順及び業務補助の策定、さらには運転員の役割及び責任、要
員配置の程度、職員の能力及び訓練の必要性、通信ネットワーク並びに業務空間の設計を決めること
に役立てるための基礎となるよう十分に詳細なものでなければならない。こうした活動及び制御を実
施するのに必要とされる職員の作業量は、合理的に達成可能である程度に、解析され、実証されるべ
きである。
63
勧告、提言、良好事例
所見:ヒューマンパフォーマンスに影響を及ぼす要因を理解し、ヒューマンエラーが機能損失に寄
与又は機能損失を悪化させる可能性を最低限に抑えるために、申請プロセスの一環として、すなわ
ち原子力規制委員会により体系的なアプローチが行われているか明らかでなかった。
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 32 には「規制機関は、規制上の判断、決定及び措置の根
拠となる原則、要件及び関連の判断基準を規定するため、規則と指針を制定するか又は
採用しなければならない。」と定められている。
(2)
根拠:GSR のパート 4、要件 11 には「人と施設又は活動との相互作用は、安全評価で扱
われなければならず、また、すべての通常の運転上の活動に対して規定されている手順
や安全対策、特に運転上の制限及び条件の実施のため必要なもの並びに予期される運転
時の事象や事故に対応して要求されるものが、安全の十分なレベルを確実なものとして
いるかどうかが決定されなければならない。」と定められている。
S9
提言:原子力規制委員会は、すべての原子力施設について、プラントの設計に人的及び
組織的要因とヒューマンエラーに対する十分な体系的考察が、許認可取得者による提出
書類において行われることを確かなものとするための規制要件と、これを評価するため
の能力及び経験を有する原子力規制委員会の資源を十分なものとすることについて検討
すべきである。
原子力規制委員会が自然災害の施設の立地に及ぼすと考えられる悪影響を考察する能力を有しており、
地震、津波及び火山に関して申請者又は許認可取得者から初期に提出される図書の審査において不適
切であることが示される場合には、炉規法により施設の設置場所を否定できることは、日本の地質学
的特性から不可欠であるが、実際に否定されている例は見当たらなかった。
バックフィットアプローチの一環として、六ヶ所村の再処理施設の許認可取得者である日本原燃株式
会社は新たな法令上の要件に沿ったシビアアクシデント解析を完了した。原子力規制委員会の審査に
おいて、2 年前に日本原燃株式会社から提出された当初の申請は不十分とされた。規制上の期待事項を
示す上で、当初、明確になっていなかったことから必要になった補正申請が提出されている。原子力
規制委員会は、現在、再処理施設のシビアアクシデント解析に関する提出書類の審査を実施している
が、プラントの商業運転の開始が許されるまでには、この審査が満足いく形で完了していなければな
らない。東海再処理施設の許認可取得者である JAEA は、依然として新規制基準への適合のための申請
書を作成しているところである。
核燃料サイクル施設に関して許認可取得者は、炉規法により、当該核燃料サイクル施設の安全性の包
括的評価を定期的に実施することが義務付けられている。規制ガイドには、安全性の向上のための評
価に関する詳細が記載されており、また、安全に関する最新の知見を考慮に入れて、その施設の安全
性の向上に寄与する設備又は器具を設置し、保安教育を強化し、事故の防止に必要なその他の措置を
講じることに関する許認可取得者に対する要求が示されている。許認可取得者は、施設の安全性を継
続的に改善する取組に重点を置くことを確実にするため、その評価の一環として、これらの責務を果
たすための自らの取組の実施状況及び有効性を調査し、評価しなければならない。この評価は毎年実
施される施設定期検査から 6 カ月以内に完了することが求められており、したがって、包括的評価を
毎年行う必要がある。さらに、許認可取得者は、最初の運転開始から 20 年後に経年劣化の影響を評価
すること、これを 10 年以内の間隔で繰り返すこと、この分析を踏まえて適切な保守を実施するための
計画を策定することが法令上義務付けられている。
6.5.
放射性廃棄物管理及び埋設施設の審査と評価
炉規法の下で許認可を受けた廃棄物管理施設の審査及び評価のプロセスは、原子力発電所及び核燃料
サイクル施設のものと同様であるが、起こり得るハザードに応じてその詳細さのレベルに等級別扱い
64
が適用されている。提出される安全文書の記載事項は、対象となる施設それぞれについての規則に規
定されている。適用される規則及びガイドには必要とされる様々な安全評価が詳述されており、これ
らには、閉じ込めの構造、遮へい、熱除去、火災及び爆発、地震、津波、安全上重要な施設、運転手
順に関する評価が含まれている。安全文書には、一般的な運転規則及び運転手順そして運転制限条件
を詳述した運転についての安全評価が含まれる。
当初申請の審査には、申請者の事業計画の審査と計画された活動のための適切な資金を確保する手段
の審査が含まれる。主たる技術者の職歴も原子力規制委員会によって評価される。認可は適用される
規則に定められた基準への適合性並びに申請者が提案されている活動を実施するために十分な技術的
能力及び経理的基礎を有していることが示されていることを踏まえて行われる。
許認可を受けたすべての施設に、定期安全レビューの実施が義務付けられている。このレビューの頻
度は 10 年である。さらに、廃棄物管理施設には、20 年の運転期間の前に、経年劣化管理に関する評価
の実施が義務付けられている。
現在の浅地中処分施設については、起こり得るハザードが小さいことから、経年劣化管理に関する評
価及びシビアアクシデント評価は義務付けられていない。
6.6.
放射線源を使用する施設及び活動の審査と評価
原子力規制委員会に許認可申請が提出されると、その申請は審査と評価を実施する担当者に割り当て
られる。担当者は法令で必要とされているすべての文書が提出されていることを確認し、また、必要
があれば追加の情報を要求し、必要に応じ申請者との面談を実施する。担当者が申請の審査と評価を
完了すると、放射線対策・保障措置課長又は放射線防護グループ長、あるいは、より複雑な申請に関
しては原子力規制庁長官に対して、許可又は不許可についての提案がなされる。関係する部局の長が
許認可の最終判断を下す。その後、通常四半期ごとに、これらの許認可が原子力規制委員会に報告さ
れる。IRRS チームは、その後の施設の審査と評価については、事業者からの既存の許認可の変更申請
の一環としてのみ実施されると説明を受けた。原子力規制委員会はまた、原子力規制委員会及び登録
検査機関によって実施される検査においても審査と評価が行われると考えている。IRRS チームは、担
当者が定期的に検査結果を集めて分析し、それらを分類し、原子力規制委員会で共有する責任を負う
と説明を受けた。
原子力規制委員会は、規則で規定されているもの以上の審査と評価を実施するための基準は定めてお
らず、法令上の要求に対して提出される文書の審査のみに依っている。原子力規制委員会は、審査と
評価のための文書化した手順を有していない(勧告 R4 及び提言 S6 を参照)。
6.7.
廃止措置の審査と評価
原子力規制委員会は、廃止措置計画の内容の詳細を定めたガイダンス及び規則を策定しており、提出
された計画はこれらの基準に照らして審査される。
原子力規制委員会は、現在、原子力施設の設計及び建設時における廃止措置に対する考慮に関連した
要求を定めていない。原子力規制委員会は、自己評価においてこのことを認識しており、この不備に
対処するための改善措置を特定している(勧告 R8 を参照)。
放射線施設の場合には、原子力規制委員会は提出された廃止措置計画の審査を実施してはいるが、計
画を許可する責務を有していない。ただし、原子力規制委員会が計画の不備を特定した場合には、そ
れらが許認可取得者に伝えられる(勧告 R8 を参照)。
65
6.8.
要約
審査と評価は法律、規則及びガイドに定められた基準への適合を確認するために行われている。数多
くの文書を処理するため、さらにガイダンスを用意することが望ましい分野があるものの(第 9 章を
参照)、原子力規制委員会は、審査の実施及び文書化に役立てるための内部ガイダンスを策定してい
る。しかしながら、原子力規制委員会は、国内の要件、IAEA 安全基準の両方と整合させ続けるために、
これらの文書を改訂するという課題に直面している。原子力発電所の許認可申請の審査のための、現
行の審査基準及びガイドは、いくつかの例外を除いて極めて古く、IAEA 安全基準と日本国内の新規制
基準を十分考慮したものとなるよう更新若しくはさらに強化されるべきである(第 9 章を参照)。現
在、新規制基準適合性の審査が進行中であるので、審査での経験を通じて、この改訂のための知見が
得られる。
原子力施設の審査プロセスにおいて、原子力規制委員会は、許認可取得者との会合を公開すること若
しくは会合の議題及び概要を原子力規制委員会のウェブサイトで閲覧できるようにすることにより高
い透明性を確保している。また、原子力規制委員会は、その判断の根拠を文書化した評価書など、許
認可に関する審査の結果を公表している。
審査及び評価と検査のプロセスは、施設(原子力施設又は放射線源を使用する施設)の運用を認める
にあたって、その多くが重なり合っていることから、原子力規制委員会は、これらの間のインター
フェースをより良くすべきである。
原子力施設に関しては、原子力規制委員会は以下の課題に直面している。
東京電力福島第一原子力発電所事故後に発行された新規制基準の適用に関する現在行われて
いる設計審査から、運転を再開した施設の安全に関連する事項の評価に移行すること(設計
審査の結果が新規制基準に適切に適合していると結論付けられる場合に)
運転経験フィードバックプロセスを強化し、人的及び組織的要因により適切に対応すること
66
7.
7.1.
検査
一般的事項
炉規法及びRI法が様々な種類の規制検査(例えば、使用前検査、溶接検査、燃料体検査、施設定期
検査、保安検査、立入検査、さらには放射線源及び施設の検査)のための法的枠組みを整備しており、
また、これらの検査は、この法的枠組みの下、施設及び活動の関係する要件への適合性が確認できる
よう構築されている。
7.1.1.
検査計画
大半の種類の検査の頻度、範囲及び内容は、法律及びその下位の法的拘束力のある規則において詳細
に規定されており、原子力規制委員会がリスク情報やパフォーマンスの問題を取り込んで、検査計画
を変更する自由度はない。
原子力規制委員会は、いくつかの種類の検査を実施している。
定期安全管理審査:許認可取得者は、自らの安全の実績を定期的に確認することが法的に義務づけら
れており、これは「事業者検査」と呼ばれている。規制機関は、許認可取得者がどのように自ら検査
を実施したかについて「定期安全管理審査」と呼ばれるプロセスで確認する。この検査は、本部の検
査官により実施される。
施設定期検査は、停止中の施設をチェックするものとして原子力規制委員会の検査官により実施され
る。許認可取得者は、この検査の実施を原子力規制委員会に公式に申請することが法律上義務付けら
れており、原子力規制委員会は、申請がなければ検査を実施することができない。IRRS チームは、許
認可取得者が申請してはじめて原子力規制委員会が検査を実施するという法的要求は、極めて異例な
ものと考える。施設検査は、本部から派遣される原子力規制委員会職員によって実施される。
原子力発電所の施設検査には平均 3 カ月かかるが、最近運転を再開した川内原子力発電所 1 号機の直
近の検査のように、さらに時間がかかることもある。
保安検査は、原子力規制委員会により、年に 4 回実施される。それぞれの保安検査活動は、基本的に 2
週間続き、その範囲と内容は厳密に規定されている。このような検査は、燃料装荷などプラントにお
ける特定の予め定められた活動の期間にも実施される。こうした種類の検査のために原子力規制委員
会は、以前の検査の経験やその他の情報を考慮に入れて、検査において焦点を当てる領域を示した事
前の計画を策定する。
保安検査は、検査官事務所の常駐検査官により実施される。これらの検査官事務所は、各原子力サイ
トに隣接しており、通常、1 名の検査官事務所長、サイトの各ユニット当たり 1 名の常駐検査官、及び
1 名の防災専門官が駐在している。
溶接検査や燃料体検査など特別な種類の検査も原子力規制委員会により実施される。例えば、溶接検
査の程度は、施設の種類や許認可取得者により申請書に記載された解析の詳細により決定される。溶
接検査の最終的な詳細と実施すべき試験の種類は、原子力規制委員会の技術的専門家が決定する。
IRRS チームは、これにより安全上重要な系統の溶接の健全性に確信を持つことができる一方、溶接の
健全性を確認する負担と責任が、許認可取得者ではなく規制機関にあると思われる。
IRRS チームは、原子力規制委員会は主としてその様な検査中に許認可取得者が何をしているのか立ち
会い確認しているだけとの説明を受けたところであるが、このような極めて特別な、かつ、詳細に規
定された検査が、安全に対する許認可取得者の一義的責任を軽減させる可能性があることを懸念する。
67
原子力規制委員会は、他の規制機関との共同検査を実施しておらず、また他の規制機関と検査計画の
調整や検査結果の情報交換も行っていない。原子力規制委員会の検査官が他の組織の職員に同行する
ことはないが、時に、原子力規制委員会の他の部署の職員に同行して現場を訪問することがある。
原子力規制委員会は、原子力規制委員会が実施するすべての種類の検査を含む統合された年次基本検
査計画を策定していない。原子力規制委員会により実施される検査の数、種類、期間は多大なもので
あるが、検査の計画及び管理のための統合した取組は行われていないようである。検査プロセスの効
果的かつ効率的な実施を支援し、必要な情報が本部と検査官事務所の原子力規制庁職員の間で共有さ
れるようにするためには統合された計画が必要である。
理論上では、原子力規制委員会は抜き打ち検査を実施できるが、実際にそのような検査は実施されて
いない。
検査官がサイトにいつでも立ち入り、検査を実施することができるのは、上記の法律に規定された検
査の期間に限定されている。サイトへのアクセスに関する潜在的問題を回避するために、原子力規制
委員会は検査官のサイトへのフリーアクセスのための合意を結んでいる。ほぼ毎日行われる訪問の間
に常駐検査官は、検査ではなく「調査」と呼ばれるものを実施する。この保安調査は、法律には規定
されていないが、プラントの日常運転の非公式な監視の一種と考えることができる。検査官は、保安
調査中に検査や執行措置が正当化できるような問題を発見した場合に、法的拘束力のある対応型の立
入検査の実施を上司に提案することができる。こうした対応型検査は、その後、原子力規制委員会又
は原子力規制庁原子力規制部長による承認が必要であるが、IRRS チームは、これは通常とは異なる方
法であると考える。
IRRS チームは、保安調査の所見から提起された問題を取り扱うための対応型検査を実施するためには、
原子力規制委員会若しくは原子力規制庁幹部の承認を最初に得なければならないこと、その後に初め
て許認可取得者に是正措置を課すことができることを確認した。IRRS チームはより効率的かつ効果的
になるよう、このプロセスを見直すべきと考える。
検査実施のための法制度
2007 年の日本 IRRS ミッションの際にも、検査について法的枠組みが不必要に複雑であると認識されて
いた。しかしながら IRRS チームは、そのアプローチは 9 年後においても本質的に変化していないこと
を確認した。IRRS ミッションの準備段階において、原子力規制委員会も検査実施のための法的枠組み
が不必要に複雑であると認識しており、簡素化に向けた改善を既に予示している。こうした改善には
法律改正が必要であり、おそらくかなりの時間がかかると考えられる。原子力規制委員会が意図して
いるところは、安全要件への適合性を検証するためにどのような検査を事業者に義務付けるかを法律
に規定し、適合性を検証するための検査プロセスの詳細を策定する権限を規制機関に与えるものであ
る。本ミッションの時点では、この案は依然として構想の段階であり、新たな法律案の起草は開始さ
れていなかった。IRRS チームに説明されたところでは、法律案はまず利害関係者及び国民と議論され、
その後、内閣法制局に示される。その後に、採択に向け国会に提出される。
IRRS チームは上記の意図は必要かつ合理的であり、また、法的枠組みの簡素化は検査プロセスをより
効率的で有効なものとするのに寄与するであろうと考える。法律には、許認可取得者が運転上の制限
と運転条件を定めるための一般的な要件と、これらが順守されていることについて、審査、評価、監
視、検査若しくは運転上の制限や運転条件が遵守されていることを観察するためのその他の手段を含
む適切なプロセスで検証するための要件とともに規定されるべきである。そうすれば、これらの制限
や条件が遵守されていること、そして許認可取得者が自らの役割である検証を実施していることにつ
いて監視すること(評価、検査、監督、審査など)が、原子力規制委員会の検査の目的になると考え
られる。原子力規制委員会は、等級別扱いに基づき、どのような種類の検査活動が、ニーズに対して
最適であるかを決定するのに十分な自由度を有するべきである。
68
原子力規制委員会は最近、許認可を行った施設における安全文化を監視するためのプログラムを開発
し、開始している。安全文化とは何か、安全文化によって何を達成すべきかに関する理解が規制機関
の職員と被規制者の双方に高まっている。この分野は規制者と許認可取得者がともに取り組むことが
できる分野である。しかしながら、安全文化を深く根付かせるためには心構えを根底から変える必要
があり、また、「安全文化」の概念を、それ自体がその導入の障害かもしれない日本語に翻訳するこ
とは容易ではない。
原子力規制委員会は、許認可取得者の安全文化を主に保安検査において評価している。許認可取得者
は、健全な安全文化を涵養するための計画を策定し、定期的に調整することが要求されている。許認
可取得者は、前期の自己評価を実施し、次期の計画にその実績を織り込むことによって、これを行っ
ている。原子力規制委員会の現地検査官は訓練を受けており、健全な安全文化の 14 の特性についての
ガイダンスが提供されている。検査官は、保安調査の一環として、プラント内の巡視(walkdowns)や
毎日の是正措置プログラムの会議での観察の際に、これらの特性に照らした自身の判断を記録する。
特性のひとつは、「問いかける態度」である。各特性に照らした検査官の判断又は判定は記録され、
その後、安全文化に取り組むための許認可取得者の計画に対する勧告作りに利用される。
検査の記録は、原子力規制委員会により保管されるが、その保存期間は、記録の種類に応じて 5 から
30 年の間となっている。保安検査官による保安調査の記録は 6 カ月間保存される。廃棄される検査記
録、特に 5 年後に廃棄されるものの中には、特に、プラントの改修、セーフティケースの改訂又は廃
止措置の提案を考慮した場合、5 年を超えても有益なものがあり得る。
検査の記録は、東京にある中央の保管庫に紙の文書の形で保管される。放射線源に関するデータのた
めのシステムを除き、データの保存及び抽出のための電子的なデータベースシステムは存在していな
い。保安検査に関しても同様であるが、数年前からその記録がインターネット上で公表されており、
したがって電子的に保存され、将来も閲覧可能である。
IRRS チームは、異なる種類の施設の検査が、同一の法律に基づくものであるにもかかわらず、原子力
規制委員会の別の課により異なる手順で実施されていることを確認した。課の間で、これらの検査に
ついての調整は行われていないと見受けられる。
7.2.
