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学校運営のための法制問答集

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学校運営のための法制問答集
平成26年度
学校運営のための法制問答集
茨城県学校長会「学校長必携第31集」
茨城県小中学校教頭会「法制研修会記録」
平成27年3月
茨 城 県 学 校 長 会
茨城県小中学校教頭会
平成26年度
茨城県学校長会
「学校長必携第31集」
1
「療養休暇」に関する問題
1
2
「学校事故」に関する問題
3
3
「児童生徒の就学管理」に関する問題
5
4
「職員の休業制度」に関する問題
8
5
「学校運営必携
11
○
平成26年度
十訂版」の訂正について
編集者一覧
13
1
問1
「療養休暇」に関する問題
妊娠に起因する疾病にかかった場合,療養休暇の上限期間90日の対象から除外されたが,
妊娠に起因する疾病には,具体的にどのような疾病があるか。
(1)
規則の改正について
県は,「職員の休日及び休暇に関する規則」(昭和29年7月13日付茨城県人事委員会規則第
13号)を平成26年3月27日に改正し(4月1日施行),療養休暇の上限期間90日の対象から除
外する規定に『妊娠に起因する疾病にかかった場合』を加えた。
併せて「職員の休日及び休暇に関する規則の運用について」(平成20年3月27日付茨人委第
414 号人事委員会委員長通知)も改正した(平成26年3月27日茨人委第335号通知)。
妊娠に起因する疾病にかかった場合,療養休暇の上限期間90日の対象から除外する規定に
ついては,「職員の休日及び休暇に関する規則の一部改正等について」(平成26年4月1日付
教総第26号通知)で,茨城県教育委員会より周知された。
(2)
妊娠に起因する疾病
「職員の休日及び休暇に関する規則の一部改正等について」(平成26年3月27日付茨人委第
335号通知)により,新たに「職員の休日及び休暇に関する規則の運用について」の第3条関
係(療養休暇関係)第5項に,『規則第3条第1項第3号の「妊娠に起因する疾病」とは,妊
娠に直接起因して生じる「切迫流産,切迫早産,妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症),子宮外妊
娠,胞状奇胎」等をいい,精神疾患は含まない。』と規定された。
問2
妊娠に起因する疾病にかかり,連続3か月以上の療養休暇を取得する必要が生じた際,
茨城県教職員健康審査委員会への申請は必要か。
「茨城県教職員保健管理規則(昭和36年3月29日付教育委員会規則第7号)」第3条の規定
により,「引続き3か月以上の休養又は療養が必要であると認められた者は,健康審査申請書
(様式第1号)に医師の診断書(様式第2号)その他必要な資料を添えてすみやかに教育長に
提出しなければならない。」とある。
今回の「職員の休日及び休暇に関する規則」や「職員の休日及び休暇に関する規則の運用に
ついて」の改正では,療養休暇の上限期間90日の対象から除外されることを規定したものであ
り,茨城県教職員健康審査委員会の申請手続きの変更を規定したものではない。したがって従
来どおり茨城県教職員健康審査委員会への申請は必要である。
-1-
-1-
問3
妊娠に起因する疾病にかかり,茨城県教職員健康審査委員会に申請を行い,療養休暇を
取得し出産した場合,解除申請はいつどのようにするか。
「平成26年度茨城県教職員健康審査委員会について」(平成26年3月25日付保体第1815号通
知)の「4
事務手続き上の留意点」の(7)に,「切迫流産等で療養休暇を申請する場合は,
産休開始日と出産予定日を必ず明記してください。また,出産後,忘れずに「A1解除(指定
区分変更)」の手続きをしてください。」とある。
したがって,出産後,A1解除(指定区分変更)の手続きを行う必要がある。
問4
医師の診断書に,妊娠に起因する疾病名と精神疾患が併記された場合,療養休暇の上限
期間90日の対象から除外されるか。
精神疾患が併記されたとしても,妊娠に起因する疾病が継続する場合は,母体の保護を考慮
し,療養休暇の上限期間90日の対象から除外されると思われる。ただし,診断書の内容を吟味
する必要がある。
問5
療養休暇の初期は妊娠に起因する疾病のみの診断で,その後精神疾患の診断が加わった
場合,療養休暇の上限期間90日の対象から除外されるか。
妊娠に起因する疾病が継続している場合は,後から精神疾患が加わっても,療養休暇の上限
期間90日の対象から除外されると思われる。
一方,「職員の休日及び休暇に関する規則等の一部改正(療養休暇制度の見直し関係)につい
て」(平成23年12月28日付教総第882号通知)の,1療養休暇制度に係る主な改正内容(1)上限
期間90日の設定の中の※1で「『明らかに異なる病気』には,症状が明らかに異なると認めら
れるものであっても,病因が異なると認められないものは含まれない。」と規定されている。
また,今回の「職員の休日及び休暇に関する規則」の改正(平成26年4月1日付教総第26号)
では,妊娠に起因する疾病に精神疾患は含まれない。
したがって,妊娠に起因する疾病が改善した場合や妊娠の事実がなくなった場合において,
その後精神疾患が残り,その病因が妊娠に起因するものと診断された場合は,「明らかに異な
る病気」とは認められないので,上限期間90日の対象となると考えられる。その場合,既に90
日を超えている場合は,休職の手続きが必要となる。
-2-
-2-
2
問1
「 学 校 事 故 」に関する問題
食物アレルギーの対応において,学校はどのように配慮すべきか。
近年,様々なアレルギーが発症しているが,平成24年度に東京都で,学校給食終了後に食物
アレルギーによるアナフィラキシーショックの疑いにより児童が亡くなるという事故が発生し
た。アナフィラキシーは,どの児童生徒も発症する可能性があり,学校における食物アレルギ
ー対応は重要課題の一つである。この事故を受けて,本県においては,平成26年3月に茨城県
教育委員会が,「学校における食物アレルギー対応の手引き」をまとめた。
学校における食物アレルギー対応は,児童生徒の生命に関わる問題であるという高い危機意
識をもって慎重かつ適切に対応したい。学校は食物アレルギーがある児童生徒の情報をしっか
り収集し,すべての関係者が理解し,対応できる体制をとる必要がある。
以下は,学校における食物アレルギー対応の手順の一例である。同時進行的に様々な対応策
を講じる必要があるので,管理職は,緊急時にいつでも,誰でも,迅速に対応できるように,
後掲の参考資料をもとに,教職員全員が熟知し適切に対応できる体制を整えておくことが重要
である。
○
校内食物アレルギー対応委員会を設置する。
○
保護者との面談を実施し,実態を把握する。
面談における確認のポイント
・食物アレルギーの詳細:原因食物,運動との関連の有無,給食の対応,課外活動の留意点
・学校への携帯薬:医師の指示書や診断書の確認,投与方法の確認,保管方法の確認,副
作用や併用禁忌等の薬剤の安全性情報の確認
・アナフィラキシーの対応:初発症状等の症状確認,緊急連絡網,主治医や救急病院の確
認,対応の手順確認
○
食物アレルギー児童生徒個別支援プランを作成する。
○
校内食物アレルギー対応委員会等を開催し,学校給食や校内外における対応の検討・決
定をする。
○
校長は決定した内容を全教職員へ周知徹底する。また,保護者へ通知し,必要に応じて
具体的な内容の調整を行う。
○
緊急時対応マニュアルを作成する。
○
全教職員で食物アレルギーについて研修する。
・食物アレルギーの基本的な知識・理解
・校内及び関係機関との連携体制づくり
・日常生活での配慮事項
・緊急時の対応
○
教職員の役割緊急時対応訓練をする。
・マニュアルに沿って,緊急時に備えてシミュレーション訓練をする。
○
学校給食における食物アレルギー対応を開始する。
レベル1:詳細な献立表による対応
レベル2:弁当対応(完全弁当対応と一部弁当対応)
レベル3:除去食対応
レベル4:代替食対応
-3-
-3 -
○
学校給食の各段階における工程をチェックし,事故リスクを評価するとともに予防策を
検討する。
®
問2
教職員が児童生徒に対してアドレナリン自己注射薬「エピペン 」を使用することは,
医師法違反にならないか。
(1)
®
教職員が児童生徒に対しアドレナリン自己注射薬「エピペン 」(*以下エピペン
®
と表記)の
注射をすることについて
®
アナフィラキシーの救命の現場に居合わせた教職員が,「エピペン 」を自ら注射できない状況
にある児童生徒に代わって注射する場合には,医師法違反とはならない。根拠は以下に示す文部科
学省スポーツ・青少年局学校健康教育課長から厚生労働省医政局医事課長への照会と回答であ
る。
【資料】
○「医師法第17条び解釈について(照会)」(平成25年11月13日付25ス学健第17号)
『公益財団法人日本学校保健会発行,文部科学省監修の「学校のアレルギー疾患に対する取り組
みガイドライン」(平成20年3月31日)において示している内容に即して教職員が注射を行うも
のであれば,医師法違反とはならないと解してよろしいか』
○「医師法第17条の解釈について(回答)」(平成25年11月27日付医政医発1127第1号)
「貴見のとおり」
(2) エピペン®を使用するにあたっての配慮事項
「学校における食物アレルギー対応の手引き」(平成26年3月茨城県教育委員会)にあるよう
に「アレルギー症状があったら5分以内に判断する!」「迷ったらエピペン ® を打つ!ただちに
