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養護者による障害者虐待への対応
資料4 養護者による障害者虐待への対応 定義 (養護者) 2条3項 「障害者を現に養護する者であって障害者福祉施設従 事者等及び使用者以外の者」 ⇒ 食事・介助などの身の回りの世話をしたり、障害者の金銭管 理をするなど、障害者の生活に必要な行為を提供したりサポー トしたりする者 ・身辺の世話や身体介助、金銭の管理などを行っている障害者 の家族、親族、同居人等が該当。 ・日常生活のすべてをともにすることや同居する必要はない ⇒ 身辺の世話をしている近所の人や大家さん等も含まれる 2 市町村・都道府県の役割と責務 市町村 市町村障害者虐待防止センター ① 通報・届出の受理 ② 養護者による障害者虐待の防止 養護者による障害者虐待を受けた障害 者の保護のための相談、指導及び助言 都道府県障害者権利擁護センター ① 障害者及び養護者支援に関する相談 相談機関の紹介 ② 障害者及び養護者支援のための情 報提供、助言、関係機関との連絡調整等 ・ 関係機関、民間団体等との連携協力 体制の整備 ・ 通報又は届出に対する速やかな安全 確認、事実確認、対応の協議 ・ 立入調査の実施、警察署長に対する 援助要請 ・ 養護者に対する相談、指導及び助言 その他必要な措置 ・ 虐待を受けた障害者を保護するため の措置と、そのための居室の確保 ・ 保護した障害者の養護者の面会の制 限 ・ 成年後見制度開始の審判請求 障害者虐待防止等のスキーム 養護者による障害者虐待 〔市町村の責務〕相談等、居室確保、連携確保 虐待 発 見 通報 市町村 ①事実確認(立入調査等) ②措置(一時保護、後見審判請求) 1 養護者による虐待対応の基本的枠組み 虐待 発 見 ・住民 ・民生委員 ・相談支援 事業者 等 ・本人 虐待対応協力者 市町村 対応協議 通報 ①相談、通報・届出の受付 ②対応方針の協議(コアメンバー) ③事実確認 ④個別ケース会議 ・虐待の有無、緊急性の判断 ⑤第2回以降の個別ケース会議(支援計 画の策定) ・権限の行使 (立入調査・やむを得な い措置・面会制限) ・成年後見開始審判請求 ⑥モニタリング(評価) ⑦終結または支援の継続 (相談支援事業者等) ・情報共有 ・情報収集、提供 ・ケース会議への参 加 等 5 5 ○ 市町村の責務 ・障害者虐待防止法に基づいて虐待防止 及び権利擁護に努める。 ・障害者虐待防止センターの機能を果たす。 ・虐待防止センターの機能を委託した場合で あっても、権限行使は市町村の役割である。 6 6 2 養護者による障害者虐待対応の流れ 初動期段階 (1)相談、通報及び届出の受付 (2)対応方針の協議 (3)事実確認、訪問調査 (4)個別ケース会議(コアメンバ ー会議)の開催 対応段階 (5)立入調査 (6)障害者の保護 (7)障害者への支援 (8)養護者への支援 (9)成年後見申立 終結段階 (10)モニタリング (11)虐待対応の終結 7 7 初動期段階 8 養護者による障害者虐待への対応(市町村) 養護者による虐待を受けたと思わ れる障害者を発見した者 相 談 通 報 養護者による虐待を 受けた障害者 相 談 届 出 初動期段階 (1)市町村等の障害者虐待対応窓口(市町村障害者虐待防止センター) 受付(受付記録の作成) (直ちに召集) 急 性 (3)事実確認、訪問調査(安否確認) ・障害者の状況や事実関係の確認 *必要に応じて都道府県に相談・報告 【 緊 (2)対応方針の協議≪コアメンバー≫ (通報等の内容を詳細に検討) 養護者による虐待が疑われる場合(速やかに招集) 判 断 】 対応段階 (5)立入調査(安否確認) ・障害者の状況や事実関係の確認 *市町村職員が実施(委託事業に含まれない) *警察署長への援助要請 の (4)ケース会議の開催 ≪コアメンバー、事案対応メンバー、専門家チーム≫ ケース会議の開催 《コアメンバー、事案対応メンバー、専門家チーム》 (6)障害者の 保護 ・短期入所 ・入院 ・施設入所 やむを得ない 事由による措 置 9 9 (1)相談・通報・届出の受付 • 市町村と障害者虐待防止センターは、虐待の 通報、届出を受理する。 • 聴き取り事項 • 受付記録を作成する 10 具体的な聞き取り内容 ① 虐待の状況 (虐待の種類や程度、虐待の具体的な状況、虐待の経過、緊急性の有無) ② 障害者の状況 (障害者本人の氏名・居所・連絡先、障害者本人の心身の状況、意思表示 能力) ③ 虐待者と家族の状況 (虐待者の状況、虐待者と障害者の関係、その他の家族関係) ④ 障害福祉サービス等の利用状況や関係者の有無 (障害福祉サービス等の利用の有無、家族に関わりのある関係者の有無) ⑤ 通報者の情報 (氏名、連絡先、障害者・養護者との関係等) 相談、通報及び届出の受付時対応の留意点 ・ 虐待の状況や障害者・養護者等の状況、通報者の情 報など可能な限り必要となる情報を聴取する ・ あいまいに聞き取るのではなく、直接に見聞きしたの か、伝聞なのか、誰が何と言ったのかなどを確認しな がら聞き取る ・ 虐待の場所、日時、どのような虐待を何回したのか など、具体的な内容を聞き取る ・ 通報者の不安を取り除くよう配慮する。 ・ 匿名による通報でも通報内容をきちんと確認する。 相談支援の中での気づき • 相談内容に「虐待」という言葉が含まれていな かったとしても、内容として虐待が疑われるも のがあれば、「虐待」としてとらえて聞き取る事 が必要。 • 特に困難事例の相談は注意が必要。不適切 なケアが見え隠れする。 • 個人対応での見落としを防ぐために、それぞ れの職員が受けた相談を一人で抱え込まず、 相談内容を組織として共有していく「仕組み」 が必要。 養護者による障害者虐待への対応(市町村) 養護者による虐待を受けたと思わ れる障害者を発見した者 相 談 通 報 養護者による虐待を 受けた障害者 相 談 届 出 初動期段階 (1)市町村等の障害者虐待対応窓口(市町村障害者虐待防止センター) 受付(受付記録の作成) (直ちに召集) 急 性 (3)事実確認、訪問調査(安否確認) ・障害者の状況や事実関係の確認 *必要に応じて都道府県に相談・報告 【 緊 (2)対応方針の協議≪コアメンバー≫ (通報等の内容を詳細に検討) 養護者による虐待が疑われる場合(速やかに招集) 断 】 ケース会議の開催 《コアメンバー、事案対応メンバー、専門家チーム》 判 対応段階 (5)立入調査(安否確認) ・障害者の状況や事実関係の確認 *市町村職員が実施(委託事業に含まれない) *警察署長への援助要請 の (4)ケース会議の開催 ≪コアメンバー、事案対応メンバー、専門家チーム≫ (6)障害者の 保護 ・短期入所 ・入院 ・施設入所 やむを得ない 事由による措 置 14 14 (2)対応方針の協議 (コアメンバーによる緊急協議) ・虐待の通報を受けた市町村は、直ちにコアメン バーにより対応方針を協議する。 ※都道府県障害者権利擁護センターも同様に虐待対応協力機関の協力を得て対 応する。 15 15 組織的判断を行う際の留意点 • 通報された内容について、緊急対応の必要性 が高いと予測される場合は、すぐに虐待防止セ ンター内で協議並びに、行政担当者との連絡・ 協議を行う。 ・ 大切なのは「組織的に判断する」ということ ・ 一人の時に緊急事態に遭遇してしまった際の 連絡手順や対応手段を、フロー図、マニュアル 等によりあらかじめ組織的に決めておく。 障害者虐待の疑いがある と判断した場合 • 市町村と障害者虐待防止センターは、どのよう な見通しをもって、誰が何をするかを協議する。 – 緊急対応の必要性の判断 – 事実確認及び安否確認の方法と役割分担 ※それぞれを詳しくみていくと・・・ 17 17 緊急性が高いと判断できる状況1 (障害者虐待・厚労省マニュアルより) ○生命が危ぶまれるような状況が確認される、 もしくは予測される。 – – – – 骨折、頭蓋内出血、重症のやけどなどの深刻な身体的外傷 極端な栄養不良、脱水症状 「うめき声が聞こえる」などの深刻な状況が予測される情報 器物(刃物、食器など)を使った暴力の実施もしくは脅しがあ り、エスカレートすると生命の危険性が予測される。 ○障害者本人が保護を求めている – 障害者本人が明確に保護を求めている。 ⇒早期の介入と本人保護 早期の介入と本人 18 18 緊急性が高いと判断できる状況2 (追加:高齢者虐待・厚労省マニュアルより) 1.本人や家族の人格や精神状況に歪みを生じさせて いる、もしくはそのおそれがある – 虐待を理由として、本人の人格や精神状況に著しい歪みが 生じている。 – 家族の間で虐待の連鎖が起こり始めている。 2.虐待が恒常化しており、改善の見込みが立たない – 虐待が恒常的に行われているが、虐待者の自覚や改善意 欲がみられない。 – 虐待者の人格や生活態度の偏りや社会不適応行動が強く、 介入そのものが困難であったり改善が望めそうにない。 19 19 情報収集項目の検討・決定 • 庁内(自治体内)の情報の例 – 世帯構成:住民票 – 障害福祉サービス • 障害支援区分認定の有無 • 手帳の交付の有無 • 利用施設の情報(通所状況など) – 経済状況:障害年金等 • 関係機関の例 相談支援事業者、主治医・医療機関、保健所・保健セ ンターの関与、障害福祉サービス事業所(居宅介護、 日中活動等)、社会福祉協議会、民生委員、警察、ハ 20 ローワーク、障害者就業・生活支援センター 20 緊急性の判断時の留意事項 • 緊急性の判断に当たっては、養護者への支援の視 点も意識しつつ、障害者の安全確保が最優先であ ることに留意してください <よく検討すべき点> • 過去の通報や支援内容などに関する情報の確認 • 虐待の状況や障害者の生命や身体への危険性 養護者による障害者虐待への対応(市町村) 養護者による虐待を受けたと思わ れる障害者を発見した者 相 談 養護者による虐待を 受けた障害者 通 報 相 談 届 出 (1)市町村等の障害者虐待対応窓口(市町村障害者虐待防止センター) 受付(受付記録の作成) 急 性 (3)事実確認、訪問調査(安否確認) ・障害者の状況や事実関係の確認 *必要に応じて都道府県に相談・報告 【 緊 (直ちに召集) (2)対応方針の協議≪コアメンバー≫ (通報等の内容を詳細に検討) 養護者による虐待が疑われる場合(速やかに招集) の (4)ケース会議の開催 ≪コアメンバー、事案対応メンバー、専門家チーム≫ 判 】 ケース会議の開催 《コアメンバー、事案対応メンバー、専門家チーム》 断 (5)立入調査(安否確認) ・障害者の状況や事実関係の確認 *市町村職員が実施(委託事業に含まれない) *警察署長への援助要請 (6)障害者の 保護 ・短期入所 ・入院 ・施設入所 やむを得ない 事由による措 置 22 22 (3)事実確認 • 事実確認とは – 事実確認は、市町村が行う。 – 市町村は通報内容に関する事実の確認を行うこ と • 虐待の事実が確認できること、ではない。 • 事実確認の内容 – 障害者の安全確認 – 虐待に関する情報、障害者や養護者、家族の状 況の把握 23 – 関係機関からの情報収集 23 事実確認の方法 • 方法 – 面接調査・・・基本的には訪問調査。場合によっ ては来所等の方法を検討。 – 面接者は誰か • どのような形で訪問するか • 誰が障害者から話を聞くか • 何をみてくるか→事実確認票等の帳票の整備が必要 – 関係者からの聞き取り・・・・ケース会議等 • 事実確認期限 – 速やかな事実確認 – 児童虐待防止法では48時間以内に事実確認 24 24 訪問による事実確認 • 初回訪問の留意事項 – 通報者の情報を漏らさない。 – 複数人・複数職種で行き、直接目視をすることが原則 • 信頼関係を築きやすい形で訪問 ‒ 別の理由で訪問 例)障害者相談支援事業の紹介 基幹相談支援センターの紹介 ‒ 友好な関係をすでに持っている者と共に訪問 例)友人、ヘルパー、民生委員など • 本人と養護者は別々に対応 • プライバシー保護に留意した環境で 25 25 虐待の発生状況の確認 その後の情報収集や対応を考える上で重要 • 始まった時期 – その頃の生活上の変化の情報も収集すると、虐待の発生要 因がわかることも • 頻度 – 増していれば緊急性がより高いといえる。 • きっかけ – きっかけに対応することで虐待を防止できる。 • 発生しやすい時間帯 – 原因が特定できなくても、発生しやすい時間帯に人の目を入 れる事で虐待を抑制できる。 – 対応を考える上でヒントになる。 26 26 本人や養護者の訴え • 「主観的にとらえている事実」と「意思・意向」の確認 本人は虐待の事実をどうとらえているか 本人はどのように生活したいと望んでいるのか 養護者は虐待の事実をどうとらえているか 養護者はどのように生活したいと望んでいるのか ☆対応を考えていく上で重要な情報 ☆ただし、本人、養護者の「虐待への自覚」や「意思」は虐待の事 実があるかないかという判断には関係しないことに注意 27 27 初回訪問後の情報収集とアセスメント • 訪問を受けて、関係者から話を聞きたい点に ついてさらに情報収集を行い、客観的事実を 明らかにし、必要な支援が何かをアセスメント していく。 • 情報収集についても、支援についても、優先 順位を意識する。 28 28 養護者による障害者虐待への対応(市町村) 養護者による虐待を受けたと思わ れる障害者を発見した者 相 談 養護者による虐待を 受けた障害者 通 報 相 談 届 出 (1)市町村等の障害者虐待対応窓口(市町村障害者虐待防止センター) 受付(受付記録の作成) 急 性 (3)事実確認、訪問調査(安否確認) ・障害者の状況や事実関係の確認 *必要に応じて都道府県に相談・報告 【 緊 (直ちに召集) (2)対応方針の協議≪コアメンバー≫ (通報等の内容を詳細に検討) 養護者による虐待が疑われる場合(速やかに招集) の (4)ケース会議の開催 ≪コアメンバー、事案対応メンバー、専門家チーム≫ 判 断 】 (5)立入調査(安否確認) ・障害者の状況や事実関係の確認 *市町村職員が実施(委託事業に含まれない) *警察署長への援助要請 (6)障害者の 保護 ・短期入所 ・入院 ・施設入所 やむを得ない 事由による措 置 ケース会議の開催 《コアメンバー、事案対応メンバー、専門家チーム》 29 29 個別ケース会議メンバー構成 ★コアメンバー 緊急の判断が求められ、市町村担当部局管理職は必須 ★★事案対応メンバー 事案によってメンバーは代わる。 ★★★専門家チーム 事案によって警察、弁護士、医療機関等 30 30 (4)コアメンバー会議 • 誰による(コアメンバー) – 担当市町村職員、担当部局管理職(必須)、市町村障害者虐 待防止センター – 事案により、専門家チームも参加 • 何のための – 虐待の有無、緊急性の判断、当面の支援方針を決定するた めの会議 – やむを得ない措置や立入調査といった緊急対応についての 判断も行う。 31 31 コアメンバー会議で判断すべき事項 • 虐待の有無の判断 – 疑いありの場合にそのまま放置しない。 – 無しの場合でも予防的かかわりや権利擁護の支援の必要性 を検討 • 緊急性の判断 – 緊急保護の検討、 – 事実確認の継続、立入調査 • 当面の支援計画 – 当面(つまり比較的短期間)の間に、どのように支援をするの か、これから誰が何を確認するのかを検討し決定 32 32 個別ケース会議で協議する課題とは ①課題とは、「虐待の防止(解決)を図るため の課題」である。 ②課題解決において、虐待の要因分析と本人 保護並びに養護者支援の視点が必要。 ③チームアプローチの視点が重要 課題の背景を複眼で見る。 33 33 効果的な個別ケース会議の運営 ①会議の目的を共有する。 ②会議で決定した事項を確認する。 ③決定事項をいつまでに、誰が 実施するのか確認する。 ④会議において評価を行う。 支援の必要度の判断 ※個人情報の取り扱いの配慮 ○安全確保を優先す る。 ○事実確認⇒記録 ⇒評価⇒分析の繰り 返し。その中から、真 のニーズを読み取る。 ○対象者と共感する 支援者を必ず置く。 34 34 対応段階 35 (5)立入調査①(虐待防止法 第11条第1項) ・誰が 市町村の障害福祉所管課職員(身分証明 書) ※市町村障害者虐待防止センターの業務には入らない。