検査官
新人検査官は、通常、上級の検査官による密接な監督の下、最高 2 年間の現場経験を積む。その後、
保安検査を実施する常駐検査官になるためには 8 日間の研修を受け、施設検査官になるためには 5 日
間の研修を受ける。希望すれば、1 週間のシミュレータ訓練を含む専門訓練を追加で受けることができ
る。検査官に対する通常の再訓練プログラムは用意されていない。
原子力規制委員会の検査官には、どのように検査を実施するかに関する広範な一連の要領とガイダン
スが用意されている。(この報告書では、「検査」には、現在、保安調査プロセスとして実施されて
いる検査官による観察活動も含むものとする)。IRRS チームは、要領及びガイダンスの大半がチェッ
クリスト形式であり、検査官に個人としての評価又は判断の自由度がほとんど残されていないことを
確認した。これが、原子力規制委員会がこれまで検査官の初期の訓練を増やす必要性を感じてこな
かった理由の可能性がある。IRRS チームの現場での観察においても、検査官がチェック対象である特
定の活動のみに焦点を絞っていることを示していた。例えば、原子力発電所の制御室内で同時に進行
していた数多くの警報や運転員の活動には何ら注意を払わず、チェックリストに規定されているとい
うことで、検査官が制御パネルの特定の指標の状態だけを確認していたということを、IRRS チームは
目撃した。原子力規制委員会は、検査制度の大きな変更は、確かな検査を実施するための素質と能力
についても改善する必要があることを認識している。新しい検査の枠組みには、安全問題を全体的に
理解することできる柔軟でより分析的なアプローチに、現在のチェックリスト方式の検査から変更す
69
る新しいアプローチが必要であろう。このアプローチの変更は、原子力規制委員会だけでできるもの
ではなく、法律の変更も必要である。この変革を推進することが重要である(そして、実際に推進さ
れている)が、次のレベルに到達するには数年かかると予想せざるを得ない。必要な法律の変更には
時間がかかる。
現在、原子力規制委員会には約 180 名の原子力安全のための検査官が在籍している。異なる種類の施
設の検査は、同じ法律に基づいているにもかかわらず、異なる手順により別の課により実施されてい
る。このことについて課の間での調整は行われていないようである(勧告 R4 を参照)。
原子力規制委員会は、放射線防護や火災防護のような原子力安全若しくは放射線安全に影響がある分
野において、許認可された施設において検査を実施する他の規制機関と、検査について連携も情報交
換もしていない。原子力規制委員会は、ある種の検査活動を登録検査機関に委任しているが、業務の
品質や評価の信頼度を確保するための十分な規制上の監督を行っていない。
原子力規制委員会は、検査記録を紙の文書の形でのみ保存している。データの迅速で効率的な共有と
抽出を可能にする電子的なデータ管理システムは用意されていない。検査記録の保存期間は比較的短
い。原子力規制委員会は、放射線源の分野の検査プロセスは、一部のみを文書化している(勧告 R6 を
参照)。
IRRS チームは、非効率的で重複した検査の例を目撃した。例えば、東京電力福島第一原子力発電所サ
イトの低レベルのがれきの検査は、サンプルだけではなくすべての容器の放射線レベルを測定するこ
とにより実施されていた。それに加え、同じがれきがすでに許認可取得者によって検査されていた。
IRRS チームは、原子力施設の施設定期検査が平均で 3 カ月続くが、4 カ月まで延びることもあると伝
えられた。IRRS チームは、これは異例な長さであり、効率性及び有効性の観点で改善の余地があると
考える(勧告 R4 を参照)。
勧告、提言、良好事例
所見:日本の原子力施設及び活動には、複数のタイプの検査が行われている。多くは、頻度、内容
が法律若しくはその下位の法的拘束力のある規則において詳細に規定されている。原子力規制委員
会の検査官が、計画されていない若しくは事前通告なしで検査を開始することは限定されている。
また、対象を特定した対応型検査を実施し、それにより新たに発生し進展する事態に迅速に対応す
ることも限定されている。
原子力規制委員会と許認可取得者の検査への取組は重複している。例えば、核燃料サイクル施設に
関して原子力規制委員会は、現在、原子力施設のすべての主要な溶接の検査を行っており、一方
で、その溶接を実施する溶接工の能力も確認している。この状況は、許認可取得者の一義的な安全
に対する責任をあやふやなものにするかもしれない。
検査官は、法律に規定された特定の期間には、施設にいつでも自由に立ち入ることができる。これ
以外の期間については、許認可取得者との合意に基づいて施設にフリーアクセスすることができ
る。この立入りを保証する法令の規定はない。原子力規制委員会は計画されていない、そして、事
前通告なしの検査を実施していない。
原子力規制委員会は、指名された要員の能力、訓練及び再訓練を検証するための検査を実施してい
るが、職務への適合性のような、要員が安全に関連する機能を果たすことを確実にするために許認
可取得者により行われるプロセスを検査の対象にしていない。
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 2、2.5 項には「政府は、政府、法律及び規制の安全に対す
る実効的な枠組みに関する方策を講じるため法律と法規を公布しなければならない。こ
の安全に対する枠組みは、以下のものを提示しなければならない。
… (10)等級別扱いに従った、施設及び活動に対する検査並びに規則の執行に関する方
策...」と定められている。
70
勧告、提言、良好事例
(2)
根拠:GSR のパート 1、要件 27 には「規制機関は、許認可取得者が規制要件及び許認
可に明記された条件に適合していることを確認するために、施設及び活動の検査を実施
しなければならない。」と定められている。
(3)
根拠:GSR のパート 1、要件 28 には「施設及び活動の検査は、計画された検査及び対
応型検査(どちらも通知検査及び抜き打ち検査がある)を含めなければならない。」と
定められている。
(4)
根拠:GSR のパート 1、要件 29、4.50 項には「規制機関は、規制要件及び許認可に明記
されているすべての条件への適合性を確認するために、施設及び活動に対する検査の計
画を策定し、かつ、実施しなければならない。規制機関は、この計画の中で、規制検査
の種類(定期的検査及び抜き打ち検査を含む)を指定しなければならず、また、等級別
扱いに従って、検査の頻度及び検査されるべき区域と計画を規定しなければならな
い。」と定められている。
(5)
根拠:GSR のパート 1、要件 29、4.52 項には「規制検査は、規制機関のすべての責任分
野を対象としなければならず、また、規制機関は、独立した検査を実施する権限を持た
なければならない。あらゆる時点における運転の安全を確保するとの制約及び有害な結
果の潜在性に付随する制約の範囲内で、如何なる時点でも如何なる施設又は活動へも規
制検査官が自由に立入るための方策を講じなければならない。これらの検査には、理由
があれば抜き打ち検査を含むことがある。検査の方法、範囲及び頻度は、等級別扱いに
従ったものでなければならない。」と定められている。
(6)
根拠:GSR のパート 1、要件 29、4.53 項には「規制機関は、検査を実施する際に、以下
を含めて多くの側面を考慮しなければならない。
- 安全上重要な構築物、系統、機器及び材料
- マネジメントシステム
- 運転活動と運転手順
- 運転活動の記録とモニタリングの結果
- 請負業者や他の役務提供者との連携
- 職員の能力
- 安全文化
- 必要な場合、合同検査に対する関連組織との連携」と定められている。
(7)
根拠:GSR のパート 3、要件 2、2.14 項には「政府は、放射線リスクを生じさせる施設
の運転又は活動の実施を不当に制限することなく、電離放射線の有害な影響に対し、現
在及び将来の人及び環境の防護のために適切な取決めが実施されていることを確保す
る。これには、現在及び将来の世代の人、並びに、現在の施設及び活動から遠隔地にあ
る住民の防護のための取決めも含まれる。」と定められている。
71
勧告、提言、良好事例
勧告:政府は、
効率的で、パフォーマンスベースの、より規範的でない、リスク情報を活用した原
子力安全と放射線安全の規制を行えるよう、原子力規制委員会がより柔軟に対応で
きるように、
原子力規制委員会の検査官が、いつでもすべての施設と活動にフリーアクセスがで
きる公式の権限を持てるように、
可能な限り最も低いレベルで対応型検査に関する原子力規制委員会としての意思決
定が行えるように
するために、検査制度を改善、簡素化すべきである。
変更された検査の枠組みに基づいて、原子力規制委員会は、等級別扱いに沿って、規制
検査(予定された検査と事前通告なしの検査を含む)の種類と頻度を特定した、すべて
の施設及び活動に対する検査プログラムを開発、実施すべきである。
R9
勧告、提言、良好事例
所見:原子力規制委員会の検査官が受ける初期訓練は、時間が極めて限られている。再訓練プログ
ラムが用意されていない。
7.3.
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 18、4.13 項には「知識管理の要素として、規制機関の職員
に必要な能力と技能を開発し、かつ、維持するために、一つのプロセスが確立されなけ
ればならない。このプロセスには、必要な能力や技能に対する分析に基づく個別の訓練
計画の策定を含めなければならない。この訓練計画は、原則、概念及び技術的側面とと
もに、許認可に対する申請を評価するために、施設及び活動を検査するために、並びに
規制要件を課するために規制機関により取られる手続きを対照としなければならな
い。」と定められている。
S10
提言:原子力規制委員会は、検査、関連する評価そして意思決定に関わる能力を向上さ
せるため、検査官の訓練及び再訓練の改善について検討すべきである。
試験研究炉施設の検査
試験研究炉の検査は、原子力発電所と同様の手順(及び期間)で行われる。検査は、保安検査実施要
領及び施設それぞれの検査マニュアルを用いて実施される。
許認可取得者は、原子力規制委員会の建設工事と性能に対する使用前検査が終了しなければ、試験研
究炉の運転を開始してはならない。
許認可取得者は、運転段階において保安規定を策定し、原子力規制委員会の認可を受けなければなら
ない。認可後、原子力規制委員会による保安規定の遵守状況を確認する検査が行われる。
停止期間が長期化した場合、通常の 1 年を超えない間隔で定期検査が実施される。施設改修工事のた
め試験研究炉の運転停止期間が通常よりも長い期間となるときには、許認可取得者は、改修に係る設
計及び建設の認可プロセスの一環として、改修等の必要期間に相応する品質保証(QA)計画を原子力
規制委員会に提出することが義務付けられている。認可後、品質保証活動の遵守状況を確認する検査
が、原子力規制員会により実施される。
72
現在、試験研究炉の保安検査のため 10 名の検査官が、その他の検査のため 14 名の検査官がいる。こ
れに加え、地方検査官がいる。すべての検査官は、技術的知識及び特別の訓練に応じて、原子力規制
委員会により認証されている。
IRRS チームは、JRR-3 訪問時に日常の検査会議を視察した。検査では、原子力規制委員会の検査官に
より直近数週間の保守作業とその記録がチェックされ、施設への入構が行われた。チームは許認可取
得者から、JRR-3 は原子力規制委員会の新規制基準への適合の承認が得られれば運転を再開する状態に
あると伝えられた。
7.4.
核燃料サイクル施設の検査
炉規法は、核燃料サイクル施設について、原子力発電所用と同じ範囲の検査(使用前検査、施設定期
検査、保安検査、及び溶接検査)を規定している。
使用前検査は、原子力規制委員会本部の検査官が行い、検査の範囲、内容及び許容基準は、活動実施
が認可された際の申請書に基づき、その技術的専門家により策定される。申請書の範囲及び内容は、
活動の種類により決められる。使用前検査は、炉規法に規定された提出書類の内容に関するものであ
り、等級別扱いを適用して適切に核燃料サイクル施設の最も危険な活動に重点を置いて、相応の時間
をかけて検査を完了する。使用前検査では、設計上の意図とそれに関連する安全性を正当化する制限
や条件に沿って、十分な建設工事が行われたことを確認する。個々の検査と試験は、その終了が署名
承認されなければならない。すべてが申し分なく完了すれば、報告書と記録が原子力規制委員に提出
され、了承が得られれば、施設は運転段階に移行することができる。
運転段階においては、毎年、原子力規制委員会による施設定期検査が実施される。その範囲は、前記
の最初の使用前検査の内容に基づいており、さらに、運転上及び規制上の経験が考慮される。原子力
規制委員会が施設定期検査を完了するには、4 カ月かかることがある。検査官は、構築物、系統及び機
器の性能が設計上の意図を引き続き満たすことについて、再確認する。
保安検査は、他の施設と同様に年 4 回(四半期ごとに)、主要な核燃料サイクル施設に対して実施さ
れるが、その期間は施設の種類に応じ、3~10 日の間となっている。IRRS チームメンバーによる六ヶ
所のサイト訪問において、検査する領域を特定したスケジュールが策定されているものの、そのスケ
ジュールは検査の範囲のみであって、検査の深さを定めていないことが明らかになった。このため、
スケジュールからは保安検査の程度とそれに関連した厳格さが明確ではなく、どれほど厳格に検査を
実施すべきかの詳細は検査実施前の内部会議において論議され決定されるものの、その詳細がどのよ
うに記録されているかについても確認できなかった。これに加え地方検査官は、基本的なプラントの
巡視(facility walk-downs)も実施するが、多くの場合、これは日常的に行われている。これらは、こ
のミッション中にチームのメンバーによって観察されており、基本的な日常巡視とプラント状態の
チェックとなっている。
7.5.
放射性廃棄物管理及び埋設施設の検査
RI法の規制を受ける廃棄物管理施設
RI法による規制を受ける放射性廃棄物管理施設に対して、2 種類の施設検査が実施されている。
1.
3~5 年ごとを基本とする強制検査
この検査は、原子力規制委員会に代わり 2 つの登録検査機関によって実施されている。
a.
原子力安全技術センター(以下、「NUSTEC」という。)
b.
放射線管理研究所(以下、「RAMI」という。)
73
許可廃棄業者は、登録検査機関に検査を申請することが義務付けられている。RI法(第 12 条の 9)
は、原子力規制委員会への申請を義務付けている。しかしながら申請は、実際には原子力規制委員会
にではなく、原子力規制委員会の代わりに検査を実施する登録検査機関に提出されると、IRRS チーム
は伝えられた。原子力規制委員会は、この強制施設検査の申請に直接関与していない。
登録検査機関は、検査終了後、実施した検査の報告書を原子力規制委員会に提出する。不適合が確認
された場合、登録検査機関は、直ちに原子力規制委員会に報告書を提出することが義務付けられてい
る。この場合に原子力規制委員会は、許可届出使用者等に対するフォローアップ措置を講じる。フォ
ローアップとしては、是正措置の実施、若しくは、変更許可申請の提出を使用者に求めることがある。
原子力規制委員会は、すべての許可届出使用者等が強制検査を申請したこと又は強制検査が終了して
いることについて確認するためのプロセスがない。しかしながら、登録検査機関が、適切な時期に検
査を申請していない施設を、適宜、原子力規制委員会に通知している。
原子力規制委員会は、使用者が、強制施設検査を申請していること若しくは登録検査機関により検査
が実施されていることを確認するためのプロセスがない。同様に、これらの施設に義務付けられてい
る定期検査のための計画もない(提言 S1 を参照)。
2.
10 年に一度、原子力規制庁職員により実施される検査
原子力規制委員会は、毎年の検査計画の策定にあたって非原子力の許可施設の検査を含めている。こ
うした施設は、少なくとも 10 年に一度原子力規制委員会による検査を受けることが義務付けられてい
る。原子力規制委員会設置されたのは 2012 年であることから、現時点ではすべての施設が原子力規制
委員会による検査を受けたわけではない。
炉規法の規制を受ける廃棄物管理施設
廃棄物管理施設の検査は、炉規法に規定されている。実施される検査(使用前検査、溶接検査、施設
定期検査、保安検査)の頻度及び種類は、すべての施設と同様、法律に規定されている一方、検査の
深さは、施設の安全文書の内容を考慮した等級別扱いに基づいている。使用前検査と定期検査は、原
子力規制委員会本部と現地/地方事務所の職員により行われる。
7.6.
放射線源を使用する施設及び活動の検査
原子力規制委員会は、RI法に沿って、原子力規制委員会の検査官による放射性同位元素及びその他
の放射線発生装置の許可届出使用者等の法令遵守の検査を実施している。同法は、特定許可使用者が
最初の放射線同位元素及びその他の放射線発生装置を使用する前に技術基準への適合性を確認するた
めの検査及びその後の定期検査を原子力規制委員会に登録された外部検査機関が実施することを認め
ている。現在、2つの外部の登録検査機関がこれらの職務を実施している。
約 8,000 の放射線源及び施設の許可届出使用者等がおり、そのうちの 2,400 の許可使用者は 10 年に一度
原子力規制委員会の検査官による立入検査を受ける。1,200 の特定許可使用者に対しては 3~5 年ごと
に登録検査機関が定期検査を実施する。
RI法で認められてはいるが、原子力規制委員会も 2 つの登録検査機関も事前通告なしの検査を実施
していない。原子力規制委員会では、毎年度の始めに許可届出使用者等に対する立入検査の年度計画
を策定しており、これには検査の実施件数、対象施設及び取り扱う主要課題が含まれている。この計
画は原子力規制庁において承認されることが必要であり、2 つの登録検査機関に伝えられる。年度計画
における立入検査の優先順位は、許可届出等から後 3 年以上検査を受けていない施設又は前回の立入
検査から 10 年以上経過している施設である(登録検査機関による定期検査と定期確認の対象となって
74
いる特定許可使用者及び許可廃棄業者を除く)。この計画には、高出力の放射線発生装置が設置され
た研究施設への立入検査も含まれる。原子力規制委員会は年間おおよそ 200 件の立入検査を実施する。
一つの登録検査機関は年間 240 の定期検査を実施しているが、もう一方の登録検査機関は最近登録さ
れたばかりであり、これまでに実際の検査はほとんど行われていない。登録検査機関はそれぞれ、検
査実施件数と検査結果を詳述した報告書を、毎月原子力規制委員会に提出している。原子力規制委員
会は、登録プロセスの一環として登録検査機関の検査手順を審査し承認しているが、登録検査機関の
業務の品質若しくは検査結果の正確さについて定期的に検証していない。
原子力規制委員会による計画的な立入検査は、毎回、少なくとも 2 名の検査官から成るチームにより、
規制要件に対応する項目毎のチェックリストを用いて行われる。検査は、許可届出使用者等が必要な
規制要件を遵守しているかどうか判断することを目的としており、そのほとんどは関係者のインタ
ビューを含む記録確認である。検査官が規制要件への不適合を見つけた場合、検査終了時にその所見
を許可届出使用者等に伝えるとともに、事務所に戻り次第、(放射線規制室の)室長に報告する。次
に室長は、原子力規制委員会に報告し、そして、許可届出使用者等に対して問題を解決するよう指示
を出すことになる。許可届出使用者等による是正措置の実施状況は、次回の検査で確認される。
原子力規制委員会は、検査の実施手順を定めておらず、いくつかの検査官用の手順ガイダンスの他に
は、法令要求と許可された運転プログラムのうち検査すべき項目についての検査チェックリストのみ
に依存している。検査官を訓練するための体系的アプローチは用意されていない。検査官は、業務を
開始するのに先立ち 2 週間の研修課程に参加することのみが求められている(勧告 R5 を参照)。
IRRS チームは、原子力規制委員会の検査官若しくは登録検査機関が、厚生労働省と医療施設における
共同検査を実施していないことを確認した。IRRS チームは、全体的な安全性の確保のため、共同検査
の実施が有益であろうと考える。
7.7.
廃止措置の検査
非原子力施設の場合、廃止措置中の施設検査は、廃止措置により大量の放射性廃棄物が発生する場合
にのみ行われる。
廃止措置中の施設(発電用原子炉施設、試験研究炉、核燃料サイクル施設)は、定期検査及び保安検
査の対象となる。しかしながら保安検査の頻度は、廃止措置の進捗を踏まえて通常の年 4 回よりも低
減される。
7.8.
要約
日本における法的枠組み及び確立された手法により、すべての許認可施設において包括的な検査が行
われている。検査の種類、その頻度と期間は、法的拘束力のある文書に詳細に規定されている。検査
官には、検査をどのように実施するかについての詳細なガイドラインが用意されている。検査は、多
くの場合、施設内の機器の性能の確認に向けられており、組織的、人的振舞いに関する側面に振り向
けられていない。規制検査の枠組みと実務上の仕組みは、原則として、関連する IAEA 安全要件に沿っ
ている。しかしながら IRRS チームは、原子力規制委員会の検査プログラムには、ある分野において大
きく改善することが必要と結論づけた(勧告 R9 を参照)。
特に、検査のための法的枠組みが規範的なものになっており、リスク上の重要性を勘案して検査の範
囲、頻度及び内容を決める自由度が原子力規制委員会に許されていない。原子力規制委員会の検査官
は、いかなるサイトにも何時でもフリーアクセスできることが、法律上認められるべきである。対応
型検査を開始するための意思決定プロセスを短くするべきである。より多くの訓練と再訓練を検査官
75
に行うべきである。原子力規制委員会内の異なる部署による異なるタイプの施設に対する検査の方法
は調和させるべきである。検査所見の追跡、原子力規制委員会内の他の部署との情報共有のための文
書管理システムを改善する必要がある。
原子力規制委員会は、検査に関する法的枠組みを簡素化する必要性を認識しているが、まだ、必要な
変更を始めていない。IRRS チームは、効率的で、パフォーマンスベースであり、リスクインフォーム
ドな方法での検査を計画、実施するための、より大きな権限を原子力規制委員会に与えることを目指
して法的枠組みを簡素化するという考えを支持する。
76
8.
8.1.
