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第1回 啓発・マナーに関する協議

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第1回 啓発・マナーに関する協議
第1回
啓発・マナーに関する協議
平成26年8月5日(火)
10:00~12:00
改訂京都市自転車総合計画の見直し検討部会
1
本日の
協議内容
1.自転車の位置付け
2.ルール・マナーの状況
3.ルール・マナーの方向性
4.啓発の手法
5.万一に備えて
6.今後の方向性
【別紙】参考資料:市民アンケート集計結果
自転車利用のルール・マナー
2
1.自転車の位置付け
1
啓発・マナー
自転車の位置付け
2
3
4
5
6
3
自転車は効率的な移動手段
■自転車の特性
環境にやさしく,健康的で便利な乗り物である
公共交通と対比されるパーソナル・モビリティ(私的交通)
利用には,道路環境・通行の規制等あり一定の配慮が必要
【利用者の視点】
メリット
◎気軽に利用しやすい
近距離の移動に適しており,手軽に目的地まで行ける。
また,公共交通と違い時間の制約がない。
◎経済的である
比較的安く手に入り,燃料・税金が不要なため経済的で
ある。
◎健康に良い
体を動かし,適度に良い運動になるため,健康に良い。
◎自然を感じられる
全身で風を受けながら,自然を感じ心地よく走れる。
デメリット
交通弱者になりやすい
対自動車において,交通事故の被害者になる場合が多い。
交通加害者になりやすい
自転車利用のマナー・ルールが守られていないため,対歩
行者において交通加害者になる場合が多い。
盗難に遭いやすい
持ち運び等が可能であり,カギも簡易なものが多いため,
盗難に遭うケースが多い。
天候に左右される
雨,雪,気温などの気象条件により,乗りにくくなる。
啓発・マナー
1
自転車の位置付け
2
3
4
5
6
4
5㎞以内の移動の所要時間は自転車が最短
自転車は,5㎞程度の短距離において,鉄道や自動車を始めとしたどの交通手段
よりも所要時間が短く,都市交通として最も効率的な手段である。
徒歩
60
バス
自転車
自動車
50
鉄道
移動時間( 分)
40
徒 歩:4.8㎞/h
自転車:入出庫4分+15㎞/h
自動車:入出庫7分+17.5㎞/h
バ ス:10分+14㎞/h
徒歩 6分(発着地計)
待ち時間 4分
鉄 道:17分+32㎞/h
徒歩 12分(発着地計)
駅内移動 3分(1駅)
待ち時間 2分(1駅)
30
自転車の所要時間
が最も短い距離帯
(0.5~5km)
20
10
0
0
5
移動距離(km)
10
15
MATT関東圏時刻表 2002年11月:八峰出版
/
東京都交通局ホームページ(http://www.kotsu.metro.tokyo.jp)
平成7年 大都市交通センサス:財団法人運輸経済研究センター
/
平成11年 道路交通センサス:建設省道路局
自転車駐車場整備マニュアル:建設省都市局 監修
自転車歩行者通行空間としての自歩道等のサービス水準に関する分析,土木計画学研究・講演集No.22(2) 1999.10 を基に分析
啓発・マナー
1
自転車の位置付け
2
3
4
5
5
6
5㎞圏内の自転車利用が約8割以上
京都市の代表交通手段における自転車の距離別のトリップ数
トリップ
400,000
360,000
320,000
280,000
240,000
200,000
160,000
120,000
80,000
40,000
0
93.3%
81.1%
93.2%
96.5%
95.5%
98.0%
96.8%
99.0%
98.3%
80.5%
51.5%
52.8%
2.5
5.0
7.5
10.0
12.5
15.0
累計トリップ
100.0%
100%
100.0% 90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
15.0~ km
トリップ 平日
トリップ 休日
累計トリップ 平日
累計トリップ 休日
出典:H22年パーソントリップ調査より算出
(注)所要時間×自転車の平均速度(15km/h)で距離を算出
四条烏丸交差点から5㎞の範囲
4㎞
1㎞ 2㎞
3㎞
5㎞
1
啓発・マナー
自転車の位置付け
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3
4
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6
6
京都市における自転車利用の位置付け
「歩くまち・京都」総合交通戦略
の位置付け
現行の自転車総合計画
の位置付け
 歩行者とクルマの中間的な速度での移動が可
能な乗り物
 環境にやさしく,健康的で便利な乗り物として
交通体系における重要な移動手段
自転車の
明確な位置付けはない
自転車の位置付けが必要
 自転車はパーソナル・モビリティ(私的交通)である。
 自転車は,5㎞程度の短距離において,鉄道や自動車を始めとしたどの交通手段よりも所要時間
が短い。
 5㎞以内の自転車利用が約8割強を占めている。
7
2.ルール・マナーの状況
啓発・マナー
1
2
ルール・マナーの状況
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5
6
自転車利用のルールとマナーの定義
■ルールとマナーの定義
ルールとは