(第32 条) ・要否の判断 ★市町村長の判断による(第11 条) 本人の安否確認ができない場合 養護者が訪問に応じない場合等 ・連携 36 36 (5)立入調査② ○警察との連携 警察署長への援助要請等の規定(第12条第2項) 障害者の生命又は身体の安全の確保に万全を期 する観点から、必要に応じ、警察署長あてに援助要請 をする。(依頼文書様式) ⇒事前協議で状況説明 ○保健所、保健センター等 養護者に精神的な疾患が疑われる場合 精神保健福祉相談員、精神保健指定医、入院先の 確保等の手配 ○親族等に同行、立会を求めることもある。 37 37 虐待対応 (養護者による虐待) • 立入調査(11条) 1. 障害者の生命又は身体に重大な危険が生じている おそれがあるとき ⇒ 障害者の姿が長期にわたって確認できない、養護 者が拒否的で障害者の安否が気遣われる、病院、施 設等から無理やり障害者を引き取り、訪問を拒否等々。 2. 市町村障害福祉担当職員が行う ⇒ 強制力はないので、警察等の協力(12条)、養護 者と面識ある親族や知人等の同行を求めるなど、信 頼関係の構築の妨げにならないように工夫 38 立入調査はどこまでできる? 11条3条 立入及び調査又は質問を行う権限は、犯罪 捜査のために認められたものと解釈してはならない 強制的にドアや鍵を壊して中に入ることはできない 1. 2. 事前の検討が重要 親族・知人・近隣住民・警察(12条)の協力や、訪問 時間を事前に調べる等の準備が必要 • 46条 正当な理由なく立入調査を拒み、妨げ、忌避し、 質問に答弁しない、虚偽の答弁をする、障害者に答弁 させず、虚偽の答弁をさせた者は30万円以下の罰金 に処する • 39 当面の支援計画の特徴 • 必要な支援が何か、具体的に計画 • 確認できていないこと、不明なことを明らかに し、今後だれがどのように確認するかについ て、計画に盛り込むことが大切 • 支援を依頼する関係者や関係機関へ協力を 依頼する内容についても、支援計画に盛り込 む。 40 40 (6)積極的介入の必要度が高い場 合 ア 障害者の保護(養護者との分離) ①迅速な対応 ②保護・分離の判断 ○生命の安全確保! ○場合によっては本人、 ③保護・分離の手段 養護者の意向に関わらず イ やむを得ない事由による措置 連絡 ○連絡 市町村担当部局 ①居室の確保 関係機関 ○通報 ②面会の制限 医療機関 警察への通報も ③措置後の対応と解除 41 41 (7)障害者支援 • 適切な障害者福祉サービスの導入 • 本人への情報提供とエンパワメントに向けた 支援を行い、また主たる協力者の発掘が必 要となる場合もある。 • 最終目標は本人が安心して自分らしく生活を 送ることが出来るようになることであり、虐待 対応が終結しても、通常業務として相談支援 を行っていくことが必要となる場合がある。 42 自立支援 虐待を受けた障害者の自立支援(41条) • 「障害者虐待を受けた障害者が地域において自立し た生活を円滑に営むことができるよう、居住の場所の 確保、就業の支援その他の必要な施策を講ずるものと する」 ⇒ 障害者基本法3条(地域における共生) 1. 社会を構成する一員としてあらゆる分野の活動に参 加する機会の確保 2. 可能な限り誰とどこで生活するかについての選択の 機会の確保 43 (8)養護者(家族等)への支援① (第14条第1項) ア 養護者(家族等)支援の意義 様々な要因が絡み合う ⇒介護疲れ、家族間の人間関係の強弱 養護者自身に障害があること等 ①養護者との信頼関係 ②家族関係の回復・生活の安定 ③養護者の介護負担・介護ストレスの軽減 ④養護者への専門的支援 44 44 養護者(家族等)への支援 イ ショートステイ居室の確保 ○放置すれば障害者虐待につながり得る場合 ○緊急に養護者の負担軽減を図る必要がある 場合 ⇒ 短期入所 ○各自治体の状況に応じた工夫で居室確保 継続的な関わり 養護者等と定期的な関わりを持ちながら、養護者 の今後の生活への相談助言等の支援を行う。 