119番通報をする!」を念頭において,適切に迅速に対応することが必要である。
【参考資料】
・「学校における食物アレルギー対応の手引き」
平成26年3月
茨城県教育委員会
・「今後の学校給食における食物アレルギー対応について(通知)」
平成26年3月26日
・「今後の学校給食における食物アレルギー対応について
平成26年3月
文部科学省スポーツ・青少年局長
最終報告」
学校給食における食物アレルギー対応に関する調査研究協力者会議
・「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」
平成20年3月
・医師法第17条の解釈について(照会)
平成25年11月13日
財団法人日本学校保健会
25ス学健発第17号
文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課長
・医師法第17条の解釈について(回答)
医政医発1127第1号
平成25年11月27日
厚生労働省医政局医事課
・食物アレルギーによるアナフィラキシー学校対応マニュアル」
2005年4月11日
-4-
-4 -
財団法人日本学校保健会
3
問1
「児童生徒の就学管理」に関する問題
児童生徒が,クラブチーム等の様々な競技団体で活動する際の就学管理はどのよ
うにすべきか。
(1) 中学校体育連盟に加盟していない競技団体の大会への参加の取扱いについて
①
学校教育活動以外の運動競技会については,保護者の責任において児童生徒を参加
させることとなろう。その際の学校の対応としては,保護者及び関係競技団体と連携
し,児童生徒の大会参加の状況等を把握することが必要である。
さらに,把握すべき内容としては,以下の内容が考えられよう。
○
スポーツ傷害保険等に加入し参加することが望ましい。
○
指導者または引率者は,児童生徒の健全育成を図るため,大会等の趣旨,規模,
日程,参加回数が学業に支障がないことを確認するとともに,経費や引率責任者
等の問題があるので,保護者と十分協議することが望ましい。
また,大会が授業日と重なる場合の参加児童生徒の出欠席の取扱については,出席
簿の作成者である学校長が判断すべきであろう。ただし,市町村教育委員会の運動競
技実施規定等が定められている場合は,その規定により判断するべきであろう。
〈参考〉 関係法令
・児童生徒の運動競技について(通知)
〈保体第378号
平成13年4月23日〉
・文部省通知「児童・生徒の運動競技について」の廃止に伴う新たな児童生徒の運動競
技の取扱いについて(送付)
〈12体課協第13号
平成13年3月30日〉
・学校教育法施行規則(第25条)
②
学校に該当する運動部活動が無く地域のスポーツクラブ等で活動している生徒が,
中学校体育連盟主催の大会に参加する場合は,保護者が学校長に中学校体育連盟への
登録願を提出し大会に参加することができる。この場合は,学校教育活動の一環とし
て,出席扱いとなると考えるべきであろう。
〈参考〉 関係法規
・学校に該当する運動部がない生徒の体育大会参加について
〈保体第1457号
平成16年10月27日〉
(2) 全国や国際大会等の競技会が,授業日となった場合の参加の取扱いについて
①
学校教育活動の一貫として学校長が認める,国,地方公共団体若しくは学校体育団
体の主催又はこれらと関係競技団体との共同主催となる運動競技会に,小学校,中学
校,高等学校の児童生徒が参加する場合は,指導要録の出欠の記録においては出席扱
-5-
-5 -
いとすることができる。
②
学校教育活動以外の運動競技会(国外における競技会や遠征合宿等を含む)への児
童生徒の参加については,保護者が十分責任をもつものであるが,学校としても,運
動競技会の規模,日程,経費等その適正な実施が図られるよう,保護者及び関係団体
と連携して,児童生徒が競技会に参加する状況を把握し,市町村教育委員会の規定に
基づいた報告を行い,その上で出欠の取扱い等を判断すべきであろう。
〈参考〉 関係法令
・文部省通知「児童・生徒の運動競技について」の廃止に伴う新たな児童生徒の運動競
技の取扱いについて(送付)
〈12体課協第13号
平成13年3月30日〉
・小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における指導生徒の学習評価及び指導
要録の改善について(通知)
問2
〈文科省
平成22年5月11日〉
児童生徒が,茨城国体強化選手に指定された場合の就学管理はどのようにすべき
か。
(1) 合宿及び強化試合等に参加する場合の取扱い
「中学生の国民体育大会への参加について(通知)
」〈平成17年12月22日
17文科ス第
327号〉では,『生徒の体育大会への参加が,当該生徒の心身の発育・発達の状況,学校
教育への影響等を総合的に勘案し,教育上有意義であると認められる場合には,学校長
は教育活動の一環として参加させることができるものであること。その際,授業の出欠
については,「出席」扱いとすることが適当であること。』と,示されていることから,
国民体育大会に向けての合宿及び強化試合等についても,学校教育活動の一環として参
加させることができるであろう。
〈参考資料・一部抜粋〉
〈平成17年12月22日
17文科ス第327号〉
中学生の国民体育大会への参加について(通知)
記
1
中学生の国民体育大会〈予選会を含む。以下同じ。〉への参加については,生徒の個
性・能力の伸長,競技力の向上見地から,生徒の心身の発育・発達,学校教育への影
響に配慮しつつ,体力に優れ,著しく競技水準の高い者に限って参加を認めるもので
あること。
2
生徒の国民体育大会への参加が,当該生徒の心身の発育・発達,学校教育への影響
等を総合的に勘案し,教育上有意義であると認められる場合には,校長は,学校教育
活動の一環として参加させることができるものであること。その際,授業の出欠につ
いては,「出席」扱いとすることが適当であること。
3
学校教育活動の一環として国民体育大会に参加させる場合には,独立行政法人日本
-6-
-6 -
スポーツ振興センターが行う災害共済給付の対象となること。
4
生徒のブロック予選又は本大会への参加に要する経費は,原則として各都道府県の
選手団派遣母体によって支弁されるものであること。
(別紙)
中学生の国民体育大会への参加を認める範囲について
※第 43 回(昭和 43 年より)
1対象競技(順不同)
競
技
カヌー
種
目
目
種別
フィギュア
少年
スラロームレーシング
女子
体 操
体操競技
少年
フラットウォーター
少年
卓 球
競泳,飛込,シンクロ
少年
少年男子,女子 テニス・ソフトテニス
少年
少年男子,女子
ボウリング
少年
陸上競技
少年B
少年B
少年男子,女子
スキー
少年男子,女子
少年男子,女子
セ-リング
少年
馬
術
アーチェリー
少年
山
岳
ライフル射撃
少年
参加学年
種
スケート
フェンシング
2
技
男子
サッカー
泳
競
ワイルドウォーター
ゴルフ
水
種別
第3学年
-7-
-7 -
少年
4
問1
「職員の休業制度」に関する問題
職員の配偶者同行休業制度が施行されたが,配偶者海外同行休暇との違いは何か。
(1) 条例等の制定について
「職員の配偶者同行休業に関する条例」(平成26年茨城県条例第3号)が平成26年
4月1日に,「職員の配偶者同行休業に関する規則」(平成26年茨城県人事委員会規則第
6号)が,平成26年3月31日に制定され,平成26年4月1日から施行された。併せて,
「職員の配偶者同行休業に関する規則の運用について」(平成26年4月1日付教総第25
号通知)「配偶者同行休業取扱要項の制定について」(平成26年4月1日付教総第86号
通知)で,茨城県教育委員会より周知されている。
これまで,配偶者海外同行休暇(職員の休日休暇条例第7条・規則第4条)は特別
休暇としていたが,公務において活躍することが期待される有為な職員の継続的な勤務
を促進するため,職員が身分を有したまま外国で勤務等をする配偶者と生活を共にする
ことを可能にするため,上記の法制定により,承認の範囲が拡大し手続き等も変更され
た。
(2)
制度の概略
配偶者海外同行休暇と職員の配偶者同行休業の概略等は以下の表の通りである。
配偶者海外同行休暇
関連法規
職員の配偶者同行休業
配偶者海外同行休暇(職員の休 職員の配偶者同行休業に関する
日休暇条例第7条・規則第4条) 条例等
承認期間
3年を超えない範囲
3年を限度とする
承認権者
所属長
教育事務所長
出勤簿
特休(無給)と押印し,名簿は 空欄とし,名簿の最下位とする。
年齢順とする。
備考欄に「配偶者同行休業」及
び期間を記述することが望まし
い。
(3) 対象となる配偶者が外国に滞在する事由
対象となる事由(配偶者同行休業取扱要項第3条)は,下記に記した内容である。「有
益な職員の継続的な勤務を促進するため,外国で勤務等をする配偶者(本県職員に限ら
ず)と生活を共にすること」の目的のもとに,「事業を経営することその他個人 が 業 と
して行う活動であって外国において行うもの」が加えられたことにより,対象事由が拡
大された。
-8-
-8 -
ア
同
外国の地方公共団体の期間等に派遣される職員の処遇等に関する条例第2条第1項
各号に掲げる外国の期間における業務
行 イ 在外教育施設教員派遣規則に基づき派遣教員が行う業務
休 ウ 職員の分限に関する条例第2条第1号及び第2号に掲げる業務等
暇 エ 公益的法人等への教員の派遣等に関する規則別表第1に掲げる団体における業務
オ
外国の機関等への出張による勤務
6月以上にわたり継続することが見込まれるものに限る。
同
ア
外国での勤務
イ
事業を経営することその他の個人が業として行う活動であって外国において行うもの
