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主客合一のイノベーション イノベーターの感動・みんなの - event
主客合一のデザイン ーイノベーターの感動・みんなの感動ー 慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 前野 隆司 Takashi Maeno 前野 隆司 人間の 身体と心 ロボットの 身体と心 機械工学 設計工学 イノベーション教育 システム論 幸福学・共創学 社会システムデザイン 主客合一 出典: フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』 主客合一(しゅかくごういつ)とは西田幾多郎に よって提唱された哲学の概念。個々の人間として の主体が客体を認識する場合にそれと合一する ようなことを言う。主客合一となる場合には、人 間というのは純粋経験が最も大きくもっとも深く 現れた状態ということでもあり、これが愛している 状態でもあるわけである。愛するということが主 客合一となるというのは、愛するというのは自身 が対象と合一するということであり、たとえばある 人間が花や月や子供を愛するというのは、その人 間はそれらと合一している状態であるためである。 そして主客合一となっている状態ならば、主体に とって客体というのが独立した状態であったとし ても、客体に利害が発生したならばそれは主体に とっての利害としても感ぜられるということである。 Takashi Maeno, Keio SDM 3 あなたが製品・サービスをデザインするとき、何が重要ですか? 高性能・高品質? Takashi Maeno, Keio SDM 4 CS(顧客満足)? 技術SEEDS V.S. 顧客NEEDS Takashi Maeno, Keio SDM 5 UX(顧客経験)? ある製品やサービスを利用したり、 消費した時に得られる体験の総体 個別の機能や使いやすさのみな らず、ユーザが真にやりたいこと を楽しく、心地よく実現できるかど うかを重視した概念 Takashi Maeno, Keio SDM 6 顧客感動? 単なる経験<感動 Takashi Maeno, Keio SDM 7 顧客幸福? 単なる感動<幸福 Takashi Maeno, Keio SDM 8 性能<顧客満足<顧客体験<顧客感動<顧客幸福 設計対象 設計者 9 性能<顧客満足<顧客体験<顧客感動<顧客幸福 設計対象 客観的? 主観的? 設計者 10 性能<顧客満足<顧客体験<顧客感動<顧客幸福 設計対象 主観的な 設計者 設計者満足 <設計者体験 <設計者感動 <顧客幸福 11 性能<顧客満足<顧客体験<顧客感動<顧客幸福 つまり、これからのユーザー・ 設計対象 エクスペリエンスは顧客感 動・顧客幸福であるべき。 主観的な そのためには、設計者自身 設計者満足 <設計者体験 の感動・幸福が大切な時代。 設計者 <設計者感動 <顧客幸福 12 主客合一 体験 感動 幸福 体験 感動 幸福 Takashi Maeno, Keio SDM 13 感動のSTAR分析 Takashi Maeno, Keio SDM 14 “感動のSTAR分析”での「感動」の分類 Sense+Feel 五感で感じる感動 Think+Feel 頭で考えた結果としての 「知見の拡大」への感動 Act+Feel 動きや変化による 「体験の拡大」への感動 Relate+Feel 感 知 動 合 人や物へのつながりに基づく 「関係性の拡大」への感動 美、快、美味、心地よさ など 理解、納得、発見、圧倒 など 努力、上達、成長、進歩、 達成、希有、遭遇、幸運、 特別感など つながり、愛、優しさ、 一体感、親近感、承認、 尊敬、感謝、愛着など 西尾、牧野、白坂、前野、日本創造学会誌,Vol. 18、2015年2月 トヨタ(T)とホンダ(H)のSTAR分析結果 五感 知見 体験 関係性 Takashi Maeno, Keio SDM 16 YAHOOとGoogleのSTAR分析結果 五感 知見 体験 関係性 Takashi Maeno, Keio SDM 17 サービスのSTAR分析結果 五感 知見 体験 関係性 Takashi Maeno, Keio SDM 18 製品のSTAR分析結果 五感 知見 体験 関係性 Takashi Maeno, Keio SDM 19 日常体験のSTAR分析結果 五感 知見 体験 関係性 Takashi Maeno, Keio SDM 20 幸せの4つの因子 Takashi Maeno, Keio SDM 21 「幸福学」の基礎 • 地位財型の幸せ=長続きしない! – 地位財=他人と比べられる財 – 金、モノ、社会的地位 • 非地位財型の幸せ=長続きする! – 外的要因(安全など) – 身体的要因(健康) – 心的要因(幸せの4つの因子) 1. 