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Ⅶ.教育研究等環境

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Ⅶ.教育研究等環境
Ⅶ.教育研究等環境
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Ⅶ.教育研究等環境
Ⅶ.教育研究等環境
1.現状の説明
(1)教育研究等環境の整備に関する方針を明確に定めているか。
<学生の学習および教員による教育研究環境整備に関する方針の明確化>
校地・校舎、施設・設備の整備については、2010 年 12 月に常任理事会のもとに設置した、
キャンパス創造委員会とキャンパス計画委員会を中心とした検討を行ってきたが、2012 年
11 月に委員会体制の再編を行った1)。両委員会を発展的に解消し、その下に設置していた
キャンパス創造関連の諸委員会は、常任理事会の下に置きなおした。具体的には、京都キ
ャンパス将来構想検討委員会、BKC将来構想検討委員会、大阪いばらきキャンパス開設
準備委員会である。また、キャンパス計画委員会の下にあった、各ワーキングは、各キャ
ンパス関連委員会の下に置きなおした。その後、2015 年4月の大阪いばらきキャンパス(O
IC)開設にともない、大阪いばらきキャンパス開設準備委員会は解消している。2014 年
度の全学委員会等の検討、学園役職者の変更等を踏まえ、2015 年度当初のキャンパス創造
を含め、政策課題の検討・推進体制の一覧は以下2)のとおりである。
【参考資料】2015年度前半期の検討・推進体制(2015年4月以降)
幹事会
教学・経営の観点からの政
策課題の検討
教学・経営特別委員会
教学・経
営課題
独立研究科の教学・組織構造のあ
り方について検討する部会
教学と財政の接点となる諸課題推進
応用研、公務研等の教学・組織のあり
方検討
学びの立命館モデル具体化委員会
教学課題
R2020後半期での学びの立命館モデル具
体化にむけた諸課題の検討
学年暦等教学
制度部会
学習・学習支援の
あり方検討部会
学びの立命館モデルを
支える諸制度の検討
自立した学習者育成、
初年次の学びの質向上
大学院改革推進委員会
大学院
課題
大学院政策WG答申の具体化
幹事会
全学課題、学部・研究科と
の連携、支援体制など
立命館大学グローバル・
イニシアティブ推進本部
国際化
課題
グローバル展開、SGU申請構想具体化
常
東アジア・グローバル
リーダー育成プログラム
検討WG
日中韓等、大学共同プログラ
ムの開発
任
ANUとの共同学士課程構想検討WG
アジア・日本研究
センターWG
日本型ファウンデーション
コース検討W G
アジア研究・日本研究、
国内外への発信
留学生の大学進学準備コース
ANUとの協議、基本フレーム設計
理
BKC将来構想検討委員会
BKC
課題
BKCスポーツ健
康コモンズ検討
WG
BKC全体の教学構想および施設整計画
の検討
事
新体育館の具体化
食関連分野新学部・大学院構想具体化委員会
2015年度以降の
BKC整備計画検
討部会
経営学部OIC展開後
のキャンパス計画の
検討
社系施設課題
検討WG
緑地計画具体化
WG
社系施設のあり方
緑地計画の具体化
会
食関連学部・研究科構想の検討 ※委員会答申の全学集約をう
けて検討体制は別途提起
京都キャンパス将来構想検討委員会
京都
課題
京都キャンパス全般の教学構想および
施設整備計画の検討
京都キャンパスプラン
策定部会
2020年までのマスタープ
ラン策定
人間系(人間発達・教育系)新学部・新研究科開設準備委員会
人間系大学院と人間系新学部(京都)の検討
教職研究科(教職大学院)設置委員会
教職大学院の設置構想の具体化
OIC
課題
総合心理学部設置委員会
OIC総合心理学部の設置構想の具体化
総合心理学部
人事委員会
総合心理学部
教育課程検討委員会
人事の検討
教育課程の検討
「R2020後半期及び以降の基本政策」の具体化、R2020後半期計画要綱の策定に向けた検討体制(別途調整)
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なお、キャンパス計画委員会の下にあった京都キャンパス部会、BKC部会の機能は、京
都キャンパス将来構想検討委員会およびBKC将来構想検討委員会に引き継ぎ、整備計画
に基づく執行課題については、財務部より直接常任理事会に報告することとなった。
2011 年 10 月に示された今後のキャンパス整備の基本方針は以下のとおりである。衣笠キ
ャンパスは、①キャンパスの軸線の創出、空間の拡充・創出、ゆとりの創出、②将来的な
ボリューム確保のための北側へのボリュームシフト、③衣笠山と連動した緑地整備、④周
辺地域との調和の取れたキャンパス整備、・屋外空間の整備、各種コモンズ施設などの改
善・拡充を通じたアメニティの向上、としている3)。びわこ・くさつキャンパスは、①緑地
等、屋外空間の整備と軸線の明確化、②学生の居場所作り、アメニティの向上、③学舎等
のゾーニング、計画的な整備、としている3)。
「都市共創」、
「地域・社会
2015 年4月に開設した大阪いばらきキャンパス(OIC)は、
連携」、
「アジアのゲートウェイ」をキャンパスの教学コンセプトとし、2013 年7月に建築
工事に着手、2015 年2月末に竣工した。キャンパス整備の基本方針として、周辺市街地と
整合した軸線の設定、キャンパス内のゾーニング(学舎ゾーン、スポーツゾーン、防災公
園ゾーン、市街地整備ゾーン)を定めた上、周辺環境との連続性を意識した開かれたキャ
ンパスの実現、キャンパス全体をラーニングプレイスに位置づけて多様なコモンズを配置
した3)4)5)。
また、本学が独自に受審した 2010 年度の外部評価において、キャンパス・アメニティの
改善に関わる思い切った政策的判断の必要性を指摘された。これに関わっては、2011 年 10
月に常任理事会が示した『「立命館大学キャンパス創造の基本構想」を進めるにあたって』
において整理した、今後のキャンパス創造の7つの重点課題の中で、大阪いばらきキャン
パスでの新展開を、既存学部の教学改革の抜本的な改善と結びつけることを第一の重点課
題と置いている。衣笠キャンパスで喫緊の課題となっている、各学部教学や学生生活の改
善のためのさらなる狭隘化の解消のほか、びわこ・くさつキャンパス(BKC)での理系
と人文社系教学との新領域創造について、総合大学として魅力あるキャンパスコンセプト
の再構築を可能とする新たな教学展開につなげることをめざし、キャンパス創造を進めて
いくこととしている3)。
研究環境については、第1期研究高度化中期計画において、「教員・研究者がよりすぐれ
た研究成果を追求するための研究環境、研究体制の整備に取り組む」ことを方針としてい
る6)。さらに、第2期研究高度化中期計画において、「常に一段高い研究水準をめざし、研
究に意欲的に取り組むような風土作りや研究活動を支える研究環境の整備を進める」こと
を基本目標の1つとして掲げている7)。具体的には、①既存の「学外研究制度」や「研究専
念教員制度」を見直し、可能な限り多くの教員が研究に専念できる環境作りを行うこと、
また、男女共同参画推進の観点からみた研究環境の整備を進めること、②研究者交流や新
たな研究プロジェクトの立ち上げ等を促進する共同研究室や若手研究者の自立した研究活
動を保障するスペースなどの確保・充実を検討すること、③研究支援業務の広がりと「質」
の高度化に応える事務局体制の整備・充実に取り組むことなどを提起している。
図書館・学術情報サービスについては、常任理事会のもとに設置された「図書館将来構想
検討委員会」により、図書館の果たすべき役割が検討された。委員会では、学習者が中心
となる教育を支援し、学生の主体的学修の促進と「学びのコミュニティ」形成に向けた学
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修環境を整備するための基本コンセプトを検討し、計画的に各キャンパスの状況に応じて
具体化を図ることとしている。検討内容は、図書館将来構想検討委員会答申「学びのコミ
ュニティを創造する新図書館構想-学習図書館を中心とした本学図書館将来像-」として
まとめられ、全学方針として承認された8)。
ここでは、大学の知的シンボルであり教育研究の拠点である図書館において、学修・教
育支援機能を高めていくことを中心に、図書館の将来像を構想している。衣笠キャンパス
においては、図書館を新築し新図書館内に「ラーニングコモンズ」を設置し、「学術情報を
利用し自律的に学習し学びあう学生を支援する」ための学修環境として整備すること、B
KCにおいては既存の2つの図書館内にラーニングコモンズを設置することとしている。
その後 2011 年度は衣笠図書館、2012 年度はBKCのメディアライブラリーとメディア
センターの既存施設を改修し、ラーニングコモンズ機能をもった「ぴあら」
(ピア・ラーニ
ングルーム)を開設した。これにより、将来構想委員会答申でめざしていた、学びのコミ
ュニティ形成による主体的学修の促進、高校から大学への学びの転換、学びの可視化によ
る知的刺激や知的発信の場という学修環境が一部整備された。
さらに、キャンパス創造委員会・キャンパス計画委員会での全学的検討を受けて、衣笠
新図書館ならびにOIC図書館を開設することを 2015 年度までの整備目標9)として設定し
た。2 つの新図書館開設に向けて、コンセプト構築と基本設計策定に取り組み、キャンパス
の学びの拠点であり、知的シンボルにふさわしい学修・教育環境をハード・ソフト両面か
ら整備するための検討を進めてきた。ここには個人研究ブースやセミナールーム、カンフ
ァレンスルームなどグローバルな研究活動を支援する新たな研究環境整備についても盛り
込まれており、2015 年4月にOICに開設したOICライブラリーにはこれらのコンセプ
トが具現化されている。なお、衣笠新図書館は「平井嘉一郎記念図書館」として 2016 年4
月に開設される予定となっている。
<校地・校舎・施設・設備に係る大学の計画>
衣笠キャンパスでは、キャンパス西側に建設が進められていた新体育館の移転を 2012 年
11 月に完了させ、2013 年2月より使用を開始した。同時期に既存第2体育館の改修整備を
実施し、2013 年9月に完了し、2013 年 10 月より利用を開始した。新体育館建設と並行し
て原谷新体育施設の建設を 2012 年 11 月に工事完了した。また、第1体育館跡地に計画中
の新図書館については、2016 年度使用開始をめざし、工事が進められている。明学館での
バリアフリー化工事(自動ドア設置、身障者用スロープ整備)は 2012 年9月に工事が完了
しており、2012 年度内には教員研究室の増室に向け、尚学館改修等により、12 室を増設し
た。さらに、2013 年度内に修学館の改修等により教員研究室5室の増設をした。その他、
外国人留学生受け入れ施設である衣笠キャンパス国際教育寮の建設計画については、2012
年3月に建設用地の購入を完了し、2015 年9月より使用開始している。また、さらなる衣
笠キャンパスの狭隘化改善のため、周辺用地の確保を検討しており、2012 年3月には周辺
用地を購入し、新大学院施設を計画検討のうえ、2014 年4月より本体工事着工し、2015
年2月工事が完了した。2015 年4月より使用開始を予定している。
びわこ・くさつキャンパスでは、薬学部を収容しているサイエンスコア南側に薬学部教育
のよりいっそうの充実を図るために施設増築を進め、2012 年9月に工事が完了した。また、
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びわこ・くさつキャンパス南側隣接地に国際教育寮(収容寮室数 152 室)の建設について
は 2012 年8月に完了し、2012 年9月より使用開始している。その他コラーニングハウス
Ⅰの階段部分混雑解消のための改修、駐輪場の移転整備についても 2012 年9月に整備を完
了した。理工系新棟Ⅱ(トリシア)については 2013 年4月より工事を着工し、2014 年4
月より使用開始した。アクトα(課外学生施設)新築、既存施設の改修により、課外学生
施設の拡充を図り、2013 年 10 月より新施設の利用を開始した。また、理工系新棟Ⅰ(バ
イオリンク)については 2015 年4月より使用開始した。BKC新体育施設建設についても
2016 年9月よりの供用開始に向け 2015 年7月に工事着手している。
理工系新棟Ⅱ(トリシア)建設に伴い、それにより移転した学科等の跡地の改修について
も 2014 年9月で完了している。また、理工系新棟Ⅰ(バイオ リンク)建設に伴い、それ
により移転した学科等の跡地の改修についても 2015 年9月で完了予定である。
省エネルギーに関して地球環境委員会を中心に節減の取り組みと合わせ、東日本大震災
に伴う電力消費削減のための取り組みを実施している。また、環境問題に関しては大学の
省エネルギーを含む環境課題に取り組む組織作りを行うグリーンキャンパス推進検討委員
会答申において、地球環境委員会設置が提案され 2010 年度から活動を開始し、各キャンパ
ス整備部会と連携し実効ある取り組みを行うこととしている。
これに加え、大阪府茨木市に開設した大阪いばらきキャンパス整備事業についても 2015
年4月に完了している。大阪いばらきキャンパスでは、2016 年4月に開設する総合心理学
部のための施設設備整備を進めている。
<テクノロジー・マネジメント研究科の教育研究等環境の適切性を検証する責任主体・組
織、権限、手続きの明確化>(2013 年度分野別外部評価指摘事項)
常任理事会の下に置かれた大阪いばらきキャンパス開設準備委員会等において、各部と
連携しつつ、適切な教育研究環境の整備に向けた取り組みを実施し、OIC開設後は、各
所管部課において適切性の検証を行う。
(2)十分な校地・校舎および施設・設備を整備しているか。
<校地・校舎等の整備状況とキャンパス・アメニティの形成>
① 校地・校舎等の整備状況
本学各キャンパスの主要施設は、大学設置基準値を大きく上回っている 10)。
本学の校地は、京都市北区等持院にある5学部・8研究科を擁する衣笠キャンパス、滋賀
県草津市に 1994 年に理工学部拡充移転を契機に展開し、現在では6学部・8研究科を擁す
るびわこ・くさつキャンパス、京都市中京区西ノ京に 2006 年に開設した1専門職大学院、
1研究科を擁する朱雀キャンパス、および大阪府茨木市に 2015 年に開設した2学部・4研
究科を擁する大阪いばらきキャンパス等からなる。
② キャンパス・アメニティの形成
キャンパス・アメニティの整備のひとつとして、2008 年4月、キャンパス全面禁煙化に
向けた指針を策定(2008 年4月2日常任理事会議決)して以降、試行的な取り組みを行っ
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てきた。その経過を踏まえ、常任理事会は、2013 年4月より「キャンパス全面禁煙」を判
断した。
「キャンパス全面禁煙」に至るプロセスを振り返ると、2008 年に提起されたキャンパス
全面禁煙に向けた指針では、①健康と社会に対して喫煙が与える害について、学園構成員
に教育し、啓発する、②受動喫煙による健康被害から非喫煙者を守る、③新たな喫煙者を
発生させない教育、啓発を行う、④喫煙者の禁煙を支援する、4点を確認している。具体
的には、2008 年9月より、各キャンパス2-3ヶ所に設置された喫煙シェルター以外での喫
煙を禁じた。また、2009 年4月から各学部で初年次教育に禁煙教育の時間を組み込むこと
とし、2010 年4月1日からは、教職員のキャンパス内喫煙を禁じた。さらに、2012 年の後
期からは、禁煙デーやマナー重点指導デーを設け、京都市「たばこマナー向上活動団体」
への申請を行い、全学統一の禁煙指導リーフレット(マニュアル)を作成し、キャンパス
内にさまざまな広告を掲示する等、段階的に 2013 年4月からのキャンパス禁煙化に向けた