行
・法律,医療等の専門的知識又は技能が必要とされる業務に従事する活動
休
・報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動
業
・音楽,美術,文学その他の芸術上の活動
ウ
学校教育法(昭和22年法律第26号)による大学に相当する外国の大学(これに準ずる教育施設を
含む。
)であって外国に所在するものにおける修学
エ
(4)
その他人事委員会が認めたもの
配偶者同行休業の手続き
職員の配偶者同行休業の承認を受ける場合には,下記に示すように配偶者同行休業
申請書(職員の配偶者同行休業に関する規則・別記様式)に,休業の事由を証明する
書類及び配偶者同行休業から職務に復帰した後も引き続き5年以上勤務する意思があ
ることを記した確認書(別記様式1)を添付し,配偶者同行休業を始めようとする日
の1か月前までに,所属長に提出する
職
員
※1か月前
・配偶者同行休業申請書
・休業の事由を証明する
所属長
・配偶者同行休業承認申請
に係る意見書
書類の写し
教育事務所長
(承認権者)
・確認書
・承認通知書
職
員
所属長
※休業の事由を証明する書類の例
・配偶者の転勤辞令,入学許可書,査証(又はその申請書)の写し等
-9-
-9 -
(5)
給与の取扱い
配偶者海外同行休暇と職員の配偶者同行休業の給与の取扱い等は以下の表の通りで
ある。
配偶者海外同行休暇
職員の配偶者同行休業
給与の支給
給与を支給しない
給与を支給しない
期末手当
全期間を在職期間から除算する
休業期間の2分の1の期間を在職
期間から除算する
勤勉手当
全期間を勤務期間から除算する
休業期間の全期間を勤務期間か
ら除算する
職務復帰時の 2分の1を勤務したものとみな 2分の1を勤務したものとみな
(6)
号級の調整
して号級の調整をする
して号級の調整をする
退職手当
2分の1の期間を除算する
全期間を除算する
留意事項
ア
延長申請(配偶者同行休業取扱要項7条)
1回に限り休業期間の延長を申請をすることができる。
イ
休業状況の報告(配偶者同行休業取扱要項8条3項)
所属長は,配偶者同行休業をしている職員の生活状況等を把握するため,当該職員
に対し,半年に1回,状況報告を求めるものとする。(必要と認める書類の提出を求め
ることができる。)
問2
請求があった場合留意すべき事項は何か。
(1)
対象となる職員(配偶者同行休業取扱要項第2条)
次に該当する職員を除く全職員
ア
非常勤講師
イ
臨時的に任用される職員
ウ
任期を定めて任用される職員
エ
再任用職員
オ
条件附採用期間中の職員
(2)
承認要件(配偶者同行休業取扱要項第4条)
次に掲げる要件のいずれも満たすこと
ア
公務の運営に支障がないと認められること。
イ
勤務成績が良好であること。
ウ
配偶者同行休業後も,引き続き5年以上勤務する意思を確認できていること。
エ
以前に配偶者同行休業をしたことがある場合には,前回の配偶者同行休業後,5年
以上勤務した期間があること。
- 10-10-
-
5
「学校運営必携
十訂版」の訂正について
平成26年12月に発刊しました「学校運営必携十訂版」に誤記,変更の箇所がありましたので,訂正を
お願いいたします。
(1)
(2)
目次:7
教職員の研修
<誤>
6
現場復帰トレーニング
<正>
6
職場復帰トレーニング
28ページ:上の表(2)新人事評価と新しい教員評価の違い
※
新人事評価については,平成26年度に様式の変更があり,今後マニュアルが改
訂されるので,改訂されたものを十一訂版に掲載する。
※
教員評価についても,マニュアルの改訂に従って訂正する。
<誤>
○事務職員…教頭
評
・教諭,養護教諭,栄養教諭に
一
○栄養職員
次
・学校勤務(自校給食)は教頭が一次評価者
価
ついては教頭
・教頭については校長
・共同調理場や学校給食センターに勤務の場合
は,センター又は共同調理場の長
者
<正>
○事務職員…副校長又は教頭
評
・教諭,養護教諭,栄養教諭に
一
○栄養職員
次
・学校勤務(自校給食)は副校長又は教頭が一次
価
ついては副校長又は教頭
・副校長,教頭については校長
評価者
・共同調理場や学校給食センターに勤務の場合
者
(3)
(4)
(5)
は,センター又は共同調理場の長
28ページ
中段
<誤>
業績評価と勤務評価
<正>
新人事評価における業績評価と勤務評価
28ページ
下の表中
29ページ:12行目,下から2行目
<誤>
・「業務達成状況記載シート」
<正>
・「業務達成状況記載シート(兼)業績評価書」
30ページ:1行目
<誤>
「様式第2:勤務評価兼業績評価書」の1次までは,教頭又は共同調理場の長が作成す
る。
<正> 「様式第2:勤務評価書」の1次までは,副校長,教頭又は共同調理場の長が作成する。
-11-
- 11 -
(6)
(7)
(8)
30ページ:14行目
<誤>
・評価項目の「9指導力」「10統率力・監督力」について…
<正>
・評価項目の「14指導力}「15統率力・監督力」について…
30ページ:17行目
<誤>
評価者:第1次評価者(教頭,共同調理場の長)と2次評価者(校長)
<正>
評価者:第1次評価者(副校長又は教頭,…
30ページ:18行目
<誤>
第1次評価者は5段階で評価をして第2次評価者に渡す。校長は,教頭が付けた評価と
…
<正>
第1次評価者は5段階で評価をして第2次評価者に渡す。校長は,副校長又は教頭が付
けた評価と…
(9)
32ページ:様式第1
<正>
(10)
33ページ:様式第2
<正>
(11)
新様式と差し替え
新様式と差し替え
151ページ
<誤>
問1
平成7年4月1日から,無給の特別休暇(配偶者同行休暇)が新設されたが,
その承認を受ける場合の履歴書(履歴カード)の記録はどうするか。
<正>
問1
無給の特別休暇(配偶者海外同行休暇)の履歴書(履歴カード)の記録はど
うするか。
(12)
178ページ:問3の回答
<正>
(13)
転入学を許可する。(P.173の問6の回答を参照のこと)
301ページ:6行目
<誤>
…掲載しないことが望ましい。
<正>
…掲載しないことが原則である。
-12-
- 12 -
(削除)
平成26年度
学校長会長
副
会
長
法制委員長
副 委 員 長
幹
小
委
事
委
員
員
助 川
坂 場
古 橋
小 室
舘
椿 本
大 髙
吉久保
清 水
吉 井
小 室
川 又
岩 間
横 田
田 村
山 口
柏
山 﨑
冨 山
雨 谷
黒 田
藤 田
落 合
小 髙
米 川
小野口
大 原
飯 島
岩 松
遠 藤
仁 平
川 村
井 上
長谷川
山 本
黒 沢
富 田
磯 部
巻 島
中 島
大 場
鈴 木
佐 藤
藤 田
田 宮
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編集者一覧
公
克
康
富
稔
継(水戸市立第一中学校)
身(水戸市立五軒小学校)
夫(常陸太田市立世矢中学校)
保(鹿嶋市立三笠小学校)
夫(つくば市立桜中学校)
武(桜川市立岩瀬小学校)
美 子(水戸市立常磐小学校)
京 子(日立市立日立特別支援学校)
博 次(筑西市立嘉田生崎小学校)
由 隆(水戸市立笠原小学校)
信 之(那珂市立本米崎小学校)
義 祐(小美玉市立玉里小学校)
克 則(常陸太田市立水府小学校)
直 樹(潮来市立日の出中学校)
実枝子(つくば市立竹園東小学校)
道 夫(坂東市立生子菅小学校)
容 子(笠間市立岩間第一小学校)
泰 彦(ひたちなか市立長堀小学校)
郷 幸(常陸大宮市立山方小学校)
正 明(茨城町立大戸小学校)
隆 久(東海村立舟石川小学校)
富 夫(大子町立大子西中学校)
武(高萩市立秋山中学校)
五十二(北茨城市立明徳小学校)
仁(鹿嶋市立平井小学校)
吉 政(神栖市立神栖第三中学校)
甚 一(鉾田市立鉾田北中学校)
英 一(行方市立玉造小学校)
邦 男(土浦市立上大津西小学校)
眞(石岡市立三村小学校)
伸 一(龍ヶ崎市立龍ヶ崎西小学校)
満 博(取手市立宮和田小学校)
敏 行(牛久市立牛久南中学校)
眞 人(守谷市立高野小学校)
照 夫(稲敷市立あずま西小学校)
祐 士(かすみがうら市立穴倉小学校)
良 一(つくばみらい市立豊小学校)
裕 子(阿見町立阿見第二小学校)
久(利根町立布川小学校)
照 雄(古河市立三和北中学校)
実(結城市立山川小学校)
一 也(下妻市立大形小学校)
昭 彦(常総市立豊岡小学校)
正 美(桜川市立大国小学校)
優 一(八千代町立東中学校)
幸 典(境町立静小学校)
-13- - 13 -
平成26年度
茨城県小中学校教頭会
「法制研修会記録」
1
放課後や週休日,休日に実施する部活動指導について
15
2
不登校児童生徒の出欠の取扱いについて
17
3
旅行・集団宿泊的行事の下見の取扱いについて
19
4
就学義務の履行について
21
5
教職員による児童への坐薬の挿入について
23
6
講話要旨
25
1
【放課後や週休日,休日に実施する部活動指導について】
部活動は,中学校の学習指導要領総則において学校教育の一環として捉えている。ま
た ,部 活 動 は ,「 教 育 課 程 と の 関 連 が 図 れ る よ う 留 意 す る こ と 」が 取 り 上 げ ら れ て い る 。
① 放課後や週休日,休日に行われる部活動の時間は,勤務時間と考えてよいか。
② 学校事務職員は,部活動の顧問にできるかどうか。
<中央ブロック>
<質問事項への考え方>
(根拠となる関連法令等)
・職員の勤務時間に関する条例 第2条
職員の勤務時間は,休憩時間を除き,4週間を超えない期間につき1週間当たり
38時間45分とする。
・職員の勤務時間に関する条例 第3条(週休日及び勤務時間の割振り)
