...

先端技術総合研究所

by user

on
Category: Documents
17

views

Report

Comments

Transcript

先端技術総合研究所
╋・―・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・ ╋
NTT先端技術総合研究所
厚木研究開発センタ
環境レポート2008
╋・―・━・━・━・━・━・━・━・━・━・━・ ╋
目次・編集方針
目次
目次・編集方針・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
ごあいさつ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
NTT先端技術総合研究所の紹介・・・・・・・・・3
環境マネジメント・・・・・・・・・・・・・・・ 4
・環境方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
・環境目標と実績・・・・・・・・・・・・・・・ 6
環境負荷低減への取り組み
・環境負荷の概要・・・・・・・・・・・・・・・ 7
・地球温暖化の防止(CO2排出量の低減)・・・・・ 8
・廃棄物の再資源化の推進・・・・・・・・・・・ 9
・化学物質の適正管理・・・・・・・・・・・・・ 10
環境調査・環境負荷の評価・・・・・・・・・・・ 11
社会貢献、環境コミュニケーション・・・・・・・ 12
安全衛生活動・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
編集後記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
編集方針
●本レポートはNTT先端技術総合研究所 厚木研究開発センタの環境保護に関する考え方・ 方針・活動
などについて、多くの方々にご理解頂けるよう、分かりやすい編集を心がけました。
●本レポートは環境省ガイドラインとGRI(Grobal Reporting Intiative)ガイドラインを参考に作成した「NTT
グループ会社環境報告書作成ガイドライン」にもとづいてます。
報告期間/報告範囲
●本レポートはNTT先端技術総合研究所 厚木研究開発センタの2007年度(2007年4月1日~2008年3
月31日)の実績をもとに作成したものです。報告期間以前から実施している活動の紹介やデータの経年
変化などについてはそれ以前の情報も掲載しています。
●報告範囲はNTT先端技術総合研究所 厚木研究開発センタのISO14001の認証取得範囲としていま
す。厚木研究開発センタに在所する環境エネルギー研究所につきましては、NTT情報流通基盤総合研
究所のISO14001認証取得範囲ですので、原則、本レポートの報告範囲から除いています。ただし、環境
パフォーマンスデータ(電力使用量、廃棄物量等)については、環境エネルギー研究所を含め厚木研究
開発センタ全体としてデータを掲載しています。
1
ごあいさつ
私たちの地球は広い宇宙の中でも、奇跡的に人間が住める今の環境が保たれてい
ることが知られています。今の天文技術をもってしても私たちの地球と同じ天体はまだ
見出せていませんし、地球に住めなくなっても、別の天体に全人類が移り住む方法を
持っていません。
このように奇跡的にすばらしい環境が保たれている地球を大事に守り続けていかなく
てはなりません。NTT厚木研究開発センタは1983年にLSI、光部品、高速な電子部品
を研究するために設立されました。その後、環境とエネルギーの研究、物性の基礎研
究、及び人と人とのコミュニケーションの科学を研究する研究所が加わり、現在の組織
になりました。
環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」の認証を1999年12月に取得し
ました。
私どもの研究所は木々の緑に囲まれたすばらしい環境の中にあります。私たちの研
究のミッションの1つに地球環境・人にやさしい技術を創出することがあります。情報通
信技術の進歩はインターネットを使っていつでも必要な情報を得たり、携帯電話でメー
ルをしたり、ゲームをしたりできるようになった反面、コンピュータを常に動かしたり、携