準備を進めてきた。
上記のような5年間に渡る段階的取り組みを経た後、2013 年度「キャンパス全面禁煙」
実施に取り組み、2014 年度はその2年目を迎えている。
全面禁煙化移行後、
「受動喫煙による健康被害を防止する取り組み」を推進していくため、
学生のマナー向上を通じて、大学の構成員が互いに協力し、安心・安全なキャンパスライ
フの構築をめざす。また、地域とも共生するコミュニティ作りをめざした取り組みを前進
させるため、教職員を中心とした巡回・指導や、キャンパス内外での清掃作業を組織的に
実施し、新たな喫煙者を生まないキャンパス作りをすすめている 11)。
衣笠キャンパスでは、2011 年度に諒友館食堂にてキャンパス整備学生スタッフの提案に
基づき、混雑解消、アメニティ改善のための机椅子の入れ替え等を行った。また、諒友館
前広場に食事休憩が十分可能な机椅子を増設し環境改善を実施している。
びわこ・くさつキャンパスでは 2011 年度にフォレストハウス(教室棟)の混雑解消のた
めの階段増設工事が完了し課題の解消に大きく寄与している。また、ユニオン1階食堂部
分の机椅子を衣笠キャンパスと同様の目的で更新を行った。また、ユニオン2階食堂では
老朽化机椅子を入れ替えるとともにランチストリートに対応するコーナーを設置している。
2012 年度には混在解消のため、コラーニングハウスの1階入口部分の改修を完了している。
2013 年度にはリンクスクエア食堂の机椅子の入れ替えを行ない、環境改善を図っている。
<学部・研究科の新設に対する施設・設備面の対応>(外部評価 p19)
BKCにおいて薬学部を収容しているサイエンスコア南側に薬学部教育のよりいっそう
の充実を図るために施設増築を進め、2012 年9月に竣工した。
<衣笠、びわこ・くさつ両キャンパスにおける、学生の参加によるキャンパス整備>(全
学協 p15)
本学では、2010 年度から「キャンパス整備プロジェクト」の取り組みを行ってきた。こ
の取り組みでは、学友会との通常の要求集約と協議を行いつつ、
「正課・正課外を超えた学
びと成長」を実現させる観点から、より多くの学生や集団に主体的にキャンパス創造・キ
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ャンパス計画の議論に参画してもらうことを重視している。設定した課題について、学生
の参加による議論を通して、具体的な改善案をまとめるというスキームを「キャンパス整
備プロジェクト」の取り組みを通じて進めてきている。
2013 年度は、びわこ・くさつキャンパスの理工系新棟Ⅱ(バイオリンク)の建設に伴い
移設が必要となったアクトαは前年の学生参加による設計を反映し、2013 年 10 月から施
設供与が始まった。学生の意見を取り入れてできあがった施設前の憩いのスペースはアク
トα利用のクラブ・サークルが自主的に運営している。また、ユニオンスクエア前に設置
されていたATM機の跡地の有効活用として、学生からの利用アイディアを公募し、キャ
ンパスに不足しているもの、欲しいものが多々寄せられた。公募したアイディアのうち最
優秀賞、優秀賞となった学生とワークショップを重ねて整備を行った。
2016 年秋完成予定のスポーツ健康コモンズ(仮称)はキャンパス正門周辺に位置し、ア
リーナ・プールなどを主たる用途として学生・教職員・父母・校友・地域住民等のスポー
ツ・健康づくりを通して、交流・連携を図る場所となる。これまでも設計の段階から多く
の学生たちの意見を取り入れており、2015 年度はリラックススペースという交流エリアに
ついても学生参加型のワークショップで意見を集め、設計に盛り込んでいる。
<課外自主活動の発展に必要な施設整備>(全学協
p15)
課外自主活動の発展に必要な整備については、全学協議会確認に基づき、学生からの要
求課題を、①安心・安全の観点から緊急性や学生生活と密接にかかわり重要性が高く、2015
年を待たずに短期的に解決するもの、②2015 年のキャンパス整備計画の具体化の中で整備
するもの、③2015 年度以降の長期的課題とするものの3つに区分し、対応可能なものから
具体的に取り組んでいる。教育環境等のソフト面の充実については、教学部懇談会の場で
も課題整理を行っている。
2013 年度は、学生部懇談会の中で課題整理を行い、直近の短期的な課題については管財
課・キャンパス事務課と調整の上、必要な整備を進めた。キャンパス整備計画の中で盛込
むべき課題、2015 年度以降の長期的課題については、キャンパス整備議論の進捗に応じて
適宜対応することにしている。
<校地・校舎・施設・設備の維持・管理、安全・衛生の確保>
① 校地・校舎・施設・設備の維持・管理
施設・設備の安全・安心対策として、耐震化については、1980 年に改正された建築基準
法の施行前に建設された建物が衣笠キャンパスに 17 棟あり、耐震診断をすべて実施すると
ともに順次耐震補強工事を実施している。2010 年度に2棟の耐震改修工事を完了させ、
2010 年度末で、耐震補強未了の建物は3棟となっている。2011 年度より修学館の耐震改修
工事を実施しており、2012 年度末に完了した。残る2棟(図書館、学生会館)はキャンパ
ス計画策定の中で建替え・移転等を含めて整理予定である。
省エネ活動および省エネ対策は、これまでの取り組みに加え、東日本大震災によりさらな
る電力削減に取り組んでいる。夏期の電力節減の具体的取り組みとして、啓蒙ポスター掲
示、ホームページでの電力使用量状況広報、エレベータ稼動時間の短縮、取り止め、照明
の間引き点灯、8月ノー残業月間等である。
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Ⅶ.教育研究等環境
一般教室については、衣笠キャンパス 223 教室、びわこ・くさつキャンパス 166 教室、
朱雀キャンパス 15 教室で合計 404 教室ある。各教室には、教材提示装置(OHC)やメデ
ィアの再生機(DVDデッキなど)
、などのAV設備を導入している 12)。
また一般教室 404 教室のうち、衣笠7教室、びわこ・くさつキャンパス7教室、朱雀キ
ャンパス 1 教室の合計 15 教室については、別のキャンパスや外部施設をTV会議システム
によって接続して、合同で授業(遠隔講義)を行える仕様である 12)。
AV設備の更新は年度内に2回実施し、教室AV設備の老朽化の状況や、学部や研究科、
研究部より要望を考慮して更新を行う教室を選定し、改修を行っている 13)14)15)16)。
情報教室については、衣笠キャンパス 19 教室、びわこ・くさつキャンパス 21 教室、朱
雀キャンパス1教室で合計 41 教室あり、合計 2,706 台のパソコンを設置している。また、
各キャンパスには学生・院生が自由にパソコンを利用できるマルチメディアルームがあり、
合計 805 台設置している 17)。
2014 年度の情報教室の稼働率調査では、平均稼働率は衣笠キャンパスが 54.5%、びわこ・
くさつキャンパスが 67.0%となっている。びわこ・くさつキャンパスでは、理系の学部が
ICTと関連する専門科目を開講しているほか外国語科目でもICTの利用が進んでいる
ことから、衣笠キャンパスに比して高い稼動状況にある 18)。
一方、2014 年度のマルチメディアルームの利用調査では実利用者は 29,977 名であり、
前年度対比としては 590 名微増している。とはいえ、複数年傾向としての減少傾向の流れ
は変わっておらず、ログイン総数としては前年度対比でも減少している。このことは、今
般のスマートフォンなどのモバイル機器の急速な普及や、有線LANの接続口を持たない
タブレット端末の増加、学内の無線LANへのログイン件数や無線LANの実利用者数が
増えていることをあわせて考えると、学内における情報の入手媒体が、マルチメディアル
ームの備え付けパソコンからモバイル機器にシフトしてきていることが原因であると推察
できる 18)。
このような現状の分析や学部・研究科からの意見を集約した「教室改善要望」を勘案し、
2014 度も引き続き無線LANへのアクセスポイントを増設している 19)。
② 情報環境セキュリティの整備
立命館大学の教育研究、学生および事務情報データは堅牢性の高いデータセンターに設
置するデータ保管機器で保管管理しており、基幹情報データの損失に対する危機対策に取
り組んでいる。またあわせて、このデータセンターのデータ保管機器と立命館アジア太平
洋大学のデータ保管機器とを繋ぎ、日ごとに各々の基幹情報データを先方のデータ保管機
器に格納することで遠隔地バックアップを行っており、大規模災害による基幹情報データ
の損失にも備えている 20) 。
サーバやクライアントの電子証明書は、インターネット通信を暗号化するために利用さ
れ、現在の情報通信技術情勢において、通信の安全性を確保するために必要不可欠なもの
である。本学においてもその有用性が確かなものであるため、UPKI電子証明書発行サ
ービスについて、有償の正式サービスを大学のサービスとして継続して利用することとし
た 21) 。
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③安全・衛生の確保
2010 年に設置された安全管理室は、①防災・防火(災害時備蓄の具体化、総合防災訓練
の実施と各キャンパス・附属校の消防訓練の支援、防災・防火に関する人材育成)に代表
される学園全体のリスクマネジメント、②BKCにおける理工系安全管理の統括と支援(化
学物質や高圧ガスの適正管理、理工系安全教育の実施等)の2つの分野を所管としてきた。
2014 年度より、理工系安全管理を安全管理課が担当し、理工系を除く学園全体のリスクマ
ネジメントを総務課が担当する事務体制再編が実施され、2015 年度に引き継がれている。
この間安全管理室では、毎年度、全学のリスクマネジメント課題の活動まとめと次年度
課題を常任理事会に報告し、到達点と残された課題を明確にして課題を執行してきている
22)。また、理工系安全管理委員会も規程に則り開催している。
2014 年度の到達点を「2.点検・評価」に、2015 年度以降に引き継ぐ執行課題を「3.
将来に向けた発展方向」に記載する 22)。
(3)図書館、学術情報サービスは十分に機能しているか。
<図書、学術雑誌、電子情報などの整備状況とその適切性>
① 学術情報の整備と利用基盤整備
本学の蔵書数は 2015 年度現在、図書 3,131,192 冊、雑誌 43,882 タイトル、電子ジャー
ナル 75,832 タイトル、視聴覚資料 58,704 点であり 23)、本学の教育研究分野構成にふさわ
しいバランスと特色ある蔵書構築をめざしている。加えて、故加藤周一氏ご遺族より寄贈
いただいた図書(約1万8千冊)と貴重な手稿類を整理し、2016 年4月の「加藤周一文庫」
開設をめざしてその準備をすすめている 24)。
また衣笠キャンパス内外の書庫等に分散する資料を拠点となる図書館(衣笠新図書館と
修学館2館)に集約化、各図書館で本来蔵書すべき比較的新しい図書資料を直接利用でき
る環境を整備すること、積年の課題であった研究図書館(修学館)の一部の深刻な狭隘化
を抜本的に解消し、あわせて全体を体系的な資料配置に揃えることで、適切な利用・保存
環境を整備し利用者の利便性とサービス向上をめざした衣笠における資料の再配置のあり
方について、学部研究科の意見集約をふまえて整理を行った 25)。
学術研究における雑誌のニーズは高まっているが、毎年の本体価格上昇が激しいため、
冊子体洋雑誌についてはタイトルを精選し、全学で利用可能な電子ジャーナルへの切り替
えを図っている。また、デジタル情報の予算構造の枠組みを改善するため、電子ジャーナ
ルの集合体(ビッグディール)については、全学予算へ順次移行を図ることとしている 26)。
データベースについては、2014 年度は 62 タイトルを契約しており、限られた予算のな
かで全学が利用可能なデジタル情報の維持・拡充を図るべく、毎年コア・データベース選
定委員会にて募集・選定、中止を判断している。
なお、2014 年度に実施した専門分野別外部評価結果において指摘された大阪梅田キャン
パスにおける図書の充実については、当該キャンパスの図書資料はOIC研究用図書費(教
員が選書)と経営管理研究科院生用図書費(大学院生が選書)から執行されることからそ
れぞれの選定委員会において指摘内容を踏まえた資料選定と充実に努めるが、予算と配架
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Ⅶ.教育研究等環境
スペースが限られていることから、学内他館との相互利用についてもさらに促進を図るこ
ととしている。
② 学術情報の利用環境整備と図書館リテラシー教育
学術情報の電子化が加速度的に進行するデジタル環境のもとで、多様な学術情報を教
育・研究活動に生かすためには、ユーザビリティを重視した利用環境の設定と利用者教育
が欠かせない。学術情報システム(RUNNERSⅥ)を開発し
27)、2012
年4月より媒体に
関わらず学術情報にアクセスしやすいディスカバリー・サービスや文献情報管理ツール
RefWorks を導入した。また、図書館リテラシーを初年次教育に必要な基本的リテラシーと
して位置づけ、ほぼすべての学部において1回生対象の授業で図書館リテラシー教育を実
施している。さらに、基礎演習やゼミなどの個別要望に応じたカスタマイズ型のクラス出
張ガイダンスを適宜実施している。目的・分野に応じた図書館ガイダンスも年間計画のも
とで実施し、並行してWeb上で自学自習できる機能をもつRAIL(基礎編・応用編)
を 2011 年度から利用に供している 28)。
③ デジタル情報の流通・発信
研究成果をデジタル情報として広く世界に発信するため、機関リポジトリを 2008 年度よ
り開始し、APUと共同運営している。2015 年3月末現在の立命館大学の登録は 4,892 タ
イトル、2014 年度年間閲覧数は 351,907 件であった。以前は紀要・学会誌が中心であった
が、立命館大学学位規程の改正によって 2013 年度以降に学位授与された博士論文の機関リ
ポジトリ掲載が義務化され、また衣笠キャンパスに設置された研究所が発行する紀要類に
ついても衣笠総合研究機構に所属する研究所・センター、研究センターの運用するホーム
ページでの論文掲載は原則、立命館学術成果リポジトリのリンクとすることとし、インタ
ーネットを利用した論文業績の積極的な発信およびアクセス集中を図った 29)。
本学所蔵の貴重資料のデジタル・アーカイブについては、明治以降の文献資料を中心に
国文学研究資料館の協力による近代文献情報データベース構築に向けて「日本語の歴史的
典籍のデータベース構築計画」に参画し、文学部とアートリサーチセンターによる歴史文
学系貴重資料データ等をWebに掲載している 30)。
④ 有効な予算運用
2009 年度より図書予算の統合的運用を行い、学術情報のデジタル化や学生数にみあった
図書予算確保と予算の効果的な執行に寄与している。あわせて、2014 年度より複数年度予
算運営を行い 31)、為替レートの変動等に柔軟に対応した予算運用を実現している。
<図書館の規模、司書の資格等の専門能力を有する職員の配置、開館時間・閲覧室・情報
検索設備などの利用環境 >
本学図書館は、2015 年度現在で衣笠図書館、修学館リサーチライブラリー、人文系文献
資料室(以上、衣笠キャンパスに設置)、メディアセンター、メディアライブラリー(以上、
びわこ・くさつキャンパス(以下「BKC」と略)に設置)、朱雀リサーチライブラリー(朱
雀キャンパスに設置)、OICライブラリー(大阪いばらきキャンパス(以下「OIC」と
Ⅶ‐9
643
Ⅶ.教育研究等環境
略)に設置)の7館で構成されている。閲覧座席数は 5,328 席あり
32)、学生収容定員に対
する閲覧座席数の割合は約 16%となっている。これらの図書館には、一般図書のほかに参
考図書・雑誌のコーナー、視聴覚コーナー、情報検索コーナー、ラーニングコモンズ等が
ある。貴重書以外は開架方式を基本としており、書庫の一部には電動式集密書庫を、メデ