日 曜 日 及 び 土 曜 日 は , 週 休 日 ( 勤 務 時 間 を 割 り 振 ら な い 日 を い う 。) と す る 。
2 任命権者は,月曜日から金曜日までの5日間において,1日につき7時間45
分の勤務時間を割り振るものとする。
・中学校学習指導要領 総則編 第3章 教育課程の編成及び実施 13 部活動の
意義と留意点等<第1章第4の2(13)>
平成20年1月の中央教育審議会答申において「部活動において,学校教育の一環
としてこれまで中学校教育において果たしてきた意義や役割を踏まえ,教育課程に
関 連 す る 事 項 と し て , 学 習 指 導 要 領 に 記 述 す る こ と が 必 要 で あ る 。」 と 指 摘 さ れ た 。
・職員の特殊勤務手当に関する条例にも関わっている。
第2条(18)教員特殊業務手当
・部活動の指導業務
ア 週休日,休日等については,業務に従事した時間が引き続き4時間程度であるこ
と。
イ 半日勤務時間の日については,正規の勤務時間以外の時間において,業務に従事
した時間が引き続き4時間程度であること。
・職員の特殊勤務手当に関する規則
第17条
・特殊な業務の範囲
4 学校の管理下において行われる部活動(正規の教育課程としてのクラブ活動に
準 ず る 活 動 を い う 。) に お け る 児 童 又 は 生 徒 に 対 す る 指 導 業 務 で 週 休 日 , 休 日 等
又は休日等に当たる日以外の正規の勤務時間が半日勤務時間 (勤務時間条例第5
条 に 規 定 す る 半 日 勤 務 時 間 を い う 。 以 下 同 じ 。) で あ る 日 に 行 う も の
(2,400円)→ 平成26年10月より(3,000円)になった。
・公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法
第 3 条 教 育 職 員 ( 校 長 , 副 校 長 及 び 教 頭 を 除 く 。) に は , そ の 者 の 給 料 月 額 の 百
分の四に相当する額を基準として,条例で 定めるところにより, 教職調整額を支給
しなければならない。
2 教育職員については,時間外勤務手当及び休日勤務手当は,支給しない。
・義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関する条例 第7条2
義務教育諸学校等の教育職員に対し時間外勤務を命ずる場合は, 次に掲げる業務に
従事する場合であって臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限るものとす
る。
(1) 校 外 実 習 そ の 他 生 徒 の 実 習 に 関 す る 業 務
(2) 修 学 旅 行 そ の 他 学 校 の 行 事 に 関 す る 業 務
(3) 職 員 会 議 に 関 す る 業 務
(4) 非 常 災 害 の 場 合 , 児 童 又 は 生 徒 の 指 導 に 関 し 緊 急 の 措 置 を 必 要 と す る 場 合 そ の
他やむを得ない場合に必要な業務
・職員の給与に関する条例
第16条・第17条
時間外勤務手当及び休日勤務手当
・正規の勤務時間外に勤務することを命じられた職員に対し,勤務した全時間に対し
て時間外勤務手当を支給する。
・休日において,勤務することを命じられた職員に対し,勤務した全時間に対して休
日勤務手当を支給する。
・学校教育法第37条⑭
事務職員は,事務に従事する。
-15-
○
質問①について
上記のことから考えて,放課後の部活動(7時間45分以内の活動を除く)及び週休
日及び休日等に行われる部活動の時間は,勤務時間には当たらない。部活動の時間を日
日の勤務時間報告に含めると勤務時間が大幅に増える。労働安全衛生法第66条の8で
は ,「 事 業 者 は , そ の 労 働 時 間 の 状 況 そ の 他 の 事 項 が 労 働 者 の 健 康 の 保 持 を 考 慮 し て 厚
生 労 働 省 令 で 定 め る 要 件 に 該 当 す る 労 働 者 に 対 し ,厚 生 労 働 省 令 で 定 め る と こ ろ に よ り ,
医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し,これに応じて面接
に よ り 必 要 な 指 導 を 行 う こ と を い う 。 以 下 同 じ 。) を 行 わ な け れ ば な ら な い 。」 と 明 記
し て い る 。 具 体 的 に は ,「 事 業 者 は , 1 週 当 た り 4 0 時 間 を 超 え て行 う 労 働 が 1 月 当 た
りで100時間を超え,かつ疲労の蓄積が認められる者であって,面接指導に係る申出
を行った者に対し,医師による面接指導を行うとともに,その結果に応じた措置を講じ
なければならない」と規定している。
○
質問②について
事務職員は,児童生徒と関わることが仕事ではない。また,事務職員が,放課後(7
時間45分以内を除く)や週休日及び休日等に実施する部活動に従事した場合には,時
間外勤務手当や休日勤務手当を支給しなければならない。したがって,事務職員を,部
活 動 顧 問 に す る こ と は 好 ま し く な い と 考 え る 。 た だ し , 条 件 付 き で 承 認 で き る 。( 補 助
的指導)
講師指導
○ 質問①について
部活動指導は,主任等の命令と同様に年度はじめに校長から出された「部活動
の監督・顧問」という職務命令によって命じられた付加的な職務である。また,
中 学 校 学 習 指 導 要 領 の 総 則 第 4 の 2 (13)に は ,部 活 動 の 意 義 や 留 意 点 に つ い て ,
「ス
ポーツや文化及び科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養等
に資するものであり,学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう
留意すること」と規定されている。
ア
労 働 安 全 衛 生 法 に よ る 調 査 は , 勤 務 時 間 の 調 査 と い う 捉 え 方 で は な く ,「 職 務 に
関して従事した時間」の調査という捉えで行っている。
イ 部活動は勤務時間外なくしては成り立たない部分があるのは現実である。
ウ 法律上の勤務時間は7時間45分であるが,部活動は勤務時間内から勤務時間外
に及ぶ教育活動である。このため,勤務時間だけでは割り切れない部分であるの
も事実であり,数十年以上前から部活動の問題は,課題として出ている。
エ 教育は「自発的・創造的」な活動である。さらに「突発的」な部分もあるので,
オーバーワークになってしまうことがある。そういう意味では,教職は,特殊性を
もっている職業である。
そこで,現状としては,時間外勤務命令の4項目には該当しないため,その職
務の内容や勤務の特質性から,教職員調整額や教員特殊業務手当等で対応している。
○
ア
イ
質問②について
条件付きの意味を考慮しながら,実際に部活動に係わっている事務職員もいる。
事務職員が部活動に携わった場合の対応は,当然,事務職員の業務内容には部活
動はないので業務外の命令はできない。校長の発する時間外勤務命令の4項目に
も合致していない。
ただし,事務職員の本務に支障がなく,本人の承諾があり,学校長が認めれば,
部活動に係わることは差し支えない。現行の制度の中では,このような対応が適切
ではないか。
もう一度考えておきたいのは,部活動の意義である。部活動は,生徒の健全育成
と生徒指導面からも重要であることと,児童・生徒は学校職員全体で支えていくも
のであるという意義を再確認しておきたい。
-16-
2
【不登校児童生徒の出欠の取扱いについて】
父親の DV により,やむなく緊急避難的に社会福祉課で用意したシェルターで母親と
ともに生活している。父親に所在を知られたくないため,学校に登校できない状況であ
る。その場合の出欠の取扱いはどのようにすればよいか。
① 出席簿上の取扱いはどのようにすればよいか。
② 指導要録上の取扱いはどのようにすればよいか。
<県北ブロック>
<質問事項への考え方>
(根拠と なる関連法令等)
・学校教育法施行令第19条
小学校,中学校,中等教育学校及び特別支援学校の校長は,常に,その学校に在学
する学齢児童又は学齢生徒の出席状況を明らかにしておかなければならない。
・学校教育法施行規則第24条
校長は,その学校に在学する児童等の指導要録を作成しなければならない。
・学校教育法施行規則第25条
校長は,当該学校に在学する児童等について出席簿を作成しなければならない。
・平4.9.24文初中第330号「登校拒否問題への対応について」文部省初等中等
教育局長通知
登校拒否児童生徒が学校外の施設において相談・指導を受けるとき,下記の要件を
満たすとともに,当該施設への通所又は入所が学校への復帰を前提とし,かつ,登校
拒否児童生徒の自立を助けるうえで有効・適切であると判断される場合に,校長は指
導要録上出席扱いと すること ができる。
(1)保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること 。
(2)当該施設は,教育委員会等が設置する適応指導教室等の公的機関とするが,公
的機関での指導の機会が得られないあるいは公的機関に通うことが困難な場合で
本人や保護者の希望もあり適切と判断される場合は,民間の相談・指導施設も考
慮されてよいこと。
ただし,民間施設における相談・指導が個々の児童生徒にとって適切であるか
