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第1巻第28章
第 27章 木 材 加 工 業 に お け る品 質 管 理 ■ 207 Evaluate the Sharpness Of lmage Gloss of]Decorative WallbOard," ASTM Bulletin 191, pp.54-57, 1953. (20)第 I巻 第 8章 5を 参 照 され た い 。 第28章 鋳物 の品質管理 D.G.Meckley,III E)irectOr of Manufacture and Engineering,′ rhe Tappan COmpany Ⅱ.Fo Singer American Chain Division,American Chain&Cable Co.,Inc. 1.管 理 の 問 題 鋳造品を使用す る側 の人 々は,物 理的・ 化学的諸性質に対 して きび しい仕様 を強 く要求 す る。彼 らは, “ 鋳物を造 ることは術 であ って学 ではない"と い う古い言葉に同意はす る ものの,多 くの鋳物工場 で見 られる管理 の欠如に対 しては同情的ではない . 一 方,鋳 造品を造 る側 の人 々は,完 全 には定義で きない し,ま た しば しば不確実な組成 を持つ 原料 の混合物 に基づいて仕事を始めなければな らない。彼 らは,完 全 には正体 のわ か らない複雑な化学的お よび物理的諸反応を管理す るとい う問題 に直面 している。 このよ うな事情 のために,鋳 物を造 る人 々は,比 較的管理 されていない基盤に基づ きなが ら,厳 格に管理 された製品を造 るよう努力 しなければな らない, とい う2面 的な問題にぶつかる のである . 問題は, これ らの比較的管理 されていない原料を工程に流 して,特 定 の競争力あ る品質 を最少の コス トで うるため の品質管理技術を鋳造業者 に与え る ことである。た とえていえ ば, ときには うまく水路図のかかれ てい る こともあ るが, ときには全然海図のない海洋 を 航行す るために うまい航海用具を与えてやるよ うな問題なのであ る。 本章 の 目的は,鋳 造技術を述べ ることではな く管理技術 を扱 うことにある。鋳造技術は 多種多様 であるが,本 質的な品質管理技術はすべ てのタイ プの鋳造 に共通 であ る。 鋳造品の仕様 は通常,要 求 される物理的・ 化学的性質について述べ られ ている.こ れ ら の仕様 は普通,最 終用途 の要求 に基づ くものであ り, これを鋳造品を造 るそれ ぞれ の工程 │に 引き戻 して理解す ることになる。 しか し,鋳 物工場 の全作業を管理す るためには, もっと他 の事項 ,た とえば原料 の性質 や処理手続 といった よ うな ことが らをも規定 しなければな らない。さ らに,鋳 物工場の品 第28章 鋳物 の 品質管理 1209 質管理が うま くい くためには, これ らすべ てを 1個 の統合 された システム として扱わなけ ればな らない。 そ のよ うな統合された品質管理 システ ムは 品質計画 通常作業 の管理 慢性的不良の防止 結果 の評価 な どの事項を備えた ものでなければな らない。 以下, これ らの問題 の詳細に関 して説明す る。 2.品 質 計 画 鋳造品が最終製品であ ることは,ま れに しかない。必ず といって もよいほ ど鋳造品は機 械加工 され,そ の後他 の部品 と組み合わ されて最終製品を形成す るものであ る。い くつ も の部門,い くつ もの会社 さえもが関係 してきて,そ のよ うな状況につ きものの品質 に関す る トラブルのすべ ての危険が伴 って くる。事前 に計画を立 てて, これ らの品質上 の トラブ ルを最少にす ることが大 いに望 ましい。一方, この よ うな事前計画は,十 分広範囲なもの で,鋳 物設計 の概念か ら製品中での鋳造品の実際 の使 用までの全段階を包含す るものでな ければな らない。 鋳造品が,専 門化工 場 (Captive fOundry)で 造 られ ようと,雑 多品工場 (jobbing foundry)で 造 られ よ うと,あ るいは大工場であろ うと小工場 であろ うと, 本質 的な計画活動には次の事項が含 まれ ている . 技術 データの準備 技術者 あ るいは顧客は,加 工図 (machine― part drawing)を 用意す る。 彼はまた,鋳 物図 (Casting drawinoも 用意す ることがある.こ れ らの図面 の一 方ま たは両方をもって,つ ぎには鋳物工場 と折衝 して鋳物設計が実行可能 か否 かを議論す る こ とにな る。 製品設計技術者, IE技 術者あるいは製造技術者, 鋳造担当者 および顧客 (も し含 まれていれば)が ,普 通 この会合 に出席す るのであ る。 製品の使用者 と技術者 の会合は,互 譲 の精神で行なわなければな らない。技術者は,構 ,製 造 コス トを引き下げ うるような変更にはすすんで応 :造 上 の完全 さをそ こな うことな く じなければな らない.鋳 物図を この段階 で最終的なものにす ることは困難 か も しれ な い が,た とえそれが不完全 であ った としても,役 にたつ ものである。図面には,抜 け勾配 , 見切 り面,湯 日の付け方,押 湯 の付け方,お よび機械加工すべ き点 の指定が示 され ていな ければ な らない。 この図面は,最 後 に受入れ可能な鋳造品がで きるまでに,何 回 も修正さ れる ことがあろ う.し か し,変 更が加え られ,か つその変更が各方法の是非を議論す るよ りどころ となるので, このよ うな修正で さえ も作業用具 (working tool)を 提供す ることに なる . 鋳物工場が供給すべ き製品を示す鋳物図を,図 1に 示す。 9 2 ﹁網 2 一 3 FF I 3 一2 ・ 3 1 2 一 3 1 一 8 =H ︲ │ ﹁︲ A 雪 12 」 」 7 4 一 2 6 _L │ C― 図 1 C断 面 鋳物図の例 工程能力の研究 (1)品 質計画が成功するか どうかは,工 程能力に関す る予備知識,た と えば工程変数をある限界内に管理 した とき,製 品の化学的・ 物理的・ 寸法上な どの諸特性 が どの くらい均―であるか,と いった よ うな事前 の情報 に非常 に依存する。 製品と工程 の特性に対す る仕様が以前に到達 した標準類 の中にない場合 には,限 界に関 す る決定 は現存 のデータ,試 行錯誤,あ るいは新 たな能力研究に基づいて行なわなければ な らない . いつたん工程能力が測定 され,仕 様が確実な事実の基礎に立 って確立 された段階では , 鋳造業者 と鋳物使用者 とは,あ る特定 の仕様 の採用に伴 う結果 について十分な確信を持 っ て議論を進める ことがで きる。 この反対 に,予 測可能性 とい うこの基礎固めが行なわれ て いない場合には,両 者 ともある程度 の危険を冒す ことになる.仕 様を確立す るのに,経 験 第28章 工 2エ エ 鋳物 の品質管理 と判断 しか利用で きないか らであ る。 た とえば,図 2に 示す よ うな引張 り強 さの度数分布が,初 めの仕様 に対す る実際的範 囲 を確立するのに用い られた (歩 留 りを予測す る能力は, どのよ うな補修手1買 が許 され るか を決定す る能力にまで及ぶ。 これは,あ る種 の軍需契約 において とくに重要 であ る)。 Evans(2)は 1っ の例を報告 してい るが,そ こでは シリンダー内径 の硬度を最小 190 BH UCL Nに 保つ必要があ った。相関分析に より調べ ると,鋳 物 の “ 最上端部"で は BHNは 最小 196な ければな らない ことが示された.さ ら に相関分析 を行な うと,ブ ロックの最硬部 を 機械加工がで きる状態 に保つ には,最 上端部 の BHNは 最大 223で あるべ きことが示 さ れた.さ らに相関分析 してみ ると,最 上端部 の BHNが 196か ら 223で あ るためには , チル深 さ(Chill depth)が 4.5か ら 5.5を 要 ま, より 求 されることが示 された。 このことヤ 二――――LCL 正確なチル深 さゲージの開発 を必要 とした。 響 盤 げ4驚 月 詢げ41島 月 助 これ ら全活動 の結果,硬 度仕様 に合 うブ ロッ クの割合は 49%か ら 96%に 上昇 した。 工程能カデータか ら鋳造業者 は,原 料,鋳 物砂, 模 型 (patter→ ,型 枠 (■ ask), 図 2小 さい クランク 0シ ャフ トの 引張 り強 さ (ポ ン ド′イ ンチ) お よび中子 (core)な どを選ぶ ことができる。 これ ら のおのおのについて,製 品の品質仕様 とバ ラ ンスの とれた管理限界が設定 で きる。 いろいろな効果を考慮 して種 々の管理限界を設定す るために,管 理全体 の互 いに関連 し 合 った効果を議論 で きるのは, この計画期間の間である。種 々の部門 と各部門の行な う手 1贋 とを列挙 した フ ロー・ チ ャー トを作ると,十 分な調整を達成す るのに大 いに役だつ であ ろう . 試吹き手順 計画段階において非常に有用な手順の 1つ は,試 験的な機械加工をす るた めの試吹 き品←rial‐ lot Casting)を 鋳造す るスケジュールであ る。 鋳造作業 の実 際 面 に は まだ広範囲に “ 術"(arの が行なわれてい るため,も し鋳物を大量生産 しようと思えば, こ のよ うに して試作す ることは不可欠である。そのよ うな試吹 き品に よつて 鋳物工場 では , 堰・ 押 し湯 の設計や収縮などに よって生ず る不 良を最少限にす ることがで きる。 試吹 き品の結果は,鋳 造,機 械加工,使 用の全段階にわたって十分に報告 されるべ きで ある.こ れ らの報告は,最 終的な仕様を作 り,鋳 物の生産を開始す るための議論 の基礎 と して用 いなければな らない。 不良管理 と報告手順 不良報告手順は, どのよ うな品質管理計画において もそ うであ る ように,鋳 造作業 で も本質的な道具 である。 このシステムは,突 発的な不良についてだけ でな く,慢 性的な不良について もフ ィー ドバ ックするために設計す るのが よい (同 一のシ 不テムが,修 正処置,再 発注,お よび原価計算のためのデータを供給す る ことが しば しば これ らの手続は後 に述べ る。 あ る)。 3。 通 常作 業 の 管 理 鋳物工場におけ る組織化 された品質管理活動は,次 の ものに集中す る傾向にあ る.す な わち,(1)鋳 造原料,(2)中 子製作お よび造型 に用 い る砂,(3)模 型 および型枠,(4)中 子,(5)金 属の性質,(6)溶 解管理,(7)造 型,(8)型 ば らし時 の鋳造品,(9)仕 上げ , および (10)機 械加工 であ る。 これ らについては 引き続 き以下に論ずる。 鋳物工場 の作業には,工 程 および製品の非常 にた くさんの特性が存在す る.し か し,経 験 の示す ところでは, これ らの特性値 の うち決定的なものの割合は少な く,残 りの大部分 は些細なものであ る。大部分 の管理努力は これ らの重点 に集中 し,残 りの ものには周期的 に注意を向けるだけ にすべ きである.こ のことは,“ 多 くの些細な こと"(trivial manつ に ついて仕様,標 準および 目標は必要がない とい うわけではな く,広 範囲のデータを毎 日集 めた り処理す ることを大ぜいのスタッフに担当 させ る必要性を最少にす るものであ る . 重点項 目の リス トは,そ れぞれ の特殊条件 と必要性 とにより鋳物工場 ごとに異な ってい る。経験が蓄積 されたな らば,品 質管理部門は品質特性 の大部分を効果 的に管理する “ 少 数 の重要な"(vital few)管 理点を選択すべ きであ る.そ のよ うな重′ 点に対 しては,ス R管 理図の よ うな一般的な管理手法を用い るのが経済的であろ う。 4.原 料 G) 銑鉄,砂,石 灰,合 金および コークスは,規 格品 として入手可能 である。 フラックス,粘 結剤 お よびある種 の他 の添加物は,市 販製品 としてえ られることが もっ とも多い . 第28章 鋳物 の品質管理 12■ 3 購入 される くず鉄 は, レール くず とか 自動車 くず のよ うにあ らく分類 されてい る ことが 多 く,同 じ分類 の中で も性質 が大 きく変化 しがちである . モーター,ボ ル トとナ ッ ト,化 学薬品および鋼板 のよ うなものの購入 には,か な りの程 度 の事前情報が利用 で きるのに対 し,鋳 物工場 の原料 に対す る性質 の限界を確立 しようど い う試みは,い ままでほ とんどなされ てこなかつた.売 手は,自 分 の保証す る品質 につい て言質をとられ るのを非常 にいやがる。多 くの場合,彼 らは,商 品であ る混合物 の成分を CORPORAT10N QUALITY CONTROL と INSP ECT工 ON SECT10N (Foundry) Date Raw Material lnspection Data Vendor3 」. 42 5/■ 0/55 Co。 Street Penn. I. 3. of llaterlal 2. Part No. The follorlng data to be fllled ln by the Vendor Descrlbe ln detall your lnspectlon plan and procedure, lncludlng: a. fhat pertlDent eharaeterlstl,es are checked? b. At rhat stege of canufacture? c. Type of lnspectlon and/or test equJ-ptrent used? d. Pereentage cheeked? Contlnuous check and obseryatlon of color and flneness. Perlodtc check of rater ratlorappllcatl,on characterlstles, and strength. Naoe 4.What partlcular tests or lnspectlon rould you suggest that te apply ln checklng for conforoance to your or standard speclfl- here at catlons? Suggest you establlsh your own rater ratlq 1.e., retght dry naterlaL to relght rat.er to glve deslred conslstency (r1th reasonable oanufacturlng tolerances). 6. In addttl.on to the aboverplease Lnclude a copy of any foroal plans.of lnspectlon, catalogs, or speclflcatlons. (use opposlte slde for coonents, ete.) DISTRIBUTIOil: Vendor (Retaln 1 copy) Sect. (z Corp. Ind. D1vlElon Procur-enent Coptes) Siened TLtte a'4 ?2o"""4otU 図 3 売手 の情報 の例 .- 工 2■ 4 洩 らしたが らな い もので あ る . 売手検査 の情報を手に入れ る 1つ の方法は,売 手に質問票を送 る ことである。 