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イノベーション創出若手研究人材養成 事後評価

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イノベーション創出若手研究人材養成 事後評価
イノベーション創出若手研究人材養成 事後評価
「北大パイオニア人材協働育成システムの構築」
機関名:国立大学法人 北海道大学
総括責任者:総長 山口 佳三
実施期間:平成 21 年度~平成 25 年度
1
目次
Ⅰ.計画の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
11.計画の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
22.採択時コメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
33.中間評価コメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
Ⅱ.所要経費 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
Ⅲ.これまでの取組状況(実施内容・成果)の概要
1.総括 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
2.本課題に関係する、機関の概要および考慮すべき事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
3.所期の目標(計画・ミッションステートメント)、中間評価コメントへの対応と達成状況
(1)採択時コメント、中間評価コメント等への対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
(2)所期の目標(計画・ミッションステートメント、採択時コメント)、
中間評価コメントの達成状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
(3) 所期の目標(計画・ミッションステートメント等)、中間評価コメントどおりに
進捗しなかった事項への対処と実績 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
IV.本課題の成果
1.イノベーション人材養成システム改革状況
(1)システムの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)システムの構築・改革状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)構築したシステムの位置づけ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(4)企業等と連携する仕組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(5)システム改革の成果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2. 実践プログラムの開発・運用状況
(1)実践プログラムの内容(機関が主体となって行った取組) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)企業等における長期取組プログラム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)機関が主体となって行った取組 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(4)若手研究人材の公募・選抜方法と応募、採用結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(5)若手研究人材の評価と養成の成果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.実施体制
(1)センターの構築 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)機関の実施体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)他機関との連携状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4.意識改革状況と具体的行動等の変化
(1)機関、執行部の若手研究人材養成への組織としての取組、意識改革 ・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)研究科 (教育方針、カリキュラム等) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)若手研究人材についての教員・PI 等の意識の変化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(4)若手研究人材の意識改革 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(5)若手研究人材についての企業の意識の変化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(6)人材養成の効果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(7)他機関(大学・研究所、自治体等)、社会への波及効果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.博士人材教育研究システム、キャリア支援システムの機関全体への展開
(1)全学教育研究方針への反映 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)システムの全学への展開 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)システムの各部局への展開 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
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V.自己評価及び外部からの評価
1.目標達成度 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
2.イノベーション人材養成システム改革状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
3. 実践プログラムの開発・運用状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
4.実施体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
5.機関として特筆すべき成果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
6.実践プログラム成果に対する外部からの評価(養成対象者、教職員、企業等、
外部評価委員会、地方自治体、マスコミ等による評価) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38
VI. 実施期間終了後における取組の継続性・発展性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
1.平成 26 年度の継続策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
(1)実施期間終了後における若手博士人材養成システム、実施体制
(支援室体制、人員等)および資金計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
(2)取組の継続性を確保するための機関・組織の長のコミットメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
(3)取組の継続状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
2.中長期的計画(平成 27 年度以降) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40
VII. 本事業の実施を踏まえての今後の博士人材養成に対する提案等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41
VIII.付録(参考図表、調査資料等) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
表 1. 取組の実施状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
表 2. セミナー等実施状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
表 3.報道回数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
表 4.センター構築 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
表 5.養成者数の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
表 6.養成修了者の進路 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
表 7. 養成者の属性情報 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
表 8. 連携機関数及び長期取組受入企業等数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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表 9. 事業の取組から単位化されたカリキュラム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57
表 10. インターンシップ受入れ機関名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
58
表 11. Hi-System 登録企業数・登録者数の変遷 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59
表 12. Hi-System 登録者数の内訳(平成 25 年度末) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59
表 13. 北海道大学全博士課程修了者の就職率の変化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
59
表 14. キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)の受講者推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60
表 15. 緑の会への参加者 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
60
表 16. 平成 21 年度~平成 25 年度博士取得者のインターンシップ後の就職(率) ・・・・・・・・・・・・ 60
表 17. 育成対象者が就職後 HoP-Station イベントへ企業人として参加した実績 ・・・・・・・・・・・・・・ 61
表 18. インターンシップ参加者数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61
表 19. プロジェクト終了後の予算 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61
図 1~12. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61~65
資料 1. インターンシップ事業に関する覚書(案) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 66
資料 2. インターンシップ誓約書(案) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67
3
Ⅰ.計画の内容
■プログラム名:イノベーション創出若手研究人材養成
■課題名:北大パイオニア人材協働育成システムの構築
■機関名:国立大学法人 北海道大学
■代表者名(役職):山口 佳三(総長)
■実施期間:5 年間
■実施経費:5 年目までの総額 280.8 百万円(間接経費込み、システム改革促進費込み)
1.計画の概要
機関の現状
本学では、博士課程を含む若手研究者キャリアパスの構築を「社会ニーズにマッチした創造的な大学
院教育の推進」「アカデミアにおける若手研究者の人材養成」「若手研究者が企業等産業界で活躍する
ためのキャリアパス構築の総合支援」の3つの観点から進めている。しかし、これら若手人材をいかに多様
な社会に送り出し活躍させるかは依然として大きな課題である。
そこで、これまで文部科学省委託事業「科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業」等により問
題点の抽出や効果的な具体策の検討を進めてきた。今後、これらの成果を踏まえ、若手研究人材が異分
野で能力を発揮する経験と自信を得るための人材育成システム構築を、一層進める必要がある。
イノベーション人材養成システムの概要
多くの有能な若手博士人材が産業界へ進出する好循環を作り出すためには、国内外の企業における
インターンシップ(他流試合)を中心とする実地型の育成プログラム(実践プログラム)の実施が効果的と
考える。
本事業では、多様な人材育成事業と連携しつつ自然科学系を中心とした博士人材(博士研究者(PD)
および博士課程学生(Dc))を対象に受講生の募集を行う。能力適性選抜後、プログラム採用者には賃金
やプログラム参加費等の支援を行い、パイオニア実践プログラム(北大諮問連携企業群等での長期イン
ターンシップ及びキャリア形成活動)への参加を義務付けることで、若手人材と産業界の相互理解を促し
つつ個々の能力を社会の多様な活動に結びつける能力と自信をもった博士人材を養成する。本事業は、
北海道大学が中心となり、地域大学(室蘭工業大学・北見工業大学・帯広畜産大学)および企業と協働し
て推進することで産業界のニーズを十分反映させるとともに大学と企業の相互理解を促進しつつ地域に
展開する。「北大パイオニア人材育成ステーション」を新たに設置した北大人材育成本部(H21,4月設
置)内に置き、知財・産学連携本部とも連携して本事業を推進する。人材育成本部は、学内の各種人材
育成事業を統括・推進・支援する組織であり、本学独自のより一貫した人材育成システムを構築するなか
で、企業等と協働して開発する実践プログラムの既存教育カリキュラムへの導入を推進するとともに、本事
業終了後も実践プログラムの導入・実施をサポートする体制を確立する。
ミッションステートメントの概要
1.3年目における具体的な目標
(1) 長期インターンシップを含むパイオニア実践プログラムの構築と実施体制の構築
(2) プログラム養成者総数30名以上
(3) プログラムで養成した博士取得者の40%を産業界に輩出
(4) パイオニア人材協働育成推進委員会(協育推進委員会)の設置
(5) 北大パイオニア人材育成ステーション(HoPS)の設置
2.実施期間終了時における具体的な目標
(1) プログラム養成者総数60名以上
(2) プログラムで養成した博士取得者の40%を産業界に輩出
(3) 大学院博士課程への導入・定着可能な育成プログラムの確立
(4) 本事業終了後の協働育成システム継続のための具体策確立
4
5
ミッションステートメント
○提案課題名
○総括責任者名
○提案機関名
(実施予定期間:
「 北大パイオニア人材協働育成システムの構築
「
佐伯
浩
「
北海道大学
平成21年度~平成25年度)
」
」
」
(1)イノベーション人材養成システムの概要
本事業では、多様な人材育成事業と連携しつつ自然科学系を中心とした博士人材
(博士研究者(PD)および博士課程学生(Dc))を対象に受講生の募集を行う。能力適
性選抜後、プログラム採用者には賃金やプログラム参加費等の支援を行い、パイオ
ニア実践プログラム(北大諮問連携企業群等への長期インターンシップ及びキャリ
ア形成活動)への参加を義務付けることで、若手人材と産業界の相互理解を促しつ
つ個々の能力を社会の多様な活動に結びつける能力と自信をもった博士人材を養成
する。本事業は北海道大学が中心となり、地域大学(室蘭工業大学・北見工業大学・
帯広畜産大学)および企業と協働して推進する(本事業推進のヘッドクオーターで
ある「協育推進委員会」は参画企業委員と大学教員が協働運営する)ことで産業界
のニーズを十分反映させるとともに大学と企業の相互理解を促進しつつ地域に展開
する。運営組織として「北大パイオニア人材育成ステーション:HoPS」を人材育成
本部(仮称)内に設置し、産学連携本部とも連携して事業を推進する。人材育成本
部は、学内の各種人材育成事業を統括・推進・支援する組織として新たに設置され
るものであり、本学独自のより一貫した人材育成システムを構築するなかで、企業
等と協働して開発する実践プログラムの既存教育カリキュラムへの導入を推進する
とともに、本事業終了後も実践プログラムの導入・実施をサポートする体制を確立
する。
(2)3年目における具体的な目標
・人材養成対象者の養成期間、到達レベル、養成人数、産業界への輩出人数等、中
間時(3年目終了時)の具体的な達成目標について記述してください。
1) プログラム養成者総数30名以上
2) プログラムで養成した博士取得者の40%が産業界でテニュア取得
養成対象者
養成期間
(ヶ月)
3年目
博士後期課程
在籍者
到達レベル
養成人数
産業界への
輩出人数
博士課程への実 産学協働で PDCA サイ 実践プロクラム経 カウンセリングや
践プログラムの クルを回しつつ、実効 験者によるフィー 企業とのマッチン
導入や人材育成 性 のある 実践プロ グ ドバック活動や博 グ 活 動 等 を 推 進
本部との連携等 ラムを開発し、養成対 士課程への実践プ し、養成した博士
により教員・学 象 者はこ れを遂行 す ログラムの導入な 取得者の40%以
生の意識改革を ることで、自身のキャ どにより、意欲有 上を産業界に輩出
進め、3ヶ月か リ アパス を産業界 な る人材の応募を促 する。
ら12ヶ月の養 ど 幅広い 視野で設 計 し、優秀な人材を
成期間を確保す できるようになる。 選抜のうえ20名
る。
以上を養成する。
6
ポストドクター等 プログラム採用 産学協働で PDCA サイ 実践プロクラム経 カウンセリングや
者には賃金やプ クルを回しつつ、実効 験者によるフィー 企業とのマッチン
ログラム参加費 性 のある 実践プロ グ ドバック活動の充 グ活動を推進し、
等 の 支 援 を 行 ラムを開発し、養成対 実やポスドク人材 養成した博士取得
い、北大諮問連 象者は、これを遂行す を雇用する他のプ 者の40%以上を
携企業や北大産 る ことで 異分野で 能 ログラム等と連携 産 業 界 に 輩 出 す
学連携本部等と 力 を発揮 する経験 と し、雇用が終了す る。
緊密に連携しつ 自信を得る。また、産 るポスドク人材か
つ、3ヶ月から 業 界など 幅広い実 社 ら意欲有る育成対
12ヶ月の養成 会 で価値 創造に挑 戦 象者を募る等の方
期 間 を 確 保 す する意欲を持つ。
策により、優秀な
る。
人材を選抜のうえ
10名以上を養成
する。
・実践プログラムの内容
1) 博士力実践長期(3カ月以上)インターンシップ
北大諮問連携企業や北大産学連携本部等と連携しつつ、プログラム採用者に国
内外の企業等で専門領域以外の内容を含む実務経験を積ませる。特に本事業のヘ
ッドクオーターである「協育推進委員会」に参画する「参画企業」には、優先的
にインターンシップ採用者を送り込み、産学協働でインターンシップの実効性を
一層高めるうえでの問題点の抽出を図りつつ、企業側の受け入れ体制の整備を進
める。
2) キャリア形成パートナーシップ
マネージメント能力の向上や知財感覚の向上等を目的としたプレゼンテーショ
ントレーニングや知財コーディネーター実践プログラム(博士実践力の展開)、企
業とのマッチングや人脈形成などを目的とするカウンセリングや「緑の会」(キャ
リアパス活動)
、そして意識改革や波及効果を狙ったプログラム経験報告会など(フ
ィードバック活動)を、学内メンター(教員)の支援のもと、北大人材育成本部等
と連携しつつ行う。
・中間報告時までに構築する人材養成システムの内容
1) パイオニア人材協働育成推進委員会(協育推進委員会)の設置
2) 北大パイオニア人材育成ステーション(HoPS)の設置
3) 3年目までのシステム構築概要
北海道大学では、博士後期課程以降、産業界もしくは学界におけるテニュア職につく
までを統合テニュアトラックゾーンと位置付け、博士課程を含む若手研究者の育成を①
社会ニーズにマッチした創造的な大学院教育の推進、②アカデミアにおける若手研究
者の人材養成、③若手研究者の企業等産業界での活躍のためのキャリアパス構築の総
合支援、の3つの観点から、人材育成プログラムと競争的外部資金を有機的に組み合わ
せて推進している。本事業は、振興調整費により①および③に関するシステム構築を行
うものである。また、H21 年度に本学独自経費によりこれら人材育成事業を統括・支援す
る組織である「北大人材育成本部」を新たに設置し、各人材育成事業を有機的に連携さ
せながら効率的に人材育成プログラムを全学展開するための体制作りを進める。本イノ
ベーション人材創出事業では、運営組織である「北大パイオニア人材育成ステーション
(HoPS)」を「北大人材育成本部」内に設置し、企業委員を含む「協育推進委員会」の指
針にもとづき、総合テニュアトラックゾーンにおける産業界へのキャリアパス構築を全学に
向けて具体化する。そして、産業界で活躍する人材を育成するための実践プログラムを1
つ以上の大学院専攻において博士後期課程のカリキュラムとして導入する。
7
(3)実施期間終了時における具体的な目標
・人材養成対象者の養成期間、到達レベル、養成人数、産業界への輩出人数等、
終了時(5年目)の具体的な達成目標について記述してください。
1) プログラム養成者総数60名以上
2) プログラムで養成した博士取得者の40%が産業界でテニュア取得
養成対象者
養成期間
(ヶ月)
終了時
博士後期課程
在籍者
ポストドクター等
到達レベル
養成人数
産業界への
輩出人数
博士課程への実 産学協働で PDCA サイ 実践プロクラム経 カウンセリングや
践プログラムの クルを回しつつ、実効 験者によるフィー 企業とのマッチン
導入や人材育成 性 があり定 着可能 な ドバック活動や博 グ 活 動 等 を 推 進
本部との連携等 実 践プログ ラムの 開 士課程への実践プ し、養成した博士
により教員・学 発が進み、養成対象者 ログラムの導入な 取得者の40%以
生の意識改革が は これを遂 行する こ どにより、意欲有 上を産業界に輩出
進み、3ヶ月か とで、自身のキャリア る人材の応募を促 する。
ら12ヶ月を基 パ スを産業 界など 幅 し、優秀な人材を
準とした実効性 広 い視野で 設計で き 選抜のうえ40名
があり定着可能 るようになる。
以上を養成する。
な養成期間が明
確となる。