どうかについては,校長が,設置者である教育委員会と十分な連携をとって判断
するものとすること。このため,学校及び教育委員会においては,学校不適応対
策調査研究協力者会議報告(平成4年3月13日)に別記として掲げられている
「民 間 施 設 に つ い て の ガイ ド ラ イ ン ( 試 案)」 を 参 考と し て, 前 記判 断 を行 う 際
の何らかの目安を設けておくことが望ましいこと。
(3)当該施設に通所又は入所して相談・指導を受ける場合を前提とすること。
・平21.7.13 21生参学第7号「配偶者からの暴力の被害者の子どもの
就学 に つ い て ( 通 知)」 1 の (2 ) 配 偶 者 か ら の 暴 力の 被 害者 の 子ど も につ い て
の配慮事項
・・(前略)・・このように特別な事情がある場合には,個々の事情に応じて,
(中
略)就学の機会が確実に確保されるようにすること。・・・(後略)・・
○
質問①について
校長は,常に,その学校に在学する学齢児童又は学齢生徒の出席状況を明らかにして
お か な け れ ば な ら ず ( 学校 教 育 法 施 行 令 第 1 9条), 当該 学 校に 在 学す る 児童 等 につ い
て 出 席 簿 を 作 成 し な け れば な ら な い ( 学 校 教 育法 施 行規 則 第2 5 条)。 当 該児 童 は, 実
際に学校へ登校していないため,出席簿上,出席扱いにはできない。出席簿の取扱いは,
出席簿が日々の児童生徒の出席の状況を明らかにする記録であることから欠席とする
(平4.11.30 指第1190号「登校拒否問題への対応について」茨城県教育委員
会教育長通知)ことになり,事故欠扱いとするべきである。
-17-
○
質問②につ いて
文 部 省 初 等 中 等 教 育 局長 通 知 「 登 校 拒 否 問 題へ の 対応 に つい て」(平 4 .9 . 24 )
からも明らかなように,不登校児童生徒であっても一定の要件を満たせば指導要録上出
席扱いとすることができる。当該児童は,父親のDVにより緊急避難的に社会福祉課で
用意したシェルターに入っている。そして,ケースワーカーを通して保護者と学校の間
には十分な連携・協力関係が保たれている。さらに当該児童が登校できないのは本人に
起因するものではない。学校への復帰を前提として,安全が確保されるまでの一時的な
ものである。指導要録上「児童相談所の一時保護」は出席扱いであるので,社会福祉課
のシェルターで生活していることはそれに準ずるものと考えて出席扱いでよいと考えら
れる。いずれにしても「校長は,その学校に在学する児童等の指導要録を作成しなけれ
ば な ら な い 。」( 学 校 教 育 法 施 行 規 則 第 2 4 条 ) と あ る よ う に 指 導 要 録 上 の 出 欠 の 取 扱
いの判断は当該学校長が行うことになる。その際には,教育委員会をはじめ社会福祉課
や児童相談所等の関係機関と十分な連携をとって判断することが必要になる。
なお,シェルターの場所は学校に知らされてはいない。仮に当該児童がシェルターか
ら 登 校 す る こ と に な っ た場 合 に は ,「 配 偶 者 か らの 暴 力の 被 害者 の 子ど も の就 学 につ い
て ( 通 知 )」( 平 2 1 . 7 . 1 3 ) に も あ る よ う に , シ ェ ル タ ー の 場 所 が 学 区 内 に あ っ
てもそうではなくても,個々の事情に応じて,就学の機会を確実に確保しなければなら
ない。
講師指導
○ 質問①について
ア 回 答 は妥 当 であ る 。し かし,「 欠 席」 と 「 事 故 欠 」 で は 実 態と し て の 意 味 合 い が
異なる。
類似事案を調べると,ケースは様々ではあるが,必死で逃げてくる人がほとん
どであり,入所当初,学校はわからないことが多い。また,シェルターから学校
に連絡をすることはない。このことから,児童相談所での一時保護が確定する前
は「欠席」,保護されてからは「事故欠」と扱うことが適当であると考える。
イ 出席簿上の取扱いについては,関係法令や通知文から,その取扱いの運用につ
いては,各市町村教育委員会管理規則の定めにより,実際の記載の指導があると
ころである。
○
質問②について
当該児童が登校できないのは,本人に起因するものではなく,公的機関と十分
に連携をしたうえで,当該児童の安全が確保されるまでの一時的なものである。
指 導 要 録 上 ,「 児 童 相 談 所 の 一時 保 護 」 は 出 席 扱 い で ある の で , 社 会 福 祉 課が 指 定
したシェルターで生活していることはそれに準ずるものと考えて「出席扱い」で
よいとする考え方は妥当である。
ただし,平21.7.13 21生参学第7号「配偶者からの暴力の被害者の
子 ど も の 就 学 に つ いて ( 通 知 )」 1 の ( 2) 配 偶者 か らの 暴 力の 被 害者 の 子ど も に
ついての配慮事項にあるように,当該児童の就学の機会が確実に確保されるよう
に努めなければならない。
イ 教育的配慮を踏まえつつ,校長が判断することになる。このことは,不登校や
少年院でも拡大解釈ができる。
ア
○
ア
イ
ウ
不登校児童生徒の出欠の取扱いにおいて大切なポイントは,以下の3点である。
実態把握がきちんとできているかどうか。
関係機関との連携が十分になされているかどうか。
学習支援がきちんとなされているかどうか。
-18-
3
【旅行・集団宿泊的行事の下見の取扱いについて 】
2学期に予定されている修学旅行について,夏季休業中に下見に行きたいと中学校第3
学年 主 任か ら 次の よ うな 申し 出 があ っ た。
① 下見 は 出張 と して 認め て もら え るか 。
② 出張 と して 認 めら れる 場 合, 何 人ま で 出張 で きる か 。
③ 生徒 の 実態 や 経費 の関 係 上, 養 護教 諭 や事 務 職員 の 下見 も 認め ても ら える か 。
<県東ブロック>
<質問事項への考え方>
(根拠となる関連法令等)
・小 ・ 中学 校 にお い て遠 足及 び 修学 旅 行を 実 施す る 場合 の 取扱 い につ いて
( 別紙 ) 同 ( 平成 8年 2 月2 6 日 教 育次 長 決裁 )
3 実施 基 準及 び 配慮 事項
見学 地 及び 時 期
(前略)学校の実態を踏まえ,十分に調査研究した上で見学地及び時期を選定する
もの と する 。
(7) 宿 泊施 設 の選 定
(前 略 )事 前 に十 分な 調 査を 実 施し 選 定す る もの と する 。
(10) 引 率
引率する教職員の数は,当該学年の学級数を基準として,それに学校の実態に応
じて 必 要と 認 めら れ る人 数を 加 え るも の とす る 。
ま た ,全 体 の責 任者 と して , 校長 ま たは 校 長の 指 定す る 教員 が参 加 する と とも に ,
養護 教 諭ま た はこ れ に代 わる 教 員 を参 加 させ る こと が 望ま し い。
・校 外 にお い て, 宿 泊を 要す る 教育 活 動及 び 水泳 訓 練等 を 実施 す る場 合の 基 準
( 平成 5 年3 月 29 日 教 二第 1 31 号 )
( 最終 改 正 平 成1 1年 5 月7 日 高 教 第2 7 6号 )
1 修学 旅 行に つ いて
(3) 目 的地 ・ コー ス の選 定
( 前 略 ) 十 分 な 研 究 調 査 に 基 づ い て決 定 し , そ の 改 善 に 絶 え ず 努 力 し な け れ ば な ら
ない 。
(15) 実 施上 の 注意 事項 イ 宿 舎の 選 定
(前 略 )十 分 な調 査を 実 施し , 決定 し なけ れ ばな ら ない 。
・職 員 の旅 費 に関 す る条 例
第 2 条 (5 ) 出 張 職 員が 公 務の た め一 時 その 在 勤公 署 を離 れ て旅 行す る こと を いう 。
第 3 条 第 1項
職 員が 出 張し , また は赴 任 した 場 合に は ,当 該 職員 に 対し , 旅費 を支 給 する 。( 後略 )
第 4 条 第 1項
前条第1項の規定に該当する旅行は,旅行命令権者の発する旅行命令によって行わな
け れば な らな い 。
第 4 条 第 2項
旅行命令権者は,電信,電話,郵便等の通信による連絡手段によっては公務の円滑な
遂 行を 図 るこ と がで き ない 場 合で , かつ , 予算 上旅 費 の支 出 が可 能 であ る 場合 に 限り ,
旅 行命 令 を発 す るこ と がで き る。
・出 張 を命 ず る時 の 観点 (学 校 運営 必 携 P .69 )
ア その職務が校務として,あるいは教職員の職務遂行上必要かつ有意義なものかどう
か。
イ 当該 教 職員 が 出張 用務 に つい て 適任 で ある か どう か 。
ウ 授業 時 数の 確 保は どう か 。
エ 旅費 の 支出 は 可能 か, 今 後の 出 張計 画 はど う か。
上記のことについて ,学校の状況を総合的に判断した上で決定する。
-19-
・学 校 教育 法
第 3 7条 第1 2 項
養 護教 諭 は, 児 童の 養護 を つか さ どる 。
同
第1 4 項
事 務職 員 は, 事 務に 従事 す る。
・地 方 公務 員 法
第 3 2条
職 員 は , そ の 職 務 を 遂 行 す る に 当 た っ て ,( 中 略 ) 上 司 の 職 務 上 の 命 令 に 忠 実 に 従 わ な
け れ ばな ら ない 。