しか し , それが有用 な検査情報 を欠 くことの代表的な例 として,い わゆる “原料検査 デ ータ"(Raw Material lnspection Data)な るものを図 3に 掲げ てお く。 こ ういった事情 の もとにあ っ ては,売 手 の証明で事を運ぶ ことは1/tと ん ど不可能 であ り,売 手の責任を確立する ことも 同様に困難 であ る。 な しうる最良策は,各 種原料 の搬入 ごとの記録,以 後 の工程 の一部分 としての成否 の記録を保持す ることである。 これ らの評価は もちろん役にはたつのであ る が,売 手 の工程能力についてはっき りした指示を与えて くれ るものではない。 とくに重要 な ことは,購 入 くず の分析を よ く監視す ることであ る。購入 されるくず には特殊な合金が 含 まれ る傾向が大きくな りつつ あ り,そ れ らの中には,特 殊な種類 の鋳造品に対 して激烈 で不都合な反応を起 こす原因 となるもの もあ りうる。 5。 砂 の 管 理 砂 自体 に対す る仕様 とは別 に,砂 の諸性質,た とえば水分,粘 結剤,混 合 の時間お よび 方法な どが,込 め砂,中 子砂,黒 味 および塗方剤 に対 して確立 されなければな らない。 砂に関す る公式的な管理の従来の傾向は,通 気度 とか水分 (4)な どの諸特性に対 して慣習 R管理図(5)を 用 いることであ った.生 型強度 (green strength)や 変形が図示 され 的な χ― る こともあ る.(6) zobel(7)は ,砂 の粒度の標準的な度数分布に基づ く新 しい砂の受入検査方式を報告 して い る。 砂 の混合 (お よび中子工 と造型工の管理 の及ばない他 の変数)に ついての適切な管理 の確 立が,次 の 2つ の 目的に役だつ ことには豊富な証拠がある . 1。 このよ うに して管理 される工程 の改善 . 2.中 子工 と造型工 とに対 して, 彼 らの管理 で きない変数 について, 管理者がなん らか の策を行な っているのであるとい う確信を持たせ ること . 6。 模 型 お よび 鋳 枠 鋳 物 のタイプと生 産 量 に よって模 型方式が決 まる。 これには 引き型(sweep)か ら金 型 (metal pattern)ま であ り,次 の事項 には仕様が必要 である。 1。 模型 のタイ プと精度,湯 日の付け方,押 湯の付け方および回 り堰 (spin gate). 第28章 12■ 鋳物 の品質管理 5 2.中 子取 りと乾燥台。 3.中 子 ゲージと鋳造 ゲージ,お よび組立 て・ 中子 おさめのための治具 . 鋳枠 のタイ プと大 きさは,鋳 造品の大 きさと生産量,な らびに特定 の鋳物工場 でそれ ら が利用可能か どうかに よって決 まる。 これ らの図面をか き,変 更理由の細かな記録を保存 しなければな らない。 製造部門に とって一般的なや り方は,こ の治工具を慣習的な方法で保全する こ と で あ る。公式的な管理 (8)は ,_般 的であるとい うよりむ しろ例外的に しか行なわれていない . 7。 子 中 中子の基本的な形状 は 中子取 りに より決め られて きた。 しか し,文 書化された,あ るい は概要を書いた情報を伴 う次 のよ うな管理が,特 殊な中子を造 るためになお必要である。 1.中 子用混合砂―一硬 さ(生 , 乾燥お よび高温強 さ), 心金 (rOdding), ガス抜 き, お よび運搬用 フック . 2.中 子の組立て一一寸法,黒 味塗 り, 針金 との りに よる固定。 ガス抜 きの障害 とガス 抜 き穴 の配置 . 3.中 子 の造型―一次 の仕様が必要である。 a.造 型一―鋳型の硬 さ ;つ り金具,つ かみお よび心金の数,形 状,大 きさ, お よび位 置 ;ガ ス抜 き ;湯 口と押 し湯の付け方 . b.鋳 型の準備―一乾燥法 と時間,塗 布剤 のタイ プお ょび使い方 C.中 子おさめ―一型持ち,ブ リキ板,釘 お よび針金 の数, 大 きさと位置 ;ガ ス抜 きシ . ールの大 きさとタイ プと位置 . 過去 においては,こ れ らは中子工 と造型工の特権 ともい うべ きものであ った。矛盾が生 じないのは, これ らの要点が 中子工や造型工お よび検査員が使えるよ うな実物大 の図面 , または 日で見 てわかる,ま たは成文化 された補助手段に より規定 され る場合だけ である . 中子 の品質 の管理方式 としては, 寸法 の XP管 理図,0)中 子 の受入検査方式,(10)タ 管理図,(11)中 子 の品質等級,(12)硬 度 ゲージで検査 した中子硬度の ス R管 理図(13)な ど が 行なわれ て きた。 8.造 型 ``特 性 カー ド"(characteristic cards)の 形 での造型工 向け仕 様には, 鋳枠 の要求, 冷 し ■ 2■ 6 金 ,型 持 ち, 中子 お さめ な どが列挙 して あ る。 これ らの カー ドは ,以 前 の トラ ブルや不 良 α4)を 列挙 し,組 立前 に仕事 を審査 して再 発 を最少にす る方法を規定 してい る。 以前 の トラブル を列挙す るや り方 を延長すれ ば ,鋳 物 の ど こに不 良が生 じたかを示す こ とにな る (図 4参 照 )。 この情報 が一 系 列 の ロ ッ トにつ いて集積 され ると, 不 良 の 集 中 点 が明 らか に な り,修 正処 置 をそれ らに 向け る こ とが で き る . SHEET NQ_ NAT10NAL MALLEABLE AND STEEL CAST!NCS COMPANY OUAL:TY CONTROL― INSPECT10N REPORT PAT■ NQ_________ DATE_ !NSPECTOR_____― ―― TURN_____― ―― !NSPECTOR W!LL RECORD LOCAT:ON NUMBER:N PROPER DEFECT COLUMN FOR EACH CASTIN6・ TO BE SALVAGED OR REJECTED.SCRAP COLUMN TO BE USED ONLY BY CHIEF :NSPECTOR COUPLER KNUCKLE REMARKS 才 ( l ) 計画"(prOgram)は , 造型工にデータを フ ィー ドバ ックす る ことを 必然的 品質管理 “ に取 り決めることになる。 もっとも普通 のフ ィー ドバ ックは,造 型工に よる鋳物不良の 日 報 (15)で ぁ る。 ときには,報 告 は機械別 (16)ま たは作業 (jOb)別 (17)に なされ る。 不良のタイ プ別 の詳細な情報,ま たは少な くとも主要な不良について細かい情報 を供給 (18)上 に 図示す る ことに している計画 も す るように普通規定 され ている。不良を 夕 管理図 第28章 鋳物 の品質管理 あ る。 不良の審査は,職 長 または委員会 (19)に よれば よい。(19) 鋳型 の硬さの測定 には,特 別なゲージの使用が望 ましい。(2o) 9.金 属 の 性 質 “ 鋳 ばな し状態 "(as cast)の 金属 お よび試験片の物理的諸性質は, 弓1張 り強 さ, 硬 さお よび結晶粒組織 に対する限界を定義す ることで行なわれ る。 また,合 金含有量 や終局的な 化学的諸性質を定義す ることもあ る . 度数分布,範 囲お よび平均 といった仕様 の道具 についての概念があま りな く,ま たほ と ん ど使われ ていないが,鋳 物工場 の仕様 としては,こ れ らの諸性質を定義す るのが もっ と もよい.こ れ らのよ り近代的な方策を用 いるには,工 程 がな しうることを測定 し,そ れを 工程 がなすべ きだ と思われ ることと調和させることが必要 であ る。相 関分析,度 数分布 , Shewhart管 理図 といった統計的用具 は,敏 感 で適切な仕様の確立 に大 いに助け となる . “ 鋳 ばな し状態"の 仕様 は, 金属 の最終用途 に対す る仕様 との相互 関係か ら 導かれない か ぎ り,あ ま り役 にたたない結果 になる ことがある。 基本的な金属 の組成 が選定 され て も,生 産 の量 とタイプの変動に対す る規定は しておか なければな らない.こ れ らは,次 の ものの仕様を必要 とす る。 1.装 入物の配合―一 コークス, フラックス,戻 し(reme10, ス クラップ,銑 鉄お よび 合金 の重量割合 . 2.く ず中の不純物一― くず または戻 しの中の クロム含有量 が高い とい うような, 望 ま しくない諸特性を消去す るため の装入物に対す る調整 . 3.金 属分析 の限界 と方法――実験室分析 とチル・ テス ト(chill 験 の度数 と方法 test)の ような経験的実 . 品質管理 “ 計画"は ,普 通は物理的・ 化学的諸性質を管理す るための公式 の管理法を規 定 している。rR管 理図が普通 に使われている.(21)こ れ に対す る 1つ の変形 として,仕 様限界内の溶解回数 の割合を図示す るこ とがある。(22) 10.溶 解 管 理 使用す る溶解法,た とえばキ ュポラ,反 射炉,電 気炉な どは,装 置 の最初の設置後 もい ろいろな特別 の変更を必要 とする。 しか し, どんな方法に よるかに関係な く,規 定すべ き 工 218 共 通 の要求 もい くつ か あ る。 す なわ ち 1.装 入―一量 と1贋 序 . 2.溶 解一一 開始 ,操 作 お よび停止 の手順 。 3.金 属管理―一 温度 ,溶 剤 の使 い方 ,送 風管理,溶 湯 (m01ten metal)の サ ンプ リング お よび 合 金 の添加法 . (23)に つい て 管理手法 としては , 金属温度 とチル・ テ ス ト XR管 理 図を使用す るのが 普 通 で あ る。 鋳物 工 場 の中 には , “流動性 "(■ owability)に 対す る特別 な試験 ,す なわ ち金 属 が凝 固す るまでに どの くらい流れ るかを見 る試験 を導入 した ところが あ る.1つ の方法 “冷 えた鉄 の鋳型 "(C01d― (24)は ,長 い irOn cores)を 用 い ,そ の中 へ 溶鉄 を注入す る こ とであ る。 も う 1 つ の方法 (25)は , 特別 な “流動性試験 片"(■ OWability test pad)へ 注入す る方法 で あ る。金 属 は特別 な型 中 の迷路 へ 流れ込む .迷 路 中 の流れ の長 さが図示 され る。 さ らに他 の状況 で (26)決 定的 は ,鋳 込 み時間 は, サ ンプ リングを基 礎 に 観察 し, そ の結果 を図示 で き るほ ど で あ ると考 え られ てい る。 11.型 ば ら し段 階 の 鋳 造 品 鋳物 の寸法を測 った り外見上 の不良を発見 した りす る最初 の機会は, 型ば らし(shake out)の 段階 であ る。 それはまた, 造 型 エヘ敏速に フ ィー ドバ ックす るため の もっ とも早 い機会 で もあ る。 型ば らしの ときと機械加工後 におけ るフ ィー ドバ ックの多 くは 目に見える不良を対象 と しているが,そ れ らは鋳物工場 の特殊な用語 ―一 た とえば押込み(crush),引 け (Shrink), す くわれ (SCab)な ど一一 で呼ばれている。 これ らの不良の定義につ いては,一 般 の出版物 に も載 ってい るが, American Foundryman's Associationの 出版 した “Analysis of Casting Defects"に は,こ のよ うな定義が含 まれている . これ らの用語 は,鋳 物業者 の間では標準化 の方向に向か ってはいるが,機 械工場 では別 の意味を持 ってい るのが普通 である.あ る会社 が上記 “Analysis of Casting Defects" 中の定義を採用す ることを決めた場合には,機 械工を訓練 して これ らの定義を受け入れさ せ ることがきわめて重要 であ る(図 5参 照). しか し,言 葉 の意味に関 して同意 を うることは必要 ではあ るが, これだけ で十分 とはい え.な い。不良 の中には,あ る一面 では文句をつけ られ て も,他 の面 ではそ うでない ものが 第28章 図 5 鋳物 の品質管 理 12■ 9 鋳物 不 良 の定義 についての割1練 あ るか もしれ な い。 これ らの不 良 は 比較 的記述 困難 で あ るか ら,鋳 物 工 場 と鋳 物使用者 間 で再 吟味す る こ とが望 ま しい。 多 くの場合 には ,定 義 を補 うもの として実 物見本を用 い る のが 便利 であ る . 鋳物業者 に と っては ,内 部収縮や歪 みな どの製造上 の問題 を,鋳 造設計 の誤 り,す なわ ち誤 った 面取 りな どか ら区別す る こ とが重要 で あ る。 この区別を しな い と,原 因 に対す る 責 任 の割 当 てが 曖昧 か つ 不正確 に な り,そ れは また 問題解決 の遅延 あ るいは障 害 と も な る。 ここで もまた,鋳 物業者 と鋳 物使 用者 に とって定義 の 明確化 が重要 で あ る.(27) 経験 の示す と ころに よれば,不 良鋳造 品 の見本 を 出 して重要 な人 々に検 査 さ せ る こ と は,大 きな価値 が あ る.明 確 な理解 の点 で も心理 的 な効果 の点 で も,実 物 の提 示が 言葉 よ りも大 きな力を持 つ のが 常 で あ る。 鋳 物 業 者 が,工 程 中 の あ る固有 の要素 ,す なわ ち抜け勾配 (dra■ )お よび見切 り(m01d jOint)な ど,寸 法上 の特性を満 たす能 力 には 限界 が あ る。使用者 は ,除 去す べ き金属量 , す なわち 余剰 の もととな る 部面 に 関心 が ある。 しか し, 鋳物 の寸法 上 の許容差 につ いて は,鋳 物業者 と顧客 の両方 か ら承認 された取 引上 の等級 は存在 しな い。 この よ うな取 引上 の標準 がないために ,い ろ い ろな鋳物 工場 で 問題 が 起 こ り,普 通 は顧 客 の側 で機械加工 に 際 して不必要 な駄 肉を除去す る とい う形 で生 じてい る。その よ うな取 引上 の標準 が 開発 さ れ合意に達す るまでは ,鋳 物 工 場 と顧 客間 の相互 の合意 を通 じて部分的な解決 を 図 らねば な らない。 仕上げは 2つ の意味を持 ってい る。すなわち,(1)鋳 物表面 のあ らさ,(2)鋳 物か ら湯 口,押 し湯お よび鋳ば りを仕上げ したあと機械加工にかけ られ る金属量 とであ る。 どち ら の意味を用いるに して も取引上 の標準はな く,真 の合意 には,鋳 物業者 と顧客の個 々の場 合 の議論 に よって到達す るしかない。 寸法仕様について合意があ る場合 には,習 慣的な管理方式 が実行 で きる。ゲージ,測 定 お よび管理図が,種 々の計画 (23)に おいて用い られ て きている。 フ ィー ドバ ックの努力は,い ままでの経験か ら トラブルの発生源 として知 られているよ うな,主 要な鋳物に集中す るのが実際的である.こ のよ うな製品がで きつつ あ るときに , 検査係は,型 ば らし後 で きるだけすみやかにチ ェックして,結果を 口頭で責任あ る担当者 , た とえば中子場,模 型工場,あ るいは型場な どの職長 に報告す る。検査係はまた,慢 性的 条件 としてよ り徹底的な研究をするためにデ ータを記録す る (以 下を参照)。 12.鋳 仕 上 げ 鋳物 の コス トと機能 に及ぼす影響 のために, 鋳仕上 げ (cleaning)の 量 と方法が決定的 と なることが しば しば ある。表面をあ とで荒削 りお よび仕上げ削 りす るのであれば,押 し湯 切断跡 (riser connection)の 出 っば り(lush)を 削 り落 とす のはむだであ る。 