3ヶ月から12 産学協働で PDCA サイ 実践プロクラム経 カウンセリングや
ヶ月を基準とし クルを回しつつ、実効 験者によるフィー 企業とのマッチン
た実効性があり 性 があり定 着可能 な ドバック活動の充 グ 活 動 等 を 推 進
定着可能な養成 実 践プログ ラムの 開 実やポスドク人材 し、養成した博士
期間が明確とな 発が進み、養成対象者 を雇用する他のプ 取得者の40%以
る。
は、これを遂行するこ ログラム等と連携 上を産業界に輩出
と で異分野 で能力 を し、雇用が終了す する。
発 揮する経 験と自 信 るポスドク人材か
を得る。また、産業界 ら意欲有る育成対
な ど幅広い 実社会 で 象者を募る等の方
価 値創造に 挑戦す る 策により、優秀な
意欲を持つ。
人材を選抜のうえ
20名以上を養成
する。
・実践プログラムの内容
1) 博士力実践長期(3カ月以上)インターンシップ
北大諮問連携企業や北大産学連携本部等と連携しつつ、プログラム採用者に国
内外の企業等で専門領域以外の内容を含む実務経験を積ませる。特に本事業のヘ
ッドクオーターである「協育推進委員会」に参画する「参画企業」には、優先的
にインターンシップ採用者を送り込み、産学協働でインターンシップの実効性を
一層高めるうえでの問題点の抽出を図りつつ、企業側の受け入れ体制の整備を進
める。
2) キャリア形成パートナーシップ:
マネージメント能力の向上や知財感覚の向上等を目的としたプレゼンテーショ
ントレーニングや知財コーディネーター実践プログラム(博士実践力の展開)や企
業とのマッチングや人脈形成などを目的とするカウンセリングや「緑の会」(キャ
リアパス活動)
、そして意識改革や波及効果を狙ったプログラム経験報告会など(フ
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ィードバック活動)を、学内メンター(教員)の支援のもと、北大人材育成本部等
と連携しつつ行う。
・終了時までに構築する人材養成システムの内容
1) 大学院博士課程への導入・定着可能な育成プログラムの確立
2) 本事業終了後の大学経費への移行のための具体策確立
3) 実施期間終了時のシステム構築概要
期間中に産学協働で PDCA サイクルを回し、育成プログラムを開発すことにより、
事業実施期間終了時には博士課程に定着可能な育成プログラムが創出され、その
結果、理学部以外の博士課程においても実践プログラムが導入される。また、
「北
大人材育成本部」においては、既存の多様な人材育成プログラムを統括し、有機
的に連携させつつ、そこで開発されたノウハウを蓄積して行くシステムが完成す
る。これと連動して、本事業で構築する「産業界で活躍する人材の育成システム」を
事業終了後も維持するための具体策が確立するとともに、連携大学が北大に蓄積する
本事業の資産を今後も利用できる仕組みが完成する。
(4)実施期間終了後の取組
平成21年4月に設置される「北大人材育成本部(仮称)」を本学の人材育成事業
における one-stop 機能を持った中核組織として位置づけ、「北大パイオニア人材育
成ステーション(HoPS)」の機能を事業期間後も維持し、地域および産業界との連携
の中で多様な実践プログラムを本学の教育カリキュラムの中に展開するための体制
へと発展させる。
(5)期待される波及効果
実践的人材育成プログラムを大学と企業等が協働して作成・実施することで、大学
と企業等に協働して若手人材を育成する体制が醸造される。また、本事業により開発
されるプログラムの既存教育カリキュラムへの組み込み(博士課程におけるインター
ンシップの単位化など)が進み、本学の「産業界へのキャリアパス」に対する姿勢が
より明確になることで、学生および教員の意識改革が促進される。他の人材育成事業
と緊密に連携して本事業を推進することで、多様な人材育成事業で養成される博士人
材の産業界への進出が促進される。さらに、連携大学間において人材育成に関する共
通認識の構築が進み、いっそう広範囲での連携や相互補完が促されるとともに、受講
生のフィードバック活動により、各大学における多様な人材へ本事業内容が波及する
事が期待できる。
9
2.採択時コメント
人材育成本部の下、全学的に取り組む姿勢が明確であり、既存のプログラムとの連携・シナジーが期
待でき、地域の大学との連携も期待できると評価された。
ただし計画の実施にあたり、ミッションステートメントに計画の着実な実施を明記するとともに、育成プロ
グラムの内容を明確にし、他大学との連携を見える形にすること。また、インターンシップ時の企業との契
約においては、知的財産、守秘義務、報酬等を事前に明確にして提案課題を実施して頂きたい。
さらに、本プログラムの実施期間内に大学の特色を生かしたプログラムを作成するとともに、自立化方策
を検討し、プログラム終了後も継続できるモデルケースとして頂きたい。
3.中間評価コメント
評価コメント
年次ごとの明確な目標設定の下で、実践の結果を分析しフィードバックしてプログラムを着実に効果的
に展開している。プログラム養成者数も目標値を超えており、高く評価できる。開拓した連携企業数も急
増し、企業、若手人材、教員の出会いの場を通して意識改革を進めつつマッチングを図っており、高く評
価できる。実践プログラムの正規カリキュラム化や、北海道内の大学との連携も進んでおり、今後は海外
への展開についても期待する。
・進捗状況:ライフサイエンス関係人材を中心に養成を行っているが、養成者数は目標値を超えるとともに、
就職率もほぼ 100%と良好な結果を達成している。実践プログラムを単位化し、学内の改革に結びつけ
ているなど、高く評価できる。
・イノベーション人材養成システム改革状況:全学組織として人材育成本部を創設、本事業の実施主体と
してパイオニア人材育成ステーションを設置し、効果的に本事業を実施している。 プログラムの一部を
カリキュラム化し、大学院教育改革へのつながりも見られる。企業や北海道内の大学との連携も順調に
進めており、高く評価できる。
・実践プログラムの開発・運用状況:産業界との交流を通じて実践プログラムが展開されているが、産業界
が単なる外部意見者としてだけではなく、人材養成プログラムの運営に直接コミットできる体制整備を期
待する。「緑の会」などを通して企業とのネットワークを構築し、長期取組、共同研究のインフラとして整
備・発展させているが、更に国際的展開に努めることを期待する。
・実施体制:企業、連携大学が参加する推進委員会、企業 10 社から成る「幕見の会」を設置し、産業界
の意見を反映する取組が行われており評価できる。インターネットを通じた学生と企業との参画の場も構
築され、若手人材と企業とのコンタクトに有効に利用されている。
・今後の進め方:事業終了後の継続を担保する手立てとして、年間5千万円の自主経費を投入するなど、
取組姿勢は高く評価できる。Hi-System の活用、全学的な展開も含め、更なる発展を期待する。
総合評価
進捗状況
S
s
イノベーショ
実践プログラ
ン人材養成シ
ムの開発・運用
ステム改革状
状況
況
s
a
実施体制
今後の進め方
a
s
総合評価:S(所期の計画を超えた取組が行われている)
注:採択条件においてミッションステートメントの変更を要求された課題について、1.は対応後のミッション
ステートメントです。
10
Ⅱ.所要経費 (補助対象経費(直接経費、間接経費(システム改革促進費))、自己資金)
(単位:百万円)
補助対象経費
21 年度
22 年度
23 年度
24 年度
25 年度
備考
1.人件費
(1)特任教授
5.6
13.6
13.3
13.4
13.4
(1 名)
(1 名)
(1 名)
(1 名)
(1 名)
1
13.5
20.9
8.6
(1 名)
(5 名)
(9 名)
(5 名)
0.6
6.6
3.0
1.7
(1 名)
(7 名)
(4 名)
(2 名)
1.9
3.3
6.4
7.0
7.0
(1 名)
(1 名)
(2 名)
(2 名)
(2 名)
1.0
1.7
0.9
2.5
8.1
養成対象者分
0.2
6.4
4.8
2.8
5.3
その他
3.7
5.9
5.2
6.8
7.4
養成対象者分
1.1
1.4
0.9
0
1.4
その他
1.1
0.9
1.2
1.2
2.5
0
0
0
0
0.4
0.2
0.3
0.3
0.2
0.3 講演・講義
(6)会議開催費
0
0.5
0.3
0.6
0.8 会場設営(「緑の会」)
(7)通信運搬費
0
0
0.2
0.1
0.2
(8)印刷製本費
0.4
0.4
0.6
1.1
1.4 パンフレット・ポスター
(2)博士研究員
(3)学術研究員
(4)事務補佐員
6.5 養成対象者
(4 名) (博士号取得者)
6.8 養成対象者
(9 名) (博士課程学生)
2.業務実施費
(1)消耗品費
(2)国内旅費
(3)外国旅費
(4)外国人招へい費
(5)諸謝金
(9)借損料
0
0.1
0.1
0.1
0.1 PC リース
3.9
3.2
5.3
2.7
3.0 委託
0
0
0
1.9
6.3
17.3
0
0
0
27.1
75.1
63.4
50.8
64.4
27.1
75.1
63.4
50.8
64.4
0
0
0
0
0
1.人件費
22.7
30.1
38.5
35.9
35.5
2.業務実施費
11.4
23.0
39.8
21.4
18.7
34.1
53.1
78.3
57.3
54.2
(10)雑役務費
3.設備備品費
(1)授業用設備
4.間接経費
総計
うち補助金計
うち自己資金計
0 中継設備、ビデオ機器
補助対象外経費
(人材育成本部事業費)
総計
11
※「補助対象外経費」とは補助対象とはならないが、機関が課題実施のために使用した経費(他の競争
的資金等を財源とする経費及び土地、建物にかかる経費等)
注 1) 人件費は、補助金により人件費を支出している者を職階(教授、准教授、特別研究員、特別研究生、
研究補助員等)により分け、年度毎に従事人数および従事内容とともに記入して下さい。
2) 補助対象外経費については、事業の全体像を示すために必要な取組について、取組毎に項目を立
てて記入して下さい。
3) 平成21年度~24年度は決算額、25年度は執行額を記入して下さい(提案書の計画を変更している場
合は、その旨明記して下さい)。
12
Ⅲ.これまでの取組状況(実施内容・成果)の概要
1.総括
(1)概要
「北大パイオニア人材協働育成システムの構築」(本プロジェクトという)の目的は、「自らの夢を実現す
る人材」、すなわち多様な社会で活躍しイノベーションを起こす気概と能力を持った人材を養成することで
ある。
初年度、「人材育成本部」を総長の下に設置し、本プロジェクトを推進する拠点として「北大パイオニア
人材育成ステーション(以下 HoP-Station と略す)」を開設し、審議機能として、「パイオニア人材協働育成
推進委員会」(以下「協働育成推進委員会」と略す)を設置した。HoP-Station を中心として連携 3 大学
(北見工業大学、帯広畜産大学、室蘭工業大学)と共に本プロジェクトの実施体制を構築し、連携企業と
協働して独自の実践プログラムを策定し人材育成システムの基盤を構築した。(図 1. 「組織」を参照)
図 1. 組織
(2)大学院教育システム改革
個々の実践プログラムを運用して DC/PD の育成を行うなかで、各々の実践プログラムを全大学院共通
のカリキュラム化・単位化を進めると同時に、部局の必修科目・選択科目への導入を進めた。また、外部
評価を得る仕組みとして、企業 10 社からなる「幕見の会」を年 1 回開催し、企業の意見を取入れて PDCA
を行いつつ深化させた。
本学および連携 3 大学において、本実践プログラムの大学院教育カリキュラム化を鋭意推進・改良し、
教育システムの構築は 1 年前倒しの 4 年度目で完成させた。5 年度目(最終年度)は、本補助金終了後
の独自資金による実施と、より一層の定着化を目指して、本プロジェクトで培われたノウハウやシステムを、
他の教育プロジェクトや各部局での教育に適応させ拡大させる取組を行った。
(3)パイオニア実践プログラムと育成状況
基本理念として、大学院生が社会で活躍するためには、「科学技術力(Research Skills)」と「適応力
(Transferable Skills)」の 2 つがバランスよく獲得されていることが必須であるとの信念に基づいた。即ち、
「科学技術力」を縦軸とし、「適応力」を横軸とした T 字型人間を目指す考え方である。パイオニア実践プ
ログラム(以下「実践プログラム」と略す)では、この中の「適応力」を教育し、院生が所属する部局では「科
学技術力」を磨く、という考え方である。(IV. 1. (1)で詳細を説明する)(図 2. 「2 つのスキルのバランス」参
照)
13
「実践プログラム」は、独自の 3 つのプログラムで構築される。1 つ目は企業の研究開発の考え方を学ぶ
「キャリアマネジメントセミナー」で、「講義」・「演習」・「講演会」から成る。2 つ目は種々の企業人と出会い
マッチングを行なう「キャリア形成パートナーシップ(以下「緑の会」と略す)」で、DC/PD 30 名程度と、企
業 15 社から 30 人(研究所長、人事担当者レベル)が一堂に会し約半日交流を深める。14 回(札幌 10 回、
東京 4 回)実施し、DC352 名、PD56 名、助教 1 名の計 409 名が参加した。3 つ目は企業での実務を経験
する「博士力実践インターンシップ」で、58 名(DC32 名、PD26 名)が実施した。「実践プログラム」の詳細
は、「IV. 本課題の成果」で説明する。(表 15. を参照)
インターンシップ終了後、博士学位を取得した DC は 21 名で、このうち 15 名(66%)が企業等へ就職し、
4 名が大学へ就職し、残りの 2 名は PD になった。インターンシップを終了した 26 名の PD のうち、25 名
(96%)が企業等に就職し、1 名は再度 PD になった。(IV. 2. (5) 及び表 16. を参照)
(4)大学内への定着化
学内定着化の第 1 歩として、3 つの実践プログラムをそれぞれ大学院共通授業科目として単位化した。
具体的には「キャリアマネジメントセミナー」の講義は 2 単位、マッチングを実施する「緑の会」は「博士研
究者のキャリア開発研究」として 1 単位、「博士力実践インターンシップ」は 2 単位とした。(表 9. を参照)
産業界と DC/PD とのコミュニケーションを定着化させるため、Web サイト「Hi-System」を立ち上げ、理系
大学院生と企業との双方向の情報流通を推進させる仕組みを構築した。初年度末段階で 28 社あったが、
協力企業の裾野を広げる為に訪問面談し掘り起こしを行い、第 2 年度末 97 社、第 3 年度末 143 社、第 4
年度末 338 社、第 5 年度末には 370 社に達した。平成 25 年度末の院生登録数も 1033 名となりコミュニ
ケーションツールとして定着化している。(表 11. 参照)
学内定着化を進めるために、全理系大学院の入学式、教員教育の機会(FD:Faculty Development)で、
本プロジェクトの説明会を実施し、DC/PD 及び教員への周知を行った。その結果、Hi-System 登録数の
増加、授業や演習への参加者数の増加、教員から院生へ「緑の会」への参加奨励など、大学院生および
教員の意識も変化を起こしつつあり、定着化が進行している。 (IV. 4. (1)~(5) 参照)
本プロジェクトで育成され産業界に進んだイノベーション若手人材が、本プロジェクトの「授業」、「シン
ポジウム」、「緑の会」、「幕見の会」等に企業の立場で参加するようになった。育成された人材が育成する
側になり、若手研究人材を循環的に輩出するエコシステムに近づきつつある。 (IV. 2. (5) 、図 10. 「イノ
ベーション人材育成のエコシステム」 及び 表 17. を参照)
2.本課題に関係する、機関の概要および考慮すべき事項
本課題に取組の開始時点平成 21 年において、北海道大学大学院には、修士課程(MC)3,453 名、博
士課程(DC)2,380 名、ポスドク(PD)214 名(日本人 170 名、外国人 44 名)が在籍していた。本学では、
博士課程を含む若手研究者キャリアパスの構築を、「社会ニーズにマッチした創造的な大学院教育の推
進」、「アカデミアにおける若手研究者の人材養成」、「若手研究者が企業等産業界で活躍するためのキ
ャリアパス構築の総合支援」の 3 つの観点から進めていた。
今回の取組では、道内 3 大学と連携して大学院改革を進めた。各々の大学院の概要は、室蘭工業大
学(MC535 名、DC71 名、PD27 名)、北見工業大学(MC262 名、DC46 名、PD6 名)、帯広畜産大学(M
C80 名、DC70 名)であった。室蘭工業大学では既に全学 MOT 講座が開設されており、産業界へ輩出の
取組が開始されていた。帯広畜産大学では博士課程にインターンシップ制度があり産業界との独自の協
働が開始されていた。しかしながら、博士課程の人員規模は連携 3 大学合計で北大の約 8%と小さく、そ
れぞれ道内地方都市を拠点としている為、道外、特に関東エリアの企業のインターンシップを含む情報
が集まりにくいという課題があった。
14
3.所期の目標(計画・ミッションステートメント)、中間評価コメントへの対応と達成状況
(1)採択時コメント、中間評価コメント等への対応
採択時コメントへの対応:
(1)-1 計画の実施にあたり、ミッションステートメントに計画の着実な実施を明記するとともに、育成プロ
グラムの内容を明確にし、他大学との連携を見える形にすること。
対応:
本プロジェクトの実施にあたっては、ミッションステートメントの実施を基本とし多年度計画を立てた。育
成プログラムは、「博士力実践インターンシップ」を中核とし、「キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)」
の授業と、「キャリア形成パートナーシップ(緑の会)」のマッチング機会の 3 種とした。平成 23 年度より、こ
の 3 種の育成プログラムは、大学院共通授業科目(2 単位)、大学院理工系専門基礎科目(2 単位)として
認定し、理系のみならず文系大学院にも受講可能な授業とした。さらに、「キャリアマネジメントセミナー
(MOT 関連)」の授業については、農学院バイオ産業創成学(2 単位)として必修科目化した。平成 24 年
度からは、「キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)」の授業は、生命科学院選択科目(2 単位)として単
位化し、理系文系を含めた全大学院教育システムへの定着化を推進した。
連携 3 大学とは“「パイオニア人材協働育成システム構築」の連携・協力に係る覚書”を総長/学長名で
交わし、本事業推進のための連携体制を明確化すると共に、各連携大学からの協働育成推進委員の選
任により協働体制を構築し、上記 3 種の育成プログラムの共有化など強い連携方針を採った。室蘭工業
大学からは 3 名の育成対象者が採用され、「博士力実践インターンシップ」に参加した。北見工業大学に
は「キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)」の出前授業を実施する一方、北見工業大学から「キャリア
マネジメントセミナー(MOT 関連)」の講師に招へいし、授業講師の相互乗り入れを介して両大学院内へ
の定着化を図った。帯広畜産大学では既に長期取組制度が運用されているので、本プロジェクトの「博
士力実践インターンシップ」を実施するにあたり情報交換を行い本プロジェクト推進のための先行事例と
して参考にした。
(1)-2 インターンシップ時の企業との契約においては、知的財産、守秘義務、報酬等を明確にして提
案課題を実施すること。
対応:
インターンシップの際の契約は企業・大学間は覚書、大学・DC/PD 間は雇用契約、企業・DC/PD 間は
誓約書、の 3 者間 3 通の文書を交わした。この形式をとることにより、企業から DC/PD に提示される企業
秘密情報は DC/PD までに留まり、大学へは流入しない形をとった。従って、DC/PD は誓約書で秘守義
務を負うが、大学へは秘密情報が入らないので秘密情報の拡散が防止され、企業にとってインターンシッ
プを受入れ易い形とした。また、インターンシップは教育活動であるとの認識の下、DC/PD がインターン
シップ中に成した発明の知的財産出願権は基本的に譲渡することを原則としたため、企業に受入れ易い
ものとなっている。その他、勤務・休憩時間、休日、報酬等勤務条件を、覚書に明記した。覚書、誓約書
は北大で原案を作成し、各受入れ企業がそれぞれの社内状況に応じて加筆修正する形をとった。(資料
1. 「インターンシップ事業に関する覚書(案)」、資料 2. 「誓約書(案)」 を参照)
(1)-3 本プロジェクトの実施期間内に大学の特色を生かしたプログラムを作成するとともに、自立化方
策を検討し、プロジェクトの終了後も継続できるモデルケースとすること。
対応:
本プロジェクト開始時点から、北大の課題、特徴にふさわしい育成プログラムの作成を目指し、終了後
の継続を念頭において取り組んだ。そのため、本プログラムは、DC/PD の産業界へ向けた支援を行う自
己資金での組織(S-cubic)と共に、総長直下の人材育成本部内に設置した。S-cubic は平成 18 年度より
文部科学省の補助事業により DC, PD を対象として企業研究、企業理解を深めることによる就職支援プロ
グラムを開発してきた部署である。既に、キャリア相談、企業講師による集中講義、企業理解のための交
流会「赤い糸会」を自主経費により実施していた。S-cubic には全学の院生が受講できるような単位化され
15
た体系的授業システムやインターンシップを活用した教育システムは有していなかった。 そこで、
HoP-Station は S-cubic と密接な協働関係を構築し、学内情報、学外情報を共有して、最大の効果を得る
べく大学院改革にあたった。さらに、学内の既存の取組、例えば修士課程のインターンシップを実施して
いる工学系教育センター(CEED)および修士のキャリア開発を担当するキャリアセンターと情報交換し、
北大内リーディング大学院や URA ステーションにおける若手イノベーション人材の教育に適応させるなど
により、本事業で開発した育成プログラムの学内定着化を促進する体制をとった。
ポスドクの滞留が多く産業界へ窓口を開くべき部局として、「理学院」、「生命科学院」、「農学院」、「環
境科学院」、「水産科学院」、特にバイオテクノロジー(以降バイオと略す)を専門とする人材に焦点を当て、
実践プログラムはこれらの部局の DC/PD を主たる対象として有効に機能するようにバイオ産業の事例な
どを多く取り入れて構築した。さらに、人材育成本部内の S-cubic と共同で、DC/PD とパートナー企業と
の相互 Web システム「Hi-System)を構築し、産業界と DC/PD との情報交流の場を設置した。
本プロジェクト終了後の継続・発展についての計画と実施状況は、IV. 1. ~ IV. 2. に詳しく記載した。
中間評価コメントへの対応:
(1)-4 「緑の会」などを通して企業とのネットワークを構築し、インターンシップ、共同研究のインフラとし
て整備・発展させているが、更に国際的展開に努めることを期待する。
対応:
中間評価時点では、3 名がいずれもアメリカへのインターンシップを実施していた。インターンシップ先
の文化、業種の多様性を確保するために欧州と豪州の受入れ先の開拓を行った。その結果、欧州(オラ
ンダ)へ 2 名、豪州へ 1 名のインターンシップを実施した。また、日本と海外に複数の拠点を持つ企業(日
系)でのインターンシップでは、東京本社を主とした仕事場とする中で顧客対応の業務で 1 週間のシンガ
ポールでの業務を実施するなど、インターンシップ業務上の国際化にも取り組んだ。開拓した海外インタ
ーンシップ先は、本プロジェクト終了後もインターンシップ受入れ可能な良好な関係を維持している。(IV.