・地 方 教育 行 政の 組 織及 び運 営 に関 す る法 律
第 4 3条 第2 項
県 費 負 担 教 職 員 は , そ の 職 務 を 遂 行 す る に 当 た っ て ,( 中 略 ) 市 町 村 委 員 会 そ の 他 職 務
上 の 上司 の 職務 上 の命 令に 忠 実に 従 わな け らば な らな い 。
○
質問①について
必要 で あれ ば ,認 め られ る 。
「 小 ・ 中 学 校 に お い て 遠 足 及 び 修 学 旅 行 を 実 施 す る 場 合 の 取 扱 い に つ い て ( 別 紙 )」 及 び
「校 外 にお い て, 宿 泊を 要 する 教 育活 動 及び 水 泳訓 練等 を 実施 す る場 合 の基 準 」に よ ると ,
見学地や宿泊施設等において「十分な調査を実施」等の文言があり,修学旅行を実施する
上で , 下見 は 「十 分 な調 査 」に 該 当す る と考 え る。
○
質問 ② につ い て
校長 が 命令 す る人 数 であ る 。
出張を命ずる時の観点に照らし,学校の状況を総合的に判断した上で決定される人数と
なる 。
○
質問③について
校長 の 命令 が あれ ば ,同 行 でき る 。
養護教諭は「児童の養護をつかさどる」こと,事務職員は「事務に従事する」ことが本
来の職務である。本来の職務に関係していること,本務に支障がないことが前提であり,
さらに,出張を命ずる時の観点に照らし,学校の状況を総合的に判断した上で判断される
もの で ある 。
講師指導
○
質問 ① につ い て
下 見 は出 張 とし て 扱わ れ る。
部活動指導などの関係で週休日に下見へ行った場合は,出張扱いとなる。その場合振
替を と るよ う にす る 。
ウ 夏季休業中の平日や週休日での対応等,それぞれ各校の事情がある中で,それぞれの
状況 に 応じ て ,校 長 の判 断 で実 行 する こ とに なる 。
○ 質問 ② につ い て
ア 人数については,校務に支障があるのかないのかが判断の第一である。そして,新た
な企 画 なの か ,こ れ まで 継 続し て 行わ れ てき た企 画 なの か によ っ ても 違 って く る。
イ 新たな企画の場合は,事故がないように綿密な企画が必要となってくるので,下見も
十分 行 って お くこ と が必 要 であ る 。
○ 質問 ③ につ い て
ア 養護教諭,事務職員が下見に参加しているというケースは,これまで見当たらない。
下見 に 関し て 出張 命 令は 出 すこ と はで き る。
イ 児童生徒の様子等(例:アナフィラキシーショック等)については事前に把握してい
るので,関係機関に書類等で連絡を取ったり,事前に病院等に確認したりしておけばよ
い。
®
ウ そ れ ぞれ の 児童 生 徒の 病 状等 ( 例 エ ピペ ン 等 )に 合 わせ て ,事 前 に教 職員 間 にお い
て, 十 分研 修 等を し てお く こと が 必要 で ある 。
エ 夏季休業中の下見から修学旅行実施日まで期間についても十分検討し,万全の準備が
でき る よう に して お く必 要 があ る 。
ア
イ
-20-
4
【就学義務の履行について】
茨 城 県 内 に 在 住 す る 15 歳 の 男 子 生 徒 の 事 例 で あ る 。 父 親 が 外 国 籍 で , 母 親 が 日 本
国 籍 で あ り , 本 人 は 父 親 の 外 国 籍 と 日 本 国 籍 の 両 方 の 国 籍 を も つ 。 彼 は , 14 歳 ま で
外国の学校に就学していたが,日本語の不安や文化の違いなどもあり,日本のインタ
ーナショナルスクールに就学した。その彼が,進学先として茨城県立高校の国際科の
進学を希望するようになった。
① この場合,男子生徒は茨城県立高等学校の受検は可能であるか。
② 保護者は就学義務を果たしたといえるか。
<県南ブロック>
<質問事項への考え方>
(根拠となる関連法令等)
・学校教育法第 1 条〔学校の範囲〕
・ 学 校 教 育 法 第 17 条 〔 就 学 さ せ る 義 務 〕
・ 学 校 教 育 法 第 134 条 〔 各 種 学 校 〕
・学校教育法施行令第 4 条〔児童生徒等の住所変更に関する届出の通知〕
・ 学 校 教 育 法 施 行 規 則 第 95 条 〔 中 学 校 卒 業 者 と 同 等 以 上 の 学 力 が あ る と 認 め ら れ る
者〕
1 外国において,学校教育における9年の課程を修了した者
2 文部科学大臣が中学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教
育施設の当該課程を修了した者
3 文部科学大臣が指定した者
4 就学義務猶予免除者等の中学校卒業程度認定規則により,中学校を卒業した者
と同等以上の学力があると認定された者
5 その他高等学校において,中学校を卒業した者と同等以上の学力があると認め
た者
・茨城県立高等学校入学者選抜実施細則
○
質問①について
(1 )学 校 に つ い て
学校教育法第 1 条において「学校とは,幼稚園,小学校,中学校,高等学校,中等
教 育 学 校 , 特 別 支 援 学 校 , 大 学 及 び 高 等 専 門 学 校 と す る 。」 と あ る 。
当該生徒が就学するのはインターナショナルスクールである。インターナショナル
スクールの中には,学校教育法第 1 条に規定する学校(一条校)として認められたも
の が あ る が ,多 く は 学 校 教 育 法 第 134 条 に 規 定 す る 各 種 学 校 と し て 認 め ら れ て い る か ,
又は無認可のものも存在する。
認可校についてもあくまでも「各種学校」であるため,日本人児童が通っても就
学義務の履行とは認められない。すなわち,小学校や中学校に相当する課程で学んで
も,義務教育を終えたことにはならない。
(2 )茨 城 県 立 高 等 学 校 の 応 募 資 格 に つ い て
茨城県立高等学校入学者選抜実施細則によれば,中学校卒業者と同等以上の学力が
あると
認 め ら れ る 者 と し て , 応 募 資 格 は ,「 学 校 教 育 法 施 行 規 則 第 95 条 の 各 号 の い ず
れかに
該 当 す る 者 ま た は , 平 成 27 年 3 月 該 当 見 込 み の も の 」 と あ る 。
よって,男子生徒は一条校に就学しない限り,茨城県立高等学校を受検することは
できない。また,学校教育法施行令第 4 条の規定により,市町村長は,住所地変更の
届出があったときは速やかに,その旨を当該市町村の教育委員会に通知しなければな
らない。
-21-
○
質問②について
(1 )保 護 者 の 就 学 義 務 に つ い て
学 校 教 育 法 第 17 条 で は , 学 齢 児 童 生 徒 の 保 護 者 に 係 る 就 学 義 務 に つ い て 規 定 さ れ
て お り , 保 護 者 は 子 を 「 小 学 校 又 は 特 別 支 援 学 校 の 小 学 部 」「 中 学 校 , 中 等 教 育 学 校
の前期課程又は特別支援学校の中学部」に就学させると規定されている。よって,保
護者が日本国籍を有する子を一条校として認められていないインターナショナルスク
ールに就学させたとしても法律で規定された就学義務を履行したことにはならない。
講師指導
○ 質問①について
「 茨 城 県 立 高 等 学 校 を 受 検 す る こ と は で き な い 。」 と い う 回 答 は 妥 当 で あ る 。 茨 城 県
立 高 等 学 校 の 応 募 資 格 は ,中 学 校 卒 業 ま た は 中 学 校 卒 業 程 度 認 定 試 験 合 格 が 必 要 と な る 。
卒業を認めるに当たっては,当該生徒の在籍はどうなっているのか,出席状況はどうな
のかを確認する必要がある。また,私立高等学校の応募資格については,学校経営者の
教育方針にも依るので,カリキュラムについても確認しておきたい。
○
質問②について
「 就 学 義 務 を 履 行 し た こ と に は な ら な い 。」 と い う 回 答 は 妥 当 で あ る 。 生 徒 が 外 国 籍
であれば就学義務は生じないが,日本国籍であれば就学義務が生じる。当該生徒は日本
国籍をもつので就学義務が生じることになり,この場合,保護者は就学義務を果たした
とはいえない。
グローバル化が進む中で,今後このような事案は増えることが予想される。就学義務
を履行しないまま,上級学校への進学だけに重きを置くような考え方が出てこないとも
限らない。関係機関との連携を綿密に図るとともに,学校教育に対する保護者の理解を
得るための具体的な手立てを講じていくことが必要である。
-22-
5
【教職員による児童への坐薬の挿入について】
2歳の頃,複雑性痙攣によるひきつけを起こしたことのある新入児童の母親から
「 高 熱 に な る と ひ き つ け を 起 こ す 可 能 性 が あ る の で , 学 校 で 37.5 ℃ 以 上 の 発 熱 が あ
っ た 場 合 は , 坐 薬 を 挿 入 し た 後 , す ぐ に 連 絡 を し て ほ し い 。」 と の 要 望 が あ り , 坐 薬
を養護教諭が預かり,保健室で保管することになった。
①
②
学校の職員が児童に坐薬を挿入することは,認められるのか。
認められるとしたら,坐薬の挿入に関してどのような手続きを踏む必要がある
のか。
<県西ブロック>
<質問事項への考え方>
(根 拠 と な る 関 連 法 令 等 )
・学校保健安全法第7条