帯電話の電池を充電したりと電力の消費量を上げています。私たちの研究所では電気
をあまり使わない通信装置の開発、小さな電力でも高い性能を出す部品を開発し、環
境にやさしい通信ネットワークの構築を目指しています。私たちはこれからも美しい地
球を守るためにより一層努力してまいります。
本レポートはNTT厚木研究開発センタの環境への取り組みをまとめました。環境活動
をさらに改善していきたいと考えております。皆様からのご意見、ご助言をいただけれ
ば幸いです。
日本電信電話株式会社
先端技術総合研究所 所長
板屋 義夫
2
NTT先端技術総合研究所 厚木研究開発センタの紹介
厚木研究開発センタの概要
所在地 :厚木市森の里若宮3
:厚木市森の里若宮3-1
敷地面積:約20万m2
敷地面積:約20万m2
設立年 :1983年4月
従業員数:約1,
従業員数:約1,100名
(NTT、関連会社等)
厚木研究開発センタは、丹沢山地の南東端にある大山を真近
に臨み、大変緑豊かな森の里学園研究都市に位置しています。
この森の里地区は、研究所・先端技術産業や大学などが立
地した誘致施設地区と、住宅地区とを併せもつ機能複合型の
街で、積極的に緑の保全と緑化が図られています。
組織と研究概要
先端技術総合研究所 厚木研究開発センタ
「事業領域を拡大する先端技術の研究開発」「社会に変革をもたらす新原理・新コンセプトの創出」「地球環
境・人にやさしい技術の研究開発」によるNTTコアコンピタンス確立をミッションに掲げ、ここちよいコミュニケー
ション社会を創出するため、“時空を操る未来ネットワーク、やさしく・かしこいユビキタス環境”の実現を目指し
「ネットワーク・ユビキタス技術」「フォトニクス・エレクトロニクス技術」「人間情報・社会情報科学」「物性・物質科
学」の分野において、中長期的展望のもと、基礎・先端技術の研究開発に取り組んでいます。
マイクロシステム
インテグレーション研究所
ビキタスサービス用革新的部品技術・
モジュール化技術・サブシステム化技術
など、ユビキタスサービスを支えるキーテ
クノロジーの研究開発
フォトニクス研究所
光半導体部品、光集積回路、新光材料、
光情報処理技術など光テクノロジに関す
る幅広い分野で、先端的技術の研究開発
コミュニケーション科学基礎研究所
物性科学基礎研究所
人にやさしいヒューマノイドコンピュータを
目指して、人間の知識や感性に関する情
報処理やメディア処理等、情報通信に関す
る新しい知見や概念の創出
量子半導体物性、量子光学、極微細構造物
性など、物性科学の分野で情報通信に革新
をもたらす新物質の創出、新原理の探求
関連会社
厚木研究開発センタには、NTTの組織のほかに、NTTグループ企業等も常駐しています。
NTTアドバンステクノロジ(株)
NTT-ATナノファブリケーション(株)
NTTエレクトロニクス(株)
(株)NTTファシリティーズ
(株)NTTファシリティーズ゙中央
日本メックス(株)
テルウェル東日本(株)
3
環境マネジメント
環境マネジメントシステムを活用して、環境保護活動を進めています。
厚木研究開発センタでは、環境負荷低減の取り組みの一環
として1999年12月にISO14001の認証を取得し、環境保護活動
を継続してきました。
2008年9月には、3回目の更新審査を受審しました。
ISO14001:2004登録証と付属書
環境管理体制
厚木研究開発センタでは、先端技術総合研究所所長をトップマネジメントとした管理体制で環境保護活動を
推進しています。環境保護活動は、当センタに常駐している関連会社*を含め、厚木研究開発センタ全体で進
めています。
*厚木研究開発センタの紹介(P.3)に社名を掲載しています。
組織または会議
トップマネジメント
トップマネジメント
安全衛生環境推進会議
内部監査チーム
センタにおける安全、衛生、環境関連
安全衛生環境推進会議 施策に関する重要事項の審議、報告を
行う会議
環境管理責任者(正、副)
内部監査チーム
環境担当(事務局)
部門責任者会議
部門
協力会社
部門
部門
部門
部門
協力会社
協力会社
役割
センタの最高経営責任者
センタのEMS運用に関わる内部環境監査
の実施
環境管理責任者
センタのEMS運用管理を行う責任者
環境担当
環境管理責任者を補佐し、センタのEMS