〇道路交通法等の法令の規定に基づき義務として
遵守しなければならないきまり
【例えば】
二人乗りの禁止
飲酒運転の禁止
並進の禁止
マナーとは
〇義務ではないが,円滑,安全な走行等のために
従った方がよい道義的に必要なこと
【例えば】
 歩行者に対して,むやみにベルを鳴らさない。
 危険な場合は,自転車を降りて歩行者に譲る。
8
啓発・マナー
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ルール・マナーの状況
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9
小学校での自転車交通安全教育の取り組み
■安全ノートを活用した交通安全教室
■各小学校での自転車教室の実施
自転車運転免許証の交付を伴う自転車教室を活用する小学校が増加
年度
20
21
22
23
24
25
実施
小学校数
(校)
45
64
76
86
94
120
出典:京都府警察HP
啓発・マナー
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ルール・マナーの状況
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5
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様々な自転車交通安全教育の取り組み
■スケアード・ストレイト方式による自転車交通安全教室の実施
 スタントマンが事故を再現し,交通事故の衝撃や恐怖を実感させる
ことで,危険を認識させる。
年度
23
24
25
実施した中・高等学校数(校)
1
2
4
■自転車利用マナー向上啓発グッズ
 『確認しましょう 自転車の交通ルール』(京都府警察)
 『自転車運転 小学生』(民間)
出典:京都府警察/au損保保険株式会社
■自転車交通安全教育プログラムの作成
■自転車の安全利用に係る啓発用DVDの配布などの取り組みを実施
創意工夫あふれる施策で,自転車の安全運転意識の向上を促す
啓発・マナー
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ルール・マナーの状況
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京都市内の街頭での啓発活動の取り組み
 京都市による「まちかど啓発」の様子
繁華街での啓発
繁華街での啓発
交差点での啓発
通学路での啓発
11
啓発・マナー
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ルール・マナーの状況
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ルール・マナー啓発イベント
 平成26年度自転車マナーアップフェスタ等
平成26年1月25日開催
平成26年6月1日開催
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ルール・マナーの状況
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路面標示や注意喚起サインの設置
御池通の路面標示
御池通の注意喚起看板
走行環境の整備と,ルール厳守の取り組みをあわせて推進
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ルール・マナーの状況
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自転車利用のルールと罰則
■自転車利用のルールと罰則について
■歩道の通行方法について
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ルールの認知度は7割以上
自転車のルールや罰則について,4分の3の市民が認知をしている。
多くの市民がルールを遵守している。
Q.自転車の利用ルール・マナーや罰則に
ついて知っていましたか。
(回答数=1,000人:前項の図を参照)
全く知らない 4.6%
よく知っている
13.1%
Q.自転車の利用ルール・マナーをいつも
守っていますか。(回答数=720人)
全然守っていない
1.8%
いつも守っている
あまり守っていない
14.4%
11.5%
あまり知らない
19.5%
だいたい知っている
62.8%
だいたい守っている
72.2%
啓発・マナー
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ルール・マナーの状況
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自転車は「車道左側通行」へ
■改訂自転車総合計画後の自転車環境の変化
昭和45年10月
道路交通法の改正を機に道路構造令に自転車歩行者道の設置を盛り込む
事故の多発による緊急的な処置として一部の歩道を通行可能にした。
平成23年10月
自転車交通総合対策のとりまとめ(警察庁)
全国の都道府県警察本部に
「良好な自転車交通秩序の実現のための総合対策の推進について」を通達
【ポイント】
○自転車は「車両」であることを交通社会を構成するすべての者に徹底
○自転車の通行環境を整備し,自転車と歩行者の分離を推進
平成25年12月
道路交通法の一部改正
自転車の路側帯通行が道路の左側に設けられた