2. (2) 参照)
(1)-5 Hi-System の活用、全学的な展開も含め、更なる発展を期待する。
対応:
Hi-System は全員登録を強制はしておらず、産業界へのキャリア開発を希望する大学院生・ポスドクを
対象としている。従って、その趣旨を全理系の大学院入学式で説明すると同時に、人材育成本部主催の
授業や講演会などで広報を行った。また部局ごとの説明会などを実施して周知に努めた。また、企業の
人事・研究所等の訪問時にも趣旨及び効果を説明し理解を得て登録を促した。その結果、中間報告時
点で大学院生の登録総数が 376 名であったが平成 25 年度末時点で 1,033 名に上昇し、企業登録数は、
平成 23 年度末 143 社から平成 25 年度末 370 社へと増加した。(表 11. 参照) また、Hi-System を通し
て英語の e-ラーニングシステム(4 種類)の Web 受講が可能なものとし、その利便性を向上させた。(表 11.
IV. 1. (4), IV. 4. (4), IV. 4. (5), を参照)
ミッションステートメントの変更なし。
(2)所期の目標(計画・ミッションステートメント、採択時コメント)、中間評価コメントの達成状況
(2)- 1 所期の目標 1
博士力実践長期取組を含むパイオニア実践プログラムの構築と、実施体制の構築ができていること。具
体的には、実施母体として「北大パイオニア人材育成ステーション(HoP-Station)」の開設、及び「パイオ
ニア人材協働育成推進委員会(推進委員会)」の設置。
達成状況:
大学院全体の教育改革をトップダウンで強力に実施するため、初年度、総長のもとに「人材育成本部」
16
を新設して、社会のニーズに対応した人材育成を統合的に推進する組織とした。その中に本プログラム
の運営組織であるHoP-Stationを開設した。同時に、運営に関する審議・評価機能として「推進委員会」を
設置した。推進委員会メンバーには連携企業3社(3名)、連携大学3校(3名)、北大各部局(11名)の計17
名を選定し、連携大学との協働を図り産業界と共に前進する体制として定着させた。
平成22年には、上記推進委員会とは別に、外部評価機関「幕見の会」を設置した。「幕見の会」は、博
士を積極的に採用している企業、北大の大学院教育に参加する企業からの10名から成る。1年1回開催
し、北大の大学院教育システム改革への取組、特にマッチングの「緑の会」のプログラム構成や、インター
ンシップの実施期間、企業の負担等について評価を受け、産業界からの具体的ニーズを取り入れPDCA
を回す仕組みを構築した。産業界がどのような博士人材を求めるか、大学院に何を期待しているか、企業
では入社後にどのような社内教育を行っているかなどについて大学教員が直接把握し、実施中の授業、
マッチング、インターンシップの内容について外部評価を受ける機会として定着させた。(IV. 1. (2) ~ IV.
1. (4) で詳細を説明)
(2)-2 所期の目標 2
パイオニア実践プログラム養成者総数 60名以上であること。
達成状況:
「博士力実践インターンシップ」を行う目標値60名に対して実施数58名であり、達成率 97%であった。
なお、本プロジェクト終了時点での「博士力実践インターンシップ」以外のプログラムの達成状況は、以
下のとおりであった。 詳細は、IV. 2. (1) ~ IV. 2. (4) で説明する。
・キャリアマネジメントセミナー; 授業(15コマ:大学院共通授業科目:2単位)へ843名、 演習(2コマ)へ
243名、 講演会へ487名が参加した。
・企業とDC/PDとのマッチングの場として「緑の会」(大学院共通授業科目:1単位)を計14回実施した。
DC352名、PD56名、助教1名の計409名が参加し、企業は計203社から1社あたり人事担当者と研究所
担当者のペアで参加し、マッチングを実施した。(表15. 参照)
・博士力実践インターンシップ(大学院共通授業科目:2単位);DC 32名、PD 26名の計58名が実施した。
(うち国内52名、海外6名)(北大54名、室蘭工大3名、北見工大1名)受入れ企業は38社で、その内、2
人以上のインターンシップを受入れたリピーター企業も13社獲得した。
連携3大学の北見工業大学、帯広畜産大学、室蘭工業大学の各校の博士課程では、平成24年度まで
にインターンシップが単位化され、必修科目化された。
(2)-3 中間評価への対応計画(目標):
プログラムで養成した博士取得者の40%を産業界に輩出すること。
達成状況:
「博士力実践インターンシップ」を終了したPDは26名で、その内25名(96%)が産業界へ就職した。DC
でインターンシップに参加しその後博士号を取得した者は21名で、その内14名(66%)が就職(内定を含
む)した。従って、本プログラムで養成した博士号取得者計47名のうち39名(83%)が産業界に進出し、当
初の目標値の40%を超えて達成した。詳細は、IV. 2. (5) で説明する。
(3) 所期の目標(計画・ミッションステートメント等)、中間評価コメントどおりに進捗しなかった事項への対
処と実績
該当なし。
17
IV.本課題の成果
1.イノベーション人材養成システム改革状況
(1)システムの概要
本プロジェクト「北大パイオニア人材協働育成システムの構築」の目的は、「自らの夢を実現する人材」、
すなわち、「多様な社会で活躍し、イノベーションを起こす気概と能力を持った人材」を養成することであ
る。その養成のために以下の教育システムを構築した。
(1)-1 「キャリアマネジメントセミナー(授業・演習・講演会)」の構築
学位取得後の40年近い長い人生をかけて自らの夢を達成するためには、その間に変化する社会で柔
軟に対応しいくつもの変革を乗り切る柔軟性が求められる。すなわち、科学技術の観点から言い換えると、
その期間に勃興し衰退する幾多の科学技術のパラダイムシフトに対応でき、かつイノベーションを起こす
能力を維持し発揮する人材である。
研究室で獲得する研究力(Research Skills:縦軸)だけでなく、どの職場でも使う適応力(Transferable
Skills:横軸)も有する、バランスのとれたいわゆるT字型研究者の育成を目指した。従って、本プロジェクト
ではTransferable Skillsを身に着けさせる教育に絞った。(図2. 「2つのスキルのバランス」を参照)この考
え方を定着化させることで、研究部局ではResearch Skillsを教育し人材育成本部ではTransferable Skills
を伝え、両者が協力して人材を育成する、という考えを研究部局教員が持つように、意識改革も促した。
図2.
2つのスキルのバランス
そのために、自分のキャリアをマネジメントできる能力と科学技術の変遷とイノベーションを知るための
授業は必要であると判断し、「キャリアマネジメントセミナー(授業・演習・講演会)」を構築した。授業に関
しては、これまでの大学院の授業とは全く異なり15コマのほぼ全て企業経験者あるいは現役の企業人が
講師となって行う実践的なものとした。また、演習も座学ではなく体を動かし体験学習ができる内容とした。
講演会は各種業界で活躍する企業人を招き生の声を聴き意見交換のできるものとした。
平成22年度までの本プロジェクトの経験、及び幕見の会での企業意見を踏まえ、PDCAを経て、本授
業はなるべく早い時期、若い時期に受けさせるべき基本であるとの考えに至り、平成23年度より修士・博
士ともに受講できる授業に移行した。現在では全学の修士1年の21%が受講する最大規模の授業となっ
ている。
(1)-2 「緑の会(マッチング)」
一方、企業側も1つの領域の事業寿命が短くなる競争の中で、新事業の開拓能力が喫緊の課題となっ
18
ている。しかし新事業はその企業にとっては経験の少ない領域であり人材不足している。我々はこの点に
注目し、将来の新事業開拓に求められる人材をマッチングの機会である「緑の会」でDC/PD側と企業側
双方が見出せる仕組みを創出した。
具体的には、DC/PD側と企業側双方向のアピールができること、企業側からは新事業へ挑戦している
姿を紹介すること、DC/PD側からは狭い視野ではなく広い視野で自分の専門がどれだけ広く利用できる
かをアピールすることにフォーカスを絞り実施した。
(1)-3 「博士力実践インターンシップ」
活躍の場となるインターンシップ先を見出すためには、先に述べた「緑の会」でのマッチングだけでは
なく、候補生と人材育成本部教員との「個別面談」も重要なステップである。特に重要なのは、候補生の
専門分野がどのような事業に役立つかを理解するための産学間の交流である。
「個別面談」と「緑の会(マッチング)」を経て受入れ企業を見出し「博士力実践インターンシップ」を実施
した。PDのインターンシップに際しては次の職業を探すためのステップとの認識が院生、企業双方に大き
く働き、双方のマッチングには企業人事も深くかかわる傾向があった。一方、DCのインターンシップに関
しては就職先の探索というより、企業体験の場としての位置づけが大きく、DCは自分の専門にはこだわり
は少なく、受入れ企業も研究所サイドで受入れ可能な場合積極的に受入れる傾向があった。DCでインタ
ーンシップに参加する場合、DC3年での参加には学位取得との関係で時間が取れなくなるのと博士課程
院生の意識改革には少々遅く、DC1年かDC2年の前半が最適であると思われる。また、インターンシップ
の期間についても、3か月以上であることが重要ではなく、2か月程度であっても十分意識改革の成果が
上がると判断された。
(2)システムの構築・改革状況
(2)-1 協働育成推進委員会(ステアリングコミッティー)
「北大パイオニア人材育成ステーション(HoP-Station)」の開設と同時に、運営に関する審議・評価機
能として「協働育成推進委員会」を設置した。議長には人材育成副本部長が就任し、協働育成推進委員
会メンバーには連携企業3社(3名)、連携大学3校(3名)、北大各部局(11名)の計17名を選定して、連携
大学との協働を図り産業界と共に前進する体制とした。PDCAサイクルのP(Plan)およびA(Act)を担っ
た。
(2)-2 HoP-Station(実施組織)
HoP-Stationは、特任教授1名、事務補佐員1名(平成23年5月より2名に増員)の専任職員と兼任教授1
名の体制とし、教育、マッチング、インターンシップの業務を実施した。PDCAサイクルのD(Do)を担当し
た。(IV. 1. (3)-1 も参照)
(2)-3 幕見の会(チェック機能)
推進委員会とは別に、本プロジェクトを含む北大の大学院教育システム改革への取組について、産業
界からの生の意見や具体的ニーズを取り入れるため、博士を積極的に採用している企業10社からなる産
業界チーム「幕見の会」を人材育成本部長が招集し、産業界が求める博士人材像や大学院の在り方、イ
ノベーション創出人材育成について大学教員が直接把握する場を構築した。ここで得られた企業の意見
については内容を吟味し翌年の実施内容へ反映させるべく、協働育成委員会に提案し承認を得ることと
した。PDCAサイクルのC(Check)の機能を担う。(V. 6. で詳細を説明)
(2)-4 シンフォスター会議(全学の教育シンポジウム機能)
初年度より全学の教育にかかわる全ての部局・組織・プロジェクトが集結し成果と情報交換を行うシンポ
ジウム「シンフォスター会議」を、総長主催で開催し、学内への周知を図るとともに相互の連携を推進した。
特に最終年度は「シンフォスター会議」において本プロジェクトの成果報告会、パネル討論会、ポスター
発表会を行った。学内の情報共有と連携推進の場と位置付けた。
19
(3)構築したシステムの位置づけ
(3)-1 HoP-Station とS-cubic との連携による改革
北海道大学では、キャリアパスに関する窓口としてキャリアセンターを設けており、主として就職に関す
る情報提供や相談などを行ってきた。この対象者は、学士・修士であって博士課程院生に対する機能や
情報は十分ではなかった。平成18年度よりDC/PDを対象とするキャリア教育を専門とするS-cubicを立ち
上げた。平成21年度に総長直下に人材育成本部を設置し、この本部内に、S-cubicと新たにスタートする
本プロジェクト実施機関のHoP-Stationを配置し、この2つの機関は連携して情報を共有し、相互に補完し
ながらDC/PDを対象とする教育改革を実施した。
(3)-2 教員の意識改革
「協働育成推進委員会」のメンバーとなっている各部局の責任教員を通じて、トップダウンの形で行える
体制をとった。具体的には、教授会での活動紹介、人材育成本部教育の単位化推進、若手教員教育
(FD: Faculty Development)等での啓蒙等である。また、インターンシップ終了後の体験報告会やシンポ
ジウム等へ教員を参加させ、参加者がどのように変化したかを認識する機会を作った。
(3)-3 DC/PDの意識改革
各部局事務の協力を得て、「人材育成本部」教員から発信する情報が個々の院生達に届くシステムを
構築して冊子や案内を個々のDC/PDに届けた。各部局掲示板、食堂でのポスター、三角POP等の媒体
広告を用いた。さらに、企業とDC/PDが交流できる登録制のWebシステム「Hi-System」を立ち上げ、この
Webシステムを通じてDC/PDへ教員から情報発信ができるようにした。同時に、Hi-System登録企業に働
きかけ最新の技術トピックスや就職案内などの企業情報のWeb掲示を推進し、これらに接する過程での
意識改革効果にも期待した。
(3)-4 企業側の意識改革
まず人材育成本部の教員による企業訪問等による企業開拓から始めた。先述のHi-Systemへの登録
を促し、北大のDC/PDの公開情報(無記名、本人の同意済)に接してもらうと共に、人材育成本部主催の
各種催し物(授業・講演・マッチング)に参加してもらいDC/PDとの交流を通じて意識改革を図った。また、
インターンシップを受入れる企業と、インターンシップは考えていないが人材獲得には興味のある企業と
が混在する形でマッチングを行うことによって、インターンシップの有効性が企業から企業へ伝達拡散す
る方法を採った。
(3)-5 連携3大学
情報の交換と共有を図り、相互補完する形で北大での博士力インターンシップの受入れ、授業の相互
乗り入れ等の方策をとって、意識改革の拡大を狙った。北大と連携大学との個別のコンタクトが中心では
あったが、北大と連携3大学が一堂に会する「協働育成推進委員会」を通して課題や情報の共有化を図
った。
(4)企業等と連携する仕組み
本プロジェクトに参画する企業等に対して、博士人材育成への積極的な参画を促す仕組みとしては、
下記の5つの段階がある。(図3. 「プログラムの全体像」を参照)
第1段階は、Web上でDC/PDと情報交換のできる仕組み、Hi-Systemへの登録である。対象となる企業
の多くは道外にあり、北海道大学としてはこの距離を克服する手段を持たねばならない。Hi-Systemには
企業就職を希望するMC, DC/PDが登録しており、希望する登録者は個人アピールを掲載している。まず
は企業に居ながら北大院生のアピールに触れるところから始まる。
第 2 段階は、HoP-Station で開催する授業・演習・講演会での教育への参加である。院生にとってはキ
ャンパスに居ながら道内外の先進企業の話が聴け、産業界の状況について触れることのできる貴重な機
会であると同時に、企業講師にとっては自社の紹介と同時に企業アピールも含めることができ普段接する
20
ことの少ない北大院生の理解度や就業意識に触れる機会となる。授業ではあるが、顔の見えるコンタクト
の機会ととらえることが出来る。
図3. プログラムの全体像
第3段階は、マッチングの機会「緑の会」への参加である。これはほぼ1日を掛けて、15社からの30名の
企業人と30名の企業就職を希望するDC/PDのface to faceの濃密なコミュニケーションの場となっている。
1社から研究所長クラス1名と人事担当者1名のペアでの参加を原則としているので、企業からは多角的な
視点でDC/PDを観察でき、院生にとっても研究だけに偏らない広い企業情報が収集できる。
ここで特筆したいのは、企業の業種も絞っておらず、また院生の専門領域も絞らないマッチング機会と
していることである。このことによって企業が新事業として参入しようとする新領域を専門とする人材を発見
する場となっているし、院生にとっても自分の専門が思いもよらない企業で必要とされていることを知り、ネ
ット情報からは想像もできない活躍の場を発見するのである。このステップが最も重要な段階である。(図4.
「緑の会ならではのマッチング」を参照)
図4. 緑の会ならではのマッチング
21
第4段階は「博士力実践インターンシップ」での実務経験である。3ヶ月以上の期間を共に仕事を通じて
過ごすため、お互いの適性や利点はもちろんのこと、課題や欠点も知るには十分な時間を持つことが必
要となる。陰陽含めた適性判断ができるので、永い目で見て双方にとってメリットがある。
第5段階として、全ての企業に係わっていただいているわけではないが、上記の活動に深く係わる企業
には外部評価委員会「幕見の会」に参加していただき、忌憚のない意見を述べてもらう。大学側のメリット
が主であるが、企業の意見がフィードバックされることで育成する人材像を実社会のニーズに近づけるこ
とが出来る、という産業界側にとってもメリットがある。
本プロジェクトを通した企業連携の1つのアウトカムとして、「博士力実践インターンシップ」を通して企業
に入社した社員が本プログラムに企業の立場で参加するようになった。これは、人材育成のエコシステム
が機能し始めていると考えられる。(IV. 2. (5) で詳しく述べる)
(5)システム改革の成果
(5)-1 北海道大学全学への波及効果
本プロジェクトでは、博士力実践インターンシップに関しては参加者に特化した教育を行ったが、それ
以外の教育は対象を広く定めて実施した。その波及効果の1つとして、博士課程修了者の就職率の変化
を過去5年間の調査をしたところ、表13. に示すように、平成21年度の53%から平成25年度の65%へと上
昇した。
日本人PD数の変化については、平成21年度の170名から平成25年度の160名と微減した。PDが次の
就職先として企業を目指す道筋は本プロジェクトによって開かれたと考えるが、全学におけるPD総数の目
立った減少は起こっていない。
大学院全体の改革には修士入学時点で強く自己のキャリアを考える教育が必要であるとの考えから、
キャリアマネジメントセミナー(MOT関連)を修士1年で受けることを推進した。その結果、この授業は本学
大学院における最大規模の授業となった。現在、修士1年の20%の学生(理系修士の21%)が受講して
いる。また、現在DC2年以下の院生は本授業が履修対象となっていて、意識改革が浸透してきている。
(5)-2 他の機関組織への波及効果
連携3大学のいずれもが、平成24年度にはインターンシップを各大学内において博士課程後期の教育
科目として単位を付与し、必修科目化した。また、各大学単独でインターンシップ先を開拓し、実施する
体制を確立した。
北大及び連携大学のDC/PDに興味を持つ企業370社をHi-Systemに登録してもらい、その中の111社
が授業等を含む北大の人材育成の活動に参加した。さらに38社がインターンシップを受入れてくれてい
るので、確実に企業に対しても本プロジェクトの趣旨やDC/PDの有用性が伝わっていると考える。(図3.
