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1年算数「たしざん(2)」s055(PDF:465KB)
「実践プログラム」を取り入れた実践事例(小学校1年 算数) 第1学年 1 2 算数科学習指導案 単元名 たしざん(2) 単元について 本単元のねらい及び内容について,学習指導要領では次のように記述されている。 内容A 数と計算(2) (2)加法及び減法の意味について理解し,それらを用いることができるようにする。 ア 加法及び減法が用いられる場合について知り,それらを式で表したり,その式をよん だりすること。 イ 1位数と1位数との加法及びその逆の減法の計算の仕方を考え,その計算が確実にで きること。 児童はこれまでに「かずとすうじ」や「いくつといくつ」の単元で10までの数の概念や数 の合成・分解について学習している。「たしざん(1)」では数の増減の意味をとらえ,「あわせ ていくつ ふえるといくつ」では,たし算が用いられる場面を理解して, (1位数)+(1位数) =(10以下の数)の計算をすることができるようになってきた。 「20までのかず」では,2 0までの数や10といくつという数の構成の考え方を学習してきている。 本単元では,これらをもとに(1位数)+(1位数)で繰り上がりのあるたし算の計算の仕 方を理解し,その計算ができるようにすることがねらいである。繰り上がりのあるたし算は, 児童の生活場面においてよく用いられるものである。しかし,繰り上がりがあるということは, 児童にとって大きな抵抗があると思われる。そこで単元の初めでは,被加数が6以上(9,8, 7,6)の計算を扱い,被加数の10の補数をみつけ,加数を分解するという方法が見出しや すい数を考えさせる。その後,被加数が5以下(5,4,3,2)の計算の仕方を考えていく ようにする。形式を統一する観点では,加数を分解することが原則であるが,児童の実態によ り被加数の分解も取り上げて認めるようにする。数図ブロックや指などを用いて「数えたし」 を行えば十分解決できる内容であるが,「10をつくる」ことが大切な内容である。ここでは, 10を合成したり,数を分解したり,10といくつで「十いくつ」ととらえたりする既習内容 を活かして,まず,数図ブロックによる操作により計算方法を理解し,最終的には頭の中で操 作する念頭操作によって計算できるようにしていく。 〈系統図〉 3 いくつといくつ 1 かずとすうじ ●6,7,8,9,10の合成・分解 ●10までの数の概念,4,5の合成・ ●0という数 分解 5 6 8 ふえたり へったり ●数を増減する場合の経験 7 ひきざん(1) ●ひき算の意味(求残,求部分,求差) (1位数,10)-(1位数) たしざん(1) ●たし算の意味(合併,増加) (1位数)+(1位数)≦10 11 3つのかずのけいさん ●3口の数の加減計算 20までの数 ●(十何)+(1位数)=(十何) 14 ひきざん(2) ●(十何)-(1位数)<10 12 たしざん(2) ●(1位数)+(1位数)>10 17 大きいかず ●(何十)+何, (何十何)-何=(何十) 15 0のたしざんとひきざん ●0を含む加減計算 2年 たし算とひき算 ●(2位数)±(1位数)で繰り上がり,繰 り下がりのある暗算, (2位数)±(何十) で繰り上がり,繰り下がりのない暗算 3 児童の実態 (省略) 4 単元の目標 【算数への関心・意欲・態度】 ・繰り上がりのある計算に興味をもち, 「10の補数」という考えのよさに気づき,進んで計算 しようとする。 【数学的な考え方】 ・10の補数を意識して,加数を分解してたすことを考えることができる。 【数量や図形についての技能】 ・ (1位数)+(1位数)の繰り上がりのある計算ができる。また,適用題を解くことができる。 【数量や図形についての知識・理解】 ・繰り上がりのある計算の仕方について理解する。 5 学習指導計画(10時間扱い 3/10) 第1時 第2時 第3時(本時) 第4時 主な学習活動 目標 10の補数や3口 の計算の復習をす る。 既習の内容を 確実に身につ ける。 繰り上がりのある (1位数)+(1 位数)の計算の仕 方を考える。 (1位数)+ (1位数)で繰 り上がりのあ るたし算につ いて,ブロック の操作を通し て10の補数 を利用した計 算方法を見出 すことができ る。 (1位数)+ (1位数)で繰 り上がりのあ るたし算につ いて,10の補 数を利用した 計算方法をつ くり上げるこ とができる。 