執行
執行の方針とプロセス
炉規法及びRI法は、原子力規制委員会が執行プログラムを実施するための法的枠組みを定めている。
両法の数多くの条項が、規制要求若しくは許認可に指定された条件への不適合に対応するための措置
を行う権限を原子力規制委員会に付与している。例えば、発電用原子炉施設について原子力規制委員
会には、保安規定違反が確認された場合、保安規定の変更、設置許可取消し、あるいは、運転停止を
命令する権限が与えられている。
保安検査が関連する執行には等級別扱いが用いられる。「発電用原子炉施設保安検査実施要領」には、
原子力安全への影響を考慮して違反の重大性を評価することに関するガイダンスが含まれている。違
反のタイプは、原子力安全への実際の、又は可能性のある影響の程度についての決定論的評価によっ
て決定される。違反は、安全上の重大性の順に、違反 1、違反 2、違反 3、又は監視とされている。最
初の 3 タイプの違反に対して、原子力規制委員会の対応は段階付けされている。違反「監視」につい
て原子力規制委員会は、許認可取得者の是正措置を監視し、将来の検査においてそれらを精査する。
上記のガイドライン及び上記の法律に含まれるいくつかの特定のガイダンス以外に、文書化された公
式の執行の方針は存在しない。
施設定期検査において不適合が確認された場合、原子力規制委員会は実施中の検査を中止し、許認可
取得者が当該問題に満足いく形で対応するまで、その部分の検査を終了させない。許認可取得者は状
況が十分解決し(そして、その後に施設検査が完了する)まで、運転を再開できない。この状況にお
いては、これ以外の執行に係る措置はない。
原子力規制委員会の執行プロセスには、許認可取得者が特定した違反に対し特別な考慮は行われない
が、そのような場合に許認可取得者は、通常、タイムリーな原子力規制委員会の評価と問題の終了を
可能にする是正措置を先行して行っている。認可取得者による不適合の特定、是正の奨励、若しくは、
安全文化との関わりといった重要な側面は、執行に関する公式の方針の中で対処することができるだ
ろう。
原子力規制委員会の検査官は、違反に対処するための適切な是正措置を許認可取得者が完了したこと
について確認する。これには、許認可取得者の活動状況、根本原因分析の程度の評価が含まれる。こ
れらの原子力規制委員会の検証活動の強さは、違反の重大性に応じて調整される。しかしながら、許
認可取得者の是正措置を追跡する体系的なプロセスは設けられていない。これは個々の検査官に任さ
れている。
重大な違反については、許認可取得者の根本原因分析の詳細な評価が原子力規制委員会本部で行われ
る。原子力規制委員会は、未だ、対応活動の程度を決定するための公式の正式文書を定めていないが、
将来の違反に適用するためプロセスについて検討中である。
行政手続法の条項には、違反に対する許認可取得者による不服申立てが規定されている。
執行措置は、主に定期に行われる保安検査において、評価と執行に統合される。
8.2.
執行の実施
発電用原子炉にあっては、執行が行われる可能性のあるものは迅速に許認可取得者に伝えられる。通
常、これは検査官事務所長から許認可取得者の管理層に口頭で伝えられる。低いレベルの違反(監視)
については、原子力規制委員会本部に問題が連絡される一方、検査官が評価を行い、その後、書面で
許認可取得者の管理層に伝えられる。原子力規制委員会には、監視とされた違反のすべてのリストが
定期的に提示される。原子力安全に影響を与える問題(違反 1、2 又は 3)については、原子力規制委
77
員会本部及び原子力規制委員に直ちに連絡される。変更、運転停止、若しくは、許認可取消しに係る
命令を含む制裁措置は委員会が決定する。IRRS チームは、制裁措置のレベルを決定する文書化された
プロセスが存在しないことを確認した。公式のプロセスを確立することは、透明性と予見可能性に資
するだろう。IRRS チームは、執行プロセスはメディア報道により補完される可能性があると考える。
炉規法には個々の執行措置が規定されており、原子力規制委員会は、自らの行為に責任を負わせるた
めに適切な場合、個人に対する違反を検討する。重大な違反の場合は訴追につながることがある。
ほとんどの商業用原子炉の原子力規制委員会発足以降の運転状態により、執行に係る活動の実施経験
は限られている。
原子力規制委員会の検査官には、目前の、若しくは、差し迫った安全問題に対処するための措置を命
令する権限が与えられていない。検査官は許認可取得者とのコミュニケーションを通じてこのような
問題を追跡し、対応が必要であれば直ちに原子力規制委員会の上層部に連絡し支援を求める。
原子力規制委員会本部では、このような情報は、次の原子力規制委員会定例会合の議題の 1 つとされ、
そこで是正措置命令について決定されることになる。極めて緊急を要する場合には、臨時の委員会が
招集され、3 名以上の委員が出席すれば決定を行うことができる。
勧告、提言、良好事例
所見:原子力規制委員会には、文書化された明確な執行の方針がない。原子力規制委員会には制裁
措置のレベルを決定するための文書化されたプロセスがない。原子力規制委員会の検査官には、安
全上重大な事象のおそれが差し迫っていても是正措置を執行する権限が与えられていない。そのた
めには原子力規制委員会本部の対応を待たなければならない。このような状況は、日本国内のすべ
ての許認可対象施設の検査官にとって同じである。
8.3.
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 30 には「規制機関は、規制要件又は許認可で明記されて
いるすべての条件への許認可取得団体の不適合に対応して、法律の枠組みの範囲内で、
違反に対する措置政策を策定し、かつ、実施しなければならない。」 と定められてい
る。
(2)
根拠:GSR のパート 1、要件 31 には「許認可プロセスで予見されなかったリスクを含
めて、リスクが特定された場合、規制機関は是正措置が許認可取得団体によってとられ
ることを要求しなければならない。」と定められている。
(3)
根拠:GSR のパート 1、要件 31、4.58 項には「規制機関は、必要があれば活動の中断又
は施設の運転停止の執行を含め、是正措置に対する判断基準を定めなければならない。
安全上重大な事象の発生が差し迫っている可能性がある場合、現地の検査官は、いつで
も是正措置を講じる権限が付与されなければならない。」と定められている。
R10
勧告:原子力規制委員会は、不適合に対する制裁措置又は罰則について程度を付けて決
定するための文書化された執行の方針を基準とプロセスとともに、また、安全上重大な
事象のおそれが差し迫っている場合に是正措置を決定する時間を最小にできるような命
令を処理するための規定を策定すべきである。
要約
執行のための原子力規制委員会のプロセスは、断片的であり、いくつかのプロセスは文書化されてい
ない。原子力規制委員会の執行の経験は限られているが、許認可取得者のパフォーマンスに関する重
大な問題に対処するための行動を取ることは可能であり、今後そのよう行動していくとしている。し
かしながら、そのためのプロセスの予見可能性は十分ではない。原子力規制委員会は、不適合の重大
性のレベルの評価、異なるレベルの不適合に対する制裁措置、命令発出のプロセス、また、重大な安
78
全問題が起こっている場合の原子力規制委員会検査官に期待される行動といった事項について、明確
にするプロセスを定めた公式の執行の方針を策定する必要がある。
79
9.
9.1.
規則とガイド
一般的事項
原子力基本法は、原子力利用は平和目的に限られるものとすると明記し、人々の生命、健康及び財産
の保護、環境の保全、国の安全保障に資することを目的として、確立された国際的基準を踏まえて、
安全が確保され、それが実行されることを要求している。
原子力規制委員会は、原子力規制委員会規則及び関連ガイドとして、様々な種類の施設や活動に対し
て、段階(例えば、設計、建設、運転、廃止措置)に応じて、規則及びガイドを作成し、公表してい
る。省令レベルでの発電用原子炉施設の原子力安全のための規則は原子力規制委員会が作成している。
他の行政機関は、放射線審議会に諮問する。これは、放射線防護に関する技術的基準の斉一を図るこ
とを目的とするものである。
発電用原子炉施設のための規則及びガイドを策定するに当たって、規制機関は利害関係者からの意見、
最新知見や経験の反映を考慮している。利害関係者からの意見を組み入れるために、原子力規制委員
会は、規則及びガイドの内容に関するパブリックコメントを募っている。また原子力規制委員会は、
他の政府組織からの関与も求めることがある。このプロセスを通じて、原子力規制委員会は許認可取
得者から意見を聴くことができる。また、原子力規制委員会は規制の重要な変更に関して公衆に開か
れた会合において許認可取得者の主張を聴く機会を設けている。原子力規制委員会の委員は、文書案
についてパブリックコメントを求めようとする決定を行い、さらに、パブリックコメントを反映した
後に、規則及びガイドを発行する決定を行う。これらの会合はインターネット上で生中継される。
原子力規制委員会は規則及びガイドを策定し、その規則策定の基礎として IAEA 安全基準を用いること
に努めている。原子力規制委員会は IAEA の CSS 及び OECD/NEA の CNRA で行われるすべての活動に
参画している。研究開発及び技術進歩についても検討している。しかし、原子力規制委員会は、IAEA
安全基準に系統だてて、手続き面で適切に考慮することを含め、規則及びガイドを評価し見直すため
の体系的プロセスを文書化していない。原子力規制委員会は規則及びガイドの評価と見直しのための
体系的プロセスを文書化する必要があり、これには、今回のミッション中に最新化を必要とすると特
記された安全性の向上のための評価に関する運用ガイドも含むべきである(第 6 章参照)。
安全解析書は、許認可プロセスが効率的に行われるよう、施設又は活動に関する十分な情報を示すべ
きである。原子力規制委員会は、許認可の申請を補足するために申請者が提出する文書の様式と内容
に関する詳細なガイダンスを発行していない。このガイダンスに関する課題については第 6 章でも特
記している。
勧告、提言、良好事例
所見:規則及びガイドが更新されることを確保するための、規則及びガイドを定例的に評価し見直
す文書化された体系的なプロセスはない。IAEA 安全基準は考慮されているものの、系統だった方法
ではない。原子力規制委員会は規制活動を支援するガイド文書を発行しているが、これらの文書は
放射線源とその関連施設を規制する活動のすべてを対象としていない。
原子力規制委員会は、許認可取得者の報告書に含まれるべき内容を詳細に記した「実用発電用原子
炉の安全性の向上のための評価に関する運用ガイド」を策定した。この文書は、地震評価又は確率
論的評価等の特定事項の細部については、PSR に関する IAEA SSG-25 を一通り反映しているが、機器
の性能検定等のいくつかの要素は明示的には言及されていない。
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 33 には「規則とガイドは、関連する国際的な安全基準、
技術基準並びに関連する経験を十分に考慮して、最新の状態に維持するため見直され、
必要がある場合は改定されなければならない。」と定められている。
80
勧告、提言、良好事例
(2)
根拠:GSR のパート 1、4.61 項には「政府又は規制機関は、法律の枠組みの範囲内で、
規則及び指針を制定又は採用し、普及並びに修正するためのプロセスを確立しなければ
ならない。」と定められている。
(3)
根拠:GSR のパート 1、要件 32 には「規制機関は、規制上の判断、決定及び措置の根
拠となる原則、要件及び関連の判断基準を規定するため規則と指針を制定又は採用しな
ければならない。」と定められている。
(4)
根拠:GS G 1.5 の 3.11 項には「規制機関が規範的規則を策定した程度に関わらず、規制
機関はその規則をガイダンス文書で補完するよう考慮することが求められる。」と定め
られている。
(5)
根拠:GSR のパート 1、要件 25 には「規制機関は、施設及び活動が規制要件や許認可
に明記されている条件を遵守しているかどうかを見極めるために、関連情報(許認可取
得団体又は製造者から提出されたもの、規制機関により編纂されたもの、あるいは、他
から得たもののいずれであろうとも)を審査しかつ評価しなければならない。このよう
な情報の審査と評価は、許認可の前に実施されなければならず、また、規制機関により
公布された規則の中で、又は許認可の中で明記されているように、施設の存続期間中又
は活動の継続期間にわたって繰り返し実施されなければならない。」 と定められてい
る。
(6)
根拠:GSR のパート 4、5.2 項には「安全評価は、それ自体で安全を達成することがで
きない。安全は、入力条件に用いられた仮定事項が有効であり、得られた制限及び条件
が実施及び維持され、また、その評価がいかなる時点でも施設又は活動をあるがままに
反映しているものである場合にのみ達成できる。安全評価を最新化することは、監視
データ及び実績指標の将来の評価に対する基礎を提供するためにも重要であり、また、
放射性廃棄物の貯蔵と処分のための施設に対しては、敷地の将来的利用に関する参照用
の適切な記録を提供するためにも重要である。」と定められている。
(7)
根拠:SSG-25 の 2.13 項には「本安全基準で推奨している 14 の安全要素は次のとおり
…。プラントに関連する安全要素…」と定められている。
(8)
根拠:SSG-25 の 2.18 項には「レビュー手順は 4 つの段階に分けて実施すべきである。
これは必要に応じて、重複することも、又は、さらに小段階に分けられることもある
…」と定められている。
勧告:原子力規制委員会は、以下を行うべきである。
R11
9.2.
規則及びガイドを定例的に、また、新たな必要性が生じた場合に評価・見直す
ためのプロセスの改善及び文書化
必要な場合、規則のガイダンス文書による補完
安全性の向上のための評価に係るガイダンスの改善
発電用原子炉施設に関する規則とガイド
原子力基本法は、原子力の安全利用を確実なものとするための基本的な枠組み政策を制定しており、
とりわけ、下記法令によりその枠組みの実施における具体的措置を規定している。
原子力規制委員会設置法(設置法)
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(炉規法)
原子力災害対策特別措置法(原災法)
炉規法は、発電用原子炉施設に伴うすべての活動について許認可取得者に安全と安全性向上を確保す
る責任を課している。この責任は他の者に委譲することはできない。「発電用原子力施設の規制を支
81
援するために、原子力規制委員会は、実用発電用原子炉に対して省令の形式で要件文書を策定し、ま
た、サイト特性、設計、建設、試運転開始、運転、廃止措置及び放射線防護に関する具体的なガイダ
ンス文書を策定した。
規則は、運転開始に先立ち、運転上の制限値及び条件、保守、検査及び設備の試験を含む「保安規定」
の提出を要求しており、これは、原子力規制委員会の認可を得る必要がある。許認可取得者は認可さ
れた「保安規定」を遵守しなければならない。また、この規定に違反した場合、原子力規制委員会は
許認可取得者に対し、是正措置を取ること、又は、状況によってはプラントの運転停止をも命ずるこ
とができる。また、原子力発電所の解体前には、許認可取得者は廃止措置計画も作成し原子力規制委
員会の認可を得なければならない。
原子力規制委員会は設置許可申請書の審査を支援するためにガイドを策定した。例えば、「実用発電
用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則の解釈」、「実用炉技術基準解
釈」、「実用炉保安規定審査基準」、「実用発電用原子炉及びその附属施設の火災防護に係る審査基
準」、「原子力発電所の火山影響評価ガイド」、「実用発電用原子炉に係る発電用原子炉設置者の重
大事故の発生及び拡大の防止に必要な措置を実施するために必要な技術的能力に係る審査基準」など
がある。原子力規制委員会は、申請された設計が関連する規制要件を満たしていることを確実にする
ためにこれらの規制ガイドを利用して許認可取得者の申請を審査している。許認可取得者がガイドで
示している手法とは異なる手法を用いると判断した場合は、原子力規制委員会は関連規制ガイドを参
照してケースバイケースでその手法の妥当性を審査している。
東京電力福島第一原子力発電所の事故に対応して、原子力規制委員会は新しい規制要件を策定し、特
に、自然災害の厳格な評価、重大事故の防止と緩和の対策の必要性、バックフィットを求め、また、
継続的な改善のための新たな要件を求めている。この改定は、機器の設置、職員の教育強化、又は災
害防止のために必要な他の対策を取る際、原子力施設における安全に関する最新の知識を考慮し、先
を見越した行動を取る責任を許認可取得者に課している。この迅速な対応は、第 1 章で記載されてい
る良好事例 GP2 で特記されている。原子力規制委員会はその自己評価において、規則とガイドに関連
する必要な措置を特定しており、これは適切な行動計画の下で実施されることになっている。
定期安全レビュー(安全性の向上のための評価の一部)
東京電力福島第一原子力発電所の事故に対応して、2012 年 6 月に炉規法が改正され、以前の定期安全
レビューに代わり、実用発電用原子炉施設の安全を強化するための評価システムが導入された。許認
可取得者は、少なくとも 5 年ごとに、「安全性の向上のための評価」を実施することが求められてい
る。このような安全評価報告書の最初の提出は 2017 年中頃に求められている。
原子力規制委員会の「実用発電用原子炉の安全性向上評価に関する運用ガイド」は、提出資料に記載
されるべき内容を詳細に記している。報告書には、例えば、確率論的安全評価及び決定論的安全解析
からの知見に関する情報、自然災害分析、機器の状態、経年変化管理規定、「自主的措置」と呼ばれ
る安全改善対策の特定が含まれる。許認可取得者が特定した自主的措置を自ら実施しない場合、原子
力規制委員会は許認可取得者にそれらの措置を実施することを直接命令できない。原子力規制委員会
は、承認された「保安規定」における許認可取得者の義務を根拠として、要求される改善の実施を徹
底するよう間接的に対応しなければならないことになる。
安全性の向上のための評価を行った後に、安全評価及び安全対策に関する知見を含んだ安全解析書に
更新することは法令上の義務にはなっていない。しかし、原子力規制委員会は、得られた知見に基づ
いて新しい規制要件を策定し、また、バックフィット規則の実施を通して、許認可取得者はこれに従
わなければならず、必要ならば修正した設置許可を申請しなければならないことになる。
82
9.3.
試験研究炉施設に関する規則とガイド
炉規法は、原子炉の設置と運転に関する規則を定めており、試験研究炉の設置許可に関する基準も規
定している。
試験研究炉施設の設置許可に対する要件は、試験炉設置許可基準規則で規定されており、原子炉の分
類と特性に従った等級別扱いに基づいている。この分類は原子炉の出力と型式に基づいており、低出
力原子炉、臨界集合体、中・高出力原子炉、ナトリウム冷却高速炉、ガス冷却炉等となっている。ま
た、熱出力 500 kW を超える水冷却型研究炉、ナトリウム冷却型高速炉、ガス冷却型原子炉、高圧・温
度ループ・冷中性子線源・温中性子線源等の実験装置を用いた原子炉、有害危険物質の試験に使用す
る原子炉に対しては、特有の要件も規定されている。
発電用原子炉の場合と同様、許認可取得者は、試験炉規則に規定されている「保安規定」を作成、規
定し、原子力規制委員会の認可を得なければならない。また、原子力規制委員会は保安規定の遵守状
況について検査する。さらに、規制要件は、許認可取得者が品質保証活動に関する方針を作成し、そ
れを実施し、評価し、継続的に改善する必要性を明確にしている。
2013 年、熱出力 500 kW 以上の水冷却型研究炉、ナトリウム冷却型高速炉及びガス冷却型原子炉につい
て、設計基準を超える事故状態が悪化することを防止するための新たな要件が制定された。
9.4.
核燃料サイクル施設に関する規則とガイド
発電用原子炉施設と同様に、原子力基本法が核燃料サイクル施設の安全な利用を確保するための基本
枠組み方針を規定し、下位法令が詳細な規制の枠組みを制定している。この枠組みには、核燃料の加
工と濃縮、使用済燃料再処理及び使用済燃料貯蔵施設に関する特定の規則とガイドとともに、核燃料
サイクル施設への規制要件と求められる事項を記載する数多くの文書がある。これらの規則とガイド
は施設のライフサイクルの各段階を含み、許認可取得者が特定の行為に際して許可を求める場合に、
規制機関に対する申請に含めなければならない事項を規定している。
臨界、冷却、閉じ込め及び遮蔽を検討する必要性に加えて、核燃料サイクル施設のための規制要件は、
換気、水素、形状、材料選択、化学物質ハザード、プロセス管理、計装等を含み、これらのタイプの
施設に重要な領域も明確にしている。これらの要件は概略的に記載されており、規制の要件をどのよ
うに満たすかの詳細な基準は規定されていない。核燃料サイクル施設の構造、系統及び機器に適用す
るコードや基準を特定し、それらが各用途に適切なものであることを実証し、実際に適用することは
許認可取得者の責任である。
核燃料サイクル施設のための定期評価又は安全性向上評価に関する運用ガイドは、外部ハザードの検
討を地震と津波に限定しており、すべての関連ある外部ハザードの検討を行うよう改定すべきである。
本節に前述した勧告は、原子力規制委員会がこのことに確実に取り組むことを確保するためのもので
ある。また、規則とガイドは確率論的安全評価の実施を核燃料サイクル施設に要求していない。発電
用原子炉施設への勧告 R11 は、核燃料サイクル施設に対しても、その具体的な特徴を考慮に入れた上
で適用される。
9.5.
