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№ 22 December, 2006

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№ 22 December, 2006
№ 22 December, 2006
「山口大学環境保全」第 22 号目次 1.巻頭言 「環境問題における地域貢献」
山口大学学長
丸本 卓哉 …1
2.特集: 山口大学の環境配慮推進活動
生協
山口大学生協の環境配慮推進活動について
山口大学生活協同組合店長 吉田 秀文 …2
事務部
「エネルギーの抑制」について
施設環境部施設管理課長
前田 弘喜 …5
「学内環境美化」について
施設環境部施設計画課長
稲垣 實造 …8
財務部経理課経理係長
林 喜久雄 …12
人文学部
三崎 柚香 …16
吉田地区中央集積場の「廃棄物の抑制」について
3.解説、話題、教育、研究
水を買うという行為
自然環境を見つめ直す
附属山口中学校 徳光 和也・田中 敬 …18
台湾および EU における環境保護支出勘定
生命圏−細菌が支える循環システムとしての環境−
経済学部
理学部(時間学研究所)
陳 禮俊 …20
鎌田 祥仁 …29
「平成 17 年度特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会」に参加して
栄養治療部の生ゴミと廃油処理の現状
医学部
杉山 真一 …32
医学部附属病院
田坂 克子 …34
工学部
野口三千彦 …37
農学部名誉教授
梶原 忠彦 …39
アセトンと有機化学実験室
海洋への鉄散布による二酸化炭素固定について
薬品使用量の調査(2005 年度)
実験排水の pH の連続記録
4.排水処理センター報告
5.大学等環境安全協議会報告
排水処理センター 藤原 勇・山野 聖子 … 43
排水処理センター
排水処理センター
藤原 勇 …47
藤原 勇・山野 聖子 …49
排水処理センター
藤原 勇 …61
6.排水処理センター運営協議会,山口大学環境保全編集委員会報告
7.廃棄物処理の実績
排水処理センター
藤原 勇 …65
排水処理センター
山野 聖子 …66
8.名簿一覧
68
9.排水処理センター活動日誌
71
10.新任のあいさつ
11.編集後記
排水処理センター
山野 聖子 …72
編集委員長
和泉 研二 …73
1.巻頭言「環境問題における地域貢献」
山口大学学長 丸 本 卓 哉
今年は排水処理センターが設立されて23年を迎えました(1983−2006)
。この間、広報誌
として「環境保全」が発刊され、山口大学における各種の排水処理に関する課題の解決に関係者の教職
員が取り組んでこられたことに敬意と感謝を申し上げたいと思います。
「学内から学外(地域)へ一切の汚水を排出しないこと」が基本原則ですが、一方で、教職員や学生
の環境保全に対する認識と意識を高めることが大切です。さらに、山口大学の持つ環境保全に関する人
材や技術を地域の環境問題の解決や発展に役立てることも地域の基幹総合大学としての役割りであると
考えています。現在まで、すでに多くの教職員や学生諸君が、ボランティアとして各種の地域の環境問
題解決に取り組んでいる事例が多数報告されており、学長としても嬉しい限りです。
約2年前に、環境問題に関心のある教職員の方々に呼びかけて「山口大学環境ネットワーク」を設
立しました。全学より約60名程が登録していただきました。これが契機になって、2004年(平
成16年)には、宇部全日空ホテルで日中韓台の研究者による国際環境シンポジウムが開催され、さ
らに産学公連携による「やまぐち環境ネットワーク」(事務局:山口大学農学部 早川誠而 Tel:
083-933-5861)へと発展することになり、年1回の環境シンポジウムと 2 年毎の日中韓国際シンポジウ
ムを開催することとしています。このように、地域も山口から東アジアへと広がりを見せていますが、
山口大学は歴史的にも東アジアとの交流が深く、環境問題の解決に十分貢献できます。また、これらの
活動を通して教育・研究費の確保も可能になると期待されます。環境問題は汚染だけでなく、人類の生
存に関わる全ての課題に関係していますので、あらゆる分野の研究者が参画可能です。
国内外の各種の環境問題に積極的に参加し、地域社会の発展に貢献することで、基幹総合大学として
の役割を少しでも果たしたいものだと思っています。多くの教職員のご協力やご支援が得られることを
心より願っています。
−1−
2.特集:山口大学の環境配慮推進活動について
山口大学生協の環境配慮推進活動について
山口大学生活協同組合 店長
吉 田 秀 文
1. はじめに
私たちは、
環境保全活動が大学生協の事業と組織活動の基礎的取り組みの重要な課題の一つと認識し、
事業と商品活動(サービスを含む)における環境負荷低減に責任を果たす立場から、組合員とともに様々
な活動に取り組んでいます。
具体的には、①提供する商品(サービス)そのものを環境にやさしい商品群とする、②包装用品など
の資材をリサイクルし環境にやさしい取り組みとする、③廃棄物の量を減らし環境に負荷をかけない、
④これらの取り組みを組合員の目に見える形で行い組合員(山大生)に環境について考えるきっかけを
与える。など、身近なところから、組合員とともに考え行動していきます。
2. 山口大学生協における環境配慮推進活動具体例
①環境負荷の少ない商品提供
山口大学生協では、吉田キャンパス第1食堂「ボーノ」
、工学部食堂、医学部食堂の3店舗において
地産地消の取り組みを進めています。2005年の12月に
お米の試食会を行い、これまでの北海道産米「きらら」に
代わって県内産米「晴るる」の導入を決定しました(図 1)。
仕入コストは上がりますが、物流ルート短縮による化石燃料
の消費削減や有害ガスの排出抑制に貢献しています。また、
後述する組合員参加型の「食」を考える取り組みも県内産米
使用でしか実現できないものでした。今後も地域の食材使用
の可能性を追求していきたいと考えています。
もう一つは、大学生協の推進する「コープ文具」です。
図1 吉田キャンパス
『ボーノ』にて「晴るる」表示
CO-OP 文具は大学教育と専門教育に貢献するためのツールとして開発・ラインアップされています。
開発・リニューアルにあたっては、実際に使用されている研究室や組合員の声が活かされています。業
界に先駆けて開発された商品や、大学生協ならではの商品が数多くあ
ります(図 2,3)。また、環境配慮から再生紙や再生樹脂を使用した
商品の導入も早くから行ってきました。現在「コープ文具カタログ」
は毎年発行されていますが、約8割以上の商品が環境配慮商品になっ
ています。「情報収集から発表まで」を支える文具として、これから
も大学の教育・研究に貢献し続けます。
図2 CO-OP文具カタログ2006
図3 グリーン購入法対応文具
−2−
②山口大学生協のリサイクル活動
まず最初にご紹介するのは JUON(樹恩)NETWORK の割り箸です。割り箸と聞いて環境破壊を連
想する方も多いかもしれませんが、樹恩の割り箸は間伐材を使用しています。間伐とは、森の適切な保
全のために密に植えられた木を間引いて、森林の中に光が差し込み健全に育つようにするための作業で
す。日本の割り箸が1膳当たり 2.08 円するのに対し、中国産の割り箸は 1 膳約 0.5 ∼ 0.8 円ですので、
日本は多くを輸入に依存してしまいがちですが、樹恩の割り箸は自国の森林を守り、環境にもやさしい
ように間伐材を使用しています。コストがかかり若干折れ易いと言う欠点もありますが山口大学生協で
は、「ボーノ」、工学部、医学部、全店舗で樹恩の割り箸を使用し、回収後は製紙会社へ送達しリサイク
ル活動を行っています(図 4)。
図 4 各店舗の返却写真−返却口付近で回収し、乾燥の後、箱詰めして宅急便で運搬
次にリリパックのお弁当箱(図 5,6)です。食べ終わった
後の容器から組合員自身がフィルムをはがし、専用の回収箱(図
7)で回収いたします。フィルムをはがしてリサイクルするので、
組合員の意識向上にもつながり、洗浄用のすすぎも不要なので
水質汚染も減り、2重3重に環境に配慮した取組みとなってい
ます。開発のヒントになったのは、阪神淡路大震災時、水不足
のなかで、食器を洗うこともままならない被災者が苦肉の策と
図 5 幕内タイプリリパック
して皿をラップで覆って使っていたことだそうです。リリパッ
クもボーノ、工学部、医学部、生協食堂全店での取り組みとな
っています。今後は回収率をどこまで高めていけるかが取り組
みのポイントとなります。
③廃棄物の量を減らし、環境負荷を減らす取り組み。
吉田キャンパス第1食堂「ボーノ」では、グリストラップ浄
丼タイプ
図 6 丼タイプリリパック
図 7 各店舗での回収ボックス
−3−
化装置を導入し、排水の浄化を図っています(図 8)
。酵素の水で油
分やヘドロを分解するので、人体にも影響は無く安心です。これもコ
ストはかかりますが、排水をよりきれいに排出するため続けています。
工学部ショップでは、エコファイターズ
と協力して、レジ袋削減のためエコバッ
ク(図 9)の製作に取り組みました。生協
図 8 グリストラップ
ショップにて格安販売!現在は、より環境に対する意識を高めてもらうため
に、レジ袋の有料化を検討。アンケートを実施しました。結果は、反対62
に対して賛成は41。反対のほうが多かったため、今後は試験的に有料化の
テストをします。
図 9 エコバック
④組合員とともに環境について考える
最初に紹介した県産米「晴るる」の導入ですが、切り替えの条件と
して産地交流を卸業者にお願いしました。山大生が「自分たちが食堂
で食べている」お米の産地へ行って、農家の方と交流する。食べ物を
身近に感じ、食べ物を大切にする心と「食」への興味を持ってもらお
図 10 農家の方と交流
農家の方の苦情などを聞きました。
うという取り組みです。JAの協力の下、6月に田植え、10月に稲
刈りを企画し、多くの参加で盛況でした(図 10、11)
。実際に稲刈り
時に自分たちが刈り取ったお米がボーノに登場しました。稲刈りに
行っていない学生たちもボーノのお米を身近に感じられたのではない
でしょうか。
図 11 田植えの様子
リリパック、樹恩の割り箸ともに組合員の目に見える形で、
紹介・回収しています。生協の食堂や購買部を利用することで、
「ああ今私は環境に貢献しているのだなあ」と少しでも考えら
れるようなきっかけを与えていきたいと考えています。今後は
回収率やどの程度リサイクルセンターに送っているのか、報告
も行いたいと思います。リリパック・樹恩割り箸の取り組みが
日常の風景化しないよう、宣伝していきます(図 12)。
図 12 リリパック・樹恩割り箸の取り組みポスター
3.組合員と進める環境の取り組み
環境問題を考えるにあたっての私たち大学生協の強みは「利用
者である組合員が身近にいること」と「日常的に利用するお店が
あること」です。身近な組合員に声をかけて人を組織することも
可能ですし、お店の中で組合員の目に付くように宣伝を行うこと
もできます。これらのことを活かして、環境にやさしい大学生を
図 13
トナーカートリッジ
回収箱1
社会に送り出していきたいと考えています。図 13、14 は、トナー
カートリッジのリサイクルの取り組みです。平川キャンパス大学
会館ショップ他、メディアショップ、工学部ショップ、医学部
ショップでも回収しております。研究室等で出ました不要なカー
トリッジは是非ショップまでお持ちください。
図 14 トナーカートリッジ回収箱2
−4−
「エネルギーの抑制」について
施設環境部施設管理課長 前 田 弘 喜 山口大学の主要3キャンパスの電気使用量は、世界水準の教育研究成果の確保を目指し、老朽化・狭
隘化施設の整備並びに、地域医療の更なる貢献に努めることより毎年増加傾向にあります。(表1)
その対策として、平成15年度の施設規模における電気使用量をベースとして5ヶ年で計5%以上の
削減を目標に取り組んでいます。
平成16年度は吉田・小串キャンパスは前年度の使用量に比べ増加しましたが、これは平成15年度
が例年に比べ夏涼しく冬暖かであった為電気の使用量が低かったことや、附属病院の医療活動が増えた
ことにより電気の使用量が増えたことが要因と思われます。ただし、常盤キャンパスにおいては「こま
めな節電」など、徹底した啓発活動により、15年度施設ベースでは5%以上の削減を達成しました。
(図
1)
また、平成17年度は吉田キャンパスで対前年度2. 0%、小串キャンパスでは同じく0. 1%の削減
ができました。常盤キャンパスについては、平成17年度は対前年度3. 8%の増加となりました。
平成17年度の山口大学の建物面積当たりの年間電力使用量は136kWh/ m2、大学構成員(教
職員・学生)当たりの年間電力使用量は3, 400kWh/人です。
今後は、建物の増改築工事において一層省エネを考慮したものとし、運用面で更に節電を周知、徹底
し削減していきます。
表 1 主要 3 キャンパスの電力使用量
単位:千 kWh 平成 15 年度
平成 16 年度
平成 17 年度
༐N:K
+ᐁ⦴ೋ
+ᐁ⦴ೋ
+ᐁ⦴ೋ
吉田キャンパス
9,185
9,208
9,027
小串キャンパス
23,685
25,257
25,350
常磐キャンパス
7,640
7,989
8,870
40,510
42,454
43,247
合計
ྚ⏛࢞ࣔࣤࣂࢪ ᑚ୴࢞ࣔࣤࣂࢪ ᖏ┑࢞ࣔࣤࣂࢪ
図 1 平成 15 年度から 3 年間の施設ベースにおける
電力使用量
−5−
◇ 下記のリーフレット(図2)を作成し、省エネの啓発活動を行っております。
参考までに一般家庭の消費電力グラフを図3に示しました。
図 3 年間消費電力グラフ(一般家庭)
図 2 リーフレット
また、各学部毎においても「電気使用量の削減」などエネルギーの抑制に努めております。下記にそ
の一例を示します。
◇ 人文学部の「省エネ」の活動と計画
17年度は、主として、電力の使用に力点を置い
て「省エネ」を呼びかけ、その節約及び使用量の年
間1%以上(15年度比)削減をめざして活動を行
いました。一例としては、人文学部の廊下、階段、
エレベーター付近に、数項目にわたる数種類のビラ
を掲示して「省エネ」を呼びかけました。(図4・5)
①研究室、講義室等における冷暖房の設定温度の目
標を夏 季28℃、冬季20℃とすることを周知
徹底。
②研究室、講義室、事務室等で使用する「光熱水」
の節減を呼びかけた。こまめに電源のスイッチを
切ることを奨励。
③廊下エレベーター内の照明の間引きと一部の点灯
図 4 省エネ呼びかけの表示
時間の短縮。
④男子トイレの光熱水の節減のために、自動点灯の
−6−
時間の短縮、使用前の洗浄水の流失の停止等、種々の方策をとった。
⑤平日夜間(20時以降)
、土・日・祝日の研究室の利用を原則として許可制とした。図書館等
の学習スペースの有効活用を呼びかけた。
⑥8月13日∼20日を最低限の職員以外は一斉休業。
⑦エレベーターの使用を最小限にすることを呼びかけた。
その結果、17年度の人文学部の消費電力量は15年度比4. 7%削減できました。18年度は、電気、
水道、ガス使用量の削減を引き続きめざすとともに、特に、学生に対する環境教育と、紙使用量の削減
(用紙の両面使用の促進、文書の電子化、封筒の再利用)を推進することとしています。
図 5 「省エネ」呼びかけのビラ
−7−
「学内環境美化」について
施設環境部施設計画課長 稲 垣 實 造 山口大学では、「キャンパスクリーン作戦」として、教職員及び学生が一斉に構内の除草、ゴミ拾い
を行っております。今年度は総勢 1,500 名程が参加しております。(図1・2・3)
図 1 キャンパスクリーン作戦のビラ
(吉田キャンパス)
図 2 キャンパスクリーン作戦作業風景 1
図 3 キャンパスクリーン作戦作業風景 2
また、学内の緑化活動として各学部毎に花壇の整備などを行っております。次頁にその活動状況の一
例を示します。
−8−
◇ 農学部の花壇の整備
農学部の建物は平成14年度に全面改修が完了し、教育研究の
環境は飛躍的に改善されましたが、建物周辺の緑地は昭和41
年移転した当時からほとんど整備されていない状況であり、
「環
境」と「生物」を理念に掲げている学部としては、相応しから
ざる状況でした。
これらの改善を図るため、平成15年度からの年次計画によ
り建物周辺の環境を、緑化等により推めてきました。これまで
取り組んだ主な整備状況は以下のとおりです。
図 4 農学部中庭の花壇
①.中庭に花壇の設置
学生主体により花壇を管理させ学科別に毎年必要経費を予算
化し、各学科の学生がそれぞれ四季折々の花を植え癒しの場と
なっています。(図4)
②.玄関両サイドの緑化
ケヤキの根元周辺は雑草と土が露出し、学部の表玄関として
相応しい環境ではなかったため、一面を緑化のうえ灯籠を設置
し環境美化を行いました。
③.建物西側路側帯の緑化
通行量の多い歩道に面した西側の緑地は、土が露出し大雨の
際は泥が歩道に流出していたため、自然石の組石により土留め
図 5 建物西側路側帯の緑化
のうえ花壇を設け環境美化を行いました。(図5)
◇ 工学部の花壇の整備
工学部では、キャンパスに「ゆとり」と「うるおい」を与え
る空間として本館中庭等に花壇の整備を積極的に行っています。
この活動は、本学の「おもしろプロジェクト」で採択を受けてい
る学生サークル「エコファイターズ」や教職員有志のボランティ
アにより行われています。
特に、昨年 5 ∼ 6 月においては、本館の中庭や福利厚生棟前
広場の空地を利用して、「エコファイターズ」が中心となり、花
壇づくりから花の品種・色選び植栽の配置等のデザインの作成
まで行いました。また、水やり等の管理も学生が独自にローテー
図 6 建物西側路側工学部
花壇づくり
ションをつくり取組みました(図6・7)
この活動については、前学部長を中心に教職員を対象に募ら
れた基金である「キャンパスうるおいファンド」の資金が充て
られています。
現在の本館の中庭においては、ブルーサルビア・マリーゴー
ルド・ペチュニア等が色とりどりに咲き競い、キャンパスのほ
かの箇所においても様々な花が今を盛りと咲き誇り、キャンパ
スに「ゆとり」と「うるおい」を与える空間となっています。
このような取組は、前記の学生サークルである「エコファイ
ターズ」と同様に平成13年度に採択を受けた「おもしろプロ
ジェクト」の「新緑茂り綺麗な花薫るキャンパス造り∼花壇の
再生∼」から、断続的にキャンパス内で行われているものであり、
−9−
図 7 完成後の花壇
教職員・学生による常盤キャンパスの環境美化への取組及び活動
は、今後も継続して実施し、引き継いでいきたいと考えています。
◇ 経済学部の花壇の整備
経済学部においては、環境美化、緑化の一環として、毎年1
∼2回、教職員・学生による除草、落葉拾い、庭木の剪定作業
等を行っています。
こうした中、経済学部学生ゼミナール連合協議会は、修学・生
図 8 経済学部花壇 1
活環境の改善と環境美化、更には学生の環境に対する意識啓発・
高揚のため、かねてから構内に花壇を設置したいとの計画を持っ
ていました。
平成17年の経済学部創立百周年記念行事を契機として、こ
の計画を具体化するため、ゼミナール連合協議会の組織として
新たに「環境局」を設置し、本格的に活動を開始することにな
りました。
環境局の設置と共に、約8m2 の花壇を造り、一年中花が咲き
誇るよう季節毎の花を植栽しました。(図8・9)
花壇の造成にあたっては、学生自ら構内の堆肥、落葉等を集
めるなど、まさに手造りの作業です。現在では、四季折々の花
が咲き、学生、教職員の心を和ませるものになっています。
今後は、花壇の維持・管理を行うと共に、遊休地を有効利用
して更に花壇を造り、環境美化活動を継続的に行っていく予定
です。
作業環境測定
− 10 −
図 9 経済学部花壇 2
環境マネジメント体制が確立されたことにより、従来、各学部毎で取組んでいた環境配慮活動が、大
学全体の統一した活動として、志気が高まってまいりました。
平成18年9月20日に環境報告書をホームページにアップしました。
山口大学環境報告書は下記のアドレスから見ることができます。
http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~fms-01/kankyo/houkokusyo2006.pdf
図 10 山口大学環境報告書の表紙
− 11 −
吉田地区中央集積場の「廃棄物の抑制」について
財務部経理課経理係長 林 喜久雄 1.吉田地区中央集積場の概要
吉田地区中央集積場は、一定のルールに基づき、各部
局等から発生・搬入された廃棄物を収納し、処分するま
での間、保管している場所です。
中央集積場のボイラー室側には,空き缶,空き瓶の搬
入場所を設け,水洗い等をした後,整理し、その後ろの
図 1 吉田地区中央集積場
倉庫へ収納しています。(図1奥)
倉庫手前には,可燃物ごみの搬入場所としてコンテナ
を設置しています。(図1手前)
また,第二学食側には,手前から奥に向かって不燃物,
蛍光管、プラッスチック製容器包装類,新聞,理学部・
農学部専用の実験系廃棄物,雑誌等・段ボール,発泡ス
チロール等の搬入場所としてコンテナやストックハウス
図 2 ストックハウス
を設置しています。(図2)
2.吉田地区中央集積場への廃棄物搬入ルール
吉田地区中央集積場への廃棄物搬入ルールは、経理課
が各部局担当係を通して教職員・学生等にお知らせして
います。
なお、中央集積場にも留意事項を掲示し、重ねて搬入
ルール遵守について,協力をお願いしています。(図3 ルールに基づいた古紙等の搬入例)
また、学内の売店等で購入された物は、売店等が処分
するように所有のゴミ箱を設置しています。中央集積場
図 3 古紙等搬入例
への搬入は,控えてください。
3.廃棄物搬入ルールが遵守されない場合
コンテナ、ストックハウス内に,分別,搬入ルールを無視した廃棄物の搬入があると,山口市
等に回収を依頼することができません。
経理課としても搬入された方を特定することはできず,対応が取れないため,業者へ経費を支
払って分別処理作業を行い,処分することになります。
4.吉田地区中央集積場の廃棄物の搬出先
中央集積場に搬入された廃棄物は、次の場所へ搬出し、処分をします。
イ.可燃ゴミ
山口市環境部清掃工場(有料) ロ.不燃物
− 12 −
金属くず
民間業者処分場(リサイクル・有料)
廃プラスチック
神田一般廃棄物最終処分場(有料)
その他類
神田一般廃棄物最終処分場(有料)
ハ.その他
産業廃棄物処理業者へ委託(有料)
ニ.資源物
空き缶・空き瓶
山口市(リサイクル・無料)
古紙・ペットボトル
山口市(リサイクル・無料)
発砲スチロール
民間業者処分場(リサイクル・有料)
プラスチック製容器包装
山口市(リサイクル・無料)
5.神田一般廃棄物最終処分場への搬出許可量の制限
神田一般廃棄物最終処分場への搬出許可量の制限を表1に示します。
山口市環境部清掃事務所と交渉を行っていますが,来年度以降も搬出許可量の減量が予測されます。
搬出許可量を超えたものは、他の処分場へ搬出,処分するため,多額の経費を要します。
表1 吉田地区の神田一般廃棄物最終処分場年間搬出許可量(過去3年間)
搬出許可量
平成16年度
制限無し
平成17年度
12トン
平成18年度
10トン
6.吉田地区廃棄物処分量及び処分経費
吉田地区廃棄物の処分量及び処分経費を表2に示します。
なお,不燃物には,粗大ごみ,蛍光管,感染性医療廃棄物,不用薬品等が含まれています。
表2 吉田地区廃棄物処分量及び処分経費の推移(過去3年間)
種 別
年 度 平成15年度
平成16年度
平成17年度
可 燃 ご み
排出量
処分経費
(トン)
(千円)
126.3
1,901
130.9
1,886
162.3
2,113
不 燃 物
排出量
処分経費
(トン)
(千円)
87.7
2,805
45.2
12,902
56.7
5,895
7.吉田地区中央集積場における平成17年度から継続している課題
吉田地区中央集積場における平成17年度から継続している課題は,次のとおりです。
① 家電リサイクル,タイヤ,バッテリー,薬品の不法投棄
② 廃棄物の分別不徹底(可燃・不燃物の混同)
③ 家庭用ごみの不法投棄
8.吉田地区中央集積場への搬入状況改善策
吉田地区中央集積場への搬入状況(7.の課題等)改善策は,経理課としても検討を重ねていま
すが,残念ながら現在のところ妙案はありません。
現状は,経理課から吉田地区全部局等に送付する文書及び吉田地区中央集積場に掲げる掲示物に
より,教職員並びに学生等のモラルの向上を期待するだけに留まっています。
しかし,このような方法では,問題解消とはならず,各部局等へ「吉田地区中央集積場への搬入
時間を決め,その時間外は,搬入を認めない。
」等の規制強化の方向性を提案し,改善策案の一例
として協議を図ることも必要と感じ検討を始めています。
どのような方法を取るとしても,人件費,処分経費や各部局等全体の業務量の負担節減に繋がら
ないような改善策は,提案できません。
− 13 −
9.吉田地区中央集積場の「廃棄物の抑制」対策
「廃棄物減量化」を推進することは出来ても,廃棄物の発生をゼロにすることはなかなか出来ません。
教育研究上や業務遂行上で生じる廃棄物は,当然ながら多かれ少なかれ日々発生しますし,処分す
るのも大学として当然の責務と思っています。
現在も,吉田地区中央集積場における又は各部局等単独で廃棄物の抑制の一環として「廃棄物減
量化」が進められていますが,次のように廃棄物を発生させないことも「廃棄物の抑制」の一つと
考えられます。
ア.備品等の納入の際,生じる木枠等の廃棄物は,全て納入業者等に持ち帰ってもらうこと。
イ.学内,学外の売店等で購入したものの廃棄物は,「大学のごみ」としないこと。
ウ.家庭用の廃棄物は,大学に持ち込まないこと。
エ.不要な備品等は,使用できるものであれば,大学全体で活用を図ること。
経理課としても,現在,次の②案については検討を終え,近々,吉田地区全部局に対し協力依頼
を行う予定です。
① 不燃物の中でも備品等の大型ごみは,吉田地区中央集積場への搬入が認められないので,四半
期毎にでも,吉田地区全部局等の大型ごみを対象に一括処分できれば,又は,部局等間の情報
公開により不要な備品等の活用が図れれば,大型ごみや大型ごみに準ずる不燃物が吉田地区中
央集積場から姿を消すことになり,廃棄物減量及び処分経費の節減が図れる。
② 可燃ごみの中身を分析すると,紙類が大部分を占めている。支障がなければ,シュレッダーで