出 っば りを削 り落 とそ うと努力す ると,駄 肉を とりす ぎて鋳物が スクラップになることもある。 しか し また,押 し湯切断跡をあ ま りに多 く残 してお くと,工 具破損や機械加工時間増 加の原因 と な るか もしれない。 仕上げ のための仕様を確立するには,次 のよ うな考慮 が必要 となる。 1.鋳 物表面 の仕上げの程度は, その機能に基づ く。 すなわち,そ の鋳物を塗装す るの か,機 械加工す るのか,機 械加工の位置決めに用いるのか,気 体 とか液体 にさ らされ るの か,等 々に よる。 2.仕 上げは隠れた鋳物不良を発見 し, 仕上げを続け るか, 鋳物をスクラップにす るか の決定 をする最初 の機会である。 3.仕 上げは 工程中の早 い段階で行なわれ るため, 生産 の順序はまだ大 部 分 残 って お り,不 良の原因の追求は よ り容易である。 4.仕 上げ室はまた, 中子砂および調砂作業か ら生 じた仕上げ 上 の不当な トラブルにつ いての情報源 となる . 第28章 鋳物 の品質管理 ェ 221 仕上げでの管理方式は,巡 回検査員か らえたデータに基づいて行なわれてきた ものであ る.作 業員に よって作 られ る 夕 管理図も用 い られ て きた。(29)ま た,重 要な寸法について み R管 理図も用い られてきた。(30) 13.機 . 械 加 工 総合工場 でさえも,機 械加工部門は別 の建物 にあ り (あ るいは別 の町にあることさえあ って),別 の監督者, 技術者がはいっていて, 鋳物工場 とは著 しく異な った習慣 の型を示 しているのが普通 である。鋳物工場 と機械工場 が別会社にな つてい る場合は,こ の違 いは さ らにはなはだ しくさえなる . 機械加工上の諸問題 に対す る解決策 の多 くは,本 章 2で 述べた品質計画 の 中 に 存 在 す る.し か し,鋳 造 と機械加工間 の物理的な距離,そ の間 の経過時間,製 品が機械加工 の諸 部門に分散す るため生ず る生産順序 の乱れな どの困難 に もかかわ らず,機 械加工作業か ら 鋳物工場へ のフ ィー ドバ ックは必要 である。 機械加工か ら個 々の造型工へ の直接 のフ ィー ドバ ックは きゎめて困難 で,従 来不可能 に 近 い よ うであ ったが,全 体 としての鋳物工場へ の フ ィー ドバ ックは次 の事項 に より実行さ れ る。 1.機 械工場 のスクラップを分類 して 鋳物工場 に原因のあるスクラップを 突き止めるこ と。そ うすれば,鋳 物工場 に対 して,鋳 物工場 に原因のあるス クラップの結果生 じた損失 や,鋳 物工場が責任を とるべ き不良の種類について報告す ることが可能 となる。(31) 2.委 員会 に よるスクラップの調査 。 3.鋳 物工場 と機械工場 の監督者 の定期的な会合.下 請けを使 っている場合には, 会社 相互間 の訪間が必要 である.(32) 14.慢 性 不 良 の 予 防 鋳物工場 の慢性的な不良は,な んの助け も受け られない鋳物工場監督者 の手には負えな い ものであ る。一般 に,工 程能力を決定 し,原 因結果 の新 たな相関関係を確立 し,あ るい は鋳物工場監督者 の行動 の基礎 となる新たな情報を作 り出す よ うな技術的な研究を行な う ことが必要 である . た とえば,遠 心鋳造 した ピス トン・ リング中のあばた (pit)の ために,重 大なスクラップ 損を こ うむ ってい るあ る鋳物工場が,数 千 の鋳物 につ いて次 の記録を とるため,広 範囲な 実験 を組み立てる必要を感 じた.す なわち 1.鋳 物工場におけ る鋳込み温度,機 械速度,鋳 込み時間な ど . 2.機 械加工後 のあばたの程度 と位置。 これ らのデータの相関分析に よつて,あ ばたに よるスクラップを 15%か ら 2%以 下 に 減 らす修正処置が とれたのであ る。 鋳造工程 での分散分析の応用例は,永 久鋳型法で造 られ る鋳物 の多孔性 の 検 討 で あ っ た。製品の加工工程中に,20%か ら30%の 鋳物 が多孔性 のためスクラップに されていた。 調査係は,多 孔性変動 のお もな要素は,敏 感な尺度を用いず には っき り日だつほ どの十 分な大 きさを持 たないのではないか,と 思 った.事 実,そ の とお りであ る こ と力`わ か つ た。 64個 の鋳物 か らなる生産単位 (prOduCtion ru⇒ が,鋳 込み1贋 にな らべ ておかれた。多孔 性を明 らかにす るため,そ の中か ら 15個 を区分 した。すなわ ち,鋳 込みI贋 に最初の 5個 , 全 単 位 の 中央 の 5個 , および最後 の 5個 であ る。 多孔性変動 の うち鋳物内要素 (within― casting component)は to― 15回 現われ るが,変 動 は小さか った.鋳 物 間 変 動 要 素 (casting casting componenの は 3回 現われ る一一すなわち,最 初 の 5回 の間で続いて鋳込 まれ た鋳物 におけ る多子L性 の差,ま た中央部 の 5個 におけ るそれ,お よび 3番 目に最後 の 5個 間 の変動 の状況 であ る。 これ もまた小 さな差を示 した。 時点間による変 動 要 素 (time― to― time componenつ は,最 初 の 5個 の平均多孔性 (こ れは高度 の ものであ ったが)を 中央部 の 5個 の平均 (中 程度),お よび最後 の 5個 (こ れは軽度)と 比較 して示される。時点間変動 は 明 らかに,鋳 物内お よび鋳物間変動 を越えていた。時間 の経過 とともに変動す るなん らか の要因が,多 孔性 の程度に主要な影響を持 っているにちがいない。 この情報を頭に入れ て,経 時的に変動す る可能性 のあ る因子を突 き止めるため,約 20分 間作業 を監視 した。い くつ ものそれ らしい因子が突 き止め られたが,そ の中の 3項 目を主 要な候補 として選 んで, くり返 しのあ る 3× 3ラ テ ン方格 を組 んだ.ラ ンダムな順序 で試 験を反復す る ことに よ り良効な再現性が見 られ るな らば,経 時的に変動す る他 の因子は多 て主要な効果 を持たない ことがわかるであろ う。 孔性に対 し´ 抽出 した 3因 子 とは,作 業員,鋳 型温度お よび溶解温度であ った。各因子に 3水 準を設 け てラテ ン方格を構成 した.3つ に区分 した試験品の観察か ら,各 セル内の再現性 は非常 に良い ことがわか った。 この実験配置で,数 字 は27イ 固の鋳物 の鋳込みの順序 を示 し,多 子L 性 の結果 は 重 (heavy),中 (moderate),軽 (light)お よび 無 (ZerO)を H,M,Lお よび 第28章 0で 示 してい る 鋳物 の品質管理 (下 表参照)). 鋳型温度 低 Opl ::II 1 中 1 1群 I op2 4-H I 25-M 高 │。 1平 R律 ↓ ¬ 均 H― I 溶 解温度 Op2 評 27-O │ Op3 22-L Op2 17-M 21-0 │ L― 12-0 L 作業員のための平均結果 Opl L+ Op2 ]M Op3 L+ [注 :H=多 孔性が高い(heaVy),M=中 程度(mOderate),L=低 い(lighつ 。] 人的要素,す なわち作業員間 の差 が無視で きる ことにな ったのは興味あ ることであ る . しか し,鋳 型温度 および溶解温度 とも,上 昇す るほ ど多孔性を減 らす効果 のあ る ことがわ か った。すなわち,温 度 と多孔性 とには交互作用がある。鋳型 の高温 と溶解 の高温が合わ さると,明 らかにガスの発生を十分に押えて多孔性でない鋳物を毎 回造 り出 していた。(35〕 慢性的な品質 の トラブルを攻 めるには, どの トラブルが慢性 であるかについての予備知 識が前提 となる。慢性的 トラブルであるとい う断定は,一 般に次 のよ うな証拠に基づいて なすべ きである。すなわち 大 きい重量損失についての会計上 の報告 . 主要 な不良に関す る鋳物工場 の検査報告 . 機械工場 でぶつか った主要な鋳物不良の報告 顧客 の発見 した主要な鋳物不 良の報告 . . このように して明 らかにな った プロジェク トは,不 良対策会議 (errOr― prevendon mec‐ 工 224 tings)の 議事録 に載 せ られ′ るべ きで あ る。 この会議 には ,鋳 物 工 場 の異 な っ た 部 門 (中 子 工 場 ,仕 上げ工場 ,造 型 工場 ,溶 解 工場 お よび模型 工 場 )の 代表 者, お よび必要 に応 じて 技術部門, IE(industrial engineering)部 門 ,お よび機械加 工 部門 の代表者 が参加 しな│ナ れば な らな い。 この会議 の 目的は,鋳 物 工 場 の不 良 に 関す る証拠 を議論す る こ とで あ る。 会議 の準備段 り 1) あ か 型 こ わ 引 ガ け ス 押 込 の み ぐ み 10) 入 t2) ォ 巣 3) 穴 4) 5) 6) そ 他 中 子 お さ め 7) り 8) 不 回 ノ ロ 入 り 9) は れ 11) 洩 中 子 こ わ れ 1の 湯 主 型 す くわ れ 13) 型 型 ち 1つ り15) ル 10 落 は チ 中 子 と ば あ か 1つ さ れ 1帥 中 子 お、か れ 1" 中 子 す くわ れ 20) 入 早 れ 干 ば ら し21) し22) 中 子 造 リ ミス 23) 造 型 ミ ス 20 模 型 不 良 2め ふ か れ 26) 主 型 図 (注 ) 6 い ろいろな原 因 に よる鋳物 不良 の発生百分率 1)dirt, 2)broken, 3) shrink, 4)gas hOle, 5) crush, 6) miscellaneous, 7)core Set, 8)Π lisrun, 9)slag, 1の Shift, 11)runout, 12) broken cOre, 13)mold scab, 14)dropS, 15)swellS, 16)hard iron, 17)core dirt, core blow, 20)core Scab, 21)poured shOrt, 2つ hot shakeout, 23)faulty cOremaking, 24)faulty mOlding, 25)pattern shop, 1の mold cut, 1の 26)mold blow. ‐ 第28章 鋳物 の品質管理 階では,鋳 物工場,機 械加工部門,お よび顧客の使用に関す る検査 と品質管理 の報告か ら デ ータを集める.品 質管理部門は,実 験計画,デ ータ解析 におけ る修正処置 の試み,お よ び フォローアップにおいてサー ビスを提供す る。種 々のサービス部門,た とえば金属 およ び鋳砂 の実験室な どが保持 している記録 も,こ の会議 で用 いるデ ータの一部分 となる。 に発生数を比較 してみると, どの不良が決定的で, ど 図 6に 示す よ うに,不 良の原因ワリ れが些細であ るかがわかる。(36) 15.品 質 の ため の 鋳 物 工 場 の 組 織 管理計画が成功す るか否かは,組 織計画 と管理 のため の責任 の委譲 に大 きく依存 してい る。 管理 の対象が,原 料,装 置 および工程である間は,そ の責任は個人 または個人 の集団に 対 してのみ害1り 当て られる。管理すべ き各事物が,あ る個人 のは っき りした責任範囲には い っていない場合は,管 理が実行されない危険が現実 に存在す る。 管理 のための責任は,論 理的には次 の諸部門に分担される . 1.購 買部門. 6.中 子部門 2.金 属実験室. 7.溶 解部門 3.鋳 砂実験室. 8.鋳 造部門 4.保 守技術者。 9.鋳 仕上げ部門 . . . . 5。 模型工場 . 10。 使用部門あ るいは顧客 . これ らの うち,あ る ものは ライ ンの部Flで あ り,あ る ものはサービス部門であ る。品質 管理部門は,継 続的な活動を確保す るために,あ らゆる管理責任を統合 し,全 部門間の連 絡を とる ことについて責任を負 うべ きである。 検査機能は,鋳 物工場検査組織を独立に持つ ことに よって果 たす こともできる。 しか し 上に示 した各部 門の中には, 自分で 自分 の検査が で きるものが ある。 とい うのは,検 査に よる決定 の多 くが,製 品の合否 の決定 よ りもむ しろ,工 程を続け て働 かすべ きか どうかの 決定だか らである。 達成 目標 (target for performance)が 確立され ると,“ 責任"の 持つ意味は多 くなるのが 常 であ る.仕 様限界 の形 での 目標 の確立 については,本 章 2の 品質計画 の議論においてす でに注意 した ところであ る.そ れに続 く活動 のためには, 日常 の実績 のため の 目標 を金額 で表示 した り,物 理 的な表現,す なわち人一 時 (man‐ hours),ポ ン ドなどを用 い て 確 立す 工 226 るとい う仕事 があ る。問題 は,全 般的な仕様 とコス トの 目標を達成 で きる よ うな しか た で,種 々の活動 の 目標を定義する ことである。 品質管理部門は,各 部門の内部的な行動 目標が,最 終的には使 用仕様 に統合され るよう な形 で確立 で きるよ う援助す る責任があ る。品質管理部門はまた,各 部門 の仕事が,全 体 的な努力に及ぼす効果を示す報告 と図表を作成 し提供すべ きである。そ のよ うな報告は , 各部門が全体 の努力に対す るみずか らの寄与,ま たは妨害 の程度を よ り明確 に理解する助 け となる。 16。 鋳 物 工場 の検 査 部 門 鋳物工場 の検査部門 (foundry inspection)は ,模 型工場,中 子部門,造 型部門,溶 解部 門,保 守お よび仕上げ部門,お よび購入原料 において仕様標準 との適合を報告す る部門で ある。品質管理部門が検査計画を承認 し,検 査報告書 の様式を承認 し, これ らの報告書 を 自由に入手 で き,そ して実施状況を監査す るとい うのであれば,鋳 物工場 の検査員がすべ て単一の部門に所属 しているか,あ るいは多 くの製造部門に所属 しているか どうかはあ ま り重要 ではない。機械加工工場や使用部面 での検査員は,品 質管理部門ヘ データを フ ィー ドバ ックす る全体的な報告 システ ムの一部分 となっていなければな らない。使用領域 か ら の情報がない と,情 報 が鋳物工程に限定され て しまい,不 適切なもの となる。 17.測 鋳物工場 で用いるゲージ,計 測器,原 器 および測定法は,伝 統的に綿密な管理を受け て いる とはいいがたい。計測器 の体系的な記録や,そ の保守 のため の計画があ るのはまれ で あ る。また,測 定手順が標準化 され ていることも,同 様 にまれであ る。鋳物工場 とは,あ らい標準に合わせて仕事 をするところであ るとい う伝統が,た ぶんこ ういつたや り方 の理 由なのであろ うが,そ れはいいわけにはな らない。 中子 チ ェック用 ゲージ,中 子組立用 ゲージ,中 子おさめ用 ゲージ,お よび型枠 のピン用 ゲージな どは,す べ て体系的な計画に従 って記録 し,か つ ゲージの許容誤差範囲を確定 し ておか なければな らない。(37)欠 点 のある鋳物が生産 されない うちに,摩 耗 した ゲージを 現場か ら引き上げ,修 繕 で きるよ うに,体 系的なチェック方式が確立されなければな らな い . 第28章 鋳物 の 品質管理 18.結 果 の 報 告 特定 の鋳物 の品質に対す る特別 な 目標 よ りもまず,鋳 造物一般 に対す る目標 があるべ き である。いろいろな種類 の製品のスクラップ損失 に対 して, 日標を設定 しなければな らな い.