学校には,健康診断,健康相談,保健指導,救急処置その他の保健に関する
措置を行うため,保健室を設けるものとする。
・ 学 校 保 健 学 校 安 全 管 理 の 手 引 き 四 訂 版 ( 茨 城 県 教 育 委 員 会 ) P.197
1 学校で行う救急処置の範囲
学校の管理下で発生した傷病(災害等による傷害及び急病等をいう)の一
時的な処置を行うことで,医療行為を行うことではない。例えば,同一傷病
に対して継続的に処置をしたり,内服薬を投与したりすることなどは救急処
置の範囲を越えるものである。
学校で行う救急処置の範囲は,大出血・呼吸停止・意識障害・ショック症
状などのような場合に医療機関にゆだねるまでの救急処置と,医療機関へ行
く必要のない程度の傷病に対する救急処置である。
・てんかん発作時における坐薬の挿入についての取扱い要項 (茨城県教育委員会)
1 学校で坐薬を使用する基準
(1) 応 急 的 手 当 に 限 り , マ ニ ュ ア ル に 従 い 実 施 す る こ と 。 た だ し , 副 作 用 が
確認できないため家庭,医療機関等で一度も坐薬を使用していない場合は,
学校での使用はできない。
(2)
略
(3) 保 護 者 は 申 請 書 を 毎 年 提 出 す る こ と を 原 則 と し , 毎 年 申 請 内 容 を 確 認 す
ること。
(4) 実 施 者 は 県 主 催 の 研 修 を 受 講 し , 受 講 の 修 了 が 認 め ら れ た 者 と し , 校 長
は実施者を明確化しておくこと。
2 実施の手続き(※県教育員会への申請は必要としない)
① 保 護 者 が 通 院 時 に 申 請 書 ( 様 式 A) を 持 参 し , 主 治 医 に 坐 薬 を 学 校 で 使
用することに同意することの確認をしてもらう。
②~④
略
⑤ 保健委員会等で実施が適当と判断した場合は,実施マニュアルを作成す
る 。( 様 式 D)
⑥,⑦
略
⑧ 主治医は,マニュアルについて確認し,氏名,日付等を記入し,押印す
る 。( 様 式 D)
-23-
○
質問①について
児童生徒の健康・安全は,教育目標の一環であり,回避できなかった事故や傷病に
ついて学校は,医療機関に引き継ぐまでにできうる最良の処置を行う責任がある。そ
の た め ,「 学 校 保 健 安 全 法 」 7 条 に 規 定 さ れ る 保 健 室 に お い て 救 急 処 置 を 行 う 必 要 が
あ る 。 し か し ,「 学 校 保 健 学 校 安 全 管 理 の 手 引 き 四 訂 版 」 に あ る 通 り , 医 療 行 為
であってはならない。
質問事項にある「坐薬の挿入」が,教育現場において行う行為として認められるか
どうかは,次の2点がポイントになる。
ア 医療行為にあたらない。
イ 医療機関に引き継ぐまでにできうる最良の処置の範囲である。
結論から言うと,医療行為にあたらず,医療機関に引き継ぐまでにできうる最良の
処置として「認められる」と考える。
○
質問②について
「てんかん発作時における坐薬の挿入についての取扱い要項」にあるように,保護
者からの申請をもとに学校で実施マニュアルを作成し,県主催の研修を受講,修了し
た者のみが坐薬の挿入行為を行うことができる。
「てんかん発作時における坐薬の挿入についての取扱い要項」によると,坐薬挿入
実施の流れは,次のとおりである。
ア 保護者→主治医
・申請の説明
イ 主治医→保護者
・ 申 請 に 同 意 ※ 主 治 医 -同 意 印
ウ 保護者→学 校
・申請
エ 学校(実施者と) ・マニュアルの作成
オ 学校→保護者
・ マ ニ ュ ア ル の 確 認 ※ 保 護 者 -確 認 印
カ 学校→主治医
・ マ ニ ュ ア ル の 確 認 ※ 主 治 医 -確 認 印
キ 学 校
・実施体制の整備
ク 実施者→学校
・実施報告
ケ 学校→保護者
・実施内容の通知
コ 保護者→学校
・実施内容の了承
※ 保 護 者 -了 承 印
講師指導
○ 質問①について
市町村立小中学校では,現行では認められない。次の2点はきちんと抑えておく必要
がある。
ア 医療用医薬品を使用する行為は,医療行為にあたるのでできない。できるのは医
薬品使用の介助行為であるということ。
イ 児童生徒が,以下の3つの条件を満たしているときに,介助が可能となること。
『 学 校 に お け る 薬 品 管 理 マ ニ ュ ア ル 』( 財 団 法 人 日 本 学 校 保 健 会 ) に は ,「 事 前 に
保護者の具体的な依頼に基づき,医師の処方を受け,あらかじめ薬袋等により授与
された医薬品について,医師又は歯科医師の処方及び薬剤師の服薬指導の上であれ
ば医薬品の使用(①皮膚への軟膏の塗布,②湿布薬の貼付,③点眼薬の点眼,④一
包化された内服薬の内服,⑤肛門からの坐薬の挿入,⑥鼻腔粘膜への薬剤噴霧)の
介助が可能」と示されている。
【3つの条件】
1 患者の容態が安定していること。
2 医師または看護職員による連続的な容態の経過観察が必要でないこと。
3 医薬品の使用に関して専門的配慮が必要でない場合。
○
質問②について
「てんかん発作時における坐薬の挿入についての取扱い要項」は,現行県立特別支援
学校に適用する要項である。
したがって,市町村立小中学校においては,質問①同様,医療行為はできないことに
なる。しかし,緊急時の対応の例外として,アレルギー疾患のある児童生徒がアナフィ
®
ラキシ-発症時に使用するアドレナリン注射薬(エピペン )については,アナフィラ
®
キ シ ー の 救 命 の 現 場 に 居 合 わ せ た 教 職 員 が ,「 エ ピ ペ ン 」 を 自 ら 注 射 で き な い 状 況 に あ
る 児 童 生 徒 に 代 わ っ て 注 射 す る 場 合 に は ,「 ガ イ ド ラ イ ン 」 に お い て 示 し て い る 内 容 に
即 し て 教 職 員 が 注 射 を 行 う も の で あ れ ば , 医 師 法 違 反 と は な ら な い 。(「 学 校 に お け る
食 物 ア レ ル ギ ー 対 応 の 手 引 き 」 平 成 26 年 3 月 茨 城 県 教 育 委 員 会 )
また,各学校独自で行う校内研修を積極的に進めていく必要がある。
-24-
6
【講
講師
1
話
要
旨】
茨城県教育庁義務教育課
管理主事
稲川
善成
先生
はじめに
茨城県学校長会法制委員会並びに茨城県小中学校教頭会法制部合同研修会では,5地区の教頭先
生方より,身近に起こる法令上の疑問が提案され,法令への理解を深めることができた。
日常的に起こる出来事と法令とは,密接な関係にある。管理職だけではなく,すべての職員が情
報を共有することが大切である。正しい法的根拠の理解は,上司のトップダウンを待つだけでなく,
行政や専門家,学校間のネットワークを作っておくことが大切になってくる。
例として,職員が重大なけがや突然倒れた場合,公務災害の認定申請を行うかどうかについて様
様な見解が考えられる。土曜日にPTA主催の球技会に参加した場合や平日の昼休みにとっている
休憩時間帯に児童と校庭で遊んでいた場合とでは,法令上の措置の仕方は違ってくる。授業中に脳
梗塞で倒れた職員が入院し,手術が施された場合,頭痛などの脳梗塞の前兆が以前から見られた場
合と平常の勤務が続いていた中で突然起こった場合とでは適用認定が違ってくる。事故等が発生し
た場合,どのような状況だったかその背景を十分に検証していかなければならない。
療養休暇,病気休職の制度が変わった。90日間の療養休暇のとらえ方も難しい。虫垂炎で療養
休暇を取得した職員が,別な腸の疾病になった場合,病名は違っても,虫垂炎が原因ならば,療養
休暇は加算される。今回は療養休暇や病気休職についての法令をテーマに事例検討や演習をしたい。
2
事例検討(1)
Q:療養休暇の期間計算における療養休暇と療養休暇の間にはさまれている日の取扱いは,ど
うあるべきか。
【基本的な考え方】
① 療養休暇と療養休暇の間にはさまれている週休日,祝日,年次休暇を取得した日等につい
ては,療養する必要がある状態が引き続いていると考えることが適当であるから,療養休暇
の期間計算に含める。
曜日
木
金
土~水
木
金
土
日
月
火
勤 務 例
勤務
療休
療休
療休
療休 週休日 週休日
年休
療休
期間計算
―
1
…
7
8
9
10
11
12
勤 務 例
勤務
療休
療休
療休
療休 週休日 週休日
勤務/年休 2h
療休
期間計算
―
1
…
7
8
9
10
11
12
② 療養休暇と実勤務日にはさまれている週休日,祝日,年次休暇を取得した日等については,
療養する必要がある状態が引き続いているとは限らないことから,療養休暇の期間計算に含
めない。
曜日
木
金
土~水
木
金
土
日
月
火
勤 務 例
勤務
療休
療休
療休
療休 週休日 週休日
勤務
療休
期間計算
―
1
…
7
8
―
9
勤 務 例
勤務
療休
療休
療休
療休 週休日 週休日
勤務/部分休業 2h
療休
期間計算
―
1
…
7
8
―
9
③ 療養休暇と療養休暇の間にはさまれている勤務時間の短縮措置に基づく時間単位の療養休
暇または年次休暇を取得した日については,同日のみ,療養休暇の期間計算に含めない。
曜 日
木
金
土~水
木
金
土
日
月
火
勤 務 例
勤務
療休
療休
療休
療休 週休日 週休日 勤務/勤務時間短縮 2h
療休
期間計算
―
1
…
7
8
9
10
―
11
-25-
3
事例検討(2)
Q:職員の分限条例で定められている休職期間は,最大3年である。次の事案の場合,当該教諭
は,病気休職を取ることができるか。