合併の場合の たし算を解く ことができる。 被加数が6以 上(9,8,7, 6)のたし算の 計算ができる。 繰り上がりのある (1位数)+(1 位数)の計算の仕 方を説明する。 加数分解による繰 り上がりのあるた し算の仕方を考え る。 関・意・態 10の補数を 求める問題に 関心をもち,問 題に取り組も うとしている。 (観察) 繰り上がりの あるたし算に 関心をもち,計 算の仕方を考 えようとして いる。(観察) 10の補数に 着目して,加数 分解をしなが ら計算しよう としている。 (観察) 評価規準および評価方法 考え方 技能 知・理 ブロック操作 をしながら 10 の補数を見出 している。(観 察・ノート) ブロック操作 10の補数を をしながら,10 理 解 し て い る。 の 補 数 を 見 つ (ノート) けることがで きる。 (ノート) 繰り上がりに 着目して,たし 算の計算の仕 方を考えてい る。 (発表・ ノート) ブロックを用 いて,10のま とまりを作り ながら,答えを 求めることが できる。(ノー ト) 繰り上がりの あるたし算の 意味を理解し ている。 (発表) 繰り上がりに 着目して,たし 算の計算の仕 方を説明して いる。(発表) 数図ブロック を用いながら, 計算の仕方を 説明すること ができる。(発 表・ノート) 繰り上がりの あるたし算の 計算の説明の 仕方を理解し て い る。( ノー ト) 加数分解の考 え方を使って, 繰り上がりの ある(1位数) +(1位数)の 計算ができる。 (ノート) 繰り上がりの ある(1位数) +(1位数)の 計算の仕方を 理 解 し て い る。 (ノート) 第5時 第 6 時 第 7 時 加数分解と被加数 分解の計算の仕方 の比較をする。 被加数が5以 下(5,4,3, 2)のたし算の 計算ができる。 カードを使ったた し算の練習をす る。 たし算カード の答えが同じ になるものを 順序よく並べ, 並び方のきま りを調べる。 たし算のカー ドを使って,繰 り上がりのあ るたし算を練 習し,習熟す る。 たし算のカー ドを使って,繰 り上がりのあ るたし算を練 習し,習熟す る。 カードを使ったた し算の練習をす る。 カードゲームをす る。 第 8 時 第 9 時 第 10 時 被加数を分解 した計算の仕 方に気づき,加 数分解と被加 数分解の2つ の計算の特徴 について考え ようとしてい る。(観察) 加数分解と被 加数分解の計 算の仕方を比 べ,それぞれの 特徴を説明し て い る 。( 発 表・ノート) 被加数分解の 計算の仕方を 説明できる。 (発表・ノー ト) 被加数分解の 計算の仕方を 理 解 し て い る。 (ノート) 同じ答えにな る式の加数と 被加数の関係 について考え て い る 。( 発 表・ノート) 同じ答えにな る式の加数と 被加数の関係 を説明できる。 (発表・ノー ト) 繰り上がりの ある(1位数) +(1位数)の 計算が確実に できる。(ノー ト) たし算の式を 見て,答えを言 ったり,答えの 大きさを比べ たりできる。 (観察・ノー ト) 同じ答えにな る式の加数と 被加数の関係 を理解してい る。(ノート) カードを使っ て,進んでたし 算の練習をし ようとしてい る。(観察) カードゲームをす る。 たし算のカー ドを使って,繰 り上がりのあ るたし算を練 習し,習熟す る。 カードを使っ て,進んでたし 算の練習をし ようとしてい る。(観察) 学習内容を適用し て問題を解決す る。 学習内容の定 着を確認し,理 解を確実にす る。 繰り上がりの あるたし算に 関心をもち,進 んで問題に取 り組もうとし ている。 (観察) 繰り上がりの ある(1位数) +(1位数)の 計算の仕方を 理 解 し て い る。 (ノート) 答えから式を 見つけたり,同 じ答えになる 仲間の式を集 めたりできる。 (観察) たし算の式か ら問題を考え ている。(ノー ト) (1位数)+ (1位数)で繰 り上がりのた し算ができる。 (ノート) (1位数)+ (1位数)で繰 り上がりのあ るたし算の計 算の仕方を理 解している。 (ノート) 7 見 出す 本時の指導 (1)目標 (1位数)+(1位数)で繰り上がりのあるたし算について,ブロックの操作を通して10 の補数を利用した計算方法をつくり上げることができる。 (数学的な考え方) (2)展開(3/10) 活動 資 料・ 学習活動と内容 時配 指導・支援(○)評価(◎) (形態) 過程 用具 研究のための手立て(☆) 1 本時の学習課題をつかむ。 