測 定され る損失 は鋳物工場内で遭遇す るものに限 らず,鋳 物工場内の損失に機械加工 上 の損失,使 用中の損失を も加えた ものでなければな らない。重要な のは,あ らゆる損失 の総合計 であ る。機械工場や使用 中の損失を低 く押え るために,鋳 物工場 での損失 を故意 り 他 巣 れ 穴 れ め れ みれ り れ れ り かみ ち スれ リ ス ル し 良 れ し かのけ聾ス付﹁洩込こ口〓れ あ そ 引 主 ガ中 中 湯 押型 ノ中 中 不 中は 型 中 と 型 造 チ 入 模 主 早 さ か ゎ 価 働 入 入 わ ぐ 回 落 は け ﹁ に 一 ︼ ¨ ﹄ ﹂ に増 してあることす らある。 これ らの 目標は,経 営者 の承認を受けたものでなければな ら 図 7 いろいろな原因による鋳物不良 の重量百分率 (不 良の原語 については図 6の 注参照) ■ 228 ない.ま た, 日標に対する実際 の達成度を測 る尺度がなければな らない。 鋳物工場 の報告書 のための尺度 の単位は,そ の報告書を どの監 督者 に提出す るかに よっ て異な って くる。 鋳物工場の生産監督者 に対 してもっとも意味 のあ る報告書は,ス クラップの重量,ス ク ラップの比率,主 要な不良な ど,“ 物"で 表現 した ものでぁる。 た とえば図 6は ,鋳 造物 の不良を原因別 におな じみのパ レ トー図 として整理 した もので あ る。C8)図 7は ,同 じことを不良 の百分率でな く重量百分率 で示 した ものであ る。 より高位 の監督者へ の報告書は,鋳 造 コス トとい う伝統的な尺度単位 でま とめるのが も っ とも良い。すなわち,次 のよ うにであ る。 1.ト ン(ま たはポ ン ド)当 リコス ト . 2.直 接労働時間当 りの コス ト,す なわち直接労務費 . 3.製 造され る鋳造品当 りの コス ト . 物を尺度 として書いた報告書は もっば ら検査係が 出 しうるのに対 し,金 を尺度 として書 く報告書には会計係 の参画が必要 となる。そ のよ うな参画を確保するためには,適 切 に設 計された ス クラップ伝票や修繕伝票な どに よって,ス クラップや修繕や返 品な どに“ 値段" をつけ る規定がで きていなければな らない.(39)こ れ らすべ てを行な うため の利 用 可 能 で 適切な手順を会計係が持 っているとして も,一 方経験 の示す ところでは,会 計に従事す る 人 々は鋳造 の用語や問題を,製 造 および組立 ての人 々と同 じ程度には理解 していない もの であ る。 “ 専門化"(Captive)鋳 物工場 と下請雑多品工場(jobbing foundrDと の違 い もまた, 品質 とコス トの問題 および解決へ の接近法にあ る相違を生み 出す。専門化工場 は,よ り限 られ た数 の鋳物 のタイ プを取 り扱 う。技術部門,鋳 物工場,機 械加工部門お よび使用者 の間に は, よ り緊密 な連絡が容易につけ られる。 また効果的な会計 のプログラムも,も っ と容易 に開発 され うる。 雑多品工場 は,鋳 物 の設計に及ぼす影響力が よ り小さい反面,顧 客が発見 した不 良鋳物 に関す る情報 のフ ィー ドバ ックを確保す る とい う点 でよ り大 きな問題 に直面 してい るのが 普通 である。機械加工 のデータ,と くに最終使用 のデータのフ ィー ドバ ックが,結 局は よ り安 い値段 でより良い製品を生み 出す結果 になるのだ とい う考えを顧客に対 して売 り込む ことが必要 である。 第28章 第 (1)一 1229 鋳物 の品質管理 28章 注 般的 には ,第 1巻 第 3章 20の 公差 設定 にお け る工程能カデ ー タの活用 の項 を参 照 された い。 (2) Evans,A.A.,FOundry Quality COntrol,2グ %s″ ″JO%α ″″ πフ Cθ π′ λvol.9, NO. 4, pp. 13-15, January, 1953. (3)一 般的 には,本 巻第24章 を参照 された い。 (4) た とえば, Welty,Lester,Quality Control ‐ 、 01. 82,NO. 10, pp.126-129, October, 1954; Statistical Quality COntrol toヽ in a Gray lron Foundry,乃 %%グ η ヒ PriCe, Edwin, An Application of まブ , 〔 alleable Foundry Operations,American Society for Quality COntrol,National Convention Transactions,1951,pp.229-238; ]Deacon,Allin P.,Foindry Quality COntrol for Short Runs,American Society for Quality Control, NatiOnal Convention Transactions, 1954,pp. 185-198; Johnson, Harold H., Scrap Down,Quality Up through Statistical Quality Control Systems,S′ ι θ み vol.128,NO. 21,p.76以 下, May 21,1951;Ver Beke,GeOrge,Statistical Quality Contr01 in the Foundry,I"滋 s″ Jα J O%α J″ ″ Cο πJ″ ο ら V01.7,No.6,pp.82-87,May,1951老 雰照。 (5)ZR管 理図 の一般事項 につ いては,第 Ⅱ巻第13章 を参照 されたい。 (6)Deacon,前 掲 . (7)Zobel,Sigmund P.,Some Foundry Applications of Statistical Quality Control, American Society fOr Quality Control,National Convention Transactions, 1959,pp. 77-88。 (8)た とえば ,Price,前 掲 (ピ ンと軸 受筒 につ いての 夕 管理図)を 参照 された い。 (9)JOhnsOn,前 掲 ;Price,前 掲 (lo)Deacon,前 掲 。 (11)Ver Beke,前 掲 . , Barrabee,James M.,Quality COntrol in lnternational Harvester Foundries, American Society for Quality Control,National Convention Transactions,1953,pp. (1の 493-504. (13)Evans,前 掲 。 (14) Johnson,前 掲 。 (15)た とえば,Barrabee,前 掲 ;Welty,前 掲 ;DeacOn,前 掲 を参照 され たい。 (16)Zobel,前 掲 (1つ Ver Beke,前 掲 中 の 形 と原理 的 に類似 して い る。 National Malleable and Steel . Castings Companyの 好 意 に よる。 (18)Welty,前 掲 ;Zobel,前 掲 . (lo Graham,NIIo J.,Statistical Controls Save lnternational Harvester S 10 Million, 1230 4%.■ %θ λグπ′s′ ,vOl.96,No.4,p.153,Mar.3,1952参 Some T001s for FOundry COntrol,n%%グ 照 .ま た ,Curry,ThOmasヽ V., η ,vOl.81,No.10以 下 , October,1953老 舞照 。 (20)Evans,前 掲 ;Barrabee,前 掲 。 (21)VVelty,前 掲 ;」 ohnson,前 掲 ;Price,前 掲 :Barrabee,前 掲 ;DeacOn,前 掲 (22)ZObel(前 掲)は ,最 後 の 20回 . の 溶 解 に つ い て規 格 限 界 内 には い った 溶 解 の 割 合 を 図示 した 。 (23)DeacOn,前 掲 ;Barrabee,前 掲 (24)Welty(前 掲)の 報 告 で は , 1日 . に 6陣 │の テ ス トを 行 な い , 流 れ の 平 均 長 さが イ ン チ 単位 に 図示 され て い る . (25)Barrabee,前 掲 。 (26)同 上 。 (27)こ の 点 に 関連 して ,鋳 物 不 良 の VilS分 的 な 表 示 とあ り うる原 因 ,お よび 可 能 な 救 済 策 につ い ては 第 I巻 第 11章 図34を 参照 され た い。 (28)た とぇ ば ,Price,前 掲 参 照 (29)DeacOn,前 掲 . . (30)Price,前 掲 (31)た . とぇ ば ,Curry,前 掲 参 照 (32)Curry(同 . 上 )は , 主 任 検 査 員 が 顧 客 の工 場 を定 期 的 に 訪 間す るや り方 を報 告 して い る。 (33)一 般 的 には 第 I巻 第 11章 を参 照 され た い。 (34)Juran,」 .M.,Identitying and SOlving the COmpany's Mttor Quality PrOblems, American卜 〔anagement AssOciatiOn Report 9,Quality Control in Action, 1958, pp. 27-32参 照 (こ れ は また , American SOciety for Quality Control, Middle Atlantic Conference TransactiOns,1958に お い て も発表 され て い る). (35)Dorian Shaininか ら 」.M.Jllranへ の 私 信 . (36)一 般 的 には ,第 I巻 第 1章 34を 参 照 され た い。 (37)一 般 的 には ,第 I巻 第 9章 5を 参 照 され た い。 (38)第 I巻 第 1章 34を 参 照 され た い 。 (39)一 般 的 には 第 Ⅱ巻 第21章 ,第 22章 を参 照 され た い。 第29章 組立工業 における品質管理 Albert E.Aubin Quality Control Manager,Underw00d Corp. 1.組 立 工 業 の 特 質 大部分の機械・ 電動 お よび電子機械製品の製作 の際 には,組 立作業が行なわれ る。廉売 店 のかん切 りを造 る簡単な組立作業か ら,近 代的な飛行機 を造 り上げるボル ト締 め,締 め 金,真 ち ゅうろ うづけ,溶 接, クランプ,ブ レース,ね じ込み,び ょう打ち, ピン合せ接 合,接 着,ハ ンダづけなどとい った複雑な作業 に至るまで,組 立工程はきわめて重要な工 程 であ る。そ して,さ らに最終的な組 立てを した後に,製 品は顧客の手に渡 る.そ の うえ , 見当違い",生 産計画者 の過誤,そ して作業員や検査員のまちがいが 設計者 のすべ ての “ , かん切 りであれ飛行機 であれ,製 品 の流れの最終段階にな ってや っ と製品に現われ るので ある。 いかな る組立品質を管理す る業務 に関 して も,そ の接近方法は類似 している。その方法 の諸要素を説明 し論ず ることが,こ の章 の 目的であ る.あ ま りにも単純だ った り,あ ま り に も困難な もの よりは,む しろ適度に複雑なものに力点をおいて論ず る ことにす る。かん 切 り製造業者は,こ こで説明され ている手法はあま りに も混み入 ってい ると思 うか もしれ ない し,飛 行機製造業者は,そ れ らの手法は あま りにも単純す ぎると思 うか もしれない。 すべ ての製造業者 が諸原則をい くらか役にたつ と考え,適 度に複雑な製品を扱 ってい る大 部分 の製造業者 が,そ れ らの原則を とくに有用だ と考えて くれる ことを願 うものである。 2.組 立 品 質 の 管 理 とは ,製 品が組立工場に最終的に到着す る はるか以前 に始 まる.管 理は設計技術に始ま り,生 産準備計画,工 具設計,工 程表,方 法 組立品質 の管理 (COntrol of assembly qualitDは , そ して時間研究 の各段階を通 じて行なわれ る。図 1は ,市 場調査で製品 の必要事項を調べ て研究開発部門へ と回送するところか ら,す べ ての生産準備計画が整 って しま うところま 1232 での活動 の増加 を示 して い る.そ れ か ら,最 終検査 がそれ以 前 のす べ ての活動 の焦点 とな る と ころまで,活 動 は減 少す る。す べ ての未発見 の過誤 ,ほ とん ど計算 されな か った 危険 , それ に妥 協 が表 に現われ るの は,こ の点 におい てで あ る。 適 当な原価 で 組立品質 を 管J里 す るためには ,明 らかに,全 体 的品質管理 の 目的は次 の よ うな もので なければ な らな い . 1.適 当な新 しい設計 管理お よび 生 産準備計 画 に よつて, で きるだけ多 く の これ らのi邑 工具 。 計器設計 工具製作 購 生産管理 計器製作 工具・計器検査 納入業者 購入部品検査 図 1 入 機械保険 製造規格 組立規格 _ 組立作業 にお け る諸機能 の活動 検 査 第 29章 組 立 工 業 に お け る品質 管 理 誤を防 ぐこと . 2.構 成品またはサブアセ ンブ リー段階で, で きるだけ 多 くの過誤を検出し修正するこ と . 3.組 立段階 まで通過 して くる過誤を検出 して修正す ること . 4.顧 客 の手にそのままはい っていった り,顧 客がその 製品を使 っては じめて 明らかに な るような不良を検出 し修正する こと。 これ らの 目的 の多 くは,組 立品質 の管理 とい う直接 の 目的に とどまらず,そ の ままで多 くの産業に共通す るものであ る.し たが って, このハ ン ドブックでは,そ れ らの 目的は多 くの場所 で扱われている。ほ とんどの製品に共通な新設計管理 の原則は,第 I巻 第 3章 お よび第 4章 で扱われ ている。構成品におけ る過誤を サブアセ ンブ リーの段階 で検出 し修正 す るための方法は,本 巻第 25章 か ら第 28章 に例証されている。最後 に,市 場品質 (■ eld quality)を 測定 し改善す るための方法は,第 I巻 第12章 で論 じられ ている。 組立工場における組立品質 の管理には,主 として不良を防 ぐための生産準備計画活動や , 組立段階にまで達す るよ うな過誤 の発見・ 修正・ 防止などが含まれ る。 この章 が主 として 取 り扱 うのは,そ れ らの活動であ る。 3.組 立 品 質 の 管 理 の た め の 組 織 組立品質 の管理を成功させるのに必要な活動は,少 な くとも次 の よ うなものであ る。 1.最 終組立 ての作業中あ るいは作業後における製品 の視覚的・機械的な検査 . 2.サ ブアセ ンブ リーお よび完成品の機能試験 。 3.検 査お よび試験作業の計画。 4.慢 性的組立不良の原因の発見 と慢性的な水準を改善するための計画の開発 5.検 査お よび試験装置 の設計 0保 全・ 較正 . . 6.検 査お よび試験データの収集・ 分析・ 配布 . 7.組 立不良の原因を発見す るための トラブル・ シューテ ィング . 8.ス クラップ,再 使用(Salvage),お よび修理作業 の管理。 品質管理,製 造,技 術お よび他 の部門間での上記 の諸活動 に対す る責任配分 のため の , まった く唯一の組織形態 とい うものはない。会社 の規模,組 立 ての複雑 さ,そ の他 の要素 に応 じて責任配分は変わる。 