路側帯に限定される。
啓発・マナー
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ルール・マナーの状況
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車道左側通行は3割
正しい走行位置はよく知られているものの,車道の左側を実際に走っているのは
3割であり,遵守できない何らかの事情を抱えている。(市民全体の意識・走行環境)
Q.「自転車は車道の左側を通行する」
ということを知っていますか。
(回答数=1,000人)
Q.普段自転車で走行する際,どこを走りますか。
(回答数=720人)
歩道
知らなかった 9.4%
車道
歩道の 歩道の 歩道の
建物側 真ん中 車道側
車道
48.5
知っている
90.6%
%
32.8
%
12.1
%
6.7%
1
啓発・マナー
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ルール・マナーの状況
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自転車で走りにくい理由は歩行者の多さが6割
走りにくい理由の約6割が歩行者の多さを挙げている。
約4割が交通マナーの悪い人が多いと回答
Q.市内で自転車を走行する場合どのようなところが走行しにくいですか。
(複数回答可,回答数=1,000人)
0%
歩道
車道
10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
56.0%
歩行者が多い
歩道が狭い
54.4%
車が多い
54.2%
56.7%
路肩が狭い
51.1%
路上駐車が多い
マナー
42.1%
交通マナーの悪い人が多い
38.8%
看板や電柱などの障害物が多い
21.7%
舗装面が走行に適していない(振動,滑りやすいなど)
標識や案内がなく,わかりにくい
その他
9.2%
1.5%
啓発・マナー
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ルール・マナーの状況
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歩行中に感じる危険の多くはルール違反に起因
携帯電話の通話や傘をさしながらの自転車利用に6割以上,スピードを出し
ての自転車利用,突然の飛び出しが約5割と高い。
Q.市内を歩いていて自転車に対し,危険を感じたことがありますか。
(複数回答可,回答数=1,000人)
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
62.2%
携帯電話で通話や傘をさしながら走行する自転車
54.4%
突然の飛び出し
52.6%
スピードが出ている自転車とすれ違うとき
40.3%
乱暴な追い越し
26.9%
ベルを鳴らされたこと
走行している自転車にぶつかった
12.3%
放置自転車にぶつかった
9.7%
危険を感じたことはない
9.3%
その他
3.3%
20
3.ルール・マナーの方向性
啓発・マナー
1
3
2
ルール・マナーの方向性
4
5
21
6
自転車事故の3分の2がルール違反あり
自転車事故死傷者の3分の2は,ルール違反がある。
90
(%)
信号無視
80.0%
一時停止無視率
60
ルール違反なし
35.1%
36.8%
ルール違反あり
33.9%
30
64.2%
16.9%
0
クルマ運転者
自転車乗用者(第1・2当事者)の法令違反別死傷者割合
(2011年)
自転車運転者
信号無視率,一旦停止無視率の数値
(各無視の件数/自転車事故の件数)
(1993~2001年)
出典:『実践する自転車まちづくり
役立つ具体策』
古倉宗治氏著
啓発・マナー
1
3
2
ルール・マナーの方向性
4
5
6
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ルール・マナーへの納得感のなさ・意識の薄さ
ルール・マナーを守らない人は,現状のルール・マナー等が実情にあっていない,
普段意識をしないという回答をしている。
Q.自転車の利用ルール・マナーを守らない理由を教えてください。
(複数回答,回答数=38人)
0%
20%
40%
34.2%
利用時,意識していない,忘れている
26.3%
他の人も守っていないから
ルールやマナーが間違っていると思うから
80%
65.8%
ルールやマナーが道路や交通の実情に合っていないと思うから
罰金をとられないから
60%
10.5%
7.9%
100%
啓発・マナー
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3
ルール・マナーの方向性
4
5
6
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『何が危険か』をわかることが大切
目的
歩行者・自転車の安全の確保
自転車の秩序ある走行の実現
事故の
軽減へ
ルール・マナーの周知と遵守 → 第1回の部会
安全な自転車通行環境の整備 → 第2回の部会
何を(内容)どう伝えるか(手法)
ポイント
「知る」+「分かる」へ
ルールやマナーについて,「守る=安全」の意味を理解・納得が必要
事故に遭わない・起こさないための知識と想像
1
啓発・マナー
2
3
ルール・マナーの方向性
4
5
6
24
例①:なぜ左側通行なのか?