裁断後,資源物(リサイクル品)として搬出する。これにより(①と同様の節減が図れる。)
10.最後にあたり(経理課からの要望)
吉田地区中央集積場の「廃棄物の抑制」について,事務改善検討部会の「業務改善・経費節減」
に係る提案等も参考に検討を行いましたが,簡単に対策案を見つけることは出来ませんでした。 それは,
「そこにごみはあるもの,搬出するもの」という前提が対策を拒むことになるのかもし
れません。まずは,各自一人一人がごみに対する意識改革をし,ごみを発生させないことを心掛け
ることが,「廃棄物の抑制」については,一番良い方法と言えるのではないでしょうか。
今後の参考にと思いまして,廃棄物及び搬入ルールをもう一度掲載しておきます。(表3,4)
また,取扱い上において疑義が生じましたら,経理課経理係(内線5105)又は所属部局等担当
係までお尋ねください。
最後に,もう一度,廃棄物の抑制の原点は,
「この廃棄物は,大学の業務上等で発生したものか。」,
「吉田地区中央集積場への搬入ルールは遵守しているか。
」,更に,
「廃棄物を発生させない減量化に
は,どのような方法があるのか。」です。(平成 18 年 12 月末日の現状です)
− 14 −
表3 中央集積場に搬入できる廃棄物 可燃ごみ
可燃ごみ,
不燃物
不燃ごみ,
その他
感染性医療廃棄物(理学部・農学部が対応)
古紙,空き缶・空き瓶,ペットボトル,発泡スチロール,プラスチック類
(山口市等リサイクル品),
資源物
表4 廃棄物搬入方法
可燃ごみ
可燃ごみ(生活ごみ)
可燃物扱いしないもの
搬入場所
不燃ごみ
金属くず
燃やせないごみは絶対に出さないこと。
山口市環境部清掃工場へ搬出します。(有料)
生ごみ,紙くず,木切れ,布,草花,食品系プラスチック等
食品のトレイ,ラップ,弁当ガラ,カップ麺容器,ペットボトル
可燃物専用コンテナ内
燃やせないごみです。
神田一般廃棄物最終処分場等へ搬出します。(有料)
鍋、やかん、フライパン、ハンガー、ゴミ箱等(金属類)
廃プラスチック
カセットテープ、CD、ビデオテープ、プランター、ボールペン、ポリバケ
ツ、網戸、ブルーシート、水道ホース
その他類
ガラス、刃物、陶器類、その他上記以外の物(家電 4 品目除く)
搬入場所
その他(感染性医療廃棄物)
搬入場所
資源物
不燃物ごみコンテナ内(3台)
,蛍光管置き場
(理学部・農学部が対応)
(専用ストックハウス内)
山口市等が回収します。山口市は無料です。
古紙
品目毎に紙紐で縛って搬入すること。
新聞紙
雑誌
段ボール
紙製容器包装類
紙パック
搬入場所
折り込み広告,市報等も可です。 四つに折って束ねること。
カタログ,本等で製本されたもの。
束ねること。
金具,ガムテープ,ビニールを取り除いたもの。
1mぐらいに折りたたむこと。
紙袋,包装紙,紙箱,アルミの張ってある紙パック。
折りたたんだり,切り開いたりして束ねること。
牛乳パック,ジュースのパックなど中にアルミの張ってないもの。
束ねること。
山口市専用ストックハウス内
空き缶
食品が入っていたものに限ります。 つぶさずに水洗いする。(アルミ缶とスチール缶は一緒に出します。
)
空き瓶
食品が入っていたものに限ります。
水洗いする。金口やキャップは必ず取り不燃ごみへ。
ペットボトル
清涼飲料,醤油,酒類に限ります。
水洗いする。ボトルはつぶす。キャップは必ず取り不燃ごみへ。
搬入場所 空き缶・空き瓶・ペットボトル専用倉庫前置き場
発泡スチロール
なるべく購入業者に引き取らせること。
(有料) 搬入場所 プラスチック製容器包装
出せるもの(食品系)
搬入場所
発泡スチロール専用ストックハウス内
中身がないように水洗いし,乾かす。透明・半透明の袋に入れる。
ポリ袋・ラップ類,ペットボトルのふた・カップ麺類,卵パック・トレイ類,
シャンプーリンス,洗剤等のボトル類が対象。
山口市専用ストックハウス内
− 15 −
水を買うという行為
人文学部 三 崎 柚 香 飲料水は買うことが普通になっている。何故なら、水道水は飲めないから。理由は汚いから。水道水
を飲むことは、相当な貧乏か野蛮と見なされる。1リットルが300円以上する飲料水も販売されてお
り、水道水は貧乏人の飲み物という定義と比例するように、高価な飲料水を飲めば、余裕のある生活を
していると思われる。本当に水道水は汚いのだろうか。何が汚いのだろうか。
タイに旅行した時、バスタブに水を張ろうとして、茶褐色の水が蛇口から出てきて驚いた。海外の水
は汚い、とは聞いていたし、東南アジアの水道水は絶対に飲まないようにとマップにも書いてあったの
だが、やはり驚いた。見てわかるほど汚いとは思っていなかった。また、イタリアに行った時には、レ
ストランで、注文する前に、パンは出てくるのに水が出てこないことに驚いた。聞くと、パンはサービ
スで、水は炭酸入りかそうじゃないのかを選んで買うのだと言う。レストランで水にお金を払う馬鹿馬
鹿しさにげんなりした。しかし、ホテルで水道水を飲んでみると、見た目から透明ではなく、塩素の風
味がして、飲もうという気にはなれなかった。
日本の水道水は誰がみても、無味無臭である。水道水に日本の技術レベルの高さや、公共のものを大
切にする社会への忠誠心が表れていると思う。そして、十分に飲める。水道水を飲んで体調を悪くした
というニュースは聞かない。飲めるだけのクオリティを保っている証拠だ。もし、浄水場に不備があり、
各家庭に届く水が汚い場合は、ちゃんと「飲まないで下さい」と知らせてくれる。水道水は安心できる
保証も付いている。
この頃、
若い女性を中心に流行っている水は、たいていフランス産である。
アルプスの水は硬度が高く、
腸の働きを良くし、肌をきれいに保つらしい。モデルが飲んでいると雑誌に載ってから、フランスの水
は売れに売れている。多分、イタリアと同様にフランスも水道水は飲めるものでは無いのだろう。だか
ら、フランス人は仕方なく、アルプスの水を飲料用に買うのだ。水道水のクオリティが高く、十分飲め
る日本でアルプスの水を買うなんて、フランス人には理解し難いに違いない。
水道水を汚い、と言う人に理由を聞くと、
「消毒しまくって、変な薬をいっぱい入れて、毒素まみれで、
体中を汚染する物質が含まれているから」と言う。川から取水して、川の魚の死骸や糞や油が混じって
いるから汚いのでは無く、消毒しているから汚いのである。しかし、そういう人と四万十川に行っても、
十中八九、清流の水を汚いから飲めない、と言うだろう。それは、魚の死骸や糞や、川に入った人の体
からでる脂汗が含まれている水だから、と言う。消毒しても汚い。消毒しなくても汚いのだ。
では、なぜフランスの水がきれい、と言い切れるのか。フランス人が買って飲んでいるから。しかし、
フランスから日本に輸送されるには、相当な時間がかかり、店頭に並ぶフランスの水がいつ製造された
ものか分からない。長時間の輸送に耐えられるくらいの、強い薬品で消毒していると考えるべきだ。水
道水とフランスの水と、どっちがどれだけ消毒のための薬品を使っているかはわからない。果たして、
フランスの水をきれいだと言い切れるのか。
日本人は水を買わなくていい環境に恵まれているのだから、それに感謝して享受すべきである。モデ
ルが飲んでいるから、テレビでいいと言っていたから、きれいそうだから、おしゃれだから、等々の理
由で海外の水を買う行為は、必要ないのである。情報を取捨選択出来ずに、水道水を汚いと決めつける
のは良くない。水道水を供給する人たちが「どうせ、水道水を飲む人はいないし」という姿勢になって
しまうと、タイやイタリアのようになる。クオリティの高い日本の水への安心や信頼が崩れてしまう。
昔は、川の水や井戸水を飲料にすることが普通だったのだ。しかし、経済成長による河川汚染や地盤
沈下によって、川の水も井戸水も飲めなくなってしまった。大切にするべき自然による飲み水の供給源
− 16 −
を失ってしまった。その代わりとして、水道水のクオリティを、世界に誇るまでに高めた。なのに、今、
その水道水という公共の飲み水の供給源を自分たちによって失わせようとしている。残念だと気づきた
い。
水道水を汚いと言うのは根拠の無い事で、フランスの水をきれいだと言うのもまた根拠の無い事だ。
意識の問題なのだ。
情報を取捨選択できないことと、意識の低さによって、人間は様々なものを失ってきたと感じる。環
境汚染はそれの最もたるものである。江戸時代に比べて、夏の最高気温が5度以上上がった、とも聞く。
台風が来るたびに起こる土砂崩れも、森林伐採のせいだろう。人間が自然体系を壊してきた影響は、深
刻だ。しかし、今、同じような意識の低さで、人間が必要とするから作り、守ってきたものを壊そうと
している。その例として水を挙げた。未来まで見据えた意識と想像が、一人一人に求められているのだ
と思う。
山口大学のシンボルマーク:共通教育建物玄関
− 17 −
自然環境を見つめ直す
附属山口中学校 徳 光 和 也 田 中 敬 1 はじめに
川の調査から学習を出発し食物連鎖や生態系について身近な自然をいつも頭に浮かべながら学習して
ほしいという願いから「自然環境を見つめ直す」という授業を実施した。
自然環境について生徒たちは、マスメディアや個人の関心に応じてその知識量に差が見られる。そこ
で、授業を進めるにあたって、教科書や、資料集、Web ページなどのようなものでは味わえない、生
の自然を自分の肌で感じたことを出発点に身近な地域や日本、そして地球規模の環境にまで少しでも目
を向けることができるようになればと考えている。
2 単元『自然と人間』の授業の流れ
(1)<川の調査>2時間
・県庁の西側を流れ、附小横を流れる五十鈴川を調査した。
(行事、期末など連続 2 時間の授業確保が
難しかったため、後期 11 月初旬から実施した)
・100 m程度の範囲を4クラスで分担して調査した。(調査日時のずれ、上流側・下流側・全体など調
査範囲ずらしながら実施した。裸足での入水は危険であり、ゾウリ等準備させた)
・指標生物の記録用紙は環境学習プログラム5−4「川の虫を採集してみよう(P.381)
」を利用した。
また、
「川の生き物を調べよう」を10班分両面コピーし、パウチして調査時に各班に配布した。
・4人グループで石をはぐる、流れた生物を網で待ちうける、石をバットに移して探す、記録するとい
う役割を分担させた。(生徒は生き生きと活動し、キャンパ
スノートなどに多くの生徒が楽しかった様子を書いていた)
・調査道具について大学の先生に相談したところ、大きささえ
大体あっていれば、ホームセンターで購入したものを利用し
てもよいと聞き、
自作した (みかんネット、配線カバー、バッ
ト、50cm四方の針金枠)
。
(2)<調査のまとめ及び生物どうしのつながりをまとめる>
2時間
・クラスごとに五十鈴川の水質の判定を行う
・生物どうしのつながりをまとめる際に生徒に見させたHPは以下のアドレス。指標生物30種の写真
からクリックしてかなり詳細なデータを得ることができる。
http://w-mizu.nies.go.jp/suisei/chosa/bio/index.html 国立環境研究所環境情報センター
・上のHPで調べた食性を中心に生物どうしの関係を探らせ、最終的に全員で一つの食物連鎖によるピ
ラミッドモデルを完成させた。
(3)<人間と他の生物とのかかわりについて考える>1時間
(4)<自分の考えをまとめたレポート作成>1時間
3 「人間と他の生物とのかかわりについて考える」の授業の意図と展開の実際
(1)授業の意図
人間が空気を吸って生きているように、川にすむ生物は水が最も重要な環境要因である。そして、そ
の水質自体は人間の活動により大きく変化している。その原因は、人間にとって必要に迫られた上での
宅地開発や下水道の整備、農薬の使用などである。このことにより土砂の流入や生物にとって必要な有
機物の不足などが水質を変化させる。山口市を流れる椹野川河口の秋穂湾におけるアサリの漁獲高の激
減がその典型的な例である。また、流量の調節(洪水の防止)や農業用の取水のために堰堤がつくられ
− 18 −
ているが、これが魚の産卵のための遡上を妨げるという現象を起こしている。椹野川の堰堤に多く見ら
れるような魚道のつくりはその一例である。この2つはどちらも人間の活動や生活を安全性や便利さ、
効率性を求めた結果、生じた現象である。
これらのことを通して、人間と他の生物との間に関わりがあることを認識でき、その影響がどのよう
なものかに目を向けることができると考えた。
この授業では、山口湾でのアサリの漁獲高の変遷と椹野川の堰堤に見られる魚道を資料として用いる。
まず、アサリの漁獲高の年次推移のグラフからアサリが激減した理由を考えさせた。次に、下水道の普
及率と赤潮の発生状況を資料として提示した。このことにより、水質が浄化されることにより川の水の
中の栄養分が減少してしまったことに気づかせた。また、現在椹野川につくられている魚道には2種類
あり、魚の習性に合わせてつくられたものとそうでないものが存在する。その古い堰堤の魚道の写真を
見せ、アユなどの魚が遡上できないことを伝えた。また、多くの生徒は川
や河口の水質の悪化を上げた。最後に、アユなどの魚やアサリなどが生き
続けるためにはどのような川にしなければならないか考え、人間との共存
の難しさを実感させた。その過程で、人間にも他の生物にも適した環境づ
くりとはどのようなものか、またそれを実現していくことが人間にとって
必要であることに気づかせていった。
(2)授業のようすと考察
生徒にアサリの収穫量の変遷の資料を見せて、収穫量の減少についてそ
の理由を考えさせた。多くの生徒は、アサリの収穫量の原因を年々進む環
境破壊だと予想していた。そこで、山口県沿岸の赤潮の発生状況や山口市
近辺の下水道の普及の変遷の資料を示し、山口湾の汚染が必ずしも進行し
ているわけではないことに気づかせて、生徒の予想に揺さぶりをかけた。
生徒たちは予想の修正を迫られ、資料からどのようなことが考えられるか、一生懸命に探していた。生
徒からは、赤潮の発生が減っていることに着目して、アサリのえさになっているプランクトンの減少が
減収につながったのではないかと考察した。そして、下水道の普及や護岸工事など、河川の浄化の取り
組みが結果的にアサリの収量の減少につながっていることに考えが至り、生物の生態系は様々な要因が
複雑に絡まってバランスが取れていることを確認していった。また、生徒が持っている「きれいな水」
というイメージに一石を投じることができたように感じている。
また、現在椹野川につくられている 2 種類の魚道の写真を見せ、最近つくられた魚道は魚の習性に合
わせてつくられ、魚が遡上できるような作りのものになっていることを伝えた。人工物をつくる人間の
営みは、自然に深刻な影響を与えることとできる限りの配慮の必要性を気づかせていった。
このような授業の後、「あなたの理想の川とは?」という課題でレポートを作成させた。
右はレポート中のコメントである。この生徒は「理想の川」とは、それぞれの生物にとって「理想の川」
でなくてはならないと書いている。その事が自分にとっても「理想の川」であり、そのような川をめざ
す一人でありたいと考え始めている。
4 おわりに
これからの社会を生きていく生徒たちに、さまざ
まな情報を鵜呑みにせず、自分でしっかりと判断し、
自分なりに考えるようになってほしい。その際、い
ろいろな環境保護・保全活動が行われる中で自分た
僕の思う「理想の川」とは、人間だけが便利になるので
はなく、その川に棲んでいる魚や水生昆虫などすべてに
とって棲みよい川です。人間の理想に近づけるのはとても
簡単なことだけど、魚にとっての理想の川にするには、プ
ランクトンの棲みやすい川にしないといけません。それは
すぐにできるものではないだけど、一人一人が少し考えて
行動するだけで、かなりよい方向に向かうと思います。
ちにとって本当に望ましい自然とはどのようなもの
か考えてほしいと思う。
この授業にあたっては、山口大学理学部遠藤先生に貴重な資料提供やお話をしていただきました。先
生には、心から感謝いたします。
− 19 −
台湾および EU における環境保護支出勘定
経済学部 陳 禮 俊 1.はじめに
環境統計(environment statistics)整備の必要性は,今日多くの論者によって指摘されるところである。
このうち,経済学というツールによる環境分析という立場からの必要性は,「近代経済学の全部が全部
抽象モデルの操作に専念していたわけではなく,統計的なデータをもとにした実証分析も盛んに行われ
ていたけれど,その統計自身が伝統的な経済学のフレームワークを前提として作られているため,既存
の統計をどのように分析しても,経済システムと環境システムとの軋轢が発見できないのである」と熊
崎(1983)の示した論拠に尽きるだろう。
アドホックな環境調査ではなく,使える環境情報を求めるこうした論調は,その後のリオ宣言や各国
の環境基本法に色濃く反映されることになる。国連統計局(現・国連統計部)は,欧州など主要国の
中央統計局同様,環境統計のセクションをもっている。
『環境統計のサーベイ−フレームワーク・アプ
ローチ・統計出版物』
(UN 1982)が出版されたのは,ノルウェーの『自然資源勘定』出版の翌年であ
り,フランスの『自然遺産勘定』『環境サテライト勘定』出版の4年前にあたる。『環境統計のディレク
トリ』
(UN 1983)では,世界各国の公的統計機関によって収集されている環境情報のリストが示された。
その後,フレームワーク作りの作業が,環境勘定や環境指標に関する研究や各国の実践とあいまって進
んでいる。
本稿は,このような背景から,近年,環境統計に力を注いでいる台湾および EU における環境保護支
出勘定の現状を分析することにしたい。
2.環境にかかわる経済データの収集に関する欧州体系(SERIEE)
環 境 に か か わ る 経 済 デ ー タ の 収 集 に 関 す る 欧 州 体 系(Europen System for the Collection of
Economic Data on the Environment;SERIEE)とは,EUROSTAT(欧州連合統計局)により研究開
発されたグリーン GDP 勘定システムの一つである。このシステムは,EU が第五回環境行動計画にお
ける中心議題― 「持続可能な開発」 により進めてきたものである。EU の各加盟国は,「環境に配慮し
た持続性のある経済成長」の方針のもとで,新しい測定基準・指針を立てること,および環境情報に関
する勘定システム(統計体系)が必要だと公認した。それに応じて,欧州連合統計局が SERIEE を考
案したわけである。具体的にいうと,サテライト勘定方式を通して,環境保護と GDP の進行との関連
性を割出し,それにより環境議題とそれに関する統計資料を結びつくデータを提供することとなる。
SERIEE の基礎は環境保護にあり,基本的に汚染者負担原則を取っている。この勘定システムは,自
然資源との関連性を論述し評価するだけでなく,環境保護を目的に行われた生産,およびそのコストの
資金収集についても視野に入れてシステムを構成している。SERIEE には,幾つかのサテライト勘定を
含めており,それぞれの勘定体系にある環境に関わる経済活動および取引を集計するほか,実際の資料
と相互に連結することができる。
SERIEE は,経済統計および環境統計に基き五つのモデルにより構成されている。つまり,環境保護
支出勘定(Environmental Protection Expenditure Account),自然資源利用および管理勘定(Natural
Resource Use and Management Account), 環 境 産 業 集 計 シ ス テ ム(Eco-Industries Recording
System)
,特徴的活動の投入産出分析(Input-Output Analysis of Characteristic Activities)
,または原
材料フロー勘定(Materiel Flow Accounts)である(図一)
。
− 20 −
図一 SERIEE の構造
経済統計
(Economic Statistics)
産業連関分析
(Input-Output Analysis)
自然資源利用および
管理勘定
環境産業集計システム
環境保護支出勘定
Resource Use and
(
( Natural
Management Account )
Environmental Protection
Expenditure Account
)
Eco-Industries
( Recording System )
原材料フロー勘定
(Materiel Flow Accounts Analysis)
環境統計
(Environmental Statistics)
環境保護支出勘定は SERIEE 制度の中心であり,その傍らに,自然資源使用および管理の勘定系統,
環境産業集計システム,また,特定活動の投入産出分析と原料フロー勘定は統計資料を集計し処理する
ための中間システム(intermediate systems)というものである。現在,SERIEE の重心は環境保護支
出勘定にある。
環 境 保 護 支 出 勘 定 は,
「 環 境 保 護 の た め の 国 民 支 出(nation expenditure for environmental
protection」という指標の算出を一つの目的としている。環境保護のための国民支出とは,①国民によ
る環境保護サービスの消費額(下水処理や廃棄物処理サービスの消費額など),②環境保護のための総
資本形成(gross capital formation)(下水処理場の建設費など)
,③国民による連結生産物(connected
products)および適応生産物(adapted products)の利用,④環境保護のための特定移転(specific
transfers)の合計値から,その他の財源(financing by the rest of the world)を除いたものと定義さ
れている。すなわち,環境保護のためにその国が一年間にいくら費用を費やしているかを表わす。
国民総生産(GDP)に占める環境保護支出の比率は,環境保護のための相対的な国家的努力の評価
のために役立つといわれている。ただし,これはあくまで貨幣単位での評価であり,対 GDP 比が大き
いことが,必ずしも十分な環境対策が行われていることを意味する訳ではない。むしろ,それだけ大き
な環境対策費用を必要とする経済社会構造であることを表わす,あるいは環境対策の単位費用が高いこ
とを表わしていることもありうる。環境対策の費用効果分析のためには,併せて環境に関する物量デー
タを整備することが必要となる。
3.SERIEE の内容および範疇
SERIEE の核心的存在は,環境保護支出勘定(EPEA)である。且つ SEEA の環境保護支出勘定より
も詳細し複雑になる。主に下記の問題を反映している:(1)公共部門(中央政府,地方政府)はいかな
る形式で環境保護支出を負担するのか?(2)支出の資金はどのように?どこから集めるのか?(3)環
境保護に伴う経済活動とは何であろうか?以下,SERIEE 環境保護支出勘定のポイントを纏めてみる。
(一)環境保護の範疇
SERIEE は,環境保護の範疇に関して,以下のように定義している。したがって,
「あらゆる汚染や
環境低下の防止,削減,および解消を目的とする行動および活動(all actions and activities that are
aimed at the prevention, reduction and elimination of pollution as well as any other degradation of the
environment)」(SERIEE 1994)という。そのため,環境保護活動は環境保護を主要な目的をすること
− 21 −
は必要である。環境に有利だが,環境保護を主要な目的ではない活動はその範疇には入らない。例えば,
森林管理,水資源管理などのような天然資源の管理活動などはそれに該当する。
(二)定義および資料の集計方式
環境保護支出勘定を集計するため,SERIEE において,活動(activities),生産者(producer),生産
物(product)および特定移転(specific transfers)などの用語を定義した。それらについて,下記(表
一∼表四)のように整理した。
環境保護支出勘定を集計するため,膨大な資料を整合する必要がある。これらの資料は,統計方法や
ツールを使用したり,時間,またはコストを費やしたりしないと取得できない。また,公共部門(中央
政府,地方政府)より,財政統計,予算分析などの資料を取得する上,さらに特定的な研究調査を行え
ば,集合的消費(collective consumption),移転・取得,産出,投資,サービスおよび中間消費などの
資料をも取得することができる。
表一 活動(activity)
項目
特徴的活動
(characteristic activity)
定義
環境保護を主要な目的とする活動は,特徴的活動という
生産主体により生産活動を行う際,最も高い付加価値を
産出できるものは,主要活動という。主要活動により産
主要活動( principal activity)
出された付加価値は,必ずその他の活動により創造され
た付加価値より高く,且つその産出には,その他の生産
主体が使用する商品および労働を提供できる。
生産主体は,主要活動を遂行するほか,副次的活動をも
行っている。副次的活動の産出は,その他の生産主体に
副次的活動(secondary activity)
提供するのに適し,それにより創造された付加価値は,
必ず主要活動により産出された付加価値より低くならな
ければならない。
附属活動による産出は,その他の生産主体に提供するも
附属活動(accompanied activity)
のではなく,主要活動および副次的活動をよりよく進め
るように行われた支援的活動(supporting activity)であ
る。
− 22 −
表二 生産者(producer)
項目
定義
特徴的生産者(characteristic producer)
特徴的活動を行う生産主体は,特徴的生産者という。
生産者は,特徴的活動を主な生産活動に従事するもので
專業生産者(specialized producer)
ある。例えば,汚水,廃棄物,衛生施設の処理などはこ
れに該当する。
非專業生産者(non-specialized producer)
非特徴的生産者
(non- characteristic producer)