しか し,中 規模か ら大規模 の作業 においては,検 査お よび試 験活動 (上 記 1。 と2.)に 対す る責任を 1つ の機能 にゆだね,計 画・ 管理・ 防止の諸活動 (上 ■ 234 記 3.,4.,6.,7.)に 対す る責任を別 の機能 にゆだね る とい うのは,か な りよく行なわれ ていることであ る.実 際 これは, ライ ン的性格の品質機能 とスタッフ的性格 の品質機能を 区別す ることである。 これ ら 2つ の機能を結び付け て組織体系 にす る次 の段階 については, 2つ の異な った考 え方がある.古 い考え方では, ライ ン的機能を生産部門 の下 にお き,“ 品質管理"と い う名 称を ス タッフ的機能に与 える(こ の形態 では, 品質管理 グループは '生 産検査作業 の 監査 と い う付加的な機能を 通常持 ってお り,検 査活動 に 続 いて 受入抜取検査 まです ることもあ る).こ の形態は,製 造 に当たる職工長たちに品質責任を集中 し,生 産計画を実施す る とい う問題か ら品質管理 グループを遠 ざけ,抑 制 と均衡 のため 好都合な システ ムを 与える(た とえば, もし品質管理部門が最終的な検査をす る とした ら,だ れがそれをチ ェックす るの であろ うか), とい うのが この形態 に賛成す る説 であ る。 新 しい考 え方は,ラ イ ン的機能 もス タッフ的機能 も, と も に 品 質 マネジャー(quality manager)の 下 にお き, 両者を “ 総合的品質管理"(total quality contr01)の 一部 とみなす のであ る.最 終検査はただ 1度 だけ行なわれるべ きで 2度 行なわれるべ きではない,男 1の 受入検査 グループがあるときには生産検査員(し たが って製造職長)は 全責任は とらない , (監 査員に よる周期的なチ ェックは別 として)い つ もチ ェックされる必要のない独立 した組 織 上の地位を与 えられているので,検 査の独 自性 (integrity)が 達成され うるのである, と い うのが この形態 に賛成す る説であ る。著者 の意見では,新 しい考え方が人気を増 してい るのは当然な ことである。 上記 のその他 の活動 (5。 お よび8.)は ,ぃ ろんなや り方で組織的に遂行され る.検 査お よ び試験装置 の設計は, しば しば完全 に品質管理機能 と分離 され,技 術部 の対象 にな る場合 もある。 しか しなが ら, これ らをもまた総合的品質管理業務 の一部 とみな し,そ れ らを品 質 マネジャーの下 に適当にお くとい う傾 向が増大 しつつある。 4.総 合 計 画一 ― 組 立 工 場 組立品質管理 の組織 とは,組 織図の設定 のみな らず会社 の特定 の問題に適合 した長期・ 短期いずれ の計画の確立を も意味す る。まさに,そ れ らの性 質 として, この よ うな諸計画 は会社 に よって異なるであろ うか ら,ど の計画 に しろ, ここで別 の会社 に直接応用で きる もの として例示することはで きない。 しか しなが ら,必 要 とされ る幅や広 さの例 として , また組織・ 品質管理・ 統計的方法の原則の緊密な組合せ方の実例 として, 1つ の会社 の総 第29章 ■ 235 組立工 業 にお け る品質管理 合計画を検討す る ことは有用 な ことであ る。 家庭用 の映画 カメラや映写機 のあ る製造業者 が,数 年前,出 荷 され る製品 の品質を高め 部内での修理や手直 しの コス トを下げ るために, この ような総合計画に着手 した。その計 画を完成す るのに約 3年 が必要であ ったが,そ の間に品質向上お よび原価低減 の両方 の 目 標 に向か って本質的な改良がなされ た。その計画が始め られた とき,カ メラや映写機 の最 終検査は,組 立部門 の職長 の もとで行なわれていた.検 査部門は主 として,組 立ての前 に 部品や構成品の ロッ ト別受入検査 をや っていた.不 適合な原材料 の受入れは,個 々の検査 員 と組立職長 との現場 での検討会に基づ くことが しば しばであ った.く り返 して起 こる ト ラブルは,底 にひそむ概括的な原因に関 してではな く, 1つ 1つ の トラブル として追求さ れた。顧客の反応は,主 として返 品されたカメラや映写機 とい う形 でフ ィー ドバ ックされ ていた。その結果,最 終組立品のだいたい30∼ 40%が 修理作業を必要 とした . 総合計画は,現 存す る検査機能 も含めた品質管理部門を設立す る ことか らな っていた。 そ してその部門は, 5つ の主要な手順を遂行す るとい う役 目を持 っていた のである.そ れ らの手順は,ど んな ことがなされたか とい う短 い説明を添えて,以 下に記され ている とお りである . 1.顧 客の要求品質を受け入れ る機能を作 ること。 まず第 1に , 出荷され ているカメラ や映写機 の品質について測定 した り報告 した りす るために,生 産 とは独立 した 出荷品質 の 監査 (audit Of Outgoing qualitつ が確立された.主 要な不良が明るみに出され, 最終検査 や試験作業を改善す るために プ ロジェク トが立て られた。最後 に,検 査・ 試験作業 は生産 反応"の もっと迅速な フ ィ か ら切 り離 され,品 質管理部 の もとにおかれた.さ らに顧客の“ ー ドバ ックを生み出す ように,出 荷品の信頼性をチ ェックした り新 しいモデルや技術的な 変更に関 して消費者型 の試験を した りす るために,商 品試験室 (cllstomer testing labora‐ tOrDが 設立された。 2.仕 様委員会を設立すること。 もっと現実的な公差を 開発す るために, 技術や製造や 品質管理 の代表者か らな り,す べ ての重要な構成品や中間組立品の仕様 を検討す る仕様委 われわれはそれ らをまちが って造 った 員会 (specincation committee)が 設 立された。 “ , われわれはそれ らを使 ってみた,そ れで もわれわれは,ま た もやそれ らを ま ち が って 造 る"と い う悪循環 を停止させる ことがで きる よ うに仕様 の正当性を再確立す るためには , 仕様委員会 はど うして も必要な手段であ る。委員会 は,後 にな って 目に見え る不良に対す る標準 の確立に取 り組 んだ。 “ 厳格に実施 される現実的な仕様"と い う新 しい仕様 の考 え 1236 方を打 ち立てる中で,委 員会は “ 特採品 目に入れる"品 目を減少 させるとい う問題に取 り 組 んだ . 3.再 生業務を検査活動か ら分離す ること(separate salvage activity from inspecdon)。 個 々の検査員 の業務か ら,不 適合な部品や原料が使えるか どうかを決定す る仕事を取 り除 いてや り,使 えるか どうか とい うことや再発を防止す るための追跡にのみ 関係 した別 の機 能 に この仕事をゆだね ることが必要であ った。不合格 とされた ロッ トに対す る責任を示す デ ー タ報告 システ ムとともに, この変更は,多 くの組立作業 の問題が属 している ところ , すなわち構成品生産部門にそれ らの問題を返す助け とな った。 4.検 査部門を強化す ること。 検査員に よる独立 した 判断が組織的に 保証 され ることに な ったので,検 査員はその仕事を遂行するのに必要な知識 と技術 とを必ず持 ってい ること が必要 とな った。計器 の使用,仕 様 の解釈 , 日視不良の標準化,種 々の抜取検査法 の使 い 方などについて,い ろいろな訓練計画が企て られた.検 査作業 の 計 画 化 も また導入 され た 。 5.不 良防止活動 を確立す る こ と。 い ままで あげ た手順は, 第 1に 出荷品 質 に よ り良 い 保証 を 与 え, くり返 して起 こる問題 に 強 い注意を促 した。 これ らの活動 には,不 良や顧 客 返品 の原因を体系的に 分析す る こ とを通 じて,新 しい技術 (knOw― how)を 開発す る計 画を 平行 させ る こ とが必 要 で あ った。 品質管理技術者 が雇 われ ,品 質原価 を評価 し,お もな損 失 の領域 を決定 し,診 断や改 善 の診断的な評価 を遂行す る よ うな 仕 事 が 割 り当て られた (こ の主題に つ いての論議 に つい ては ,第 I巻 第 11章 を参照 されたい). 5.検 査 お よ び 試 験 業 務 の 計 画 組 立検査お よび (あ るいは)試 験業務 は,か な り単 純 な組立作業 のためで あ って も計 画 さ れ るべ きで あ る.計 画がな い と,個 々の検査員 の気 ま ぐれ (そ して誤 りに 陥 りやすい知識 ) に よる こ とに な る し,ま た検査が不完全 に な り,不 良 は見過 ごされ ,追 跡 の ための資料 は 不適切 とな り,組 立品質管理を害 して きたその他 の多 くの欠陥を生む とい うこ とにな る。 計画 され た作業 の存在 は,次 の よ うな保障 を与 えるのに きわ めて有用 で あ る。 1.会 社 の品質 方針 と首尾一 貫 して 出荷製 品 の品質 水準 が維持 され る。 2.品 質原価 が経 済的水準 に維持 され る。 3.時 間 ご と, 日ご と,週 ご との修正処置 のために 有効な資料 がえ られ る 4.経 営 のす べ ての階 層に対す る 報告 のために適切な デ ー タが え られ, . そ の 結果適 当な 第29章 ITI質 組立 工 業 にお け る品質管理 情報が経営者 の意思決定や アクシ ョンに統合され てい くようになる。 組立品の検査あるいは試験作業 の計画には,次 の よ うな事項 の大部分に関 して従わなけ ればならない,特 殊な指示ない し手続をは っき り述べ る(い うまで もな く, 可能な代案を とくと考 えた うえで)こ とが含まれる。 1.検 査する場所 の位置。 2.適 当な区│, 政府 の仕様,試 験装置仕様, その他製品を検査あるいは試験す るのに必 要な書類。 3.製 品の中の求め られるべ き品質特性 の リス ト . 4.そ れ らの特性 の検査が行なわれ るべ き順序 . 5.個 々の特性に対 して用い られ る計器,測 定装置あるいは試験装置 6。 . 合格あ るいは不合格 とすべ きであると考 え られる,あ る特定 の不良の程度 (こ とに測 定 で きない不良に対 して )。 7.サ ンプル・ データの解釈の基準, ロッ トが合格 であると考え られ る根拠, そ してま た組立 て ライ ンが停止 された り,あ るいは続け て操業 された りす る根拠 . 8.製 品を合格 とした り不合格 とした りす ること,生 産職長に大 きな不良を 通報す るこ と,組 立て ライン停 止を要請 した り要求 した りす る ことなどに関 しての検査員 の特殊な責 任。 9.検 査お よび(あ るいは)試 験か らのデータが記録され る特殊な様式。 品質計画者 は,製 品やその品質特性に関 して詳細な知識(情 報)を 明確に持 っていなけれ ばな らない.し ば しば この知識 は,幾 人かの人 々の頭 の中でのみ利用可能なもの とな って いる。それゆえ,計 画者 の役割 は,そ れを 1つ の場所 に蓄積す る ことである。彼 はまた , 管理 の基本的な手続における知識や技術に寄与す る必要 もある.こ れ らを論ず るために , 一般的な言葉 で次 の ような疑間を提起 して,そ れに答える ことは有用な ことであろ う . なにを管理 した らよいか。 どこに管理を確立 した らよいか。 どの ような管理計画を用 いた らよいか . どんな合格品質水準を維持 した らよいか . なにを管理 したらよいか 一般 にい うと,管 理され るべ き特性 は,製 品設計 の一部 として仕様書に書かれているよ うな工学的に必要 とされ るものであろ う。 11´ て また,仕 様書に書かれてはいないけれ ど ■ 238 も,正 しい作業 を行な うためには どんな製品について も必要な一般的な品質上 の諸条件 も あろ う。設計必要事項 として リス トアップされ るものは,部 品の相対的位置, トル ク,作 業 の必要条件,移 動す る部品の間に一定のす きまをお くこと,出 力などを制御す る調整な どがあるか も しれない.後 者 の必要条件 の例 は,欠 品,ね じのかたさ,適 当 な ハ ン ダづ け,異 物原料などであろ う。 品質管理 のための努力の大半は,工 程 において費やされ るべ きであ る。そ こでは,工 学 上の必要条件 の多 くは適用 されない。それゆえ,最 終的な必要条件 に関連す る工程内必要 事項 ,す なわち製造時 とさらに トル クや ス ピー ドを決める最終設計仕様を含 んでいる機構 についての工程 内の管理に関す る必要事項 を確立す るのは,品 質 マネジャーの責任であ る。 技術的仕様 と一般的な品質上必要 とされる事項 との境界を決定す るのは,い つ もや さし い とはか ぎらない。品質管理 の新 しさのゆえに一般的な良い品質を造 る方法を包括す るよ うな作業標準書 は存在 しないか もしれないし,不 完全かもしれない。 これがなければ,一 般的な品質上必要 とされる事項を包括す る技術的仕様 が存在す るであろ う。 もし文書 にな つてい るな らば, これ らの標準は品質管理計画者 に とつて貴重なもの となろ う。 もし文書 にな っていなかつたな らば,設 計技術 グル ー プない し品質管理 グループが こ れ を 文 書 化 し,発 行すべ きであ る。 管理すべ き特性 の リス トを作成す るにあた つては,す べ ての潜在的な困難 の原因を列挙 す るように,す べての組織的な方向にそ って努力が払われなければな らない。サ ー ビス部 や技術部 の経験 に関す る情報を獲得す るためにサー ビスお よび技術部門に よって, また顧 客 の不満を引き起 こす よ うな種類 のことに対する感覚を うるために販売部門に よつて,そ のチ ェック 0リ ス トは当然 目を通 さなければな らない。工場要員には大 した ことがない よ うにみえるけれ ども,顧 客に とつては非常にいやだ といった問題が,き わめてしば しば存 在す るのである。 この点 におけ る最終的な活動 は,準 備調査が示す ように管理を必要 とす る種 々の特性 の すべてを列記する ことであ る.こ れは通例,き わめて長 った らしく膨大 な リス トとなるで あろ う。 しか し,よ く議論 してみるな らば,こ の リス トを縮小 して適当な大 きさにする方 法や手段 もあ るであろ う。管理を必要 とする特性 の リス トを作成す る一方で,必 要な検査 方法や チ ェックされる特性 との関係で存在す るかもしれない不良をは っき りさせるの も , また良い ことである.た とえば “ 不良用語集"(diCtionary of defects)は , 検査員たちが 同じことを違 ったや り方 で書 くことがで きることに よつて引き起 こされる集 計 上 の 困 難 第29章 1239 組立 工 業 にお け る品 質管理 を,あ らか じめ防止で きる。 どこに管理を確立 したらよいか チ ェック・ リス トの仕訳は,各 特性を完成へ と導 くためには, どの作業がまず成 し遂げ られなければな らないかに よつてなされ るであろ う。管理手続 は,組 立 てにおけ る変更 に 敏感 に遅滞な く対応 で きるほ ど,密 接 に組立 ての流れ のlllI序 に従 うものでなければな らな い。 しか しなが ら,管 理 され ている諸特性が,管 理 のために選ばれた管理点ない し管理 ス テーシ ョンにおいて完全なものにな るようにな ってい る ことも,ま た重要 であ る。