■裏道の交差点の死角
自動車から見えない
見える
自転車に気付かない
事故
左側通行
右側通行
右側通行と
一時不停止が危険
ルール違反
■脇道交差点での車両との危険性比較
出会い頭事故
自動車から見えにくい
見えない
自転車に気付かない
気付くのが遅れる
車道(右側通行)
50.4倍
車道(左側通行)
1.0倍
歩道(車道寄り)
1.1倍
歩道(車道寄り)
1.1倍
歩道(建物寄り)
23.1倍
歩道(建物寄り)
3.1倍
視覚範囲
(見えやすい)
事故
民地
民地
2002~2005年(4年間)の事故件数
出典:警察庁「自転車の交通事故の実態と自転車の交通ルールの徹底方策の現状」(平成24年10月)
啓発・マナー
1
2
3
ルール・マナーの方向性
4
5
6
25
例② なぜ無灯火はいけないのか?
ライトは地面を照らすことよりも,
自分の存在を車のドライバーに早く分かってもらうために必要
■交差点において右側から無灯火の自転車が接近してくる場合
自動車が存在に
気付かない
無灯火
事故
車のドライバーからは
自転車の存在がよく見えない
■交差点において右側からライトをつけた自転車が接近してくる場合
自動車が存在に
気付く
灯火
事故を回避
後ろからも自転車の存在が
わかるように反射盤をつける
自転車のライトがよく見える
自転車がこちらにむかって
きているのが分かる。
出典:群馬県警察HP
26
4.啓発の手法
啓発の手法
啓発・マナー
1
2
3
4
5
27
6
年齢が上がるにつれ受講経験なしが増加
平成23年中の自転車受講人員の対象別内訳
 自転車教室受講の約90%が小中・高校生
 交通安全教室・講習等での交通ルール・マナーの
学習機会がない世代は50歳以上に集中
2.8% 7.9% 4.2%
1.5%
1.4%
事業者関連
高齢者
女性
高校生
中学生
小学生
幼児
その他
高校生
20.1%
⇒高齢者世代への
交通ルールマナー学習機会の必要性
小学生
49.5%
中学生
20.0%
0.9%
27.1%
62.6%
9.4%
「きちんと学んだことがない」と回答した者の各年齢層に占める割合
100%
80.0%
80%
62.5%
60%
43.3%
40%
■ きちんと学んだことはない
20%
8.1%
14.6
17.7%
61.3%
48.1%
21.5%
■ 学校以外で行われた
0%
交通安全教室・講習に参加
16~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~64歳 65~69歳 70~74歳 75歳以上
■ 学校で行われた
交通安全教室・講習に参加
【上】出典:自転車の交通事故の実態と自転車の交通ルールの徹底方策の現状(警察庁交通局企画課)
■ 不明
【下】出典:自転車安全教育に係る意識等に関するアンケート調査(平成24年8月)(警察庁)
啓発の手法
1
啓発・マナー
2
4
3
5
28
6
ルール・マナー教育の機会の必要性
半数の市民が自転車の安全利用に関する交通安全教室の受講経験がなく,
対策が求められる。
Q.自転車の安全利用に関する交通安全教室を受けたことがありますか。(複数回答可,回答数=1,000人)
0%
10%
20%
30%
40%
学校で受けたことがある
子供の通っている学校で保護者向けを受けたことがある
0%
20%
40%
10代 5.6%
60%
80%
100%
94.4%
34.4%
65.6%
30代
46.5%
53.5%
40代
46.4%
53.6%
60代以上
100%
50.3
受けたことがない
50代
90%
1.4
3.2
勤務先で社員向けを受けたことがある
受けたことがある
80%
7.1
車の免許の更新時に受けたことがある
受けたことがない
70%
5.0
1.8
区役所・市役所で受けたことがある
20代
60%
38.8
地域で受けたことがある
 受けたことがないと回答者を年代別でみると
10代は約9割が受講経験があったのに対し,
60歳以上では7割以上の人が受講したことが
ないと回答している。
50%
55.1%
44.9%
74.0%
26.0%
啓発の手法
啓発・マナー
1
2
3
4
5
29
6
65歳以上の事故では重傷化・死亡が多い
65歳以上の高齢者と若年層の自転車関連事故が多い。
高齢者は事故にあった場合,重傷化または死亡する割合が高い。
平成23年自転車乗用中の年齢層別死傷者数,重傷者数及び死者数
65歳以上
25,006 人
(17.4%)
60~64歳
8,586人(6.0%)
50~59歳
12,154人
(8.5%)
15歳以下
26,245 人
(18.3%)
死傷者数
143,738人
16~24歳
31,667
(22.0%)
40~49歳
14,780人 30~39歳
