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京都からこころの創生・日本の創生

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京都からこころの創生・日本の創生
平成 27 年度京都市IR
年度京都市IR説明会
IR説明会
講演録
講演録
京都市IR説明会
「京都からこころの創生・日本の創生」
~京都ならではの「地域力」「市民力」を生かした挑戦~
京都市長
門川大作
(平成 27 年 11 月 13 日
大手町ファーストスクエア)
(ご挨拶)
挨拶)
京都市長の門川大作です。ようこそお集まりいただきましてありがとうございます。
「まち・ひと・しごと創生法」が制定され、東京一極集中と人口減少社会を克服しなければ日
本の未来はないということで,さまざまな取組みが始まりました。京都市では、こころの創生、
日本の心を取り戻そう、再認識しようということで、
「まち・ひと・しごと・こころ京都創生」
という新たな挑戦を始めています。それを中心にお話したいと思います。
(1 ページ:
)
ページ:「日本
「日本に
日本に、京都があってよかった
京都があってよかった。
があってよかった。」
「日本に、京都があってよかった。」
、京都の魅力を発信するために使っているフレーズであり
ます。似たフレーズに、JR東海さんの「そうだ
京都、行こう。」がございます。この 2 つの
フレーズには,共通した特徴があります。何の説明もない。それでいて、
「何で?」とか「何し
に?」という疑問を聞いたことがありません。クレームがない。しかし、正確には一度だけクレ
ームがありました。姉妹都市交流でボストンに行ったとき、ボストンのピーター・グリーリさん
というジャパン・ソサエティーの理事長が「門川市長、遠慮するな。
『世界に、京都があってよ
かった』と言え」と。クレームはこの 1 回だけでした。そんな京都であります。その京都の魅
力を、1000 年の歴史を実感しながら、未来に向かって駆け回ってきました。
(2 ページ:
ページ:京都市の
京都市の都市特性)
都市特性)
「世界歴史都市連盟」というものがあります。108 の歴史都市が加盟しております。30 年近
く、京都市長が会長を務めております。世界に歴史都市がたくさんあるのですけど、人口 100
万を超える規模の都市で、1000 年を超えて、都市の営み、文化が一度も遮断されていない、継
承されている、発展している、こんな都市はきわめて珍しい。いや、京都だけだ,このように言
われます。パリもロンドンも、そういう意味では新しい都市。西安は古い都市ですけど、まちは
どんどん変わってしまっております。継承されている、京都はこういう都市であります。プリン
ス・プリンセスの結婚のときの衣装が 1000 年間変わらない、これは日本だけである。装束と十
二単。これは日本の特徴であります。この象徴が日本である、京都である。
何が 1000 年間続いているのか。ものづくりと、そして、それの根底にある精神文化である。
このように思います。その背景は、自然との共生の思想であったり、宗教的な情操である。この
ように言われています。これをしっかりと大事にしていきたい。このように思っています。
「こ
ころの創生」そのものであります。
今日も朝から一番の新幹線で来まして、各省庁や国会議員を回ってきました。
「文化庁を京都
に」
、オール京都で取組んでいます。石破大臣にも「頑張ろう」ということをおっしゃっていた
だいています。石破大臣が「平副大臣と小泉政務官を京都に派遣するから、じっくり相談してく
れ」と。こういうことが夏にありました。
たまたまこんなことがありました。副大臣、政務官が「門川市長、いつも着物ですね」
、この
ように言いました。そのとおりです。ただ、ちょっと誤解されていることがあるんです。
「京都
のPRですか?」、こういうのがある。そのときは、着物は新潟の小千谷縮でした。私、よく言
うんですけど、袴は仙台平、きょうのこれは西陣です。大島も結城も大好きです。そういうよう
に、京都の文化、それを支える伝統産業。これは日本の津々浦々の地場産業です。和食は京都が