確実 に 利用 で きなければな らない組立工程表は,こ の決定 に必要であ る。各作業員の背後 に 1人 ず つ検査員をつけ るとした ら,こ れは 明らかに不経済 であ る。そ うす る代わ りに,組 立工 程 の中で管理 ステ ーションとして役だて るために限 られた数 の合理的な地 点 が 選 び 出 さ れ,そ れ らの管理 ステーシ ョンは,各 管理点 の仕事量がで きるだけ均等になるように,そ してまた,誤 りが発見 された ときにその修正にかかる費用を最少限にできるように,設 立 されなければな らない。 最初 に して もっ とも明らかな管理点は,完 成 された比較的簡単なサ ブアセ ンブ リーに設 け る.そ れを越え る と,管 理 ステーシ ョンは重要なサ ブアセ ンブリーや メーン・ アセ ンブ リーに設け るであろ う。 もし流れ作業 に よる一貫組立 て(prOgressive assembly)が 用 い ら れ ると,管 理点が この ように明白であるとい うわけにはいかない。管理点 の選択 にあた つ ・ シ 卜 とともに,組 立 ての指針を うるためには,完 全な組立作業指図書 と工程 のフ =― 部門の完全な レイアウ トが利用 で きなければな らない。管理 が理論上そ こで確立 される管 理点を見 いだすために,こ れ らの ものが研究 され るべ きであ る。次の ようなものが通常 , 管理 のために好適な点 である。 1.サ ブアセ ンブ リーが完成す る点 2.奨 励給 を払 う点 . . 3.監 督責任の完了す る点。 4.お もな電気的または電子的なサ ブアセ ンブ リー と製品の 機械的部分 とが結合 される 直前 の点 5。 . マス ク,カ バ ーな どを付け る組立工程 の直前 の点 . 6.配 線,ハ ンダづけ,調 整,ケ ーブル結合な どが完了 した後 の点 7。 最終検査 . . 管理点 がひ とたび決まると,管 理すべ き特性 の リス トを細か く仕訳 し,そ れ らの特性 を 工 240 もっ とも よ く管理す るこ とので きる管理 ス テー シ ョンに あ てはめ なければ な らな い。 ここ で,こ の リス トは管理す べ き特性 の たんなる表 では な くな り,検 査 指図書 の一 部 と しての 役割 を引 き受けは じめ る。検 査指 図書 として十分役割 を果た させ るために ,管 理す べ き特 性 を検査 され る順番 に 並 べ て 各管理 点 に示 し,同 時 に検査方法 ,検 査装置 を指示 しさえす れば よいので あ る。 各検 査 ス テー シ ョンに関 しては,十 分 に解析 して 管理す べ き特性がは っ き りと示 されて い るこ と,使 用指示 書 も含 めて ]liし い 装 置が示 され てい るこ と,検 査 の 順番 が 合理的 で あ るこ とを確認 しなければ な らない .1:し い検査順序 を確 立す るためには,次 の こ とが重 要 で あ る。 1.各 検 査装置を使用す る際 は,い つ で もで きるだけ実 際的 に実施 す るこ と。 2.で きるだけ製 品を動か さない こ と。 3.パ タ ー ンを確立 す るこ と . これは,あ る意味 では試 行錯誤的実験 で あ り,最 少検査時 間が 要求 され る場 合 には 妥協 が 生ず るか も しれ ない。 !1吉 質計画者 (quality planner)は この点 につい て ,経 験 の積 んだ検 査 員,あ るいはむ しろ検査監督者 にい っ し ょに仕事を して もらわなければ な らない .こ オ l´ は,品 質計画者 に とって助け となるばか りでな く,検 査監督者 の 教育訓練 の 時 間 と も な る。 ひ とたび順序 が 確立 された ら,完 璧 な文 書 と し,同 一 の仕 事 を してい る 検査 員は ま っ た く同 じや り方 (最 良 の方法 )で 検査す る よ うに,そ して よ り良 い経験 が え られ改 良す る必 要 が あ る と思われ る場 合 以 外 は,管 理 の状態 が設定 された とお りに確実 に維持 され る よ う に しなければ な らない.図 2は ,Underw00d社 の電動 タイ プライターの 品質管理に用 い られ てい る]:程 内検 査 ス テー シ ョンのための検査指 図書 の例 で ある.左 側 に検査′ 点 ,中 央 に検査手順 と使用 すべ き装置名を,そ して右側 には起 こ りそ うな不 良が 示 され てい る。 各 検査点 には それ ぞれ番号が つ け られ ,不 良 には それを示す 文字 が つ け られ て ヽヽる。 これ は,次 の よ うな こ との ために な され た もので あ る。 1.検 査 員 の記録時 間を削減す る . 2.作 表や集計を簡略化す る。 3.同 一 の不 良が つね に正 し く集計 され る。 どの ょ うな管理 計画 を用 いた らよいか 品質 管理計画者 は ,い まや 管理す べ き特性 につ いての整頓 された一 覧表 を入手 している だろ う。 そ こで, これ らの特性 は,次 の よ うに計 数型管理 と計量型 管理 とに分け られ る。 第 29章 組 立 工 業 に お け る品質 管 理 工 241 STANDARD ASSEMBLY INSPECT10N INSPECT10N STAT10N NO.3 28054870 Deject Check r′ `π Balance (check with 10- to lUrZ-oz. weights) Freedom A. Shift not ll. Shift keys Height A. Shift keys high 12. Shift lock Adjustment B. Shift keys low A. Shift lock not set to weights 10。 Shift B. Shift binds (check with weights; must hold 20 oz. and release at 24 oz.) Cushion (approximately 1/32 inch) Eccentric 13. Segment (must lock segment) Adjustment 14. Space bar Freedom B. Shift lock cushion not set properly C. Segment play on plate D. Uplock rubs on plaie A. Segment loose B. Segment binds A. Space bar binds (with type bar at eylinder, space bar must tle free) After (l/16 B. plary C. Space bar before play ineor- (1/32 play) link Spaee bar after play incorreet use gage 5-193) Before play 15. Tab clear balaneed rect Tab clear link interference Clearance (muSt nOt rub on segment) Clearance Tab set stem hits segment 16. Tab set stem (muSt nOt rub on segment) 17.Bichrome handle Adiustment to gage freeness A.BichЮ me handle not set to gage B. Bichrome handle binds 図 2 工 程 内検 査 ス テ ー シ ョ ンの た め の検 査 指 図書 計 数 型 管理 1.機 械的検査項 目(調 節,ギ ヤのはめあい,す きま,正 確な部品な ど )。 2.締 付け(ね じ,錠 座金, リベ ッ トなど )。 3.配 線やハ ンダづけ (ハ ンダ・ ミス,合 せ不良,テ ープ巻き不良,正 確な配線な ど )。 計量型管理 1.電 子的試験項 目(出 力,周 波数 レスポンス,ノ イズな ど )。 2.機 械的試験項 目(ト ル ク,速 度,圧 力,時 間な ど )。 3.ス イッチ調整 (す きま,接 触圧,タ イ ミングなど )。 いろいろな特性 の数量や重要性 がわか っている ときは,流 れ組立作業 であると ロット別 組立作業 であ るとを問わず,経 済性 とも首尾一貫 している品質水準を保証するような管理 ■ 242 方式を選ぶ ことがで きる。 もっ とも一般的な管理方式 のい くつかを以下 に示す。 ロ ッ ト型検査 もし組立 てが ロッ ト型 であれば (比 較的小 さな サ ブアセ ンブ リーに よ く 起 こる), 計数型管理項 目はた くさんの計数抜取方式 の うちどれで も利用可能な ものに よ って管理 で きる。計量型特性 は,同 じように利用可能な計量型管理手続 の うちもっ とも適 当な方式 に より管理で きる。一般的 には第 Ⅱ巻第13,17,19章 の 1回 抜取検査,多 回抜取 検査,X管 理図,R管 理図,ロ ッ ト・ プ ロッ ト法,プ レコン トロールの項を見 られたい。 連続型検査 組立工程が流れ作業形式 の場合は,従 来 の ロッ ト型管理手続 の代わ りに , 次の ような管理手順が通常使われ ている。 計数値 に対す る不良率管理図。(1) 連続計数型抜取方式 χ お よび . R型 管理図 . 連続計量型抜取検査。 いろいろな管理 ステ ーシ ョンに合 うような管理手順を選択す るため の決 まったや り方 と い うものはない.同 じ検査点においてすべ ての検査手順が使用可能であ るし,正 当な理由 が あれば交換するこ ともで きる.た とえば,管 理上 の情報 とか工程能力の情報をさらに入 手す るために計量型 のデータを蓄積す ることも例 外的 にはあ るが,計 量型 の特性を計数型 のご とく管理する ことは,普 通 にあ るこ とであ る。 い ま ここに述べ た よ うなサ ブアセ ンブ リーや工程 内の検査に対す る標準的な手順 とい う ものは,全 組立品が正 しく機能を果たす のにつながるすべ ての特性を管理す るものでなけ ればな らない。これ らのすべ ての特性を最終検査において再度 チ ェックす ることは普通不 可能 であ るし,ま たそんな こ とは必要 で もない。最終検査は,す べ ての機能や最終仕様 に 対す る厳正なチェックでなければな らない.前 に述 べた管理手順に見 られるように,チ ェ ックされる各特性は,指 図書 の中で完全 に詳細に記述 され,そ して検査作業 の効率的な1贋 序を設定す る ことに よって,検 査時間の経済的活用に とくに気をつけなければな らない。 最終検査に用い られる検査方式 には,通 常,計 量型検査 と計数型検査 の両者がある。管 理方式は前 に述べた ものの どれを とって もよいし,ま たそれ らを組み合わせた もので もよ い。 とはい うものの,複 雑な組立品の場合,全 体 の数量 が少ない ことが多 く,抜 取検査 に よっては重要な機能特性 に対 し適正な保護が保証 されないので, 1∞ %試 験 が行なわれな ければな らない。100%試 験 が必要 であ る として も,計 量型検査お よび試験 が可能なか ぎ り用 い られなければな らない。そ して,工 程管理情報 のため とか トラブル・ シューテ ィン 第29章 組 立工業におけ る品質管理 グのために,測 定値 は記録 しておかなければな らない . 前 に述べた管理方式 の使用方法については,こ のハ ン ドブックの他 の章 に 述 べ て あ る が,こ れ ら管理方式 の うちとくに組立 てに適用で きる独特 ともいえる応用 の しか た が あ り,そ れについてここに記述す ることにす る。 連続生産型抜取検査 (2)Dodge(3)に よって開発 された方式 では,AQL(合 格品質水わ を与えると, 2つ の関連 し合 う定数 ノ と ′が決め られる。ノ は,正 常な状態 の ときの検 査比率を示す。た とえば,も し ∫=0.05と すれば,20個 生産 されるごとに 1個 だけ検査 す る。検査 したサ ンプル(1個 )が 合格 で あ るか ぎり抜取検査を続ける。ひ とたびサ ンプル が不合格 と判定 されたな らば,そ れ以後生産 された J個 は全数検査を行な う。不合格品が な くなれば,不 良の状態 は “ 解除 された"(Cleared)と され,抜 取検査 のための条件 が満 た された とす るのであ る . この抜取検査方式を利用す るにあた つては,大 きく融通 が きく。“ 解除"(clearing)と ぃ う判定基準は不良品にでな く,む しろ欠点 に基 づいて もよいし,選 別を始める前 に発見 さ れ るべ き欠点 の最小数は 1よ りは大 きくな るか もしれない。 また,異 な る特性 に対 して決 め られる AQLは いろいろあるか もしれないし, その AQLは 変更す るかもしれない。 解除"に 従事す る人 さらに,ノ や ′とい う定数 も変更す るか もしれな いし,抜 取検査や “ の数 も変わ るか も しれない。 しか し,こ れについてはほ とん ど手順の変更な しに行なえる し,ほ とんど検査員の訓練を必要 としないのであ る。 減点方式 記述 したすべての管理方式 は,連 続生産型抜取検査をも含めて重要度に よる 不良分類 に適用す ることがで きる。その方式 につ いては第 I巻 第 8章 6を 参照 されたい . どんな合格品質水準を維持 したらよいか 合格品質水準(AQL)の 経済性は,製 品が顧客向け の ものであ るか,そ の 会社内の 他 の 部門向け の ものであるかに よつて異な ったもの となる。後者 の場合は,一 般に選別対不選 別 の コス ト(costs of SOrt vs.not sorOを 算定で きる。前者 の場合には,顧 客 の信用,不 良に対す る苦情 の比率な どの問題 があ って,原 価比較 は よ り困難なもの となるであろ う。 AQLを 決めるに際 しては,算 定で きるか ぎ りの原価資料に対 し考察を加えなければな らない。苦情比率 (COmplaint rate)に 対 してもまた,考 察を加えな け れ ば な らない(第 巻第12章 4参 照)。 最後 に,決 定を下す前 に顧客の I AQLに 対す る見解を十分に理解 して おかなければな らない.こ れに関 しては,本 巻第24章 16を 参照 されたい。 この点 に関 して考 えるべ きことは,次 のことであ る。すなわち,管 理方式や品質水準に ■ 244 関す るか ぎ り,他 の特性 と歩調を合わせるためには,い くつか の特性 は過大 または過小 の 品質 とも思われる水準 で管理す るこ とにな って も,各 検査 ステ ーシ ョンに一 貫性を持たせ たほ うが よい ことが しば しば あ る。一般的に,複 雑な組立品の工程検査におけ る真 のむず か しさは,品 質水準 の小 さな誤 りのためではな く,不 適当な検査装置,貧 弱な検査教育 , あ るいは正 しくない仕様 に起因する非常に高 い不良率 のために起 こることがわか った。 AQLに 関 しては,不 変の ものがあるな どと考えてはいけないことを記憶 しておかなけ ればな らない。AQL:変 更 の決定 は,経 験 に照 らしてつねに行な うことができる。検査 の 費用 と手直 し・ スクフツプ・ 苦情 の費用 との経済的均衡′ 点に接近 しつづけ るためには,不 合格処理による特別経費 に関 して定期的な調査を しなければな らない。 6。 デー タ収 集 の計画 不 良防止 のためにはデ ータが 必要 で あ る。 