ィアセンター地下には自動化書庫(35 万冊)を設置している。現状では全学の書庫の収容
能力に多少の余裕があるものの、近い将来、資料冊数の増加により収容能力を超えること
も予想されている。
快適な学修環境の整備については、2009 年9月から衣笠図書館、メディアセンター、メ
ディアライブラリーの3図書館において開館時間を 30 分繰上げ、開講期の開館時間を 8:
30 から 22:00 までとした。また年間の開館日数は衣笠図書館が年間 344 日、メディアセ
ンターは 343 日、メディアライブラリーは 340 日となっている。2014 年度の年間利用者は
統計のとれる範囲で 2,094,287 名、貸出冊数は同じく 552,286 冊であった 33)。2010 年度に
は社会的状況や学生の学修スタイルに鑑み、長時間滞在型の図書館として「ドリンクポリ
シー」34)を策定し、蓋付飲み物の持ち込みを許可した。閲覧スペースには他にグループ学
習室、AVルーム、対面朗読室等があり、一部では有線・無線LANが整備され、グルー
プ閲覧室等には大型ディスプレイも配置されている。
利用者に対する支援については外部委託も活用しており、司書資格を有する委託職員が
各図書館のカウンターで利用者サービスを行っている。レファレンス担当の委託職員は図
書館リテラシー教育の一部や図書館ガイダンスにも携わっているほか、学生ライブラリー
スタッフも、配架業務やガイダンス、クイックレファレンス、広報活動等に従事し、図書
館運営に参画している。
図書館の利用状況については、毎年「図書館事業報告書」にまとめている。2014 年度の
特徴としては、MyLibrary やデータベース、E-Journal など非来館型サービスが利用者に
浸透してきた影響もあり、入館者数が減少傾向にあるものの、貸出冊数については 2013 年
度から増加に転じたことである
35)。ちなみに学生一人当たりの貸出冊数は、全国の同規模
の 11 私立大学比較で2位と高水準を維持している。また、図書館リテラシーについては毎
年満足度調査を行っており、経年比較できるように同じ項目で調査・分析し、次年度に向
けて改善を図っている。
<図書のテキストデータ化とスムーズな利用>
2010 年度より、視覚障害者への学習支援を拡充しテキストデータサービスを開始してい
る
36)。これは教学部、該当学部・研究科を含めた全学的な障害者への教学支援体制のもと
で、図書館が主に所蔵資料について行っているものである。運用にあたっては実際に利用
する学生の意見をふまえ、学部・研究科の理解と協力を得ながら、実態・ニーズに見合っ
たしくみを構築し、恒常的・安定的なサービス提供を図っている。2012 年度からは、さら
なるサービス向上のため、人員増による支援体制の強化や、音声校正による時間短縮を図
っている。
<国内外の教育研究機関との学術情報相互提供システムの整備>
洋雑誌を中心としたデジタル媒体の値上げに全国レベルで対応策をとるべく、2011 年よ
Ⅶ‐10
644
Ⅶ.教育研究等環境
り国公私学のコンソーシアムである JUSTICE(大学図書館コンソーシアム連合)が設立さ
れた。実態やニーズに見合った価格モデルを検討しベンダーとの価格交渉を有利に進める
ため、国立情報学研究所のもとに専任の事務局を置き、全国レベルの取り組みが展開され
ている。
本学図書館は JUSTICE に加盟するとともに、JUSTICE 運営委員会のもとにある作業部
会に委員として参加している。
<ラーニングコモンズの整備>
自律的学習者としての学生を育成するため、図書館の学修環境を「学術情報を利用し主
体的に学修し学びあう学生をサポートする」ラーニングコモンズとして体制も含めて整備
している。図書館将来構想で提案しているラーニングコモンズの要件は、以下の三点に要
約される。第一は、学生が集団で学び新たな知の創造や情報発信ができるような学修環境
を整備すること、第二に学生が、「学びのコミュニティ」を形成し学修主体として自律的・
主体的に学び将来にわたる学修習慣を定着させるべく、支援体制を恒常的・組織的に提供
すること、第三に世界的なIT化の進展を視野に入れ、最先端のデジタル情報やネットワ
ークを駆使した学術情報を収集・提供し先駆的な利用環境を整備することである。その後
図書館では各キャンパスや館の状況にあわせて、図書館構想を年次計画として具体化して
おり、2011 年度に衣笠、2012 年度にはBKCに既存図書館を改修する形で、ぴあら(ピア・
ラーニングルーム)を開設した
37)。また
2015 年4月にOICに開設したOICライブラ
リーにもぴあらが設置されている。
(4)教育研究等を支援する環境や条件は適切に整備されているか。
<教育課程の特徴、学生数、教育方法等に応じた施設・設備の整備>
学生の自習スペースについて、自由にパソコンが利用できるマルチメディアルームを衣
、朱雀キャンパス
笠キャンパス(3室 344 台)、びわこ・くさつキャンパス(3室 461 台)
(1室 21 台)に整備している。2014 年度におけるこれら施設全体でのログイン数は延べ
920,663 件、実利用者数は 29,977 名となっている。18)
衣笠キャンパスにおいては、京都キャンパス将来構想検討委員会において、新図書館建
設が開始され、2016 年4月供用開始予定である。さらに、大学院共同研究室棟(名称・究
論館)が 2015 年4月より供用開始となり、今後の大学における研究高度化、研究科間の共
同研究など院生の研究条件を改善した。38)
びわこ・くさつキャンパスにおいては、BKC将来構想検討委員会のもとで策定された
実施計画にそって、理工系新棟Ⅱ(名称・トリシア)および理工系新棟Ⅰ(名称・バイオ リ
ンク)が建設され、既存施設の改修(トイレ等)の他、現在、2016 年9月の供用開始をめ
ざして、すべての学生が豊かで健康な学生生活を過ごすための「スポーツ健康コモンズ」
(総
合スポーツ施設)を建設中である。39)
また、大阪いばらきキャンパスは、2015 年4月の開設に供用開始しており、学び、交流、
グローバル化などさまざまなコンセプトを持つ「コモンズ」や質の高い学修、正課・正課
Ⅶ‐11
645
Ⅶ.教育研究等環境
外を超える学びを創出するための施設設備が整備されている。40)
<各学部の「学び」に特化した機能を持つ「場所」の具体化>(全学協 p11)
2012 年 10 月にキャンパス計画室が発足し 41)、京都・衣笠キャンパス、BKCにおける
キャンパスマスタープランの策定を進め、2014 年度には進捗を常任理事会に報告した
42)。
その後も継続的な検討を行い、今年度中にキャンパスマスタープラン 2015 年度版の策定を
進めている。その中で、
「学び」に特化した機能を持つ「場所」については、2011 年度全学
協議会確認をふまえ、各学部・研究科教学改革と学生・院生の能動的な学びを促進するた
め、各キャンパスにおけるコモンズの整備、図書館と各学部基本施設や各建物におけるア
カデミック・ラウンジや共同研究室の整備にむけて検討をすすめている。
なお、衣笠キャンパスでは 2015 年4月に開設した大学院施設「究論館」に、研究科や専
門を超えた研究やグループワーク等の大学院生間の学びあい、研究内容の公開・発信を促
進するリサーチコモンズを配置した 43)。また、2016 年4月に開設予定の新図書館内に設置
するラーニングコモンズについて検討ワーキングにおいて内容の検討を行った 44)。
BKCにおいては、全学生が利用できる新体育施設(スポーツ健康コモンズ)の 2016 年
9月の開設にむけた計画を確定し 45)、建築等の具体化を進めている。また、2014 年4月供
用開始になった理工系新棟トリシアには多目的室やラボカフェといった学生交流施設を配
置している 46)。さらに、2013 年度よりコラーニングハウスⅡに経済・経営学部のゼミ交流
施設を配置している
47)。その他、各施設のコモンズのあり方について、関連部課での協議
を進めている。
<テクノロジー・マネジメント研究科の演習室・自習室・ゼミ室等のスペース等の改善>
(2013 年度分野別外部評価指摘事項)
2015 年4月のOIC移転に伴い、セミナールーム(ゼミ室)の面積、座席数とも大幅に
改善された。
<テクノロジー・マネジメント研究科の教員研究室と院生の学修場所の近接化>(2013 年
度分野別外部評価指摘事項)
2015 年4月のOICにおいて、同じ建物(学舎棟)内の7~9階に教員研究室および院
生共同研究室等の院生の研究関係施設が収容・配置された。
<「学びの場」と「憩い・交流の場」の混在を解消し、一人ひとりの成長と集団の中での
成長を連関させる支援と環境条件を備えた「コモンズ」の創生>(全学協 p15)
全学協議会では、学生がキャンパスの一箇所に固まることなく、正課・正課外活動で学
び、発信し、交わり、つながり、成長するコミュニティを形成するためには、サークルボ
ックスや練習場といった特定の機能に特化したものだけでなく、すべての学生が何らかの
自主的活動に参加し、一人ひとりの成長と集団の中での成長を連関させた支援と環境条件
を備えた「コモンズ」を創生することを確認している。
R2020後半期課題に係るキャンパス整備の検討を衣笠、BKCともに進めており、2013
年度の議論の到達点として「びわこ・くさつキャンパスマスタープラン2014」48)を策定し
Ⅶ‐12
646
Ⅶ.教育研究等環境
ている。広大なキャンパスのさまざまな場所で行われている学びや研究に出会えるキャン
パスを創造することをめざし、アカデミックプランを軸に「パブリックスペース」、「交通
計画」、
「緑地計画」の多方面からの議論を行っている。パブリックスペースの議論は「B
KC将来構想検討部会」のもとに設置した「BKC課外自主活動検討部会」で2012年にま
とめたキャンパス整備の「基本的な考え方」49)をもとに「コモンズ」をはじめたとキャン
パス内のゾーニングの考え方を具体的に検討している。本マスタープランは2015年度の全
学的な承認を得ることも目標に2014年度でさらに具体的な検討を続ける。
<フリースペースの確保>(外部評価 p20)
外部評価時の状況に対して、2011 年度に衣笠図書館1階に、2012 年度にBKCのメディ
アライブラリー2階とメディアセンター1階にて既存施設を改修し、ラーニングコモンズ
機能を持った「ぴあら」
(ピア・ラーニングルーム)を開設した。
さらに、2015 年4月に開設した大阪いばらきキャンパスや特に既存の衣笠キャンパス、
BKCキャンパスにおいては、上記のようなスペースを含め、キャンパス内におけるパブ
リックスペースのあり様についても、キャンパスマスタープランの策定を進める上で求め
られる機能として検討を進めており、キャンパスの適切な場所への配置の可能性について
検討を行っている。
<小集団に対する資金的支援>
本学では、4年間(薬学部においては6年間)一貫した小集団教育体系を作り、小集団
を軸にした活動を旺盛に展開することをめざしている。
そのため、「小集団教育推進補助費」「自主ゼミ援助」「小集団担当者補助金」からなる小
集団教育援助を行っている。2014 年度の執行額は以下のとおりである。
Ⅶ‐13
647
Ⅶ.教育研究等環境
表7-1
予算単位名
2014 年度小集団教育援助業務 執行率
調整後予算額
法学部
経済学部
経営学部
産業社会学部
国際関係学部
政策科学部
文学部
映像学部
スポーツ健康科学部
理工学部
情報理工学部
生命科学部
薬学部
総計
4,580,000
5,610,000
5,537,000
6,715,000
3,575,000
2,880,000
5,850,000
1,004,000
2,005,000
3,798,000
2,329,000
1,433,000
1,183,000
46,499,000
執行額
4,533,738
3,529,777
2,949,993
5,767,865
2,274,737
2,020,472
5,733,977
439,003
1,625,945
3,651,418
2,328,442
838,272
745,079
36,438,718
調整後予算に
対する執行率
99.0%
62.9%
53.3%
85.9%
63.6%
70.2%
98.0%
43.7%
81.1%
96.1%
100.0%
58.5%
63.0%
78.4%
※「父母教育後援会小集団援助金」は含まず
(財務経理課抽出データより大学評価室作成)
<国際相互理解を推進する多文化共生の学園の実現に向け、多様な外国人留学生の受け入
れ・海外拠点の整備、学生生活支援(宿舎整備、カウンセリング、学内文書等の日英二
言語化)、キャリア教育支援など外国人留学生受入環境を整備>
2009 年度に採択を受けた文部科学省「国際化拠点整備事業(大学の国際化のためのネ
ットワーク形成推進事業)
」において「立命館大学を 4000 名超の外国人留学生を受け入
れる国際化拠点として展開することにより、
「留学生 30 万人計画」の達成にむけた牽引
役を果たす。」と掲げた構想
50)の実現に向けて、また、グローバル・アジア・コミュニ
ティに貢献する多文化共同人材の育成をテーマに掲げた「スーパーグローバル大学創成
支援」事業の構想調書
51)の実現のために、2014
年度は次のような教育研究等環境にお
ける充実を図った。
① 体制整備
全学における 2014 年度の外国人教員数は 283 名(本務者 144 名、兼務者 139 名)で
昨年度比9名増となり、全教員に対する比率は 10.4%となった。
国際関係学部では、6名の教員任用に際し、5名の採用に関して募集要項を日英 2 言
語で作成し、国際公募を行った。
G30 事業の中で、国際部や英語コースや海外大学との新たな共同プログラムを開設す
る学部事務室等に人員を配置し、事務機能の強化を図ってきたが、各部署において国際
化に関わる業務が定着しつつある。入学センターでの外国人留学生入学試験の実施、海
外大学とのスポーツ・文化分野での学生交流、課外自主活動への外国人留学生参加促進
Ⅶ‐14
648
Ⅶ.教育研究等環境
の取り組み、外国人留学生へのカウンセリング、多様なニーズを持つ学生の支援、事件・
事故対応、キャリア・就職支援など、日本人学生同様に学生部門の業務として実体化し
てきた。
また、各部署における職員の業務力量向上のための取り組みとして、人事部と連携し
て、全学に海外大学への派遣(ヨーク大学(カナダ)4名)
、TOEIC® IP 団体受験の実
施(86 名受験)外国語検定試験個人受験補助(18 名の利用)を行なった 52)。
②日英二言語化の推進
これまでに既に外国人留学生の履修や学生生活に関わる情報の発信については二言語
化の整備を行ってきており、2014 年度においては、257 件の文書を新規で英訳した。初
年次教育の一環として大学での学びや自己形成について理解を深めるために活用をして
いる冊子「未来を拓く」の英語化、RAINBOW GUIDE 等、情報ネットワーク利用に関
するマニュアル、保健センターの利用方法等を記載した健康ガイドブック、図書館の英
語版ホームページの刷新等の基盤的な整備に加え、障害を持つ英語基準学生の受け入れ
のために、障害別授業配慮のガイドラインを英語で作成し、テキストデータの提供やノ
ートテーカーの配置について英語対応が可能な体制の整備を進め、学生サポートルーム
の英語対応の体制整備し、その他、特別ニーズ学生支援室のガイドブック、ハラスメン
ト相談の手引き等についても二言語化し、日本語基準学生と同様の支援が受けられるよ
う整備を進めた。
③日本人学生と外国人留学生との学びあいの促進(正課・課外)
国際関係学部 Global Study 専攻(以下、「GS専攻」)の基礎科目 14 科目について、
他専攻・他学部にも開放し、国際関係学専攻の学生のべ 839 名(GS 生 595 名、GS 生以
外 242 名)
、その他の4学部から 58 名(法7名、経営6名、産業社会、19 名、文 28 名)
が受講した。
政策科学部では、2回生小集団科目である「研究入門フォーラム」に Community and