本場です。でも、昆布も鰹節もできません。にしんそば大好き。でも、にしんは獲れません。
全国津々浦々の原産地があって、地場産業があって、匠の技があって、そして、京都に象徴さ
れる文化と伝統産業がある。全部厳しい、深刻な危機であります。京都の西陣織ですら最盛期の
7.8%。京友禅に至っては 2.7%です。今、ちょっといい着物買っておいてもらったら、20 年後、
文化財になります。というのは、担い手がもう 60 代、70 代、80 代。世界で評価されている日
本の文化、それを支える伝統産業が危機的状況である。
なぜか。東京一極集中と経済優先、効率化優先、そんな価値観のもとに日本が動いている。こ
れも否定されることではない。しかし、文化は東京からちょっと距離を置いて、そして 1000 年
を超えて、ものづくりと物語づくりが融合しながら新たな創造力を発揮してきた京都に置いたほ
うがいいんじゃないですか。京都のものづくり、京都の文化は全国津々浦々とつながっています。
同時に世界とつながっています。過去とつながっています。未来をつないでいこう。こういう取
組みをしています。ご理解いただきたいなと思います。
(3 ページ
ページ:京都市基本構想~
京都市基本構想~市民の
市民の生き方、得意わざを
得意わざを生
かす~)
わざを生かす~)
さて、そんな京都もたびたび危機が訪れました。明治維新で都の地位を失った。今は人口急減
社会。日本人が経験したことのない人口減少である。そのとおりであります。しかし、京都は経
験している。明治維新のときに都の地位を失って、人口は 33 万人から 20 万人余りに、一気に 3
分の 2 まで減っている。もう京都はだめではないか。キツネやタヌキの棲み処になるんじゃな
いか。こんなことを言われたときに、「まちづくりは人づくりだ」ということで、まだ身分差別
の厳しい時代に、京都の先人たちは、地域の子どもを地域の宝として育てようと、みんなでお金
を出し合って、文部省もないときに、64 校の学校をつくった。こういうように、京都には歴史
から学ぶことがいっぱいある。今、全国で、子育てを大事にしよう、子どもを育む環境をつくろ
う。こんなことを言われております。
また危機が訪れました。バブル経済の破綻であります。日本中の危機であります。京都は深刻
な危機でありました。右上に書いてあるのですが、2001 年から 25 年のグランドビジョン。バ
ブル経済がはじけたときに、あらゆる議論をつくして、京都は基本構想をつくりました。そのと
きの京都の状況が書かれています。
「産業や観光の伸び悩み」
「工場や大学の市外流出」
「文化の
創造力と発信力の低下」
「都心の空洞化」
「風情ある街並みの消失」
、これが 15 年前の京都であ
ります。隔世の感があると思っていただけるかなと思うんですけど。観光でも地獄を見た。高台
寺の住職がおっしゃっていた,
「七十数件、お土産屋さんと飲食店があった。半分が閉まってい
た」
。これが 20 年余り前の京都観光の状況でありました。
さて、どうするんだ。京都市基本構想で、第 1 章の冒頭に「京都市民の生き方」というのを
掲げています。大体の都市の基本構想の第 1 章は、インフラをどうするか、産業政策をどうす
るか、これが普通であります。京都は、1000 年を超えて日本人が、京都人が大事にしてきた生
き方をもう一度再認識しよう。生き方と言っても抽象的になります。どんなことが京都市民の生
き方の得意わざだったのかということで、6 つ挙げました。たとえば、
「本物を見抜く批評眼(め
きき)」
「ものづくりの精緻な技巧(たくみ)」
「何ごとも極限にまで研ぎ澄ます(きわめ)
」
「冒険
的な進取の精神(こころみ)」「来訪者を温かく迎える心(もてなし)」
、そして、
「もったいない
(しまつ)」
。この 6 つを大事にしよう。私は、その背景に自然との共生、あるいは宗教的情操
もあったと思います。この 6 つを具体的な政策に落とし込もう。これが京都であります。
日本中が規制緩和の大合唱でした。どんどんと高層ビルを建てていく。それで何とか不況を打
開しよう、こういうことでありました。京都は小さな東京にならない。この覚悟を決めて、さま