8 (一斉) 素材文 ○情景図を見て,問題を理解させる。 おにいさんは くりを 7 こ ひろいました。いもうとは 4こ ひろいました。 あ わ せ る と な ん こ にな り ますか。 ☆情景図を見たり,問題文を全員で読ん だりすることにより,求め方の見通し をもつことができるようにする。 ・わかっていることとたずねてい ることを確認する。 ・どんな式になるかを考える。 7+4です。 ・どうしてたし算になるのかを説 明する。 「あわせると」という言葉が 入っているからです。 ・前時はどのように計算したか, 想起する。 10のまとまりを作りまし た。 2 絵 (全体) ○わかっていること,たずねていること を確認し,立式の理由を説明できるよ うにする。 ☆前時のことを振り返り「10のまとま り」を作るという見通しをもつことが できるようにする。 学習問題をたてる。 7+4の けいさんは 調 べる 3 自力解決をする。 ・数図ブロックを操作し,7+4 の答えを求める。 ・自分の数図ブロックの動かし方 を○図で表したり,言葉で書い たりする。 4を3と1に分ける 7に3をたして10 10と1で11 どのようにすればよいのだろう。 10 (個人) ☆自力解決が困難な児童には,加数を分 解した数図ブロックのヒントカードを 配ったり,ブロックを操作する手助け をしたりする。 ブ ロッ ク ヒ ント ○板書のブロック図の加数と被加数の色 カード を変えることで,どの数を分解すれば ワ ーク よいか,わかりやすくする。 ○被加数のブロック図を10ますのブロ シート ック版上にかいたワークシートを用意 することにより,10のまとまりを捉 えやすくする。 ○ワークシートのブロック図を見て,動 かしたいブロックを○で囲むことによ り,計算の仕方をイメージしやくする。 ◎10のまとまりを作って計算方法を考 えることができたか。 (ワークシート,観察) 4 自分の考えを発表する。 15 (ペア) (全体) 深 める ○児童の発表を聞く中で,数図ブロック と式を対応させて,さくらんぼ図をか さくらんぼ図をか くことで,加数の分け方を捉えさせる。 ○「7に3をたして10」ではピーナッ ツの形で囲み,10のまとまりをつく ることを意識させる。 ☆「まず」 「まず」「つぎに」「さいごに」の言葉 を掲示し,計算の順序を理解させる。 順序を理解させる。 また,計算の仕方を説明させる また,計算の仕方を説明させる際の手 がかりとなるようにする。 ○計算の仕方を声に出して説明すること 計算の仕方を声に出して説明すること により,理解できるようにする。 ①隣の友達に,式を指さしながら 隣の友達に,式を指さしながら 計算の仕方を説明する。 まず 4を3と1に分ける 次に 7に3をたして10 最後に 10と1で11 ○説明がうまくできない児童には,教師 が一緒に唱え,計算の仕方を理解させ ていく。 ○お互いに説明がしっかりできているペ 説明がしっかりできているペ アには違う問題を与え,答えを出し説 明するように指示する。 ②図を使って説明する。 ③ブロックを使って説明する。 ま とめ あ げ る 5 本時のまとめをする。 ◎友達に計算の仕方を説明することがで きたか。 (観察) 3 (全体) 6 7+4のけいさんは10のまとまりをつくってけいさんする。 けいさんは10のまとまりをつくってけいさんする。 まず4を3と1に まず4を3と1にわける。つぎに7と3で10。さいごに10と 10と 1で11になる。 ○適用問題に取り組むことにより,確実 適用問題に取り組むことにより,確実 に本時の学習が理解できているか,振 適用問題を解く。 9 り返ることができるようにする。 リント (個人) ◎繰り上がりのあるたし算の仕方が理解 ◎繰り上がりのあるたし算 できたか。 (プリント) 7 次時の予告を聞く。 問 題プ ○今日の学習を認め,次時も繰り上がり のあるたし算を学習することを伝え, 意欲をもたせる。 板書計画 おにいさんは くりを 7こ ひろいました。 いもうとは 4こ ひろいました。 あわせると なんこに なりますか。 わ おにいさんは ○ いもうとは き あわせると ○ 7+4の 7こ 4こ 素材の絵 ひろ ひろった ひろった なんこになるか けいさんは どのようにすれば どのようにすればよいのだろう。 10のまとまりをつくってかんがえる。 ま ○ まず,4を3と1にわける ,4を3と1にわける つぎに,7と3をたして10 ,7と3をたして10 さいごに,10と1で11 ,10と1で11