活動を推進する
部門責任者会議
部門間の調整を行う会議
部門
センタのEMS活動を推進する組織単位
EMS:環境マネジメントシステム
(Environmental Management System)の略
内部監査
NTTグループの環境審査員有資格者による内部
監査を年1回実施しています。
これら監査を行うことにより、
環境マネジメントシステムの
維持が適正に行われている
ことをチェックし、各部門にお
ける環境保護への取組みに
ついて、更なる改善を図ると
ともに、社員一人ひとりの環
境保護意識を高めることを
内部監査の様子
目指しています。
環境教育
環境マネジメントシステムの一環として、厚木
研究開発センタでは、社員(NTT、関連会社)に、
毎年、環境教育を部門毎に行っています。
環境教育では、環境マネジメントシステム及び、
当年度のセンタ全体の環境目的・目標、環境マ
ネジメントプログラム、さらに自分が所属する部
門の環境目的・目標、実行計画や環境への影
響を学びます。
4
環境マネジメント
◆環境方針
NTT先端技術総合研究所 厚木研究開発センタでは、環境方針を制定し、一人ひとりが積極的に取
り組むことを宣言しています。
5
環境マネジメント
◆2007年度環境目標と実績、2008年度環境目標
厚木研究開発センタでは、毎年具体的な目標を定めて、環境保護活動を進めています。
項目
2007年度目標
実績
「NTTグループグリーンR&Dガイドライン」を包含した先端総 達成
研独自シートによる定期的なアセスメントの実施
独自シートで定期的に実施
研究開発段階からの
アセスメントの実施
エネルギーと資源の
有効利用
達成
個別テーマの本業型EMS活動の推進ならびに研究開発業務
テーマ策定・見直し時に環境に関する
とEMS活動を別個に捉えないEMSの運用方法を検討する
要素を考慮する手順の検討
エネルギー使用量の1%削減
(センタ全体のCO2基準排出量より22%削減)
廃棄物の適正処理と
産業廃棄物のリサイクル検討実施
リサイクルの推進
事務用消耗品等のECO商品購入率の向上
(ECO商品購入率40%)
グリーン調達の推進
達成
エネルギー使用量4.4%削減
達成
厨房グリストラップ清掃汚泥等の契約
単価・運搬ルート単価の調査・交渉中
達成
グリーン購入率59.5%
・事務用消耗品等のECO商品配備率の向上(ECO商品配備 未達成
ECO商品配備率は60%と達成したが、
率:50%)
・テルウェルTos-NETにおけるECO商品配備率向上のため 提案活動が目標数値(10件)に達しな
かった
提案活動(10件提案)
購入案件に対する見積書提出時のECO商品の明記
(随意契約・簡易契約に対し実施)
達成
事務用品類の見積書(単契・隋契)へ
の「ECO商品表示」率は、60%程度
その他
生活排水系の水質汚濁防止対策の実施
達成
生活排水から自主基準を超える物質
が検出。原因の特定、対策を開始
項目
2008年度目標
「NTTグループグリーンR&Dガイドライン」の評価方法見直し
研究開発段階からの に伴う先端総研独自シートの改訂と試行運用
アセスメントの実施
研究開発業務とEMSを一体的に捉える方法・規定の検討
エネルギーと資源の
有効利用
エネルギー使用量の1%削減
(センタ全体のCO2基準排出量より24%削減)
廃棄物の適正処理と
産業廃棄物のリサイクル検討実施
リサイクルの推進
事務用消耗品等のECO商品購入率の向上
(ECO商品購入率45%)
グリーン調達の推進
・事務用消耗費品のECO商品配備率向上(ECO商品配備率
50%の維持)
・テルウェルTos-Net販売におけるECO 商品配備率向上の
ための提案活動
見積書提案時のECO商品の明示(対象:簡易、随意契約の
事務用消耗品)(明示率目標:70%)
汚染の予防
適合薬剤の選定、承認、運用の決定及び年間スケジュール
計画の策定 (法規制値・自主規制値の遵守)
その他
生活排水系の水質汚濁防止策の検討
6
環境負荷低減への取組み
◆環境負荷の概要
厚木研究開発センタでは、最先端の環境技術の研究開発活動等を行っています。その結果、エネ
ルギーや資源を消費し、温室効果ガスの排出、廃棄物の発生等、環境に様々な影響を与えていま
す。
ここでは、どの位のエネルギーや資源を投入して研究開発等が行われ、どの位の廃棄物や温室