25~29歳
(10.3%) 16,278 人
9,022人
(11.3%) (6.3%)
65歳以上
3,843 人
(35.7%)
65歳以上
375 人
(59.7%) 死者数
15歳以下
1,450人
(13.5%)
重傷者数
10,779人
60~64歳 50~59歳
998人(9.3%) 1,152人
(10.7%)
40 人
5人
23 人
628人
16~24歳
1,390人
(22.0%)
33 人
61 人
64 人
25~29歳
341人(3.2%)
30~39歳
713人(6.6%)
40~49歳
892人
(8.3%)
27 人
15歳以下
40~49歳
16~24歳
50~59歳
25~29歳
60~64歳
30~39歳
65歳以上
高齢者の自転車乗車中の死傷者数(25,006人)の
約17%と他の年齢層に比べ高い。
出典:自転車の交通事故の実態と自転車の交通ルールの徹底方策の現状(警察庁交通局交通企画課)
啓発の手法
啓発・マナー
1
2
3
4
5
30
6
事故は10歳~20歳代の年齢層が多い
20歳代は事故件数も多く,年齢別における事故の割合も高い。
京都府における自転車乗用中死傷者数
600
(人)
平成24年度
平成25年度
482
500
421
400
300
364
306
378 385
336
263 278
299
300 303
225 219
200
169
128
100
0
15歳以下
16~19歳
事故が多い
20歳代
30歳代
40歳代
50歳代
60~64歳
65歳以上
重傷化・死亡が多い
【左】出典:京都府警察/自転車事故の特徴
啓発の手法
啓発・マナー
1
2
3
4
5
6
31
ルール・マナー教育について
【なぜ】
事故軽減のために
ルール・マナー教育の必要性が高い年代は重点的に取り組む
重点的に取り組む年代
【どこで】
【誰に】
10歳・20歳代
・事故が多い年代
有効と考えられる方法例
学校との連携
【どのように】
携帯電話・スマートフォン・WEB等
【誰に】
【どこで】
老人会や町会の集会等
・事故が重傷化する
・自転車教育を受けて
いない年代
65歳以上
【どのように】
各種病院との連携
ルール・マナーは知るだけでなく
知る
+
分かる
【何を】
守る動機付け
→ 意味を理解・納得させること
啓発の手法
1
啓発・マナー
2
3
4
5
6
32
海外の自転車ルール・マナー教育①
■子どもの年齢別に自転車走行の教育トレーニングと検定試験(イギリス)
http://bikeability.dft.gov.uk/
 中央政府が国家プログラムとして自転車トレーニング
「Bikeability」を2007年から実施。
2011年現在,約8割の地方自治体が参加している。
 子どもの年齢別に自転車走行の教育トレーニングと検定
試験を実施
 コースに合格すると,レベルに応じたバッジを授与
「Bikeability」レベル別教育内容
レベル1(~9才)
・基本的な自転車乗車方法
・簡易な自転車点検
レベル2(10~11才)
・道路での走行位置(交差点含)
・手信号と交通規制
・自動車への対処方法
レベル3(11~18才)
・あらゆる状況下での安全走行
・自らの走行ルート計画
・道路標識の解釈
出典:日本道路協会『道路』2013.8月号
イギリスにおける交通安全施策の推進(吉田長裕,畑中克好)
啓発の手法
啓発・マナー
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海外の自転車ルール・マナー教育②
■児童,生徒に対する交通教育の重視(ドイツ)
交通教育(学校)
運転者教育(自動車学校)
交通安全教育プログラム(DVW)
 ドイツ交通安全協議会(DVW)により,特に児童,生徒に
対する交通教育が重視。
 10歳になると学校に警察が来て自転車の試験を実施し,
試験に合格すると自転車のライセンスがもらえる。
ライセンスの裏に個々の能力に応じて,両親への注意事項
が記載されている。
≪事例≫
小学校における交通安全教室に関わる必修時間数は年間20時間と規定。
(ノルトラインヴェストファーレン州)
出典:平成22年度自転車交通の総合的な安全性向上策に関する調査報告書
幼い頃からきちんとルール・マナーを教える
啓発の手法
啓発・マナー
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国内の事例① 市民・地域・大学
■子を持つ母親が中心に自転車について学ぶ活動(おやこじてんしゃプロジェクト)
 子育てをする母親が中心となって行っている。
 自転車利用が多い5都市(東京・埼玉・千葉・神奈川・大阪)を中心に「おやこじてんしゃ勉強会」を開催。