廃棄物管理及び埋設施設に関する規則とガイド
原子力規制委員会は、放射性廃棄物管理施設に関連する申請者及び許認可取得団体による使用のため
に一連の規制要件(規則)及びガイドを制定した。これらは以下の設備を対象としている。
放射性廃棄物管理(中間貯蔵と処理)
第一種放射性廃棄物(地層処分を必要とする廃棄物)処分
第二種放射性廃棄物(浅地中及び地層処分以外の方法で処分される廃棄物)処分
83
核燃料物質の事業所外輸送
廃棄物管理及び埋設施設の許可要件及び手順は基本的に発電用原子炉と同じであるが、要件の内容と
レベルは等級別扱いに基づき異なっている。この法的枠組みの下では、許認可取得者は、当該施設の
廃止措置の完了まで、廃棄物処分施設の設置と運転中に発生するすべての安全に係る事項について、
一義的責任を有する。
原子力規制委員会は、当該施設の保安規定の審査のために原子力規制委員会の職員が使用する審査基
準を策定している。
IRRS ミッションのために準備した事前提出資料及び改善措置計画の一部として、原子力規制委員会は、
中深度処分に関連する追加的な要件とガイダンスを策定する必要性を認識している。廃止措置プラン
トの数が増大することが予想され、廃棄物によっては浅地中処分の対象となる放射能濃度を超える放
射性物質が含まれるためである。
日本において放射性物質の地層処分に関連するプロジェクトは当面ないという事実を考慮して、原子
力規制委員会はこのような廃棄物の処分に関する規制基準を作成していない。
9.6.
放射線源を使用する施設及び活動に関する規則とガイド
日本は、放射線源及び施設の規制を定めた法律、政令、規則及び告示を含む包括的な一連の法制を有
している。放射線に関連する技術的基準に関する規則制定の際、原子力規制委員会は放射線審議会に
諮問する。同審議会は原子力規制委員会、厚生労働省、農林水産省、国土交通省等の規制所管当局が
策定する技術基準の整合性に関する助言を与えることを目的とした法令に基づく審議会である。原子
力規制委員会は、重要な変更があった場合には検査の間の質疑応答を通じて、また、産業界のセミ
ナーに講演者を派遣することを通じて、認可取得団体にその規則の普及を促進している。
これらの規則は概略的であり、原子力規制委員会は特定事項に対応して事務連絡文書を発行している
が、この分野の規則を補完するような手順のガイダンス文書は発行していない(勧告 R11 参照)。
9.7.
廃止措置に関する規則とガイド
廃止措置のための要件及びガイドは特定の施設(発電用原子炉施設、試験研究炉施設、核燃料サイク
ル、廃棄物管理、又は放射線施設)の規則に含まれている。各施設について、事業者は廃止措置計画
を作成し、これを原子力規制委員会に提出し認可を受ける義務がある。廃止措置計画の内容はそれぞ
れの規則に規定されている。廃止措置活動完了後、事業者は、完了した廃止措置活動を詳細に記した
報告書を提出し、完了した廃止措置手段の確認を規制委員会に求める義務がある。
IRRS チームは、この規則が、保存すべき情報と廃止措置段階の保存期間について非常に詳細で規範的
な方法で規定していることを認めた。
9.8.
要約
原子力規制委員会は、各々の段階(例えば、設計、建設、運転、廃止措置)毎に、様々な原子力施設
及び活動に関して規則及びガイドを策定し、公表している。原子力規制委員会は性能規定化された規
制要件(原子力規制委員会規則)、標準化した審査基準及びその他の補完的なガイドを策定している。
2013 年、原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の事故からの教訓を組み入れ、許認可
取得者が日本に特有の自然災害、それによる重大事故及び原子力施設の継続的安全性向上のための新
しい要件を考慮することを求めた新たな規制要件を策定した。IRRS チームは、本報告書の第 5 章で言
及しているように、原子力規制委員会が、施設の設計、建設、試運転及び運転の段階において廃止措
置を考慮することに関する要件を有していないことを指摘した。
84
発電用原子炉施設の規則とガイドの策定に当たって、原子力規制委員会は、利害関係者、他の政府機
関及び公衆からのコメント並びに該当する場合には経験に基づくフィードバックを考慮しており、ま
た、関連する IAEA 安全基準も一定の考慮をしている。
現在、規則やガイドを定例的に評価、見直しを行い、適宜改定を行うことに対する文書化されたプロ
セスはない。IAEA 安全指針は考慮されているが、完全に適合することを徹底しているわけではない。
原子力規制委員会はその規制活動を支援するいくらかのガイダンス文書を発行しているが、これらの
文書は放射線源やその関連施設を規制するいくつかの活動を対象としていない。
原子力規制委員会は、許認可取得者に対し、機器を積極的に設置する責任を課して、プラント安全の
継続的改善に関する要件を規定したが、安全性向上評価に関する運用ガイドではすべての自然災害を
考慮することを要求していない。
2013 年、熱出力 500 kW 以上の水冷型研究炉、ナトリウム冷却型高速炉及びガス冷却型原子炉について
設計基準を上回る事故状態の悪化を防止するための新しい要件が策定された。
IRRS ミッションのために原子力規制委員会が準備した事前提出資料の中で、改善措置が特定され、適
切な改善措置計画のもとで実行されることになる。
85
10.
10.1
緊急事態に対する準備と対応-規制的側面
緊急事態に対する準備と対応に関する主な規制要求
基本的責任
緊急事態に対する準備と対応の分野における規制の枠組みは、原子力基本法、炉規法、RI法、原災
法、災害対策基本法及びその他の法的拘束力のある文書に規定されている。これを原子力規制委員会
が定める原子力災害対策指針(以下、「原災指針」という。)が補完している。同指針は、原災法に
基づき策定されており、法的要件を満たすために従うべき詳細なガイダンスとなっている。
原子力規制委員会は、設置法に基づき、発電用原子炉施設の緊急事態に対する準備と対応に関する規
制的側面において責任を有している。
原災法は、発電用原子炉施設の許認可取得者に、各サイトについての「原子力事業者防災業務計画」
を作成、同計画を毎年見直し、また、計画の策定及び改定時に国及び関連自治体と協議することを義
務付けている。同計画は許認可の際に原子力規制委員会に提出しなければならない。原子力規制委員
会は、同計画を確認し、必要ならば変更するよう原子力事業者に指導する。確認は、決められた判断
基準に基づいて行われる。こうして、複数の原子力業者からの計画の確認に一貫性を持たせている。
計画は毎年確認される。炉規法では、許認可取得者に対して、発電用原子炉施設の運転開始に先立っ
て、重大緊急事態シナリオを用いた訓練において保安規定を検証し、当該訓練を毎年実施することを
要求している。
発電用原子炉施設における緊急事態に対する準備と対応のための規制の枠組みは、東京電力福島第一
原子力発電所の事故後に大幅に改定され、強化された。2015 年に、原子力規制委員会は、新たな基準
への適合を計画して審査を申請する発電用原子炉施設に対して、重大事故に対する準備に関連する新
しい検査を開始した。これらの検査は、チェックリストに基づいて行われるが、チェックリストはま
だ正式に策定されていない。原子力規制委員会は、発電用原子炉施設が実施する訓練を確認、評価し、
この訓練結果に基づいて原子力事業者防災業務計画において適切な是正措置を取ることを要求してい
る。
原子力規制委員会は、密封線源、非密封線源、低エネルギーのものを除く放射線発生装置の使用を規
制している。これらの線源に関連する諸規則においては、緊急事態に対する準備と対応については限
られている。許可を受けた事業者は、原子力事業者防災業務計画を設定することを要求されていない。
これらの線源による事故に対して準備すべき措置は非常に限定されており、これらに伴うハザードを
考慮に入れていない。このような措置は原子力規制員会に提出される放射線障害予防規程に若干含ま
れているだけである。これらの措置の審査を行うための規制委員会のガイダンスはない。また、訓練
を実施する要件も存在しない。この問題に対処する必要性は原子力規制員会がその自己評価の中で特
定している(改善措置計画の A23)。
原子力規制委員会は放射線源の輸送を規制しておらず、国土交通省が行っている。輸送事故のための
緊急事態に対する準備と対応は国土交通省が規制しており、原子力規制委員会は要請に応じて助言を
与える役割を有している。
原子力規制委員会は、原子力事故の早期通報に関する条約及び原子力事故又は放射線緊急事態の場合
における援助に関する条約に基づく担当機関に指定されている。
全面緊急事態での対応に関しては、原子力規制庁職員は原子力災害対策本部及びその事務局、原子力
施設の緊急事対策所、その他の緊急事態対応機関に派遣される。
IRRS チームは、放射線緊急事態に対する準備と対応に関して多数の問題点を特定した。これらの所見
の詳細は第 10 章全体にわたって提示されている。
86
勧告、提言、良好事例
所見:RI法の下で規制される電離放射線源に関連する緊急事態に対する準備と対応についての要
件は非常に限定されている。複数の機関が放射線源の使用又は輸送の規制を行っている。認可事業
者は緊急事態に対する準備と対応に関する計画及び措置を策定していない。放射線緊急事態のため
の訓練又は教育の実施を求める要件はない。現場での緩和措置に関する決定について、許認可取得
者及び原子力規制委員会の明確な役割や責任が定義されていない。放射線緊急事態において、原子
力規制委員会の対応の役割を扱う緊急事態対応の内部取決めがない。
(1)
根拠:GS-R-2 の 3.8 項には「規制機関は、緊急時介入が必要となるいかなる活動又は線
源に対して、敷地内における準備と対応の取決めを有することを要求しなければならな
い(…)」と定められている。
(2)
根拠:GS-R-2 の 5.14 項には「各対応組織は、(自らに割り当てられた機能を)調整し
(遂行する)ための一般的な計画又は複数の計画を準備しなければならない…(…)」
と定められている。
(3)
これに加えて、以下の項がこの勧告の根拠を提供している。
GS-R-2 の 3.6、3.10、3.11、3.15、3.16、4.1、4.9、4.19、4.24、4.37、4.38、4.51、4.70、
4.83、4.84、5.2、5.13 項
R12
勧告:原子力規制委員会及び他の放射線源の規制当局は、緊急時計画、タイムリーな通
報と対応の取決め、等級別扱いを用いた品質保証プログラムに関連する要件を含む、線
源に関連する緊急事態に対する準備と対応のための要件とガイダンスを 1 つにまとめて
策定すべきである。
S11
提言:原子力規制委員会は、放射線源に関連する緊急事態に一貫して対応するための計
画と手順の強化を検討すべきである。
脅威の評価(ハザード評価)
原子力規制委員会は、重大な原子力緊急事態についての一般的な脅威評価を行っており、これは異な
る原子力施設に対する緊急時計画区域に関するガイダンスの基礎としている。これらは原子力規制委
員会の原災指針に含まれている。
発電用原子炉施設事業者については、IRRS チームは、サイト固有の緊急時活動レベルを定義するため
の基礎として、脅威(ハザード)評価を一定程度行っていることを確認した。許可を受けた事業者が、
緊急時介入を必要とする可能性のあるすべての行動と状況(オンサイト及びオフサイト)を確実に特
定するために、脅威(ハザード)評価を体系的に実施しなければならない。これは設置許可の際に行
われ、その後「安全性の向上のための評価」の一環として 5 年ごとに見直しが行われる。
10.2
機能に関する規制要求
緊急時管理体制に関する規制
原災法及び原子力事業者防災業務計画等に関する命令は、緊急事態の防止・緊急事態への対応及び復
旧に関連する機能を実施するために、原子力事業者に対し、原子力防災組織の設置、その長とその代
理者の指名、その組織への適切な人員配置を求めている。人員配置要件では、当該事業所における複
数の号機が同時に事故状態に置かれる可能性を考慮する必要がある。原子力規制委員会は、事態対応
のための運転員及び協力企業職員の配置に関する要件、事業者の緊急時対策所の人員配置に関する要
件を定めている。これらの要件の遵守状況は事業者防災業務計画で確認される。事業者は、オンサイ
87
トとオフサイトとの間の調整ができるように、事業所内の対応組織に関してオフサイトの当局に通知
することが義務付けられている。
RI法の下で規制されている放射線源の許可届出使用者等については、原子力規制委員会は、オンサ
イト対応を管理しオフサイトの対応組織と緊急時対応を調整するための適切な緊急時管理体制を確
立・維持する要件を課していない(勧告 R13 を参照)。
緊急時通報等に関する規制
東京電力福島第一原子力発電所事故への対応に際して抽出された教訓に鑑み、原子力規制委員会は、
事業者が緊急事態分類(警戒事態、施設敷地緊急事態及び全面緊急事態)を直ちに特定することに支
援するため、緊急時活動レベルを適用することを要求することとした。緊急時活動レベルは事前に決
定した敷地内での対応措置と公衆の防護対策と関連する。緊急事態分類の考え方は IAEA 安全基準と整
合している。こうした変更は現在、発電用原子炉施設についてのみ実施されており、緊急時対応措置
の迅速な実施に資することとしている。現在、策定された緊急時活動レベルの詳細は発電用原子炉施
設間で異なっている可能性がある。発電用原子炉施設以外の原子力施設については、一連の緊急時措
置レベルは策定されていない(勧告 13 を参照)。本課題を解決する必要性については、原子力規制委
員会は自己評価書の中で示していた(改善措置計画の A20 及び A22)。
原子力規制委員会の原災指針は、原子力事業者が、発電用原子炉の特徴及びサイトの状態に沿った緊
急時活動レベルを設定することを要求し、緊急時活動レベルに関するガイドラインを提供している。
緊急時活動レベルという概念は、原子力規制委員会の原災指針及び日本電気協会規程の中で詳細に示
されているが、より高次の法制度(例えば原災法あるいは炉規法)においては一貫した適用がなされ
ていない。原災法には引き続き第 10 条と 15 条において、5 µSv/h という要件や通報に関する規定があ
る。
日本の規制は、原子力規制委員会を含むすべての関連当局への通報は事業者から行うことを要求して
いる。事業者はまた、通報先がその通報を受け取ったことを電話か自動システムのいずれかで確認し
なければならない。この通報手順は発電用原子炉施設の原子力事業者防災業務計画に含まれることが
要求される。また、通報には時間要件があり(事象を特定してから 15 分以内)、これは発電用原子炉
施設の防災訓練を通して検証され、原子力規制委員会が評価する。(GS-R-2 の 4.22 項が要求している
ように)オフサイトの通報先を一つだけ指定することはしてはないが、情報受領確認の自動システム
を利用することにより、事業者がすべてのオフサイトの関係機関に直接確認する必要がなくなる可能
性が高い。
日本の規制は、事業者が緊急時活動レベルを用いて緊急事態区分を特定し、関係自治体と国の当局に
通報することを義務付けている。この通報に基づいて、国1は確認を行った上で、緊急事態を適切に宣
言し、その後、防護措置の発動に関する決定がなされる2。
発電用原子炉施設以外の事業者に関しては、緊急事態の即時の特定と適切な対応レベルの決定につい
ての原子力規制委員会の要件はない(GS-R-2 の 4.19 項)(勧告 13 を参照)。
1
施設敷地緊急事態と全面緊急事態の緊急事態クラスについては、事業者は直ちに国(主に首相と原子力規制委員会)
に通報し、国は適切な状態の発生を直ちに確認し、そのような情報を現地自治体及び公衆に遅滞なく提供する。国及び
現地自治体は防護措置を実施する。
2
これに関するオフサイトの取決めのさらなる評価は他の IAEA ピア・レビュー(すなわち、EPREV)を受けることに
なっており、IRRS ミッションの範囲を超える。
88
事故緩和措置等に関する規制
原災法及び炉規法は、発電用原子炉施設の事業者に、その事業者が責任を有する施設若しくは活動に
対して緊急時における事象の防止若しくは緩和するための準備をし、必要な対策を取る責任と権限を
課している。重大事故対策手順もまた、GS-R-2 に整合したものとして、保安規定に含まれることが要
求される。RI法は、事業者が即時の対策を取ること、また、このような対策が放射線障害防止規定
の一部であることを要求している。
RI法により、原子力規制委員会には緊急時に現場で取るべき必要な措置に関して事業者に命令する
権限が与えられている。発電用原子炉施設における緊急事態については、炉規法により同じ権限が原
子力規制委員会に与えられており、原子力規制委員会の原災指針において詳細に説明されており、将
来の改正でより詳細に記述される可能性もある。原災法の東京電力福島第一原子力発電所事故後の改
正により、緩和措置の技術的事項に関する権限は原子力規制委員会だけに限定された。
オフサイトからの緊急時支援で、オンサイトへのどのような支援が保証されているかを事業者が確認
する必要性及びその支援を実施するための協調的な運用措置を実施する必要性は、GS-R-2(4.40 項)
において義務付けられているとおり、現行規制の一部になっている。これらの措置は原子力規制委員
会及びその他の当局が訓練を通じて確認している。原災法は、原子力事業者と支援提供組織の間の調
整を両者の防災計画が含むことを要求している。
RI法により、同法に規定されている線源を使用する許認可取得者は、緊急時には関連する緊急時
サービスと協力して即時措置を取ることが義務付けられている。
緊急事態における防護措置の実施
原災法及び防災基本計画により、オフサイトで緊急事態における防護措置を講じる役割、さらにはオ
フサイト当局と協力して行うべき全体的なオフサイトの緊急事態に対する準備と対応が明確にされて
いる。緊急時活動レベルの導入に加えて、原災指針には、モニタリング結果に基づいてオフサイト緊
急事態における防護措置を迅速に実施できるように運用上の介入レベルの使用を示しており、また、
緊急時計画区域を再定義しており、これらの考え方は全体として IAEA 安全基準に概ね合致するように
なっている3。
RI法、炉規法及び原災法により、事業者はサイトにおいて必要なすべての措置を講じることを義務
付けられているが、事業者は緊急事態発生現場にいる職員及びその他の個人に警告する体制を構築し、
不要な職員及びその他の個人をサイトから避難させ、又は応急処置を施すことを明確に義務付けられ
ていない。
情報の提供と指示の発令
防災基本計画では、緊急時計画区域内で、原子力施設近傍に居住する公衆に対して原子力事故が発生
した場合に起こりうる影響、実施すべき措置及びその実施方法に関する情報を提供する際、原子力事
業者、原子力規制委員会及び教育機関を含むその他のオフサイト当局との間で準備段階において役割
を分担することが認識されている。IRRS チームは、発電用原子炉施設近傍に公開情報センターがあり、
同センターに公衆が立ち寄って、発電用原子炉施設に関わる様々な事項に関する情報を入手すること
ができると聞いた。しかし、発電用原子炉施設事業者がこうした活動を確実に行うよう、原子力規制
委員会が確認する仕組みはない。
3
この件に関するオフサイト措置のさらなる評価はその他の IAEA ピア・レビュー(例えば、EPREV)の対
象であり、IRRS ミッションの範囲を超えている。
89
RI事業者については、RI法により、RI事業者は責任を有する線源に関わる緊急事態発生区域の
近隣住民に対し、GS-R-2(4.38 項)に整合的に警報を発することが義務付けられている。RI法施行
規則第 29 条には、事業者が実行すべき措置の項目が含まれている。この点については原子力規制委員
会が検査で確認することになっているが、この確認には基準やチェックリストは用いられていない。
勧告、提言、良好事例
所見:発電用原子炉施設の緊急事態に対する準備と対応に対する規制の枠組みは、東京電力福島第
一原子力発電所の事故後、広範囲にわたって見直されて強化されたが、取り組むべき問題が依然と
して残っている。原子力規制委員会は原子力施設について緊急時活動レベル一式を完全に策定する
必要がある。緊急時活動レベルを即時に判定するための条件又はパラメータを明確にするために、
原子力施設の運転者を支援するガイダンスを策定する必要もある。準備段階において、発電用原子
炉施設周辺の緊急時計画区域に居住する公衆への事業者による情報提供に関する要件の実施状況を
確認する必要がある。
(1)
根拠:GS-R-2 の 4.19 項には「脅威区分 I、II、III 又は IV の施設又は活動の事業者は、
現実又は可能性のある原子力又は放射線緊急事態を即時に識別し、適切なレベルの対応
を決定する準備を整えておくものとする。これにはすべての可能性のある原子力及び放
射線緊急事態(…)を分類するシステムを含む」と定められている。
(2)
根拠:GS-R-2 の 4.54 項には「脅威区分 I 又は II の施設については、…予防的防護措置
を準備する区域及び緊急時防護措置を準備する区域内の…集団グループ…に原子力又は
放射線緊急事態への対応に関する情報を提供する措置を運転前及び運転中に確保してお
くものとし(…)、この情報公開プログラムの有効性を定期的に評価するものとする」
と定められている。
(3)
さらに、下記の項がこの勧告の根拠となっている。
GS-R-2 の 4.23 項及び 4.25 項
勧告:原子力規制委員会は下記を策定すべきである。
R13
発電用原子炉施設以外の原子力施設に関する緊急時活動レベル一式、すべての
原子力事業者が緊急時活動レベルを即時に識別できるようにするためのガイダ
ンス
原子力施設周辺の緊急時計画区域内の公衆に対する情報の提供に許認可取得者
が準備段階で参加していることを検証する手続き
緊急作業者の防護
緊急作業者防護の規定はRI法、炉規法及び労働安全衛生法において定められており、線量の最小化、
通常運転の際の線量限度とは別の緊急作業に対する異なる線量制限の適用、線量のモニタリング及び
評価、個人用防護具及びモニタリング装置の提供、不注意な摂取を予防する措置の実施(緊急作業を
行っている区域内での喫煙、飲食の禁止)、健康サーベイランス及び健康診断、研修、線量の記録、
緊急作業者との情報の共有などの諸側面が網羅されている。さらに炉規法では、原子力施設の運転者
は緊急作業者を防護するためにこれらの側面に関連する手順を策定することが義務付けられている。
原子力規制委員会と厚生労働省は実用炉規則及び厚生労働省規則に基づいて、プラントの放射線業務
従事者から指名された緊急作業者のために措置を講じることを規制している。原子力施設の運転者に
対しては、準備段階において緊急作業者を特定し、指名することを求めている。その他の区分の緊急
作業者は人事院、地方自治体の人事部局及び防衛省など、その他の政府諸機関の所掌下に置かれてい
る。
IRRS チームに、原子力規制委員会と厚生労働省が緊急作業者を対象とした措置に対処する改訂規制を
2016 年 4 月 1 日までに施行するという情報提供があった。これらの改訂規制には、壊滅的事象を防止
又は収束するための緊急作業でのあらかじめ定める実効線量の上限を 250 mSv とすること、健康診断
90
の規定、緊急時対応による被ばく線量のために放射線業務従事者がさらなる職業被ばくを受けること
に関する規定が含まれる。原子力規制委員会と厚生労働省は事業者によるオンサイト緊急作業者に対
する措置を協力して規制している。
原子力規制委員会と厚生労働省の規制をこのように変更することにより、その要件は総じて GS-R-2 に
一致するようになる。さらに、緊急作業者に対する措置を規制する様々な当局の間の協力は 2016 年 4