Regional Policy Studies 専攻(以下、CRPS専攻)生の履修も前提とした英語開講ク
ラスを2クラス開講しており、政策科学専攻の6名の学生がCRPS学生とともに海外
を含む学外へのフィールドワークに参加した。また、CRPS専攻の基礎科目(すべて
英語開講)を他専攻にも開放しており、11 科目で 合計 50 名の政策科学専攻の学生が受
講している。また、3名のCRPS専攻の学生が政策専攻の2科目(日本語開講)を受
講している。その他、ASEAN International Mobility for Students(以下、AIMS)
参加学生について、CRPS科目 14 科目をのべ 36 名(実数5名)が受講しており、日
本語基準の学生、CRPS生、非正規生が同じ教室で学び合いを進めている。
教養科目群の中には、英語による「Special Lecture」を9クラスが開講され、327 名
(対前年度比 91 名増)の受講生のうち、国際関係学部GS専攻が 99 名、国際関係学専
攻が 22 名、他学部 206 名(法 38 名、経営 68 名、産業社会 20 名、文 80 名)となった。
半数以上が学部英語コース以外の学生となっており、日本人学生にとって英語による授
業科目の受講機会がさらに広がった。
交換留学生(Study in Kyoto Program、以下、SKP)は、Global Gateway Program
Ⅶ‐15
649
Ⅶ.教育研究等環境
(以下、GGP)科目 45 名、Japan and World Perspectives Program(以下、JWP)
科目を 97 名、教養ゼミ4名が受講しており、これらの科目でも学び合いが進んでいる。
また、課外活動においては学生団体(オリター団)によって英語基準の新入生を学修
面・生活面で支援し、日本人学生との交流を促すイベントを実施するなど、課外におけ
るピア・ラーニングを促進した。オリター団は他大学の先進事例を視察し、イベントの
企 画 や 運 営 に 反 映 さ せ て い る 。 政 策 科 学 部 に お い て は 、 上 回 生 が Academic &
Communication Supporter として、学修面、生活面における支援を行った。
課外活動では、囲碁部、交響楽団、能楽部等、いくつかのサークルでは、交換留学生
を受け入れ、活動を行なっている。
④国際宿泊施設の整備・奨学金の拡充
外国人留学生受け入れ数の拡大に対応して、グローバル・アジア・ビレッジ(仮称)
として、混住型教育寮 1800 戸の確保をめざすこととしている
51)。計画に際しては、外
国人留学生のみの寮では高い教育効果は望めないことから、外国人留学生・日本人学生
の共同生活と相互の学びあいにより、多文化理解力と共生の「教育力」が最大限発揮で
きるグローバル人材育成に貢献する国際教育寮をコンセプトとした 53)。
衣笠キャンパスについては、学生の学び合いの空間である国際教育寮とし、外国人留
学生と日本人学生の混住とし、多文化コミュニティを形成する場として、ユニット形式
の寮室等が建設され、2015 年9月に供用が開始される 54)。
びわこ・くさつキャンパスにおいては、2012 年9月にキャンパス近接地に国際寮「BKC
International House」が完成した 55)。学生 153 室、短期セミナー用8室、教員・研究者
用7室、キッチン・ラウンジ等の共用施設を完備し、2014 年度は延べ人数で個室が月平
均で 105.8 名の入居、セミナー宿泊室に 1608 泊の利用があった。初めて日本で暮らす外
国人留学生が、日本の生活、習慣に戸惑わないよう、英語対応可能な管理人が 24 時間常
駐する他、本学学生で日英2言語に堪能なレジデント・メンターも居住している。
大阪いばらきキャンパスにおいては、茨木商工会議敷地に国際寮を建築することを決
「茨木国際教育寮具体化ワーキング」を設置し、詳細
定し、2017 年度供用開始をめざし、
設計の検討を進めている 56)。
これらの施設は、学生同士の交流を行なえるよう、ダイニングキッチン等の施設や学
生が数名、班を組んで生活を行う「ユニット制」などの運用、入寮者の生活支援、指導、
交流促進を行うレジデント・メンターの配置を行うなど、今後外国人留学生が増えてい
く中で、共同生活を通じて外国人留学生と日本人学生が同じ立命館学生として学び合え
る場としての寮の役割を果たすべく整備を進めている。
外国人留学生奨学金制度においては、2013 年度に向けて複線化した制度を一本化し、
新たに授業料 100%減免を新設する改正を行った 57)。奨学金制度については 2015 年度全
学協議会の議論を踏まえ、抜本的な改正の検討を行うこととしている。
⑤キャリア教育・就職支援
2014 年度はこれまで実施してきた、留学生就職ガイダンス(年2回)
・留学生ワークシ
ョップ(全 10 回)・留学生対象企業説明会/選考会に加えて、3回生(M1含む)以下を
Ⅶ‐16
650
Ⅶ.教育研究等環境
対象とした『立命館大学・日本経済新聞社連携講座~アジア進出企業経営者による連続
講演会~』を実施した。
また、2013 年度より実施している英語による日本就職のガイダンスに加えて中国・韓
国への母国帰国就職ガイダンスや第三国としてその他のアジアで働くためのガイダンス
をローカル言語や英語で行い日本以外の地域での就職情報の提供も始めている。
その他、日本人学生を含めて国籍を問わず、将来国際的なビジネス現場で活躍するこ
とを希望する学生を対象とし、複数の国・地域の学生が理系・文系、学部・大学院の壁
を越えて共に学ぶ産学連携の体系的キャリア教育プログラム「グローバル人材養成プロ
グラム」は 2014 年度で 5 年目となり、受講生 48 名(日本人 28 名、留学生 20 名)で実
施した 58)。
<ティーチング・アシスタント(TA)・リサーチ・アシスタント(RA)・技術スタッフ
など教育研究支援体制の整備>
①ティーチング・アシスタント(TA)
、教育サポーター(ES)
教育支援体制として、院生によるティーチング・アシスタント(TA)、学部学生によ
る教育サポーター(ES)の各制度を運用しており、2014 年度の実績では、TAが約 1,221
名、ESが約 600 名程度雇用され、授業支援を行っている。
TAでは、年間3回のガイダンス、研修を実施している。内容はTAガイダンス、T
A実務ワークショップ研修、TAハラスメント防止研修を行っている 59)。
ESでは、前期6回、後期4回の年間計 10 回のガイダンスを実施している 60)。
②リサーチ・アシスタント(RA)
博士課程後期課程(以下、後期課程という。
)に在籍する院生で特定のプロジェクト研
究や受託研究等に従事する者を時給制のリサーチ・アシスタント(RA)として設定し、
就業規則や任用規程、給与規程の整備を行った。また、RAの所属は、勤務実態に応じ
た研究機構(または研究科)とした。
RAは、院生であるため、自身の学業・研究を進めることが本分である。RA業務の
エフォートが高くなり自身の学業・研究活動に支障をきたすことは本来あってはならな
いことから、週所定労働時間は20時間未満を上限とする基準を設定した61)。
<教員の待遇や研究・教育環境の改善による信頼関係の構築>(外部評価 p37)
教員組織整備計画(2011~2015 年度)を策定し、全学で 59.5 名の教員定数増を判断し、
教育環境の改善を進めている。
<多様な雇用形態の教員の教育研究環境の整備>
この間、本学では、任期を定めた多様な教員制度を導入し、最先端の実務家教員やプロ
ジェクトに合わせた期間に限って任用する教員など、さまざまな目的に合わせた教員を任
用してきた。このことが多岐にわたる職務をひとつの制度として運用してきたことで、不
整合を生じることにもなっていることから、総務部・教学部と連携し、教員および研究者
の任用制度を再構築するべく、
「立命館大学の教員任用制度および客員教授制度の再構築に
Ⅶ‐17
651
Ⅶ.教育研究等環境
関する基本方針について全学に提起した 61)。今後、2013 年4月以降の任用者を対象に、新
たな制度に見合った任用規程および就業規則、給与規程等の整備を行う。
<ポスドク等の若手研究者の育成>(外部評価 p37)
本学では、国内外の教育研究機関、企業(研究職)等で活躍できる若手研究者の育成を
図ることを目的として、専門研究員プログラム(2013 年度にポストドクトラルフェロープ
ログラムから改称)を実施している。このプログラムは、若手研究者のキャリアパスとし
て定着しているが、若い研究スタッフを充実させることによって本学教員の幅広い基盤的
研究を充実させ、研究成果の創出を促進することにも寄与している。
<教員の研究費・研究室および研究専念時間の確保>
学外研究制度と研究専念教員制度については、2011 年度に実施された大学評価(機関別
認証評価)結果において、
「運用実績が少ないことから、改善にむけた工夫が望まれる」と
の意見が付された。これを踏まえ、「研究高度化推進施策の実施について(その2)
」にお
いて、それらの課題を十分認識し、教員にとって利用し易い(実施率の高い等)学外研究
制度および研究専念教員制度をめざすべく、各制度の利用実態や教員ニーズを調査したう
えで、現行制度を改善していくことを全学に提起した
62)。具体的には、専任教員全員を対
象にWebによるアンケートを実施した 63)。アンケート結果は、
「学外研究制度および研究
専念教員制度の利用実態・ニーズに関する調査の回答結果について」として全学に公表し
た 64)。
さらに、アンケートに加えて、研究委員会を通じた各学部・研究科・研究機構の意見集約
も実施し、それらの結果をもとに、学外研究制度と研究専念教員制度の改善・充実に係る
具体化策を提起した
65)。これを基に
2014 年度から「学外研究制度および研究専念教員制
度」
「研究専念教員制度」の改善・充実を図り「研究専念教員制度」として募集を開始した。
新制度の改善・充実内容は下記のとおりである 66)。
①規程に則した運用ができるように、また、制度が十分に活用されるように4つの種目
(特定研究・学内研究・国内研究・国外研究)を設定する。
②各学部・研究科等が、学部・研究科等の区分毎予算枠の範囲内で、実情に応じた研究
費の措置、学内研究・国内研究・国外研究の別、実施人数を設定することを認める。
③現行制度からの改善・充実。
1)国外研究における研究費の支給限度額の引き上げ(ただし、現行の学外研究制度の
予算枠内での対応とする)
2)短期間(1ヵ月以上2ヵ月以内)の学内研究・国内研究・国外研究の実施(助教学
外研究制度においても、短期間(1ヵ月以上2ヵ月以内)の学内研究・国内研究・
国外研究を認める)
3)若手枠・ワークライフバランス枠の創設
本学における教員の研究活動を支援する環境、研究条件の整備には、Ⅰ.研究経費面、Ⅱ.
研究室などの施設設備面、Ⅲ.研究時間確保などの付加的側面におけるものに大きく区分で
きる。具体的には、各制度の詳細内容を記載した下表参照に後述する。
Ⅶ‐18
652
Ⅶ.教育研究等環境
2011 年度から開始した第2期研究高度化中期計画にもとづく「研究高度化推進制度」の
検討・具体化にあたっては、研究部および研究高度化推進施策に関わる審査委員会におい
て、2010 年度までの制度の効果検証を実施した 67)。具体的には、制度毎に目的、内容、予
算の執行状況、創出された成果の状況などをまとめたレビューシートを作成し、各制度が
それぞれの目的や特性に応じて効果を発揮し、第1期中期計画の目標達成に資するものと
なっていたか、また、大学予算を投じて実施することの効率性や費用対効果の面からも検
証を行った。この検証結果を踏まえて、制度拡充、現状維持、規模縮小、他の制度へ統合
などの判断を行い、2011 年度より、下表の各種制度を実施している 68)。これに加えて、2014
年度からは研究成果の社会還元を加速させるため、外部資金をもとにした「実用化・社会
実装促進プログラム」を実施している 69)。
表7-2立命館大学研究支援制度(2014 年度)
制度
対象
制度概要
個人研究費
資料費
専任教員、 24 万円/年
客員教授等 外国語常勤講師=6万円/半年
客員教授・特別契約教員・特別招聘教員=個別
契約
旅費
専任教員
15 万円/年間
5万円を上限に個人研究資料費に流用可(要事
前申請)
。
研究推進
プログラム
基盤研究
専任教員
学内における多様な基盤的研究を支援し、強化
するための研究費であり、特に積極的に学外研
究費の導入を図り、さらに研究課題を発展、向
上させていくためのスタートアップ資金。1件
あたり 50 万円、100 万円、150 万円上限の3種
類。
若手研究
専任教員、
特任助教、
助手(教員
系列のみ)
、
専門 研究
員、
研究員、
プロジェク
ト研 究員
(日本学術
振興会特別
研究員(P
D・RPD)
のみ)
専任教員他
(科研費申
請資格を有
する者)
若手研究者の基盤研究を支援し、研究の強化を
推進する制度。1件あたり 50 万円、100 万円上
限の2種類。
科研費連動型
科学研究費助成事業(科研費)に申請し、不採
択となった研究課題を対象に、次年度の応募に
向けてのサポート資金を助成する制度。1件あ
たり 50 万円、100 万円、300 万円上限の3種類
(科研費の研究種目により助成額が違う)
。
Ⅶ‐19
653
Ⅶ.教育研究等環境
研究の国際化推進プログラム
専任教員
研究成果の国際的発信を促進することを目的と
して、国内外で開催される国際学会・国際会議
への出張、海外で外国語により刊行される国際
的規模の学術雑誌への投稿・外国語校閲等に要
する経費などを助成。1件あたり 20 万円、50
万円、100 万円、150 万円上限の4種類。
研究者海外渡航支援制度
専任教員
国外で開催される国際的な学会、会議、研究会
において研究発表、報告(講演者、パネラーを
含む)
、司会者、座長として外国出張を認められ
た場合、10 万円を上限として航空運賃実費を半
額補助。
また、参加者として外国出張を認められた場合、
5万円を上限として航空運賃実費を半額補助。
学術図書出版推進プログラム
専任教員、
特任助教、
助手(教員
系列のみ)
、
専門 研究
員、
研究員、
プロジェク
ト研 究員
(日本学術
振興会特別
研究員(P
D・RPD)
のみ)
専任教員
本学教員の専門分野における優れた研究成果発
信を促進する目的として、学術図書刊行費用な
らびに外国語による成果発信における翻訳・校
閲費用を助成。1件 100 万円上限として出版助
成。
立命館グローバル・
イノベーション研究機構
特定領域型R-GIRO研究
プログラム
自然共生型社会形成に不可欠な新しい研究拠点
の核形成と同時に次世代を担う本学の若手研究
者育成を目的とした制度で、自然科学系研究領
域、人文社会科学系研究領域、自然科学・人文
社会科学融合新領域の研究に掛かる研究経費お
よび専任研究員、研究支援者の雇用経費が対象。
研究経費上限 200 万程度、雇用経費上限 800 万
程度。
立命館グローバル・
イノベーション研究機構
拠点形成型R-GIRO研究
プログラム
専任教員
自然共生型社会形成に不可欠な新しい研究拠点
の核形成と同時に次世代を担う本学の若手研究
者育成を目的とした制度で、自然科学系研究領
域、人文社会科学系研究領域、自然科学・人文
社会科学融合新領域の研究に掛かる研究経費お
よび専任研究員、研究支援者の雇用経費が対象。
研究経費と雇用経費合計で 2,000~4,000 万円程
度。
衣笠総合研究機構
BKC社系研究機構
研究所重点研究プログラム
衣笠総合研
究機構に設
置される期
限の定めの
ない研究所
グローバル
COEプロ
グラム採択
拠点
各研究所が中長期の展望によって策定した総合
計画に基づき、研究所としての重点プロジェク
トを設定し推進する取り組みに対して助成。1
研究所あたり 500 万円上限として助成。
研究拠点形成支援プログラム
立命館大学らしい世界水準の研究拠点を中長期
的な視点に立って形成していく取り組みとして
支援。
(出典:AY2014 Research Funding 学内研究助成に関するお知らせ 70))