「プログラムの全体像」を参照)
2.実践プログラムの開発・運用状況
(1)実践プログラムの内容(機関が主体となって行った取組)
5年間で確立された本プロジェクトの全体像は IV. 1. (4) で少し触れたが、図3. 「プログラムの全体像」
に示したように、企業との協働を基本とした。入口としては、Webシステム「Hi-System」での産学の交流、
産業界講師や企業経験者による授業「キャリアマネジメントセミナー」、人数限定で行う産学間の「緑の
会」マッチング、そして起業体験学習の「博士力実践インターンシップ」と終了後の報告会やシンポジウム
での学内者教育の5段階からなる。(全内容の詳細は表1. 表2. を参照)
1年をサイクルとするスケジュールは、博士課程院生の入学式を第1日目としてスタートする。全部局の
大学院入学式に出席し、人材育成本部の活動の紹介と授業等のガイダンスを実施する。同時に、企業と
22
院生間の交流Webシステム「Hi-System」への登録を呼びかけ、企業への就職を希望している院生の把握
を行った。
一方で、全学の博士課程院生が受講できる授業「キャリアマネジメントセミナー(MOT関連)」を4月から
7月末まで15コマ開講し、キャリアマネジメントの基礎を学習・周知させた。主として、「Hi-System」と「キャリ
アマネジメントセミナー(MOT関連)」の2つのチャンネルを通じ、ホームページやポスターと連動する形で
HoP-Stationの情報を逐次提供し、「博士力実践インターンシップ」への公募も行った。応募者は月毎にま
とめ、「協働育成委員会」全委員による電子メール書面評価を行い、通過者に対しては「協働育成委員
会」メンバー2名以上による2次面接を実施し、育成対象者として認定した。育成対象者には必要に応じて
個別面接指導を行い、自己分析と適性の把握を行う。マッチング「緑の会」は、9月、11月は札幌で、2月
は東京で実施し、参加者には事前に自己アピールポスターの作製指導を受けプレゼンテーション演習に
出席することを奨励した。マッチングの成立した育成対象者から「博士力実践インターンシップ」を開始す
る。終了したら可能な限り「体験報告会」を行い、職員や院生へフィードバックした。
年度末の1月には外部評価のため「幕見の会」を東京で開催し企業10社のメンバーから評価を受ける。
この内容も含めてPDCAを回して翌年度の計画を立案し、2月に「協働育成委員会」を招集して審議のうえ
実施内容を確定した。
(2)企業等におけるインターンシッププログラム
(2)-1 「博士力実践インターンシップ」の運用方針
「博士力実践インターンシップ」は企業における研究開発の取組の実地体験であり、DC/PDがこれまで
培った博士研究力を現場で試すことに焦点を定め、従来の「共同研究」ではなく「大学院教育プログラム」
の一環と明確に位置付けた。従って参加者募集に際しても候補者となるDC/PD、および受入企業にもそ
の旨を事前に十分に説明し理解を得た。
「博士力実践インターンシップ」に参加する「育成対象者」の選別に当たっては、協働育成推進委員会
のメンバー全員による第1次書面審査、協働育成推進委員会のメンバー2名以上での第2次面接審査を
経て合格とした。当初は年度初めに一括公募を行なっていたが、PDCAを行った結果博士取得時期の多
様化等の事情を鑑み、常時応募し月毎に審査を実施する方法に改めた。
マッチングの方法は限定せず、大別して次の3種とした。1つは本人の希望がはっきりとしており是非参
加したい企業がある場合、本人が企業に直接コンタクトしてマッチングをおこなった。2つ目は
HoP-Stationが実施する「緑の会」へ参加し参加企業との面接等を経て決める場合である。「緑の会」が年
間3回限定なので、3つ目としてHoP-Stationの教員から企業へアプローチしDC/PDとの個別マッチングを
図った。この場合でも、本人と企業との面談等を必ず実施した。
「博士力実践インターンシップ」開始前に、受入企業と人材育成本部の間で労働期間・条件・内容等に
関する諸事項を定めた覚書、受入企業とDC/PD本人との間で秘密保持義務、違反行為などが記載され
た誓約書を提出した。先にも述べたが、「博士力実践インターンシップ」は大学院教育プログラムと位置付
けたので、期間中に発生する知的財産権は受入企業への帰属であることを覚書に明記した。(IX. 付録
資料1. 「インターンシップ事業に関する覚書(案)」、及び資料2. 「誓約書(案)」 を参照)
(2)-2 「博士力実践インターンシップ」の実施内容
5年間の間に総計58名が「博士力実践インターンシップ」を終了した。内訳はDC32名、PD26名。日本
人男性36名、日本人女性10名、留学生男性8名、留学生女性4名であった。(表7. 参照) 留学生の国籍
は、韓国6名中国4名、ヨルダン1名、ブルネイ1名であった。インターンシップ先は国内52名(北海道14名、
関東31名、その他7名)、海外6名(米国3名、オランダ2名、オーストラリア1名)である。(図5. 「育成対象
者の構成」参照)
受入れ企業38社の業種は表10. に示した。インターンシップで実施した仕事の内容は必ずしも企業の
23
業種とは一致しない。実際の仕事内容を分類すると、図5. 「育成対象者の構成」に示すように、バイオテ
クノロジー13社、化学・医薬・医療13社、電子・情報・通信12社、機械・建設・鉄鋼10社、食品4社、サービ
ス・コンサル4社、農業2社、金融1社であった。それぞれの企業では新事業の開拓に博士人材を投入す
る必要性があり、新事業領域はその企業にとっては人材不足の状況で、雇用の機会が大いにあるといえ
る。
育成対象者58名を38社企業が受け入れた(1名は2社においてインターンシップを実施したので延べ59
回)が、そのうち複数回受入れるリピーター企業が13社存在した。本制度の利点をよく理解し雇用に結び
付ける為に活用していると考えられる。
イノベーションに結び付く事象として、就職後にインターンシップ期間中に行った研究を含めて特許を
出願した例が1件、インターンシップ後、DCが所属する研究室と企業の間で共同研究に発展した例が1件
あった。
図5. 育成対象者の構成
(2)-3 受入れ企業の分析
一方、別の視点からの分析を試みた。即ち、「規模」と「研究開発投資比率」の2つの指標を用いてこれら
38社のポートフォリオ分析を行った。図6. 「インターンシップ受入れ企業の分析」の4つの象限は次のよう
に表現できる。第1象限は企業規模が大きく領域が多極化していて研究投資比率が高い企業と製薬業で
研究人員も多い。第2象限は小規模ながら研究開発をドライビングフォースにしている企業、即ちベンチ
ャー企業で研究人材を求める傾向が高い。第3象限はサービス業・コンサルタント業で研究依存型ではな
い。第4象限は企業規模が大きいが研究投資は大きくはなく1領域に特化している。
複数の受入れを行った企業13社は第1・第2象限に集中しており、この2つの象限の企業で全体の70%
の博士人材を受入れている。博士人材の活躍の場として有望な企業はこの領域で発掘できると考えてよ
い。第1象限のような複数の事業領域を持つ企業においては、入社後も領域間の異動は覚悟しなければ
ならないが、研究を中心とした環境があると考えられる。第2象限の企業はベンチャー的企業なので、1人
で何役かのタスクをこなす適応力が求められる。
一方で、第4象限の企業はもとより、第3象限の研究に比重を置いていない企業でも博士人材のニーズ
は有り、うまくマッチングすれば博士人材のキャリア開発の場となりうる。第4象限の企業は単一の事業領
域という傾向が高いので、博士人材であっても就職後研究職に留まっている期間はそれほど長くはなく、
24
非研究職、例えば知財部門や管理部門への異動が確実に起こることは容易に想像できる。第3象限の企
業はそもそも研究所を持たない場合が多いので、就職と同時にサービス業的な仕事の仕方となる。
(2)-4 院生教育システムへの反映
本プロジェクトの目的は、「自らの夢を実現する人材」、すなわち、「多様な社会で活躍し、イノベーショ
ンを起こす気概と能力を持った人材」の育成であり、長い人生をかけて夢を実現させイノベーションを起こ
すには、目先の仕事だけを考えて活躍の場を選定するのではなく、以上のような企業分析を行い、自分
の適性をよく知ったうえでマッチングを行うべきであろう、との結論に至った。
このような企業分析の方法は、「キャリアマネジメントセミナー(MOT関連)」の授業に“企業分析法”の
形で反映させ、院生が自分の興味のある企業について研究開発規模の分析ができるようにした。
図6. インターンシップ受入れ企業の分析
(3)機関が主体となって行った取組
(3)-1 キャリアマネジメントセミナー
キャリア教育のための知識やスキルを伝えるための取組は、すべて「キャリアマネジメントセミナー」とい
う統一した呼称で表し、授業、演習、講演会の3種類を用意した。
授業:「キャリアマネジメントセミナー(MOT関連)」
毎年4月から7月までの期間、15コマからなる座学を開設し、大学院共通授業科目、大学院理工系専門
基礎科目、農学院選択必修科目、生命科学院選択科目として2単位の認定科目とした。これにより北大
の理系文系の全大学院生が受講可能なものとした。内容は図7. 図8. に記す。本授業で扱う内容は、ど
の職場でも必要となる「Transferable Skills」の基礎を伝える内容となっている。本授業は函館キャンパスへ
も同時中継した。
初年度はまだカリキュラム化されておらず、育成対象者他の10名からスタートしたが、平成23年度にカ
リキュラム化されると受講者数が急上昇し、平成24年度には286名に、平成25年度には268名に単位を付
与する規模となった。主として博士課程前期1年の受講者が大多数で、平成26年度には北大全修士1年
の20%が受講する大学院最大の授業となっている。このような300名を超える授業となると、多くの院生に
対して意識改革を進めることができる反面、きめ細かい質疑応答の授業形式をとることが出来なくなった。
そこで、毎回質問票に質問や意見を記入提出させ、その回答はホームページ及びHi-System経由で閲
覧できるシステムを作り、質を落とさない努力をした。
25
演習:
座学だけではスキルの向上は望めないので、演習を準備し、必要に応じて実施した。特にマッチング
「緑の会」では、企業からの参加者に対してポスターを使用して自己アピールを行うが、この際のポスター
の作成方法とプレゼンテーションの方法を参加者全員に習得させる。DC/PDは学会でのポスターセッショ
ンには慣れているが、これは専門家間でのみ通用する特殊なコミュニケーションである。企業に対しての
場合、専門家ではない人に説明をする心構えが必要である。「緑の会」での主たる目的は、自分が企業
でも通用することのアピールであるから、異分野間のコミュニケーションスキルが必要となる。この演習によ
る事前教育を行った結果、企業の参加者から「緑の会」でDC/PDがよく理解できマッチングがスムースに
行えるようになった、との評価を得ている。
この他に、「ビジネスマナー演習」、「コミュニケーション演習」、「グローバル人財セミナー」など外部の
専門家によるスキル獲得のための演習も定期的に実施した。
講演会:
企業で活躍する人物を講師に招いて、企業での仕事内容を紹介する講演会も定期的に実施した。
図7. 人材育成本部の教育内容(平成25年度末)
図8. 平成25年度キャリアマネジメントセミナー
26
(3)-2 マッチング:「緑の会」
「博士力実践インターンシップ」を成功させるために最も重要なことは、参加するDC/PDと受入れる企
業との間のマッチングを行い、最適なパートナーであることをお互いが確認しあえるかである。そのために
は書面評価や1時間程度の面接では不十分と考えた。
マッチングの機会として「緑の会」を年3回セットした。これは、午前11時から午後5時までほぼ1日を掛け
て、企業15社から30名の社員と30名の企業就職を希望するDC/PDのface to faceの濃密なコミュニケーシ
ョンの場である。1社から研究所長クラス1名と人事担当者1名のペアでの参加を原則としているので、
DC/PDはその企業の概要を知ることが出来るし、企業にとっても1人の院生を多角的に観察できる利点が
ある。
「緑の会」は3部構成である。(図9. 「緑の会の3部構成」を参照) 第1部は企業からの説明で、1社10分
と短時間なのでWeb等の公開情報は極力避け、これから注力しようとする新事業の内容の紹介を重視す
る。第2部はDC/PDからのポスタープレゼンで、DC/PDは自分のアピールポスターの前に立ち企業の参
加者が興味のある人物のポスターを訪問して質疑を行う。1訪問者あたり5分から10分程度の限られた時
間で自己アピールを行う。第3部は企業ブースでの1対1の面談で、各社の企業ブースのテーブル席を
DC/PDが訪問し個別面談を行う。1社当たりの所要時間は15分程度で希望する企業を比較検討しながら
絞ることが出来る。
第1部は2時間半、第2部は1時間半、第3部は1時間半で、この3種類のコミュニケーションを経て、参加
企業とDC/PDの間に個々の専門領域を超えた深い相互理解が生まれる。名刺交換もこの間に行われて
いるので、この後は自然発生的にお互いの間での直接のコミュニケーションで、企業見学会や「博士力実
践インターンシップ」に発展する。
現在の「緑の会」のスタイルは初めから現在の形で行っていた訳ではなく、参加企業の意見や幕見の
会で得られた意見を基にPDCAを実施して現在のものとなった。例えば、時間配分は、第2部、第3部は当
初各々1時間であったが参加企業意見に充実を望む声が多く、PDCAで検討の結果1時間半へと延長し
た。また、幕見の会で、企業紹介パンフレットや参加院生のポスターアブストラクトを参加者に配布するな
どの提案があり、それに基づいて事前資料を充実させた。このように参加者、企業の意見を取入れること
により、最適化されたマッチングシステムを構築した。
これまでの5年間に14回開催し、DC 352名、PD 56名、助教1名が参加した。企業は延べ203社(385名)
が参加した。開催状況、参加者の詳細は、表15. にまとめた。
図9. 緑の会の3部構成
27
(4)若手研究人材の公募・選抜方法と応募、採用結果
HoP -StationにおけるDC/PDへの教育方法は、特定の応募者に限定したものではなく、企業就職を希
望するDC/PDへ対して広く働きかけ、まず入学式でのガイダンス、授業・演習・講演会、およびマッチング
会を経て、企業でのインターンシップを望むものに限定して募集という形をとって評価し、インターンシッ
プに送り出した。各年度の養成者に関するデータは、表5. 「養成者数の推移」にまとめて記載した。
最初の2年度は年度初頭と秋の2回のインターンシップの募集を行っていたが、DCの入学時期、学位
取得時期の多様化、およびPDの任期の不定期性に対応するために、第3年度より定員の許す限り随時
募集とした。この変更に伴い、第1次書面評価による選抜方法も、「協働育成推進委員会」の会議におけ
る評価を、電子メールによる審査へと変更した。第2次面接は「協働育成推進委員会」メンバー2名以上で
面接を実施して評価した。
(5)若手研究人材の評価と養成の成果
5年度期間中の育成対象者58人は、ほぼ全員がキャリアマネジメントセミナーの授業に参加しており、
ビジネスマナーやプレゼンテーションの演習も多くが受講した。参加できない場合はできる限り個人授業
の形で受講させ、「博士力実践インターンシップ」に臨んだ。また、必要に応じて1時間程度の個別面談を
行い、キャリアやマッチングについての相談を受けた。平成21年度は43回、平成22年度は105回、平成23
年度は80回、平成24年度は146回、平成25年度は86回であった。
「博士力実践インターンシップ」の受入れ先探索は、本人が自力での開拓、教員による開拓など種々の
方法を実施したが、いずれの場合でも「緑の会」へ参加して企業に対する理解を深めるプロセスは必須で
ある。
育成前は、多くの育成対象者は企業とのコンタクト経験もなく、企業での研究開発等の実際についての
知識も無く想像することもできない状況であったが、これら事前の教育によって自信を持って「博士力実
践インターンシップ」に参加した。「博士力実践インターンシップ」中は、できる限り途中で教員が企業での
取組状況を視察に行き本人の仕事ぶりを把握し企業側の意見をヒアリングした。
「博士力実践インターンシップ」終了後、58名中57名については企業側から非常に高い評価を受け本
人も非常に活性化された。1名については技術的スキルが充分にマッチングできなかったことによる不満
が企業、院生の双方から聴かれた。事後の調査で、この問題は技術領域・用語の違いによる誤解から生
じたものであることが判明した。
「博士力実践インターンシップ」終了後、可能な限り体験報告会を開催し、インターンシップに興味を持
つDC/PDや教員へ向けてフィードバックを行った。この模様はビデオ収録し、HoP-Stationのホームペー
ジに動画を載せ広く周知した。
「博士力実践インターンシップ」終了後、DCが所属する教員へのインタビュー等で得られた回答の中に、
「後輩の面倒見がよくなった。」、「研究室での建設的な発言が多くなった。」、「研究がどのように社会で
使われるのか考えている。」、「行動力と人脈が増えた。」、など養成者のポジティブな変化を高く評価する
内容が多く見られた。
5年間で育成したDC/PDの平成26年4月末時点における就職状況(内定を含む)は、表6., 表16. に
まとめた。DCの内博士学位取得者21名中14名(66%)、PD26名の内25名(96%)が企業就職し、いずれ
も期初の目標値40%を超えて企業就職した。DC/PDの博士総計47名中企業就職39名(82%)、大学就
職5名(11%)で、計44名(94%)がイノベーションに関わる職に就いた。このデータから、キャリア開発教育
としての一定の成功を収めたと考える。
28
表16. 平成21年度~平成25年度 博士取得者のインターンシップ後の就職*(率)
企業就職**
博士学位
取得者*
DC
21 名
PD
26 名
博士総数
47 名
学生
(在学生)
11 名
内、インターンシップ
先へ就職
14/21 名
(66%)
25/26 名
(96%)
39/47 名
(83%)
7/21 名 (33%)
17/26 名 (65%)
24/47 名 (51%)
*
大学就職
PD・未定
5/21 名
(24%)
0/26 名
(0%)
5/47 名
(11%)
2/21 名
(10%)
1/26 名
(4%)
3/47 名
(6%)
内定者含む
**
公務員含む
博士力実践インターンシップを終了したDCが就職活動に際し希望する場合、推薦書としてインターン
シップ実施証明書をHoP-Station名で発行した。博士取得したDC21名の内2名に発行し、いずれも希望
する企業に入社した。
表17. に示すように、博士力実践インターンシップを通して企業に入社した社員が、「授業」「緑の会」
「幕見の会」「シンポジウム」に企業の立場で参加した。このことは、本事業の1つの理想像である。「育成し
た若手研究者が、後輩の若手研究人材を育成する」というパイオニア人材育成のエコシステムが始動して
いると考える。(図10. 「イノベーション人材育成のエコシステム」を参照)
58 名の博士力実践インターンシップを終了した DC/PD が受けた HoP-Station での教育は一律ではな
く、また、それぞれに特色のあるマッチングを行って企業経験をし、各々のキャリアを自ら開発した。それ
は、後に続く DC/PD にとって参考になるだけではなく、DC/PD を抱える教員にとっても参考になる内容
であると考えた。本プロジェクトの財産である 58 名の育成対象者の HoP-Station での 1 年の教育の歴史
を 1 冊の小冊子「インターンシップ生の記録」にまとめて教員に配布した。(図 12. 「インターンシップ生の
記録」を参照)
図10. イノベーション人材育成のエコシステム
29
表 17. 育成対象者が就職後 HoP-Station イベントへ企業人として参加した実績
シンポジウム シンポジウム
年度
授業
マッチング
幕見の会
(学内)
(学外)
平成 21 年度
―
―
―
―
―
平成 22 年度
―
―
―
―
―
平成 23 年度
―
―
―
―
平成 24 年度
―
2
―
2
―
平成 25 年度
―
2
1
3
1
平成 26 年度
2
*
*
*
*
*平成 26 年 5 月時点で未実施
3.実施体制
(1)センターの構築
総長采配により、総長の直下に人材育成本部を設置し、本プロジェクトを実施するHoP-Stationを開設
した。HoP-Stationは、平成18年度よりDC/PDを対象の教育改革を先行してきた部署S-cubicと協働し補
完しながら大学院改革に取り組む体制を構築した。(III. 1. (1) 及び図1. 「組織」参照) 本部長は副学
長・理事が務め、総長以下トップダウンによる改革を行った。(センターの人員は表4. 参照)
企業3社、連携3大学、学内関連部局責任者計17名で構成する「協働育成推進委員会」を設置し、実
施計画を審査・承認する機関とし、実施はHoP-Stationが担った。実施した内容については外部評価機