月 1 日に発効する変更を考慮して継続すべきである(提言 S1 及び勧告 R1 を参照)。この任務に対処
する必要性は自己評価を通じて原子力規制委員会によって特定されていた(改善措置計画の A21)。
勧告、提言、良好事例
所見:東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、緊急作業者の要件を強化する取組が行われてき
た。原子力規制委員会と厚生労働省は緊急作業者を対象とした規制に関する複数の事項の変更を提
案している。2016 年 4 月から実施されるこれらの変更は着実に実施する必要がある。緊急作業者に
対する措置を規制する様々な当局の間の協力は 2016 年 4 月 1 日に発効する変更を考慮して継続すべ
きである。
(1)
根拠:GS-R-2 の 4.58 項には「脅威区分 I、II 又は III の施設、若しくは予防対策区域又
は緊急防護措置計画区域において対応するために招集された作業者は緊急作業者に指定
されるものとする。(…)さらに、放射線の専門家、…脅威区分 IV における活動又はそ
の他の危険を伴う緊急事態に対応することがある……放射線防護監督官及び放射線影響
評価者は緊急作業者と見なされるものとする(…)」と定められている。
(2)
さらに下記の項がこの勧告の基準となっている。
GS-R-2 の 4.62 項、4.63 項
S12
提言:政府は関連当局が同等の任務を行う緊急作業者の区分に応じて一貫性のある要件
を定めるよう検討すべきである。
初期段階の評価
原災指針は、原子力事業者が緊急事態を評価し、緊急事態区分及びオンサイトとオフサイトにおける
同様の緊急時対応措置の必要性を判定する基準として、緊急時活動レベルを用いることを義務付けて
いる(緊急時活動レベルの使用については前述)。さらに、防災基本計画により、事業者は状況のモ
ニタリングと評価を行い、事態を予想、この情報をオフサイト当局と共有する責任が課されている。
原子力規制委員会は原子力事業者防災業務計画の確認及び訓練を通じてこれらの活動を検証する。
医療対応管理
原災指針により、事業者は GS-R-2 の 4.78 項で義務付けられている医療対応に備え、地域医療施設と指
定病院と共に運用上の措置を整えておくことが義務付けられている。
緊急時対応準備におけるその他の活動
事業者が非放射線影響を緩和するために、特に緊急作業者のストレスと心理社会的影響を管理すると
いう観点から医療上の措置をとることは、原子力規制委員会が所管する規制により求められていない。
これらの点は厚生労働省とその関連規制により取り扱われている。
緊急事態に対する準備と対応に関する日本の規制の枠組みでは、復旧、そして緊急事態発生への準備
や緊急事態発生後の復旧の必要性に明確に言及している。しかし、この枠組みではオフサイトの復旧
作業とその調整に主な重点が置かれており、どのように復旧するのか、どのような条件を満たす必要
があるのかということに関する詳細なガイダンスが示されておらず、また緊急時対応段階の作業から
長期的な復旧作業へ移行するための措置をあらかじめ策定する必要性が明確にされていない(GS-R-2
91
の 4.99 項の規定)。事故が発生したサイトについて、原子力規制委員会は、炉規法(第 64 条の 2)に
より、特定の緊急時対応が講じられた原子力施設を「特定原子力施設」に指定することができる。こ
のような状況において、原子力規制委員会は原子力事業者に対して期限を定めた追加的措置の実施計
画の作成を求めることができる。事業者にはこの計画を実施する責任があり、原子力規制委員会には
実施計画に関して検査を行う権限が明確に与えられている。
事業者には農業対策やオフサイトへの移転などの長期的防護措置を計画、実行する責任はない。
10.3
緊急時対応体制に関する規制要求
権限
緊急事態に対する準備と対応に関連する機能の権限の付与については、第 10.1 章及び第 10.2 章の関連
部分で論じている。
組織
緊急事態に対する準備と対応を管理する事業所内の統括組織とそのスタッフについては、第 10.2 章
(緊急事態の管理及び運用)で論じている。原災法、炉規法及びRI法では、緊急事態に対する準備
と対応に十分適用できる一般職員の責務の遂行に関する能力と訓練に関して明確に規定している。こ
れらの規定は「原子力災害対策特別措置法に基づき原子力事業者が作成すべき原子力事業者防災業務
計画等に関する命令」(以下、「防災業務計画規則」という。)に定められている規定によって補足
され、防災基本計画で詳細に記載されている。
現行規制では、原子力事業者以外の事業者には緊急時組織の設立や、GS-R-2 によって義務付けられて
いるような、訓練を受けた能力のあるスタッフを特定職務に配属することは求めていない(勧告 R13
を参照)。
緊急時対応の調整
オフサイト緊急時支援提供者や緊急時対応組織と事業者との間の緊急事態に対する準備と対応の調整
については第 10.2 章及び第 10.3 章で論じられており、それは原災法と防災業務計画規則で言及されて
いる。
計画と手順
原災法及び実用炉規則により、実用発電用原子炉施設には原子力事業者防災業務計画と手順の作成が
義務付けられている。原子力規制委員会は原子力事業者防災業務計画をレビューし、内閣府は原子力
事業者防災業務計画のオフサイトの措置と密接な関係がある部分、例えばオフサイト当局への通知連
絡措置などを確認する。原子力規制委員会には、すべての発電用原子炉施設の審査に一貫性をもたせ
るため、原子力事業者防災業務計画のレビューに対する内規がある。違反を発見した場合には、原子
力規制委員会は必要な変更を求める。さらに、原子力規制委員会は原子力事業者防災業務計画をオフ
サイト当局の計画と調整し、毎年検討を加えることを要求している。しかし、施設の核物質防護や消
火活動の計画などのオンサイトのその他の計画とこの計画の調整を求めることはない。
緊急時対応に必要な手順の作成要件は防災業務計画規則で規定さており、原子力事業者防災業務計画
の確認に係る視点等について明確にされている。電離放射線源を扱うその他の施設又は活動について
は、原子力事業者防災業務計画は求められていない(勧告 R13 を参照)。これは GS-R-2(5.19 項)と
一致していない。原子力事業者が作成した緊急時計画の検証に関する議論は第 10.1 章に詳述されてい
る。
92
原子力又は放射線の緊急事態に対する準備と対応は、GS-R-2 に整合しており、従来の緊急事態に対す
る既存の枠組や責任を考慮した上で、すべてのハザードに対するアプローチに従っていると思われる。
現行要件では、自然災害と同時に発生する原子力緊急事態に対応する必要性にも言及している。
後方支援と施設
原災法及び防災業務計画規則により、緊急時対応を支援しオンサイト防災組織が機能を発揮するため
に必要な資機材、通信手段、資材及び施設は原子力事業者が設置し、GS-R-2 を踏まえた原子力事業者
防災業務計画において精緻なものにすることを義務付けられている。これらの資機材及び施設は適切
な状態に常に保守し、定期的に点検することが義務付けられている。「原子力事業者防災業務計画の
確認に係る視点等について」では、施設、設備及び資材の要件、さらには防災業務計画規則で定めら
れている冗長性を備えた仕組みの要件が明確にされている。原災法により、原子力規制委員会には原
子力事業者が設置した放射線計測施設に対して特別な検査を実施する権限も与えられている。原子力
規制委員会には、この放射線計測施設に関連して、追加措置の実施を原子力事業者に命じる権限があ
る。この点については、内閣府の条例により、外部自然災害の影響に耐えることができ、独立電源を
備え、GS-R-2 に適合した緊急事態センターを利用する作業者の要求に備えることが規定されている。
この件については、原子力規制委員会は検証せず、その他の当局(内閣府)が検証する。
原子力事業者以外の事業者に対する後方支援及び施設に関する規定は現行規制では規定されていない
(勧告 R13 を参照)。
研修、演習及び訓練
炉規法及びRI法には、一般に、事業者の技術的能力及び職員に対する訓練に関する規定が含まれて
いる。原子力事業者に対する技術的能力はシビアアクシデントへの対処も含むことが求められている。
緊急事態に対する準備と対応における訓練の具体的な規定は防災業務計画規則と防災基本計画に含ま
れている。
原子力事業者は原災法に基づき、訓練と演習を実施して評価し、その結果を原子力規制委員会に報告
することが義務付けられている。防災訓練は原子力規制委員会が事業所内緊急時措置の妥当性と有効
性を検証する主要手段である。毎年 1~2 回の訓練が各原子力事業所で実施され、年間 10 回を超える
演習がそれを補完するものとして行われている。原子力規制庁はあらかじめ定められた基準とガイダ
ンスを用いて評価する。それに加えて、許認可取得者は独自の評価をする。さらに、原子力規制庁本
部は緊急時対応センターを稼働させて訓練に参加し、結果的に原子力規制庁にとっては年間約 20 回の
演習への参加になる。原子力事業者が作成する報告書の訓練評価及び原子力規制庁の対応報告書に基
づき評価報告書要約が作成され、公開される。
原子力規制委員会は訓練の成果を分析し、必要な場合には事業者に是正措置を実施させる。それらの
措置の有効性は次の訓練で確認される。さらに、原子力事業者防災業務計画を更新し、定期的な年間
審査期間内に原子力規制委員会に送付し、その審査を受ける。
原子力規制委員会及びすべての原子力許認可取得者は年次会合を開いて、訓練の経験と結果を共有す
る。この会合はホームページを通じて公開される。
すべての発電用原子炉施設には原子力安全に関して職員向け訓練プログラムがあり、それには原子力
緊急事態への対応が含まれている。訓練内容は、緊急事態への対応に当たる者の役割に合わせて作ら
れている。訓練履歴は原子力規制委員会に提出され、検査の際の検証の対象となる。しかし、原子力
事業者防災業務計画のすべての部分を体系的に、一定の間隔で試験できるようにする長期的な訓練プ
ログラムはない。
93
RI法の規制対象である許認可取得者は訓練プログラムを作成し、訓練を実施して評価することを義
務付けられていない。これは GS-R-2(5.33 及び 5.34 項)と整合していない(勧告 R13 を参照)。
品質保証計画
品質保証のための具体的事項、例えば緊急時計画のレビュー、訓練の実施、緊急時対応に必要な設備
と施設の保守は、様々な文書で規定されている(例:原災法、防災業務計画規則、防災基本計画)。
RI法の規制を受ける事業者の場合、現行規制では GS-R-2(5.37~5.39 項)によって義務付けられて
いる品質保証プログラムの作成を義務付けられていない(勧告 R13 を参照)。
炉規法により、原子力事業者は責任を有している事項に関して全体的な安全の自己評価を定期的に行
うことが義務付けられている。この自己評価では、シビアアクシデントを防止する措置及びシビアア
クシデントが発生した場合に対応するための措置を検討する。
10.4
緊急対応時の規制機関の役割
緊急時対応における原子力規制委員会の役割は原災法、炉規法及びRI法によって規定され、防災基
本計画及び原子力規制委員会防災業務計画により詳述されている。それには以下のものが含まれてい
る:事業者への助言、事業者がオンサイトで取るべき具体的な措置の命令(事故サイトへの原子力規
制庁職員派遣を含む)、関係者との調整、状況の評価及び影響の解析、地方自治体及びその他のオフ
サイト当局への情報・助言及び指示の提供(地方自治体の要請に応じて適切な専門知識を持つ職員を
派遣することを含む)、内閣府及び原子力災害対策本部の特定ポストへの職員派遣(緊急事態におい
て原子力災害対策本部副議長である原子力規制委員会委員長を含む)、緊急時対応措置の決定に際す
る首相の補佐、緊急時対応において資源(設備や資材)の割当て/移動の監視及び計画立案(その目
的のために準備段階で構築したデータベースに基づいて実施)、公衆への情報公開、オフサイトモニ
タリングの調整やモニタリング結果の統合及びそれらのすべての利害関係者との共有、線量評価の管
理、緊急事態への医療対応への参加及び影響を受けた住民の集団健診の管理、事業者から受けた通報
のオフサイト当局への通知及び緊急事態宣言の補佐。原災法には、緊急時対応におけるその役割から、
国が研修と訓練を実施すると規定されている。
原子力規制委員会には、原子力事故の早期通報に関する条約及び原子力事故又は放射線緊急事態の場
合における援助に関する条約に基づき、国内の緊急事態に対する国家担当局としての役割と責任があ
る。原子力規制委員会内部の緊急時対応組織と役割を記し、発電用原子炉施設における緊急事態に対
応するための参集要員となる職員の名簿の載っている内部マニュアル(原子力規制委員会の初動対応
マニュアル)がある。IRRS チームには、他の緊急事態に対応するための計画と手順が作成中であると
いう情報提供があった。
10.5
要約
発電用原子炉施設の緊急事態に対する準備と対応には規制の枠組みがあり、それは東京電力福島第一
原子力発電所の事故後 IAEA 安全基準に合わせて広範囲にわたって改定され、強化された。全般的に発
電用原子炉施設に対する規制は、緊急事態に対する準備と対応の分野では IAEA 安全基準に一致してお
り、事業所内で適切に実施されていることを検証する規制プロセスがある。しかし、以下のいくつか
の観点について明確にする必要がある。発電用原子炉施設事業者が緊急時計画区域の住民に対する情
報提供プロセスに準備段階で参加しているかどうかの検証、発電用原子炉施設以外の原子力施設の事
業者に対する緊急時活動レベルを規定するためのガイダンスの作成、発電用原子炉施設以外の原子力
施設に対する緊急時活動レベルの策定などである。
緊急作業者に対する措置の強化の進捗状況が IRRS チームによって確認された。緊急作業者に対する措
置を規制する異なる当局間の調整は、2016 年 4 月 1 日に発効する変更を考慮して、継続すべきである。
94
RI法によって規制されている電離放射線源に関して、緊急事態に対する準備と対応に対する要件が
存在しないことについては、すべての関連当局間の協調的な取組を通じて対処すべきである。これに
は緊急時計画、適時の通報と対応の仕組みの構築、品質保証プログラムに関する要件が含まれる。
95
11.
11.1.
追加的事項
職業被ばく
法規制の枠組み
全般的考察
職業被ばくに関する要求実施の責任を負う主な規制機関は、原子力規制委員会及び厚生労働省である。
法的枠組みは、原子力基本法、設置法、炉規法、RI法、労働安全衛生法、関連する政令及び規則・
省令によって構成されている。
職業被ばく防護に関する IRRS ミッションのレビュー範囲は、原子力規制委員会が規制する施設及び活
動であった。原子力規制委員会は、発電用原子炉施設、核燃料サイクル施設、試験研究炉施設、中間
貯蔵及び放射性廃棄物管理施設、放射線源に関係する施設及び活動(高線量放射線照射施設、放射性
核種製造施設、研究用及び産業用放射線透過検査用の放射線源、遠隔療法の放射線源等)及び線形加
速器等の放射線源に関する作業者の職業被ばく防護に対して責任を負う。原子力規制委員会及び厚生
労働省は、独立して規制文書を定めている。原子力規制委員会の関連組織である放射線審議会が、放
射線安全に関する適用法及び適用規則の最終承認に参加している。原子力規制委員会及び厚生労働省
の両機関が線量限度を定め、原子力規制委員会は、保安規定の一部として運転上の制限を承認してい
る。「基本放射線防護基準」となる単一の基準又は規則の制定には多くの利点がある。このような基
準が定められれば、職業被ばくするすべての作業者に適用され、GSR のパート 3 で言及されているす
べての項目を含み、原子力規制委員会及び厚生労働省の両機関により承認されるものになる。
厚生労働省は、原子力規制委員会が規制及び検査する施設において職業被ばく防護検査を実施する法
的権利を有する。この 2 つの規制機関の検査は調整されず、原子力規制委員会と厚生労働省の間で検
査結果に関する公式のコミュニケーションは行われていない(勧告 R1 を参照)。
自然放射線による現存被ばく状況下での職業(又は公衆)被ばく防護、自然放射線による現存被ばく
状況(ラドンや航空機搭乗員の宇宙放射線による被ばく)は、IRRS ミッションのレビュー範囲には含
まれない。
線量限度
IRRS ミッションに先だって作成された原子力規制委員会の改善措置計画では、IAEA 安全基準 GSR
Part3 に従うために眼の水晶体の年間線量限度を下げる必要性が認識されているが、それを実施する計
画は存在しない。原子力規制委員会規則では、腹部表面への 2 mSv という等価線量限度及び妊娠中の
女性作業者への 1 mSv という内部被ばくの預託実効線量限度が規定されている。IAEA 安全基準 GSR
Part3 の線量限度は胚や胎児に焦点をあてた 1 mSv という限度を設けている。また、IAEA 安全基準
GSR Part3 では、公衆に求められるのと同じ適用を広げたレベルの防護を乳幼児にも与えるべきだと言
明されている。原子力規制委員会規則では、乳幼児に母乳を与えている母親に対する制限には触れて
いない。
最適化
原子力規制委員会は、保安規定の審査基準において、許認可取得者が職業被ばく防護における最適化
を実施するよう求めている。発電用原子炉施設の年間集団線量に関する過去の研究(ISOE データベー
ス)によると、最適化(ALARA の実施)及び継続的な安全対策の改善により、1995 年から 2014 年に
かけて、世界中の PWR 及び BWR 原子炉 1 基あたりの年間集団線量は 1/2~1/3 減少した。日本では
96
1995 年から 2014 年にかけて、PWR 又は BWR 原子炉 1 基あたりの年間集団線量の著しい減少は観察さ
れなかった。
線量拘束値という ICRP/IAEA の概念を最適化のツールとして法令に盛り込む提言に関しては、放射線
審議会が、職業被ばくに関する特定の線量拘束値を導入することは許認可取得者が行う柔軟で最適な
管理方策の妨げとなることから、線量拘束値は不要であるとの見解を示している。前述の電離放射線
障害防止規則の第 3 条の 2 でも最適化は除外されている。国の線量データベースや類似の発電用原子
炉施設間の職業被ばく防護ベンチマークへのアクセス等、原子力規制委員会が最適化措置の有効性を
評価可能にする規制メカニズムは存在しない。また、許認可取得者が従うべき最適化の実施方法及び
新たな最適化手法を評価する方法に関するガイドラインも存在しない(勧告 R3 を参照)。
登録者、許認可取得者、及び事業主の全般的な責任
保安規定の審査基準は、電離放射線への被ばくが発生する可能性がある活動を管理及び評価するため
の放射線防護プログラムを許認可取得者が制定及び実施することを求めている。このプログラムでは、
作業者や施設に頻繁に出入りする者の被ばく線量を年間限度内に抑えかつ合理的に達成できる限り低
く保つことを目指している。発電用原子炉施設については、プログラムの詳細、安全管理者及び安全
管理者を支える職員に求められる能力、及びプログラムの実行に必要なスタッフの人数を示した規則
やガイドラインは存在しない。事業者は保安規定で規定されているとおり、保安のための措置が遵守
されていることを定期的に点検し、職業被ばく及び防護措置に関する記録を付けなければならない。
RI法の第 34 条~第 38 条には、リスク評価や非密封線源又は密封線源のどちらを取り扱うのか、及
び線源インベントリの放射能量に応じて、事業主が第 1 種、第 2 種、又は第 3 種放射線取扱主任者
(RPS)1 人以上を選任する必要性が定められている。原子力規制委員会の規制には、有資格専門家の
地位はない。
作業者の全般的な責任
炉規法では、保安規定の審査基準により(事業主を通して)作業者の義務と責任を間接的に定めてい
る。作業者は義務を遂行し、研修を受講し、個人用保護具やモニタリング装置の正しい使用等の防護
及び安全のための責務を果たさなければならない。職業被ばくする作業者はすべての放射線防護及び
安全手順を実行しなければならず、安全ではない作業環境については報告することになっている。作
業者が被ばく線量履歴に関する情報を提供する義務はないが、事業主はその施設で作業を行うすべて
の作業者の線量記録に関する情報を管理しなければならない。
放射線防護プログラムに関する要求
原子力施設は、保安規定の一部として放射線被ばく管理を実施している。原子力規制委員会は原子力
施設及び活動に対して定期に検査を実施し、放射線防護プログラムの遵守状況を確認及び監視してい
る。原子力施設について、規制では、外部作業者についても規制を確実に遵守するように雇用主の責
任を定め、(原子力施設の)運転者と受託業者間の協力の必要性も定めている。許認可取得者は、
IAEA 安全基準 GSR Part3 と整合性の取れた管理区域の設定のための組織、手続き、技術的取決めを確
立及び維持するとともに、サイト毎の規則、書面化された作業指示書や放射線安全手順を作成しなけ
ればならない。日本においては、IAEA 安全基準 GSR Part3 で要求されている監視区域が確立されてい
ない。提供された情報が少なすぎるため、指定監視区域がないことが保守的かどうかを評価すること
はできなかった。
許認可取得者は、職業被ばくの評価及び記録、作業場モニタリング、及び作業者の健康診断を手配す
る責任を負っている。また、放射線防護及び安全に関して十分な情報、指示、及び研修を作業者に提
供しなければならない。
97
モニタリング計画と技術サービス
現在、約 60 万人の作業者が外部放射線(光子及び中性子)について個別にモニタリングされており、
そのうち約 10 万人は発電用原子炉施設又は核燃料サイクル施設で働いている。このサービスの主要供
給者は 2 社で、他は多数の比較的小規模なラボ(実験室)である。使用されている技術は、光刺激蛍
光線量法、熱蛍光線量法、ガラス線量法及びフィルム線量法である。発電用原子炉施設では、電子個
人線量計が法定の線量計とともに使用されている。原子力規制委員会により認可された施設の大多数
の作業者は、月 1 回モニタリングを受ける。
内部被ばくモニタリングに関しては、原子力施設の作業者は、四半期ごとにモニタリングすることが
求められている。このモニタリングは直接測定(全身カウンタ)によって行われる。バイオアッセイ
ラボも利用でき、NIRS がこの分野の基準ラボと見なされている。生物学的(細胞遺伝学的)線量測定
法のラボもある。
携帯型線量率測定器及び表面汚染測定器は、年 1 回較正する必要がある。日本の計量法校正事業者登
録制度の中では、8 つの二次標準較正施設を較正に利用できる。放射線の国家計測基準は、経済産業省
所管の産業技術総合研究所の計量標準総合センターを通して維持されている。発電用原子炉施設に
よっては、作業場の装置の較正を現場の測定器使用者が実施する場合もある。5 つの登録資格講習機関
が、放射線取扱主任者の研修を実施する。
政府の国内線量登録機関は存在しないが、放射線影響協会という非営利団体が個人の線量記録を保管
している。放射線影響協会に資金を提供しているのは、原子炉及び核燃料サイクル施設(の事業者)
である。放射線影響協会の基本姿勢は、閉鎖された企業から個人の線量記録を受け取り保管すること
である。ただし、医療分野で職業被ばく作業者の線量記録を保管する法的要求はない。医療分野は
IRRS ミッションのレビュー範囲外であるが、職業被ばくする作業者の業務分野にかかわらず、すべて
の線量記録を保管すべきであることは自明である。
原子力規制委員会は、許認可取得者が委託している職業被ばく防護サービスについて品質管理及び品
質保証活動を行うよう求めている。実施されているこれらのサービスに関する許認可又は承認プロセ
スは存在しない。(勧告 R2 を参照)。
11.2.