Ⅶ‐20
654
Ⅶ.教育研究等環境
①研究費
1)学内における一律的な支援制度
日常的な研究活動を支援する個人研究費として個人研究資料費および研究旅費を
一律的に配付している 71)。本制度は、研究者個人の自由で創造的な研究を推進するこ
とにより、研究水準の維向上、研究の高度化に資することを目的としている。
表7-3 学内における一律的な研究費運用状況
2013 年度
2014 年度
個人研究資料費
1,141 名/228,531,511 円
1,101 名/209,283,256 円
研究旅費
1,141 名/136,783,648 円
1,101 名/151,826,597 円
(出典:立命館大学研究活性度総合指標)
2)学内における各種研究推進提案制度
(1)研究推進プログラム
本学では、多様な基盤的研究や政策的重点研究を強化するために、学内提案公募
型研究推進プログラムによる研究活動支援を行う制度を運用している。学部・研究
科、研究所・センターの重点研究プロジェクトや、複数学部による研究、他大学、
産業界を含む連携・融合研究の支援を行っている。将来的な学外研究費の獲得をめ
ざし、研究内容をより発展させ、社会的に評価される研究成果創出をめざすための
スタートアップ資金と位置づけている。
表7-4 学内提案公募型研究推進プログラム運用状況
2014 年度
2013 年度
対前年金額比
基盤研究
107/44/41,778
100/42/39,800
5.0%
若手研究
141/66/42,679
144/66/39,969
6.8%
科研費連動型
103/102/67,999
54/52/35,500
91.55%
(申請件数/採択件数/合計金額・千円)
*政策的重点研究は採択件数のみの記載
(出典:立命館大学研究活性度総合指標)
(2)立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)研究プログラム
本学は、2008年4月に立命館グローバル・イノベーション研究機構(Ritsumeikan
Global Innovation Research Organization:R-GIRO)を設立し、持続可能な
社会の形成のために21世紀に緊急に解決しなければならない課題に焦点を絞り、研
究領域を定めて研究プロジェクト推進している。
Ⅶ‐21
655
Ⅶ.教育研究等環境
表7-5 立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)研究プログラム運用状況
R-GIRO 研究プログラム
2014 年度
2013 年度
対前年金額比
19/307,831,800
30/285,908
%
(新規・継続課題採択件数合計/合計金額・千円)
(出典:立命館大学研究活性度総合指標)
(3) 研究の国際化推進プログラム
本学では、研究成果の国際的発信の質と量を着実に増やすため、専任教員を対象
に、「研究成果の国際的発信強化」、
「研究者海外渡航支援制度」の支援制度を設けて
いる。
表7-6 国際化推進プログラム運用状況
国際化推進プログラム
2014 年度
2013 年度
対前年金額比
110/56/43,523
80/55/42,350
2.8%
(申請件数/採択件数/合計金額・千円)
(出典:立命館大学研究活性度総合指標)
(4) 学術図書出版推進プログラム
本学専任教員の優れた研究成果発信を促進する目的として、学術図書刊行費用な
らびに外国語による成果発信における翻訳・校閲費用を助成する制度で、特に若手
研究者による成果発信・国際的成果発信を優先した助成を行っている。
表7-7 学術図書出版推進プログラム運用状況
学術図書出版推進プログラム
2014 年度
2013 年度
対前年金額比
25/8/8,000
20/12/12,000
△33.3%
(申請件数/採択件数/合計金額・千円)
(出典:立命館大学研究活性度総合指標)
(5)
実用化・社会実装促進プログラム
本学で創出された研究成果の実用化や社会実装を通じて新たな事業やサービスが
創出され、社会的課題の解決と同時に産業・経済への貢献を図ることを目的とした
研究支援プログラムであり、日本ベンチャーキャピタル株式会社からの寄付金を原
資として助成を行っている。
表7-8 実用化・社会実装促進プログラム
実用化・社会実装促進プログラム
2014 年度
対前年金額比
34/12/17,250
― %
(申請件数/採択件数/合計金額・千円)
(出典:立命館大学研究活性度総合指標)
Ⅶ‐22
656
Ⅶ.教育研究等環境
3)産学官連携活動推進体制
本学は1995年に国内の大学において、いち早く“リエゾンオフィス”を立ち上げ、全
国にさきがけて本格的な産学官連携活動を開始している。
科学研究費助成事業(科研費)の獲得状況においても、2005年度は採択件数で全国40
位(私立大学5位)であったが2013年度には採択件数26位、金額29位(私立大学中件数
4位、金額3位)に、2014年度には採択件数・金額ともに26位(私立大学中件数4位、
金額3位)と着実にランクアップさせている。
表7-9
2013-14年度学外資金の導入状況
2014 年度
年度
種別
2013 年度
前年比
(金額)
件数
金額(千円)
件数
金額(千円)
543
1,201,922
556
1,260,372
△4.6%
10
146,000
70.5%
科学研究費助成事業
私立大学戦略的研究基盤
11
形成支援事業
(確認中)
248,897
63
697,071
98
857,528
△18.7%
受託研究
323
377,990
282
310,226
△15.1%
共同研究
93
132,424
87
130,530
14.7%
110
126,603
122
164,321
69.1%
55
80,965
38
66,529
4.6%
1,198
2,865,872
1,193
2,935,506
△4.0%
その他公的研究費
奨学寄附金
民間財団助成金等
合
計
(出典:立命館大学研究活性度総合指標)
表7‐10
2014 年度主な大型外部資金獲得状況
事業名
件数/金額
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
平成 26 年度革新型蓄電池先端科学基礎研究開発
1/63,087
環境省
平成 26 年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業
「地中熱、太陽熱を直接利用する躯体スラブ蓄熱放射冷暖房シス
1/72,094
テムに関する技術開発」
総務省
「G空間シティ構築事業」被災に伴い制限された通信環境下にお
1/83,812
ける、地下空間を含む情報伝達・避難誘導支援の実現
財団法人京都高度技術研究所
テストビークル用 IC チップ(カスタム回路)の作成
1/40,189
独立行政法人科学技術振興機構
研究成果展開事業センター・オブ・イノベーション(COI)プ
ログラム「食と農のスロー&ローカル・イノベーション地域拠点
モデルの構築」
Ⅶ‐23
657
1/20,000
Ⅶ.教育研究等環境
独立行政法人科学技術振興機構
1/16,900
研究成果展開事業センター・オブ・イノベーション(COI)プ
ログラム「運動を生活カルチャー化する健康イノベーション」
(件数/金額(千円)
)
(出典:総合科学技術研究機構 学外資金受入承認リストより作成)
②研究室整備状況
本学の教員研究室は、衣笠キャンパス、びわこ・くさつキャンパス、朱雀キャンパス
に設けているが、全体で個室が 881.5 室、共同の研究室が 123.1 室の合計 1,004.6 室(面
積 23,161.5 ㎡)を設けており、上記対象者1名当たりの占有面積は約 18.6 ㎡を確保して
。教員研
いる(1室当たりの平均面積は、22.6 ㎡、共同の研究室が 20.5 ㎡となっている)
究室には、机、椅子、電話、書架、小机、折り畳み椅子、傘立て、屑入れ、電気スタンド、
情報コンセント(キャンパスや棟により、書架の種類等、基本備品は若干異なる)などの
基本備品を設置している。週に1回程度、清掃業者による清掃を行っている。
表7-11
キャンパス名
2014 年度キャンパス別研究室状況
個室数(室)
共同室数(室)
合
計
総面積(㎡)
笠
407.5
17.8
425.3
9,334.9
BKC
428.0
96.8
524.8
11,935.0
衣
朱
雀
46.0
8.5
54.5
1,249.3
合
計
881.5
123.1
1,004.6
22,519.2
(出典:2014 年度大学基礎データ)
③研究時間確保の適切性
教育研究、社会貢献活動など大学が置かれている環境がますます多岐にわたり多様化
していくなかで、研究条件、環境整備の一環として、本学では、より優れた研究成果を創
「助教学外研究員制度」
出できるよう、教員の研究時間を確保する「学外研究員制度」72)、
73)、
「研究専念教員制度」74)の運用を行っている。学外研究制度および研究専念教員制度
は、前述のとおり、改善・充実に係る具体化策を提起した65)66)。
1)学外研究員制度および助教学外研究員制度
本学専任教員が教育を担当することなく学外において研究に専念することを認め、研
究活動に専念するために掛かる旅費および滞在費・研究資料費を対象とする制度で、教
学の充実発展と、学術研究の振興を図ることを目的としている。
表7-12
学外研究員制度および助教学外研究員制度運用状況
2014 年度
2013 年度
対前年比(合計)
学外研究員(専任)
36 名/32 名(68 名)
48 名/29 名(77 名)
△11.7%
学外研究員(助教)
4 名/2 名(6 名)
3 名/0 名(3 名)
100.0%
国外/国内(合計)
Ⅶ‐24
658
Ⅶ.教育研究等環境
2)研究専念教員制度
本学では 2002 年度より、
21 世紀COEプログラムやグローバルCOEプログラム、
科研費(基盤研究S)等の大型外部資金による研究拠点・研究プロジェクトの代表者
等や優れた研究実績をあげた研究者およびその見込みがきわめて高い研究者に対して、
授業時間数減免などにより研究時間を保障する制度を設けている。
表7-13
研究専念教員制度運用状況
2014 年度
2013 年度
対前年比
大型研究適用(大型外部資金等)
1名
5名
△4名
役職者の研究回復措置に関する内規適用
0名
0名
0名
(出典:立命館大学研究活性度総合指標)
3) 専門研究員プログラム【旧「ポストドクトラルフェロープログラム」】
(若手研究者
の積極雇用)
本学では、次世代の主力研究者となる可能性をもった若手研究者育成の観点から、
専門研究員プログラム(旧「ポストドクトラルフェロープログラム」)を実施し、研究
業績と研究計画、受け入れ先環境の評価に基づき、専門研究員(旧ポストドクトラルフ
ェロー)等の若手研究者を雇用する制度を設けている。
表7-14
ポストドクトラルフェロープログラム
専門研究員プログラム(若手研究者の積極雇用)
2014 年度
2013 年度
対前年比
62 名/12 名
61 名/10 名
20%
申請/採択
(出典:立命館大学研究活性度総合指標)
<テクノロジー・マネジメント研究科の教員研究室の拡充>(2013 年度分野別外部評価指
摘事項)
教員研究室1室あたりの面積が、BKCでの 18 ㎡から、OICでは 24 ㎡となった。
<科研費以外の多角的な研究活動状況の指標の活用>(外部評価 p37)
本学は、2011 年度科研費で新規採択件数全国 28 位、2012 年度は採択件数で同 26 位、
2013 年度は同 26 位、2014 年度は同 26 位と全国において採択件数 30 位以内の基盤が確立
されたことから、本学教員の科研費申請から獲得意識のさらなる向上と研究基盤の強化を
めざし、当面はこれまで同様に科研費獲得に重点をおいた研究支援を継続していく。この
ことは、「研究高度化推進施策の実施について(その2)」においても全学提起を行ってお
り、今後は、研究高度化推進施策の各種取り組みや各学部・研究科および研究機構と連携
した科研費申請を奨励する取り組みを推進し、本学の研究競争力の更なる基盤構築を図る。
よって、当面、指摘事項であるものの、科研費を研究活動状況の重要な主指標として活用
していく。
Ⅶ‐25
659
Ⅶ.教育研究等環境
<世界との比較が可能な何らかの指標の選定>(外部評価 p38)
外国語論文の投稿など研究成果の積極的な国際発信を促すための基盤整備として、トム
ソン・ロイター等の専門情報系企業からの情報収集を開始している。今後は、論文数や論
文被引用数などの指標に基づいた研究評価を進める。
(5)研究倫理を遵守するために必要な措置をとっているか。
<研究倫理に関する学内規程の整備状況>
本学の学術研究が適正かつ円滑に遂行され、持続的に社会からの信頼を得ることを目的
として、従前同様に、研究倫理マネジメントの充実に向けた取り組みを進めている。特に、
スポーツ・健康科学部の新設に伴う審査案件の増大に対応するため、2011 年6月より「B
KC生命倫理審査委員会」の主管事務局を教学部(総合理工学院企画課)から研究部(リ
サーチオフィス(BKC)
)に移管するための規程改正を行った。75)びわこくさつキャンパ
スには前述した国の指針に基づいた案件を審査対象とする「BKC生命倫理審査委員会」
とそれ以外を審査対象とする「人を対象とする研究倫理審査委員会」にてそれぞれ審査を
実施していたが、個々の委員会が持つ課題や国の指針変更を勘案し、両審査委員会の統合
を含めた倫理審査体制の再整備を 2015 年度中に行うこととした 76)。
また、2012 年度以降、毎年、立命館大学研究倫理指針をはじめ研究倫理に関する各種規
程や審査の流れ等を記載した『研究倫理ハンドブック(研究者用)』を作成し、すべての教
員・研究者を対象に配布している 77)。
<研究倫理に関する学内審査機関の設置・運営の適切性>
本学研究部では、同指針の適正な運用を促進し、研究倫理に関する事項について審議、
調査、検討する全学的組織として、2007 年度より「立命館大学研究倫理委員会」を設置し、
年2回程度委員会を開催して、研究倫理指針の実施・調整に関する審議、学内の倫理審査
委員会における審査状況の報告等を行っている。加えて、同年度には「研究費適正執行管
理委員会」も設けて科学研究費助成事業(科研費)等の公的研究費について、その執行に
関わる経理証憑等の自主点検、検証作業に着手している。また、
「BKC生命倫理審査委員
会」については、2011 年度より主管事務局を総合理工学院企画課からリサーチオフィス(B
KC)に移管し、「動物実験委員会」「人を対象とする研究倫理審査委員会」とともに、研
究部のもとで、日常的な倫理審査を実施している
68)。動物実験については
2014 年には動
物実験の適正な実施と透明性の確保を目的として国立大学法人動物実験施設協議会および
公私立大学実験動物施設協議会が共同で実施を行っている「相互認証プログラム」を受検
し、適切な動物実験の実施が推進されているとの外部認証評価を受けた 78)。
Ⅶ‐26
660
Ⅶ.教育研究等環境
2014 年度における研究倫理に関する各委員会の開催状況
表7-15
各種委員会名
開催内容など
計 3 回開催
研究倫理委員会
(2014 年 9 月 25 日、2014 年 12 月 11 日、2015 年 3 月 11 日)
動物実験委員会(衣笠)
計 1 回開催(2 件の実験計画の審査などを実施)
動物実験委員会(BKC)
計 6 回開催(31 件の実験計画の審査などを実施)
人を対象とする委員会(衣笠)
計 11 回開催(48 件の実験計画の審査などを実施)
人を対象とする委員会(BKC)
計 11 回開催(47 件の実験計画の審査などを実施)
BKC生命倫理審査委員会
計 4 回開催(44 件の実験計画の審査などを実施)
(出典:各委員会 2014 年度議事録より集計)
Ⅶ‐27
661
Ⅶ.教育研究等環境
2.点検・評価
本章においては、教育研究等環境の整備に関する明確な方針の有無、十分な校地・校舎