関、企業10社からなる「幕見の会」で審議し、全体としてPDCAが回る体制とした。(IV. 1. (2)に記載)第2
年度より4回の大局的なPDCAを回すことにより最終年度には企業の意見を取り込んだプログラムを提供
している。
(2)機関の実施体制
各責任者の役割は下記の通りであった。
総長:本プロジェクトの総括責任者(申請・報告・評価)。博士課程を含む大学院改革の本学におけ
る最高責任者、総指揮者であり、本プロジェクトはそのための大事なプロジェクトであるとの認
識に基づきプロジェクトを主導した。本プロジェクトの総括のシンポジウム「シンフォスター会
議」を主催し、大学全体への周知を図るとともに他の教育改革プロジェクトとの情報共有化を
推進した。また、本補助金終了後の継続の一助とするために、平成25年度末に「総長経費」と
して平成26年度予算10.0百万円を決済した。
本部長(副学長・理事):博士課程改革にかかわる施策・実施。外部評価委員会「幕見の会」主催。
企業との契約者。実施したプログラムの事後評価を外部委員会「幕見の会」から受け、次年度
の施策への反映に積極的に関与した。また、他の副学長や理事に対して大学院改革の重要
性と本プロジェクトの進行状況を説明し理解を得るとともに、大学全体の改革を総合的に推し
進めた。
副本部長:本プロジェクトの実施責任者。「協働育成推進委員会」委員長。企業との契約者。日々の
実施プログラムへの微修正等の直接的な関与を行った。
(実施体制については、III. 1. (1) 及び図1. に記載した。)
人材育成本部内のS-cubic は既にDC/PDの就職のマッチングの機会として「赤い糸会」を運営してい
たが、HoP-Stationはこれを「緑の会」として、インターンシップ先とのマッチングの機会と位置付けて、共
同開催した。参加企業もインターンシップの受入れ表明をする企業は「緑の会企業」として区別し、インタ
ーンシップ受入れ企業開拓の場としても活用した。
HoP-Station とS-cubicは、企業とDC/PDとの間のSNSコミュニケーションツール「Hi-System」は共同で
構築し運営した。
30
(3)他機関との連携状況
(3)-1 連携3大学との連携
初年度に、“「パイオニア人材協働育成システム構築」の連携・協力に係る覚書”を総長/学長名で交わ
し、本事業推進のための連携体制を明確化すると共に、各々の教育担当の副学長を通した連携関係を
確立した。3 大学も大学院の改革に取り組んでいる最中であったが、それぞれの進行状況は異なってい
たため、連携のやり方も連携大学ごとに異なるものとなった。
室蘭工業大学はすでにキャリア教育は独自のシステムを確立しつつあったがインターンシップ受入れ
先情報は少ない状況であった。従って、室蘭工業大学からは北大の博士力実践インターンシップへの参
加が中心となった。
一方、北見工業大学は相互のキャリア教育システム改革の進行状況が北大と似ていたため、授業等の
相互乗り入れが有効と考えられた。そこで、北大のキャリアマネジメントセミナーの短縮版を出前授業とし
てアレンジし、北見工業大学実施した。一方で、北大の「キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)」の授
業の 1 コマへ北見工業大学の教員が参加し、授業プログラムの相互乗り入れを実施した。
帯広畜産大学は既に企業へのインターンシップを実施していたので、その内容についてノウハウなど
をヒアリングし、北大が行うに当たっての参考とした。また、北大が収集した企業情報は帯広畜産大学へ
提供した。
(3)-2 企業との連携
企業との関係構築の第 1 歩は、教員による face to face の面談から開始した。企業が北大の人材育成、
大学院改革に関わってもらえるようになるためには、次の 3 つのステップを経ることが肝要であり、企業側
にとっても情報を把握し、考え、判断するための時間を要する。
第 1 段階は面談で北大 HoP-Station の教育改革とそれが企業にとっても良い人材の発見に繋がること
の説明を行う。その第 1 歩として企業と DC/PD のコミュニケーションツールとしての Web システム
「Hi-System」への登録を依頼する。5 年間で 370 社が登録を行った。
第 2 段階は、この登録した企業に、北大の教育やイベントへの参加を依頼する。Hi-System 登録企業
の内、約 3 分の 1 の 111 社が授業、マッチング等に参加した。
第 3 段階として、さらにインターンシップの受入れを依頼するが、上記 111 社の内約 3 分の 1 の 38 社
が受入れに同意した。
DC/PD とのコミュニケーションに関心がある登録企業の内 3 分の 1 が大学のキャリア活動に参加し、さ
らにその 3 分の 1 がインターンシップを受入れるという比率は 5 年間変化していないので、この比率は企
業全体の傾向を反映した黄金比率的数字と考えられる。
4.意識改革状況と具体的行動等の変化
(1) 機関、執行部の若手研究人材養成への組織としての取組、意識改革
(1)-1 総長の関与
大学院意識改革は北大が取り組むべき最大の課題の1つとして総長自らが認識し、その直下に人材育
成本部を設置し、総長指揮の下で本プロジェクトを含む改革を実施した。毎年1月に北大の教育に係わる
全プロジェクトが一堂に集まるシンポジウム「シンフォスター会議」を主宰し、本プロジェクトを含む全プロジ
ェクトの周知を徹底させ、相互理解と相乗効果を推進した。
本プロジェクト終了後の自立的継続のために、平成26年度予算として自主財源 68.8百万円に加えて
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総長裁量経費から10.0百万円を計上し、総額78.8百万円を確保した。(IV. 3. (2) 及び VI. 1. (1) 参照)
(1)-2 人材育成本部本部長の関与
緑の会の開催、幕見の会等、外部企業が多く関わる催しを主催し、関連企業の意見を取り入れると共
に、企業に大学院の改革状況を伝えDC/PDの受入れについてアピールした。
(1)-3 人材育成本部副本部長の関与
本プロジェクトの企画立案を実施し、協働育成推進委員会を主催して審議・承認を得た後、各部局に
働きかけて本プロジェクトの浸透を図った。また、各プログラムの実施にあたっては状況の変化に応じて修
正し、課題を解決する指揮を執った。
(2) 研究科 (教育・研究方針、カリキュラム等)
(2)-1 キャリアマネジメントセミナー(MOT関連)
平成23年度(第3年度)、それまでMOT講座として開催されていた授業を基盤にして、新たに「キャリア
マネジメントセミナー(MOT関連)」を立ち上げ、部局を超えて広く大学院生が受講できるように、「大学院
理工系専門基礎科目」、「大学院共通授業科目」として単位化(2単位)した。特に後者は文科系の大学
院にも開かれた授業である。同時に、農学院はこの授業を「バイオ産業創成学」として、農学院修士・博
士課程の選択必修科目化した。さらに平成24年度(第4年度)、生命科学院は本授業を博士課程の選択
科目として認定した。現在、函館地区にある水産学部へは同時中継を行っており、本授業は北海道大学
のすべての部局の大学院生が受講し単位取得可能な科目となっている。また、連携3大学へはDVDに収
録し配信している。
(2)-2 緑の会
平成23年度より、マッチングの機会「緑の会」は博士課程を対象に、「大学院理工系専門基礎科目」、
「大学院共通授業科目」として単位化(1単位)した。
(2)-3 博士力実践インターンシップ
同じく、平成23年度より、「博士力実践インターンシップ」も博士課程を対象に、「大学院理工系専門基
礎科目」、「大学院共通授業科目」として単位化(2単位)した。
これにより、教育、マッチング、インターンシップの3ステップを全学の大学院生が受講可能なるよう単位
化し、シラバスに内容を掲載すると同時に、各部局の大学院入学式において説明会・ガイダンスを開催し
た。
(3) 若手研究人材についての教員・PI等の意識の変化
平成23年度(第3年度)ごろからPDの本プロジェクトでのインターンシップ参加者の就職状況が良い事
が判明し、企業からの評価も高いことが各部局にフィードバックされると、PDを持つ教員から意識が変わり
始めた。平成21年度22年度は、DCの本プログラムへの参加の了解を指導教員に求めても約半数は同意
を得ることが難しかったが、平成24年度25年度は難色を示す教員はほとんどいなかった。これは、平成24
年度(第4年度)にこれまでのDCでインターンシップに参加した院生が学位取得時期を迎え、企業への内
定・就職が良好であることが部局に伝わり、院生・教員双方の意識が大きく変わり始めた為と考える。例え
ば、H25年度の全学シンポジウム「シンフォスター」において、インターンシップに学生を送り出した教員か
ら本教育プログラムが博士学生の研究意識の成長を促すことが分かったとの報告がなされた。また、平成
21年度から平成24年度までは毎年平均数名であったDCのインターンシップ参加者数が、平成25年度
(最終年度)には12名へと増加した。(表18. を参照)
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表18. インターンシップ参加者数
平成21年度 平成22年度
DC
2名
8名
PD
1名
6名
計
3名
14名
平成23年度
5名
10名
15名
平成24年度
5名
5名
10名
平成25年度
12名
4名
16名
計
32名
26名
58名
(4) 若手研究人材の意識改革
種々のアンケートで、DCのほぼ50%がアカデミアを目指し、25%が企業を目指し、25%はどちらとも決
心していない。従って、企業を目指すDC/PDの会員制のHi-Systemへの登録目標値を30%に置いた。現
在のところ、企業でのキャリア形成を目指す理系DCの登録率は22%で、目標の30%は未達であるが近
づきつつある。
本プロジェクト開始直後の平成21年22年度からPDの意識は、インターンシップは企業への就業の機会
を掴むものとしてとらえられていた。従って、当初よりPDは自分の次のキャリアを企業に焦点を当てており
応募が多かったが、DCはキャリア開発への意識がPDより低く、インターンシップへの応募者が少ない状
況が続いた。しかし、平成23年度に育成された者が学位を取り企業就職に結びつくという結果が部局に
フィードバックされると、教員および院生の意識改革が進み、平成25年度のDCの実施者が増加した。(IV.
3. (4) で説明した。表18. も参照)
(5) 若手研究人材についての企業の意識の変化
まず、種々の機会を見つけて企業訪問を行い、意識改革の第1段階として、北大のDC/PDやその採用
に興味を持つ企業に対してHi-Systemへの登録を促した。その結果、表11. に示すように登録数は初年
度28社から最終年度370社へと増加した。さらに、第2段階として、これらの企業の中から29社が授業、演
習、講演会の講師として参加、マッチング「緑の会」へは延べ203社(実数87社)が参加した。これらの北
大人材育成本部への催し物に参加した企業の実数は111社であった。さらに、第3段階として、38社がイ
ンターンシップの受入れを行った。この各々の数字は企業の理解と意識改革の各レベルでの進行状況を
表している。
「緑の会」でのマッチングに関しては企業のほうから申し込みが来るようになり、1社年1回の制限や、順
番待ちをしていただくまでに好評となっていて、企業側の意識の変化が感じられる。
インターンシップに関しては、38社のうち4社は企業独自のインターンシップテーマを複数持ち、その内
3社は北大内でインターンシップ説明会を開催するまでに積極的に関与している。また、別の1社は企業
費用でインターンシップを実施する体制を構築している。また、11社は複数回のインターンシップを受入
れていて、この制度が人材の発掘の手段として受入れられていることを示す。
また、外部評価委員会「幕見の会」においては、参加の10社全てから本プロジェクトの取組について高
い評価を得ており、改良を要する課題についても積極的な意見を頂いている。
(6)人材養成の効果
博士力実践インターンシップ修了者は体験報告会を行うが、その際に、DC/PDが所属する部局の教員
から、「インターンシップ終了後に後輩の面倒身がよくなった」、「積極的に研究室の運営に参加するよう
になった」、「時間の使い方が見違えるように良くなった」、「産業での応用について考えている」、などのポ
ジティブな意見が寄せられた。また、表11. に示すように、企業就職を目指しHi-Systemへ登録するDC数
が平成23年以降増加している。(平成25年度末の登録者数内訳は表12. を参照)
(7) 他機関(大学・研究所、自治体等)、社会への波及効果
本プロジェクトの連携大学である北見工業大学、帯広畜産大学、室蘭工業大学の3校とも、平成23年
度までにインターンシップを単位化し博士課程の必修科目として位置付けた。
九州大学で実施しているリーディング大学院より要請を受け、本プロジェクトで開発したキャリアマネジ
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メントセミナーの内「リーダーシップ」を、2コマ(3時間)九州大学で演習の形で実施した。
本プロジェクトの目的外ではあるが、平成23年度、北海道滝川市の高校学校の授業として、本プロジェ
クトで開発したキャリアマネジメントセミナーの演習の1つである「プレゼンテーション演習」を、1年と2年の
計40名に対し90分(2校時)行った。本プロジェクトのホームページがきっかけであった。授業後、この演習
は「高等学校教育に是非必要なもの」とのことで、資料や授業ノウハウをお伝えした。
上記の授業がきっかけとなって、翌年平成24年度には、北海道教育庁の依頼で、後志教育局と空知
教育局の2か所の初任者研修会で、「プレゼンテーション演習」を2コマ(3時間)実施した。この演習で学
んだノウハウを用いて3日間の研修の最後のまとめのプレゼンテーションを行うのが1つの目的であり、さら
には高等学校教育にプレゼンテーション教育を取り入れていくとのことであった。
一般財団法人函館国際水産・海洋都市推進機構が北海道大学と協働で実施している「新水産・海洋
都市はこだてを支える人材養成講座」の2コマ(3時間)を、本プロジェクトで開発したブレーンストーミング
演習として割り当て、平成21年度から平成25年度にかけて毎年1回実施した。また、同機構が主催する、
函館国際水産・海洋都市構想シンポジウムより招待を受け、人材育成について講演を行った。
5.博士人材の教育研究方針、教育システム、キャリア支援システムの機関全体への展開
(1) 全学教育研究方針への反映
本プロジェクトを実施した平成21年度から平成25年度の間に、本学博士課程修了者全体の就職率が
53%から65%へと上昇した。(表13参照、IV. (5)-1、及び V. 2 に記載) 本プログラムの育成対象者への
教育効果に留まらず、全学への波及効果も大いに期待できることが判り、自信を深めた。そこで、平成26
年度以降も自主経費を確保し本プログラムを鋭意継続するとともに、全学教育システムへの展開を行うこ
ととした。
博士人材の教育研究は、所属する部局と人材育成本部との連携で行われるものである。IV 1. (1) で
詳しく述べたが、部局で行う「Research Skills」の教育と、人材育成本部で行う「Transferable Skills」の2つ
のスキルのバランスが重要である。(IV. (1) 参照) 従って、本事業の5年間のノウハウを次へ伝えるため
の一環として、「大学院生キャリアパスポート」を作成した。これはパスポートの形式を模し、「Research
Skills」と「Transferable Skills」の2つのスキルについて紹介し、各々のスキルをどのように獲得しつつある
かをログ形式で自らが記入していくものである。自らの成長を継時的に把握しつつ不足分を認識できるよ
うな形式となっていて、企業に対してアピールする際にも役立つものとした。(図11. 「大学院生キャリアパ
スポート」参照)
平成25年1月に開催した「幕見の会」で、この「大学院生キャリアパスポート」に対する企業の意見を求
めたところ、「これこそが企業が求めている人材情報である」、「マッチングの緑の会で使ってほしい」、「広
く院生に配布すべきだ」との意見を得ることが出来た。平成26年4月の大学院修士課程、博士課程の入学
者全員に配布した。「大学院生キャリアパスポート」の活用とその深化は、人材育成本部において継続実
施中である。現在、「大学院生キャリアパスポート」は北大人材育成本部のホームページ上にPDFファイル
として公開されており、学外からもアクセス、プリントアウトすることにより入手可能である。(「北大」+「キャ
リアパスポート」で検索すると入手できる)
(2) システムの全学への展開
本プロジェクトで確立した、「キャリアマネジメントセミナー(MOT関連)」の授業内容は、大学院生にとっ
ての基本的な知識でありスキルであるので、博士課程よりもっと早い時期の修士課程で受講すべきとの考
えに基づき、修士課程を対象としてPDCAを行って内容を練り上げた。 IV 2. (3)-1 で述べたが、本授業
は修士1年の多くが受講しており、平成26年度の受講者数は330名で、北海道大学理系文系修士課程1
年の20%が受講する規模になっている。また平成26年度は本授業が単位化されて4年度目であり、修士1
年で受講していた院生が現在博士課程2年になっていて、その影響は博士課程に浸透しつつある。
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平成25年度までは、外国人DC/PDも対象とはしてきたが、日本語を話せる者に限っていた。しかし、英
語での学位取得コースの増員に伴い英語でのサポートを希望するDC/PDの数が増え、英語でのキャリア
支援のニーズが高まってきた。そのため平成25年度より英語でのキャリア支援について検討を開始し、平
成26年度から英語での支援を行う、「I-HoP(Hokudai International Human Resource Development
Program)」を人材育成本部に新設した。
(3) システムの各部局への展開
北大では平成25年度より総合化学院においてリーディング大学院が開始されたが、本事業で開発した
キャリアマネジメントセミナーの「リーダーシップ」を育成対象とする院生のキックオフの演習の1つとして採
択された。今後、総合化学院へのノウハウの伝達を行い、平成26年度以降は総合化学院で展開する。
生命科学院では、本事業で開発したキャリアマネジメントセミナーの「知的財産」を、「生命科学に関す
る知財入門」全8コマ(1単位)の1コマ(90分)として平成24年度より採用した。この授業は、理工系大学院
専門基礎科目および生命科学院集中講義として生命科学院のみならず全学の理工系大学院生が受講
可能となっている。本授業全体は産学連携本部で企画運営され、平成26年度も継続実施中である。
連携3大学の北見工業大学、帯広畜産大学、室蘭工業大学では、インターンシップが単位化され博士
課程の必修科目化されている。これらの大学とは本プロジェクト終了後もインターンシップ先に関する情
報交換は継続して行う旨、合意している。また、北海道大学で実施するDC/PDのためのキャリア開発プロ
グラムへの参加についても、経費は各々の大学負担で参加可能となるよう、協議中である。
図11. 大学院生キャリアパスポート
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V.自己評価及び外部からの評価
1.目標達成度
この報告書の最初に述べたように、本プロジェクトの目的は、「多様な社会で活躍しイノベーションを起
こす気概と能力を持った人材」、即ち「イノベーション人材」を養成し社会に送り出すことである。
ミッションステートメント記載の目標として、1.博士力実践インターンシップを含むプログラムの構築と実
施体制が出来ていること、2.パイオニア実施プログラム養成者総数 60 名以上であること、3.プログラムで
要請した博士取得者の 40%以上を産業化に輩出すること、の 3 点を立てた。
1 つ目の目標、プログラムと実施体制の構築については、III. 3. (2) に記載した通り、第 4 年度目に 1
年前倒しで達成した。現在は自主経費で運用を続けている。
2 つ目の目標、養成者総数 60 名以上、については残念ながら 58 名(97%)と 2 名下回った。この主た
る原因は、インターンシップ先が決まっていた段階での本人発病によるドクターストップ 1 名、同じくインタ
ーンシップ先が決まった段階で就職が決まったためのキャンセル 1 名などの止むを得ない状況があり、そ
の後新たな追加募集が出来ない事情もあった。
3 つ目の目標、産業界への輩出率に関しては、DC での育成者は 68%、PD での育成者は 96%と、目
標 40%を上回って達成した。(III. 3. (2) 参照)
上記の 3 つのミッションステートメントの目標は、達成したと考える。 また、外部評価委員会の「幕見の