今後,この教諭に対して,管理職は,どのような対応をしていけばいいか。
主治医から自律神経失調症と診断され,療養休暇に入り,引き続き病気休職に入って,
3年が経過した。
当該教諭は,休職3年満期後に職場復帰したが,2週間勤務した後,再び休み始めた。
なお,再度の診断結果は,統合失調症であった。
【休職に関する基本的な考え方】
① 休職を取得できる事由は,地方公務員法第28条第2項各号において規定されている。
地方公務員法 第28条(降任,免職,休職等)
2 職員が,左の各号の一に該当する場合においては,その意に反してこれを休職する
ことができる。
一 心身の故障のため,長期の休養を要する場合
二 刑事事件に関し起訴された場合
②
地方公務員法第28条第3項,地方教育行政の組織及び運営に関する法律第43項により,
当該教諭が病気休職を取得できるか否かは,都道府県の条例に委ねられることになる。
地方公務員法 第28条(降任,免職,休職等)
3 職員の意に反する降任,免職,休職及び降給の手続き及び効果は,法律に特別の定
めがある場合を除く外,条例で定めなければならない。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律 第43条(服務の監督)
3 県費負担職員の任命,分限または懲戒に関して,地方公務員法の規定により条例で
定めるものとされている事項は,都道府県の条例で定める。
③
事例について
・当該教諭は,既に休職を延長し,3年間の休職を取得した。
・復職後,実勤務が2週間あった。
・クーリング期間である20日の実勤務日がないので,クーリングされない。
【回答・対応】
① クーリングが成立しないので,療養休暇は取れない。したがって,療養休暇後の休職も取
れない。
② 今回の状況のまま,療養休暇・休職は取れない。年休での対応か欠勤になる。
③ 欠勤となれば,その日数により地方公務員法第28条第1項第1号に該当し分限免職まで
想定しなければならない。
地方公務員法 第28条(降任,免職,休職等)
職員が,左の各号の一に該当する場合においては,その意に反してこれを降任し,ま
たは,免職することができる。
一 勤務実績が良くない場合
【まとめ】
今後の当該教諭の勤務の動静により県の条例等に基づいた教育委員会の判断に依ることにな
る。また,管理職は,当該教諭の年次休暇はどれくらい残っていて,どのような勤務の態様を
すれば,本人のためになるかを考え,当該教諭が不利益を被らないよう適切に判断し,当該教
諭及びその家族にていねいに関わる必要がある。分限免職等の処分については,本人が納得し
てもその家族が納得しない場合がある。家族にも納得のいく説明をしなくてはならない。
-26-
4
演習問題
Q:教諭が,病気休職に入っている際に,以下の行動をすることの可否についてどうあるべきか。
①
②
③
1週間の海外旅行に行く場合
雑誌で専門とする教科の指導方法について,定期連載の記事を掲載する場合
資格取得のために,専門学校に通う場合
【病気休職についての基本的な考え方】
○ 療養休暇から病気休職になる場合の教諭の病気の状態を十分把握する。医師の診断書の記
載について,期間が妥当か。条例上,二人以上の医師の診断が必要になる。一人の医師の診
断書が短期間に連続し,短期間の療休を繰り返した場合,審査会にどの時点でかけるかの判
断が大切である。
○ 病気休職中は,病気の治療を目的とした休職であり,治療に専念することは,当然である。
管理職は,休職期間を目的外に活用しないよう事前に指導する必要がある。
○ 管理職は,病気休職中の職員の動静及び治療の経過を常に確認しておくことが大切である。
【回答・対応】
① 病気休職中に「1週間の海外旅行に行く場合」について
・ 海外旅行の妥当性はあるか。医師が海外旅行が患者の気分転換となり病気治療の有効性
が高いと判断する場合もある。海外旅行の手続きについては,原則1か月前に「旅行計画
書」を本人が校長に提出する。校長は,様々な背景を考慮し,病気療養中に海外旅行の要
望があった時点で受理するか判断しなくてはならない。
・ 心身の故障のため,長期休養をさせることが望ましいということから,職務に従事させ
ないとする病気休職の趣旨を考えると,何をしてもよいということにはならない。また,
長期の旅行に行くときは市町村教育委員会に海外渡航許可の届出が必要であり,教諭がそ
れを提出せずに旅行に出かけた場合には,処分の対象になる可能性がある。
・ 三重県では,病気休職中に中国に海外旅行に出かけた教諭に対して「減給十分の一を3
か月」。神奈川では,「停職6か月」の処分をした事例がある。
・ 病気休職中の職員の動静の確認を怠った管理職にも責任はある。
②
病気休職中に「雑誌で専門とする教科の指導方法について,定期連載の記事を掲載する場
合」について
・ 事例では,雑誌への記事を提供することで,収益(原稿料等)が発生することが考えら
れる。その場合,地方公務員法第38条「営利企業等の従事制限」の規定が問題となる。
地方公務員法 第38条
(営利企業等の従事制限)
職員は,任命権者の許可を受けなければ,営利を目的とする私企業を営むことを目的とす
る会社その他の団体の役員その他人事委員会規則で定める地位を兼ね,若しくは営利を目的
とする私企業を営み,又報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
・
「任命権者の許可を得なければ」とあるが,事例では,病気休職中である。任命権者に
許可を願い出たとしても,病気休職中に報酬を得るという事態に許可はされないと考えら
れる。ただし,例えば,医師との相談により,
「執筆活動が病気の回復に影響しない」,
「執
筆活動がリフレッシュになる」等の判断があり,その上で任命権者に報告し,営利企業等
従事の許可を得ている場合は,任命権者の判断により問題とならない場合もある。
・ 無許可で連載を継続し,事実が発覚した時点で,懲戒処分になった事例には次のような
ものがある。
-27-
〈事例〉・病気休職中でなかったが,小学校教諭がブログを立ち上げ,アクセス数で約10
万円の報酬を得た職員に「停職2か月」。高等学校教諭が高校生を対象とした学
習塾で3か月アルバイト講師をした職員に「減給2か月」。
③
病気療養中に「資格取得のために,専門学校に通う場合」について
・ この問は,教諭が病気休職中に資格取得のために,専門学校に通うことが何に抵触する
のかどうかについて問われている。
・ 専門学校に通える職員に病気休職は必要か。病気休職の基本的な考え方から,病気の治
療を目的とした休職であり,治療に専念することに違反し,休職期間を目的外に活用して
いると判断できる。
・ 資格取得を目的に休職したとも考えられる。医師の診断があったにせよ,虚偽申請の疑
いも考えられる。病気休職中に資格を取得した事例があった。事実が発覚した時点で,懲
戒処分も考えなくてはならない。
・ 病気休職中に大型免許を取得した教諭に停職2か月。病気休職中に司法試験を受験した
職員に懲戒。
【参考】 地方公務員法の罰則処分
第六十一条 (三年以下の懲役又は十万円以下の罰金)
①左の各号の一に該当する者は,三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
一 審査及び審査の結果執るべき措置(第五十条第一項)に規定する権限の行使に関し,人事
委員会又は公平委員会の権限(第八条第六項)の規定により人事委員会若しくは公平委員
会から証人として喚問を受け,正当な理由がなくてこれに応ぜず,若しくは虚偽の陳述
をした者又は同項の規定により人事委員会若しくは公平委員会から書類若しくはその写
の提出を求められ,正当な理由がなくてこれに応ぜず,若しくは虚偽の事項を記載した
書類若しくはその写を提出した者
二 任用の根本基準(第十五条)の規定に違反して任用した者
三 受験資格(第十九条第一項後段)の規定に違反して受験を阻害し,又は情報を提供した者
四 何人たるを問わず,争議行為等の禁止(第三十七条第一項前段)に規定する違法な行為の
遂行を共謀し,そそのかし,若しくはあおり,又はこれらの行為を企てた者
五 勤務条件に関する措置の要求(第四十六条)の規定による勤務条件に関する措置の要求の
申出を故意に妨げた者
5
おわりに
今後,茨城県は職員の大量退職に備え,新規採用職員が増加していく。若手教員を含め,心身に
支障をきたし,療養休暇や病気休職を取得する職員の人数は益々増加することが考えられる。職場
の雰囲気が心身の健康に大きく影響する。
【管理職に望むこと】
(1)教職員が安心して,意欲を持って勤務できる学校づくり
① 笑顔やあいさつがあふれる職場環境をつくる。同僚性,協働性が高い職場集団,法令を遵
守し,規範意識の高い職員集団をつくる。そのような学校は活気があり,魅力的である。
② 教職員一人一人の課題を把握し,働きかけを積極的に行う。
③ ミドルリーダーの教員やファシリテーターとなる職員を育成し,新規採用職員や講師等の
若手教員を全職員で育てる「チーム学校づくり」を推進する。
(2)保護者や地域住民から信頼される学校づくり(キーワード:「親切」「丁寧」「思いやり」)
① 人権意識をもって丁寧に対応する。表情や言葉かけを大切にする。(「学校の接遇」)
② 課題解決のためのプロセスをわかりやすく説明する。(学校経営の「可視化」,「透明性」)
③
学校への要望や苦情等には,迅速かつ誠実に対応する。(「直接の学校評価」への対応力)
④
学校事故発生時の迅速な対応力を強化する。(「初期対応と事後対応」,「管理職の出番」)
-28-
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