放出管理、クリアランス、現存被ばく状況、公衆被ばくに関する環境モニタリング
放出管理及びクリアランス
炉規法及びRI法は、原子力施設及び放射線施設に対する放出管理及びクリアランス基準に関する規
制をそれぞれ定めている。この 2 つの法律では、環境への放射性物質の放出及びクリアランスの許認
可付与の前に許認可取得者からの申請を求めている。
原子力施設に対して認められている放出限度を定めた放出管理基準値は、最も影響を受ける公衆の実
効線量限度が 1mSv/year であることから導き出されている。放出限度の最適化は、ALARA の原則を用
いて 50 µSv/year の管理目標値を設定することにより達成され、これは保安規定の中に文書で示されて
る。この保安規定は各許認可取得者により作成され、原子力規制委員会により認可される。この管理
目標値は原理的にはすべての施設に等しく適用される線量拘束値である。
RI施設に対する規制においても、これらの施設からの放出管理基準を定めている。これらの施設に
対しては、放出限度の最適化のための管理目標値は設定されていない。代わりに、大きな安全上の裕
度をもたせるという判断の下で保守的な放出限度が導き出されている。
原子力施設で使用される核物質の規制管理からのクリアランス基準は、炉規法及び炉規法下の規制で
定められている。この基準は、IAEA 安全基準及び ICRP が採用する参考レベル 10 µSv/year に適合する
98
線量基準に基づいている。放射線施設に対しても、同様のクリアランス体系がRI法で規定されてい
る。IRRS チームは、RI法規制対象施設について、IAEA 安全基準 GSR Part3 の値と整合性のある一連
のクリアランス基準が作成されていることを確認している。炉規法に基づき規制されている施設につ
いては、発電用原子炉施設に対しより少ない核種(33 核種)のクリアランス値が作成されている。原
子力規制委員会は、すべての施設に適用される単一のクリアランス値のリストを整備することの検討
を考慮すべきである。
許認可取得者は、クリアランス対象項目の評価と測定及び評価方法を記載した計画を作成し、この計
画は原子力規制委員会によって承認される必要がある。原子力規制委員会は、この計画の結果を確認
及び評価する。前述のクリアランス限度未満の場合、対象物は再利用されるか産業廃棄物として処分
される。
環境モニタリングと公衆被ばく管理
原子力施設におけるモニタリングの要求は炉規法に規定されており、RI施設におけるモニタリング
の要求はRI法に規定されている。規制施設内及び規制施設周辺でのモニタリングの責任は、許認可
取得者が規制を受けたすべての実務について負うものとなっている。
また、地方自治体やその他の機関が、総合モニタリング計画の一環としてそれぞれの所掌事務の範囲
で環境モニタリングを実施している。地方自治体のモニタリング計画は全国総合モニタリング計画の
重要な一部を構成しており、地方自治体は原子力規制委員会から財政支援及び研修を受ける。原子力
規制委員会は、全国レベルで関連する環境データを収集及び保管している。
原子力規制委員会は総合モニタリング計画の各種構成要素のデータを定期的に受け取り、結果の評価
を毎週実施し、原子力規制委員会のウェブサイトに様々な形式で掲載することによりすべてのモニタ
リング結果を公表している。また、地方自治体やその他の機関も自身のウェブサイトにその地方の
データを掲載して公表している。原子力規制委員会は、地方自治体がモニタリング計画で実行した測
定値と相互比較するために日本分析センターに委託している全国モニタリング計画データを確認して
いる。
原子力規制委員会は、測定及び試料採取の標準的な手順を詳述した放射線測定シリーズという 34 冊の
小冊子シリーズを整備している。これらの標準的な手順の使用は義務づけられていないが、日本では
幅広く配布され、測定業務者により使用されている。計画の質は、標準化された手順をこのように一
貫して使用することにより強化される。また、原子力規制委員会は地方自治体が行ったモニタリング
に対して独立した確認を手配している。いくつかのモニタリング組織は、IAEA の相互比較演習や、特
に海洋モニタリング能力に関する演習に参加している。総合モニタリング計画を構成するモニタリン
グ測定は外部委託され、関連 ISO に認証された会社等によって実施されている。
許認可取得者の中には自ら放射線測定する能力又は分析施設を有する者もいるが、通常、許認可取得
者が収集したサンプルの分析は民間の放射線分析施設に外部委託されている。原子力規制委員会は、
施設の放射線測定や環境モニタリングに使用する設備の較正を行うサービス提供者の認証を要求して
いない。許認可取得者は原子力規制委員会が定める規則に従い、自らの活動により周辺環境に確実に
影響を与えない責任があるので、現行の体制では許認可取得者のモニタリング計画の一部として実行
する測定の品質保証する責任も許認可取得者が負う。全国の較正サービスは計量法校正事業者登録制
度により提供され、経済産業省が管理及び資金提供を行っている。原子力規制委員会は、許認可取得
者が行ったモニタリングを検証するために、原子力施設周辺で地方自治体が行った環境モニタリング
の結果を使用している。
99
事業者検査は、保安規定の一部として行われる。事業者検査の主目的は、運転安全上の手続きが、マ
ネジメントシステムの一部として実施されることを確実にすることである。これらの検査では、放射
線モニタリング手順及び測定方法も確認する。
認証又は較正の品質保証及び品質管理に関する要求の厳格化を実施すれば、公衆の放射線防護に関す
る IAEA 安全基準の要求事項により整合するであろう(勧告 R2 を参照)。
11.3.
要約
職業被ばくに関する規制は、IAEA 安全基準 GSR Part3 と整合させるために更新する必要がある。職業
被ばく防護分野における原子力規制委員会及び厚生労働省の役割と責任を明確に定めるべきである。
また、最適化の手法及び最適化のツールを許認可取得者が利用できるようにし、最適化に関して許認
可取得者に助言を与えるべきである。技術サービスは、サービスの技術的品質を確保できるように承
認又は許認可プロセスが必要である。
放出管理、クリアランス、及び環境モニタリングの管理と公衆被ばく管理のための適切な規制の枠組
みが、日本の法令の中で十分整備されているが、一部、IAEA 安全基準 GSR Part1 及び GSR Part3 の関
連要求に一致しないものがある。環境モニタリングのための測定サービスプロバイダの許認可又は承
認プロセスに関する勧告により、測定サービスの技術的品質が確保され、品質保証が強化されるだろ
う(勧告 R2 を参照)。
100
12.
12.1.
安全とセキュリティのインターフェース
法的根拠
原子力基本法の第 2 条は、原子力安全及び核セキュリティ並びに保障措置に関する規制の枠組みの基
礎を提供している。そこでは、原子力利用の平和目的利用への制限及び国の安全保障目的での確立さ
れた国際標準を考慮した安全確保が明記されている。
設置法は、原子力安全、セキュリティ及び保障措置を統合管理するための単一の政府機関として原子
力規制委員会に権限を与えている。
日本における規制の枠組みの下、セキュリティと安全の相互作用が阻害されないように複数の対策が
実施されている。IRRS チームは以下の内容を知らされた。
許認可取得者は、セキュリティ対策の安全への影響を評価することが要求されている。
安全管理者には核物質防護に関する情報へのアクセスを許可できる。
セキュリティと安全の側面は、新規制基準に基づき、東京電力福島第一原子力発電所事故後に運転停
止した発電用原子炉施設の再稼働に先立つ許認可が与えられる前に、審査される必要がある。
申請書の審査により安全とセキュリティ間の相反が判明した場合、原子力規制委員会はその申請の修
正を求めることができる。
12.2.
規制監督活動
法的枠組みでは、原子力安全、セキュリティ及び保障措置の規制に対する責任を負う単一の組織とし
て原子力規制委員会を規定している。これは、上記分野の効果的かつ効率的規制監視に役立つ基盤と
なっている。
一般的に、日本の規制の枠組みでは、原子力安全、セキュリティ又は保障措置分野の監視活動は区別
されていない。しかしながら、IRRS チームは、原子力規制委員会は、原子力安全とセキュリティのバ
ランスを適切に取ることの重要性を認識していることを確認した。
原子力規制委員会の核セキュリティ文化に関する行動指針及び原子力安全文化に関する宣言では原子
力規制委員会が安全及び核セキュリティ間のバランスを実現し、2 つの分野が相反する場合は適切な組
織的対策を実施するよう努めることを規定している。
安全とセキュリティのインターフェースの改善は、原子力規制委員会の現行中期目標でも言明されて
おり、今後 4 年以内に年度計画の枠組みで実施される予定である。IRRS チームは、実際には、対応す
る実施活動はごく初期の段階にあることを確認した。
IRRS チームは、現在、安全とセキュリティの責任をそれぞれ負う原子力規制委員会の組織部門間の調
整と協力は、その場その場で行われており、定型化されていないことを確認した。効果的な安全とセ
キュリティのインターフェースを実現する具体的概念とプロジェクト計画はまだ確立されていない。
勧告、提言、良好事例
101
勧告、提言、良好事例
所見:安全とセキュリティのインターフェースの改善は、原子力規制委員会の現在の中期計画にお
ける優先目標の 1 つである。実際には、対応する実施活動はごく初期の段階にある。現在、安全と
セキュリティの責任をそれぞれ負う原子力規制委員会の組織部門間の調整と協力は、アドホックに
行われており、定型化されていない。効果的な安全とセキュリティのインターフェースを実現する
具体的考え方とプロジェクト計画は確立されていない。
(1)
根拠:GSR のパート 1、要件 12 には「政府は、政府と法律の枠組みの範囲内で、核セ
キュリティに対する取決めと安全とのインターフェース及び核物質の計量・管理に係る
加盟国の体制と安全とのインターフェースに対して、適切な基盤の取決めが確立される
ことを確実なものとしなければならない。」と定められている。
S13
提言:原子力規制委員会は、原子力安全及びセキュリティを統合された形で評価、監視
及び実行する取決めの改善を迅速化することを検討すべきである。
12.3.
関係機関間のインターフェース
原子力安全及びセキュリティ関連作業には、内閣府原子力災害対策担当室、警察庁、海上保安庁等の
その他の関係機関も関わっている。これらの関係機関と原子力規制委員会のやり取りには、非常時及
び緊急時計画に関する訓練の実施が含まれる。
2015 年以降、原子力規制委員会のセキュリティ部門は、原子力総合防災訓練に参加している。
12.4.
要約
設置法は、原子力安全、セキュリティ及び保障措置を統合管理するための単一の政府機関として原子
力規制委員会に権限を与えている。安全とセキュリティのインターフェースの改善は、原子力規制委
員会の現行中期計画期間における優先事項の 1 つである。
IRRS チームは、原子力規制委員会が明確な概念と効率的なプロジェクト組織に基づき原子力安全とセ
キュリティのインターフェースを改善する努力を続けることを推奨する。
102
別表 I – 参加者一覧
国際的エキスパート
JAMET Philippe
仏国原子力安全規制機関(ASN)
[email protected]
LARSSON Carl-Magnus
オーストラリア放射線防護・原子力安全庁
(ARPANSA)
[email protected]
AALTONEN Hannele
フィンランド放射線・核安全局(STUK)
[email protected]
ロシア原子力規制機関(RTN)
[email protected]
FERON Fabien
仏国原子力安全局(ASN)
[email protected]
FOY Mark
英国原子力規制局(ONR)
[email protected]
スウェーデン放射線安全機関(SSM)(退
官)
[email protected]
ブラジル原子力委員会(IRD)
[email protected]
チェコ共和国原子力安全局(SUJB)
[email protected]
韓国原子力安全技術院(KINS)
[email protected]
スペイン原子力安全委員会(CSN)
[email protected]
PATHER Thiagan
南アフリカ原子力規制庁(NNR)
[email protected]
REGIMBALD Andre
カナダ原子力安全委員会(CNSC)
[email protected]
アイルランド環境保護庁(EPA)
[email protected]
SCHWARZ Georg
スイス連邦原子力安全検査局(ENSI)
[email protected]
STRITAR Andrej
スロベニア原子力安全委員会(SNSA)
[email protected]
TIIPPANA Petteri
フィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)
[email protected]
コンサルタント
[email protected]
米国原子力規制委員会(NRC)
[email protected]
FERAPONTOV Alexey
HUBBARD Lynn
HUNT John
KRS Petr
LEE Suk-Ho
MUNUERA Antonio
RYAN Thomas
WALDMAN Ricardo
WERT Leonard
IAEAスタッフ
CARUSO Gustavo
安全・核セキュリティ調整部
[email protected]
BUGLOVA Elena
事故・緊急センター
[email protected]
原子力施設安全部
[email protected]
SHADAD Ibrahim
放射線、輸送、廃棄物安全部
[email protected]
REBIKOVA Olga
原子力施設安全部
[email protected]
NICIC Adriana
リエゾンオフィサー
青木
昌浩
原子力規制委員会原子力規制庁
[email protected]
103
集合写真
104
別表 II – ミッションプログラム
第1週
105
第2週
106
別表 III – 現場査察
東京電力株式会社福島第一原子力発電所
関西電力株式会社高浜原子力発電所
日本原燃株式会社六ヶ所再処理工場
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構東海試験研究炉施設
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構東海放射線源施設(J-PARC)
107
別表 IV – 政策討議
人材育成
原子力規制委員会は人材育成に関して直面している課題、つまり能力ある専門家を十分に確保できて
いないことについて説明し、IRRS チームメンバーに対して人材育成と規制枠組みの改善に関する経験
について意見を求めた。議論の一例として検査が取り上げられた。
IRRS チームメンバーは、課題について、上級専門家として自身の経験を紹介した。検査に関する人材
育成については下記のとおり。
検査官の考え方を、現在の検査マニュアルに大きく依存するものから能動的に許認可取得者
の活動を監視するものに変える必要がある。
原子力規制委員会の職場としての魅力を改善することにより、産業界での経験者を中途採用
することは有用である。
個人の適性に応じた人材育成プログラムを発展させる
検査官の訓練について、国際協力を利用する
許認可取得者の活動を監視すること、安全に対する一義的な責任は許認可取得者にあるもの
の、場合によっては許認可取得者に対する執行措置をとるといった、検査官の明確な役割を
認識すること。
検査官に対する訓練に要する期間は1,2年間であり、このような訓練は全体的なアプロー
チとともに、常に問いかける姿勢及び運転員とのコミュニケーションスキルを含むべきであ
る。
検査官の訓練の強化は直ちに開始すべきであり、検査制度の改定を待つべきではない。
バックフィット制度の適用
原子力規制委員会は、日本の法制度は既存の原子力施設に対しバックフィット制度が要求されている
こと、またこの制度の適用についての基本的な政策を説明し、IRRS チームメンバーに、彼らの経験に
基づく、新しい規制制度に適合するための移行期間について意見を求めた。
IRRS チームメンバーは、課題について、上級専門家として自身の経験を下記のとおり紹介した。
移行期間は下記を考慮して決定することができる。
a) リスクに関する情報
b) IAEA 安全基準といった国際的な参考資料
c) 許認可取得者による最大限度の努力
このような決定は、異なる利害関係者からの意見を踏まえつつ、職員個人としてではなく、
規制機関として行われるべきである。
移行期間を施す緊急さはハザードの頻度に応じて設定され、また移行期間は等級別扱いに応
じて、国の慣例に基づき1~5年といったように、設定される。
一度、バックフィット制度の適用についての移行期間を決めた場合には、信頼性を確保する
ため、そのような指示は明確であり、決定した移行期間に一貫したものであるべきである。
108
別表 V– 相手方一覧
IRRS エキスパート
1.
7.
8.
9.
平野雅司地域連携推進官
金子修一人事課長
迎隆マネジメント推進室長
倉崎高明技術基盤課長
阿部清治技術参与
金子修一人事課長
迎隆マネジメント推進室長
倉崎高明技術基盤課長
阿部清治技術参与
佐藤暁原子力規制企画課長
山形浩史安全規制管理官
(PWR 担当)
一井直人国際室室長補佐
FERON Fabien
LEE Suk Ho
佐藤暁原子力規制企画課長
山形浩史安全規制管理官
(PWR 担当)
一井直人国際室室長補佐
STRITAR Andrej
WERT Leonard
澤田敦夫安全規制管理官(発
電炉検査担当)
山田知穂審議官
STRITAR Andrej
WERT Leonard
澤田敦夫安全規制管理官(発
電炉検査担当)
山田知穂審議官
倉崎高明技術基盤課長
黒村晋三安全規制管理官(新
型炉・試験研究炉・廃止措置
担当)
片岡洋安全規制管理官(再処
理・加工・使用担当)
前川之則安全規制管理官(廃
棄物・貯蔵・輸送担当)
西田亮三放射線対策・保障措
置課長
小木曽善一技術参与
山中武技術基盤課専門職
米原英典放射線対策・保障措
置課専門職
許認可
FERON Fabien
LEE Suk Ho
6.