効果ガスを排出しているかをまとめました。
今後も環境負荷のデータを把握するとともに、環境への影響を低減するよう努めていきます。
INPUT
電力
化学物質
都市ガス
燃料
(灯油、重油)
水
(上水、地下水)
純正パルプ
(使用量4.4t/年)
OUTPUT
研究開発活動等
OUTPUT
・CO2排出
38,070t/年
研究開発成果
・廃棄物
埋立量 10.7t/年
(リサイクル率97.3%)
排水、排出ガス、騒音、
振動、悪臭、その他・・・
本レポートでは当センタの主な環境負荷の低減活動である「CO2排出量の低減」、「廃棄物の再資源化
の推進」についてご紹介します。
7
環境負荷低減への取組み
◆地球温暖化の防止(CO2排出量の低減)
温室効果ガスによる地球温暖化を防止するため、NTTグループ主要行動計画目標*でも「CO2排出
を削減する」と定めています。厚木研究開発センタでは、CO2の排出量を1990年排出レベルとするた
め「2010年の基準CO2排出量から27%低減する」と目標を定め、積極的にCO2排出量の低減活動を
推進しています。また、厚木研究開発センタは、省エネ法**による第一種エネルギー管理指定工場
としてエネルギー使用量の1%削減に取り組んでいます。
*
:詳細な内容にいては、NTTグループCSR報告書をご参照ください
URL http://www.ntt.co.jp/csr/index.html
** :エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)
厚木研究開発センタ CO2低減計画
■
■
1%
1%
■
1%
12%減
低
減
目
標
16%減
20%減
■
22%減
24%減
■
14%減
27%減
18%減
■
年度
1999
2000
低減目標値と実績値
2001
2002
2003
2004
2005
トン
2006
2007
2008
目標値
実績値
低減率
CO2排出量予実績値
60,000
1999年度 基準CO2排出量* の 1%低減
2000年度
〃
1%低減
2001年度
〃
1%低減
2002年度
〃
12%低減
2003年度
〃
14%低減
2004年度 〃
16%低減
2005年度
〃
18%低減
2006年度
〃
20%低減
2007年度
〃
22%低減
*基準CO2排出量とは、当年度の気候・事業要
因による変動を考慮したセンタ全体のCO2総排
出量モデルから導かれる計算値。
1990年
2010 レベル
2009
低減率
50%
45%
50,000
40,000
2010年
削減目標
↓
40%
28.5%
21.5%
30,000
31.4% 35%
23.5% 27.5%
20.7%
17.1%
20,000
3.1%
30%
25%
20%
15%
10%
5%
10,000
-0.3%
0%
-5%
0
90年度 99年度 00年度 01年度 02年度 03年度 04年度 05年度 06年度 07年度
注 低減率=基準CO2排出量からの低減%
2007年度の取組みとエネルギー使用状況
コ・ジェネレーションシステムの効率化運転、クリーンルームの外調機改修工事における省エネ対応空調
機の設置、NTTグループ全体で参加している「チームマイナス6%」等の取組みの結果、2007年度のエネ
ルギー使用量は、全エネルギー使用量(原油換算)として4.4%を削減することができ、2007年度の目標値
1%をクリアしました。
8
環境負荷低減への取組み
◆廃棄物のリサイクルの推進
厚木研究開発センタでは、研究開発に伴って発生する廃棄物のリサイクル(再資源化)に積極的に
取り組んでいます。センタでの廃棄物の種類とリサイクル状況は以下の通りとなっており、ゼロエミッ
ション達成に向けて、更なるリサイクル方法の調査・検討を重ねています。
センタ廃棄物の種類とリサイクル状況
凡例
:リサイクル済み
:埋立
金属くず
ガラスくず
発泡スチロール
研究機器・機材
⇒鉄鋼材へ
⇒路盤材へ
⇒塗料、接着
剤へ
⇒分解し金属
等リサイクルへ
廃プラスチック
古紙
⇒再生紙へ
⇒助燃材へ
(サーマルリサイクル)
廃薬品・
薬品付着物
生ごみ
⇒社内で100%
肥料化
リサイクル方法
の調査・検討
100%
センタ廃棄物のリサイクル率推移
埋立量