および施設・設備の整備、図書館・学術情報サービスの機能、教育研究等を支援する環境
や条件の適切な整備、研究倫理を遵守するための必要な措置に関し現状を述べてきた。こ
れらの現状に関し、それぞれ次の指標に基づき点検・評価を行う。
*脚注が付いているものは本学の方針文書等からの適用、それ以外は大学基準協会の「評
価項目」や「評価の視点」の採用。
【校地・校舎、施設・設備整備】
【衣笠キャンパス】
①キャンパスの軸線の創出、空間の拡充・創出、ゆとりの創出3)
②将来的なボリューム確保のための北側へのボリュームシフト3)
③衣笠山と連動した緑地整備、周辺地域との調和の取れたキャンパス整備3)
④屋外空間の整備、各種コモンズ施設などの改善・拡充を通じたアメニティの向上3)
【びわこ・くさつキャンパス】
⑤緑地等、屋外空間の整備と軸線の明確化3)
⑥学生の居場所作り、アメニティの向上3)
⑦学舎等のゾーニング、計画的な整備3)
⑧以下の大阪いばらきキャンパスの基本構想(キャンパス・イメージ)を具体化した施
設・設備等の整備状況。79)
1)学びが見える、刺激しあうキャンパス
2)交流と連携で知を誘発するキャンパス
3)まちと共に成長するキャンパス
4)次世代の情報環境の整備
⑨キャンパス整備計画にあわせて、老朽化した教室を再整備できているか。80)
⑩ユーザの利用実態およびICT変化に対応したネットワーク環境の改善ができている
か。
⑪情報環境のセキュリティ強化による情報環境の安定化につながっているか。81)
⑫防災・防火に関する取り組みの推進 82)
⑬関係法令に則って実験・研究を行っているか 82)
⑭理工系施設設備の安全確保を行っているか 82)
⑮教職員、学生への安全教育・啓発を行っているか 82)
⑯学生の立場に立ったキャンパス環境の形成に努めているか 83)
⑰禁煙化に向け当初予定した取り組みが計画どおり実行されているか 84)
⑱学園構成員の喫煙人口 84)
【図書館、学術情報サービス】
①学生の主体的学修を促進する学習支援・サービスの提供 8)
Ⅶ‐28
662
Ⅶ.教育研究等環境
②授業と関連した学術情報の収集・提供と利用者教育・支援 8)
③マルチキャンパスにおける体系的な蔵書構築と利用環境整備 8)
④電子学術情報の収集とナビゲーション機能の強化 8)
⑤研究活動への支援と研究成果の収集・発信 8)
⑥蔵書・サービスの国際対応 8)
⑦ゆとりと機能性・快適性の高い学修環境整備 8)
⑧新図書館の開設準備 9)
【教育研究等支援環境・条件の整備】
①衣笠・BKCそれぞれのキャンパス部会で確認された事項が整備されているか
②多様な外国人留学生を受け入れ可能な宿舎の各キャンパスでの整備状況(戸数、教育
機能)50)
③学生相談支援など外国人留学生受け入れを支える事務体制の整備 50)
④学内文章等の日英二言語化の進捗状況 50)
⑤キャリア教育支援プログラム等の実施状況 50)
⑥「各年度教育サポーター(ES)実施方針について」に基づいてESが運用されてい
るか 85)
⑦「ティーチング・アシスタント制度に関するガイドラインの策定について」に基づい
てTAが運用されているか 86)
⑧「薬学部ファーマアシスタント(Ph.A)制度の導入について」に基づいてPh.Aが
運用されているか 87)
⑨教員数、PD・RA数、研究員数および研究支援体制 7)
⑩研究施設、研究費、研究時間の確保 7)
⑪科学研究費助成事業(科研費)および国の競争的資金などの学外研究費の確保状況 7)
【研究倫理遵守措置】
①研究倫理に係る学内審査状況 7)
以下、対応する評価指標を明示の上、特記事項をまとめる。
(1)効果が上がっている事項
【校地・校舎、施設・設備整備】
①キャンパスの軸線の創出、空間の拡充・創出、ゆとりの創出、②将来的なボリューム
確保のための北側へのボリュームシフト、③衣笠山と連動した緑地整備、周辺地域との調
和の取れたキャンパス整備、④屋外空間の整備、各種コモンズ施設などの改善・拡充を通
じたアメニティの向上、⑤緑地等、屋外空間の整備と軸線の明確化、⑥学生の居場所作り、
アメニティの向上、⑦学舎等のゾーニング、計画的な整備3)
・キャンパス整備を進めるにあたってキャンパス計画室を設置し(2012 年 11 月)
、左記
事項を含めたキャンパス課題を検討し、キャンパスの中長期的な整備を進める体制を整
Ⅶ‐29
663
Ⅶ.教育研究等環境
え、各キャンパスにおける中長期的な計画の検討を進めてきた。2014 年4月段階での
暫定版を作成し、京都キャンパス、BKCの各将来構想委員会にて進捗報告を行った。
(ver.1)
を同委員会へ報告している。
さらに 2015 年6月にはさらに検討を進めた改訂版
42)88)
⑧以下の大阪いばらきキャンパスの基本構想(キャンパス・イメージ)を具体化した施
設・設備等の整備状況。
1)学びが見える、刺激しあうキャンパス
2)交流と連携で知を誘発するキャンパス
3)まちと共に成長するキャンパス
4)次世代の情報環境の整備
上記の視点を具体化した施設・設備等の整備を実施し、2015 年2月に竣工、2015
年4月に開設した。
・各視点からの整備の特徴点は以下のとおりである。
1)キャンパス各所に多様な学びあいの空間(コモンズ)を配置。また、学舎棟低層階
には幅 10m以上のコンコースが南北に走り主動線となるとともに、学生同士、学生と
教員とのコミュニケーション空間ともなる施設として整備。
2)市街地整備施設に 1000 名収容のグランドホールの他、カンファレンスホール、イベ
ントホール等、国際学会やコンサート等に対応した施設を整備。また、産学連携の環
境として市街地整備施設に研究所・研究センター・研究プロジェクト室・産学交流ラ
ウンジを整備。
3)防災公園との連続性のあるランドスケープを実現。茨木に自生する樹木を配置し、
市民とともに里山を再現するエリア、市民とともに日常の手入れを行うガーデニング
エリアなど、周辺環境と調和し、コミュニティづくりとまちづくりを兼ねた取組みを
進めた。
4)全館無線LANを整備し、キャンパスのどこでも学びの場となる環境を整備。IC
T活用に特化したコモンズ(ICTラボ)を整備した 89)90)91)。
・上記のキャンパス整備により、OICが「第 28 回日経ニューオフィス賞」において近
畿ニューオフィス推進賞
92)、
「2015
年度グッドデザイン賞」においてグッドデザイン
賞(公共用の建築・施設)を受賞した 93)。
⑨キャンパス整備計画にあわせて、老朽化した教室を再整備できているか。
・当初計画に基づき、研心館 641、コラーニングハウスⅠの C201 および C203~C206
について大教室における教材提示環境の改善を行なった。加えて、有心館 421、431、
441、以学館 21、プリズムハウス P31~P34 について、情報教室のデジタルプレゼン
対応化を行なった。さらに、コラーニングハウスⅢC904 へのマルチチャンネル遠隔講
義システムの設置を行なった。
また、敬学館 211 教室およびバイオリンク教職関連施設への電子黒板の導入、研心館
全教室およびコラーニングハウスⅠ全教室の教卓鍵の廃止も行なった。当初の計画か
らは変更となったが、明学館 94 号およびコラーニングⅠC201 の遠隔講義機能の増設
Ⅶ‐30
664
Ⅶ.教育研究等環境
も行なった 13)14)15)16)。
⑩ユーザの利用実態およびICT変化に対応したネットワーク環境の改善ができている
か。
・学部・研究科から集約した「教室改善要望」に基づき、末川記念館、至徳館、清心館、
恒心館、エポック立命 21、コラーニングハウスⅡ、トリシアの学内無線LAN環境が
整備されていない箇所を整備した。また、教育・研究機関用の国際的な無線LANロ
ーミング基盤である edurome を導入した 94)95)。
⑪情報環境のセキュリティ強化による情報環境の安定化につながっているか。20)21)
・立命館大学とアジア太平洋大学との間で遠隔地バックアップを実現する整備を行った。
これにより、大規模災害による基幹情報データの損失に対する危機対策が向上した。
・有償の電子証明書発行サービスを大学のサービスとして継続利用することにより、通
信の安全性の確保につながっている。
⑫防災・防火に関する取り組みの推進 82)
2014 年度も学生用・教職員用の「緊急災害対策ハンドブック」を発行し、学部大学
院新入生、全教職員に配布した。またコンパクトな「防災カード」も同様に発行・配
布し、防災・防火意識の向上を図った。防災・防火の中核人材育成の課題では、2012
年度から3ヵ年計画で職員を中心とする「自衛消防業務講習」の受講を推進した。キ
ャンパス自衛消防組織の責任者や職制を中心としてAPU職員や附属校教諭をあわせ
て3年間合計で 200 名を超える受講となり、職員分野では当初目標としていた全体の
20%の受講を達成した。2014 年 12 月に初めて3キャンパス合同の全学防災訓練を実
施し、以前より課題であった教員・学生も一定の参加を得ることができた。災害時の
安否確認では、manaba+R をベースとした学生を対象とする安否確認システムを構築
し、全学防災訓練の際にテストする予定であったが、通常運用の支障となる懸念があ
り 2015 年度へ延期とした。教職員の安否確認システムは給与厚生課が現行教職員シス
テムの改修によりシステムを構築中である。災害時備蓄計画は、2014 年度年度末まで
に各キャパス・合宿所等での帰宅困難者3日分の飲料水・食料品の備蓄をほぼ完了し
た。他大学との災害時協力では、2013 年度の立命館生協との災害時協力協定締結に続
き、2014 年度から「災害対策に関わる北区大学・地域懇談会」(2014 年度は立命館大
学が事務局校)を設置し、大谷大学、京都産業大学、佛教大学および京都市北区行政
機関(区役所、警察署、消防署)と年間2回の経験交流と意見交換を行った 22) 96)97) 。
研究室の防災対策では、産業医巡視を含めた安全巡視は計 80 研究室で実施した。什
器や実験機器の転倒防止や避難経路の確保、化学物質の保管・管理が適切になされて
いるか等を点検し、問題がある場合には改善に向けた指導や提案を行った。また、年 1
1回研究室ごとの安全自主点検を依頼する他、クリーンラボ・キャンペーンを実施し、
研究室内や廊下に置かれている不要な物品の一斉廃棄を行い、室内の整理整頓および
避難経路の確保に努めた 22)。
Ⅶ‐31
665
Ⅶ.教育研究等環境
⑬関係法令に則って実験・研究を行っているか 82)
理工系の安全管理課題では、一定量の化学物質を使用するなど健康へのリスクの高
い作業を行う研究室を対象に、労働安全衛生法で義務付けられている作業環境測定、
特殊健康診断を 2010 年度以降毎年実施しており、2014 年度も例年と同じく年2回実
施した 22)。キャンパス内における化学物質や高圧ガスの使用、保管状況が適切に管理・
把握できるよう、2011 年 11 月から薬品管理システムを導入しているが、2013 年度か
らは年2回の棚卸しを行い、2014 年度は9割以上の研究室で実施され在庫管理の精度
を高めている 22)。
⑭理工系施設設備の安全確保を行っているか 82)
2014 年度は長年の懸案であった危険物の屋内貯蔵所(溶媒室)の増設が実現した。
これにより研究室内で危険物を保管するリスクが大きく減少し、当該研究室の環境保
存・安全確保にも貢献した。高圧ガスの適正管理においては、2015 年4月より利用を
開始したバイオリンクで、セントラル方式による供給とすべての可燃性・毒性ガスの
シリンダーキャビネット収納が実現した 22)。
⑮教職員、学生への安全教育・啓発を行っているか 82)
2014 年度は安全管理室ホームページをリニューアルして情報発信ツールの充実を図
り、各種安全講習会の資料等を順次掲載するとともに、資料二言語化にも取り組んだ
22)。
理工系実験に関しては、2014 年度も「理系実験のための安全マニュアル」
(2014 年
度版)を発行・配布した。安全管理に関する各種の取り組み紹介や各種案内のために
2012 年度から発行している安全管理室ニュースを年7回発行し情報発信を行った。さ
らに重大な事故等が発生した際には、必要に応じて「緊急注意情報」を発行して注意
喚起を行った。理工系の安全教育としては、年度末から年度初めにかけて、本格的に
研究活動をスタートする学部4回生や大学院生(M1)などを対象に、試薬、高圧ガス、
実験系廃棄物など計6分野の理工系安全講習会を実施したほか、生命科学部・薬学部
とはこれに加えて前期に1回生基礎演習の1授業時間を活用して、実験に関する講義
と消火器を用いた初期消火の訓練を実施するなどさまざまな安全教育を実施した 22)。
⑱学園構成員の喫煙人口 84)
・学部学生の喫煙率(毎日喫煙をする学生)が、2008 年度 の 9.7%から、2013 年度に
は 4.6%に減少し、さらに 2014 年度には、3.4 %と減少している。教職員の喫煙率に
おいても 2008 年度の 12.5%から、2013 年度には 8.7%に減少している 98)。
【図書館、学術情報サービス】
②授業と関連した学術情報の収集・提供と利用者教育・支援 8)
・大学における主体的な学びに必要な図書館の利用方法をイメージしてもらうため、各
Ⅶ‐32
666
Ⅶ.教育研究等環境
学部と協力し初年次教育として図書館リテラシーを実施しているほか、授業担当教員
の要請にもとづきレファレンスライブラリアン出張ガイダンス等も実施している。図
書館リテラシーについては、学部によっては図書館ツアーを取り入れるなど図書館を
利用することに関心を持ってもらえるよう工夫しながら実施した 99)。
⑥蔵書・サービスの国際対応 8)
・2014 年4月に、外国人留学生に対する図書館サービスについて検証するためアンケー
ト調査を実施し、その結果をふまえて既存のホームページの二言語化や英語資料の充
実、留学生ライブラリースタッフの雇用促進に着手した 100)。
⑦ゆとりと機能性・快適性の高い学修環境整備 8)
・衣笠新図書館に設置される「ぴあら」
(ラーニングコモンズ)の機能や設備等について
検討を行うため、図書館委員会のもとに「平井嘉一郎記念図書館「ぴあら」検討委員
会」を設置し検討を行った 101)。
⑧新図書館構想の具体化 9)
・衣笠新図書館ワーキング・グループにおけるコンセプト、機能の検討をふまえ、衣笠
新図書館となる平井嘉一郎記念図書館の 2016 年度開設に向けた検討、移転準備を進め
ている 102)。
【教育研究等支援環境・条件の整備】
②多様な外国人留学生を受け入れ可能な宿舎の各キャンパスでの整備状況(戸数、教育
機能)50)
・本学が採択されているSGU構想の柱となる取組の1つに、グローバル化に対応した
諸制度改革と基盤整備があり、大学の徹底したグローバル化と教育研究の質向上を目
的として、「グローバル・アジア・ビレッジ(仮称)」と称して、留学生受入、留学生
と国内学生の共同生活を通じた学びと交流を促進する住居(混住型教育寮 1,800+海外
研究者ゲストハウス機能)の整備が挙げられており、具体的な整備に向けた検討が必
要となっている。2015 年度は、衣笠国際寮およびOIC国際寮の詳細設計が検討され、
開設が確定した 54) 56)。
③学生相談支援など外国人留学生受け入れを支える事務体制の整備 50)
・グローバル化を先導する専任職員の力量形成施策について、現状の制度は、グローバ
ル化を先導する専任職員に求められる力量のうち、主に個人を対象とした初歩段階の
ものを中心に構成されており、かつ、段階的な力量形成を前提として設計されたもの
ではない。2012 年度部次長会議のもとに設置した「国際業務力量とその向上のための
施策を検討するワーキング・グループで述べられた視点を踏まえ、さらに職場の組織
的なグローバル化を図るとともに、目的とすべき力量形成を想定し、初歩的な段階か
ら順を追った成長、業務のグローバル化を支える育成制度が求められる 52)。
Ⅶ‐33
667
Ⅶ.教育研究等環境
⑪科学研究費助成事業(科研費)および国の競争的資金などの学外研究費の確保状況5)
・第2期計画期間における科研費をはじめとする学外研究費の増加に向けた取り組みに