会」では、特に良好なマッチングシステム「緑の会」がよく機能し、本プロジェクトの目的である「イノベーシ
ョン人材」即ち、「多様な社会で活躍しイノベーションを起こす気概と能力を持った人材」を効果的に産業
界に輩出しているとの評価を得ている。(V. 6. (1) の詳細を参照)
2.イノベーション人材養成システム改革状況
司令塔としての「協働育成推進委員会」、実働部隊の HoP-Station、外部評価委員会の「幕見の会」は
十分よく機能し、学内でも認知を得て活動した。5 年間に 4 回の PDCA を回しその中で継続的にシステム
を改革し続ける有機的な組織体として構築されたと考える。
連携 3 大学との改革推進においては、平成 24 年度までに 3 大学ともに「インターンシップ」を大学院博
士課程の必修科目として採用し、企業での実務体験を取り入れた人材養成システムを構築した。本プロ
ジェクトで開発した「キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)」は、DVD による連携 3 大学への配信で共
有化した。さらに、北見工業大学と北海道大学の間では、人材育成に関する授業講師の相互乗り入れに
よるシステムの共同改革を行った。4 大学の規模や事情は異なるものの、本プロジェクトを通じたシステム
改革は予定通り遂行された。
北海道大学博士課程修了者の就職率も、表 13. に示すように平成 21 年の 53%から平成 25 年の 65%
へと増加し、全体への波及効果も見られたので、システム改革の効果が徐々に出始めたと考える。さらに、
IV. 2. (5) で述べたが、本プロジェクトで育成した DC/PD が教育する側として企業から参加しており、シス
テム改革の結果、人材育成のエコシステムが整いつつある。(表 17. 参照)
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3.実践プログラムの開発・運用状況
本プログラムで開発した授業「キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)」、マッチング「緑の会」、「博士
力実践インターンシップ」のいずれも北海道大学の全大学院を対象とした単位化を行い、カリキュラムの
全学展開を完成した。このうち「キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)」は博士課程前期、即ち早い時
期での意識改革に貢献するものとして認知され、修士 1 年の 20%が受講する北大大学院最大規模のも
のとなった。「緑の会」、「博士力実践インターンシップ」の組み合わせは意識改革された DC/PD を産業
界に輩出するシステムとして良く機能し、全学レベルで DC の就職率向上にも寄与した。
外部評価委員会「幕見の会」からも、上に述べたように博士課程前期での授業の重要性とマッチングシ
ステムとインターンシップとの連携が非常に有効に働いた例であると、高く評価された。
実践プログラムの開発・運用においても、初期の目標を達成したと考える。
4.実施体制
北海道からのインターンシップ先は、主として本州となり、企業開拓やインターンシップのために他大学よ
り交通費が要することが予想された。従って、HoP-Station は最少の人員で取り組んだ。専任は、初年度は
特任教授 1 名、事務補佐員 1 名で開始したが、3 年度目から事務補佐員を 2 名に増員した。年間 15 名程
度に絞った本プロジェクトの実施体制としては最適の人員構成であった。
また、「協働育成推進委員会」、「幕見の会」の構成、実施頻度も最適化された。「協働育成推進委員会」
による育成対象者の書面審査は e-メールによる電子審査として遠隔地からの移動時間を最少にするととも
に回数を年に 1 回から毎月 1 回へと機動性を増やすなどの方策をとった。
外部評価委員会「幕見の会」からも、人件費を抑えた継続性の高い実施体制であるとの評価を得た。
総合的に判断して、最善の実施体制となったと考える。
5. 機関として特筆すべき成果
(1) マッチング「緑の会」のノウハウ
マッチング「緑の会」における企業人と DC/PD との間で最も効果的に相互理解できるノウハウを確立し
た。第 1 のポイントは企業の業種、参加 DC/PD の専門を特定しないこと。第 2 のポイントは企業 15 社か
ら研究担当者 1 名と人事担当者 1 名の 2 名で参加し企業の参加人数を 30 名、一方 DC/PD を 30 名と
する。この人員構成と規模は重要である。第 3 に、企業から DC/PD への説明、DC/PD から企業へのポス
ターアピール、企業ブースでの 1 対 1 の面談の 3 部構成とすることと各々の時間配分。これに加えれば、
DC/PD へは事前にポスターを用いた効果的なプレゼンテーションを演習で身に付けさせて本番に臨む
こと。である。(IV. 2. (3)-2 で詳述した)
(2) バイオ系領域の活躍の場の発見と創出
キャリア教育により専門の呪縛を解き異業種企業へ目を向けさせることと、上記の「緑の会」を効果的に
利用し企業における「新事業」での活躍の場を見出し積極的に自己アピールすることにより、バイオ系
DC/PD 人材が企業の新事業領域でバイオ系の業務を発見し、企業との対話による専門領域の十分な相
互理解によって活躍の場を創出することが可能となった。
現在の日本においてバイオ産業というカテゴリーに属する企業は非常に少ないが、化学、電子、情報、
建設、鉄鋼等の業界がバイオ技術を必要とする新事業を立ち上げている動きを掴むことができれば、これ
らの業界内にはバイオ人材は不足しており活躍する機会は多いと考える。(IV. 2. (2) で触れた)
(3) 人材育成のエコシステムの始動
本プロジェクトで育成し、博士力実践インターンシップを通して企業に入社したイノベーション若手人材
が、本プログラムの講師等として企業の立場で参加し、後輩の指導・教育に参加する事例が平成 24 年度
以降増加している。(図 10. 「イノベーション人材育成のエコシステム」を参照) これは本事業の 1 つの理
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想像でもあり、育成した若手研究者自身が後輩を育成するというパイオニア人材の循環育成系、即ちエコ
システムが始動し始めたと考えている。(IV. 2. (5) で詳述した)
6.実践プログラム成果に対する外部からの評価(外部評価委員会、地方自治体、マスコミ等による評価)
(1) 外部評価委員会「幕見の会」での評価:(以下、評価書を要約)
先行事業の活動内容をうまく補完・利用する形が確立され、Hi-System の構築と意識改革プログラムを基
盤として、若手研究者を社会活躍に導くための教育プログラムが良好に開発された。キャリア教育・インター
ンシップから活躍場所の獲得(就職)につなげる仕組みが構築できた。
全学向け実践的講義群は、内容が経営的内容に偏ること無く、企業での活躍を目指す若手研究者に必
要な基本的内容がデザインされ、その内容を企業講師と大学教員が協働で講義する体制が構築されてい
る。今後、企業内研修とのタイアップ、相互乗入れをしてはどうか。双方に刺激を与える。
「緑の会」は、「赤い糸会」と共催することで、これまでインターンシップを受入れていなかった企業の意識
改革にも繋がり、インターンシップ受入れ企業の効果的な開拓に繋がっている。先行するプログラムとの効
果的な連携を見ることが出来る。
インターンシップ後の企業就職については、当初のミッションステートメントで設定した数値目標を大きく
超える成果を達成している。講義群による事前教育、「緑の会」による効果的なマッチング、企業開拓の成
果と評価する。学内に向けての情報発信(教員への FD などを含む)に関しては更に工夫する必要がある。
H26 年度からはこの事業で開発した実践教育プログラムを S-cubic で継承するとのことであるが、北海道
大学の自主経費を追加投入するなどして経費面で S-cubic の事業が圧迫されないようにして、本実践教育
プログラムを継続・発展・定着させる支援体制に期待する。
(2) マスコミ等での評価:
マスコミで取り上げられたのは新聞 2 回、テレビ放映 1 回であり、いずれもマッチング「緑の会」を中心とし
た DC/PD の企業との相互理解の様子についてであった。平成 22 年毎日新聞では「北大が企業への橋渡
し」として「緑の会」をカラム「街角」で紹介。平成 22 年 NHK テレビでは、1人の PD がアカデミアか企業かの
キャリア選択を考え悩む日常と、「緑の会」に参加し企業と初めて接触している様子に密着取材したドキュメ
ンタリー映像を放映した。ここでは大学の新たな取組として紹介された。さらに、平成 25 年の北海道新聞で
は、「北大、院生就職に際して手厚い支援を行い企業と定期会合を実施しミスマッチを防ぐ」として「緑の
会」の効果についても報道した。(表 3. 参照)
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VI. 実施期間終了後における取組の継続性・発展性
1.平成 26 年度の継続策
(1)実施期間終了後における若手博士人材養成システム、実施体制(支援室体制、人員等)および
資金計画
実施期間終了後も継続・発展させることを前提に本プロジェクトを推進した。特に、最終年度の平成 25
年度は継続のための準備期間としても捉え、1 年を掛けて計画立案し関係部署との折衝を行った。その
結果、平成 26 年 5 月末日時点で実施している実施体制、実施内容、予算措置は下記のとおりである。
実施体制:
平成 26 年度も引き続き本プロジェクトは人材育成本部で実施している。平成 25 年度までは DC/PD に
関わる大学院改革は HoP-Station と S-cubic の両輪体制で行ってきたが、平成 26 年度からは
HoP-Station を S-cubic 内に吸収し一元的な管理のもとで運営する。また、平成 25 年度までは留学生
DC/PD も対象とはしてきたが、日本語を話せる者に限っていた。しかし、英語での学位取得コースの増員
に伴い英語でのサポートを希望する DC/PD の数が増え、英語でのキャリア支援のニーズが高まってきた。
そのため、平成 26 年度から、英語でのキャリア支援を行う、I-HoP を新設した。
運営の体制としては、「協働育成推進委員会」を「人材育成本部教授会」として設置し S-cubic の運営
のための審議をおこなう。外部評価委員会の「幕見の会」はこれまでと同様に開催し、PDCA を回すため
に運用する。連携大学の 3 大学、北見工業大学、帯広畜産大学、室蘭工業大学とは引き続きインターン
シップ情報の共有について連携していく旨、各大学の副学長と協議中である。
実施内容:
HoP-Station で実施してきた教育「キャリアマネジメントセミナー(授業・演習・講演会)」、マッチング「緑
の会」、「博士力実践インターンシップ」は全て S-cubic がノウハウ、人脈を継承しこれまでと同様に実施す
る。ただし、「博士力実践インターンシップ」については予算上 HoP-Station の補助金と同様の内容はでき
ないので人数を 3~6 名程度に縮減した。
予算措置:
HoP-Station の事業を継続分含んだ S-cubic 予算として総額 78.8 百万円を学内経費で確保。このう
ち 10.0 百万円は総長直接采配による経費(総長経費)として増額付与されている。総額 78.8 百万円の内、
25.8 百万円は HoP-Station 継続に関わる費用である。これとは別に、外国人研究者に対する英語でのキ
ャリア支援を目的として、新たな取組である I-HoP の予算として別途、総額 30.0 百万円を確保した。
(2)取組の継続性を確保するための機関・組織の長のコミットメント
本プロジェクト継続・推進の重要性を認識し、平成 26 年度予算として総長が直接采配して「総長経費」
より別途 10.0 百万円を増額し、総額 78.9 百万円を割り当てた。人材育成本部長、副本部長も、本プロジ
ェクト継続・推進を積極的に進める旨の所信表明を期初(平成 26 年 4 月)に行っている。さらに、人材育
成本部長がコミットする形で、本プロジェクトで実施してきた内容を英語で行い、英語で学士取得する外
国人研究者に拡大させるための新プロジェクト I-HoP を平成 26 年度より 30.0 百万円の予算規模でスタ
ートさせた。
(3)取組の継続状況
キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)は、平成 26 年 4 月より開講し、これまでの最高の 336 名が受
39
講している。「ビジネスマナー演習」は 5 月に、新規セミナーを 6 月に、「グローバル人財セミナー(演習)」
は 10 月に開催予定である。「緑の会」はブランド戦略上 S-cubic における名前「赤い糸会」に統一し、本年
度は 3 回開催予定である。その内、9 月、11 月は札幌で、2 月は東京での開催を予定している。博士力実
践インターンシップを進めるために、2 社のインターンシップ企業説明会を計画中である。1 名の DC に対
して受入れ先の選定を進めている。
表 19. プロジェクト終了後の予算
総長経費
Hi-System
S-cubic
I-HoP
総計
平成 26 年
計(百万円)
人件費
諸経費
10.0
5.2
4.8
25.8
7.5
18.4
43.0
33.8
9.2
30.0
16.0
14.0
108.8 (HoP-Station 継続 25.8)
平成 27 年(申請予定額)
計(百万円)
人件費
諸経費
8.6
3.8
4.8
35.0
7.5
27.5
70.3
44.7
25.6
30.0
16.0
14.0
143.9 (HoP-Station 継続 27.4)
2.中長期的計画(平成 27 年度以降)
平成 27 年度も本プロジェクトを継続・推進する予定である。予算措置は次のとおりである。VI. 1. (1) で
述べた人材育成本部 HoP-Station と S-cubic と I-HoP での事業を平成 27 年度に継続実施するための予
算として、総額 143.9 百万円を予算請求予定であり、概算要求の準備を進めている。
40
VII. 本事業の実施を踏まえての今後の博士人材養成に対する提案等
5 年間で 4 回の外部評価委員会「幕見の会」を開催し、その都度委員会からの企業意見を取り入れる
形で PDCA を回し、修正・見直しを行った。5 年度目の「幕見の会」では、育成対象者として本システムで
育成したのちに企業就職した OB が育成者としての経験を基に現在の企業の立場で評価した。これら本
プロジェクトで育成した企業委員は DC/PD の立場を十分理解している。従って、当事者としての課題を
自らの事として最も良く把握しているので、現在の企業人としての視点からの親身なアドバイスを得ること
ができるようになった。本システムが 6 年度以降も有効に機能するためには、このように育成された若手博
士人材が積極的に本システムの運営に係わること、すなわち人材育成のエコシステムを回し続けることが
必要であると考える。
41
VIII.付録
(参考図表、調査資料等)
表.1 取組の実施状況
実施開始日
実施以前の主な取組
平成 18 年度~22 年度
平成 18 年度~20 年度
平成 20 年度~22 年度
平成 21 年 4 月 1 日
平成 21 年 7 月 28 日
平成 21 年 7 月 30 日
平成 21 年 8 月 1 日
平成 21 年 8 月 31 日
平成 21 年 9 月 1 日~
平成 21 年 9 月 30 日
平成 21 年 9 月 16 日
平成 21 年 10 月 23 日
平成 21 年 11 月 1 日~
平成 22 年 1 月 31 日
平成 21 年 11 月 26 日
平成 21 年 12 月 15 日
平成 21 年 12 月 22 日
平成 22 年 2 月 1 日
平成 22 年 2 月 1 日
平成 22 年 2 月 15 日
平成 22 年 2 月 25 日
平成 22 年 3 月 4 日
平成 22 年 3 月 12 日
平成 22 年 3 月 26 日
平成 22 年 4 月
平成 22 年 5 月 14 日~
平成 22 年 7 月 30 日
平成 22 年 5 月 27 日
平成 22 年 5 月 27 日
平成 22 年 7 月 15 日
平成 22 年 7 月 21 日
平成 22 年 7 月 27 日~
平成 22 年 8 月 31 日
平成 22 年 8 月 10 日~
平成 22 年 8 月 11 日
平成 22 年 9 月 14 日
平成 22 年 10 月 6 日~
平成 23 年 1 月 17 日
平成 22 年 10 月 12 日
平成 22 年 11 月 24 日
~平成 23 年 2 月 1 日
平成 22 年 11 月 26 日
平成 22 年 12 月 21 日
取組内容
文部科学省「科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業」実施
文部科学省「女性研究者支援モデル育成プログラム」実施
文部科学省「大学院教育改革支援プログラム」実施
北大総長の下に「人材育成本部」設置
人材育成本部企画委員会及び事業部門会議開催
パイオニア人材協働育成推進委員会設置
人材育成本部内に北大パイオニア人材育成ステーションを設置
パイオニア人材協働育成推進委員会開催。ホームページ立ち上げ。
平成 21 年度育成対象者募集
第 1 回緑の会(札幌)
第 1 回キャリアマネジメントセミナー・講演会「帝人」
平成 22 年度育成対象者募集(1)
マネジメントセミナー「大学と企業研究の違い」
第 2 回緑の会(札幌)
マネジメントセミナー「リーダーシップ」
パイオニア人材協働育成推進委員会
北海道大学人材育成シンポジウム「SynFOSTER2010」
マネジメントセミナー「イノベーション創出」
マネジメントセミナー「マーケティング」
第 2 回キャリアマネジメントセミナー・講演会「スペースフロンティア」
人材育成本部企画委員会及び事業部門会議
人材育成本部企画委員会及び事業部門会議
修士・博士入学式での説明会(オリエンテーション)
キャリアマネジメントセミナー・前期授業(毎週金曜日)
第 3 回キャリアマネジメントセミナー・講演会/演習「ビジネスマナー」
第 1 回体験報告会(札幌)の開催
第 4 回キャリアマネジメントセミナー・講演会「昭和電工」
パイオニア人材協働育成推進委員会
平成 22 年度育成対象者募集(2)
北見工業大学 MOT 出前講座
函館キャンパス MOT 出前講座
キャリアマネジメントセミナー・後期授業(毎週月曜日)
第 3 回緑の会(札幌)
平成 23 度育成対象者募集(1)
第 5 回キャリアマネジメントセミナー・講演会「キリン」
第 4 回緑の会(札幌)
42
平成 23 年 1 月 24 日
平成 23 年 1 月 25 日
平成 23 年 2 月 16 日
平成 23 年 2 月 17 日
平成 23 年 2 月 21 日
平成 23 年 2 月 21 日
平成 23 年 3 月 14 日
平成 23 年 4 月
平成 23 年 4 月 11 日~
平成 23 年 8 月 1 日
平成 23 年 5 月 24 日
平成 23 年 6 月 8 日
平成 23 年 7 月 1 日
平成 23 年 8 月 9 日~
平成 23 年 8 月 31 日
平成 23 年 8 月 17 日~
平成 23 年 8 月 18 日
平成 23 年 8 月 24 日
平成 23 年 9 月 2 日
平成 23 年 10 月 3 日~
平成 24 年 2 月 8 日
平成 23 年 10 月 12 日
平成 23 年 11 月 9 日
平成 23 年 11 月 7 日~
平成 24 年 2 月 6 日
平成 23 年 11 月 17 日
平成 23 年 11 月 18 日
平成 24 年 1 月 17 日
平成 24 年 1 月 26 日
平成 24 年 2 月 13 日
平成 24 年 2 月 20 日
平成 24 年 2 月 21 日
平成 24 年 2 月 28 日
平成 24 年 3 月 23 日
平成 24 年 4 月
平成 24 年 4 月 2 日~
平成 24 年 4 月 27 日
平成 24 年 4 月 3 日
平成 24 年 4 月 9 日~
平成 24 年 7 月 30 日
平成 24 年 5 月 15 日
平成 24 年 5 月 17 日
平成 24 年 6 月 1 日~
平成 24 年 11 月 30 日
平成 24 年 7 月 18 日
平成 24 年 8 月 10 日
平成 24 年 8 月 23 日
平成 24 年 9 月 3 日
第 6 回キャリアマネジメントセミナー・講演会「サントリー」
北海道大学人材育成シンポジウム「SynFOSTER2011」
HoP-Station シンポジウム&第 2 回体験報告会(札幌)
パイオニア人材協働育成推進委員会
第 5 回緑の会(東京)
企業研究所視察(関東)