も INSPECTION REPORT gglE /O-/5-57 DEPT. tNSp. STA. No. , DEFECTIVE PLATE DEFECTiVE PAINT DEFECT!VE 熙 c'|"*L ともと検査機能 の主た る動機 の 1つ は,そ うい うデ ー タを集 め る こ とにある.デ ータ収集機能 をな くす とか ,あ るいは縮小す る こ とに よって ″ 原価 を 削減 しよ うとい う誘惑 にか られ,フ ィー 〃′ SCREWS 照 濯 認 DENTS υノ タ ″ ノ WRONG NO. / lNsPEcroR PA RTS 溜 ノ L00SE COVER 淑 r/7 //// NAME PLATE MARRED ドバ ッ クのため不十分な デ ー タ しか 利用 で きな くな る とい うこ とは,総 合的 に判断す る と不経 済 で あ り避けなければな らな い。 検査員 のデータ記録時 間を最少 にす る方法 は いろい ろ あ るし,こ れ らの方法 は十分活用 しな ければな らな い。 それ らの方法 の 1つ として , M:SS:NG PARTS 〃 検査指 図書 (図 2参 照)中 の不 良事項 を コー ド化 し,不 良を記録す る時 間を少な くす るや り方が あ る。 これ は,か つ て品質管理計画 の一 部 で あ った し, この点 に 関 しては計画段階そ の他 にお UN:丁 S iNSPECTED 図 3 潤 湘 利 潤 刈 川 川 いて もい ろいろな補助手段 が必 要 で あ る.ほ か 潔川 測製 湘 川 成 に も,使 用 に適 したデ ー タを経済的に集め る方 組立 てデータのた め の簡単 な 集計表 法 が用 い られた 。 もっ とも簡単 で もっ とも広 く 用 い られた のは,図 3に 示す よ うな事前 に 印刷 組立 工 業 にお け る品 質管理 第 29章 QUAL!TY CONTROL― TALLY SHEET EMD OF ttNAL ASSEMBⅣ 日 NE _ DATEノ ル /」a_ 0 % Z Z % Z ZtthA % ク PRODuCT10N COUNT u"/ ort ilgt Nt tN TorAf oK lNlrs tttl fttt fltt lttt /|tt trtt tttt t*tt ″ 溜″″″″%ん ″″″″″″)2■組網″″″ “ “ rru ru na mt a nt ″ 笏 ″″型― DEFECTS FFNnFR RKT L00SE FENDER BOLT L00SE FIT FENDER FDR TO SH:ELD SCREW F:T H00D Ftr tb moLolNG FIT D00R FlT DECK LID BUMPER BOLTS L00SE CEN MISC_ SPARE WHEEL L00SE BRK L:NE OuT OF CLiP 図 4 時 間別組立 てデ ー タ総合集計 表 ヽ DATE rc't5'5, DEPI NO. L00SE SCREWS COVER FEET 潔 〃 〃 INSPECT10N REPORT WASHER MISS:NG ′ ″′ INSPECTION STA. _ ル STRIPPED ″ INSpECTOR Uc MUTILATED /// NO. b.^A-' CROSS― THREADED 〃 〃 州 〃′ SLEEVE 図 5 不良別詳細を示す集計表 してあ る集計表 であ る。紙面 の左側 に上か ら下に起 こ りそ うな不良が リス トされている。 検査員はただ,不 良を発見す るたびに印刷 され てあ る各不良の右側 にしるしをつけ るだけ であ る.1個 1個 検査す るごとに,検 査数を示す行に しるしをつける。同様に,集 計 マー ■ 246 クが合格個数 とか不合格個数 の欄 に もつけ られる。 この書式を拡張 して,時 間別に組立部 門の品質をまとめるこ ともで きる(図 4参 照)。 この基本形を変えて,縦 の列を図 5に 示す ようにさらに詳細を記入す るのに用いるこ ともで きる。 これ らは,簡 単 で広 く用 い られて い る書式 であるが,複 雑な組立品を扱 う際 には よ く起 こることだがいろいろな困難な点が あ る。た とえば, リス トアップで きる不良数は通常十分 でな く,集 計法 の制限 のために不 良の起 こった順序 に関す る情報 は利用 で きない。 この書式を さらに改良 し,不 良の起 こったll■ 序を保存す るように もで きる。 この改良法 では,図 6に 示す よ うに,検 査 される製品には縦 の列を用 いて,横 の行 に不良を記入す る ことが必要 である.こ の方法 で も,複 雑な組立品に よく起 こるプロ常に多数 の不良を リス ト す ることはできない.こ の困難を避けるためにす ぐ思 いつ く方法は,比 較的 よく起 こる不 良を事前に印刷 してお き,検 査員が追加的に不良を記入す る必要が起 こった ときに記入 で きるよ うな空欄を設け てお くことであ る。 INSPECTION REPORT sslE t2-t5-57 DEpT. No. / DEFECTiVE PLATE INSPECTION STA. ′ : NO. 4 ′ DEFECTIVE PA:NT ′ 0 DEFECTIVE SCREWS ′ DENTS 0 0 0 WRONG PARTS 0 ′ L00SE COVER 0 0 NAME PLATE MARRED 0 0 図 6 0 ● ′ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ′ ′ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ′ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ′ 0 0 0 0 l 0 0 0 経済的な順序を保存す るための記録表 不良を集計ないし記録するもう1つ の方法は,検 査 される各 ユニ ッ トにつ いて書 き込む 形式 の,個 別 の伝票 またはカー ドを用 いることであ る。 このや り方には,図 7に 示す よ う な手続 の票か ら Cい IBMパ ンチ・ カー ド(図 8参 照),ホ ール ソー ト・ カー ド(図 9参 照)ま ろいろな変形がある。第 Ⅱ巻第21章 図19お よび図20を も参照 されたい . これ らの手書 き票は通常,最 低 1つ の コピーが とられ る.コ ピーの 1つ は検査完了 とと もにその製品につけ られて,そ の修繕 のための基礎 となる(通 常,修 繕 が完了 した ら,検 査員がその製品を合格 とす るこ とが で きるか どうか しるしをつけ るチェック欄がある).も 第29章 組立工業 にお け る品質管理 INSPECT10N REPORT Oper。 …………Name_… ……………………・…… ……・…No.… …… Macho No....… ....・ ¨ ¨ J)ate....¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ¨ ・¨ ・¨ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・¨ ・ ・ ・ ・ ・ ・¨ ・ ・ ・ ・・ ・¨ ・ ・ ・¨ ・ ・¨ "・ M.23A… …………………………………………………………… DEFECTSt 図 7 検査情報 を記録す る手書 き票 002-4629 l:1:: 2122ロ 33303 04114 55555 16686 Jo SMiTH 図 8 組立 てデ ータに使われ る IBMカ ード う一方 の コピーは品質管理部へ送付 され,集 計や まとめに用 い られる。 1つ の組立品に対 して 1つ の記録用紙を採用す る方法は,い ずれ も修繕 の指示を出す の に役 だつ。 ところが,不 便な点 もい くつかあ る.も っ とも重要な欠点は, 1日 を通 じての 継続的な品質記録が とれないことであ る.こ のこ とは,良 い品質を造 り込む のに非常に大 点としては,発 生1贋 序 につ い 事な情報 のフ ィー ドバ ックを逸す る ことにな る.そ の他 の欠′ ての情報が消滅 していることと, とくに手書 き票 で起 こるが,急 いで不注 意 に 書 か れ た r248 ヽ﹂ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● F:NAL TEST tELEVt3tOX t^oro. DEr:Ct ?Hoxo o o€FEcr a :Lビ ビEEEEEビ ビ E 図 9 組立 てデータに使われ ている McBee Keysortヵ ― ド リ, しか も同じ不 良につ いて もいろいろな書 き方 で書かれ ているため,困 難な集計作業を 必要 とする ことであ る。一方,残 りの 2種 類 のカー ド,IBMカ ー ド(図 8参 照)と McBee Keysortカ ー ド(図 9参 照)は ,集 計 で経験 されるい くつかの困難を解決 しているが, フ ィ ー ドバ ックされる情報がお くれるとい う欠点か らは免れない。 このことは,複 雑な組立管 理 においては もっとも重要な部分 であ る。 情報を報告す ることは,検 査員に とって重要な活動 であ って,採 用 される記録方法が下 記 の項 目を満たす ことがで きるよ うに十分考慮 が払われなければな らない。 1.修 正処置 のためのフ ィー ドバ ック . 2.解 析お よび トラブル・ シューテ ィングのデータ。 3.品 質報告 のためのデータ . 4.ェ 程評価 のためのデータ . 一般論 につ いては,第 Ⅱ巻第21章 を参照 されたい . 7.組 立 品 質 報 告 組立 ては,す べ ての部門にすべ ての階層 で関係があるか ら,情 報伝達 の問題は重要 であ る.迅 速かつ効果的な アクシ ョンのためには,迅 速かつ効果的な情報が必要 である.報 告 書 は時機をえていて,事 実に基づいていて,刺 激的で,当 をえた人に送付され,継 続的な ものでなければな らない。一般論については,第 I巻 第12章 12以 下を参照されたい . 図10お よび図11は ,組 立工程に トラブルが起 こった ときの迅速な情報 フ ィー ドバ ックの 様式を示す.“ 検査 チ ェック要求"(request for inspection check)が 組立職長 の手 で 作成 第29章 工 249 組 立工 業 にお け る品質管理 ■lm gate operating lever"で 起 こった問題を調べ る工程 内検 され,本 日午後 12時 45分 に“ 査を要請す る。 これに対す る回答 (図 11参 照)で は,そ の部品は確かに形状不良であ り,原 因は倉庫 におけ る取扱 いに よる損傷 であるこ とが発見された。そ して,再 発 を防止す る新 To:InsPcctiOn UEST 噸 Ю R INSPК Hい rlm 26 … From:Proj. P“ l_ Numh b口 tio■ ■559■ K‐ oI Parts 109 Line For additionel inlormation rclcr to Projo Stock Dsription o{ Problcm artrs otl 10n11. Lanno! assenol€. I Problcm Rcpcztcd f] days□ 1 0nc Wは I Wi・ ht・ 。 群I:需 □ I TOday aL__ou己 Must bevc rcply: S. iiastro Siggcd p. Ctarfongo Dzte)./2o./.fr- Hourl?:lr5j-l!. Cipy to: Asscmbly Dcpc 図 To: 10 組立 て トラブル を迅速 に通報す る様式 (組 立 て トラブル緊急報告) Losoctba ltoj. ¨己 "N― “ F Requm… 恥 hr.岬 _饉 Rwly Ю ?. Glallotgo Flm: Lo. Sizc Forod io Yor Dcpa 旺 8od Found Ыe 警 嵐 … Lじ Chaed “ Found P― □ □ α鷹彙組 … No_□ N― __□ N― __□ 並 颯 詢 Tに A R Nc orDdm Fmnd h L □ /o Dcfecive Plrtr in Saople □ Derm鮨 饉d:並 ロ ロ MhOr□ □ Sample Ghcc&od By U.1.. mble □ 町 ‐雌 □ … Sdqs Dlryocidm - As Pcr Atadrcd Spoilegc Ticlrt No Ia theぬ 嘘 of Our Ch4 We Found he “ Part,a darnaged tn handllng by atock dellvenr nan. 'Wc Rcooocod the Followiog: IHour}llLflf. Copy to: A Coetcllo (Atr C 図 Houlihan) 11 ?OOO Si2e Usd spOt chock 組立 て トラブル緊急報告 に対す る回 答 □ ■ 250 しい取扱 い法が導入されたのであ る。 効果的にす るためには,当 をえた人が当をえた報告を入手 しなければな らない。 グルー プ監督者は, 自分がいまどんな具合 に仕事を しているのかを 1分 きざみベ ースで知 りたい と思 い,彼 の下 の作業員がなにを しくじってい るかを知 りたい と思 う。 これは,図 3,図 4,図 5お よび図 6に 示す集計・ 記録様式 の 目的であ る.彼 に とって この様式は,報 告書 としての役害Jを 果 たす ものであ る。 職長は, 自分 の部門が どんな具合に作業 しているか,彼 の監督者たちが どれ くらい効率 的に仕事を進 めているか,そ して どうすれば 自分 の作業 が改良され るかな どを毎 日毎 日知 りたい と思 う.図 12は ,職 長 に とつて 重要な不良 日計表 (daily summary of defecの であ る。工場長 は職長 の報告を,図 13に 示す ように,週 単位 で必要 とする。工場長 レベルでの 月計表 (図 14参 照)は ,総 職長たちのため の数字が,こ の工場長 の もとでのすべ ての活動 の ために どのよ うに まとめ られ ているかを示す ものである。(4) DEPT.- 5E srATfoN tt--L- 47891011 図 12 劇郵 鮮L・ ライ ン監督者 のための不良集計 日報 経営者 レベルの品質報告書 については,第 I巻 第12章 12以 下を参照 された い。 報告書 に従 ってアクシ ョンを とろ うとす る人は,彼 らの とったア クションの結果を次の 報告書 で知 りたい と思 う.し たが って,同 一の一般的事項を包含す る報告書 は,定 期的に 第29章 組立工 業 にお け る品質管理 12ラ エ 組立品質報告 1957年 10月 11日 に終 わ る週単 位当 り不 良 は,次 の とお りであ った 。 下 記 の月 日に 終 わ る期 間 6 7 8 9 部 門 1 部 門 2 A B ラ イ ンA 部 門 3 +lAlB c 全 1合 計 月 1.7 1. 1. 1. 2. 2. 月 1.6 1. 1.1 1. 2.4 2. 3.2 月 1.2 1. 1.7 1. 2.4 2. 2.6 3.2 月 1.1 1.1 1. 1. 3. 3. 2.5 10 ノ4 / 57 0.9 0. 1. 1. 2.1 3. 2.7 10 /11/ 57 1.1 1.1 1. 1. 3. 3. 3.4 部 門 1 次の項 目が,部 門 1の 全 ライ ンにおける不良の63%を 占める 部門 1の Aラ イ ンにお ける不良の65%を 占める 部門 1の Bラ イ ンにおけ る不 良の76%を 占める。 部門 1の Cラ イ ンにおける不良の67%を 占める 部門 1の 第 2直 における不 良の74%を 占める。 . . . 1. 