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第2講 小さなまちのプロモーション戦略 ∼映画づくりに

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第2講 小さなまちのプロモーション戦略 ∼映画づくりに
 2 0 1 0 年 8 月 2 7 日( 金 ) ∼ 2 9 日( 日 )
第2講
小さなまちのプロモーション戦略
∼映画づくりになぞらえるまちづくりの方法論∼
スライドショー映画発表会(スタービーチ)
2 0 1 0 年 8 月 2 7 日 か ら 2 9 日 ま で の 3 日 間 、 昔 な が ら の 町 並 み が 残 る 福 津 市 の 奥 座 敷 、 津 屋 崎 千 軒 を 舞 台 に「 新 し い ま ち づ く り の 学 校 」
第 2 講 が 開 催 さ れ ま し た 。 テ ー マ は「 ち い さ な ま ち の プ ロ モ ー シ ョ ン 戦 略 」。 地 域 ブ ラ ン ド づ く り 、 ま ち の 認 知 度 ア ッ プ が プ ロ モ ー
シ ョ ン の 目 的 と さ れ る ま ち づ く り の 現 状 へ の 疑 問 が 出 発 点 で す 。 そ こ か ら「 映 画 づ く り 」 を 手 が か り に 、 ま ち を 伝 え る こ と の 意 味
を考えました。
映画を語るにはまず作ってから。参加者は津屋崎のまちの人たちを取材、スライドショー映画づくりに挑戦しました。そして話題
提供者の磯見俊裕氏による映画美術の話を通して、映画づくりから見えるまちづくりのエッセンスを話し合いました。
概要
津屋崎千軒まちごとキャンパス
日程:2010 年 8 月 27 日 ( 金 ) ∼ 29 日 ( 日 )
会場:福岡県福津市 津屋崎千軒一帯(まちごとキャンパス)
テーマ:「小さなまちのプロモーション戦略」
キーワード:「映画づくりになぞらえるまちづくりの方法論」
参加者:受講者 11 名、応援・協力者 5 名、地元協力者 11名
事業主体:NPO 法人地域交流センター
後 援:鹿児島県日置市、佐賀県小城市、福岡県大刀洗町
福岡県志免町、島根県海士町、福岡県田川市
佐賀県武雄市、長崎県対馬市 協 力:NPO 法人ローカルアントレプレナースクール
江戸時代より塩田と海運で栄え、今も昔懐かしい町並みが残る「津屋崎
千軒」地区。新しいまちづくりの学校の期間中は、まち全体が学びの場
=キャンパスになりました。
プログラム:
8/27 ∼素振りをしてから野球を語れ∼
13:00 開講式
14:00 津屋崎まち・ひと取材
16:30 取材報告会
20:00 LANDSHIP CAFE にて懇親会
8/28 ∼まちのストーリーづくり∼
9:00 スライドショー映画づくり
14:00 作品発表会
15:00 磯見俊裕氏との対話
19:00 地域交流センター津屋崎ブランチにて夕食会
Cafe and Gallery
古小路
津屋崎千軒古民家
スタービーチ
8/29 ∼わがまちのオススメプロモーション術∼
8:30 サイレントワーク
10:00 自由会議(オープン・スペース・テクノロジー)
14:00 全体会と振り返りの時間
15:00 終講式
NPO法人地域交流センター
〒811-3304 福 岡 県 福 津 市 津 屋 崎 4 − 1 5 − 1 7
Email : [email protected] h t t p : / / 1 0 0 0 g e n . c o m
新しいまちづくりの学校 公式ホームページ
福津市まちおこしセンター
津屋崎千軒 なごみ
NPO 法人地域交流センター
津屋崎ブランチ
映画美術は本物のようなニセモノをつくる。
まちづくりはウソのような本物をつくる。
1日目
1 日目は津屋崎千軒のまちへ出て、取材の中
からテーマを見つけることに取り組みまし
た。まずはまちの人にアポイントをとり、
一対一の取材を行いました。心がけたのは
「透明に聞く」こと。先入観を持たず、批評
をせず、ありのままを聞くことに集中しま
した。幼い頃の遊び場が案内されたり、ま
ちの祭のことが話されたり、まちへの思い
が語られたり、さまざまな取材が行われま
した。
取材後の報告会では、心に残った一言、印