第 7 回キャリアマネジメントセミナー・講演会「異文化コミュニケーション」
修士・博士入学式での説明会(オリエンテーション)
キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)・前期授業(毎週月曜日)
第 8 回キャリアマネジメントセミナー・講演会/演習「ビジネスマナー」
第 3 回体験報告会(函館)
Hi-System(DC/PD と企業を結ぶ Web システム)立上。英語 e-ラーニングシ
ステム始動
平成 23 年度育成対象者募集(2)
北見工業大学 MOT 出前講座
プレゼンテーション演習「9/2・赤い糸会&緑の会対応」
第 6 回緑の会(札幌)
平成 24 度育成対象者募集(1)
プレゼンテーション演習「サステナポスタコンテスト対応」
プレゼンテーション演習「11/18・赤い糸会&緑の会対応」
キャリアマネジメントセミナー・後期授業(毎週月曜日・単位取得外)
企業研究所視察(道内)
第 7 回緑の会(札幌)
幕見の会
北海道大学人材育成シンポジウム「SynFOSTER2012」
プレゼンテーション演習
第 8 回緑の会(東京)
企業研究所視察(関東)
パイオニア人材協働育成推進委員会
第 4 回体験報告会(札幌)
修士・博士入学式での説明会(オリエンテーション)
平成 24 年度育成対象者募集(2)
第 5 回体験報告会(函館)
キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)・前期授業(毎週月曜日)
第 9 回キャリアマネジメントセミナー・講演会「NEC」
第 10 回キャリアマネジメントセミナー・講演会/演習「ビジネスマナー」
平成 24 度育成対象者募集(3)
第 11 回キャリアマネジメントセミナー・講演会「NTT」
北見工業大学 MOT 出前講座
プレゼンテーション演習「9/3・赤い糸会&緑の会対応」
第 9 回緑の会(札幌)
43
平成 24 年 10 月 7 日~
平成 24 年 12 月 17 日
平成 24 年 11 月 20 日
平成 24 年 11 月 26 日
平成 24 年 11 月 30 日
平成 24 年 12 月 1 日~
平成 25 年 11 月 30 日
平成 25 年 1 月 11 日
平成 25 年 1 月 25 日
平成 25 年 2 月 4 日
平成 25 年 2 月 14 日
平成 25 年 2 月 15 日
平成 25 年 2 月 21 日
平成 25 年 3 月 8 日
平成 25 年 4 月
平成 25 年 4 月 8 日~
平成 25 年 7 月 31 日
平成 25 年 5 月 17 日
平成 25 年 5 月 31 日
平成 25 年 6 月 28 日
平成 25 年 7 月 17 日
平成 25 年 8 月 1 日
平成 25 年 8 月 21 日
平成 25 年 9 月 2 日
平成 25 年 9 月 30 日
平成 25 年 10 月 8 日
平成 25 年 10 月 16 日
平成 25 年 11 月 8 日
平成 25 年 11 月 18 日
平成 25 年 11 月 19 日
平成 25 年 12 月 12 日
平成 26 年 1 月 16 日
平成 26 年 1 月 30 日
平成 26 年 1 月 30 日
平成 26 年 1 月 31 日
平成 26 年 2 月 7 日
平成 26 年 2 月 19 日
平成 26 年 2 月 20 日
平成 26 年 3 月 14 日
キャリアマネジメントセミナー・後期授業(毎週月曜日・単位取得外)
プレゼンテーション演習「11/30・赤い糸会&緑の会対応」
ミニシンポジウム&第 6 回体験報告会(札幌)
第 10 回緑の会(札幌)
平成 25 年度育成対象者募集
幕見の会
北海道大学人材育成シンポジウム「SynFOSTER2013」
プレゼンテーション演習「2/14・赤い糸会&緑の会対応」
第 11 回緑の会(東京)
企業研究所視察(関東)
グローバル人財セミナー
第 7 回体験報告会(札幌)
修士・博士入学式での説明会(オリエンテーション)
キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)・前期授業(毎週月曜日)
第 12 回キャリアマネジメントセミナー・講演会/演習「ビジネスマナー」
第 13 回キャリアマネジメントセミナー・講演会「NEC」
第 8 回体験報告会(北見)
第 14 回キャリアマネジメントセミナー・講演会「NTT」
第 15 回キャリアマネジメントセミナー・講演会「住友化学」
プレゼンテーション演習「9/2・赤い糸会&緑の会対応」
第 12 回緑の会(札幌)
北見工業大学 MOT 出前講座
道内企業研究所視察
第 16 回キャリアマネジメントセミナー・演習
「ビジネスプレゼンテーション演習」
プレゼンテーション演習「11/18・赤い糸会&緑の会対応」
第 13 回緑の会(札幌)
農学 FD&第 17 回キャリアマネジメントセミナー・講演会「パロアルト研究所」
グローバル人財セミナー
英語 e-ラーニングソフトウェア追加
北海道大学人材育成シンポジウム「SynFOSTER2014」
–(第 2 部・第 9 回体験報告会)
パイオニア人材協働育成推進委員会
HoP-Station 座談会
プレゼンテーション演習「2/19・赤い糸会&緑の会対応」
第 14 回緑の会(東京)
企業研究所視察(関東)
第 10 回体験報告会
44
表 2.セミナー等実施状況
・「赤い糸会」&「緑の会」
課題名
第 1 回緑の会(赤い糸会共同開催)
実施日
平成 21 年 9 月 16 日
場所
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
形式
講演会・その他(ポスターセッション)
対象者
DC PD 企業
来場者
人数:26 名(内訳 DC:23、PD:3) 企業:13 社
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 2 回緑の会(赤い糸会共同開催)
平成 21 年 12 月 15 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会・その他(ポスターセッション)
DC PD 企業
人数:17 名(内訳 DC:14、PD:3) 企業 13 社
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 3 回緑の会(赤い糸会共同開催)
平成 22 年 10 月 12 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会・その他(ポスターセッション)
DC PD 企業
人数:19 名(内訳 DC:14、PD:5) 企業:13 社
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 4 回緑の会(赤い糸会共同開催)
平成 22 年 12 月 21 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会・その他(ポスターセッション)
DC PD 企業
人数:17 名(内訳 DC:14、PD:3) 企業:13 社
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 5 回緑の会(赤い糸会共同開催)
平成 23 年 2 月 21 日
プリンスホテル(東京都港区)
講演会・その他(ポスターセッション)
DC PD 企業
人数:27 人(DC:21、PD:6) 企業:14 社
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 6 回緑の会(赤い糸会共同開催)
平成 23 年 9 月 2 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会・その他(ポスターセッション)
DC PD 企業
人数:26 名(内訳::20、PD6) 企業:14 社
45
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 7 回緑の会(赤い糸会共同開催)
平成 23 年 11 月 18 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会・その他(ポスターセッション)
DC PD 企業
人数:17 名(DC:14、PD:3) 企業 14 社
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 8 回緑の会(赤い糸会共同開催)
平成 24 年 2 月 20 日
八芳園(東京都港区)
講演会・その他(ポスターセッション)
DC PD 企業
人数:29 名(DC:29、PD:4) 企業 16 社
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 9 回緑の会(赤い糸会共同開催)
平成 24 年 9 月 3 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会・その他(ポスターセッション)
DC PD 企業
人数:33 名(DC:29、PD4) 企業:16 社
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 10 回緑の会(赤い糸会共同開催)
平成 24 年 11 月 30 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会・その他(ポスターセッション)
DC PD 企業
人数:31 名(DC:29、PD:2) 企業:15 社
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 11 回緑の会(赤い糸会共同開催)
平成 25 年 2 月 14 日
八芳園(東京都港区)
講演会・その他(ポスターセッション)
DC PD 企業
人数:33 名(DC:30、PD:3) 企業:14 社
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 12 回緑の会(赤い糸会共同開催)
平成 25 年 9 月 2 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会・その他(ポスターセッション)
DC PD 企業
人数:33 名(DC:29、PD4) 企業:15 社
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 13 回緑の会(赤い糸会共同開催)
平成 25 年 11 月 18 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会・その他(ポスターセッション)
DC PD 企業
人数:36 名(DC:33、PD3) 企業:15 社
46
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 14 回緑の会(赤い糸会共同開催)
平成 26 年 2 月 19 日
八芳園(東京都港区)
講演会・その他(ポスターセッション)
DC PD 企業
人数:32 名(DC:31、PD:1) 企業 15 社
キャリアマネジメントセミナー・講演会
第 1 回キャリアマネジメントセミナー・講演会
課題名
「帝人」
実施日
平成 21 年 10 月 23 日
場所
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
形式
講演会
対象者
MC DC PD 教職員
来場者
人数:18 名(MC:13、DC3、PD2)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 2 回キャリアマネジメントセミナー・講演会
「スペースフロンティアファンデーション」
平成 22 年 3 月 4 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会
MC DC PD 教職員
人数:16 名(MC:1、DC:9、PD:3、教職員:3)
第 3 回キャリアマネジメントセミナー・講演会/演習
「ビジネスマナー」
平成 22 年 5 月 27 日
北海道大学学術交流会館(札幌市)
講演会・演習
MC DC PD 教職員
人数:27 名(MC:2、DC12、PD3、教職員:11)
第 4 回キャリアマネジメントセミナー・講演会
「昭和電工」
平成 22 年 7 月 15 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会
MC DC PD 教職員
人数:20 名(MC:9、DC5、PD1、教職員:5)
第 5 回キャリアマネジメントセミナー・講演会
「キリン」
平成 22 年 11 月 26 日
北海道大学 農学部
講演会
MC DC PD 教職員
人数:12 名(MC:3、DC:7、PD1、教職員:1)
47
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 6 回キャリアマネジメントセミナー・講演会
「サントリー」
平成 23 年 1 月 24 日
北海道大学 農学部
講演会
MC DC PD 教職員
人数:17 名(MC:5、DC:8、PD4)
第 7 回キャリアマネジメントセミナー・演習
「異文化コミュニケーション」
平成 23 年 3 月 14 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会・演習
DC PD
人数:11 名(DC9、PD2)
第 8 回キャリアマネジメントセミナー・講演会/演習
「ビジネスマナー」
平成 23 年 5 月 24 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会・演習
MC DC PD 教職員
人数:34 名(MC:13、DC:8、PD5、教職員:8)
第 9 回キャリアマネジメントセミナー・講演会
「NEC 中央研究所」
平成 24 年 5 月 15 日
北海道大学 工学部
講演会
MC DC PD 教職員
人数:32 名(MC:25、DC:5、PD2)
第 10 回キャリアマネジメントセミナー・講演会/演習
「ビジネスマナー」
平成 24 年 5 月 17 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会・演習
MC DC PD 教職員
人数:55 名 (MC:29、DC:22、PD:4)
第 11 回キャリアマネジメントセミナー・講演会
「NTT 研究所」
平成 24 年 7 月 18 日
北海道大学 工学部
講演会
MC DC PD 教職員
人数:24 名(MC:14、DC:8、PD2)
48
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 12 回キャリアマネジメントセミナー・講演会/演習
「ビジネスマナー」
平成 25 年 5 月 17 日
北海道大学学術交流会館(札幌市)
講演会・演習
MC DC PD 教職員
人数:77 名(MC:41、DC:22、PD:2、教職員:12)
第 13 回キャリアマネジメントセミナー・講演会
「NEC 中央研究所」
平成 25 年 5 月 31 日
北海道大学 工学部(札幌市)
講演会
MC DC PD 教職員
人数:35 名(MC:28、DC:6、PD:1)
第 14 回キャリアマネジメントセミナー・講演会
「NTT 研究所」
平成 25 年 7 月 17 日
北海道大学 工学部(札幌市)
講演会
MC DC PD 教職員
人数:6 名(DC:5、PD:1)
第 15 回キャリアマネジメントセミナー・講演会
「住友化学」
平成 25 年 8 月 1 日
北海道大学 工学部(札幌市)
講演会
MC DC PD 教職員
人数:57 名(MC:45、DC:11、PD:1)
第 16 回キャリアマネジメントセミナー・演習
「ビジネスプレゼンテーション」
平成 25 年 10 月 16 日
北海道大学 百年記念会館(札幌市)
演習
MC DC PD 教職員
人数:18 名(MC:3、DC:14、PD1)
第 17 回キャリアマネジメントセミナー・講演会
「パロアルト研究所」
平成 25 年 11 月 19 日
北海道大学農学部(札幌市)
シンポジウム・講演会・その他(農学 FD)
MC DC PD 教職員
人数:31 名(MC:2、DC:4、PD:2、教職員:23)
49
キャリアマネジメントセミナー・授業
課題名
平成 21 年マネジメントセミナー
平成 21 年 11 月 26 日、12 月 22 日、
実施日
平成 22 年 2 月 15 日、2 月 25 日
場所
北海道大学 人材育成本部(札幌市)
形式
セミナー
対象者
DC PD
来場者
人数:10 名 (DC:9、PD、1)
課題名
場所
形式
対象者
来場者
平成 22 年キャリアマネジメントセミナー
前期:平成 22 年 5 月 14 日~7 月 30 日、
後期:平成 22 年 10 月 6 日~平成 23 年 1 月 17 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
セミナー
DC PD
人数:31 名 (DC:16、PD:15)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 23 年前期・キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)
平成 23 年 4 月 11 日~8 月 11 日
北海道大学農学部、高等教育大講堂、函館キャンパス
その他(授業)
MC DC PD
人数:200 名 (MC:179、DC:12、PD:9)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 23 年後期・キャリアマネジメントセミナー(単位取得外)
平成 23 年 11 月 7 日~平成 24 年 2 月 6 日(毎週月曜日)
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
その他(授業)
MC DC PD
人数:10 名 (DC:5、PD:5)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 24 年前期・キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)
平成 24 年 4 月 9 日~平成 24 年 7 月 30 日(毎週月曜日)
北海道大学 農学部、工学部、函館キャンパス
その他(授業)
MC DC PD
人数:328 名 (内訳 MC:324、DC:4)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 24 年後期・キャリアマネジメントセミナー(単位取得外)
平成 24 年 10 月 7 日~12 月 17 日(毎週月曜日)
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
その他(授業)
MC DC PD
人数:11 名 (内訳 MC:1、DC:7、PD3)
実施日
50
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 25 年 キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)
平成 25 年 4 月 8 日~7 月 31 日
北海道大学 工学部
その他(授業)
MC DC PD
人数:311 名 (MC:296、DC:12、PD:3)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 22 年 北見工業大学出前授業
平成 22 年 8 月 10 日~8 月 11 日
北見工業大学(北見市)
その他(授業)
MC DC PD
人数:6 名 (MC:4、DC:2)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 23 年 北見工業大学出前授業
平成 23 年 8 月 17 日~18 日
北見工業大学(北見市)
その他(授業)
MC DC PD
人数:6 名 (MC:5、DC:1)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 24 年・北見工業大学出前授業
平成 24 年 8 月 10 日
北見工業大学(北見市)
その他(授業)
MC DC PD
人数:5 名 (MC:1、DC:3、PD:1)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 25 年・北見工業大学出前授業
平成 25 年 9 月 30 日
北見工業大学(北見市)
その他(授業)
MC DC PD
人数:4 名 (DC:3、PD:1)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 22 年・函館キャンパス出前授業