ついて提起した。具体的には、学外研究費(特に科研費)の導入を積極的に図り、さ
らに研究内容を発展・向上させていくためのスタートアップ資金として、前述の研究
高度化推進制度を整備し、実施した 103)。
・科研費においては、新規・継続課題の件数・金額において、2013 年、2014 年ともに全
「民間企業からの受託
国 26 位(過去最高)に躍進した。また、産学連携の実績では、
研究実施件数」において、立命館大学が 2013 年には全国1位、2014 年には全国2位
となった。あわせて、文部科学省「革新的イノベーション創出プログラム(COI拠
点事業)」に私立大学では唯一となる2拠点が準採択に相当するCOI-T(トライアル)
拠点に採択され、うち1拠点が 2014 年度にCOI拠点として採択を受けた。(私立大
学のCOI中核拠点としての採択は立命館大学、慶応義塾大学、金沢工業大学の3大
学のみである 104)105)。
(2)改善すべき事項
【校地・校舎、施設・設備整備】
⑰禁煙化に向け当初予定した取り組みが計画どおり実行されているか 84)
・「喫煙出来ない(しづらい)キャンパス環境」になったことや、受動喫煙防止による健
康被害がキャンパス全体に拡散していないこと等、マナーを順守した喫煙者も増えつ
つあるが
98)、引き続き、キャンパス全面禁煙化に向け、一貫して継続した取り組みを
実施していく。
【図書館、学術情報サービス】
④電子学術情報の収集とナビゲーション機能の強化 8)
・本体価格の値上がりや為替の影響等により逐次刊行物、コア・データベース等の現状
維持が困難となっている。図書館委員会や各委員会で検討を始めており、コア・デー
タベースは選定委員会においてゼロベースで見直すこと、ビッグディール(包括的な
パッケージ契約)の解体についても検討することとしているが、抜本的な改善案の提
示には至っていない 106) 107)。
【研究倫理遵守措置】
①研究倫理に係る学内審査状況 7)
・研究倫理教育の実施については「研究活動における不正行為への対応等に関するガイ
ドライン」
(2014 年8月 26 日 文部科学大臣決定)の中で「学生の研究倫理に関する
規範意識を徹底していくため、各大学の教育研究上の目的及び専攻分野の特性に応じ
て、学生に対する研究倫理教育の実施を推進すること」として指針が示されている。
よって教員のみならず若手研究者や後期課程院生に、研究倫理に係る本学ルールを周
Ⅶ‐34
668
Ⅶ.教育研究等環境
知徹底する必要があるため、『研究倫理ハンドブック』配布や説明会を実施した。今後
はこれに加えて、教学部と連携し大学院学生を対象とした研究倫理教育の実施(2016
年度以降)や学部生を対象とする取り組み(2016 年度以降)についても検討を進める
108)。
・研究費の適正執行においては、不正使用を誘発する要因の除去と抑止機能のある環境・
体制の構築をよりいっそう促す必要があるため、
『研究費執行ガイドブック』配布や説
明会を実施した 109)。
Ⅶ‐35
669
Ⅶ.教育研究等環境
3.将来に向けた発展方策
(1)効果が上がっている事項
①キャンパスの軸線の創出、空間の拡充・創出、ゆとりの創出、②将来的なボリューム
確保のための北側へのボリュームシフト、③衣笠山と連動した緑地整備、周辺地域との調
和の取れたキャンパス整備、④屋外空間の整備、各種コモンズ施設などの改善・拡充を通
じたアメニティの向上、⑤緑地等、屋外空間の整備と軸線の明確化、⑥学生の居場所作り、
アメニティの向上、⑦学舎等のゾーニング、計画的な整備3)
・2015 年6月に報告した京都キャンパス、BKCにおけるキャンパスの中長期計画の検
討をさらに進め、キャンパス 2016 年度内に京都キャンパス将来構想委員会、BKC将
来構想委員会へ提起する 42)110) 。
⑧以下の大阪いばらきキャンパスの基本構想(キャンパス・イメージ)を具体化した施
設・設備等の整備状況。
1)学びが見える、刺激しあうキャンパス
2)交流と連携で知を誘発するキャンパス
3)まちと共に成長するキャンパス
4)次世代の情報環境の整備
「2.点検・評価」にあるとおり、2015 年2月に竣工、同4月に開学した。開設準備
の推進体制である、
「OIC開設準備委員会」も役割を終え、2015 年度からは他キャン
パス同様に、キャンパスの整備・維持・管理を行っていく。
⑨キャンパス整備計画にあわせて、老朽化した教室を再整備できているか。
・教卓システムの仕様に関わる利用者からの変更や追加の要望は年度ごとに教学部にて
集約されており、このような意見やキャンパス整備計画をもとに、2015 年度から設置
した情報基盤整備委員会において整備の範囲やあり様を決定し、教育研究環境の向上
に資する整備を実施していく 111)。
⑩ユーザの利用実態およびICT変化に対応したネットワーク環境の改善ができている
か。
・利用者のICT利用動向の分析結果をまとめるアニュアルレポートや、その他の利用
者へのアンケートなどにもとづき、2015 年度から設置した情報基盤整備委員会におい
て利用実態に即したネットワーク環境のあり様を決定し、教育研究環境の向上に資す
る整備を実施していく 112) 113) 114)。
⑪情報環境のセキュリティ強化による情報環境の安定化につながっているか。
・2014 年度に実施してきた情報セキュリティ強化に関わる施策の効果については引き続
Ⅶ‐36
670
Ⅶ.教育研究等環境
き、2015 年度に設置した情報基盤整備委員会において検証し適切な追加措置を実施し
ていく。またこの情報基盤整備委員会を中心として、今般の情報セキュリティに関わ
る情勢に対しより速く的確に対応していくために、学内の対応体制や対応ルールを再
構築する 81) 115)。
⑫防災・防火に関する取り組みの推進 82)
・2014 年度の総括を踏まえ、2015 年度は全学部・全研究科が参加する全学防災訓練を実
施する。訓練の一環として、学生・教職員を対象とした安否確認システムの開発とテ
スト運用も実施する。各キャンパスでは自衛消防組織各地区隊の消防訓練も行う。災
害時備蓄計画では、大阪いばらきキャンパスでの備蓄を行う。防災・防火に関する人
材育成としては、2014 年度までの到達点を引き継ぎ、継続して「自衛消防業務講習」
への参加を促進する。近隣の大学や行政との災害対策に関する情報交換を行うため、
2014 年度より開始された「災害対策に関わる北区大学地域懇談会」
(年2回)参加する。
安全教育・啓発の課題としては、継続的にマニュアルを更新し、関係者への周知を行
「防災カード」の発行
う他、2015 年度も学生・教職員へ「緊急災害対応ハンドブック」
と配布を行う。また、各種の防災活動の取り組みを通じて学生参加を促進する 22)。
⑬関係法令に則って実験・研究を行っているか 82)
・2015 年度も引き続き労働安全衛生法で義務付けられている作業環境測定、特殊健康診
断をはじめとした理工系の安全管理を実施していく 22)。
⑭理工系施設設備の安全確保を行っているか
・2015 年度後期以降は、
「高圧ガスガイドライン」に基づく古いガスボンベの返却を促進
させると共に、バイオリンクでのセントラル方式等をモデルに、実験棟エリアのエク
セルⅢ、学術フロンティア、エクセルⅡでのセントラル化、およびテクノコンプレッ
クスエリアのガス総量をセントラル供給により削減し、実験棟エリア、テクノコンプ
レックスエリアでの高圧ガス第2種貯蔵所の届出をめざす 22)。
・研究室安全巡視については、2015 年度計約 80 研究室の巡視を実施し、各研究室の転
倒防止をはじめとする安全を確保し、本年度で全研究室巡視をめざす
22)。また、管財
課と協力して老朽化した実験廃水処理施設の更新に取り組む 22)。
⑮教職員、学生への安全教育・啓発を行っているか
・安全管理室ホームページコンテンツの充実や迅速な情報発信を図るべく、ホームペー
ジの一部修正を 2015 年度中に行う。また、安全管理に関する学生や教職員への啓発の
ため、
「安全管理室ニュース」で適宜最新の情報提供を行う他、重大な事故発生等の折
には「緊急注意情報」を発行して、事故の再発防止に努める。安全教育に関しては、
例年に引き続き「理系実験のための安全マニュアル」を編集し理系新入生に配布する。
また、昨年度まで取り組んできた試薬、高圧ガス、実験系廃棄物など、6分野に渡る
安全教育を年度末から年度初めにかけて各2回、計 12 回実施する。また、生命科学部・
薬学部の1回生基礎演習1授業時間を利用しての安全教育も内容を充実させ継続する
Ⅶ‐37
671
Ⅶ.教育研究等環境
22)。
⑱学園構成員の喫煙人口 84)
(以下、根拠資料 98))
◇ 受動喫煙防止の取り組み
1)学生・教員・職員等、真の意味で学園の全構成員を挙げた取り組みに昇華させる。
2)「キャンパス全面禁煙化」の取り組みは、学校法人立命館の常任理事会議決事項で
あり、改めて全学を挙げて取り組むことを再確認する。
3)教育機関として教育の視点において、倫理・モラルの観点から、正課・課外を問
わず、教育的な取り組みを強化する。
◇ 学園の危機管理としての取り組み
1)火災を発生させない対策 116)
【図書館、学術情報サービス】
②授業と関連した学術情報の収集・提供と利用者教育・支援 8)
・利用者により興味関心を持ってもらえるよう、講義の中で紹介した情報検索方法が動
画で再確認できることを紹介するWebガイダンスや、各図書館でのクイズラリーを
実施した 117)。
⑥蔵書・サービスの国際対応 8)
・既存のホームページの二言語化等の取り組みをより充実させるとともに、英語による
リテラシーガイダンスやレファレンス対応、留学生ライブラリースタッフによるピ
ア・エデュケーションなどについて引き続き検討し具体化を図る 100)。
⑦ゆとりと機能性・快適性の高い学修環境整備 8)
・「ぴあら」検討委員会を2回開催し、新「ぴあら」に設ける機能や必要な機材、サービ
ス等について第2回図書館委員会に報告した。残された課題については関連学部・機
関と調整を図りつつ具体化を図る 118)。
⑧新図書館構想の具体化 9)
・衣笠新図書館の基本設計および内外装はほぼ確定した。今後は資料移転に向けた検討
を開始している。移設作業やその間の図書館・図書資料の利用の詳細については必要
な会議体に報告を行いながら計画通りに移転ができるよう準備をすすめる 119)。
【教育研究等支援環境・条件の整備】
②多様な外国人留学生を受け入れ可能な宿舎の各キャンパスでの整備状況(戸数、教育
機能)50)
・OIC国際寮の建設にあたって、商工会議所の敷地活用と関わって、①地下の擁壁と
建物基礎が一体化しておりその解体に相当の時間がかかること、②周辺住民との関係
Ⅶ‐38
672
Ⅶ.教育研究等環境
で低騒音型の解体工法を取る必要があり時間がかかること、③埋蔵文化財の包蔵地で
あり、調査が必要であること等のため、工程等の見直しが必要となり、供用開始時期
を 2016 年9月から 2017 年3月に再設定した 120) 。再設定された供用開始時期をめざ
し、総合企画部、国際部、財務部で打ち合わせを行ない、国際寮の基本構想を決定す
ることとしている 121)。また、国際寮全体の整備方針については、中長期寮(ハウジン
グ)政策を立てるべく検討を進め、第4回グローバル・イニシアティブ推進本部会議
にて中長期寮(ハウジング)政策タスクフォースを設置し、2015 年内に方針を取りま
とめることとした 122)。
③学生相談支援など外国人留学生受け入れを支える事務体制の整備 50)
・グローバル化を先導する専任職員に必要な力量は「グローバル化を先導する専任職員
の力量形成施策について」に整理されている。これらの観点から、語学学習支援、異
文化派遣(短期)、異文化派遣(長期)、業務を通じた力量形成の4種の制度に整理の
うえ、再構成を行うこととした。その一貫として、異文化派遣研修(短期)プログラ
ムを作成し、「INUシャドウィング・プログラム研修」と「ヨーク大学研修」を実施
することとした 123)。
⑪科学研究費助成事業(科研費)および国の競争的資金などの学外研究費の確保状況5)
・科研費の申請に関しては、公募要領の全教員への配布とともに、申請方法などを掲載
した科研費ニュースの配信や、学内公募説明会の開催(日本語3回、英語1回)など
サポートを充実させることで、採択件数・金額の増加をめざす 124) 125)。
(2)改善すべき事項
【校地・校舎、施設・設備整備】
⑰禁煙化に向け当初予定した取り組みが計画どおり実行されているか 84)
(以下、根拠資料 98))
1)タバコの吸殻をキャンパス内、およびキャンパス周辺の寺院や路上にポイ捨てす
ることによる火災発生のリスクを低減させるため、緊急避難措置として、管理され
た喫煙場所をキャンパス内に設置する。
2)1の取り組みとして、京都市および地域と連携して対象地域に対する受動喫煙防
止活動、路上喫煙防止の取り組みを行う。
3)安全管理の観点から近隣寺院周辺、危険物倉庫周辺に監視カメラの設置を含め、
タバコのポイ捨て投げ込みを抑止する。なお、煙草の投げ込み等の行為を行う学生
の処分についても検討する。
4)研究室内で喫煙する教員に対して禁煙を徹底するよう改善を求める。施設の貸与
条件に反する行為として悪質な場合は、利用停止および処分も視野に入れた対応を
検討する。
Ⅶ‐39
673
Ⅶ.教育研究等環境
【図書館、学術情報サービス】
④電子学術情報の収集とナビゲーション機能の強化 8)
・図書館委員会のもとに設置されたデジタル・コンテンツ委員会で、教員アンケートの
結果や他大学の取り組みを参考にしつつ答申を出し、図書館委員会等で具体化を図る
106) 107)。
・ ビッグディール契約についても 2016 年度に向けて契約内容の見直しを行う 126)。
【研究倫理遵守措置】
①研究倫理に係る学内審査状況 7)
・「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」の公表を受
け、研究委員会の下に、研究委員、研究部・教学部・財務部・総務部の各部の職員か
らなるワーキング・グループを設置し、課題の検証、運用方法の改善、規程の制定・
変更等、必要な検討を行い、本大学の管理監督責任の役割、具体的な取組内容および
今後の方針等を決定した。また、本ガイドラインでは懲戒規程を含む内部規程の整備
を求めていることから、これらを規定化し、事前に不正を防止するための取り組みを
実施することを決定した。127)128)129)130)
Ⅶ‐40
674
Ⅶ.教育研究等環境
4. 根拠資料
1)
「R2020イニシアティブ委員会の設置及び諸委員会の再編について」
(2012年11月28日常任理事会)
2)
「2015年度総合企画部関連の委員会体制について」
(2015年4月8日 常任理事会)
3)
「立命館大学キャンパス創造を進めるにあたっての基本構想」
(2011年10月12日常任理事会)
4)OIC竣工パンフレット
5)OIC開設記念パンフレット
6)
「立命館大学研究高度化中期計画(2006~2010年度)
」
(200)
7)
「立命館大学第2期研究高度化中期計画(2011~2015年度)
」
(2011年4月27日常任理事会)
8)
「図書館将来構想検討委員会答申」
(2010 年 12 月 22 日常任理事会)
9)
「立命館大学キャンパス創造とキャンパス整備に係る基本確認(2012 年3月 28 日常任理事会)
10)2015 年度大学基礎データ(表 5)校地、校舎、講義室・演習室等の面積
11)
「2013年4月からのキャンパス禁煙化基本方針について」
(2013年1月30日常任理事会)
12)http://www.ritsumei.ac.jp/acd/mr/i-system/facilities/kic/kic.html
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/mr/i-system/facilities/bkc/bkc.html
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/mr/i-system/facilities/suzaku/suzaku.html