終結段階 46 養護者による障害者虐待への対応(市町村) 【緊 急 性 の 判 断 】 (4)ケース会議の開催 ≪コアメンバー、事案対応メンバー、専門家チーム≫ (5)立入調査(安否確認) ・障害者の状況や事実関係の確認 *市町村職員が実施(委託事業に含まれない) *警察署長への援助要請 ケース会議の開催 《コアメンバー、事案対応メンバー、専門家チーム》 (9)成年後見制度利 用開始の審判請求 *成年後見制度利用 支援事業 (8)養護者への支援 ・相談、指導、及び助 言 ・養護者負担の軽減 (7)障害者へ の支援 ・相談、指導、 及び助言 (6)障害者の保護 ・短期入所 やむを得ない ・入院 事由による措 ・施設入所 置 (10)モニタリング (10)虐待対応の終結 47 47 個別ケース会議後のモニタリング ア 定期的なモニタリング 集中的な対応が落ち着いた場合でも、 状況に応じてモニタリングを行う。 訪問 + 援助を行う関係機関への聞き取り 障害のある人、養護者の状況の把握をすること。 確認⇒再評価⇒相談⇒新たな支援を検討 個別ケース会議開催で判断していく。 48 48 個別ケース会議の留意点 関係機関が相互に協力連携するための留意点 ①役割分担を明確にしておく。 ②連絡体制を明確にしておく。 ③常に連携する。 ④定期的に情報交換、意見交換をする。 ※市町村または虐待防止センターは、関係機関と連携・協議 するために個別ケース会議を開催する。 市町村は責任をもって、ケースの進捗状況を管理する。 ◎繰返しの中に信頼関係を構築していく。 再アセスメント・対応方針の修正 ・ 障害者や養護者等の状況が変化 ⇒当初の対応方針では対応できない。 ・ 個別ケース会議を開催し、対応方針の修正 を行う ・ 関係機関による援助内容を変更 50 50 モニタリング~終結までの支援① • 関係機関による援助を実施する。 • 養護者等の負担軽減を進めると同時に、必要に応じ て、毅然とした態度で権限の行使を行う。 • 保護・分離をする場合は、残された家族への影響を 考慮し、家族を誰が支援するのかを検討し、早期から 家族を支援する関係機関と連携を図ることが重要。 • 定期的な訪問によるモニタリングを実施し、再アセス メントや対応方針の修正を行っていく。 モニタリング~終結までの支援② • 本人への情報提供とエンパワメントに向けた支援を 行い、また主たる協力者の発掘が必要となる場合も ある。 • 個別ケース会議による評価を行い、虐待状況が解 消されたと評価された場合、虐待対応は終結となる。 • 最終目標は本人が安心して自分らしく生活を送るこ とが出来るようになることであり、虐待対応が終結し ても、通常業務として相談支援を行っていくことが必 要となる場合がある。 虐待対応の終結を判断 • 虐待の解消 虐待対応の発生要因が除去され、虐待行為 が発生しないと判断されること。 ⇒終結されたとする状況の整理 ⇒個別ケース会議で諮ること。 ⇒虐待防止法による対応の終結 ○通常の相談支援へ繋ぐこと ○本人が安心して自分らしい生活を維持で きるようにすること。 53 53 3 その他虐待対応に関する補足事項 経済的虐待への対応に関して特に留意すること 財産上の不当取引による被害の防止 被害相談、消費生活関係部署・機関の紹介 市町村は、養護者や障害者の親族、障害者福祉施設従事者等以外の第三者によっ て引き起こされた財産上の不当取引による被害について、相談に応じ、若しくは消費 生活業務の担当部署や関連機関を紹介することを規定(第43条第1項)。 (※市町村障害者虐待対応協力者に委託することが可能) 【相談窓口】 消費生活センター、国民生活センター、弁護士会、 消費生活センター、国民生活センター、弁護士会、日本司法支援センター 弁護士会、日本司法支援センター (法テラス)、成年後見センター・リーガルサポート (法テラス)、成年後見センター・リーガルサポート 成年後見制度の活用 財産上の不当取引のように、経済的虐待と同様の行為が認められる場合には、日 常生活自立支援事業や成年後見制度の活用も含めた対応が必要。市町村長申立も 活用しながら、障害者の財産が守られるよう、支援を行うことが必要(第43条第2項)。 障害者虐待を未然に防ぐために 行政・支援機関は・・・・ • 互いに顔の見える良好な関係を構築する • 普段からの関係づくりに努める • 生活支援等、現場が困っているケースを放置 しない