象に残った言葉を発表しあいました。「津屋
崎の人は一番には出たがらないね、それが
良いところでもあり、困ったところでもあ
る」。まちの人の口ぶり、身振り、トーンそ
のままを再現すると、取材した人の向こう
にまちの現実が浮かび上がり、その人のテー
マとなっていきました。報告会語、それぞ
れのテーマが「呼びあう」人たちでグルー
プをつくり、この日のプログラムが終了し
ました。
協力者紹介
話題提供
2日目
3日目
前日浮かびあがったテーマを元に、スライ
ドショー映画づくりに挑戦しました。グルー
プで合作するかそれぞれが作品をつくるか
はグループの自由です。ディスカッション
を繰り返すグループ、津屋崎千軒に追加取
材に出かけるグループ。テーマをシナリオ
に落とし込むための自由で活発な時間が流
れました。
3 日目朝は一人になる時間から。静かに津
屋崎の海岸を散歩しながら、3 日間を見つ
めました。その次は「OST(自由会議)」
と呼ばれる話し合い。参加者がテーマを出
し、関心ある人が集まり話し合いを進めま
す。「お金と時間」「ゆとり」「この 3 日間で
感じたこと」
「透明になって過ごす」
「距離(時
間)とお金」「普通って何だろう?」「抵抗
することを諦める」。多様なテーマが飛び交
いました。
午後は映画美術監督の磯見俊裕さんを迎え、
作品発表会を行いました。取材した人を登
場させたもの、まちの印象を形にしたもの、
さまざまな作品が流され、そこに磯見さん
が映画美術の立場からコメントを加えてい
きました。発表の後は映画づくりの話へ広
がりました。「映画づくりの文法が全く違う
外国人監督と仕事をする中で、自分の「普通」
や「常識」が見直された」など多くの示唆
に富む話がされました。
プログラム終了後、地域交流センター津屋崎
ブランチの事務所にて、地元のお母さんたち
が作った料理を囲んだ夕食会が行われました。
最後は車座になり、全体の総括が行われま
した。まちづくりと映画づくりの比較の中
で「映画美術は本物のようなニセモノをつ
くる」という磯見さんの話に対し、ウソの
ような本物の物語をつくるのがまちの魅力
の伝え方だと議論されました。
またプロモーションの観点からは、情報を
広げる「コネクター」という役割の概念が
提示されました。また二人一組になり、こ
の 3 日間の学びをインタビューしあうとい
うユニークな振り返りも行われました。
参加者の声 ( ペア・インタビューより)
磯見 俊裕氏
●1 日目は意図が分からず、素振りは大空振り。いつもの研修では答えが用意されていたから。
株式会社トランスフォーマー 取締役副社長
東京藝術大学大学院映像研究科 教授
2 日目から自分で考えるようになりました。結局津屋崎の良いところ探しは自分のまちの良いとこ
コメンテーター
田村 馨氏
福岡大学商学部 教授
新しいまちづくりの学校 立ち上げ有志
下津 公一郎氏
NPO 法人エコリンク・アソシエーション代表理事
1日目取材協力者
安部 文範さん 上田 千栄子さん 梶原 龍生さん 萱田 香さん
河野 正弘さん 西野 正行さん 花田 武士さん 秦 暁子さん
橋本 定雄さん マクティア・トラビスさん (五十音順)
ろ探しだと気が付きました。 (大刀洗町 女性)
●思いが形になっていく、本当に映画のような 3 日間でした。学んだ言葉は、
「コネクター」、
「場をつくる」、
「物語にしてみる」。この 3 日間がストーリーそのものでした。(福岡市 男性)
●今まで抱えていたモヤモヤ何なのか、ちゃんと知りたくて参加しました。分らない事をずっと考
えるのは苦しかったけど、今は難関を突破したような感覚です。苦手なことをよくやった!
(福津市 女性)
●こだわって作った映画セットを潔く壊した、磯見さんの話に感銘を受けました。まちづく ;
りをする自分にはこの潔さがあるのか、自問せずにいられませんでした。 (宇城市 女性)
事業主体:NPO 法人地域交流センター津屋崎ブランチ 山口覚 木村航 都郷なび 坂田聖子
協 力:NPO 法人ローカルアントレプレナースクール 田坂逸朗 峰雅紀
*本事業は福津市の「津屋崎千軒を核とした移住・交流ビジネス化業務」の一環として開催しています。
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