生産者は,特徴的活動を副次的,または附属的活動に従
事するものである。
特徴的活動を行わない生産主体は非特徴的生産者という。
表三 特定移転(specific transfer)
項目
特定移転(specific transfer)
定義
環境保護に有利な移転をいう。例えば,財政補助,投資,
贈与などはこれに該当する。
表四 製品(product)
項目
定義
特徴的サービス
特徴的活動による産出は特徴的サービスという(例えば,
(characteristic service)
環境保護サービス)。
特徴的活動を遂行する際,副生産物(by-product)を産
関連生産物
出する場合がある。例えば,廃棄物を焼却する際に産出
(related product)
されたエネルギー,物品のリサイクルなどは関連製品と
いう。ただし,関連生産物は環境保護の産出とはならない。
連結生産物
(connected product)
環境保護を目的に直接に使用する生産物をいう。例えば,
触媒転換機器,浄化槽,浄化槽用の生物化学製品,ゴミ箱,
ゴミ袋,排気管(exhaust pipe)
、遮音(防音)窓など。
適応生産物は一般生産物(normal product)と同様な機
適応生産物
能および効用を持っているが,汚染物質の排出量は一般
生産物より少ない。例えば,無鉛ガソリンや低硫燃料は
(adapted product)
それに該当する。適応生産物の値段は一般生産物よりも
高いが,その差額は環境保護支出として集計される。
特定生産物
(specific product)
特徴的サービス,連結生産物および適応生産物は合せて
特定生産物という。
− 23 −
(1)特徴的サービス(characteristic service)
環境保護のため生産活動(環境悪化の防止,軽減,除去などを主な目的とする生産活動=環境保護支
出勘定における「特徴的活動」)によって生産されたサービスを「特徴的サービス」
(環境保護サービス)
という。例えば,次の特徴的サービスがある。
①産業部門:産業廃棄物処理サービス,事業所内の公害防止活動(付随的活動)によるサービス
②政府部門:公営廃棄物処理サービス,下水処理サービス,環境行政サービス
③また,「特徴的活動のための総資本形成」とは,上記の特徴的サービスを生産するための施設の建設
費などであり,産業廃棄物処理・事業所内の公害防止活動・公営廃棄物処理および下水処理に係る
総資本形成を試算の対象とする。
(2)連結(connected product)・適応生産物(adapted product)
環境保護のために直接使用される生産物であるが,特徴的サービスでも特徴的活動のための中間投入
物でもないものを「連結生産物」という。例えば,ゴミ箱,浄化槽,遮音窓などが挙げられる。環境保
護以外の目的に役立つ生産物であるが,通常の生産物に比較して環境を悪化させることが少なく,より
高価なものを「適応生産物」といい,例えば,脱硫燃料や無鉛ガソリンなどが挙げられる。
連結・適応生産物の消費額は,これらを使用した家計などが生産し,消費する環境保護サービス額と
みることができるので,特徴的サービスの生産・消費額などと合わせてみることにより,より幅広く一
国の環境保護活動の実施状況を把握できるようになる。したがって,特徴的サービスと,連結・適応生
産物を合わせて「特定生産物」と定義される。
(3)特定移転(specific transfer)
特徴的サービスの生産や特定生産物の消費のための資金調達に貢献する一方的な費用移転を「特定移
転」といい,経常移転(current transfer)と資本移転(capital transfer)が区別される。特定移転には,
特定生産物の消費額や特徴的活動のための総資本形成額に含まれていない移転支出が計上され,環境保
護のための国民支出の構成要素になる。
(三)1993 年改訂 SNA 概念の導入
環境保護支出勘定は,1993 年改訂の新 SNA に基づいているため,市場産出・非市場産出,集
合的消費・現実最終消費といった新しい概念が導入されている。特に,「公共部門の集合的消費
(general government as collective consumption)」 と「 家 計 の 現 実 最 終 消 費(final consumption of
environmental service by households)
」は,従来の最終消費支出とは異なるものを表す。
産業部門は,環境産業と汚染産業に分類することができる。彼らは生産者でありながら,消費者でも
ある。特定の調査および消費モデルの分析を通して,産出,投資,サービスおよび各種の製品の中間消
費,最終消費などの資料を取得することができる。
家計部門の消費モデルおよび家計部門の予算などの分析を通して,各種の製品の中間消費および最終
消費などの資料を取得できる。
− 24 −
上記の資料に基き,さらに事例研究(ケーススターディ)や研究分析を重ね,完備な環境保護支出勘定
を確立することが可能になる。
4.台湾における環境支出統計
OECD の原則に従い,台湾では環境保護支出を,「生産および消費過程等の経済活動に伴う汚染,あ
1
るいは公害を事前に防止,減少,あるいは消去するための支出」のように定義している。ただし,工業
安全,生態保育や自然資源管理などの支出を含まない。また,台湾国内事情を考慮し,環境保護に関連
する研究発展のための支出を増列している。環境保護支出勘定は,執行原則の概念に基づき,政府部門
と産業部門のそれぞれの環境保護支出を計算するが,一般利用者の観念を考慮して,汚染防止収入を控
除しない。したがって,台湾の環境保護支出勘定は,資本支出(capital expenditure)と経常支出(current
expenditure)の合計である。
(一)総合分析
2004 年の台湾における環境保護支出は,政府部門が 537.0 億元(52.6%),産業部門では 484.4(47.4%)
億元,合計 1,021.3 億元である。前年度より,政府部門が 12 億元減(-2.2%),産業部門が 67.8 億元減(-12.3
%),合計 79.9 億元減(-7.3%)となる。その原因は,産業部門による新規購入した汚染防止設備およ
びその保守・維持費が 64.6 億減にも減少したためである。
2004 年の国内総生産(GDP)に占める環境保護支出のシェアは 0.95%で,前年度の 1.07%より 0.12
%減少した。政府部門と産業部門はそれぞれ,0.5%と 0.45%を占めている。また,諸国と比較して,
台湾における GDP に占める環境保護支出のシェアは,アメリカの 1.6%(1994 年),日本の 1.1%(1990
年)EU-15 ヶ国の 1.0%(1989-1997 年)および韓国の 1.7%(1997 年)より低い。そのうち,GDP に占
める産業部門の環境保護支出は,EU-15 ヶ国の 0.4%および日本の 0.2%より高いとなっている。ただし,
諸国の間に,環境保護支出の定義や部門範囲は必ずしも一致していないため,比較することは難しい。
2004 年における一人当たりの環境保護支出額は 4,510 元(141 ドル)で,2003 年の 4,881 元(143.6 ドル)
より 371 元(2.3 ドル)にも減少している。また,諸国と比較して,低い水準にあることがわかる。
用途別による環境保護支出のうち,最も多いものは廃棄物処理の 409.0 億元(40.0%),次に水汚染防
止支出の 264.9 億元(25.9%),その次に大気汚染防止支出の 213.2 億元(20.9%)が並んでいる。部門
別と用途別の交叉分析により,政府部門による環境保護支出のうち,6割近くの 58.7%が廃棄物処理に,
産業部門による環境保護支出のうち,4割近くの 40.2%が大気汚染防止に,そして3割近くの 31.1%が
水汚染防止に支出され,両者の合計が7割を超えることがわかる。
(二)政府部門
政府部門では,独立した予算を持つ機関は調査対象となっている。経費元は自ら運用執行の部分を意
味し,機関編成の予算,上級政府の補助金およびその他の機関の配合款,民間寄付金などが含まれている。
2004 年における政府部門の環境保護支出の総計は 537.0 億元である。前年度より総支出額は 12.0 億
1 OECD は「環境保護支出の目的」を,“The purpose of environmental protection expenditure is to distinguish how much is
spent on deliberate environmental protection activities.”のように表現している。
− 25 −
元(-2.2%)減少している。そのうち,資本支出は 174.1 億元(32.4%),前年度より 24.8 億元(16.6%)
増加し,経常支出は 362.9 億元(67.6%),前年度より 36.8 億元(-9.2%)減少している。
2004 年における政府部門の環境保護支出 537.0 億元のうち,機関別では,470.9 億元(87.7%)は地
方政府およびその所属機関より支出されている。そのうち,台北県政府およびその所属機関の支出額は
126.4 億元(政府部門支出の 23.5%)で最も高く,次に台北市の 66.1 億元(12.3%),高雄市の 45.0 億元(8.4
%)はその次に並んでいる。この三つの地方政府およびその所属機関の支出の合計は,政府部門の 44.2
%を占めている。
2004 年における政府部門の環境保護支出を用途別で分類してみると,汚染防止支出は 465.4 億元(86.7
%),研究発展は 1.4 億元(0.3%),その他の支出は 70.2 億元(13.1%)である。汚染防止支出のうち,
廃棄物処理の 315.0 億元(政府部門支出の 58.7%)は最も多く,主に地方の郷・鎮・市の一般廃棄物処
理費に支出されている。次に水汚染防止支出の 114.1 億元(21.3%),大気汚染防止の 18.8 億元(3.5%),
騒音および振動防止の 15.1 億元(2.8%),そして,土壌および地下水汚染防止の 2.4 億元(0.5%)の順
に並んでいる。
台湾における政府部門の環境保護支出に占める資本支出のシェアは 32.4%で,経常支出は 67.6%であ
る。EU-15 ヶ国(1990-1999)の 36%と 64%とさほど大きな違いはない。ただし,EU-15 ヶ国における
環境保護支出の範囲には,自然保育(その他の項目に分類されている)が含まれている。
(三)産業部門
産業部門の環境保護支出は,部門が自ら運用執行する環境保護活動の支出を意味し,環境保護支出=
資本支出(汚染防止設備の新規購入,汚染防止設備を設置するための土地購入,研究発展費)+経常支
出(汚染防止設備の操作費および維持費,汚染防止設備のリース料,研究発展の支出)と定義されている。
2004 年における産業部門の環境保護支出は 484.4 億元である。そのうち,資本支出は 178.5 億元(36.8
%),経常支出は 305.9 億元(63.2%)である。資本支出のうち,汚染防止設備の新規購入は 158.0 億元
(資本支出の 88.5%を占める)
,研究発展支出は 11.4 億元(6.4%),汚染防止設備を設置するための土地
購入は 9.2 億元(5.1%)である。経常支出のうち,汚染防止設備の操作・維持のための費用は 266.4 億
元(経常支出の 87.1%を占める),研究発展支出は 21.3 億元(7.0%),リース料は 18.2 億元(6.0%)で
ある。前年度より,設備投資額は 32.7 億元(− 17.1%)減少し,操作・維持支出も 32.0 億元(− 10.7%)
減少している。
2004 年における産業部門の環境保護支出を用途別で見ると,大気汚染防止支出の 194.4 億元(産業部
門支出の 40.1%を占めている)が最も多く,主に排気処理,モニターリングのための人事,材料等に支
出されている。次に水汚染防止支出の 150.8 億元(31.1%)が並んでいる。前年度より,水汚染防止支
出は 79.1 億元(-34.4%)減少し,逆に廃棄物処理は 36.6 億元(63.9%)にも増加している。
5.EU との比較
統計資料はやや古いだが,EUROSTAT によると,EU における環境対策支出は公共部門が約 500 億
ユーロ,産業部門では約 300 億ユーロ(1999 年では 330 億ユーロ),あわせて約 800 億ユーロと推定さ
− 26 −
2
3
れている。これらの額は,GDP に占める割合ではそれぞれ 0.6%(公共)
,0.4%(民間),1%(合計)
に相当する。ただし,これに廃棄物管理や下水処理などの環境関連専門のサービス供給事業者による
支出を合わせると,EU における環境保護支出勘定総額は約 1,200 億ユーロにのぼると試算されている。
ただし,EU では,環境保護支出勘定に関する統計を開発中であり,現段階では,国によってデータの
内容など収集状況にばらつきがある。そのため,ここでは可能な範囲でデータを示したが,統計のない
国や毎年の数値がない国,全産業セクターの合計しかない国などがあり,国別のデータを直接的に比較
できない部分が多い。
(一)公共部門
1998 年の公共部門における環境保護に対する支出を国別に見ると,GDP に占める割合が高いのはオ
ーストリア(1.5%)およびオランダ(1.5%),スウェーデン(0.9%),スペイン(0.9%)となっている。
国民一人当たりの支出額でもオーストリアとオランダの順に高く,これにルクセンブルグ,スウェーデ
ンが次いでいる。
公共部門における支出を環境の分野別に見ると,EU-15 ヶ国平均では,水質に対する支出が最も多く,
全体の3分の1を占める。従来,地方自治体が行ってきた廃棄物回収や下水処理などのサービスは,近
年では,民営化,または外部委託される傾向にあり,行政機関が直接提供するサービスの範囲の違いが,
各国間の公共部門における環境保護に対する支出の差につながっていると考えられる。例えば,英国で
は,廃棄物の分野はすべて民営化されているため,公共部門における廃棄物分野に対する投資支出・経
常支出は共にゼロとなっている。フランスでは,行政機関が下水網に対して責任を持っているが,下水
網の運営そのものは民営化されている場合が多いため,
経常支出に比べて投資支出が大きくなっている。
(二)産業部門
1998 年の産業部門における環境対策支出は約 300 億ユーロであったが,1999 年は 336 億ユーロとな
った。これは GDP の約 0.4%に相当し,1998 年と同水準である。GVA(総付加価値)に占める割合は
2%となっている。
国別の GDP に占める割合では,フランスが 0.8%と最も高く,これにオーストリアとドイツ(0.6%)
が続く。国民一人当たりの支出でもこれら3ヶ国が高くなっている。ただ,産業における環境保護支出
は,政府の要請,新技術が利用可能になる,あるいは企業が大型投資を行ったなどの理由で,年によっ
て上下が激しいのが一般的である。
EU の産業における環境保護のための支出のうち,7割以上が経常支出に充てられている。経常支出
は,環境保護を目的とした社内での活動に充てられる人件費,原料費,賃貸料,電気・水道代,維持費
などと,外部の専門業者による廃棄物処理サービスや,下水処理などを専門とする環境コンサルタント
からのサービス購入費などに分けられる。前者では,企業によっては,環境情報システムや認証活動な
ど一般的な管理への支出も大きい。残りの3割近くは「資本支出」に充てられている。資本支出は二つ
のタイプに分けることができる。一つは「汚染処理投資」で,生産プロセスそのものに影響を与えない
投資で,企業の活動により発生した汚染や汚染物質を回収・除去・数値測定・処理・廃棄することを目
2 同統計では,
「公共部門」には環境保護サービスを提供する連邦政府,地方政府,政府エージェンシー,その他の行政機関を含む。
3 同統計では,「民間部門」には鉱業,製造業,電力・ガス・水道供給事業の3セクターのみを対象としている。
− 27 −
的としている。もう一つは,汚染物質の発生を削減するために製造プロセスの改造や改変を行う「汚染
防止投資」で,フィルターやコンテナなどの設備機器や廃水処理プラントなどへの投資である。
産業部門では,EU 全体で,1999 年に環境保護支出の8割が廃水,廃棄物,大気の3分野に使われて
いる。一般的には,廃水処理や大気汚染防止といった活動は資本集約型である一方,廃棄物の回収・処
理などはより労働集約型であるため,前者は資本支出が多く,後者は経常支出が多くなる傾向にある。
国別では,ほとんどの国で主要3分野を合わせて7割以上となっているが,どの分野の支出が多いかは,
その国の産業構造と関りがある。例えば,エネルギー産業が大きいドイツでは,大気分野での投資支出
が比較的多く,パルプ・製紙産業の大きいフィンランドでは,廃水分野に対する投資支出が多くなって
いる。
6.終わりに
台湾および EU における環境保護支出勘定から,それぞれの国・地域における環境政策の動向が反
映されていると思われる。台湾では,政府部門による環境保護支出のうち,6割近くの 58.7%が廃棄物
処理に,産業部門による環境保護支出のうち,4割近くの 40.2%が大気汚染防止に,そして3割近くの
31.1%が水汚染防止に支出され,両者の合計が7割を超える。EU では,行政改革や規制緩和のもとで,
環境保護サービスの民営化の動向が観察でき,産業部門における環境保護支出の割合が高めつつある。
今後の研究課題はこれらの動向を把握しながら,日本の現状と比較することにしたい。
参考文献:
(1)行政院環境保護署,(2005),『九十四年 環保支出統計調査』
(2)JETRO(2003)
『EU の環境政策と産業』、ジェトロ・ブリュッセル・センター
(3)OECD/EUROSTAT(2005), "Environmental Protection Expenditure and Revenue Joint
Questionnaire/ SERIEE Environmental Protection Expenditure Account-Conversion Guidelines",
EUROPEAN COMMISSION.
(4)EUROSTAT (2002),“Statistics in Focus, Environment and-Environmental Protection
Expenditure in Europe”, Theme 8-14.
− 28 −
生命圏∼細菌が支える循環システムとしての環境∼
理学部(時間学研究所)
鎌 田 祥 仁 現在私たちが暮らす地球上は,陸上であれ,海水中であれ,たいていの場合は大型の脊椎動物を食物
連鎖の頂点にした生態系で構成されている.陸上では木々が茂る豊かな森の中に大小さまざまな生物が
棲息する.海水中であれば,珊瑚などの礁性生物が群生する礁周辺に,多種多様な生物が棲息している.
これらの生態系は,私たちの目に見える大型生物のみがその役割を担っている訳ではない.目には到底
見えないちっぽけな微生物もこの生態系で重要な役割を果たしている.地球史や生命史をひも解くと,
むしろ微生物や細菌と呼ばれる生物群が大型の生物たちよりも先輩であり,現在の多様性や生態系を構
築し,支えてきたことがわかる.
動物や植物,菌類,藻類,原生動物は「真核」生物に分類され,遺伝物質を膜で仕切られた核に内有
する.細菌・古細菌は「原核」生物に位置づけられ,細胞内にこうした核を持たない.真核生物はキノ
コなどの菌類から,わかめや昆布の藻類,タンポポやブナ・ナラなどの植物,そして私たち人間を含め
た哺乳類などの動物に至るまで,様々な大きさ・形態・機能を持っている.こうした真核生物はいかに
も生態系の中において華やかであり,重要な地位を占めているかのように見える.これに対して,原核
生物はほとんどの場合,微小で棒状・球状もしくはフィラメント状(糸状体)であり,顕微鏡などの機
器を使って観察しても華やかさには欠ける.
少し視点を変えると,真核生物より原核生物にその大きさや形とは裏腹のたくましさを感じる.生物
は生きる以上,物質やエネルギーの摂取・循環,つまり「代謝」が不可欠となる.真核生物の生き方の
一つは「従属栄養生物」で,成長に必要な炭素とエネルギーを他の生物が作った有機物の摂取すること
で補っている.また,各細胞ではエネルギーを得るために,酸素で糖を水と二酸化炭素に分解する「好
気的(酸素)呼吸」をしている.もう一つの代謝は植物や藻類が行う「光合成」で,葉緑素が太陽光を
利用して二酸化炭素を固定し,副産物として酸素を排出する.
初期の生命史が明らかにされてくる中で,原核生物の代謝の多様性が改めて注目されている.多くの
細菌は真核生物と同様の好気性呼吸のほかに硝酸塩 (NO3-) を使って呼吸したり,硫酸イオン (SO42-) や鉄・
マンガンの酸化物を利用する.さらには二酸化炭素と酢酸からメタン (CH4) を発生させたり,多様な発
酵反応からエネルギーを得ることができる.
細菌は光合成についても多様性を持っている.色素を持つシアノバクテリア(藍藻)は真核生物(植物)
の場合と同じように,二酸化炭素を固定して,酸素を排出するタイプの光合成をする.しかしシアノバ
クテリアは,硫化水素を用いて,酸素を排出しない光合成を行うこともできる.このシアノバクテリア
は5種類の光合成細菌のうちの1種類で,他の光合成細菌は酸素を排出しない光合成しか行わない.原
核生物は呼吸や発酵,光合成などの代謝においてこれだけの多様性を持っているが,さらには「化学合
成」によってエネルギーを取り込むことができる.化学合成細菌は太陽光ではなく,化学反応によって
光合成と同じように二酸化炭素から炭素を取り込むことができる.
地球上に生物が棲息できるためには,こうした物質循環が整った「環境」が必要なことは自明である.
地球は生命の存在する惑星としてこの化学サイクルを維持しなくてはならず,それは原核生物を抜きに
成立し得ない.例えば炭素循環の場合,光合成によって炭素を有機物に固定すると同時に酸素を環境に
提供する一方,呼吸によって酸素を消費し二酸化炭素を環境に戻すことで循環する.しかしこの単純な
システムだけで炭素循環は成立しない.地球の7割を占める海洋,その海底には生物源有機物が堆積す
る.この大量の有機物を分解し,炭素を再循環させなければ,地球環境の炭素循環は成立しない.しか
し海底の堆積物中は酸素に乏しく,好気性呼吸しかできない真核生物は役に立たない.硫酸塩を還元し
たり,鉄やマンガンを使う呼吸によって,炭素を「環境」に戻さなければならず,実際に現在の海洋で
− 29 −
も,こうした呼吸が地球上の好気性呼吸と同じくらい大きな役割をはたしている.つまり酸素の欠乏し
た環境では,原核生物(細菌)が炭素循環を一手に担っていることになる.
これは生物に必要な硫黄や窒素などの元素でもいえる.タンパク質に欠かせない窒素は,現在の大気
の約 78%を占めている.しかし我々は,これを直接摂取することはできず,ほかの生物を食べること
で窒素を摂取しなければならない.植物は土壌からアンモニウム (NH4+) や硝酸塩を摂取することができ,
私たちは植物を食べることで窒素を摂取できる.しかし,アンモニウムは腐敗によって生成されるもの
であり,
硝酸塩はアンモニウムを酸化する細菌によって作られる.細菌が真核生物に使える形の窒素を,
アンモニウムや硝酸塩から生成している.そして窒素循環を止まらないようにしているのも,原核生物
であって,大気中の窒素をアンモニウムに転化・固定している.ここでも原核生物を抜きに循環が成立
し得ないことになる.炭素や窒素,硫黄など生物に必要な元素が,循環つまりは生物圏全体の行き渡る
ためには,こうした原核生物(細菌)の存在を抜きにあり得ないことがわかる.原核生物の多様な代謝
が,生態系の基本回路を形成していることは明らかで,私たち人間を含め,生態系の中で一見重要な位
置を占めているような動植物が,原核生物(細菌)が構築してきた「環境」に生きていることを認識し
なければならない. 図 1 西オーストラリアのシャーク湾ハメリンプールの現生ストロマトライト
(兵庫教育大学教科・領域教育学専攻・自然系コース,竹村厚司氏より提供)
酸素は好気性呼吸をする生物には欠かすことはできない.私たちも酸素呼吸をして生きている.酸素
は現在の大気組成において,その約 20%を占めている.しかし原始大気では現在よりも,その割合が
著しく低かったと考えられている.27 億年以前は現在の千分の一にも満たない量の酸素しかなかった
と推測されている.この大気組成を大きく変えたのが,細菌であるシアノバクテリアである.既に述べ
たように,シアノバクテリア(藍色細菌)は糸状細菌で光合成によって遊離酸素を排出する,唯一の光
合成細菌である.過去のシアノバクテリアを直接目で見ることはできないが,ストロマトライトという
化石が生息した痕跡を今に残している.この化石は 27 億年前の地層に初めて見られ,原生代∼古生代
(25 ∼ 2.5 億年前 ) の地層に産し,特に先カンブリア紀の石灰岩に特徴的に産する.現在もわずかに生息
しており,西オーストラリアのシャーク湾ハメリンプールのものが有名である(図 1).このストロマ
トライと化石は上に凸の縞々模様からなる堆積構造で,樹枝状・マッシュルーム状などの形態をとり,
数 cm ∼数十 cm のサイズを持つ.山口県に在住する私たちは身近な秋吉台の石灰岩に,この化石を見
ることができる(図 2).
− 30 −
図2 秋吉石灰岩に見られるストロマトライト
生命史を顧みるとこのシアノバクテリアが出現しなかったら,私たち好気性呼吸生物は生息し得な
かったかも知れないし,人類がこれほどの高度な文明を築くことはなかったと考えるのも決してオー
バーではないかも知れない.光合成によって海洋に供給された遊離酸素は,海水中の鉄イオンを急速に
酸化・沈殿させ,酸化鉄として堆積物中に濃集させている.これは 25 億年前頃をピークとして世界中
に堆積した縞状鉄鉱床を形成しており,人類が最も多用する金属である鉄のほとんどはここから精錬さ
れている.
生命圏を支える化学循環システム,金属鉱床の生成,さらに私たちは発酵を利用した様々な食べ物の
恩恵も受けている.さらに人間の腸内には約 1kg もの細菌が生息 ( 共生 ) しているとされる.このよう
に考えていくと,私たち人間も,単に原核生物である細菌が支える「化学循環システム」である「環境」
に生きているのではなく,その一部として「共生」していると理解していくことが大切なように思われる.