 子ども乗せ自転車のもつ危険性,自転車を選ぶ時のポイントなどを学ぶ。
■大学の学生への啓発活動
 京都大学
・本学正門前や西部構内付近,百万遍交差点周辺で,川端警察署・京都市・地元関係者・学生ボランティア・
大学により,自転車安全利用推進の啓発活動を実施。
 立命館大学
・自転車通学者には,「自転車登録制度」を義務付け,交通安全講習会の受講,対人・対物に備えた自転車
賠償責任保険の加入の2つを要件としている。
啓発の手法
啓発・マナー
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国内の事例② 自治体(インセンティブ)
■自転車駐輪場優先登録特典(東京都三鷹市,武蔵野市)
 市内で自転車を運転する中学生以上を対象に自転車安全利用講習会を実施。
 受講者には自転車安全利用認定証を発行し,講習会修了特典として,TSマーク付帯保険の助成
(1,000円)や,定期利用駐輪場の優先権が与えられる。
出典:武蔵野市HP
出典:三鷹市HP
■高齢者交通安全にポイント制度(宮崎県都城市・三股町)
◎高齢者の事故が多発
◎交通安全教室を受講する機会がない人がほとんど
意識を高めて事故防止につなげるのが目的
 高齢者が交通安全教室などに参加して,ポイントカードにスタンプを集めると
商品券や交通安全グッズがもらえる取り組み。
○都城地区安全運転管理者等協議会(地元事業者等)が主催
○交通安全教室や交通安全キャンペーンに1回参加でスタンプ1個
スタンプ2個 → 交通安全グッズ(反射材など)
スタンプ3個 → 地元で使える商品券(500円分)
出典:朝日新聞(2014年7月10日)
啓発の手法
啓発・マナー
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国内の事例③ 民間企業・学校
■民間企業におけるルール・マナー教育(東京都)
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotu/bicycle/modelkigyou.htm
 警視庁が「自転車安全利用モデル企業」を指定し,
従業員の交通安全意識の高揚と自転車の安全管理に努める企業の拡大を図っていくことを目的とした制度
 バス,タクシー事業者のような交通と関わりが深い企業はもちろん,様々な企業がモデル企業として
指導,教育を実施。
出典:警視庁HP
■自転車免許証の導入(岐阜県・愛知県・大阪府・福岡県の高校)
 自動車学校の協力のもと,学科試験,
実技試験を経て 交通ルールを学ぶ。
合格者に自転車免許証を交付。
違反の場合は免停もあり。
出典:茨木市HP
啓発の手法
啓発・マナー
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国内の事例④ ポータルサイト・キャラクター
■自転車の総合的な情報サイト(福岡市天神)
http://www.chari-angels.com/index.shtml
 駐輪場場所やマップ,利用法についての情報や放置自転車に 関することや防犯登録,自転車の安全に利用
するためのチェックポイント・取組みなど,自転車に関する情報をまとめている。
 チャリ・エンジェルスという三姉妹のローカルキャラクターを前面に出し,放置自転車の取締り,街頭啓発,
広報活動を行っている。
啓発の手法
啓発・マナー
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国外の事例①(ピクトグラム)
イギリス
写真提供:吉田長裕氏(大阪市立大学)
啓発の手法
啓発・マナー
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国外の事例②(ピクトグラム)
アメリカ
デンマーク
ドイツ
フランス
写真提供:吉田長裕氏(大阪市立大学)
啓発の手法
啓発・マナー
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国内の事例 奈良県(ピクトグラム)
注意喚起サイン
案内誘導サイン
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6
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5.万一に備えて
啓発・マナー
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万一に備えて
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3
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6