平成 22 年 9 月 14 日
北海道大学 函館キャンパス(函館市)
その他(授業)
MC DC PD
人数:3 名 (DC:3)
51
・体験報告会
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 1 回体験報告会
平成 22 年 5 月 27 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会・その他(体験報告会)
MC DC PD 教職員 企業
人数:約 30 名
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 2 回体験報告会(HoP-Station シンポジウム)
平成 22 年 2 月 16 日
北海道大学 農学部(札幌市)
講演会・その他(体験報告会)
MC DC PD 教職員 企業
人数:約 90 名
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 3 回体験報告会
平成 23 年 6 月 8 日
北海道大学 函館キャンパス(函館市)
講演会・その他(体験報告会)
MC DC PD 教職員 企業
人数:名
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 4 回体験報告会
平成 24 年 3 月 23 日
北海道大学 農学部(札幌市)
講演会・その他(体験報告会)
MC DC PD 教職員 企業
人数:約 44 名
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 5 回体験報告会
平成 24 年 4 月 4 日
北海道大学 函館キャンパス(函館市)
講演会・その他(体験報告会)
MC DC PD 教職員 企業
人数:約 20 名
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 6 回体験報告会(ミニシンポジウム共同開催)
平成 24 年 11 月 26 日
北海道大学 農学部(札幌市)
講演会・その他(体験報告会)
MC DC PD 教職員 企業
人数:約 30 名
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 7 回体験報告会
平成 25 年 3 月 8 日
北海道大学 農学部(札幌市)
講演会・その他(体験報告会)
MC DC PD 教職員 企業
人数:約 30 名
52
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 8 回体験報告会
平成 25 年 6 月 28 日
北見工業大学(北見市)
講演会・その他(体験報告会)
MC DC PD 教職員 企業 4
人数:5 名 (DC:3、PD:2、教職員:2)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 9 回体験報告会(SynFOSTER2014 第 2 部)
平成 26 年 1 月 30 日
北海道大学 学術交流会館(札幌市)
講演会・その他(体験報告会)
MC DC PD 教職員 企業
人数:134 名 (学生:5、教職員:99、学外者:30)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
第 10 回体験報告会
平成 26 年 3 月
北海道大学 人材育成本部(札幌市)
講演会・その他(体験報告会)
教職員
人数:11 名 (教職員:11 名)
・プレゼンテーション演習(「赤い糸会」&「緑の会」対応)
課題名
平成 23 年度 第 1 回プレゼンテーション演習
実施日
平成 23 年 8 月 24 日
場所
北海道大学 クラーク会館(札幌市)
形式
その他(演習)
対象者
DC PD
来場者
人数:15 名 (DC:11、PD:4)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 23 年度 第 2 回プレゼンテーション演習
平成 23 年 11 月 9 日
北海道大学 農学部(札幌市)
その他(演習)
DC PD
人数:7 名 (DC:6、PD:1)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
平成 23 年度 第 3 回プレゼンテーション演習
平成 24 年 2 月 13 日
北海道大学 農学部(札幌市)
その他(演習)
DC PD
人数:15
名 (DC:12、PD:3)
来場者
53
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 24 年度 第 1 回プレゼンテーション演習
平成 24 年 8 月 23 日
北海道大学 農学部(札幌市)
その他(演習)
DC PD
人数:13 名 (DC:13)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 24 年度 第 2 回プレゼンテーション演習
平成 24 年 11 月 20 日
北海道大学 農学部(札幌市)
その他(演習)
DC PD
人数:6 名 (DC:6)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 24 年度 第 3 回プレゼンテーション演習
平成 25 年 2 月 4 日
北海道大学 農学部(札幌市)
その他(演習)
DC PD
人数:13 名 (DC:11、PD:2)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 25 年度 第 1 回プレゼンテーション演習
平成 25 年 8 月 21 日
北海道大学 百年記念会館
その他(演習)
DC PD
人数:13 名 (DC:12、PD:1)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 25 年度 第 2 回プレゼンテーション演習
平成 25 年 11 月 8 日
北海道大学 農学部(札幌市)
その他(演習)
DC PD
人数:13 名 (DC:13)
課題名
実施日
場所
形式
対象者
来場者
平成 25 年度 第 3 回プレゼンテーション演習
平成 26 年 2 月 7 日
北海道大学 農学部(札幌市)
その他(演習)
DC PD
人数:7 名 (DC:7)
54
表 3.報道回数
回数
平成 22 年度
2
平成 25 年度
1
主な掲載紙等
毎日新聞(9 月 30 日)北大が企業への橋渡し 「緑の会」の取材
NHK-TV(12 月)「緑の会」の模様とそれに参加したポスドクの様
子を放映
北海道新聞(5 月 4 日) 院生就職 手厚い支援 企業と定期会
合(ミスマッチ防ぐ)「緑の会」の取材
表 4.センター構築
平成 21 年 平成 22 年 平成 23 年 平成 24 年 平成 25 年
度
度
度
度
度
センター名称:
センター教員数(専任)
センター教員数(兼任)
センター事務員数(専任)
センター事務員数(兼任)
センター雇用外部協力者
その他
3
1
4
1
1
0
3
1
4
1
1
0
3
1
6
1
0
0
3
1
6
1
0
0
3
1
7
1
0
0
表5.養成者数の推移
養成目標者数
応募者数
養成開始者数
長期取組開始者数
うち海外への派遣
養成修了者数
企業等への就職者数
合計
DC
PD
合計
DC
PD
合計
DC
PD
合計
DC
PD
合計
DC
PD
合計
DC
PD
合計
DC
PD
平成 21 年 平成 22 年 平成 23 年 平成 24 年 平成 25 年
度
度
度
度
度
0
15
15
15
15
0
10
10
10
10
0
5
5
5
5
12
34
20
20
29
8
21
16
9
20
4
13
4
11
9
3
21
21
16
25
2
12
9
8
19
1
9
12
8
6
3
14
15
10
16
2
8
5
5
12
1
6
10
5
4
2
1
1
0
2
2
1
0
0
1
0
0
1
0
1
3
14
15
10
16
2
8
5
5
12
1
6
10
5
4
3
13
13
10
7
2
7
4
5
3
1
6
9
5
4
55
表6.養成修了者の進路
国内民間企業
合計
DC
PD
合計
DC
PD
合計
DC
PD
合計
DC
PD
合計
DC
PD
合計
DC
PD
合計
DC
PD
国外民間企業
国内大学
・公的研究機関
国外大学
・公的研究機関
その他公的機関
進学・ポスドク
未定
平成 21 年 平成 22 年 平成 23 年 平成 24 年 平成 25 年
度
度
度
度
度
2
10
12
7
7
1
4
3
3
3
1
6
9
4
4
0
0
0
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
1
2
1
0
0
1
2
1
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
1
0
0
0
1
0
0
0
0
1
1
0
0
1
0
1
9
0
1
0
1
9
0
0
0
0
0
表7.養成者の属性情報
a.性別
PD
DC
合計
男性
19
25
44
女性
7
7
14
b.国籍
PD
DC
合計
日本人
18
28
46
留学生
7
5
12
c.前所属
PD
DC
合計
自機関
24
30
54
他機関
1
3
4
56
表8.連携機関数及び長期取組受入企業等数
連携機関数※
国内大学
国内民間企業
国内独立行政法人等の研究開発法人
国内その他機関
海外大学
海外民間企業
海外独立行政法人等の研究開発法人
海外その他機関
長期取組受入企業等数※※
平成 21
年度
平成 22
年度
平成 23
年度
平成 24
年度
平成 25
年度
3
3
3
3
3
338
370
28
97
271
1
1
0
0
0
1
1
0
0
1
1
1
0
0
0
9
9
1
3
8
0
0
0
0
0
5
5
0
0
3
※当該年度の末時点に連携関係にあった機関数
平成 21 平成 22 平成 23 平成 24 平成 25
年度
年度
年度
年度
年度
国内大学(原則、発生しない)
国内民間企業
国内独立行政法人等の研究開発法人
国内その他機関
海外大学
海外民間企業
海外独立行政法人等の研究開発法人
海外その他機関
0
2
0
0
0
1
0
0
0
14
0
0
0
3
0
0
0
22
0
1
0
4
0
0
0
27
0
3
0
4
0
0
0
30
0
3
0
5
0
0
※※累積
表 9. 事業の取組から単位化されたカリキュラム等
講座名
講座の概要※
大学院共通授業科目(2 単位)
キャリアマネジメントセミナー 大学院理工系専門基礎科目(2 単位)
(MOT 関連)
生命科学院選択科目(2 単位)
座学 15 コマ
農学院選択必修科目(2 単位)
バイオ産業創成学
座学 15 コマ
大学院共通授業科目(1 単位)
博士研究者のキャリア開発研
大学院理工系専門基礎科目(1 単位)
究-赤い糸会&緑の会-
企業 15 社 30 名と DC/PD30 名のマッチング
大学院共通授業科目(2 単位)
博士力実践インターンシップ
大学院理工系専門基礎科目(2 単位)
国内外の企業におけるインターンシップ
57
単位化年度
平成 23 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 23 年度
平成 23 年度
平成 23 年度
表 10. インターンシップ受入れ機関名
受入機関名
業種
国籍
(受入機関の
本拠地の国名)
受入
人数
初受入
年度
MERL(三菱電機)
StarFighters
帝人
Pioneer DuPont
アルファ水工コンサルタンツ
セラバリューズ
ダイナックス
リバネス
塩野義製薬
高研
新日本製鐵
大林組
日生バイオ
日本データーサービス
日立ビアメカニクス
日立プラントテクノロジー
北海道システム・サイエンス
Bejo.Zaden.
きたみらい農協
クラシエ製薬
ニッピ
パナソニック
マルハニチロホールディングス
栗山町農業振興公社
阪大微生物病研究会
三井化学
日本アレフ
KDDI 研究所
アミノアップ化学
オエノン HD・ゲノフ
サントリービジネスエキスパート
東急建設
日本電気(NEC)
日立製作所
Nemgenix Pty
みずほ第一フィナンシャルテクノロジー
医学生物学研究所
東レ
電気機器
宇宙ベンチャー
化学素材
種苗
建設コンサルタント
先端バイオベンチャー
自動車
人材育成
医薬品
医療機器
鉄鋼
建設
食品
環境コンサルタント
機械
工業設備機器
研究開発支援
種苗
農業団体
化学工業
食品素材
電気機器
食品
農業団体
医薬品
化学
電子機器
情報通信
食品
医療品
食品
建設
情報通信
電気機器
農業バイオ
金融
医薬品
化学素材
日本
アメリカ
日本
アメリカ
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
オランダ
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
日本
オーストラリア
日本
日本
日本
1
1
4
1
1
2
1
3
1
1
3
1
3
1
1
1
1
2
1
2
1
3
2
1
1
1
2
1
1
1
1
2
4
2
1
1
1
1
平成 21 年度
平成 21 年度
平成 21 年度
平成 22 年度
平成 22 年度
平成 22 年度
平成 22 年度
平成 22 年度
平成 22 年度
平成 22 年度
平成 22 年度
平成 22 年度
平成 22 年度
平成 22 年度
平成 22 年度
平成 22 年度
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 23 年度
平成 23 年度
平成 23 年度
平成 23 年度
平成 23 年度
平成 23 年度
平成 23 年度
平成 23 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 24 年度
平成 24 年度
平成 24 年度
平成 24 年度
平成 24 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 25 年度
平成 25 年度
平成 25 年度
58
表 11. Hi-System 登録企業数・登録者数の変遷
平成 21 年度
登録企業数
登録者数
MC
DC
PD
平成 22 年度
28 社
35 名
―*
18 名
17 名
平成 23 年度
農学院
生命科学院
理学院
総合化学院
工学院
環境科学院
情報科学研究科
水産科学院
保健科学院
医学研究科
薬学研究院
獣医学研究科
歯学研究科
その他
計
男
女
(人) (人)
151
122
105
98
68
48
54
29
11
12
8
7
1
24
738
総計
(人)
%
71
222 21
68
190 18
32
137 13
28
126 12
13
81
8
21
69
7
5
59
6
12
41
4
11
22
2
8
20
2
4
12
1
5
12
1
5
6
1
12
36
3
295 1,033 100
表13. 北海道大学全博士課程修了者の就職率の変化
年度
平成19年5月
平成20年5月
平成21年5月
平成22年5月
平成23年5月
平成24年5月
平成25年5月
平成 25 年度
97 社
143 社
338 社
370 社
78 名
652 名
―**
1,033 名
―*
261 名
―**
711 名
39 名
241 名
―**
286 名
39 名
―**
―**
36 名
(* 登録対象外 ** 重複カウントがあり不正確)
表 12. Hi-System 登録者数の内訳(平成 25 年度末)
大学院部局
平成 24 年度
博士課程
修了者数
486名
525名
503名
524名
540名
484名
558名
就職者数
就職率
233名
295名
266名
274名
293名
275名
361名
48%
56%
53%
52%
54%
57%
65%
59
表 14. キャリアマネジメントセミナー(MOT 関連)の受講者推移
年度
平成21年度
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
受講者数
計
MC
10名
―*
40名
―*
172名 157名 (10%)
286名 259名 (16%)
268名 235名 (15%)
* MC は対象とせず
表 15. 緑の会への参加者
第 1 回
第 2 回
第 3 回
第 4 回
第 5 回
第 6 回
第 7 回
第 8 回
第 9 回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
総 計
開催日
平成 21 年 9 月 16 日
平成 21 年 12 月 15 日
平成 22 年 10 月 12 日
平成 22 年 12 月 12 日
平成 23 年 2 月 21 日
平成 23 年 9 月 2 日
平成 23 年 11 月 18 日
平成 24 年 2 月 20 日
平成 24 年 9 月 3 日
平成 24 年 11 月 30 日
平成 24 年 2 月 14 日
平成 25 年 9 月 2 日
平成 25 年 11 月 18 日
平成 26 年 2 月 19 日
-
場所
札幌
札幌
札幌
札幌
東京
札幌
札幌
東京
札幌
札幌
東京
札幌
札幌
東京
-
DC
23 名
25 名
15 名
14 名
19 名
20 名
27 名
29 名
28 名
29 名
30 名
29 名
33 名
31 名
352 名
PD*
3名
6名
5名
3名
6名
6名
6名
4名
5名
2名
3名
4名
3名
1名
57 名
企業
13 社(21 名)
15 社(26 名)
13 社(23 名)
13 社(24 名)
14 社(29 名)
14 社(26 名)
15 社(31 名)
16 社(31 名)
16 社(33 名)
15 社(31 名)
14 社(28 名)
15 社(29 名)
15 社(25 名)
15 社(28 名)
203 社(385 名)
*助教を含む
表16. 平成21年度~平成25年度 博士取得者のインターンシップ後の就職*(率)
企業就職**
博士学位
取得者*
DC
21 名
PD
26 名
博士総数
47 名
学生
(在学生)
11 名
内、インターンシップ
先へ就職
14/21 名
(66%)
25/26 名
(96%)
39/47 名
(83%)
7/21 名 (33%)
17/26 名 (65%)
24/47 名 (51%)
*
大学就職
PD・未定
5/21 名
(24%)
0/26 名
(0%)
5/47 名
(11%)
2/21 名
(10%)
1/26 名
(4%)
3/47 名
(6%)
内定者含む
60
**
公務員含む
表 17. 育成対象者が就職後 HoP-Station イベントへ企業人として参加した実績
年度
授業
マッチング
幕見の会
平成 21 年度
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
―
―
―
―
―
2
―
―
―
2
2
*
―
―
―
―
1
*
シンポジウム シンポジウム
(学内)
(学外)
―
―
―
―
―
2
―
3
1
*
*
*平成 26 年 5 月時点で未実施
表18. インターンシップ参加者数
DC
PD
計
平成21年度
2名
1名
3名
平成22年度
8名
6名
14名
平成23年度
5名
10名
15名
平成24年度
5名
5名
10名
平成25年度
12名
4名
16名
計
32名
26名
58名
表 19. プロジェクト終了後の予算
総長経費
Hi-System
S-cubic
I-HoP
総計
平成 26 年
計(百万円)
人件費
諸経費
10.0
5.2
4.8
25.8
7.5
18.4
43.0
33.8
9.2
30.0
16.0
14.0
108.8 (HoP-Station 継続 25.8)
図 1. 組織
61
平成 27 年(申請予定額)
計(百万円)
人件費
諸経費
8.6
3.8
4.8
35.0
7.5
27.5
70.3
44.7
25.6
30.0
16.0
14.0
143.9 (HoP-Station 継続 27.4)
図 2.
2 つのスキルのバランス
図3. プログラムの全体像
図4. 緑の会ならではのマッチング
62
図5. 育成対象者の構成
図6. インターンシップ受入れ企業の分析
図7. 人材育成本部の教育内容(平成25年度末)
63
図8. 平成25年度キャリアマネジメントセミナー
図9. 緑の会の3部構成
図10. イノベーション人材育成のエコシステム
64
図11. 大学院生キャリアパスポート
図 12. インターンシップ生の記録
65
資料 1. インターンシップ事業に関する覚書(案)
66
資料 2. 誓約書(案)
67
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