常盤地区の pH 監視版
− 31 −
「平成 17 年度特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会」
に参加して
医学部 杉 山 真 一 近年、廃棄物処理については環境問題等の観点から、その適切な処理が求められており、国民の関心
も大きい。通常、我々が想像する廃棄物とは一般企業や家庭から排出されるゴミを指すことが多く、医
学部や附属病院から排出される廃棄物は何やら危険な感じを受ける。今回、私は山口大学医学部を代表
して、平成 17 年 12 月 22 日に福岡で行われた「特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会」に参
加した。あいにく前日から季節外れの大雪で、高速道路は通行止めであったが、鉄道を乗り継ぎ、なん
とか会場である福岡県中小企業新興センターに遅れることなく到着することが出来た。
私自身、公衆衛生学という教室に在籍しておりながら、廃棄物の種類やその関連法規については、恥
ずかしながらよく理解していなかった。法的には廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に大別される。一般
廃棄物は主に家庭から出されるゴミ、産業廃棄物は事業活動に伴って生じたゴミであるといえる。さら
に、一般廃棄物、産業廃棄物は特別管理一般廃棄物、特別管理産業廃棄物に該当する廃棄物が存在する。
特別管理一般廃棄物の例としては、不要になった家電製品に含まれる PCB や家庭で使用したインスリ
ン自己注射針などで、特別管理産業廃棄物の例としては、爆発性、毒性、感染性のあるもので、廃油、
廃酸、廃アルカリ、感染性のあるもの、PCB などがある(RI 等の実験施設で使用されている放射性物
質については別途、法令で定められている)。各廃棄物の処理の責任主体は一般廃棄物の場合は市町村、
産業廃棄物は事業者が自らの責任で処理しなければならないと決められている。
医学部では各講座の研究室からは実験で使用した薬品などが、附属病院からは感染の危険性がある廃
棄物が主に出されている。廃棄物処理法では「その事業活動に伴い特別管理産業廃棄物を生じる事業場
を設置している事業者は、当該事業場ごとに、当該事業場に係る特別管理産業廃棄物の処理に関する適
切に行わせるために、特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなければならない」とある。少々長いので
要約すると、山口大学全体で 1 人の管理責任者を置けばよいというわけではなく、医学部、工学部のよ
うに離れて存在しているキャンパスにもそれぞれ責任者を置かなければならないということである。ま
た、感染性廃棄物を扱うことの多い医学部では管理責任者の要件として医療系の資格(医師、看護師、
薬剤師など)を有していなければならないとしている。以上のような背景があり、今回私が医学部の特
別管理産業廃棄物の管理責任者となるべく、講習会に参加した。
今回の講習は 9 時からお昼 1 時間の休憩を挟んで 17 時まで行われ、最後に試験まであり、それに合
格しないと修了証を交付してもらえないとのことだった。以下が今回の講習の要点であり、試験でも問
われた内容である。
・事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない
・廃棄物処理とは、事業者による廃棄物の排出から収集・運搬、中間処理並びに最終処分までの一連の
処理をいい、これらの排出責任は廃棄物の排出者である事業者にある
・事業者が廃棄物処理を処理業者(都道府県知事等の許可を受けた業者)に外部委託した場合でも、最
終処分まで確認する必要がある
・委託契約とマニフェスト制度について。排出事業者が他人に特別管理産業廃棄物の処理を委託する際
には、まず委託契約を作成し、契約を締結してから、委託契約書通りに廃棄物が適正に処理されたこ
とを確認するために、マニフェストの交付・確認を行うものである
・廃棄物が運搬されるまで間、保管基準に従い適正に保管しなければならない(特別管理産業廃棄物は
特に厳しく、酸、アルカリを保管する場合は腐食を防止する措置をとらなければならない)
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・特に感染性のある特別管理産業廃棄物では、委託業者が適正に処理できる能力を有しているかを確認
しておく必要がある(不適正な処理が行われた場合、最終的には全て排出事業者の責任になるからで
ある)
・感染性廃棄物は、滅菌することにより通常の廃棄物として取り扱うことが可能となるが、メス、針等
の鋭利なものについては、滅菌・消毒により感染性を失わせたものであっても、感染性廃棄物と同等
の扱いをする
・PCB については PCB 特別措置法により、PCB 廃棄物の保管事業者及び、処分業者は、毎年度、PCB
廃棄物の保管及び処分の状況を、都道府県知事に届け出なければならない
後日、修了証(第 905075181 号)が手元に届き、無事試験にも合格したことを確認した。
大学全体として、また医学部として廃棄物を減らしていくように努力していくことは当然であるが、
廃棄物が出た後の処理を廃棄物処理法にもとづいて適正に行っていくことも大切である。特に医学部で
は特別管理産業廃棄物に相当する、酸、アルカリ類、感染性廃棄物が日常的かつ多量に排出されている。
医学部では大部分の処理を外部の業者に委託しているが、廃棄物を業者に委託すればそれで終わりとい
うわけではない。一度、不適切な処理が社会問題化すれば、大学の信用を大きく損ないかねない。山口
大学医学部の特別管理産業廃棄物処理責任者という重大な責務を担うことになり、責任の重さを実感し
ている次第である。
廃液回収風景(常盤地区)
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栄養治療部の生ゴミと廃油処理の現状
医学部附属病院 副栄養治療部長 田 坂 克 子 医学部附属病院での入院患者食数は1日平均で約1500食である。
レストランやホテル、旅館とは異なり病院では何らかの疾病を有している患者様に対しての食事提供
となるため、表1に示すとおり、食事の種類も一般治療食(常食、軟食、流動食)と特別治療食(糖尿
病食、肝臓病食、高脂血症食、心臓病食など)に分かれている。
本院は急性期の特定機能病院ということから複雑な食事療法を必要とされる合併症の患者様への食事
提供も多く、献立の種類は150数種類にも及ぶ。(表 1)
入院患者様の食欲は…というと病状によりその日、食事のその時間によって異なることが多い。
本院は病院ということから、食事療養部門である栄養治療部での業務は、1年365日、朝・昼・夕
の3食を休むことなく入院患者様へ食事を出している。
食事の指示は全てオーダリングシステムであるが、平成11年11月から毎日実施している選択食(一
般食指示の患者様については朝食を米飯またはパン食から、夕食を2種類の主菜からどちらかを選べる
ようなシステム)については、毎日、対象となる患者様へ選択食申込み用紙を配布し、回収してコンピュー
タに情報を入力し食数把握をしている。選択食を取り入れたのは、患者様へのサービスばかりでなく食
べやすい方を選んでいただくことで残食が少しでも少なくなればということも考慮した。
入院中の食事は、患者様の疾病や病状により病棟から主治医がオーダする食事箋に従って栄養治療部
では患者個々に応じた食事を準備し、提供している。
当然、調理場からは厨芥や、料理の盛りつけ残り分、病棟から
は患者様の残食、いわゆる生ゴミが毎日生じる。
本院での生ゴミは1日平均すると約280kgになる。
これら毎日生じてくる生ゴミは、養豚業者に引き取ってもらっ
ていた時代もあるが、本院では平成2年から生ゴミ処理機で処理
をしている。
(図 1)
栄養部門が平成2年、新病棟(現在の第1病棟)に移転と同時
に、生ゴミを粉砕・脱水し焼却可能なものにかえる処理機を使用
していた。残念ながら、この処理機は使用後4、5年目ころから
脱水機で脱水された排水中に残渣が増加し、グリストラップの網
目を詰まらせるようになった。そのために油分を含んでいる汚水
がグリストラップを通り抜けてしまい、下流に流れ出て配管を
ラードで詰まらせるため排水ができなくなり、調理場内に頻繁に
逆流するようになり、このことを解決するために、配管およびグ
図1 生ゴミ処理機
リストラップの清掃、沈殿物の汲み上げを頻繁に行う必要が生じた。さらに、脱水調整がうまくいかず、
それまで焼却できていた処理分が脱水不十分なためにそのままでは焼却できず改めて脱水作業が必要と
なり、業務に支障をきたした。また、装置の故障も頻繁に生じるようになり、簡単な機械調整をする場
合にも危険を伴うようになり、専門業者に調整依頼をしないといけなくなってきたために、平成7年度
末にこの装置を廃棄することになった。
その後、生ゴミは病院内の焼却炉で焼却処理をしていたが、炉内の温度が上昇しなくなり他のゴミ焼
却にも支障を来すことになり、どのように生ゴミを処理すべきか試行錯誤の時期がしばらく続いた。
このような生ゴミ処理上の問題を抱えているころ、大手食品メーカーや外食チェーン店では衛生面、
環境面から生ゴミを自家処理できる「完全消滅型生ゴミ処理機」を導入する傾向に変わってきているこ
− 34 −
とを知り、本院でも生ゴミ処理機の再度導入について検討
を始めた。導入に際しては、看護部感染対策室婦長(当時)
と栄養管理室長(当時)が博多にあるアサヒビール株式会
社博多工場に見学に行き、生ゴミの量や種類、処理機の機
種や設置場所、使用状況、処理中の音やにおい、排水の水
質などについて調べ、機種選定の参考とした。(図 2)
処理機の中には堆肥になる種類もあるが、処理後にでき
た堆肥は回収業者に回収してもらわなければならないし、
堆肥が万が一水分を吸収してしまうと生ゴミ特有の異臭を
出してしまうため、堆肥を保管する倉庫の確保が必要とな
図2 生ゴミ処理機へ投入の様子
ることがわかった。
現在栄養治療部で使用している生ゴミ処理機は、生ゴミ
が処理機の中で処理されて最終的に「水」と「炭酸ガス」
生ゴミをリフトのバケツに移しリフトを投入口ま
で上昇させて生ゴミを処理機へ移す。
とに消滅していく種類である。これは、土の中に埋められた生ゴミが土の中の微生物で処理され、数ヶ
月後には水分や炭酸ガス、メタンガスなどに分解されてしまい跡
形もなくなってしまうのと同じ原理である。
ヒトが食料としている食品なら全て処理されるため、分別した
生ゴミを処理機の投入口から投入し、処理機を運転させると処理
機中に入れてある「コア」=籾殻に菌を混ぜたもの=というもの
と生ゴミが攪拌されて時間を経て「水」と「炭酸ガス」とになり
消滅するのである。(図 3)
この装置は24時間稼働させているが、運転中の音は45デシ
ベルに調整してあり、生ゴミを投入する時に蓋を開けるが生ゴミ
独特の異臭は消臭されており、生成される水は宇部市の基準をク
リアしている。
処理機の中に、ビニル袋やポリ容器を入れると処理されずに中
に残ってしまい掃除をする時に取り除くことは当然であるが、こ
の環境にも優しい装置を導入したことで生ゴミ処理についてはス
ムーズに実施できている。
図3 生ゴミを投入口まで上昇させたところ。
リフト上昇と同時に投入口の蓋が開き生ゴ
ミが処理機の中に移される。
生ゴミ以外に、本院で料理に使用した後の揚げ油=廃油=の処
理の問題がある。
病院でも献立に天ぷらやフライ、唐揚げといった揚げ物料理が
ある。本院での揚げ物は一般食では連続揚げ物機を使用して調理するが、この揚げ物機は調理終了後、
油を濾過しきれいな油として再利用できる装置をつけているので、これで処理した油を3回ほど揚げ物
料理に使用している。3回目の料理に使用した油は使用後に廃棄することになる。
本院では1カ月平均すると126kgの廃油が生じる。
家庭での廃油は凝固させて燃えるゴミとしてゴミの日に出すところであるが、本院ではこのようにし
て生じた廃油は回収業者に回収してもらっている。
回収業者は、この廃油を完全にリサイクルしているので、廃棄物は全くでないのである。廃油にして
も本院では環境に優しい処理を心がけている。
生ゴミ処理や廃油処理のいずれも環境に優しい処理方法を取り入れているが、できるだけ生ゴミや廃
油を増やさないような工夫をすることも考えないといけないことである。
− 35 −
表1.山口大学医学部附属病院における食種
流動食
一般治療食
軟食
常食
口腔・咽頭・食道疾患食
胃・腸疾患食
肝・胆疾患食
膵臓疾患食
心臓疾患食
高血圧症食
腎臓疾患食
貧血食
糖尿病食
肥満症食
高脂血症食
痛風食
特別治療食
先天性代謝異常食
妊娠中毒症食
治療乳
術後食
検査食
無(低)菌食
経管栄養食
濃厚流動食
乳児期食
離乳期食
幼児期食
その他
− 36 −
アセトンと有機化学実験室
工学部 野 口 三千彦 もう 20 年近くなるのでそろそろ「時効」だろうと思うと、少しは心も軽くなり話をしてもよいので
はということで --------。 当時、私は約 1 年間アメリカ合衆国東部の大学で博士研究員として有機化学
の研鑽を積むチャンスを頂くことになり、心に期すものをもって研究生活を送ることができました。 地方にあるとはいえ(いや、都会から隔離されている地域にあるとはいえ)、学生数は約 3 万人と町の
人口数の過半数を占めるほどの大きな大学に、留学先の研究室はありました。何も 20 年近く前の留学
生活の話を続けるつもりはないのですが、そこで研究実験を始めて3週間ほどして驚くべき出来事に遭
遇しました。有機化学研究ではこまごました試薬や結構多量の有機溶媒を使用します。その幾分かは回
収して再利用したり、安全なものへと処理をしたり、処理を依頼して実験室外に出す ----- というような
マニュアルに慣れていた私を驚かした出来事とは? 実験に用いたガラス器具を洗浄して集積していた
「アセトン(注)」が入った1リットルぐらいのガラス容器を手にした私は隣の実験台の大学院生に「ど
こに蓄えるんだい?」と尋ねました。すると彼は顔色一つ変えず顎で「流し」を示しました。
「ええっ!!」
驚いて固まった私の後ろでは他の大学院生の低い笑い声も漏れてきます。「これじゃ話にならん」と古
参の博士研究員を振り向くと、彼はウインクしながら同じように顎で「流し」を示しました。信じられ
ない話ですが、この研究室の私が属した実験室ではアセトンによる器具の洗浄や乾燥を「流し」で行い
そのまま垂れ流していたのです。そういえばあのベンチュレーションのよい〔実験者一人一人にドラフ
トチャンバー(強制排気装置付の実験台)が与えられている〕アメリカの化学実験室で、時々アセトン
臭を感じたことがありました。それから注意して観察すると、少数の不心得な大学院生は洗浄のための
アセトンばかりでなく本来実験室から排出してはならない溶媒なども平気で「流し」へ棄ててしまって
いるようでした。まったくの無法地帯と化していたのです。「驚き」の後の私はどうしたかといえば、
「郷
に入らば郷に従え」と無法者と同様にアセトンでの器具洗浄や乾燥を「流し」で行いドンドンと垂れ流
していきました。ほぼ長方形のその州の各頂点を結ぶ線が交差する場所に大学を創立したという日本で
は信じられないような創設経緯をもつその大学は、隣町まで 1 時間のドライブという隔離されている地
域にあるとはいえ、自分たちが住む町に有害物質を撒き散らしていったのです。
神をも恐れない悪業が続くはずがありません。一月ほどしたある日の日刊「大学新聞」の第一面に、
「あ
る有機化学研究室では有害物質を排水へ垂れ流している」ことがすっぱ抜かれ、大学人としての自覚の
なさを非難する論説が続きました。研究室の名前は伏せてありましたが、誰の目にも私の属する研究室
であることは明白でした(何でも心ある「大学人(研究員 or 大学院生)
」による内部告発から始まり、
その元凶が突き止められたということでした)。すぐに研究員・大学院生全員が集められ教授の口から
の厳しい言葉がつづきました: 「研究者としての誇りと自覚を ----」;「興味の赴くまま自由に研究でき
るのは社会的ルールを守っていくという契約のもとでのみ可能 ------」
;「これが企業や工場での出来事な
ら、個人が罰されるだけでなく、企業は取り返しのつかない社会的ダメージを受ける ------」
。 1 時間
以上に及ぶミーティングは重苦しい空気の下で進み教授の言葉だけが響いていました。
その後の「対策」は厳しいものでした。試薬や溶媒の使用量をあるいは回収量を 1 週間ごとに申告す
る制度がスタートしました。たくさんのポリ容器が実験室に置かれ回収したアセトンや溶媒を計量する
作業が始まり、大学院生は各自申告書と現物を持ってポリ容器の前に並びます。その立会人は「無法者」
から改悛して「目明し」に転身した博士研究員が勤めることになりました。1 ∼ 2 ヶ月は両者の間にギ
クシャクした関係が発生することもありました。さすがに何でもかんでも「流し」へ棄てる不心得者は
いなくなり、教授も研究成果の蓄積に心が向き始め、博士研究員も大学院生も相手のことより自分の研
究に気をとられるころになると申告のタームも 1 週間から 2 週間へと、そして 1 ヶ月と緩やかなものへ
− 37 −
と変わっていきました。1 年の留学が終わるころになると実験室内のアセトン臭にも気づく事があり、
当の大学院生に注意すると「とんでもない。決して棄てたりはしていないよ」と無実を主張。良い制度
があってもなかなかうまくいかないこともあるものだと思い知らされました。
アメリカ合衆国の有機化学研究室ではどこでも「アセトン」が使い放題ということを聞きます。同様
に東部のある大学に留学した知人の一人は、
「ガラス器具は使い放題。使ったら多くは(洗浄)のラベ
ルの籠に入れておけば OK。汚れのひどいのはポリバケツにアセトンを貯めておき片っ端から突っ込ん
でおいて、実験の一区切りにふたをして所定の置き場においていると係りの人がきれいに洗ってくれて
いたよ。」と信じられないような話をしてくれました。おそらく、研究の効率(cost per performance)
を重要視する現場では有能な研究員の「彼」に「器具洗浄」のような「非効率な仕事」をさせることが
できないと考えられているのかもしれません。日本の化学企業の研究開発部門の研究室でも同様なこと
が行われていることも事実のようです。
留学を終えての「アメリカ有機化学実験室 評」は splitted decision となりました。前にも述べたよ
うにドラフトチャンバーなどの安全設備の完備; 危険物などに対する情報の徹底化と保管設備など
20 年前とは信じられないものでした。ただ、あの「アセトン漬け」の研究だけは好きになれませんで
した。帰国後自分の研究室を「アセトン漬け」にはしたくないなあという思いの下で、何度か「アセト
ンフリー」の試みがなされ、その度に挫折して適度に「アセトン」と付き合う関係が続くことになりま
す。「アセトン」に代わるべく洗浄剤がいろいろと試されていきましたが、なかなか取って代われるも
のはでてきませんでした。まだまだドラフトチャンバーが不足している実験室でアセトンをジャブジャ
ブと使わせる気になりませんし、そんなに使えるほど研究費を稼いでいるわけではありません。一度洗
浄に使ったアセトンは回収して、蒸留・再生して再利用を行っているのが現状です。それでも、私の研
究室は山口大学で有数なアセトン消費量を示していることは間違いないと思います。
アセトンを器具洗浄に使わないようにすることも一つの対策ですが、もう一つの道として、「アセト
ンで洗浄しなければならないような器具の数を減らす」ことを考えています。 ① 少々の不純物が混じっていても目的の反応への影響は少ないような反応系を構築する。 ② 目的化合物まで多段階の反応を要する場合でも一つのフラスコに順次試薬を入れていくことで、途
中の分離や精製操作を省略できるような反応プロセスを構築する。
③ 最終的には、全ての試薬を一つのフラスコに一度に混ぜるだけで目的化合物だけを選択的に作るこ
とができるような反応プロセスを構築する。
このような「反応」が実現できれば、アセトンだけでなく多くの他の溶媒の使用量の減らすことがで
き「新しい時代の反応」として社会に提案できるものと期待しています。現在、研究室構成員の半数が
この「新しい時代の反応」構築グループに属し、その確立を目指して毎日研究課題と格闘しているとこ
ろです。
(注)アセトン: 出典 : フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から抜粋
アセトン (acetone) は有機溶媒として広く用いられる有機化合物で、もっとも単純な構造のケトンであ
る。IUPAC 命名法では 2- プロパノン (2-propanone) と表される。両親媒性の無色の液体で、水、アルコー
ル類、クロロホルム、エーテル類、ほとんどの油脂をよく溶かす。常温で高い揮発性を有し、強い引火
性があるため、取扱い時には火気に厳重な注意が必要である。
性質: 人体に対しては深刻な毒性は持たないが、吸引すると頭痛、気管支炎などを引き起こし、大量
だと意識を失うこともある。
用途: マニキュアの除光液の主成分であるが、アセトンの脱脂性が強いため、爪を劣化させることが
あり、ノンアセトンタイプの除光液も発売されている。有機溶媒も水もよく溶かし、沸点が低く乾きや
すいため、有機化学研究の分野で器具の洗浄に使われる。その他の用途では、生物学に関連する諸分野
で、生物組織の脱水、脱脂、固定などに用いられることがある。
− 38 −
海洋への鉄散布による二酸化炭素固定について
山口大学名誉教授 梶 原 忠 彦 1. はじめに
地球温暖化の原因物質としては、二酸化炭素、フロン(クロロフルオロカーボン)、メタン、亜酸化窒
素などが知られている。1995年にはフロンガス生産の廃止が決められていることなどから、今日で
は二酸化炭素濃度の増加は、気温上昇に対して60%以上の比重を占めると見積もられている。地球に
到達する太陽光の大部分は可視光線で、可視光線は大気中の二酸化炭素に吸収されることなく地表を暖
める。 この熱は、地表から大気に遠赤外線として放射される。このように、二酸化炭素は地球の気温
調整をすると同時に、光合成生物にとっては不可欠な化合物である。しかし、大気中の二酸化炭素が増
え続けると気温が異常に上昇してしまうので、二酸化炭素の平衡を保つことが環境保全の観点から重要
と考えられる。
新人(クロマニオン人など)が世界に分散していたと考えられている15万年前から今日まで、大気
中の二酸化炭素濃度はどれぐらい増加したのだろうか。南極の氷面から2Kmほど掘り下げた氷中に閉
じ込められている空気は、15万年前の空気に相当する。その空気中の二酸化炭素濃度が測定された結
果、220∼290ppmの範囲にあり、過去15万年前に遡っても二酸化炭素濃度の変動は小さかっ
たことが分かった。 2000年に世界気象機構(WMO)は、20世紀に入って化石燃料の使用量が
激増するにともない、大気中の二酸化炭素は急激に増加し、世界平均で369ppmに達したと報告し
た。それ以来今日まで、大気中の二酸化炭素濃度増加を抑制するために多彩な研究が展開されてきた。
なかでも、鉄不足の海域に飛行機などにより鉄を散布する研究が話題になっている。つまり、鉄散布に
より海藻や植物プランクトンが増殖することによって海水中の二酸化炭素が固定されると、それにとも
なって大気中の二酸化炭素が海水に溶け込み、結局大気中の二酸化炭素を減少させることができるとい
う戦略です。ここでは、それらの研究について解説し、若干の考察を加えたい。
2. 海洋への鉄散布の戦略
江戸時代から、魚を集める森のことを「魚つき林」といって、森が大切に管理されていたところもす
でにあったようである。明治44年の農商務省水産局の 「漁業ト森林トノ関係調査」 には、
「沿岸域に
鬱そうとした森林がある場所は好漁場があり、森林の荒廃した場所では魚が近づかなくなった事例が多
い」と記録に残されている。おそらく、わが国では江戸時代以前から沿岸部の森林の破壊による水産資
源の減少と森林の復活による水産資源の回復に深い関係があることが経験的に知られていたと考えられ
る。森林の腐植土層の鉄は枯葉にも含まれており、枯葉の分解により腐食土中に再生される。腐植土中
のフルボン酸とうまく結合できなかった鉄イオンも存在するが、これは粒子に変わって河川に運ばれる。
このように、鉄は腐植土中のフルボン酸とは強い絆で結ばれ、河川をとおして、あるいは海岸まで森林
が迫っている場合には、山の森林地帯から直接海に流れ込んでいるのである。
海水中では、植物プランクトンや海藻を増やさなければ、それに続く貝や魚は増えることができない。
基本的には、二酸化炭素と水、それに太陽があれば植物プランクトンや海藻は生長・増殖するが、窒素
とリンが必須成分である。植物プランクトンや海藻が硝酸塩を体内に取り込むには先に鉄を取り込まな
ければならない。なぜなら、体内に硝酸塩を取り込むと、これを還元しなければならず、その還元には
硝酸還元酵素が必要であり、鉄はこの酵素に大きく関与しているからです。ほかに、光合成する生物に
はクロロフィルなどの光合成色素が不可欠ですが、これらの生合成には鉄は極めて大きく関与しており、
鉄なしではこれらの色素は生合成されない。例えば、コンブは晩夏から遊走子を放出しはじめる。海水に、
− 39 −
鉄とEDTA(エチレンジアミン四酢酸鉛)という人工的に合成した試薬を加える。この試薬は鉄と結
合し、鉄が粒子になるのを防ぎ、鉄を水に溶けた状態に保つ役割をしている。つまり、この試薬は腐植
土中のフルボン酸と同様の働きをしていることになる。鉄を入れないと遊走子は全く生長しない。鉄を
添加した溶液(培地)の遊走子は、一ヶ月後にはコンブの幼葉にまで生長する。このような科学的根拠
に基づいて、
鉄不足の海域に飛行機などによって鉄を散布して植物プランクトンを増やすことによって、
二酸化炭素を減少させようという壮大な戦略が生まれた。
3. 鉄散布による二酸化炭素固定
外洋の鉄はどこから運ばれてくるのか。河
川から海に流入した鉄は、沿岸域で海底に沈
んでしまうため、外洋まで到達しない。偏西
風によって、鉄を含有している大陸の土壌が
外洋に運ばれている。アラスカ湾より西側(日
本側)の太平洋では、偏西風により大気から
鉄が供給されており鉄は不足していない。し
かし、アラスカ湾までは鉄は運ばれないため、
その海域は鉄不足になる。米国の J.K. マー
チンという学者が行なった研究によると、ア
図 1:海洋鉄散布実験実施概念図(文献 6 を改変)
ラスカ湾で鉄不足の海水を採水して、これに
ごく微量の鉄を加えた場合、植物プランクトンは著しく増殖すると報告している。すなわち、これらの
海域では硝酸塩、リン酸塩など光合成に不可欠な成分は存在していても、鉄不足でプランクトンの増殖
ができないことを意味する。鉄不足の海域から海水を採取し、これに鉄を加えずに海水のみで培養する
と、植物プランクトン(クロロフィル)はほとんど増えないのに反し、鉄を加えると著しく増加してい
ることが実証された。
1995年にアメリカが実施した鉄散布実験(図1)では、太平洋の赤道直下にあるガラパゴス諸島
の沖1000平方キロメートルの海域に数百キログラムの硫酸鉄が散布された。その結果、植物プラン
クトンの増殖速度が倍加し、生物量が20倍に増加しました。同時に海水の二酸化炭素濃度が 20%低
下した。海洋への鉄散布が植物プランクトンの増殖に効果があり、大気中の二酸化炭素削減に役立ちそ
うだということが示めされた。その後、2001年には、北海道区水産研究所と東京大学海洋研究所の
グループ(代表 津田 敦)は、鉄濃度が低いため植物プランクトンが増殖できないサハリン東部海域
カムチャッカ沖(図2参照)で南北八キロメートル、東西十キロメートルに約350キログラムの硫酸
鉄溶液を約一日掛けて散布した。そのときに散布した鉄
の量は、25メートルプールに耳掻き一杯程度と見なさ
れる。散布後、図3のように二週間にわたって、植物プ
ランクトンの分布を裏付ける葉緑素や二酸化炭素濃度を
測定した。その結果、散布後6日目ころから、プランク
トンの増殖が著しく認められた。プランクトンの増殖に
ともなって、海水中の二酸化炭素濃度は400ppmか
ら230ppmへと減少した。これらのことから、海洋
への鉄散布が植物プランクトンの増殖に効果があり、大
気中の二酸化炭素削減に役立ちそうだということが示め
された。海洋における鉄は、植物プランクトンの生長を
支える微量金属元素の中でも、最も重要な金属の一つで
ある。しかしながら、酸化環境下の海水中では鉄のほと
− 40 −
図 2:実験海域(文献 4,5 を引用)
んどは3価の粒状鉄(3価の水酸化鉄など)として存在
しており、その溶解度は極端に低い。そのため海水中の
溶存鉄濃度は著しく低く、海洋における基礎生物生産を
支配する重要な因子である。また海洋における溶存鉄は、
ある種の有機配位子と溶存有機錯体鉄を形成しており、
それらの有機配位子の存在は、海洋における溶存鉄の鉛
直分布を決定づける重要な因子であるとともに、藻類に
よる鉄の取り込み、その後の増殖に重要な役割を果たし
ていると考えられている。
地球温暖化対策の一つとして、海洋を利用した様々な
二酸化炭素固定技術が検討されているが、鉄散布により
海洋表層の植物プランクトンの光合成活性を増幅して二
酸化炭素をより吸収させようとする方法は、中深層隔離
法などと比べると、生物を利用するため効率は落ちるか
も知れないが、比較的安価で実施も容易である。しかし
ながら、海洋への鉄の供給量の変動が過去の海洋炭素循
環および、地球全体の気候を大きく変動させていた可能
図 3:鉄散布域の外と中における二酸化炭素分圧、クロ
ロフィル濃度、栄養塩(硝酸塩)濃度の日変化(文
献 4,5 を引用)
性もある。近年、生物海洋学、化学海洋学、さらには海
洋炭素循環モデルの研究者の間では、鉄とプランクトン生態系の関係を明らかにすることは、海洋の生
物的な炭素循環を解明する上で無視できない重要な課題となっている。また、地球温暖化対策の一つと
して、このような特徴を持つ海域に鉄を散布することで、植物プランクトンの光合成による有機炭素生
成量を増やし、生物ポンプの効率を上げることが提案されている。この鉄散布については、炭素固定の
経済的効率などを含めた賛否両論が交わされ、現在においても大きな議論を呼んでいる。
4.おわりに
1992年の地球サミットで、先進国が二酸化炭素放出量を1990年のレベルに戻すという条約をと
りかわした。しかし、発展途上国による化石燃料の使用はますます高まることが予想されており、また
先進国の抑制もなかなか難しい。この場合、大気中の二酸化炭素濃度が地球の危険濃度とされる600
ppmに到達する時期は、いつ頃になるのか。あるシミュレーションによると、鉄を散布しなければ
2050年前後、散布すれば2070年前後と予測されている。つまり、散布すれば10パーセント程
度の二酸化炭素を減少させることができることになる。実際の鉄散布を二酸化炭素吸収方策として考え
ていくには、鉄散布にてきした環境要因を持つ海域を選定し、経年スケールの長期的な視野にたって散
布効果を検討することが必要である。現在、熱帯地方や南半球では地上の二酸化炭素観測地点が少なく、
地球全体では十分な精度での測定が難しい。日本は2008年8月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)
と国立環境研究所、環境省が共同で温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT)を、米国は同9月米航空
宇宙局(NASA)が二酸化炭素観測衛星(OCO)を打ち上げる計画である。日米が打ち上げた宇宙
衛星からの観測で「空白地帯」を補い、二酸化炭素の「収支分布」を明らかにするとともに、世界のど
こで手当てをしなければならないかも分かってくると期待がよせられている。他方、海洋への鉄散布に
よって増殖する植物プランクトンのうち珪素の殻をもっている珪藻は海洋食物網を支えており、われわ
れの食卓の動物性蛋白の40パーセント以上を占める魚介類の増産の面からも注視されている。
最近、ドイツのある研究グループによって、珪藻のポピュレイションが揮発性のオキシリピンによっ
て制御されていることが発見された。つまり、植物プランクトン ( 珪藻 ,Thalassiosira rotula ) が、動物
プランクトン(草食動物)によって食害を受けると、数秒以内にリパーゼが活性化され、酸素添加酵素
やヒドロペルオキシド分解酵素が働き、結局、揮発性オキシリピンが生成する。興味深いことに、この
− 41 −
場合食害によって誘導生成されたオキシリピンが捕食者
の摂食を直接抑制するのではなく、捕食者の卵の孵化を
阻害し、越冬捕食者数を減少させることによって次世代
の捕食圧を低くし間接的に防衛することが分かった。こ
のことは食糧資源の有効利用の観点からも重要であり、
オキシリピンによる珪藻の化学防御がプランクトンダイ
ナミックスにどのように影響を及ぼしているかを解明す
るために、地球規模での調査が始められようとしている。
揮発性オキシリピンの研究では山口大学(生物活性揮
発成分研究推進体 代表 松井健二教授)は世界に知ら
れており、海洋への鉄散布の研究が環境問題のみならず、
図 4:高い二酸化炭素固定能を有する円石藻
食糧問題の両面から深められることを期待したい。しか
し、ごく最近には、北極海のある海域での水温変化によ
り、二酸化炭素固定に優れた珪藻とされている円石藻(図4参照)が異常発生し、動植物プランクトン、
海藻、魚類の生育と分布に異変が引き起こされ、結果として食物連鎖の上位に位置する海鳥(みずなぎ
どり)が多数餓死したと報告された。海洋への鉄散布による二酸化炭素固定については、さらに生態系
のバランスについての研究を重ね、慎重な実施が望まれる。
参考図書等
1) 松永勝彦:森が消えれば海も死ぬ、講談社、東京 (1993).