自己実現と成長(やってみよう) 2. つながりと感謝(ありがとう) 3. 前向きと楽観(なんとかなる) 4. 独立とマイペース(あなたらしく) Takashi Maeno, Keio SDM 22 どんな人が 幸せか? 1500人へ のアンケート による主観 的幸福の心 的要因の因 子分析結果 「幸せのメカニズム」 (講談社現代新書) Takashi Maeno, Keio SDM 23 ●前野:幸せの4つの因子 第1因子 やってみよう! 自己実現と成長 第2因子 ありがとう! つながりと感謝 第3因子 なんとかなる! 前向きと楽観 コンピテンス 人を喜ばせる 楽観性 社会的比較のなさ 社会要請対応 愛情 気持ちの切替え 制約の知覚のなさ 個人的成長 感謝 積極的な他者関係 自己実現 親切 自己受容 自尊心 第4因子 あなたらしく! 独立とマイペース 最大効果の追求 自己概念の明確傾向 熟達 ●作田・中山:自己肯定感の諸相 自尊感情 自己有用感 自己肯定感の認識的側面 自己肯定感の対人的・ 対社会的側面 自己効力感 自己肯定感の行為達成能力的側面 自己有能感 自己肯定感の能力的側面 自己受容(深い 自己肯定感) 実存的自己肯定感。 自己受容に伴って生じる 肯定的感覚 (自己概念) 自己概念が明確で あることは、自己肯 定感の基盤となる と考えられる 自己肯定感 Takashi Maeno, Keio SDM 24 ●前野:幸せの4つの因子 第1因子 やってみよう! 自己実現と成長 第2因子 ありがとう! つながりと感謝 第3因子 なんとかなる! 前向きと楽観 コンピテンス 人を喜ばせる 楽観性 社会要請対応 個人的成長 自己実現 第4因子 あなたらしく! 独立とマイペース 社会的比較のなさ 幸せとは!? 愛情 気持ちの切替え 制約の知覚のなさ 感謝 積極的な他者関係 親切 自己受容 最大効果の追求 自己概念の明確傾向 自尊心 熟達 自分を知り、信じ、許し、敬い、愛すること ●作田・中山:自己肯定感の諸相 + 自己受容(深い (自己概念) 自己有用感 自尊感情 みんなを知り、信じ、許し、敬い、愛すること 自己肯定感) 自己肯定感の認識的側面 自己効力感 自己肯定感の対人的・ 対社会的側面 自己肯定感の行為達成能力的側面 自己有能感 自己肯定感の能力的側面 実存的自己肯定感。 自己受容に伴って生じる 肯定的感覚 自己概念が明確で あることは、自己肯 定感の基盤となる と考えられる 自己肯定感 Takashi Maeno, Keio SDM 25 「幸福学」の応用研究(進行中) 幸せの4つの因子 1 自己実現と成長 2 つながりと感謝 3 前向きと楽観 4 独立とマイペース 人々の4つの因子を 高めるワークショップ (レジリエンスプログ ラム)の研究開発 4つの因子を満たす (人々を幸せにする) 製品・サービスの開 発法研究+開発 Takashi Maeno, Keio SDM 26 26 働く人の幸せ (過去の研究) 幸福な社員は 幸福な人は 幸福な社員は 部分ではなく パフォーマンスが 創造性が高い 全体に着目 高い 幸福な販売員は 幸福な社員は 売り上げが多い 幸福な人は 顧客からの評価が高い 求められた以上の ソーシャルサポート(手伝い、食事に誘う 働きをする など)をする社員は、仕事満足度が高く、 幸福な人は 集中度が高く、昇進の可能性が高い 幸福な人を 幸福な社員は 従業員満足度から 引き寄せる 離職率が低い 幸福な社員は 従業員幸福度へ! 欠勤が少ない 27 Takashi Maeno, Keio SDM みんなが幸せな主客合一を! 体験 感動 幸福 体験 感動 幸福 Takashi Maeno, Keio SDM 28 参考文献 1. 前野隆司、幸せのメカニズムー実践・幸福学入門、講談社現 代新書、2013 2. 前野隆司,保井俊之,白坂成功,富田欣和,石橋金徳,岩 田徹,八木田寛之,システム×デザイン思考で世界を変え るー慶應SDM「イノベーションのつくり方」、日経BP、2014 3. 西尾未希,白坂成功,前野隆司,STARフレームワークを用い た感動発想技法,日本創造学会論文誌,Vol. 18,2015, pp. 55-74 4. Miki Nishio, Yasutoshi Makino, Seiko Shirasaka and Takashi Maeno, A Framework for Analyzing the Causes of Emotive Experience, Business Systems Review, Vol. 3, Issue. 2, Special Issue 2nd Business Systems Laboratory Int. Symposium, 2014, pp. 164-183 5. 前野隆司、感動のメカニズム(仮題)、講談社現代新書(執筆 中)