藤田健一国際室長
佐藤暁原子力規制企画課長
規制機関のマネジメントシステム
KRS Petr
MUNUERA Antonio
TIIPPANA Petteri
5.
平野雅司地域連携推進官
規制機関の責任と機能
KRS Petr
MUNUERA Antonio
REGIMBALD Andre
TIIPPANA Petteri
4.
松浦克巳総務課長
志間正和 IRRS 対応室企画官
国際的な原子力安全のための枠組み
FERAPONTOV Alexey
REGIMBALD Andre
SCHWARZ Georg
3.
サポートスタッフ
法律及び政府の責任
FERAPONTOV Alexey
REGIMBALD Andre
SCHWARZ Georg
2.
相手方リーダー
審査と評価
検査
執行
規則とガイド
FOY Mark
KRS Petr
MUNUERA Antonio
PATHER Thiagan
REGIMBALD Andre
RYAN Thomas
TIIPPANA Petteri
WALDMAN Ricardo
109
IRRS エキスパート
10.
荒木真一原子力災害対策・核
物質防護課長
西田亮三放射線対策・保障措
置課長
明石和彦国際室企画官
西田亮三放射線対策・保障措
置課長
佐藤暁規制企画課長
黒村晋三安全規制管理官(新
型炉・試験研究炉・廃止措置
担当)
片岡洋安全規制管理官(再処
理・加工・使用担当)
前川之則安全規制管理官(廃
棄物・貯蔵・輸送担当)
相原佑康監視情報課課長補佐
山中武技術基盤課専門職
米原英典放射線対策・保障措
置課専門職
追加的事項
HUBBARD Lynn
HUNT John
12
サポートスタッフ
緊急事態に対する準備と対応
AALTONEN Hannele
11.
相手方リーダー
核セキュリティとのインターフェース
FERAPONTOV Alexey
SCHWARZ Georg
佐藤暁原子力規制企画課長
山口寛峰核セキュリティ・核
物質防護室長
平野雅司地域連携推進官
110
別表 VI – 勧告(R)、提言(S)、良好事例(GP)
分野
1. 法律及び政府の責任
R:勧告
S:提言
GP:良好事例
勧告、提言、又は良好事例
GP1
良好事例:強化された権限を有する独立した透明性のある新しい規制機関を支
える、法律と行政の枠組みの速やかな構築
GP2
良好事例:原子力規制委員会による、自然災害、シビアアクシデントマネジメ
ント、緊急事態に対する準備、既存施設へのバックフィットといった分野にお
ける東京電力福島第一原子力発電所事故での教訓の、新しい規制の枠組みへの
速やかで効果的な取り入れ
R1
勧告:政府は、原子力と放射線の安全について責任を負っている日本の規制当
局が、調和された効果的な規制監視を実現し、また、それぞれが所管する規制
が調和されるよう、政策、許認可、検査及び執行措置に関する情報交換を行う
ための効果的で協力的なプロセスを構築し実施すべきである。
S1
提言:原子力規制委員会は、共同検査に対する関連機関との連絡、外部委託し
た検査の監督に関する改善を検討すべきである。
R2
勧告:政府は、規制機関に対し、職業被ばくと公衆被ばくのモニタリング及び
一般的な環境のモニタリングを行うサービス提供者について許認可又は承認の
プロセスの要件を定め、許認可取得者がそれらの要件を満たしていることを確
認する権限を与えるべきである。
R3
勧告:原子力規制委員会は、許認可取得者による放射線防護対策の実施を監視
すること、NIRS との協力を通じて、放射線防護の国際基準の策定や関連する研
究活動に参加することに、優先度を高くし、一層の資源を配分すべきである。
R4
勧告:原子力規制委員会は、現在の組織体制の有効性を評価し、適切な横断的
プロセスを実施し、年度業務計画の立案に際して利害関係者からの情報収集を
強化し、さらに、自らの実績と資源利用を測るツールを開発すべきである。
2. 国際的な原子力安全のための枠組み
3. 規制機関の責任と機能
R5
勧告:原子力規制委員会は、原子力と放射線の安全におけるその規制責任を果
たす能力と経験を備えた職員を確保するため、能力の評価、研修プログラムの
実施、OJT、内部での職務ローテーション、さらに、TSO(JAEA)、大学、研究
機関、国際機関、外国機関との安全研究や協力の充実に関する活動をさらに発
展させ実施すべきである。
111
分野
R:勧告
S:提言
GP:良好事例
S2
S3
4. 規制機関のマネジメントシステム
勧告、提言、又は良好事例
提言:原子力規制委員会は、より多くの責任、許認可取得者の安全実績に直接
影響を及ぼす能力、原子力産業界の様々な部門を規制する選択肢、国の政策に
影響する法的要件を定める能力、そして原子力規制委員会内で上級職員に至る
明確なキャリアパスを職員に提供することにより、選ぶべき雇用主としての原
子力規制委員会の魅力と、職員の担う役割の向上を目指すことを通じて、新規
の技術専門家を獲得するとともに、現職の技術専門家を維持する戦略の策定を
検討すべきである。
提言:原子力規制委員会は、規制審査及び評価の結果を受けて、一層の規制上
の期待事項、現在の課題について、許認可取得者/申請者とのコミュニケー
ションに関するメカニズムの有効性について評価することを検討すべきであ
る。
R6
勧告:原子力規制委員会は、所掌業務を遂行するために必要なすべての規制及
び支援プロセスに対する統合マネジメントシステムを構築し、文書化し、完全
に実施すべきである。マネジメントシステムには等級別扱いを一貫して適用
し、文書・製品・記録の管理、及び変更管理などの組織共通のプロセスを組織
内すべてに展開すべきである。改善の機会を特定するために、包括的な方法で
原子力規制委員会マネジメントシステムの有効性を監視及び測定するようにす
べきである。
S4
提言:原子力規制委員会は、自らの活動の実施において高度な安全文化を促進
かつ持続するために、意識啓発研修又は意識調査などの具体的な対策を導入す
ることを検討すべきである。
S5
提言:原子力規制委員会委員は、マネジメントシステム構築に特化した複数年
計画の策定に着手し、その実施状況を定期的に審査することによって、このプ
ロジェクトに対する各委員のコミットメントを示し、マネジメントシステムの
実施に関する戦略的アプローチを検討すべきである。
S6
提言:原子力規制委員会は、マネジメントシステムが、使用しやすく、規制活
動の効果的で一貫した実施を図れるようなものにするため、マネジメントシス
テムを階層構造にすることを検討すべきである。各プロセスについて、その要
件、リスク、相互作用、入力、プロセスの流れ、出力、記録及び測定基準を含
112
分野
R:勧告
S:提言
GP:良好事例
勧告、提言、又は良好事例
めて具体的な説明を記述したものを統一された形式で作成することを検討すべ
きである。
5. 許認可
S7
提言:原子力規制委員会は、発電用原子炉施設の高経年化対策に係る 3 つの既
存規制プロセスのインターフェース及び全体としての一貫性を改善することを
検討すべきである。
R7
勧告:原子力規制委員会は施設検査の結果を放射線源の審査、評価及び許認可
プロセスに組み入れるべきである。
R8
勧告:原子力規制委員会は、原子力及び放射線施設の供用期間の全段階におい
て廃止措置を考慮することに関する要件、廃止措置の終了後におけるサイトの
解放に関する基準を規定すべきである。
S8
提言:原子力規制委員会は、現在の運転経験フィードバックプロセスについ
て、
- その基準が、安全上重大な事象の報告について十分なものとなってい
るかどうか
- 長期停止後の再稼働を含め、得られた教訓が許認可取得者により考慮
され、実際に施設における適切かつ適時の対策につながることを確か
なものとするように
レビューすることを検討すべきである。
S9
提言:原子力規制委員会は、すべての原子力施設について、プラントの設計に
人的及び組織的要因とヒューマンエラーに対する十分な体系的考察が、許認可
取得者による提出書類において行われることを確かなものとするための規制要
件と、これを評価するための能力及び経験を有する原子力規制委員会の資源を
十分なものとすることについて検討すべきである。
6. 審査と評価
7. 検査
R9
勧告:政府は、
効率的で、パフォーマンスベースの、より規範的でない、リスク情報を活
用した原子力安全と放射線安全の規制を行えるよう、原子力規制委員会が
より柔軟に対応できるように、
原子力規制委員会の検査官が、いつでもすべての施設と活動にフリーアク
セスができる公式の権限を持てるように、
113
分野
R:勧告
S:提言
GP:良好事例
勧告、提言、又は良好事例
可能な限り最も低いレベルで対応型検査に関する原子力規制委員会として
の意思決定が行えるように
するために、検査制度を改善、簡素化すべきである。
変更された検査の枠組みに基づいて、原子力規制委員会は、等級別扱いに沿っ
て、規制検査(予定された検査と事前通告なしの検査を含む)の種類と頻度を
特定した、すべての施設及び活動に対する検査プログラムを開発、実施すべき
である。
8. 執行
S10
提言:原子力規制委員会は、検査、関連する評価そして意思決定に関わる能力
を向上させるため、検査官の訓練及び再訓練の改善について検討すべきであ
る。
R10
勧告:原子力規制委員会は、不適合に対する制裁措置又は罰則について程度を
付けて決定するための文書化された執行の方針を基準とプロセスとともに、ま
た、安全上重大な事象のおそれが差し迫っている場合に是正措置を決定する時
間を最小にできるような命令を処理するための規定を策定すべきである。
勧告:原子力規制委員会は、以下を行うべきである。
9. 規則とガイド
R11
規則及びガイドを定例的に、また、新たな必要性が生じた場合に評
価・見直すためのプロセスの改善及び文書化
必要な場合、規則のガイダンス文書による補完
安全性の向上のための評価に係るガイダンスの改善
10. 緊急事態に対する準備と対応
R12
勧告:原子力規制委員会及び他の放射線源の規制当局は、緊急時計画、タイム
リーな通報と対応の取決め、等級別扱いを用いた品質保証プログラムに関連す
る要件を含む、線源に関連する緊急事態に対する準備と対応のための要件とガ
イダンスを 1 つにまとめて策定すべきである。
S11
提言:原子力規制委員会は、放射線源に関連する緊急事態に一貫して対応する
ための計画と手順の強化を検討すべきである。
勧告:原子力規制委員会は下記を策定すべきである。
R13
発電用原子炉施設以外の原子力施設に関する緊急時活動レベル一式、
すべての原子力事業者が緊急時活動レベルを即時に識別できるように
するためのガイダンス
114
分野
R:勧告
S:提言
GP:良好事例
勧告、提言、又は良好事例
原子力施設周辺の緊急時計画区域内の公衆に対する情報の提供に許認
可取得者が準備段階で参加していることを検証する手続き
S12
提言:政府は関連当局が同等の任務を行う緊急作業者の区分に応じて一貫性の
ある要件を定めるよう検討すべきである。
S13
提言:原子力規制委員会は、原子力安全及びセキュリティを統合された形で評
価、監視及び実行する取決めの改善を迅速化することを検討すべきである。
11. 追加的事項
12.安全とセーフティのインターフェース
115
別表 VII – 審査に使用した相手方の参考資料
1
IRRS Japan 2016
2
SARIS Summary
3
Outline of Nuclear Regulation of Japan
4
List of Attachment Files
5
List of Legislation and Abbreviations
6
151217 List of Eratta and Additional Attachment Files
7
The Atomic Energy Basic Act
8
Review on an Organization in charge of Nuclear Safety Regulation(Understanding by Relevant
Ministers)
9
Basic Policy on the Reform of an Organization in charge of Nuclear Safety Regulation(Cabinet
Decision)
10
The Policy on Ensuring the Operational Transparency of the Nuclear Regulatory Authority
11
About requirements for ensuring transparency and neutrality in hearing opinions of external experts
12
Nuclear Regulation Authority Mid-term Goal(2015-2020)
13
Act on the National Institute of Radiological Sciences
14
The Cabinet Order for Organization of the Nuclear Regulation Authority
15
The Act on Special Measures Concerning Nuclear Emergency(For QID13 in SM1-1)
16
Basic Act on Disaster Control Measures(For QID13 in SM1-1)
17
NRA EPR Guide(For QID13 in SM1-1)
18
Act on the Japan Atomic Energy Agency, National Research Development Agency
19
Nuclear Regulation Authority Management Rules
20
Management Policy(NRA's Core Values and Principles)
21
List concerning laws overseen by the NRA
22
Statement on Nuclear Safety Culture
23
The NRA Ordinance on Technical Standards for QMS Concerning the Design and Construction of
Commercial Power Reactor for Licensee of Commercial Reactor Operation and System for their
Inspection
24
The NRA Ordinance on Technical Standards for Commercial Power Reactors Facilities
25
The NRA Ordinance on Standards for the Location, Structures and Equipment of Commercial Power
Reactors
26
The Regulatory Guide of the NRA Ordinance on Standards for the Location, Structure, and Equipment
116
of Commercial Power Reactors
27
(For SARIS module Module9-5 QID63) Article 35 of the Commercial Reactors Technical Standard
Guide
28
(For SARIS module9-1 SQID7.2) Future Use of Commercial Standards by the Nuclear Regulation
Authority
29
(For SARIS module9-1 SQID7.2) Measures for reflecting nuclear facility operating experiences
30
(For SARIS Module9-1 SQID7.2) Promotion of Research on Safety by the Nuclear Regulation
Authority
31
(For SARIS Module9-5 QID8 9-6 QID3) Article 10 of the Commercial Reactors QMS Guide
32
(For SARIs Module9-5 QID63) Appendix7 of the Commercial Reactors Technical Standard Guide
33
(Module9-6 SQID17.1&14,15) Guidelines on Implementing Measures for Aging Management(Part)
34
Basic Act on Disaster Control Measures
35
Nuclear Emergency Act
36
NRA EPR Guide
37
Basic Plan for Disaster Preparedness
38
Nuclear Emergency Response Manual
39
NRA Initial Response Manual
40
Off-Site Center Manual
41
Japan Electric Association Guide
42
Order for Nuclear Operator's EPR plan
43
Guide for Nuclear Operator's EPR plan
44
NRA EPR Plan
45
NRA Organization Ordinance(For SARIS module3)
46
Nuclear Regulation Authority Management Rules(For SARIS module3)
47
Reactor Regulation Act (For SARIS Module 3)
48
Commercial Reactors Ordinance (For SARIS Module 3)
49
Research Reactors Ordinance (For SARIS Module 3)
50
Research Power Reactors Ordinance (For SARIS Module 3)
51
Refining Ordinance (For SARIS Module 3)
52
Fuel Fabrication Ordinance (For SARIS Module 3)
53
Spent Fuel Storage Ordinance(For SARIS Module 3)
54
Reprocessing Ordinance (For SARIS Module 3)
117
55
Category 1 Waste Disposal Ordinance (For SARIS Module 3)
56
Category 2 Waste Disposal Ordinance (For SARIS Module 3)
57
Waste Storage Ordinance (For SARIS Module 3)
58
Nuclear Fuel Materials Use Ordinance (For SARIS Module 3)
59
Nuclear Source Materials Use Ordinance (For SARIS Module 3)
60
Commercial Reactors Dose Limit Notice (For SARIS Module 3)
61
Refining Dose Limit Notice (For SARIS Module 3)
62
Fuel Fabrication Dose Limit Notice (For SARIS Module 3)
63
Research Reactors Dose Limit Notice (For SARIS Module 3)
64
Amount of RI Notice (For SARIS Module 3)
65
Industrial Safety and Health Act(For SARIS Module 3)
66
Handling of Environmental Pollution Ordinance
67
E Practical Measures for Evacuees to Return Their Homes
68
J Practical Measures for Evacuees to Return Their Homes
69
Act on Prevention of Radiation Hazards due to Radioisotopes, etc.
70
The Cabinet Order for Enforcement of the Act on Prevention of Radiation Hazards due to
Radioisotopes, etc.
71
The NRA Ordinance for Enforcement of the Act on Prevention of Radiation Hazards due to
Radioisotopes etc.
72
JIS concerning radiation sources
73
What to Do If You Find an Uncontrolled Radioactive Material
74
Notification on Technical Details for On-Site Transportation of Radioisotopes, etc.
75
The Notification on Technical Details for Off-Site Transportation of Radioisotopes, etc.
76
Ministerial Ordinance on the organization to which records are delivered, pursuant to the provisions of
the Ordinance for Enforcement of the Act on Prevention of Radiation Hazards Due to Radioisotopes,
etc.
77
Regarding the Change of the Name of the Designated Record Storage Body Pursuant to the NRA
Ordinance for Enforcement of the Act on Prevention of Radiation Hazards Due to Radioisotopes, etc.
78
National laws to control the management and protection of radioactive sources (major ones) SQID 7.1related
79
Notification to stipulate the number of hours for education and training
80
Overview of the Whistleblower Protection Act
81
Notification to stipulate the number of hours of training courses
118
82
Notification to Designate the Purpose of Use concerning the Notification for a Temporary Change of
the Place of Use
83
For Enforcement of the Prime Minister’s Office Ordinance on Partial Revisions of the NRA Ordinance
for Enforcement of the Act on Prevention of Radiation Hazards due to Radioisotopes, etc., and Related
Notifications (Notice)
84
Notification to Specify Standards for the Amount, etc. of Radioisotopes
85
Notification to Stipulate Detailed Technical Standards for Design Certification, etc.
86
Source Tracking System
87
Notification to Stipulate Certification Requirements for Radioisotope Equipped Devices with an
Indicator that are regarded as Approved Devices with Certification Label
88
Major distribution channels of radioactive sources
89
Act
Hazards
90
Regulations for handling of radiation sources
91
Notification to Stipulate Sealed Radioisotopes that may have a Serious Influence on Human Health
92
Import procedure of radioactive sources
93
Whole Concept of Medical Care for Emergency Exposure
94
List of States that have made a political commitment with regard to the Code of Conduct on the Safety
and Security of Radioactive Sources and the Supplementary Guidance on the Import and Export of
Radioactive Sources (6 May 2014)
95
Answer to the State Self-Assessment Questionnaire (27 May 2010)
96
Table for SARIS Module 4-6 SQID 17.3
97
Report on Dose, etc. of Radiation Worker
98
The Fuel Fabrication Dose Limit Notice
99
The Commercial Reactors Dose Limit Notice
100
The Research Reactors Dose Limit Notice
101
The NRA Ordinance Concerning the Installation and Operation of Commercial Power Reactors
102
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Commercial Power Reactor
Facilities
103
Rules for Requirements for Operations Manager
104
The Guideline for Periodic Safety Assessment of Continuous Improvement of Commercial Power
Reactors
105
On-site Inspection Implementation Guideline (Instruction) upon Receipt of Reports on Deviations from
the Power Reactor Facility Operation Limits
106
The Implementation Guideline for Operational Safety Inspection for Commercial Power Reactor
on
Technical
Standards
for
Prevention
of
Radiation
119
Facilities
107
Guide for Pre-Service Inspection of Commercial Power Reactors
108
Guide for Periodic Facility Inspection of Commercial Power Reactors
109
Guide for Welding Safety Management Review
110
Guide for Periodic Safety Management Review
111
The NRA Ordinance Concerning the Installation and Operation of Research and Test Reactors
112
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Research and Test Reactors
113
The Regulatory Guide on the NRA Ordinance on Standards for the Location, Structure, and Equipment
of Research and Test Reactors
114
NRA Ordinance on Technical Standards for the Design and Construction Methods of Research and Test
Reactors
115
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Capabilities of Nuclear Research and Test
Reactors, etc.
116
The NRA Ordinance on Technical Standards for Quality Management System Concerning the Design
and Construction of Research and Test Reactors for Licensee of Research and Test Reactors and
System for their Inspection
117
The NRA Ordinance on the Installation and Operation of Power Reactors at the Research and
Development Stage
118
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Power Reactor Facilities at
the Research and Development Stage
119
The Cabinet Order for Enforcement of the Act on the Regulation of Nuclear Source Material, Nuclear
Fuel Material and Reactors
120
The NRA Ordinance on Standards for the Location, Structure, and Equipment of Nuclear Research and
Test Reactors, etc.