2) 竹中弘行:生命の源マイクロアルジェ、成山書店、東京 ((2003).
3) 栗原紀夫:豊かさと環境、化学同人、京東 (1997).
4) 津田 敦 他:海洋鉄散布による二酸化炭素固定と生物群集の応答、平成13年度北海道区水産研究
所成果報告集 No. 2.
5)A. Tsuda et al.: A mesoscale iron enrichment in the western subarctic pacific induces a large centric
diatom bloom, Science , 300, 958(2003).
6) 亜寒帯西部北太平洋の鉄散布実験 SEED sIIIにおける微量金属元素の動態(代表 京都大化学研
究所 宗林由樹).
− 42 −
薬品使用量の調査(2005 年度)
排水処理センター 藤 原 勇・山 野 聖 子 1.はじめに
PRTR法(Pollutant Release and Transfer Resister; 化学物質排出移動量届出制度)の報告を目的
として大学内の薬品使用量についての調査(2005 年度)を行い、結果をまとめた。
2.アンケート調査
アンケートは研究室(研究グループ)ごとに第一種指定化学物質に指定された薬品の使用量について
2005 年度(平成 17 年度)の購入量、使用量、貯留量を記入してもらった。記入の対象は、第一種指定
化学物質のうち、2005 年度の購入量、使用量、貯留量のいずれかが 0.1 kg 以上であったものとし、回
答があったものをまとめた。
3.調査結果
比較的使用頻度が高く、過去数年の水質検査結果から取り扱いに特に注意が必要であると思われるジ
クロロメタンとベンゼンの購入量について、学部別の割合を表1および図1に示した。
ジクロロメタンの購入量
(%)
ベンゼンの購入量
(%)
図 1 ジクロロメタンおよびベンゼンの購入量(単位:%)
表 1 平成 17 年度のジクロロメタンおよび
ベンゼンの購入量(単位:kg)
学部
ジクロロメタン
理学部
43.9
工学部
310.8
医学部
0.0
農学部
40.7
教育学部
0.0
排水処理センター
0.0
合計
395.4
ベンゼン
61.9
42.7
0.0
0.0
0.0
0.0
104.6
表 2 第一種指定化学物質該当薬品のキャンパス別集計 (単位:kg)
地区名
H16 年度末
貯留量
H17 年度
購入量
H17 年度 H17 年度末
使用量
貯留量
吉田地区
631.31
671.33
672.71
653.43
常盤地区
649.79
810.76
716.39
669.17
小串地区
318.83
158.25
154.16
343.83
1599.93
1640.33
1543.26
1666.43
合計
また、PRTR法の第一種指定化学物質に該当するすべての薬品の年間使用量について、地区(キャ
ンパス)ごとに集計した(表2)
。さらに、大学全体で使用量の多い10物質について表3および図2
に示した。さらに吉田地区、常盤地区、小串地区における、使用量の多い5物質をそれぞれ表4−6に
示し、図3−5に表した。
また、薬品使用量と廃液中の薬品含有量の集計結果の比較を図6−9に示した。
− 43 −
表 3 大学全体の使用量上位10物質 (単位 : kg)
化学物質名
H16 年度末繰越量
クロロホルム
ジクロロメタン
トルエン
キシレン
ベンゼン
トリクロロエチレン
アセトニトリル
ホルムアルデヒド
1,4- ジオキサン
ピリジン
H17 年度購入量
250.2
92.5
174.7
121.3
68.8
17.0
104.2
54.0
38.2
27.5
H17 年度使用量
555.5
395.4
94.9
123.0
104.6
94.2
73.4
31.3
34.6
16.4
H17 年度末繰越量
587.8
290.7
110.7
101.2
96.9
83.1
75.2
25.8
22.2
18.2
223.9
117.5
165.1
161.1
80.5
28.2
102.7
57.1
54.0
26.1
表 4 吉田地区の使用量上位5物質 (単位 : kg)
化学物質名
H16 年度末繰越量
クロロホルム
H17 年度購入量
H17 年度使用量
H17 年度末繰越量
112.7
380.4
374.5
122.2
ジクロロメタン
62.7
84.6
75.9
71.7
アセトニトリル
75.1
55.2
58.7
71.8
ベンゼン
45.6
61.9
49.6
60.4
トルエン
59.0
17.6
26.5
50.1
表 5 常盤地区の使用量上位5物質 (単位 : kg)
化学物質名
H16 年度末繰越量
H17 年度購入量
H17 年度使用量
H17 年度末繰越量
ジクロロメタン
28.7
310.8
214.8
44.7
クロロホルム
81.0
169.1
194.0
55.6
トリクロロエチレン
16.1
94.2
82.6
27.6
トルエン 39.3
76.4
75.5
46.4
ベンゼン
15.7
42.7
47.3
11.1
表 6 小串地区の使用量上位5物質 (単位 : kg)
化学物質名
H16 年度末繰越量
H17 年度購入量
H17 年度使用量
H17 年度末繰越量
キシレン
83.0
100.5
84.1
115.6
クロロホルム
56.5
6.0
19.3
46.1
ホルムアルデヒド
23.3
20.9
11.7
28.5
4.0
12.5
11.5
5.0
76.5
0.9
8.8
68.6
アセトニトリル
トルエン
クロロホルム
クロロホルム
ジクロロメタン
トルエン
ジクロロメタン
キシレン
ベンゼン
アセトニトリル
トリクロロエチレン
アセトニトリル
ベンゼン
ホルムアルデヒド
1,4-ジオキサン
トルエン
ピリジン
0
100
200
300
400
500
600
700
図 2 大学全体の使用量上位10物質 (単位 : kg)
0
100
200
300
図 3 吉田地区の使用量上位5物質 (単位 : kg)
− 44 −
400
ジクロロメタン
キシレン
クロロホルム
クロロホルム
トリクロロエチレン
ホルムアルデヒド
トルエン
アセトニトリル
ベンゼン
トルエン
0
50
100
150
200
250
300
350
0
図4 常盤地区の使用量上位5物質
(単位: kg)
20
40
60
80
100
120
140
図5 小串地区の使用量上位5物質
(単位: kg)
クロロホルム
キシレン
ジクロロメタン
クロロホルム
トルエン
ジクロロメタン
ベンゼン
キシレン
アセトニトリル
ベンゼン
トルエン
トリクロロエチレン
トリクロロエチレン
アセトニトリル
フェノール
ホルムアルデヒド
ホルムアルデヒド
1,4-ジオキサン
ピリジン
ピリジン
ジオキサン
0
100
200
300
400
500
600
700
0
100
200
300
400
500
600
700
大学全体使用量
(kg)
大学全体廃液
(kg)
図6 大学全体の使用量上位10物質
(左)
と廃液量上位10物質
(右)
の比較
(単位:kg)
クロロホルム
クロロホルム
ジクロロメタン
ジクロロメタン
アセトニトリル
ベンゼン
ベンゼン
キシレン
トルエン
アセトニトリル
0
100
200
300
400
0
100
200
300
400
吉田地区使用量
(kg)
吉田地区廃液
(kg)
図7 吉田地区の使用量上位5物質
(左)
と廃液量上位5物質
(右)
の比較
(単位:kg)
ジクロロメタン
ジクロロメタン
クロロホルム
クロロホルム
トリクロロエチレン
トリクロロエチレン
トルエン
ベンゼン
ベンゼン
トルエン
0
50
100
150
200
250
300
0
350
100
200
300
常磐地区使用量
(kg)
常磐地区廃液
(kg)
図8 常磐地区の使用量上位5物質
(左)
と廃液量上位5物質
(右)
の比較
(単位:kg)
− 45 −
400
キシレン
キシレン
トルエン
クロロホルム
アセトニトリル
ホルムアルデヒド
ホルムアルデヒド
アセトニトリル
フェノール
トルエン
クロロホルム
0
100
200
300
400
500
0
100
200
300
400
500
小串地区使用量
(kg)
小串地区廃液
(kg)
図9 小串地区の使用量上位 5 物質(左)と廃液量上位 5 物質(右)の比較(単位:kg)
環境配慮促進法に伴う環境報告書に掲載するデーターと PRTR 法で取り扱うデーターとが重複する
こともあり、今年は、環境施設部と協議の結果薬品調査を1本化して、集計したデーターをどちらから
でも活用できるようにした。昨年度までの調査は、ただ単に文章での調査にご協力の通知文を添えただ
けの物でした。しかし、今年は環境報告書に薬品の使用量の結果が掲載されること。環境報告書のデー
ターの信頼性を高めるために職員により一層の意識を持ってもらうために、各地区において施設環境部
と合同にて説明会を行った。説明会では PRTR 法の説明および環境配慮促進法に伴う環境報告書作成
の資料となる意図を説明した。あいにく大口の工学部での説明会は時間の関係で行えなかったが、次年
度は行っていきたいと考えている。
今回の集計結果は、昨年度とあまり変わりがない。しかし、今回多量に使用されている薬品において、
廃液量からの薬品量と薬品使用量がかなり一致したことである。これは、多量に使用した薬品が最終的
に廃液として出されていることを意味している(図6−9)
。一致しない薬品もある。この原因として
有機系廃液として出される廃液の薬品含有量が1%以下の場合、集計上のため1%以上の含有量として
記入してもらうため、実際よりも分量が多くなると思われる。また廃液に水が混入する場合も多く、全
体の体積が増えて、結果的に含まれる薬品の量も多めに計算されることが考えられる。実験者が薬品管
理について意識の向上の結果、今までだったらひょっとして流しに流してしまっていた物も廃液として
出すようになってきた結果かもしれない。年を追う毎に精度があがれば、この調査も効果が出てきてい
ることを意味している。例年、薬品管理、廃液管理についてコンピュータ処理による方法について、こ
こで述べているがたどり着いていない。今年度は富山大学が開発した薬品管理システムであるであるT
ULIPを導入して PRTR 法の集計に役立てようと、試行の準備をしているところである。恥ずかし
いことであるが、山口大学は薬品管理については他大学に比べて遅れているので、早く整備して行く必
要がある。
− 46 −
実験排水の pH の連続記録
排水処理センター 藤 原 勇 1.はじめに
実験系の学部の実験系の排水の pH を 24 時間監視するシステムが整備されたことについての状況・
問題点について、これまでの環境保全で紹介した。pH は測定しているが、24 時間記録している訳では
ないことにつきる。現状では pH 監視モニターは各学部の事務室に設置されており、異常が出た場合に
は事務室で警報ブザーがなる。警報ブザーにより pH 異常が確認され、さらに吉田地区では電話通報シ
ステムが作動する。学部の事務室で電話をとらない場合には、
排水処理センターに転送されるようになっている。問題点は休
日等の事務室に職員が不在のときに pH 異常となった場合はそ
の記録が残らないでのある。従って休日、土、日曜日は pH 異
常があっても何も証拠が残らないのである。例外的に休日に
水の使用量が少なく、強酸を流した場合には、週明けの早朝
に pH 異常が観測されたこともある。この現状を何とかしよう
として昨年度から pH の24時間記録計を作ることにした。以
前であれば、実験系の実験室からレコーダーを探してきて接続
すれば終わりである。しかし、最近は実験室においてもレコー
ダーがない。今ではレコーダーを新しく買うとなると案外高く、
アナログ信号を AD 変換してパソコン(ノート)に取り込む
方が安い。古いノートパソコンを譲り受け、AD 変換器を揃え
図 1 pH監視版とpH記録計
て、警報装置の信号線から電圧を調査し、電圧と pH の値が対
応することから、電圧の値を pH の値に換算して pH を記録することとした。あとはどうやって記録を
するかである。素人であるのであまり凝ったことはできないが時間と pH が最低限記録できる物を作り、
pH を見守る道具とした。
2.pH 記録装置、プログラム
ノートパソコンに CF タイプの AD 変換カードを差し込み、接続コードにアナログ信号をつなぎ、電
圧を AD 変化してパソコンに取り込んだ(図
1)。プログラムは MS Visual basic を用い
て行った。サンプリングは 1 秒ごとに行い 1 分
間を平均して 1 分ごとに記録した。他のソフト
で簡単に読み込めるようにテキストファイル
(CSV ファイル)で保存した。これにより、ワー
プロソフトでも、表計算ソフトで加工できグラ
フを作成できる。
測定画面(図2)では、
(試行プログラムの
ため電圧も同時に表示)時間と pH のグラフを
表示させた。直接過去のデータは測定プログラ
ムでは見ることができないが、過去の記録を見
図 2 pH測定画面
るための機能と印刷機能は別のプログラムを作
− 47 −
成した。現在理学部で試行しており、約 3 月記録を経ており、実用には耐えれる事がわかった。図3は
pH 異常が記録された、チャートである。今までは、pH 発生の時刻だけであった記録が pH と時間が共
に出てくるため、酸・アルカリの強さ、pH 異常時の時間がはっきり記録され、後から原因を調べるに
は貴重なデーターである。また、pH 異常にはならないが排出基準以内で治まっている酸・アルカリの
放流についても記録が残ることになり、より詳しい解析ができそうである。理学部の試行の結果をみて
早く農学部にも接続して、こちらの記録も行うことを考えている。この環境保全が発行される頃にはお
そらく pH の記録が開始されていると思われる。
この様な装置を作成して pH の記録ができても、事務室でしか pH の値が見ることができないことで
ある。当然ながら排水処理センターの場所で pH の値を 24 時間監視できるシステムが必要であると考
えられる。折角 pH の値をパソコンに取り込みに成功したので次に、これを学内ランを用いて、ワーク
ステーションにデーターを送り、Web 表示ができないか考えている。Web 表示が可能で有れば、学内
のどこからでも Web にて pH の値を見ることがで
きる。Web にて見ることができる市販のシステム
は存在する。しかし、高価なシステムであるため、
当面は今のままであろう。今回吉田地区の pH 監視
ではうまく行く可能性を探索したが、他のキャンパ
スの事も整備する必要がある。
3.終わりに
当面の目標は連続の pH の記録を取ってより詳し
い pH 異常の状況を調査することである。くれぐれ
図 3 実験排水の pH 記録(2006 年 7 月 11 日)
もこの記録計は正常な排水を流している証拠を作る
ための記録計であること理解して頂きたいと思います。良いアイディアが有りましたら是非、排水処理
センターまで、ご連絡して頂きたいと思います。
共通教育の pH 監視版
− 48 −
4.排水処理センター報告
山口大学における排水処理状況報告(2005 年度)
排水処理センター 藤 原 勇・山 野 聖 子 2005 年度の排水処理センター業務に関わる廃液回収量、処理量また、無機系廃液の処理水の水質検
査結果、学内の排水調査結果、および排水処理センターの 2005 年度決算および 2006 年度予算について
以下まとめた。
1.無機系廃液
2005 年度は、無機系廃液について吉田地区は 6 回、常盤・小串地区は 3 回の回収を行った。回収日
と部局ごとの回収量を表 1-1A に、廃液の種類の内訳を表 1-1B に示した。回収された無機系廃液は、排
水処理センターの無機系廃液処理施設で、フェライト法によって処理された。フェライト処理は 2005
年 8 月 8 日− 13 日と 2006 年 1 月 30 日− 2 月 4 日の 2 度行われ、合計 2,236 リットルを処理した(表
2-1A)
。なお、フェライト法で処理しにくい廃液と処理できない廃液(2,320 リットル)は、(株)アサ
ヒプリテックによって学外処理を行った(表 2-1B)
。フェライト法により処理された後の処理水の水質
調査結果を表 2-2 に示す。排出基準以下となった処理水は一般排水として放流され、吉田地区の下水道
に合流する。処理工程で発生したスラッジは倉庫に保管している。なお、処理水の BOD 濃度が高いた
め希釈して放流した。
2.有機系廃液、写真廃液
有機系廃液は、各地区で年4回の回収が行われ、(有)大新金属商会に引き取られて焼却処理が行わ
れた。回収日と部局ごとの回収量を表 1-2A に、廃液の種類の内訳を表 1-2B に示した。有機系廃液は、
第一類廃液と第二類廃液に大別され、それぞれ特別管理産業廃棄物(特管)とそれ以外のものに区分し
ている。
写真廃液は年3回回収を行い(有)大新金属商会により処理を行った(表 1-3A, B)。なお定着液には
銀が含まれているが銀濃度が低いため処理費を払って処理した。
3.排水の水質調査結果
6 月と 12 月には常盤地区(工学部)
、小串地区(医学部、病院)及び吉田地区(その他の学部)の下
水道排水口水質調査を行った(表 3-1, 3-2)。また、吉田地区では各部局の実験洗浄排水が流れ込む 5 か
所の枡(理・農・教育学部、総合研究棟、共通教育棟)の水質も同時に調査した(表 4-1, 4-2)。さらに、
地方自治体の下水道管理課による採水結果(2006 年 2 月 9 日)を表 5 に示す。各地区の排水の採取地
点を図1に示した。
4.排水処理運営費決算および予算
2005 年度の排水処理運営費決算を表 6 におよび 2006 年予算を表 7 示した。2005 年度の有機系廃液
費用が 2004 年度より増加した。これは年度途中から廃液処理業者が変更となり、廃液の処理単価が高
騰したからである。
5.吉田地区 pH 異常記録
2005 年度の吉田地区 pH 異常についての記録をそれぞれ建物毎(図 2)、時間毎(図 3)、pH 毎(図4)
曜日毎(図 5)について整理して示した。
6.作業環境測定結果
無機系廃液処理施設における作業環境測定結果を表8−16まとめた。図6に無機系廃液処理施設単
位作業場および測定点した。
7.その他
2005 年度に配布したポリタンク(表17)。また廃棄処分したポリタンクの数(表18)に示した。
− 49 −
− 50 −
0
0
390
278
600
129
2,119
46.51%
2005年 9月 5日
2005年11月 7日
2006年 1月16日
2006年 2月20日
合 計
全体との比率
2.55%
116
36
80
0
0
0
0
教 育
学 部
0.00%
0
0
0
0
0
0
0
経 済
学 部
0.00%
0
0.00%
214
全体との比率
7.83%
0
152
2006年 2月20日
合 計
0
11
2005年11月 7日
0
人 文
学 部
51
理学部
2005年 7月 4日
回収年月日
学 部
1.13%
31
31
0
0
教 育
学 部
0
0
0
0
0
経 済
学 部
0.00%
0
0
0
0
経 済
学 部
表1-3A 写真廃液回収量
(学部別)
0.00%
0
0
0.00%
0
0
0
0
教 育
学 部
0
2,669
751
2006年 2月23日
0
18.21%
593
2005年12月 6日
0
合 計
640
2005年 9月20日
0
人 文
学 部
全体との比率
685
理学部
2005年 6月 7日
回収年月日
学 部
表1-2A 有機系廃液回収量
(学部別)
0.00%
0
0
0
0
338
2005年 7月 4日
0
人 文
学 部
384
理学部
2005年 5月16日
回収年月日
学 部
0.95%
26
0
26
0
農学部
7.56%
1,108
416
155
306
231
農学部
20.04%
913
46
285
99
345
0
138
農学部
0.00%
0
0
0
0
共 通
教 育
0.70%
103
0
0
68
35
共 通
教 育
2.52%
115
0
0
0
115
0
0
共 通
教 育
表1-1A 2005年度無機系廃液回収量
(学部別)
63.21%
1,727
399
733
595
医学部
11.96%
1,753
482
292
531
448
医学部
5.33%
243
140
−
60
−
43
−
医学部
8.16%
223
143
64
16
工学部
44.33%
6,497
1,898
1,536
1,643
1,420
工学部
21.12%
962
414
−
196
−
352
−
工学部
4,556
765
993
643
870
763
522
合 計
1.71% 100.00%
78
0
28
0
20
30
0
排 水
処 理
センター
0.00%
0
0
0
0
附 属
病 院
14.28%
2,093
657
464
558
414
附 属
病 院
14,655
4,614
3,040
3,768
3,233
合 計
2,732
950
1,120
662
合 計
18.70% 100.00%
511
225
286
0
排 水
処 理
センター
(単位:Kg)
2.95% 100.00%
432
410
0
22
0
排 水
処 理
センター
(単位:リットル)
0.22%
10
0
−
10
−
0
−
附 属
病 院
(単位:リットル)
585
511
793
570
3,361
2005年 9月 5日
2005年11月 7日
2006年 1月16日
2006年 2月20日
合 計
3.64%
166
80
18
9
29
30
0
水 銀
5.07%
231
43
10
30
56
75
17
シアン
69.89%
10,243
3,007
2,054
2,781
2,401
5.96%
873
198
176
223
276
11.07%
1,622
865
241
296
220
927
33.93%
1,805
66.07%
294
656
2006年 2月21日
合 計
395
725
2005年11月 8日
全体との比率
238
定 着 液
424
現 像 液
2005年 7月 5日
回収年月日
種 類 別 内 訳
13.08%
1,917
544
569
468
336
第一類廃液 第一類特管 第二類廃液 第二類特管
表1-3B 写真廃液回収量
(種類別)
全体との比率
合 計
2006年 2月23日
2005年12月 6日
2005年 9月20日
2005年 6月 7日
回収年月日
種 類 別 内 訳
9.17%
418
35
63
54
96
160
10
0.11%
5
0
0
0
0
5
0
100.00%
4556
765
993
643
870
763
522
合 計
80.96%
11,865
3,872
2,295
3,077
2,621
産廃計
100.00%
2,732
950
1,120
662
合 計
19.04%
2,790
742
745
691
612
特管計
(種類別内訳)
(単位:Kg)
100.00%
14,655
4,614
3,040
3,768
3,233
合 計
(単位:リットル)
8.23%
375
37
109
39
104
46
40
ふっ素・りん ふっ素りん重金属 特定廃液
表1-2B 有機系廃液回収量
(種類別)
73.77%
447
2005年 7月 4日
全体との比率
455
重 金 属
2005年 5月16日
回収年月日
(単位:リットル)
種 類 別 内 訳
表1-1B 無機系廃液回収量
(種類別)
表 2−1 A 無機系廃液処理量(学内処理)
単位:リットル
種 類 別 内 訳
ふっ素・りん
水 銀
シ ア ン
729
66
0
90
処 理 年 月 日
重金属
2005年8月 8日∼ 8月 13日
合 計
*
885
2006年1月 30日∼ 2月 4日
1,201
66
0
84
1,351
合 計
1,930
132
0
174
2,236
*重金属廃液にふっ素・りん・重金属廃液が含まれる
表2−1 B 無機系廃液処理量(学外処理)
処 理 年 月 日
重金属
水 銀
単位:リットル
種 類 別 内 訳
シアン
ふっ素・りん ふっ素・りん・重金属
特定廃液
合 計
2005年 12月 15日
288
0
131
170
86
5
680
2006年 4月 24日
1,097
0
80
100
74
289
1,640
合 計
1,385
0
211
270
160
294
2,320
表2−2 無機系廃液処理水水質検査結果表
測 定 項 目
pH
水 温
BOD
COD
SS
n−ヘキサン抽出物
カドミウム
シアン
有機燐
鉛
六価クロム
ひ素
水銀
アルキル水銀
フェノール
銅
亜鉛
溶解性鉄
溶解性マンガン
クロム
ふっ素
ポリ塩化ビフェニル
トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
ジクロロメタン
四塩化炭素
1,2-ジクロロエタン
1,1-ジクロロエチレン
シス-1,2-ジクロロエチレン
1,1,1-トリクロロエタン
1,1,2-トリクロロエタン
1,3-ジクロロプロペン
チウラム
シマジン
チオベンカルブ
ベンゼン
セレン
よう素消費量
ほう素及びその化合物
アンモニア、アンモニウム化合物、
亜硝酸化合物及び硝酸化合物
2005 年 8 月 8 日−8 月 13 日
2006 年 1 月 30 日 -2 月 4 日
処理水 A
処理水 A
℃
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
7.5
31.5
1000
300
3.0
0.5
0.001
0.1
0.1
0.005
0.04
0.005
0.0005
0.0005
0.02
0.01
0.01
0.1
0.1
0.02
1.4
0.0005
0.002
0.0005
0.002
0.0002
0.0004
0.002
0.004
0.0005
0.0006
0.0002
0.003
0.0015
0.01
0.001
0.002
2.2
0.5
mg/ℓ
41
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
処理水 B
8.0
31.5
1000
260
1.5
0.5
0.001
0.1
0.1
0.005
0.04
0.005
0.0005
0.0005
0.02
0.02
0.01
0.2
0.1
0.02
1.2
0.0005
0.002
0.0005
0.002
0.0002
0.0004
0.002
0.004
0.0005
0.0006
0.0002
0.003
0.0015
0.01
0.001
0.002
7.3
0.5
33
− 51 −
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
7.7
6.5
240
43
0.5
0.5
0.001
0.1
0.1
0.005
0.04
0.005
0.0005
0.0005
0.02
0.01
0.01
0.2
0.1
0.02
0.87
0.0005
0.002
0.0005
0.002
0.0002
0.0004
0.002
0.004
0.0005
0.0006
0.0002
0.003
0.0015
0.01
0.001
0.002
4.1
2.1
190
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
処理水 B
7.6
7.2
120
48
1.4
0.5
0.001
0.1
0.1
0.005