京都府では自転車 対 歩行者 は増加傾向
京都府下の交通事故の総件数は,最近10年間で約4割減少しているが,
自転車対歩行者の事故は,約2割増加している。
25,000
5,000
20,000
4,000
19,590
約0.6倍
約0.6倍
3,000
15,000
10,000
100
11,387
2,000
80
約1.2倍
60
3,986
2,368
40
55
5,000
1,000
20
0
0
0
平成16年
平成25年
(2004)
(2013)
全交通事故件数の比較
平成16年
(2004)
平成25年
(2013)
全自転車関係交通事故件数の比較
平成16年
(2004)
66
平成25年
(2013)
自転車対歩行者事故件数の比較
啓発・マナー
1
万一に備えて
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6
43
自転車事故における高額賠償
■自転車での加害事故例
1
2
3
賠償額
判決
事故の概要
約9,500万円
2013年
(神戸地裁)
小学生の児童が自転車で坂を下っている際に女
性と衝突。被害者は寝たきりの状態となった。
約9,300万円
2008年
(東京地裁)
男子高校生が車道を横断し,対向車線の自転車
の男性と衝突。被害者には後遺障害が残った。
約5,400万円
2007年
(東京地裁)
男性が信号を無視して交差点に進入し,横断中
の女性と衝突。被害者は頭を打ち死亡した。
出典:三井住友海上火災保険㈱資料
啓発・マナー
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万一に備えて
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5
6
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自転車保険の需要の高まり
■TSマークとその補償内容
第1種TSマーク(青マーク)
第2種TSマーク(赤マーク)
種別
入院15日以上
1万円 入院15日以上
10万円
障害保険 死亡・重度後遺障害
死亡・重度後遺障害
30万円
100万円
(1~4級)
(1~4級)
賠償責任 死亡・重度後遺障害
死亡・重度後遺障害
1,000万円
2,000万円
保険
(1~7級)
(1~7級)
出典:一般財団法人 日本交通管理技術協会
■自転車保険の代表的なものとその補償内容
補償範囲
個人賠償責任
au損保
交通事故
1億円
三井住友海上
交通事故
1億円
チューリッヒ
交通事故
5,000万円
ドコモ
交通事故
2億円
45
6.今後の方向性
啓発・マナー
1
今後の方向性
2
3
4
46
6
5
政策の方向性
ルールやマナー
を伝える
知る
わかる
守る
 事故予防
(安全)
備える
 事故対策
(安心)
6W1Hの必要性 ◎「誰に・何を・なぜ・どのように・いつ・どこで・誰が」伝えるのか。
未就学児
小学生
 親子で
自転車交通安全教室の受講者が
多いが,事故の件数も多い
中学生
高校生
大学生
各年代に応じた内容(何を),
手法(どのように)を考えてい
くことが必要
例
え
ば
誰に
何を
自転車利用のルール・マナーの意味
なぜ
自転車事故が多い
どのように
高齢者
 50歳代は10年後は,高齢者予備軍
 自転車交通安全教室の受講が少なく,
重傷化と死亡者が多い
 ルールやマナーの啓発等の情報の発信内容
 新たな連携・協力の必要性
自転車交通安全教室の開催
ルール・マナーブックの配布
いつ
成人
~20歳代
入学時
文化祭
どこで
小・中学校
誰が
教育機関
高校
警察
授業の一環
大学
行政
 これまでの取組みを活かし,
安全・安心につなげていく
啓発・マナー
1
今後の方向性
2
3
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5
6
第1回京都市自転車等駐車対策協議会の意見
■開催日時:平成26年7月29日(火)
10時~
協議会での委員意見のまとめ
第1回協議会要旨
自転車対策から自転車政策への前進
⇒次の世代に借金を残さない徹底したマナーの向上と効果的な投資
3つのE【Education(教育),Engineering(技術),Enforcement(取締り)】の
効果的な組み合わせの模索
ルール・マナーに関する意見
レンタサイクル利用外国人観光客へのルール・マナーの徹底
正しい利用を促すための駐輪場料金の安価化
地域をあげた啓発活動
教育段階(小中高・大学)ごとの安全教育
他県出身大学生への周知
47
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