リサイクル量
リサイクル率
92.4%
93.5% 93.8%
94.3%
96.4% 96.5%
(トン)
700
97.3%
600
80%
一人ひとりの努力
で毎年リサイクル
率がUPしています
500
リ
サ 60%
イ
ク
ル 40%
率
400
59.0%
52.7%
300
200
20%
100
0%
0
99年度
00年度
01年度
02年度
03年度
04年度
05年度
06年度
07年度
2007年度の取り組み
廃棄物処理業者へ成分分析調査を依頼した結果、リサイクル可能と判明
した厨房グリストラップ清掃汚泥、厨房排水処理水槽汚泥、雑排水槽汚泥に
ついて、前年より継続して契約単価・運搬ルート単価の調査・交渉を検討し
ました。
9
環境負荷低減への取組み
◆化学物質の適正管理
厚木研究開発センタでは、研究開発のためにいろいろな化学物質を取り扱っています。化学物質
は取扱いによっては、人や環境に対して大きな影響を与える場合があります。そこで、環境保護の
重点施策として化学物質の適正管理に取組み、化学物質による環境汚染、災害・事故等の未然防
止に努めています。
化学物質の管理
厚木研究開発センタでは、法律で規制されている化学物質、環境への影響が指摘されている化学物質
等を対象に、センタ独自の管理レベルを定め、それぞれのレベルに応じた管理を行っています。
また新たに化学物質を取扱う際は、あらかじめその物質について、物性、危険・有害性、法規、緊急時の
対応方法、環境への影響等を調査し、かつ適切な管理が行える場合に限り、取扱うことにしています。
取扱いにあたっては、「より環境への負荷の少ない化学物質を使う」、「必要なものだけを使用する」、「必
要な量より多く使わない」 の方針に基づき、環境負荷の低減を図っています。 さらに、化学物質の取扱者
に対しては、法規制に関する教育を実施しています。
2007年度は化学物質の適正管理を進めるために、社内イントラネットを用いた「化学物質管理システム」
の全組織導入に向けた準備・試行導入を進めました。
PRTR法*への対応
化学物質の安全性影響度評価の実施について
2001年4月からPRTR法*が施行され、特定の化
学物質については排出量・移動量の削減が求めら
れています。厚木研究開発センタは、PRTR法届
出対象事業所ではありませんが、
取扱い量の少ない化学物質で
あっても、取扱い量、排出量等を
把握しています。
厚木研究開発センタは、安全性影響度の評価**
を毎年実施しています。2007年度も前年度同様、
「影響度小クラス」という結果となりました。
このクラスは安全性影響度が最も低く、安全性影
響度低減への早急な対応は不要となりました。今
後とも、影響度の大きい物質の使用抑制、使用量
削減を継続的に進めていきます。
今後は、毎年評価を実施し、環境管理事業所認
定***の更新(3年)時に神奈川県に報告します。
*PRTR法とは
人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質につい
て、事業者からの環境(大気、水、土壌)への排出量、及び
廃棄物に含まれての事業所外への移動量を、事業者自ら
把握し国に対して届出るとともに、国は届出データや推計に
基づき、排出量・移動量を集計し、公表する制度です。平成
13年4月から実施されており、一般の方々はそれらの情報
についてweb等の手段で知ることができます。
安全性影響度評価表
*
:神奈川県生活環境保全等に関する条例
** :化学物質の安全性影響度の評価に関する指針
詳細については、神奈川県のホームページを参照ください http://www.pref.kanagawa.jp/
***:環境管理を適正に行っている事業所を県が認定。厚木研究開発センタは2000年3月に認定
10
環境調査・環境負荷の評価
事業活動によって生じる環境負荷を、環境調査により把握、評価を行っています。
また、法規制値よりも厳しい自主基準値を設け、汚染の未然防止を図っています。
環境調査
厚木研究開発センタでは、水質などの常時モニタによる測定に加え、定期的な環境調査を行っています。
定期的な環境調査は、大気、雨水・地下水、臭気、土壌、騒音・振動について実施しています。2007年度は
土壌と臭気の環境調査を実施しました。その結果、土壌において法規制値を超える項目が発生したので、