0.04
0.005
0.0005
0.0005
0.02
0.01
0.01
0.1
0.1
0.02
1.1
0.0005
0.002
0.0005
0.002
0.0002
0.0004
0.002
0.004
0.0005
0.0006
0.0002
0.003
0.0015
0.01
0.001
0.002
11
1.0
22
排出基準値
5.8-8.6
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
30
0.1
1
1
0.1
0.5
0.1
0.005
検出されないこと
5
3
5
10
10
2
15
検出されないこと
0.3
0.1
0.2
0.02
0.04
0.2
0.4
3
0.06
0.02
0.06
0.03
0.2
0.1
0.1
10
100
− 52 −
0.0005 未満
0.0005 未満
120
210
40
4.8
17
0.001 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.17
0.2
0.1 未満
0.02 未満
0.36
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ 0.0005 未満
0.01
mg/ℓ
mg/ℓ 0.0005 未満
0.22
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ 0.0005 未満
SS
窒素(T−N)
燐(T−P)
n-ヘキサン抽出物
カドミウム
シアン
有機燐
鉛
六価クロム
ひ素
水銀
アルキル水銀
フェノール
銅
亜鉛
溶解性鉄
溶解性マンガン
クロム
ふっ素
ポリ塩化ビフェニル
0.0002 未満
0.0004 未満
0.004 未満
0.0005 未満
0.0006 未満
0.0002 未満
0.003 未満
0.0015 未満
mg/ℓ 0.0002 未満
mg/ℓ 0.0004 未満
0.002 未満
0.004 未満
mg/ℓ 0.0015 未満
0.001 未満
0.002 未満
26
0.1 未満
10
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
1,1-ジクロロエチレン
シス-1,2-ジクロロエチレン mg/ℓ
mg/ℓ 0.0002 未満
1,2-ジクロロエタン
1,1,2-トリクロロエタン mg/ℓ 0.0006 未満
0.01 未満
mg/ℓ
四塩化炭素
1,1,1-トリクロロエタン mg/ℓ 0.0005 未満
0.003 未満
mg/ℓ
ジクロロメタン
1,3-ジクロロプロペン
チウラム
シマジン
チオベンカルブ
ベンゼン
セレン
よう素消費量
ほう素
アンモニア、亜硝酸性
及び硝酸性窒素
*
「水質汚濁防止法」
による基準値
14
0.1 未満
18
0.002 未満
0.001
0.01 未満
0.002 未満
0.003
0.0005 未満
mg/ℓ 0.0005 未満
テトラクロロエチレン
0.002
0.002 未満
0.0005 未満
0.14
0.02 未満
0.1 未満
0.1
0.11
0.01
0.08
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
1.8
3.1
49
98
53
100
0.002 未満
トリクロロエチレン mg/ℓ
0.005 未満
220
mg/ℓ
BOD
COD
8.1
23.0
7.3
22.4
℃
pH
水 温
15:48
15:35
時 間
常盤地区1
吉田地区
測 定 項 目
9.8
0.1 未満
19
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0002 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.1 未満
0.02 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.08
0.01 未満
0.13
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
2.8
3.1
35
52
120
75
22.5
8.3
16:10
常盤地区2
48
0.1 未満
46
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0002 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.18
0.02 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.09
0.01 未満
0.07
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
5.9
7.4
130
84
95
200
27.0
8.7
15:34
常盤地区3
5.2
0.1 未満
6.3
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0002 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.17
0.02 未満
0.1 未満
0.2
0.08
0.03
0.13
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
22
3.9
34
230
190
520
30.5
6.9
16:33
小串地区
表 3−1 下水道排出口水質検査結果表 NO.1 2005 年 6 月 11 日採水
100
10
220
0.1
0.1
0.2
0.03
0.06
0.02
0.06
3
0.4
0.2
0.04
0.02
0.2
0.1
0.3
0.003
8
2
10
10
5
3
5
検出されないこと
0.005
0.1
0.5
0.1
1
1
0.1
30
32
240
600
600
5∼9
排出基準値 *
0.21
0.02 未満
0.1 未満
0.2
0.11
0.02
0.08
0.018
mg/ℓ
0.003 未満
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
18
0.1 未満
19
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
mg/ℓ 0.0015 未満
mg/ℓ
mg/ℓ 0.0002 未満
*
「水質汚濁防止法」
による基準値
ほう素
アンモニア、亜硝酸性
及び硝酸性窒素
よう素消費量
セレン
ベンゼン
チオベンカルブ
シマジン
チウラム
1,3-ジクロロプロペン
1,1,2-トリクロロエタン mg/ℓ 0.0006 未満
1,1,1-トリクロロエタン mg/ℓ 0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
mg/ℓ 0.0004 未満
mg/ℓ 0.0002 未満
mg/ℓ
mg/ℓ 0.0005 未満
0.002 未満
mg/ℓ 0.0005 未満
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ 0.0005 未満
シス-1,2-ジクロロエチレン mg/ℓ
1,1-ジクロロエチレン
1,2-ジクロロエタン
四塩化炭素
ジクロロメタン
テトラクロロエチレン
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
19
4.8
56
140
100
190
17.5
8.2
15:40
mg/ℓ 0.0005 未満
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
トリクロロエチレン mg/ℓ
ポリ塩化ビフェニル
ふっ素
クロム
溶解性マンガン
溶解性鉄
亜鉛
銅
フェノール
アルキル水銀
水銀
ひ素
六価クロム
鉛
有機燐
シアン
カドミウム
n-ヘキサン抽出物
燐(T−P)
mg/ℓ
mg/ℓ
SS
窒素(T−N)
mg/ℓ
mg/ℓ
BOD
COD
℃
水 温
pH
時 間
吉田地区
63
0.1 未満
49
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0008
0.0002 未満
0.009
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.11
0.02 未満
0.1 未満
0.2
0.14
0.01 未満
0.25
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
11
11
180
83
130
260
15.0
8.9
16:00
常盤地区1
5.8
0.1 未満
4.7
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.012
0.0002 未満
0.10
0.0005 未満
0.003
0.0005 未満
0.11
0.02 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.06
0.01 未満
0.03
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
0.8
1.3
17
23
18
38
12.0
7.8
16:05
常盤地区2
23
0.1 未満
33
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.013
0.0002 未満
0.037
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.11
0.02 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.08
0.01 未満
0.06
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
4.0
4.1
62
98
120
85
12.0
8.7
16:15
常盤地区3
9.8
0.1 未満
10
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0002 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.14
0.02 未満
0.1 未満
0.7
0.08
0.03
0.12
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
9.9
3.6
36
100
100
230
17.0
7.8
16:35
小串地区
100
10
220
0.1
0.1
0.2
0.03
0.06
0.02
0.06
3
0.4
0.2
0.04
0.02
0.2
0.1
0.3
0.003
8
2
10
10
5
3
5
検出されないこと
0.005
0.1
0.5
0.1
1
1
0.1
30
32
240
600
600
5∼9
排出基準値 *
表 3−2 下水道排出口水質検査結果表 NO.2 2005 年 12 月 9 日採水
測 定 項 目
− 53 −
0.04 未満
0.005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.1
0.1 未満
mg/ℓ 0.0005 未満
mg/ℓ 0.0005 未満
0.01 未満
0.08
0.3
mg/ℓ
mg/ℓ 0.005 未満
0.02 未満
mg/ℓ
mg/ℓ 0.008
0.04 未満
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
シアン
有機燐
鉛
六価クロム
ひ素
水銀
アルキル水銀
フェノール
銅
亜鉛
溶解性鉄
溶解性マンガン
0.0002 未満 0.0002 未満
0.0004 未満 0.0004 未満
0.002 未満
0.004 未満
0.1 未満
mg/ℓ
mg/ℓ 0.0005 未満
mg/ℓ 0.002 未満
mg/ℓ 0.0005 未満
mg/ℓ 0.003
mg/ℓ 0.0002 未満
mg/ℓ 0.0004 未満
mg/ℓ 0.002 未満
ポリ塩化ビフェニル
トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
ジクロロメタン
四塩化炭素
1,2-ジクロロエタン
1,1-ジクロロエチレン
シス-1,2-ジクロロエチレン mg/ℓ 0.004 未満
0.52
0.002 未満
0.002 未満
mg/ℓ 0.0015 未満
mg/ℓ
mg/ℓ 0.002
mg/ℓ 0.002 未満
シマジン
チオベンカルブ
ベンゼン
セレン
0.15
0.1 未満
*
「水質汚濁防止法」
による基準値
mg/ℓ
ほう素
アンモニア、亜硝酸性
mg/ℓ
及び硝酸性窒素
0.001 未満
mg/ℓ 0.003 未満
チウラム
0.01 未満
0.0002 未満 0.0002 未満
mg/ℓ 0.0002 未満
1,3-ジクロロプロペン
0.1 未満
0.1 未満
0.01 未満
0.62
0.1 未満
0.002 未満
0.002
0.01 未満
0.0015 未満 0.0015 未満
0.003 未満
0.0006 未満 0.0006 未満
mg/ℓ 0.0006 未満
1,1,2-トリクロロエタン
0.003 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
mg/ℓ 0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.004
1,1,1-トリクロロエタン
0.002 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.14
0.1 未満
0.02 未満
ふっ素
0.1
mg/ℓ
0.02 未満
0.1 未満
0.02 未満
mg/ℓ
0.1 未満
0.02
0.01 未満
0.02 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
クロム
1.2
0.2
0.01 未満
0.08
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
0.5 未満
mg/ℓ 0.001 未満
2.1
0.5
mg/ℓ
カドミウム
7.2
20.5
n-ヘキサン抽出物
6.9
19.9
19.3
6.8
16:05
理学部
℃
15:44
教育学部
16:12
共通教育センター
水 温
pH
時 間
測 定 項 目
0.18
0.1 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0002 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.14
0.03
0.1 未満
0.2
0.15
0.01 未満
0.02 未満
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
0.8
23.1
7.0
15:52
農 学部
0.1 未満
0.1 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0002 未満
0.01
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.1 未満
0.02 未満
0.1 未満
0.4
0.06
0.02
0.08
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
0.5 未満
24.5
7.2
15:58
総合研究棟
表 4-1 吉田地区 理科系各学部水質検査結果(2005年 6月 3日採水)
100
10
0.1
0.1
0.2
0.03
0.06
0.02
0.06
3
0.4
0.2
0.04
0.02
0.2
0.1
0.3
0.003
8
2
10
10
5
3
5
検出されないこと
0.005
0.1
0.5
0.1
1
1
0.1
30
5.8-8.6
排出基準値 *
7.2
0.5 未満
12.5
0.1 未満
0.1 未満
0.04 未満
0.14
0.02 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.50
0.01 未満
0.06
mg/ℓ 0.002 未満
mg/ℓ 0.0004 未満
mg/ℓ 0.0002 未満
mg/ℓ 0.002 未満
mg/ℓ 0.0005 未満
mg/ℓ 0.002 未満
mg/ℓ 0.0005 未満
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ 0.0005 未満
mg/ℓ 0.0005 未満
mg/ℓ 0.005 未満
mg/ℓ
mg/ℓ 0.005 未満
mg/ℓ
mg/ℓ
mg/ℓ 0.001 未満
mg/ℓ
℃
16:30
共通教育センター
0.01 未満
*
「水質汚濁防止法」
による基準値
1.3
0.1 未満
mg/ℓ 0.002 未満
mg/ℓ 0.001 未満
mg/ℓ
mg/ℓ 0.0015 未満
mg/ℓ 0.003 未満
mg/ℓ 0.0002 未満
mg/ℓ 0.0006 未満
mg/ℓ 0.0005 未満
mg/ℓ
ほう素
アンモニア、亜硝酸性
mg/ℓ
及び硝酸性窒素
セレン
ベンゼン
チオベンカルブ
シマジン
チウラム
1,3-ジクロロプロペン
1,1,2-トリクロロエタン
1,1,1-トリクロロエタン
シス-1,2-ジクロロエチレン mg/ℓ 0.004 未満
1,1-ジクロロエチレン
1,2-ジクロロエタン
四塩化炭素
ジクロロメタン
テトラクロロエチレン
トリクロロエチレン
ポリ塩化ビフェニル
ふっ素
クロム
溶解性マンガン
溶解性鉄
亜鉛
銅
フェノール
アルキル水銀
水銀
ひ素
六価クロム
鉛
有機燐
シアン
カドミウム
n-ヘキサン抽出物
水 温
pH
時 間
測 定 項 目
理学部
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
0.5 未満
14.5
7.1
16:20
0.34
0.02 未満
0.1 未満
0.3
0.04
0.01 未満
0.05
0.002 未満
0.019
0.004 未満
0.002 未満
0.003 未満
0.75
0.1 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.002 未満
0.002
0.01 未満
0.0015 未満 0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満 0.0002 未満
0.0006 未満 0.0006 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満 0.0004 未満
0.0002 未満 0.0010
0.0013
0.0005 未満 0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.13
0.02 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.31
0.01 未満
0.05
0.0005 未満 0.0005 未満
0.0005 未満 0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
0.5
14.5
7.2
15:50
教育学部
0.94
0.1 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0002 未満
0.050
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.17
0.02 未満
0.1 未満
0.2
0.05
0.01
0.06
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.005 未満
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
1.1
16.8
7.1
16:00
農学部
0.1 未満
0.1 未満
0.002 未満
0.001 未満
0.01 未満
0.0015 未満
0.003 未満
0.0002 未満
0.0006 未満
0.0005 未満
0.004 未満
0.002 未満
0.0004 未満
0.0002 未満
0.024
0.0005 未満
0.002 未満
0.0005 未満
0.34
0.02 未満
0.1 未満
0.2
0.19
0.02
0.07
0.0005 未満
0.0005 未満
0.005 未満
0.04 未満
0.008
0.1 未満
0.1 未満
0.001 未満
0.5 未満
17.5
6.9
16:10
総合研究棟
表 4-2 吉田地区 理科系各学部水質検査結果(2005年 12月 9日採水)
100
10
0.1
0.1
0.2
0.03
0.06
0.02
0.06
3
0.4
0.2
0.04
0.02
0.2
0.1
0.3
0.003
8
2
10
10
5
3
5
検出されないこと
0.005
0.1
0.5
0.1
1
1
0.1
30
5.8-8.6
排出基準値 *
表5 山口市下水道事業団による吉田地区下水道水質調査結果
2006 年 3 月 7 日採水
分 析 項 目
測定結果
単位
採水時刻
水温
基 準 値
10:20
℃
pH(水温 ℃)
13.2
40℃未満
7.6(17)
5∼9
COD
mg/ℓ
89
BOD
mg/ℓ
110
600
mg/l
SS
mg/ℓ
140
600
mg/l
T-N
mg/ℓ
23
240
mg/l
T-P
mg/ℓ
3.4
32
mg/l
mg/l
ノルマルヘキサン抽出物質(鉱油類)
mg/ℓ
−
5
ノルマルヘキサン抽出物質(動植物油類)
mg/ℓ
16
30
mg/l
フェノール類
mg/ℓ
ND
5
mg/l
銅
mg/ℓ
ND
3
mg/l
亜鉛
mg/ℓ
0.04
5
mg/l
溶解性鉄
mg/ℓ
0.2
10
mg/l
mg/l
溶解性マンガン
mg/ℓ
ND
10
総クロム
mg/ℓ
ND
2
mg/l
フッ素化合物
mg/ℓ
ND
15
mg/l
カドミウム
mg/ℓ
ND
0.1
mg/l
シアン化合物
mg/ℓ
ND
1
mg/l
有機リン化合物
mg/ℓ
ND
1
mg/l
mg/l
鉛
mg/ℓ
ND
0.1
六価クロム
mg/ℓ
ND
0.5
mg/l
ひ素
mg/ℓ
ND
0.1
mg/l
総水銀
mg/ℓ
ND
0.005
mg/l
ポリ塩化ビフェニル
mg/ℓ
ND
検出されないこと
トリクロロエチレン
mg/ℓ
ND
0.3
mg/l
mg/l
テトラクロロエチレン
mg/ℓ
ND
0.1
ジクロロメタン
mg/ℓ
ND
0.2
mg/l
四塩化炭素
mg/ℓ
ND
0.02
mg/l
1,2- ジクロロエタン
mg/ℓ
ND
0.04
mg/l
1,1- ジクロロエチレン
mg/ℓ
ND
0.2
mg/l
シス -1,2- ジクロロエチレン
mg/ℓ
ND
0.4
mg/l
mg/l
1,1,1- トリクロロエタン
mg/ℓ
ND
3
1,1,2- トリクロロエタン
mg/ℓ
ND
0.06
mg/l
1,3- ジクロロプロペン
mg/ℓ
ND
0.02
mg/l
チウラム
mg/ℓ
ND
0.06
mg/l
シマジン
mg/ℓ
ND
0.03
mg/l
チオベンカルブ
mg/ℓ
ND
0.2
mg/l
mg/l
ベンゼン
mg/ℓ
ND
0.1
セレン
mg/ℓ
ND
0.1
mg/l
ホウ素
mg/ℓ
ND
10
mg/l
沃素消費量
mg/ℓ
−
220
mg/l
− 54 −
ྚ⏛ᆀ༇ୖỀ㐠ฝཾ
භ㏳ᩅ⫩
ᐁ㥺ᤴỀ࣓ࢼࢰ࣭᪃シ
ᩅ⫩Ꮥ㒂
㎨Ꮥ㒂ᮇ㤃
⌦Ꮥ㒂ᮇ㤃
⌦Ꮥ㒂໪Ჯ
ゆ๕Ჯ
⥪ྙ◂✪Ჯ
A) 吉田地区のpH計設置場所および実験排水の流れ
⥪ྙ◂✪Ჯ
ᶭ᲌♣ᘋᲯ
࢕ࣤ࢞ࣖ࡬࣭ࢨࣘࣤ
ୖỀ㐠ฝཾ
ᕝᏕ㒂ᮇ㤃
69%/Ჯ
ୖỀ㐠ฝཾ
ᆀᇡභྜྷ
ୖỀ㐠ฝཾ
B) 常盤地区のpH計設置場所および実験排水の流れ
ಕ೸Ꮥ⛁
⮣ᗃᐁ㥺᪃シ
⮣ᗃ◂✪Ჯ
භྜྷ◂✪Ჯ
ᇱ♇◂✪Ჯ
༈Ꮥ㒂ᮇ㤃
⥪ྙ◂✪Ჯ
➠㸧୯ኳタ⒢Ჯ
᩺୯ኳ◂✪Ჯ
ୖỀ㐠ฝཾ
c) 小串地区のpH計設置場所および実験排水の流れ
図1 各地区の水質検査採水点
− 55 −
表6 2005 年度 排水処理施設管理運営費決算
1.総表
区分
予算額
執行額
差引額
備考
一般管理費
15,753,000
15,753,000
0
計
15,753,000
15,753,000
0
予算額
執行額
2.内訳
区分
差引額
備考
①事務費
570,000
581,651
-11,651
・印刷代
520,000
506,520
13,480
・消耗品
50,000
75,131
②光熱水費
400,000
331,965
68,035
・電気料
320,000
281,233
38,767
・上下水道料
80,000
50,732
29,268
③通信運搬費
10,000
15,038
-5,038
200,000
170,220
0
0
0
⑥設備修繕費
150,000
137,431
12,569
・年間契約
70,000
97,965
-27,965
・複写機保守料
20,000
15,106
4,894
・その他
60,000
24,360
12,393,000
12,610,663
-217,663
・モニター施設維持
管理業務
3,600,000
3,552,320
47,680
・水質検査
2,500,000
2,541,000
-41,000
・廃液処理費
1,850,000
2,359,807
・水銀分析
250,000
220,500
29,500 ( 有 ) 大新金属商会
・運搬作業
150,000
135,450
14,550 無機系廃液運搬:( 有 ) 大新金属商会
・無機系廃液処理業務
2,000,000
1,982,312
・その他
2,043,000
1,819,274
④旅費
⑤賃借料
⑦業務委託費
⑧施設維持費
-25,131 パソコンソフト,その他
・分科会(徳島;藤原)
29,780 ・総会(名古屋;藤原)
・特管産業廃棄物講習会参加者旅費
17,688 NECファシリティーズ:年2回(8月,2月) 223,726 汚泥引抜,処理等
・廃液処理施設蒸気配管修繕工事
244,650 円
-80,125
・pH 計ジョイントボックス交換工事 318,500 円
1,530,000
1,325,907
204,093
・大学等安全協議会
会費および講習補助
80,000
78,350
1,650
・仮設発電機設置工事
200,000
84,000
・その他
1,250,000
1,163,557
86,443
⑩間接経費
0
0
0
15,753,000
15,753,000
0
− 56 −
・下水道出口(年2回)
・フェライト処理水(年2回)
-509,807 有機系廃液・無機系廃液・現像廃液
580,125
計
・自家用電気工作物保全業務(年4回)
・消防用設備定期点検(年2回)
35,640 漏水修理,フロートスイッチ取り替え
500,000
⑨その他
・環境保全(第 21 号、1500 部)275,520 円
・廃液処理の手引き (1000 部)231,000 円