121
The Regulatory Guide for Reviewing Safety Design of Water-cooled Test Reactor Facilities
122
Operational Safety Inspection Implementation Manual
123
The NRA Ordinance on Technical Standards for Power Reactor Facilities at the Research and
Development Stage
124
The NRA Ordinance on Standards for the Location, Structure, and Equipment of Power Reactors
Facilities at the Research and Development Stage
125
The NRA Ordinance on Activity of Spent Fuel Reprocessing
126
The NRA Ordinance on Activity of Fuel Fabricating and Enrichment
127
The NRA Ordinance on the Use, etc. of Nuclear Fuel Materials
128
The NRA Ordinance on Use of Nuclear Source Materials
129
The Reprocessing Permit Ordinances and Guide
120
130
The Fuel Fabrication Permit Ordinance and Guide
131
The Nuclear Fuel Materials Use Permit Ordinance and Guide
132
The NRA Ordinance on Technical Standards for Design and Construction Method of Reprocessing
Facilities
133
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Capabilities of Fuel Fabrication Facilities
134
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Design and Construction Methods of Fuel
Fabrication Facilities
135
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Reprocessing Facilities
136
The Standard Review Plans on Approval of Operational Safety Programs of Fuel Fabrication Facilities
137
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Facilities using Nuclear Fuel
Materials
138
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Capabilities of Reprocessing Facilities
139
The NRA Ordinance on Technical Standards for Quality Management System Concerning the Design
and Construction of Reprocessing Facilities for licensee of Reprocessing Activity and System for their
Inspection
140
The Guideline for Periodic Safety Assessment of Continuous Improvement of Fuel Fabrication
Facilities and Reprocessing Facilities Safety
141
The NRA Ordinance on the Activity of Waste Interim Storage and Treatment of Nuclear Fuel Material
or Material Contaminated by Nuclear Fuel Material
142
The NRA Ordinance on Activity of Interim Storage of Spent Fuel
143
The NRA Ordinance on Activity of Category 1 Waste Disposal of Nuclear Fuel Material and Materials
Contaminated by Nuclear Fuel Material
144
The NRA Ordinance on Activity of Category 2 Waste Disposal of Nuclear Fuel Material or Materials
Contaminated by Nuclear Fuel Material
145
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Design and Construction Methods of Spent Fuel
Interim Storage Facilities
146
The Regulatory Guide of the NRA Ordinance on Standards for the Location, Structure and Equipment
of Spent Fuel Interim Storage Facilities
147
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Capabilities of Spent Fuel Interim Storage
Facilities
148
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Spent Fuel Interim Storage
Facilities
149
The Regulatory Guide of NRA Ordinance on Standards for the Location, Structure, and Equipment of
Category 2 Waste Disposal Facilities
150
The Guideline for Periodic Safety Review etc. for Category 2 Waste Disposal Facilities
151
The Regulatory Guide of NRA Ordinance on Standards for the Location, Structure, and Equipment of
Waste Interim Storage and Treatment Facilities
121
152
The Guideline for Periodic Safety Review of Waste Interim Stroge and Treatment Facilities
153
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Waste Interim Storage and
Treatment Facilities
154
The NRA Ordinance on Confirmation of Radioactive Concentrations of Material used in Activities of
Refining Nuclear Source or Nuclear Fuel Materials, etc
155
The NRA Ordinance on Confirmation, etc of Radioactive Concentrations of Material used in Nuclear
Research and Test Reactors, etc.
156
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Design and Construction Methods for Specific
Waste Disposal Facility or Specific Waste Interim Storage and Treatment Facility
157
The NRA Ordinance on Technical Standards for the Capabilities for Specific Waste Disposal Facility
or Specific Waste Interim Storage and Treatment Facility
158
The Standard Review Plan on Approval of Operational Safety Program of Waste Disposal Facilities for
Category 2 Waste Disposal Activities
159
Notification on Technical Details for Category 2 Waste Disposal Facilities
160
The NRA Ordinance on Off-Site Transportation of Nuclear Fuel Materials, etc.
161
The Notification on Technical Details for Off-Site Transportation of Nuclear Fuel Materials, etc.
162
Establishment of the target level for management of radioactive materials in tap water
163
Public Announcement on the Items of Goods Subject to Import Quotas, the Places of Origin or Places
of Shipment of Goods Requiring Approval for Import, and Other Necessary Matters concerning Import
of Goods
164
Specifications and Standards for Foods, Food Additives, etc.
165
Strategy to Make Japan the Safest Country in the World
166
The Japan Coast Guard Act
167
The Act for Establishment of the Cabinet Office
168
The Regulations on Labour Standards for Minors
169
The Water Pollution Control Law
170
The Air Pollution Control Act
171
The Water Supply Act
172
Basic Policy for Emergency Decontamination Work
173
For Export Approval of Radioisotopes
174
Fundamental Approach to Ensuring Nuclear Security
175
Guidelines for Radiation Measurement in Export Containers at Ports and Bays
176
Handling of Permit of Use and Documents to Prove Registration of Use, Selling or Rental Business
concerning Import of Radioisotopes
122
177
Notification of the Ministry of Economy, Trade, and Industry No. 334
178
Radioactive Substances Designated by the Minister of Health, Labour and Welfare
179
Strengthening of Japan's Nuclear Security Measures
180
Procedures for Issue of Verification Certificate for Export of Radioisotopes
181
The Act on the Regulation of Nuclear Source Material, Nuclear Fuel Material and Reactors
182
The Act for Establishment of the Nuclear Regulation Authority
183
Code of Criminal Procedure(Part I and Part II)
184
Electricity Business Act
185
Export Trade Control Order
186
Foreign Exchange and Foreign Trade Act
187
FY2013 Annual Report
188
Guideline for Ensuring Safety of Raw Materials and Products Containing Uranium or Thorium
189
Import Trade Control Order
190
Act on Securing, Etc. of Equal Opportunity and Treatment between Men and Women in Employment
191
Administrative Procedure Act
192
code-of-contact-status-list
193
Industrial Safety and Health Act
194
Labour Standards Act
195
National Public Service Act
196
National Public Service Ethics Act
197
Ordinance for Enforcement of the Civil Aeronautics Act
198
Ordinance of the Ministry Specifying Goods and Technologies Pursuant to Provisions of the Appended
Table 1 of the Export Control Order and
199
Ordinance on Prevention of Ionizing Radiation Hazards
200
Public Records and Archives Management Act (Tentative translation)
201
Regulatory Guide for Reviewing Safety Design of Light Water Nuclear Power Reactor Facilities
202
The Police Law
203
Regulatory Guide for Reviewing Classification of Importance of Safety Function of Light Water
Nuclear Power Reactor Facilities
204
Regulatory Guide for Reviewing Safety Assessment of Light Water Nuclear Power Reactor Facilities
205
Regulatory Guide for the Annual Dose Target for the Public in the Vicinity of Light Water Nuclear
123
Power Reactor Facilities
206
Reviewing Evaluation of Dose Target for Surrounding Area of Light Water Nuclear Reactor Facilities
207
Examination Guide for Technical Capability of License Holders of Nuclear Power
208
Basic Guides for Safety Review on Dismantling of Nuclear Reactor Installations
209
Regulatory Guide for Meteorological Observation for Safety Analysis of Nuclear Power Reactor
Facilities
210
IAEA_HP(Completes IPPAS Mission in Japan)
211
Code of Conduct on Nuclear Security Culture
212
Organization Chart
213
【和英】Outline of Regulatory Inspections, Enforcement, etc. for Power Reactor Facilities
214
160114 national policies
215
Overview of the Clearance System
216
核燃料施設等における新規制基準の適用の考え方
217
Safety regulation processes for “Category 1 waste disposal” and “Category 2 waste disposal”
218
#1 Legal Hierarchy
219
#2-2 Work Flow of collection and analysis of Operational Experience Information
220
#2-3 設置許可基準一相開放の追記
221
#4 新知見、規制経験の収集
222
#5-1 基準の強化
223
#5 サイクル、RR
224
#6-0 火山影響評価ガイド
225
#6-1 外部火災ガイド
226
#6-2 竜巻ガイド
227
#7-1PSR
228
#7-2PSR スライド
229
#8 他省庁連携
230
#15 実用炉規則
231
#16 アクションプラン
124
232
#他省庁との連携
233
Qualification, training, records
234
運転記録(実用炉規則)
235
運転責任者(実用炉規則)
236
運転責任者に係る基準等に関する規程
237
訓練(実用炉規則)
238
保安規定審査基準
239
保安教育(実用炉規則)
240
保安検査(実用炉規則)
241
九電川内 NPP 保安規定(OSP)
242
1Priority Areas in NRA budgets in FY2015&FY2016
243
2Basic Policy for the Development of NRA Officials
244
3Model Career Paths for Nuclear Regulation Authority Personnel
245
4 Competence Management at NRA
246
5 Knowledge Management
247
6 Members of the Reactor Safety Examination Committee and Members of the Nuclear Fuel Safety
Examination Committee
248
7 Management Rules of Reactor Safety Examination Committee
249
8 Management Rules of Nuclear Fuel Safety Examination Committee
250
9Members of the Radiation Council
251
10 Administration official regulations on Radiation Council
252
11 Emergency response members and Detailed rules about duties
253
12 Copy of the Nuclear Regulation Authority homepage
254
13 How NRA release the information
255
14 2015 Training Courses List
256
1_NRA Human Resource Development Center
257
2_NRA Nuclear Safety Training Facility
258
3_Examination for Chef Engineer of Reactors
of emergency response members
125
259
3_PassFail Criteria of Written Exam for Chief Engineer of Reactors(Attachment1)
260
4_Examination for Chief Engineer of Nuclear Fuel
261
Correspondence relation of NRA Management Rules and relevant documents
262
Outline of NRA New Management System
263
1 原子力事業者防災業務計画(川内原子力発電所)
264
2 〈参考〉IAEA の示す深層防護
265
3 従来の規制基準と新規制基準との比較
266
4 原子力事業者防災訓練の評価指標(案)について
267
5 原子力事業者防災訓練の評価について
268
6 緊急作業従事者に関して
269
7 原災法コメンタール
270
8 実用発電用原子炉及びその付属施設における発電用原子炉施設保安規定の審査基準
271
9 事業者保安教育資料
272
10 九州電力会社川内原子力発電所原子炉施設保安規定の変更に関する審査結果
273
11 原子力規制委員会告示第8号
274
12
Nuclear
Regulation
Authority
Mid-term
Goal
(2015-2020)
(原子力規制委員会第1期中期目標)
275
13 原子力災害対策特別措置法に係る放射線測定設備の検査実施要領(内規)の制定について
276
14 放射線測定設備に関する検査実施要領/検査成績書
277
15 事業者保安教育資料
278
16 原子力事業者が実施する訓練に係る対応について
279
17 実用発電用原子炉の安全性向上評価に関する運用ガイド
280
18 緊急作業従事者に関して
281
282
追加説明
19 「実用発電用原子炉及びその付属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則とその解
釈」の抜粋資料
Actions to Be Taken upon the Occurrence of Fire at Places of Authorized Operators of Radioisotope
Handling Activity
126
283
Concerning planned on-site inspection based on the Radiation Hazards Prevention Act
284
Guideline for the NRA Administrative Document Management (extracted)
285
The NRA Ordinance on Registered Certification Body etc. (extracted)
286
Explanation for EPR framework in Radiation Hazards Prevention Act
287
Explanation for Inspections in Radiation Hazards Prevention Act
288
Explanation for Miscellaneous Regulation of Radiation Hazards Prevention Act
289
Explanation for Radiation Council
127
別表 VIII – 審査に使用した IAEA の参考資料
1.
IAEA - Fundamental Safety Principles, No SF-1、IAEA、ウィーン(2006)
2.
IAEA - Governmental, Legal and Regulatory Framework for Safety, General Safety Requirements Part 1,
No. GSR Part 1、IAEA、ウィーン(2010)
3.
IAEA - The Management System for Facilities and Activities. Safety Requirement Series No. GS-R-3、
IAEA、ウィーン(2006)
4.
IAEA - Preparedness and Response for Nuclear and Radiological Emergencies, Safety Requirement
Series No. GS-R-2、IAEA、ウィーン(2002)
5.
IAEA - Radiation Protection and Safety of Radiation Sources: International Basic Safety Standards,
General Safety Requirements Part 3, No. GSR Part 3、IAEA、ウィーン(2014)
6.
IAEA - Safety assessment for facilities and activities, General Safety Requirements Part 4, No. GSR Part
4、IAEA、ウィーン(2009)
7.
IAEA - Predisposal Management of Radioactive Waste, General Safety Requirement Part 5, No. GSR
Part 5、IAEA、ウィーン(2009)
8.
IAEA - Decommissioning of Facilities, Safety Requirement Series No. GSR Part 6、IAEA、ウィーン
(2014)
9.
IAEA - Safety of Nuclear Power Plants: Design, Specific Safety Requirements No. SSR-2/1、IAEA、
ウィーン(2012)
10.
IAEA - Safety of Nuclear Power Plants: Commissioning and Operation, Specific Safety Requirements
Series No. SSR-2/2、IAEA、ウィーン(2011)
11.
IAEA - Site Evaluation for Nuclear Installations, Safety Requirement Series No. NS-R-3、IAEA、
ウィーン(2003)
12.
IAEA - Safety of Research Reactors, Safety Requirement Series No. NS-R-4、IAEA、ウィーン
(2005)
13.
IAEA - Safety of Nuclear Fuel Cycle Facilities, Safety Requirement Series No. NS-R-5、IAEA、ウィー
ン(2014)
14.
IAEA - Disposal of Radioactive Waste, Specific Safety Requirements No. SSR-5、IAEA、ウィーン
(2011)
15.
IAEA – Regulations for the Safe Transport of Radioactive Material, Specific Safety Requirements No.
SSR-6、IAEA、ウィーン(2012)
16.
IAEA - Organization and Staffing of the Regulatory Body for Nuclear Facilities, Safety Guide Series No.
GS-G-1.1、IAEA、ウィーン(2002)
17.
IAEA - Review and Assessment of Nuclear Facilities by the Regulatory Body, Safety Guide Series No.
GS-G-1.2、IAEA、ウィーン(2002)
18.
IAEA - Regulatory Inspection of Nuclear Facilities and Enforcement by the Regulatory Body, Safety
Guide Series No. GS-G-1.3、IAEA、ウィーン(2002)
19.
IAEA - Documentation Used in Regulating Nuclear Facilities, Safety Guide Series No. GS-G-1.4、
IAEA、ウィーン(2002)
20.
IAEA - Arrangements for Preparedness for a Nuclear or Radiological Emergency, Safety Guide Series
No. GS-G-2.1、IAEA、ウィーン(2007)
128
21.
IAEA - Criteria for use in Preparedness and Response for a Nuclear or Radiological Emergency, General
Safety Guide Series No. GSG-2、IAEA、ウィーン(2011)
22.
IAEA - Commissioning for Nuclear Power Plants, Safety Guide Series No. SSG-28、IAEA、ウィーン
(2014)
23.
IAEA - Periodic Safety Review of Nuclear Power Plants, Safety Guide Series No. SSG-25、IAEA、
ウィーン(2013)
24.
IAEA - A System for the Feedback of Experience from Events in Nuclear Installations, Safety Guide
Series No. NS-G-2.11、IAEA、ウィーン(2006)
25.
IAEA - Occupational Radiation Protection, Safety Guide Series No. RS-G-1.1、IAEA、ウィーン
(1999)
26.
IAEA - Assessment of Occupational Exposure Due to Intakes of Radionuclides, Safety Guide Series No.
RS-G-1.2、IAEA、ウィーン(1999)
27.
IAEA - Assessment of Occupational Exposure Due to External Sources of Radiation, Safety Guide Series
No. RS-G-1.3、IAEA、ウィーン(1999)
28.
IAEA - Radiological Protection for Medical Exposure to Ionizing Radiation, Safety Guide Series No. RSG-1.5、IAEA、ウィーン(2002)
29.
IAEA - Environmental and Source Monitoring for Purposes of Radiation Protection, Safety Guide Series
No. RS-G-1.8、IAEA、ウィーン(2005)
30.
IAEA - Safety of Radiation Generators and Sealed Radioactive Sources, Safety Guide Series No. RS-G1.10、IAEA、ウィーン(2006)
31.
IAEA - Deterministic Safety Analysis for Nuclear Power Plants, Specific Safety Guides Series No. SSG2、IAEA、ウィーン(2010)
32.
IAEA - Development and Application of Level 1 Probabilistic Safety Assessment for Nuclear Power
Plants, Specific Safety Guide Series No. SSG-3、IAEA、ウィーン(2010)
33.
IAEA - Development and Application of Level 2 Probabilistic Safety Assessment for Nuclear Power
Plants, Specific Safety Guide Series No. SSG-4、IAEA、ウィーン(2010)
34.
IAEA - Safety of Conversion Facilities and Uranium Enrichment Facilities, Specific Safety Guide Series
No. SSG-5、IAEA、ウィーン(2010)
35.
IAEA - Safety of Uranium Fuel Fabrication Facilities Specific Safety Guide Series No. SSG-6、IAEA、
ウィーン(2010)
36.
IAEA - Safety of Uranium and Plutonium Mixed Oxide Fuel Fabrication Facilities, Specific Safety Guide
Series No. SSG-7、IAEA、ウィーン(2010)
37.
IAEA - Licensing Process for Nuclear Installations, Specific Safety Guide Series No. SSG-12、IAEA、
ウィーン(2010)
38.
IAEA - Geological Disposal Facilities for Radioactive Waste Specific Safety Guide Series No. SSG-14、
IAEA、ウィーン(2011)
39.
IAEA - Storage of Spent Nuclear Fuel Specific Safety Guide Series No. SSG-15、IAEA、ウィーン
(2012)
40.
IAEA - Advisory Material for the IAEA Regulations for the Safe Transport of Radioactive Material,
Specific Safety Guide No SSG-26、IAEA、ウィーン(2014)
41.
IAEA - Planning and Preparing for Emergency Response to Transport Accidents Involving Radioactive
Material, Safety Guide No TS-G-1.2(2002)
129
42.
IAEA - Radiation Protection Programmes for the Transport of Radioactive Material, Safety Guide No
TS-G-1.3、IAEA、ウィーン(2007)
43.
IAEA - The Management System for the Safe Transport of Radioactive Material Safety Guide No TS-G1.4、IAEA、ウィーン(2008)
44.
IAEA - Compliance Assurance for the Safe Transport of Radioactive Material, Safety Guide No TS-G1.5、IAEA、ウィーン(2009)
45.
IAEA - Schedules of Provisions of the IAEA Regulations for the Safe Transport of Radioactive Material
(2009 Edition), Safety Guide No TS-G-1.6 (Rev.1)、IAEA、ウィーン(2014)
46.
IAEA - Classification of Radioactive Waste, General Safety Guide No. GSG-1、IAEA、ウィーン
(2009)
47.
IAEA - Regulatory Control of Radiation Sources, General Safety Guide No. GS-G-1.5、IAEA、ウィー
ン(2004)
48.
IAEA - Decommissioning of Nuclear Power Plants and Research Reactors, Safety Guide Series No.WSG-2.1、IAEA、ウィーン(1999)
49.
IAEA - Decommissioning of Medical, Industrial and Research Facilities (1999) Safety Guide Series
No.WS-G-2.2、IAEA、ウィーン(1999)
50.
IAEA - Regulatory Control of Radioactive Discharges to the Environment, Safety Guide Series No.WSG-2.3、IAEA、ウィーン(2000)
51.
IAEA - Decommissioning of Nuclear Fuel Cycle Facilities, Safety Guide Series No.WS-G-2.4、IAEA、
ウィーン(2001)
52.
IAEA - Predisposal Management of Low and Intermediate Level Radioactive Waste, Safety Guide Series
No.WS-G-2.5、IAEA、ウィーン(2003)
53.
IAEA - Predisposal Management of High Level Radioactive Waste, Safety Guide Series No.WS-G-2.6、
IAEA、ウィーン(2003)
54.
IAEA - Management of Waste from the Use of Radioactive Materials in Medicine, Industry, Agriculture,
Research and Education, Safety Guide Series No.WS-G-2.7、IAEA、ウィーン(2005)
55.
IAEA - The Management System for the Disposal of Radioactive Waste, Safety Guide Series No GS-G3.4、IAEA、ウィーン(2008)
56.
IAEA - Safety Assessment for the Decommissioning of Facilities Using Radioactive Material, Safety
Guide Series No.WS-G-5.2、IAEA、ウィーン(2009)
57.
IAEA - Storage of Radioactive Waste, Safety Guide Series No. WS-G-6.1、IAEA、ウィーン(2006)
130
131
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