(RAINBOW HP 2015 年8月 31 日閲覧)
「2014 年度前期立命館大学教室映像音響システム整備について」
(2014 年2月 21 日情報システム部会
13)
議)
14)
「2014 年度立命館大学教室音響システム整備について(補助金対象外)」
(2014 年7月 18 日情報システ
ム部会議)
15)
「2014 年度立命館大学遠隔講義システム整備について」
(2014 年 12 月5日情報システム部会議)
16)
「2014 年度後期 立命館大学教学部集約に基づく教室 AV システム整備について」
(2015 年1月 16 日
情報システム部会議)
17)http://www.ritsumei.ac.jp/acd/mr/i-system/facilities/kic/place.html
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/mr/i-system/facilities/bkc/place.html
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/mr/i-system/facilities/suzaku/place.html
(RAINBOW HP 2015 年 8 月 31 日閲覧)
18)立命館大学 教育研究情報システム アニュアル・レポート 2014(2015 年9月発行予定)
「2014 年度後期の学内無線 LAN 環境の拡張整備について」
(2015 年1月 16 日情報システム部会議)
19)
20)
「2015 年度に向けた RAINBOW 全学サーバ基盤整備について」
(2014 年5月 30 日情報システム部会
議)
「UPKI 電子証明書発行サービスの利用について」
(2015 年3月 13 日情報システム部会議)
21)
「安全管理室2014年度活動まとめと2015年度課題」
(2015年5月20日常任理事会)
22)
23)2015 年度大学データ集(表 31)図書、資料の所蔵数及び受け入れ状況
「故加藤周一氏の蔵書受入と『加藤周一文庫』の開設について」
(2010 年9月8日常任理事会)
24)
25)
「衣笠キャンパスにおける図書資料配置と研究環境改善について」
(2015 年5月 25 日図書館委員会)
Ⅶ‐41
675
Ⅶ.教育研究等環境
26)
「2012 年度からのビッグディールの全学予算化について」
(2011 年7月 25 日図書館委員会)
27)
「次期立命館学術情報システム(RUNNERS)リプレイスについて」
(2011 年7月 25 日図書館委員会)
「RAIL 応用編の製作(2010 年7月 26 日図書館委員会)
28)
29)
「衣笠総合研究機構における立命館学術成果リポジトリへのアクセス集中化実施について」
(2014 年5
月 19 日図書館委員会)
「国文学研究資料館「日本語の歴史的典籍のデータベース構築計画」について」
(2013 年7月 30 日
30)
図書館部会議)
31)
「2014 年度図書予算について」
(2014 年5月 19 日図書館委員会)
32)2014 年度大学データ集(表 33)学生閲覧数等
33)2014 年度大学データ集(表 32)図書館利用状況
34)
「立命館大学図書館 Food and Drink Policy の策定について」
(2010 年7月 26 日図書館委員会)
35)2014 年度図書館事業報告書「利用者サービス」
36)
「著作権法改正に伴う図書館における視聴覚障害者支援の拡充について」
(2010 年5月 24 日図書館委
員会)
「ぴあら(BKC)開設について」
(2012 年3月 19 日図書館委員会)
37)
38)京都キャンパス新棟A(大学院施設基本構想)
39)BKC将来構想検討委員会資料(抜粋)
40)OIC 学修支援とコモンズ整備検討WG
41)
「キャンパス計画室の設置について」
(2012年10月10日常任理事会)
42)
「京都およびBKCのキャンパスマスタープラン策定にむけた進捗について(報告)
」
(2014年7月2
日常任理事会)
43)
「京都キャンパス 新棟A(大学院施設)基本構想(案)
」
(2013年7月3日常任理事会)
44)
「衣笠新図書館構想の具体化について」
(2013年3月27日常任理事会)
「BKCスポーツ健康コモンズ(仮称)の建設について」
(2015年3月25日常任理事会)
45)
46)立命館大学びわこくさつキャンパス理工系新棟Ⅱ(仮称)進捗工事基本設計資料(2012年8月2日)
47)
「コラーニングハウスⅡおよびアクロスウィング・文理総合インスティテュート専用施設の2013年度
(2013年2月20日BKC将来構想検討委員会)
~2014年度の暫定利用について」
48)びわこ・くさつキャンパスマスタープラン2014(2014年6月13日BKC将来構想検討委員会)
49)
「BKCにおけるR2020 後半期に向けたキャンパス整備について~学生の学びを促進するキャンパス
づくりをめざして~」
(2012年12月14日 第3回BKC課外自主活動検討部会)
50)平成 21 年度国際化拠点整備事業構想調書
51)平成 26 年度スーパーグローバル大学等事業「スーパーグローバル大学創成支援」構想調書
「グローバル化を先導する専任職員の力量形成施策について」
(2015 年 3 月 6 日部次長会議)
52)
53)
「立命館大学における国際寮(仮称)の建設にむけた基本コンセプトと建設基本施設について」
(2010
年10月13日常任理事会)
(2013年7月17日大将軍用地の活用検討部会)
54)京都キャンパス 国際寮 基本構想(案)
「立命館大学BKCインターナショナルハウス竣工式について」
(2012年7月18日常任理事会)
55)
56)
「大阪いばらきキャンパス(OIC)における商工会議所移転および国際教育寮の設置について」
(201
年 1 月 22 日常任理事会)
57)
「2013年度の留学生奨学金制度について」
(2012年5月9日常任理事会)
Ⅶ‐42
676
Ⅶ.教育研究等環境
58)
「2014 年度外国人留学生の前期支援報告と後期支援について」
(2014 年 9 月 22 日キャリアセンター部
会議)
「2014 年度TA研修実施方針について」(2014 年4月4日教学委員会)
59)
60)
「2014 年度ES研修(前期・後期)の実施およびES研修委員の委嘱について(依頼)
」
(2014 年3月
31 日教育開発総合センター会議)
「立命館大学の教員任用制度および客員教授制度の再構築に関する基本方針について」
(2012年9月21
61)
日大学協議会)
62)
「研究高度化推進施策の実施について(その2)
」
(2012年5月9日常任理事会)
「学外研究制度および研究専念教員制度の利用実態・ニーズに関する調査の実施について」
(2012年6
63)
月8日拡大学部長会議)
64)
「学外研究制度および研究専念教員制度の利用実態・ニーズに関する調査の回答結果について」
(2012
年7月27日研究委員会)
65)
「研究専念教員制度および学外研究制度の改善・充実について」
(2013年11月22日大学協議会)
66)
「2015年度学外研究員の決定について」
(2014年10月10日大学協議会)
「研究高度化推進施策の総合評価について」
(2011年1月17日研究部会議)
67)
68)
「研究高度化推進施策の実施について(その1)
」
(2011年6月8日常任理事会)
69)
「2014年度実用化・社会実装促進プログラムの募集について」
(2014年4月25日研究委員会)
70)AY2014 Research Funding 学内研究助成に関するお知らせ(2013年12月発行)
71)立命館大学個人研究費取扱規程(2002年11月8日規程第521号)
72)立命館大学専任教員学外研究規程(2008年5月9日規程第766号)
73)立命館大学助教学外研究規程(2007年11月23日規程第737号)
74)立命館大学研究専念教員規程(2003年1月17日規程第 529 号)
75)
「立命館大学びわこ・くさつキャンパス生命倫理審査委員会の見直しと関連規程の改正」
(201年6月1
日常任理事会)
76)
「びわこ・くさつキャンパスにおける「人を対象とする研究」倫理審査体制の再整備(統合)について」
(2014年12月24日常任理事会)
「研究倫理ハンドブック(案)の発行・配布について」
(2012 年7月23日研究部会議)
77)
78)
「動物実験に関する相互検証プログラムの受験結果について」
(2014年12月19日研究委員会)
79)大阪茨木新キャンパスの基本構想に関する開設準備委員会の第一次答申(2012年9月26日常任理事会)
80)2013年度 部の中期執行計画シート(2014年3月14日 情報システム部会議)
81)
「情報基盤整備委員会の設置について」
(2015 年3月 25 日常任理事会)
82)
「安全管理室開設1年間の取組みと当面する課題について」
(2011年4月13日常任理事会)
「2010 年度のキャンパス整備課題への学生参加について(報告)
」
(2010年5月27日部次長会議)
83)
84)
「キャンパス禁煙化に向けての方針」
(2008 年 3 月 26 日 常任理事会)
85)2013年度 教育サポーター(ES)実施方針(2013年3月11日 教学委員会)
「ティーチング・アシスタント制度に関するガイドラインの策定について」
(2008年2月18日教学対策
86)
会議)
87)
「薬学部ファーマアシスタント(Ph.A)制度の導入について」
(2012 年2月 22 日 常任理事会)
(2015 年6月3日京都キャンパス将来構想検討委員会)
88)-1 キャンパスマスタープラン策定(暫定版)
88)-2 キャンパスマスタープラン策定(暫定版)
(2015 年6月3日BKC将来構想検討委員会)
Ⅶ‐43
677
Ⅶ.教育研究等環境
89)OICコミュニティ創造パンフレット
90)OICフロアガイド
「OICコモンズガイド」
91)
92)日経ニューオフィス賞 http://www.nopa.or.jp/prize/contents/congratulation.html(2015 年 11 月4日
閲覧)
93)グッドデザイン賞 http://www.g-mark.org/award/describe/43036(2015 年 11 月4日閲覧)
94)
「国際無線LANローミング基盤 eduroam 導入について」
(2014 年 10 月 17 日情報システム部会議)
95)
「2014 年度後期の学内無線LAN環境の拡張整備について」
(2015 年 1 月 16 日情報システム部会議)
「2014年学生・教員が参加する防災訓練実施計画概要について」
(2014年9月17日常任理事会)
96)
97)
「2015年度学生・教職員が参加する全学防災訓練実施計画概要について」
(2015年6月10日常任理事会)
98)
「キャンパス全面禁煙化 2014 年度の取り組みについて」
(2014 年6月 25 日常任理事会)
「2014 年度 図書館リテラシーまとめ」
(2014 年9月9日図書館部会議)
99)
100)
「留学生固有のニーズに対する図書館サービスの検討について」
(2015 年2月 17 日図書館部会議)
101)
「平井嘉一郎記念図書館「ぴあら」検討委員会の設置について」
(2015 年5月 25 日図書館委員会)
「平井嘉一郎記念図書館進捗状況(2015 年3月2日図書館委員会)
102)
103)
「研究高度化推進施策の実施について(その 2)
」
(2012 年5月9日常任理事会)
104)文部科学省「革新的イノベーション創出プログラム(COI拠点事業)
」の採択について(2013 年
11 月6日常任理事会)
105)
「文部科学省・科学技術振興機構センター・オブ・イノベーションプログラム(COI)の採択につ
いて」
(2015 年2月 25 日常任理事会)
「2016 年度以降のコア・データベースの選定について」
(2015 年3月2日図書館委員会)
106)
107)
「デジタルコンテンツ検討委員会中間報告」
(2015 年3月2日図書館委員会)
108)
「2015 年度に実施する研究倫理教育のフレームワークについて」
(2014 年7月 24 日研究委員会)
「研究倫理ハンドブックの作成について」(2014 年3月6日研究倫理委員会)
109)
110)-1 京都キャンパスマスタープラン策定(ver.1)
(2015 年 9 月 30 日常任理事会)
110)-2 BKCキャンパスマスタープラン策定(ver.1)
(2015 年 9 月 30 日常任理事会)
「2015 年度 前期立命館大学教室映像音響システム整備について」
(2015 年 6 月 26 日情報システム部
111)
会議)
112)
「2015 年度保守停止ネットワーク機器の更改整備実施について」
(2015 年5月1日情報システム部会
議)
113)
「OIC無線LAN環境の改善工事の実施について」
(2015 年5月1日情報システム部会議)
114)
「無線LAN基盤改善整備の実施について」
(2015 年6月 15 日情報システム部会議)
115)第 1 回情報基盤整備委員会議案(2015 年4月 21 日)
116)
「キャンパス全面禁煙化 2014 年度(2年目)総括と 2015 年度の活動方針について」
(2015 年5月
27 日常任理事会)
「2015 年度図書館リテラシー概要(報告)
」
(2015 年3月 24 日図書館部会議)
117)
(2015 年7月 27 日図書館委員会)
118)平井嘉一郎記念図書館「ぴあら」検討委員会報告」
119)平井嘉一郎記念図書館への図書資料の移設作業について」
(2015 年7月 27 日図書館委員会)
「大阪いばらきキャンパス(OIC)における国際教育寮の建設について」
(2015 年5月 27 日常任
120)
理事会)
Ⅶ‐44
678
Ⅶ.教育研究等環境
121)
「大阪いばらきキャンパス(OIC)における国際寮の基本構想の具体化(案)
」
(2015 年7月 30 日
常任理事会)
122)学生海外派遣・国際学生獲得増のための行動計画(2015 年 11 月4日GI推進本部会議)
123)
「2015 年度立命館大学職員異文化派遣研修(短期)プログラムの参加者募集について」
(2015 年6月
23 日)
「2014(平成 26)年度 科学研究費助成事業-科研費-採択結果報告」(2014 年 10 月 22 日常任理事
124)
会)
125)
「2015 年度科学研究費助成事業-科研費-への申請について」
(2014 年9月 26 日研究委員会)
「ビッグディール契約の見直しについて」
(2015 年7月 27 日図書館委員会)
126)
127)
「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)
」の対応に係るワーキング・
グループの設置について」
(2014 年5月 14 日常任理事会)
「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)
」の対応に係るワーキング・
128)
グループにおける検討状況と今後の進め方について」
129)
「
『研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)
』および『研究活動におけ
る不正行為への対応等に関するガイドライン』に基づく体制整備(答申案)に係る意見集約結果およ
(2014 年 12 月 24 日常任理事会)
び研究部の見解(説明/対応)について」
130)
「立命館大学における公的研究費の管理・監査の実施基準」の廃止と「立命館大学における研究費等
の管理に関する規程」の新設について(2015 年3月 25 日常任理事会)
Ⅶ‐45
679
680
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