・特管産業廃棄物講習会受講料 58,350 円
・大学等安全協議会会費 20,000 円
116,000 年1回
・薬品・消耗品ポリタンクなど
(設備・運転に使用)
表7 2006 年度 排水処理施設管理運営費予算
1.総表
区分
一般管理費
予算額
備 考
15,013,000
一般管理費(間接経費)
計
0
15,013,000
2.内訳
区分
予算額
備 考
①事務費
360,000
・印刷代
260,000 環境保全(第 22 号、1500 部)
・消耗品
100,000 書籍、パソコンソフト,その他
②光熱水費
380,000
・電気料
300,000
・上下水道料
80,000
③通信運搬費
20,000 電話料金1万円 、郵便料金1万円 ④旅費
200,000
⑤賃借料
分科会(島根;藤原、山野)6 万円,
総会(東京農大;右田、藤原、山野)14 万円
0
⑥設備修繕費
170,000
・年間契約
100,000
・自家用電気工作物保全業務(年4回)
・消防用設備定期点検(年2回) ・複写機保守料
20,000
・その他
50,000 漏水修理 等
⑦業務委託費
・モニター施設
維持管理業務
12,203,000
3,600,000 ( 有 ) 大新金属商会
・水質検査
2,600,000 ・ 下水道出口(年2回)
・フェライト処理水(年2回)
・廃液処理費
3,130,000 有機系廃液・無機系廃液・現像廃液
・運搬作業
150,000 無機系廃液運搬:( 有 ) 大新金属商会
・無機系廃液処理業務
2,000,000 NECファシリティーズ:年2回(8月,2月)
・その他
723,000 常盤地区 pH 維持管理、
⑧施設維持費
500,000 廃液処理施設修繕工事 500,000 円
⑨その他
1,180,000
・大学等安全協議会会費
および講習補助
・仮設発電機設置工事
・その他
80,000
・特管産業廃棄物講習会受講料 60000 円
・大学等安全協議会会費 20000 円
100,000 年1回
1,000,000 ・薬品・消耗品ポリタンクなど(設備運転に使用)
⑩間接経費
0
計
15,013,000
− 57 −
2005 年度吉田地区各建物pH 異常回数
14
12
10
回数 8
6
4
2
0
4 5 6 7 8 9 1011121 2 3
農学部本館
4 5 6 7 8 9 1011121 2 3 4 5 6 7 8 9 1011121 2 3
総合研究棟
理学部北棟(3号館)
4 5 6 7 8 9 1011121 2 3
理学部本館
4 5 6 7 8 9 1011121 2 3
共通教育
4 5 6 7 8 9 1011121 2 3
教育学部
4 5 6 7 8 9 1011121 2 3
解剖実習棟 場所
図 2 場所毎のpH異常回数
25
20
15
回数
10
5
時間
0
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
不明
図 3 時間別毎の内訳
40
120
100
30
80
回数
回数 20
60
40
10
20
0
0
2
3
4
5
6
7
8
9
10
12 pH
11
日
月
図 4 pH 毎の内訳
火
水
木
金
土
曜日
図 5 曜日毎の内訳
無機系廃液処理施設における作業環境測定結果
表 8 サンプリング日時 サンプリング日時
A測定
B 測定(10 分間)
2006 年 2 月 1 日
13 時 30 分 -14 時 20 分
13 時 33 分 -14 時 43 分
2006 年 8 月 9 日
15 時 00 分 -16 時 00 分
14 時 51 分 -15 時 01 分
備 考
1日測定
表 9 測定対象物質と測定方法
測定対象物質
管理濃度
試料採取方法等 捕集器具名及び型式
使用機器名及び型式
その他条件
シアン化水素
特定化学物質等
3 ppm
検知管
ガステックガス採取器
No12LL(シアン化水素用)
(真空法ガス採取器)
ふっ化水素
特定化学物質等
2 ppm
検知管
ガステックガス採取器
No17(ふっ化水素用) 5.2 min, 0.7 L
(真空法ガス採取器)
ノルマルヘキサン
有機溶剤
4 min, 0.2 L
真空瓶
島津 GC-14 B(ガスク
ロマトクラフ装置)
1L
テドラバッグ
島津 GC-14 A(ガスク
ロマトクラフ装置)
1L
40 ppm
− 58 −
8.4m
シャッター 開
8.7m
7 0.1­0.2m/s
シャッター 開
棚
トイレ
B
ドレン
ピット
3
薬品ユニット
薬品ユニット
給水ユニット
管理室
17.5m
4
0.2­0.3m/s
薬品ユニット
ボイラーユニット
排ガス処理ユニット
開
中和吸着
処理ユニット
脱水処理ユニット ろ液ピット
廃液受槽
NaOH
貯槽
放流槽
B
放流槽
A
シアン 水銀 フッ酸
開
5
B
ドレン
ピット
A
6
重金属廃液受槽
写真廃液ポリタンク
開
倉庫
0.2­0.3m/s
操作盤
8
初期ろ液ピット
4.0m
薬液倉庫
灯油タンク
開
重金属
廃液ユニット
酸化分解
処理ユニット
2
1
開
0.3­0.5m/s
閉
13.0m
: A測定
記号 1 2 3 4 5 6 7 8・・・
: 発生源
: 囲い式フード
: 気流滞留状況
B : B測定点
: 外付け式フード
: 単位作業場所の範囲
図6 無機系廃液処理施設単位作業上および測定点
− 59 −
●: 併行測定点
、
: 風向き
2006 年 2 月 1 日(
(株)太平洋コンサルタント西日本事業所による測定)
表 10 温度、湿度、気流
表 12 測定結果 [濃度:ppm]
A測定
温度
湿度
気流
14 ℃
69%
0.1 ∼ 0.5m/ s
表 11 A測定地点
No.シアン化水素 [ ppm ] ふっ化水素 [ppm] ノルマルヘキサン [ppm]
1
2
3
4
5
6
7
8
0.2 未満
0.2 未満
0.2 未満
0.2 未満
0.2 未満
0.2 未満
0.2 未満
0.2 未満
0.25 未満
0.25 未満
0.25 未満
0.25 未満
0.25 未満
0.25 未満
0.25 未満
0.25 未満
0.4
0.4
0.4
0.4
0.4
0.4
0.4
0.4
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
シアン化水素
ふっ化水素
1日目 全体 1日目 全体
幾何平均値
0.20
0.20 0.25 0.25
幾何標準偏差 1.00
1.95 1.00 1.95
第1評価値
0.6
0.75
第2評価値
0.25
0.31
B 測定 (CB)
0.20
0.25
ノルマルヘキサン
1日目 全体
0.4
0.4
1.00
1.95
1.2
0.5
0.4
表13 評価結果
シアン化水素
ふっ化水素
ノルマルヘキサン
A 測定の結果
B 測定の結果
EA 1< E
CB < E
EA 1< E
CB < E
EA 1< E
CB < E
管理区分
第1
第1
第1
EA 1:第1評価値 EA 2:第2評価値 CB:B 測定の濃度
2006 年 8 月 9 日(財団法人山口県予防保険協会による測定)
表 16 測定結果 [濃度:ppm]
表 14 温度、湿度、気流
A測定
温度
湿度
気流
35.2 ℃
59%
0 ∼ 0.3m/ s
表 15 A測定地点
No.シアン化水素 [ ppm ] ふっ化水素 [ppm] ノルマルヘキサン [ppm]
1
2
3
4
5
6
7
8
0.3 未満
0.3 未満
0.3 未満
0.3 未満
0.3 未満
0.3 未満
0.3 未満
0.3 未満
0.2 未満
0.2 未満
0.2 未満
0.2 未満
0.2 未満
0.2 未満
0.2 未満
0.2 未満
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
シアン化水素
ふっ化水素
1日目 全体 1日目 全体
幾何平均値
0.3
0.3
0.2
0.2
幾何標準偏差 1.00
1.95 1.00 1.95
第1評価値
0.9
0.6
第2評価値
0.4
0.2
0.3
0.2
B 測定 (CB)
ノルマルヘキサン
1日目 全体
1.0
1.0
1.00
1.95
3.0
1.2
1.0
表17 評価結果
シアン化水素
ふっ化水素
ノルマルヘキサン
A 測定の結果
B 測定の結果
EA 1< E
CB < E
EA 1< E
CB < E
EA 1< E
CB < E
管理区分
第1
第1
第1
EA 1:第1評価値 EA 2:第2評価値 CB:B 測定の濃度
新規登録及び廃棄処分ポリタンク集計 2005 年度
表 18 無機系廃液回収用ポリタンク廃棄処分集計表(単位:個)
排水処理
センター
2
0
理学部 人文学部 教育学部 経済学部 農学部 共通教育 医学部 医療短大 工学部 附属病院
重 金 属
合計
34
0
0
0
9
0
14
0
70
水 銀
0
0
0
0
5
0
0
0
0
0
0
5
シ ア ン
2
0
0
0
0
0
1
0
1
0
0
4
ふっ素・りん
2
0
0
0
0
0
12
0
6
0
0
20
15
ふっ素・りん・重金属
129
10
0
0
0
0
0
1
0
4
0
0
特 定 廃 液
2
0
1
0
0
0
2
0
1
0
0
6
現 像 液
0
0
1
0
0
0
15
0
4
0
0
20
定 着 液
0
0
1
0
0
0
27
0
4
0
0
32
合 計
50
0
3
0
14
0
72
0
90
2
0
231
表 19 無機系廃液回収用ポリタンク新規登録集計表(単位:個)
排水処理
センター
0
0
理学部 人文学部 教育学部 経済学部 農学部 共通教育 医学部 医療短大 工学部 附属病院
重 金 属
合計
51
0
2
0
7
3
6
0
23
水 銀
0
0
7
0
2
0
3
0
4
0
0
16
92
17
シ ア ン
0
0
1
0
3
0
4
0
9
0
0
ふっ素・りん
6
0
0
0
2
0
0
0
0
0
0
8
ふっ素・りん・重金属
2
0
0
0
2
0
0
0
7
0
0
11
特 定 廃 液
0
0
0
0
0
0
4
0
0
0
0
4
現 像 液
6
0
2
0
0
0
19
0
5
0
0
32
定 着 液
5
0
2
0
0
0
10
0
8
0
0
25
合 計
70
0
14
0
16
3
46
0
56
0
0
205
− 60 −
5 大学等環境安全協議会報告
排水処理センター 藤 原 勇 第23回大学等環境安全協議会総会・研修会
開催日:平成17年 11月 24日、25日
場 所:名古屋大学 IB 電子情報館 東棟 2 階 IB 大講義室
11月24日
挨 拶
大学等環境安全協議会会長
伊永 隆史
文部科学省大臣官房文教施設企画部
新保 幸一
名古屋大学副総長・理事
杉浦 康夫
研修会 第1部:実務者連絡会企画プログラム (第7回大学等環境安全協議会実務者連絡会 )
I. 大学における薬品管理に関する講演
「PCB廃棄物の処理について」
日本環境安全事業(株)
「労働安全衛生マネジメントシステムの概要・改善事例の紹介」
「薬品管理支援システムー TULIP その後―」
興研(株)
富山大学水質保全センター
村田 省三
岩崎 毅
川上 貴教
II. パネルディスカッッション
「独法化後の実験系廃棄物の自前・外注処理の課題と今後について」
司 会 武藤 一(秋田大学)、
パネリスト 柏木 保人、(筑波大学)、鈴木 一成(浜松医科大学)
、
真島 敏行(京都大学)、大泉 学(新潟大学)、仲川 広(早稲田大学)
大学等環境安全協議会総会(IB 大講義室)(14:00 − 16:00)
平成16年度事業報告、決算報告、監査報告、規約改正、技術賞・功労賞授賞式
平成17年度事業計画、予算案審議、技術賞、功労賞、協議会賞受賞式 実務者連絡会総会(IB 大講義室)
平成 1 6年度事業報告及び決算報告、平成 1 7年度事業計画及び予算案、実務者連絡会功労賞の
贈呈
技術賞受賞講演(IB 大講義室)
島根大学環境安全施設技能補佐員
小沢 崇良
首都大学東京総務部理系管理課 都市環境学部庶務・会計係技術主事
白川 久栄
(有)環境産業 科学技術推進部 課長
川口 聡
NEC ファシリティーズ ( 株 ) プラント施設管理事業部環境施設管理グループ主任
東京大学環境安全研究センター駐在責任者
片山 能裕
環境報告書担当者分科会(工学部 7 号館 701 講義室)(14:00 − 16:00)
環境報告書実施例の紹介
福井大学環境整備課長
中島 廣志
研修会 第2部
特別講演 「メタロミクス : 新学問領域の創成と環境科学の新展開」
名古屋大学大学院工学研究科 教授
懇親会 名古屋大学内 フレンドリー南部
− 61 −
原口 紘 11月25日
展望講演 「環境配慮促進法と環境報告書」
「環境報告書の作成と第三者審査」
環境省総合環境政策局環境経済課 課長
鎌形 浩史
新日本監査法人環境監査部 公認会計士
沢味 健司
「環境報告書の作成に向けての学内体制づくり」
イー ・ アンド ・ イー ソリューションズ ( 株 ) 環境第1事業部 グローバル環境グループリーダー
池 知彦
パネルディスカッション
パネリスト
環境省総合環境政策局環境経済課 課長
鎌形 浩史
新日本監査法人環境監査部 公認会計士
沢味 健司
イー ・ アンド ・ イー ソリューションズ ( 株 ) 環境第1事業部グローバル環境グループリーダー
池 知彦
名古屋大学 廃棄物処理施設 教授
中村 正秋
司 会
京都大学環境保全センター 教授
酒井 伸一
挨 拶
大学等環境安全協議会副会長
藤田 委由
見 学 会 Aコース JESCO( 日本環境安全事業 ( 株 )) 豊田事業所 PCB 処理施設
Bコース 新日本製鉄 ( 株 ) 名古屋製鉄所 プラスチックスリサイクルセンター
今回の総会・研修会の目玉は環境報告書作成に向けての情報交換および収集であったと思われる。本
学からは環境報告書を担当する施設環境部からも3名参加した。本学ではこの総会の時点では、担当部
署は決まっているが、協議組織の全体像は年明けにも担当部署からの説明が行われる予定であることを
聞いている。この特別企画については別会場でより濃厚な意見交換会が企画され環境施設部の方が参加
された。排水処理センターは直接環境報告書の作成には関わっていないが、資料提供という点では協力
することになり、大変参考になった。大環境では環境保全に関しての議題も多く、今回タイムリーなテ
ーマとして「環境報告書」作成の情報交換場を提供した大環境の執行部の意気込みが感じられた。担当
する部署にとってはありがたい企画であったと聞いている。この中で文化省から作成の意図目的、考え
を直に聞くことができた。またコンサルタントから作成のポイント、世界の動向、歴史的な背景の説明
もあり、作成方法のアドバイスについてもあり、担当者が参考になったと後で聞いた。その説明から大
学への環境報告書提出・公開の導入至る経緯が理解できた。また他大学の取り組み状況については、多
くの大学が四苦八苦していることがわかった。本学の様子と比較してすこしほっとした感がある。大環
境の本来からの議題である大学の廃液処理および法人化に伴う労働安全に関することとして、大学の薬
品管理・処理(PCB)に関する演題が実務者連絡会により企画された。またパネルディスカッション
については、実務者の立場から独法化後の実験系廃棄物の自前・外注処理の課題と今後についてそれぞ
れの大学からの現状、これからの方針等、法人化して効率良く大学らしく大学から出た廃液をどうやっ
て処理して教育研究に役立てるかこれまでも討論されてきたが今回も現状報告も含めての討論となっ
た。前回に引き続き実務者連絡会が総会研修会のプログラムに組み込まれた形で会は進行された。今回
の総会研修会では環境報告書の公開を通じて大学の説明責任を果たすことについて現実となった企画で
あった。
第22回大学等環境安全協議会技術分科会
開催日:平成 18 年 7 月 27 日、28 日
場 所:島根県民会館
7月27日(木)
挨拶
大学等環境安全協議会会長
− 62 −
伊永 隆史
文部科学省文教施設企画部参事官付参事官補佐
中島 省吾
島根大学副学長
山本 廣基
島根大学総合理工学部物質科学科教授
奥村 稔
長崎大学環境学部教授
武政 剛弘
名古屋大学 環境安全衛生管理室 助教授
安田 啓司
島根大学 生物資源科学部 助教授
巣山 弘介
特別講演
「固相を利用した分離分析と水質浄化」
パネルディスカッション
「環境報告書作成の進捗状況」
パネリスト
一般講演
「大学に於ける職場巡視と学内スタッフ協力の重要性
∼TIG溶接に伴う放射線被曝を例として∼」
愛知教育大学 理科教育講座
榊原 洋子
「ドイツおよびアメリカの大学における廃液・排水管理」
神戸大学 環境管理センター
吉村 知里
プロジェクト報告
「大学等における化学物質等環境安全対策の手引き作成検討」
代表者
伊永 隆史
「環境安全学の創成」
代表者
高月 紘
「環境安全教育のためのモデル実験室の提案」
代表者
大島 義人
浜松医科大学 名誉教授 大学等環境安全協議会名誉会員
松島 肇
懇親会 (松江ニューアーバンホテル別館) 7月28日(金) 特別講演
「医療廃棄物の適正処理とその課題」
実務者連絡会企画プログラム
技術報告 「PCB、ダイオキシン、アスベストの話題」
「大学等における化学物質の暴露防止対策」
興研(株)労働衛生コンサルタント事務所
岩崎 毅
NEC ファシリティーズ(株)
環境ユニット営業グループ
立石 和男
「アスベストの調査と対策」
事例報告 「労働安全衛生に基づく「作業環境」の話題」
「東北大学における作業環境測定について −試行から 2 年を経て−」
東北大学環境保全センター
進藤 拓
「浜松医科大学における作業環境測定とその結果への対応」
浜松医科大学 医療廃棄物処理センター
鈴木 一成
「理研・和光研究所における事故事例と再発防止策」
理化学研究所 安全管理部 吉識 肇、宮川 眞言、澤 宏
挨拶
大学等環境安全協議会 副会長
藤田 委由
この分科会では、一つは前回の総会・研修会で取り上げられた、
「環境報告書」についての最後の意
見交換会であったと思う。環境報告書の公開が、2月後と迫った時期であった。他の大学もほとんど大
− 63 −
枠で完成している様子ではあったが、他大学の出来具合が気になると思われた。できあがった報告書の
外部審査や内部審査について、個別に様子を聞かれている立ち話も多かったように見えた。二つ目とし
てPCB、ダイオキシンの処理委託状況および昨今、ニュースで取り上げられた建物へのアスベストの
含有状況調査結果についての話題が取り上げられた。また労働安全衛生に基づく話題として、自前で作
業環境測定を行っている東北大学事例、職場巡視におけるトラブルにであった事例等、法人化して2年
過ぎても労働安全に関して思わぬことにであった事例については、本学も他大学のことではないような
気がした。
特定領域研究シンポジウム「環境安全学の創成と教育プログラムの開発」
第5回特定領域研究シンポジウム
日時:平成 18 年 7 月 28 日 ( 金 ) 13:00 ∼ 16:00
場所:島根県民会館
開会挨拶
領域代表 京都大学 名誉教授
高月 紘
最終成果集目次
1.環境安全学とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
2.環境安全学におけるリスク ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
2.1 労働安全衛生と教育研究における環境安全荷 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
(リスク量の視覚的理解 ・・・ 矩形近似法による損失余命の推定)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
14
2.2 作業環境測定と連続モニターリング ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
2.3 フィジカルリスク ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20
2.4 化学物質管理と PRTR 法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
24
(化学実験における環境安全史−実験化学者の回想−)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
29
3.環境医安全な組織マネジメント(ソフトインフラ) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
31
3.1 教育機関における環境マネジメントシステム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
31
3.2 教育機関における安全衛生マネジメントシステム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
35
(社会的要請によって成立した EHS 組織 ・・・ 米国 MIT の実例)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
38
4.環境安全な教育研究基盤(ハードインフラ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
41
4.1 実験は廃液と実験廃棄物の管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
41
4.2 原点処理と処理技術 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
46
4.3 ダウンサイジングによる環境安全・発生抑制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
49
(小・中・高等学校での理科実験 ・・・ 安全と廃棄物問題)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
53
5.体系的環境安全教育とその改善
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
55
5.1 化学物質等を取り扱うためのライセンス制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
55
5.2 ネットワークと利用した化学物質等の適正管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
58
5.3 環境案線の法と倫理に関わる教育の展開 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
63
第5回目のシンポジウムが分科会後に企画された。今回は最終報告書の説明であり、このプロジェク
トは昨年度で終わった。しかし「環境安全学の創成と教育プログラムの開発」については、これでおわ
りではなく、このテーマは引き続き大環境で発展していかなければならないテーマではないかという意
見がでている。是非、今後の展開を期待したい物である。
− 64 −
6.排水処理センタ−運営協議会,山口大学環境保全編集委員会報告
排水処理センター 藤 原 勇 山口大学環境保全第21号以降の排水処理運営協議会および山口大学環境保全編集委員会の内容は
次の通りである。
1.排水処理センタ−運営協議会
平成 18 年第1回排水処理センタ−運営協議会(平成 18 年 4 月 24 日開催)
1)報告事項
1.平成 17 年度事業報告について
資料に基づき、平成 17 年度の新規事業 1) 教育及び農学部実験排水流入槽の汚泥引抜 2) 工学部
pH 計維持管理業務を 11 月から開始した事 3) 廃液処理の手引き第 3 版発刊。通年の事業として 1)
平成 17 年度の廃液の回収量、2) 無機系廃液の学内処理回数および処理量、処理の結果、3) 下水
道口および学部の水質検査結果、4) 廃液の出し方についての講習会、吉田地区廃棄物貯蔵施設の
利用説明会、5) 排水処理センターの大学公開への参加、6) 授業および研究室単位の見学説明会を
行ったこと、7) 平成 17 年の特別管理産業廃棄物責任者の講習に5名参加、について説明があった。
その他、吉田地区理科系建物の pH 異常排水の流入、廃液ポリタンクの配布及び処分、について
報告および説明があり承認された。
2.平成 17 年度決算報告について
藤原センター主任より説明があり、有機系廃液量が毎年増大していること、処理業者が昨年度
途中から変更となり経費増となった事。 3.その他 1) 排水処理センター運営協議会の委員の構成について、大学教育機構から2名(大学
教育センター、保健管理センター)
、産学公連携創業支援機構から1名、総合科学実験センターか
ら1名選出することとなり、メール持ち回り決済で了承された。 2) 平成 18 年 1 月 17 日理学部本
館において pH11 以上の実験系排水が流れこみ、その結果実験排水モニター施設で pH10 以上が観
測され、理学部長に原因調査の回答を受けたこと。3) 排水処理センターが「環境対策検討部会の
技術支援」として、協力することとなったこと。4) 山野聖子さんを排水処理センターの技術職員
として採用したこと。5) 藤原主任の教育授業業績について。6) 藤原主任が平成 18 年度「山口市廃
棄物減量推進委員」に兼業することになったこと。
2)協議事項
1.平成 18 年度事業計画について
藤原センター主任より平成 18 年度の廃液回収計画および廃液の出し方についての講習会等の計
画、宇部地区の排水 pH 計の維持管理ができる体制を整える計画の説明があり、承認された。
2.平成 18 年度予算案について 藤原センター主任より説明があり承認された。
3.山口大学環境保全第 22 号の編集について
昨年度に引き続き、和泉(教育)編集委員長および朝日(理)
、松永(付属病院)、陳(経、一
ノ澤委員の後任)、藤原(排水セ)編集委員に選び、今年の特集は「山口大学の環境配慮推進活動」
の提案があり、了承された。
4.特別管理産業廃棄物責任者講習会の参加費用負担をうち切ることが承認された。
5.その他 右田センター長より、1) 全学の薬品使用量の調査等を富山大学の薬品管理システム
(TULIP) を試行的に導入し、数研究室で試用し、その後全学的に導入する予定であること。2)
今年度農学部の排水 pH を 24 時間記録するシステムを導入し試行的に記録する予定である。3)
「排水処理センター」の名称を「環境保全センター」と変更案が出されたが、排水処理センター
業務の一部が労働安全とも係わっており、他部署との業務分担を明確にする。また排水処理セ
ンターは総合科学実験センターの組織下にある等の諸事情を考えて、数年の内に結論を出すこ
とにした。4) 環境教育について排水処理センター施設および職員を環境教育の拡充に理科系だ
けでなく人文社会系の学部でも積極的に活用する案について、積極的な提言を依頼した。
2.山口大学環境保全第 22 号編集委員会
平成18年 4 月 24 日に開催され、今年の特集は「山口大学の環境配慮推進活動」とした。
− 65 −
7.廃棄物処理の実績
排水処理センター 山 野 聖 子 平成 17 年度の山口大学各キャンパス(吉田、小串、常盤)の廃棄物処理の実績を前年度に引続きま
とめてみた。以下の表は業者へ処分委託した廃棄物の量及び処分委託費についてキャンパスごとにまと
めたものである。また、廃棄物処理に関する現状の課題についてもあわせて記載した。