原因調査・継続監視等を2008年度の目的・目標に掲げ(P6参照)活動しています。
土壌:敷地内5ヶ所
臭気:敷地境界線付近2ヶ所
大気:施設屋上4ヶ所
雨水:(公設枡3ヶ所)
地下水:(井水)
騒音・振動:敷地境界線
付近2ヶ所
環境負荷の評価
厚木研究開発センタでは、法規制値(県条例・市条例基準)より厳しい自主基準値を設け、評価・管理を行っ
ています。
■水質(下水)
主な項目(一部略称)
■大気(特定施設)
単位 実測
自主基 法規制
最大値 準値
値(市条
例)
生活環境
項目
環境項目
水温
水素イオン濃度
生物化学的酸素要求量(BOD)
化学的酸素要求量(COD)
浮遊物質量(SS)
ノルヘキ抽出含有量(動植物油)
ノルヘキ抽出含有量(鉱油)
よう素消費量
フェノール類
銅及びその化合物
亜鉛及びその化合物
鉄及びその化合物
マンガン及びその化合物
クロム及びその化合物
ふっ素及びその化合物
ニッケル含有物
℃
-
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
mg/l
32.0
40
8.6 6~8.6
280
300
290
300
160
300
5
15
<1
3
15
110
0.031
0.2
0.16
0.3
0.36
0.2
0.36
8
0.021
0.1
<0.01
0.2
2
4
<0.01
0.1
45
5~9
600
―
600
30
5
220
0.5
3
2
10
1
2
8
1
項目
発生施設名 単位
換算値
自主
法規制
基準値 値
ボイラ
ppm
94
120
150
窒素酸化
冷暖房機
ppm
40
84
105
物(NOx)
ガスタービン ppm
52
40
50
3
ボイラ
0.001
0.24
0.3
g/Nm
3
ばいじん 冷暖房機
0.001
0.08
0.1
g/Nm
0.04
0.05
ガスタービン g/Nm3 0.001
ガスタービンのNOxの最大値52は法規制値を超えるも
のではありません。実測値から換算値を算出します。
自主基準値を超える項目が発生しましたが、原因調査等を
実施し、再発防止に努めています。
11
社会貢献・環境コミュニケーション
厚木研究開発センタでは、地域との調和や社員のボランティア活動への取り組み
を推進しています。
森の里地区の3企業合同で清掃活動
富士通研究所、日産 様と合同で会社周辺のボランティア清掃活動を行っています。清掃活動は、年2回
(6月、11月)で、2007年12月で22回目を迎えました。今後も継続的に実施します。
清掃活動の様子
環境活動の紹介
2003年度より厚木研究開発センタ一般公開の際に、厚木研究開発センタの環境に関する取り組み等につ
いて紹介し、環境コミュニケーションを進めています。
5回目となる2007年の展示では「科学・くらし・環境 ~環境にやさしいって どんなこと!?~」をテーマに廃棄
物のリサイクル、エネルギーの効率的な利用等の紹介、毎年大変好評を頂いている「環境クイズ」を実施し
ました。また、2006年度に引き続き「環境に配慮した研究開発」の紹介について展示をしました。普段、なか
なか研究開発に触れる機会がない多くの来場者の方に、先端技術総合研究所の研究開発を知っていただ
くことができました。
2007年 厚木研究開発センタ 一般公開の様子
NTT先端技術総合研究所 環境への取組み
http://www.ntt.co.jp/sclab/kankyo/index.html
NTTグループ 環境活動
http://www.ntt.co.jp/kankyo/index.html
12
安全・衛生活動
厚木研究開発センタでは、安全で安心して働ける職場環境づくりを目指しています。
安全面においては、定期的な安全点検やセミナ等を実施しています。また、防災活
動として災害発生時に適切な行動が出来るよう総合防災訓練や、救急救命講習、
消火訓練を実施しています。健康面においては健康診断の実施や産業医との意見
交換会等も実施し、メンタルヘルスについても積極的に取り組んでいます。
安全教育
厚木研究開発センタでは、新入社員・転入社員を対象に安全方針やセ
ンタでの研究活動等に必要不可欠な安全知識を学ぶため、「新入・転入
社員教育」を実施しています。