ざまな取組みが始まりました。
(5 ページ:
ページ:市民ぐるみで
市民ぐるみで環境
ぐるみで環境にやさしい
環境にやさしい循環型社会
にやさしい循環型社会の
循環型社会の構築)
構築)
「もったいない(しまつ)」
。ごみの減量を徹底的に取り組もう。ごみはピーク時から 43%減
り、ごみ処理のためのコストは年間 106 億円カットできました。清掃工場は 5 つが3つになり
ました。そして、1 日1人当たりの家庭ごみ量が政令指定都市で一番少ない都市になりました。
(6 ページ:
ページ:市民のいのちと
市民のいのちと暮
らしを守るまちづくり)
るまちづくり)
のいのちと暮らしを守
子育て環境を日本一にしよう。子どもさえしっかりと育てれば、未来は明るい。昨年は、保育
所等定員 555 人、過去最高の定員拡大をしました。今年はその倍の 1,112 人、保育所等定員を
増やし、待機児童を 2 年連続ゼロにしました。数だけでない。保育の質を高めようということ
で、独自に基準をつくって保育士を配置する。さらに、保育士の年収を保障するために、民間保
育所に独自の支援金を出す。全国の保育士の年収 309 万円に対して、京都市は 436 万円。保育
士にいい人材を集めなければどうするんだ。
学校教育です。私は 8 年前まで教育長でしたが、小学校の学力比較は全国トップ水準の 10 番
以内でしたが,中学校になって 40 番に落ちる。「中学校は学力が落ちる」と言われていました
けど、これは事実でないんですね。京都は私学の発祥の地であります。私学の聖地であります。
小学校で 1 割が私学に行く。中学校になると、もう 1 割が私学に行く。こういう土地柄であり
ます。
なぜか。例えば、灘高校という高校があります。すばらしい学校ですね。あれは灘のお酒屋さ
んが資本なんです。大きな資本、大きな母体がなかったら、私学は運営できない。京都はお寺の
本山がある。大学がある。そこが私立の小学校、中学校をどんどん作る。こういうことで、もの
すごく私学が多い。良い悪いは別にしまして、近所の府県が囲い込みをされる。それで、京都市
民がどんどん私学に行きやすくなっている。これはまた良い面でもあります。したがって、中学
校になると 40 番に落ちる。
ところが、京都市の学校の先生は偉いと思います。私学に学力のある人が行ったから学力が低
いとは、絶対に言わない。来た子どもの学力を保証するのが我々の責務である。今年どうなった
か。小学校は 7 番、中学校は 12 番。新聞に出ていますね。あれは公立の学校だけの比較なんで
す。国立の附属も外してある。文科省は、本当は入れて比較すべきなんですけどね。ちょっとそ
の辺は置いておきまして。したがって、私学も含めたときに、中学校の学力 12 番というのはど
うなのか。全国トップ水準になると思います。ちなみに隣の府県は 40 番台であります。よそと
比べて喜んだらあかん。こういうことです。
(7 ページ:
ページ:自治・
自治・協同により
協同により自立
京都の福祉力)
福祉力)
により自立を
自立を実現 京都の
生活保護です。リーマンショック以後、全国で増え、今も増え続けています。京都市は、リー
マンショック以後、17.9%増えました。政令市平均は 39.8%。おかげさまで、昨年から 16 年ぶ
りに生活保護は減少に転じました。2 年連続減少しています。こうしたことをしっかりとやって
いこう。ごみ屋敷問題とか、こういうことをやっています。
命を大事にする。動物の殺処分もやめていこう。平成 10 年に犬の殺処分は 726 頭。昨年は 5
頭になりました。日本一の動物愛護センターをつくる。そして、新たなもらい手をつくる。犬猫
の扱い方がどうなっているか、これがその国の国民の道徳観、倫理観、国家の品格をあらわす。
恥ずかしいことであります。飼えなくなったら、保健所に持っていって、どんどん殺処分する。
これを何とか、こんな取組みをしています。
(8 ページ:
ページ:市民生活の
市民生活の安心安全~
安心安全~誰もが笑顔
もが笑顔で
笑顔で安心して
安心して暮
して暮らせるまちへ~)
らせるまちへ~)
安心安全、笑顔のまちにしようということで、犯罪が大きく減ってきています。
(9 ページ:
ページ:災害に
災害に強い安心安全のまちづくり
安心安全のまちづくり~
ソフト、ハード両面
ハード両面の
対策を推進)
推進)
のまちづくり~ソフト、
両面の対策を
震災対策、減災対策。こういうことをやっています。
(10 ページ:
ページ:人と公共交通優先の
公共交通優先の「歩くまち・京都
くまち・京都」
京都」)
人と公共交通優先の「歩くまち・京都」
。四条通の歩道の幅を倍にし、車道の幅を半分にして、
いろんな方から厳しい批判も受けております。しかし、ぶれずにしっかりやっていこう。自動車
分担率は大きく減っています。京都に観光に来られる方、20 年前はマイカーで来られる方が
41.7%。一昨年は 15.1%、昨年は 9.9%。京都は、歩いてこそ京都。こういう取り組みをしっか
りと進めております。
(11 ページ:
ージ:
「新景観政策
「新景観政策」
推進~京都が
京都が誇る山紫水明の
山紫水明の自然風景・
自然風景・風情豊かな
風情豊かな町並
景観を
新景観政策」の推進~
かな町並み
町並み景観を
保全・
保全・継承)
継承)
景観、これはいつも申しておりますけれども、小さな東京にならないということで、建物の高
さ規制等を強化し、この間、徹底して、屋上の看板、パチンコ屋さんやファッションホテルのチ
カチカ光る看板、その数 2 万 5000 件の屋外広告物を撤去していただきました。地元のある銀行
には何億円かかったということでご負担かけていますけど、みんな京都のために頑張ろうという
ことで、京都は一段と美しくなりました。
(12 ページ:
ページ:京都の
京都の宝 京都な
京都ならではの文化
らではの文化と
伝統産業の振興)
振興)
文化と伝統産業の
伝統産業を大事にしよう。
(13 ページ:
ページ:観光と
観光と文化・まちづくりなどあらゆる
文化・まちづくりなどあらゆる分野
・まちづくりなどあらゆる分野を
分野を融合し
融合し、経済を
経済を活性化)
活性化)
観光も、おかげさまで順調であります。
(14 ページ:
ページ:2015 年 Travel+Leisure 誌
ワールドベストシティで京都
ワールドベストシティで京都が
京都が 2 年連続
世界 1 位
に!)
観光の評価。
「Travel+Leisure」誌は世界で最も影響力のある旅行雑誌と言われています。そ
こで 2 年連続世界一という評価をいただきました。ただ、私は、この世界一というのは,余り
うれしがってはならないなと。ランキングというのはアメリカ的発想です。1 つの価値観でラン
クづける。フィレンツェより勝った、ローマより勝った、こんなのではない。我々が大事にした
い価値観は、多様な価値を認め合う。ランキングではない。しかし、世界一美しいまちをつくろ
う、世界一のおもてなしをしよう、市民ぐるみでそういう取り組みをしてきました。
10 年、20 年前、京都にはたばこの吸い殻とか放置自転車がいっぱいありました。京都は毎年、
国内外からの観光客に、京都のどこが良かったですか、どこが悪かったですかというアンケート
をとって、良いところは伸ばそう、悪いところは改善しようという取組みを徹底してやっていま
す。この数年ですけれども、外国人観光客に一番満足度が高いのは、
「街がきれい」
「清潔だ」
、
こういうことになってきました。こういうことは喜び合おう。こんなことであります。
(15 ページ:
ページ:人口減少社会への
人口減少社会への挑戦
への挑戦)
挑戦)
京都に住みたい、京都で子育てしたいという人が増えてきました。赤い線は、10 年前、京都
の人口はどうなるかを推計した予想曲線であります。現時点、10 年経ったら人口は 2.5%減るだ
ろうと想定していましたけど、0.5%の減少に留まりました。なぜか。8 年前、京都市から出て
いく人のほうが 3,589 人多かった。これがこの 1 年で見ますと、京都に入ってくる人のほうが
が 3,250 人多い。
こういうことで、京都は観光にもいい、住むにもいいという評価が高まってきたと思います。
ただ、合計特殊出生率が、なお低い。京都で結婚したい、京都で子どもを産みたい、そんな取組
みを推進したいと思っています。
(16 ページ:
ページ:まち・ひと・しごと・ここと京都創生
まち・ひと・しごと・ここと京都創生」
総合戦略を策定(
策定(27 年 9 月))
京都創生」総合戦略を
まち・ひと・しごと・こころの創生であります。日本人が大事にしてきた心。先祖を敬い、未
来に、子孫に思いをいたす。同時に、今を生きる人間が自然に感謝し、自然と共生し、より良く
生きるために、共に知恵を重ねる。努力し合う。これが京都の、日本の良き伝統であります。そ
の心をもう一度みんなで再認識しよう、こういう取組みを進めてまいりたい、このように感じて
おります。
外国に行きます。また、外国のお客様をお迎えします。その時に、クールジャパンというのは、
よくよく皆さんご存じのとおりであります。京都、いや、日本は格好いい。しかし、それだけで
ない。日本人の暮らしの美学。生き方の哲学。自然との共生の思想。あるいは、
「もったいない」
。
東日本大震災のときの絆。悼む心。そういうものは世界から尊敬を集めています。それを実感し
ます。
今、世界中で争いが絶えない。また、環境破壊、あるいは貧富の格差、さまざまな問題があり
ます。宗教による対立も深刻であります。しかし、京都に伝わる日本の心、日本人の生き方の哲
学、これは世界を救っていく。私はそういうものであると思います。したがって、「日本に、京
都があってよかった。」
、これを「世界に、日本があってよかった。
」、こういうように必ずなる。
世界から尊敬を集める。こんな国に日本をしていく。そのために、みんなで一緒になって、ここ
ろの創生をしていきたい。このように思います。
そして、JR東海さんの「そうだ
京都、行こう。
」を「そうだ
日本、行こう。
」にする。説
明は要らない。
「何で?」
「何をしに?」ということなしに、日本というのは、自然と共生してい
る、人々が助け合っている。そして、自らを律しながら、同時に、精神的に豊かに暮らしている。
そんなまちなんだ。こういうことをしっかりと進めていきたいと思っています。
京都市はさまざまな都市と姉妹都市提携をしております。5 年前、メキシコのグアダラハラ市
という姉妹都市に行ってきました。きれいなまちです。それはいいのですけれども、こんなこと
を言われました。日本人は尊敬されているんですね。トルコの方が日本人を尊敬している。和歌
山で船が難破したときに助けていただいた。そういうことが有名で、それが教科書に載っていま
す。
メキシコで、こんなことを聞きました。ちょうど独立 200 年、そして、革命 100 周年のとき
でした。革命で新政権ができたときに、混乱で家を潰したり、一般国民にいろんな迷惑をかけた。
そのときに、新政権は、移民の方々が補償せよというので、外国から来た人に補償した。国民に
は補償しなかった。そのことが 100 年前の新聞記事に載っています。政府はけしからぬ。外国
人の移民者に補償した。しかし、日本人は「自分たちはメキシコ人になる。メキシコの土になろ
うとして来た。メキシコ人に補償しないものは、我々は返上する」と言って、1 人も新政権から
の補償金を受け取らなかった。こういう日本人だと尊敬された。今の日本人はどうやろう。
「も
らえるもん、もろうとくか」とならへんかなと、若干、心配もありますけどね。そういうように、
多くの先人が尊敬される取り組みを実践してきていただいた。その心を取り戻そう。
結婚すれば、子どもを産めば、あるいはお年寄りの介護がリスクである。こういう議論が一部
にあります。そういうことを超えて、日本人がそれぞれの地域で大事にしてきた、そんな心をも
う一度再生する。そして、次の世代を社会の宝としてしっかりと育んでいく。このことこそが地
方創生ではないかな。皆さんのお知恵をいただきながら取り組んでまいりたいと思います。
財政は,大きく改善してきました。しかし、なお、厳しさは変わりません。徹底した行財政改
革を進めながら、文化で、人々の生き方で京都を元気にし、その元気を全国の元気につないでい
く。こういう取り組みを進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
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