1.廃棄物委託処分について
表 1 は山口大学が業者へ処分委託した廃棄物の量をまとめたものである。各キャンパスにおいて廃棄
物の分類は違っている。廃棄物は学外で処理またはリサイクルして、再利用されることになる。以下に
集計結果を示した。
表 1 廃棄物委託処分量
可燃ごみ
可燃ごみ
吉田地区
小串地区
常盤地区
合 計
古 紙
162.3
409.4
55.9
627.6
28.1
28.1
不 燃 物
感染性
給食有機
空き缶・ 蛍光灯・ 医療廃棄物
汚泥
粗大ごみ
瓶
電池類
56.7
17.0
0
43.4
273.4
0.0
19.6
0.0
0
121.2
290.46
0.0
実験動物
死体
不用薬品
0.2
12.6
0
12.7
21.8
0.5
1.2
23.504
合 計
258.0
739.3
104.8
1103.7
表 2 は上記の廃棄物委託処分にかかる費用をまとめたものであり、各種廃棄物の 1 トンあたりの委託処
分費を表 3 に示した。
表 2 廃棄物委託処分費
可燃ごみ
可燃ごみ
吉田地区
小串地区
常盤地区
合 計
古 紙
2,113
863
275
不 燃 物
感染性
給食有機
空き缶・ 蛍光灯・ 医療廃棄物
汚泥
粗大ごみ
瓶
電池類
5,895
2,172
0
11,962
20,258
335
3,264
0
0
24,372
22,430
335
実験動物
死体
不用薬品
29
2,205
0
2,234
2,537
675
1,890
5,102
合 計
12,746
35,435
6,292
54,473
表 3 廃棄物委託処分費(トン当り)
可燃ごみ
可燃ごみ
吉田地区
小串地区
常盤地区
古 紙
0.077
0.065
0.102
不 燃 物
感染性
給食有機汚 実験動物死
蛍光灯・電 医療廃棄物
泥
体
粗大ごみ 空き缶・瓶
池類
0.00962
0.008
0
0.006
0.038
0.013
0
0.006
0.006
0
0
0
2.廃棄物処理に関する現状の課題
各キャンパスでの廃棄物処理に関する現状の課題について内容をまとめてみた。
1)吉田キャンパス
①廃棄物の分別不徹底(可燃物・不燃物・資源物の混合)
②放置自転車の増加
2)常盤キャンパス
①構内の不法投棄ごみ及び放置車両等の処分
②構内の散乱ごみの清掃
③ごみの分別収集方法及び処理の見直し
3)小串キャンパス
− 66 −
不用薬品
0.0086
0.0007
0.0006
①家電製品等の不法投棄、放置自転車、家庭からのゴミの持ち込み(学生、職員、患者、見舞客など)
対応:ゴミ箱を必要以上に設置しない、関係者へのアナウンス(通知、指導、掲示等)
②廃棄物の分別不徹底(可燃・不燃物・感染性廃棄物の混同)
表4 吉田キャンパス廃棄物処理状況
廃棄物の種類
処分量(t)
処 分 方 法
処分費
(千円)
古紙
産業処分業者へ委託
可燃ごみ
紙 類
プラスチック類
その他
産業処分業者へ委託
同 上
同 上
162
不燃ごみ
粗大ごみ
空き缶・瓶
蛍光灯・電池類
産業処分業者へ委託
同 上
同 上
56.7
5,895
感染性医療廃棄物
業者委託
(産廃処分業者へ)
17.0
2,172
不用薬品
業者委託
(産廃処分業者へ)
21.8
2,537
2,113
表5 小串キャンパス廃棄物処理状況
廃棄物の種類
可燃ゴミ
紙類
その他
プラスティック類
不燃ゴミ
機器類
空缶・空瓶
蛍光灯・電池類
給食有機汚泥
感染性医療廃棄物
実験動物死体処理・病理廃棄物処理
不用薬品
処分量
(t)
処理方法
業者委託
(焼却処理及びリサイクル)
処分量(㍑)
処分費
(千円)
409.35
業者委託
(焼却処理及び埋立)
11,962
業者委託
(リサイクル)
業者委託
(リサイクル)
業者委託
業者委託
(脱水・焼却処理)
業者委託
(電気炉にて溶融処理)
業者委託
(電気炉にて溶融処理)
業者委託
(焼却処理及び中和)
43.40
6.5
335
20,258
2,205
675
273.42
12.58
0.49
常盤キャンパス廃棄物処理状況
表6 家電リサイクル集計表 表8 常盤キャンパス廃棄物処理状況 品目
合計台数
エアコン
0
テレビ
11
表7 分類別廃棄物量(t)
一般廃棄物
産業廃棄物
合計
85.7
19.1
104.9
冷蔵庫
19
洗濯機
2
処理方法
種別
燃やせるゴミ
可燃物
木くず・剪定枝
木くず
草
古紙
不燃物
不用薬品
合計 /t
焼却
53
焼却
2.2
リサイクル
0.8
焼却
処分費(千円)
863.3
0.0
古紙
リサイクル
28.1
275.0
金属くず 缶
リサイクル
7.2
2,516.3
ビン
リサイクル
1.7
107.3
薬品ビン
溶融
プラ製容器(廃プラ)
溶融
廃プラ
埋め立て
1.4
0.8
7.0
38.3
その他
埋め立て
0.0
発泡スチロール
埋め立て
0.4
蛍光灯
溶融
0.9
電池
溶融
0.2
水銀
溶融
0.0
強酸
中和
0.1
引火性廃油
焼却
0.2
廃酸
中和
0.1
汚泥
油水分散
0.7
廃油
油水分散
合 計
− 67 −
処理方法
419.8
67.3
115.2
1,890.0
0.3
104.9
6,292.5
8.名簿一覧
吉田地区施設環境委員会
部局名
職名
氏名
任期
人文学部
学部長
田 中 誠 二
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
教育学部
学部長
吉 田 一 成
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
経済学部
学部長
藤 井 大司郎
18. 4. 1 ∼ 20. 3.31
理学部
学部長
増 山 博 行
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
農学部
学部長
古 賀 大 三
18. 4. 1 ∼ 20. 3.31
大学院東アジア研究科
研究科長
小 谷 典 子
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
大学院連合獣医学研究科
研究科長
林 俊 春
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
所長
平 田 牧 三
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
保健管理センター
学術情報機構
機構長
福 政 修
18. 5.16 ∼ 20. 5.15
大学教育センター
センター長
岩 部 浩 三
18. 5.16 ∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
センター長
木 曽 康 郎
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
埋蔵文化財資料館
館長
糸 長 雅 弘
18. 5.16 ∼ 20. 3.31
排水処理センター
センター長
右 田 たい子
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
18. 5.16 ∼ 20. 3.31
メディア基盤センター
備考
委員長
センター長
三 池 秀 敏
施設環境部長
郡 田 等
職名
氏名
任期
備考
工学部
学部長
三 浦 房 紀
18. 4. 1 ∼ 20. 3.31
委員長
工学部
副学部長
堀 憲 次
18. 4. 1 ∼ 20. 3.31
保健管理センター
所長
平 田 牧 三
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
地域共同研究開発センター
センター長
清 水 則 一
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
埋蔵文化財資料館
館長
糸 長 雅 弘
18. 5.16 ∼ 20. 3.31
排水処理センター
センター長
右 田 たい子
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
メディア基盤センター
センター長
三 池 秀 敏
18. 5.16 ∼ 20. 3.31
事務局
常盤地区施設環境委員会
部局名
工学部図書館
館長
福 永 公 壽
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
工学部
教授
森 田 昌 行
18. 4. 1 ∼ 20. 3.31
学生委員会委員
工学部
教授
江 鐘 偉
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
機械工学科長
工学部
教授
大 石 勉
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31 応用科学工学科長
工学部
教授
関 根 雅 彦
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31 社会建設工学科長
工学部
教授
内 藤 裕 志
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31 電気電子工学科長
工学部
教授
宮 本 文 穂
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
工学部
教授
諸 橋 眞 一
工学部
教授
中 村 安 弘
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31 機能材料工学科長
感性デザイン
18. 4. 1 ∼ 20. 3.31
工学科長
工学部
教授
島 村 修 二
18. 4. 1 ∼ 20. 3.31
共通講座主任
工学部
教授
喜 多 英 敏
18. 4. 1 ∼ 20. 3.31
理工学研究科環境
共生工学専攻長
工学部
教授
上 西 研
18. 4. 1 ∼ 20. 3.31
生工学専攻長
事務局
施設環境部長
郡 田 等
工学部
事務長
久 保 賢 治
工学部
教授
和 田 憲 造
− 68 −
18. 4. 1 ∼ 20. 3.31
知能情報システム
工学科長
小串地区施設環境委員会
部局名
医学部
医学部附属病院
保健管理センター
総合科学実験センター
埋蔵文化財資料館
排水処理センター
メディア基盤センター
医学部図書館
医学部
医学部
医学部附属病院
事務局
医学部
職 名
氏名
任期
学部長
病院長
所長
センター長
館長
センター長
センター長
館長
教授
教授
教授
施設環境部長
事務部長
前 川 剛 志
松 﨑 益 德
平 田 牧 三
木 曽 康 郎
糸 長 雅 弘
右 田 たい子
三 池 秀 敏
芳 原 達 也
中 村 和 行
高 橋 睦 夫
岡 正 朗
郡 田 等
大 竹 健 治
18.
17.
17.
17.
18.
17.
18.
18.
18.
18.
18.
備考
4. 1 ∼ 20.
4. 1 ∼ 19.
4. 1 ∼ 19.
4. 1 ∼ 19.
5.16 ∼ 20.
4. 1 ∼ 19.
5.16 ∼ 20.
4. 1 ∼ 20.
4. 1 ∼ 20.
4. 1 ∼ 20.
4. 1 ∼ 20.
3.31
3.31
3.31
3.31
3.31
3.31
3.31
3.31
3.31
3.31
3.31
委員長
総合科学実験センター運営委員会
部局名
職名
氏名
任期
総合科学実験センター
センター長
木 曽 康 郎
∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
副センター長
水 上 洋 一
∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
分析実験分野長
阿 部 憲 孝
∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
生命科学分野長
山 口 和 人
∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
資源開発分野長
(水 上 洋 一)
∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
排水処理センター長
右 田 たい子
∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
機器分析実験施設長
藤 井 寛 之
∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
生体分析実験施設長
有 働 公 一
∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
実験動物施設長
村 田 智 昭
∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
生命科学実験施設長
(山 口 和 人)
∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
アイソトープ分析施設長
真 野 純 一
∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
アイソトープ実験施設長
(有 働 公 一)
∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
遺伝子実験施設長
(水 上 洋 一)
∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
排水処理センター主任
藤 原 勇
∼ 19. 3.31
総合科学実験センター
講師(生命科学実験施設) (村 田 智 昭)
総合科学実験センター
助手(アイソトープ実験施設)
坂 口 修 一
−
総合科学実験センター
助手(遺伝子実験施設)
船 越 丈 司
−
人文学部
助教授
乾 秀 行
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
教育学部
教 授
塩 田 正 俊
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
経済学部
助教授
陳 禮 俊
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
理学部
教 授
繁 岡 透
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
医学部
教 授
中 村 彰 治
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
工学部
助教授
赤 田 倫 治
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
農学部
教 授
滝 本 晃 一
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
附属病院
教 授
杉 野 法 広
17. 4. 1 ∼ 19. 3.31
− 69 −
∼ 19. 3.31
備考
委員長
排水処理センター運営協議会委員名簿
平成18年4月1日現在
部 局 名
職名
氏 名
任 期
備 考
排水処理センター
センター長
右 田 たい子
17.4.1 ∼ 19.3.31
委員長
排水処理センター
センター主任
藤 原 勇
17.4.1 ∼ 19.3.31
委 員
人文学部
助教授
山 本 真 弓
17.4.1 ∼ 19.3.31
委 員
教育学部
助教授
和 泉 研 二
17.4.1 ∼ 19.3.31
委 員
経済学部
助教授
陳 禮 俊
17.4.1 ∼ 19.3.31
委 員
理学部
教授
朝 日 孝 尚
17.4.1 ∼ 19.3.31
委 員
医学部
教授
芳 原 達 也
17.4.1 ∼ 19.3.31
委 員
工学部
教授
野 口 三千彦
17.4.1 ∼ 19.3.31
委 員
農学部
助教授
細 井 英 嗣
17.4.1 ∼ 19.3.31
委 員
附属病院
教授
松 永 尚 文
17.4.1 ∼ 19.3.31
委 員
大学教育センター
助教授
何 暁 毅
18.4.1 ∼ 20.3.31
委 員
保健管理センター
所長
平 田 牧 三
18.4.1 ∼ 20.3.31
委 員
地域共同研究開発センター
助教授
瀧 本 浩 一
18.4.1 ∼ 20.3.31
委 員
総合科学実験センター
助教授
藤 井 寛 之
18.4.1 ∼ 20.3.31
委 員
広報誌編集委員会委員
部 局 名
官職
氏 名
任 期
備 考
教育学部
助教授
和 泉 研 二
17.4.1 ∼ 19.3.31
編集委員長
経済学部
助教授
陳 禮 俊
17.4.1 ∼ 19.3.31
編集委員
理学部
教授
朝 日 孝 尚
17.4.1 ∼ 19.3.31
編集委員
附属病院
教授
松 永 尚 文
17.4.1 ∼ 19.3.31
編集委員
排水処理センター
主 任
藤 原 勇
17.4.1 ∼ 19.3.31
編集委員
排水処理センター職員
官職
氏 名
任 期
センター長
右 田 たい子
17.4.1 ∼ 19.3.31
センター主任
藤 原 勇
17.4.1 ∼ 19.3.31
センター技術職員
山 野 聖 子
− 70 −
備 考
9.2005 年度排水処理センター活動日誌
2005年
4月1日
4月6日
右田たい子排水処理センター長就任
排水処理センター施設及び学部のpH計、
モニター施設見学、
廃液の出し方の説明
理学部本多研究室(学生4名(学部3名:大学院1名)
)
4月25日
実験廃液の出し方講習会
(常盤地区)工学部D11講義室 16:10- 参加者101名
5月16日
第1回無機系廃液回収
(吉田地区)
5月11日
実験廃液の出し方講習会
(吉田地区)理学部15番教室 17:30- 参加者88名(農学部 22名、理学部 65名、
総合科学1名)
6月1日
排水処理センター見学 工学部 機能材料工学科 1年生 75名
6月3日
第1回構内の水質検査および下水道出口の排水のサンプリング
6月7日
第1回有機系廃液回収
(吉田地区)
6月10日
第1回有機系廃液回収
(常盤、小串地区)
6月15日
吉田地区廃棄物貯蔵施設利用説明会 理学部15室 17:30- 参加者29(農学部6名、理学部21名、総合科学1名、
時間研1名)
吉田地区廃棄物貯蔵施設利用手引き 作成
6月21日
実験廃液の出し方講習会
(小串地区)16:00-17:30参加者36名
7月4日
第2回無機系廃液回収、
第1回写真廃液回収(吉田地区)
7月5日
第1回無機系廃液回収、
第1回写真廃液回収(常盤、
小串地区)
7月21日
第1回排水処理センタ−運営協議会開催、
環境保全編集委員会開催
7月28日-29日 大学等環境安全協議会分科会 (徳島大学 藤原参加)
8月8日-13日 第1回無機系廃液処理
(NEC)
8月8日-9日 オープンキャンパス 排水処理センター公開 15:00-17:00
訪問者 高校生 2名、大学生0名
8月9日
第1回排水処理センター作業環境測定 15:00−16:00
9月3日
教育学部、
農学部実験排水流入槽の汚泥引き抜き
9月5日
第3回無機系廃液回収
(吉田地区)
9月20日
第2回有機系廃液回収
(吉田地区)
9月22日
第2回有機系廃液回収
(常盤、小串地区)
10月14日
排水処理センターの説明及び排水処理センター見学
理学部地球・化学学科化学専攻2年生45名
11月7日
第4回無機系廃液回収、
第2回写真廃液回収(吉田地区)
11月8日
第2回無機系廃液回収、
第2回写真廃液回収(常盤、
小串地区)
11月10日
工学部pH計維持管理業務開始
(月2回)
11月24日-25日 大学等環境安全協議会分科会 (名古屋大学 藤原参加)
11月25日
特別管理産業廃棄物講習
(広島市:参加者3名)
12月6日
第3回有機系廃液回収
(吉田地区)
12月8日
第3回有機系廃液回収
(常盤、小串地区)
12月9日
第2回構内の水質検査および下水道出口の排水のサンプリング
12月10日
無機系廃液学外処理 アサヒプリテック
(株)
12月19日
排水処理センターの説明及び排水処理センター見学
「化学の考え方」受講生2-4年生32名
12月22日
特別管理産業廃棄物講習
(福岡市:参加者2名)
2006年
1月16日
第5回無機系廃液回収
(吉田地区)
1月30日-2月4日 第2回無機系廃液処理
(NEC)
8月 9日 第2回排水処理センター作業環境測定 13:30−14:30
2月20日
第6回無機系廃液回収、
第3回写真廃液回収(吉田地区)
2月21日
第3回無機系廃液回収、
第3回写真廃液回収(常盤、
小串地区)
2月23日
第4回有機系廃液回収
(吉田地区)
2月24日
第4回有機系廃液回収
(常盤、小串地区)
3月7日
山口市下水道採水
3月28日
山口大学環境保全第21号発刊
3月30日
廃液処理の手引き 第3版発刊 − 71 −
10.新任のあいさつ
排水処理センター 山 野 聖 子 平成 18 年 4 月 1 日付で、排水処理センターの技術職員に就任しました。就任から 1 年近くが経ち、
ようやくセンターの業務内容が分かってきたところです。今年度は業務範囲を広げるために、たくさん
の資格を取得する機会を与えていただきました。また、大学等環境安全協議会の分科会や総会にも出席
させていただき、他大学の状況などが少しずつ分かってきました。
排水処理センターの主な仕事のひとつに、実験・研究に伴って発生する様々な廃液(無機系廃液、有
機系廃液、写真廃液)の回収作業があります。これまでに何度か回収に立ち会ってきましたが、廃液回
収は家庭ゴミの回収に非常によく似ていると感じます。例えば、
「きちんと分別(分類)しましょう」
、
「指定された日時に指定された袋(容器)で出しましょう」などという決まり事も同じです。そして何
より、多くの人が、ゴミ(廃液)のその後の行方に関心を持たないことが最大の類似点ではないかと思
います。みなさんは、
「ゴミ(廃液)はゴミステーション(回収場所)に持って行ったら終了!」と考
えていませんか? センターに集められた廃液が、その後どうやって処理されるのか御存知ですか? 私自身、昨年までは本学の学生として廃液を出していましたが、廃液のその後など、ほとんど気にとめ
たことはありませんでした。しかし、センターに入って実際に処理の方法を学ぶようになって、
「なる
ほど!」と思うことがたくさんありました。例えば、無機系廃液の分類は、なぜ 6 種類(重金属、水銀、
シアン、ふっ素・りん、ふっ素・りん・重金属、特定)なのでしょう? 適当に分類しているわけでは
なく、ちゃんと意味があるのですが、みなさんはお分かりですか? 答えは、来年度の「廃液の出し方
講習会」の時にでもお話しできればと思っています。また、排水処理センターでは、年に 2 回、無機系
廃液の処理作業を行っています。処理作業は、どなたでも見学することができますので、興味のある方
は、是非一度センターまで足を運んでみてください。
他にも、実験系の流しから出る排水の pH 監視も常時行っています。万一、危険な排水が流された場
合には、きちんと処理をしてから下水に流すことで、地域の環境保全にも一役買っているのです。
最後に、廃液や排水に関して疑問に思うことがありましたら、どんなことでもお気軽に尋ねていただ
ければと思います。まだまだ勉強中なので、お答えできないことも多いかも知れませんが、みなさんと
一緒に「どうして?」を「なるほど!」に変えていければと願っています。
排水処理センター E-mail: [email protected]
電話 : 083-933-5137
山野 聖子
E-mail: [email protected]
電話 : 6137(内線専用)
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11. 編集後記
山口大学環境保全第22号では、丸本新学長に「環境問題における地域貢献」という題の巻頭言をお
寄せ頂きました。山口大学の持つ人材や技術を国内外の環境問題に積極的に役立て貢献していくことが、
基幹総合大学としての役割を担う大学として重要との力強いメッセージでした。
平成17年4月、「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に
関する法律」(環境配慮推進法)が施行されました。この法律は事業者に対して、環境マネジメント体
制を明確にし、エネルギーの削減による CO2 の抑制や環境汚染の防止など自然環境に対する負荷の抑
制や配慮を適切に実施して、事業年度ごとに環境報告書を作成し公表することを義務づけています。山
口大学でも環境マネジメント対策推進会議をはじめとする環境マネジメント体制が構築され、様々な環
境配慮推進活動が実施されています。これらの詳細は、9月末に「環境報告書 2006」として公表され
ました(http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~fms-01/kankyo/kankyo_index.html)
。そこで本号の特集として
は、「山口大学の環境配慮推進活動」について、全国にネットワークを持ち多様な環境対策を展開して
おられる大学生協さんと、実務の第一線でご担当されている施設環境部と財務部の方々に執筆をお願い
しました。お陰さまで、具体的な事例や現在の仕組み、今後の課題等の把握に役立つ特集となりました。
環境に配慮する各々の真摯な取り組みと関連部署間の密接な連携により、環境配慮推進活動がさらに充
実していくことを期待します。
解説、話題等では、身近な自然観察に基づいた環境教育や生ゴミ・廃油処理といった身近な実践的話
題、物質循環が環境に与える影響の深遠さや環境統計という視点から見た環境対策の特徴などグローバ
ルな話題、過去の経験や日頃の疑問から発した問題点や責任感に関する話題など、多岐にわたる内容と
なりました。多彩な分野から原稿をお寄せ下さいました皆様には深く感謝致します。
今年はサッカーのワールドカップがドイツで開催されました。この大会で FIFA(国際サッカー連盟)
は、
「グリーン・ゴール」という大会の環境コンセプトを掲げ、ドイツ政府や各種団体の協力のもと、ゴミ、
エネルギー、水、交通に関して数値目標を設けて、環境に優しい大会を目指しました。また、2月に行
われたトリノオリンピックは、WWF( 世界自然保護基金 ) から「環境に対して配慮した大会であった」
と評価されたそうです。環境に対する配慮は、組織としての取り組みと個人の意識の双方が相まって、
より効果が上がるものと思われます。本環境保全がその一助となれば幸甚です。
終わりに、ご多忙中に原稿を執筆いただいた教職員及び卒業生、また編集に多大な貢献をいただいた
右田排水処理センター長、藤原センター主任、本年度センターに着任された山野先生に深く感謝いたし
ます。
平成18年11月28日
編集委員長 和泉研二
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山口大学 環 境 保 全 № 22
平成 18 年 12 月 発刊
編集発行 山口大学総合科学実験センター
排水処理センター
〒 753-8511 山口市大字吉田 1677-1
TEL(083)933-5137 FAX(083)933-5138
E-Mail:[email protected]
http://ds22.cc.yamaguchi-u.ac.jp/ haisui/
index_j.html
(題字 粟屋和彦 元山口大学学長)
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