このほかに、ガス・薬品等を取り扱う実務経験3年以上の社員を対象と
した設備・安全リフレッシュセミナの実施、化学物質やレーザ等の取扱者
を対象として、社内イントラネットを利用した教育を実施しています。これ
らの教育を通して、労働災害の防止に努めています。
総合防災訓練
防災意識の向上、災害時の適応能力を高めるために、
毎年1回総合防災訓練を実施しています。厚木消防署
のご協力をいただいて、緊急時の通報訓練、消火訓練
等を行っています。
緊急地震速報
現在、テレビやラジオでも緊急地震速報の情報が配信されるようになりました。この様なマスコミュニケー
ションを通した緊急地震速報では、その放送を受信する地域で最大震度5弱以上の地震が予測された時
に通知されますが、その情報を聞いた人がいるその場所でどの程度揺れるかは分かりません。
当センタでは、緊急地震速報受信端
末を導入し、当センタでの実際の揺れ
を予測し、当センタに勤務する人の安
全を確保する為に、受信した情報を全
館放送に流しています。地震の震度が
震度5弱を超えると予想される時には、
放送の始めに短いサイレン音を付加し、
一瞬で地震の大きさが分かる様に工
夫しています。
さらに、実際に緊急地震速報が流れ
た時、「短い時間で身を守る行動」が取
れる様に、定期的に緊急地震速報の
訓練放送を実施し、地震による被害の
低減に努めています。
NTTドコモでは、緊急地震速報を震度4以上の地域にある携帯電話に配信し、強い
地震の到達予測を通知するエリアメールをサービスしています。当センタでは、この
サービスを利用して出張などで施設外で活躍している社員の安全に役立てています。
NTTドコモホームページ http://www.nttdocomo.co.jp/service/anshin/index.html
13
安全・衛生活動
救急救命講習・消火訓練
応急手当の知識を得るため、消防署員のご指導をいただいて
救急救命講習を2007年度から年4回実施(2006年度までは年2
回)しています。2007年度末までに14回実施し、約420名の方が
訓練を受講しました。講義で基礎知識を学んだ後、人工呼吸や
胸骨圧迫などの心肺蘇生法について実習しています。2005年度
からは、一般の人も使うことが出来るようになったAED(自動体
外式除細動器)を用いての救命講習を上記講習と併せて実施し
ています。更に、救急車到着までの一次措置を可能にするため、
当センタにはAEDを設置しています。2007年度には、蘇生率の
分岐点である4分以内(AED搬送時間)達成するため、するため、
6台の追加配備をしました。
初期消火についての知識を習得するために、消火器・消火栓を
使った消火訓練を毎年2回実施しています。訓練では、消火栓の
水圧の強さなども体験しています。
健康増進施策
生活習慣病の予防策としての運動不足解消を図るために、「各種トレーニ
ングを」を実施しています。具体的には「トレーニングマシン指導」、「初級エ
アロビクス」、「エアロ&筋コンディショニング」、「マットサイエンス」、「健康体
操」、「ボクササイズ」、「対式ヨガ」など多彩なコースを設けて、社員の運動習
慣の定着を図っています。
編集後記
・「NTT先端技術総合研究所厚木研究開発センタ環境レポート」の発行は、今回で5回めを迎えました。
わかりやすく興味を持って読んでいただけるレポートづくりを目指して、平易な表現を心がけました。
・本レポートは、NTT先端技術総合研究所厚木研究開発センタの環境保護に関する考え方や活動
について情報を公開するだけでなく、環境情報を多くの方々と共有し、環境保護を推進するための、
コミュニケーションツールと位置づけています。皆様からのご意見・ご感想を下記問い合わせ先へ
お寄せいただければ幸いです。皆様と一緒に 、NTT先端技術総合研究所、およびその周辺の環境
を継続的に改善していきたいと思います。
【お問い合わせ先】
NTT先端技術総合研究所 企画部 安全環境推進室
〒243-0198 神奈川県厚木市森の里若宮3‐1
TEL:046-240-4151 FAX:046-240-4079
メールアドレス:[email protected]
ホームページ:http://www.ntt.co.jp/sclab/kankyo/index.html
14
Fly UP