防 塵 装置 調 整 不 良 (新 項 目)(Ffoulkes担 当 ) 3 1 6 0 2. ブ ラ ッシ取 付 け 調整 不 良 (FfOulkes担 当 ) 2 0 8 0 3. ブ ラ ッ シ当 り不 良 (FfOulkes担 当) 2 1 0 0 4. シ ャ フ ト調 整 不 良 (Ffoulkes担 当) 8 5 10 10 部 門 2 次 の項 目が,部 門 2の 全 ライ ンにおける不良の63%を 占める 部門 2の Aラ イ ンにおけ る不 良の63%を 占める。 部門 2の Bラ イ ンにおける不良の64%を 占める。 部門 2の Cラ イ ンにおける不良の48%を 占める。 部門 2の 第 2直 における不 良の62%を 占め る。 . 不 良 率 C I第 2直 低 出力 (Jones担 当 ) ベ ル トゆ るみ Clewellyn担 当) ベ ル ト張 り調 整 不 良 (Llewellyn担 当) 図 13 0 0 12 13 13 不 良集計週報お よび ア クシ ョ ンのための解析 0 │ │ SUPERINTENDENtt CONTROL CHART-2nd SHIFT 120 卜0国﹂Ш一 ∝国∞〓⊃2 Ш>一 /\ ノ受 漱 :α X SEPTEMBER 6ENERAL FOREMAN〔 X、 x、 Vヽ ′X っζ ‖ ‖4 1 15) 59r61b5 ∞ゆ0一 , ”ЮO めめの一 ∞めの一 ゆ0一 一 守 い0 一 Oい0一 〇ゆ0 一 めの∞︸ ゆ● 0 一 1屋 , 壁 0寸 0 14 0∞0 , O ∞0 一 図 ,4H14156 寸 い0 一 Q一 ∞一 DRODuCTiON ToTALS 00のヤ 〕 ENERAL FOREMAN{16} SUBTOTALS 工場長 のための管理集計月報 同一の書式 に より作成 されなければな らない。そ して,関 係者がその報告書 を熟知 し,進 行状況を簡単 に追跡 で き,し か も報告書 にアクシ ョンが必要 であ ると示されたな らば,適 当な アクシ ョンが とれ るようにな っていなければならない . 8.組 立 て デ ー タの 解 析 検査方式 の計画 の際 には, とることを望 まれ る情報 の種類や記録を とる ことの 目的につ いて考慮 を払 う必要があ り, したがつて検査計画が よく作 られ ている と必然的にデータの 解析 が うまくい く。記録 の 目的はおそ らく,次 の ような ものであろ う。 1.散 発す る不 良の修正処置 のための フ ィー ドバ ック . 2.慢 性的不良の修正処置 のためのフ ィー ドバ ック . 3.工 程能力に関す る情報。 4.要 員,部 門,製 品な どの評価のための情報 . 前 に述べた報告様式 は,こ れ らの 目的のための解析を容易にす るもの で あ る。た とえ ば,図 3,図 4ぉ よび図 5に 示された様式 では, 日々の単位当 り平均不良数 と日々の不良 率を計算で きるようにな ってい る。計算に よつて管理図を作成 し,組 立工程お よびそ こに 働 く要員の全般的な管理状態を評価す るのに用 いることがで きる。障害 の主た る根源もま た,こ のデータよ り観測す ることがで きるし,修 正処置 の効果 もチ ェックす ることがで き 第29章 組立工業 にお け る品質管理 1253 る。 これ らのデータは修正処置 に直接利用 で きるし,ま た品質報告や長期間にわたる修正 処置 のために も用 い ることが で きる。 図 6に 示す様式に よって,上 記 した ことに加えて,不 良のパ ターンに関 してよ りよく理 解す るのに も用 い られ る。発生順の解析 に よって,も しあれば 同一製品中の不良の相関は もちろんのこと,検 査員のカタヨ リも測1定 する ことが で きる.IBMカ ー ド(図 8参 照)や McBee Keysortヵ ― ド(図 9参 照)に よれば,報 告 し,毎 日の修正処置を とり,同 一製品 の不良間の相関やその他 の コー ド化 で きる多 くの相関関係をチ ェックす るために,不 良を 非常 に うまく集計・ 解析することが で きる。IBMカ ー ドでは,迅 速な分類集計が可能 で あ るが,装 置を工場内でその他 の 目的のために も利用 で きる よ うでなければ,お そ らく経 済的 ではないであろ う.McBee Keysortヵ ― ドは簡単に分類 で きて, 装置 のための原価 が極度 に安 いのであるが,人 間の手に よる操作にた よらなければな らず,分 類・ 集計 の原 価 は高 い ものになる。 検査員が集計 したデ ータに対す る最初 の分析は,組 立監督者がやる。すなわち,彼 は報 告書を 1日 に幾度 もよく見 る。 この簡単な分析方法 で, もしなにか問題があ るときは, ど こにその問題点があるのかを見いだす ことがで きる。上級管理者 に整頓 してデ ータを提供 す るために,ま た品質管理部門でアクシ ョンを とる必要 のあ る組立 て トラブルを評価す る ために,I:古 質管理技術者 がその他 の分析を行な う。 この よ うな分析は工程評価 とな り,困 難な問題 にぶつか つた場合には,そ れ以上 の調査や露見 した特定 の問題を解決するように 設計 された実験を実施す る手引きとな る。特定 の不良問題 の分析を進めるために,通 常 の 実験手法は どれ で も利用するこ とが で きる(第 I巻 第11章 参照)。 9.検 査 員 の 訓 練 (D 複雑な装置 の検査 は非常に時間がかか り,検 査時間が 1個 当 り10分 か ら 1時 間 も要す る こ とはあま り珍 しいこ とではない.こ のために,検 査員訓練 とい う大 きな問題が起 こ り , 形式的な訓練期間が必要 とな って くる。 この訓練 は,い ろいろなや り方 でなされ るが,そ れは職務の性質や これ まで受けた訓練お よび訓練を受け る人 の経験によつて異なる。 おそ らくもっ とも広 く禾J用 され ている訓練 システ ム は, オ フ・ ラ イ ン訓 練 (o∬ ― line trJning)で あろ う.検 査員は ラインの外 に配置 され ,検 査すべ き製品が与えられ る。 きび しい監督 の もとに,熟 練者が一連 の作業 を数回行な うのを見守る。ついで,監 督者 の指示 に従 って 自分 自身 で検査を行ない,い くつか 自分 で検査す るように しておいて も正 しく検 1254 査 で きると判定され るまで,監 督下 で検査す る。必要な時間が記録され, 1個 1個 を熟練 者 または監督者が再 チ ェックして彼 の進歩 の度合いを調べ る.彼 が熟達 した らす ぐライン に配置 され るが,な お も彼 の監督者に注意深 く観察 され ていて,監 督者は ラインにその力i 入 り検査員を配置 した ことと符合す るような不良のパ ターンの どんな変化を も見 のが さな いよ う│こ す る . もっ と効果的 であ るにもかかわ らずそれ ほ ど用 い られ ていない訓練方法 として,検 査項 目,装 置使用法,お よび仕様な どを詳細に説明す る完全な検査活動 の蓄音機 レコー ドを利 用す る方法があ る。訓練中の検査員は,イ ヤホーンを通 して録音された ものを聞き,秘 書 が 口述を聞 くよ うに,検 査指示書を読む代わ りに録音に より口頭 で与 えられ る指 示 に 従 う.こ の方法に よつて,驚 くほ どに訓練期間を短縮す る ことがで きる.(6) 連続的 な検査"(condnuOus inspection)に おけ る訓練 の 可能性 につ いて 前 に言及 した “ 全数検査"(cleared)し なけ は,十 分熟慮 しなければな らない。実際 の作業 では,一 度に “ ればならない特性 の数は,検 査 ステー シ ョンで管理 されている特性 の総数に比べ ると相当 全数検査 をする"検 査員(clearance 小 さい。 したが つて, もし新 し く検査員が ラインに “ inspector)と して配置 された ら訓練は非常 に簡単 ですむ。 1個 ずつ新 しい 製品が全数検査 のため渡 された ら,検 査指示 に従 って簡単にすばや く処理す る ことが で きる.こ の方法 に よって,検 査処理手1贋 を徐 々に習得 し,資 格 のあ る抜取検査員にな るためには,検 査 ステ ーシ ョンの完全な検査手順に従 った訓練 を受けるだけ で よくな る。 歴史的には,組 立検査員が用 いる道具類は,組 立工が使 っていた道具類 とあまり大差が な く, ドライバ ー, いろいろな 大 きさのスパナ,す きまゲージ, ばねばか りな どであ つ た。昨今製作 されるようにな った複雑な製品の 出現に よつて,検 査員は,作 業員が直接的 に も間接的にも,知 識 もなければ管理す ることもで きない ような特性を検査 した り試験 し た りしなければならないことが多 い。 この ような特性 についてだけは,検 査員が仕様 に対 す る適合 の度合 いを決定す るのであ る。検査や試験 に用 いる道具類 は,必 然的にさらに複 雑なもの とな っている。検査や試験 の信頼性は,以 前 に比べ るとず っ と検査員 の技術や訓 練 に左右 されるようにな った。そのため,す べ ての検査・ 試験要員 を職場内での訓練 コー スに とどめ てお くことは,も はや不可能 になっている。有能 な職員 のプールを持ち,そ の中 か ら技術を要す る検査・ 試験要員を引き出せ るようにす るために,電 気工学,機 械工学 , 電子工学な どの基礎について,講 習会費の一部 または全額を支払 ってで も社外教育を進 め る必要があ る。 第 29章 ■ 25, 組 立 工 業 にお け る品 質 管 理 機械的検査お よび目視検査を,機 能試験 と分離す るのが よい場合が ときどきあ る。 この よ うに分離す る ことに よって,試 験装置の使用を最少にする ことがで きる。ラ1練 期間を短 縮す るために,機 械関係の検査員お よび電子関係の検査員 の仕事を分離す る こともまた可 能 であ る.こ の場合一― とくに電子機 構関係では一―機械的 目視検査 の際に引き起 こされ る機能上 の欠点に気づかず にその まま出荷す る危険性を最少 にす るために, まず機械的 目 視検査を必ず最初 に行ない,つ いで機能試験を行な う。機能試験を行な う際 に修理 したな らば,製 品を出荷す る前 にもう一度 目視検査を行な うのが普通であ る。 10。 だれ が不 合 格 を決 定 す るか 不合格 とな った製品は,ま ちがいに対 して責任 の所在がは っき りしている場合は,可 能 なか ぎ りその まちが った作業を行な った人 の ところへ返 されるように しな け れ ば な らな い.こ うす ると,手 直 し費用な しで修理 で きるし,作 業員は将来, この ようなまちが いに 対 して注意す るようになる.誤 りを犯 した製品を返送 されるので,作 業員は最初 か らもっ と良い仕事をやろ うとい う意欲を持ち, したが って もっと品質 の良い組立てをしようと思 う。 しか し,複 雑な製品では,こ の よ うな ことが いつ も可能だ とはか ぎらない。生産 のス ター トのころは通常,不 合格品はかな りの数 にな り,発 見された場所 の近 くで熟練 した修 理工が修理す るほ うが望 ましい.不 合格を引き起 こした と思われる作業員に製品を返 した な らば,作 業員 の部署 と検査 ステーシ ョンの間で どんな作業 がなされたかがわか らないの で,作 業員は完全 に困惑す るであろ う。そ して,製 品の彼の部分を修正 しよ うとして, 自 分 の まちがい よりもさらに重大な他の まちがいを犯す ことさえあるか もしれない.そ の う え,作 業員 に よる修理 には相当の時間がかかる。不合格品が多 い ときは,ラ イ ンの作業を 混舌しさせる ことな しには,そ の ような時間は とてもえられない . この ような 2種 の実際的な障害 のほかに,不 良の発見 された項 目を作業 した作業員が, その不良に対 してほん とうは責任がない とい う可能性 も十分あ りうる。不良は作業員 に責 任があ るのでな く,経 営者 に責任があ るのか もしれない。あ るいはまた,最 初 の作業員 と 検査 ステーシ ョンの間の別 の作業員に よって引き起 こされた ものか もしれない.真 の責任 の所在は, さんざん調査を したあ とでや っとわかる とい うことが ときどきある.こ んな場 合 には,修 理 ステーシ ョンをで きるだけ検査 ステーシ ョンに近 く設置 し,経 験豊 か な修理 工を配置す るほ うがはるかに よい.カ ロ エ の誤 りであ るか,ま たは設計 ミスであ るかについ ては,調 査分析 され,誤 りが 明らかにな り,訂 正 されるようにしなければな らない。 これ 工256 らの どの ケー スにお いて も,不 合格品を作業員 に返 送す る こ とは意味 がない。 そ の作業員 は ,不 良 につ いては責任 が な いので あ る。 ・ しか しなが ら,修 理 ス テ ーシ ョンに関連 して強調 しておか なければ な らな い こ とは,修 理 ステ ーシ ョンを しっか りと監視 しておか な い と,(検 査 ス テ ー シ ョン と同 じ よ うに)社 内 に定着 して根 が生 えた よ うにな る き らいがあ る こ とで あ る。 修理 工は ,す べ ての修 理 の必 要 な ものにつ いて報 告す る よ うにす べ きで あ る.こ の情報 を検査 デ ータ とともに利用 し , 修 正方 法を確 立す るのに利用す べ きで あ る . 11.品 質 監 査 チ ェック検査 (check inspec■ on)と 品質監査 (quality audit)の 原則 (第 I巻 第12章 参照) は,組 立活動 に も完全 に適用で きる。製品の知識が あ り,品 質標準 につ いて詳 し く検査 と 試験 の手llliを 熟知 し,消 費者 に よる製品の使われ方に詳 しい人 々に よって,製 品のサ ンプ ルに対 して絶 えず,そ して批判的な検討 が加え られなければな らない。収集 された データ は,環 境上 お よび生産上 の寿命試験 に関す るデータ と結合され,出 荷製品,品 質管理手 lllfi お よび要員な どを評価するのに利用 されなければな らな い . 品質監査を拡張 して,検 査 システ ムやそのシステムに対す る適合 の度合 いにつ いて審査 す るようにしてもよtヽ であろ う(第 I巻 第12章 11参 照). 12。 現 地 報 告 出荷 され て役にたつ ところでの一一 つ ま り顧客の手に渡 ってか らの一一 品質を測定す る 方法 も確立 しておかなければな らない。使用中の事故 のために,必 要な費用が工場 での検 出と修理 の費用 の数倍 にもなるような場合に, とくに このこ とがいえる.そ うして,現 地 故障率 (■ eld― failure rate)お よびその コス トがわか り,総 合品質原価 (total quality costs) の低減 に結び付 くようにな らなければな らない。顧客 に直接納入 される直売製品 (prOpri‐ etary product)の 場合は,現 地 での修理 の頻度 とコス ト,異 なる品種 につ いての故障率 , よ く起 こる不良の種類,設 計や製造手llFの 変更 の影響などを調べ るために,報 告 システ ム が確立 される。製品が納入に先だ ってサ ー ビス・ セ ンターで最初 に “ 検査 される"よ うな ときは,発 生 した不良につ いて,つ いで現地サー ビスのみ な らず検査・ 修理 の費用 につ い て も,報 告書が蓄積 される.こ の場合,適 切な作業指示 と製品仕様 が現地要員 に与 え られ ていて,か つ守 られているこ とを確認す るために, どんな検査方法が とられているかを分